JP2017160096A - 繊維強化多孔体 - Google Patents

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Abstract

【課題】気孔をウィスカーやファイバーで充填すること無く多孔体を補強した繊維強化多孔体を提供する。【解決手段】繊維強化多孔体は、連通する多数の気孔を有する酸化物製の多孔質基材と、前記多孔質基材を補強する繊維状物質とを有する。繊維強化多孔体の気孔率は、32%以上96%以下である。繊維状物質は、多孔質基材の気孔を充填すること無く気孔の壁面に層状に密着した繊維強化層として形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、多孔質基材を繊維状物質で強化した繊維強化多孔体に関する。
セラミックス製の多孔体は、耐熱性や対薬品性、吸音性等の機能に優れており、耐火部材や断熱材、触媒担持部材、吸音部材等の様々な用途で使用されている。また、連通気孔を有する場合には流体を通過させるので、気体や液体等のフィルター部材としても利用される。
但し、多孔体の気孔率が高い場合には機械的強度が低いという問題があるので、従来から、多孔体を繊維状物質で強化した繊維強化多孔体が知られている(特許文献1,2)。例えば、特許文献1には、多孔質ケイ素の周辺にケイ素を反応助剤として配置し、窒素ガス雰囲気中で加熱することによって、窒化ケイ素ウィスカーを多孔質ケイ素の気孔内に形成する方法が記載されている。また、特許文献2には、窒化ケイ素又はアルミナ−シリカで形成された骨格構造体の空隙中に、アルミナ−シリカのファイバー又はウィスカーを充填して焼結する方法が記載されている。
特開2008−50218号公報 特開昭60−46979号公報
しかしながら、上述した従来技術では、ウィスカーやファイバーで気孔を充填することによって多孔質基材を補強しているので、連通気孔の機能を利用した用途には適切でないという問題がある。また、ウィスカーやファイバーが細い場合には十分な補強効果が得られないという問題がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、連通する多数の気孔を有する酸化物製の多孔質基材と、前記多孔質基材を補強する繊維状物質とを有する繊維強化多孔体が提供される。この繊維強化多孔体は、前記繊維強化多孔体の気孔率が32%以上96%以下であり、前記繊維状物質は、前記多孔質基材の気孔を充填すること無く前記気孔の壁面に層状に密着した繊維強化層として形成されていることを特徴とする。
この繊維強化多孔体は、気孔率が36%以上96%以下なので、比較的高い機械的強度を確保することができる。また、繊維状物質が気孔の壁面に層状に堆積した繊維強化層として形成されているので、多孔質基材の気孔を充填すること無く多孔体の機械的強度を高めることができる。
(2)上記繊維強化多孔体において、前記繊維強化層は、前記繊維状物質を前記気孔の壁面に接合する接合相を含み、前記接合相は、Si、P、B、Li、Na、K、Mg、Ca、Ba、Sr、Zn、Al、Ni、Coの内の少なくとも2つ元素の酸化物を含むものとしてもよい。
この構成によれば、接合相によって繊維状物質を多孔質基材の気孔の壁面に強固に密着させることができるので、機械的強度を高めることができる。
(3)上記繊維強化多孔体において、前記繊維状物質の平均繊維径が2μm以上30μm以下で、平均繊維長が450μmであるものとしてもよい。
この構成によれば、平均繊維径が2μm以上30μm以下で、平均繊維長が450μmである短繊維で多孔質基材を補強するので、気孔を充填することなく気孔の壁面に繊維強化層を容易に形成することができる。
(4)上記繊維強化多孔体において、前記繊維強化多孔体の表面に存在する表層部分における前記繊維状物質の含有量が、前記表層部分の下に存在する前記繊維強化多孔体の本体部分における前記繊維状物質の含有量よりも多いものとしてもよい。
この構成によれば、繊維強化多孔体の表層部分における繊維状物質の含有量を本体部分よりも多くすることによって、耐衝撃性などの機械的強度を高めることができる。また、本体部分の一部が破損した場合でも繊維強化多孔体全体の形状を維持することが可能となる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、繊維強化多孔体を用いた吸音材やフィルター等の装置、及び、それらの作製方法等の形態で実現することができる。
本発明の第1実施形態としての繊維強化多孔体を示す説明図。 本発明の第2実施形態としての繊維強化多孔体を示す説明図。 繊維強化多孔体の製造方法を示すフローチャート。 繊維強化多孔体の強度に関する実験結果を示す図。
図1(A)は、本発明の第1実施形態としての繊維強化多孔体の模式的な平面図であり、図1(B)はそのB−B断面図である。繊維強化多孔体100は、連通する多数の気孔114を有する多孔質基材110を有している。図1では、図示の便宜上、気孔114は互いに連通する様子は描かれていないが、実際には多数の気孔114は互いに連通しており、任意の方向に流体(気体や液体)を通過可能に形成されている。また、図1では、実際の寸法とは異なる寸法で個々の部材が描かれており、気孔114のサイズが大きく誇張されて描かれている。本明細書において、多孔質基材110の気孔114以外の部分を「多孔体の骨格」とも呼ぶ。
図1(C)は、多孔質基材110の断面の一部を拡大した模式図である。多孔質基材110の気孔114の壁面(すなわち、多孔体の骨格表面)には、多孔質基材110を補強する繊維強化層120が層状に密着している。この繊維強化層120は、多数の繊維状物質122を含む層である。繊維状物質122は、例えば、ガラス相などの接合相124で気孔114の壁面に接合される。この場合に、繊維強化層120は、繊維状物質122と接合相124とを混合した層となる。或いは、接合相124を用いることなく、繊維状物質122を焼成によって気孔114の壁面に密着させてもよい。焼成を利用して密着させる場合に、繊維状物質122と多孔質基材110の材質が異なる場合には、焼成により繊維強化層120と多孔質基材110の界面に両者の反応相が形成される。一方、繊維状物質122と多孔質基材110の材質が同じ場合には、焼成により繊維強化層120と多孔質基材110が焼結して互いに接合する。
なお、繊維強化層120を構成する繊維状物質122は、気孔114を充填しないことが好ましい。本明細書において、繊維状物質122が「気孔114を充填する」という語句は、繊維状物質122が気孔114の中央を横切るように配置されていることを意味する。一方、繊維状物質122が「気孔114を充填しない」という語句は、繊維状物質122が気孔114の中央を横切ること無く、その壁面に層状に配置されていることを意味する。本実施形態では、繊維状物質122が気孔114を充填していないので、気孔114の機能(フィルター機能や消音機能)を損なうことを抑制できるという利点がある。
多孔質基材110の素材としては、例えば、アルミナ(Al23)や、シリカ(SiO2)、コージェライト、ムライト、又は、それらの混合物等の種々の酸化物を利用することが可能である。これらの素材に、連通する多数の気孔114を形成する方法は後述する。
繊維強化多孔体100の気孔率は、32%以上96%以下とすることが好ましい。この気孔率の範囲を採用すれば、連通する気孔114の機能を損なうことなく、比較的高い機械的強度を確保することができる。繊維強化層120を含まない多孔質基材110の気孔率は、繊維強化多孔体100の気孔率よりも大きく、その差は、例えば1%以上3%以下とすることが好ましい。
繊維状物質122としては、例えば、セラミックファイバーや、ガラスファイバー、ロックウールなどを利用可能であり、酸化物製の繊維を利用することが好ましい。セラミックファイバーとしては、アルミナ(Al23)を主成分とするアルミナファイバーや、シリカ(SiO2)を主成分とするシリカファイバー、チタニア(TiO2)を主成分とするチタニアファイバー、ジルコニア(ZrO2)を主成分とするジルコニアファイバー、アルミナとシリカを主成分とするアルミナ/シリカファイバー、アルミナとジルコニアを主成分とするアルミナ/ジルコニアファイバー、アルミナとガラスを主成分とするアルミナ/ガラスファイバーなどを利用可能である。
繊維状物質122の寸法に関しては、平均繊維径が2μm以上30μm以下で、平均繊維長が450μm以下である短繊維を使用することが好ましい。このような短繊維で多孔質基材110を補強すれば、気孔114を充填することなく気孔114の壁面に繊維強化層120を容易に密着させることができる。なお、平均繊維径が2μm未満の場合には、繊維が細すぎて補強効果が十分得られない可能性がある。また、平均繊維径が30μmを超える場合には、繊維状物質122の密着状態が低下する傾向にあるので、十分な補強効果が得られない可能性がある。また、平均繊維長が450μmを超えると、繊維同士が絡んでしまい、十分な補強効果が十分得られない可能性がある。一方、繊維長が過度に短くても十分な補強効果を得られない可能性があるので、平均繊維長は80μm以上とすることが更に好ましい。
繊維強化層120が接合相124を含む場合には、その接合相124の材質として、Si、P、B、Li、Na、K、Mg、Ca、Ba、Sr、Zn、Al、Ni、Coの内の少なくとも2つ元素の酸化物を含むものを利用可能である。このような接合相124(酸化物相)の代表的な材質は、ガラスである。利用可能なガラスの代表例は、ホウケイ酸ガラスなどのケイ酸塩ガラスである。なお、本明細書において「ガラス」という語句は、その一部が結晶化している結晶化ガラスも含む広い意味で使用される。このような接合相124を用いて繊維状物質122を気孔114の壁面に密着させるようにすれば、繊維状物質122の密着性が向上し、また、繊維量を増やすことが容易なので、繊維強化層120の補強効果を更に向上させることができる。
上述した第1実施形態の繊維強化多孔体100は、気孔率が32%以上96%以下であり、また、繊維状物質122が気孔114の壁面に層状に密着した繊維強化層120として形成されているので、連通する気孔114の機能を損なうこと無く、多孔体の機械的強度を高めることができる。
なお、繊維強化多孔体100は、例えば、高温・高圧の気体が流れるダクト用の吸音材や、内燃機関の排ガスのマフラー用の吸音材、排ガス処理用の触媒フィルター材、水処理用のフィルター材等の部材として利用可能である。
図2は、本発明の第2実施形態としての繊維強化多孔体100aを示す説明図である。第1実施形態との違いは、図2(B)に示すように、繊維強化多孔体100aが、繊維状物質122がリッチな表層部分101と、表層部分101の下に存在する本体部分102とを有している点であり、他の構成は第1実施形態の繊維強化多孔体100と同じである。
図2(C)は、繊維強化多孔体100aの本体部分102を一部拡大した模式図であり、図2(D)は、繊維強化多孔体100aの表層部分101を一部拡大した模式図である。本体部分102は、第1実施形態の図1(C)と同じ構成を有している。表層部分101は、本体部分102に比べて繊維強化層120の厚みが大きい。換言すれば、表層部分101は、本体部分102よりも単位重量当たりの繊維状物質122の含有量が多い。但し、表層部分101においても、気孔114同士が連通している状態は維持されている。このような構成を採用すれば、連通する気孔114の機能を損なうこと無く、繊維強化多孔体100aの耐衝撃性などの機械的強度を更に高めることができる。また、本体部分102の一部が破損した場合でも繊維強化多孔体100a全体の形状を維持することが可能となる。表層部分101の厚みは、例えば0.3mm以上1mm以下の範囲とすることが好ましい。
図3は、繊維強化多孔体の製造方法の一例を示すフローチャートである。工程T110では、多孔質基材110の原料であるスラリー(セラミックススラリー)を調整する。
工程T120では、工程T110で調整したスラリーを用いて、多孔質基材110の未焼成成形体を作製する。この成形方法としては、例えば以下のような方法を採用可能である。
<成形方法1>
まず、互いに連通する多数の気孔を有するポリウレタンフォームを準備し、このポリウレタンフォームに、工程T110で調整したスラリーを含浸させる。次に、余分なスラリーを除去し、スラリーを含浸させたポリウレタンフォームを乾燥させる。この結果、多孔性のポリウレタンフォームにセラミックス未焼成部材が含浸した成形体が得られる。
<成形方法2>
まず、多孔質基材110の外形とほぼ同じ収容サイズを有する容器に、工程T110で調整したスラリーを入れる。次に、焼成により消失する多数の粒状造孔材(樹脂ボールやカーボン等)を投入し、スラリーを乾燥させる。この結果、多数の粒状造孔材を含むセラミックス未焼成部材の成形体が得られる。
工程T130では、工程T120で得た成形体を焼成することによって、多孔質基材110を得る。この焼成は、多孔質基材110の材質に応じた温度(例えば900℃以上1600℃以下の温度)で実行される。
工程T140では、多孔質基材110の気孔114の壁面に、繊維状物質122を密着させることによって、繊維強化層120を形成する。この密着方法としては、例えば以下のような方法を採用可能である。
<密着方法1:接合相124を用いる場合>
まず、接合相124の原料(例えばガラス原料)と繊維状物質122の混合物のスラリーを準備する。次に、スラリー内に多孔質基材110をディップさせた後に乾燥させる工程を、必要に応じて複数回繰り返すことによって、多孔質基材110の気孔114の壁面にスラリーを付着させる。そして、スラリーが付着した多孔質基材110を、接合相124の材質に適した焼成温度(例えば850℃以上1050℃以下の温度)で焼成する。
<密着方法2:接合相124を用いない場合>
まず、多孔質基材110の原料と繊維状物質122の混合物のスラリーを準備する。次に、スラリー内に多孔質基材110をディップさせた後に乾燥させる工程を、必要に応じて複数回繰り返すことによって、多孔質基材110の気孔114の壁面にスラリーを付着させる。そして、スラリーが付着した多孔質基材110を、多孔質基材110の材質に適した焼成温度(例えば900℃以上1600℃以下の温度)で焼成する。
以上の工程T110〜T140によって、多孔質基材110の気孔114の壁面に繊維強化層120が密着した繊維強化多孔体100(図1)が得られる。
次の工程T150では、必要に応じて、繊維強化多孔体100の表面に繊維リッチな表層部分101(図2)を形成する。この工程T150では、表層部分101に対して上述した工程T140と同様な工程を実行することによって、表層部分101における繊維強化層120の厚みを増大させる。この結果、図2で示したように、表層部分101における繊維状物質122の含有量が、本体部分102における繊維状物質122の含有量よりも多い繊維強化多孔体100aが得られる。なお、繊維リッチな表層部分101を設けない場合には、工程T150は不要である。工程T150を実行する場合には、工程T140で行う焼成を省略し、工程T150において繊維強化層120の密着のための焼成を行うようにしてもよい。
図4は、繊維強化多孔体の強度に関する実験結果を示す図である。サンプルS01〜S25は実施例のサンプルであり、サンプル番号に*が付されたサンプルS31〜S35は比較例のサンプルである。実施例のサンプルS01〜S25は、上述した図3の手順に従ってそれぞれ作製した。但し、サンプルS01〜S07では、接合相124を用いずに、焼結により繊維状物質122を多孔質基材110に密着させた。一方、サンプルS08〜S25では、接合相124を用いて繊維状物質122を多孔質基材110に密着させた。また、サンプルS19〜S25では、繊維リッチな表層部分101(図2)を形成した。
比較例のサンプルS31〜S35のうち、サンプルS31,S32は連通する気孔114を有しており、サンプルS33,S34は連通する気孔114を有さない。サンプルS31,S33は、図3の工程T110〜T130の手順に従って作製したが、繊維強化層120を形成しなかった。また、サンプルS32,S34では、図3の手順に従って作製し、繊維強化層120も形成した。
各サンプルの仕様や特性は、以下のように測定した。
<気孔率の測定>
気孔率(体積%)は、水銀圧入法で測定した。
<平均繊維径の測定>
各サンプルの骨格表面のSEM写真を撮影し、250μm×250μm×3視野で観察される繊維の太さの平均値を平均繊維径とした。
<平均繊維長の測定>
各サンプルの一部を切り出し、250μm×250μm×10視野の断面観察をおこなった。視野としては、繊維強化層120の占有面積が視野全体の30%以上となるものを選択した。そして、視野内で観察可能な繊維(断面なので部分的に切断されているものも含む)の長さの平均値を画像解析ソフトウェアを用いて算出した。
<接合相124の含有元素の同定>
各サンプルの一部を切り出し、研磨したものをEPMAで分析することによって、接合相124の含有元素を同定した。
<圧縮強度の測定>
圧縮強度は、JIS 1681(ファインセラミックス多孔体の球圧子押し込み試験法)に従って測定した。なお、いくつかのサンプルの気孔率は、JIS 1681で対象としている多孔体の気孔率(30%〜60%)の範囲外にあるが、試験方法としてはJIS 1681と同じである。
実施例のサンプルS01〜S25は、繊維強化多孔体100の気孔率が最低で32%(サンプルS01)、最高で96%(サンプルS07)であり、いずれも連通気孔が形成されていた。また、実施例のサンプルS01〜S25については、繊維強化層120の密着性試験を実施した。この密着性試験では、各サンプルに対して水中超音波照射(26kHz,1分間)を実施した後に、繊維強化層120が多孔質基材110にしっかりと担持されていることを確認し、繊維強化層120の密着性が高いことを確認できた。
実施例のサンプルS01〜S25は、繊維強化多孔体100の気孔率が32%以上96%以下の範囲にあるが、圧縮強度はいずれも3.0MPa以上であって十分に高い機械的強度を有することが確認できた。一方、比較例のサンプルS31は、気孔率が64%であったが、繊維強化層120を有していないため、圧縮強度は2.7MPaと低い値を示した。このサンプルS31と同じ気孔率(64%)である実施例のサンプルS04の圧縮強度は4.6MPaと高い値を示すので、繊維強化層120が十分な補強効果を有していることが理解できる。
比較例のサンプルS32は、気孔率が97%と極めて高い値を示し、圧縮強度も1.1MPaとかなり低い値となった。このことから、繊維強化多孔体100の気孔率は、96%以下とすることが好ましいことが理解できる。
比較例のサンプルS33,S34は、連通気孔を有していないので、圧縮強度が極めて高い値を示した。但し、連通気孔を有していないので、連通気孔の機能を利用した用途(例えばフィルターや吸音材)には不適切である。
実施例のサンプルS01〜S25のうちで、サンプルS13〜S25は、平均繊維径が2μm以上30μm以下の範囲にあり、かつ、平均繊維長が450μm以下である。これらのサンプルS13〜S25は、いずれも圧縮強度が5.4MPa以上の高い値を示しており、機械的強度が特に高い点で好ましい。
・変形例
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
100,100a…繊維強化多孔体
101…表層部分
102…本体部分
110…多孔質基材
114…気孔
120…繊維強化層
122…繊維状物質
124…接合相

Claims (4)

  1. 連通する多数の気孔を有する酸化物製の多孔質基材と、前記多孔質基材を補強する繊維状物質とを有する繊維強化多孔体において、
    前記繊維強化多孔体の気孔率が32%以上96%以下であり、
    前記繊維状物質は、前記多孔質基材の気孔を充填すること無く前記気孔の壁面に層状に密着した繊維強化層として形成されていることを特徴とする繊維強化多孔体。
  2. 請求項1に記載の繊維強化多孔体であって、
    前記繊維強化層は、前記繊維状物質を前記気孔の壁面に接合する接合相を含み、前記接合相は、Si、P、B、Li、Na、K、Mg、Ca、Ba、Sr、Zn、Al、Ni、Coの内の少なくとも2つ元素の酸化物を含むことを特徴とする繊維強化多孔体。
  3. 請求項1又は2に記載の繊維強化多孔体であって、
    前記繊維状物質の平均繊維径が2μm以上30μm以下で、平均繊維長が450μm以下であることを特徴とする繊維強化多孔体。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の繊維強化多孔体であって、
    前記繊維強化多孔体の表面に存在する表層部分における前記繊維状物質の含有量が、前記表層部分の下に存在する前記繊維強化多孔体の本体部分における前記繊維状物質の含有量よりも多いことを特徴とする繊維強化多孔体。
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