JP2017151048A - 測距プログラム、測距方法、及び測距装置 - Google Patents

測距プログラム、測距方法、及び測距装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017151048A
JP2017151048A JP2016036100A JP2016036100A JP2017151048A JP 2017151048 A JP2017151048 A JP 2017151048A JP 2016036100 A JP2016036100 A JP 2016036100A JP 2016036100 A JP2016036100 A JP 2016036100A JP 2017151048 A JP2017151048 A JP 2017151048A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
dimensional object
area
difference
distance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016036100A
Other languages
English (en)
Inventor
村下 君孝
Kimitaka Murashita
君孝 村下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2016036100A priority Critical patent/JP2017151048A/ja
Publication of JP2017151048A publication Critical patent/JP2017151048A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Image Analysis (AREA)
  • Measurement Of Optical Distance (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)

Abstract

【課題】自車両の周囲の立体物を測距する技術に関し、光軸方向が異なる複数のカメラを用いて対象までの距離を測定可能とする。【解決手段】立体物検出部104は、路面投影画像生成部103が生成した2つのカメラに対応する路面投影画像の差分画像を判定することにより、車両の近傍空間内に立体物があるか否かを判定し、その判定結果を選択部105に通知する。選択部105は、近傍空間内に立体物がない場合には、ステレオ測距部107に対して、車両上の2つのカメラから立体物までのステレオ測距を指示する。選択部105は、近傍空間内に立体物がある場合は、接地距離算出部108に対して、車両から、差分画像のエッジ領域に対応する立体物と地面との接地面までの測距を指示する。立体物の状況により、ステレオ測距又は接地距離の測距を選択しながら立体物と車両との距離を正しく測距することが可能となる。【選択図】図1

Description

本発明は、測距プログラム、測距方法、及び測距装置に関する。
駐車場発進や見通しの悪い交差点で左右を確認する装置にブラインドコーナモニタがある。また、駐車場から後退発進する際に後方を確認する装置として、バックカメラがある。ブラインドコーナモニタは、プリズムミラーまたは魚眼カメラを用いて、ドライバが目視しにくい前方側方を表示する。バックカメラも、魚眼レンズを用いるなどにより、後方を広角に撮影する。これらを車の周囲4カ所に設置し、車の周囲360°全てをドライバに表示する全周囲表示システムも知られている。更に、カメラで撮像した車両前後左右の各画像に対して視点変換を行い、各画像に写っている空間を車両上方から見た場合の画像(路面投影画像)に擬似的に変換し、車両の周囲に表示する技術も知られている。例えば、次のような従来技術が知られている(例えば特許文献1)。複数のカメラは、車両周辺を撮影する。トップビュー画像変換部は、撮影されたサイドビュー画像に基づいて路面投影を行ったトップビュー画像を生成する。立体物検出部は、各カメラに対応するトップビュー画像の重複領域に含まれる立体物を検出する。立体物位置検出部は、検出された立体物の路面上の水平位置を検出する。立体物修正部は、検出された立体物の水平位置を用いて立体物の位置を修正する。表示処理部、表示装置は、位置修正がなされた後の立体物が含まれるトップビュー画像を表示する。
一方、2つのカメラを一定距離(基線長)だけ離した位置に同一の光軸方向になるように設置し、対象物の2画像内の位置の差と上記基線長により対象までの距離を算出するステレオカメラの技術が知られている。例えば、次のような従来技術が知られている(例えば特許文献2)。ステレオ基線に配置された2台の撮影装置により時刻同期をとって撮影した複数の時系列的なステレオ静止画像に基づき、各移動体が占める空間領域が特定される。当該ステレオ静止画像の背景画像に対する差分領域が抽出され、全画像領域に対する当該差分領域の面積率が算出され、当該面積率に基づいて移動体の混雑レベルが特定される。当該混雑レベルに応じた移動体テンプレートが上記特定した移動体の空間領域に割り当てられて移動体が特定され、複数の時系列的なステレオ静止画像に基づいて移動体の動きが追跡される。また、同一移動体の移動体テンプレートに同じ色が付されて各移動体の動きが記録され、当該色に基づいて移動体の移動情報が取得される。
特開2007−172501号公報 特開2005−235104号公報
しかしながら、全周囲表示システム及びこれに関連する従来技術は、周囲を撮影するのみであり、周囲物体までの距離は算出できないという課題がある。
一方、ステレオカメラに関する従来技術を用いれば距離算出が可能となる。しかしながら、全周囲表示システムの各カメラをステレオにすると、カメラの個数が倍(例えば4台から8台)になるなど、システムのコストが増大するという課題がある。
1つの側面において、本発明は、光軸方向が異なる複数のカメラを用いて対象までの距離を測定可能とすることを目的とする。
態様の一例では、以下の判定処理及び距離算出処理をコンピュータに実行させる。判定処理では、コンピュータは、第一の撮像装置で撮像された第一の画像の第一の部分領域と、第二の撮像装置で撮像された第二の画像の内の第一の部分領域と共通する空間が撮像される第二の部分領域とにおいて、第一の部分領域の画像と第二の部分領域の画像との類似度が所定の類似度に比較して低いか否かに応じて、空間に立体物があるか否かを判定する。空間に立体物がないと判定した場合には、コンピュータは、距離算出処理として、前記第一の画像と前記第二の画像とを用いたステレオ測距により現在位置から立体物までの距離を算出する処理を行う。空間に立体物があると判定した場合には、コンピュータは、距離算出処理として、第一の部分領域の画像及び/又は第二の部分領域の画像における地面と立体物との境界位置から立体物までの距離を算出する処理を行う。
光軸方向が異なる複数のカメラを用いて対象までの距離を測定することが可能となる。
測距装置の機能的構成を示すブロック図である。 立体物の検出範囲の例を示す説明図である。 路面表示が検出される場合の路面投影画像からの差分画像による立体物検出の動作説明図である。 立体物が検出される場合の路面投影画像からの差分画像による立体物検出の動作説明図である。 路面投影画像における立体物の例の説明図である。 立体物検出部による近傍判定の動作説明図である。 平行化画像生成部の動作説明図である。 接地距離算出部の動作説明図(その1)である。 接地距離算出部の動作説明図(その2)である。 コンピュータのハードウェア構成例を示す図である。 第1の実施形態の処理例を示すフローチャートである。 第2の実施形態の処理例を示すフローチャートである。 第3の実施形態の処理例を示すフローチャートである。 実空間及び画像内における立体物の形状の関係の説明図である。 立体物の形状と差分領域との関係の説明図である。 1個のカメラからの画像に基づく連続する2時刻の路面投影画像を示す図である。 1個のカメラからの画像に基づく連続する路面投影画像の差分を示す図である。 判定条件と判定結果との関係を説明する図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。まず、以下に説明する各実施形態を導出した考え方について説明する。
前述した全周囲表示システムの4台のカメラのうちの2台のカメラの画像をステレオカメラからの画像とみなせばカメラを増やすことなく周囲物までの測距が可能と考えられる。例えば、車両前方を撮像する前方カメラで撮像した画像と、車両左方を撮像する左方カメラで撮像した画像とをステレオカメラからの画像とみなせば、車両の左前方に存在する対象物(立体物)までの測距が可能となる。
なお、全周囲表示システムのカメラはステレオカメラと異なり、各カメラの光軸方向は全て異なる。そのため、ステレオ測距法を用いる場合、ステレオカメラとみなす2台のカメラの光軸を一致させるような画像変換を行う必要がある。
ところが、対象物の位置によっては、光軸変換をしたとしても、画像間の見え方が大きく異なってしまう。ステレオ測距法では、1枚目の画像内の物体が2枚目の画像内でマッチングされて、1枚目と2枚目の位置の差が算出される。このため、画像間の見え方が異なると、画像間のマッチングが行えず画像間の位置の差を特定することができない。
画像間の見え方の差は、近距離の物体ほど顕著になる。そこで、以下に説明する各実施形態においては、路面投影画像を用いて対象物までのおおよその距離が算出され、算出され距離に応じて、ステレオ測距法による距離の算出と、他の方法、例えば路面投影画像に基づいた距離の算出とのいずれで距離を算出するかが判定される。
図1は、測距装置の機能的構成を示すブロック図である。図1の測距装置100は、後述する本発明の第1、第2、及び第3の実施形態に共通する装置である。測距装置100は、例えば車載のElectronic Control Unit(ECU)の一部として搭載される。測距装置100には、車両の前方、左方、右方、及び後方にそれぞれ搭載される前方カメラ110(#F)、左方カメラ110(#L)、右方カメラ110(#R)、及び後方カメラ110(#B)が接続される。
測距装置100は、画像取得部101、記憶部102、路面投影画像生成部103、立体物検出部104、選択部105、平行化画像生成部106、ステレオ測距部107、接地距離算出部108、及び出力部109を備える。
画像取得部101は、前方カメラ110(#F)、左方カメラ110(#L)、右方カメラ110(#R)、及び後方カメラ110(#B)からの4種類の例えばJPEG圧縮された画像データを、所定のフレーム周期毎に取得する。画像取得部101は、取得した各画像を、記憶部102に記憶させると共に、路面投影画像生成部103に入力する。
図2は、立体物の検出範囲の例を示す説明図である。車両200の前方(例えばフロントバンパー部分)に取り付けられた前方カメラ110(#F)は、撮像範囲201(#F)の範囲を撮像することができる。また、車両200の左方(例えば左フロントフェンダー下部)に取り付けられた左方カメラ110(#L)は、撮像範囲201(#L)の範囲を撮像することができる。同様に、車両200の右方(例えば右フロントフェンダー下部)に取り付けられた右方カメラ110(#R)は、撮像範囲201(#R)の範囲を撮像することができる。車両200の後方(例えばリアバンパー部分)に取り付けられた後方カメラ110(#B)は、撮像範囲201(#B)の範囲を撮像することができる。そして、前方カメラ110(#F)から得られる画像と左方カメラ110(#L)から得られる画像からは、撮像範囲201(#F)と撮像範囲201(#L)とが重なる第1の共通領域AR1に存在する立体物を検出することができる。また、前方カメラ110(#F)から得られる画像と右方カメラ110(#R)から得られる画像からは、撮像範囲201(#F)と撮像範囲201(#R)とが重なる第2の共通領域AR2に存在する立体物を検出することができる。同様に、後方カメラ110(#B)から得られる画像と左方カメラ110(#L)から得られる画像からは、撮像範囲201(#B)と撮像範囲201(#L)とが重なる第3の共通領域AR3に存在する立体物を検出することができる。更に、後方カメラ110(#B)から得られる画像と右方カメラ110(#R)から得られる画像からは、撮像範囲201(#B)と撮像範囲201(#R)とが重なる第4の共通領域AR4に存在する立体物を検出することができる。第1の共通領域AR1〜第4の共通領域AR4の範囲及び形状は、各カメラ110の撮像範囲(画角)や設置位置を変えることで、変更することが可能である。
測距装置100の機能的構成についての説明に戻る。路面投影画像生成部103は、前方カメラ110(#F)、左方カメラ110(#L)、右方カメラ110(#R)、及び後方カメラ110(#B)からの4種類の画像に基づいて、各画像についての路面投影画像を生成する。ここで、路面投影画像は、各カメラ110を取り付けた車両上方に仮想的に設定した同一の視点位置から車両に対してフラットな路面を俯瞰した画像、言い換えると、各カメラ110で撮像した空間内の像を車両上方の視点から見たときの像を表す擬似的な画像である。路面投影画像の生成は、一般的な視点変換により生成することができる。具体的には、路面投影画像生成部103は、前方カメラ110(#F)からの画像に基づいて、その画像を路面に投影させた前方路面投影画像を生成する。前方路面投影画像は、図2の撮像範囲201(#F)を路面に投影させた画像である。また、路面投影画像生成部103は、左方カメラ110(#L)からの画像を路面に投影させた左方路面投影画像を生成する。左方路面投影画像は、図2の撮像範囲201(#L)を路面に投影させた画像である。同様に、路面投影画像生成部103は、右方カメラ110(#R)からの画像を路面に投影させた右方路面投影画像を生成する。右方路面投影画像は、図2の撮像範囲201(#R)を路面に投影させた画像である。更に、路面投影画像生成部103は、後方カメラ110(#B)からの画像を路面に投影させた後方路面投影画像を生成する。後方路面投影画像は、図2の撮像範囲201(#B)を路面に投影させた画像である。路面投影画像生成部103は、生成した前方路面投影画像、左方路面投影画像、右方路面投影画像、及び後方路面投影画像を、立体物検出部104に入力する。
立体物検出部104は、入力された各路面投影画像から立体物を検出する。具体的には、立体物検出部104は、周方向で隣り合う2つの路面投影画像の組毎に、路面投影画像間の共通領域についての差分画像を作成する。即ち、立体物検出部104は、前方路面投影画像と左方路面投影画像との差分画像(前方−左方差分画像)を算出する。この前方−左方差分画像は、図2における第1の共通領域AR1に対応する画像である。また、立体物検出部104は、前方路面投影画像と右方路面投影画像との差分画像(前方−右方差分画像)を算出する。この前方−右方差分画像は、図2における第2の共通領域AR2に対応する画像である。同様に、立体物検出部104は、後方路面投影画像と左方路面投影画像との差分画像(後方−左方差分画像)を算出する。この後方−左方差分画像は、図2における第3の共通領域AR3に対応する画像である。更に、立体物検出部104は、後方路面投影画像と右方路面投影画像との差分画像(後方−右方差分画像)を生成する。この後方−右方差分画像は、図2における第4の共通領域AR4に対応する画像である。なお、それぞれ2つの路面投影画像の差分画像は、2つの路面投影画像の共通領域(重なり領域)における各画素の輝度値の差を画素値とする画像として算出することができる。
次に、立体物検出部104は、作成した差分画像毎に、その差分画像において差分のある画素の数が所定値に比較して小さいか否かを判定する。この判定において、まず、差分画像の各画素毎に、算出した差分画素値が閾値以上である画素が差分のある画素とされる。例えば、元の路面投影画像の各画素の輝度値が8ビットのデータで表され0〜255の値の範囲をとる場合、各画素の輝度値の差は−255〜+255のいずれかとなる。対象物(立体物)が写っている箇所では輝度値の差が大きくなるので、例えば、輝度値の差の絶対値が10以上である画素が、差分のある画素とされる。そして、差分画像全体について、差分のある画素値の画素数が所定値に比較して小さいか否かを判定する。立体物検出部104は、作成した差分画像が所定値に比較して小さい場合には、その領域には立体物は存在しないと判定して測距を中止する。立体物検出部104は、作成した差分画像が所定値に比較して大きい場合には、その領域には立体物が存在すると判定する。
図3は、路面表示が検出される場合の路面投影画像からの差分画像による立体物検出の動作説明図である。図4は、立体物が検出される場合の路面投影画像からの差分画像による立体物検出の動作説明図である。
まず、車両200の左前方となる第1の共通領域AR1に、図3の(a)のように、立体物ではない路面上の模様や道路標示等の平面表示301が存在する場合を考える。この平面表示301は、前方カメラ110(#F)と左方カメラ110(#L)によって撮像される。測距装置100では、これらのカメラ110からの撮像画像に基づいて、路面投影画像生成部103が前方路面投影画像及び左方路面投影画像を生成する。このとき、図3の(b)のように、前方路面投影画像における平面表示301の像302と、左方路面投影画像における平面表示301の像303とは、ほぼ同じ形状となる。そのため、立体物検出部104が前方路面投影画像と左方路面投影画像とから前方−左方差分画像を生成すると、図3の(c)のように平面表示301の像302,303により差分が生じる領域(差分領域)304の画素数は所定値に比較して小さな値となる。この結果、立体物検出部104は、平面表示301と対応する差分領域304を立体物が存在する領域としては検出しないことになる。このような平面表示301は、その上を車両200が通過しても問題はないため、それに対する測距は実行されない。
次に、車両200の左前方となる第1の撮像領域AR1に、図4の(a)のように、立体物401が存在する場合を考える。この立体物401は、前方カメラ110(#F)と左方カメラ110(#L)によって撮像される。測距装置100では、これらのカメラ110からの撮像画像に基づいて、路面投影画像生成部103が前方路面投影画像及び左方路面投影画像を生成する。このとき、図4の(b)のように、前方路面投影画像における立体物401の像402と、左方路面投影画像における立体物401の像403とは、異なる形状となる。ここで、路面投影画像における立体物の例について図5を参照して説明する。図5は、路面投影画像における立体物の例の説明図である。カメラ110で撮像した画像は、画像に写っている立体物までの距離の情報を持たない。そのため、カメラ110で撮像した画像を路面投影画像に変換する際、空間内の立体物は、路面上の平面表示(路面上に存在する路面と平行な物体)とみなされる。従って、図5に示すように、路面投影画像生成部103が生成する路面投影画像では、カメラ110の中心と対応する画素の位置501を原点とする径方向が立体物のある方向を表す。また、カメラ110の画像における立体物の鉛直上方側(例えば人間の頭部等)は、路面上のカメラ110から遠方の位置にあるとみなされる。そのため、路面投影画像生成部103で路面投影画像が生成される際には、カメラ110の画像において、例えば路面に立っている人間502の頭部は、その人間502の脚部よりも遠方にあるとみなされる。従って、カメラ110の画像における人間502は、路面投影画像上では図5に示されるような形状となる。また、電柱のような柱状の物体503の場合、路面投影画像では、路面からの距離が遠い上部が、路面に近い下部よりも大きい略円錐台状の形状となる。
すなわち、略直方体状の立体物401が車両200の左前方にある場合、前方カメラ110(#F)の画像から生成される前方路面投影画像における立体物の像402は、図4の(b)のように、前方カメラ110(#F)の視点から遠方に向かって広がる多角形状の像となる。同様に、左方カメラ110(#L)の画像から生成される左方路面投影画像における立体物の像403は、左方カメラ110(#L)の視点から遠方に向かって広がる多角形状となる。そのため、立体物検出部104が前方路面投影画像と左方路面投影画像との共通領域から前方−左方差分画像404を生成すると、図4の(c)のように、立体物の像402,403により生じる差分領域404の画素数は、所定値に比較して大きな値とになる。よって、立体物検出部104は、前方−左方差分画像において立体物401と対応する差分領域404を、立体物が存在する領域として検出する。このような立体物401は、車両200が衝突するおそれがあり危険であるため、それに対する測距が実行される。
次に、図1の立体物検出部104は、作成した差分画像が所定値に比較して大きくその領域に立体物が存在すると判定した場合には、更に、作成した差分画像が路面投影画像上で撮像の視点から近傍にあるか遠方にあるかを判定する。
近傍領域は、2カメラで撮影した2枚の画像から生成した路面投影画像が重なる領域内であって、路面投影画像内においてカメラの中心画素からの距離が実空間での所定の距離(例えば8m)となる画素のラインよりもカメラ側の領域である。
図6は、立体物検出部による近傍判定の動作説明図である。立体物検出部104は、例えば前方−左方差分画像を処理する場合、次のような近傍判定処理を実行する。立体物検出部104は、差分画像中の画素の中に、前方カメラ110(#F)の撮像中心601(#F)又は左方カメラ110(#L)の撮像中心601(#L)のうちいずれかからの距離が、図6のラインL1の画素よりも近い画素があるか否かを判定する。或いは、立体物検出部104は、差分領域602,603内に、ラインL1に含まれる画素があるか否かを判定する。ここで、ラインL1は、前方カメラ110(#F)又は左方カメラ110(#L)の中心を表す画素601(#F)又は601(#L)からの距離Rが実空間における距離閾値(例えば8m)となる画素のラインである。すなわち、立体物検出部104は、前方カメラ110(#F)からの画像における近傍領域(近傍空間)を含む第1の部分と、左方カメラ110(#L)からの画像のうちの第1の部分と共通する第2の部分と、の差分に基づいて、近傍空間に立体物が存在するか否かを判定する。例えば、図6に示した差分領域602のように、領域内にラインL1よりもカメラ110側となる画素が含まれる場合、立体物検出部104は、その差分領域602が表す立体物は近傍に存在すると判定する。一方、図6に示した差分領域603のように、領域内にラインL1よりもカメラ110側となる画素がない場合、立体物検出部104は、その差分領域が表す立体物は遠方に存在すると判定する。また、立体物検出部104は、他の、前方−右方差分画像、後方−左方差分画像、及び後方−右方差分画像についても、それぞれに対応するカメラの撮像中心を基準として、上記と同様の近傍判定処理を実施する。立体物検出部104は、上記判定結果がYESか否かにより、車両200の近傍空間内に立体物があるか否かを判定し、その判定結果を選択部105に通知する。
選択部105は、立体物検出部104において車両200の近傍領域(近傍空間)内に立体物がないと判定した場合には、ステレオ測距部107に、車両200から立体物までの距離をステレオ測距で算出させる。ステレオ測距部107は、平行化画像生成部106で生成した平行化画像に基づいて、車両200から立体物までの距離を算出する。一方、選択部105は、立体物検出部104が車両200の近傍空間内に立体物があると判定した場合には、接地距離算出部108に、車両200から立体物までの距離を算出させる。接地距離算出部108は、差分画像に対応する路面投影画像における地面と立体物との境界位置に基づいて、車両200から立体物までの距離を算出する。
以上の路面投影画像生成部103、立体物検出部104、及び選択部105は、車両200から立体物までの距離の算出方法を判定する判定部として動作することになる。また、平行化画像生成部106、ステレオ測距部107、及び接地距離算出部108は、車両200から立体物までの距離を算出する距離算出部として動作することになる。
選択部105がステレオ測距部107に車両200から立体物までの距離をステレオ測距で算出させる場合の動作について、以下に説明する。
ステレオ測距部107は、まず、平行化画像生成部106に、記憶部102が記憶している、選択部105から指定された差分画像に対応する2つのカメラ110の各出力画像に対して、光軸の平行化処理を実行させる。
図7は、平行化画像生成部の動作説明図である。前方−左方差分画像に対して、立体物のステレオ測距が指示されたとする。この場合、例えば前方カメラ110(#F)と左方カメラ110(#L)は、それぞれ図2で説明した撮像範囲201(#F)及び撮像範囲201(#L)を撮像するように設定されている。このため、例えば図7の(a−1)の一点鎖線で示されるように、前方カメラ110(#F)及び左方カメラ110(#L)の各光軸は、それぞれ撮像範囲201(#F)及び撮像範囲201(#L)の方向を向くように、互いに異なる方向に設定されている。この結果、前方カメラ110(#F)及び左方カメラ110(#L)のそれぞれから出力される画像において、例えば(a−2)及び(a−3)として示されるように、図2の第1の共通領域AR1に存在する共通する立体物が中央に表示されない状態となっている。そこで、本実施形態では、平行化画像生成部106が、記憶部102から読み出した2つのカメラ110(#F)及び110(#L)に対応する各出力画像に対して、光軸変換の画像処理を実行する。すなわち、平行化画像生成部106は、図7の(b−1)に示されるように、前方カメラ110(#F)及び左方カメラ110(#L)の各光軸を、第1の共通領域AR1の方向を向くように平行化させる画像処理を実行する。この処理の結果、例えば(a−2)及び(a−3)として示される2つの画像は、(b−2)及び(b−3)として示されるように、共に第1の共通領域AR1の方向を向く画像に修正される。これにより、光軸が平行化された2つの画像内に写っている共通領域AR1内の共通の立体物((b−2)及び(b−3)の太線丸で囲まれた物体)につき、(c−1)及び(c−2)に示されるように、2枚の画像によるマッチングに基づくステレオ測距ができるようになる。
平行化画像生成部106は、前方カメラ110(#F)及び右方カメラ110(#R)についても同様に、選択部105からステレオ測距が指示された場合には、対応する2つの画像における光軸が第2の共通領域AR2を向いて平行になるように、変換処理を実行する。また、後方カメラ110(#B)及び左方カメラ110(#L)についても同様に、選択部105からステレオ測距が指示された場合には、対応する2つの画像における光軸が第3の共通領域AR3を向いて平行になるように、変換処理を実行する。更に、後方カメラ110(#B)及び右方カメラ110(#R)についても同様に、選択部105からステレオ測距が指示された場合には、対応する2つの画像における光軸が第4の共通領域AR4を向いて平行になるように、変換処理を実行する。
以上のようにして平行化画像生成部106によって生成された、光軸を平行化した2つの画像は、ステレオ測距部107に入力される。ステレオ測距部107は、入力された2つの画像に含まれる立体物の領域上で、特徴点のマッチングを取った後に、それぞれの特徴点の組を用いて、既存のステレオ差分法に基づいて、ステレオ測距を行い、車両200から立体物までの距離を算出する。
次に、選択部105が接地距離算出部108に車両200から立体物までの距離を算出させる場合の動作について、以下に説明する。
図8は、接地距離算出部の動作説明図(その1)である。図9は、接地距離算出部の動作説明図(その2)である。立体物検出部104が、例えば、図8の(a)に示されるように、前方−左方差分画像から車両200の近傍に存在する立体物と対応した差分領域801を検出しているとする。接地距離算出部108は、立体物検出部104からこの差分領域801の情報を受け取ると、エッジ検出処理等により、差分画像(路面投影画像)における差分領域801についてのエッジ画素802(太線部分)を抽出する。次に、接地距離算出部108は、図8の(b)に示すように、エッジ画素802のうち、前方カメラ110(#F)及び左方カメラ110(#L)に対向している部分のエッジ領域803及び804を、差分領域801に対応する立体物と地面との接地面として選択する。そして、接地距離算出部108は、選択したエッジ領域803及び804の中で、車両200(前方カメラ110(#F)及び左方カメラ110(#L))に最も近い画素805を選択し、その画素805と車両200との最短距離を算出して出力する。図9は、図8の(b)の詳細を示す図である。差分領域801を含む差分画像に対してエッジ検出処理を行った場合、図9に示されるように、エッジ領域803及び804は、数画素程度の幅がある。そのため、接地距離算出部108は、これらのエッジ領域の外周のうちの前方カメラ110(#F)及び左方カメラ110(#L)の側の辺を、差分領域801に対応する立体物と地面との接地面とする。
ここで、接地位置は立体物と路面との境界であり、路面上に存在する立体物における路面と接する部分の位置として定義される。エッジ領域は差分が出る領域の輪郭部分であり、数画素程度の幅を持った帯状領域として定義される。最短距離はエッジ領域の内のカメラの中心から最も近い設置位置までの直線距離と定義される。
接地距離算出部108は、立体物検出部104が、前方−右方差分画像、後方−左方差分画像、後方−右方差分画像を算出した後に、接地距離の算出指示を行った場合も、同様に動作する。接地距離算出部108は、差分画像のエッジ領域のうち、その差分画像に対応する2つのカメラに対向するエッジ領域を、その差分画像に対応する立体物と地面との接地面として選択する。そして、接地距離算出部108は、その選択されたエッジ領域のうち車両200に最も近い画素(図8の805に対応)を選択し、その画素と車両200との最短距離を算出して出力する。
出力部109は、ステレオ測距部107又は接地距離算出部108で算出した距離情報を、衝突回避動作等を実行する他のユニットに出力する。
以上のようにして、実施形態では、差分画像に対応する立体物と車両200との大まかな距離に応じて、ステレオ測距又は接地距離の測距を選択しながら立体物と車両200との距離を正しく測距することが可能となる。
なお、上記の測距装置100は、コンピュータと、当該コンピュータに実行させるプログラムとにより実現可能である。
図10は、コンピュータのハードウェア構成例を示す図である。このコンピュータは、Central Processing Unit(CPU)1001、主記憶装置1002、外部記憶装置1003、入力装置1004、出力装置1005、可搬記録媒体駆動装置1006、ネットワーク接続装置1007、カメラI/F部1008が、バス1009で接続された構成を有する。
CPU 1001は、当該コンピュータ全体の制御を行う。主記憶装置1002は、プログラムの実行、データ更新等の際に、外部記憶装置1003(或いは可搬記録媒体1006a)に記憶されているプログラム又はデータを一時的に格納するRandom Access Memory(RAM)等のメモリである。CPU 1001は、プログラムを主記憶装置1002に読み出して実行することにより、全体の制御を行う。
外部記憶装置1003は、例えば、フラッシュRead Only Memory(ROM)、ソリッドステート半導体記憶装置等の不揮発性メモリである。主に各種データやプログラムの保存に用いられる。外部記憶装置1003は、図1の記憶部102に対応する。また、コンピュータがHard Disk Drive(HDD)を搭載している場合、当該HDDを外部記憶装置1003として利用可能である。
入力装置1004は、ユーザによる例えば車載のタッチパネルディスプレイからのタッチ入力操作を検出し、その検出結果をCPU 1001に通知する。
出力装置1005は、CPU 1001の制御によって送られてくるデータを例えば車載のタッチパネルディスプレイに表示する。
媒体駆動装置1006は、可搬記録媒体1006aに記録されたデータの読み出し、及び可搬記録媒体1006aへのデータの書き込みを行う。媒体駆動装置1006としてSDカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)等のメモリカードのリーダ/ライタを備えたコンピュータでは、当該リーダ/ライタで利用可能なメモリカードを可搬記録媒体1006aとして利用可能である。また、媒体駆動装置1006として光ディスクドライブを備えたコンピュータでは、Compact Disk(CD)、Digital Versatile Disc(DVD)、Blu-ray Disc(Blu-rayは登録商標)等の光ディスクを可搬記録媒体1006aとして利用可能である。媒体駆動装置1006及び可搬記録媒体1006aは、外部記憶装置1003の補助の役割を有する。
ネットワーク接続装置1007は、例えばLocal Area Network(LAN)又はWide Area Network(WAN)などのネットワーク1007aにコンピュータを接続するための装置である。
カメラI/F(インタフェース)部1008は、図1の前方カメラ110(#F)、左方カメラ110(#L)、右方カメラ110(#R)、及び後方カメラ110(#B)が撮像する画像を、外部記憶装置1003等に取り込む。
本実施形態によるシステムは、図11〜図13のフローチャート等で実現される機能を搭載したプログラムをCPU 1001が実行することで実現される。そのプログラムは、例えば外部記憶装置1003や可搬記録媒体1006等の(非一時的な)記録媒体に記録して配布してもよく、或いはネットワーク接続装置1007によりネットワーク1007aから取得できるようにしてもよい。
なお、図10のコンピュータは、図1の測距装置100のシステムを実現可能なコンピュータの一例に過ぎず、コンピュータはこの構成に限定されるものではない。
次に、図1の測距装置100のシステムの機能を実現するために図10のコンピュータが実行する制御プログラムについての実施形態(処理例)を説明する。
図11は、第1の実施形態の処理例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、例えば所定のフレーム周期毎に繰返し実行される。
まず、CPU 1001は、カメラI/F部1008を介して、前方カメラ110(#F)、左方カメラ110(#L)、右方カメラ110(#R)、及び後方カメラ110(#B)に周囲画像を撮像させる。そして、CPU 1001は、各カメラ110からの4種類の例えばJPEG圧縮された画像データを、所定のフレーム周期毎に取得し、それぞれ、外部記憶装置1003に記憶させる(以上、ステップS1101)。
次に、CPU 1001は、上述した路面投影画像生成部103が行う処理、すなわち上記4周囲の画像に対応する4種類の路面投影画像の生成処理を実行する。その後、CPU 1001は、上述した立体物検出部104が行う処理、すなわち周方向で隣接する2つの路面投影画像の組毎に路面投影画像間の共通領域についての差分画像を作成する(以上、ステップS1102)。
次に、CPU 1001は、作成した各差分画像毎に差分がある領域(差分領域)の画像数が所定値に比較して小さいか否かを判定する処理を実行することにより、共通領域に立体物と対応する差分が発生したか否かを判定する(ステップS1103)。
共通領域に立体物と対応する差分が発生していない場合(ステップS1103;NO)、CPU 1001は、ステップS1101の処理に戻る。
なお、ステップS1101からS1103の一連の処理は、前述した前方−左方差分画像、前方−右方差分画像、後方−左方差分画像、及び後方−右方差分画像のそれぞれ毎に独立して実行される。
何れか1つ以上の差分画像について共通領域に立体物と対応する差分が発生した場合(ステップS1103;YES)、CPU 1001は、以下のステップS1104からS1109の一連の処理を、当該差分画像毎に繰り返し実行する。この場合、路面よりも高さのある立体物があるとみなされる。
まず、CPU 1001は、立体物と対応する差分領域が路面投影画像上で撮像の視点から近傍にあるか否かの判定処理を実行する(ステップS1104)。
差分領域が車両(撮影位置)の近傍ではない場合(ステップS1104;NO)、CPU 1001は、ステレオ測距処理を実行する(ステップS1105、S1106)。ステレオ測距処理では、CPU 1001は、まず、上述した平行化画像生成部106が行う処理、すなわち光軸が平行化された画像の生成処理を実行する。続けて、CPU 1001は、生成された2つの平行化画像間で、マッチング処理を実行する(以上、ステップS1105)。ステップS1105の処理では、例えば、平行化画像間の相関(例えば、Sum of Absolute Difference(SAD)法など)に基づいて、平行化画像内の立体物のマッチングを行う。その後、CPU 1001は、ステップS1105で平行化画像間でマッチングされた位置の差から、ステレオ測距演算を実行し、車両200から立体物までの距離を算出する(ステップS1106)。
一方、差分領域が車両の近傍である場合(ステップS1104;YES)、CPU 1001は、接地距離の算出処理を実行する(ステップS1107、S1108)。接地距離の算出処理では、CPU 1001は、まず、上述した接地距離算出部108が行う処理の1つである、差分画像(路面投影画像)上での差分領域に対応する立体物と地面との接地位置(エッジ領域)を算出する処理を実行する(ステップS1107)。その後、CPU 1001は、接地距離算出部108が行うもう1つの処理である、ステップS1107で算出した接地位置から車両200と差分領域に対応する立体物との距離を算出する処理を実行する(ステップS1108)。
CPU 1001は、ステップS1106又はS1108の処理の後、差分が発生した全ての差分領域について処理が終了したか否かを判定する(ステップS1109)。未処理の差分領域がある場合(ステップS1109;NO)、CPU 1001は、ステップS1104の処理に戻る。そして、全ての差分領域について処理が終了した場合(ステップS1109;YES)、CPU 1001は、例えば今回のフレーム周期に対応する図11のフローチャートの制御処理を終了する。
図12は、第2の実施形態の処理例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、図11の第1の実施形態の場合と同様に、例えば所定のフレーム周期毎に繰返し実行される。なお、図12のフローチャートにおいて、図11の場合と同じステップ番号が付された処理は、図11の場合と同じ処理である。
図12に示した第2の実施形態に係るフローチャートの処理において第1の実施形態に係るフローチャートの処理と異なるのは、ステップS1201である。
第2の実施形態では、立体物と対応した差分領域が車両200の近傍に存在すると判定した場合(ステップS1104;YES)、CPU 1001が、次に、差分領域が一定面積以上であるか否かを判定する(ステップS1201)。ステップS1201では、差分領域の面積から差分領域と対応する立体物の高さ(高低)を推定し、その立体物が車両200の走行に影響を与える高さであるか否かを判定する。
差分領域の面積が所定の面積よりも小さい場合(ステップ1201;NO)、CPU 1001は、その差分領域に対応する立体物は背が低く車両200の走行に影響を与えないと判定してステップS1101の処理に戻る。
一方、差分領域の面積が所定の面積以上である場合(ステップS1201;YES)、CPU 1001は、第1の実施形態に係る処理で説明したステップS1107及びS1108の処理(接地距離の算出処理)を実行する。
第1の実施形態に係る処理では、車両200の走行への影響を無視できる程度の小さな立体物(例えば小石や草など)があったとしても、ステップS1104の処理の後にステップS1107とS1108の処理が無条件に実行される。そのため、車両200の走行に影響を与えない小さな立体物まで検知する過検知が生じる可能性がある。これに対し、第2の実施形態に係る処理では、車両200の近傍に差分領域が存在しステップS1104の判定がYESになったとしても、差分領域の面積が小さい場合はステップS1201の判定がNOになる。そのため、第2の実施形態によれば、走行に支障の無い小物体を立体物から除外することが可能となり、小さな立体物を検出することによる過検知を防ぐことができる。
なお、車両200の近傍に差分領域が発生し、その差分領域の面積が閾値以上である場合でも、差分領域での奥行き方向(カメラ中心の画素から遠ざかる方向)の寸法が小さいときには、背の低い立体物(走行に支障のない立体物)と判定するようにしてもよい。
図13は、第3の実施形態の処理例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、第1の実施形態又は第2の実施形態の場合と同様に、例えば所定のフレーム周期毎に繰返し実行される。なお、図13のフローチャートにおいて、図11又は図12の場合と同じステップ番号が付された処理は、図11又は図12の場合と同じ処理である。
図13に示した第3の実施形態に係るフローチャートの処理では、図12の第2の実施形態に係る処理におけるステップS1201がステップS1301に置き換えられる。
第2の実施形態では、ステップS1104で差分領域が車両200の近傍にあると判定された後に、ステップS1201で、差分領域の面積により、その差分領域に対応する立体物を無視するか否かを判定した。
一方、第3の実施形態では、ステップS1104で差分領域が車両200の近傍と判定された後、CPU 1001は、路面投影画像の連続する時刻間(2時刻間又は3時刻間)での面積差が一定面積以上であるか否かを判定する(ステップS1301)。
面積差が所定の面積よりも小さい場合(ステップS1301;NO)、CPU 1001は、その差分領域に対応する立体物が車両200の走行に影響を与えないと判定して(立体物が存在しないとみなして)、ステップS1101の処理に戻る。
一方、面積差が所定の面積よりも大きい場合(ステップS1301;YES)、CPU 1001は、その差分領域に対応する立体物が存在すると判定し、第1の実施形態で説明したステップS1107及びS1108の処理(接地距離の算出処理)を実行する。
図14は、実空間及び画像内における立体物の形状の関係の説明図である。図15は、立体物の形状と差分領域との関係の説明図である。
例えば、図14に示されるように、車両200の左前方に細くて長いポールがある場合(a−1)と、低い、けれど幅広な板がある場合(b−1)を考える。それぞれの場合、前方カメラ110(#F)に写る画像はそれぞれ、図14の(a−2)及び(b−2)に示される如くとなる。図14の(a−1)の場合は、車両200が衝突すると危険なので、この立体物は検知したい。一方、図14の(b−1)の場合は、車両200のタイヤで乗り上げてもそれほど危険はないので、この立体物は検知したくない。
ここで、第2の実施形態のように前方カメラ110(#F)と左方カメラ110(#L)から得られる差分領域の面積の判定だけが行われる場合を考える。図15の(a)及び(b)は、それぞれ、図14の(a−1)及び(b−1)の各ケースにおいて第2の実施形態の場合に得られる前方−左方差分画像における差分領域である。図15の(a)の前方−左方差分画像及び図15の(b)の前方−左方差分画像を比較するとわかるように、いずれのケースでも差分領域の面積が大きくなる。そのため、図12のステップS1201の判定において、測距装置100が、(b)の場合も差分領域の面積が所定の面積以上である(ステップS1201;YES)と判定する可能性がある。即ち、図18に示すように、図14の(b−1)の検知したくない低い、けれど幅広な板の場合でも、差分値が閾値以上となってしまう可能性がある。従って、立体物として検知したくない物体(又は検知しなくてよい物体)を立体物として検知してしまう可能性がある。なお、図18は、判定条件と判定結果との関係を説明する図である。
図16は、1個のカメラからの画像に基づく連続する2時刻の路面投影画像を示す図である。図17は、1個のカメラからの画像に基づく連続する路面投影画像の差分を示す図である。
図16の(a)及び(b)は、それぞれ、図14の(a−1)及び(b−1)の各ケースにおいて第3の実施形態の場合に得られる、同一のカメラからの連続する2時刻の路面投影画像間で得られる差分領域である。また、図17の(a)及び(b)はそれぞれ、図14(a−1)及び(b−1)の各ケースにおいて第3の実施形態の場合に得られる、同一のカメラからの連続する3時刻の路面投影画像間で得られる差分(時間変動)である。これらの図からわかるように、図14の(b−1)の検知したくない低い、けれど幅広な板の場合には、図18に示されるように路面投影画像の時間変動が閾値未満となるため、図13のステップS1301で立体物として検出されないように制御できる。一方、図14の(a−1)の検知したい細長いポールの場合には、図18に示されるように路面投影画像の時間変動が閾値以上となるため、図13のステップS1301で立体物として検出されるように制御できる。
以上説明した第1、第2、及び第3の実施形態によれば、車両に搭載された、光軸方向の異なる複数のカメラの画像を用いて、自車周辺の立体物までの距離を測定することが可能となる。
以上説明した実施形態では、2つの路面投影画像の差分画像を2つの画像の類似度として、車両等の近傍空間に立体物があるか否か判定するようにした。この類似度は、SAD等、複数画素のブロック毎に統計的に算出されてもよい。
また、図11〜図13のフローチャートは処理例に過ぎず、立体物と対応する差分領域が近傍にあるか否かの判定方法等は適宜変更可能である。例えば、2つの路面投影画像の共通領域内のうちの近傍領域(近傍空間)のみで差分を求め、立体物と対応する差分領域が存在するか否かを判定してもよい。
100 測距装置
101 画像取得部
102 記憶部
103 路面投影画像生成部
104 立体物検出部
105 選択部
106 平行化画像生成部
107 ステレオ測距部
108 接地距離算出部
109 出力部
1001 CPU
1002 主記憶装置
1003 外部記憶装置
1004 入力装置
1005 出力装置
1006 媒体駆動装置
1006a 可搬記録媒体
1007 ネットワーク接続装置
1007a ネットワーク
1008 カメラI/F部
1009 バス

Claims (8)

  1. 第一の撮像装置で撮像された第一の画像の第一の部分領域と、第二の撮像装置で撮像された第二の画像の内の前記第一の部分領域と共通する空間が撮像される第二の部分領域において、前記第一の部分領域の画像と前記第二の部分領域の画像との類似度が所定の類似度に比較して低いか否かに応じて、前記空間に立体物があるか否かを判定する判定処理と、
    前記空間に立体物がないと判定した場合には、前記第一の画像と前記第二の画像とを用いたステレオ測距により現在位置から立体物までの距離を算出し、前記空間に立体物があると判定した場合には、前記第一の部分領域の画像及び/又は前記第二の部分領域の画像における地面と前記立体物との境界位置から前記立体物までの距離を算出する距離算出処理と、
    をコンピュータに実行させるための測距プログラム。
  2. 前記第一の撮像装置及び前記第二の撮像装置は車両に設置されており、前記空間は前記車両から所定の距離以内であり、
    前記判定処理において、前記コンピュータは、前記第一の撮像装置及び前記第二の撮像装置から取得した画像を路面へ投影した各路面投影画像内の部分領域を、それぞれ前記第一の部分領域及び前記第二の部分領域とし、前記各路面投影画像の共通領域に関する画像の差分に基づいて前記類似度を算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の測距プログラム。
  3. 前記判定処理において、前記コンピュータは、複数の前記画像からそれぞれ、路面へ投影した各路面投影画像を生成し、前記各路面投影画像から立体物を抽出し、前記抽出した立体物の画像内での位置に基づいて前記空間に立体物があるか否かを判定し、
    前記距離算出処理において、前記コンピュータは、前記空間に立体物がないと判定した場合に、複数の前記画像を元にステレオ測距で前記抽出した立体物までの距離を算出し、前記空間に立体物があると判定した場合に、前記抽出した立体物の接地位置から前記抽出した立体物までの距離を算出する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の測距プログラム。
  4. 前記判定処理において、前記コンピュータは、前記各路面投影画像の共通領域について差分画像を作成し、前記作成した差分画像に所定値に比較して大きい差分領域がある場合には、前記差分領域が前記路面投影画像上で撮像の視点から近傍にあるか遠方にあるかを判定し、前記差分領域が遠方にあると判定した場合には、前記空間に立体物がないと判定し、前記差分領域が近傍にあると判定した場合には、前記空間に立体物があると判定する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の測距プログラム。
  5. 前記判定処理において、前記コンピュータは、前記差分領域が近傍にあると判定した場合に、更に前記差分領域の面積を判定することにより前記立体物の高さの高低を識別し、前記差分領域の面積が所定の面積に比較して大きい場合には、前記空間に背の高い立体物があると判定し、前記作成した差分画像の面積が所定の面積に比較して小さい場合には、前記空間に背の低い立体物があると判定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の測距プログラム。
  6. 前記判定処理において、前記コンピュータは、前記差分領域が近傍にあると判定した場合に、更に前記路面投影画像の連続する時刻間の面積差を判定することにより前記立体物の高さの高低を識別し、前記面積差が所定の面積差に比較して大きい場合には、前記空間に背の高い立体物があると判定し、前記面積差が所定の面積に比較して小さい場合には、前記空間に背の低い立体物が存在すると判定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の測距プログラム。
  7. コンピュータが、
    第一の撮像装置で撮像された第一の画像の第一の部分領域と、第二の撮像装置で撮像された第二の画像の内の前記第一の部分領域と共通する空間が撮像される第二の部分領域において、前記第一の部分領域の画像と前記第二の部分領域の画像との類似度が所定の類似度に比較して低いか否かに応じて、前記空間に立体物があるか否かを判定する処理と、
    前記空間に立体物がないと判定した場合には、前記第1の画像と前記第2の画像とを用いたステレオ測距により現在位置から立体物までの距離を算出し、前記空間に立体物があると判定した場合には、前記第一の部分領域の画像及び/又は前記第二の部分領域の画像における地面と前記立体物との境界位置から前記立体物までの距離を算出する処理と、
    を実行することを特徴とする測距方法。
  8. 第一の撮像装置で撮像された第一の画像の第一の部分領域と、第二の撮像装置で撮像された第二の画像の内の前記第一の部分領域と共通する空間が撮像される第二の部分領域において、前記第一の部分領域の画像と前記第二の部分領域の画像との類似度が所定の類似度に比較して低いか否かに応じて、前記空間に立体物があるか否かを判定する判定部と、
    前記空間に立体物がないと判定した場合には、前記第1の画像と前記第2の画像とを用いたステレオ測距により現在位置から立体物までの距離を算出し、前記空間に立体物があると判定した場合には、前記第一の部分領域の画像及び/又は前記第二の部分領域の画像の地面と前記立体物との境界位置から前記立体物までの距離を算出する距離算出部と、
    を備えることを特徴とする測距装置。
JP2016036100A 2016-02-26 2016-02-26 測距プログラム、測距方法、及び測距装置 Pending JP2017151048A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016036100A JP2017151048A (ja) 2016-02-26 2016-02-26 測距プログラム、測距方法、及び測距装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016036100A JP2017151048A (ja) 2016-02-26 2016-02-26 測距プログラム、測距方法、及び測距装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017151048A true JP2017151048A (ja) 2017-08-31

Family

ID=59738899

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016036100A Pending JP2017151048A (ja) 2016-02-26 2016-02-26 測距プログラム、測距方法、及び測距装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017151048A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020013043A1 (ja) * 2018-07-13 2020-01-16 Whill株式会社 電動モビリティ
JP2020052784A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 株式会社Subaru 運転支援装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020013043A1 (ja) * 2018-07-13 2020-01-16 Whill株式会社 電動モビリティ
CN112236116A (zh) * 2018-07-13 2021-01-15 Whill株式会社 电动移动车
JP7389485B2 (ja) 2018-07-13 2023-11-30 Whill株式会社 電動モビリティ
JP2020052784A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 株式会社Subaru 運転支援装置
JP7202120B2 (ja) 2018-09-27 2023-01-11 株式会社Subaru 運転支援装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20210334557A1 (en) Monocular cued detection of three-dimensional strucures from depth images
JP5870273B2 (ja) 物体検出装置、物体検出方法及びプログラム
CN103294991B (zh) 车外环境识别装置
JP5926228B2 (ja) 自律車両用の奥行き検知方法及びシステム
JP4872769B2 (ja) 路面判別装置および路面判別方法
JP5404263B2 (ja) 視差算出方法、および視差算出装置
JP7072641B2 (ja) 路面検出装置、路面検出装置を利用した画像表示装置、路面検出装置を利用した障害物検知装置、路面検出方法、路面検出方法を利用した画像表示方法、および路面検出方法を利用した障害物検知方法
JP6358160B2 (ja) 走行路面検出装置及び走行路面検出方法
JP6171593B2 (ja) 視差図からの対象追跡方法及びシステム
JP6561512B2 (ja) 視差値導出装置、移動体、ロボット、視差値導出方法、視差値生産方法及びプログラム
JP5752618B2 (ja) ステレオ視差算出装置
JP5299296B2 (ja) 車両周辺画像表示装置及び車両周辺画像表示方法
JP2016146118A (ja) 走行路面検出装置及び走行路面検出方法
JP5164351B2 (ja) 物体検出装置および物体検出方法
JP6340781B2 (ja) 視差図による視差方向連続型物体検知方法及び装置
JP6589313B2 (ja) 視差値導出装置、機器制御システム、移動体、ロボット、視差値導出方法、およびプログラム
KR101699014B1 (ko) 스테레오 카메라를 이용한 객체 검출 방법 및 장치
JP5521217B2 (ja) 障害物検出装置、及び障害物検出方法
JP2017151048A (ja) 測距プログラム、測距方法、及び測距装置
JP2007131178A (ja) 障害物位置特定システム
JP6515547B2 (ja) 視差値導出装置、機器制御システム、移動体、ロボット、視差値生産方法、及びプログラム
JP5822866B2 (ja) 画像処理装置
KR101724656B1 (ko) 차영상을 기반으로 하는 장애물 영역 추출 장치 및 그 방법
JP5579297B2 (ja) 視差算出方法、および視差算出装置
JP2013142668A (ja) 位置推定装置及び位置推定方法