JP2017150576A

JP2017150576A - 密封自動調心ころ軸受

Info

Publication number: JP2017150576A
Application number: JP2016033894A
Authority: JP
Inventors: 誠黄金井; Makoto Koganei; 貴弘木村; Takahiro Kimura; 洋臣田中; Hiroomi Tanaka
Original assignee: NSK Ltd
Current assignee: NSK Ltd
Priority date: 2016-02-25
Filing date: 2016-02-25
Publication date: 2017-08-31

Abstract

【課題】軸受の調心角度を制御することができ、かつ、シール部材の密封性を維持することができる密封自動調心ころ軸受を提供することである。【解決手段】外輪１１と、内輪１２と、外輪に設けられた外輪軌道面１１ａと内輪１２に設けられた内輪軌道面１２ａとの間に組み込まれる複数の球面ころ１３と、外輪１１の軸方向両端部にそれぞれ設けられるシール部材２０とを備え、両シール部材２０よりもそれぞれ軸受内方側にて、外輪軌道面１１ａの軸方向両端部に配設され、球面ころ１３の過度の傾きを制御する止め輪３０を備えている。【選択図】図１

Description

本発明は、シール部材を備えた自動調心ころ軸受に関し、より具体的には、調心角を制御する密封自動調心ころ軸受に関する。

自動調心ころ軸受は、一般的には、外輪の球面状の外輪軌道面と内輪の複列の内輪軌道面との間に、たる状の球面ころを組み込んだ構造を有しており、外輪軌道面の曲率中心が軸受中心に一致しているため、軸やハウジングのたわみや軸心の不一致が生じると、内輪と外輪の間に所定の調心角度を形成して、自動的に調心できるようになっている（たとえば、特許文献１参照）。また、特許文献１に記載の自動調心ころ軸受では、両端部に装着されるシール部材のリップの位置を外輪の軌道面を含む球面上又はその外側とし、外輪の軌道面の目視検査がしやすくしている。

図３は従来の密封自動調心ころ軸受の平常時の断面図である。図３に示すように、従来の自動調心ころ軸受１０は、外輪１１と、内輪１２と、外輪１１の球面状の外輪軌道面１１ａと内輪１２の複列の内輪軌道面１２ａとの間に組み込まれた複数の球面ころ１３と、該複数の球面ころ１３を保持する保持器１４と、を備えている。

また、従来の密封自動調心ころ軸受１０は、軸受内部に封入した潤滑剤の漏洩や外部から軸受内部への異物の混入を防止するために、外輪１１と内輪１２との間の軸方向両端部に、芯金２１と弾性体２２からなるシール部材２０を備える。そして、弾性体２２の先端部にリップ部２２ａを設け、リップ部２２ａを内輪１２の外周面に接触させている。

特開平９−８８９４９号公報

しかしながら、図４に示すように、従来の自動調心ころ軸受は調心性があるがために、装置へ装着する際に、自動調心ころ軸受の調心角度が一定な角度を超えてしまうと、球面ころ１３の過度な傾きが発生してしまい、また、シール部材２０に衝突したりしてシールが変形・脱落する問題がある。また、球面ころ１３がシール部材２０に向けて過度な傾きを発生してしまい、シール部材２０の反対側のシール部材２０´のリップ部２２ａ´と内輪１２との接触状態が崩れ、リップ部２２ａ´と内輪１２との間にすきまが発生し、このすきまからごみ等の異物が混入したり、軸受内部の潤滑剤が漏洩してしまう。

そこで、本発明は、従来技術の有するこのような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、軸受の調心角度を制御することができ、かつ、シール部材の密封性を維持することができる密封自動調心ころ軸受を提供することである。

この目的を達成するために、本発明は、外輪と、内輪と、前記外輪に設けられた外輪軌道面と前記内輪に設けられた内輪軌道面との間に組み込まれる複数の球面ころと、前記外輪の軸方向両端部にそれぞれ設けられるシール部材と、を備える密封自動調心ころ軸受において、
前記両シール部材よりもそれぞれ軸受内方側にて、前記外輪軌道面の軸方向両端部に配設され、前記球面ころの傾きを制御する止め輪を備えたことを特徴とする密封自動調心ころ軸受としたことである。

本発明の自動調心ころ軸受によれば、軸受が装置へ組み込まれる際の、シール部材の密封性を維持することができ、かつ、軸受の調心角度を制御することができる密封自動調心ころ軸受を提供することである。

本発明の一実施形態に係る密封自動調心ころ軸受を一部省略して示す断面図である。図１のＡ部拡大図である。従来の密封自動調心ころ軸受の平常時の断面図である。従来の密封自動調心ころ軸受の傾き時の断面図である。

以下、本発明による転がり軸受の一実施形態について、添付図面を参照して説明する。図１は本発明転がり軸受の実施形態を示す。なお、説明の便宜のため、図３に示した従来の自動調心ころ軸受と同一又は同等部分については、同一の符号を付している。ただし、本実施形態は、本発明の一実施形態であって、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。

図１は、本発明による密封自動調心ころ軸受の平常時の断面図である。図１に示すように、本発明による密封自動調心ころ軸受１０は、内周面に球面状の外輪軌道面１１ａを有する外輪１１と、外周面に複列の内輪軌道面１２ａを有する内輪１２と、外輪１１の外輪軌道面１１ａと内輪１２の内輪軌道面１２ａとの間に転動自在に介在された複数の球面ころ１３と、外輪１１の軸方向両端部で径方向に凹状に形成されたシール固着溝１１ｂと、前記シール固着溝１１ｂにそれぞれ固着されて軸受内部を密封するシール部材２０と、前記シール固着溝１１ｂよりも軸受内方の外輪１１の外輪軌道面１１ａの軸方向両端部で、径方向に凹状に形成された止め輪取付溝１１ｃと、前記止め輪取付溝１１ｃにそれぞれ嵌合されて前記シール部材２０よりも軸受内方に配設される止め輪３０を備えている。
また、図中符号１４は、複数のころ１３を保持する保持器である。

シール部材２０は、芯金２１と、その芯金２１と一体に形成され、芯金２１の軸方向外側面を覆うゴムなどの弾性体２２とをする。弾性体２２は、芯金２１よりも径方向内側に延びて内輪１２の外周面に接触するリップ部２２ａを有する。これにより、軸受内部に封入した潤滑剤の漏洩や外部から軸受内部への異物の混入を防止できる。

止め輪３０は、図１に示すように、所定の肉厚の円環状にで形成され、その外径部３０ａが、外輪１１に形成された止め輪取付溝１１ｃに嵌合されている。

これにより、図１のＡ部拡大図である図２に示すように、球面ころ１３が、例えば図面上で右側に傾こうとしても、止め輪３０の対向面（符号Ｌで示す深さの摺接面部）３０ｂに球面ころ１３が接することにより、内輪１２の傾きを回避することができる。また、球面ころ１３の縁部１３ａは面取りした曲面Ｒが形成されていて、止め輪３０の対向面（符号Ｌで示す深さの摺接面部）３０ｂとの摺接時の摩擦抵抗を低減することができる。

したがって、本実施形態の密封自動調心ころ軸受１０によれば、外輪１１の外輪軌道面１１ａに止め輪３０を設けることで、軸受が装置へ組み込まれる際の、球面ころ１３の過度な傾きによってシール部材２０に衝突してシールが変形・脱落したりする不具合を回避することができる。また、調心角度が制御され、球面ころ１３の過度な傾きを防止し、シールと内輪との非接触による潤滑剤の漏洩ないし軸受内部への異物混入を防止することができる。

１０密封自動調心ころ軸受
１１外輪
１１ａ外輪軌道面
１１ｂシール取付溝
１１ｃ止め輪取付溝
１２内輪
１２ａ内輪軌道面
１３ころ
１３ａころの縁部
１４保持器
２０シール部材
２１芯金
２２弾性体
２２ａリップ部
３０止め輪
３０ａ外径部
３０ｂ止め輪の対向面

Claims

外輪と、
内輪と、
前記外輪に設けられた外輪軌道面と前記内輪に設けられた内輪軌道面との間に組み込まれる複数の球面ころと、
前記外輪の軸方向両端部にそれぞれ設けられるシール部材と、を備える密封自動調心ころ軸受において、
前記両シール部材よりもそれぞれ軸受内方側にて、前記外輪軌道面の軸方向両端部に配設され、前記球面ころの傾きを制御する止め輪を備えたことを特徴とする密封自動調心ころ軸受。