JP2017152088A - 断線検知機能付きケーブル - Google Patents
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Description
断線検知のための検知線を有するケーブルと、
前記ケーブルの端末部分を囲むように配置される金属製のケースと、
前記ケースの一部に設けられた検知線引出部と、
を備え、
前記検知線引出部は、
前記検知線と電気的に接続される端子を有するコネクタが装着された検知線取付金具と、
前記検知線取付金具を嵌合状態で取り付けるために前記ケースに形成された開口部と、
前記検知線取付金具と前記開口部との嵌合部分を気密状態に保持するシール部材と、
前記検知線取付金具と前記ケースとを電気的に接続する接続部材と、
を備え、
前記シール部材は、前記検知線取付金具の外周面に環状に巻かれ、前記嵌合部分で前記検知線取付金具の外周面と前記開口部の内周面との隙間に挟まれている
断線検知機能付きケーブルである。
図10は比較例に係る断線検知機能付きケーブルの構成を示す部分断面図である。この図はケーブルの中心軸方向(長さ方向)と直交する方向から断線検知機能付きケーブルを見た状態を示している。
図示のように、検知線取付金具114には、2つのコネクタ115が装着されている。各々のコネクタ115は、検知線取付金具114に設けられた収容部116に、ナット117を用いて固定されている。ナット117の取付部位には樹脂118が充填されていてもよい。各々のコネクタ115は、図示しない複数の端子(ピン)と、各々の端子につながる複数のリード線119と、を有している。
すなわち、比較例の断線検知機能付きケーブル101では、検知線取付金具114にネジ止めのためのフランジ部120を形成するとともに、フランジ部120の下面に溝122を形成している。そして、溝122に装着したOリングをケース103の凹部113底面に押し付けることで、所望の気密性を確保している。このため、検知線引出部104の大きさは、検知線取付金具114にフランジ部120を形成した分だけ大きくなり、このことが検知線引出部104の小型化を図るうえで一つのネックになっていた。
本発明は、本発明者が見出した上記知見に基づくものである。
[断線検知機能付きケーブルの構成]
図1は本発明の実施形態に係る断線検知機能付きケーブルの構成を示す部分断面図である。この図はケーブルの中心軸方向(長さ方向)と直交する方向から断線検知機能付きケーブルを見た状態を示している。
ケーブル2は、ケーブル導体5と、内部半導電層(不図示)と、ケーブル絶縁体6と、外部半導電層7と、遮蔽層8と、シース9と、を備えている。ケーブル導体5は、ケーブル2の芯線を構成するものである。ケーブル導体5は、ケーブル2の径方向の中心に配置されている。ケーブル2の径方向では、ケーブル導体5の周囲に、内部半導電層(不図示)、ケーブル絶縁体6、外部半導電層7、遮蔽層8およびシース9が、この順に同心円状に配置されている。
ケーブル2の端末部分は、段剥き処理されている。この段剥き処理により、シース9の端部よりもケーブル端側(図1の左側)では、ケーブル端に近い方から順に、ケーブル導体5の一部と、ケーブル絶縁体6の一部と、外部半導電層7の一部と、遮蔽層8の一部が、それぞれ露出している。
ケース3は、断面円形の筒状に形成されている。ケース3の断面形状は、ケーブル2と同心円になっている。ケース3は、絶縁筒15の外側(外周側)に取り付けられている。ケーブル2の径方向において、絶縁筒15の傾斜面15aとこれに対向するケース3の内周面との間は空間になっている。上述した検知線引出部4は、このケース3の一部に設けられている。検知線引出部4の構成については後段で説明する。
検知線引出部4は、検知線取付金具25と、ケース3の開口部26と、シール部材45と、接続部材(後述)と、を備えている。検知線引出部4にはキャップ30が被せられている。
図2は本発明の実施形態に係る検知線取付金具の構成を示す断面図である。
検知線取付金具25は、金具本体27と、この金具本体27に装着された2つのコネクタ28と、を備えている。
図3は本発明の実施形態に係る検知線取付金具の金具本体の構成を示すもので、図中(A)は平面図、(B)は(A)におけるX軸上の断面図である。また、図4は図3(B)の右方向から金具本体を見たときの部分断面図である。
コネクタ28は、たとえば、レセプタクルによって構成されている。コネクタ28の頭部(本体)28aは、平面視円形に形成されている。コネクタ28の頭部28aには、図示しない複数の端子(ピン)が設けられている。これらの端子は、外部に露出する状態でコネクタ28の頭部28aに所定の配列で設けられている。また、コネクタ28は、各々の端子につながる複数のリード線40を有している。リード線40は、1個の端子につき1本ずつ接続されている。各々のリード線40は、突き合わせ接続子(又は重ね併せ接続子)35を用いて検知線11に接続されている。
図5は本発明の実施形態に係るシール部材の構成を示すもので、(A)は平面図、(B)は側断面図である。
図示のように、シール部材45は、Oリングによって構成されている。シール部材45は、金具本体27の溝36の部分に環状に巻かれた、いわゆる軸シールの状態で装着されるものである。シール部材45の内径は、金具本体27の外径よりも僅かに小さく設定されている。シール部材45の内径と金具本体27の外径の寸法差は、たとえば、0.2mmに設定することができる。シール部材45の外径は、シール部材45の太さ(Oリングの線径)によって決まる。シール部材45の太さは、たとえば2mm程度に設定することができる。また、シール部材45の内径は、溝36の形成部位の外径よりも僅かに(たとえば、0.1〜0.2mm程度)大きく設定されている。
図6は本発明の実施形態に係る接続部材の構成を示す断面図である。
図示のように、接続部材46は、プレスフィットプランジャによって構成されている。接続部材46は、それぞれ導電性を有する材料(たとえば、ステンレス鋼などの金属材料)からなる部材本体(プランジャ本体)47と、バネ48と、突子49と、を備えている。部材本体47は、円筒状に形成されている。バネ48は、圧縮コイルバネによって構成されている。バネ48は、圧縮された状態で部材本体47内に収容され、その圧縮による反力を受けて突子49が部材本体47の先端側に付勢されている。突子49は、球状に形成されている。突子49の一部は部材本体47内に収容され、突子49の他部は部材本体47の先端から突出した状態で配置されている。突子49は、部材本体47の開口縁にバネ48の押し付け力によって押し当てられている。また、突子49は、バネ48の押し付け力に抗して部材本体47の奥側に移動(押し込み)可能に設けられている。
図8は本発明の実施形態に係るケースの構成を示す半断面図である。この図はケーブルの中心軸方向と直交する方向からケースを見た状態示している。
ケース3は、先端側が後端側よりも大きく開口した円筒形に形成されている。ケース3を中心軸方向で区分すると、ケース3は、相対的に径が大きい大径部50aと、相対的に径が小さい小径部50cと、これら大径部50aと小径部50cとの間に位置する中間部50bと、を有している。ケース3の大径部50aの外周面には開口部26が形成されている。開口部26は、上述した検知線取付金具25を嵌合状態で取り付けるためのものである。開口部26は、上述した金具本体27の外形に対応して平面視円形に形成されている。開口部26は、ケース3の内部空間に通じている。
キャップ30は、ケース3の大径部50aに取り付けられている。キャップ30は、樹脂等を用いて、円筒状に形成されている。キャップ30は、検知線取付金具25を覆う(遮蔽)する状態でケース3に取り付けられている。
続いて、本発明の実施形態に係る断線検知機能付きケーブルの製造方法について説明する。ここでは、特に、検知線引出部4の組み立て方法について説明する。検知線引出部4を組み立てる工程は、ケーブル2の段剥き処理の後で、各部材(ケース3、導体接続端子14、絶縁筒15、留め金具18、保護金具19、プーリングアイ20、保護カバー21など)の取り付けをする前に行われる。
次に、本発明の実施形態に係る断線検知機能付きケーブルを用いて検知線の断線の有無を確認する場合の手順について説明する。
検知線11は、図示していない他端側では、遮蔽層8に電気的に接続されている。遮蔽層8は、図示していないが金属製のケース3に電気的に接続されている。
したがって、検知線11が断線していない場合、検知線11は、検知線11の一端から他端、さらには他端から遮蔽層8を通してケース3に電気的に接続されることになる。
しかし、検知線11が断線した場合、検知線11の表面にはエナメルなどの絶縁被覆があるため、検知線11の断線部分では遮蔽層8との電気的な接続がなく、その結果、検知線11とケース3とは電気的に接続されないことになる。
そこで具体的な検知線断線の検出方法としては、コネクター28の端子に図示しないテスターにつながるコネクターを接続し、テスターを用いて検知線11とケース3間の電気的な導通の有無を調べればよい。
本発明の実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果が得られる。
本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
(付記1)
断線検知のための検知線を有するケーブルと、
前記ケーブルの端末部分を囲むように配置される金属製のケースと、
前記ケースの一部に設けられた検知線引出部と、
を備え、
前記検知線引出部は、
前記検知線と電気的に接続される端子を有するコネクタが装着された検知線取付金具と、
前記検知線取付金具を嵌合状態で取り付けるために前記ケースに形成された開口部と、
前記検知線取付金具と前記開口部との嵌合部分を気密状態に保持するシール部材と、
前記検知線取付金具と前記ケースとを電気的に接続する接続部材と、
を備え、
前記シール部材は、前記検知線取付金具の外周面に環状に巻かれ、前記嵌合部分で前記検知線取付金具の外周面と前記開口部の内周面との隙間に挟まれている
断線検知機能付きケーブル。
(付記2)
前記検知線取付金具は、平面視円形に形成されている
付記1に記載の断線検知機能付きケーブル。
(付記3)
前記シール部材は、Oリングによって構成されている
付記1または2に記載の断線検知機能付きケーブル。
(付記4)
前記接続部材は、プレスフィットプランジャによって構成されている
付記1〜3のいずれか1つに記載の断線検知機能付きケーブル。
(付記5)
前記プレスフィットプランジャは、プランジャ本体の先端から突出する突子を有し、
前記ケースの前記開口部の内周面には、前記突子と対向する位置に凹部が形成され、
前記凹部に前記突子が嵌り込んでいる
付記4に記載の断線検知機能付きケーブル。
(付記6)
前記コネクタは、レセプタクルによって構成され、
前記検知線取付金具には、前記レセプタクルを収容する収容部が形成されている
付記1〜5のいずれか1つに記載の断線検知機能付きケーブル。
(付記7)
前記ケースは、円筒形に形成され、
前記検知線取付金具には、前記コネクタが2つ並んで装着され、
前記ケースの前記開口部に前記検知線取付金具を取り付けた状態では、前記2つのコネクタが前記ケースの円周方向に並んで配置されている
付記1〜6のいずれか1つに記載の断線検知機能付きケーブル。
(付記8)
前記検知線取付金具の上面には、2つの非貫通孔が形成されている
付記1〜7のいずれか1つに記載の断線検知機能付きケーブル。
(付記9)
前記検知線取付金具の上面は、前記ケースの外周面と同一面をなすように曲面に形成されている
付記1〜8のいずれか1つに記載の断線検知機能付きケーブル。
(付記10)
前記ケーブルは、外部半導電層と、前記外部半導電層を覆う遮蔽層と、前記遮蔽層を覆うシースと、を有し、
前記検知線は、前記遮蔽層を構成する金属素線に隣接する状態で前記ケーブルに組み込まれている
付記1〜9のいずれか1つに記載の断線検知機能付きケーブル。
2…ケーブル
3…ケース
4…検知線引出部
7…外部半導電層
8…遮蔽層
9…シース
11…検知線
25…検知線取付金具
26…開口部
28…コネクタ
32…非貫通孔
44…凹部
45…シール部材
46…接続部材
49…突子
Claims (4)
- 断線検知のための検知線を有するケーブルと、
前記ケーブルの端末部分を囲むように配置される金属製のケースと、
前記ケースの一部に設けられた検知線引出部と、
を備え、
前記検知線引出部は、
前記検知線と電気的に接続される端子を有するコネクタが装着された検知線取付金具と、
前記検知線取付金具を嵌合状態で取り付けるために前記ケースに形成された開口部と、
前記検知線取付金具と前記開口部との嵌合部分を気密状態に保持するシール部材と、
前記検知線取付金具と前記ケースとを電気的に接続する接続部材と、
を備え、
前記シール部材は、前記検知線取付金具の外周面に環状に巻かれ、前記嵌合部分で前記検知線取付金具の外周面と前記開口部の内周面との隙間に挟まれている
断線検知機能付きケーブル。 - 前記接続部材は、プレスフィットプランジャによって構成されている
請求項1に記載の断線検知機能付きケーブル。 - 前記プレスフィットプランジャは、プランジャ本体の先端から突出する突子を有し、
前記ケースの前記開口部の内周面には、前記突子と対向する位置に凹部が形成され、
前記凹部に前記突子が嵌り込んでいる
請求項2に記載の断線検知機能付きケーブル。 - 前記検知線取付金具の上面には、2つの非貫通孔が形成されている
請求項1〜3のいずれか1つに記載の断線検知機能付きケーブル。
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2016
- 2016-02-22 JP JP2016030874A patent/JP6575039B2/ja active Active
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