JP2017160139A - ビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物の製造方法 - Google Patents

ビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物の製造方法 Download PDF

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潤一郎 山口
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Kenichiro Itami
健一郎 伊丹
瞭介 瀧瀬
Ryosuke Takise
瞭介 瀧瀬
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Abstract

【課題】ハロゲン由来の廃棄物を排出せずに、安価にビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物を合成する方法の提供。
【解決手段】例えば下記式に示すように、式(1)で表される(チオ)エステル化合物をニッケル触媒(又はパラジウム触媒)、並びに配位子化合物の存在下に反応させ、式(2)で表されるビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物を得る製造方法。
Figure 2017160139

[Ar及びAr’は夫々独立に置換/非置換のアリール基又はヘテロアリール基;YはO又はS]
【選択図】なし

Description

本発明は、ビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物の製造方法に関する。
2個の(ヘテロ)アリール基を(チオ)エーテル結合で結合したビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物は、多くが医薬品等の生物活性化合物として使用されるため、より安価に合成する方法が求められている。
このようなビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物は、従来は、Cu触媒を用いたフェノール化合物とアリールハライド化合物とのウルマンクロスカップリング反応による合成が古くから知られており、主流である(例えば、非特許文献1等)。触媒としてPd触媒、カップリング剤としてアリールボロン酸化合物を用いた手法も報告されている。現在採用されている合成方法のほとんどがカップリング反応である。
Angew. Chem. Int. Ed. 2003, 42, 5400
しかしながら、これら従来の合成方法は、カップリング剤としてハロゲン化アリール化合物、有機ボロン酸化合物等の高価であるうえに、ハロゲン化アリール化合物を使用した場合はハロゲン由来の廃棄物を排出してしまう。
このため、本発明は、ハロゲン由来の廃棄物を排出せずに、安価にビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物を合成する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、触媒としてパラジウム触媒又はニッケル触媒を用い、配位子化合物として特定の化合物を用い、基質として特定の(チオ)エステル化合物を用いることで、種々のビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物を、ハロゲン由来の廃棄物を排出せずに、安価に提供することが可能であることを見出した。本発明者らは、このような知見に基づき、さらに研究を重ね、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下の構成を包含する。
項1.一般式(1):
Figure 2017160139
[式中、R1は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。R2は置換されていてもよいアリール基を示す。Yは酸素原子又は硫黄原子を示す。]
で表されるビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物の製造方法であって、
パラジウム触媒又はニッケル触媒、並びに配位子化合物の存在下に、(チオ)エステル化合物を反応させる工程を備え、
前記(チオ)エステル化合物は、一般式(2):
Figure 2017160139
[式中、R1、R2及びYは前記に同じである。]
で表される化合物であり、
前記配位子化合物は、一般式(3):
Figure 2017160139
[式中、Z’は、環を形成していても形成していなくてもよく、環を形成している場合には5員環若しくは6員環のヘテロ芳香環を示す。R5〜R8は同一又は異なって、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいシクロアルキル基を示す。n1及びn2は同一又は異なって、0〜2の整数を示す。]
で表される化合物である、製造方法。
項2.前記一般式(3)において、Z’は5員環若しくは6員環のヘテロ芳香環を示す、項1に記載の製造方法。
項3.前記一般式(3)において、R5〜R8は同一又は異なって、置換されていてもよいシクロアルキル基を示す、項1又は2に記載の製造方法。
項4.前記クロスカップリング反応において、さらに、塩基を使用する、項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
項5.以下の一般式:
Figure 2017160139
[式中、Phはフェニル基を示す。]
で表される化合物。
本発明によれば、通常はクロスカップリング反応を採用しないと合成できないとされているビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物を、パラジウム触媒又はニッケル触媒、並びに特定の配位子化合物の存在下に特定の(チオ)エステル化合物を反応させることで合成することができる(新反応)。
本発明では、芳香族ハロゲン化合物等のハロゲン化合物を使用する必要がないので、より安価にビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物を合成することができるとともに、副生成物として環境汚染が懸念されるハロゲン廃棄物、金属廃棄物等を生成せずに安全にビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物を合成することができる。
1. ビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物の製造方法
本発明においては、パラジウム触媒又はニッケル触媒、並びに特定の配位子化合物の存在下に、(チオ)エステル化合物を反応(特に、脱カルボニル反応)させて、ビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物を得ることができる。本発明は、基質の汎用性が高いため、様々な(チオ)エステル化合物を用いて、様々なビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物を得ることも可能である。本発明においては、通常、溶媒中、パラジウム触媒若しくはニッケル触媒、特定の配位子化合物、並びに必要に応じて塩基の存在下に、特定の(チオ)エステル化合物を反応(特に脱カルボニル反応)させて特定のビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物を得ることができる。
なお、本明細書において、「(ヘテロ)アリール基」とは、アリール基及びヘテロアリール基を総称する基を意味する。
また、本明細書において、「(チオ)エステル化合物」とは、エステル化合物及びチオエステル化合物を総称する化合物群を意味する。
また、本明細書において、「ビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物」とは、ビアリールエーテル化合物、ビアリールチオエーテル化合物、ビヘテロアリールエーテル化合物及びビヘテロアリールチオエーテル化合物を総称する化合物群を意味し、具体的には、一般式(1):
Figure 2017160139
[式中、R1は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。R2は置換されていてもよいアリール基を示す。Yは酸素原子又は硫黄原子を示す。]
で表される化合物が好ましい。R1、R2及びYについては、詳しくは後述する。
反応に供される(チオ)エステル化合物としては、ビ(ヘテロ)アリール化合物の基質化合物であるため、(ヘテロ)アリール基を2つ有する(チオ)エステル化合物が好ましく、例えば、一般式(2):
Figure 2017160139
[式中、R1、R2及びYは前記に同じである。]
で表される(チオ)エステル化合物を使用できる。
一般式(1)及び(2)において、R1で示されるヘテロアリール基としては、例えば、ピロリル基、ピリジル基、ピロリジル基、ピペリジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、ピペラジル基、トリアジニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、モルホリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、フラニル基、チオフェニル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、シンノリル基、ベンゾイミダゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基、プリニル基、プテリジル基、ベンゾフラニル基、クマリル基、クロモニル基、ベンゾチオフェニル基等が挙げられる。
また、R1で示されるヘテロアリール基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子等)、アルキル基(メチル基、エチル基等のC1−4アルキル基等)、ハロアルキル基(トリフルオロメチル基等のC1−4ハロアルキル基等)、アルコキシ基(メトキシ基等のC1−4アルコキシ基)、ハロアルコキシ基(トリフルオロメトキシ基等のC1−4ハロアルコキシ基)、アミノ基(ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基等)、シリル基(t−ブチルジメチルシリル基等のトリアルキルシリル基等)、シアノ基等が挙げられる。また、上記した置換基で置換されていてもよい後述のアリール基、上記した置換基で置換されていてもよい上記ヘテロアリール基等を置換基として有していてもよい。これら置換基を有する場合、置換基の数は、1〜6個が好ましく、1〜3個がより好ましい。
R1としては、収率の観点から、上記置換基を有していてもよいピリジル基、又は該ピリジル基に後述の置換基を有していてもよいアリール基又は上記の置換基を有していてもよいヘテロアリール基が縮合した基が好ましく、上記置換基を有していてもよいピリジル基、上記置換基を有していてもよいキノリル基、上記置換基を有していてもよいキノキサリル基等がより好ましく、
Figure 2017160139
等がさらに好ましい。
特に、本発明においては、R1として、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、ケト基等の反応性を有する他の官能基を有していたとしても、エステル結合中のカルボニル基が選択的に脱離して、所望のビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物を得ることができる。
一般式(1)及び(2)において、R2で示されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフェニル基等が挙げられる。また、R2として、エストロン由来の基(エストロニル基)等の複雑な芳香族基を採用することもできる。
また、R2で示されるアリール基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子等)、アルキル基(メチル基、エチル基等のC1−4アルキル基等)、ハロアルキル基(トリフルオロメチル基等のC1−4ハロアルキル基等)、アルコキシ基(メトキシ基等のC1−4アルコキシ基)、ハロアルコキシ基(トリフルオロメトキシ基等のC1−4ハロアルコキシ基)、アミノ基(ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基等)、シリル基(t−ブチルジメチルシリル基等のトリアルキルシリル基等)、シアノ基等が挙げられる。また、上記した置換基で置換されていてもよい上記アリール基、上記した置換基で置換されていてもよい上記ヘテロアリール基等を置換基として有していてもよい。これら置換基を有する場合、置換基の数は、1〜6個が好ましく、1〜3個がより好ましい。
なかでも、上記置換基を有していてもよいベンゼン環が好ましく、
Figure 2017160139
等がより好ましい。
このような条件を満たす基質としての(チオ)エステル化合物としては、例えば、
Figure 2017160139
Figure 2017160139
等を使用することができ、
Figure 2017160139
等が好ましい。
パラジウム触媒としては、特に制限されず、金属パラジウムの他、有機化合物(高分子化合物を含む)等の合成用触媒として公知のパラジウム化合物も使用できる。パラジウム触媒としては、0価パラジウム触媒及びII価パラジウム触媒のいずれも採用できる。なお、0価パラジウム触媒を用いた場合には、当該0価パラジウムは、系中で酸化されてII価パラジウムになり得る。使用できるパラジウム触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh3)4)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(Pd2(dba)3)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、ビス(トリt−ブチルホスフィノ)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)2)、ハロゲン化パラジウム(II)(PdCl2、PdBr2、PdI2等)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(PdCl2(PPh3)2)、Pd(OTf)2(Tfはトリフルオロメチルスルホニル基を示す。)等が挙げられる。本発明においては、クロスカップリング工程の反応性(収率、選択率等)の観点から、酢酸パラジウムが好ましい。これらのパラジウム触媒は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。これらのパラジウム触媒は、試薬として投入するもの及び反応中で生成するものの両方を意味する。これらのパラジウム触媒は、公知又は市販のパラジウム触媒を用いることができる。
ニッケル触媒としては、特に制限されず、0価のNiの塩又は2価のNiの塩が好ましい。
上記0価のNiの塩としては、特に制限されず、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジカルボニル、ニッケルカルボニル等が挙げられる。
また、上記2価のNiの塩としては、例えば、酢酸ニッケル(II)、トリフルオロ酢酸ニッケル(II)、硝酸ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)、ニッケル(II)アセチルアセトナート、過塩素酸ニッケル(II)、クエン酸ニッケル(II)、シュウ酸ニッケル(II)、シクロヘキサン酪酸ニッケル(II)、安息香酸ニッケル(II)、ステアリン酸ニッケル(II)、ステアリン酸ニッケル(II)、スルファミンニッケル(II)、炭酸ニッケル(II)、チオシアン酸ニッケル(II)、トリフルオロメタンスルホン酸ニッケル(II)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(II)、ビス(4−ジエチルアミノジチオベンジル)ニッケル(II)、シアン化ニッケル(II)、フッ化ニッケル(II)、ホウ化ニッケル(II)、ホウ酸ニッケル(II)、次亜リン酸ニッケル(II)、硫酸アンモニウムニッケル(II)、水酸化ニッケル(II)、シクロペンタジエニルニッケル(II)、及びこれらの水和物、並びにこれらの混合物等が挙げられる。
0価のNiの塩及び2価のNiの塩としては、配位子を配位させたニッケル触媒を使用することもできる。例えば、単座又は二座のジアルキルホスフィン又はジシクロアルキルホスフィン骨格を有するニッケル化合物(さらには二座のジアルキルホスフィン又はジシクロアルキルホスフィン骨格を有するニッケル化合物、特には二座のジシクロアルキルホスフィン骨格を有するニッケル化合物)を好ましく使用することができる。
これらのパラジウム触媒及びニッケル触媒は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。本発明においては、触媒としてニッケル触媒を使用する場合には、反応のコストをより低減できるとともに、取り扱いがより容易であるという効果も有する。
パラジウム触媒又はニッケル触媒の使用量は、基質の種類(反応部位の数等)により適宜選択することが可能であり、例えば、基質である(チオ)エステル化合物1モルに対し、例えば、0.01〜1モルが好ましく、0.02〜0.5モルがより好ましく、0.03〜0.3モルがさらに好ましい。なお、パラジウム触媒又はニッケル触媒を系中で合成する場合には、系中に存在するパラジウム又はニッケルの量が上記範囲内となるように調整することが好ましい。
本発明においては、上記パラジウム触媒又はニッケル触媒とともに、パラジウム原子又はニッケル原子に配位し得る配位子化合物を用いることもできる。この配位子化合物としては、
本発明の反応を有効に進行させるため、一般式(3)
Figure 2017160139
[式中、Z’は、環を形成していても形成していなくてもよく、環を形成している場合には5員環若しくは6員環のヘテロ芳香環を示す。R5〜R8は同一又は異なって、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいシクロアルキル基を示す。n1及びn2は同一又は異なって、0〜2の整数を示す。]
で表される配位子化合物を使用する。
一般式(3)において、Z’は環を形成していても形成していなくてもよい。
一般式(3)において、Z’が環を形成している場合におけるヘテロ芳香環としては、保存安定性の観点から、5員環又は6員環のヘテロ芳香環が好ましく、例えば、チオフェン環、ピロール環、フラン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環等が挙げられ、チオフェン環が特に好ましい。
一般式(3)において、Z’が環を形成していない場合は、Z’の箇所には何も存在せず、一般式(3A):
Figure 2017160139
[式中、R5〜R8、及びn1〜n2は前記に同じである。]
で表される配位子化合物を意味する。
一般式(3)において、R5〜R8で示されるアルキル基としては、例えば、鎖状又は分岐状のC1−10アルキル基、好ましくはC1−8アルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
また、R5〜R8で示されるアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子等)、アルキル基(メチル基、エチル基等のC1−4アルキル基等)、ハロアルキル基(トリフルオロメチル基等のC1−4ハロアルキル基等)、アルコキシ基(メトキシ基等のC1−4アルコキシ基)、ハロアルコキシ基(トリフルオロメトキシ基等のC1−4ハロアルコキシ基)、アミノ基(ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基等)、シリル基(t−ブチルジメチルシリル基等のトリアルキルシリル基等)、シアノ基等が挙げられる。また、上記した置換基で置換されていてもよい上述のアリール基、上記した置換基で置換されていてもよい上述のヘテロアリール基等を置換基として有していてもよい。これら置換基を有する場合、置換基の数は、1〜6個が好ましく、1〜3個がより好ましい。
一般式(3)において、R5〜R8で示されるシクロアルキル基としては、例えば、C3−8シクロアルキル基が好ましく、C4−6シクロアルキル基がより好ましい。具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられ、収率の観点から、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が好ましく、シクロヘキシル基がより好ましい。
また、R5〜R8で示されるシクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子等)、アルキル基(メチル基、エチル基等のC1−4アルキル基等)、ハロアルキル基(トリフルオロメチル基等のC1−4ハロアルキル基等)、アルコキシ基(メトキシ基等のC1−4アルコキシ基)、ハロアルコキシ基(トリフルオロメトキシ基等のC1−4ハロアルコキシ基)、アミノ基(ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基等)、シリル基(t−ブチルジメチルシリル基等のトリアルキルシリル基等)、シアノ基等が挙げられる。また、上記した置換基で置換されていてもよい上述のアリール基、上記した置換基で置換されていてもよい上述のヘテロアリール基等を置換基として有していてもよい。これら置換基を有する場合、置換基の数は、1〜6個が好ましく、1〜3個がより好ましい。
一般式(3)において、R5〜R8としては、収率の観点から、置換基を有していてもよいシクロアルキル基が好ましく、(非置換)シクロアルキル基がより好ましい。R5〜R8としては、特に、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が好ましく、シクロヘキシル基が最も好ましい。
一般式(3)において、n1及びn2は、0〜2の整数であり、収率の観点から、0又は1が好ましい。
このような条件を満たす一般式(3)で示される配位子化合物としては、例えば、
Figure 2017160139
等を使用することができる。
上記の配位子化合物は単独で用いることもできるし、2種以上を組合せて用いることもできる。なお、上記パラジウム触媒又はニッケル触媒と、上記配位子化合物とを、別途投入することもできるし、上記配位子化合物中の配位子を配位させた上記パラジウム触媒又はニッケル触媒を合成し、この配位させた上記パラジウム触媒又はニッケル触媒を投入することもできる。本発明は、配位子を配位させたパラジウム触媒又はニッケル触媒を用いずとも本発明の反応を進行させることができることから、上記パラジウム触媒又はニッケル触媒と、上記配位子化合物とを、別途投入することが好ましい。
上記配位子化合物の使用量は、収率の観点から、パラジウム触媒又はニッケル触媒1モルに対して、例えば、0.01〜50モルが好ましく、0.1〜20モルがより好ましく、0.5〜10モルがさらに好ましく、1〜5モルが特に好ましい。
本発明においては、脱カルボニル反応を促進するため、塩基を使用することが好ましい。
塩基としては、弱塩基を用いても脱カルボニル反応をより促進することが可能である。このため、取り扱い性を考慮し、弱塩基を用いることが好ましい。
本発明において使用し得る塩基としては、例えば、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ルビジウム等のアルカリ金属炭酸塩;トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアミン;リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、リチウムビストリメチルシリルアミド、ナトリウムビストリメチルシリルアミド、カリウムビストリメチルシリルアミド等の金属アミド(特に、アルカリ金属アミド);フッ化セシウム等のハロゲン化金属;グリニャール反応剤等が挙げられる。このうち、収率の観点から、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩及びハロゲン化金属が好ましく、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ルビジウム、フッ化セシウム等がより好ましく、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、フッ化セシウム等がさらに好ましい。
塩基の使用量は、基質である(チオ)エステル化合物1モルに対して、例えば、0.2〜20モルが好ましく、0.5〜10モルがより好ましく、1〜5モルがさらに好ましい。
溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等の鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等の環状エーテル;トルエン、ベンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ジメチルホルムアミド(DMF)等が挙げられる。これらは、単独で用いることもできるし、2種以上を組合せて用いることもできる。これらのうち、本発明では、収率の観点から、環状エーテル及び芳香族炭化水素が好ましく、ジオキサン、テトラヒドロフラン、トルエン等がより好ましく、トルエンが特に好ましい。
本発明においては、上記成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜添加剤を使用することもできる。
本発明の反応は、無水条件下且つ不活性ガス雰囲気(窒素ガス、アルゴンガス等)下で行うことが好ましく、反応温度は、通常、0〜200℃、好ましくは50〜180℃、より好ましくは100〜160℃である。反応時間は、通常、10分〜72時間、好ましくは1〜48時間である。
本発明の反応は、特定の(チオ)エステル化合物のカルボニル基が脱離する反応である。本発明においては、基質である(チオ)エステル化合物中に、他の官能基(アルコキシ基等)を有していたとしても、(チオ)エステル結合中のカルボニル基を選択的に脱離し、ビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物を得ることができる。このため、他の官能基の保護をせずとも反応を効率的に進行させることができるため、より工程数を低減することができる。
反応終了後は、必要に応じて通常の単離及び精製工程を経て、目的化合物を得ることができる。本発明の反応を用いれば、種々の有用なビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物を得ることができる。
このようにして得られる化合物のうち、
Figure 2017160139
[式中、Phはフェニル基を示す。]
等はいずれも文献未記載の新規化合物である。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
特に制約しない限り、乾燥溶媒を含む全ての反応剤及び試薬は、市販品をそのまま使用した。また、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(Ni(cod)2)は関東化学(株)から購入し、K3PO4は和光純薬工業(株)から購入した。特に制約しない限り、すべての反応は、標準的な真空ライン技法を用いて、乾燥ガラス容器中で、アルゴンガス雰囲気下に乾燥溶媒を用いて行った。すべてのエーテル化合物の合成は、J. Young(登録商標)Oリングタップを搭載した20 mLのガラス容器管を用いて、特に断りのない限り8ウェル反応ブロック(ヒーター及び磁気撹拌子含有)中で加熱しながら行った。すべての後処理及び精製手順は、空気中で試薬グレードの溶媒を用いて行った。
分析用薄層クロマトグラフィー(TLC)は、E. Merckシリカゲル60 F254プレコートプレート(0.25 mm)を用いて行った。開発したクロマトグラムは、UVランプ(254 nm)で分析した。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、E. Merckシリカゲル60(230-400メッシュ)を用いて行った。分取薄層クロマトグラフィー(PTLC)はあらかじめ準備したワコーゲルB5-Fのシリカ被覆プレート(0.75 mm)を用いて行った。分取ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)は、溶離液としてクロロホルムを用いてJAIGEL-1H/JAIGEL-2Hカラムを備えたJAI LC-9204を用いて行った。ガスクロマトグラフィー(GC)分析は、内部標準としてドデカンを用い、HP-5カラム(30 m×0.25 mm、ヒューレット−パッカード社)を備えた島津GC-2010計器で行った。GCMS分析は、Restec-5HTカラム(30 m×0.25 mm、ヒューレット−パッカード社)を備えたShimadzu GCMS-QP2010で行った。高分解能質量スペクトル(HRMS)は、Thermo Fisher Scientific Exactiveにより得た。赤外スペクトルはJASCO FTIR-6100分光計で記録した。核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、JEOL JNM-ECA-600分光計(1H 600 MHz、13C 150MHz、31P 243MHz)、JEOL JNM-ECA-400分光計(1H 400 MHz、13C 100MHz、31P 162MHz)、及びUltra CIILTMプローブを備えたJEOL JNM-ECA-600II分光計(1H 600 MHz、13C 150MHz)で記録した。1H NMRの化学シフトはテトラメチルシラン(δ0.00 ppm)の相対的な百万分率(ppm)で表した。13C NMRの化学シフトはCDCl3(δ77.0 ppm)の相対的な百万分率(ppm)で表した。データは、chemical shift, multiplicity (s = singlet, d = doublet, dd = doublet of doublets, ddd = doublet of doublets of doublets, t = triplet, dt = doublet of triplets, td = triplet of doublets, q = quartet, m = multiplet, v = virtual coupling, br = broad signal), coupling constant (Hz), integrationの順に報告する。
合成例1:(チオ)エステル化合物の合成
[合成例1−1]
Figure 2017160139
[式中、Ar及びAr’は同一又は異なって、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。EDC・HClは1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩を示す。DMAPはN,N−ジメチル−4−アミノピリジンを示す。]
カルボン酸(1.0当量)を投入した丸底フラスコに、フェノール化合物(1.0当量)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl; 1.5当量)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP; 0.25当量)、及びCH2Cl2(0.50 M)を添加した。TLCで反応をモニターしながら混合物を数時間撹拌した後、飽和NaHCO3水溶液で反応をクエンチし、CH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。残渣を再結晶又はフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、対応するエステル化合物を得た。得られたエステル化合物は、以下の化合物である。
Figure 2017160139
[式中、Phはフェニル基を示す。]
各化合物のスペクトルデータは以下のとおりであった。
化合物1c(4−フルオロフェニルピコリネート):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 5: 1 to 3: 1)で精製し、白色固体として得た(946.0 mg, 87%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.85 (ddd, J = 5.2, 1.6, 0.8 Hz, 1H), 8.27 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.93 (td, J= 8.0, 1.6 Hz, 1H), 7.57 (ddd, J = 8.0, 1.6 Hz, 2H), 7.25-7.20 (m, 2H), 7.15-7.09 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 163.8, 160.3 (d, JC-F = 248 Hz), 150.0, 147.1 146.6 (d, JC-F = 2.9 Hz), 137.2, 127.4, 125.8, 123.0 (d, JC-F= 8.5 Hz), 116.1 (d, JC-F= 23.8 Hz); HRMS (ESI) m/z calcd for C12H8NO2Na+[M + Na]+: 240.0431 found 240.0428。
化合物1d(4−シアノフェニルピコリネート):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 10: 1)で精製し、白色固体として得た(492.8 mg, 5.0 mmolスケール, 44%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.87 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 8.29 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 7.95 (td, J = 8.0, 1.6 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.60 (ddd, J = 8.0, 4.8, 1.2 Hz, 1H), 7.42 (d, J = 8.8 Hz, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 163.1, 154.1, 150.2, 146.6, 137.4, 133.8, 127.9, 126.1, 122.9, 118.1, 110.2; HRMS (ESI) m/z calcd for C13H8N2O2Na+[M + Na]+: 247.0478 found 247.0478。
化合物1e(4−(トリフルオロメチル)フェニルピコリネート):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 10: 1)で精製し、白色固体として得た(665.0 mg, 5.0 mmolスケール, 50%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.87 (dd, J = 4.8, 1.8 Hz, 1H), 8.29 (d, J= 7.8 Hz, 1H), 7.94 (td, J = 7.8, 1.8 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.59 (ddd, J = 7.8, 4.8, 1.2 Hz, 1H), 7.37-7.30 (m, 3H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 163.4, 153.4, 150.2, 146.9, 137.3, 128.5 (q, J = 31.8 Hz), 127.7, 126.9 (q, J = 2.9 Hz), 126.0, 123.8 (q, J = 272 Hz), 122.3; HRMS (ESI) m/z calcd for C13H9NO2 + [M + H]+: 268.0580 found 268.0580。
化合物1f(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルピコリネート):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 4: 1)で精製し、白色固体として得た(502.0 mg, 4.0 mmolスケール, 44%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.86 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.28 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 7.96-7.90 (m, 1H), 7.60-7.56 (m, 1H), 7.30 (bs, 4H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 163.6, 150.2, 149.0, 147.1, 146.8, 137.2, 127.6, 125.9, 123.0, 122.1, 120.4 (q, JC-F= 261 Hz); HRMS (ESI) m/z calcd for C13H8NO3Na+[M + Na]+: 306.0348 found 306.0345。
化合物1j(2,5−ジメチルフェニルピコリネート):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 4: 1)で精製し、白色固体として得た(906.3 mg, 4.0 mmolスケール, 99%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.86 (dd, J = 4.8, 1.8 Hz, 1H), 8.29 (d, J= 7.8 Hz, 1H), 7.92 (td, J = 7.8, 1.8 Hz, 1H), 7.56 (ddd, J = 7.8, 4.8, 1.2 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.98 (s, 1H), 2.34 (s, 3H), 2.20 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 163.6, 150.1, 149.3, 147.5, 137.1, 137.0, 130.9, 127.3, 127.1, 126.8, 125.7, 122.3, 20.9, 15.8; HRMS (ESI) m/z calcd for C14H13NO2Na+ [M + Na]+: 250.0838 found 250.0838。
化合物1k(2,4−ジメチルフェニルピコリネート):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 5: 1 to 3: 1)で精製し、無色液体として得た(905.3 mg, 4.0 mmolスケール, 99%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.85 (ddd, J = 4.8, 1.8, 1.2 Hz, 1H), 8.28 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.90 (td, J= 7.8, 1.8 Hz, 1H), 7.55 (ddd, J = 7.8, 4.8, 1.2 Hz, 1H), 7.09 (s, 1H), 7.06-7.03 (m, 2H), 2.33 (s, 3H) , 2.21 (s, 3H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 163.6, 150.1, 147.4, 147.2, 137.1, 135.8, 131.8, 129.6, 127.5, 127.3, 125.7, 1221.4, 20.8, 16.1; HRMS (ESI) m/z calcd for C14H13NO2Na+ [M + Na]+: 250.0838 found 250.0831。
化合物1k(2,6−ジフルオロフェニルピコリネート):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 4: 1)で精製し、白色固体として得た(651.1 mg, 5.0 mmolスケール, 55%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.88 (dd, J = 4.8, 2.0 Hz, 1H), 8.31 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 7.94 (td, J = 8.0, 1.6 Hz, 1H), 7.59 (ddd, J = 8.0, 4.8, 1.2 Hz, 1H), 7.27-7.20 (m, 1H), 7.07-7.00 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 161.8, 155.1 (dd, JC-F = 256, 3.8 Hz), 150.2, 145.9, 137.2, 127.7, 127.3 (t, JC-F= 16.2 Hz), 126.6 (t, JC-F= 9.6 Hz), 126.2, 112.1 (dd, JC-F= 18.2, 4.8 Hz); HRMS (ESI) m/z calcd for C12H7NO2Na+[M + Na]+: 258.0337 found 258.0336。
化合物1m(ナフタレン−2−イルピコリネート):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 5: 1)で精製し、白色固体として得た(995.3 mg, 4.0 mmolスケール, 99%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.87 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 8.32 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 7.95-7.81 (m, 4H), 7.74 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 7.58-7.55 (m, 1H), 7.54-7.46 (m, 2H), 7.41 (dd, J = 8.8 Hz, 2.4 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 164.0, 150.1, 148.5, 147.5, 137.2, 133.7, 131.6, 129.5, 127.8, 127.7, 127.4, 126.6, 125.9, 125.8, 121.1, 118.8; HRMS (ESI) m/z calcd for C16H11NO2Na+ [M + Na]+: 272.0682 found 272.0682。
化合物1n(フェニル3−メチルピコリネート):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 5: 1 to 3: 1)で精製し、白色固体として得た(403.0 mg, 3.0 mmolスケール, 63%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.66 (dd, J = 4.8, 1.2 Hz, 1H), 7.69 (dd, J= 7.8, 1.2 Hz, 1H), 7.46-7.41 (m, 3H), 7.30-7.24 (m, 3H), 2.67 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 164.6, 150.8, 147.1, 146.2, 140.0, 136.5, 129.4, 126.4, 125.9, 121.4, 20.1; HRMS (ESI) m/z calcd for C13H11NO2Na+[M + Na]+: 236.0682 found 233.0681。
化合物1o(フェニル6−メチルピコリネート):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 5: 1 to 2: 1)で精製し、白色固体として得た(662.0 mg, 5.0 mmolスケール, 62%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.10 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.79 (t, J= 7.2 Hz, 1H), 7.45-7.39 (m, 3H), 7.30-7.22 (m, 3H), 2.72 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 163.9, 159.2, 146.8, 137.1, 129.3, 127.2, 125.9, 122.9, 121.6, 24.6; HRMS (ESI) m/z calcd for C13H11NO2Na+[M + Na]+: 236.0682 found 233.0680。
化合物1p(フェニル6−メトキシピコリネート):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 5: 1 to 2: 1)で精製し、白色固体として得た(495.7 mg, 3.0 mmolスケール, 72%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.87 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.74 (dd, J= 8.4, 7.2 Hz, 1H), 7.46-7.41 (m, 2H), 7.30-7.23 (m, 3H), 6.99 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.05 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 164.0, 163.7, 151.0, 144.9, 139.1, 129.5, 125.9, 121.6, 119.3, 115.8, 53.7; HRMS (ESI) m/z calcd for C13H11NO3Na+[M + Na]+: 252.0631 found 252.0633。
化合物1q(フェニル5−(トリフルオロメチル)ピコリネート):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 5: 1 to 2: 1)で精製し、白色固体として得た(524.0 mg, 3.0 mmolスケール, 65%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 9.10 (s, 1H), 8.41 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.48-7.45 (m, 2H), 7.32 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.29-7.26 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 162.6, 150.6, 150.5, 146.9 (q, JC-F = 3.8 Hz), 134.6 (q, JC-F = 2.8 Hz), 129.7 (q, JC-F = 34.4 Hz), 129.6, 126.4, 125.4, 122.8 (q, JC-F= 278 Hz), 121.4; HRMS (ESI) m/z calcd for C13H9F3NO2 +[M + H]+: 268.0580 found 268.0577。
化合物1t(フェニル4−メトキシキノリン−2−カルボキシレート):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 5: 1 to 3: 1)で精製し、白色固体として得た(769.8 mg, 5.0 mmolスケール, 55%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.28 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 7.80 (ddd, J= 8.4, 6.8, 1.6 Hz, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.64 (dd, J = 8.4, 7.6 Hz, 1H), 7.49-7.44 (m, 2H), 7.33-7.28 (m, 3H), 4.16 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 164.6, 163.4, 151.2, 148.6, 148.5, 130.6, 130.4, 129.5, 127.9, 126.1, 122.3, 121.85, 121.79, 100.5, 56.1; HRMS (ESI) m/z calcd for C17H13NO3Na+ [M + Na]+: 302.0788 found 302.0788。
化合物1v(フェニルイソキノリン−1−カルボキシレート):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 5: 1 to 3: 1)で精製し、白色固体として得た(1.63 g, 10.0 mmolスケール, 65%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.93 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 8.75 (d, J= 5.6 Hz, 1H), 7.95-7.90 (m, 2H), 7.80-7.70 (m, 2H), 7.51-7.45 (m, 2H), 7.37-7.30 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 164.3, 150.8, 147.2, 141.6, 136.9, 130.6, 129.4, 129.0, 127.1, 126.1, 126.0, 124.7, 121.7 (one peak is missing because of overlap); HRMS (ESI) m/z calcd for C16H12NO2 +[M + H]+: 250.0863 found 250.0862。
化合物1w(メシチルキノリン−2−カルボキシレート):
ヘキサンを用いた再結晶で精製し、白色固体として得た(923.0 mg, 5.0 mmolスケール, 63%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.42-8.33 (m, 3H), 7.93 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.83 (ddd, J = 8.4, 7.2, 1.8 Hz, 1H), 7.70 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 6.94 (s, 2H), 2.31 (s, 3H), 2.22 (s, 6H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 163.4, 147.8, 147.3, 146.3, 137.4, 135.5, 130.9, 130.4, 129.7, 129.5, 129.3, 128.8, 127.5 121.4, 20.8, 16.4; HRMS (ESI) m/z calcd for C19H17NO2Na+ [M + Na]+: 314.1152 found 314.1147。
[合成例1−2]
Figure 2017160139
[式中、Ar及びAr’は同一又は異なって、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。Yは前酸素原子又は硫黄原子を示す。Et3Nはトリエチルアミンを示す。DMAPはN,N−ジメチル−4−アミノピリジンを示す。]
カルボン酸(1.0当量)に塩化チオニル(SOCl2; 0.50 M)を添加し、混合物を1時間還流した。溶液を真空下に濃縮した。この残渣に、CH2Cl2(0.50 M)及びフェノール化合物(1.0当量)を添加し、次いで、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP; 0.25当量)を添加した。混合物を0℃まで冷却した後、トリエチルアミン(Et3N; 2.0当量)をゆっくりと添加し、次いで、反応混合物を室温まで昇温した。混合物を1時間撹拌した後、得られた混合物にNaHCO3水溶液を添加して反応をクエンチした。混合物をCH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、次いで、ろ過した。ろ液を真空下に濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー又は分取ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより精製し、対応する(チオ)エステル化合物を得た。得られた(チオ)エステル化合物は、以下の化合物である。
Figure 2017160139
[式中、Phはフェニル基を示す。]
各化合物のスペクトルデータは以下のとおりであった。
化合物1y((8R,9S,13S,14S)−13−メチル−17−オキソ−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルピコリネート):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 1: 1)で精製し、白色固体として得た(1.45 g, 5.0 mmolスケール, 77%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.85 (ddd, J = 4.8, 1.6, 0.8 Hz, 1H), 8.27 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.91 (td, J= 8.0, 1.6 Hz, 1H), 7.56 (ddd, J = 8.0, 4.8, 1.6 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.03 (dd, J = 8.8, 2.4 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 2.98-2.91 (m, 2H), 2.52 (dd, J = 18.8, 8.4 Hz, 3H), 2.46-2.40 (m, 1H), 2.33 (td, J = 12.4, 4.4 Hz, 1H), 2.21-1.95 (m, 4H), 1.70-1.44 (m, 6H), 0.93 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 220.7, 164.1, 150.1, 148.8, 147.6, 138.1, 137.6, 137.1, 127.3, 126.5, 124.8, 121.6, 118.8, 50.4, 47.9, 44.2, 37.9, 35.8, 31.5, 29.4, 26.3, 25.7, 21.6, 13.8; HRMS (ESI) m/z calcd for C24H25NO3Na+[M + Na]+: 398.1727 found 398.1724。
化合物1z((R)−2,8−ジメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチルトリデシル)クロマン−6−イル):
分取ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで精製し、黄色固体として得た(677.1 mg, 3.0 mmolスケール, 38%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.26 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.19 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 7.73 (ddd, J = 8.4, 7.2, 1.8 Hz, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.56 (ddd, J= 8.4, 7.2, 1.2 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.84 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.06 (s, 3H), 2.80-2.70 (m, 2H), 2.19 (s, 3H), 1.85-1.70 (m, 2H), 1.63-1.04 (m, 23H), 0.96-0.81 (m, 13H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 165.1, 163.3, 150.0, 149.0, 148.6, 142.9, 130.4, 127.7, 1127.3, 122.3, 121.7, 121.3, 121.0, 119.2, 100.5, 76.2, 56.1, 40.2, 39.4, 37.4, 37.3, 32.8, 32.7, 31.0, 28.0, 24.8, 24.4, 24.2, 22.7, 22.6, 22.5, 21.0, 19.7, 19.6, 16.2 (two peaks are missing because of overlap); HRMS (ESI) m/z calcd for C38H54NO4 + [M + H]+: 588.4034 found 588.4047。
化合物1ab(S−フェニルキノリン−2−カルボチオエート):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 10: 1)で精製し、白色固体として得た(1.01 g, 5.0 mmolスケール, 76%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.32 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 8.04 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.84 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.69 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.60-7.56 (m, 2H), 7.50-7.46 (m, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 192.5, 151.3, 147.1, 137.6, 135.0, 130.5, 130.4, 130.3, 129.5, 129.4, 129.2, 128.9, 128.4, 127.7, 117.2; HRMS (ESI) m/z calcd for C16H12NOS+ [M + H]+: 266.0634 found 266.0638。
化合物1ac(S−(2,4−ジメチルフェニル)ピリジン−2−カルボチオエート):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 20: 1)で精製し、白色固体として得た(399.5 mg, 5.0 mmolスケール, 33%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.75 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 7.95 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 7.89-7.83 (m, 1H), 7.57-7.51 (m, 1H), 7.37 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.19 (s, 1H), 7.08 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 2.36 (bs, 6H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 191.6, 151.9, 149.1, 142.3, 140.2, 137.3, 136.0, 131.6, 127.9, 127.5, 123.9, 120.7, 21.2, 20.6; HRMS (ESI) m/z calcd for C14H14NO2S+[M + H]+: 244.0791 found 244.0792。
化合物1ad(S−(2−フルオロフェニル)ピリジン−2−カルボチオエート):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 20: 1)で精製し、白色固体として得た(570.5 mg, 5.0 mmolスケール, 49%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.76 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.96 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 7.91-7.85 (m, 1H), 7.59-7.44 (m, 3H), 7.26-7.19 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 190.2, 162.7 (d, J= 254 Hz), 151.2, 149.2, 137.4, 136.9, 132.0 (d, JC-F = 8.6 Hz), 128.2, 124.6 (d, JC-F = 3.8 Hz), 120.8, 116.2 (d, JC-F = 22.9 Hz), 115.8 (d, JC-F = 19.1 Hz); HRMS (ESI) m/z calcd for C12H9NOS+[M + H]+: 234.0383 found 234.0388。
化合物1ae(S−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−2−カルボチオエート):
分取ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで精製し、白色固体として得た(550.6 mg, 5.0 mmolスケール, 40%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.75 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1H), 7.96 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 7.88 (td, J = 8.0, 1.6 Hz, 1H), 7.58-7.53 (m, 1H), 7.11 (dd, J= 8.4, 2.0 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.90 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 192.7, 151.7, 150.2, 149.3, 149.1, 137.3, 128.0, 120.7, 118.8, 117.6, 111.6, 55.94, 55.89 (one peak is missing because of overlap); HRMS (ESI) m/z calcd for C14H13NO3SNA+[M + Na]+: 298.0508 found 298.0511。
[合成例1−3]
Figure 2017160139
[式中、Ar及びAr’は同一又は異なって、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。DCCはN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドを示す。DMAPはN,N−ジメチル−4−アミノピリジンを示す。DMFはジメチルホルムアミドを示す。]
カルボン酸(1.0当量)を投入した丸底フラスコに、フェノール化合物(2.1当量)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC; 3.0当量)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP; 0.25当量)、及び溶媒(CH2Cl2: DMF = 2: 1, 0.33 M)を添加した。TLCで反応をモニターしながら混合物を数時間撹拌した後、飽和NaHCO3水溶液で反応をクエンチし、CH2Cl2で3回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、真空下に濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、対応するエステル化合物を得た。得られたエステル化合物は、以下の化合物である。
Figure 2017160139
[式中、Phはフェニル基を示す。]
化合物1af(ジフェニルピリジン−2,4−ジカルボキシレート):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 4: 1)で精製し、白色固体として得た(1.01 g, 5.0 mmolスケール, 63%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.09 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 8.95 (s, 1H), 8.27 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.51-7.43 (m, 4H), 7.36-7.24 (m, 7H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 163.0, 162.8, 151.1, 150.7, 150.3, 148.8, 138.5, 129.7, 129.5, 126.8, 126.5, 126.3, 125.2, 121.5, 121.2; HRMS (ESI) m/z calcd for C19H13NO4Na+[M + Na]+: 342.0737 found 342.0741。
[合成例1−4]
その他、上記合成した合成例1−1〜1−3と同様の方法により(必要であれば、Muto, K.; Yamaguchi, J.; Musaev, D. G.; Itami, K. Nature Commun. 2015, 6. 7508.等を参考に)、以下の化合物を合成した。
Figure 2017160139
[式中、Phはフェニル基を示す。]
実施例1:(チオ)エーテル化合物の合成(ニッケル触媒)
Figure 2017160139
[式中、Y、Ar及びAr’は前記に同じである。]
J. Young(登録商標)Oリングタップを備えた20 mLのガラス容器に磁気攪拌子を入れ、K3PO4(127.4 mg, 0.60 mmol, 1.5当量)を投入し、減圧下にヒートガンで乾燥し、室温まで冷却した後にアルゴンを充填した。この容器に、(チオ)エステル化合物1(0.40 mmol, 1.0当量)、及び3,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)チオフェン(dcypt; 19.1 mg, 0.04 mmol, 10 mol%)を添加し、次に、アルゴン雰囲気のグローブボックスに載置した。グローブボックス中で、この容器にビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(Ni(cod)2; 5.5 mg, 0.020 mmol, 5 mol%)を投入し、次いで、トルエン(1.6 mL)を投入した。容器をOリングタップで密封した後、グローブボックスの外に取りだした。8ウェル反応ブロック中で、攪拌しながら容器を150℃で18時間加熱した。反応混合物を室温に冷却した後、混合物を、酢酸エチル(EtOAc)を用いたシリカゲルパッドでろ過した。ろ液を濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー又は分取ゲルパーミエーションクロマトグラフィーに供し、目的物である(チオ)エーテル化合物を得た。得られた(チオ)エーテル化合物は、以下の化合物である。
Figure 2017160139
Figure 2017160139
[式中、Phはフェニル基を示す。]
化合物2a(2−フェノキシピリジン):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 20: 1 to 15: 1)で精製し、白色固体として得た(61.5 mg, 90%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.20 (dd, J = 4.8, 2.4 Hz, 1H), 7.67 (ddd, J = 8.4, 7.2, 2.4 Hz, 1H), 7.42-7.37 (m, 2H), 7.19 (tt, J = 7.2, 1.2 Hz, 1H), 7.15-7.12 (m, 2H), 6.98 (ddd, J =7.2, 4.8, 1.2 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 7.2 Hz, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 163.7, 154.1, 147.7, 139.3, 129.6, 124.6, 121.1, 118.4, 111.5; HRMS (ESI) m/z calcd for C11H10NO+ [M + H]+: 172.0762 found 172.0761。
化合物2b(2−(4−メトキシフェノキシ)ピリジン):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 20: 1 to 10: 1)で精製し、黄色固体として得た(64.6 mg, 80%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.18 (dd, J = 4.8, 1.2 Hz, 1H), 7.65 (ddd, J = 8.4, 7.2, 1.2 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.98-6.91 (m, 3H), 6.86 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 164.1, 156.4, 147.6, 147.3, 139.2, 122.3, 118.0, 114.6, 110.9, 55.5; HRMS (ESI) m/z calcd for C12H12N2 +[M + H]+: 202.0868 found 202.0869。
化合物2c(2−(4−フルオロフェノキシ)ピリジン):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 20: 1 to 15: 1)で精製し、白色固体として得た(58.6 mg, 77%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.18 (dd, J = 4.8, 1.2 Hz, 1H), 7.71-7.67 (m, 1H), 7.13-7.07 (m, 4H), 6.99 (ddd, J = 7.2, 5.4, 1.2 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 9.0 Hz, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 163.6, 159.5 (d, JC-F= 243.3 Hz), 149.7 (d, JC-F= 3.0 Hz), 147.6, 139.4, 122.8 (d, JC-F= 7.2 Hz), 118.4, 116.2 (d, JC-F= 24.6 Hz), 111.3; HRMS (ESI) m/z calcd for C11H9FNO+[M + H]+: 190.0668 found 190.0667。
化合物2d(4−(ピリジン−2−イロキシ)ベンゾニトリル:
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 15: 1 to 5: 1)で精製し、白色固体として得た(66.9 mg, 85%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.21 (dd, J = 4.8, 2.0 Hz, 1H), 7.77 (ddd, J = 8.4, 7.6, 2.0 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.24 (d, J= 8.8 Hz, 2H), 7.10 (ddd, J = 7.2, 5.2, 0.8 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.4 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 162.2, 157.9, 147.7, 140.0, 133.9, 121.4, 119.8, 118.7, 112.6, 107.7; HRMS (ESI) m/z calcd for C12H9N2O+[M + H]+: 197.0715 found 197.0715。
化合物2e(2−(4−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ピリジン):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 20: 1)で精製し、白色固体として得た(51.8 mg, 54%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.21 (dd, J = 5.2, 2.0 Hz, 1H), 7.77-7.71 (m, 1H), 7.65 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.24 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.06 (dd, J = 7.6, 5.2 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 8.8 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 162.8, 156.9, 147.7, 139.8, 127.0 (q, J = 3.8 Hz), 126.5 (q, J = 33.4 Hz), 124.1 (q, J = 276 Hz), 121.1, 119.3, 112.2; HRMS (ESI) m/z calcd for C12H9F3NO+ [M + H]+: 240.0636 found 240.0635。
化合物2f(2−(4−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ピリジン):
分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/ジエチルエーテル= 7: 1)で精製し、白色固体として得た(55.3 mg, 54%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.19 (dd, J = 4.8, 1.8 Hz, 1H), 7.71 (ddd, J = 8.4, 7.2, 1.8 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.16 (d, J= 9.0 Hz, 2H), 7.02 (ddd, J = 7.2, 4.8, 1.2 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 8.4 Hz, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 163.2, 152.4, 147.6, 145.5, 139.6, 122.3, 122.2, 120.5 (q, JC-F = 259 Hz), 118.9, 111.8; HRMS (ESI) m/z calcd for C12H9F3NO2 +[M + H]+: 256.0585 found 256.0585。
化合物2g(2−(3,5−ジメチルフェノキシ)ピリジン):
分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/ジエチルエーテル= 4: 1)で精製し、白色固体として得た(55.1 mg, 69%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.21 (dd, J = 4.8, 1.2 Hz, 1H), 7.66 (ddd, J = 8.4, 7.6, 2.0 Hz, 1H), 6.97 (dd, J = 7.2, 4.8 Hz, 1H), 6.88 (d, J= 8.0 Hz, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.75 (s, 6H), 2.32 (s, 6H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 163.9, 154.0, 147.8, 139.4, 139.2, 126.5, 118.7, 118.1, 111.4, 21.3; HRMS (ESI) m/z calcd for C13H14NO+[M + H]+: 200.1075 found 200.1075。
化合物2h(2−(3,5−ジメトキシフェノキシ)ピリジン):
分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 3: 1)で精製し、黄色固体として得た(77.5 mg, 84%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.23 (dd, J = 4.8, 1.8 Hz, 1H), 7.68 (ddd, J = 8.4, 7.2, 1.8 Hz, 1H), 7.00 (ddd, J = 7.2, 4.8, 0.6 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.31 (d, J= 1.8 Hz, 1H), 6.30 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 3.77 (s, 6H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 163.5, 161.4, 155.9, 147.9, 139.4, 118.6, 111.6, 99.5, 97.0, 55.4; HRMS (ESI) m/z calcd for C13H14NO3 +[M + Na]+: 232.0974 found 232.0975。
化合物2i(2−(2−メトキシフェノキシ)ピリジン):
分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/ジエチルエーテル= 4: 1)で精製し、白色固体として得た(52.6 mg, 65%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.14 (ddd, J = 8.4, 1.8 Hz, 1H), 7.65 (ddd, J = 8.4, 7.2, 1.8 Hz, 1H), 7.20 (ddd, J = 8.4, 7.8, 1.8 Hz, 1H), 7.14 (dd, J = 8.4, 1.8 Hz, 1H), 7.03-6.97 (m, 2H), 6.95-6.90 (m, 2H), 3.76 (s, 3H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 163.7, 151.8, 147.5, 142.5, 139.1, 125.9, 123.1, 121.0, 118.0, 112.8, 110.6, 55.9; HRMS (ESI) m/z calcd for C12H12NO2 +[M + H]+: 202.0868 found 202.0870。
化合物2j(2−(2,5−ジメチルフェノキシ)ピリジン):
分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 4: 1)で精製し、無色液体として得た(69.1 mg, 87%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.17 (dd, J = 4.8, 1.8 Hz, 1H), 7.64 (ddd, J = 8.4, 7.2, 1.8 Hz, 1H), 7.14 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.96-6.92 (m, 2H), 6.87 (s, 1H), 6.83 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 2.31 (s, 3H), 2.12 (s, 3H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 163.8, 151.9, 147.8, 139.2, 137.0, 131.0, 127.4, 126.0, 122.3, 117.8, 110.5, 20.9, 15.9; HRMS (DART) m/z calcd for C13H14NO+[M + H]+: 200.1075 found 200.1076。
化合物2k(2−(2,4−ジメチルフェノキシ)ピリジン):
分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 7: 1)で精製し、無色液体として得た(63.7 mg, 80%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.16 (dd, J = 4.8, 2.4 Hz, 1H), 7.63 (ddd, J = 8.4, 7.2, 2.4 Hz, 1H), 7.07 (s, 1H), 7.02 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.96-6.91 (m, 2H), 6.83 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 2.32 (s, 3H), 2.13 (s, 3H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 163.9, 149.8, 147.8, 139.2, 134.6, 132.0, 130.3, 127.6, 121.6, 117.7, 110.4, 20.8, 16.2; HRMS (DART) m/z calcd for C13H14NO+[M + H]+: 200.1075 found 200.1079。
化合物2l(2−(2,6−ジフルオロフェノキシ)ピリジン):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 15: 1 to 6: 1)で精製し、白色固体として得た(44.6 mg, 54%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.11 (dd, J = 5.4, 1.8 Hz, 1H), 7.72 (ddd, J = 8.4, 7.2, 2.4 Hz, 1H), 7.19-7.13 (m, 1H), 7.07 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.03-6.97 (m, 3H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 162.1, 156.2 (dd, JC-F= 251, 4.2 Hz), 147.2, 139.6, 129.9 (t, JC-F= 15.0 Hz), 125.3 (t, JC-F= 9.3 Hz), 119.0, 112.1 (dd, JC-F= 18.0, 4.4 Hz), 110.6; HRMS (ESI) m/z calcd for C11H8NO+[M + H]+: 208.0568 found 208.0571。
化合物2n(3−メチル−2−フェノキシピリジン):
分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 4: 1)で精製し、無色液体として得た(42.5 mg, 57%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.99 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.53 (d, J= 7.2 Hz, 1H), 7.39 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.17 (t, J =7.8 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 7.8 Hz 2H), 6.91 (dd, J = 7.2, 4.8 Hz, 1H), 2.35 (s, 3H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 161.8, 154.5, 144.7, 139.7, 129.4, 124.2, 121.9, 120.9, 118.6, 15.7; HRMS (ESI) m/z calcd for C12H12NO+[M + H]+: 186.0919 found 186.0915。
化合物2o(2−メチル−6−フェノキシピリジン):
分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 4: 1)で精製し、無色液体として得た(67.5 mg, 91%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 7.54 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.40-7.35 (m, 2H), 7.17 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.14-7.11 (m, 2H), 6.87 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 6.57 (d, J= 7.8 Hz, 2H), 2.46 (s, 3H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 163.1, 157.5, 154.6, 139.5, 129.6, 124.2, 120.6, 117.9, 107.4, 24.1; HRMS (ESI) m/z calcd for C12H12NO+[M + H]+: 186.0919 found 186.0916。
化合物2p(2−メトキシ−6−フェノキシピリジン):
分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 20: 1)で精製し、無色液体として得た(65.1 mg, 81%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.52 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.41-7.34 (m, 2H), 7.21-7.12 (m, 3H), 6.44 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.30 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 163.4, 162.4, 154.3, 141.3, 129.5, 124.5, 121.1, 104.2, 101.4, 53.5; HRMS (ESI) m/z calcd for C12H12NO2 +[M + H]+: 202.0863 found 202.0863。
化合物2q(2−フェノキシ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン):
分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 8: 1)で精製し、無色液体として得た(71.6 mg, 75%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.45 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.90 (dd, J= 9.0, 3.0 Hz, 1H), 7.44 (dd, J = 8.4, 7.2 Hz, 1H), 7.27 (tt, J = 8.4, 1.2 Hz, 1H), 7.15 (dt, J = 7.2, 1.2 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 9.0 Hz, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 165.8, 153.1, 145.5 (q, JC-F = 4.2 Hz), 136.6, 129.8, 125.5, 123.7 (q, JC-F = 274 Hz), 121.5, 121.3 (q, JC-F = 33.0 Hz), 111.3; HRMS (ESI) m/z calcd for C12H9NO+ [M + H]+: 240.0636 found 240.0637。
化合物2r(2−フェノキシピラジン):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 15: 1 to 6: 1)で精製し、白色固体として得た(34.6 mg, 50%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.43 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 8.26 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 8.11 (dd, J = 2.4, 1.2 Hz, 1H), 7.46-7.41 (m, 2H), 7.26 (t, J= 7.8 Hz, 1H), 7.17 (dd, J = 8.4, 1.2 Hz, 2H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 160.2, 153.0, 141.1, 138.5, 135.9, 129.8, 125.4, 121.2; HRMS (ESI) m/z calcd for C10H9N2O+[M + H]+: 173.0709 found 173.0711。
化合物2s(2−フェノキシキノリン):
分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 4: 1)で精製し、白色固体として得た(89.1 mg, >99%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.09 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.80 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 7.74 (dd, J = 8.4, 1.8 Hz, 1H), 7.60 (td, J = 7.8, 1.8 Hz, 1H), 7.44-7.38 (m, 3H), 7.26-7.20 (m, 3H), 7.06 (d, J = 9.0 Hz, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 165.6, 153.8, 146.4, 139.7, 129.7, 129.5, 127.8, 127.3, 125.6, 124.8, 124.6, 121.3, 112.6; HRMS (ESI) m/z calcd for C15H12NO+[M + H]+: 222.0913 found 222.0913。
化合物2t(4−メトキシ−2−フェノキシキノリン):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 20: 1 to 15: 1)で精製し、白色固体として得た(94.6 mg, 94%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.09 (dd, J = 8.4, 1.2 Hz, 1H), 7.72 (d, J= 7.8 Hz, 1H), 7.60-7.57 (m, 1H), 7.44-7.36 (m, 3H), 7.28-7.21 (m, 3H), 6.42 (s, 1H), 4.03 (s, 3H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 164.7, 162.8, 153.9, 146.8, 130.1, 129.4, 127.5, 124.4, 124.0, 121.7, 121.3, 119.5, 90.9, 55.8; HRMS (ESI) m/z calcd for C16H14NO2 + [M + H]+: 252.1025 found 252.1030。
化合物2u(2−フェノキシキノキサリン):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 20: 1)で精製し、白色固体として得た(89.5 mg, >99%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.70 (s, 1H), 8.07 (dd, J = 8.4, 1.2 Hz, 1H), 7.77 (dd, J = 8.4, 1.2 Hz, 1H), 7.66 (ddd, J = 8.4, 7.2, 1.8 Hz, 1H), 7.62 (ddd, J = 8.4, 7.2, 1.8 Hz, 1H), 7.49-7.45 (m, 2H), 7.31-7.28 (m, 3H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 156.9, 152.7, 139.9, 139.6, 139.2, 130.3, 129.6, 128.9, 127.7, 127.4, 125.4, 121.4; HRMS (ESI) m/z calcd for C14H11N2O+[M + H]+: 223.0871 found 223.0870。
化合物2v(1−フェノキシイソキノリン):
分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 4: 1)で精製し、白色固体として得た(61.4 mg, 69%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.45 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.97 (d, J= 6.0 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.73 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.63 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.46 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.32 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.27-7.25 (m, 3H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 160.6, 153.9, 139.8, 138.4, 130.8, 129.6, 127.1, 126.2, 124.9, 124.2, 121.8, 119.8, 116.3; HRMS (ESI) m/z calcd for C16H19O+[M + H]+: 222.0919 found 222.0919。
化合物2x(2−(4−メトキシフェノキシ)キノリン):
分取ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで精製し、白色固体として得た(75.6 mg, 75%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.06 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.78 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 7.72 (dd, J = 8.0, 1.2 Hz, 1H), 7.58 (ddd, J = 8.4, 6.8, 1.6 Hz, 1H), 7.38 (ddd, J = 8.0, 6.8, 1.2 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.94 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 3.81 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 162.0, 156.5, 147.1, 146.4, 139.6, 129.7, 127.8, 127.3, 125.5, 124.6, 122.4, 114.5, 112.3, 55.5; HRMS (ESI) m/z calcd for C16H14NO2 +[M + H]+: 252.1025 found 252.1023。
化合物2y((8R,9S,13S,14S)−13−メチル−3−(ピリジン−2−イロキシ)−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−17H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−オン):
分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 2: 1)で精製し、白色固体として得た(85.5 mg, 62%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.19 (dd, J = 5.2, 2.0 Hz, 1H), 7.67 (ddd, J = 8.4, 7.2, 2.0 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.97 (dd, J= 7.2, 5.2 Hz, 1H), 6.93-6.85 (m, 3H), 2.94-2.87 (m, 2H), 2.51 (dd, J = 19.6, 9.2 Hz, 1H), 2.45-2.38 (m, 1H), 2.31 (td, J = 10.8, 3.6 Hz, 1H), 2.20-1.92 (m, 4H), 1.69-1.40 (m, 6H), 0.92 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 220.9, 163.9, 151.8, 147.7, 139.3, 138.1, 136.0, 126.5, 121.2, 118.5, 118.1, 111.4, 50.4, 47.9, 44.1, 38.0, 35.8, 31.5, 29.4, 26.4, 25.7, 21.5, 13.8; HRMS (ESI) m/z calcd for C23H26NO2 + [M + H]+: 348.1964 found 348.1963。
化合物2z(2-(((R)−2,8−ジメチル−2−((4R,8R)−4,8,12−トリメチルトリデシル)クロマン−6−イル)オキシ)−4−メトキシキノリン):
分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 7: 1)で精製し、白色固体として得た(201.7 mg, 90%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.06 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.76 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 7.56 (ddd, J = 8.4, 7.2, 1.8 Hz, 1H), 7.34 (ddd, J = 7.8, 6.6, 1.2 Hz, 1H), 6.84 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.78 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.34 (s, 1H), 3.98 (s, 3H), 2.80-2.70 (m, 2H), 2.18 (s, 3H), 1.87-1.73 (m, 2H), 1.65-1.03 (m, 23H), 0.95-0.80 (m, 13H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 164.5, 163.6, 148.9, 147.0, 145.6, 129.9, 127.5, 127.1, 123.7, 121.6, 121.3, 121.0, 119.3, 119.0, 90.7, 75.9, 55.7, 40.2, 39.3, 37.4, 37.3, 32.8, 32.7, 31.1, 27.9, 24.8, 24.4, 24.2, 22.7, 22.6, 22.5, 21.0, 19.7, 19.6, 16.2 (one peak is missing because of overlap); HRMS (ESI) m/z calcd for C37H54NO3 +[M + H]+: 560.4104 found 560.4104。
化合物2aa(2−(フェニルチオ)ピリジン):
分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 4: 1)で精製し、黄色液体として得た(38.3 mg, 51%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.43 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.62-7.57 (m, 2H), 7.48-7.40 (m, 4H), 6.99 (ddd, J = 7.6, 5.2, 0.8 Hz, 1H), 6.88 (d, J =8.4 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 161.5, 149.6, 136.7, 134.9, 131.0, 129.6, 129.1, 121.3, 119.9; HRMS (ESI) m/z calcd for C11H10NS+[M + H]+: 188.0534 found 188.0529。
化合物2ab(2−(フェニルチオ)キノリン):
フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 20: 1 to 15: 1)で精製し、無色液体として得た(50.2 mg, 53%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.94 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.87 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 7.71-7.61 (m, 4H), 7.46-7.41 (m, 4H), 6.98 (d, J = 8.8 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 161.6, 148.0, 136.4, 135.1, 130.8, 130.0, 129.6, 129.2, 128.3, 127.5, 125.8, 125.7, 119.4; HRMS (ESI) m/z calcd for C15H12NS+ [M + H]+: 238.0690 found 238.0696。
化合物2ac(2−((2,4−ジメチルフェニル)チオ)ピリジン):
分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 4: 1)で精製し、黄色液体として得た(78.4 mg, 91%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.40 (ddd, J = 4.8, 2.0, 0.8 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.39 (ddd, J= 8.4, 7.6, 2.0 Hz, 1H), 7.17 (s, 1H), 7.06 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.94 (ddd, J= 7.6, 4.8, 1.2 Hz, 1H), 6.67 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 2.36 (bs, 6H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 161.7, 149.5, 142.6, 140.1, 136.7, 136.5, 131.8, 127.9, 126.1, 119.9, 119.3, 21.2, 20.7; HRMS (ESI) m/z calcd for C13H14NS+[M + H]+: 216.0841 found 216.0840。
化合物2ad(2−((2−フルオロフェニル)チオ)ピリジン):
分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 4: 1)で精製し、無色液体として得た(31.2 mg, 38%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.41 (dd, J = 4.8, 1.8 Hz, 1H), 7.61 (td, J= 7.8, 1.2 Hz, 1H), 7.51-7.41 (m, 2H), 7.24-7.17 (m, 2H), 7.01 (ddd, J = 7.8, 4.8, 1.2 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 7.8 Hz, 1H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 162.7 (d, JC-F = 249 Hz), 159.3, 149.7, 137.0, 136.7, 131.6 (d, JC-F= 7.2 Hz), 125.0 (d, JC-F= 4.4 Hz), 121.1, 120.1, 118.1 (d, JC-F= 18.8), 116.4 (d, JC-F = 23.1); HRMS (ESI) m/z calcd for C11H9FNS+ [M + H]+: 206.0440 found 206.0440。
化合物2ae(2−((3,4−ジメトキシフェニル)チオ)ピリジン):
分取ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで精製し、無色固体として得た(28.9 mg, 29%)。
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 8.41 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.44 (td, J= 7.8, 2.4 Hz, 1H), 7.22 (dd, J = 8.4, 1.8 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.97 (dd, J = 7.8, 4.8 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.87 (s, 3H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 162.7, 150.2, 149.6, 149.4, 136.6, 128.8, 121.3, 120.4, 119.5, 118.2, 111.9, 56.0, 55.9; HRMS (ESI) m/z calcd for C13H14NO2S+[M + H]+: 278.1176 found 278.1168。
化合物2af(フェニル2−フェノキシイソニコチネート):
分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 4: 1)で精製し、白色固体として得た(96.3 mg, 83%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.39 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.69 (dd, J= 5.2, 1.2 Hz, 1H) 7.64 (s, 1H), 7.48-7.41 (m, 4H), 7.31 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.27-7.16 (m, 5H); 13C NMR (150 MHz, CDCl3) δ 164.6, 163.3, 153.7, 150.4, 148.7, 140.5, 129.8, 129.6, 126.3, 125.1, 121.3, 121.2, 117.8, 111.9; HRMS (ESI) m/z calcd for C18H14NO3 +[M + H]+: 292.0968 found. 292.0968。
化合物2ag(4−(4−メトキシフェニル)−2−フェノキシピリジン):
分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 6: 1)で精製し、白色固体として得た(45.7 mg, 66%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.20 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.57 (d, J= 8.8 Hz, 2H), 7.40 (dd, J = 8.8, 8.0 Hz, 2H), 7.22-7.15 (m, 4H), 7.08 (d, J= 1.6 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 3.84 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 164.4, 160.6, 154.3, 151.6, 147.9, 130.0, 129.6, 128.1, 124.5, 121.1, 116.4, 114.4, 108.4, 55.3; HRMS (ESI) m/z calcd for C18H16NO2 + [M + H]+: 278.1181 found 278.1179。
実施例2:キノリン−2−カルボン酸を用いたジアリールエーテル化合物2sのワンポット合成
Figure 2017160139
[式中、Phはフェニル基を示す。Ph2IOTfはジフェニルヨードニウムトリフレートを示す。Ni(cod)2はビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を示す。dcyptは3,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)チオフェンを示す。]
J. Young(登録商標)Oリングタップを備えた20 mLのガラス容器に磁気攪拌子を入れ、減圧下にヒートガンで乾燥し、室温まで冷却した後に窒素(N2)ガスを充填した。この容器に、キノリン−2−カルボン酸(69.3 mg, 0.40 mmol)、ジフェニルヨードニウムトリフレート(172.0 mg, 0.40 mmol, 1.0当量)、及びK3PO4(93.4 mg, 0.44 mmol, 1.1当量)を投入し、次に、トルエン(2.4 mL)を投入した。容器をOリングタップで密封した後、8ウェル反応ブロック中で、攪拌しながら130℃で3時間加熱した。反応混合物を室温に冷却した後、混合物を真空下に濃縮してトルエン及びヨードベンゼンを除去し、粗生成物(化合物1s)を得た。
そこに、3,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)チオフェン(dcypt; 19.1 mg, 0.04 mmol, 10 mol%)を添加した。ガラス容器をアルゴン雰囲気のグローブボックスに載置した後、この容器にビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(Ni(cod)2; 5.5 mg, 0.020 mmol, 5 mol%)、K3PO4(127.4 mg, 0.60 mmol, 1.5当量)、及びトルエン(1.6 mL)を添加した。容器をOリングタップで密封した後、グローブボックスの外に取りだした。8ウェル反応ブロック中で、撹拌しながら容器を150℃で18時間加熱した。反応混合物を室温に冷却した後、混合物を、酢酸エチル(EtOAc)を用いたシリカゲルパッドでろ過した。ろ液を濃縮し、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 4: 1)に供し、目的物である2−フェノキシキノリンを白色固体として得た(2s; 74.2 mg, 84% over 2 steps)。
実施例3:ジアリールエーテル化合物2sのグラムスケール合成
Figure 2017160139
[式中、Phはフェニル基を示す。Ni(cod)2はビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を示す。dcyptは3,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)チオフェンを示す。]
コンデンサー及びバルーンを備えた100 mLのシュレンク管に磁気攪拌子を入れ、K3PO4(2.07 g, 9.75 mmol, 1.5当量)を投入し、真空下にヒートガンで乾燥した。この容器に、フェニルキノリン−2−カルボキシレート(1s; 1.62 g, 6.5 mmol, 1.0当量)、及び3,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)チオフェン(dcypt; 309.8 mg, 0.65 mmol, 10 mol%)を添加し、次に、アルゴン雰囲気のグローブボックスに載置した。グローブボックス中で、この容器にビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(Ni(cod)2; 89.4 mg, 0.325 mmol, 5 mol%)を投入し、シュレンク管をセプタムで密封し、グローブボックスの外に取りだした。ここにアニソール(26 mL)を投入し、セプタムを除去した後、シュレンクコックを閉じた。混合物を、オイルバス中で攪拌しながら160℃で24時間還流した。反応混合物を室温に冷却した後、混合物を、酢酸エチル(EtOAc)を用いたシリカゲルパッドでろ過した。ろ液を真空下に濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 20: 1 to 15: 1)に供し、目的物である2−フェノキシキノリンを白色固体として得た(2s; 1.31 g, 91%)。
実施例4:ジフェニルピリジン−2,4−ジカルボキシレートの化学選択的反応
Figure 2017160139
[式中、Phはフェニル基を示す。Ni(cod)2はビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を示す。dcyptは3,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)チオフェンを示す。Meはメチル基を示す。Ni(OAc)2は酢酸ニッケルを示す。P(n-Bu)3はトリ(n−ブチル)ホスフィンを示す。]
J. Young(登録商標)Oリングタップを備えた20 mLのガラス容器に磁気攪拌子を入れ、K3PO4(127.4 mg, 0.60 mmol, 1.5当量)を投入し、減圧下にヒートガンで乾燥し、室温まで冷却した後にアルゴンを充填した。この容器に、エステル化合物1af(127.7 mg, 0.40 mmol, 1.0当量)、及び3,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)チオフェン(dcypt; 19.1 mg, 0.04 mmol, 10 mol%)を添加し、次に、アルゴン雰囲気のグローブボックスに載置した。グローブボックス中で、この容器にビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(Ni(cod)2; 5.5 mg, 0.020 mmol, 5 mol%)を投入し、次いで、トルエン(1.6 mL)を投入した。容器をOリングタップで密封した後、グローブボックスの外に取りだした。8ウェル反応ブロック中で、攪拌しながら容器を150℃で18時間加熱した。反応混合物を室温に冷却した後、混合物を、酢酸エチル(EtOAc)を用いたシリカゲルパッドでろ過した。ろ液を濃縮し、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 4: 1)に供し、目的物であるフェニル2−フェノキシイソニコチネート2afを白色固体として得た(96.3 mg, 83%)。
J. Young(登録商標)Oリングタップを備えた20 mLのガラス容器に磁気攪拌子を入れ、酢酸ニッケル・4水和物(Ni(OAc)2・4H2O; 3.1 mg, 0.0125 mmol, 5.0 mol%)を添加し、減圧下にヒートガンで乾燥し、室温まで冷却した後に窒素(N2)ガスを充填した。この容器に、フェニル2−フェノキシイソニコチネート2af(72.8 mg, 0.25 mmol, 1.0当量)、4−メトキシフェニルボロン酸(57.0 mg, 0.375 mmol, 1.5当量)、及びNa2CO3(53.0 mg, 0.5 mmol, 2.0当量)を添加した。容器を真空にし、窒素(N2)ガスで3回再充填した。この容器に、トリ(n−ブチル)ホスフィン(P(n-Bu)3; 12.4μL, 0.05 mmol, 20 mol%)及びトルエン(1.0 mL)を添加した。容器をOリングタップで密封した後、8ウェル反応ブロック中で、攪拌しながら150℃で24時間加熱した。反応混合物を室温に冷却した後、混合物を、酢酸エチル(EtOAc)を用いたシリカゲルパッドでろ過した。ろ液を濃縮し、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 6: 1)に供し、目的物であるエーテル化合物2agを白色固体として得た(45.7 mg, 66%)。
実施例5:エステル化合物1sの化学量論的反応
Figure 2017160139
[式中、Phはフェニル基を示す。Ni(cod)2はビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を示す。dcyptは3,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)チオフェンを示す。]
スクリューキャップガラスチューブに磁気攪拌子を入れ、減圧下にヒートガンで乾燥した。冷却した後、この容器にフェニルキノリン−2−カルボキシレート(1s; 24.9 mg, 0.10 mmol, 1.0当量)、及び3,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)チオフェン(dcypt; 47.7 mg, 0.10 mmol, 1.0当量)を添加し、次いで、アルゴン雰囲気のグローブボックスに載置した。グローブボックス中で、この容器にビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(Ni(cod)2; 27.7 mg, 0.10 mmol, 1.0当量)及びトルエン(1.0 mL)を添加した。容器をスクリューキャップで密封し、8ウェル反応ブロック中で、攪拌しながら40℃で24時間加熱した。反応混合物を室温に冷却した後、混合物を、酢酸エチル(EtOAc)を用いたシリカゲルパッドでろ過した。ろ液を濃縮し、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 10: 1)に供し、目的物である2−フェノキシキノリンを白色固体として得た(2s; 20.8 mg, 94%)。
実施例6:酢酸ニッケルを用いたエーテル化反応
Figure 2017160139
[式中、Phはフェニル基を示す。Ni(OAc)2は酢酸ニッケルを示す。dcyptは3,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)チオフェンを示す。]
J. Young(登録商標)Oリングタップを備えた20 mLのガラス容器に磁気攪拌子を入れ、酢酸ニッケル・4水和物(Ni(OAc)2・4H2O; 5.0 mg, 0.020 mmol, 5.0 mol%)を投入し、減圧下にヒートガンで乾燥してH2Oを除去し、室温まで冷却した後に窒素(N2)ガスを充填した。この容器に、フェニルキノリン−2−カルボキシレート(1s; 99.7 mg, 0.40 mmol, 1.0当量)、及び3,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)チオフェン(dcypt; 19.1 mg, 0.04 mmol, 10 mol%)を添加した。容器を真空にし、窒素(N2)ガスで3回再充填した。この容器にトルエン(1.6 mL)を添加し、次いで、容器をOリングタップで密封した後、8ウェル反応ブロック中で、攪拌しながら150℃で18時間加熱した。反応混合物を室温に冷却した後、混合物を、酢酸エチル(EtOAc)を用いたシリカゲルパッドでろ過した。ろ液を濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル= 20: 1 to 15: 1)に供し、目的物である2−フェノキシキノリンを白色固体として得た(2s; 71.3 mg, 81%)。
実施例7:パラメータの効果(ニッケル触媒)
実施例1の化合物2aを合成する際に、配位子化合物、溶媒及び塩基を表1に示す条件とする他は実施例1と同様に処理を行った。結果を表1に示す。
Figure 2017160139
実施例8:エーテル化合物の合成(パラジウム触媒)
Figure 2017160139
[式中、Ar及びAr’は前記に同じである。Pd(OAc)2は酢酸パラジウムを示す。dcpptは3,4−ビス(ジシクロペンチルホスフィノ)チオフェンを示す。]
触媒として、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(Ni(cod)2)ではなく酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)を用い、配位子化合物として3,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)チオフェン(dcypt)の代わりに3,4−ビス(ジシクロペンチルホスフィノ)チオフェン(dcppt)を用いたこと以外は実施例1と同様に処理を行った。得られたエーテル化合物は、以下の化合物である。
Figure 2017160139
[式中、Phはフェニル基を示す。]
実施例9:パラメータの効果(パラジウム触媒)
実施例8の化合物2ahを合成する際に、配位子化合物、溶媒及び塩基を表2に示す条件とする他は実施例8と同様に処理を行った。結果を表2に示す。
Figure 2017160139

Claims (5)

  1. 一般式(1):
    Figure 2017160139
    [式中、R1は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。R2は置換されていてもよいアリール基を示す。Yは酸素原子又は硫黄原子を示す。]
    で表されるビ(ヘテロ)アリール(チオ)エーテル化合物の製造方法であって、
    パラジウム触媒又はニッケル触媒、並びに配位子化合物の存在下に、(チオ)エステル化合物を反応させる工程を備え、
    前記(チオ)エステル化合物は、一般式(2):
    Figure 2017160139
    [式中、R1、R2及びYは前記に同じである。]
    で表される化合物であり、
    前記配位子化合物は、一般式(3):
    Figure 2017160139
    [式中、Z’は、環を形成していても形成していなくてもよく、環を形成している場合には5員環若しくは6員環のヘテロ芳香環を示す。R5〜R8は同一又は異なって、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいシクロアルキル基を示す。n1及びn2は同一又は異なって、0〜2の整数を示す。]
    で表される化合物である、製造方法。
  2. 前記一般式(3)において、Z’は5員環若しくは6員環のヘテロ芳香環を示す、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記一般式(3)において、R5〜R8は同一又は異なって、置換されていてもよいシクロアルキル基を示す、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記クロスカップリング反応において、さらに、塩基を使用する、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 以下の一般式:
    Figure 2017160139
    [式中、Phはフェニル基を示す。]
    で表される化合物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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