JP2017151683A - 画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】画像中のノイズの影響に依らずに、画像中から正確に生体情報を識別可能とするように生体の画像を処理する画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法を提供する。【解決手段】画像処理装置10は、撮像装置で取得した生体の画像の輝度が補正された画像である補正画像の輝度補正幅を検出する輝度補正幅検出部33と、輝度補正幅検出部33で検出した輝度補正幅に基づいて、生体の情報を識別可能とするために行われるフィルタリング処理で使用される第1のフィルタの異方性を緩和する第2のフィルタを使用した補完的フィルタリング処理を、補正画像に対して選択的に実行する補完的フィルタリング処理部35と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、生体の画像に対して画像処理を施す画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法に関する。
従来、個人を特定して認証するための方法として、生体情報を用いた生体認証がしばしば用いられている。例えば、生体情報としての静脈の情報を含む手のひらの画像を撮像し、画像中の静脈の情報を用いて認証を行う、手のひら認証が一般的に用いられる。
手のひら認証は、非接触で生体情報である静脈の検出を行う認証方法であるため、静脈の形状の揺らぎや、周囲の人の移動や室内灯の点灯周期等の環境変化による影響により、撮像時に常に一定の生体情報が得られるとは限らない。従って、撮像毎に生体情報である静脈の形状や輝度が同じものにならず、正確な認証を行うことが難しい。以上の問題を解決し、正確な手のひら認証を実行するための方法として、開示されている従来技術の例を以下に示す。
特許文献1には、複数回撮像した画像の中から類似度の高い特徴を抽出することで、手のひら認証の精度を上げる方法が記載されている。
特許文献2には、撮像した画像に対して輝度補正を行う技術が記載されている。輝度補正を行うことによって、生体情報の揺らぎや、周囲の人の移動や室内灯の点灯周期等の環境変化による影響を抑制することができる。従って、生体情報が、生体情報の揺らぎや環境変化によって認証に用いるのに不適当とされることが低減され得る。
特開2006−107401号公報 国際公開番号2012/111664号公報
一方で、手のひら画像に対して輝度補正を行った場合、輝度補正に際してノイズが強調されるという問題が発生する。特に大きい補正幅で輝度補正が実行された箇所では、より大きくノイズが強調され得る。上記のようにノイズが強調されると、微弱である静脈の情報を正確に読み取り、認証を行うことが難しくなる。特に、近年ではセンサーの小型化に伴いより大きなノイズが生じやすくなっているため、画像中のノイズが手のひら認証に与える影響は少なくない。
一方で、ノイズの除去を行う画像処理を実行した場合、静脈由来の信号が微弱であることから、ノイズだけでなく画像内の静脈の情報をも除去または低減してしまう可能性がある。従って、画像中のノイズの除去を前提として生体認証を行う方法では、画像中から正確に生体情報を識別するという点において限界がある。以上の実情を踏まえて、輝度補正後の生体画像において、画像中のノイズを除去することなく、また、ノイズの影響に依らずに、画像中から正確に静脈等の生体情報を識別可能とするような画像処理技術が要求される。
従って、本発明では、画像中のノイズの影響に依らずに、画像中から正確に生体情報を識別可能とするように生体の画像を処理する画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様の画像処理装置は、撮像装置で取得した生体の画像の輝度が補正された画像である補正画像の輝度補正幅を検出する検出手段と、前記検出手段で検出した前記輝度補正幅に基づいて、前記生体の情報を識別可能とするために行われるフィルタリング処理で使用される第1のフィルタの異方性を緩和する第2のフィルタを使用した補完的フィルタリング処理を、前記補正画像に対して選択的に実行するフィルタリング処理手段と、を備える。
本発明の一態様の画像処理プログラムは、コンピュータを、撮像装置で取得した生体の画像の輝度が補正された画像である補正画像の輝度補正幅を検出する検出手段、前記検出手段で検出した前記輝度補正幅に基づいて、前記生体の情報を識別可能とするために行われるフィルタリング処理で使用される第1のフィルタの異方性を緩和する第2のフィルタを使用した補完的フィルタリング処理を、前記補正画像に対して選択的に実行するフィルタリング処理手段として機能させる。
本発明の一態様の画像処理方法は、撮像装置で取得した生体の画像の輝度が補正された画像である補正画像の輝度補正幅を検出し、検出した前記輝度補正幅に基づいて、前記生体の情報を識別可能とするために行われるフィルタリング処理で使用される第1のフィルタの異方性を緩和する第2のフィルタを使用した補完的フィルタリング処理を、前記補正画像に対して選択的に実行することを特徴とする。
本発明によれば、画像中のノイズの影響に依らずに、画像中から正確に生体情報を識別可能とするように生体の画像を処理する画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法を提供することができる。
第1の実施形態における画像処理装置を含む生体認証システム全体を示す図。 第1の実施形態における撮像装置の機能構成を示す図。 第1の実施形態における画像処理装置の物理構成を示す図。 第1の実施形態における画像処理装置の機能構成を示す図。 第1の実施形態における画像処理装置を含む生体認証システムの認証処理のフローチャート。 手のひらの領域を抽出する一例を示す図。 第2の実施形態の画像処理を示すフローチャート。 手のひらの領域から小領域を抽出する一例を示す図。 第3の実施形態の画像処理装置の機能構成を示す図。 第3の実施形態の画像処理を示すフローチャート。 第4の実施形態における撮像装置の機能構成を示す図。 第4の実施形態における画像処理装置の機能構成を示す図。 第4の実施形態の画像処理を示すフローチャート。 第5の実施形態における画像処理装置の機能構成を示す図。 第5の実施形態の画像処理を示すフローチャート。
以下、第1の実施形態における画像処理装置を含む生体認証システムについて図面を参照しつつ説明する。
図1は、第1の実施形態における画像処理装置10を含む生体認証システム全体を示す図である。生体認証システム1は、生体の画像から得られる生体情報に基づいて、生体を認証するシステムである。生体認証システム1は、画像処理装置10と、撮像装置20と、入力装置15と、表示装置16と、認証情報記憶媒体18から情報を読み出す認証情報読取装置17とを含む。
画像処理装置10は、例えば、汎用的なコンピュータであり、撮像装置20、入力装置15、表示装置16、及び、認証情報読取装置17に接続されている。撮像装置20は、例えば、イメージセンサを内蔵するマウスであり、例えば、手のひらの画像などの生体の画像を取得し、画像処理装置10へ出力する。撮像装置20は、入力装置としても機能する。入力装置15は、例えば、キーボードである。表示装置16は、例えば、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどである。認証情報記憶媒体18は、例えば、IC(Integrated Circuit)カードであり、認証情報読取装置17は、ICカードから情報を読み出すICカードリーダである。
図2は、撮像装置20が実現する機能を構成としてまとめた機能構成を示す図である。撮像装置20は、制御部21と、撮像部22と、記憶部23と、通信部24とを含む。
制御部21は、各機能構成の処理を統括的に制御する。撮像部22は、生体を撮像し、生体の撮像画像を取得する。撮像部22として、撮像装置20は、例えば、生体を撮像するイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor(CMOS)センサ、Charge Coupled Device(CCD)センサ等)であり、集光レンズと、被写体である生体に近赤外線を照射する近赤外線発光素子を備える。
近赤外線発光素子は、例えば、イメージセンサの周囲に設けられ、近赤外線を被写体方向に向けて発光する。集光レンズは、例えば広範囲を撮像可能な広角レンズである。イメージセンサは、集光レンズを通して生体で反射した近赤外線を受光することで、被写体となる生体を撮影範囲に捉えることができる。尚、撮像部22は、例えば、生体である手のひらの撮像を行い、撮像画像を取得する。この撮像画像には、各人に固有な手のひらの静脈パターンに関する情報が含まれる。これは、静脈には酸素を失ったヘモグロビン(還元ヘモグロビン)が流れているからである。この還元ヘモグロビンは近赤外線を吸収する性質を有しているため、静脈が存在する部分からの反射光量が他の部分からの反射光量よりも少なくなる。その結果、静脈が存在する部分が暗い画像が得られる。
記憶部23は、撮像部22が取得した生体の画像情報を記憶する。通信部24は、画像処理装置10からの指示を受信し、画像処理装置10へ、画像情報の送信を行う。
図3は、画像処理装置10の物理構成を示す図である。画像処理装置10は、CPU11と、Random Access Memory(RAM)12と、Hard disk drive(HDD)13と、入出力インターフェース14を含む。
CPU11は、所定のプログラムを実行して演算処理等を行う。RAM12は、プログラムの実行の際に、HDD13に記憶されているプログラムまたはデータを格納する。また、認証情報読取装置17が認証情報記憶媒体18から読み出した認証用データを一時的に格納する。なお、認証情報記憶媒体18に記録されている認証用データは、例えば、認証情報記憶媒体18の所有者の手のひらの静脈パターンに関するデータである。
入出力インターフェース14は、撮像装置20と、入力装置15と、認証情報読取装置17からの信号を受信し、表示装置16へ画像を出力する。HDD13は、主に各種データやプログラムの保存に用いられる。
画像処理装置10は、HDD13に記憶されている画像処理プログラムをCPU11がRAM12にロードして実行することで、種々の機能を実現する。以下、図4に画像処理装置10が実現する機能を構成としてまとめた機能構成を示す。
図4は、画像処理装置10の機能構成を示す図である。画像処理装置10は、領域抽出部31と、輝度補正部32と、輝度補正幅検出部33と、適用フィルタ判定部34と、フィルタリング処理部38と、認証処理部37とを含む。フィルタリング処理部38は、補完的フィルタリング処理部35と、本フィルタリング処理部36を含む。
領域抽出部31は、撮像装置20が取得した撮像画像から予め定められた領域を抽出し、領域抽出画像を出力する。撮像画像における領域の抽出方法は、後述する認証処理のフローチャートの中で説明される。
輝度補正部32は、領域抽出部31から出力された画像(領域抽出画像)に対して輝度補正を行う。輝度補正は、例えば、画像を構成する複数の部分に対して行うものであり、部分毎の輝度平均値を全体平均値に揃えるように輝度値をオフセットする処理である。尚、補正に用いる要素は平均値に限らず、例えば、部分単位の中央値や最頻値等を用いて輝度補正が行われてもよい。
輝度補正幅検出部33は、撮像装置20で取得した生体の画像(撮像画像)の輝度が補正された画像である補正画像の輝度補正幅を検出する検出手段である。より具体的には、輝度補正幅検出部33は、補正前後の画像(つまり、領域抽出部31から出力された領域抽出画像と、輝度補正部32から出力された補正画像)の輝度値を比較することで輝度補正幅を検出する。
適用フィルタ判定部34は、輝度補正幅検出部33で検出した輝度補正幅に基づいて、フィルタリング処理部38が行うべきフィルタリング処理を判定する。後述するように、画像処理装置10で行われるフィルタリング処理は、生体情報である静脈パターンが正しく識別されるために行う前処理であり、例えば、フィルタリング処理の後に行われる生体認証処理でノイズの影響に依らずに認証を可能とするための処理である。従って、ノイズの発生状況に応じてフィルタリング処理の内容も変更することが望ましい。このような事情を踏まえて、適用フィルタ判定部34では、輝度補正幅に基づいて、行われるべきフィルタリング処理の内容が判定される。
ここで、“輝度補正幅に基づいて”とは、輝度補正幅を使用してといった程度の意味である。輝度補正幅に基づいて行う判定は、輝度補正幅のみを使用して行われてもよく、輝度補正幅とその他の情報(例えば、位置、高さ、輝度レベルなど)を使用して行われてもよい。
フィルタリング処理部38は、補正画像に対してフィルタリング処理を実行して、認証用画像を出力するフィルタリング処理手段である。フィルタリング処理部38は、補完的フィルタリング処理部35と、本フィルタリング処理部36からなる。フィルタリング処理部38で実行されるフィルタリング処理は、適用フィルタ判定部34の判定結果に基づいて決定される。
本フィルタリング処理部36は、生体の情報を識別可能とするために行われるフィルタリング処理を実行する。本フィルタリング処理部36で実行されるフィルタリング処理では、画像中の線状成分を強調するような、方向に依存した性質、つまり、異方性を有するフィルタを使用する。これは、認証システム1が対象とする生体情報が線状成分を多く含む静脈パターンであり、線状成分を強調することで静脈パターンがノイズ成分に比べて強く強調される可能性が高いからである。特に、ホワイトノイズのようなランダムノイズに対して生体情報を相対的に強調する場合に効果的である。
従って、例えば、静脈パターンのような線状の生体情報を抽出する際には、異方性を有するフィルタを使用した異方的なフィルタリング処理を行うことで、画像中のランダムノイズからの影響を受け辛くすることができる。なお、本フィルタリング処理部36で使用される異方性を有するフィルタは、画像処理装置で使用される第1のフィルタである。
補完的フィルタリング処理部35は、輝度補正幅検出部33で検出した輝度補正幅に基づいて、補完的フィルタリング処理を、補正画像に対して選択的に実行する。ここで、補完的フィルタリング処理とは、本フィルタリング処理部36で使用されるフィルタの異方性を緩和するフィルタを使用したフィルタリング処理である。なお、補完的フィルタリング処理部35で使用されるフィルタは、画像処理装置で使用される第2のフィルタである。第2のフィルタは、第1のフィルタとのコンボリューションをとることで等方的なガウシアンフィルタが算出されるようなフィルタである。すなわち、補完的フィルタリング処理部35が補正画像に対して補完的フィルタリング処理を実行することで得られるフィルタ処理画像に対して、本フィルタリング処理部36がフィルタリング処理を実行した場合、本フィルタリング処理部36が使用する異方性フィルタによる線状成分の強調が緩和される。
例えば、手のひらに存在するしわは、輝度補正に際して強調されると静脈と誤認されやすくなる。従って、輝度補正後の補正画像に対して一律に異方的なフィルタリング処理を実行した場合、しわが多く含まれる部分からは、静脈を正確に識別することが難しくなる。しかしながら、第1の実施形態における補完的フィルタリング処理を行うことで、画像中のしわ等の静脈以外の線状成分が強調され得る状況において、異方性フィルタの異方性を緩和することができるため、しわ等の線状成分が過度に強調されることを防ぐことができる。
認証処理部37は、フィルタリング処理部38におけるフィルタリング処理を経た認証用画像と、認証情報読取装置17から受信した認証用データとを照合する。そして、両者が合致するか否か、又は、両者の類似度合いが所定範囲内であるか否かを判定することで、生体を認証し、認証結果を出力する。認証結果は、入出力インターフェース14を介して、表示装置16に送信されて使用者に対して表示されてもよい。
以上の構成を有する画像処理装置10によって、撮像装置20が取得した撮像画像に対して一連の画像処理を実行することにより、画像中のノイズの影響に依らずに、生体情報を抽出可能とすることが可能となる。
以下、図5において、第1の実施形態における画像処理装置10を含む生体認証システム1の認証処理のフローチャートを説明する。
図5は、第1の実施形態における画像処理装置10を含む生体認証システム1の認証処理のフローチャートである。ステップS1では、まず初めに撮像装置20が生体である手のひらを撮像することで、撮像画像を取得してステップS10へ移行する。
ステップS10は、撮像装置20が取得した撮像画像に対して、画像処理装置10が画像処理を実行するステップである。ステップS10は、ステップS11からステップS16までの複数のステップから構成される。ステップS10が終了すると、ステップS2へ移行する。ステップS2では、画像処理装置10(認証処理部37)が、ステップS10の画像処理において生成された認証用画像と認証情報読取装置17から受信した認証用データとを用いて、撮像装置20で撮像された生体の認証を実行する。ステップS2が終了すると、本フローチャートを終了する。以下、画像処理装置10が行う画像処理(ステップS11からステップS16)について詳細に説明する。
ステップS11では、領域抽出部31が撮像画像において予め指定された領域41を抽出し、領域41の画像である抽出画像を出力する。図6は、撮像画像から領域41を抽出する一例を示している。領域41は、生体情報の抽出に適した領域であり、例えば、手40における平らな手のひらの領域である。
尚、領域抽出部31は、領域41の抽出に当たり、手40の輪郭を検出し、手40の輪郭からの相対的な距離に基づいて手40内の指定された領域41を抽出する。このとき、手40の輪郭を抽出する方法は特に限定されないが、例えば、撮像画像の輝度分布に閾値を設けて、閾値を超えた特徴部分のみを描画するような2値化処理が実行された画像から検出されてもよい。
ステップS12では、輝度補正部32が領域抽出画像に対して、輝度補正を実行する。
ステップS13では、輝度補正幅検出部33は、輝度補正が実行された補正画像と、輝度補正前の抽出画像とを用いて輝度補正幅の検出を行う。
ステップS14では、適用フィルタ判定部34において、輝度補正幅に基づいて、フィルタ判定処理が実行される。フィルタ判定処理では、適用フィルタ判定部34は、補完的フィルタリング処理部35が補完的フィルタリング処理を補正画像に対して実行する必要があるかどうかを判定する。尚、フィルタ判定処理の具体的な例については後述する実施形態で詳細に説明される。
ステップS14において、補完的フィルタリング処理を実行する必要があると判定された場合には、ステップS15へ移行し、補完的フィルタリング処理部35が補完的フィルタリング処理を補正画像に対して実行することで、フィルタ処理画像を生成する。ステップS15の終了後、ステップS16へ移行する。
ステップS14において、補完的フィルタリング処理が不要であると判定された場合には、ステップS16へ移行する。ステップS16では、本フィルタリング処理部36が異方的なフィルタリング処理をフィルタ処理画像、または、補正画像に対して実行する。フィルタリング処理された画像である認証用画像は、前述したステップS2の認証処理において用いられる。
以上より、第1の実施形態における画像処理装置10によれば、輝度補正幅に基づいて、補完的フィルタリング処理を補正画像に対して選択的に実行することで、画像中のノイズの状況に応じた適切な画像処理を施すことができる。
より具体的には、画像中においてホワイトノイズのようなランダムノイズの影響が強い状況では、異方的なフィルタリング処理を実行することで、ランダムノイズに対して生体情報を相対的に強調することができる。一方、画像中において静脈の情報と誤認しやすいしわ等の線状の成分が過度に強調され得る状況では、上記異方的なフィルタリング処理に使用される異方性フィルタの異方性を緩和するような補完的フィルタリング処理を、さらに実行することで、しわ等の線状成分が強調されることを防ぐことができる。
従って、画像処理装置10によれば、画像中のノイズの影響に依らずに、画像中から正確に生体情報を識別可能とするように生体の画像を処理することができる。
以下、第2の実施形態における画像処理装置30を含む生体認証システム2について図面を参照しつつ説明する。画像処理装置30の物理構成と機能構成は、それぞれ画像処理装置10の物理構成と機能構成に等しく、また、生体認証システム2は、図1に示される生体認証システム1の構成と等しいため、説明を省略する。
画像処理装置30を含む生体認証システム2の認証処理は、ステップS10の代わりに、ステップS20を実行する点以外は、図5に示す生体認証システム1の認証処理のフローチャートの手順に等しい。従って、以下では、画像処理装置30が実行するステップS20の画像処理を説明する。
図7は、撮像装置20が取得した撮像画像に対して、画像処理装置30が実行する画像処理のフローチャートである。
ステップS21では、領域抽出部31が撮像画像において予め指定された領域41を抽出し、ステップS22へ移行する。ステップS21における領域41の抽出の方法は、図6及びステップS11で記載したものと同じである。
ステップS22では、さらに、領域抽出部31が領域41から、予め指定された複数の小領域41aを抽出し、複数の小領域41aによって分割された領域41全体の画像である領域抽出画像を出力する。図8は、領域41から小領域41aを抽出する一例を示す図である。小領域41aは、互いに重複しない領域である。各小領域41aの大きさや数は、特に限定されず使用状況や用途に応じて適宜変更される。
ステップS23では、輝度補正部32が領域抽出画像を構成する複数の小領域41aの各々に対して輝度補正を実行し、補正画像を出力する。
ステップS24では、輝度補正幅検出部33は、補正画像を構成する複数の小領域41aの各々の輝度補正幅を検出する。
以下、ステップS25からステップS27の処理は、補正画像を構成する複数の小領域41aの各々に対して行われる。
ステップS25では、適用フィルタ判定部34において、輝度補正幅検出部33で検出された小領域41aの輝度補正幅に基づいて、対応する小領域41aにフィルタ判定処理が実行される。適用フィルタ判定部34は、輝度補正幅が閾値以上であるかどうかの判定を行う。
ステップS25において、小領域41aの輝度補正幅が閾値以上である場合、ステップS26へ移行し、補完的フィルタリング処理部35が補完的フィルタリング処理を補正画像の当該小領域41aに対して実行することで、フィルタ処理画像を生成する。すなわち、フィルタリング処理部35は、輝度補正幅検出部33で検出された小領域41aの輝度補正幅に基づいて、補完的フィルタリング処理を、補正画像の当該小領域41aに対して選択的に実行するフィルタリング処理手段として機能する。ステップS26の終了後、ステップS27へ移行する。
ステップS25において、小領域41aの輝度補正幅が閾値より小さいと判定された場合には、ステップS27へ移行する。ステップS27では、全ての小領域41aでステップS25におけるフィルタ判定処理が実行されたかどうかを判定する。ステップS27において、全ての小領域41aでフィルタ判定処理が実行されていないと判定された場合には、ステップS25へ戻り、フィルタ判定処理が実行されていない小領域41aについて、再度、ステップS25からステップS27を実行する。以下、全ての小領域41aについて、フィルタ判定処理が実行されるまで各小領域41aについてステップS25からステップS27を繰り返す。
ステップS27において、全ての小領域41aでフィルタ判定処理が実行済みであると判定された場合には、ステップS28へ移行する。ステップS28では、本フィルタリング処理部36が異方的なフィルタリング処理をフィルタ処理画像、または、補正画像に対して実行し、認証用画像を出力する。ステップS28を終了すると、本フローチャートを終了する。
以上より、第2の実施形態における画像処理装置30によれば、輝度補正幅に基づいて、補完的フィルタリング処理を補正画像に対して選択的に実行することで、画像中のノイズの状況に応じた適切な画像処理を施すことができる。
特に、輝度補正幅が大きい場合には、画像中のノイズ成分が総じて強調され得る。そこで、補正画像中において静脈と誤認しやすいしわ等の線状成分が過度に強調され得るような輝度補正幅の下限を閾値として設けることで、輝度補正幅が閾値以上と判定された補正画像中の領域を特定でき、その領域に対して異方性フィルタの異方性を緩和するような補完的フィルタリング処理を、異方的フィルタリング処理に加えて実行することで、しわ等の線状成分が強調されることを防ぐことができる。
また、本実施形態では、手のひらの領域を小領域に分けて、小領域毎に補完的フィルタリング処理を選択的に実行する。このため、画像中にノイズの発生状況が異なる複数の領域が含まれている場合であっても、適切な画像処理を施すことができる。
従って、画像処理装置30によれば、画像中のノイズの影響に依らずに、画像中から正確に生体情報を識別可能とするように生体の画像を処理することができる。
以下、第3の実施形態における画像処理装置50を含む生体認証システム3について図面を参照しつつ説明する。画像処理装置50の物理構成は、画像処理装置10の物理構成に等しく、また、生体認証システム3は、図1に示される生体認証システム1の構成と等しいため、説明を省略する。
図9は、画像処理装置50の機能構成を示す図である。画像処理装置50は、領域抽出部51と、輝度補正部52と、位置検出部53と、輝度補正幅検出部54と、適用フィルタ判定部55と、フィルタリング処理部59と、認証処理部58とを含む。フィルタリング処理部59は、補完的フィルタリング処理部56と本フィルタリング処理部57を含む。
領域抽出部51は、第2の実施形態における領域抽出部31と同様の機能を実現する。領域抽出部51は、第2の実施形態で説明されたように、補正画像の領域41から予め指定された複数の小領域41aを抽出し、複数の小領域41aによって分割された領域41全体の画像である領域抽出画像を出力する。
輝度補正部52は、第2の実施形態における輝度補正部32と同様の機能を実現する。輝度補正部32は、領域抽出画像を構成する複数の小領域41aの各々に対して輝度補正を実行し、補正画像を出力する。
位置検出部53は、補正画像中の生体に対する複数の小領域41aの各々の相対位置を検出する位置検出手段である。相対位置とは、手40の輪郭を基準にした位置情報であり、手40の端であるか、または、中心付近であるかといった情報を含む位置情報である。例えば、領域41全体の中でどの位置が端に該当するか、または、中心付近に該当するかといった情報が予め指定されており、領域抽出部51によって抽出された各々の小領域41aについて、その情報を元に相対位置が検出されてもよい。
輝度補正幅検出部54は、第2の実施形態における輝度補正幅検出部33と同様の機能を実現する。輝度補正幅検出部54は、補正画像を構成する複数の小領域41aの各々の輝度補正幅を検出する。
適用フィルタ判定部55は、輝度補正幅検出部33で検出された複数の小領域41aの各々の輝度補正幅及び相対位置に基づいて、対応する小領域41a毎にフィルタ判定処理を実行する。
フィルタリング処理部59は、第2の実施形態におけるフィルタリング処理部38と同様の機能を実現する。フィルタリング処理部59が含む、補完的フィルタリング処理部56と本フィルタリング処理部57もまた、それぞれ第2の実施形態における補完的フィルタリング処理部35、本フィルタリング処理部36と同様の機能を実現する。
認証処理部58は、第2の実施形態における認証処理部37と同様の機能を実現する。
画像処理装置50を含む生体認証システム3の認証処理は、ステップS10の代わりに、ステップS30を実行する点以外は、図5に示す生体認証システム1の認証処理のフローチャートの手順に等しい。従って、以下では、画像処理装置50が実行するステップS30の画像処理を説明する。
図10は、撮像装置20が取得した撮像画像に対して、画像処理装置50が実行する画像処理のフローチャートである。ステップS31からステップS34の処理は、図7に示すステップS21からステップS24の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS35では、位置検出部53が、ステップS33において輝度補正部52が出力した補正画像中の複数の小領域41aの各々の相対位置を検出する。
以下、ステップS36からステップS39の処理は、補正画像を構成する複数の小領域41aの各々に対して行われる。
ステップS36では、適用フィルタ判定部55が、輝度補正幅検出部54で検出された小領域41aの輝度補正幅が閾値以上であるかどうかの判定を行う。ステップS36で閾値より小さいと判定された場合には、後述するステップS39へ移行する。
ステップS36で、小領域41aの輝度補正幅が閾値以上であると判定された場合には、ステップS37へ移行する。ステップS37では、適用フィルタ判定部55が、ステップS36で輝度補正幅が閾値以上であると判定された小領域41aの相対位置が予め指定された所定位置であるかどうかの判定を行う。所定位置とは、例えば、生体上であって、手40の輪郭近傍のある一定の領域内の位置である。または、手40において予めしわが多いことが判明しているような位置を所定位置としてもよい。ステップS37で所定位置ではないと判定された場合には、後述するステップS39へ移行する。
ステップS37において、小領域41aの相対位置が所定位置であると判定された場合には、ステップS38へ移行し、補完的フィルタリング処理部56が補完的フィルタリング処理を補正画像の当該小領域41aに対して実行することでフィルタ処理画像を生成する。言い換えると、補完的フィルタリング処理部56は、小領域41aの輝度補正幅が閾値以上であっても、当該小領域41aの相対位置が所定位置以外である場合には、補完的フィルタリング処理を補正画像の当該小領域41aに対して実行しない。すなわち、補完的フィルタリング処理部56は、小領域41aの輝度補正幅と位置検出部53で検出された当該小領域41aの相対位置に基づいて、補完的フィルタリング処理を、補正画像の当該小領域41aに対して選択的に実行するフィルタリング処理手段として機能する。ステップS38の終了後、ステップS39へ移行する。
ステップS39では、全ての小領域41aでステップS36、S37におけるフィルタ判定処理が実行されたかどうかを判定する。ステップS39において、全ての小領域41aでフィルタ判定処理が実行されていないと判定された場合には、ステップS36へ戻り、フィルタ判定処理が実行されていない小領域41aについて、再度、ステップS36からステップS39の処理を実行する。以下、全ての小領域41aについてフィルタ判定処理が実行されるまで、各小領域41aについてステップS36からステップS39を繰り返す。
ステップS39において、全ての小領域41aでフィルタ判定処理が実行済みであると判定された場合には、ステップS40へ移行する。ステップS40では、本フィルタリング処理部57が異方的なフィルタリング処理をフィルタ処理画像、または、補正画像に対して実行し、認証用画像として出力する。ステップS40を終了すると、本フローチャートを終了する。
以上より、第3の実施形態における画像処理装置50によれば、各小領域41aの輝度補正幅と相対位置に基づいて、補完的フィルタリング処理を補正画像の小領域41aに対して選択的に実行することで、画像中のノイズの状況に応じた適切な画像処理を施すことができる。
特に、静脈と誤認しやすいしわが多く存在する手の端の領域では、輝度補正に際して多数の線状のしわが強調されることで生体情報の正確な識別を阻害し得る。そこで、補正画像中において予めしわが多く存在する手の端等の位置を所定位置として指定することで、所定位置に対して異方性フィルタの異方性を緩和するような補完的フィルタリング処理を、異方的フィルタリング処理に加えて実行することができる。そのため、しわ等の線状成分が強調されることを防ぐことができる。
一方で、所定位置以外のしわが少なく生体情報の識別への影響が少ない部分については補完的フィルタリング処理を実行せずに、異方的フィルタリング処理のみを実行することで、生体情報をランダムノイズに対して相対的に強調することができる。
従って、画像処理装置50によっても、画像中のノイズの影響に依らずに、画像中から正確に生体情報を識別可能とするように生体の画像を処理することができる。
また、本実施形態では、所定位置として指定されたしわの多い領域において、多数のしわが過度に強調されることが想定される輝度補正幅の下限を輝度補正幅の閾値として設けてもよい。
以下、第4の実施形態における画像処理装置70を含む生体認証システム4について図面を参照しつつ説明する。画像処理装置70の物理構成は、画像処理装置50の物理構成に等しいため、説明を省略する。
生体認証システム4は、撮像装置20の代わりに撮像装置60を含む点を除いて、図1に示される生体認証システム1の構成と等しい。図11は、撮像装置60の機能構成を示す図である。撮像装置60は、制御部61と、撮像部62と、記憶部63と、通信部64と、測距部65を含む。制御部61と、撮像部62と、記憶部63と、通信部64は、それぞれ図2で示した制御部21と、撮像部22と、記憶部23と、通信部24と同様の機能を実現する。
測距部65は、撮像装置60が撮像する生体と撮像装置60との距離を検出するための距離検出手段である。測距部65は、例えば、生体に向けて測距用発光光を発する光源を備えたセンサであり、測距用発光光が集光することで生体表面上に生じるスポット光の大きさに基づいて、生体と撮像装置60との距離を検出するものである。
図12は、画像処理装置70の機能構成を示す図である。画像処理装置70は、領域抽出部71と、輝度補正部72と、輝度補正幅検出部73と、適用フィルタ判定部74と、フィルタリング処理部78と、認証処理部77とを含む。フィルタリング処理部78は、補完的フィルタリング処理部75と本フィルタリング処理部76を含む。
領域抽出部71は、第3の実施形態における領域抽出部51と同様の機能を実現する。
輝度補正部72は、第3の実施形態における輝度補正部52と同様の機能を実現する。
輝度補正幅検出部73は、第3の実施形態における輝度補正幅検出部54と同様の機能を実現する。
適用フィルタ判定部74は、輝度補正幅検出部73で検出された複数の小領域41aの各々の輝度補正幅、及び、撮像装置60が検出した生体と撮像装置60との距離に基づいて、対応する小領域41a毎にフィルタ判定処理を実行する。
フィルタリング処理部78は、第3の実施形態におけるフィルタリング処理部59と同様の機能を実現する。フィルタリング処理部78が含む、補完的フィルタリング処理部75と本フィルタリング処理部76もまた、それぞれ第3の実施形態における補完的フィルタリング処理部56、本フィルタリング処理部57と同様の機能を実現する。
認証処理部77は、第3の実施形態における認証処理部58と同様の機能を実現する。
画像処理装置70を含む生体認証システム4の認証処理は、ステップS10の代わりに、ステップS50を実行する点以外は、図5に示す生体認証システム1の認証処理のフローチャートの手順に等しい。従って、以下では、画像処理装置70が実行するステップS50の画像処理を説明する。
図13は、撮像装置60が取得した撮像画像に対して、画像処理装置70が実行する画像処理のフローチャートである。ステップS51からステップS54の処理は、第3の実施形態における画像処理のステップS31からステップS34の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS55では、測距部65で測定された生体と撮像装置60との距離の情報を測距部65から受信する。
以下、ステップS56からステップS59の処理は、補正画像を構成する複数の小領域41aの各々に対して行われる。
ステップS56では、適用フィルタ判定部74が、輝度補正幅検出部74で検出された小領域41aの輝度補正幅が閾値以上であるかどうかの判定を行う。ステップS56で閾値より小さいと判定された場合には、後述するステップS59へ移行する。
ステップS56で、小領域41aの輝度補正幅が閾値以上である場合、ステップS57へ移行する。ステップS57では、適用フィルタ判定部74は、撮像装置60が撮像する生体と撮像装置60との距離が所定距離以上であるかどうかの判定を行う。所定距離とは、撮像装置60が取得した生体の撮像画像中のランダムノイズによって生体の情報の識別が阻害されない上限の距離として設けられるものである。ステップS57で所定距離以上であると判定された場合には、後述するステップS59へ移行する。
ステップS57で、撮像装置60が撮像する生体と撮像装置60との距離が所定距離より小さいと判定された場合に、ステップS58へ移行し、補完的フィルタリング処理部75が補完的フィルタリング処理を補正画像の小領域41aに対して実行することでフィルタ処理画像を生成する。言い換えると、補完的フィルタリング処理部75は、小領域41aの輝度補正幅が閾値以上であったとしても、測距部65が検出した距離が所定距離以上である場合には、補完的フィルタリング処理を補正画像の当該小領域41aに対して実行しない。すなわち、補完的フィルタリング処理部75は、小領域41aの輝度補正幅と測距部65が検出した距離に基づいて、補完的フィルタリング処理を、補正画像の当該小領域41aに対して選択的に実行するフィルタリング処理手段である。ステップS58の終了後、ステップS59へ移行する。
ステップS59では、全ての小領域41aに対してフィルタ判定処理(ステップS56、S57の処理)が実行されたかどうかを判定する。ステップS59において、全ての小領域41aでフィルタ判定処理が実行されていないと判定された場合には、ステップS56へ戻り、フィルタ判定処理が実行されていない小領域41aについて、再度、ステップS56からステップS59を実行する。以下、全ての小領域41aについて、フィルタ判定処理が実行されるまで各小領域41aについてステップS56からステップS59を繰り返す。
ステップS59において、全ての小領域41aでフィルタ判定処理が実行済みであると判定された場合には、ステップS60へ移行する。ステップS60では、本フィルタリング処理部76が異方的なフィルタリング処理をフィルタ処理画像、または、補正画像に対して実行し、認証用画像として出力する。ステップS60を終了すると、本フローチャートを終了する。
以上より、第4の実施形態における画像処理装置70によれば、各小領域41aの輝度補正幅と測距部65が検出した距離に基づいて、補完的フィルタリング処理を補正画像の小領域41aに対して選択的に実行することで、画像中のノイズの状況に応じた適切な画像処理を施すことができる。
撮像装置60と生体の距離が大きすぎると撮像画像中のランダムノイズの影響が顕著となり、生体情報の正確な識別が困難となる。そこで、予め撮像画像中のランダムノイズによって生体の情報の識別が阻害されない上限の所定距離を設定し、所定距離を越えた撮像画像に対しては補完的フィルタリング処理を行わないことで、ランダムノイズに対して生体の情報を相対的に強調する異方的なフィルタリング処理のみを画像に対して実行するようにする。これにより、撮像装置60と生体の距離によるランダムノイズの増減を考慮した画像処理が可能となる。
従って、画像処理装置70によっても、画像中のノイズの影響に依らずに、画像中から正確に生体情報を識別可能とするように生体の画像を処理することができる。
また、本実施形態における生体認証システム4では、撮像装置60と生体の距離を検出できるため、異方的フィルタリング処理と補完的フィルタリング処理で用いる各フィルタ(第1のフィルタと第2のフィルタ)のカーネルのサイズは、距離に応じて適切なものに変更されるとよい。
以下、第5の実施形態における画像処理装置80を含む生体認証システム5について図面を参照しつつ説明する。画像処理装置80の物理構成は、画像処理装置50の物理構成に等しく、また、生体認証システム5は、図1に示される生体認証システム1の構成と等しいため、説明を省略する。
画像処理装置80は、領域抽出部81と、輝度補正部82と、画像情報抽出部83と、輝度補正幅検出部84と、適用フィルタ判定部85と、フィルタリング処理部89と、認証処理部88とを含む。フィルタリング処理部89は、補完的フィルタリング処理部86と、本フィルタリング処理部87とを含む。
領域抽出部81は、第3の実施形態における領域抽出部51と同様の機能を実現する。
輝度補正部82は、第3の実施形態における輝度補正部52と同様の機能を実現する。
画像情報抽出部83は、領域抽出部81において出力された領域抽出画像の複数の小領域41aの各々の輝度レベルを検出する。輝度レベルは、撮像装置20によって取得された画像内の輝度の高さを示すものである。
輝度補正幅検出部84は、第3の実施形態における輝度補正幅検出部54と同様の機能を実現する。
適用フィルタ判定部85は、画像情報抽出部83で検出された複数の小領域41aの各々の輝度レベル、及び、輝度補正幅検出部84で検出された小領域41aに対応する輝度補正幅に基づいて、対応する小領域41a毎にフィルタ判定処理を実行する。
フィルタリング処理部89は、第3の実施形態におけるフィルタリング処理部59と同様の機能を実現する。フィルタリング処理部89が含む、補完的フィルタリング処理部86と本フィルタリング処理部87もまた、それぞれ第3の実施形態における補完的フィルタリング処理部56、本フィルタリング処理部57と同様の機能を実現する。
認証処理部88は、第3の実施形態における認証処理部58と同様の機能を実現する。
画像処理装置80を含む生体認証システム5の認証処理は、ステップS10の代わりに、ステップS70を実行する点以外は、図5に示す生体認証システム1の認証処理のフローチャートの手順に等しい。従って、以下では、画像処理装置80が実行するステップS70の画像処理を説明する。
図15は、撮像装置20が取得した撮像画像に対して、画像処理装置80が実行する画像処理のフローチャートである。ステップS71からステップS74の処理は、第3の実施形態における画像処理のステップS31からステップS34の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS75では、画像情報抽出部83が、ステップS72で領域抽出部81が出力した領域抽出画像の複数の小領域41aの各々の輝度レベルを検出する。
以下、ステップS76からステップS79の処理は、補正画像を構成する複数の小領域41aの各々に対して行われる。
ステップS76では、適用フィルタ判定部85が、輝度補正幅検出部84で検出された小領域41aの輝度補正幅が閾値以上であるかどうかの判定を行う。ステップS76で閾値より小さいと判定された場合には、後述するステップS79へ移行する。
ステップS76で、小領域41aの輝度補正幅が閾値以上であると判定された場合、ステップS77へ移行する。ステップS77では、適用フィルタ判定部85は、画像情報抽出部83で検出された小領域41aの輝度レベルが所定輝度以上であるかどうかの判定を行う。ステップS77で閾値より小さいと判定された場合には、後述するステップS79へ移行する。
ステップS77で小領域41aの輝度レベルが所定輝度以上である場合に、補完的フィルタリング処理部86は、補完的フィルタリング処理を補正画像の小領域41aに対して実行する。言い換えると、補完的フィルタリング処理部86は、小領域41aの輝度補正幅が閾値以上であり、且つ、小領域41aに対応する撮像画像の領域の輝度レベルが所定輝度よりも小さい場合には、補完的フィルタリング処理を補正画像の当該小領域41aに対して実行しない。すなわち、補完的フィルタリング処理部86は、小領域41aの輝度補正幅と当該小領域41aに対応する撮像画像の領域の輝度レベルに基づいて、補完的フィルタリング処理を、補正画像の当該小領域41aに対して選択的に実行するフィルタリング処理手段である。
ステップS79では、全ての小領域41aでステップS76、S77におけるフィルタ判定処理が実行されたかどうかを判定する。ステップS79において、全ての小領域41aでフィルタ判定処理が実行されていないと判定された場合には、ステップS76へ戻り、フィルタ判定処理が実行されていない小領域41aについて、再度、ステップS76からステップS79を実行する。以下、全ての小領域41aについて、フィルタ判定処理が実行されるまで各小領域41aについてステップS76からステップS79を繰り返す。
ステップS79において、全ての小領域41aでフィルタ判定処理が実行済みであると判定された場合には、ステップS80へ移行する。ステップS80では、本フィルタリング処理部87が異方的なフィルタリング処理をフィルタ処理画像、または、補正画像に対して実行し、認証用画像として出力する。ステップS80を終了すると、本フローチャートを終了する。
以上より、第5の実施形態における画像処理装置80によれば、各小領域41aの輝度補正幅と輝度レベルに基づいて、補完的フィルタリング処理を補正画像の小領域41aに対して選択的に実行することで、画像中のノイズの状況に応じた適切な画像処理を施すことができる。
特に、撮像画像において輝度レベルが小さい領域は、輝度レベルが大きい領域と比較して照明を検出できていない領域であり、生体の情報を含む信号のレベルが小さい領域である。従って、輝度レベルが極端に小さいと、ランダムノイズの比重が高くなり、生体情報の正確な識別を阻害し得る。そこで、予めランダムノイズの影響が顕著となるような輝度の上限を所定輝度として設定し、所定輝度よりも小さい輝度レベルを検出した撮像画像の特定の領域に対しては補完的フィルタリング処理を行わないことで、ランダムノイズに対して生体の情報を相対的に強調する異方的なフィルタリング処理のみを画像に対して実行するようにする。これにより、輝度レベルによるランダムノイズの増減を考慮した画像処理が可能となる。
従って、画像処理装置80によっても、画像中のノイズの影響に依らずに、画像中から正確に生体情報を識別可能とするように生体の画像を処理することができる。
以上に挙げた、第3から第5の実施形態では、輝度補正幅に相対位置、撮像装置と生体との距離、輝度レベルのいずれかを組み合わせたが、これらを複数組み合わせて実行すべきフィルタリング処理を決定してもよい。
また、生体認証システムは、以上に挙げた実施形態で説明された構成に限定されない。例えば、ATMで生体認証を行う構成に変形してもよい。その場合、撮像装置は、イメージセンサを内蔵するマウスの代わりにATMの取引に関する操作が行われる操作手段の近傍に設けられるものであって、ATMを使用する顧客の生体を撮像してもよい。また、認証情報読取装置17と認証情報記憶媒体18の代わりに、ATMを使用する顧客の生体情報が記録されている認証用サーバが画像処理装置に接続されていてもよい。また、画像処理装置内の処理を複数の装置によって分担して行うような構成としてもよい。
また、撮像装置が撮像する生体は、手のひらに限らず、例えば、指など生体の他の部分が撮像されることで、生体情報である静脈を含む撮像画像が取得されてもよい。
また、本発明の画像処理装置は、生体認証に限らず、他の用途に使用されてもよい。例えば、静脈注射を行う際に、画像処理装置を用いて静脈の画像(認証用画像に該当)を取得し、その画像を元に注射針の穿刺位置の特定を行うような、静脈注射をアシストする技術として用いてもよい。
本発明の画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法は、上述の実施の例に限らず、特許請求の範囲に記載した本発明を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
1、2、3、4、5 生体認証システム
10、30、50、70、80 画像処理装置
11 CPU
12 RAM
13 HDD
14 入出力インターフェース
15 入力装置
16 表示装置
17 認証情報読取装置
18 認証情報記憶媒体
20、60 撮像装置
21、61 制御部
22、62 撮像部
23、63 記憶部
24、64 通信部
65 測距部
31、51、71、81 領域抽出部
32、52、72、82 輝度補正部
33、54、73、84 輝度補正幅検出部
34、55、74、85 適用フィルタ判定部
35、56、75、86 補完的フィルタリング処理部
36、57、76、87 本フィルタリング処理部
37、58、77、88 認証処理部
38、59、78、89 フィルタリング処理部
40 手
41、41a 領域
53 位置検出部
83 画像情報抽出部

Claims (13)

  1. 撮像装置で取得した生体の画像の輝度が補正された画像である補正画像の輝度補正幅を検出する検出手段と、
    前記検出手段で検出した前記輝度補正幅に基づいて、前記生体の情報を識別可能とするために行われるフィルタリング処理で使用される第1のフィルタの異方性を緩和する第2のフィルタを使用した補完的フィルタリング処理を、前記補正画像に対して選択的に実行するフィルタリング処理手段と、を備える
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記検出手段は、前記補正画像を構成する複数の領域の各々の輝度補正幅を検出するように構成され、
    前記フィルタリング処理手段は、前記検出手段で検出された前記複数の領域の各々の輝度補正幅に基づいて、前記補完的フィルタリング処理を、前記補正画像の当該領域に対して選択的に実行する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項2に記載の画像処理装置であって、
    前記フィルタリング処理手段は、前記複数の領域の各々の前記輝度補正幅が閾値以上である場合、前記補完的フィルタリング処理を前記補正画像の当該領域に対して実行する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項2に記載の画像処理装置であって、さらに、
    前記補正画像中の前記生体に対する前記複数の領域の各々の相対位置を検出する位置検出手段を備え、
    前記フィルタリング処理手段は、前記複数の領域の各々の前記輝度補正幅と前記位置検出手段で検出された当該領域の前記相対位置に基づいて、前記補完的フィルタリング処理を、前記補正画像の当該領域に対して選択的に実行する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  5. 請求項4に記載の画像処理装置であって、
    前記フィルタリング処理手段は、前記複数の領域の各々の前記輝度補正幅が閾値以上であり、且つ、当該領域の前記相対位置が所定位置である場合に、前記補完的フィルタリング処理を前記補正画像の当該領域に対して実行する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  6. 請求項5に記載の画像処理装置であって、
    前記フィルタリング処理手段は、前記複数の領域の各々の前記輝度補正幅が閾値以上であり、且つ、当該領域の前記相対位置が所定位置以外である場合に、前記補完的フィルタリング処理を前記補正画像の当該領域に対して実行しない
    ことを特徴とする画像処理装置。
  7. 請求項2に記載の画像処理装置であって、さらに、
    前記生体と前記撮像装置との距離を検出する距離検出手段を備え、
    前記フィルタリング処理手段は、前記複数の領域の各々の前記輝度補正幅と前記距離検出手段で検出された前記距離に基づいて、前記補完的フィルタリング処理を、前記補正画像の当該領域に対して選択的に実行する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  8. 請求項7に記載の画像処理装置であって、
    前記フィルタリング処理手段は、前記複数の領域の各々の前記輝度補正幅が閾値以上であり、且つ、前記距離が所定距離以上である場合に、前記補完的フィルタリング処理を前記補正画像の当該領域に対して実行しない
    ことを特徴とする画像処理装置。
  9. 請求項2に記載の画像処理装置であって、
    前記フィルタリング処理手段は、前記複数の領域の各々の前記輝度補正幅と当該領域に対応する前記撮像装置で取得した画像の領域の輝度レベルに基づいて、前記補完的フィルタリング処理を、前記補正画像の当該領域に対して選択的に実行する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  10. 請求項9に記載の画像処理装置であって、
    前記フィルタリング処理手段は、前記複数の領域の各々の前記輝度補正幅が閾値以上であり、且つ、当該領域に対応する前記画像の領域の輝度レベルが所定輝度より小さい場合に、前記補完的フィルタリング処理を前記補正画像の当該領域に対して実行しない
    ことを特徴とする画像処理装置。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
    前記フィルタリング処理手段は、前記補正画像に対して、前記第1のフィルタを使用した異方的なフィルタリング処理を実行するように構成される
    ことを特徴とする画像処理装置。
  12. コンピュータを、
    撮像装置で取得した生体の画像の輝度が補正された画像である補正画像の輝度補正幅を検出する検出手段、
    前記検出手段で検出した前記輝度補正幅に基づいて、前記生体の情報を識別可能とするために行われるフィルタリング処理で使用される第1のフィルタの異方性を緩和する第2のフィルタを使用した補完的フィルタリング処理を、前記補正画像に対して選択的に実行するフィルタリング処理手段として機能させる
    ことを特徴とする画像処理プログラム。
  13. 撮像装置で取得した生体の画像の輝度が補正された画像である補正画像の輝度補正幅を検出し、
    検出した前記輝度補正幅に基づいて、前記生体の情報を識別可能とするために行われるフィルタリング処理で使用される第1のフィルタの異方性を緩和する第2のフィルタを使用した補完的フィルタリング処理を、前記補正画像に対して選択的に実行する
    ことを特徴とする画像処理方法。
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