JP2017158941A - ハイブリッド型体幹装具 - Google Patents

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俊史 三谷
Toshifumi Mitani
俊史 三谷
聡宏 板倉
Akihiro Itakura
聡宏 板倉
寛幸 藤井
Hiroyuki Fujii
寛幸 藤井
正洋 足野
Masahiro Ashino
正洋 足野
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Abstract

【課題】 本来であれば硬性装具と軟性装具の双方使用を用いるべきである脊椎病変に対して、現実には双方を製作することは難しく、最善の療法が適用されない事例が頻出していた。
【解決手段】 胸腰仙椎部の全体あるいは一部に対して適用される(ハイブリッド型)体幹装具であって、体腔軟部組織に圧迫を加える装具基礎部、及びアタッチメント部とにより構成されており、該アタッチメント部は、該装具基礎部表面に設置され、胸腰仙椎の可動域を抑えることで安静固定を図るフレーム構造体であり、該装具基礎部と着脱構造部を介して連結されたもの。
【選択図】 図1

Description

本発明は、医療用体幹装具の中でも特に「胸腰仙椎装具」「腰仙椎装具」と呼ばれる医療用体幹装具の構造に関するものである。
胸椎から骨盤にかけての動きを制限する装具である体幹装具は、外科的治療に引き続いて、或いは外科的治療の代わりに処方される保存療法用の装具である。病症の種類や症状の重篤の度合いによってさまざまな種類・形態のものが提案・実施されている。
例えば高齢者が胸腰椎に重度の圧迫骨折を起こし、これを治療する場合における典型的な経緯に基づいて説明する。圧迫骨折においてはまず、骨折箇所に負担が掛からないように留意しながら、また、体幹の可動域(前屈・後屈・側屈・回旋)を制限しながら、骨折部を固定することで骨癒合を促進させる必要がある。
この時処方される体幹装具が、胸腰仙椎の固定や動きを制限し、胸腰椎の支持を高め、負担を軽減する目的で使用される「硬性胸腰仙椎装具」「硬性腰仙椎装具」(以下、両者まとめて「硬性装具」)と呼ばれるものである。
金属、或いは剛性の高いプラスチックが多用されており、装用感は決して良いものではないが患者はこれを受傷後おおよそ3ヶ月程度の間装着し続けることになる。なお、この硬性装具と適用対象が重複する「体幹ギプス」(ギプス包帯を巻いて固化させたもの)は、かつては盛んに見られたが近時減少傾向にある。
そして、この「硬性装具」がその役目(安静固定による骨癒合)を果たしてから後は、脊柱に掛かる負担を軽減すること、動きによって生じる痛みを和らげることが、装具の主目的となるため、この時期になると「硬性装具」は不要になることが多い。
この時期になると、疼痛管理には通常「軟性装具」と呼ばれるものが用いられる。一般的には、メッシュ生地に金属(主としてステンレス)製のバネや支柱を埋め込んだものであって、胸部から腹部にかかる広範囲に対して軟部組織に圧迫を加えることで高まる腹腔内圧によって、脊柱に掛かる負担と胸部の痛みを軽減させることができる。
固定能力は「硬性装具」に及ばないため、骨折直後の治療には適さないが、骨癒合が成された後段階においては充分な患部保存効果はあり、硬性装具と比較して装用感が良好であるため長期装用・就寝時装用が行なえることを謳った製品も多種多数見られる。そして何よりも、これまで安静を強いられてきたことで筋力が弱った患者にとって適度な締め付けがなされる軟性装具は、装着すること自体で不安感を拭うものとなっている。
腰椎の場合も基本的には同様である。
しかし、骨折後経過の中で「硬性装具」を使用し、骨折部の骨癒合がなされた後で疼痛が残存する場合は「軟性装具」が必要になるが、高価であるため買うことが容易ではない。そのため通常は安価な市販の腰痛ベルトなどを購入するが、腰痛ベルトはきわめて簡便な構造であるため「軟性装具」の機能には到底およばない。
これらの問題を解決するためには「軟性装具」と「硬性装具」の機能をあわせ持つ装具が必要になるが、このような装具はこれまでにはなかった。
特開2009−178535号公報
従って、中程度或いはそれより重度の圧迫骨折・変形性脊椎症、等々の場合において、苦痛なく治療を行なおうとするのであれば、治癒段階に応じて硬性体幹装具から軟性体幹装具へ空白期間なく移行させることが望まれる。
ところが医療現場では「軟性装具」「硬性装具」に分け、目的に応じて区別して処方することは可能ではあるが、2016年現時点では、医療保険制度上は、同時期に一つの病名で二種類の装具を処方することはできず、片方のみの処方になるため、例えば「硬性装具」を処方された後で「軟性装具」が必要になると、保険がきかないため「軟性装具」は全額自己負担にならざるを得ないケースがある。
たとえ医療保険制度が改定されたとしても、装具を作ってから2,3ヶ月のうちに新たにもう一つの装具(コルセット)を作るということは、治癒状況を考慮しつつ移行タイミングを図ったり、場合によっては再度採型採寸したり、追加費用が掛かったり等、様々な問題がある。
よって、軟性体幹装具へ移行すべき時期に装具が作れず、たとえ痛みがあっても我慢するという事例も発生している。
そこで、こうした状況の下、適切な保存療法が継続し得る装具の出現が待たれていた。
また現実には、硬性装具の連続装着が余儀なくされている時期(骨癒合が完全には完了していない時期)にあっても、一時的に取り外す場合がある。代表的な場面が「入浴」である。また「就寝時には取り外し起床すれば装着する」という時期もこの場合に該当する。
例えば入浴は、受傷して硬性装具が取り外せる時期まで本来すべきでないが、シャワーだけでは物足りないという要望もあって、充分注意しながらの入浴が許可されていることが多い。ところがこの時期は、骨折部が安定していないため体幹の動きを制限しなくてはならないが、筋力が極端に落ちている時期でもあるので、装具を外してしまうと体幹を動かさないようにするのは存外難しく、通常動作ができないことに愕然とし不安感・恐怖感が募ることもあって、ストレッチャーを用いた機械浴、簡易な固定ベルトの装着、他人の手、等々の補助を頼りに行なっているのが現状である。
以上のような現状に鑑み本発明者は長年鋭意研究の結果遂に、一基の装具を以てその形態を変更させることができる装具として本発明を成したものであり、その特徴とするところは、胸腰仙椎部の全体あるいは一部に対して適用される(ハイブリッド型)体幹装具であって、体腔軟部組織に圧迫を加える装具基礎部、及びアタッチメント部とにより構成されており、該アタッチメント部は、該装具基礎部表面に設置され、胸腰仙椎の可動域を抑えることで安静固定を図るフレーム構造体であり、該装具基礎部と着脱構造部を介して連結されたものである点にある。
即ち本発明の体幹装具は、脊椎の安静保護が求められる状況下では硬性装具として用い、入浴時や就寝時に一時的に一部を取り外すことができ、取り外した場合でも装具なしという状態にはならないので装用者に不安感を感じさせなくて済むしある程度の固定機能が維持できる、というものである。
この「装具としてのハイブリッド性」は、胸腰仙椎の可動域を抑えることで安静固定を図るフレーム構造体を軟性装具の機能を有する装具基礎部表面に設置すること、フレーム構造体であるところのアタッチメント部は装具基礎部から着脱自在に連結されていること、によってもたらされる。
ここで「装具基礎部」とは、体腔軟部組織に圧迫を加えるものである。これは、装具基礎部を装着すると体腔(特に腹腔)の内圧が高くなることを意味する。体幹の一部に対して単に圧迫を加えただけでは、その内圧が高くなるとは限らない。
即ち、概ね腹腔全周を被覆するような形で、且つその周径を小さくする方向に付勢するように設置することになる。そしてその構造は、基本的に従来の「軟性胸腰仙椎装具」若しくは「軟性腰仙椎装具」と同様のものである。
材質としては、強靭な布地又はそれに代わるものが採用される。更にこれを金属部材・硬質プラスチック部材などで補強したものも好適である。
装具基礎部は、締め付け力によって胸腰仙椎を保護するものであり、締め付け力は体型の変化によって増減する。そこで、締め付け力を微調整できるような構造とすることが好ましい。
典型的な構造は、近代から最近まで女性一般に使用されていたコルセットのように、面状体を縦方向(脊椎方向)に分断した構造とし、その分断した端部の双方にハトメを穿設しておき、ここに靴紐状に紐を通した構造である。本発明においては、こうした典型的な構造をそのまま採用しても良いが、さらに、分断する箇所や連結構造に工夫を凝らすことによって、利便性、例えば他人の手を借りずに装着できるようにする、締め付け力の調整を容易にする、を求めるのが望ましい。例えば体幹前面側で分断し、その片側に面ファスナー付きのベルトを設け、他方にリング金具を取設し、このベルトをリング金具に挿通させた後、引張させた上で該ベルト自体に係止するという構造である。この構造であると、一人で締め付け力を調整しながらの装着ができることとなる。
「アタッチメント部」とは、装具基礎部の上から装着される部材である。従って、本発明装具を装着した状態で、このアタッチメント部のみを取り外すことができる。またアタッチメント部は、従来の硬性装具に相当する機能を含むように構成されたフレーム構造体である。
従って基本的には、安静固定が求められる時期にはアタッチメント部を付帯させて用い、患部が骨的に安定し、安静固定の必要がなくなってアタッチメント部を取り外せば、ある程度の固定性を保ちつつも装用感が良い軟性装具として機能することとなる。
また、安静固定期間中に一時的に取り外すという場合にも、軟性装具部分が残存する形となっているので、脊椎がある程度保護された状態となる。これは、患者に与える不安感を軽減させるという意味でも非常に好適である。
アタッチメント部自体の構造については特に限定はしないが当然ながら、着脱が容易且つ確実であって、しかも嵩張らず装用感を妨げない構造が好ましい。例えば、先ず着脱の容易性を確保するために身体の固定対象部分を、身体頭上から見て「C」字形に囲むやや弾力性のあるリブ状体で形成する、そして着脱作業はこの弾力を利用して行い、弾力性を有することによる固定力不足をサポートし、保持力の調整を容易なものとするため「C」字の間隔を連結する形でベルトを架け渡す、という構造が好ましい。
そしてこのベルト(「C」字の間隔を連結するベルト)は、アタッチメント部に固設させておく必然性はない。別体としても良いし、装具基礎部側に取設しても良い。
アタッチメント部の典型的な形状としては、略六角形の剛性フレーム構造体であり、胸骨と恥骨などの骨盤部にフィットして該フレーム構造体を体に押し当てることで体幹運動を制限するものである。
アタッチメント部の形状は“O”字形、“王”字形、“I”字形などであって良く、体の少なくとも1ヶ所以上にフィットさせることで、体幹運動を制限できるものであれば何でも良い。
アタッチメント部は装具基礎部に着脱自在なものであり、またアタッチメント部を取り外すとき、あるいは取り付けるときに装具基礎部装着による脊椎保護機能が大きく低下するものであってはならない。勿論、着脱が面倒な構造とすることは好ましくない。
そこでこれらの要求に沿うような構造であることが望ましいが、本発明はこの着脱部分の構造について特に限定するものではなく、例えば、本発明者が種々試作し研究した範囲では後述するような構造が考えられる。
アタッチメント部にベルトを係合し、このベルトの端部を留める構造を装具基礎部側に設けるのが好適である。
ベルトの端部を留める構造については、ベルトを差し込んで摩擦力で留める例えばリングベルト方式のもの、ベルトに孔を開けておきピンバックル方式で留めるもの、面ファスナーによって留めるもの、自動車シートベルトバックルのような構造のもの、ボタン留め、フック留め、等々種々の形態が考えられる。こうしたものの中で、アタッチメント部を取り外したときに嵩張らないことに着目した場合には、面ファスナー方式、ボタン留め、フック留めが特に好ましい。また、高い連結強度を求めるのであれば、ピンバックル方式、シートベルトバックル方式が特に好ましく、微調整の容易性を求めるのであれば、リングベルト方式、面ファスナー方式が特に好ましいと言える。こうしたものの中から症状その他に応じて適宜選択すれば良く、特段の限定はしない。
材質については、装具基礎部・アタッチメント部いずれに関しても特に限定はしない。従って従来の軟性装具、硬性装具に採用されている材質の中から、使用者の要求に適ったものを適宜採用すれば良い。
例えば、装具基礎部を装着した状態で入浴すること、直接、身体や下着に密着して汗等により湿気を帯びること等を考慮すると、装具基礎部は、防水性、耐水性、速乾性や通気性を有する素材を用いて構成されることが好適である。
一方、アタッチメント部は、大部分は金属、或いは剛性の高いプラスチックで構成されるが、身体に当接して例えば腹部の上部と下部を押圧するようなパッドが配置される場合には、当該パッドは可能な限り皮膚を傷付けないように、また装着に違和感を生じさせないように軟性素材を用いることが好適であり、もしくは軟性素材で構成されたパッドカバーで被覆されるように構成されることが好適である。さらには、アタッチメント部を装着した状態で入浴すること、或いは浴槽に浸かることまではしなくてもシャワーを浴びたり、直接、身体や下着に密着して汗等により湿気を帯びたりすること等を考慮すると、パッドおよびパッドカバーは、防水性、耐水性、速乾性や通気性を有する素材を用いて構成されることが好適である。
使用方法についても特段の限定はしない。但し、本発明体幹装具は装具基礎部とアタッチメント部を着脱構造部を介して連結するという構造であって、この着脱構造部は従来の装具には存在しない部材であるので、これが装用感を阻害することがないように留意すべきである。
「着脱構造部」は、装具基礎部・アタッチメント部の双方を結合させる部材であり、一方は装具基礎部に付帯し、他方はアタッチメント部に付帯している。そして装具基礎部は身体表面を包む構造であって、その外側にアタッチメント部を装着する構造が好ましいが、内側にアタッチメント部を装着する構造であっても良い。アタッチメント部は安静固定が求められる時期を過ぎると不要になる部材であるため、着脱構造部のうち、嵩張る部材(例えば長さのあるベルト)はアタッチメント部側に設けるのが合理的である。装具基礎部に付帯した着脱構造部は取り外せる部材であることが好ましいが、取り外せない部材であっても良い。
着脱構造部は装具基礎部、アタッチメント部それぞれに固定されたものであって良いが、独立したものであっても良い。また、着脱構造部の一部として、装具基礎部あるいはアタッチメント部のいずれとも独立した構造体を有しているものであっても良い。
最も好適な実施例としては、装具基礎部は軟性タイプ、アタッチメント部が硬性タイプであるが、装具基礎部とアタッチメント部いずれも軟性タイプ、硬性タイプ、半硬性タイプ、軟性と硬性からなるタイプのいずれから選択されるものであって良い。また、軟性タイプは一般的な軟性コルセット、腰痛ベルト、通常のベルトであって良く、身体の周囲の全体あるいは一部をカバーするものであれば何でも良い。硬性タイプは前述したように金属、プラスチックであって良く、ギプス、木材など固定性の高い素材であれば何でも良い。
装具基礎部は一体となった構造であることが好ましいが、分離できるような構造であっても良い。また、アタッチメント部も一体となった構造であることが好ましいが、分離できるような構造であっても良い。
装具基礎部とアタッチメント部とのフィット性を補強する部材として、「背部ベルト」があることが好ましく、好適には装具基礎部の着脱構造部に付帯されており、当該背部ベルトを介してアタッチメント部が体幹にしっかりと押し当てられる。
「背部ベルト」の材質は布製、皮製、ゴム製、およびシリコン等の樹脂製であって良く、装具基礎部とアタッチメント部とのフィット性を補強することができる材質やタイプであれば何でも良い。
背部ベルトの長さを調節する機能として、例えば、複数個段階的に備えられたボタン留めやフック留めを用いたベルト、複数位置に固定可能なリングベルト方式やピンバックル方式などの種々のベルト、面ファスナー方式のベルト等を用いるようにしても構わない。容易に長さの微調整を可能とし、身体に密着しても装着に違和感を抱かせない点では、特に、面ファスナー方式のベルトを用いることが好ましい。
「背部ベルト」は装具基礎部、アタッチメント部、着脱構造部の一部であって良いが、着脱可能な構造あるいは独立した構造であっても良い。ただし、背部ベルトが装具基礎部の一部として配置されている場合には、身体表面に密着することが多いため、その材質は、布製、ゴム製、およびシリコン等の柔軟性を有する樹脂製であることが好ましい。
装具基礎部、アタッチメント部の上下前後を反対に装着しないために、上下前後を識別するための機能として、例えば、「上下左右」識別用ラベル、目印、マーカー等があっても良い。
また、例えば、正しいベルト先端の差込片と差込口とをペアとして、サイズ(太さ)や形状を合わせておくことにより、アタッチメント部を着脱構造部に対して違う向きに取り付けようとすると、正しいペアではないためベルトが入らないようにしておいても良い。
また、本発明の体幹装具は、胸腰仙椎部の全体あるいは一部に対して適用されるとともに、さらに頚椎をカバーする頚椎保護部材を備えていても構わない。
即ち本発明は、胸腰仙椎部の全体あるいは一部に対して適用される体幹装具であって、体腔軟部組織に圧迫を加える装具基礎部、及びアタッチメント部とにより構成されており、該アタッチメント部は、該装具基礎部表面に設置され、胸腰仙椎の可動域を抑えることで安静固定を図るフレーム構造体であり、該装具基礎部と着脱構造部を介して連結されたものであることを特徴とするものであり、以下述べる如き効果を有する極めて高度な発明である。
(1)装具基礎部のみを装着すると従来の軟性装具に相当する機能を発揮し、これにアタッチメント部を連結すると従来の硬性装具に相当する機能を発揮するので、これ一基で硬軟併用できる。
(2)アタッチメント部を入浴時或いは就寝時などに一時的に取り外しても、その内側に装具基礎部が存在することとなる。従って、装具を完全に取り外す場合であっても固定力(拘束力)は段階的に小さくなる。故に、突然固定力が失われる場合と比較して、取り外し作業時に患者に与える不安感が軽減される。
本発明に係る体幹装具の一例を示す概略斜視図である。 本発明に係る体幹装具の一例の装具基礎部を示す概略斜視図である。 本発明に係る体幹装具の一例のアタッチメント部を示す概略斜視図である。 本発明に係る体幹装具のアタッチメント部を背面側から見た状態の一例を示す概略斜視図である。 着脱構造部の構造の一例を示す概略斜視図である。 (a)及び(b)は、着脱構造部の構造についての他の例を示すいずれも概略斜視図である。
図1乃至図3は、本発明に係る体幹装具1(以下「本発明装具1」という)の一例として、胸腰椎を圧迫骨折した患者に適用される胸腰仙椎装具の一例を概略的に示すものであり、図1は全体、図2・図3はそれを2分割したもののそれぞれを示すものである。図より明らかなように、本発明装具1は大きく、装具基礎部2(図2に示す)とアタッチメント部3(図3に示す)とにより構成されている。
装具基礎部2は、従来の典型的な軟性装具に相当する機能を含むように構成されるものであって、材質・構造共も特に限定されるものではないが、本例では伸縮性の小さいメッシュ生地のところどころに鉛直方向にボーン金属材21を配置したものであり、これを体幹(本例では腰椎部分)に巻きつけ、引張力を加えながら体幹前面で係止するという構造のものである。係止は本例の場合、一方に設けられたベルト22を、他方に設けられたリング23に挿通してベルト22の付け根側に引っ張り、面ファスナー24にて留めるという方法で行なっている。なお本例ではベルト22は四本であるのに対しリング23は三個となっており、一番上のベルト22はリング23を用いず、単に面ファスナーによって固定されるものである。これは、一番上のベルト22の位置が、アタッチメント部3で覆われる部分であるためである。但しこうした構造が本発明を限定するものではない。
係止の際に加えられた引張り力によって腹腔内圧が上昇し脊椎(本例では腰椎)の保護、腰痛の軽減を図ることができる。
また、装具基礎部2の背面側も縦方向に分割されており、締め紐25によって編み上げる形で連結されている。そして通常は装具着脱の際にこの締め紐25を外すということはなく、着脱は体幹前方側のベルト22にて行なう。
アタッチメント部3は、体幹を強固に保持固定するものであって、本例では腰部付近を周回しておらず、上から見て体幹前面を「C」字状に取り囲むだけの構造となっている。即ち、複数(図では二本)のリブ状部31と、該複数のリブ状部31を連結するブリッジ部32とによって構成されているものである。本例では二本のリブ状部31は、保存対象箇所(圧迫骨折箇所)を跨いで上部に一本、下側に一本となるよう、おおよそ水平に配置されている。またリブ状部31自体は金属板を組み合わせた構造となっており、ところどころにパッド33が配置されている。
このように、従来の典型的な「硬性装具」は、腹腔内圧を高める機能に劣っているが、本発明装具1は、装具基礎部2の「軟性装具」としての機能により腹腔内圧を高め、脊柱に掛かる負担と胸部の痛みを軽減させ、かつアタッチメント部3により「硬性装具」としての安定的な患部固定性を有している。
また、装具基礎部2にアタッチメント部3を連結させた状態では、装具基礎部2の体幹前面の固定具を外しても体幹の安定性が維持できるため、体幹の動きを制限したまま腹部の圧迫させないようにしても使用することができる。
更に、ほぼ鉛直状に配置されることとなる二本のブリッジ部32は、身体背中側に配置される背部ベルト34で連結されている(図4)。換言すると、「C」字形を呈するアタッチメント部3はこの背部ベルト34に連結されることによって、頭上から見て体幹を一周するものとなる。但し、頭上からではなく横から見るとアタッチメント部3が周回する位置と背部ベルトが周回する位置は高さが異なっているので、体腔内圧を上げる機能は有していない。
背部ベルト34を締めると、保存対象箇所の上下2ヶ所では二本のリブ状部31が体幹をその前面側から背面側に押圧付勢し、該上下2ヶ所間では背部ベルト34が体幹をその背面側から前面側に押圧付勢するという加圧の配置となる。これによって、保存対象箇所(圧迫骨折箇所)の安静保存が図られる。
そして装具基礎部2とアタッチメント部3は、着脱構造部4を介して連結される。
なお、図5においては、背部ベルト34をアタッチメント部3に備える構成として説明したが、背部ベルト34を装具基礎部2に備える構成としても構わない。この場合、背部ベルト34を装具基礎部2側に配置されているベルト係止具41に連結させておけば、着脱構造部4を用いて装具基礎部2にアタッチメント部3を連結させた際、背部ベルト34を背中側から前面側に締め付けられるように作用させることができる。その結果、アタッチメント部3、着脱構造部4、および背部ベルト34によって体幹全周を締め付けて安定させることができる。
次に図6は、着脱構造部4の一例を示すものである。着脱構造部4は、装具基礎部2側とアタッチメント部3側に分離された形で配置されており、本例の場合には装具基礎部2にはベルト係止具41が、アタッチメント部3にはベルト42が設けられている。このベルト係止具41は、ベルト42を挿通させる孔を有しており、且つ、この孔に入ったベルト42を押圧固定する固定具が内蔵されている。
図6(a)及び(b)は、着脱構造部4の構造についての他の例を示すものであり、同図(a)は自動車のシートベルト連結機構の如き構造のものを示している。即ち、アタッチメント部3側に差込片44が設けられており、装具基礎部2側に該差込片44を格納係止するバックル本体45が設けられている。またアタッチメント部3側のベルトは長さ調整構造部46が設けられている。この構造の場合には、嵩張るという欠点はあるものの、連結力が強く、脱着が片手ワンタッチ動作でできるという効果を有する。
また同図(b)は、「かぎホック」と呼ばれる留め金具構造を用いた例を示すものである。即ち、装具基礎部2側にアイ金具47が設けられており、アタッチメント部3側に該アイ金具47にはめ込まれるホック金具48が設けられているという構造である。1つのホック金具48に対して複数(図では3個)のアイ金具47が配置されており、これによって微調整できる。この構造の場合には、片手での作業は難しいものの、嵩張ることがないので装用感が良好であるという効果がある。
以上、胸腰椎の圧迫骨折を例に本発明を説明してきたが、本発明は胸椎・腰椎についての脊椎病変一般に対して適用できるものであり、腰椎に限るものでも圧迫骨折に限るものでもない(図示略)。
以上、本発明の各実施形態(実施例)についての具体的な説明を行った。上記説明は、あくまで一実施形態(実施例)としての説明であって、本発明の範囲はこの一実施形態(実施例)に留まらず、当業者が把握可能な範囲にまで広く解釈されるものである。
本発明は、医療用体幹装具等に利用可能であって、特に、胸椎や腰椎等を保護するコルセット等に有用である。
1 本発明に係る体幹装具
2 装具基礎部
21 ボーン金属材
22 ベルト
23 リング
24 面ファスナー
25 締め紐
3 アタッチメント部
31 リブ状部
32 ブリッジ部
33 パッド
34 背部ベルト
4 着脱構造部
41 ベルト係止具
42 ベルト
44 差込片
45 バックル本体
46 長さ調整構造部
47 アイ金具
48 ホック金具

Claims (5)

  1. 胸腰仙椎部の全体あるいは一部に対して適用されるハイブリッド型体幹装具であって、体腔軟部組織に圧迫を加える装具基礎部、及びアタッチメント部とにより構成されており、該アタッチメント部は、該装具基礎部表面に設置され、胸椎又は腰椎の可動域を抑えることで安静固定を図るフレーム構造体であり、該装具基礎部と着脱構造部を介して連結されたものであることを特徴とするハイブリッド型体幹装具。
  2. 該着脱構造部は、装具基礎部・アタッチメント部のいずれかに設けられたリングと、他方に設けられた面ファスナー付きベルトによって構成されるものである請求項1記載のハイブリッド型体幹装具。
  3. 該着脱構造部は、装具基礎部側に設けられた差込片と、アタッチメント部側に該差込片を格納係止する形で設けられたバックル本体とによって構成されるものである請求項1または2記載のハイブリッド型体幹装具。
  4. 該着脱構造部は、該装具基礎部から取り外すことができる請求項1から3のいずれかに記載のハイブリッド型体幹装具。
  5. 該装具基礎部は、該アタッチメント部、該着脱構造部に、防水性、耐水性、および速乾性を有する素材が含まれる請求項1から4のいずれかに記載のハイブリッド型体幹装具。

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022068117A1 (zh) * 2020-10-01 2022-04-07 江苏爱护佳健康科技有限公司 一种可调节式脊背矫形腰椎固定器
JP7352917B2 (ja) 2020-11-03 2023-09-29 株式会社 P.O.ラボ 体幹装具
JP7364297B1 (ja) 2022-08-24 2023-10-18 株式会社P.O.イノベーション キャスティングシステム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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