以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
図1は、本発明の実施形態に係るタッチ検出装置の主要構成の一例を示す模式図である。タッチ検出装置は、検出部50、駆動ドライバ60、セレクタ70、A/D変換部80、演算処理回路90等を備える。
検出部50は、タッチ操作を検出する。具体的には、検出部50は、被検体(例えば、ヒトの指等)の接触を検出するための二次元(例えば、平面)の検出領域内に配置されたタッチ検出電極E2として機能する。本実施形態の検出部50は、自己静電容量方式でタッチ操作を検出する。
以下、図2〜図4を参照して、自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理について説明する。図2は、自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、指が接触または近接していない状態を表す説明図である。図3は、自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、指が接触または近接した状態を表す説明図である。図4は、駆動信号及びタッチ検出信号の波形の一例を表す図である。なお、図2及び図3に示す回路部55は、実際にはセレクタ70を介して検出部50と接続された構成であり、例えば、A/D変換部80の機能として設けられる。
図2に示すように、指が接触または近接していない状態において、タッチ検出電極E2に所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波Sgが印加される。タッチ検出電極E2は、静電容量C3を有しており、静電容量C3に応じた電流が流れる。電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流の変動を電圧の変動(実線の波形V4(図4参照))に変換する。
次に、図3に示すように、指が接触または近接した状態において、指とタッチ検出との間の静電容量C4が、タッチ検出電極E2の静電容量C3に加わる。したがって、タッチ検出電極E2に交流矩形波Sgが印加されると、静電容量C3及びC4に応じた電流が流れる。図4に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流の変動を電圧の変動(点線の波形V5)に変換する。そして、得られた波形V4及び波形V5の電圧値をそれぞれ積分し、これらの値を比較することで、タッチ検出電極E2への、指の接触または近接の有無を判別することができる。なお、図4では、波形V2と波形V3について、所定の基準電圧に低下するまでの期間を求めて、これらの期間を比較する等の方法であってもよい。
具体的には、図2及び図3に示すように、タッチ検出電極E2はスイッチSW1及びスイッチSW2で切り離すことが可能な構成となっている。図4において、時刻T01のタイミングで交流矩形波Sgは電圧V0に相当する電圧レベルを上昇させる。このときスイッチSW1はオンしておりスイッチSW2はオフしている。このためタッチ検出電極E2も電圧V0の電圧上昇となる。次に時刻T11のタイミングの前にスイッチSW1をオフとする。このときタッチ検出電極E2はフローティング状態であるが、タッチ検出電極E2の容量C3(図2参照)、あるいはタッチ検出電極E2の容量C3に指等の接触または近接よる容量C4を加えた容量(C3+C4、図3参照)によって、タッチ検出電極E2の電位はV0が維持される。更に、時刻T11のタイミングの前にスイッチSW3をオンさせ所定の時間経過後にオフさせ電圧検出器DETをリセットさせる。このリセット動作により出力電圧はVrefと略等しい電圧となる。
続いて、時刻T11のタイミングでスイッチSW2をオンさせると、電圧検出器DETの反転入力部がタッチ検出電極E2の電圧V0となり、その後、タッチ検出電極E2の容量C3(またはC3+C4)と電圧検出器DET内の容量C5の時定数に従って電圧検出器DETの反転入力部は基準電圧Vrefまで低下する。このとき、タッチ検出電極E2の容量C3(またはC3+C4)に蓄積されていた電荷が電圧検出器DET内の容量C5に移動するため、電圧検出器DETの出力(Vdet2)が上昇する。電圧検出器DETの出力(Vdet2)は、タッチ検出電極E2に指等が近接していないときは、実線で示す波形V4となり、Vdet2=C3・V0/C5となる。指等の影響による容量が付加されたときは、点線で示す波形V5となり、Vdet2=(C3+C4)・V0/C5となる。その後、タッチ検出電極E2の容量C3(またはC3+C4)の電荷が容量C5に十分移動した後の時刻T31のタイミングでスイッチSW2をオフさせ、スイッチSW1及びスイッチSW3をオンさせることにより、タッチ検出電極E2の電位を交流矩形波Sgと同電位のローレベルにするとともに電圧検出器DETをリセットさせる。なお、このとき、スイッチSW1をオンさせるタイミングは、スイッチSW2をオフさせた後、時刻T02以前であればいずれのタイミングでもよい。また、電圧検出器DETをリセットさせるタイミングは、スイッチSW2をオフさせた後、時刻T12以前であればいずれのタイミングとしてもよい。以上の動作を所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)で繰り返す。波形V4と波形V5との差分の絶対値|ΔV|に基づいて、外部近接物体の有無(タッチの有無)を測定することができる。なお、タッチ検出電極E2の電位は、図4に示すように、指等が近接していないときはV2の波形となり、指等の影響によるC4が付加されるときはV3の波形となる。波形V2と波形V3とが、それぞれ所定の電圧VTHまで下がる時間を測定することにより外部近接物体の有無(タッチの有無)を測定することも可能である。
図5は、図1に示すタッチ検出装置の積層構造の一例を示す模式図である。図5に示すように、タッチ検出装置は、例えば、基板105上に薄膜トランジスタ(TFT)層110、シールド電極層120、タッチ検出電極層130が積層されている積層構造を有する。TFT層110には後述するn型スイッチN1、p型スイッチP1等が形成されている(図9参照)。シールド電極層120には、タッチ検出電極層130とTFT層110との間でのノイズの電波を抑制するシールド電極(例えば面状電極)が形成されている。タッチ検出電極層130には、直交する二方向(例えば、x方向及びy方向)に沿ってマトリクス状に配置された複数のタッチ検出電極E2が形成されている。図示しないが、TFT層110とタッチ検出電極層130に形成されたタッチ検出電極E2とはシールド電極層120に設けられた接続部を介して接続されている。当該接続部は、例えばシールド電極層120に設けられたコンタクトホール内に形成される。基板105は、例えばガラス基板である。シールド電極層120及びタッチ検出電極層130は、例えば酸化インジウムスズ(ITO:Indium Tin Oxide)を素材とする。これらの各構成の具体的な構成及び態様は、適宜変更可能である。
本実施形態のタッチ検出装置には、x方向×y方向について、m×qの検出部50がマトリクス状に設けられている。m,qはともに2以上の整数である。このように、タッチ検出装置は、少なくとも一方向(例えば、x方向及びy方向の二方向)に沿って並び、各々が個別にタッチ操作を検出する3以上の検出部50を備える。また、x方向に並ぶ検出部50の各々の位置を示すx1,x2,…,xmの座標を付して説明することがある。また、y方向に並ぶ検出部50の各々の位置を示すy1,y2,…,yqの座標を付して説明することがある。
また、m×qの検出部50が位置することでタッチ検出が可能な領域を検出領域と記載することがある。例えば、タッチ検出電極層130のさらに上層に積層された誘電体によって覆われた検出面が検出領域として機能する。タッチ検出装置は、係る検出領域に対して被検体(例えば、ヒトの指等)によるタッチ操作が行われた場合、係るタッチ操作を検出する。誘電体の厚みは適宜変更可能である。例えば、タッチ検出装置のTFT層110が、当該タッチ検出装置が設けられた表示デバイスのTFT層と同一層に形成されている場合、当該表示デバイスの筐体に設けられたタッチ検出面とTFT層との間の距離に応じた厚みの誘電体が設けられることになる。一般的に、係る誘電体は、厚みがより薄いほどタッチ検出の感度が高くなる。
タッチ検出装置は、走査線G1,G2,…,Gq、信号線H1,H2,…,Hm及び定電位線c0を有する。走査線G1,G2,…,Gqは、x方向に沿って設けられた配線であり、駆動ドライバ60とx方向に並ぶ複数の検出部50とを接続する。走査線G1,G2,…,Gqは、複数であり、y方向に沿って配置された検出部50の数に応じて設けられる。交流矩形波Sgは、検出部50の駆動信号として駆動ドライバ60からタッチ検出電極E2に出力される。信号線H1,H2,…,Hmは、y方向に沿って設けられた配線であり、検出部50とセレクタ70とを接続する。検出部50の出力(Vdet2)は、信号線H1,H2,…,Hmを介してセレクタ70に伝送される。定電位線c0は、基準電位として機能する所定の定電位を与える。
駆動ドライバ60は、検出部50を駆動する。具体的には、駆動ドライバは、例えば、所謂シフトレジスタが内蔵された信号出力回路である。駆動ドライバ60は、外部からのクロック信号に基づいて、所定周期で駆動信号を出力する対象となる走査線G1,G2,…,Gqをシフトさせながら駆動信号を出力する。駆動信号に応じて同一タイミングで動作する検出部50の組み合わせは、駆動ドライバ60が駆動信号を出力する走査線G1,G2,…,Gqのシフトパターンに応じる。
図6は、同一タイミングで動作する検出部50の時系列に沿った遷移例を示す図である。また、図6では、駆動されている検出部50の行に網掛けを施している。本実施形態では、駆動ドライバ60は、y方向に連続して並ぶ3つの走査線(例えば、走査線G1,G2,G3)に同一タイミングで駆動信号を出力する。これによって、3行分の検出部50が同一タイミングで動作する。また、駆動ドライバ60は、駆動信号を出力する対象となる走査線をy方向に1つずつ所定周期でずらす。より具体的には、駆動ドライバ60は、例えば、直前のタイミングにおいて駆動信号が出力されていた3つの走査線G1,G2,G3のうちy方向について一端側(例えば、図6における上側)に位置する走査線G1への駆動信号の出力を停止し、残る2つの走査線G2,G3及び当該3つの走査線の他端側(例えば、図6における下側)に位置する1つの走査線G4への駆動信号の出力を行う。これによって、同一タイミングで動作する検出部50の行の座標が(y1,y2,y3)から、(y2,y3,y4)に1行シフトする。同様の仕組みで、駆動ドライバ60は、駆動信号の出力対象を走査線G2,G3,G4から走査線G3,G4,G5にシフトさせる。これによって、同一タイミングで動作する検出部50の行の座標が(y2,y3,y4)から、(y3,y4,y5)に1行シフトする。係る検出部50の3行同時駆動及び1行シフトによって、所定周期で検出部50の行が1つずつシフトした3行分の検出部50の統合出力が得られることになる。
図7は、3行同時駆動及び1行シフトの模式的な説明図である。図7では3列分の検出部を同時に駆動し(3束ね)、1列ずつ駆動する電極をシフト(1ずらし)することで3列分の解像度で画像データを取得する。第1列から第3列の同時駆動により得られた検出データと第4列から第6列の同時駆動により得られた検出データと第7列から第9列の同時駆動により得られた検出データの結果を用いて第1低解像度フレームデータを取得する。第2列から第4列の同時駆動により得られた検出データと第5列から第7列の同時駆動により得られた検出データと第8列から第10列の同時駆動により得られた検出データの結果を用いて第2低解像度フレームデータを取得する。第3列から第5列の同時駆動により得られた検出データと第6列から第8列の同時駆動により得られた検出データと第9列から第11列の同時駆動により得られた検出データの結果を用いて第2低解像度フレームデータを取得する。このようにして、連続する9列で構成され、1列ずつずれた低解像度を複数取得する。このように、1行シフトによる束ねずらしを繰り返すことで、束ねられる行数に対応するパターン数(例えば、3行同時駆動の場合、3パターン)の統合出力データ、すなわち、低解像度フレームデータを生成することができる。図7では、1行シフトを連続して行う場合の低解像度フレームデータの生成例を示しているが、これは一例であって適宜変更可能である。例えば、3行シフトを実施することで、図7の上段(0Line)の低解像度フレームデータを生成した後に、3行シフトの開始ラインを1行シフトさせて図7の中段(1Line)の低解像度フレームデータを生成し、さらにその後に3行シフトの開始ラインを1行シフトさせて図7の下段(2Line)の低解像度フレームデータを生成するようにしてもよい。また、同一タイミングで駆動する走査線は3つに限定されるものではなく2つ以上の複数の走査線でもいい。このようにして得られた複数の低解像度フレームデータを式(1)による超解像処理により解像度1列分の高解像のデータを生成する。
駆動ドライバ60には、同期信号(CKV)、スタートパルス(STARTP)、リセットパルス(RESETP)をそれぞれ入力するための伝送路が設けられている。駆動ドライバ60は、スタートパルスの入力タイミングに応じて動作を開始し、同期信号が刻む周期(クロック)に従って駆動信号を出力する対象となる走査線G1,G2,…,Gqをシフトさせる。リセットパルスが入力されると、駆動ドライバ60は、シフトレジスタが動作開始前の初期状態に戻る。本実施形態では、同期信号(CKV)、スタートパルス(STARTP)、リセットパルス(RESETP)を出力する専用の制御回路65が設けられているが、制御回路65の機能をどの構成が有するかについては適宜変更可能である。例えば、制御回路65の機能は、演算処理回路90の一機能であってもよい。
図8は、セレクタ70の模式図である。セレクタ70は、入力側に接続された複数の信号線のうちいずれか一つ以上の信号線を介して出力される電圧検出器DETの出力(Vdet2)を統合する機能を有する。具体的には、セレクタ70には、例えば、x方向に並ぶ3つの検出部50のそれぞれに接続された信号線がスイッチを介して入力側に接続されている連結部D1,D2,…,Drが複数設けられている。連結部D1,D2,…,Drは、出力側が単一系統となっており、入力側から得られた信号を統合して1つの信号として出力する。本実施形態のセレクタ70は、入力側の配線数が信号線H1,H2,…,Hmの数(m)と同一であり、出力側の配線数が連結部D1,D2,…,Drの数(r)と同一である。すなわち、3つの信号線毎に1つの連結部が設けられることで、セレクタ70は、x方向について3つ分までの検出部50の出力(Vdet2)を統合し、統合出力として出力側の各々の配線から出力する。
図9は、1つの連結部の入出力関係の回路構成の一例を示す模式図である。図9に示すように、連結部D1には開閉信号線ASW1,ASW2,ASW3が接続されている。連結部D1は、開閉信号線ASW1,ASW2,ASW3に対する信号の有無(ON/OFF)に応じて信号線H1,H2,H3との間の接続状態を切り替える。
具体的には、検出部50は、走査線(例えば、図9に示す走査線G1,G2)に駆動信号が出力されている(ハイである)場合に検出部50と信号線(例えば、図9に示す信号線H1,H2,H3)とを接続するn型スイッチN1を介して係る信号線と接続されている。また、検出部50は、(例えば、図9に示す走査線G1,G2)に駆動信号が出力されていない(ロウである)場合に検出部50と定電位線c0とを接続するp型スイッチP1を介して定電位線c0と接続されている。図9では、左上の1つの検出部50のn型スイッチN1及びp型スイッチP1にのみ符号を付しているが、図9に示すように、他の検出部50も同様の構成を備えている。なお、信号線H1,H2,…と検出部50との接続関係について、図9以外の図ではp型スイッチP1の図示を省略している。
走査線がロウである行の検出部50は、信号線H1,H2,…と非接続状態であり、定電位線c0と接続状態である。この場合、検出部50の電位は、定電位線c0の電位に固定される。走査線がハイである行の検出部50は、信号線H1,H2,…と接続状態であり、定電位線c0と非接続状態である。この場合、検出部50によるタッチ検出の出力が連結部D(例えば、図9に示す連結部D1)に伝送可能な状態になる。図2〜図4を参照して説明したタッチ検出の出力は、この接続状態になった場合に伝送される。検出部50の各々の出力が連結部から出力されるか否かは、開閉信号線ASW1,ASW2,ASW3に対する信号の有無(ON/OFF)に応じる。
連結部D1は、信号線H1,H2,…に個別に接続されたn型スイッチN2及びp型スイッチP2の組S1〜S3を有する。図9では、連結部D1が有するn型スイッチN2及びp型スイッチP2の組のうち左側の1組S1を構成するn型スイッチN2及びp型スイッチP2にのみ符号を付しているが、他の組S2,S3の構成も同様である。1つの開閉部が有するn型スイッチN2及びp型スイッチP2の組S1〜S3はそれぞれ異なる開閉信号線と接続関係を有する。図9では、左側の信号線H1に接続されたn型スイッチN2及びp型スイッチP2の組S1の動作が開閉信号線ASW1に対する信号の有無(ON/OFF)に応じ、中央の信号線H2に接続されたn型スイッチN2及びp型スイッチP2の組S2の動作が開閉信号線ASW2に対する信号の有無(ON/OFF)に応じ、右側の信号線H3に接続されたn型スイッチN2及びp型スイッチP2の組S3の動作が開閉信号線ASW3に対する信号の有無(ON/OFF)に応じる。図8に示す他の連結部D2,…,Drについても同様に、それぞれ異なる開閉信号線に対する信号の有無(ON/OFF)に応じて動作する複数(例えば、3つ)のn型スイッチN2及びp型スイッチP2の組を有し、各組が個別の信号線と接続されている。
連結部D1が有するn型スイッチN2及びp型スイッチP2の組S1〜S3のうち、n型スイッチN2は、接続関係を有する開閉信号線に対する信号の出力がある場合(ON)、連結部D1の出力と当該n型スイッチN2及びp型スイッチP2の組が接続されている信号線とを接続する。すなわち、この場合に検出部50の出力が信号線及び連結部D1を介して伝送されることになる。連結部D1が有するn型スイッチN2及びp型スイッチP2の組S1〜S3のうち、p型スイッチP2は、接続関係を有する開閉信号線に対する信号の出力がない場合(OFF)、定電位線c0と信号線とを接続する。この場合、当該信号線と接続されている検出部50の出力は伝送されない。
図9では、連結部D1を例としているが、他の連結部D2,…,Drも同様の仕組みである。本実施形態では、連結部D1,D2,…,Drは、開閉信号線ASW1,ASW2,ASW3を共有し、同一タイミングで連動するが、連結部D1,D2,…,Drは個別に制御されてもよい。なお、図9に示す回路はあくまで一例であってこれに限定されるものでなく、適宜変更可能である。
制御回路65は、開閉信号線ASW1,ASW2,ASW3への信号の出力を行う。すなわち、本実施形態では、制御回路65が連結部D1,D2,…,Drを制御する。より具体的には、制御回路65は、駆動ドライバ60に対する同期信号(CKV)、スタートパルス(STARTP)の出力タイミング及び開閉信号線ASW1,ASW2,ASW3への信号の出力タイミングを制御することで、駆動ドライバ60の動作タイミング及びセレクタ70の連結部D1,D2,…,Drの動作タイミングを制御している。
図10、図11は、セレクタ70による、検出部50の出力の統合パターンの一例を示す図である。図8〜図11に示す例の場合、連結部D1にはx1,x2,x3の座標に位置する検出部50が接続されている。連結部D2にはx4,x5,x6の座標に位置する検出部50が接続されている。以降、x方向について同様の構成が連続して設けられており、連結部Drにはx(m−2),x(m−1),xmの座標に位置する検出部50が接続されている。
図8に示すように個々の連結部D1,D2,…,Drが全ての接続線と接続されている状態とすることで、連結部D1からx1,x2,x3の座標に位置する検出部50を1つの組として扱った出力を得ることができる。同様に、連結部D2からx4,x5,x6の座標に位置する検出部50を1つの組として扱った出力を得ることができる。また、連結部rからx(m−2),x(m−1),xmの座標に位置する検出部50を1つの組として扱った出力を得ることができる。
セレクタ70は、複数の連結部D1,D2,…,Drの出力を組み合わせることで、x方向に並ぶ検出部50のうち1つの組として扱う検出部50の選択を任意に決定することができる。例えば、x1,x2,x3の座標に位置する検出部50を1つの組として扱う場合、図9に示す開閉信号線ASW1,ASW2,ASW3の全てをONにして、1つの連結部D1に接続されている検出部50の出力を組み合わせればよい。また、x2,x3,x4の座標に位置する検出部50を1つの組として扱う場合、図10に示すように、連結部D1がx2,x3の座標に位置する検出部50と接続されている状態の出力と、連結部D2がx4の座標に位置する検出部50と接続されている状態の出力とを組み合わせればよい。この場合、開閉信号線ASW2,ASW3をONにし、開閉信号線ASW1をOFFにしてx2,x3の座標に位置する検出部50と接続されている状態の出力を連結部D1から得る工程と、開閉信号線ASW2,ASW3をOFFにし、開閉信号線ASW1をONにしてx4の座標に位置する検出部50と接続されている状態の出力を連結部D2から得る工程とを実施すればよい。また、x3,x4,x5の座標に位置する検出部50を1つの組として扱う場合、図11に示すように、連結部D1がx3の座標に位置する検出部50と接続されている状態の出力と、連結部D2がx4,x5の座標に位置する検出部50と接続されている状態の出力とを組み合わせればよい。この場合、開閉信号線ASW3をONにし、開閉信号線ASW1,ASW2をOFFにしてx3の座標に位置する検出部50と接続されている状態の出力を連結部D1から得る工程と、開閉信号線ASW3をOFFにし、開閉信号線ASW1,ASW2をONにしてx4,x5の座標に位置する検出部50と接続されている状態の出力を連結部D2から得る工程とを実施すればよい。このように、開閉信号線ASW,ASW2,ASW3に対する信号の有無(ON/OFF)に応じて各開閉部で出力が有効になる検出部50の組み合わせパターンを変化させることによって、x1,x2,x3の座標に位置する検出部50を1つの組として扱うか、x2,x3,x4の座標に位置する検出部50を1つの組として扱うか、x3,x4,x5の座標に位置する検出部50を1つの組として扱うかを切り替えることができる。ここでは、連結部D1,D2を例として説明したが、隣接する連結部同士で同様の接続状態の切替えを行うことで、x方向に連続して並ぶ複数(例えば、3つ)の検出部50の出力を任意に組み合わせることができる。また、ここで例示した検出部50の組はあくまで一例であってこれに限られるものでなく、適宜変更可能である。
図12は、駆動信号が出力される走査線とセレクタ70の接続との関係の一例を示す図である。例えば、連結部D1からx1,x2,x3の座標に位置する検出部50を1つの組として扱った出力が得られる状態で、走査線G1,G2,G3に駆動信号が出力されることで、x方向についてx1,x2,x3の座標に位置し、かつ、y方向についてy1,y2,y3の座標に位置する計9つの検出部50を1つの組として扱い、当該1つの組に含まれる検出部50の出力(Vdet2)を統合して扱うことができる。また、x1,x2,x3の座標に位置する検出部50を1つの組として扱った出力が得られる状態で、走査線G2,G3,G4に駆動信号が出力されることで、x方向についてx1,x2,x3の座標に位置し、かつ、y方向についてy2,y3,y4の座標に位置する計9つの検出部50を1つの組として扱うことができる。走査線G4以降さらに設けられた走査線G5,…,Gqと出力との関係についても同様である。このように、同一タイミングで駆動信号が出力される走査線G1,G2,…,Gqの組み合わせによって、1つの組として扱う検出部50の組み合わせをy方向について任意に決定することができる。すなわち、セレクタ70による検出部50の組み合わせ(図8〜図11参照)及び同一タイミングで駆動信号が出力される走査線G1,G2,…,Gqの組み合わせ(図12参照)によって、1つの組として扱う検出部50の選択をxy方向について任意に決定することができる。よって、駆動ドライバ60とセレクタ70は、出力が統合される検出部50の組み合わせを二方向について個別に切り替え可能な選択部として機能する。
なお、駆動信号の出力対象となる走査線G1,G2,…,Gqの切替タイミングと、連結部D1,D2,…,Drと信号線H1,H2,…,Hmとの間の開閉を切り替えるスイッチの切替タイミングとの関係は任意である。例えば、駆動信号の出力対象となる走査線G1,G2,…,Gqの組み合わせが維持された状態でスイッチの切替が行われるようにしてもよい。この場合、例えば、走査線G1,G2,G3への駆動信号の出力が維持された状態で、x方向について1組として扱われる検出部50の組み合わせの切替が順次行われる。具体的には、連結部D1,D2に注目すると、x1〜x6の座標に位置する全ての検出部50と接続される工程、連結部D1とx2,x3の座標に位置する検出部50とが接続され、連結部D2とx4の座標に位置する検出部50とが接続される工程、連結部D1とx3の座標に位置する検出部50とが接続され、連結部D2とx4,5の座標に位置する検出部50とが接続される工程、…、のように、切替が順次行われる。逆に、連結部D1,D2,…,Drと信号線H1,H2,…,Hmとを接続するスイッチの状態が維持された状態で、駆動信号の出力対象となる走査線を走査線G1,G2,G3から走査線G2,G3,G4にする等、y方向について1組として扱われる検出部50の組み合わせの切替が順次行われるようにしてもよい。
図13〜図15は、1つの組として扱う検出部50の選択パターンの例を示す図である。本実施形態では、x方向×y方向について、3×3の検出部50を1つの組として扱っているが、1つの組として扱う検出部50のxy方向の数及び総数は任意である。図13等では便宜的に、1つの実線の矩形を1つの組とし、各組内で破線により区切られた矩形を1つの検出部50として図示している。また、図13〜図15では、x方向の座標とy方向の座標をそれぞれ番号のみで示している。
図13〜図15に示す例の場合、例えば、(x3,y3)の検出部50を含む選択パターンについて注目すると、計9つの選択パターンがある。具体的には、1つの組として扱われる検出部50のx方向の座標とy方向の座標の組み合わせであって、かつ、(x3,y3)の検出部50を含む選択パターンは、(x1,x2,x3)−(y1,y2,y3)のパターンP0、(x2,x3,x4)−(y1,y2,y3)のパターンP1、(x3,x4,x5)−(y1,y2,y3)のパターンP2(図13参照)、(x1,x2,x3)−(y2,y3,y4)のパターンP3、(x2,x3,x4)−(y2,y3,y4)のパターンP4、(x3,x4,x5)−(y2,y3,y4)のパターンP5(図14参照)、(x1,x2,x3)−(y3,y4,y5)のパターンP6、(x2,x3,x4)−(y3,y4,y5)のパターンP7、(x3,x4,x5)−(y3,y4,y5)のパターンP8(図15参照)の計9つである。このように、本実施形態では1つの検出部50が含まれる9つの選択パターンが採用されているが、選択パターン数は1つの組として扱う検出部50のxy方向の数及び総数から導出されるパターンの総数の範囲内で適宜変更可能である。
検出領域において組として扱われることで統合される出力は、検出領域において当該組に含まれる検出部50が配置されている部分領域における検出結果を示すと考えることができる。ここで、図13を参照して説明したように、組分けにおいて1つの検出部50が含まれる複数(例えば、9つ)の選択パターンを採用することで、検出領域内における部分領域の位置がそれぞれ異なる複数(例えば、9つ)の出力データを得ることができる。なお、1つの統合出力とは、1つの組の検出部50の出力を統合した出力をさす。出力データとは、検出領域に配置された全ての検出部50の出力を組ごとに統合し、統合された出力データを組み合わせることで得られた検出領域全体をカバーした出力をさす。すなわち、複数パターンの出力データの生成に係り出力が統合される検出部50の組み合わせは出力データ毎に異なる。また、出力が統合される複数の検出部50の配置は、異なる2つの出力データで所定のずれ量だけずれている。ここで、所定のずれ量は、検出部50の並び方向(x方向又はy方向)について、1組に含まれる複数の検出部50が位置する範囲の幅よりも小さい。例えば、本実施形態では、x方向×y方向について、3×3の検出部50を1つの組として扱っている。よって、組に含まれる検出部50の数は、x方向及びy方向についてそれぞれ3である。一方、9つの選択パターンにおいて生じ得る検出部50のずれ量、すなわち、組として扱われる検出部50の配置のずれ量は、x方向、y方向とも、最大で2つ分である。このように、係るずれ量(1〜2)の幅は、1組として扱われる検出部50の並び数(5)が位置する範囲の幅より小さい。
統合出力は、複数(例えば、3×3=9)の検出部50の出力が統合されたデータである。このため、出力データは、各々の検出部50の出力を個別に取り扱った場合に比して粗いデータになっている。すなわち、出力データは、検出部50の数に対応する検出能力(解像度)よりも低解像度になっている。
駆動ドライバ60及びセレクタ70は、例えば、TFT層110に直接実装された回路であるが、これは駆動ドライバ60及びセレクタ70の具体的構成の一例であってこれに限られるものでない。駆動ドライバ60及びセレクタ70の少なくとも一方は、ドライバICとして設けられて基板105に積層された配線に取り付けられてもよい。
A/D変換部80は、セレクタ70からの出力であるアナログデータをデジタルデータに変換して演算処理回路90に出力する。
演算処理回路90は、複数(例えば、9つ)の出力データを用いて個々の検出部50の検出結果を導出する。すなわち、演算処理回路90は、導出された個々の検出部50の検出結果を組み合わせて検出領域全体におけるタッチ検出結果を再構成する。係る再構成を経たタッチ検出結果の解像度は、検出部50の数に対応する解像度である。
A/D変換部80及び演算処理回路90は、例えば、基板105に積層された配線に取り付けられたフレキシブルプリント基板85に取り付けられたドライバICであるが、これはA/D変換部80及び演算処理回路90の機能を担う構成の具体例であってこれに限られるものでない。A/D変換部80及び演算処理回路90は、例えば基板105上に積層された配線に取り付けられてもよい。また、A/D変換部80及び演算処理回路90の機能の一部又は全部は、セレクタ70の出力側に接続されたフレキシブルプリント基板85等の配線を介して接続された外部の回路(例えば、GPU等)の機能であってもよい。この場合、タッチ検出装置にはA/D変換部80及び演算処理回路90が実装されず、セレクタ70を出力末端とする構成になる。そして、タッチ検出装置と当該外部の回路とによってタッチ検出システムが構成される。
図16は、演算処理回路90の機能構成の一例を示すブロック図である。演算処理回路90は、例えば、生成部91、算出部92及び決定部93として機能する。
生成部91は、検出部50の出力に基づいて検出部50の数に対応する解像度よりも低解像度の出力データを複数パターン生成する生成処理を行う。具体的には、生成部91は、連結部D1,D2,…,Drの出力を組み合わせて検出領域全体に対応する出力データを生成する。より具体的には、生成部91は、1つの連結部の出力が1つの組に対応する場合はそのまま連結部D1,D2,…,Drがそれぞれ出力する統合出力に対応するデジタルデータを組み合わせて出力データを生成する。また、生成部91は、1つの連結部の出力が1つの組に対応しない場合(図10、図11参照)、複数の連結部の統合出力(例えば、連結部D1,D2の出力等)に対応するデジタルデータを組み合わせて各組に対応する統合出力のデジタルデータ(統合出力データ)を得、係る統合出力データを組み合わせて出力データを生成する。
図17は、生成部91による統合出力のイメージ図である。仮に、12×12の検出部50が配置された検出領域において検出される検出対象がイメージJ1のようである場合、12×12の各々の検出結果は、「検出結果(高解像度)」のイメージJ2で示す実線及び破線によって区分けされた12×12の矩形領域の各々であるといえる。イメージJ2では、分かりやすさを重視して3×3の検出部50に対応する領域を実線で示し、3×3の検出部に対応する領域をさらに区分けする線を破線で示している。生成部91は、係るイメージJ2のような検出部50の各々の検出結果を統合して、低解像度イメージとしてパターンP0〜P8に対応する出力データを生成する。低解像度イメージは、連結部D1,D2,…,Drによる統合出力に基づいており、1つずつの検出部50による検出結果が個別に保持されていないことから、3×3の検出部50が統合された領域の検出結果が1つの出力によって表されることになる。図17では、低解像度イメージでも元の検出対象のイメージが保たれているが、実際には3×3の検出部50の出力が統合された平均値を示すデータになっている(図20、図21参照)。また、図17では、分かりやすさを重視して、9×9の検出領域ずつ生成するイメージを示している。このため、最左の低解像度イメージ(P0)と、最右の低解像度イメージ(P0´)で、重複している領域がある。具体的には、最右の低解像度イメージ(P0´)でより太い実線で囲っている領域が重複している領域である。このような重複している領域の生成は、同一タイミングの検出結果に基づいた統合出力イメージとしては実際には一度のみであり、重複した生成は省略される。異なるタイミングの検出結果に基づいていれば、再度生成されてもよい。なお、パターンP0´は、図13で示すパターンP0のバリエーションである。
図18は、図17に示す低解像度イメージの各々の領域の位置関係を模式的に示すイメージ図である。例えば、図7を参照して説明したように、3行シフトを実施することで、図7の上段(0Line)の低解像度フレームデータを生成した後に、3行シフトの開始ラインを1行シフトさせて図18の中段(1Line)の低解像度フレームデータを生成する処理を逐次行う場合を想定する。ここで、最初の低解像度フレームデータで図18に示すパターンP0の低解像度イメージ(y:0Line)が得られるとすると、次の低解像度フレームデータで図18に示すパターンP4の低解像度イメージ(y:+1Line)が得られ、さらに次の低解像度フレームデータで図18に示すパターンP8の低解像度イメージ(y:+2Line)が得られる。その次の低解像度フレームデータで図18に示すパターンP0´の低解像度イメージ(y:+3Line)が得られることになり、以後同様に、y方向に+1Lineずつされた低解像度イメージが得られる。なお、図18では、分かりやすさを重視して、x方向にも+1Lineした低解像度イメージを例示しているが、x方向のシフト量とy方向のシフト量とは同じである必要はなく、それぞれ独立して設定可能である。
本実施形態の生成部91は、一つの統合出力データの生成に係り、一つの組に含まれる検出部50の数よりも少ない数の検出部50が検出部50の並び方向の両端側で組に含まれずに余る場合、両端側の検出部50を組にする。すなわち、出力が統合される複数の検出部50を挟んで、出力が統合される検出部50の数に満たない検出部50が当該検出部50の並び方向の両端に位置する場合、当該両端の検出部50の出力が統合される。
具体的には、生成部91は、例えばパターンP1(図13参照)におけるx1,x(m−1),xmの座標に位置する検出部50のうち網掛けされている検出部50によって示すように、x方向の両端にそれぞれ位置する3行未満の検出部50を組み合わせて、1つの組として扱われる3列分の検出部50を選択する。パターンP4,P7(図14、図15参照)における相対的に薄い網掛けの検出部50についても同様である。パターンP2,P5,P8におけるx1,x2,ymの座標に位置する検出部50のうち相対的に薄い網掛けの検出部50についても同様である。また、生成部91は、例えばパターンP3(図14参照)におけるy1,y(q−1),yqの座標に位置する検出部50のうち網掛けされている検出部50によって示すように、y方向の両端にそれぞれ位置する3行未満の検出部50を組み合わせて、1つの組として扱われる3行分の検出部50を選択する。パターンP4,P5における相対的に薄い網掛けの検出部50についても同様である。パターンP6,P7,P8(図15参照)におけるy1,y2,yqの座標に位置する検出部50のうち相対的に薄い網掛けの検出部50についても同様である。また、生成部は、例えばパターンP4(図14参照)における(x1,x(m−1),xm)−(y1,y(q−1),yq)の座標に位置する検出部50のうち相対的に濃い網掛けがされている計9つの検出部50を組み合わせて、1つの組として扱われる3×3の検出部50を選択する。パターンP5,P7,P8における相対的に濃い網掛けの9つの検出部50についても同様である。これによって、検出領域の縁付近に位置する検出部50が含まれる組の数を、検出領域のより内側に位置する検出部50が含まれる組の数と同等にすることができる。このため、縁付近の検出部に係る統合出力データの減少を抑制することができることから、検出領域全体で精度をより高めることができる。
図13〜図15で網掛けによって示す組み合わせの例は、3×3の検出部50を1つの組として扱う場合の例である。生成部91は、1つの組として扱われる検出部50の数及び並びに応じて組み合わせる両端側の行列数を適宜決定する。
算出部92は、複数パターンの出力データに基づいて検出部50毎の検出結果を求めるための合成値を検出部50毎に算出する算出処理を行う。具体的には、算出部92は、以下の超解像処理計算式(式(1))に基づいて、検出部50の各々の検出結果の合成値を算出する。式(1)におけるNは、検出部50の数に対応する検出能力(解像度)よりも低解像度である出力データのパターン数を示す。本実施形態の場合、N=9である。また、kは、0,1,…,N−1の整数であり、出力データの各パターンに対応する(例えば、図13〜図15のパターンP0〜P8参照)。Ykは、パターンPkの出力データを示す。Xnは、式(1)をn回実行した結果得られた合成値である。なお、X0は、式(1)を実施する前の初期値をさす。βは、0より大きく、かつ、1より小さい値を取り(0<β<1)、βにかかる括弧{}内の計算値がXnを超えないように調整された計算ステップ係数である。Akは、データの劣化関数である(後述)。ATは、行列Aの転置行列を示す。仮に、行列Aが式(2)のような行列である場合、転置行列である行列ATは式(3)のようになる。αは、0より大きい任意の値(0<α)を取る重み付け係数である。なお、αは、N未満(α<N)であることが好ましい。E´(Xn)は、データの補正条件を表す関数であり、E(Xn)の導関数である。具体的には、例えば、出力データに基づいて得られる検出領域全体におけるタッチ検出結果の再構成に際して被検体の凸凹のエッジを強調する場合、E(X)は、以下の式(4)のようになる。式(4)におけるΓは、ラプラシアンフィルタを示し、例えばN=9の場合において以下の式(5)のように表される。係るエッジの強調のような補正が不要である場合、E(X)は、0であってよい。なお、導関数E´(X)の具体的な式は、例えば式(6),(7)で示す式のように表すことができる。なお、Xは画像データを示す。よって、Xは、2次元配列で表すのが一般的であるが、1次元配列に並べ替えることを前提としてもよい。この場合、計算を簡略化することができる。1次元配列に並べ替える場合、例えば、ラスタースキャン状に一方向(例えば、行方向)のデータ配列をXとして求め、求められた一方向単位のXを他方向(例えば、列方向)に連続して接続することで画像データを得られる。式(7)におけるiは、0,1,…,N−1の整数である。
図19は、各々の検出部50の出力を含む複数の統合出力データと、係る複数の統合出力データを束ねた値との関係を示す模式図である。図20は、図19における複数の統合出力データと係る複数の統合出力データを束ねた値との関係を視覚的に表した場合の模式的な例を示す図である。図21は、低解像度データの組み合わせによってより高解像度なデータを得る処理を模式的に示す図である。データの劣化関数(Ak)は、実データをシフトした低解像度フレームに変換する演算子を表す。具体的には、Akは、複数の統合出力データを束ねることによる平均化演算と、低解像化によるデータ間引きの演算とを複合した演算結果を示す。例えば図19では、A0,A1,…,A8の3×3=9の検出部50の組み合わせを1つの統合出力(A´)として扱っている。B0,B1,…,B8とB´の関係、C0,C1,…,C8とC´の関係についても同様であり、図19における他のアルファベット(D〜I)についても同様である。図19のように3×3の画素領域を1つの統合出力データとして扱う場合、図26の例で示すように、データの劣化関数(Ak)が示す低解像度フレームは、劣化前、すなわち統合前の検出部50の配列による解像度に対して、行方向に1/3、列方向に1/3になる。このような劣化関数(Ak)が示す低解像度フレームのデータを各パターン(例えば、図13〜14に示すパターンP1〜P8)毎に得られる。そして、1つの検出部50を統合出力に含む選択パターンに対応する低解像度フレームのデータの組み合わせによって当該1つの検出部50の検出結果が算出することができる。例えば、(x3,y3)の検出部50を含む選択パターンは、(x1,x2,x3)−(y1,y2,y3)のパターンP0、(x2,x3,x4)−(y1,y2,y3)のパターンP1、(x3,x4,x5)−(y1,y2,y3)のパターンP2(図13参照)、(x1,x2,x3)−(y2,y3,y4)のパターンP3、(x2,x3,x4)−(y2,y3,y4)のパターンP4、(x3,x4,x5)−(y2,y3,y4)のパターンP5(図14参照)、(x1,x2,x3)−(y3,y4,y5)のパターンP6、(x2,x3,x4)−(y3,y4,y5)のパターンP7、(x3,x4,x5)−(y3,y4,y5)のパターンP8(図15参照)の計9つであり、これらの各パターンの低解像度フレームのデータから(x3,y3)の検出部50の検出結果を算出することができる。例えば、図20で示すように、全てのパターンが最低の検出結果(検出無し)であるならば、これらのパターンの組み合わせによって求められる検出結果は最低の検出結果(検出無し)になる。逆に、全てのパターンが最高の検出結果であるならば、これらのパターンの組み合わせによって求められる検出結果は最高の検出結果になる。パターン毎に検出結果が異なる場合には、これらのパターンの組み合わせによって求められる検出結果は各パターンの検出結果を組み合わせ(例えば、平均化)した値になる。図20では、最低の検出結果を白で、最高の検出結果を黒で示し、その中間的な検出結果を灰色で示しているが、あくまで模式的な図示である。算出部92は、上記で説明した式(1)及びこれらの関連式で例示したアルゴリズムによって、図19〜図21を参照して説明した仕組みに基づいた算出処理を行う。
図22は、図17に示すイメージを用いた超解像処理の概略説明図である。算出部92は、上記の算出処理によって、図22に示すように、低解像度イメージとして機能するパターンP0〜P8の出力を組み合わせることで、より解像感が高い算出結果を導出する超解像処理を実現することができる。図22では、上段に示すパターンP0〜P8(P0´を含む)を組み合わせることで、下段に示す超解像度イメージのように解像感が高まることを示している。上段に示すパターンP0,P4,P8,P0´はそれぞれ対応する検出領域の位置が異なることから、下段に示すように、対応する領域がそれぞれ少しずつずれている。なお、図22ではパターンP0,P4,P8,P0´のみ例示しているが、実際には他のパターンP1〜P3,P5〜P7も超解像処理に用いられる。
図23は、図22に示す組み合わせの重なりの仕組みを示す説明図である。図24は、図23に示す全てのパターンの低解像度イメージが重なっている領域K1と一部のパターンの低解像度イメージが重なっていない領域K2とを区別して示す説明図である。超解像度処理では、図23に示すように、低解像度イメージの元になった統合出力データの出力座標に対応する位置で各パターン(例えば、パターンP0,P4,P8,P0´)の低解像度イメージを重ね合わせることで、複数のパターンの低解像度イメージが重なり合った領域の検出結果の精度をより高めることができることになる。ここで、パターンP0,P4,P8,P0´の低解像度イメージの重なりの有無に注目すると、図24に示すように、全てのパターンの低解像度イメージが重なり合っている領域K1と、一部のパターンの低解像度イメージが重なっていない領域K2とがあることになる。領域K1は、図24における斜線の領域である。領域K2は、図24における網掛けの領域である。仮に、パターンP0,P4,P8,P0´の低解像度イメージが超解像度処理で用いられる全ての低解像度イメージであると仮定すると、領域K1は十分な情報量を有するが、領域K2の情報量は不十分であることになる。なお、本実施形態では、実際には図13〜図15を参照して説明したように、一つの統合出力データの生成に係り一つの組に含まれる検出部50の数よりも少ない数の検出部50が検出部50の並び方向の両端側で組に含まれずに余る場合に両端側の検出部50を組にして統合出力データを生成するので、領域K2にも領域K1と同様の数の低解像度イメージの重なりが実現される。すなわち、本実施形態では、情報量が不十分な領域が生じることを抑制することができる。
初期値(X0)は、任意である。算出部92は、例えば、連結部D1,D2,…,Drからの出力のうち、1つの検出部50と接続されているタイミングで得られた出力が示す値を当該1つの検出部50の出力の初期値として複数の検出部50の各々の初期値を決定してもよいし、係る出力とは無関係の所定の値(例えば、0)としてもよい。
決定部93は、検出部50毎に設定された所定の値を有する初期値と検出部50毎に算出された合成値との差に基づいて初期値を再決定する決定処理を行う。具体的には、決定部93は、上記(1)の式を用いた算出処理の前後で得られるXn+1とXnとの差の絶対値(|Xn+1−Xn|)と所定の許容誤差との比較結果に基づいて、「最新の算出処理の前の初期値(Xn)」を再決定する。より具体的には、決定部93は、Xn+1とXnとの差の絶対値が所定の許容誤差以下になった場合、決定部93は、最新のXn+1を以て初期値を再決定して処理を終了する。すなわち、この終了時点での初期値である最新のXn+1を以て、検出部50の出力を示す値を確定させる。
また、決定部93は、初期値と合成値との差と所定の閾値との比較結果に基づいて、算出処理を再度実施させる。具体的には、決定部93は、Xn+1とXnとの差の絶対値が所定の許容誤差以下になるまで算出部92に算出処理を繰り替えさせる。演算処理回路90は、生成部91による生成処理工程、算出部92による算出処理工程及び決定部93による決定処理工程を全ての検出部50毎に個別に行う。これによって、演算処理回路90は、検出部毎の初期値を、検出部毎の検出結果を示す値として導出する。係る決定処理工程を経た初期値を組み合わせた検出結果が、検出領域におけるタッチ検出結果を示すデジタルデータとなる(図26参照)。
決定部93が初期値を再決定する場合の具体的な条件は、適宜変更可能である。例えば、Xn+1とXnとの差の絶対値が所定の許容誤差以下になるまでの算出処理の繰り返し回数に上限を設け、当該上限に至った場合にはXn+1とXnとの差の絶対値と所定の許容誤差との関係に関わらず最新のXn+1を以て初期値を再決定して処理を終了するようにしてもよい。所定の許容誤差、繰り返し回数等の諸条件の具体的な値は任意であり、例えば試験等によってより良好な演算結果が得られた値を以て決定するようにしてよい。
図25は、選択パターンの別例及び係る選択パターンによる低解像度データを示す図である。図13〜14を参照した説明では、3×3の検出部を統合する9つの選択パターン(パターンP0〜P8)を例示しているが、選択パターンは適宜変更可能である。例えば、図6を参照して説明した複数行(例えば、3行)単位の検出部50の検出結果を1つの統合出力データとして扱ってもよい。この場合、例えば図25に示すように、(y1,y2,y3),(y4,y5,y6),…のパターンPa、(y2,y3,y4),(y5,y6,y7),…のパターンPb、(y3,y4,y5),(y6,y7,y8),…のパターンPc、のような統合出力データによる低解像度データを用いて、列方向について上記と同様の算出処理及び決定処理を適用することができる。図25では、パターンPa,Pb,Pcにおける束ね処理後データ(A´,B´,…)を区別する符号として、符号PaA´,PaB´PbA´,PbB´,PcA´,PcB´を付している。無論、図25の例における行と列の関係を逆転してもよい。また、図25に示すような行単位(又は列単位)であっても、図13〜図15を参照して説明した場合と同様に、出力が統合される複数の検出部を挟んで、出力が統合される検出部の数に満たない検出部が当該検出部の並び方向の両端に位置する場合、当該両端の検出部の出力が統合されるようにしてよい。なお、図25に示すような選択パターンに対応する統合出力データは、例えば図7を参照して説明した低解像度フレームデータの生成のように、束ねずずらしによって実現することができる。
図26は、本実施形態によるタッチ検出結果の例と、従来のタッチ検出装置によるタッチ検出結果の例との比較図である。なお、図26における本実施形態によるタッチ検出結果は、算出処理の繰り返し回数に上限(64)を設けた場合のものである。図26に示すように、本実施形態によれば、被検体の凸凹をより鮮明に検出することができる。
以上、本実施形態によれば、統合出力によって出力を強めることで個々の検出部50の検出感度を補うことができることから、微弱なタッチ操作であっても検出の可能性及び精度をより高めやすくなる。また、統合出力を用いて生成処理、算出処理及び決定処理を経ることで検出部50の数に対応した解像度の検出結果を得られることから、統合出力によって解像感が損なわれることを抑制することができるとともに、より高い精度で検出結果を得ることができる。このように、本実施形態によれば、被検体の形状の検出精度をより高めることができる。
また、出力が統合される複数の検出部50を挟んで、出力が統合される検出部50の数に満たない検出部50が当該検出部50の並び方向の両端に位置する場合、当該両端の検出部50の出力が統合される。これによって、両端に位置する検出部50が含まれる出力データのパターン数を、当該両端より内側に位置する検出部50が含まれる出力データのパターン数により近づけることができる。このため、両端付近の検出部に係る統合出力のパターン数の減少を抑制することができることから、検出部50が設けられた検出領域全体で精度をより高めることができる。
また、初期値と合成値との差と所定の閾値との比較結果に基づいて、算出処理を再度実施させる。これによって、所定の閾値をより厳しくすることでより高精度な検出結果を得ることができる。また、初期値の再決定に係り求められる精度と処理負荷とのバランスを考慮して検出結果を得るための処理を行うことができる。
また、検出部50は、直交する二方向に沿って配置されているので、被検体について少なくとも二次元の情報を得ることができる。
また、出力が統合される検出部の組み合わせを二方向について個別に切り替え可能であるため、統合出力のパターン数を増やすことがより容易になる。
(変形例)
上記の実施形態における検出部50は、自己容量方式の静電容量センサであるが、相互容量方式の静電容量センサであってもよい。図27〜図32を参照して、相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理について説明する。図27は、相互静電容量方式のタッチ検出装置で用いられる電極の構成の一例を示す図である。図28は、相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、指が接触または近接していない状態を表す説明図である。図29は、図28に示す指が接触または近接していない状態の等価回路の例を示す説明図である。図30は、相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、指が接触または近接した状態を表す説明図である。図31は、図30に示す指が接触または近接した状態の等価回路の例を示す説明図である。図32は、駆動信号及びタッチ検出信号の波形の一例を表す図である。
相互静電容量方式では、例えば、ねじれの位置となるように設けられたタッチ検出電極E3とタッチ検出駆動電極VCOMとが用いられる。図27に示す例では、タッチ検出電極E3がy方向に沿って延設され、タッチ検出駆動電極COMLがx方向に沿って延出されている。タッチ検出電極E3が形成された層とタッチ検出駆動電極VCOMが形成された層とは非接触であり、所定の間隔が設けられている。タッチ検出電極E3には、例えば上記の定電位線c0と同様の構成を介して電荷(Vx)が供給される。タッチ検出駆動電極VCOMは、後述する駆動電極E1として機能する。タッチ検出駆動電極VCOMは、液晶表示装置において液晶に電圧を印加する電極として共用される構成であってもよい。
例えば、図28に示すように、容量素子C1は、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極、駆動電極E1及びタッチ検出電極E3を備えている。図29に示すように、容量素子C1は、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに接続され、他端は電圧検出器DETに接続される。電圧検出器DETは、例えば回路部55に含まれる積分回路である。
交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波Sgを印加すると、タッチ検出電極E3(容量素子C1の他端)側に接続された電圧検出器DETを介して、図32に示すような出力波形(第1のタッチ検出信号Vdet1)が現れる。交流矩形波Sgは、駆動信号として機能する。
指が接触(または近接)していない状態(非接触状態)では、図28及び図29に示すように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I0が流れる。図29に示す電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I0の変動を電圧の変動(実線の波形V0(図32参照))に変換する。
一方、指が接触(または近接)した状態(接触状態)では、図30に示すように、指によって形成される静電容量C2が、タッチ検出電極E3と接しているまたは近傍にあることにより、駆動電極E1及びタッチ検出電極E3の間にあるフリンジ分の静電容量が遮られ、容量素子C1の容量値よりも容量値の小さい容量素子C1’として作用する。そして、図31に示す等価回路でみると、容量素子C1’に電流I1が流れる。図32に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I1の変動を電圧の変動(点線の波形V1)に変換する。この場合、波形V1は、上述した波形V0と比べて振幅が小さくなる。これにより、波形V0と波形V1との電圧差分の絶対値|ΔV|は、指などの外部から近接する導体の影響に応じて変化することになる。なお、電圧検出器DETは、波形V0と波形V1との電圧差分の絶対値|ΔV|を精度よく検出するため、回路内のスイッチングにより、交流矩形波Sgの周波数に合わせて、コンデンサの充放電をリセットする期間Resetを設けた動作とすることがより好ましい。
タッチ検出電極E3は、図29または図31に示す電圧検出器DETを介して、検出ブロック毎に第1のタッチ検出信号Vdet1を出力し、セレクタ70が有する連結部D1,D2,…,Drの入力側に供給するようになっている。
セレクタ70とA/D変換部80との間に設けられた回路は、第1のタッチ検出信号Vdet1を増幅してもよい。また、係る回路は、第1のタッチ検出信号Vdet1に含まれる高い周波数成分(ノイズ成分)を除去して出力する低域通過アナログフィルタであるアナログLPF(Low Pass Filter)を有していてもよい。
演算処理回路90は、A/D変換部43の出力信号に含まれる、第1の駆動信号Vcomをサンプリングした周波数以外の周波数成分(ノイズ成分)を低減するデジタルフィルタを備えていてもよい。演算処理回路90は、A/D変換部80の出力信号に基づいて、タッチパネル30に対するタッチの有無を検出する。演算処理回路90は、指による検出信号の差分を取り出す処理を行う。この指による差分の信号は、上述した波形V0と波形V1との差分の絶対値|ΔV|である。演算処理回路90は、1検出ブロック当たりの絶対値|ΔV|を平均化する演算を行い、絶対値|ΔV|の平均値を求めてもよい。これによって、ノイズによる影響を低減することができる。演算処理回路90は、検出した指による差分の信号を所定のしきい値電圧と比較し、このしきい値電圧未満であれば、外部近接導体が非接触状態であると判断する。一方、演算処理回路90は、検出したデジタル電圧を所定の閾値電圧と比較し、しきい値電圧以上であれば、外部近接導体の接触状態と判断する。
また、演算処理回路90は、タッチが検出されたときに、タッチ検出電極E3の各々からの出力に基づいて座標を求める。変形例では、互いに交差した電極パターンは、マトリクス状の検出領域を構成している。すなわち、複数のタッチ検出電極E3のうち1つと、複数のタッチ検出駆動電極COMLのうち1つとの組み合わせによる構成が、1つの検出部50として機能する。よって、駆動信号の出力により検出領域全体を走査することにより、外部近接導体の接触または近接が生じた位置の検出が可能となっている。
変形例は、駆動信号が出力される対象となるタッチ検出駆動電極COMLの切替によって組として扱われる検出部50が遷移する仕組みであるが、どのように組の切替を行うかは適宜変更可能である。例えば、タッチ検出電極E3の出力先を上記の実施形態におけるセレクタ70とし、タッチ検出駆動電極COMLの位置(y方向)だけでなくタッチ検出電極E3の位置(x方向)についても組を切替可能にしてもよい。
図27に示すタッチ検出電極E3及びタッチ検出駆動電極COMLの具体的構成はあくまで一例であってこれに限られるものでなく、適宜変更可能である。例えば、タッチ検出電極E3とタッチ検出駆動電極COMLが同一層に並列して設けられていてもよい。
なお、上記の実施形態等はあくまで一例であってこれに限られるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明特定事項により特定される範囲内において適宜変更可能である。例えば、上記の実施形態では、y方向に並ぶ検出部50が信号線を共有しているが、これは検出部50とセレクタ70の連結部D1,D2,…,Drとを接続するための配線の一形態であってこれに限られるものでない。検出部50とセレクタ70の連結部D1,D2,…,Drとの接続関係は、適宜変更可能であり、例えば各々の検出部50が個別の配線を介して連結部D1,D2,…,Drの入力側に接続されていてもよい。
また、上記の実施形態では、x方向及びy方向の両方について組として扱う検出部50の切替を行っているが、いずれか一方向のみであってもよい。例えば、y方向への駆動信号の出力パターンの切替による遷移のみである場合、セレクタ70は不要である。また、x方向のみの切替である場合、全ての走査線G1,G2,…,Gqに一括で駆動信号が出力されてもよい。
また、実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。