JP2017150715A - 冷却装置及び電子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却装置及び電子装置において、自然蒸発した冷媒が大気中に逃げるのを防ぐこと。【解決手段】電子機器25が浸漬される冷媒Cが溜められた浸漬槽21と、浸漬槽21において気化した冷媒Cを冷却して液化する冷却部22と、冷却部22において液化した冷媒Cを溜めると共に、大気が流通する孔23bを備え、かつ浸漬漕21に繋げられた冷媒タンク23とを有し、冷媒タンク23に溜められた冷媒Cの液面Csに、冷媒Cとは別の液の被膜35が形成された冷却装置による。【選択図】図2

Description

本発明は、冷却装置及び電子装置に関する。
サーバやスーパーコンピュータ等の電子機器を冷却する液冷方式として、液槽に溜められた絶縁性の冷媒の中に電子機器を浸漬することにより、その電子機器を冷却する浸漬液冷が知られている。
その浸漬液冷は、液単相の冷却方式と、気液相変化を利用した冷却方式とに分けられる。
このうち、液単相の冷却方式は、冷媒を気化させることなしに、液相の冷媒により電子機器を冷却する方式である。
この方式では、電子機器に実装されているCPU(Central Processing Unit)等の電子部品の熱で冷媒が気化しないようにするため、その電子部品の発熱温度よりも十分に高い沸点を持つ化学合成オイルが冷媒として使用される。そして、ポンプを用いてその冷媒を熱交換器と液槽との間で循環させることにより、熱交換器で冷却された冷媒を液槽に供給し、その冷媒で液槽中の電子機器を冷却する。
しかしながら、化学合成オイルは粘性が高いため冷却能力が低く、その冷却能力を補うためにポンプの駆動力を増やして冷媒の循環を速める必要がある。
更に、粘性が高いと、メンテナンスのために電子機器を液槽から引き上げたときに、電子機器から冷媒が滴り落ちるのに時間がかかり、保守性が悪くなるという問題もある。
一方、気液相変化を利用した冷却方式では、電子機器の熱により冷媒を気化してその気化熱で電子機器を冷却する方式であり、電子機器の熱で冷媒が気化できるように沸点が低く蒸発し易い冷媒が使用される。
このように沸点が低い冷媒は、液単相の冷却方式で使用されるものと比較して粘性が低い。よって、前述のようにポンプの駆動力を増やす必要もないし、電子機器から冷媒が短時間で滴り落ちるので保守性もよい。
但し、気液相変化を利用した冷却方式には、自然蒸発した冷媒が大気中に逃げるのを防ぐという点で改善の余地がある。
特公昭60−11833号公報 特開平4−226057号公報
一側面によれば、冷却装置及び電子装置において、自然蒸発した冷媒が大気中に逃げるのを防ぐことを目的とする。
一側面によれば、電子機器が浸漬される冷媒が溜められた浸漬槽と、前記浸漬槽において気化した前記冷媒を冷却して液化する冷却部と、前記冷却部において液化した前記冷媒を溜めると共に、大気が流通する孔を備え、かつ前記浸漬漕に繋げられた冷媒タンクとを有し、前記冷媒タンクに溜められた前記冷媒の液面に、前記冷媒とは別の液の被膜が形成された冷却装置が提供される。
以下の開示によれば、大気が流通する孔によって冷媒タンクや浸漬槽の内部が大気圧に維持されるため、冷媒タンクや浸漬槽を耐圧化する必要がない。
しかも、冷媒の液面に形成した被膜によって、冷媒が蒸発して大気に逃げるのを防止することが可能となる。
図1は、本願発明者が検討に使用した冷却装置の構成図である。 図2は、第1実施形態に係る電子装置の構成図である。 図3は、第1実施形態において冷媒の消失量の調査結果を示す図である。 図4は、第2実施形態に係る浸漬槽の斜視図である。 図5は、第2実施形態に係る浸漬槽の分解斜視図である。 図6は、第3実施形態に係る冷却装置の構成図である。 図7は、第4実施形態に係る冷却装置の構成図である。
本実施形態の説明に先立ち、本願発明者が検討した事項について説明する。
図1は、その検討に使用した冷却装置の構成図である。
この冷却装置1は、冷媒Cの気液相変化を利用した冷却装置であって、冷媒Cが溜められた浸漬槽2と、その浸漬槽2の内部を気密にするための蓋3とを有する。
冷媒Cには、サーバやスーパーコンピュータ用の回路基板4が浸漬される。回路基板4には、CPU等の電子部品4aが実装されており、その電子部品4aの熱により冷媒Cが気化する。
このように気化した冷媒Cを液化するため、浸漬槽2の内部には熱交換器5が設けられる。熱交換器5は、配管内に冷却水を流すことにより冷媒Cを冷却するものであり、この例では冷媒Cの液面の上方に設けられる。熱交換器5で液化した冷媒Cが重力で浸漬槽2内に滴下するため、浸漬槽2内で冷媒Cを循環させる機構が不要にすることができる。
この冷却装置1においては、電子部品4aの熱で冷媒Cを気化し、その気化熱で電子部品4aを冷却する。そのため、冷媒Cとしてはその沸点が電子部品4aの発熱温度よりも低い液が使用される。
例えば、3M社製のノベック(登録商標)は、型番が7000の製品で沸点が34℃、型番が649の製品で沸点が49℃、型番が7100の製品で沸点が61℃である。よって、電子部品4aの発熱温度が80℃程度の場合にはノベックを冷媒Cとして使用し得る。
このように低沸点の冷媒Cを使用することで電子部品4aの冷却が促されるため、電子部品4aのリーク電流が抑制されてその消費電力を低減できる。
但し、このように低沸点の冷媒Cは、自然に蒸発して大気中に逃げてしまうため、長期の使用の際には補充が必要となる。特に、ノベック等のように低沸点の冷媒Cは高価であるため、頻繁に補充をすると装置のランニングコストが上昇してしまう。
冷媒Cが大気中に逃げるのを防止するには、この例のように浸漬槽2に蓋3を設けるのが有効であると考えられる。
しかし、蓋3によって浸漬槽2を完全に密閉してしまうと、浸漬槽2の内部と外部との温度差によって浸漬槽2に大きな圧力が印加されてしまう。
本願発明者の試算によれば、上面視したときの蓋3の面積が500mm2のとき、浸漬槽2の内部の温度が外部よりも20℃高くなると、浸漬槽2の内部から蓋3に170kgfの力が加わる。これでは浸漬槽2が変形したり破損したりするおそれがあるため、蓋3で浸漬槽2を完全に密閉するのは危険である。
そして、このような危険性を除去するには、浸漬槽2を高耐圧化する等の対策が必要となり、装置構成が大掛かりになるという問題がある。
以下に、冷媒が蒸発して大気中に逃げるのを簡便な構造で防止し得る各実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図2は、本実施形態に係る電子装置の構成図である。
この電子装置10は、回路基板25とそれを冷却するための冷却装置20とを有する。
回路基板25は、電子機器の一例であって、例えばサーバやスーパーコンピュータ等の計算機用の回路基板である。その回路基板25には、動作時に発熱するCPU等の電子部品25aが実装される。
また、冷却装置20は、冷媒の気液相変化を利用した冷却装置であって、浸漬槽21と、冷却部22と、冷媒タンク23とを有する。
このうち、浸漬槽21は絶縁性の冷媒Cを溜めるための容器であり、その側壁には浸漬槽21に液相の冷媒Cを供給するための供給口21aが設けられる。
浸漬槽21の形状や大きさは特に限定されないが、この例では浸漬槽21を長さL1が180mm、内部高さZ1が230mm、幅が50mmの直方体形状とする。そして、浸漬槽21の内部を観察できるようにするため、例えば厚さが5mmの透明アクリル板で浸漬槽21を作製する。
但し、浸漬槽21の材料はこれに限定されず、強度があり厚さを薄くすることが可能なポリカーボネート樹脂やABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂等のエンジニアリングプラスチックを浸漬槽21の材料として使用してもよい。このようなエンジニアリングプラスチックは、軽量であるため装置全体の軽量化に有利であり、更に安価であるため装置を低廉化することもできる。
なお、ステンレス板やアルミニウム板を加工することにより浸漬槽21を作製してもよい。
また、この浸漬槽21に溜められる冷媒Cの種類は特に限定されない。この例では、沸点が低く粘性が低い3M社製のノベック7100を冷媒Cとして使用する。なお、ノベック7100に代えて、ノベック7000やノベック649を使用してもよい。ノベックは、フッ素系の化学的に安定な冷媒であり、金属や樹脂等の各種材料を腐食するおそれがない。また、引火点を持たないため安全性が高いこともノベックの利点である。
そして、その冷媒Cには回路基板25が浸漬される。なお、前述の冷媒Cは絶縁性であるため、冷媒Cによって回路基板25が電気的にショートするおそれはない。
回路基板25に実装されている電子部品25aの発熱温度は冷媒Cの沸点よりも高いため、電子部品25aの熱によって冷媒Cが気化し、その気化熱で電子部品25aが冷却される。また、このように冷媒Cが気化すると、その蒸気Vが浸漬槽21で発生する。
そして、浸漬槽21内において冷媒Cよりも上方の空間は、蒸気Vを一時的に貯留する蒸気チャンバ室として機能する。
一方、冷却部22は、蒸気Vが通る蛇行配管27と、その蛇行配管27を外から冷却する水冷部28とを有する。
蛇行配管27は、蒸気管26を介して浸漬槽21と接続されており、蒸気Vを冷却して液化する機能を有する。この例では、例えば長さが150mmで外径が8mmの10本の銅製の直管をU字管で接続することで蛇行配管27を作製する。
このとき、冷媒Cの流れの下流に行くに従い蛇行配管27を低い位置に設けることで、液化した冷媒Cが淀みなく蛇行配管27を流通できるようにするのが好ましい。
また、蛇行配管27は、冷却部22から出る出口27aと、冷却部22に入る入口27bとを有する。この例では、出口27aを入口27bよりも低くすることで、液化した冷媒Cが重力によって出口27aからスムーズに排出できるようにする。
一方、水冷部28には、建屋から冷却水が供給される。冷却水の温度は、冷媒Cの沸点よりも低ければ特に限定されず、例えば22℃とし得る。なお、その冷却水と蒸気Vとの熱交換を促すために、蛇行配管27の内壁に複数の溝を設け、当該内壁の表面積を増やしてもよい。
そして、冷媒タンク23は、冷却部22において液化した冷媒Cを一時的に溜めるタンクである。
その冷媒タンク23のサイズは特に限定されないが、例えば冷媒タンク23の内部高さZ2は400mmである。また、上面視したときの冷媒タンク23の形状は、一辺の長さL2が50mmの正方形状とする。
更に、冷媒タンク23の下部には、液相の冷媒Cを排出する排出口23aが設けられる。
その排出口23aは、浸漬槽21の供給口21aと液管37により繋げられており、その液管37を介して冷媒タンク23から浸漬槽21に冷媒Cが供給される。
ここで、浸漬槽21内において蒸気Vが発生していない場合には、浸漬槽21と冷媒タンク23の各々の冷媒Cの液面に均等に大気圧がかかるため、これらの液面は同じ高さにある。
一方、浸漬槽21内において蒸気Vが発生している状態では、浸漬槽21における冷媒Cの液面が低下し、かつ冷媒タンク23における冷媒Cの液面Csが上昇するため、各液面に高低差hが生じる。
本実施形態では、その高低差hから生じる圧力差ΔP=ρghが冷媒タンク23から浸漬槽21に冷媒Cを供給する動力源となるため、冷媒Cを循環させるためのポンプ等の動力源は不要である。なお、ρは冷媒Cの密度であって、ノベック7100の場合は1520kg/m3である。また、gは重力加速度である。
高低差hが大きいほど圧力差ΔP(=ρgh)が大きくなり、冷媒Cが冷却装置20内を循環し易くなる。例えば、浸漬槽21の底面21xと冷媒タンク23の底面23xとを同じ高さにしたときに、浸漬槽21内の冷媒Cの液面が底面21xから230mmの高さにある場合を考える。このとき、冷媒タンク23内の冷媒Cの液面Csが底面23xから400mmの高さにあると、高低差hは170mm(=400mm−230mm)となり、2.5kPa程度の圧力差ΔPを得ることができる。
なお、大きな高低差hを得るには、冷媒タンク23の内部において液面Csが上昇できる空間を確保するのが好ましい。そのような空間を確保するために、冷媒タンク23の内部高さZ2を浸漬槽21の内部高さZ1よりも高くするのが好ましい。
また、この例では、冷媒タンク23の天板30に、大気が流通する孔23bが設けられる。その孔23bにより、冷媒タンク23やこれに連通する浸漬槽21内の圧力は常に大気圧に維持される。そのため、電子部品25aの熱によって浸漬槽21内で冷媒Cの蒸気Vが発生しても、浸漬槽21や冷媒タンク23の内部の圧力が大気圧よりも高くなることはなく、浸漬槽21や冷媒タンク23を耐圧構造とする必要がない。
更に、このように浸漬槽21内の圧力が大気圧に維持されるため、浸漬槽21内の冷媒Cの沸点が上昇することがない。よって、冷媒Cの沸点を低く保つことができ、電子部品25aの熱で確実に冷媒Cを気化させることができる。
なお、前述の孔23bは、冷媒タンク23内に冷媒Cを供給する供給口としての機能も兼ねる。孔23bの直径も特に限定されないが、本実施形態ではその直径を10mmとする。
また、冷媒タンク23の天板30には、前述の蛇行配管27に繋がる滴下口31が設けられる。滴下口31は、蛇行配管27の下部開口端に設けられており、冷却部22で液化した冷媒Cを液面Csに滴下する。
その滴下口31から滴下される冷媒Cは、冷却部22で冷却された直後であるため、温度が低く大気に触れても蒸発し難い。よって、前述のように冷媒タンク23に孔23bを設けても、その孔23bから外に逃げる冷媒Cの蒸気を少なくすることができる。
更に、本実施形態では、冷媒タンク23に溜められた冷媒Cの液面Csに冷媒Cよりも密度が小さい絶縁性の液を予め一定量だけ添加しておくことで、当該液の被膜35を液面Csに形成する。
これにより、冷媒タンク23内の大気が液面Csに直接触れなくなるため、冷媒Cが液面Csから蒸発してタンク外に逃げるのを防ぐことができる。
被膜35用の液は特に限定されないが、その被膜35が自然蒸発するのを防止するために、揮発し難い炭化水素系のオイルを被膜35用の液として使用するのが好ましい。また、そのオイルがその冷媒Cに溶解してしまうと被膜35を形成するのが難しくなるため、冷媒Cに溶解しないオイルを使用するのが好ましい。
そのようなオイルとしては、例えば、エクソンモービル社製のポリアルファオレフィン合成油であるSpectraSyn 8がある。SpectraSyn 8は、密度が830kg/m3であって、冷媒Cとして使用するノベック7100の密度(1520kg/m3)の半分程度の密度が小さい液体である。
この例では、SpectraSyn 8を冷媒Cに25cc程度添加することにより、厚さが1cm程度の被膜35を形成する。
なお、液状オイルは引火点を有しており、日本国内の消防法では引火点が250℃未満の液状オイルは危険物に指定され、引火点が250℃以上の場合でも使用する量によっては指定可燃物となる。前述のSpectraSyn 8は、引火点が250℃以上であり危険物の指定は受けず、また使用量も数十cc程度と少量であるから安全性が高い。
また、被膜35用の液に塩素等や硫黄等の不純物が含まれていると、これらの不純物によって回路基板25で使用されているはんだが腐食されるおそれがある。
そのため、被膜35用の液としては、天然オイルと比較してこれらの不純物が少ない化学合成オイルを使用するのが好ましい。前述のSpectraSyn 8は、天然オイルを含まない化学合成オイルであるため、このように回路基板25を腐食するおそれが少ない。
以上説明した本実施形態によれば、冷媒タンク23に大気が流通する孔23bを設けたため、浸漬槽21で冷媒Cが蒸発している状態も浸漬漕21や冷媒タンク23内を大気圧に維持することができ、浸漬漕21や冷媒タンク23を耐圧化する必要がない。
しかも、冷媒タンク23内の冷媒Cの液面Csに被膜35を形成するため、液面Csに大気が直接触れなくなり、冷媒Cが蒸発して消失するのを防ぐことができる。
本願発明者は、回路基板25を動作させることにより、この冷却装置20の冷却性能を確認した。
その結果、電子部品25aの消費電力の如何によらず、電子部品25aの温度は冷媒Cであるノベック7100の沸点(61℃)付近であり、冷媒Cによって電子部品25aが良好に冷却できていることが確認できた。
なお、電子部品25aの温度をこれよりも低くしたい場合には、ノベック7100よりも沸点が低いノベック649(沸点49℃)やノベック7000(沸点34℃)を冷媒Cとして使用すればよい。
また、本願発明者は冷媒Cの消失量を調査した。
その調査結果を図3に示す。
この調査では、不図示の容器に冷媒Cとしてノベック7100を入れた。そして、ノベック7100の液面に被膜35を形成せずにその液面を大気に露出させた比較例と、本実施形態のように液面に被膜35を形成した場合の各々について、冷媒Cの消失量を調査した。
なお、図3の横軸は調査を開始してからの経過時間を示し、縦軸は調査を開始してからの冷媒Cの質量変化を示す。
まず、被膜35がない比較例では、冷媒Cとして使用したノベック7100は24時間で20ccが消失した。
一方、本実施形態では、125時間で1ccのみの消失となり、被膜35がない比較例の1/150以下の消失量となった。
この結果より、冷媒Cのコストが20,000円/kgであるとすると、被膜35がない場合には一か月で18,000円分の冷媒Cが消失することになるが、本実施形態では一か月で100円程度の冷媒Cしか消失しないことが明らかとなった。
以上のように、本実施形態においては冷媒Cの自然蒸発を防ぐことで冷媒Cの補充量を低減でき、冷却装置20のランニングコストを低減できることが確かめられた。
(第2実施形態)
本実施形態では、メンテナンス性に優れた浸漬槽について説明する。
図4は、本実施形態に係る浸漬槽21の斜視図である。なお、図4において、第1実施形態で説明したのと同じ要素には第1実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態においては、浸漬槽21の上部開口21zに脱着可能な蓋40を設ける。
その蓋40は、平面視で上部開口21zを塞ぐ矩形状であり、その外面40aには外部コネクタ41が設けられる。そして、その外部コネクタ41には、外部ケーブル43の先端が固定される。
図5は、この浸漬槽21の分解斜視図である。
図5に示すように、外部コネクタ41は、互いに着脱自在な雄型コネクタ41aと雌型コネクタ41bとを有する。
このうち、雌型コネクタ41bは、蓋40の外面40aに固定されており、ケーブル45を介して回路基板25と電気的に接続される。
また、浸漬槽21の上部開口21zは、回路基板25を出し入れ可能な大きさを有しており、その上部開口21zを通じて浸漬槽21に回路基板25を出し入れすることができる。
以上説明した本実施形態によれば、浸漬槽21に脱着可能な蓋40を設けたことにより、蓋40を外して浸漬槽21から簡単に回路基板25を引き上げることができ、浸漬槽21のメンテナンス性が向上する。
更に、外部コネクタ41と回路基板25とをケーブル45で接続したため、浸漬槽21に回路基板25が収容されている状態であっても、浸漬槽21の外部と回路基板25との間で信号の送受信を行うことができる。
(第3実施形態)
図6は、本実施形態に係る冷却装置の構成図である。なお、図6において、第1実施形態や第2実施形態で説明したのと同じ要素にはこれらの実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態に係る冷却装置20においては、複数の浸漬槽21が並列に接続される。浸漬槽21の個数は複数個であれば特に限定されず、ここではその個数を5個とする。
また、液管37には、冷媒タンク23から複数の浸漬槽21の各々に液相の冷媒Cを分岐する第1のマニフォルド51が接続される。第1のマニフォルド51は、複数の第1の分岐配管51aを有しており、各々の第1の分岐配管51aは第1の継手53により各浸漬槽21と接続される。
第1のマニフォルド51の大きさは特に限定されない。この例では、第1のマニフォルド51の横幅を約400mm程度とし、液管37に接続される部分の第1のマニフォルド51の流路の断面積を40mm2程度とする。
また、第1の継手53は切り離し可能なステムとボディとを有しており、これらを切り離しても第1の継手53から冷媒Cは漏れ出ないため、第1のマニフォルド51から浸漬槽21を切り離してメンテナンスするのが容易である。このような継手としては、例えば、スウェージロック社製のSS-QC6-B-600やSS-QC6-D-600がある。
また、第1の分岐配管51aとしては、例えば外形が3/8インチの樹脂チューブを使用し得る。
更に、複数の浸漬槽21の各々には、各浸漬槽21で発生した冷媒Cの蒸気Vを集めて冷却部22に供給する第2のマニフォルド52が接続される。第2のマニフォルド52は、複数の第2の分岐配管52aを有しており、各々の第2の分岐配管52aは第2の継手54により各浸漬槽21と接続される。
なお、第2のマニフォルド52、第2の分岐配管52a、及び第2の継手54としては、それぞれ第1のマニフォルド51、第1の分岐配管51a、及び第1の継手53と同じものを使用し得る。
また、各々の浸漬槽21に浸漬する回路基板25の枚数は一枚とする。そして、各々の浸漬槽21には、第2実施形態で説明した着脱可能な蓋40が設けられる。
なお、各部品の位置と大きさは第1実施形態と同じである。例えば、浸漬槽21と冷媒タンク23のそれぞれの底面21x、31xは同じ高さにあり、冷媒タンク23の内部高さは400mm、浸漬槽21の内部高さは230mmである。本願発明者の試算によれば、この大きさとすることで、一枚の回路基板25の発熱量が100Wであり、5枚の回路基板25の合計の発熱量が最高で500Wになった場合でも、冷却装置20内で冷媒Cを循環させることができる。
以上説明した本実施形態によれば、複数の回路基板25のうちの一枚のみをメンテナンスする場合には、当該回路基板25を収容している浸漬槽21の蓋40を外し、その浸漬槽21のみを大気解放すればよい。
よって、メンテナンスの対象となっていない動作中の回路基板25を収容している浸漬槽21の蓋40を閉じたままにすることができ、その回路基板25の熱で気化した大量の冷媒Cが大気中に逃げるのを防止することができる。
更に、メンテナンスの対象ではない回路基板25を収容している浸漬槽21においては、冷媒Cでその回路基板25を冷却し続けることができるので、その回路基板25が動作している状態を維持し続けることが可能となる。
特に、複数の回路基板25の各々が一台のスーパーコンピュータの各計算ノードの場合には、メンテナンスの対象となっていない計算ノードを動作させることができるため、スーパーコンピュータ自身を動作させ続けることが可能となる。
(第4実施形態)
第1実施形態で説明したように、冷却装置内で冷媒Cが循環する駆動力は、浸漬槽21と冷媒タンク23の各々における液面の高低差hに起因した圧力差ΔP(=ρgh)にあり、高低差hが大きいほど冷却装置内で冷媒Cを循環させる駆動力が大きくなる。
本実施形態では、その高低差hを確保するのに有用な構造について説明する。
図7は、本実施形態に係る冷却装置の構成図である。なお、図7において、第1〜第3実施形態で説明したのと同じ要素にはこれらの実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
第1〜第3実施形態と同様に、本実施形態においても冷却装置20内において冷媒Cが循環する。
このように循環する際、冷媒Cは冷却装置20において様々な圧力損失を受ける。そのような圧力損失としては、液相の冷媒Cが冷媒タンク23から浸漬槽21に移動する際の圧力損失、蒸気Vが浸漬槽21から冷却部22に移動する際の圧力損失、及び冷却部22内を冷媒Cが移動する際の圧力損失がある。
そして、これらの圧力損失の総和と前述のΔPとが釣り合うように高低差hが定まることになる。
本実施形態では、冷媒タンク23の底面23xを、浸漬槽21の底面21xよりも高い位置に設ける。そして、冷媒タンク23の排出口23aを、浸漬槽21の供給口21aよりも高い位置に設ける。
これにより、冷媒タンク23内の冷媒Cの液面Csが、浸漬槽21内における液面よりも高くなり易くなる。その結果、両液面の高低差hが大きくなり、冷却装置内で冷媒Cが循環するのに十分な大きさの駆動力を確保することが可能となる。
以上説明した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 電子機器が浸漬される冷媒が溜められた浸漬槽と、
前記浸漬槽において気化した前記冷媒を冷却して液化する冷却部と、
前記冷却部において液化した前記冷媒を溜めると共に、大気が流通する孔を備え、かつ前記浸漬漕に繋げられた冷媒タンクとを有し、
前記冷媒タンクに溜められた前記冷媒の液面に、前記冷媒とは別の液の被膜が形成されたことを特徴とする冷却装置。
(付記2) 前記冷媒の前記液面の上方に、前記冷却部で液化した前記冷媒を前記液面に滴下する滴下口が設けられたことを特徴とする付記1に記載の冷却装置。
(付記3) 前記冷媒タンクの底面は、前記浸漬槽の底面よりも高い位置にあることを特徴とする付記1又は付記2に記載の冷却装置。
(付記4) 前記冷媒タンクに設けられた前記冷媒の排出口と、
前記浸漬漕に設けられた前記冷媒の供給口と、
前記排出口と前記供給口とを繋ぎ、前記冷媒タンクから前記浸漬槽に液相の前記冷媒を供給する液管とを有し、
前記排出口を前記供給口よりも高い位置に設けたことを特徴とする付記1乃至付記3のいずれかに記載の冷却装置。
(付記5) 前記液は化学合成オイルであることを特徴とする付記1乃至付記4のいずれかに記載の冷却装置。
(付記6) 前記浸漬槽は、前記電子機器を出し入れ可能な開口を有し、
前記開口に脱着可能な蓋を設けたことを特徴とする付記1乃至付記5のいずれかに記載の冷却装置。
(付記7) 前記蓋の外面に固定されたコネクタと、
前記コネクタと前記電子機器とを接続するケーブルとを更に有することを特徴とする付記6に記載の冷却装置。
(付記8) 前記浸漬槽が複数設けられたことを特徴とする付記6又は付記7に記載の冷却装置。
(付記9) 電子機器と、
前記電子機器を冷却する冷却装置とを有し、
前記冷却装置は、
前記電子機器が浸漬される冷媒が溜められた浸漬槽と、
前記浸漬槽において気化した前記冷媒を冷却して液化する冷却部と、
前記冷却部において液化した前記冷媒を溜めると共に、大気が流通する孔を備え、かつ前記浸漬漕に繋げられた冷媒タンクとを備え、
前記冷媒タンクに溜められた前記冷媒の液面に、前記冷媒とは別の液の被膜が形成されたことを特徴とする電子装置。
1…冷却装置、2…浸漬槽、3…蓋、4…回路基板、4a…電子部品、5…熱交換器、10…電子装置、20…冷却装置、21…浸漬槽、21a…供給口、21x…底面、21z…上部開口、22…冷却部、23…冷媒タンク、23a…排出口、23b…孔、23x…底面、25…回路基板、25a…電子部品、26…蒸気管、27…蛇行配管、27a…出口、27b…入口、28…水冷部、30…天板、31…滴下口、35…被膜、37…液管、40…蓋、41…外部コネクタ、41a…雄型コネクタ、41b…雌型コネクタ、43、45…ケーブル、51…第1のマニフォルド、51a…第1の分岐配管、52…第2のマニフォルド、52a…第2の分岐配管、53…第1の継手、54…第2の継手。

Claims (6)

  1. 電子機器が浸漬される冷媒が溜められた浸漬槽と、
    前記浸漬槽において気化した前記冷媒を冷却して液化する冷却部と、
    前記冷却部において液化した前記冷媒を溜めると共に、大気が流通する孔を備え、かつ前記浸漬漕に繋げられた冷媒タンクとを有し、
    前記冷媒タンクに溜められた前記冷媒の液面に、前記冷媒とは別の液の被膜が形成されたことを特徴とする冷却装置。
  2. 前記冷媒の前記液面の上方に、前記冷却部で液化した前記冷媒を前記液面に滴下する滴下口が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記浸漬槽は、前記電子機器を出し入れ可能な開口を有し、
    前記開口に脱着可能な蓋を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷却装置。
  4. 前記蓋の外面に固定されたコネクタと、
    前記コネクタと前記電子機器とを接続するケーブルとを更に有することを特徴とする請求項3に記載の冷却装置。
  5. 前記浸漬槽が複数設けられたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の冷却装置。
  6. 電子機器と、
    前記電子機器を冷却する冷却装置とを有し、
    前記冷却装置は、
    前記電子機器が浸漬される冷媒が溜められた浸漬槽と、
    前記浸漬槽において気化した前記冷媒を冷却して液化する冷却部と、
    前記冷却部において液化した前記冷媒を溜めると共に、大気が流通する孔を備え、かつ前記浸漬漕に繋げられた冷媒タンクとを備え、
    前記冷媒タンクに溜められた前記冷媒の液面に、前記冷媒とは別の液の被膜が形成されたことを特徴とする電子装置。
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