JP2017154286A - プラスチックボトルの製造方法 - Google Patents

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亮 横山
Akira Yokoyama
亮 横山
隆裕 堀越
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隆裕 堀越
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Abstract

【課題】透明性を損なわずに、ガスバリア性、耐クリープ性に優れるプラスチックボトルの製造方法を提供する。【解決手段】固有粘度0.5〜1.1dL/gのポリエステル樹脂、スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩を含有するポリエステル樹脂組成物を成形してなるプラスチックボトルの製造方法であって、プラスチックボトルが、ポリエステル樹脂100質量部に対し、スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩を0.005〜0.07質量部含有するものであり、かつ、ポリエステル樹脂組成物をプリフォームに成形する工程と、プリフォームをブロー成形でボトルに成形する工程を有し、プリフォームをボトルに成形したときの延伸倍率が、7〜10倍の範囲内であるプラスチックボトルの製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、プラスチックボトルの製造方法に関し、詳しくは、透明性を損なわずにガスバリア性、耐クリープ性に優れるプラスチックボトルの製造方法に関する。
ポリエチレンテレフタレート、ポリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂は、透明性、耐熱性、耐薬品性、力学的特性、電気的特性、ガスバリア性に優れており、特に主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレートは、炭酸飲料、ジュース、清涼飲料水、ミネラルウォーター等の飲料ボトル容器、調味料容器、整髪料容器、化粧品、医薬品容器、洗剤、シャンプー、容器、電子写真用トナー、食品、医薬品等の容器及び包装材料等に、広く採用されている。
プラスチックボトルは、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド等を用いて成形したプラスチックボトルが知られており、ポリエステルを用いたプラスチックボトルの製造方法としては、例えば、特許文献1に記載されているように、金型に溶融したポリエチレンテレフタレートを噴出(押出)して、プリフォーム(パリソン)を射出(押出)成形し、成形された有底筒状のプリフォームをガス拭き込みによるブロー成形によって、所定のプラスチックボトルを得る方法や、さらに熱処理(ヒートセット)を加えて耐熱用途のプラスチックボトルを得る方法が知られている。
ところが、プラスチックボトルは、金属容器やガラス容器に比べてガスバリア性に乏しい問題が指摘されている。プラスチックボトルのガスバリア性を高める方法としては、酸化アルミニウムや酸化ケイ素などの無機酸化物の蒸着層をプラスチックボトルの内部に設ける方法、プリフォームを延伸させてプラスチックボトルを製造する際に、プラスチックボトルの肩部、胴部に延伸配向を付与して結晶性を高める方法、プラスチックボトルを成形前に、核剤を含有することで樹脂の結晶性を高める方法が知られている。
核剤としては、ポリマー、鉱石、有機酸または無機酸の金属塩、粉末ガラス、粉末金属等が挙げられ、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のオレフィン、グラファイト、タルク、カオリン等の鉱石(粘土)、酸化亜鉛、アルミナ、酸化マグネシウム等の金属酸化物、シリカ、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム等のシリカ化合物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸金属塩、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、安息香酸ナトリウム、p−第三ブチル安息香酸アルミニウム、芳香族リン酸エステル金属塩、ジベンジリデンソルビトール及びスルホンアミド化合物等が挙げられる。また、例えば、特許文献2(特開2007−327028号公報)には、ポリエチレンテレフタレートにスルホンアミド化合物を添加したポリエステル樹脂組成物が提案されている。
しかし、核剤を添加することで樹脂の結晶性を高めることができるが、プリフォームやプラスチックボトルの一部が白化して商品価値を損なう問題があった。
特許文献3において、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン−1,1−ジオキシド化合物のマスターバッチをポリエステル樹脂に添加したものでプリフォームを製造しこれを延伸してプラスチックボトルを製造することが記載されているが、延伸の影響については何ら記載がなかった。
特開平8−156077号公報 特開2007−327028号公報 特開2014−240489号公報
そこで、本発明の目的は、上記従来の技術を解決し、透明性の低下を抑制し、ガスバリア性を改善することができるプラスチックボトルの製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩を含有するポリエステル樹脂組成物を成形してプリフォームを製造し、プリフォームをブロー成形してボトルを製造する製造方法において、特定の延伸倍率でブロー成形することで、上記目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、固有粘度が0.5〜1.1dL/gのポリエステル樹脂、スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩を含有するポリエステル樹脂組成物を成形してなるプラスチックボトルの製造方法であって、プラスチックボトルが、ポリエステル樹脂100質量部に対し、スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩を0.005〜0.07質量部含有するものであり、かつ、ポリエステル樹脂組成物をプリフォームに成形する工程と、プリフォームをブロー成形でボトルに成形する工程を有し、プリフォームをボトルに成形するときの延伸倍率が、7〜10倍の範囲内であるプラスチックボトルの製造方法を提供するものである。
また、本発明の製造方法は、前記ポリエステル樹脂組成物が、ポリエステル樹脂100質量部に対し、スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩を0.1〜90質量部含有するマスターバッチを作製し、次いで、該マスターバッチとポリエステル樹脂を混合した混合物であることが好ましい。
さらにまた、本発明の製造方法において、スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩は、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2017154286
(式中、Aはハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のアルキルチオ基、ニトロ基またはシアノ基を表し、複数ある場合のAはそれぞれ異なっていてもよく、mは0〜4の整数を表し、Xは金属原子を表し、nは1〜4の整数を表すものであって、nは、Xで表される金属原子の価数に対応する整数を表す)で表されるものが好ましく、さらには、前記一般式(1)において、Xがナトリウムであり、nが1であることが好ましい。
さらにまた、本発明の製造方法において、前記一般式(1)中のXがナトリウム、nが1である化合物が好ましい。
本発明の製造方法において、プラスチックボトルにおけるスルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩の含有量が、ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.01〜0.05質量部であることが好ましい。
本発明の製造方法は、耐圧ボトルの製造方法に好適である。
本発明の製造方法により、透明性を損なわずにガスバリア性を向上させることができ、衝撃強度や耐クリープ性に優れるプラスチックボトルを製造することができる。
本発明の製造方法に用いられるポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレンテレフタレートまたはポリアルキレンナフタレートを含む芳香族ポリエステル;ポリエーテルエステル;ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリリンゴ酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサノン、ポリ(2−オキセタノン)等の分解性脂肪族ポリエステル;芳香族ポリエステル/ポリエーテルブロック共重合体、芳香族ポリエステル/ポリラクトンブロック共重合体、ポリアリレート等が挙げられるが、これらの中でもポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートが、透明性が良好なため、好ましく用いられる。
また、ポリエステル樹脂は、単独または複数樹脂のブレンド(例えば、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートのブレンドなど)、もしくはそれらの共重合体からなるポリエステル樹脂であってもよい。
好ましいポリエステル樹脂としては、例えば、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールをエステル交換反応させるか、またはテレフタル酸とエチレングリコールをエステル化反応させて得られる生成物を重縮合反応させて得られるものが挙げられ、該重縮合反応は、通常、1ヘクトパスカルの減圧下で265〜300℃、好ましくは270〜290℃の温度で行う。なお、この工程は、バッチ式でもよく、連続式であってもよい。
エステル交換反応において用いられるエステル交換反応触媒としては、特に限定されず、一般にポリエチレテレフタレートのエステル交換反応触媒として広く用いられるマンガン化合物、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、チタン化合物、亜鉛化合物、コバルト化合物、ナトリウム化合物、カリウム化合物、セリウム化合物、リチウム化合物等が挙げられ、単独で使用してもよいし、または二種以上を併用してもよい。
またエステル交換反応は、原料であるジカルボン酸自身が触媒作用を有しているため、エステル交換反応触媒を添加しなくてもよい。
重縮合反応において用いられる重縮合触媒としては、特に限定されず、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物、錫化合物、アルミニウム化合物等が挙げられ、単独で使用してもよいし、または二種以上を併用してもよい。
アンチモン化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢酸アンチモン、アンチモングリコキサイド等が挙げられる。
ゲルマニウム化合物としては、例えば、二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム等が挙げられる。
チタン化合物としては、例えば、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソブチルチタネート、テトラ−tert−ブチルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラベンジルチタネート、蓚酸チタン酸リチウム、蓚酸チタン酸カリウム、蓚酸チタン酸アンモニウム、酸化チタン、チタンとケイ素やジルコニウムやアルカリ金属やアルカリ土類金属などとの複合酸化物、チタンのオルトエステルまたは縮合オルトエステル、チタンのオルトエステルまたは縮合オルトエステルとヒドロキシカルボン酸からなる反応生成物、チタンのオルトエステルまたは縮合オルトエステルとヒドロキシカルボン酸とリン化合物からなる反応生成物、チタンのオルトエステルまたは縮合オルトエステルと少なくとも2個のヒドロキシル基を有する多価アルコール、2−ヒドロキシカルボン酸および塩基からなる反応生成物などが挙げられる。
錫化合物としては、例えば、ジブチルスズオキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエチルスズ、ヘキサエチルジスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、モノブチルヒドロキシスズオキサイド、トリイソブチルスズアセテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、ジブチルスズサルファイド、ジブチルヒドロキシスズオキサイド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸等が挙げられる。
アルミニウム化合物としては、例えば、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、シュウ酸アルミニウム、アクリル酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、トリクロロ酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、酒石酸アルミニウム、サリチル酸アルミニウム等のカルボン酸塩、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ホスホン酸アルミニウムなどの無機酸塩が挙げられる。
また、重縮合反応において、特性を失わない範囲で酸成分及び/または、グリコール成分を共重合成分として含有させることができる。酸成分としては、例えば、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタール酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ダイマー酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられ、グリコール成分としては、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールSのエチレンオキシド付加体、または、ネオペンチルグリコールアルキレンオキシド付加体等が挙げられ、それらの中でも、酸成分としてイソフタル酸、グリコール成分としてジエチレングリコールを15mol%以下の条件で共重合することが好ましい。
本発明においては、重縮合反応において安定剤を供給してもよい。安定剤としては、カルボメトキシメタンホスホン酸、カルボエトキシメタンホスホン酸、カルボブロポキシメタンホスホン酸、カルボブトキシメタンホスホン酸、カルボメトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸、カルボブトキシ−ホスホノ−フェニル酢酸のジメチルエステル類、ジエチルエステル類、ジプロピルエステル類及びジブチルエステル類等のリン化合物が挙げられる。
本発明の製造方法に用いられるポリエステル樹脂は、固有粘度が、0.5〜1.1dL/g、特に、0.8〜1.0dL/gの範囲内であることが好ましい。0.5dL/g未満であると、成形品の物性低下や、耐熱性が不足する問題があり、1.1dL/gを超えると、高い温度での成形加工が必要になる場合がある。
本発明の製造方法において、ポリエステル樹脂は、ガラス転移点が50〜90℃、融点が200〜280℃の範囲にあるポリエチレンテレフタレートが、耐熱性、耐圧性、耐熱圧性の点で優れているので、特に好ましい。
本発明の製造方法に用いられるスルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩とは、スルホンアミド骨格またはスルホンイミド骨格を有する化合物の金属塩を表す。スルホンアミド骨格またはスルホンイミド骨格を有する化合物としては、例えば、スルホンアミド、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、トルエン−4−スルホンアミド、4−クロロベンゼンスルホンアミド、4−アミノベンゼンスルホンアミド、N−ブチル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−フェニルベンゼンスルホンアミド、N−フェニル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−ピリジン−2−イルベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(5−メチル−チアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−チアゾール−2−イル−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(5−メチル−イソキサゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(2,6−ジメトキシ−ピリミジン−4−イル)−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン−1,1−ジオキシド、4−アミノ−6−クロロ−ベンゼン−1,3−ジスルホン酸ジアミド、6−エトキシ−ベンゾチアゾール−2−スルホン酸アミド、5−ジメチルアミノ−ナフタレン−1−スルホン酸アミド、4−ナトリウムオキシ−ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ベンゼンスルホニルアミノ−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド等が挙げられ、本発明においては、ベンゼンスルホンアミド、トルエン−4−スルホンアミド、N−フェニル−ベンゼンスルホンアミド、N−フェニル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン,1,1−ジオキシド等が挙げられる。
本発明の製造方法においては、スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩は、ベンゼンスルホンアミドナトリウム塩、トルエン−4−スルホンアミドナトリウム塩、N−フェニル−ベンゼンスルホンアミドナトリウム塩、N−フェニル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドナトリウム塩、及び、1、2−ベンズイソチアゾール−3−(2H)−オン−1,1−ジオキシドナトリウム塩の群から選択されるものが好ましく、特に、下記一般式(1)
Figure 2017154286
(式中、Aはハロゲン原子、直鎖または分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のアルキルチオ基、ニトロ基またはシアノ基を表し、複数ある場合のAはそれぞれ異なっていてもよく、mは0〜4の整数を表し、Xは金属原子を表し、nは1〜4の整数を表すものであって、nは、Xで表される金属原子の価数に対応する整数を表す)で表される化合物が好ましい。
一般式(1)中のAで表される直鎖または分岐を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、tert−アミル、へキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、tert−ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、tert−オクチル、2−エチルヘキシルトリフルオロメチル等が挙げられる。また、アルキル基中の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。
一般式(1)中のAで表される炭素原子数1〜8のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、トリフルオロメチルオキシ等が挙げられる。これらアルコキシ基中の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。
一般式(1)中のAで表される炭素原子数1〜5のアルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、tert−ブチルチオ等が挙げられる。これらアルキルチオ基中の水素原子が、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩の金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタニウム、マンガン、鉄、亜鉛、珪素、ジルコニウム、イットリウムまたはバリウムから選択される金属が挙げられ、それらの中でも、カリウム、リチウム、ナトリウム、カルシウムは、ポリエステル樹脂の結晶化促進効果に優れるので好ましく、ナトリウムが、特に好ましい。
一般式(1)で表される化合物の好ましい例としては、下記の化合物No.1〜No.5が挙げられるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
化合物No.1:1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウム
化合物No.2:1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシドリチウム
化合物No.3:1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシドカリウム
化合物No.4:ビス(1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシド)カルシウム
化合物No.5:ビス(1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシド)バリウム
本発明の製造方法により製造されるプラスチックボトルにおいて、スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩の配合量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.005〜0.07質量部、より好ましくは、0.01〜0.05質量部である。0.005質量部より少ないと、核剤効果が得られない場合があり、0.07質量部より多いと、プラスチックボトルが過剰に結晶化して白濁し外観を損なう場合がある。
また、本発明の製造方法において、ポリエステル樹脂組成物は、主成分であるポリエステル樹脂の特性を実用的に変動させない範囲において、任意で公知の樹脂添加剤(例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、その他の酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン化合物、スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩とは異なる核剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、充填材、ハイドロタルサイト類、帯電防止剤、顔料、染料等)を含有させてもよい。また、公知の樹脂添加剤は、スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物と混合してから、ポリエステル樹脂に添加してもよく、別個にポリエステル樹脂に添加して成形加工してもよい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、スチレン化フェノール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス−(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−メチル−4,6−ビス(オクチルスルファニルメチル)フェノール、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、イソオクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド、2,2’−オキサミド−ビス[エチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−エチルヘキシル−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−エチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンゼンプロパン酸およびC13−15アルキルのエステル、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、ヒンダードフェノールの重合物(アデカパルマロール社製商品名AO.OH.98)、2,2’−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール]、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート、6−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルベンズ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフォビン、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス[モノエチル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート]カルシウム塩、5,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)−3−ヒドロキシ−2(3H)−ベンゾフラノンとo−キシレンとの反応生成物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、DL−a−トコフェノール(ビタミンE)、2,6−ビス(α−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、ビス[3,3−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−フェニル)ブタン酸]グリコールエステル、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル−3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、ビス[2−tert−ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−tert−ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’―tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2−tert−ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス[2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルヒドロシンナモイルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、ステアリル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド、パルミチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド、ミリスチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド、ラウリル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド等の3−(3,5−ジアルキル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸誘導体等が挙げられる。フェノール系酸化防止剤を配合する場合の配合量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.001〜20質量部が好ましく、0.01〜5がより好ましい。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジイソオクチルホスファイト、ヘプタキス(ジプロピレングリコール)トリホスファイト、トリイソデシルホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジイソオクチルフェニルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジフェニルホスファイト、トリス(ジプロピレングリコール)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ジオレイルヒドロゲンホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(トリデシル)ホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジノニルフェニルビス(ノニルフェニル)ホスファイト、ポリ(ジプロピレングリコール)フェニルホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−tert−ブチル−4−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリ(デシル)ホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールとステアリン酸カルシウム塩との混合物、アルキル(C10)ビスフェノールAホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラフェニル−テトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2―tert−ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、(1−メチル−1―プロペニル−3−イリデン)トリス(1,1−ジメチルエチル)−5−メチル−4,1−フェニレン)ヘキサトリデシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)フルオロホスファイト、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス−tert−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、3,9−ビス(4−ノニルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスフェススピロ[5,5]ウンデカン、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル−2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールホスファイト、ポリ4,4’−イソプロピリデンジフェノールC12−15アルコールホスファイト等が挙げられる。リン系酸化防止剤を配合する場合の配合量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.001〜20質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。
チオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、3,3’−チオジプロピオン酸、アルキル(C12−14)チオプロピオン酸、ジ(ラウリル)−3,3’−チオジプロピオネート、ジ(トリデシル)−3,3’−チオジプロピオネート、ジ(ミリスチル)−3,3’−チオジプロピオネート、ジ(ステアリル)−3,3’−チオジプロピオネート、ジ(オクタデシル)−3,3’−チオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート]メタン、チオビス(2−tert−ブチル−5−メチル−4,1−フェニレン)ビス(3−(ドデシルチオ)プロピオナート)、2,2’−チオジエチレンビス(3−アミノブテノエート)、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、2,2’−チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート] 、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−p−クレゾール)、2−エチルヘキシル−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)チオアセテート、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−[チオビス(メチレン)]ビス(2−tert−ブチル−6−メチル−1−ヒドロキシベンジル)、ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール−2−イル)スルファイド、トリデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、1,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール、2,4−ビス(ドデシルチオメチル)−6−メチルフェノール、ジステアリル−ジサルファイド、ビス(メチル−4−[3−n−アルキル(C12/C14)チオプロピオニルオキシ]5−tert−ブチルフェニル)スルファイド等が挙げられる。チオエーテル系酸化防止剤を配合する場合の配合量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.001〜20質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。
その他の酸化防止剤としては、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクチル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン等のニトロン化合物、3−アリールベンゾフラン−2(3H)−オン、3−(アルコキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(アシルオキシフェニル)ベンゾフラン−2(3H)−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−ベンゾフラン−2(3H)−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾフラン−2(3H)−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}−ベンゾフラン−2(3H)−オン、6−(2−(4−(5,7−ジ−tert−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−イル)フェノキシ)エトキシ)−6−オキソヘキシル−6−((6−ヒドロキシヘキサノイル)オキシ)ヘキサノエート、5−ジ−tert−ブチル−3−(4−((15−ヒドロキシ−3,6,9,13−テトラオキサペンタデシル)オキシ)フェニル)ベンゾフラン−2(3H)オン等のベンゾフラン化合物等が挙げられる。その他の酸化防止剤を配合する場合の配合量は、ポリエステル樹脂100質量部に対し、0.001〜20質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−tert−オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−アクリロイルオキシエチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−tert−ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−tert−オクチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−tert−ブチルフェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−tert−アミル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;各種の金属塩、または金属キレート、特にニッケル、クロムの塩、またはキレート類等が挙げられる。紫外線吸収剤を配合する場合の配合量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましく、0.01〜0.5質量部がより好ましい。
ヒンダードアミン化合物としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノ−ル/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−tert−オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8−12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、ビス{4−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジル}デカンジオナート、ビス{4−(2,2,6,6−テトラメチル−1−ウンデシルオキシ)ピペリジル)カーボナート、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製TINUVIN NOR 371等が挙げられる。ヒンダードアミン化合物を配合する場合の配合量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましく、0.005〜0.5質量部がより好ましい。
スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩とは異なる核剤としては、例えば、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、リチウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、アルミニウムヒドロキシビス[2,2’メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート]、安息香酸ナトリウム、4−tert−ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウムおよび2ナトリウムビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシレート等のカルボン酸金属塩、ジベンジリデンソルビトール、ビス(メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、およびビス(ジメチルベンジリデン)ソルビトール等のポリオール誘導体、N,N’,N”−トリス[2−メチルシクロヘキシル]−1,2,3−プロパントリカルボキサミド、N,N’,N”−トリシクロヘキシル−1,3,5−ベンゼントリカルボキサミド、N,N’−ジシクロヘキシルナフタレンジカルボキサミド、1,3,5−トリ(ジメチルイソプロポイルアミノ)ベンゼン等のアミド化合物等を挙げることができる。核剤を配合する場合の配合量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して、スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩との合計量が、0.005〜0.07質量部が好ましく、0.01〜0.05質量部がより好ましい。
難燃剤としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル−2,6−ジキシレニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、(1−メチルエチリデン)−4,1−フェニレンテトラフェニルジホスフェート、1,3−フェニレンテトラキス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート、株式会社ADEKA製商品名アデカスタブ(登録商標)FP−500、株式会社ADEKA製商品名アデカスタブ(登録商標)FP−600、株式会社ADEKA製商品名アデカスタブ(登録商標)FP−800等の芳香族リン酸エステル、フェニルホスホン酸ジビニル、フェニルホスホン酸ジアリル、フェニルホスホン酸(1−ブテニル)等のホスホン酸エステル、ジフェニルホスフィン酸フェニル、ジフェニルホスフィン酸メチル、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド誘導体等のホスフィン酸エステル、ビス(2−アリルフェノキシ)ホスファゼン、ジクレジルホスファゼン等のホスファゼン化合物、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸ピペラジン、ピロリン酸ピペラジン、ポリリン酸ピペラジン、リン含有ビニルベンジル化合物および赤リン等のリン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビステトラブロモフタルイミド、1,2−ジブロモ−4−(1,2−ジブロモエチル)シクロヘキサン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリスチレンおよび2,4,6−トリス(トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、トリブロモフェニルマレイミド、トリブロモフェニルアクリレート、トリブロモフェニルメタクリレート、テトラブロモビスフェノールA型ジメタクリレート、ペンタブロモベンジルアクリレート、および、臭素化スチレン等の臭素系難燃剤等を挙げることができる。これら難燃剤はフッ素樹脂等のドリップ防止剤やポリオール、ハイドロタルサイト等の難燃助剤と併用することが好ましい。難燃剤を配合する場合の配合量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。
滑剤は、成形体表面に滑性を付与し傷つき防止効果を高める目的で加えられる。滑剤としては、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド;ベヘン酸アミド、ステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド、ブチルステアレート、ステアリルアルコール、ステアリン酸モノグリセライド、ソルビタンモノパルミチテート、ソルビタンモノステアレート、マンニトール、ステアリン酸、硬化ひまし油、ステアリンサンアマイド、オレイン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、または二種以上を併用してもよい。滑剤を配合する場合の配合量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.01〜2質量部が好ましく、0.03〜0.5質量部がより好ましい。
充填剤としては、例えば、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ガラス粉末、ガラス繊維、クレー、ドロマイト、マイカ、シリカ、アルミナ、チタン酸カリウムウィスカー、ワラステナイト、繊維状マグネシウムオキシサルフェート等を挙げることができ、粒子径(繊維状においては繊維径や繊維長およびアスペクト比)を適宜選択して用いることができる。また、充填剤は、必要に応じて表面処理したものを用いることができる。充填剤を配合する場合の配合量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.01〜80質量部が好ましく、1〜50質量部がより好ましい
金属石鹸としては、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛等の金属と、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸等の飽和または不飽和脂肪酸の塩が用いられる。金属石鹸を配合する場合の配合量は、ポリエステル樹脂100質量部に対し、金属石鹸0.001〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。
ハイドロタルサイト類としては、天然物や合成物として知られるマグネシウム、アルミニウム、水酸基、炭酸基および任意の結晶水からなる複合塩化合物であり、マグネシウムまたはアルミニウムの一部をアルカリ金属や亜鉛等他の金属で置換したものや水酸基、炭酸基を他のアニオン基で置換したものが挙げられ、具体的には、例えば、下記一般式(2)で表されるハイドロタルサイトの金属をアルカリ金属に置換したものが挙げられる。
Figure 2017154286
ここで、一般式(2)中、x1およびx2はそれぞれ下記式
0≦x2/x1<10,2≦x1+x2≦20
で表される条件を満たす数を表し、pは0または正の数を表す。
また、Al−Li系のハイドロタルサイト類としては、下記一般式(3)で表される化合物も用いることができる。
Figure 2017154286
ここで、一般式(3)中、Aq−は、q価のアニオンを表し、pは0または正の数を表す。また、ハイドロタルサイト類における炭酸アニオンは、一部を他のアニオンで置換したものでもよい。
ハイドロタルサイト類は、結晶水を脱水したものであってもよく、ステアリン酸等の高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩等の高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩等の有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルまたはワックス等で被覆されたものであってもよい。
ハイドロタルサイト類は、天然物であってもよく、また合成品であってもよい。合成方法としては、特公昭46−2280号公報、特公昭50−30039号公報、特公昭51−29129合公報、特公平3−36839号公報、特開昭61−174270号公報、特開平5−179052号公報等に記載されている公知の方法が挙げられる。また、ハイドロタルサイト類は、その結晶構造、結晶粒子等に制限されることなく使用することができる。ハイドロタルサイト類を配合する場合の配合量は、ポリエステル樹脂100質量部に対し、0.001〜5質量部が好ましく、0.05〜3質量部がより好ましい。
顔料としては、市販の顔料を用いることもでき、例えば、ピグメントレッド1、2、3、9、10、17、22、23、31、38、41、48、49、88、90、97、112、119、122、123、144、149、166、168、169、170、171、177、179、180、184、185、192、200、202、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254;ピグメントオレンジ13、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、65、71;ピグメントイエロー1、3、12、13、14、16、17、20、24、55、60、73、81、83、86、93、95、97、98、100、109、110、113、114、117、120、125、126、127、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、166、168、175、180、185;ピグメントグリーン7、10、36;ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、22、24、56、60、61、62、64;ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、50等が挙げられる。
染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料、スチルベン染料、チアゾール染料、ナフトール染料、キノリン染料、ニトロ染料、インダミン染料、オキサジン染料、フタロシアニン染料、シアニン染料等の染料等が挙げられ、これらは複数を混合して用いてもよい。
本発明の製造方法において、ポリエステル樹脂組成物は、あらかじめ、ポリエステル樹脂100質量部に対して、スルホンアミド化合物金属またはスルホンイミド化合物金属塩0.1〜90質量部含有するマスターバッチを作製し、該マスターバッチとポリエステル樹脂を混合したものを用いてもよい。
マスターバッチにおけるスルホンアミド化合物金属またはスルホンイミド化合物金属塩の含有量が、0.1質量部未満の場合、マスターバッチの添加量が多くなり不経済であり、90質量部を超えるとマスターバッチの製造が困難になる場合がある。
マスターバッチにおけるポリエステル樹脂とスルホンアミド化合物金属またはスルホンイミド化合物金属塩の比率は、プラスチックボトルが、ポリエステル樹脂100質量部に対し、前記スルホンアミド化合物金属またはスルホンイミド化合物金属塩を0.005〜0.07質量部となるように調整されることを要す。
本発明の製造方法において、プリフォームからプラスチックボトルを成形する成形方法は、公知のブロー成形法を用いることができる。本発明の製造方法を限定するものではないが、ブロー成形法としては、押出成形でプリフォームを成形後にブロー成形を行うダイレクトブロー法や、射出成形でプリフォーム(パリソン)を成形後にブロー成形を行う射出ブロー成形法などが挙げられる。
後者の射出ブロー成形法としては、プリフォーム成形後に連続してブロー成形を行うホットパリソン法(1ステージ法)や、いったんプリフォームを冷却し取り出してから再度加熱してブロー成形を行うコールドパリソン法(2ステージ法)のいずれの方法も採用できる。
プリフォームは、単層のポリエステル樹脂の層で構成される場合の他に、二層以上のポリエステル樹脂の層で構成することができるほか、二層以上のポリエステル樹脂の層からなる内層および外層に、中間層を挿入することができ、中間層をバリアー層または酸素吸収層とすることができる。
バリアー層とは、外部からプラスチックボトルへのまたは、プラスチックボトル外部からプラスチックボトル内部への酸素の透過を抑制し、内容物の変質を防止するものが挙げられる。具体的には、防湿性樹脂(ポリアミド、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合体)、PVF(ポリフッ化ビニル樹脂)、PVC(塩化ビニル)、ETFE(エチレンとテトラフルオロエチレンの共重合体(旭硝子のネオフロン))、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、PP、OPP(二軸延伸ポリプロピレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン樹脂)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、または、酸化アルミニウムや酸化ケイ素などの無機酸化物を蒸着させたものや、薄膜にしたもの等が挙げられる。
酸素吸収層とは、酸素を吸収して酸素の透過を防ぐものであれば任意のものを使用することができる。好ましくは、酸化可能な有機成分及び遷移金属触媒の組み合わせ、または実質的に酸化しないガスバリア性樹脂を使用することが好適である。
本発明の製造方法において、プリフォームは、プラスチックボトルの開口となる口部と、胴部と、該胴部を閉塞する底部からなり、これをブロー成形してプラスチックボトルが製造される。
プリフォームにガスバリアコーティングを付与する場合は、公知の共射出成形機等を用いて、内層及び外層をポリエステル樹脂とし、内外層の間に、一層または二層以上のガスバリアコーティング層を挿入して、多層構造に成形してもよい。
本発明の製造方法において、ブロー成形は、ポリエステル樹脂のガラス転移点以上の温度で加熱してブロー成形する。プリフォームの加熱温度は、ポリエステル樹脂の種類によって相違するが、ポリエチレンテレフタレート樹脂の場合、ブロー成形の金型温度を85℃〜160℃、より好ましくは、90〜130℃の範囲内で成形することが好ましい。85℃未満の場合、プリフォームの軟化が不十分になり、ブロー成形できない場合や、プラスチックボトルの熱収縮が著しくなり成形寸法が不安定になる場合がある。160℃を超える場合、ポリエステル樹脂の熱分解が多くなり、金型に異物が付着しやすくなる場合がある。
また、本発明の製造方法は、ブロー成形でプリフォームからプラスチックボトルに成形するときの、延伸倍率が7〜10倍の範囲内で行うことを要する。延伸倍率とは、プラスチックボトルの口部から底部方向を軸方向と、該軸方向と直交する方向に沿って、円筒状胴部の外周部とが、プリフォームからプラスチックボトルに成形したときの軸方向の延伸倍率、外周部の延伸倍率の積を表す。
本発明の製造方法において、軸方向延伸倍率は、2.0〜5.0倍、より好ましくは、2.5〜4.0倍であり、外周部延伸倍率は、2.0〜5.0倍、より好ましくは、2.5〜3.5倍であり、軸方向延伸倍率と外周部延伸倍率の積である延伸倍率は、7.0〜10.0、特に、7.5〜9.5の範囲であることが好ましい。延伸倍率が、10を超えると過延伸によるプラスチックボトルの白化や強度が不足する場合があり、7未満は、本発明の効果が得られない場合がある。
プラスチックボトルの耐熱性を向上させたい場合は、プラスチックボトルを熱処理(ヒートセット)する方法が挙げられる。熱処理は、180〜245℃、より好ましくは、200〜235℃に加熱し、金型温度を100〜230℃、より好ましくは、110〜200℃の温度で加熱したプラスチックボトルを再成形する方法が挙げられる。金型温度が100℃未満では、充分な耐熱性が得られず、230℃超では、成形品の形状を維持できない場合がある。
また、本発明の製造方法で製造されるプラスチックボトルにおいて、プラスチックボトルのボトルネックの部分を結晶化させることにより、高温充填によるプラスチックボトルの口部の変形を防止することができる。
口部の結晶化が不十分な場合、プラスチックボトルのキャッピングに不具合が生じたり、内容物を充填したプラスチックボトルを冷却した後で内容物が漏れたり、プラスチックボトルのキャップが緩む場合がある。
口部を結晶化させる方法としては、プリフォームまたはプラスチックボトルの口部を加熱することにより結晶させることができる。加熱結晶化させる温度としては、160〜200℃が好ましく、160〜180℃の範囲がより好ましい。
また、耐熱用途のプラスチックボトルとして、製造する場合は、プラスチックボトルの密度を適切な値に設定する必要がある。密度が高すぎる場合は、プラスチックボトルの結晶化度が過度に高くなり、ブロー成形において支障をきたすおそれがあり、密度が低すぎる場合は、プラスチックボトルの加熱の際、熱変形が生じて内容物が漏れる場合がある。好ましい密度は、ポリエステル樹脂の種類によって適宜選択される。
プラスチックボトルは、円筒状であってもよく、角形ボトルであってもよく、必要に応じてコーナー部を丸めたり、面取を併用したりすることができる。プラスチックボトルの容量は特に限定されるものではない。従って、容量100mlのプラスチックボトルであっても、また、容量5L超のボトルにおいても本発明の適用を妨げるものではない。
プラスチックボトルの胴部の厚みは、容量や用途によって相違するが、0.2mm〜1mm、より好ましくは、0.20〜0.36mmの範囲に薄肉化されていることが好ましい。胴部の厚みとは、プラスチックボトルの胴部において最も薄い部分の厚みを表す。
また、プラスチックボトルは、ボトルの外側をポリエチレン・ポリプロピレンなどのフィルムや、セラミック・シリカ等を貼り合わせたラミネートフィルムをコーティングしてもよく、ボトルの内側を金属酸化物、アモルファスカーボン等で蒸着してもよい。
本発明の製造方法で製造されたプラスチックボトルに対して、アセプティック充填システムを採用する場合、公知の充填方式を採用することができる。具体的には、容器滅菌セクションと無菌充填セクションの組合せからなる方式が挙げられる。
容器滅菌セクションでは、プラスチックボトルの内部を温水または過酸化水素系、過酢酸系、次亜塩素酸系、オゾン系などを含む塩素系薬剤などでプラスチックボトルを洗浄し、次に、プラスチックボトルに滅菌溶剤を注入したり、薬剤に浸漬する方法等でプラスチックボトルを滅菌し、次いでプラスチックボトルの口部を下にして、滅菌溶剤または薬剤を排出し、エアー等で残留物を除去する処理が行われる。
無菌充填セクションでは、滅菌された容器に対して、内容物を無菌化したものを充填し、キャッピングする処理が行われる。内容物を無菌化する方法としては、例えば、限界ろ過法によって細菌をろ別する方法や、高温短時間殺菌法により瞬間殺菌して無菌化する方法が挙げられる。
内容物を充填する際の上限温度としては40℃、より好ましくは30〜40℃である。ただし、充填後に冷却工程が付加されている場合には、50〜60℃の上限温度を採用することができる。
本発明の製造方法で製造されたプラスチックボトルの具体的な使用例としては、炭酸飲料容器、高温充填用ボトル、ホット対応ボトル、耐熱耐圧ボトル等が挙げられ、乳製品、お茶、炭酸飲料、ワイン、焼酎、日本酒などの飲料容器、醤油、食用油、サラダドレッシング、香辛料等の調味料の保存容器、シャンプー、リンス等の洗剤容器、化粧品用容器などに用いることができる。
上記炭酸飲料とは、例えば、ビール、ソーダ水、コーラ飲料、果汁炭酸水、スパークリングワインなどが挙げられる。
本発明の製造方法において製造されるプラスチックボトルに炭酸飲料を充填する場合、炭酸ガスのガスボリュームは、プラスチックボトルの容量に対して、ガスボリュームが、1〜10倍であるのが好ましく、より好ましくは、3〜5倍である。1倍未満では、炭酸飲料を飲んだときの清涼感が乏しくなる場合があり、10倍以上ではプラスチックボトルが破裂したり、プラスチックボトルの口部を栓するキャップが外れる場合がある。
以下に、製造例及び実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例等によって制限されるものではない。尚、製造例とは、樹脂組成物の製造例であり、実施例とは、樹脂組成物を用いたプラスチックボトルの製造例である。
〔製造例1〕
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度:0.8dL/g)100質量部に対し、スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩として、化合物No.1を表1または表2に記載の配合量を加えて混合し、ポリエステル樹脂組成物を得た。
〔製造例2〕
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度:0.8dL/g)100質量部に対し、スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩として、化合物No.1を0.3質量部加えてよく混合し、二軸押出機(シリンダ温度:270℃、スクリュー速度:200rpm)で造粒して、0.3%濃度のマスターバッチを作製した。
次に、製造するプラスチックボトルが、ポリエチレンテレフタレート(固有粘度:0.8dL/g)100質量部に対して、化合物No.1を表1または表2に記載の配合量になるように、0.3%濃度のマスターバッチを添加して混合し、ポリエステル樹脂組成物を得た。
〔実施例1〜5、比較例1〜7〕
上記製造例1、2で得られたポリエステル樹脂組成物を、二軸押出機(シリンダ温度:270℃、スクリュー速度:200rpm)で造粒し、得られたペレットを160℃のギヤーオーブンで4時間乾燥後、射出成形機にて、射出温度280℃の条件で、プリフォーム(口外径25mm、重量23g)を成形した。次に、得られたプリフォームについて、下記表1または表2に記載の延伸倍率でブロー成形し、容量が約500mlのプラスチックボトルを製造した。得られたプラスチックボトルについて、下記の評価を行った。
尚、製造例1のポリエステル樹脂組成物を用いた場合は、ポリエステル樹脂に対する核剤の添加方法の欄において、「粉末添加」と記載し、製造例2のポリエステル樹脂組成物を用いた場合は、「マスターバッチ」と記載する。
(1)ガスバリア性
得られたプラスチックボトルにガスボリューム4.2の炭酸水を充填し、40℃で2週間保存後、プラスチックボトル内の炭酸水のガスボリュームを測定し、炭酸ガスの減少量を求めた。ガスボリュームの測定は、前記炭酸水が充填されたプラスチックボトルを約6℃に冷却した後、京都電子工業株式会社製製品名VAG−500を用いて、ガスボリュームを測定した。
(2)耐クリープ性
水を満量充填したプラスチックボトルにキャップを取り付け、アルキメデスの原理を用いてプラスチックボトルの体積(V1)を求めた。このとき、プラスチックボトルを沈めたときの水温は、23℃であった。プラスチックボトルから水を排出してガスボリューム4.2の炭酸水を500ml充填した。40℃の恒温槽に2週間静置した後、40℃の温度を保ったままアルキメデスの原理を利用してプラスチックボトルの体積(V2)を求めた。そして、次子により体積増加率を算出した。
体積増加率(%)=(V2−V1)/V1×100
このとき、体積増加率が5%未満であれば、“Good”、5%以上8%未満は、“OK”、8%以上であれば“NG”と評価した。
(3)Haze
得られたプラスチックボトルの胴部から50mm×50mmの平板状に切り出して試験片を作製し、株式会社東洋精機製作所製品名ヘイズガードIIを用いて、ISO−14782に準拠して平板状試験片のHazeを測定した。
このとき、Hazeが4%未満であれば、“OK”、4%以上であれば“NG”と評価した。
(4)落下衝撃耐性
プラスチックボトルに水道水を満量充填し、キャップして密栓した後、平面のコンクリートに自然落下させてその衝撃によるプラスチックボトルの形状変化を目視観察した。
コンクリート面から50cmの高さからプラスチックボトルを自然落下させて、プラスチックボトルの形状に変化がないか、内容物が流出しない程度の凹みがあった場合は“OK”、プラスチックボトルが破壊される等、内容物の流出があった場合は、“NG”として評価した。
Figure 2017154286
Figure 2017154286
実施例1〜5より、本発明の製造方法で製造されたプラスチックボトルは、ガスバリア性、耐クリープ性、透明性および落下衝撃耐性に優れることが確認できた。

Claims (6)

  1. 固有粘度0.5〜1.1dL/gのポリエステル樹脂、スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩を含有するポリエステル樹脂組成物を成形してなるプラスチックボトルの製造方法であって、
    プラスチックボトルが、ポリエステル樹脂100質量部に対し、スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩を0.005〜0.07質量部含有するものであり、かつ、
    ポリエステル樹脂組成物をプリフォームに成形する工程と、プリフォームをブロー成形でボトルに成形する工程を有し、プリフォームをボトルに成形したときの延伸倍率が、7〜10倍の範囲内であるプラスチックボトルの製造方法。
  2. 前記ポリエステル樹脂組成物が、ポリエステル樹脂100質量部に対し、スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩を0.1〜90質量部含有するマスターバッチを作製し、次いで、該マスターバッチとポリエステル樹脂を混合したものである請求項1記載のプラスチックボトルの製造方法。
  3. 前記スルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩が、下記一般式(1)
    Figure 2017154286
    (式中、Aはハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数1〜5のアルキルチオ基、ニトロ基またはシアノ基を表し、複数ある場合のAはそれぞれ異なっていてもよく、mは0〜4の整数を表し、Xは金属原子を表し、nは1〜4の整数を表すものであって、nは、Xで表される金属原子の価数に対応する整数を表す)で表される請求項1または2記載のプラスチックボトルの製造方法。
  4. 前記一般式(1)中のXがナトリウム、nが1であることに特徴を有する請求項3記載のプラスチックボトルの製造方法。
  5. プラスチックボトルにおけるスルホンアミド化合物金属塩またはスルホンイミド化合物金属塩の含有量が、ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.01〜0.05質量部である請求項1〜4の何れか一項記載のプラスチックボトルの製造方法。
  6. プラスチックボトルが、耐圧ボトルである請求項1〜5の何れか一項記載のプラスチックボトルの製造方法。
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