JP2017154118A - 流体殺菌装置、歯科用医療機器及び流体殺菌方法 - Google Patents

流体殺菌装置、歯科用医療機器及び流体殺菌方法 Download PDF

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Abstract

【課題】紫外線照射効率の低下を抑制する。【解決手段】実施形態の流体殺菌装置は、紫外線を発するLEDが実装された基板を有する光源と、少なくとも一部が紫外線透過性を有する材料によって形成され、LEDが発する紫外線が照射される筒状の流路部材と、LEDと流路部材との間に互いに間隙をあけて設けられる第1の反射面を有し、間隙を通った紫外線を流路部材へ反射する反射部材と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、流体殺菌装置、歯科用医療機器及び流体殺菌方法に関する。
流体殺菌装置としては、光源が発する紫外線を、流路を流れる水に照射することで、水を殺菌する流体殺菌装置が知られている。この種の流体殺菌装置では、光源として、紫外線を発するLED(発光ダイオード)が実装された基板を有するものがある。
特開2014−221445号公報
ところで、流路を流れる水に対して紫外線を照射するとき、反射などの光学的な部材を考慮しないと、LEDを多数配置することとなり、LED単体での紫外線照射効率が良くない。
そこで、本発明は、紫外線照射効率の低下を抑制することができる流体殺菌装置、歯科用医療機器及び流体殺菌方法を提供することを目的とする。
実施形態に係る流体殺菌装置は、紫外線を発する発光素子が実装された基板を有する光源と、少なくとも一部が紫外線透過性を有する材料によって形成され、前記発光素子が発する紫外線が照射される筒状の流路部材と、前記発光素子と前記流路との間に互いに間隙をあけて設けられる反射面を有し、前記間隙を通った紫外線を前記流路部材へ反射する反射部と、を具備する。
本発明によれば、紫外線照射効率の低下を抑制することができる。
第1の実施形態に係る流体殺菌装置の全体を示す模式図である。 第1の実施形態に係る流体殺菌装置の要部を示す側面図である。 第1の実施形態に係る流体殺菌装置の要部のうち、流体が流れる方向に対して直交する断面を示す断面図である。 第1の実施形態に係る流体殺菌装置において、流路部材の単位容積当たりに流れる流体の流量Q、流路の、流体の流れる方向に直交する断面の断面積A、流路における流体の流れる方向の長さLと殺菌効果の検証結果を示す図である。 第1の実施形態に係る流体殺菌装置の変形例を示す側面図である。 第2の実施形態に係る流体殺菌装置の要部のうち、流体が流れる方向に対して直交する断面を示す断面図である。 第3の実施形態に係る流体殺菌装置の要部のうち、流体が流れる方向に対して直交する断面を示す断面図である。 第4の実施形態に係る流体殺菌装置の要部のうち、流体が流れる方向に対して直交する断面を示す断面図である。 第5の実施形態に係る流体殺菌装置の要部のうち、流体が流れる方向に対して直交する断面を示す断面図である。 第6の実施形態に係る流体殺菌装置の全体を示す模式図である。
以下で説明する実施形態に係る流体殺菌装置は、光源と、流路部材と、反射部としての反射部材と、を備える。光源は、紫外線を発する発光素子としてのLEDが実装された基板を有する。流路部材は、少なくとも一部が紫外線透過性を有する材料によって形成されている。流路部材は、LEDが発する紫外線が照射される。反射部材は、第1の反射面を有する。第1の反射面は、LEDと流路部材との間に互いに間隙をあけて設けられている。反射部材は、間隙を通った紫外線を流路部材へ反射する。
また、以下で説明する実施形態に係る流体殺菌装置は、流路部材の単位容積当たりに流れる流体の流量をQ(dm/min)、流路部材の、流体の流れる方向に直交する断面の断面積をA(mm)、流路部材における流体の流れる方向の長さをL(mm)としたとき、以下の式を満たす。
Q/(A×L)<1.25×10−3(min−1
ただし、流路部材の最大内寸法をφ(mm)としたとき、φ<Lである。
また、以下で説明する実施形態に係る流体殺菌装置は、基板と直交し反射面と向かい合う面と反射面とがなす角度をθ(°)、発光素子の半値角度をθ(°)としたとき、θ≦θである。
また、以下で説明する実施形態に係る流体殺菌装置が備える流路部材は、基板の延びる方向と異なる方向に延びて形成されている。
また、以下で説明する実施形態に係る流体殺菌装置における流路部材の外面または流路部材の内面には、光源から照射された紫外線を流路部材の内面へ反射する別の反射面としての第2の反射面が設けられている。
また、以下で説明する実施形態に係る流体殺菌装置における流路部材の内面には、光触媒材料が設けられている。
また、以下で説明する実施形態に係る流体殺菌装置における光源の少なくとも一部と流路部材とを連結し、光源の熱を流路部材の内面を流れる流体へ伝える伝熱部材を更に具備する。
また、以下で説明する実施形態に係る流体殺菌装置における伝熱部材は、基板と流路部材とに接している。
また、以下で説明する実施形態に係る流体殺菌装置における流路部材は、流路の少なくとも一部が伝熱部材によって形成されている。
また、以下で説明する実施形態に係る歯科用医療機器は、実施形態に係る流体殺菌装置1と、供給部と、を備える。供給部は、流体殺菌装置の流路部材の内面を通過した液体を供給する。
また、以下で説明する実施形態に係る流体殺菌方法は、紫外線を発するLEDが実装された基板を有する光源から紫外線を照射する。また、流体殺菌方法は、流路部材の内面を流れる流体へ紫外線を照射するための間隙を通過した紫外線を、LEDと流路部材との間で流路部材へ反射し、流路部材の内面の流体へ紫外線を照射する。
(第1の実施形態)
以下、実施形態に係る流体殺菌装置について、図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る流体殺菌装置の全体を示す模式図である。図2は、第1の実施形態に係る流体殺菌装置の要部を示す側面図である。図3は、第1の実施形態に係る流体殺菌装置のうち、流体が流れる方向に対して直交する断面を示す断面図である。
(流体殺菌装置の構成)
図1に示すように、第1の実施形態の流体殺菌装置1は、紫外線を照射する流体を供給する供給タンク8に連結されると共に、紫外線が照射された流体を回収する回収タンク9に連結されている。
本実施形態の流体殺菌装置1は、例えば、歯科用医療機器において、タンク内の水を殺菌処理するために用いられる。本実施形態は、流体として、例えば、上水等の水に適用される。
図2及び図3に示すように、第1の実施形態に係る流体殺菌装置1は、紫外線を発する光源11と、光源11が発した紫外線が照射される流路部材15と、光源11から照射された紫外線を流路部材15の内面である流路16内を流れる流体へ反射する反射部としての反射部材18と、を備える。
光源11は、発光素子としての複数のLED12が実装された基板13を有する。基板13は、母材として金属材料によって形成されている。基板13上には、図示しないが、絶縁層を介して所望の導電パターン(配線パターン)が形成されており、導電パターン上にLED12が設けられている。なお、光源11を構成する発光素子はLED12に限定されず、LD(レーザダイオード)であってもよい。
基板13上には、複数のLED12が、流路部材15の流路16の流れ方向に沿って所定の間隔をあけて配置されている。基板13は、LED12を流路部材15に対向させた姿勢で、基板支持部材20に固定されている。なお、基板13としては、金属材料によって形成された基板に限定するものではなく、例えば、アルミナ等のセラミックスによって形成された基板が用いられてもよい。
流路部材15は、紫外線透過性を有する材料によって筒状、本実施形態では円管状に形成されており、流体が流れる流路16を構成している。紫外線透過性を有する材料としては、例えば、石英等のガラス材が好ましく、例えば、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)等の樹脂材料が用いられてもよい。本実施形態では、流路部材15として、外径が12mm程度、内径が9mm程度の石英管を用いている。また、流路部材15は、光源11のLED12の発光面から5mm程度の位置に、外周面がLED12に対向するように配置されている。
なお、流路部材15は、光源11のLED12の発光面から5mm程度よりも短い位置に配置された場合、流路16に対して照射される紫外線の照度にむらが生じるので、好ましくない。一方、流路部材15は、光源11のLED12の発光面から5mm程度よりも長い位置に配置された場合、流路16に対して直接照射される紫外線が少なくなり、流路16に対して反射して照射される紫外線が多くなる。流路16に対して反射して照射される紫外線が多くなると、流路16に対して直接照射される紫外線よりも照度が劣るので、好ましくない。
図1及び図2に示すように、流路部材15の流路16は、上流側が、継手等の連結部材22を介して、供給タンク8に連結された他の流路部材23の流路に連結されている。流路部材15の流路16は、上流側と同様に、下流側が、継手等の連結部材22を介して、回収タンク9に連通された他の流路部材23の流路に連結されている。
本実施形態における流路部材15は、紫外線透過性を有する材料のみによって形成されているが、この構成に限定するものではなく、光源11の発光面側に対向する外周面における少なくとも一部のみが、流路16内へ紫外線を透過させるように、紫外線透過性を有する材料によって形成されてもよい。また、流路部材15は、紫外線透過性を有する材料によって形成された部分と、他の材料、例えば、金属材料やセラミック等によって形成された部分とを組み合わせて構成されてもよい。紫外線透過性を有する部分と、他の材料によって形成された部分とを組み合わせた流路部材は、後述する第2及び第5の実施形態における伝熱部材26、56に相当する。
図3に示すように、反射部材18は、流路部材15の流路16を包囲して配置されている。反射部材18は、LED12が発する紫外線を流路16へ反射する第1の反射面19a及び第2の反射面19bを有する。第2の反射面19bは、第1の反射面19aに連続して形成されている。
第1の反射面19aは、LED12が発する紫外線を流路16へ照射するための間隙Aをあけて、LED12と流路16との間に設けられており、間隙Aを通った紫外線を流路16へ反射する。第1の反射面19aの間隙Aは、流路部材15の管軸方向から見たときに、LED12側から流路16側に向かって徐々に大きくなる形状を呈する。なお、図3において、互いに対向する第1の反射面19aは、分離されているが、図示しない部分(反射面)を介して一体に連続して形成されてもよい。
また、図3に示す第1の反射面19aの間隙Aは、LED12側から流路16側に向かって徐々に大きくなる形状であるが、これに限定されない。例えば、第1の反射面19aの間隙Aは、LED12側から流路16側に向かって変化しなくてもよく、また、流路部材15を設けることができる範囲で徐々に小さくなる形状であってもよい。
なお、図3において、第1の反射面19aの間隙Aが、LED12側から流路16側に向かって徐々に大きくなる形状であるとき、LED12の法線と第1の反射面19aとがなす角度をθ(°)、LED12の半値角度をθ(°)としたとき、θ≦θを満たすことが望ましい。θ≦θを満たすことにより、LED12から照射された紫外線が第1の反射面19aによって、より確実に反射することができ、流体殺菌装置1における流体殺菌の効果を更に向上させることができる。
また、第2の反射面19bは、流路16を間に挟んで第1の反射面19aの反対側に設けられている。第2の反射面19bの間隙は、流路部材15の管軸方向から見たときに、流路16側に向かって徐々に大きくなる断面V字状に形成されている。
反射部材18は、例えば、金属板を折り曲げて形成されており、LED12側の一端が所定の間隙Aをあけて開口する断面菱形状に形成されている。反射部材18は、鏡面加工等の表面処理を施すことで第1及び第2の反射面19a、19bが形成されている。また、反射部材18は、金属材料によって形成される構成に限定されるものではない。反射部材18は、例えば、ガラス等の基材に反射膜を形成することで構成されてもよい。反射膜としては、例えば、アルミニウム等の金属材料を用いて蒸着によって形成された薄膜や、石英粒子、硫酸バリウムによって形成された薄膜が用いられており、紫外線の反射率が高い反射膜が好ましい。
なお、第1の反射面19a、第2の反射面19bと、流路部材15との間の最短距離は、0〜2(mm)程度であることが望ましい。第1の反射面19a、第2の反射面19bと、流路部材15との間の最短距離が0(mm)、すなわち、第1の反射面19a、第2の反射面19bと、流路部材15とが接触することで、LED12から照射された紫外線が、第1の反射面19a、第2の反射面19bによって反射され、流路部材15の流路16へ効率良く紫外線が照射される。このことは、第1の反射面19a、第2の反射面19bと、流路部材15との間の最短距離が2(mm)程度まで同様の効果が見られる。一方、第1の反射面19a、第2の反射面19bと、流路部材15との間の最短距離が2(mm)程度よりも大きくなることで、第1の反射面19a、第2の反射面19bを構成する反射部材18が大型化するので、好ましくない。また、第1の反射面19a、第2の反射面19bと、流路部材15との間の最短距離が2(mm)程度よりも大きくなることで、流路16に照射される紫外線のうち、LED12から直接照射される紫外線よりも第1の反射面19a、第2の反射面19bによって反射された紫外線の方が多くなる。流路16に対して反射して照射される紫外線が多くなると、流路16に対して直接照射される紫外線よりも照度が劣るので、好ましくない。
(第1の実施形態における殺菌作用)
第1の実施形態の流体殺菌装置1では、図3に示すように、光源11の各LED12から照射された紫外線が、反射部材18の間隙Aを通って、流路部材15の流路16内の流体に照射される。流路部材15の外周面で反射された紫外線は、第1の反射面19aによって反射され、流路16内の流体へ照射される。
流路16に照射された紫外線の一部は、流路部材15を通過して第2の反射面19bで反射され、再度、流路16内へ戻されて流体に照射される。さらに、第2の反射面19bで反射された後、流路16内を通過した紫外線は、第1の反射面19aで反射され、再度、流路16内へ戻されて流体に照射される。
光源11のLED12から照射された紫外線は、上述のように第1及び第2の反射面19a、19bによって多重反射を繰り返すことで、流路16内の流体に効率良く照射される。このように光源11の紫外線を流体に効率良く照射することで、流体中の細菌が効果的に殺菌される。
例えば、流体に含まれる細菌は、その細胞の内部に核を有しており、核の内部に、遺伝情報をつかさどるDNA(デオキシリボ核酸)を有する。DNAに紫外線を照射することで、DNAのチミンダイマーが形成され、DNAが死滅する。このため、DNAの吸収スペクトルである波長が260nm付近の紫外線が、細菌を殺菌する上で効果的である。このため、LED12は、波長が260nm付近の紫外線が用いられることが好ましい。
しかしながら、260nm付近にピーク波長を有するLED12は、出力が低く、寿命が短い傾向にある。そのため、光源11として、280nm付近にピーク波長を有するLED12を採用することで、ピーク波長が260nmのLED12に比べ、LED12の出力を高め、寿命を長くすることが可能になる。また、光源11として、365nm付近にピーク波長を有するLED12を採用することで、更に高出力かつ長寿命を実現することが可能になる。したがって、本実施形態では、260nm程度〜370nm程度にピーク波長を有するLED12を採用することで、LED12の出力を高めると共に寿命を長く確保し、適正な殺菌効果を得ている。
また、図示しないが、基板13の表面におけるLED12の周囲には、流路部材15の外周面、反射部材18の第1の反射面19aで反射された紫外線を流路16側へ反射するための反射膜が設けられてもよい。基板13上の反射膜によって、流路16内の流体への紫外線の照射効率が高められる。
(流体殺菌方法)
以上のように構成された流体殺菌装置1を用いた実施形態の流体殺菌方法について説明する。実施形態の流体殺菌方法では、紫外線を発するLED12が実装された基板13を有する光源11から紫外線を照射する。また、実施形態の流体殺菌方法では、流路部材15の流路16を流れる流体へ紫外線を照射するための間隙Aが、LED12側から流路16側に向かって徐々に大きくなる第1の反射面19aによって、間隙Aを通過した紫外線をLED12と流路16との間で流路16へ反射し、流路16内の流体へ紫外線を照射する。
上述のように第1の実施形態は、LED12が発する紫外線を流路16へ照射するための間隙Aをあけて、光源11と流路16との間に設けられ、間隙Aを通った紫外線を流路16へ反射する第1の反射面19aを有する反射部材18を備える。第1の反射面19aは、間隙Aが光源11側から流路16側に向かって徐々に大きくなる形状である。これにより、反射部材18によって、光源11のLED12が発する紫外線を、効率的に流路16内の流体へ照射することが可能になり、流体の殺菌作用が高められる。このため、光源11が有するLED12の個数を抑えることが可能になり、LED12の温度の上昇を抑制することができると共に、光源11の製造コストの増大を抑えることができる。よって、第1の実施形態では、紫外線照射効率の低下を抑制することができる。
ここで、流路部材15の単位容積、即ち、流路16の単位体積当たりに流れる流体の流量をQ(dm/min)、流路16の、流体の流れる方向に直交する断面の断面積をA(mm)、流路16における流体の流れる方向の長さをL(mm)としたとき、以下の式を満たすことが望ましい。
Q/(A×L)<1.25×10−3(min−1
ただし、流路16の最大内寸法をφ(mm)としたとき、φ<L。
上記式を満たすことで、流体殺菌処理をより確実に実施することができる。
ここで、Q/(A×L)を変えて殺菌効果を検証した。検証結果を図4に示す。なお、図4において、「殺菌の効果」については、“○”が殺菌の効果があった、“△”が殺菌の効果があったが“○”ほどではなかった、“×”が殺菌の効果がなかったことを示す。図4から明らかである通り、Q/(A×L)<1.25×10−3を満たすことで、殺菌の効果があることが明らかとなった。
(第1の実施形態の変形例)
図5は、第1の実施形態の変形例を示す流体殺菌装置の要部を示す側面図である。図5は、第1の実施形態において、流路部材15の流路16が基板13の延びる方向と異なる方向に延びている点が、第1の実施形態と異なる。
流路部材15の流路16は、基板13が延びる方向(長辺方向)と異なる方向、具体的には基板13が延びる方向と直交する方向(短辺方向)に蛇行して延びている。このように構成することで、流路16を流れる流体に、LED12から照射される紫外線が当たる部分がより多く確保されるので、殺菌の効果を高めることができる。
なお、図5において、流路16は、基板13が延びる方向と直交する方向に蛇行しているが、上記構成に限定されるものではない。例えば、流路16は、基板13が延びる方向(長辺方向)と同じ方向に延びた後に折り返されて基板13が延びる一方向と逆方向に延びて蛇行してもよい。また、流路16は、基板13が延びる方向によらず、例えば渦状に延びてもよい。要するに、流路16の延びる方向は、基板13が延びる方向と異なっていれば、どのような形態を採ってもよい。
以下、第2〜第5の実施形態の流体殺菌装置について図面を参照して説明する。なお、第2〜第5の実施形態において、便宜上、第1の実施形態と同一の構成部材には、第1の実施形態と同一符号を付して説明を省略する。
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態の流体殺菌装置の要部のうち、流体が流れる方向に対して直交する断面を示す断面図である。第2の実施形態は、流路を部分的に形成する伝熱部材を有する点が、第1の実施形態と異なる。
図6に示すように、第2の実施形態の流体殺菌装置2は、紫外線を発する光源11と、LED12が発する紫外線を流路16に透過する透光部材25と、光源11の基板13に生じる熱を流路16内の流体へ伝える伝熱部材26と、を備える。そして、流体殺菌装置2では、透光部材25と伝熱部材26とが、紫外線が照射される流体が流れる流路16を有する流路部材として機能している。つまり、本実施形態における伝熱部材26は、第1の実施形態における流路部材15の一部を兼ねている。
また、本実施形態における流路16は、透光部材25と伝熱部材26とが協働して筒状に形成されている。なお、ここでいう「筒状」とは、流体が流れる方向に対する断面において円管状のものに限定されず、例えば楕円状であってもよいし、本実施形態のように矩形状であるものも許容される。つまり、「筒状」とは、流体が流れる方向に細長く延びるものであれば、流体が流れる方向に対する断面の形状は限定されない。
言い換えると、本実施形態における伝熱部材26は、流路部材の流路16を構成する部分と、流路部材と光源11の基板13を熱的に接続する部分と、を含む。つまり、本実施形態において、流路部材の流路16は、一部が伝熱部材26によって形成されており、流路部材と基板13とを連結する伝熱部材26と、流路部材の一部である伝熱部材26とが一体に形成されている。
透光部材25は、紫外線透過性を有する材料によって平板状に形成されている。透光部材25は、断面矩形状の流路16の1つの内面を構成している。透光部材25は、外周部が伝熱部材26に嵌め込まれて支持されている。透光部材25の外周部と伝熱部材26との接続部分には、図示しないOリング等のパッキン部材が組み付けられており、パッキン部材によって流路16内が密封されている。また、透光部材25には、LED12に対向する面と、流路16を構成する面とに反射防止膜が形成されてもよく、LED12が発した紫外線が光源11側へ反射されることを抑制できる。
伝熱部材26は、例えば、アルミニウム等の伝熱性を有する材料によってブロック状に形成されている。伝熱部材26を形成する材料としては、伝熱性が比較的高いアルミニウムが好ましいが、ステンレス等の金属材料、熱伝導率を高めるためにフィラーを混合した樹脂材料が用いられてもよい。
伝熱部材26は、光源11の基板13を支持する第1の支持部26aと、透光部材25の外周部を支持する第2の支持部26bと、を有する。第1の支持部26aには、基板13における、発光面の反対側の裏面、及び側面が接している。また、伝熱部材26は、断面矩形状の流路16の3つの内面を構成しており、断面U字状の部分を有する。
また、伝熱部材26は、光源11から照射された紫外線を流路16内の流体へ反射する反射部としての第1の反射面27aが形成されている。第1の反射面27aは、LED12が発する紫外線を流路16へ照射するための間隙Aをあけて、LED12と流路16との間に設けられており、間隙Aを通った紫外線を流路16へ反射する。第1の反射面27aは、間隙Aが、LED12側から流路16側に向かって徐々に大きくなる形状を呈する。また、伝熱部材26には、流路16を形成する3つの内面に、光源11から照射された紫外線を流路16へ反射する別の第2の反射面27bが形成されている。
本実施形態における第1の反射面27a及び第2の反射面27bは、伝熱部材26に鏡面加工等の表面処理を施すことで形成されている。なお、第1の反射面27a及び第2の反射面27bは、伝熱部材26に反射膜を成膜することで形成されてもよい。
なお、図6において、図示の便宜上、伝熱部材26を1つの部材として示すが、1つの伝熱部材26に限定するものではない。伝熱部材26は、複数の分割部材を組み合わせて構成されてもよい。この構成の場合、伝熱部材26が有する複数の分割部材は、例えばネジ等の締結部材を介して連結されてもよく、伝熱性を有する接着剤によって接合されてもよい。伝熱部材26が複数に分割することで、伝熱部材26の内部に光源11や透光部材25を容易に組み込むことが可能になる。
(第2の実施形態における殺菌作用)
第2の実施形態の流体殺菌装置2では、図6に示すように、光源11の各LED12から照射された紫外線が、第1の反射面27aの間隙Aを通って、流路16内の流体に照射される。透光部材25において、LED12に対向する面で反射された紫外線は、第1の反射面27aによって反射され、流路16内の流体へ照射される。
流路16に照射された紫外線の一部は、流路16内の3つの第2の反射面27bでそれぞれ反射され、流体へ照射される。さらに、第2の反射面27bで反射された後、透光部材25を通過した紫外線は、第1の反射面27aで反射され、再度、流路16内へ戻されて流体に照射される。
光源11のLED12から照射された紫外線は、上述のように第1の反射面27a及び第2の反射面27bによって多重反射を繰り返すことで、流路16内の流体に効率良く照射される。このようにLED12の紫外線を流体に効率良く照射することで、流体中の細菌が効果的に殺菌される。
(伝熱部材の伝熱作用)
第2の実施形態では、光源11の基板13に生じた熱が、基板13から伝熱部材26の第1の支持部26aへ伝わり、伝熱部材26が流路16を形成する内面によって、流路16内の流体へ熱が伝わる。このように、伝熱部材26によって基板13の熱が流体に奪われることで、基板13の放熱性が高められ、LED12の温度の上昇が抑えられる。伝熱部材26は、流路16内の流体と内面が接触しているので、流体へ直接的に熱を効率良く伝える。
上述のように第2の実施形態は、光源11の熱を流路16内の流体へ伝える伝熱部材26を備える。これにより、基板13に生じた熱が流路16内の流体に伝わることで、基板13の放熱性が高められ、LED12の温度の上昇を抑えることができる。すなわち、流体として水を用いた場合、光源11が、いわゆる水冷方式で冷却される構成となる。
また、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、伝熱部材26に設けられた第1及び第2の反射面27a、27bによって紫外線を流路16内へ効率良く照射することが可能になり、光源11が有するLED12の温度の上昇を更に抑えることができる。したがって、第2の実施形態でも、紫外線照射効率の低下を抑制することができる。
さらに、第2の実施形態では、流路16の一部を形成する伝熱部材26によって、流路16内の流体に伝熱部材26から直接的に熱が伝わるので、基板13の放熱性を高めることができる。したがって、第2の実施形態は、伝熱部材26を用いて基板13の熱を流路16内の流体へ伝える効率において、他の実施形態よりも効果的である。
(第3の実施形態)
図7は、第3の実施形態の流体殺菌装置の要部のうち、流体が流れる方向に対して直交する断面を示す断面図である。第3の実施形態は、基板13と流路部材15の外周部とを連結する伝熱部材を有する点が、第2の実施形態と異なる。
図7に示すように、第3の実施形態の流体殺菌装置3は、紫外線を発する光源11と、光源11が発した紫外線が照射される流体が流れる流路16を有する管状の流路部材15と、光源11の基板13に生じる熱を流路16内の流体へ伝える伝熱部材36と、を備える。
伝熱部材36は、流路部材15の流路16を包囲して設けられている。伝熱部材36は、基板13と流路部材15の外周面とに接しており、基板13と流路16とを熱的に接続している。伝熱部材36は、基板13を支持する第1の支持部36aと、流路部材15の外周部を支持する第2の支持部36bと、を有する。また、伝熱部材36は、光源11から照射された紫外線を流路16内の流体へ反射する反射部としての第1の反射面37a及び第2の反射面37bを有する。
第1の反射面37aは、LED12が発する紫外線を流路16へ照射するための間隙Aをあけて、LED12と流路16との間に設けられており、間隙Aを通った紫外線を流路16へ反射する。第1の反射面37aは、間隙Aが、LED12側から流路16側に向かって徐々に大きくなる形状を呈する。第2の反射面37bは、流路部材15の管軸方向から見たときに、第2の支持部36bの内面に、流路部材15の外周面に沿う断面半円状に形成されている。
(第3の実施形態における殺菌作用)
第3の実施形態の流体殺菌装置3では、図7に示すように、光源11の各LED12から照射された紫外線が、第1の反射面37aの間隙Aを通って、流路16内の流体に照射される。流路部材15において、LED12に対向する外周面で反射された紫外線は、第1の反射面37aによって反射され、流路16内の流体へ照射される。
流路16に照射された紫外線の一部は、流路部材15を通過して第2の反射面37bでそれぞれ反射され、再度、流路16内へ戻されて、流体に照射される。さらに、第2の反射面37bで反射されて流路部材15を通過した紫外線は、第1の反射面37aで反射され、再度、流路16内へ戻されて流体に照射される。
光源11のLED12から照射された紫外線は、上述のように第1の反射面37a及び第2の反射面37bによって多重反射を繰り返すことで、流路16内の流体に効率良く照射される。このようにLED12の紫外線を流体に効率良く照射することで、流体中の細菌が効果的に殺菌される。
(伝熱部材の伝熱作用)
第3の実施形態では、光源11の基板13に生じた熱が、基板13から伝熱部材36の第1の支持部36aへ伝わり、伝熱部材36の第2の支持部36bから、流路部材15を介して、流路16内の流体へ熱が伝わる。このように、伝熱部材36によって基板13の熱が流体に奪われることで、基板13の放熱性が高められ、LED12の温度の上昇が抑えられる。
上述のように第3の実施形態は、光源11の熱を流路16内の流体へ伝える伝熱部材36を備える。これにより、基板13に生じた熱が流路16内の流体に伝わることで、基板13の放熱性が高められ、LED12の温度の上昇を抑えることができる。すなわち、流体として水を用いた場合、第3の実施形態においても、第2の実施形態と同様に、光源11が、いわゆる水冷方式で冷却される構成となる。
加えて、第3の実施形態は、流路部材15と伝熱部材36とが別体に構成されることで、パッキン部材等を用いることなく、流路16の密封性を容易に確保することができる。また、第3の実施形態は、流路16が流路部材15のみによって形成することで、流路16が金属材料で形成される構成と比べて、金属材料の腐食によって流体を汚染することが避けられる。
また、第3の実施形態においても、第1及び第2の実施形態と同様に、伝熱部材36に設けられた第1及び第2の反射面37a、37bによって紫外線を流路16内へ効率良く照射することが可能になり、光源11が有するLED12の温度の上昇を更に抑えることができる。したがって、第3の実施形態でも、紫外線照射効率の低下を抑制することができる。
(第4の実施形態)
図8は、第4の実施形態の流体殺菌装置の要部のうち、流体が流れる方向に対して直交する断面を示す断面図である。第4の実施形態は、流路部材15の外周面に形成された反射膜を有する点が、第3の実施形態と異なる。
図8に示すように、第4の実施形態の流体殺菌装置4では、上述した伝熱部材36の第2の反射面37bの代わりに、流路部材15の外周面に反射膜43が形成されている。反射膜43としては、例えば、アルミニウム等の金属材料を用いて蒸着によって形成された薄膜や、石英粒子、硫酸バリウムによって形成された薄膜が用いられており、紫外線の反射率が高い反射膜が好ましい。
また、反射膜43は、流路16の内周面に設けられてもよい。流路16の内周面に設けられた反射膜43は、流路部材15の外周部に設けられた反射膜43に比べて、流路16内の流体に近づけられるので、相対的に効率良く紫外線を流体に照射することが可能になる。流路部材15の外周面または流路16の内周面に設けられる反射膜43は、流路部材15の外部から流路16内へ紫外線を通過させる開口を有していればよく、反射膜43が形成される領域が限定されるものではない。反射膜43は、例えば、断面円形状の流路16の管軸方向から見たときに、流路16内においてLED12に対向する半円部分の内面にわたって形成される。また、流路部材15の内周面に反射膜43が設けられることで、流路部材15の外周面と伝熱部材36との熱的な接触が、反射膜43によって妨げられることが抑制されるので、伝熱部材36から流路部材15への伝熱性が高められる。
ところで、円管状の流路部材15の外周面は、寸法のばらつきや、表面の微小な凹凸を含んでいる。このため、伝熱部材36の第2の支持部36bに流路部材15の外周面が接触した状態で、第2の支持部36bと流路部材15の外周面との間に空気層が存在する。この空気層のバラツキに起因して、伝熱部材36による伝熱性、基板13の放熱性が変動するおそれがある。そこで、本実施形態では、流路部材15の外周面に形成された反射膜43と、第2の支持部36bとの間の隙間を埋める介在部材44が設けられている。介在部材44としては、例えばシリコングリースや熱伝導シート等が用いられており、伝熱部材36と流路部材15との接触性を高められている。
(第4の実施形態における殺菌作用)
第4の実施形態の流体殺菌装置4では、図8に示すように、光源11の各LED12から照射された紫外線が、第1の反射面37aの間隙Aを通って、流路16内の流体に照射される。流路部材15において、LED12に対向する外周面で反射された紫外線は、第1の反射面37aによって反射され、流路16内の流体へ照射される。
流路16に照射された紫外線の一部は、流路部材15を通過して反射膜43でそれぞれ反射され、再度、流路16内へ戻されて、流体に照射される。さらに、反射膜43で反射されて流路部材15を通過した紫外線は、第1の反射面37aで反射され、再度、流路16内へ戻されて流体に照射される。
光源11のLED12から照射された紫外線は、上述のように第1の反射面37a及び反射膜43によって多重反射を繰り返すことで、流路16内の流体に効率良く照射される。このようにLED12の紫外線を流体に効率良く照射することで、流体中の細菌が効果的に殺菌される。
(伝熱部材の伝熱作用)
第4の実施形態では、光源11の基板13に生じた熱が、基板13から伝熱部材36の第1の支持部36aへ伝わり、伝熱部材36の第2の支持部36bから介在部材44、流路部材15を介して、流路16内の流体へ熱が伝わる。このように、伝熱部材36によって基板13の熱が流体に奪われることで、基板13の放熱性が高められ、LED12の温度の上昇が抑えられる。
上述のように第4の実施形態においても、第3の実施形態と同様に、伝熱部材36によって、基板13に生じた熱が流路16内の流体に伝わることで、基板13の放熱性が高められ、LED12の温度の上昇を抑えることができる。加えて、第4の実施形態では、流路部材15と伝熱部材36の第2の支持部36bとの間に介在部材44が設けられたことで、伝熱部材36と流路部材15との接触性が高められる。このため、伝熱部材36から流路部材15を介して流体に伝わる伝熱性が高められ、基板13の放熱性を高めることができる。
また、第4の実施形態においても、第1〜第3の実施形態と同様に、第1の反射面37a及び反射膜43によって紫外線を流路16内へ効率良く照射することが可能になり、光源11が有するLED12の温度の上昇を更に抑えることができる。したがって、第4の実施形態でも、紫外線照射効率の低下を抑制することができる。
(第5の実施形態)
図9は、第5の実施形態の流体殺菌装置の要部のうち、流体が流れる方向に対して直交する断面を示す断面図である。第5の実施形態は、透光部材と伝熱部材とによって流路16が形成されると共に、流路16内に光触媒材料が設けられた点が、第1の実施形態と異なる。
図9に示すように、第5の実施形態の流体殺菌装置5は、紫外線を発する光源11と、LED12が発する紫外線を流路16に透過する透光部材55と、光源11の基板13に生じる熱を流路16内の流体へ伝える伝熱部材56と、を備える。そして、流体殺菌装置5では、透光部材55と伝熱部材56とが、流路16を有する流路部材として機能している。第5の実施形態における伝熱部材56は、第2の実施形態における伝熱部材26と類似しており、第1、3及び4の実施形態における流路部材15の一部を兼ねている。本実施形態における伝熱部材56は、流路部材15の流路16を構成する部分と、流路部材15と光源11の基板13を熱的に接続する部分と、を含む構成に相当する。
透光部材55は、紫外線透過性を有する材料によって断面半円状に形成されている。透光部材55は、断面矩形状の流路16の上半分の内面を構成している。透光部材55は、外周部が伝熱部材56に連結されている。透光部材55の外周部と伝熱部材56との接続部分には、図示しないパッキン部材が組み付けられており、パッキン部材によって流路16内が密封されている。
伝熱部材56は、光源11の基板13を支持する第1の支持部56aと、透光部材55の外周部が連結される第2の支持部56bと、を有する。第2の支持部56bは、断面円形状の流路16における下半分の内面を構成している。
また、伝熱部材56は、光源11から照射された紫外線を流路16内の流体へ反射する反射部としての反射面57aを有する。反射面57aは、LED12が発する紫外線を流路16へ照射するための間隙Aをあけて、LED12と流路16との間に設けられており、間隙Aを通った紫外線を流路16へ反射する。反射面57aは、間隙AがLED12側から流路16側に向かって徐々に大きくなる形状を呈する。
また、第2の支持部56bの内面には、光触媒材料58が設けられている。光触媒材料58は、例えば、酸化チタン等の薄膜によって形成されている。光触媒材料58は、第2の支持部56bの内面の所定の領域全体にわたって設けられる、いわゆるベタ塗りされる構成に限定されるものではない。光触媒材料58は、例えば、流路16内に形成された反射面や、反射膜の上に部分的に設けられてもよい。これにより、光触媒の作用と、反射面または反射膜の反射作用とをそれぞれ得られる。
(第5の実施形態における殺菌作用)
第5の実施形態の流体殺菌装置5では、図9に示すように、光源11の各LED12から照射された紫外線が、反射面57aの間隙Aを通って、流路16内の流体に照射される。透光部材55において、LED12に対向する外周面で反射された紫外線の一部は、反射面57aによって反射され、流路16内の流体へ照射される。流路16に照射された紫外線は、透光部材55を通過して、流体に照射されると共に、光触媒材料58に照射されることで、光触媒作用によって流体を殺菌する。
光源11のLED12から照射された紫外線は、上述のように反射面57aによって多重反射を繰り返すことで、流路16内の流体、及び光触媒材料58に効率良く照射される。このようにLED12の紫外線を流体及び光触媒材料58に効率良く照射することで、紫外線による殺菌作用と、光触媒材料58による殺菌作用との相乗効果により、流体中の細菌が更に効果的に殺菌される。
(伝熱部材の伝熱作用)
第5の実施形態では、光源11の基板13に生じた熱が、基板13から伝熱部材56の第1の支持部56aへ伝わり、伝熱部材56の第2の支持部56bから、流路16内の流体へ熱が伝わる。このように、伝熱部材56によって基板13の熱が流体に奪われることで、基板13の放熱性が高められ、LED12の温度の上昇が抑えられる。
上述のように第5の実施形態においても、第2〜第4の実施形態と同様に、伝熱部材56によって、基板13に生じた熱が流路16内の流体に伝わることで、基板13の放熱性が高められ、LED12の温度の上昇を抑えることができる。加えて、第5の実施形態では、流路16の内面に光触媒材料58が設けられたことで、紫外線による殺菌作用と、光触媒材料58による殺菌作用との相乗効果により、流体を更に効果的に殺菌することができる。
また、第5の実施形態においても、第1〜第4の実施形態と同様に、反射面57aによって紫外線を流路16内へ効率良く照射することが可能になり、光源11が有するLED12の温度の上昇を更に抑えることができる。よって、第5の実施形態でも、紫外線照射効率の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態における光触媒材料58は、第1〜第4の実施形態における流路16の内面に設けられてもよく、流体の殺菌作用を高めることができる。また、紫外線透過性材料によって形成された流路部材15の内面に光触媒材料58が設けられる場合、流路部材15の外周面に反射膜43が形成されてもよい。光触媒材料58を透過した紫外線を反射膜43によって流路16内に反射し、流体への紫外線の照射効率が高められる。
また、光源11の基板13に生じた熱を、流路16内の流体へ効率良く伝えて、基板13の放熱性を高める観点では、例えば、伝熱部材26、36、56が、流路16に連続する他の流路と熱的に接するように構成されてもよい。この構成の場合、伝熱部材26、36、56は、光源11の基板13に接する第1の支持部26a、36a、56aが延ばされると共に、流路16に連続する流路を有する他の流路部材23に連結される。これにより、基板13は、複数の流路を流れる流体へ熱を伝えることが可能になり、基板13の放熱性を高めると共に、流体への伝熱性を高めることができる。
また、光源11の基板13に生じた熱を、流路16内の流体へ伝える熱のみでは流体の温度上昇が見られない場合や、流体の温度上昇が大きすぎて流体の使用に耐えられない場合に備えて、温調手段(図示しない)を有していてもよい。
また、光源11の基板13に生じた熱を、流路16内の流体へロス無く伝えるため、例えば、伝熱部材26、36、56の外周を覆う保温層(図示しない)を有していてもよい。
(歯科用医療機構の構成)
上述した各実施形態の流体殺菌装置のいずれかが適用された第6の実施形態の歯科用医療機器について簡単に説明する。図10は、第6の実施形態に係る歯科用医療機器6について示す模式図である。図10に示すように、第6の実施形態の歯科用医療機器6は、一例として、伝熱部材26を有する第2の実施形態の流体殺菌装置2と、流体殺菌装置2の流路16内を通過した液体を供給する供給部60と、を備える。
本実施形態の歯科用医療機器6の供給部60としては、例えば、口腔内へ水を供給するノズルを有する治療器具や、コップ等へ水を供給する水供給装置等が用いられる。流体殺菌装置2は、上述したように、基板13の熱を伝熱部材26によって流路16内の水へ放熱している。言い換えると、流体殺菌装置2は、伝熱部材26によって流路16内の水を温めている。このため、本実施形態の歯科用医療機器6によれば、流体殺菌装置2によって殺菌されると共に温められた水が、供給部60から口腔内へ供給することができる。このため、供給部60から供給する水が、歯科治療中に歯等の口腔内へ刺激を与えることを抑えることが可能になり、殺菌された清潔な水を、刺激が少ない温度で口腔内へ供給することができる。
なお、歯科用医療機器6は、殺菌した水が加熱される点で、伝熱部材26、36、56を有する第2〜第5の流体殺菌装置2、3、4、5を備える構成が好ましいが、殺菌した水を供給する点で、第1の実施形態の流体殺菌装置1が採用されてもよい。
本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することを意図していない。実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、本発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 流体殺菌装置
11 光源
12 LED
13 基板
15 流路部材
16 流路
18 反射部材
19a 第1の反射面
19b 第2の反射面
26 伝熱部材
43 反射膜
58 光触媒材料
A 間隙

Claims (11)

  1. 紫外線を発する発光素子が実装された基板を有する光源と;
    少なくとも一部が紫外線透過性を有する材料によって形成され、前記発光素子が発する紫外線が照射される筒状の流路部材と;
    前記発光素子と前記流路部材との間に互いに間隙をあけて設けられる反射面を有し、前記間隙を通った紫外線を前記流路部材へ反射する反射部と;
    を具備する流体殺菌装置。
  2. 前記流路部材の単位容積当たりに流れる流体の流量をQ(dm/min)、前記流路部材の、前記流体の流れる方向に直交する断面の断面積をA(mm)、前記流路部材における前記流体の流れる方向の長さをL(mm)としたとき、以下の式を満たす、請求項1に記載の流体殺菌装置。
    Q/(A×L)<1.25×10−3(min−1
    ただし、前記流路部材の最大内寸法をφ(mm)としたとき、φ<L。
  3. 前記発光素子の法線と前記反射面とがなす角度をθ(°)、前記発光素子の半値角度をθ(°)としたとき、θ≦θである、請求項1または2に記載の流体殺菌装置。
  4. 前記流路部材は、前記基板の延びる方向と異なる方向に延びて形成されている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の流体殺菌装置。
  5. 前記流路部材の外面または前記流路部材の内面には、前記光源から照射された紫外線を前記流路部材の内面へ反射する別の反射面が設けられている、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の流体殺菌装置。
  6. 前記流路部材の内面には、光触媒材料が設けられている、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の流体殺菌装置。
  7. 前記光源の少なくとも一部と前記流路部材とを連結し、前記光源の熱を前記流路部材の内面を流れる前記流体へ伝える伝熱部材を更に具備する、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の流体殺菌装置。
  8. 前記伝熱部材は、前記基板と前記流路部材とに接している、請求項7に記載の流体殺菌装置。
  9. 前記流路部材は、少なくとも一部が前記伝熱部材によって形成されている、請求項7または8に記載の流体殺菌装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の流体殺菌装置と;
    前記流体殺菌装置の前記流路部材を通過した液体を供給する供給部と;
    を具備する、歯科用医療機器。
  11. 紫外線を発する発光素子が実装された基板を有する光源から紫外線を照射し、
    流路部材の内面を流れる流体へ紫外線を照射するための間隙を有して設けられる反射面によって、前記間隙を通過した紫外線を前記発光素子と前記流路部材の内面との間で前記流路部材へ反射し、前記流路部材内の流体へ紫外線を照射する、流体殺菌方法。
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