JP2017161088A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低冷媒循環量の場合においても、蒸発器入口の冷媒分流を均一にする。【解決手段】圧縮機3と、凝縮器4と、膨張弁5と、蒸発器2とを順次配管接続してなる冷凍サイクル装置100であって、膨張弁5と蒸発器2との間に分岐管30を設け、冷媒分岐管30は、冷媒を略上下方向に分岐させる複数の分岐部を備え、複数分岐部で下方向に分岐された分岐管を流れる冷媒を蒸発器2に流入させる構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、熱交換器を用いた冷凍サイクル装置に関する。
一般に、冷凍サイクル装置には、熱媒体を高温熱源と熱交換させ、熱媒体を蒸発させる蒸発器と、蒸発器で蒸発させた熱媒体を圧縮する圧縮機と、圧縮機で圧縮された熱媒体を低温熱源と熱交換させ、熱媒体を凝縮させる凝縮器と、凝縮器で凝縮させた熱媒体を膨張させて蒸発器に供給する膨張弁とが備えられている。
この冷凍サイクル装置に用いられる蒸発器では、蒸発器に気相成分の多い熱媒体が供給されると、各伝熱管への流量配分が不均一となり、有効な伝熱面積が低下することから蒸発器の効率が著しく悪化してしまうという課題がある。
具体的には、例えば、伝熱管の管軸方向を水平とした横型の蒸発器においては、下方に配置された伝熱管ではヘッド差の影響を受けて液相成分が多くなり、上方に配置された伝熱管では気相成分が多くなるため、気相成分が多く流れる上方に配置された伝熱管では伝熱性能が悪く、また体積流量が大きくなり冷媒圧力損失が大きくなるため、サイクル性能を低下させることになる。
また、伝熱管の管軸方向を鉛直とした縦型の蒸発器においても、同様の問題が発生する。縦型の蒸発器に気相成分の多い熱媒体が供給されると、気泡により見かけの液位が揺動し、伝熱管入口が熱媒体への浸漬と開放を繰り返すような状態となり、圧損と流量のバランスが崩れ各伝熱管への流量配分が不均一となってしまう。
この課題に対して、特許文献1では、図5に示すように膨張弁55と蒸発器52との間の熱媒体循環ライン56に設けられ、膨張弁55を通過した熱媒体を気相と液相に分離して、液相の熱媒体のみを蒸発器52に供給する気液分離器63と、気液分離器63に一端が接続されると共に、蒸発器52と圧縮機53との間の熱媒体循環ライン56に他端が接続され、気液分離器63にて分離した気相の熱媒体を蒸発器52の出口側にバイパスさせるガスバイパスライン64と、蒸発器52の入口伝熱管9の入口ヘッダ60内に設けられ、複数の伝熱管59の入口直前で熱媒体を膨張させる膨張機構65とを備えた構成により解決できるとしている。
つまり、気液分離器63によって分離された液相成分が多い熱媒体が蒸発器52へ流れ、更に蒸発器52の内部に膨張機構65を設け伝熱管59の入口直前で熱媒体を膨張するように構成したため、伝熱管59の入口直前、即ち熱媒体が配分される直前までは必ず液単相の熱媒体が供給されることとなり、その結果、蒸発器52での各伝熱管59への流量配分を均一化できるとしていた。
特開2013−1018673号公報
しかしながら、特許文献1に示される従来技術のように、気液分離器を用いて熱媒体を気液分離し、分離された液冷媒を熱交換器に流入させる場合、気液分離器の分離方式が遠心分離や衝突分離構造であるため、冷凍サイクル装置が低負荷で運転されている場合(低冷媒循環量)に気液分離性能が低下し、気相冷媒が混在した冷媒が蒸発器へ流れ均等分配が実現できないという課題を有していた。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、冷凍サイクル装置が低負荷で運転されている場合(低冷媒循環量)においても、気液分離性能を向上させ液相冷媒のみを蒸発器へ流入させることで蒸発器での各伝熱管への流量配分を均一化できる冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
本発明の熱交換器は、圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器とを順次配管接続してなる冷凍サイクル装置であって、膨張弁と蒸発器との間に冷媒分岐管を設け、分岐管は、冷媒を略上下方向に分岐させる複数の分岐部を備え、複数分岐部で下方向に分岐された分岐管を流れる冷媒を蒸発器に流入させる構成としたものである。
これによって、慣性の影響よりも比重差による影響が支配的になる低冷媒循環量の場合において、上下方向に分岐する分岐部を複数配設し、比重差の影響を確実に利用できる構成としているため、二相冷媒を液相冷媒と気相冷媒に確実に分離させ、蒸発器へ液相リッチな冷媒が流れるようになる。
本発明に係る冷凍サイクル装置は、低冷媒循環量の場合において、蒸発器での冷媒分流性能向上が図れる。
本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置を示す図 本発明の実施の形態1に係る冷媒分岐管を示す図 本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置を示す図 本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置を示す図 従来技術を示す図
第1の発明は、圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器とを順次配管接続してなる冷凍サイクル装置であって、膨張弁と前記蒸発器との間に分岐管を設け、分岐管は、冷媒を略上下方向に分岐させる複数の分岐部を備え、複数分岐部で下方向に分岐された分岐管を流れる冷媒を蒸発器に流入させる構成とする。
これにより、慣性の影響よりも比重差による影響が支配的になる低冷媒循環量の場合において、上下方向に分岐する分岐部を複数配設し、比重差の影響を確実に利用できる構成としているため、二相冷媒を液相冷媒と気相冷媒に確実に分離させ、蒸発器へ液相リッチな冷媒が流れるようになる。よって、低冷媒循環量の場合において、蒸発器での冷媒分流性能向上が図れる。
第2の発明は、特に、第1の発明の分岐管は、分岐部から、鉛直方向に上下に分岐されていることにより、二相冷媒を液相冷媒と気相冷媒に比重差の影響を確実に利用して分離させることにより、蒸発器へ液相リッチな冷媒が流れるようになり、低冷媒循環量の場合において、蒸発器での性能向上が図れる。
第3の発明は、特に、第1の発明または第2の発明の分岐部で上方向に分岐された分岐管を流れる冷媒を圧縮機の吸入部にインジェクションさせるガスバイパスラインを備えたことにより、気相冷媒が蒸発器を流れずに圧縮機の吸入部へインジェクションされ、蒸発器での冷媒圧力損失が低減して蒸発器性能が向上することと、圧縮機入力が低減できることから、冷凍サイクル全体の性能を向上させることができる。
第4の発明は、特に、第3の発明の圧縮機が二段圧縮機であって、ガスバイパスラインが当該圧縮機の一段目圧縮部の吐出部に接続されていることにより、一段目の圧縮部については、ガスバイパスラインを流れる気相冷媒の循環量分だけ冷媒循環量が低減するため圧縮動力が低減し、二段目の圧縮部については、中温の二段目圧縮部吸入冷媒に低温の気相冷媒が混合することで二段目圧縮部吸入温度が低下するため、同等高圧で比較した場合、圧縮機動力を低減させることができる。
第5の発明は、特に、第3の発明または第4の発明のガスバイパスラインに、開閉弁を備えたことにより、蒸発器が高圧側になる運転の場合に開閉弁を閉じるように制御することで、圧縮機から吐出された冷媒の一部がガスバイパスラインを通って蒸発器をバイパスすることがなくなるため、熱交換器性能の低下や冷凍サイクル性能の低下を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の構成を示す模式図である。
本発明の冷凍サイクル装置100は、熱媒体を高温熱源と熱交換させ、熱媒体を蒸発させる蒸発器2と、蒸発器2で蒸発させた熱媒体を圧縮する圧縮機3と、圧縮機3で圧縮された熱媒体を低温熱源と熱交換させ、熱媒体を凝縮させる凝縮器4と、凝縮器4で凝縮させた熱媒体を膨張させて蒸発器2に供給する膨張弁5と、膨張弁5で低温低圧の二相冷媒に減圧された熱媒体を気相冷媒と液相冷媒に分離する分岐管30と、分岐管30によって分離された冷媒のうち気相リッチな冷媒を圧縮機3の吸入部3Aにインジェクションさせるガスバイパスライン14が備えられている。
蒸発器2としては、所定間隔で並べられた複数のフィンと、複数のフィンを貫通する伝熱管によって構成されたフィンチューブ熱交換器や、互いに平行に配列された複数の偏平管と、偏平管の両端がそれぞれ接合されたヘッダ集合管と、複数の偏平管のうち隣り合う偏平管のそれぞれと接する板状のフィンとを備えた偏平多穴管熱交換器などが挙げられる。
本実施の形態では、偏平多穴管熱交換器の中で、伝熱管9の管軸方向が水平となるように配置した蒸発器2を用いる場合を代表例としているが、伝熱管9の管軸方向が鉛直となるように配置したもの、あるいは、フィンチューブ熱交換器を用いてもよい。
図2は、分岐管30の拡大図である。
気液二相の冷媒がa方向から流入してb方向とc方向へ分岐する構成となっている。ここで、分岐後の配管の向きは水平面に対して垂直であることが望ましい。
次に、b方向に流れる冷媒が、d方向とe方向へ分岐し、c方向に流れる冷媒がf方向とg方向へ分岐する構成となっている。ここで、分岐後の配管の向きは水平面に対して垂直であることが望ましい。そして、d方向とf方向の冷媒を合流させh方向へ流れ、e方向とg方向の冷媒を合流させi方向へ流れる。
次に、分岐管30で気液二相冷媒が液相冷媒と気相冷媒に分離できる仕組みについて説明する。
膨張弁5で低温低圧の二相冷媒に減圧された冷媒がa方向から分岐管30へ流入する。次に、気液二相冷媒は略上下二方向に分岐するように形成された分岐部32でb方向とc方向へ分岐される。この際、分岐管30へ流入した気液二相冷媒は低負荷時の運転を想定しているため、冷媒循環量が小さく慣性力の影響より重力の影響を受けやすくなるため、b方向へは気相リッチな冷媒が流れ、c方向へは液相リッチな冷媒が流れる。
しかし、一度の分岐だけでは液相冷媒と気相冷媒とを確実に分離することは難しいため次の構成にすることによって、液相冷媒と気相冷媒とを確実に分離させることができる。b方向へ分離された冷媒をd方向とe方向へ更に分離し、c方向へ分離された冷媒をf方向とg方向へ更に分離させる。b方向へ分離された気相リッチな冷媒は略上下二方向へ分岐するように形成された分岐部33でd方向とe方向へ分岐される。この際、気液二相冷媒がb方向とc方向に分岐されて更に冷媒循環量が小さくなった状態での分離になるため、慣性力の影響より重力の影響が更に大きくなり、d方向への気相冷媒とe方向への液相冷媒を確実に分離することができる。
また、c方向へ分離された冷媒についても同様のことが言え、分岐部34でf方向とg方向へ分岐され、f方向への気相冷媒とg方向への液相冷媒を確実に分離することができる。そして、d方向へ流れる気相冷媒とf方向へ流れる気相冷媒とを合流させ、e方向へ流れる液相冷媒とg方向へ流れる液相冷媒とを合流させることで、気相冷媒と液相冷媒とに分離することができる。合流後の気相冷媒はh方向へ流れ、ガスバイパスライン14を通って圧縮機3の吸入部3Aへインジェクションされ、合流後の液相冷媒はi方向へ流れ、蒸発器2の入口ヘッダ10へ接続される。よって、蒸発器2の入口ヘッダ10内は、ほぼ液相冷媒で満たされることになるため、各伝熱管9への冷媒分配を均一化することができる。
また、気相冷媒が蒸発器2を流れずに圧縮機3の吸入部3Aへインジェクションさせることにより、蒸発器での冷媒圧力損失が低減して蒸発器性能が向上することと、圧縮機入力が低減できることから、冷凍サイクル全体の性能を向上させることができる。
なお、ガスバイパスライン14の接続箇所が、圧縮機3を二段圧縮機として一段目圧縮部の吐出部(二段目圧縮部の吸入部)であってもよい。図3は、ガスバイパスライン14の接続箇所を、圧縮機3を二段圧縮機として一段目圧縮部の吐出部3B(二段目圧縮部の吸入部)とした、冷凍サイクル装置200を示す図である。なお、この冷凍サイクル装置200において、上述した冷凍サイクル装置100と同様の構成については、図中に同一の符号を付し、その説明を省略する。
この場合、一段目の圧縮部については、ガスバイパスライン14を流れる気相冷媒の循環量分だけ冷媒循環量が低減するため圧縮動力が低減し、二段目の圧縮部については、中温の二段目圧縮部吸入冷媒に低温の気相冷媒が混合することで二段目圧縮部吸入温度が低下するため、同等高圧で比較した場合、圧縮機動力を低減させることができる。
なお、ガスバイパスライン14に開閉弁31を設けた構成であっても良い。
図4は、ガスバイパスライン14に開閉弁31を設けた冷凍サイクル装置300を示す図である。なお、この冷凍サイクル装置300において、上述した冷凍サイクル装置100と同様の構成については、図中に同一の符号を付し、その説明を省略する。
本発明は、気液二相冷媒の分配均一化を目的として、分岐管30には気液二相冷媒が流れることを前提としているが、図1の冷凍サイクル装置100を空気調和機として用いる場合、冷房と暖房の両方の運転を行うため、蒸発器2が凝縮器になって、凝縮器4が蒸発器になる場合もある。その場合、冷凍サイクル装置100の構成だと、圧縮機3から吐出された冷媒の一部は、ガスバイパスライン14を通って蒸発器2をバイパスしてしまい、熱交換器性能の低下や冷凍サイクル性能の低下を招く。よって、開閉弁31をガスバイパスライン14に設け、蒸発器2が高圧側になる運転の場合に開閉弁31を閉じるように制御する。
これにより、圧縮機3から吐出された冷媒の一部がガスバイパスライン14を通って蒸発器2をバイパスすることがなくなるため、熱交換器性能の低下や冷凍サイクル性能の低下を防止することができる。以上により、低冷媒循環量の場合においても、蒸発器入口の冷媒分流が均一となり、熱交換器性能の向上、冷媒圧力損失の低減、圧縮動力の低減が図ることができるため冷凍サイクル装置の性能を向上させることができる。
また、本発明の構成とすることで、気液分離器などの部品を用いずに気液分離できるため、低コスト、軽量化、小型化が図れる。
なお、図1〜図4においては、分岐管30の分岐数が2回としているが、2回以上の複数回であっても良い。この場合、分岐管30が枝分かれしていくにつれて各分岐部の冷媒循環量が小さくなり、慣性力の影響より重力の影響を更に受けやすくなるため、より確実に気相冷媒と液相冷媒を分離することができる。なお、二方向に分岐する場合、ほぼ上下方向に分岐するとしたが、ほぼ上下方向でなく多少の傾斜があったとしても同様の効果が得られる。
本発明に係る冷凍サイクル装置は、空気調和装置、給湯装置、暖房装置などに用いられるヒートポンプ装置に有用である。
2 蒸発器
3 圧縮機
4 凝縮器
5 膨張弁
30 分岐管
100 冷凍サイクル装置

Claims (5)

  1. 圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器とを順次配管接続してなる冷凍サイクル装置であって、
    前記膨張弁と前記蒸発器との間に分岐管を設け、
    前記分岐管は、
    冷媒を略上下方向に分岐させる複数の分岐部を備え、
    複数の前記分岐部で下方向に分岐された分岐管を流れる冷媒を前記蒸発器に流入させることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 前記分岐管は、前記分岐部から、鉛直方向に上下に分岐されていることを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記分岐部で上方向に分岐された前記分岐管を流れる冷媒を前記圧縮機の吸入部にインジェクションさせるガスバイパスラインを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記圧縮機が二段圧縮機であって、前記ガスバイパスラインが当該圧縮機の一段目圧縮部の吐出部に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記ガスバイパスラインに、開閉弁を備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載の冷凍サイクル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023008103A1 (ja) * 2021-07-26 2023-02-02 株式会社豊田自動織機 電池冷却システム

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