JP2017156296A - 放射線測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低高度における放射線量の測定を安定して行うことのできる放射線測定装置を提供する。【解決手段】放射線測定装置1は、マルチコプター10と、放射線測定器11と、放射線測定器11を吊り下げるための2本の吊り下げ用ワイヤー12とを備える。吊り下げ用ワイヤー12は、マルチコプター10の重心Gを通る第1の鉛直平面VP1を挟む2つの位置から1本ずつ垂下される。放射線測定器11は、放射線測定器11に揺れが生じていない状態では、第1の鉛直平面VP1上に位置している。【選択図】図2
Description
本発明は、放射線測定器を搭載した飛行体によって放射線の測定を行う放射線測定装置に関する。
近年、遠隔操縦や自動制御によって無人で飛行する飛行体に放射線測定器を搭載し、その飛行体を用いて、人間の進入が困難な区域における放射線量の測定を行う測定方法が知られている。
この種の測定方法が用いられる区域は、瓦礫が多数存在していることも多い。そのため、そのような地域では、飛行体自体を低高度に移動させることが難しく、十分な低高度における放射線量の測定を行うことが困難であるという問題があった。
そこで、十分な低高度における放射線量の測定を行うために、ワイヤー等によって放射線測定器を飛行体に吊り下げるといった測定方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1に記載のような従来の測定方法では、低高度においては飛行体から発生する風による影響が大きくなるので、吊り下げられた放射線測定器が様々な方向に向かって揺れてしまうという問題があった。
そのようにして放射線測定器が揺れた場合には、正確な測定が困難になるだけではなく、放射線測定器から飛行体に力が加わって操作が困難になり、放射線測定器や飛行体が瓦礫等の障害物に衝突してしまうおそれがあった。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、低高度における放射線量の測定を安定して行うことのできる放射線測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の放射線測定装置は、飛行体と、放射線量を測定する放射線測定器と、前記放射線測定器を吊り下げるための2本の吊り下げ用ワイヤーとを備え、前記2本の吊り下げ用ワイヤーは、前記飛行体の重心を通る鉛直平面を挟む2つの位置から垂下され、前記放射線測定器は、前記放射線測定器に揺れが生じていない状態では、前記鉛直平面上に位置していることを特徴とする。
このように、本発明の放射線測定装置では、放射線測定器は、飛行体から垂下された2本の吊り下げ用ワイヤーによって、2つの点で飛行体に吊り下げられている。そのため、放射線測定器の揺れは、飛行体の重心を通る鉛直平面を挟む2つの点を通る直線方向においては吊り下げ用ワイヤーによって抑制される。すなわち、本発明の放射線測定装置では、所定の方向以外における放射線測定器の揺れを押さえ込み、その分だけ所定の方向に限定して揺れを許容している。
その結果、多数の吊り下げ用ワイヤーを用いて固定する等によって、放射線測定器が揺れない(すなわち、飛行体に対して相対移動しない)ように構成した場合に比べて、放射線測定器から飛行体に加わる力が小さくなる。また、揺れの方向が限定されているので、揺れを抑制させるために必要な飛行体の移動方向も限定される。すなわち、揺れを抑制するための飛行体の操縦又は制御が容易となる。これにより、本発明の放射線測定装置では、放射線測定器の揺れを容易に抑制することができるようになっている。
また、2本の吊り下げ用ワイヤーは、飛行体の重心を通る鉛直平面を挟む2つの位置から垂下されるとともに、放射線測定器は、揺れが生じていない状態では、飛行体の重心を通る鉛直平面上に位置している。そのため、放射線測定器は、鉛直平面上を移動するようにして揺れる。
その結果、揺れの有無に関わらず、放射線測定器から飛行体に対して、上記の鉛直平面に対して飛行体を傾かせるような力が加わりにくい。これにより、本発明の放射線測定装置では、飛行体を安定して飛行させることができるようになっている。
したがって、本発明の放射線測定装置によれば、飛行体から発生する風の影響が大きく、放射線測定器の揺れが生じやすい低高度であっても、飛行体を安定して飛行させて、且つ、放射線測定器の揺れを容易に抑制することができるので、放射線量の測定を安定して行うことができる。
また、本発明の放射線測定装置においては、前記吊り下げ用ワイヤーは、前記飛行体の重心を通る鉛直平面について面対称となる2つの位置から、垂下されていることが好ましい。
このように構成すれば、2本の吊り下げ用ワイヤーの長さを等しくするだけで、放射線測定器を飛行体の重心を通る鉛直平面上に位置させることができる。また、2本の吊り下げ用ワイヤーの重さも等しくなるので、吊り下げ用ワイヤーの重さの違いによって飛行体が傾くことがない。その結果、飛行体をさらに安定して飛行させることができるようになる。
また、本発明の放射線測定装置においては、前記飛行体の重心を通る鉛直平面を第1の鉛直平面とし、前記第1の鉛直平面と直交し、且つ、前記重心を通る鉛直平面を第2の鉛直平面としたとき、前記吊り下げ用ワイヤーは、前記第2の鉛直平面上の位置から、垂下されていることが好ましい。
このように構成すれば、揺れが生じていない状態では、放射線測定器が飛行体の重心の鉛直方向下方に位置することになる。そのため、揺れが生じていない状態では、放射線測定器から飛行体に、飛行体を傾かせる力が加わらなくなる。その結果、飛行体をさらに安定して飛行させることができるようになる。
また、本発明の放射線測定装置においては、前記飛行体の飛行時における前進・後退方向は、前記吊り下げ用ワイヤーに挟まれている前記鉛直平面と平行となるように設定されていることが好ましい。
このように構成すれば、放射線測定器の揺れの方向は、飛行体の前進・後退方向と平行になる。そのため、放射線測定器の揺れは、飛行体を前進又は後退させるだけで抑制できるようになる。その結果、飛行体をさらに安定して飛行させることができるようになる。
また、本発明の放射線測定装置においては、前記飛行体又は前記放射線測定器から垂下された高度測定用ワイヤーを備え、前記高度測定用ワイヤーは、所定の間隔で標識が設けられていることが好ましい。
放射線測定器を搭載した飛行体を用いて放射線量の測定を行う場合、測定高度によって放射線量も変化するので、飛行体の高度を正確に認識し、操縦や制御を行う必要がある。飛行体の高度を認識するための方法としては、レーザ距離計を用いる方法(例えば、特開2011−183824号公報参照)等がある。
しかし、瓦礫が多数存在し、人間の進入が困難な地域では、飛行体の大きさをできるだけ小さくしたいという要望があるので、飛行体に比較的重量の大きいレーザ距離計等を搭載することは好ましくない。また、レーザ距離計による高度の認識は、飛行体が安定している場合には問題なく行うことができるが、放射線測定器の揺れによる力が加わっている等の理由によって飛行体自体が揺れている場合には、正確に行うことができないという問題があった。
そこで、レーザ距離計等に代わって、所定の間隔で標識が設けられた高度測定用ワイヤーを用いて、目視によって飛行体の高度の認識するようにすれば、飛行体の軽量化を行うことができるようになる。また、飛行体が傾いた場合であっても、高度測定用ワイヤーは垂下された状態を維持することができるので、飛行体の体勢に関わらず高度の測定を行うことができる。
また、本発明の放射線測定装置においては、前記高度測定用ワイヤーを備えている場合には、前記飛行体の下方の領域を撮影する高度測定用カメラを備え、前記高度測定用カメラは、前記高度測定用ワイヤーを撮影可能に配置されていることが好ましい。
このような高度測定用カメラを備えれば、目視だけではなく撮影した画像を介しても高度測定用ワイヤーによる飛行体の高度の認識を行うことが可能となるので、飛行体の高度の認識をさらに容易に行うことができるようになる。その結果、放射線量の測定をさらに安定して行うことができるようになる。
また、本発明の放射線測定装置においては、前記高度測定用ワイヤーを備えている場合には、前記高度測定用ワイヤーは、磁力によって着脱自在に前記放射線測定器に取り付けられていることが好ましい
このように構成すれば、高度測定用ワイヤーが飛行体から容易に外れるようになる。そのため、瓦礫等の外部環境に高度測定用ワイヤーが引っかかってしまった場合であっても、飛行体が高度測定用ワイヤーに引っ張られて落下してしまうことを防止することができる。その結果、高度測定用ワイヤーを備えている場合であっても、飛行体の安定性を損ないにくくなる。
このように構成すれば、高度測定用ワイヤーが飛行体から容易に外れるようになる。そのため、瓦礫等の外部環境に高度測定用ワイヤーが引っかかってしまった場合であっても、飛行体が高度測定用ワイヤーに引っ張られて落下してしまうことを防止することができる。その結果、高度測定用ワイヤーを備えている場合であっても、飛行体の安定性を損ないにくくなる。
以下、図面を参照して、実施形態に係る放射線測定システムSについて説明する。
まず、図1〜図5を参照して、放射線測定システムSについて説明する。
図1に示すように、放射線測定システムSは、放射線測定装置1と、放射線測定装置1を観測するための観測用カメラ2と、放射線測定装置1と無線で通信を行い、放射線測定装置1の遠隔制御及び受信した情報の処理を行う情報処理端末3とを備えている。
放射線測定装置1は、情報処理端末3からの信号や操縦者の操縦するコントローラーからの信号に従って飛行する。
観測用カメラ2は、放射線測定装置1を撮影可能な位置に配置されている。観測用カメラ2で撮影された画像は、無線又は有線によって情報処理端末3に送信され、その表示部に表示される。操縦者は、肉眼だけではなく、その画像に基づいて、放射線測定装置1の状態や後述する放射線測定器11の高度測定用ワイヤー13を視認することができる。
情報処理端末3は、所定のプログラムに従って、放射線測定装置1に対し、その飛行を制御するための信号を送信する。また、情報処理端末3は、放射線測定装置1からの信号を受信し、その信号に基づいて、放射線測定装置1の高度の算出等を行う。
図2に示すように、放射線測定装置1は、マルチコプター10(飛行体)と、放射線量を測定する放射線測定器11と、放射線測定器11を吊り下げるための2本の吊り下げ用ワイヤー12と、マルチコプター10から垂下された高度測定用ワイヤー13と、放射線測定器11の下方に設けられた高度測定用カメラ14とを備えている。
マルチコプター10は、本体部10aと、本体部10aの下方に設けられた一対の脚部10bと、一対の脚部10bの間に配置された制御ユニット10c及びバッテリー10dとを備えている。
図3に示すように、本体部10aは、制御機構が内蔵された中心部10a1、中心部10a1の周囲に設けられた環状部10a2、中心部10a1と環状部10a2との間に放射状に延びる複数のリブ10a3、各リブ10a3の中心で鉛直方向の軸線を中心として回転可能に固定されているローター10a4、及び、中心部10a1に内蔵された制御機構(不図示)を有している。
ローター10a4は、平面視で、中心部10a1の周囲に周方向に等間隔に6つ配置されている。マルチコプター10は、これらのローター10a4を同時に、又は、それらのうちのいずれかのみを回転させることによって、空中で前進・後退、旋回、上昇・下降、ホバリング等の動作を行うことができるようになっている。マルチコプター10の前進・後退方向は、マルチコプター10の重心Gを通る第1の鉛直平面VP1と平行となっている。
図4に示すように、脚部10bは、マルチコプター10の重心Gを通る第1の鉛直平面VP1について面対称となるように設けられている(図2参照)。マルチコプター10は、この脚部10bを接地させることによって着陸する。
制御ユニット10cは、無線によって情報処理端末3からの信号を受信し、その信号に基づいて本体部10aのローター10a4を制御する。また、制御ユニット10cは、後述する放射線測定器11からの信号及び高度測定用カメラ14からの信号を、無線によって情報処理端末3に送信する。
バッテリー10dは、本体部10aのローター10a4及び制御ユニット10cに電力を供給する。
放射線測定器11は、ガイガーミュラー計数管である。なお、放射線測定器11は、ガイガーミュラー計数管に限定されるものではなく、測定対象とする放射線に応じて既知の測定器を適宜選択してよい。
図2に示すように、吊り下げ用ワイヤー12は、1本の金属製のワイヤーをマルチコプター10の一対の脚部10bの各々の中央部に架け渡し、その両端を放射線測定器11に固定し、放射線測定器11をマルチコプター10の重心Gの鉛直方向下方に位置させた後、脚部10bにワイヤーを固定することによって構成されている。すなわち、2本の吊り下げ用ワイヤー12は、1本のワイヤーの一部分で構成されている。
上記したように、一対の脚部10bは、マルチコプター10の重心Gを通る第1の鉛直平面VP1について面対称となるように設けられている。また、放射線測定器11は、揺れが生じていない状態では、第1の鉛直平面VP1上に位置している(図4参照)。すなわち、2本の吊り下げ用ワイヤー12の長さは等しくなっている。
そのため、放射線測定器11は、マルチコプター10の重心Gを通る第1の鉛直平面VP1上に位置している。また、2本の吊り下げ用ワイヤー12は長さが等しいので、その重さも等しい。そのため、吊り下げ用ワイヤー12の重さの違いによって、マルチコプター10が第1の鉛直平面VP1に対して傾くことがない。
また、吊り下げ用ワイヤー12は、マルチコプター10の脚部10bの中央から垂下されている。すなわち、第1の鉛直平面VP1と直交し、且つ、マルチコプター10の重心Gを通る第2の鉛直平面VP2上の位置から垂下されている。
そのため、揺れが生じていない状態では、放射線測定器11がマルチコプター10の重心Gの鉛直方向下方に位置することになる。その結果、揺れが生じていない状態では、放射線測定器11からマルチコプター10に、マルチコプター10を傾かせる力が加わらなくなっている。
なお、一対の脚部10b(すなわち、吊り下げ用ワイヤー12を垂下する位置)や吊り下げ用ワイヤー12の長さは、マルチコプター10の安定性を阻害しない位置や長さであれば、マルチコプター10や他の部材の形状等に応じて、適宜変更してもよい。例えば、2本の吊り下げ用ワイヤー12を1本のワイヤーの一部分で構成せず、独立した2本のワイヤーで構成してもよい。また、吊り下げ用ワイヤー12の一方又は両方は、脚部10bではなく、本体部10aから垂下してもよい。
また、放射線測定器11では、吊り下げ用ワイヤー12と放射線測定器11を制御ユニット10cに接続するためのケーブルとを別体としている。これは、放射線測定器11の重量等によって、ケーブルが断線してしまうことを防止するためである。しかし、放射線測定器11の重量が十分に軽い場合等には、ケーブルを吊り下げ用ワイヤー12として用いてもよい。
高度測定用ワイヤー13は、ワイヤー本体13aと、ワイヤー本体13aに等間隔に設けられた標識13bと、ワイヤー本体13aの一端に固定され、放射線測定器11の下面に取り付けられた取付用磁石13cとを有している。なお、高度測定用ワイヤー13は、放射線測定器11の他、マルチコプター10の本体部10a等、放射線測定装置1のいずれの位置に設けてもよい。
ワイヤー本体13aは、金属製の線材である。そのため、ワイヤー本体13aに対するマルチコプター10からの風の影響は、ワイヤー本体13aの自重によって抑制される。すなわち、高度測定用ワイヤー13は、マルチコプター10からの風を受けた際にも、鉛直方向下方に垂下した状態が保たれるように構成されている。なお、放射線測定装置1では設けられていないが、ワイヤー本体13aの他端に、ワイヤー本体13aの揺れを抑制するための重りを取り付けてもよい。
標識13bは、三角形の布材として構成されている。そのため、瓦礫等の障害物に引っかかりにくくなっている。また、標識13bは、視認性を向上させるために、位置によって異なる色となっている。操縦者は、肉眼で直接的に又は後述する高度測定用カメラ14又は観測用カメラ2により撮影された画像を介して間接的に、いずれの標識13bが対象物(例えば、地面)に接しているかを認識することによって、放射線測定器11の対象物からの高度を認識することができる。
なお、標識13bは必ずしも布材を用いて形成する必要はなく、マルチコプター10の操縦者が視認できるように構成されていればよい。例えば、ワイヤー本体13aに等間隔に着色を施すことによって、標識13bを形成してもよい。
図5に示すように、取付用磁石13cは、放射線測定器11の下面に設けられた高度測定用カメラ14に、磁力によって着脱自在に取り付けられている。そのため、ワイヤー本体13aや標識13bが瓦礫等の障害物に引っかかってしまった場合であっても、取付用磁石13cが放射線測定器11から容易に外れるので、マルチコプター10が高度測定用ワイヤー13に引っ張られて落下してしまうことがない。
なお、高度測定用ワイヤー13からマルチコプター10に加わる力を他の手段によって回避できる場合には、ワイヤー本体13aを、取付用磁石13cを介してではなく、放射線測定器11に直接取り付けてもよい。例えば、ワイヤー本体13aを力が加わった場合に容易に切断できる素材で形成した場合には、取付用磁石13cは省略してもよい。
高度測定用カメラ14は、放射線測定器11の下面に、取付用磁石13cに並ぶようにして固定されている。高度測定用カメラ14は、マルチコプター10の下方の領域を撮影する。すなわち、高度測定用カメラ14の撮影範囲内には、垂下された状態の高度測定用ワイヤー13が含まれている。なお、高度測定用ワイヤー13が放射線測定器11以外の位置から垂下されている場合には、高度測定用カメラ14を固定する位置も、高度測定用ワイヤー13を垂下している位置に応じて変更すればよい。
高度測定用カメラ14で撮影された画像は、制御ユニット10cを介して、情報処理端末3に送信される。情報処理端末3は、送信された画像に基づいて、マルチコプター10の高度を算出し、情報処理端末3の表示部に表示する。また、情報処理端末3は、算出された高度とともに、その表示部に送信された画像(すなわち、高度測定用ワイヤー13を見下ろす画像)も表示する。さらに、マルチコプター10が操縦者から近い位置を飛行している場合には、高度測定用ワイヤー13を直接視認することができる。
その結果、操縦者は、情報処理端末3の表示部に数字として示された高度とともに、撮影画像による間接的に及び肉眼による直接的に高度測定用ワイヤー13の状態を視認することによって、マルチコプター10の高度を認識することができる。
なお、他の手段、例えば、レーザ距離計や気圧計等を用いてマルチコプター10の高度を認識する場合には、高度測定用ワイヤー13や高度測定用カメラ14を省略してもよい。
次に、図2及び図3を参照して、放射線測定装置1の放射線測定器11が揺れた際の動きについて説明する。
図2に示すように、放射線測定装置1では、マルチコプター10から垂下された2本の吊り下げ用ワイヤー12によって、2つの点でマルチコプター10に吊り下げられている。そのため、放射線測定器11の揺れは、マルチコプター10の重心Gを通る第1の鉛直平面VP1を挟む2つの点を通る直線方向(図3において第1の鉛直平面VP1に垂直な方向。すなわち、第2の鉛直平面VP2に平行な方向。)においては吊り下げ用ワイヤー12によって抑制される。
すなわち、放射線測定装置1では、所定の方向以外における放射線測定器11の揺れを押さえ込み、その分だけ所定の方向(図2において矢印で示す方向。図3において第1の鉛直平面VP1に平行な方向。)に限定して揺れを許容している。
その結果、放射線測定装置1は、多数のワイヤーを用いて固定する等の方法によって放射線測定器11が揺れない(すなわち、マルチコプター10に対して相対移動しない)ように構成した従来の放射線測定器に比べて、放射線測定器11からマルチコプター10に加わる力が小さくなっている。
また、放射線測定装置1では、揺れの方向が限定されているので、揺れを抑制させるために必要なマルチコプター10の移動方向も限定される。すなわち、揺れを抑制するためのマルチコプター10の操縦又は制御が容易となっている。
ここで、第1の鉛直平面VP1は、マルチコプター10の前進・後退方向と一致するように設定されている。また、放射線測定器11を吊り下げる2本の吊り下げ用ワイヤー12は、第1の鉛直平面VP1について面対称となる脚部10bから垂下されている。
そのため、放射線測定器11の揺れの方向は、マルチコプター10の前進・後退方向と平行になっている。その結果、放射線測定装置1では、放射線測定器11の揺れは、マルチコプター10を前進又は後退させるだけで抑制できるようになっている。
また、2本の吊り下げ用ワイヤー12は、マルチコプター10の重心Gを通る第1の鉛直平面VP1について面対称な2つの位置から1本ずつ垂下されるとともに、放射線測定器11は、揺れが生じていない状態では、第1の鉛直平面VP1上に位置している。
そのため、放射線測定器11は、第1の鉛直平面VP1上を移動するようにして揺れる。その結果、放射線測定装置1では、揺れの有無に関わらず、放射線測定器11からマルチコプター10に、第1の鉛直平面VP1に対してマルチコプター10を傾かせるような力が加わりにくくなっている。
なお、マルチコプター10では、放射線測定装置1の軽量化を図るため、吊り下げ用ワイヤー12は、第1の鉛直平面VP1について面対称な2つの位置から1本ずつ垂下している。しかし、吊り下げ用ワイヤーは、上述の2つの位置のそれぞれから、複数本垂下してもよい。また、それぞれの位置から異なる本数の吊り下げ用ワイヤーを垂下してもよい。例えば、一方の位置からは1本のみ垂下し、他方の位置からは2本以上垂下するようにしてもよい。
したがって、放射線測定装置1によれば、マルチコプター10から発生する風の影響が大きく、放射線測定器11の揺れが生じやすい低高度であっても、マルチコプター10を安定して飛行させて、且つ、放射線測定器11の揺れを容易に抑制することができるので、放射線量の測定を安定して行うことができる。
次に、図1を参照して、放射線測定システムSを用いて、放射線の線量測定を行う測定方法について説明する。
瓦礫Rが多数存在している等の理由から人間の進入が困難な区域において、放射線量の測定を行う場合、操縦者は、放射線測定装置1を直接的に目視しつつ、又は、観測用カメラ2によって撮影された画像を情報処理端末3の表示部を介して間接的に、放射線測定装置1の操縦を行う。
このとき、操縦者が肉眼で放射線測定装置1を視認できない領域にいる場合には、情報処理端末3の表示部に数字として表示された高度、又は、高度測定用カメラ14によって撮影された高度測定用ワイヤー13の画像を視認して高度の確認を行う。
この場合には、放射線測定システムSによれば、従来のようにレーザ距離計や気圧計等の高度認識装置のみを用いた放射線測定システムとは異なり、操縦者の肉眼による認識が行われるので、放射線測定装置1の傾き等に容易に気付くことができるので、精度の高い放射線量の測定を行うことができる。
また、操縦者が肉眼で放射線測定装置1を視認できる領域にいる場合には、肉眼で高度測定用ワイヤー13を視認して大まかな高度を認識した後に、情報処理端末3の表示部に数字として表示された高度又は高度測定用カメラ14によって撮影された高度測定用ワイヤー13の画像を視認して高度の確認を行うことができる。
この場合には、放射線測定システムSによれば、従来の放射線測定システムに比べ、精度の高い放射線量の測定を行うことができるだけではなく、放射線測定装置1の操作に集中することができ、また、放射線測定装置1の高度の認識を迅速に行うことができる。その結果、操縦者が被曝の可能性がある地域に滞在する時間を短くすることができる。
以上、図示の実施形態について説明したが、本発明はこのような形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態では、マルチコプター10(飛行体)の前進・後退方向は、マルチコプター10の重心Gを通る第1の鉛直平面VP1に平行となるように構成されている。しかし、本発明の飛行体の前進・後退方向は、他の方向であってもよい。例えば、左右方向であってもよい。
また、上記実施形態では、観測用カメラ2と情報処理端末3とを用いて高度認識装置を構成している。しかし、高度認識装置としては、既知の気圧センサ等を用いてもよい。
また、上記実施形態では、マルチコプター10から放射線測定器11を吊り下げて、放射線量の測定を行っている。しかし、飛行体から吊り下げる測定機器としては、放射線測定器の他、温度計やビデオカメラ、ガス濃度測定器等、放射線測定器と同様に、所定の位置で滞空した状態で測定を行い、測定データを送信できる測定機器を用いてもよい。そのような測定機器であれば、飛行体の重量化を避けることができるので、飛行状態における安定性を損なうことがないためである。
また、上記実施形態では、吊り下げ用ワイヤー12は、マルチコプター10の重心を通る第1の鉛直平面VP1について面対称となる2つの位置から垂下されている。また、その2つの位置は、第1の鉛直平面VP1と直交し、且つ、マルチコプター10の重心Gを通る第2の鉛直平面VP2上の位置となっている。これは、マルチコプター10の静止状態において、放射線測定器11をマルチコプター10の重心Gの鉛直方向下方に位置するようにして、静止状態における安定性の向上を図るためである。
しかし、本発明において吊り下げ用ワイヤーを垂下するための2つの位置は、上記実施形態に記載の位置に限定されるものではなく、飛行体の重心を通る鉛直平面を挟む一対の位置であり、その位置から吊り下げ用ワイヤーを介して吊り下げられた放射線測定器が、揺れが生じていない状態でその鉛直平面上に位置するような位置であればよい。
例えば、図6に示す第1の変形例のように、マルチコプター10の進行方向前方側における一対の脚部10bの先端部(すなわち、第1の鉛直平面VP1を挟む位置であるが、マルチコプター10の重心を通る第2の鉛直平面VP2上ではない位置)から、吊り下げ用ワイヤー12を吊り下げてもよい。
なお、このように構成した場合には、放射線測定器11等の重量によってマルチコプター10が前方に傾きやすくなるが、搭載されている他の機材の配置によって、全体のバランスをとるようにすればよい。
また、例えば、図7に示す第2の変形例のように、一方の吊り下げ用ワイヤー12aを、一対の脚部10bの、マルチコプター10の進行方向前方側における先端部から吊り下げ、他方の吊り下げ用ワイヤー12bを、一対の脚部10bの、進行方向後方側における先端部から吊り下げるようにしてもよい。
1…放射線測定装置、2…観測用カメラ、3…情報処理端末(制御装置,高度認識装置)、10…マルチコプター(飛行体)、10a…本体部、10a1…中心部、10a2…環状部、10a3…リブ、10a4…ローター、10b…脚部、10c…制御ユニット、10d…バッテリー、11…放射線測定器、11b…ケーブル、12,12a,12b…吊り下げ用ワイヤー、13…高度測定用ワイヤー、13a…ワイヤー本体、13b…標識、13c…取付用磁石、14…高度測定用カメラ、G…マルチコプター10の重心、R…瓦礫、S…放射線測定システム、VP1…第1の鉛直平面、VP2…第2の鉛直平面。
Claims (7)
- 飛行体と、
放射線量を測定する放射線測定器と、
前記放射線測定器を吊り下げるための2本の吊り下げ用ワイヤーとを備え、
前記2本の吊り下げ用ワイヤーは、前記飛行体の重心を通る鉛直平面を挟む2つの位置から垂下され、
前記放射線測定器は、前記放射線測定器に揺れが生じていない状態では、前記鉛直平面上に位置していることを特徴とする放射線測定装置。 - 請求項1に記載の放射線測定装置であって、
前記吊り下げ用ワイヤーは、前記飛行体の重心を通る鉛直平面について面対称となる2つの位置から、垂下されていることを特徴とする放射線測定装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の放射線測定装置であって、
前記飛行体の重心を通る鉛直平面を第1の鉛直平面とし、前記第1の鉛直平面と直交し、且つ、前記重心を通る鉛直平面を第2の鉛直平面としたとき、
前記吊り下げ用ワイヤーは、前記第2の鉛直平面上の位置から、垂下されていることを特徴とする放射線測定装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の放射線測定装置であって、
前記飛行体の飛行時における前進・後退方向は、前記吊り下げ用ワイヤーに挟まれている前記鉛直平面と平行となるように設定されていることを特徴とする放射線測定装置。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の放射線測定装置であって、
前記飛行体又は前記放射線測定器から垂下された高度測定用ワイヤーを備え、
前記高度測定用ワイヤーは、所定の間隔で標識が設けられていることを特徴とする放射線測定装置。 - 請求項5に記載の放射線測定装置であって、
前記飛行体の下方の領域を撮影する高度測定用カメラを備え、
前記高度測定用カメラは、前記高度測定用ワイヤーを撮影可能に配置されていることを特徴とする放射線測定装置。 - 請求項5又は請求項6に記載の放射線測定装置であって、
前記高度測定用ワイヤーは、磁力によって着脱自在に前記放射線測定器に取り付けられていることを特徴とする放射線測定装置。
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---|---|---|---|
JP2016041950A JP2017156296A (ja) | 2016-03-04 | 2016-03-04 | 放射線測定装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112630819A (zh) * | 2020-12-23 | 2021-04-09 | 徐志雄 | 一种机载吊舱辐射环境监测装置 |
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2016
- 2016-03-04 JP JP2016041950A patent/JP2017156296A/ja active Pending
Cited By (2)
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CN112630819A (zh) * | 2020-12-23 | 2021-04-09 | 徐志雄 | 一种机载吊舱辐射环境监测装置 |
CN112630819B (zh) * | 2020-12-23 | 2022-08-26 | 徐志雄 | 一种机载吊舱辐射环境监测装置 |
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