JP2017160316A - 炭素繊維複合材料およびその製造方法 - Google Patents

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Kazuhiko Tomioka
和彦 冨岡
是高 芹沢
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是高 芹沢
義美 小針
Yoshimi Kobari
義美 小針
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Abstract

【課題】 結晶性熱可塑性樹脂および炭素繊維からなり、力学特性および加工容易性に優れ押出成形に好適な炭素繊維複合材料を提供する。【解決手段】 炭素繊維複合材料全体の重量を100重量%としたとき、炭素繊維を5%〜40重量%含有し、かつ、炭素繊維全体の重量を100重量%としたとき、1重量%〜50重量%の結晶化遅延剤を含有する炭素繊維複合材料であって、炭素繊維複合材料には、少なくとも2種類の結晶性熱可塑性樹脂を含有し、第1の結晶性熱可塑性樹脂の粘度が、第2の結晶性熱可塑性樹脂の粘度の5〜50倍である炭素繊維複合材料。【選択図】なし

Description

本発明は、炭素繊維複合材料およびその製造方法に関する。本発明は、特に、力学特性の向上が図られ、後加工が容易であり押出成形に好適な炭素繊維複合材料およびその製造方法に関する。
従来、炭素繊維に液状の熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグを準備し、これを高温高圧化でオートクレーブ処理することで、炭素繊維複合材料を得ていた。しかしながら、この方法では、プリプレグを低温下で保管するための低温設備や、オートクレーブのための高温設備などの高価な設備が必要となり、これらの設備を有することが大きな負担となっていた。
そこで、従来の熱硬化性樹脂の代わりに取り扱いやすい熱可塑性樹脂を用いる方法として、特許文献1には、連続した炭素繊維束のまわりに熱可塑性樹脂が被覆されてなる成形用材料で、成形材料が50mm以下に切断されているものが開示されている。このような構成において、炭素繊維と樹脂との密着性を高めるためには、低粘度の熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
しかしながら、低粘度樹脂は、金型内への樹脂の充填により成形を行う射出成形には適しているものの、溶融した樹脂を押出機からダイスへ流し込むことにより成形を行う押出成形においては、成形品の形状が安定せず、切削性や力学特性が不足しがちになるという問題を有しており、高粘度の熱可塑性樹脂を併用する方法が模索されていた。
そこで、高粘度の熱可塑性樹脂を用いる方法として、特許文献2には、炭素繊維の束を低粘度の熱可塑性樹脂で被覆した後、さらに高粘度の熱可塑性樹脂で被覆するペレットの製造方法が開示されている。
しかしながら、この方法で得られたペレットを押出成形に用いる場合、低粘度の熱可塑性樹脂と高粘度の熱可塑性樹脂が完全に分離しており、樹脂内における炭素繊維の分散が不十分となるため、成形時または成形後にクラックやボイドが発生することが多く、製品として利用することは難しかった。
そこで、特許文献3には、引揃えられた長繊維に合成樹脂を含浸させてなる長繊維強化合成樹脂ストランドまたは任意長さに切断された長繊維強化合成樹脂ペレットであって、繊維含有率の高い層と、繊維含有率の低い層によって構成されたものが開示されている。そして、このようなストランドまたはペレットにより得られる発明の効果として、長繊維が束となって引き揃えられた状態を保ったストランドまたはペレットであるため成形品の耐衝撃強度が良好であること、繊維束を含浸させるための樹脂は低粘度のものであり含浸スピードが速いこと、繊維束を含浸させるための樹脂以外に樹脂の分子量不足等の問題を補うための別の樹脂を使用した複合ストランドまたはペレットであるので高強度・高弾性の成形品が得られること、などが挙げられている。
しかし、高融点の結晶性熱可塑樹脂は結晶化温度が高く、樹脂冷却時に細かな結晶が成長し、微結晶の集合体となる。その結果、樹脂の押出成形では、微結晶の集合体による内部応力が原因となったクラックが発生する。
さらに、長繊維が束となって収束しているので、溶融された樹脂内で炭素繊維が解繊することは出来ず、また、複雑化された形状へ成形した場合には炭素繊維が密集する状態となる。その結果、押出成形の際に長繊維によって樹脂がはじき出されるスプリングバックが起こり、目的の形状を得ることが困難となるだけでなく、炭素繊維が樹脂全体に均一に分散せず、かえって成形品のクラックやボイドの原因となる。
実開昭60−62912号公報 特開2009−263482号公報 特開平6−320536号公報
本発明はかかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、結晶性熱可塑性樹脂および炭素繊維からなり、力学特性および加工容易性に優れ押出成形に好適な炭素繊維複合材料、ならびに当該炭素繊維複合材料の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る炭素繊維複合材料は、以下の構成を有する。
炭素繊維複合材料全体の重量を100重量%としたとき、炭素繊維を5%〜40重量%含有し、かつ、炭素繊維全体の重量を100重量%としたとき、1重量%〜50重量%の結晶化遅延剤を含有する炭素繊維複合材料であって、炭素繊維複合材料には、少なくとも2種類の結晶性熱可塑性樹脂を含有し、第1の結晶性熱可塑性樹脂の粘度が、第2の結晶性熱可塑性樹脂の粘度の5〜50倍である炭素繊維複合材料である。
本発明の炭素繊維複合材料を用いることにより、高融点で結晶性熱可塑樹脂であっても、結晶性の高い樹脂を用いた押出成形において、製品中に発生するクラックやボイドを抑えることができる。その結果、切削加工や熱処理処理によるプレス加工や曲げ加工といった後加工が容易にできる。
本発明の炭素繊維複合材料は成形用途に適している。すなわち、炭素繊維複合材料を溶融し、その後成形することにより、力学強度および加工容易性に優れた成形品を得ることができる。特に、炭素繊維および熱可塑性樹脂からなる炭素繊維複合材料は、従来技術ではスプリングバックなどの不具合を抑えることが難しかった押出成形に適しており、溶融押出法、固化押出法のどちらも好適に利用できる。また、上記炭素繊維複合材料は、従来の射出成形にも好適に用いることができる。
また、ナイロン66やPPSを用いた本発明の炭素繊維複合材料は、耐薬品性に強い。PPSを用いた炭素繊維複合材は、吸水性も少ない。本発明における炭素繊維複合材料の多孔構造を用いて、真空成形をすることもできる。
本発明の炭素繊維複合材料は、樹脂が熱可塑性であることから、リサイクルの容易な成形品となる。
本発明に係る炭素繊維複合材料およびその成形品は、高い強度と優れた加工性が要求されるあらゆる用途に好適であり、緩衝材、断熱材、補強材、シートベルト、パイプなどの量産品としての用途のみならず、金型製造前のサンプルや半導体産業向けの製品など、高精度が要求される多品種少量生産品としての用途にも好適である。
(a)本発明の一実施態様に係る結晶性熱可塑炭素繊維複合材料からなる樹脂結晶の成長工程前を示す視図である。
(b)本発明の一実施態様に係る結晶性熱可塑炭素繊維複合材料からなる樹脂結晶の成長工程後を示す視図である。
(a)比較例1の結晶性熱可塑炭素繊維複合材料からなる樹脂結晶の成長工程前を示す視図である。
(b)比較例1の結晶性熱可塑炭素繊維複合材料からなる樹脂結晶の成長工程後を示す視図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の炭素繊維複合材料は、結晶性熱可塑性樹脂が、少なくとも2種類の結晶性熱可塑性樹脂を含有し、第1の結晶性熱可塑性樹脂と第2の結晶性熱可塑性樹脂は、粘度が異なる。
また、本発明の炭素繊維複合材料は、第1の結晶性熱可塑性樹脂と第2の結晶性熱可塑性樹脂の種類の同じ結晶性の樹脂でもよい。また、第1の結晶性熱可塑性樹脂と第2の結晶性熱可塑性樹脂が、種類の異なる結晶性の樹脂でもよい。さらに、第3の樹脂が存在する場合は、第3の樹脂は、非晶性の熱可塑性樹脂でもよい。また、第3の樹脂は、結晶性の熱可塑性樹脂でもよい。
本発明の炭素繊維複合材料において、前記第1および第2の結晶性熱可塑性樹脂の融点が、70〜450℃であることが好ましく、さらに100〜370℃であることが好ましく、さらに、170〜350℃であることがより好ましく、さらに200〜300℃であることが特に好ましい。
本発明の炭素繊維複合材料において、結晶性熱可塑樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルケトンケトンが好ましい。また、結晶性熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルケトンケトンの誘導体や、共重合体、さらにそれらの混合物でもよい。
本発明において、結晶性熱可塑性樹脂としては、ポリフェニレンスルファイドやポリアミドがより好ましく、特に、ポリフェニレンスルファイド、ナイロン66、それらの誘導体もしくは共重合体、または上記のいずれかを含む混合物が、さらにより好ましい。
本発明において、第1および第2の結晶性熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンスルファイドであることが、特に好ましい。また、第1および第2の結晶性熱可塑性樹脂が、ナイロン66であることが、特に好ましい。
また、本発明において、第1の結晶性熱可塑性樹脂と第2の結晶性熱可塑性樹脂は、粘度が異なる。粘度の測定は、好ましくは、本発明の炭素繊維複合材料に含有される結晶性熱可塑性樹脂のうち、最も高い樹脂の融点を基準として、20〜50℃高い温度で測定する。粘度の測定温度は、より好ましくは、最も高い樹脂の融点を基準として、40〜50℃高い温度で測定する。例えば、第1および第2の結晶性熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンスルファイドの場合、335℃で粘度を測定することが好ましい。また、第1および第2の結晶性熱可塑性樹脂が、ナイロン66の場合、295℃で粘度を測定することが好ましい。
また、融点の測定方法は、メルトフローインデックス測定法であり、試験機械は,JIS K6760で定められた押出し形プラストメータを用い、JIS K7210で規定されている方法で測定する。
本発明では、第1の結晶性熱可塑性樹脂の粘度が、第2の結晶性熱可塑性樹脂の粘度の3〜100倍が好ましく、より好ましくは、5〜50倍、5倍〜30倍がさらにより好ましい。
本発明では、炭素繊維複合材料全体の重量を100重量%としたとき、炭素繊維を、5%〜40%含有し、より好ましくは10〜30%含有する。
本発明では、炭素繊維の平均直径は、20〜3μmであることが好ましい。さらに好ましくは15〜5μmである。
本発明では、好ましくは、炭素繊維の全体の重量を100重量%としたとき、繊維長1.0〜0.05mm炭素繊維を、50重量%〜90重量%含有する。本発明の結晶性熱可塑炭素繊維複合材料は、繊維長1.0〜0.05mm炭素繊維が、炭素繊維の全体の重量を100重量%としたとき、60%〜80%含有することが好ましい。
本発明では、炭素繊維全体の重量を100重量%としたとき、1重量%〜50重量%の結晶化遅延剤を含有する。結晶化遅延剤は、炭素繊維全体の重量を100重量%としたとき、好ましくは5%〜20%の結晶化遅延剤を含有する。
本発明では、結晶化遅延剤は、多価アルコ−ルと芳香族一塩基酸からなる界面活性剤が好ましい。また、本発明では、結晶化遅延剤は、ニグロシンが好ましい。多価アルコ−ルと芳香族一塩基酸からなる界面活性剤とニグロシンは、それぞれ単独で使用することができ、また、併用して使用してもよい。
本発明における炭素繊維複合材料は、結晶化遅延剤を含有しない場合、炭素繊維複合材料にくらべ、結晶化温度が5℃〜45℃低いことが好ましい。より好ましくは、5℃〜35℃低く、さらにより好ましくは10〜30℃低い。
本発明の炭素繊維複合材料は、結晶化遅延剤を適正に添加することで、低温で結晶化して大きな結晶となるので、割れにくくなり同時にクラックやボイド発生も抑えられる。特に炭素繊維の様に結晶の成形において核となる成分を有するモノは、結晶の成形が早く、樹脂が溶融後に冷える際に高温の状態でも細かな結晶となる。その結果、成形品は細かな結晶を多く持つことでより割れやすくなるばかりか、クラックやボイド発生の原因となる。本発明の炭素繊維複合材料は、クラックやボイドが発生しにくい。
本発明の炭素繊維複合材料には、結晶化遅延剤や結晶性熱可塑性樹脂、炭素繊維以外のものが含まれていてもよい。例えば、炭素繊維の束の収束や表面処理のための熱硬化性樹脂が1〜10重量%含まれていてもよい。また、アミノシラン、エポキシシラン、アミドシラン、アジドシラン、アクリルシランのようなシランカップリング剤や、チタネート系カップリング剤、またはこれらの混合物が含まれていてもよい。
結晶性熱可塑性樹脂には、その結晶化温度を上昇しないなどの特性を大きく損なわない限りにおいて、添加剤が添加されていてもよい。例えば、ヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン類、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物またはこれらの混合物が、熱安定剤、酸化防止剤、強化材、顔料、着色防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、離型剤などの添加剤として添加されていてもよい。
本発明の炭素繊維複合材料の製造方法では、芯成分が炭素繊維からなり鞘成分が第1の結晶性熱可塑性樹脂からなる芯鞘構造を有するペレットと、結晶化遅延剤を含有する第2の熱可塑性樹脂とを溶融し、ペペレットおよび第2の結晶性熱可塑性樹脂を混練する。
また、樹脂を溶融する順番としては、好ましくは、低粘度の第1の結晶性熱可塑性樹脂からなるペレットと、結晶化遅延剤を含有する高粘度の第2の結晶性熱可塑性樹脂を同時に混合して、溶融しても良い。また、低粘度の第1の結晶性熱可塑性樹脂からなるペレットを先に溶融したのち、結晶化遅延剤を含有する高粘度の第2の結晶性熱可塑性樹脂を添加することも好ましい。
本発明における炭素繊維複合材料の製造方法において、好ましくは、溶融されたペレットおよび第2の結晶性熱可塑性樹脂を混練中に、さらに炭素繊維を加えることが好ましい。
さらに好ましくは、芯成分が炭素繊維からなり鞘成分が第1の結晶性熱可塑性樹脂からなる芯鞘構造を有するペレットと、結晶化遅延剤を含有する第2の熱可塑性樹脂とを同時に混ぜて溶融し、さらに炭素繊維を加える。
また、芯成分が炭素繊維からなり鞘成分が第1の結晶性熱可塑性樹脂からなる芯鞘構造を有するペレットを先に溶融したのち、結晶化遅延剤を含有する高粘度の第2の結晶性熱可塑性樹脂を添加したのち炭素繊維を添加することも好ましい。これにより、炭素繊維複合材料における炭素繊維の含有率を高め、強度を向上させることができる。
炭素繊維を加える方法としては、例えば、炭素繊維ロービングから引き出された炭素繊維フィラメントを直接押出機に供給する方法や、適度な長さにカットされた炭素繊維を押出機に供給する方法などが挙げられる。
ポリマー溶融時の混練においては、一軸や二軸の押出機を用いることが好ましい。より好ましくは二軸の押出機を用いることが好ましい。また、当該押出機のシリンダー後半部に真空ベントが設けられていることが好ましく、当該押出機の先端にギアポンプが備えられていることがより好ましい。
さらに、結晶化遅延剤による樹脂の結晶成形を低温度で行わせることで、細かな結晶でなく大きな結晶とすることで、応力に耐えられる押出成形品を得ることができる。
本発明の炭素繊維複合材料は成形用途に適している。すなわち、炭素繊維複合材料を溶融し、その後成形することにより、力学強度および加工容易性に優れた成形品を得ることができる。特に、炭素繊維および熱可塑性樹脂からなる炭素繊維複合材料は、従来技術ではスプリングバックなどの不具合を抑えることが難しかった押出成形に適しており、溶融押出法、固化押出法のどちらも好適に利用できる。また、上記炭素繊維複合材料は、従来の射出成形にも好適に用いることができる。
また、ナイロン66やPPSを用いた炭素繊維複合材料は、耐薬品性に強い。PPSを用いた炭素繊維複合材は、吸水性も少ない。本発明における炭素繊維複合材料の多孔構造を用いて、真空成形をすることもできる。真空成形をするときは、マスキングシートを真空成形する炭素繊維複合材料の多孔構造の上または/かつ下に積層して、加熱・溶融する。
本発明の炭素繊維複合材料は、例えば、特開平4−152122号公報に記載されているマンドレルの製造方法および樹脂マンドレルの押出成形装置、特開2001−315193号公報に記載されている溶融押出の合成樹脂のパイプの製造方法、特開2000−313052号公報に記載されている固化押出成形製法およびその製造装置、特開2008−246865号公報に記載されている偏肉樹脂シートの製造方法および装置などの公知の手段を用いて、炭素繊維複合材料からなる成形品を得ることができる。また、成形品の形状については、例えば、加熱、冷却、減圧(真空減圧)、断熱などをダイス周りで行うことによって目的の形状に整えることができる。
さらに、上記の成型方法で得られた成形品に、さらに二次加工を施し、目的の形状に再成形することも可能である。二次加工の方法としては、例えば、異材積層、同材積層、型内加熱、型外加熱、型内冷却、型外冷却、型内加圧、型外加圧、型内減圧(真空減圧)、型外減圧、型内熱曲げ加工、型外熱曲げ加工、減圧雰囲気下での加圧積層成形、パンチング成形、異材との積層によるサンドイッチ成形、延伸、断熱などが挙げられ、これらの方法を組み合わせて実施することもできる。
上記成形においては、炭素繊維複合材料からなるペレットに、さらに他のペレットを混練させて成形することもできる。
上記成形においては、成形工程を複数回実施してもよい。例えば、上述の成形方法として、炭素繊維複合材料を一旦成形して中間成形体を形成した後、得られた中間成形体をさらにプレス成形法、真空成形法またはブロー成形法により成形して成形品を得る方法を採用することができる。また、中間成形体を成形する際に、複数の成形方法を組み合わせて実施してもよい。
成形工程において、金型や炭素繊維複合材料を加熱する方法は、電気ヒーター、ガスオーブン、誘電コイル、高圧蒸気などの公知の加熱手段を適宜用いることができる。同時に減圧雰囲気化で脱泡させることが好ましい。
成形品周りにできるバリについては、金型の嵌合時に同時に切り取ってもよいし、別工程でトムソン打ち抜きにより抜き取ってもよい。また、金型より小さなサイズの炭素繊維複合材料シートを用いて金型内に完全充填させることにより、バリの発生そのものを抑えることもできる。
上記成形において、炭素繊維複合材料は積層させて用いることもでき、炭素繊維複合材料とは異なる他の材料と組み合わせて用いることも可能である。例えば、複数の炭素繊維複合材料同士を積層させてなる積層体を用いて成形を行ってもよいし、単独または複数の炭素繊維複合材料を、単独または複数の他の材料と積層させて積層体を構成し、成形を行ってもよい。積層可能な他の材料としては、例えば、金属、ガラスやPTFE、ポリエステル、ポリアミドなど熱可塑性樹脂からなる繊維、ポリウレタンなどの熱硬化性樹脂からなる基布、不織布、またはシート、さらに熱硬化型のCFRPのシートやテープなどが挙げられ、2種類以上の材料を組み合わせて用いることもできる。また、このような他の材料は積層体内のいずれの層に配置されていてもよく、積層体の上端および/または下端に積層されていてもよい。
また、あらかじめ炭素繊維複合材料に光沢系の金属粉、鉱物、岩石、砂類が混合されていてもよい。
なお、炭素繊維複合材料を積層させて用いる場合、炭素繊維の配向状態を考慮して、炭素繊維の配向方向が90°交差するように炭素繊維複合材料が積層されることが好ましい。このように炭素繊維の配向方向を調整することで、成形体の物性を向上させることができる。
また、積層体のそれぞれの層は、単一の略シート状の炭素繊維複合材料で構成されていてもよいし、複数の炭素繊維複合材料の組み合わせによって構成されていてもよい。例えば、複数の帯状の炭素繊維複合材料を幅方向に並べて一つの層を形成したり、複数の帯状の炭素繊維複合材料を格子状に組み合わせて層を形成したりすることも可能である。とくに、複数の帯状の炭素繊維複合材料が幅方向に並べられてなる層を、炭素繊維複合材料の配列方向を90°交差させつつ積層することが好ましい。このような構成を採用することで、より広い面積を確保しつつ、上下に厚くすることができる。
また、炭素繊維の織物や炭素繊維のUDテープを挟むことで物性を向上させることも可能である。
さらに、事前に加熱された上下の平板の金型で挟み0.2MPa〜100MPaの圧力をかけることで、一枚で厚物の広幅長尺のシート化にすることもできる。
上述のプレス成形法を用いて炭素繊維複合材料の成形を行う場合、例えば熱プレス加工を実施する場合は、圧力は0.2〜100MPaが好ましく、1〜50MPaがさらに好ましい。
また、熱プレスの温度は100〜370℃であることが好ましい。より詳しくは、炭素繊維複合材料に含まれる熱可塑性樹脂の融点を基準として、金型温度が−10〜90℃の範囲内にあることが好ましく、0〜50℃の範囲内にあることがより好ましい。
熱プレス成形の方法は、一例としては、以下の方法を挙げることができる。まず、一個または複数個の炭素繊維複合材料を上記温度で加熱して溶融した後、これを金型に入れ、金型を閉じて密閉状態とする。そして、金型の温度が炭素繊維複合材料の融点以下である状態で、上記圧力にて加圧し、金型を開いて成形品を取り出す。この際に、真空ポンプ等による減圧を行い樹脂内部に残るエアーを脱泡することが好ましい。
熱プレス成形の別の方法としては、一個または複数個の炭素繊維複合材料を、金型温度が炭素繊維複合材料の融点以下に調整された金型に入れ、金型を閉じる。続いて、金型の温度を上記温度まで加熱して炭素繊維複合材料を溶融状態とし、上記圧力にて加圧する。この時、金型は密閉状態となっている。その後、放冷や水冷などによって金型を冷却し、金型内の炭素繊維複合材料が固化した後、金型を開いて成形品を取り出す。
熱プレス成形のさらに別の方法としては、一個または複数個の炭素繊維複合材料を上記温度で加熱して半溶融状態とし、これを金型に入れる。このとき、炭素繊維複合材料は、表面のみが半溶融状態となっていることが好ましい。続いて金型を閉じるが、完全には密閉せず、金型を開放状態としておく。そして、金型の温度が炭素繊維複合材料の融点以下である状態で、上記圧力にて加圧した後、金型を開いて成形品を取り出す。
このような熱プレス成形を行う場合、炭素繊維複合材料の形状はシート状であることが好ましい。シートの厚みは0.1〜5mmが好ましく、0.5〜2mmがより好ましく、1.0〜1.5mmがさらに好ましい。
また、金型が凸金型およびそれに対応する凹金型からなる場合、金型の配置についてはとくに制限はない。例えば、上型が凸金型であり下型がそれに対応する凹金型であってもよいし、その逆であってもよい。
上述の真空成形法を用いて炭素繊維複合材料の成形を行う場合、圧力は1×10−5〜0.05MPaが好ましく、0.5×10−4〜0.05MPaがより好ましく、0.5×10−4〜1×10−3MPaがさらに好ましい。
また、真空成形時の温度は100〜370℃であることが好ましい。より詳しくは、炭素繊維複合材料に含まれる熱可塑性樹脂の融点を基準として、温度が−10〜90℃の範囲内であることが好ましく、0〜50℃の範囲内であることがより好ましい。
真空成形の別の方法としては、一個または複数個の炭素繊維複合材料を上記温度にて加熱して溶融状態とし、これを金型に入れる。そして、金型の下型を上昇させた後、下型側から上記圧力にて吸引を行い、金型を開いて成形品を取り出す。
真空成形のさらに別の方法としては、一個または複数個の炭素繊維複合材料を上記温度にて加熱して溶融状態とし、これを金型に入れる。そして、金型の上型を上昇させた後、上型側から上記圧力にて吸引を行い、金型を開いて成形品を取り出す。
または、どちらか吸引する側と反対側から金型でプレスする方法もある。
このような真空成形を行う場合、炭素繊維複合材料を加熱した後、金型による成形を行う前に、下方からエアーを吹き付けたり、圧縮空気を用いたりして成形の均一化を図ることもできる。このとき、炭素繊維複合材料の形状はシート状であることが好ましい。なお、圧縮空気を用いる場合、圧力は0.1〜10MPaであることが好ましく、炭素繊維複合材料が破れないように圧力を調整することが好ましい。
本発明におけるブロー成形法を用いて炭素繊維複合材料の成形を行う場合、ブロー圧力は0.2〜10MPaが好ましく、0.5〜2MPaがより好ましい。
また、ブロー成形時の温度は100〜370℃であることが好ましい。より詳しくは、炭素繊維複合材料に含まれる熱可塑性樹脂の融点を基準として、温度が−10〜90℃の範囲内にあることが好ましく、0〜50℃の範囲内にあることがより好ましい。
曲げ加工の方法は、一例としては、以下の方法を挙げることができる。まず、一個または複数個の炭素繊維複合材料からなるI形異形押出品を100〜370℃で加熱し、半溶融状態とした後、型に沿わせて固定し、オーブン内でさらに100〜370℃で加熱する。そして、室温まで冷却した後、型から取り外して成形品を取り出す。
なお、曲げにくいときには、曲げる部分などを局部的に有機溶剤などを用いて柔らかくしてから加熱し、曲げ加工を行うこともできる。
本発明におけるパンチング加工法を用いて、炭素繊維複合材料の多孔構造を行う場合、丸型、四角、菱形、楕円などの金型を用いてパンチングすることで、炭素繊維複合材料孔をあけることができる。炭素繊維複合材料の多孔構造品は、スピーカーのカバーやフィルターなどに使うことができる。この炭素繊維複合材料の多孔構造品は、金属と異なり錆びることなくかつ軽量である。
本発明の炭素繊維複合材料の製造方法では、芯成分が炭素繊維からなり鞘成分が第1の結晶性熱可塑性樹脂からなる芯鞘構造を有するペレットと、結晶化遅延剤を含有する第2の熱可塑性樹脂とを溶融し、ペレットおよび第2の結晶性熱可塑性樹脂を混練する。
芯鞘構造を有するペレットの製造方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、樹脂含浸用ロールを備えた含浸ダイを設置し、押出機で溶融された第1の熱可塑性樹脂を含浸ダイの樹脂槽内に溜める。開繊されたロービング状の炭素繊維を含浸ダイの樹脂槽内に導入し、炭素繊維ロービングの表面を第1の熱可塑性樹脂で被覆しつつ、含浸ローラーで炭素繊維ロービングを挟むことにより第1の樹脂を炭素繊維ロービングに含浸させる。この際、炭素繊維ロービングの搬送は、樹脂槽の下流に位置するフィードローラが炭素繊維ロービングを引っ張ることにより行われる。下流に搬送された炭素繊維ロービングは、ダイによって樹脂量が調整され断面形状が整えられた後に、カッターを有する切断装置に送り込まれる。そして、この第1の熱可塑性樹脂に覆われた炭素繊維ロービングを切断装置のカッターによって切断することにより、炭素繊維からなる芯が第1の熱可塑性樹脂によって覆われた芯鞘構造を有するペレットを得ることができる。また、この方法で得られた芯鞘構造を有するペレットに第2の熱可塑性樹脂からなるペレットを添加し、これらのペレットを二軸の押出機により混練し、ダイによって樹脂量を調整し断面形状を整えた後に、カッターを有する切断装置に送り込んで切断することにより、上記炭素繊維複合材料からなるペレットを製造することができる。
本発明の炭素繊維複合材料の製造方法では、好ましくは、溶融されたペレットおよび第2の結晶性熱可塑性樹脂を混練中に、さらに炭素繊維を加える。
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、各実施例および比較例において、使用した材料および破壊強度の測定方法は以下の通りである。
(1)使用した材料
(A)炭素繊維ロービング/フィラメント
繊維径7μm、番手200tex、巻き長30,000mの炭素繊維フィラメントを準備する。このフィラメントを5本合糸し、ポリウレタンの収束剤を2重量%付与して、平坦な帯状の炭素繊維ロービングA1を用意した。
(B)第1の熱可塑性樹脂
B1:ナイロン66(融点:255℃、295℃における粘度:250poise)
B2:ナイロン66(融点:255℃、295℃における粘度:550poise)
B5:PPS(融点:285℃、335℃における粘度:260poise)
B6:PPS(融点:285℃、335℃における粘度:500poise) 。
(C)第2の熱可塑性樹脂
C1:ナイロン66(融点:255℃、295℃における粘度:1,500poise
C2:ナイロン66(融点:255℃、295℃における粘度:5,800poise)
C3:ナイロン66(融点:255℃、295℃における粘度:10,500poise)
C5:PPS(融点:255℃、335℃における粘度:1,400poise)
C6:PPS(融点:255℃、335℃における粘度:8,060poise)
C7:PPS(融点:255℃、335℃における粘度:12,060poise) 。
(D)結晶化遅延剤
D1:多価アルコ−ルと芳香族一塩基酸からなる界面活性剤(多価アルコ−ル化合物としては、エチレングルコールの誘導体および芳香族一塩基酸としては、安息香酸の誘導体を重量当たり1:2の割合で混合したもの) 。
D2:ニグロシン
(E)芯鞘構造ペレット
E1:鞘成分にナイロン66からなるB1、芯成分に炭素繊維ロービング/フィラメントからなる炭素繊維の繊維長6mmのペレット
E2:鞘成分にナイロン66からなるB2、芯成分に炭素繊維ロービング/フィラメントからなる炭素繊維の繊維長5mmのペレット
E5:鞘成分にPPSからなるB5、芯成分に炭素繊維ロービング/フィラメントからなる炭素繊維の繊維長6mmのペレット
E6:鞘成分にPPSからなるB6、芯成分に炭素繊維ロービング/フィラメントからなる炭素繊維の繊維長5mmのペレット
(2)芯鞘構造を有するペレット、および樹脂の混練によるペレットの製造方法
炭素繊維からなる芯が熱可塑性樹脂によって覆われた芯鞘構造を有するペレットおよび、樹脂の混練によるペレットは、芯鞘構造を有するペレットの製造方法としては、例えば、樹脂含浸用ロールを備えた含浸ダイを設置し、押出機で溶融された低粘度の熱可塑性樹脂を含浸ダイの樹脂槽内に溜めた。開繊されたロービング状の炭素繊維を含浸ダイの樹脂槽内に導入し、炭素繊維ロービングの表面を低粘度の熱可塑性樹脂で被覆しつつ、含浸ローラーで炭素繊維ロービングを挟むことにより低粘度の樹脂を炭素繊維ロービングに含浸させた。この際、炭素繊維ロービングの搬送は、樹脂槽の下流に位置するフィードローラが炭素繊維ロービングを引っ張ることにより行なった。下流に搬送された炭素繊維ロービングは、ダイによって樹脂量が調整され断面形状が整えられた後に、カッターを有する切断装置に送り込んだ。そして、この低粘度の熱可塑性樹脂に覆われた炭素繊維ロービングを切断装置のカッターによって切断することにより、炭素繊維からなる芯が低粘度の熱可塑性樹脂によって覆われた芯鞘構造を有するペレットを得た。
(3)炭素繊維の繊維長の測定方法
炭素繊維の繊維長は、キーエンスのVHX−900によるCCDの拡大写真にて測定した。ペレットを裁断したのち断面をCCDで拡大し、画面上で繊維長を100本以上測定する。全体の繊維長の合計と繊維径から重量を算出した。そして、その中から繊維長1.0〜0.05mm炭素繊維の繊維長と繊維径から重量を測定して、重量当たりの繊維長の長さを算出した。
(4)粘度
粘度は、キャピラリーレオメーターを用いてJIS K7199試験法により測定した。たとえば各剪断速度に対する剪断応力を、内径(D)1mm、長さ(L)60mm、L/D=60のダイスを使用し、指定された温度で測定し、10から10(秒−1)の剪断速度に対する剪断応力をそれぞれ対数プロットした場合の傾きから計算した。実施例、比較例に用いた第1の熱可塑性樹脂、第2の熱可塑性樹脂の粘度の測定温度は、(B)第1の熱可塑性樹脂、(C)第2の熱可塑性樹脂の項目に記載した。
[実施例1]
ナイロン66からなる第1の熱可塑性樹脂B1を押出機から平坦な帯状の炭素繊維ロービング(A)へ温度305℃で吐出し、炭素繊維からなる芯がナイロン66によって覆われた芯鞘構造を有する芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットE1を得た。得られた芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレット中の炭素繊維の含有率は40重量%であった。
このナイロン66からなる芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットE1、第2の熱可塑性樹脂C1および結晶化遅延剤とともに押出機にて混練した。結晶化遅延剤は、多価アルコ−ルと芳香族一塩基酸からなる界面活性剤D1を使用した。結晶遅延剤を入れたナイロン66からなる芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、218.5℃であった。結晶遅延剤を入れないナイロン66からなる芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、225.3℃であったので、結晶遅延剤を入れることにより、結晶化温度が6.8℃下がった。
樹脂と炭素繊維と結晶化遅延剤の比率は、85.5重量%、10重量%、4.5重量%である。ここで、樹脂重量は、第1の熱可塑性樹脂B1の重量と第2の熱可塑性樹脂C1の重量の合計である。
第1の熱可塑性樹脂B1と第2の熱可塑性樹脂C1は、炭素繊維の含有量が10%になるように配合し、E1ペレットの樹脂の4倍の量のC1と混合した。B1の重量はE1の重量の60%にあたる。
第1樹脂と第2樹脂の粘度比は6倍で、炭素繊維に対する結晶化遅延剤の比率は重量あたり45.0%であった。上記ペレットの炭素繊維において繊維長1.0〜0.05mm炭素繊維が、炭素繊維の全体の重量当たり85%含有していた。この時の樹脂の内部構造は、図1(a)のように、結晶遅延剤入りの結晶性熱可塑樹脂(結晶成長前)2の中に、炭素繊維3を含んでいた。図1(a)の1は、結晶遅延剤入りの結晶性熱可塑炭素繊維複合材(結晶成長前)である。
これを固化押出成形にてブロックを成形すると、図1(b)の結晶遅延剤入りの結晶性熱可塑炭素繊維複合材(結晶成長後)5のように、結晶遅延剤入りの大きな結晶を有する熱可塑樹脂(結晶成長後)と炭素繊維3を含む構造となった。クラックの発生はなかった。
以下、実施例2〜4、および、比較例1における試験条件は、特に記載しない限り、基本的に実施例1と同じである。
[実施例2]
ナイロン66からなる第1の熱可塑性樹脂B1を押出機から平坦な帯状の炭素繊維ロービング(A)へ温度305℃で吐出し、炭素繊維からなる芯がナイロン66によって覆われた芯鞘構造を有する芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットE1を得た。得られた芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレット中の炭素繊維の含有率は40重量%であった。
結晶化遅延剤として、ニグロシンD2を使用した。第2の熱可塑性樹脂として、ナイロン66のC2を用いた。実施例1と同様にして、前もって混練したペレットと芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットE1とを混練した。結晶遅延剤を入れたナイロン66からなる芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、223.1℃であった。結晶遅延剤を入れないナイロン66からなる芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、229.3℃であったので、結晶遅延剤を入れることにより、結晶化温度が6.2℃下がった。
樹脂と炭素繊維と結晶化遅延剤の比率は65%、30%、5%であった。ここで、樹脂重量は、第1の熱可塑性樹脂B1の重量と第2の熱可塑性樹脂C2の重量の合計である。第1樹脂と第2樹脂の粘度比は23.2倍で、炭素繊維に対する結晶化遅延剤の比率は重量あたり16.7%である。上記ペレットの炭素繊維において繊維長1.0〜0.05mm炭素繊維が、炭素繊維の全体の重量当たり68%含有していた。
実施例1と同じ条件で、固化押出成形した。ブロックを成形してもクラックはなかった。
[実施例3]
実施例1に記載したと芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットE1を用いた。結晶化遅延剤として、ニグロシンD2を使用した。第2の熱可塑性樹脂として、ナイロン66のC3を用いた。実施例1と同様にして、前もって混練したペレットと芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットE1とを混練した。結晶遅延剤を入れたナイロン66からなる芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、220.0℃であった。結晶遅延剤を入れないナイロン66からなる芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、229.0℃であったので、結晶遅延剤を入れることにより、結晶化温度が9.0℃下がった。
樹脂と炭素繊維と結晶化遅延剤の比率は、72%、27.5%、0.5%であった。ここで、樹脂重量は、第1の熱可塑性樹脂B1の重量と第2の熱可塑性樹脂C3の重量の合計である。第1樹脂と第2樹脂の粘度比は42倍で、炭素繊維に対する結晶化遅延剤の比率は重量あたり1.7%である。上記ペレットの炭素繊維において繊維長1.0〜0.05mm炭素繊維が、炭素繊維の全体の重量当たり53%含有していた。
実施例1と同じ条件で、固化押出成形した。ブロックを成形してもクラックはなかった。
[実施例4]
ナイロン66からなる第1の熱可塑性樹脂B2を押出機から平坦な帯状の炭素繊維ロービング(A)へ温度305℃で吐出し、炭素繊維からなる芯がナイロン66によって覆われた芯鞘構造を有する芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットE2を得た。得られた芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレット中の炭素繊維の含有率は30重量%であった。
結晶化遅延剤として、多価アルコ−ルと芳香族一塩基酸からなる界面活性剤D1を使用した。第2の熱可塑性樹脂として、ナイロン66C3を用いた。実施例1と同様にして、用いて前もって混練したペレットと、芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットE2とを混練した。結晶遅延剤を入れたナイロン66からなる芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、219.2℃であった。結晶遅延剤を入れないナイロン66からなる芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、226.5℃であったので、結晶遅延剤を入れることにより、結晶化温度が7.3℃下がった。
樹脂と炭素繊維と結晶化遅延剤の比率は80%、18.5%、1.5%であった。ここで、樹脂重量は、第1の熱可塑性樹脂B2の重量と第2の熱可塑性樹脂C3の重量の合計である。第1樹脂と第2樹脂の粘度比は19.1倍であり、炭素繊維に対する結晶化遅延剤の比率は重量あたり8.1%であった。上記ペレットの炭素繊維において繊維長1.0〜0.05mm炭素繊維が、炭素繊維の全体の重量当たり57%含有していた。
実施例1と同じ条件で、固化押出成形した。ブロックを成形してもクラックはなかった。
[実施例5]
実施例1に記載したと芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットE1を用いた。結晶化遅延剤として、ニグロシンD2を使用した。第2の熱可塑性樹脂として、ナイロン66のC3を用いた。実施例1と同様にして、前もって混練したペレットと芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットE1と、平坦な帯状の炭素繊維ロービングA1とを混練した。結晶遅延剤を入れたナイロン66からなる芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、221.5℃であった。結晶遅延剤を入れないナイロン66からなる芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、230.1℃であったので、結晶遅延剤を入れることにより、結晶化温度が8.6℃下がった。
樹脂と炭素繊維と結晶化遅延剤の比率は、60%、39.5%、0.5%であった。ここで、樹脂重量は、第1の熱可塑性樹脂B1の重量と第2の熱可塑性樹脂C3の重量の合計である。第1樹脂と第2樹脂の粘度比は42倍であり、炭素繊維に対する結晶化遅延剤の比率は重量あたり1.3%であった。上記ペレットの炭素繊維において繊維長1.0〜0.05mm炭素繊維が、炭素繊維の全体の重量当たり51%含有していた。
実施例1と同じ条件で、固化押出成形した。ブロックを成形してもクラックはなかった。
[比較例1]
ナイロン66からなる第2の熱可塑性樹脂C1と炭素繊維ロービング(A)とともに押出機にて混練した。炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、227.5℃であった。
樹脂と炭素繊維の比率は、80%、20%であった。結晶化遅延剤は含有していない。樹脂の内部構造は、図2(a)のように、結晶性熱可塑炭素繊維複合材(結晶成長前)6であり、結晶性熱可塑樹脂(結晶成長前)7と、炭素繊維3を含んでいた。
これを固化押出成形にてブロックを成形すると、図2(b)の結晶性熱可塑炭素繊維複合材(結晶成長後)8のように、小さな結晶を有する熱可塑樹脂(結晶成長後)9と炭素繊維3を含む構造となり、クラックが発生した。
[実施例10]
PPSからなる第1の熱可塑性樹脂B5を押出機から平坦な帯状の炭素繊維ロービング(A)へ温度320℃で吐出し、炭素繊維からなる芯がPPSによって覆われた芯鞘構造を有する芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットE5を得た。得られた芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレット中の炭素繊維の含有率は39重量%であった。
PPSからなる芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットE5、第2の熱可塑性樹脂C5、および、結晶化遅延剤として、多価アルコ−ルと芳香族一塩基酸からなる界面活性剤D1を、押出機にて混練した。結晶遅延剤入りの炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、218.7℃であった。結晶遅延剤を入れないPPSからなる芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、246.6℃であったので、結晶遅延剤を入れることにより、結晶化温度が27.9℃下がった。
樹脂と炭素繊維と結晶化遅延剤の比率は66%、32%、2%であった。ここで、樹脂重量は、第1の熱可塑性樹脂B5の重量と第2の熱可塑性樹脂C5の重量の合計である。第1樹脂と第2樹脂の粘度比は5.4倍であり、炭素繊維に対する結晶化遅延剤の比率は重量あたり6.3%である。上記ペレットの炭素繊維において繊維長1.0〜0.05mm炭素繊維が、炭素繊維の全体の重量当たり72%含有していた。
樹脂の内部構造は、図1(a)と同じように、結晶遅延剤入りの結晶性熱可塑炭素繊維複合材(結晶成長前)1からなり、結晶遅延剤入りの結晶性熱可塑樹脂(結晶成長前)2、炭素繊維3を含んでいた。
これを固化押出成形にてブロックを成形すると、図1(b)と同じように、結晶遅延剤入りの結晶性熱可塑炭素繊維複合材(結晶成長後)5のように、結晶遅延剤入りの大きな結晶を有する熱可塑樹脂(結晶成長後)と炭素繊維3を含む構造となった。クラックの発生はなかった。
以下、実施例11〜14、および、比較例2における試験条件は、特に記載しない限り、基本的に実施例10と同じである。
[実施例11]
実施例10と同様にして、炭素繊維からなる芯がPPSによって覆われた芯鞘構造を有する芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットE5を得た。得られた芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレット中の炭素繊維の含有率は39重量%であった。
結晶化遅延剤として、ニグロシンD2を使用した。第2の熱可塑性樹脂として、PPSのC6を用いた。前もって混練したペレットと芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットE5とを混練した。結晶遅延剤入りの炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、215.0℃であった。結晶遅延剤を入れないPPSからなる芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、246.5℃であったので、結晶遅延剤を入れることにより、結晶化温度が31.5℃下がった。
樹脂と炭素繊維と結晶化遅延剤の比率は60%、30%、10%であった。ここで、樹脂重量は、第1の熱可塑性樹脂B5の重量と第2の熱可塑性樹脂C5の重量の合計である。第1樹脂と第2樹脂の粘度比は31倍であり、炭素繊維に対する結晶化遅延剤の比率は重量あたり33.3%である。上記ペレットの炭素繊維において繊維長1.0〜0.05mm炭素繊維が、炭素繊維の全体の重量当たり65%含有していた。
樹脂の内部構造は、図1(a)と同じように、結晶遅延剤入りの結晶性熱可塑炭素繊維複合材(結晶成長前)1からなり、結晶遅延剤入りの結晶性熱可塑樹脂(結晶成長前)2、炭素繊維3を含んでいたむ。
これを固化押出成形にてブロックを成形すると、図1(b)と同じように、結晶遅延剤入りの結晶性熱可塑炭素繊維複合材(結晶成長後)5のように、結晶遅延剤入りの大きな結晶を有する熱可塑樹脂(結晶成長後)と炭素繊維3を含む構造となった。クラックの発生はなかった。
[実施例12]
実施例10と同様にして、炭素繊維からなる芯がPPSによって覆われた芯鞘構造を有する芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットE5を得た。得られた芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレット中の炭素繊維の含有率は39重量%であった。
結晶化遅延剤として、ニグロシンD2を使用した。第2の熱可塑性樹脂として、PPSのC7を用いた。前もって混練したペレットと芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットE5とを混練した。結晶遅延剤入りの炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、216.6℃であった。結晶遅延剤を入れないPPSからなる芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、245.7℃であったので、結晶遅延剤を入れることにより、結晶化温度が29.1℃下がった。
樹脂と炭素繊維と結晶化遅延剤の比率は、70%、28.0%、2.0%であった。ここで、樹脂重量は、第1の熱可塑性樹脂B5の重量と第2の熱可塑性樹脂C7の重量の合計である。第1樹脂と第2樹脂の粘度比は46.4倍であり、炭素繊維に対する結晶化遅延剤の比率は重量あたり7.1%である。上記ペレットの炭素繊維において繊維長1.0〜0.05mm炭素繊維が、炭素繊維の全体の重量当たり59%含有していた。
実施例10と同じ条件で、固化押出成形した。ブロックを成形してもクラックはなかった。
[実施例13]
PPSからなる第1の熱可塑性樹脂B6を押出機から平坦な帯状の炭素繊維ロービング(A)へ温度325℃で吐出し、炭素繊維からなる芯がPPSによって覆われた芯鞘構造を有する芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットE6を得た。得られた芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレット中の炭素繊維の含有率は31重量%である。
結晶化遅延剤として、多価アルコ−ルと芳香族一塩基酸からなる界面活性剤D1を使用した。第2の熱可塑性樹脂として、PPSのC7を用いた。前もって混練したペレットと芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットE6とを混練した。結晶遅延剤入りの炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、214.2℃であった。結晶遅延剤を入れないPPSからなる芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、244.4℃であったので、結晶遅延剤を入れることにより、結晶化温度が30.2℃下がった。
樹脂と炭素繊維と結晶化遅延剤の比率は、81%、18.5%、0.5%であった。ここで、樹脂重量は、第1の熱可塑性樹脂B6の重量と第2の熱可塑性樹脂C7の重量の合計である。第1樹脂と第2樹脂の粘度比は24.1倍であり、炭素繊維に対する結晶化遅延剤の比率は重量あたり2.7%である。上記ペレットの炭素繊維において繊維長1.0〜0.05mm炭素繊維が、炭素繊維の全体の重量当たり59%含有していた。
実施例10と同じ条件で、固化押出成形した。ブロックを成形してもクラックはなかった。
[実施例14]
実施例10と同様にして、炭素繊維からなる芯がPPSによって覆われた芯鞘構造を有する芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットE5を得た。得られた芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレット中の炭素繊維の含有率は39重量%であった。
結晶化遅延剤として、ニグロシンD2を使用した。第2の熱可塑性樹脂として、PPSのC7を用いた。前もって混練したペレットと芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットE5と、平坦な帯状の炭素繊維ロービングA1とを混練した。結晶遅延剤入りの炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、220.2℃であった。結晶遅延剤を入れないPPSからなる芯鞘型の炭素繊維含有樹脂ペレットの結晶化温度は、245.6℃であったので、結晶遅延剤を入れることにより、結晶化温度が25.4℃下がった。
樹脂と炭素繊維と結晶化遅延剤の比率は、60%、39.0%、1.0%であった。ここで、樹脂重量は、第1の熱可塑性樹脂B5の重量と第2の熱可塑性樹脂C7の重量の合計である。第1樹脂と第2樹脂の粘度比は46.3倍であり、炭素繊維に対する結晶化遅延剤の比率は重量あたり2.6%である。上記ペレットの炭素繊維において繊維長1.0〜0.05mm炭素繊維が、炭素繊維の全体の重量当たり53%含有していた。
実施例10と同じ条件で、固化押出成形した。ブロックを成形してもクラックはなかった。
[比較例2]
PPSからなる第2の熱可塑性樹脂C5と炭素繊維ロービング(A)とともに押出機にて混練した。結晶化温度は229.0℃であった。
樹脂と炭素繊維の比率は81%、19%であった。結晶化遅延剤は含有していない。樹脂の内部構造は、図2(a)のように結晶性熱可塑炭素繊維複合材(結晶成長前)6であり、結晶性熱可塑樹脂(結晶成長前)7と、炭素繊維3を含んでいた。
これを固化押出成形にてブロックを成形すると、図2(b)の結晶性熱可塑炭素繊維複合材(結晶成長後)8のように、小さな結晶を有する熱可塑樹脂(結晶成長後)9と炭素繊維3を含む構造となり、クラックが発生した。
1 結晶遅延剤入りの結晶性熱可塑炭素繊維複合材(結晶成長前)
2 結晶遅延剤入りの結晶性熱可塑樹脂(結晶成長前)
3 炭素繊維
4 結晶遅延剤入りの結晶性熱可塑炭素繊維複合材(結晶成長後)
5 結晶遅延剤入りの大きな結晶を有する熱可塑樹脂(結晶成長後)
6 結晶遅延剤を含有しない結晶性熱可塑炭素繊維複合材(結晶成長前)
7 結晶遅延剤を含有しない結晶性熱可塑樹脂(結晶成長前)
8 結晶遅延剤を含有しない結晶性熱可塑炭素繊維複合材(結晶成長後)クラック有
9 結晶遅延剤を含有しない小さな結晶を有する熱可塑樹脂(結晶成長後)
10 クラック

Claims (10)

  1. 炭素繊維複合材料全体の重量を100重量%としたとき、炭素繊維を5%〜40重量%含有し、かつ、炭素繊維全体の重量を100重量%としたとき、1重量%〜50重量%の結晶化遅延剤を含有する炭素繊維複合材料であって、炭素繊維複合材料には、少なくとも2種類の結晶性熱可塑性樹脂を含有し、第1の結晶性熱可塑性樹脂の粘度が、第2の結晶性熱可塑性樹脂の粘度の5〜50倍である炭素繊維複合材料。
  2. 炭素繊維の全体の重量を100重量%としたとき、繊維長1.0〜0.05mm炭素繊維を、50重量%〜90重量%含有する請求項1記載の炭素繊維複合材料。
  3. 結晶化遅延剤が、多価アルコ−ルと芳香族一塩基酸からなる界面活性剤である請求項1または2に記載の炭素繊維複合材料。
  4. 結晶化遅延剤が、ニグロシンである請求項1または2に記載の炭素繊維複合材料。
  5. 第1および第2の結晶性熱可塑性樹脂の融点が、100〜370℃である請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭素繊維複合材料。
  6. 第1および第2の結晶性熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンスルファイドである請求項1〜5のいずれか1項に記載の炭素繊維複合材料。
  7. 第1および第2の結晶性熱可塑性樹脂が、ナイロン66である請求項1〜5のいずれか1項に記載の炭素繊維複合材料。
  8. 芯成分が炭素繊維からなり鞘成分が第1の結晶性熱可塑性樹脂からなる芯鞘構造を有するペレットと、結晶化遅延剤を含有する第2の熱可塑性樹脂とを溶融し、ペレットおよび第2の結晶性熱可塑性樹脂を混練する請求項1〜7のいずれか1項に記載の炭素繊維複合材料の製造方法。
  9. 溶融されたペレットおよび第2の結晶性熱可塑性樹脂を混練中に、さらに炭素繊維を加える請求項8記載の炭素繊維複合材料の製造方法。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の炭素繊維複合材料を溶融し、その後、成形する成形品の製造方法。
JP2016045374A 2016-03-09 2016-03-09 炭素繊維複合材料およびその製造方法 Pending JP2017160316A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022097493A1 (ja) * 2020-11-05 2022-05-12 東レ株式会社 成形材料および成形品

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