JP2017155414A - アースアンカーの定着方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 長期耐久性に優れており、簡易且つ強固に地盤に定着させることができるアースアンカーの定着方法を提供する。【解決手段】 地盤に掘削孔を形成し、引張りロッド2と、引張りロッド2の先端側に一端側が回動可能に取り付けられ、他端側が引張りロッド2に対して近接している閉鎖状態から引張りロッド2に対して離隔する方向へ拡翼する複数の定着部材3と、定着部材3が所定角度以上は拡翼しないように規制するストッパ部4とを備え、定着部材3の他端側の先端部は閉鎖状態において引張りロッド2と対向する腹部31側よりも反対側の背部32側が長尺になるように傾斜面33が形成されているアースアンカー1を掘削孔内に挿入し、掘削孔内に粒状物を充填した後、引張りロッド2を地表側に引張ることにより、粒状物から傾斜面又は/及び腹部に抗力を受けて定着部材3を拡翼させることによってアースアンカー1を地盤に定着させるアースアンカーの定着方法。【選択図】図1
Description
本発明は、盛土や切土の法面が地盤の緩み等によって崩れないように補強を行う際等に使用されるアースアンカーの定着方法に関する。
従来から、宅地造成等に伴って、盛土や切土によって形成された人工的斜面(法面)が、地震等による地盤の緩み等によって崩壊することを防止するために、法面を安定化するための様々な手法が提案されている。このような法面の安定化のための手法としては、例えば、アースアンカー工法が知られている。
このアースアンカー工法は、例えば、ワイヤロープ等を係留して落石防護網を地盤にしっかりと固定させることによって法面を安定化させたり、或いは、擁壁を地盤にしっかりと固定させるため等に用いられるものである。一般的なアースアンカー工法では、例えば、法面にボーリングマシンによって複数の掘削孔を形成し、これらの掘削孔にアースアンカーをそれぞれ挿入して地盤に定着させた後、地盤表面に露出したそれぞれのアースアンカーの頭部に定着金具をそれぞれ取り付けて、最後に、それぞれの定着金具同士を互いにワイヤロープ等で連結させて落石防護網を地盤に固定することによって法面を安定化させている。
このようなアースアンカー工法に用いるアースアンカーとして、本発明者らは、土壌の性状に拘わらず確実に地盤に定着させることができ、施工も簡易且つ迅速に行うことができるアースアンカーを提案している(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のアースアンカーは、掘削孔内に挿入される所要長さの引っ張りロッドと、この引っ張りロッドの先端部に設けられた取付部と、前記引っ張りロッドの円周方向に等配され、前記取付部にそれぞれ一端部が回動可能に取着されて、引っ張りロッドに対して拡開する複数本の棒状定着部材と、前記引っ張りロッド先端部の取付部に設けられ、棒状定着部材の拡開動作を規制するストッパ部と、前記引っ張りロッドに固設され、前記棒状定着部材を、引っ張りロッドに対して拡開する方向へ付勢する弾発手段と、この弾発手段の付勢力に抗して、前記棒状定着部材が前記引っ張りロッドに対して拡開するのを阻止し棒状定着部材を引っ張りロッドに対して閉じた状態に拘束する拘止手段と、この拘止手段による前記棒状定着部材の拘束状態を解除して、前記弾発手段の付勢力によって棒状定着部材を一気に拡開させる拘束解除手段とを備えている。
このような特許文献1のアースアンカーを用いた工法では、棒状定着部材の側を前方にして引っ張りロッドを掘削孔内に挿入した後、拘束解除手段によって拘止手段による棒状定着部材の拘束状態を解除すると、弾発手段によって複数本の棒状定着部材が拡開する方向へ付勢され、各棒状定着部材の先端部が掘削孔の周壁面に押し付けられ突き刺さる。これと同時もしくはその直後に、引っ張りロッドを地表側に引っ張ると、各先端部が掘削孔の周壁面に突き刺さった複数本の棒状定着部材が大きく拡開することにより、アースアンカーを地盤に簡易且つ迅速に定着させることができる。
しかしながら、特許文献1のアースアンカーでは、棒状定着部材を拡開させるために、板バネ等の弾発手段の付勢力を用いているので、長期耐久性が低いという問題がある。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、長期耐久性に優れており、簡易且つ強固に地盤に定着させることができるアースアンカーの定着方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るアースアンカーの定着方法は、地盤に掘削孔を形成する掘削工程と、所定の長さを有する引張りロッドと、前記引張りロッドの先端側に一端側がそれぞれ回動可能に取り付けられ、他端側がそれぞれ前記引張りロッドに対して近接している閉鎖状態から前記引張りロッドに対して離隔する方向へ拡翼する複数の定着部材と、前記定着部材が所定角度以上は拡翼しないように規制するストッパ部とを備え、前記定着部材の前記他端側の先端部は、前記閉鎖状態において前記引張りロッドと対向する腹部側よりも反対側の背部側の方が長尺になるように傾斜面が形成されているアースアンカーを前記掘削孔内に前記定着部材を前記閉鎖状態で、前記引張りロッドの先端側から挿入する挿入工程と、前記アースアンカーが前記掘削孔内に挿入されている状態で、前記掘削孔内に粒状物を充填する充填工程と、前記引張りロッドを地表側に引張ることにより、前記粒状物から前記傾斜面又は/及び前記腹部に抗力を受けて前記定着部材を拡翼させることによって前記アースアンカーを前記地盤に定着させる定着工程と、を含むことを特徴としている。
また、本発明に係るアースアンカーの定着方法では、前記定着部材は、前記背部側の横断面形状が山形形状又は三角形状に形成されていることを特徴としている。
また、本発明に係るアースアンカーの定着方法では、前記定着部材は、前記他端側の先端部に形成されている前記傾斜面の傾斜角度が30〜60度であることを特徴としている。
また、本発明に係るアースアンカーの定着方法では、前記アースアンカーは、前記定着部材が拡翼する際の前記定着部材の前記閉鎖状態からの回動角度を計測するための回動角度計測手段を備えることを特徴としている。
本発明に係るアースアンカーの定着方法によれば、一端側が引張りロッドの先端側に回動可能に取り付けられ、他端側が引張りロッドに対して近接している閉鎖状態から引張りロッドに対して離隔する方向へ拡翼する定着部材の他端側の先端部は、閉鎖状態において引張りロッドと対向する腹部側よりも反対側の背部側の方が長尺になるように傾斜面が形成されているので、アースアンカーを地盤に形成した掘削孔内に定着部材を閉鎖状態で、引張りロッドの先端側から挿入し、掘削孔内に粒状物を充填した後、引張りロッドを地表側に引張ることで、粒状物からの抗力の一部が定着部材を拡翼させる方向(引張り方向に対して直交する方向)の分力として傾斜面に働くことによって閉鎖状態から定着部材を拡翼させ始めることができる。そして、本発明に係るアースアンカーの定着方法では、定着部材が拡翼し始めてから、定着部材が傾斜面の傾斜角度と同じ角度だけ拡翼するまでの間は、粒状物から傾斜面や定着部材の腹部に抗力を受けて定着部材が拡翼し、その後は、粒状物から腹部に抗力を受けて定着部材が拡翼することによってアースアンカーを地盤に定着させることができる。このように本発明に係るアースアンカーの定着方法によれば、定着部材を拡翼させるためにバネ等の部材を用いる必要がなく、引張りロッドを地表側に引張るだけで、掘削孔内に充填された粒状物からの抗力を利用して定着部材を拡翼させることができるので、長期耐久性に優れており、簡易且つ強固にアースアンカーを地盤に定着させることができる。また、アースアンカーは、定着部材が所定角度以上は拡翼しないように規制するストッパ部を備えているので、地盤への定着を安定的に行うことができると共に、定着部材が必要以上に拡翼して破損すること等を防止することができる。
また、本発明に係るアースアンカーの定着方法によれば、定着部材は、背部側の横断面形状が山形形状又は三角形状に形成されているので、定着部材が掘削孔内に充填された粒状物や地盤中の土等に食い込みながら拡翼する際の抵抗を小さくすることができるため、地盤中での定着部材の拡翼が容易になる。
また、本発明に係るアースアンカーの定着方法によれば、定着部材は、他端側の先端部に形成されている傾斜面の傾斜角度が30〜60度であるので、アースアンカーを地盤に形成した掘削孔内に定着部材を閉鎖状態で、引張りロッドの先端側から挿入し、掘削孔内に粒状物を充填した後、引張りロッドを地表側に引張ることで、粒状物からの抗力の一部を定着部材を拡翼させる方向(引張り方向に対して直交する方向)の分力として傾斜面に効率的に作用させることができるので、定着部材を閉鎖状態から容易に拡翼させることができる。
また、本発明に係るアースアンカーの定着方法によれば、アースアンカーは、定着部材が拡翼する際の定着部材の閉鎖状態からの回動角度を計測するための回動角度計測手段を備えているので、定着部材の拡翼状態を確認しながら、作業を行うことできるため、アースアンカーをより確実且つ効率的に地盤に定着させることができる。
以下、本発明に係るアースアンカーの定着方法について、図面を参照しつつ説明する。本発明に係るアースアンカーの定着方法に用いるアースアンカー1は、例えば、図1〜3に示すように、所定の長さを有する引張りロッド2と、引張りロッド2の先端側に一端側がそれぞれ回動可能に取り付けられていることによって拡翼可能な複数の定着部材3と、定着部材3が所定角度以上は拡翼しないように規制するストッパ部4とを備えている。
引張りロッド2は、後述する掘削孔内に挿入されるものであって、例えば、長尺な角棒状に形成されており、その全長は挿入される掘削孔の長さに対応するよう形成されている。この引張りロッド2の先端側の各外周面には、略矩形状の金属片21がそれぞれ一体的に固設されている。金属片21には、折り曲げ可能な薄板状に形成されている金属製薄板22の一方の片面側(内面側)における高さ方向の下約半分にあたる前半部が、例えば、溶接によって固着されている。また、金属製薄板22の他方の片面側(外面側)における高さ方向の上約半分にあたる後半部には、定着部材3の一端側が溶接によって固着されている。尚、引張りロッド2の形状は、角棒状に限定されるものではなく、掘削孔内に挿入可能な形状であれば良く、例えば、円柱状に形成されていても良い。
定着部材3は、例えば、回動して地盤に定着するために必要な所定の長さを有する棒状の部材であって、引張りロッド2の周方向に等配されて4本設けられている。尚、図3以外の図面では、説明の便宜のため、2本の定着部材3のみを図示し、他の2本については省略している。定着部材3は、その一端側が引張りロッド2の先端側の金属片21に金属製薄板22を介して回動可能に取り付けられている。これにより、それぞれの定着部材3は、金属製薄板22が高さ方向の略中央部分で折り曲がることによって、図1に示すように、定着部材3の他端側がそれぞれ引張りロッド2に対して近接している閉鎖状態から図2に示すように、他端側が引張りロッドに対して離隔する方向へ拡翼するように構成されている。尚、拡翼とは、定着部材3の他端側が引張りロッド2から離隔するように定着部材3が一端側を基点として回動することを意味するものである。
また、定着部材3の他端側の先端部には、図1に示すように、閉鎖状態において引張りロッド2と対向する腹部31側よりも反対側の背部32側の方が長尺になるように傾斜面33が形成されている。つまり、図1において、傾斜面33は、腹部31から背部32へ向かって上向きに傾斜するように形成されている。この傾斜面33の傾斜角度θとしては、例えば、後述するアースアンカー1の定着方法において、傾斜面33が効率的に粒状物からの抗力を受けて定着部材3の閉鎖状態からの拡翼がスムーズに行えるように、30〜60度に設定されていることが好ましく、背部32側の先端が鋭角になるように45〜60度に設定されることがより好ましい。尚、傾斜面33は、必ずしも全体が平面である必要はなく、若干の曲面を有するように形成されていても良い。
また、定着部材3は、地盤中で拡翼する際の抵抗を小さくするために、図3に示すように、背部32側の横断面形状が長さ方向の全体にわたって、又は長さ方向の一部において山形形状又は三角形状に形成されている。これにより、定着部材3は、地盤中の土等に食い込みながら拡翼する際の抵抗を小さくすることができるので、地盤中での拡翼が容易になる。尚、本実施形態では、アースアンカー1は、4本の定着部材3を備えている場合を例にしているが、定着部材3の個数は4本に限定されるものではなく、少なくとも2本以上設けられていれば良い。また、本実施形態のアースアンカー1では、定着部材3を回動可能に構成するために、折り曲げ可能な金属製薄板22を用いる場合を例にしているが、定着部材3を回動させるための構成はこれに限定されるものではなく、例えば、ヒンジ等を用いて、定着部材3の一端側を軸回転させるように構成しても良い。
ストッパ部4は、定着部材3が所定の回動角度α以上は拡翼しないように規制するためのものであって、図1及び図2に示すように、引張りロッド2の先端側の金属片21に溶着されている金属製薄板22の外面側における高さ方向の前半部にそれぞれ固着されている。従って、金属製薄板22がその略中央部分で折れ曲がることによりその折曲位置を中心として回動した定着部材3は、図2に示すように、その後端面がストッパ部4に当接することによって停止し、引張りロッド2に対して所定の回動角度αを超えて拡翼しないように構成されている。図1及び図2では、アースアンカー1は、傾斜面33の傾斜角度θ及び回動角度αは共に同じ角度(例えば、60度)になる場合を示しており、定着部材3が所定の回動角度αでストッパ部4に当接して停止した際に、傾斜面33が引張りロッド2の長尺方向に対して直交する平面上に位置するように構成されている。尚、定着部材3の回動が規制させる所定の回動角度αは、特に限定されるものではないが、強固にアースアンカー1を地盤に定着できるように、60〜90度の範囲で停止するようにストッパ部4が構成されることが好ましい。
以下、このようなアースアンカー1を用いた本発明に係るアースアンカーの定着方法の一例について、図面を参照しつつ説明する。まず、図4(a)及び図5に示すように、法面や石積み擁壁等の斜面10の地盤11に細長い掘削孔12を形成する。この掘削工程では、例えば、ボーリングマシン等を用いて削孔を行うことによって掘削孔12を形成する。掘削孔12は、例えば、長さが数m〜十数m程度に形成され、掘削孔12の径dが、数十mm〜百数十mm程度に形成される。このような掘削孔12は、斜面10の地盤11に複数個形成され、例えば、高さ方向に1.5m〜2.0mの間隔、水平方向に3m〜4mの間隔で千鳥状に配置して複数個の掘削孔12を形成される。
次に、図4(b)及び図5に示すように、アースアンカー1を掘削孔12内に定着部材3を閉鎖状態で、引張りロッド2の先端側から挿入し、アースアンカー1の先端が図4(c)及び図6に示すように、掘削孔12の底部に接触する状態で設置する。
そして、図4(d)及び図7に示すように、掘削孔12内に砂等の粒状物13を充填する。この際、掘削孔12内の粒状物13が密実な状態で充填されるように、打撃や振動を利用して掘削孔12内の粒状物13を突き固める。
次に、図4(e)及び図8に示すように、引張りロッド2を地表側の矢印B方向にジャッキ等を用いて引張る。この際、定着部材3の傾斜面33には、掘削孔12内に充填されている粒状物13からの抗力の一部が図1に示すように、引張り方向Bに対して直交する矢印C1及びC2方向の分力として働く。これにより、定着部材3は、図7に示す閉鎖状態から図8に示すように、引張りロッド2の引張り方向への移動に伴って定着部材3の背部32が粒状物13及び地盤11中の土等に食い込みながら拡翼し始める。この際、図8に示すように、引張りロッド2の移動及び定着部材3の拡翼に伴って、粒状物13は押し上げられて圧縮され、掘削孔12の底部と引張りロッド2の先端の間には空洞14が形成されることになる。
その後、更に、引張りロッド2を地表側の矢印B方向に引張り続けることにより、定着部材3が拡翼し始めてから定着部材3が傾斜面33の傾斜角度θと同じ角度だけ拡翼するまでの間は、粒状物13から傾斜面33や腹部31に抗力を受けて定着部材3が拡翼し続ける。また、定着部材3が傾斜面33の傾斜角度θと同じ角度だけ拡翼すると、傾斜面33は引張り方向Bと直交する方向の平面上に位置するため、図2に示すように、腹部31にだけ粒状物13からの抗力の一部が引張り方向Bに対して直交する矢印C1及びC2方向の分力として働くようになる。このようにアースアンカー1では、引張りロッド2を地表側の矢印B方向に引張ることにより、定着部材3が拡翼し始めると、定着部材3の腹部31に作用する粒状物13からの抗力の引張り方向Bに対して直交する方向の水平分力が定着部材3の拡翼の源となる。
以下、アースアンカー1の定着部材3が拡翼する際の力の作用について、図10を参照しつつ説明する。図10は、定着部材3が拡翼する際に作用する力の一例を模式的に示したものであって、図10(a)は、定着部材3の回動角度が小さい回動初期の場合を示しており、図10(b)は、定着部材3が所定の回動角度α付近まで回動した場合を示している。尚、図10では、説明の便宜のため、1つの定着部材3のみを示しており、粒状物13や他の定着部材3については省略して図示している。
図10では、腹部31の面、背部32の面、及び、傾斜面33のそれぞれに作用する力をP1、P2、P3とし、それぞれの水平分力をP1h、P2h、P3h、それぞれの鉛直分力をP1v、P2v、P3vとして示している。また、P1、P2、P3の着力点は、それぞれが作用する面の中点Q1、Q2、Q3と仮定し、力の方向はそれぞれの法線方向l1、l2、l3に対して摩擦角δだけ傾斜している。また、これらの力の方向は、引張りロッド2を地表側に引張る際に、相対する粒状物13が下向きに動くことから決定される。
図10(a)に示すように、定着部材3の回動初期において、定着部材3の上部は粒状物13が充填され、且つ、十分に突き固められていることから、P1、P3の水平分力P1h、P3hの和は、P2hよりも大きくなることが予想できる。また、O点回りの力のモーメントも図10中の反時計回り(定着部材3を拡翼させる方向)の動きを促す方向に作用する。これにより、定着部材3は拡翼することになる。尚、仮に定着部材3の上部を粒状物13で充填しないとすると、P1はほとんど期待できないことになり、定着部材3を反時計回りに回動させるモーメントを確保できなくなる。また、背部32の面と傾斜面33のなす角が、ある程度鋭角であることが望ましいのは、図10(a)に示すように、P3hが大きくなり、定着部材3の拡翼に対する寄与も大きいからである。
また、図10(b)に示すように、定着部材3がある程度まで回動すると、アースアンカー1の全体が常に上向きに引き上げられることを考えれば、腹部31の面及び傾斜面33には、それぞれかなり大きな力P1、P3が作用することになる。逆に背部32の面に作用するP2の寄与は相対的に小さくなってくる。従って、定着部材3は、限度一杯(回動角度α)に拡翼する状態にまで容易に到達することができる。
そして、図4(f)及び図9に示すように、定着部材3が所定の回動角度αまで回動すると、ストッパ部4に当接して拡翼が規制され、それぞれの定着部材3が引張り力に対する大きな抵抗となって、引張りロッド2の動きが止められ、アースアンカー1が地盤11中に定着することになる。定着部材3の拡翼動作がストッパ部4によって停止した後、アースアンカーが地盤中に強固に定着されているかを確認するために引き抜き抵抗力を計測して確認することが好ましい。
また、アースアンカー1では、図1及び図2に示すように、定着部材3の拡翼状態を確認するために、定着部材3の閉鎖状態からの回動角度を計測するための手段として、例えば、引張りロッド2と、定着部材3の傾斜面33側とに、それぞれ小型の電波発信機15を装着しておき、それぞれの電波を受信して、定着部材3の電波の発信位置を3次元で計測することによって、地表からも定着部材3の回動角度を算出して確認できるようにしても良い
また、アースアンカー1では、図1及び図2に示すように、定着部材3の拡翼状態を確認するために、定着部材3の閉鎖状態からの回動角度を計測するための手段として、例えば、引張りロッド2と、定着部材3の傾斜面33側とに、それぞれ小型の電波発信機15を装着しておき、それぞれの電波を受信して、定着部材3の電波の発信位置を3次元で計測することによって、地表からも定着部材3の回動角度を算出して確認できるようにしても良い
その後、図4(g)に示すように、斜面10における地盤11表面に露出したアースアンカー1の頭部に定着金具5を取り付ける。そして、複数個のアースアンカー1の定着金具5同士を相互にワイヤロープ(不図示)等で連結させ、格子状にワイヤーロープを編成して斜面10の地盤11の緩みを防止し安定化させる。
尚、本発明の実施の形態は上述の形態に限るものではなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
1 アースアンカー
2 引張りロッド
3 定着部材
31 腹部
32 背部
33 傾斜面
4 ストッパ部
11 地盤
12 掘削孔
13 砂(粒状物)
15 電波発信機
2 引張りロッド
3 定着部材
31 腹部
32 背部
33 傾斜面
4 ストッパ部
11 地盤
12 掘削孔
13 砂(粒状物)
15 電波発信機
Claims (4)
- 地盤に掘削孔を形成する掘削工程と、
所定の長さを有する引張りロッドと、前記引張りロッドの先端側に一端側がそれぞれ回動可能に取り付けられ、他端側がそれぞれ前記引張りロッドに対して近接している閉鎖状態から前記引張りロッドに対して離隔する方向へ拡翼する複数の定着部材と、前記定着部材が所定角度以上は拡翼しないように規制するストッパ部とを備え、前記定着部材の前記他端側の先端部は、前記閉鎖状態において前記引張りロッドと対向する腹部側よりも反対側の背部側の方が長尺になるように傾斜面が形成されているアースアンカーを前記掘削孔内に前記定着部材を前記閉鎖状態で、前記引張りロッドの先端側から挿入する挿入工程と、
前記アースアンカーが前記掘削孔内に挿入されている状態で、前記掘削孔内に粒状物を充填する充填工程と、
前記引張りロッドを地表側に引張ることにより、前記粒状物から前記傾斜面又は/及び前記腹部に抗力を受けて前記定着部材を拡翼させることによって前記アースアンカーを前記地盤に定着させる定着工程と、を含むことを特徴とするアースアンカーの定着方法。 - 前記定着部材は、前記背部側の横断面形状が山形形状又は三角形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアースアンカーの定着方法。
- 前記定着部材は、前記他端側の先端部に形成されている前記傾斜面の傾斜角度が30〜60度であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアースアンカーの定着方法。
- 前記アースアンカーは、前記定着部材が拡翼する際の前記定着部材の前記閉鎖状態からの回動角度を計測するための回動角度計測手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のアースアンカーの定着方法。
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Cited By (3)
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KR102111691B1 (ko) * | 2019-10-01 | 2020-05-15 | 김동세 | 전단면 지지 복합식 지중 앵커 |
KR102111705B1 (ko) * | 2019-10-04 | 2020-05-15 | 김동세 | 전단지지 복합식 지중 앵커 |
CN111395313A (zh) * | 2020-03-09 | 2020-07-10 | 张�林 | 一种松软地基加固用混凝土预埋桩 |
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2016
- 2016-02-29 JP JP2016037041A patent/JP2017155414A/ja active Pending
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