JP2017155559A - 移動間仕切装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パネル本体と少なくとも天井面または床面との隙間を十分に閉塞可能な移動間仕切装置を提供する。
【解決手段】間仕切パネル体2は、パネル本体20と、パネル本体20に設けられた進退機構26により少なくとも天井面または床面との隙間を閉塞するように移動可能な左右方向に延びる閉塞部材21と、を有し、閉塞部材21は、上方または下方に移動する進退機構26に対して回動可能に軸支されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、オフィスや大会場、会議室等を所定の区画に仕切って使用するための移動間仕切装置に関する。
一般に移動間仕切装置は、天井に設けられたレールに吊支された移動パネルを連接してオフィスや大会場、会議室等を所定の区画に仕切る用途で利用されている。このような移動間仕切装置は、移動パネル(間仕切パネル体)を移動させ易いように移動パネルのパネル本体と天井及び床との間に隙間を形成しているが、これらの隙間を介して移動パネルにより仕切られた隣接する区画間で、光漏れや音漏れが生じる虞があった。そこで、特許文献1に開示されるように、移動パネルのパネル本体の上下に、それぞれ上下方向に進退可能な閉塞部材を備え、これらの隙間を閉塞可能としたものがある。
特開2008−180066号公報(第10頁、第16図)
しかしながら、特許文献1にあっては、閉塞部材はパネル本体と平行な状態で天井面や床面に向け移動することになるが、パネル本体の設置時にパネル本体の上面と天井面または下面と床面とが平行でない場合には、閉塞部材が天井面または床面に当接した状態において、閉塞部材の上面と天井面または下面と床面との間に隙間が生じてしまう虞があり、十分な閉塞を行えないという問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、パネル本体と少なくとも天井面または床面との隙間を十分に閉塞可能な移動間仕切装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の移動間仕切装置は、
間仕切パネル体を有する移動間仕切装置であって、
前記間仕切パネル体は、パネル本体と、前記パネル本体に設けられた進退機構により少なくとも天井面または床面との隙間を閉塞するように移動可能な左右方向に延びる閉塞部材と、を有し、
前記閉塞部材は、上方または下方に移動する前記進退機構に対して回動可能に軸支されていることを特徴としている。
この特徴によれば、閉塞部材と天井面または床面との接触部分を支点に回動させながら閉塞部材を天井面または床面に当接させることができるため、閉塞部材が天井面または床面の形状に倣って押し付けられ、隙間を確実に閉塞することができる。
前記閉塞部材は、上下動する前記進退機構に対して左右方向の重心を外した位置で軸支されていることを特徴としている。
この特徴によれば、進退機構が上方または下方に移動する際、閉塞部材が進退機構と閉塞部材との軸支部分を支点に天井面または床面に対して毎回同じ向きに傾斜した状態で、閉塞部材を上方または下方に移動させることができる。
前記閉塞部材は、少なくとも天井面または床面との隙間を閉塞させる密閉部材と、前記進退機構に回動可能に軸支される支持部材と、前記密閉部材と前記支持部材とを上下方向に接続する弾性体とを有することを特徴としている。
この特徴によれば、進退機構により密閉部材が天井面または床面に対して押し付けられることにより弾性部材が圧縮状態となるため、閉塞状態を常時維持することができる。
前記密閉部材と前記支持部材との間の上下方向の距離に基づき閉塞完了を検知する検知手段が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、検知手段により閉塞完了状態を検知することができる。
前記進退機構は、略水平方向に前進後退する駆動部と、前記閉塞部材に回動可能に接続され前記駆動部の略水平方向への動きを上下方向への動きに変換するリンク部と、を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、進退機構の駆動部の略水平方向への動きをリンク部により上下方向への動きに変換することができるため、閉塞部材の上下方向への移動に必要な移動距離を確保しつつ、パネル本体の上部または下部に進退機構を配置することができる。
前記パネル本体には、前記閉塞部材を該パネル本体側に付勢する付勢手段が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、閉塞部材が床面及び/または天井面に接触することなく間仕切パネル体を移動可能となり、間仕切パネル体の移動作業を容易に行うことができる。
実施例における移動間仕切装置の設置例を示す斜視図である。 間仕切パネルの構造を示す部分断面図である。 間仕切パネルの上方の閉塞部材の構造を示す部分断面図である。 (a)ないし(c)は、間仕切パネルの上方の閉塞部材及び進退機構の閉塞動作を示す部分断面図である。 間仕切パネルにおける進退機構の構造の変形例を示す部分断面図である。
本発明に係る移動間仕切装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例に係る移動間仕切装置につき、図1から図5を参照して説明する。以下、図2の画面手前側及び図3の画面左側を移動間仕切装置の正面側(前方側)とし、図1の画面奥側及び図3の画面右側を移動間仕切装置の背面側(後方側)とし、その前方側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。
本実施例の移動間仕切装置1は、例えば、オフィスや展示会場、会議室等の室内空間を区画するために設置され、図1に示されるように、室内空間の天井Cに設置されるレール3(誘導路)に沿って移動可能な吊支部材30,30により上端を吊支される複数の間仕切パネル2,2,…(間仕切パネル体)から構成され、レール3の一方の端部に設けられる格納レール31の位置に格納された間仕切パネル2,2,…をレール3に沿って所定の位置まで手動で順次移動させることによって、天井Cから床の床面Fに亘って室内空間を仕切ることができるようになっている。
図2に示されるように、間仕切パネル2は、パネル材20a,20aを表裏に備えたパネル本体20と、表裏のパネル材20a,20aの間にパネル本体20の上下端部20b,20b’から所定の高さ範囲に形成される上下の格納部20c,20c’と、該格納部20c,20c’に一組ずつ格納される閉塞部材21,21’及び進退機構26,26’と、から主に構成されている。
間仕切パネル2は、パネル本体20の上下端部20b,20b’とレール3の下面3a(天井面)及び床の床面Fとの隙間が後述する密閉部材22,22’により閉塞される(図4参照)と同時に所定の位置に固定されることにより、複数の間仕切パネル2,2,…により仕切られた室内空間における遮音性や遮蔽性が確保できるようになっている。尚、本実施例における天井面は、天井C側の隙間を閉塞する際に密閉部材22が当接する面、すなわち、天井Cに設けられる部材(ここではレール3)の一部の下面3aを指す。また、本実施例における床面についても同様である。
パネル本体20は、表面に焼付塗装等が施された鋼板に石膏ボードが裏打ちされたパネル材20a,20aによって表裏面が形成され、上述した上下の格納部20c,20c’間に形成されるパネル部20dには、グラスウール等の充填材20eが挟み込まれることにより遮音性が高められている。尚、パネル材20a,20aにおけるパネル部20dの構成部分については、ガラスパネル等から構成されてもよい。
尚、パネル本体20の上下の格納部20c,20c’にそれぞれ格納される閉塞部材21,21’及び進退機構26,26’の構成は、略同一であることから、上方の格納部20cに格納される閉塞部材21及び進退機構26の構成について説明し、下方の格納部20c’に格納される閉塞部材21’及び進退機構26’の重複する構成についての説明は省略する。
図2及び図3に示されるように、閉塞部材21は、パネル本体20の左右方向に亘って延びる密閉部材22と、該密閉部材22の下方に設けられ後述する進退機構26の第1リンク部29により軸支される支持部材23と、密閉部材22と支持部材23とを上下方向に接離可能に連結する一対の弾性部材24,24(弾性体)と、密閉部材22と支持部材23との間に設けられるリミットスイッチ25(検知手段)と、から主に構成されている。
密閉部材22は、断面上向き略コ字状でパネル本体20と左右方向に略同一寸法を成し、パネル本体20の格納部20cから上方に向けて進出可能になっている。また、密閉部材22の前後上端は、内方に折り曲げられた屈曲部22a,22aがそれぞれ形成され、この屈曲部22a,22a上に弾性を有するゴム等で形成された緩衝部材220,220が固着されており、この緩衝部材220,220の上端面220a,220aが、密閉部材22をパネル本体20の格納部20cから上方に向けて進出させた場合にレール3の下面3aに当接し、密閉部材22の側面部によりパネル本体20の上端部20bとレール3との隙間を閉塞できるようになっている(図4(c)参照)。尚、密閉部材22の内部には、図示しない吸音材が設けられており、閉塞時の遮音性が高められている。
支持部材23は、断面下向きコ字状で密閉部材22よりも左右方向に短寸を成し、密閉部材22の下方に設けられ、密閉部材22をパネル本体20の格納部20cに退入させた場合には、支持部材23の上面23aの左右端部に設けられる一対の弾性部材24,24によって密閉部材22との間に所定の上下間隔が保持されるようになっている。また、支持部材23は、後述する進退機構26の第1リンク部29の端部29bにより左右方向の重心を外した一点の軸支部分Pで軸支されている。
弾性部材24,24は、上下方向に付勢するコイル状の圧縮バネ24a,24aと、該圧縮バネ24a,24aに軸通されるボルト形状の軸芯24b,24bと、から構成されており、軸芯24b,24bの下端は、支持部材23の左右端近傍に下方側から上端側が上方に突出するように螺着されている。また、圧縮バネ24a,24aの下端は、溶接等により支持部材23の上面23aに固定されている。
また、弾性部材24,24の上端は、密閉部材22の底部22bに左右方向に所定間隔置いて穿設される貫通孔22f,22fに挿入されて上方に突出しており、該突出位置に上方から取付けられる断面下向きハット形状の押圧部材22d,22dによって圧縮バネ24a,24aの上端が押圧された状態が常に維持されている。さらに、軸芯24b,24bの上端は、押圧部材22d,22dの中央に穿設される貫通孔22g,22gに挿入されて上方に突出しており、押圧部材22d,22dの上方の位置で軸芯24b,24bの上端に螺嵌された規制部材22e,22eにより、軸芯24b,24bの上端が押圧部材22d,22dの貫通孔から抜け出ない構造となっている。
図2に示されるように、リミットスイッチ25は、密閉部材22の底部22bに穿設された図示しない設置孔を上方から閉塞するように取付けられており、ここでは構造を詳細に図示しないが、移動間仕切装置1の制御部(図示略)に接続される電気回路の開閉を行うマイクロスイッチ(図示略)を内蔵するスイッチ本体25aと、設置孔から密閉部材22の下方に突出し上下に回動可能なヒンジ・レバー形の作動体25bと、該作動体25bの動作により操作されるプッシュプランジャ形のアクチュエータ(図示略)と、から構成されている。また、作動体25bの先端は、支持部材23の軸支部分Pから遠い位置に設けられる弾性部材24の近傍に向けて延びており、密閉部材22と支持部材23との隙間が左右方向に亘って全て閉塞した場合にのみ作動体25bが回動してアクチュエータが操作され、閉信号が出力されるようになっている(図4(c)参照)。
進退機構26は、図示しない電源から供給される電力により駆動する直動モータ27(駆動部)と、直動モータ27の動力を閉塞部材21の支持部材23に伝達するリンク部28と、から主に構成されている。
直動モータ27は、回転運動を直線運動に変換する図示しない台形ネジを内蔵するシリンダ27aと、台形ネジの先端に取付けられシリンダ27aの端部から左右方向に直線的に進退可能に設けられるロッド27bと、から構成されている。また、運動伝達の精度が高い台形ネジを使用した直動モータ27によりロッド27bを動作させているため、ロッド27bを電力の供給が停止された際の停止位置で保持できるようになっている。
図2に示されるように、リンク部28は、長尺の第1リンク部29と、短尺の第2リンク部29’と、から構成され略入字状を成しており、第1リンク部29は、一方の端部29aを直動モータ27のロッド27bの先端に回動可能に連結され、他方の端部29bを前述した支持部材23の軸支部分Pに回動可能に連結されている。
また、第2リンク部29’は、一方の端部29a’をパネル本体20の格納部20cに回動可能に連結され、他方の端部29b’を第1リンク部29の長手方向の略中央部分に回動可能に連結されている。これによれば、直動モータ27のロッド27bの左右方向の直線運動を受けて、リンク部28は、第1リンク部29と第2リンク部29’との協働により支持部材23の軸支部分Pに回動可能に連結される第1リンク部29の端部29bを、略上下方向に直線運動させるように力の方向の変換を行うことができる。尚、リンク部28は、上下寸法が左右寸法よりも短くなるように構成されている。
次いで、パネル本体20の上方の格納部20cに格納される閉塞部材21及び進退機構26による閉塞動作について図4を用いて詳しく説明する。
図4(a)に示されるように、閉塞部材21及び進退機構26による閉塞動作が開始されると、先ず、電源から供給される電力を受けて進退機構26を構成する直動モータ27が駆動されロッド27bが左方向に進出し、これに伴って第1リンク部29の端部29aと第2リンク部29’の端部29a’とが近づくことにより、第2リンク部29’が端部29a’を支点に回動し、端部29b’が上方に回動する。
第2リンク部29’の端部29b’の上方への回動により、端部29b’に軸支された第1リンク部29の端部29bが略上方向に移動する。すなわち、直動モータ27が駆動されることによるロッド27bの移動の力の方向(左方向)が、第1リンク部29の端部29bを略上方向に移動させるような力の方向に変換される。これにより、第1リンク部29の端部29bの略上方向への移動により、第1リンク部29の端部29bと軸支部分Pで回動可能に支持された支持部材23が上方に持ち上げられる。
このとき、第1リンク部29の端部29bは、支持部材23の軸支部分Pに回動可能に連結されているため、支持部材23は、自重により軸支部分Pを支点に回動して左右方向に傾斜した状態になる。また、支持部材23の上方に連結される密閉部材22は、弾性部材24,24により支持部材23との所定の上下間隔が保持されたまま、支持部材23と略平行となるように傾斜した状態で上方に持ち上げられる。
図4(b)に示されるように、直動モータ27の駆動が継続されロッド27bが左方向にさらに進出していくと、支持部材23が上方に持ち上げられて、軸支部分Pを支点に左右方向の傾斜がさらに大きくなり、支持部材23の軸支部分Pの上方に設けられる密閉部材22に固着された緩衝部材220の上端面220a,220aの左方の端部近傍がレール3の下面3aに接触部分Qで接触した状態になる。また、支持部材23の軸支部分Pから近い位置に設けられる弾性部材24の圧縮バネ24aが圧縮されることにより密閉部材22とレール3の下面3aとの接触時の衝撃が吸収されるとともに、密閉部材22の底部22bと支持部材23の上面23aとが接触した場合の衝撃が吸収されるようになっている。
さらに、直動モータ27の駆動が継続されると、上述した密閉部材22に固着された緩衝部材220の上端面220a,220aの左方の端部近傍がレール3の下面3aに接触部分Qで接触した状態で下方から押圧力が作用し、支持部材23の軸支部分Pから近い位置に設けられる弾性部材24の圧縮バネ24aによる付勢力と上記押圧力との均衡が取れた段階で接触部分Qを支点として密閉部材22が反時計回りに回動し、支持部材23の軸支部分Pから離れた右方側の端部が上方に持ち上げられるようになる。
直動モータ27の駆動が継続されロッド27bが左方向にさらに進出していくと、支持部材23の軸支部分Pから離れた側の端部が上方に持ち上げられていき、上述した密閉部材22に固着された緩衝部材220の上端面220a,220aとレール3の下面3aとの接触部分Qを支点として密閉部材22が回動し、図4(c)に示されるように、密閉部材22に固着された緩衝部材220の上端面220a,220aがレール3の下面3aに当接する。
また、密閉部材22に固着された緩衝部材220の上端面220a,220aとレール3の下面3aとが面同士で当接した時点では、直動モータ27の駆動は継続されており、密閉部材22及び支持部材23は、上方にさらに押圧され、密閉部材22と支持部材23との上下の隙間が左右方向に亘って全て閉塞される。これに伴いリミットスイッチ25の作動体25bが回動してアクチュエータが操作されることにより閉塞完了状態が検知され、前述した移動間仕切装置1の制御部に閉塞動作の完了を知らせる閉信号が送られる。閉信号を受け取った制御部は、直動モータ27の駆動を停止させ閉塞部材21及び進退機構26による閉塞動作が完了する。
また、閉塞完了状態においては、前述したように電力の供給が停止された際のロッド27bが正確な位置で停止されていることから、密閉部材22と支持部材23とを連結する弾性部材24,24の圧縮バネ24a,24aが蓄勢された状態で維持されており、圧縮バネ24a,24aの付勢力よりレール3の下面3aに密閉部材22を当接させて隙間なく閉塞できるようになっている。
これによれば、仮に、閉塞動作の完了後に閉塞部材21及び進退機構26の構成部のいずれかが僅かに動作し、支持部材23が退入方向に移動した場合であっても、圧縮バネ24a,24aの付勢力よりレール3の下面3aに密閉部材22を当接させた状態を維持することができる。
また、進退機構26により上方に持ち上げられる支持部材23の軸支部分Pが左右方向の重心からずれていることにより、レール3の下面3aに当接した密閉部材22には支持部材23から偏荷重が作用するものであるが、左右の圧縮バネ24a,24aは、同じ圧縮代で圧縮されるため、密閉部材22による押圧力を左右方向に亘って略均一に調整することができる。
尚、閉塞状態を解除する動作は、上述した閉塞動作の逆の順序で動作することにより行われる。この場合、所定の開検知スイッチ等を設けることにより密閉部材22全体が格納部20cに退入して閉塞状態を解除が完了したことを検知できるようにしてもよい。
以上説明したように、閉塞部材21,21’を構成する支持部材23,23は、上方及び下方に移動する進退機構26,26’の第1リンク部29,29の端部29b,29bに対して左右方向の重心を外した軸支部分P,P’でそれぞれ回動可能に軸支されている。そのため、進退機構26,26’の動作時には、閉塞部材21,21’を構成する密閉部材22,22’がレール3の下面3a及び床面Fに対して傾斜させた状態で上下方向にそれぞれ移動し、密閉部材22,22’に固着された緩衝部材220,220’の上端面220a,220a,220a’,220a’の一方の端部がレール3の下面3a及び床面Fに接触部分Qで接触した状態からさらに上下方向に移動することになる。
これによれば、密閉部材22,22’がレール3の下面3a及び床面Fの形状に倣って押し付けられ、隙間を確実に閉塞することができるとともに、レール3の下面3a及び床面Fへの当接時の衝撃力を低減することができる。
上記した効果を奏するために、軸支部分P,P’は、閉塞部材21,21’の左右方向の重心を外した位置に設けられることが好ましい。さらに、レール3の下面3a及び床面Fに当接した後の密閉部材22,22’の回動に要する力を小さくする観点からは、その左右方向位置を左右方向の重心と左右方向の端部との略中央とするとより好ましい。
また、進退機構26,26’は、直動モータ27,27のロッド27b,27bの略水平方向への動きをリンク部28により支持部材23の軸支部分Pにおいて略上下方向への直線運動に力の向きを変換することができるため、パネル本体20の内部に閉塞部材21,21’の上下方向への移動に必要な移動距離を確保しながら、進退機構26,26’自体の上下寸法を小さく構成することができる。そのため、狭い高さ範囲であるパネル本体20の上部または下部に進退機構26,26’を設けることができるようになっている。
また、パネル本体20の上部及び下部の狭い高さ範囲に進退機構26,26’が収まることから、パネル部20dをパネル本体20の広い範囲に形成することができるので、パネル本体20における充填材20eの充填範囲が広くなり間仕切パネル2の遮音性を向上させることができる。尚、パネル本体20のパネル材20a,20aとしてガラスパネルを使用した場合には、閉塞部材21,21’及び進退機構26,26’が目立ち難く、間仕切パネル2の美観を向上させることができる。
また、図2に示されるように、下方の閉塞部材21’は、軸支部分P’と長手方向反対側が、付勢部材4(付勢手段)の付勢力によりパネル本体20側に近づけられるように吊支されており、閉塞部材21’が自重により垂れ下がり、床面Fに接触することがなく、間仕切パネル2の移動作業を容易に行うことができる。
尚、付勢部材4は、間仕切パネル2を移動させる際に、閉塞部材21’の軸支部分P’と長手方向反対側の端部が床面Fに接触しないように、吊支するだけの付勢力を備えていればよいため、弾性部材24の圧縮バネ24aに比べて付勢力が小さく設計されていることが好ましく、進退機構26’により閉塞部材21’が下方に進出する場合には、大きな力を必要とせずに、付勢部材4が伸長するようになっている。
また、この付勢部材4は、上方の閉塞部材21側に設けられていてもよく、その場合には、レール3に沿って間仕切パネル2を移動させる際に、上方の密閉部材22がパネル本体20の上端部20bよりも上方に跳ね上がることを防ぐことができる。
尚、支持部材23は、進退機構26のリンク部28に対して軸支部分Pに回動可能に連結されていれば、支持部材23とリンク部28とが軸支部分Pの一点で直接連結される必要はなく、例えば、リンク部28を構成する第1リンク部29の端部29bに軸支部分Pを軸に回動可能な上向きコ字状のリンク部材を備え、該リンク部材の両端部を支持部材23に対して固定することで、支持部材23とリンク部28とを間接的に連結する構成としてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例において、支持部材23,23’の軸支部分P,P’に回動可能に連結されている上下の進退機構26,26’は、直動モータ27,27’とリンク部28,28’により構成される態様として説明したが、これに限らず、支持部材23,23’の軸支部分P,P’に回動可能に連結され、軸支部分P,P’を上下方向に動作させるものであれば、上下の進退機構26,26’は自由に構成されてよく、例えば、図5の変形例に示されるように、駆動部材40,40’の回転運動を受けて略上下方向に直線運動する昇降部材41,41’が支持部材23,23’の軸支部分P,P’に回動可能に連結されているものであってもよい。
また、前記実施例において、間仕切パネル2は、電源から供給される電力により駆動する直動モータ27の動力を受けて閉塞部材21,21’が閉塞動作を行う態様として説明したが、これに限らず、例えば、クランクハンドルを用いてウォームギアを連動させることにより手動で閉塞部材21,21’の閉塞動作を行うようなものであってもよい。
また、前記実施例において、上方の密閉部材22は、レール3の下面3aに当接することによりパネル本体20の上端部20bとレール3との隙間を閉塞する態様として説明したが、これに限らず、密閉部材22は、天井Cの一部に当接することによりパネル本体20の上端部20bと天井Cとの隙間を閉塞するものであってもよい。同様に、下方の密閉部材22’は、床面Fに当接する態様として説明したが、床に設けられたレール等の部材に当接するものであってもよい。
また、レール3の下面3aには、密閉部材22に固着された緩衝部材220の上端面220a,220aが当接する構成となっているが、閉塞部材21を構成する部材の上端がレール3の下面3aに当接する構成であればこれに限らず、例えば、緩衝部材220を省略して密閉部材22の屈曲部22a,22aが直接レール3の下面3aに当接する構成としてもよい。
また、前記実施例において、リンク部28は、別体の第1リンク部29と第2リンク部29’とが回動可能に連結される態様として説明したが、これに限らず、リンク部28は、直動モータ27,27のロッド27b,27bの略水平方向への動きを支持部材23の軸支部分Pにおいて上下方向への動きに変換するものであれば、リンク部28を構成する部材の形状や数、連結部分等は自由に構成されてよい。
また、前記実施例において、パネル本体20は、上下の格納部20c,20c’を有していれば、パネル材20a,20aを表裏に備えていなくてもよく、例えば、パネル本体20は、断面視略H字状に一体成形されたものであってもよい。
1 移動間仕切装置
2 間仕切パネル(間仕切パネル体)
3 レール
3a 下面(天井面)
4 付勢部材(付勢手段)
20 パネル本体
20a パネル材
20b 上端部
20b’ 下端部
20c,20c’ 格納部
20d パネル部
20e 充填材
21,21’ 閉塞部材
22,22’ 密閉部材
22a 屈曲部
22b 底部
22d 押圧部材
22e 規制部材
22f,22g 貫通孔
23,23’ 支持部材
23a 上面
24 弾性部材(弾性体)
24a 圧縮バネ
24b 軸芯
25 リミットスイッチ(検知手段)
25a スイッチ本体
25b 作動体
26,26’ 進退機構
27,27’ 直動モータ(駆動部)
27a シリンダ
27b ロッド
28,28’ リンク部
29 第1リンク部
29’ 第2リンク部
220,220’ 緩衝部材
P,P’ 軸支部分
Q 接触部分

Claims (6)

  1. 間仕切パネル体を有する移動間仕切装置であって、
    前記間仕切パネル体は、パネル本体と、前記パネル本体に設けられた進退機構により少なくとも天井面または床面との隙間を閉塞するように移動可能な左右方向に延びる閉塞部材と、を有し、
    前記閉塞部材は、上方または下方に移動する前記進退機構に対して回動可能に軸支されていることを特徴とする移動間仕切装置。
  2. 前記閉塞部材は、上下動する前記進退機構に対して左右方向の重心を外した位置で軸支されていることを特徴とする請求項1に記載の移動間仕切装置。
  3. 前記閉塞部材は、少なくとも天井面または床面との隙間を閉塞させる密閉部材と、前記進退機構に回動可能に軸支される支持部材と、前記密閉部材と前記支持部材とを上下方向に接続する弾性体とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の移動間仕切装置。
  4. 前記密閉部材と前記支持部材との間の上下方向の距離に基づき閉塞完了を検知する検知手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の移動間仕切装置。
  5. 前記進退機構は、略水平方向に前進後退する駆動部と、前記閉塞部材に回動可能に接続され前記駆動部の略水平方向への動きを上下方向への動きに変換するリンク部と、を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の移動間仕切装置。
  6. 前記パネル本体には、前記閉塞部材を該パネル本体側に付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の移動間仕切装置。
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