しかしながら、上記特許文献1では、フロートスイッチのケーブルの余長部分がフロートスイッチに絡み付くことを防ぐ対策が施されておらず、ケーブル余長部分の絡み付きによるフロートスイッチの傾動で液位が誤検知され、確実な水中ポンプの自動運転制御が行えないという課題がある。なお、これにより波及的に発生する問題として、誤動作時の現地対応に人的・時間的コストを要する点や、誤動作で水中ポンプが空運転することによる電力の浪費などが挙げられる。
また、上記特許文献2は、又状連接部の掛止部でケーブル余剰部を収束して定着させる構造を持つが、挟持部と又状連接部とが連接した構造であるためにフロートスイッチとケーブル余長の収束部分とが近い距離にあることから、例えば深い液槽にも設置可能な水中ポンプの場合には、その分、ケーブルの余長部分が長くなり、ケーブル余長の収束部分がフロートスイッチを傾動させる障害物となる可能性が高くなり、確実に液位の誤検知を防ぐことができない。
また、上記特許文献3は、ロッド内の収容空間にケーブルの余長部分が収納されるので、確実に液位の誤検知を防止できるが、フロートスイッチのケーブルには比較的に径の太いものが使用されケーブルにダメージを与えることなく折り畳んで収容するためには相応の広い収容空間が必要となり、液槽内の水中ポンプ装置の全体的な容積も大きくなり、水中ポンプ装置設置時の制約となる恐れがある。また、ロッド内の収容空間をより狭くして収納効率を上げようとすれば、ケーブルの折れ曲がり部分にダメージを与えてケーブルの運用寿命を短くしてしまう恐れがある。さらに、フロートスイッチの設置高さを調整する度に、別の孔にケーブルを通し直すと共にケーブルを畳み直す必要もあり、高さ位置の調整に手間がかかるという問題もある。
さらに、特許文献2および3では、上方から見たときの複数のフロートスイッチの設置位置がほぼ同一であることから、側方から見たときの複数のフロートスイッチ間の距離が短い場合には、互いに他方のフロートスイッチを傾動させる障害物となる可能性があり、液位の誤検知の原因となってしまうという問題もある。
そこでこの発明は、複数のフロートスイッチ間の距離並びに複数のフロートスイッチとケーブルの余長部分との距離をそれぞれ一定に保って、他の障害物等によるフロートスイッチの傾動を排除して確実に液位の誤検知を防止し得るフロートスイッチ支持部材および水中ポンプ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、複数のフロートスイッチを備えた水中ポンプに取り付けられるフロートスイッチ支持部材であって、前記水中ポンプの本体の直立方向に略並行して設置される略長方管形状の縦方支持部材と、前記縦方支持部材を前記水中ポンプ本体の側周面の任意の位置に固定可能な固定部材と、前記縦方支持部材背面の長手方向の下方側に当該部材の一端または該一端近傍が取り付け部材を介して固定され、他端が水平方向に延びる第1側方支持部材と、前記第1側方支持部材の他端または該他端近傍の位置に第1フロートスイッチのケーブルを該第1フロートスイッチから所定距離を保って固定する第1ケーブル固定部材と、前記第1側方支持部材の一端または該一端近傍の位置で前記第1フロートスイッチのケーブルを掛止または固定する第1ケーブル掛止固定部材と、前記縦方支持部材背面の長手方向の上方側に当該部材の一端または該一端近傍が取り付け部材を介して固定され、他端が水平方向に延びる第2側方支持部材と、前記第2側方支持部材の他端または該他端近傍の位置に第2フロートスイッチのケーブルを該第2フロートスイッチから所定距離を保って固定する第2ケーブル固定部材と、前記第2側方支持部材の一端または該一端近傍の位置で前記第2フロートスイッチのケーブルを掛止または固定する第2ケーブル掛止固定部材と、を備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のフロートスイッチ支持部材において、当該部材の外周面が前記縦方支持部材の内周面と部分的に接して、該縦方支持部材の長手方向に摺動可能な縦方第1摺動部材と、前記縦方第1摺動部材を前記縦方支持部材の長手方向の上方側端部から所定距離だけ突出した位置に固定する縦方第1摺動固定部材と、前記縦方第1摺動部材の長手方向の上方側端部背面に当該部材の一端または該一端近傍が取り付け部材を介して固定され、他端が水平方向に延びる第3側方支持部材と、前記第3側方支持部材の他端または該他端近傍の位置に第3フロートスイッチのケーブルを該第3フロートスイッチから所定距離を保って固定する第3ケーブル固定部材と、前記第3側方支持部材の一端または該一端近傍の位置で前記第3フロートスイッチのケーブルを掛止または固定する第3ケーブル掛止固定部材と、を備えることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1に記載のフロートスイッチ支持部材において、当該部材の外周面が前記縦方支持部材の内周面と部分的に接して、該縦方支持部材の長手方向に摺動可能な縦方第1摺動部材と、前記縦方第1摺動部材を前記縦方支持部材の長手方向の上方側端部から所定距離だけ突出した位置に固定する縦方第1摺動固定部材と、を備え、前記第2側方支持部材は、前記縦方第1摺動部材の長手方向の上方側端部背面に固定されることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載のフロートスイッチ支持部材において、当該部材の外周面が略長方管形状の縦方第1摺動部材の内周面と部分的に接して、該縦方第1摺動部材の長手方向に摺動可能な縦方第2摺動部材と、前記縦方第2摺動部材を前記縦方第1摺動部材の長手方向の上方側端部から所定距離だけ突出した位置に固定する縦方第2摺動固定部材と、前記縦方第2摺動部材の長手方向の上方側端部背面に当該部材の一端または該一端近傍が取り付け部材を介して固定され、他端が水平方向に延びる第3側方支持部材と、前記第3側方支持部材の他端または該他端近傍の位置に第3フロートスイッチのケーブルを該第3フロートスイッチから所定距離を保って固定する第3ケーブル固定部材と、前記第3側方支持部材の一端または該一端近傍の位置で前記第3フロートスイッチのケーブルを掛止または固定する第3ケーブル掛止固定部材と、を備えることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のフロートスイッチ支持部材において、当該部材の外周面が略長方管形状を持つ前記第1側方支持部材の内周面と部分的に接して、該第1側方支持部材の長手方向に摺動可能な側方第1摺動部材と、前記側方第1摺動部材を前記第1側方支持部材の長手方向の他端部から所定距離だけ突出した位置に固定する側方第1摺動固定部材と、当該部材の外周面が略長方管形状を持つ前記第2側方支持部材の内周面と部分的に接して、該第2側方支持部材の長手方向に摺動可能な側方第2摺動部材と、前記側方第2摺動部材を前記第2側方支持部材の長手方向の他端部から所定距離だけ突出した位置に固定する側方第2摺動固定部材と、を有し、前記第1ケーブル固定部材は、前記側方第1摺動部材の他端または該他端近傍の位置で前記第1フロートスイッチのケーブルを固定し、前記第2ケーブル固定部材は、前記側方第2摺動部材の他端または該他端近傍の位置で前記第2フロートスイッチのケーブルを固定することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項2または請求項4に記載のフロートスイッチ支持部材において、当該部材の外周面が略長方管形状を持つ前記第3側方支持部材の内周面と部分的に接して、該第3側方支持部材の長手方向に摺動可能な側方第3摺動部材と、前記側方第3摺動部材を前記第3側方支持部材の長手方向の他端部から所定距離だけ突出した位置に固定する側方第3摺動固定部材と、を備え、前記第3ケーブル固定部材は、前記側方第3摺動部材の他端または該他端近傍の位置で前記第3フロートスイッチのケーブルを固定することを特徴とする請求項2または請求項4に記載のフロートスイッチ支持部材。
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のフロートスイッチ支持部材において、前記第2側方支持部材の他端が延びる方向は、前記第1側方支持部材または前記第3側方支持部材の他端が延びる方向とは逆であることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のフロートスイッチ支持部材において、前記第2側方支持部材の前記第2ケーブル固定部材から前記第2ケーブル掛止固定部材までの距離は、前記第1側方支持部材の前記第1ケーブル固定部材から前記第1ケーブル掛止固定部材までの距離、または、前記第3側方支持部材の前記第3ケーブル固定部材から前記第3ケーブル掛止固定部材までの距離とは異なることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載のフロートスイッチ支持部材において、前記第1側方支持部材の他端が延びる方向、前記第2側方支持部材の他端が延びる方向または前記第3側方支持部材の他端が延びる方向が、前記縦方支持部材背面となす角度は、互いに異なることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載のフロートスイッチ支持部材において、前記第1フロートスイッチのケーブルの余長部分、前記第2フロートスイッチのケーブルの余長部分または前記第3フロートスイッチのケーブルの余長部分を、前記水中ポンプ本体の側周面に巻き付けられる弾性を持つバンド部材で固定したことを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載のフロートスイッチ支持部材において、前記縦方支持部材は、背面と対向する面に開口部を有し、前記第1フロートスイッチのケーブルの余長部分、前記第2フロートスイッチのケーブルの余長部分または前記第3フロートスイッチのケーブルの余長部分の一部分が、前記縦方支持部材の開口部を介して略長方管形状の中空空間に差し込まれ、固定されていることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載のフロートスイッチ支持部材を備えることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、第1フロートスイッチのケーブルを第1側方支持部材の他端(または該他端近傍)の位置で固定し、一端(または該一端近傍)の位置で掛止または固定するので、第1フロートスイッチとそのケーブルの余長部分とが概ね第1側方支持部材の一端から他端までの一定距離だけ離すことができるので、第1フロートスイッチ自身のケーブルの余長部分が第1フロートスイッチ自身に絡み付く可能性は殆ど無く、液位の誤検知無く水中ポンプの自動運転制御を行うことができる。また、第2フロートスイッチのケーブルを第2側方支持部材の他端(または該他端近傍)の位置で固定し、一端(または該一端近傍)の位置で掛止または固定するので、第2フロートスイッチとそのケーブルの余長部分とが概ね第2側方支持部材の一端から他端までの一定距離だけ離すことができるので、第2フロートスイッチ自身のケーブルの余長部分が第2フロートスイッチ自身に絡み付く可能性は殆ど無く、液位の誤検知無く水中ポンプの自動運転制御を行うことができる。また、第1側方支持部材および第2側方支持部材が同一の水平方向に延びるものであれば、側方支持部材の延びる方向とは逆の方向の側にケーブルの余長部分が集められる形となり、しかも、ケーブルの余長部分が集められる場所は、各フロートスイッチの傾動空間からそれぞれ一定距離だけ離れて位置することになるため、フロートスイッチにケーブルの余長部分が絡み付く可能性は殆ど無く、液位の誤検知無く水中ポンプの自動運転制御を行うことができる。また、固定部材により縦方支持部材を水中ポンプ本体の側周面の任意の位置に固定可能な構造としたので、水中ポンプ本体とフロートスイッチとの(上方から見た)相対的位置関係を任意に設定することができ、従来、設置できなかった液槽内の位置や方向に対しても設置可能となるので、水中ポンプ本体とフロートスイッチの相対的位置関係の任意設定により、様々な状況に対してより柔軟に対処可能なフロートスイッチ支持部材を実現することができる。
請求項2の発明によれば、第3フロートスイッチのケーブルを第3側方支持部材の他端(または該他端近傍)の位置で固定し、一端(または該一端近傍)の位置で掛止または固定するので、第3フロートスイッチとそのケーブルの余長部分とが概ね第3側方支持部材の一端から他端までの一定距離だけ離すことができるので、第3フロートスイッチ自身のケーブルの余長部分が第3フロートスイッチ自身に絡み付く可能性は殆ど無く、液位の誤検知無く水中ポンプの自動運転制御を行うことができる。また、第1側方支持部材、第2側方支持部材および第3側方支持部材が同一の水平方向に延びるものであれば、側方支持部材の延びる方向とは逆の方向の側にケーブルの余長部分が集められる形となり、しかも、ケーブルの余長部分が集められる場所は、各フロートスイッチの傾動空間からそれぞれ一定距離だけ離れて位置することになるため、フロートスイッチにケーブルの余長部分が絡み付く可能性は殆ど無く、液位の誤検知無く水中ポンプの自動運転制御を行うことができる。また、縦方第1摺動部材に連結した第3側方支持部材の他端または該他端近傍の位置に第3フロートスイッチのケーブルを固定するので、第3フロートスイッチによる検知液位の設定を容易且つ正確に行うことができる。
請求項3の発明によれば、縦方第1摺動部材に連結した第2側方支持部材の他端または該他端近傍の位置に第2フロートスイッチのケーブルが固定されるので、第2フロートスイッチによる検知液位の設定を容易且つ正確に行うことができる。
請求項4の発明によれば、縦方第2摺動部材を縦方第1摺動部材に連結し、該縦方第2摺動部材に連結した第3側方支持部材の他端または該他端近傍の位置に第3フロートスイッチのケーブルを固定するので、第3フロートスイッチによる検知液位の設定を容易且つ正確に行うことができる。また、第3フロートスイッチのケーブルを第3側方支持部材の他端(または該他端近傍)の位置で固定し、一端(または該一端近傍)の位置で掛止または固定するので、第3フロートスイッチとそのケーブルの余長部分とが概ね第3側方支持部材の一端から他端までの一定距離だけ離すことができるので、第3フロートスイッチ自身のケーブルの余長部分が第3フロートスイッチ自身に絡み付く可能性は殆ど無く、液位の誤検知無く水中ポンプの自動運転制御を行うことができる。また、第1側方支持部材、第2側方支持部材および第3側方支持部材が同一の水平方向に延びるものであれば、側方支持部材の延びる方向とは逆の方向の側にケーブルの余長部分が集められる形となり、しかも、ケーブルの余長部分が集められる場所は、各フロートスイッチの傾動空間からそれぞれ一定距離だけ離れて位置することになるため、フロートスイッチにケーブルの余長部分が絡み付く可能性は殆ど無く、液位の誤検知無く水中ポンプの自動運転制御を行うことができる。
請求項5の発明によれば、側方第1摺動部材の他端(または他端近傍)の位置に第1フロートスイッチのケーブルが固定され、第1側方支持部材の一端(または他端近傍)の位置に該ケーブルが掛止され、また、側方第2摺動部材の他端(または他端近傍)の位置に第2フロートスイッチのケーブルが固定され、第2側方支持部材の一端(または他端近傍)の位置に該ケーブルが掛止される構造であるため、例えば第1側方支持部材および第2側方支持部材が同一の水平方向に延びる構成の場合には、側方支持部材の延びる方向とは逆の方向の側にケーブルの余長部分が集められる形となり、しかも、ケーブルの余長部分が集められる場所は、各フロートスイッチの傾動空間からそれぞれ一定距離だけ離れて位置することになるため、フロートスイッチにケーブルの余長部分が絡み付く可能性は殆ど無く、液位の誤検知無く水中ポンプの自動運転制御を行うことができる。また、第1フロートスイッチのケーブルおよび第2フロートスイッチのケーブルがそれぞれ水平方向に長さ調整可能な側方第1摺動部材および側方第2摺動部材に固定されているため、フロートスイッチ支持部材(ポンプ装置)を上方から見たときの第1フロートスイッチおよび第2フロートスイッチの相対的な位置関係の調整を容易且つ正確に行うことができる。フロートスイッチの設置高さの違いは垂直方向面上でのフロートスイッチの傾動中心のずれに相当するのに対し、水平方向での固定位置の違いは水平方向面上でのフロートスイッチの傾動中心のずれに相当する。したがって、側方第1摺動部材または側方第2摺動部材の長さ調整により各フロートスイッチの傾動空間が立体的にずれることとなり、側方から見たときのフロートスイッチ間の距離が短い場合でも、互いに他方のフロートスイッチを傾動させる障害物となる(液位誤検知の原因となる)可能性が低くなる。換言すれば、液位誤検知の原因となるために設定できなかった液位設定も、フロートスイッチの相対的な位置関係の調整によっては可能となり得るため、フロートスイッチの相対的位置関係の任意設定により、様々な状況に対してより柔軟に対処可能なフロートスイッチ支持部材を実現することができる。
請求項6の発明によれば、側方第3摺動部材の他端(または他端近傍)の位置に第3フロートスイッチのケーブルが固定され、第3側方支持部材の一端(または他端近傍)の位置に該ケーブルが掛止される構造であるため、例えば第1側方支持部材、第2側方支持部材および第3側方支持部材が同一の水平方向に延びる構成の場合には、側方支持部材の延びる方向とは逆の方向の側にケーブルの余長部分が集められる形となり、しかも、ケーブルの余長部分が集められる場所は、各フロートスイッチの傾動空間からそれぞれ一定距離だけ離れて位置することになるため、フロートスイッチにケーブルの余長部分が絡み付く可能性は殆ど無く、液位の誤検知無く水中ポンプの自動運転制御を行うことができる。また、第3フロートスイッチのケーブルが水平方向に長さ調整可能な側方第3摺動部材に固定されているため、フロートスイッチ支持部材を上方から見たときの第1フロートスイッチまたは第2フロートスイッチとの相対的な位置関係の調整を容易且つ正確に行うことができる。第1フロートスイッチまたは第2フロートスイッチとの相対的位置関係の任意設定により、様々な状況に対してより柔軟に対処可能なフロートスイッチ支持部材を実現することができる。
請求項7の発明によれば、第2側方支持部材の他端が延びる方向を逆にすることにより、フロートスイッチの傾動空間についての立体的なずれをより大きくすることができ、様々な状況に対してより一層柔軟に対処可能なフロートスイッチ支持部材を実現することができる。
請求項8の発明によれば、側方支持部材のケーブル固定部材からケーブル掛止固定部材までの距離が互いに異なるようにすることにより、フロートスイッチの傾動空間について、立体的なずれを持たせることができ、様々な状況に対してより柔軟に対処可能なフロートスイッチ支持部材を実現することができる。
請求項9の発明によれば、側方支持部材が縦方支持部材背面となす角度を互いに異なるようにしたので、フロートスイッチの傾動空間について、立体的なずれを持たせることができ、様々な状況に対してより柔軟に対処可能なフロートスイッチ支持部材を実現することができる。
請求項10の発明によれば、ケーブルの余長部分を、水中ポンプ本体の側周面に巻き付けられる弾性を持つバンド部材で固定したので、ケーブルの余長部分が絡み付く可能性を完全に排除して、確実な水中ポンプの自動運転制御を可能とすることができる。
請求項11の発明によれば、ケーブルの余長部分の一部分を、縦方支持部材の開口部を介して略長方管形状の中空空間に差し込んで固定したので、ケーブルの余長部分が絡み付く可能性を完全に排除して、確実な水中ポンプの自動運転制御を可能とすることができる。
請求項12の発明によれば、請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載のフロートスイッチ支持部材を備えて水中ポンプ装置を構成することにより、水中ポンプ装置の構成において上述の効果を奏することができる。すなわち、液位の誤検知無く水中ポンプの自動運転制御が可能な水中ポンプ装置を実現できる。また、水中ポンプ本体とフロートスイッチの相対的位置関係の任意設定により、様々な状況に対してより柔軟に対処可能な水中ポンプ装置を実現できる。また、水中ポンプ本体とフロートスイッチの相対的位置関係の任意設定、或いは、フロートスイッチ間の相対的位置関係の任意設定により、様々な状況に対してより柔軟に対処可能な水中ポンプ装置を実現することができる。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
〔実施の形態1〕
図1および図2は、この発明の実施の形態1に係るフロートスイッチ支持部材101並びに該フロートスイッチ支持部材101を備えた水中ポンプ装置50の外観構成を示す説明図であり、図1は側面から見た説明図を、図2は上方から見た説明図をそれぞれ示す。
図1において、この実施の形態1の水中ポンプ装置50は、ポンプ部61、モータ部51およびカバー部を備えた水中ポンプ本体と、複数のフロートスイッチ11,21,31と、ケーブル10,20,30と、フロートスイッチ支持部材101と、を備えた構成である。
水中ポンプ本体は、その下部に外枠がポンプケーシング62で覆われたポンプ部61を備え、そのポンプ部61の上方に、モータケーシング52で覆われてポンプ部61を駆動するモータ部51を備え、そのモータ部51の上方に、取手部53付きのカバー部で覆われた運転制御部57を備えている。図中、63は水中ポンプ装置50の脚部である。また、65は吸入口の概略位置を示し、66は吐出口の概略位置を示す。さらに、64は排出管であり、図1では、汚水、汚物、雑排水などを排水する、いわゆる排水水中ポンプの構成を例示している。なお、モータ部51およびポンプ部61の構成・構造については一般的な排水水中ポンプと同等であり、具体的な説明を省略する。
また、複数のフロートスイッチの内、第1フロートスイッチ11は停止液位(Le)を、第2フロートスイッチ21は起動液位(Ls)を、第3フロートスイッチ31は警戒液位(La)を、それぞれ検知する。これらのフロートスイッチ11,21,31で検知した液位検知信号は、それぞれケーブル10,20,30を介して運転制御部57に送られる。すなわち、図2に示すように、ケーブル10,20,30は、カバー部の天井面54に開けられた開口部55に達しており、さらにカバー部内の運転制御部57に接続される構成である。なお、図2において、取手部53を挟んで開口部55と対向する位置の開口部56には電源ケーブル40が配されており、該電源ケーブル40を介して運転制御部57およびモータ部51に電源供給される構成である。
なお、後述するように、第1ケーブル固定部材14でケーブル10が、第2ケーブル固定部材24でケーブル20が、第3ケーブル固定部材34でケーブル30が、それぞれ固定されており、第1フロートスイッチ11、第2フロートスイッチ21および第3フロートスイッチ31は、それぞれの固定点を中心として、液位に応じて傾動することとなる。例えば上向きの所定動作角度でフロートスイッチのスイッチ部がオンし、下向きの所定動作角度でフロートスイッチのスイッチ部がオフすることとすれば、運転制御部57は、第2フロートスイッチ21からのオン信号で(起動液位Lsに達した旨を認識して)ポンプ部61の運転を開始し、第1フロートスイッチ11からのオフ信号で(停止液位Leに達した旨を認識して)ポンプ部61の運転をする。また、ポンプ部61が運転中であるにも拘らず、運転制御部57が第3フロートスイッチ31からのオン信号を受信した際には、液槽内で異常増水となっている旨を認識して、ポンプ部61の運転を継続すると共に、例えば警報音を発するようにする。
次に、フロートスイッチ支持部材101の構成について説明する。図1に示すように、フロートスイッチ支持部材101は、縦方支持部材1、縦方第1摺動部材2、縦方第1摺動固定部材3、固定部材5、第1側方支持部材12、取り付け部材13、第1ケーブル固定部材14,15、第2側方支持部材22、取り付け部材23、第2ケーブル固定部材24,25、第3側方支持部材32、取り付け部材33および第3ケーブル固定部材34,35を備えた構成である。
なお、縦方支持部材1、縦方第1摺動部材2、第1側方支持部材12、第2側方支持部材22および第3側方支持部材32は、フロートスイッチ支持部材101の骨格をなすものであるから、十分な強度を備えた軽量の材料で形成されるのが望ましい。例えば、ステンレス、硬化樹脂、カーボングラファイト、カーボンファイバー、グラスファイバー、各種の繊維強化プラスチック等からなる板状部材、或いは、これら各種材料部材を合成した板状部材を加工して具現される。また、第1側方支持部材12、第2側方支持部材22および第3側方支持部材32は、互いに長さが異なる点に留意すべきである。図1の例示では、「第1側方支持部材12の長さ<第2側方支持部材22の長さ<第3側方支持部材32の長さ」としている。
また、取り付け部材13,23,33は同一形状の部材であり、第1ケーブル固定部材14,15、第2ケーブル固定部材24,25および第3ケーブル固定部材34,35についても同一形状である。これらの部材の材料については一定強度を持つものであれば良く、特に限定されない。
縦方支持部材1は、略長方管形状を持ち、水中ポンプ装置50の直立方向に略並行して設置される。略長方管形状とすること以外に、円管形状や多角管形状とすることも考えられるが、縦方支持部材1のモータケーシング52の側周面への固定のし易さや強度の観点からは、略長方管形状とするのが望ましい。なお、図3(b)に示すように、縦方支持部材1は完全な長方管形状ではなく、水中ポンプ本体の側周面に接する側の面に開口部を持つ略長方管形状となっている。
また縦方第1摺動部材2は、当該部材の外周面が縦方支持部材1の内周面と部分的に接して、該縦方支持部材1の長手方向に摺動可能に構成されている。また、縦方第1摺動部材2は、縦方支持部材1の長手方向の上方側端部から所定距離だけ突出した位置に、縦方第1摺動固定部材3により固定される。なお、縦方第1摺動部材2の長手方向の上方側端部背面に、第3フロートスイッチ31のケーブル30を固定する第3側方支持部材32が固定されるので、縦方第1摺動部材2の固定位置は、設定すべき警戒液位(La)に応じて位置決めされることになる。
また、図3(a)および(b)に示すように、縦方第1摺動固定部材3は、縦方支持部材1の長手方向の上方側端部において、背面および両側面に配された3個の締め付けねじにより具現される。これら3個のねじを緩めることにより縦方第1摺動部材2の摺動が可能となり、また、これら3個のねじを締め付けることにより縦方第1摺動部材2を縦方支持部材1に固定する構成である。
また、第1側方支持部材12は、縦方支持部材1の背面の長手方向の下方側に当該部材の一端または該一端近傍が固定されている。具体的に、固定は、第1側方支持部材12の一端または該一端近傍を覆う取り付け部材13の両端部を、ねじ13aで縦方支持部材1に固定することにより行われる。
また、第1側方支持部材12の他端が水平方向に延びる構造であり、該他端または該他端近傍の位置に第1フロートスイッチ11のケーブル10が第1フロートスイッチ11から所定距離を保って固定されている。ここで、所定距離は、固定点を中心として第1フロートスイッチ11が液位に応じて上方または下方に支障なく傾動することが可能となる距離である。具体的に、図3(c)に示すように、ケーブル10の径と同じ深さの凹部を断面形状に持つ第1ケーブル固定部材14を使用して、第1ケーブル固定部材14の凹部にケーブル10をはめ込んだ後、第1ケーブル固定部材14の両端部をねじ14aで第1側方支持部材12に固定することにより行われる。
また、第1側方支持部材12の一端または該一端近傍の位置においても、同様に、第1ケーブル固定部材15(第1ケーブル掛止固定部材)により、第1フロートスイッチ11のケーブル10が固定される。
また、第2側方支持部材22は、縦方支持部材1の背面の長手方向の上方側に当該部材の一端または該一端近傍が固定されている。具体的に、固定は、第2側方支持部材22の一端または該一端近傍を覆う取り付け部材23の両端部を、ねじ23aで縦方支持部材1に固定することにより行われる。
また、第2側方支持部材22の他端が水平方向に延びる構造であり、該他端または該他端近傍の位置に第2フロートスイッチ21のケーブル20が第2フロートスイッチ21から所定距離を保って固定されている。ここで、所定距離は、固定点を中心として第2フロートスイッチ21が液位に応じて上方または下方に支障なく傾動することが可能となる距離である。また、第2側方支持部材22の一端または該一端近傍の位置においても、同様に、第2ケーブル固定部材25(第2ケーブル掛止固定部材)により、第2フロートスイッチ21のケーブル20が固定される。第2ケーブル固定部材24,25によるケーブル20の固定は、第1ケーブル固定部材14による固定(図3(c)参照)と同等である。
さらに、第3側方支持部材32は、縦方第1摺動部材2の長手方向の上方側端部背面に当該部材の一端または該一端近傍が固定されている。具体的に、固定は、第3側方支持部材32の一端または該一端近傍を覆う取り付け部材33の両端部を、ねじ33aで縦方第1摺動部材2に固定することにより行われる。
また、第3側方支持部材32の他端が水平方向に延びる構造であり、該他端または該他端近傍の位置に第3フロートスイッチ31のケーブル30が第3フロートスイッチ31から所定距離を保って固定されている。ここで、所定距離は、固定点を中心として第3フロートスイッチ31が液位に応じて上方または下方に支障なく傾動することが可能となる距離である。また、第3側方支持部材32の一端または該一端近傍の位置においても、同様に、第3ケーブル固定部材35(第3ケーブル掛止固定部材)により、第3フロートスイッチ31のケーブル30が固定される。第3ケーブル固定部材34,35によるケーブル30の固定は、第1ケーブル固定部材14による固定(図3(c)参照)と同等である。
以上のように、この実施の形態1では、同じ水平方向に延びる側方支持部材12,22,32の一端(または一端近傍)と他端(または他端近傍)のそれぞれの位置に配置されるケーブル固定部材14,15、24,25および34,35でケーブル10,20,30が固定される構造であるため、側方支持部材12,22,32の延びる方向とは逆の方向の側にケーブル10,20,30の余長部分が集められる形となる。しかも、ケーブル10,20,30の余長部分が集められる場所は、各フロートスイッチ11,21,31の傾動空間からそれぞれ一定距離(少なくとも側方支持部材12,22,32の長さ分)だけ離れて位置するため、フロートスイッチ11,21,31にケーブル10,20,30の余長部分が絡み付く可能性は殆ど無く、ケーブル余長部分の絡み付きによる液位の誤検知が無くなり、確実な水中ポンプの自動運転制御が行うことができるようになる。
さらに、以上のような構造を持つフロートスイッチ支持部材101の水中ポンプ本体への固定は、固定部材5により行われる。実施の形態1では、固定部材5を、相対的に低い弾性を持つバンド部材として、該バンド部材と縦方支持部材1との3方の接触面(6)を複数個のねじ6aで固定して、固定部材5と縦方支持部材1とを一体化した構造としている。また、図2の矢印に示すように、一体化した固定部材5をモータケーシング52(水中ポンプ本体)の側周面上で回転移動させることにより、縦方支持部材1をモータケーシング52の側周面の任意の位置に固定することが可能となる。
なお、通常のベルト構造のようにバンド部材(5)に締結具を備える構造として、縦方支持部材1の位置決めの後に締結具による締め付けを行い、固定強度をより強化するようにしても良い。
このように、この実施の形態1では、一体化した固定部材5を水中ポンプ本体の側周面上で回転移動させることができるため、水中ポンプ本体とフロートスイッチ11,21,31との(上方から見た)相対的位置関係を任意に設定することができ、水中ポンプ本体とフロートスイッチ11,21,31との相対的位置関係が固定されていたために、従来、設置できなかった液槽内の位置や方向に対しても、水中ポンプ装置50を設置することができるようになり、様々な状況に対してより柔軟に対処可能なフロートスイッチ支持部材101および水中ポンプ装置50を実現することができる。例えば、従来、フロートスイッチの傾動空間を確保するために設置できなかった液槽壁に近接した位置や、障害物等により設置スペースが確保できなかった位置であっても、水中ポンプ本体とフロートスイッチの相対的位置関係を所望の設置空間に応じて柔軟に設定することで対処し得る。
また、この実施の形態1では、水中ポンプ本体の側周面に巻き付けられる弾性を持つバンド部材7を備えて、第1フロートスイッチ11のケーブル10の余長部分、第2フロートスイッチ21のケーブル20の余長部分および第3フロートスイッチ31のケーブル30の余長部分を、バンド部材7で固定している。上述したように、側方支持部材12,22,32の延びる方向とは逆の方向の側(即ち、図1において縦方支持部材1の左側)にケーブル10,20,30の余長部分が集められており、適切な高さで弾性を持つバンド部材7を水中ポンプ本体の側周面に巻き付けることで、その場所にケーブル10,20,30の余長部分を固定することができ、例えばケーブル10,20,30の余長部分が長い場合であっても、フロートスイッチ11,21,31にケーブル10,20,30の余長部分が絡み付く可能性を完全に排除して、確実な水中ポンプの自動運転制御を可能とすることができる。なお、バンド部材(固定部材)5とは異なる高さにバンド部材7を設置する場合には、フロートスイッチ支持部材101の固定を補強する副次的効果も期待できる。
また、上述したように、この実施の形態1では、第1側方支持部材12、第2側方支持部材22および第3側方支持部材32は、互いに長さが異なり、「第1側方支持部材12の長さ<第2側方支持部材22の長さ<第3側方支持部材32の長さ」となっている。また、この実施の形態1では、各側方支持部材のケーブル固定部材は、側方支持部材の一端(または一端近傍)と他端(または他端近傍)のそれぞれの位置に配置されているから、「各側方支持部材の長さが互いに異なる」ようにした場合には、「第2側方支持部材22の第2ケーブル固定部材24,25間の距離は、第1側方支持部材12の第1ケーブル固定部材14,15間の距離、または、第3側方支持部材32の第3ケーブル固定部材34,35間の距離とは異なる」ことになる。
これらが意味するところは、図2に示すように、フロートスイッチ支持部材101の水中ポンプ装置50を上方から見たときの他端側のケーブル固定部材14,24,34の位置、即ち各フロートスイッチ11,21,31の傾動中心が重複することなく互いに異なる位置となっていることである。
したがって、この実施の形態1では、従来のフロートスイッチの設置高さの違いによる垂直方向面上でのフロートスイッチの傾動中心のずれに、水平方向面上でのフロートスイッチの傾動中心のずれが加わって、各フロートスイッチの傾動空間が立体的にずれることとなり、側方から見たときの複数のフロートスイッチ間の距離が短い場合でも、互いに他方のフロートスイッチを傾動させる障害物となる(液位の誤検知の原因となる)可能性が低くなる。換言すれば、従来では液位の誤検知の原因となるために設定できなかった液位設定も可能となるため、様々な状況に対してより柔軟に対処可能なフロートスイッチ支持部材101および水中ポンプ装置50を実現することができる。
(変形例1)
以上説明した実施の形態1では、水中ポンプ装置50に第1フロートスイッチ11、第2フロートスイッチ21および第3フロートスイッチ31の3個のフロートスイッチを備える構成であったが、警戒液位の検知が不要な場合や、並列相互自動運転における2台目の水中ポンプ装置の構成の場合などでは、2個のフロートスイッチを備えた態様となる。
実施の形態1(図1)において、2個のフロートスイッチを備えた態様に変形する構成としては、先ず、上記例示の通りに第3フロートスイッチ31およびケーブル30を削除し、これに伴って、縦方第1摺動部材2および第3側方支持部材32、並びにこれらに関連する各種部材を削除した構成が考えられる。このような変形構成によっても、上記実施の形態1と同等の効果を奏することができる。
(変形例2)
また、別の変形として、第3フロートスイッチ31およびケーブル30を削除して、代わりに第2フロートスイッチ21およびケーブル20を第3側方支持部材32に配置して、第2側方支持部材22、並びにこれに関連する各種部材を削除した構成が考えられる。並列相互自動運転における2台目の水中ポンプ装置の構成では、起動液位(Ls)を1台目の警戒液位(La)未満で且つ1台目の起動液位(Ls)を超える液位に設定する必要があり、このような変形が最適な形態である。このような変形構成によっても、上記実施の形態1と同等の効果を奏することができる。
(変形例3)
また、上記実施の形態1では、第1側方支持部材12、第2側方支持部材22および第3側方支持部材32の延びる方向を、同一の水平方向としたが、側方支持部材の延びる方向は任意であって良く、この変形例1の3では、図4(a)に示すように、第2側方支持部材22Aの他端が延びる方向を、第1側方支持部材12Aまたは第3側方支持部材32Aの他端が延びる方向とは逆にしている。また、この変形に伴って、第3側方支持部材32Aの長さをより短くした。
このような変形構成により、上記実施の形態1と同等の効果に加えて、各フロートスイッチの傾動空間についての立体的なずれをより大きくすることができ、様々な状況に対してより一層柔軟に対処可能なフロートスイッチ支持部材および水中ポンプ装置を実現することができる。また、第3側方支持部材32Aの長さがより短くなり、側方支持部材の延びる方向が両方向となって、上方から見たときの各フロートスイッチの位置がより水中ポンプ本体に近くなることから、水中ポンプ装置の設置に要する面積を狭めることができ、様々な状況に対してより柔軟に対処可能な水中ポンプ装置50を実現することができる。
なお、第2側方支持部材22Aが延びる方向を逆にしたことから、第2フロートスイッチ21のケーブル20の余長部分が第1フロートスイッチ11または第3フロートスイッチ31に絡み付く可能性が発生し、また、第1フロートスイッチ11のケーブル10または第3フロートスイッチ31のケーブル30が第2フロートスイッチ21に絡み付く可能性も出てくるが、弾性を持つバンド部材7によりこれらケーブルの余長部分を固定することにより、ケーブルの余長部分がフロートスイッチ絡み付く可能性を完全に排除できるので、問題はない。
(変形例4)
また、側方支持部材の延びる方向に、縦方支持部材1の背面に対する角度を付けるようにしても良い。この変形例1の4では、図4(b)に示すように、第1側方支持部材12Bの他端が延びる方向、第2側方支持部材22の他端が延びる方向または第3側方支持部材32Bの他端が延びる方向と、縦方支持部材1の背面とのなす角度が、互いに異なるようにしている。
第1側方支持部材12Bについては、縦方支持部材1の背面の第1側方支持部材12Bを固定する領域についてのみ(図1に対して)右肩部分を削り、該当部分についてのみ縦方支持部材1を略三角管形状として、第1側方支持部材12Bの延びる方向に−θ1の角度を付けている。また、第3側方支持部材32Bについては、縦方支持部材1の背面の第3側方支持部材32Bを固定する領域についてのみ、(図1に対して)右肩部分の外周面からの高さがより高くなるように楔形状の補助部材を差し込んで、第3側方支持部材32Bの延びる方向に+θ2の角度を付けている。
このように、側方支持部材の延びる方向に角度を付けることにより、各フロートスイッチの傾動空間についてより大きな立体的なずれを得ることができ、様々な状況に対してより一層柔軟に対処可能なフロートスイッチ支持部材および水中ポンプ装置を実現することができる。また換言すれば、より短い側方支持部材の長さで同一距離の立体的なずれを得ることができ、水中ポンプ装置の設置に要する面積を狭めることができ、様々な状況に対してより柔軟に対処可能な水中ポンプ装置50を実現することができる。
(変形例5)
また、上記実施の形態1では、弾性を持つバンド部材7でフロートスイッチのケーブル余長部分を固定したが、この変形例1の5では、第1フロートスイッチ11のケーブル10の余長部分、第2フロートスイッチ21のケーブル20の余長部分および第3フロートスイッチ31のケーブル30の余長部分の一部分を、縦方支持部材1の背面と対向する側の面の開口部を介して略長方管形状の中空空間に差し込み、固定するようにした。
この場合、縦方支持部材1の幅および水中ポンプ本体の外周面からの高さ共により大きくして、略長方管形状の中空空間をより大きな空間とする必要がある。ケーブルの折れ曲げによってケーブルに与えるダメージをより軽減するためである。
このような構成によっても、フロートスイッチにケーブル余長部分が絡み付く可能性を完全に排除して、確実な水中ポンプの自動運転制御を可能とすることができる。
〔実施の形態2〕
次に、図5は、この発明の実施の形態2に係るフロートスイッチ支持部材102の側面からの外観構成を示す説明図である。
図5に示すように、フロートスイッチ支持部材102は、縦方支持部材1C、縦方第1摺動部材2C、縦方第1摺動固定部材3C、縦方第2摺動部材8、縦方第1摺動固定部材4C、固定部材5、第1側方支持部材12C、第1ケーブル固定部材14C、側方第1摺動部材16、側方第1摺動固定部材16a、第2側方支持部材22C、第2ケーブル固定部材24C、側方第2摺動部材26、側方第2摺動固定部材26a、第3側方支持部材32C、第3ケーブル固定部材34C、側方第3摺動部材36および側方第3摺動固定部材36aを備えた構成である。
なお、縦方支持部材1C、縦方第1摺動部材2C、縦方第2摺動部材8、第1側方支持部材12C、側方第1摺動部材16、第2側方支持部材22C、側方第2摺動部材26、第3側方支持部材32Cおよび側方第3摺動部材36は、フロートスイッチ支持部材102の骨格をなすものであるから、十分な強度を備えた軽量の材料で形成されるのが望ましい。
また、縦方支持部材1Cは略長方管形状を持ち、水中ポンプ装置の直立方向に略並行して設置される。なお、図6(a)に示すように、縦方支持部材1Cは完全な長方管形状ではなく、水中ポンプ本体の側周面に接する側の面に開口部を持つ略長方管形状となっている。
また、縦方第1摺動部材2Cは略長方管形状を持ち、当該部材の外周面が縦方支持部材1Cの内周面と部分的に接して、該縦方支持部材1Cの長手方向に摺動可能に構成されている。また、縦方第1摺動部材2Cは、縦方支持部材1Cの長手方向の上方側端部から所定距離だけ突出した位置に、縦方第1摺動固定部材3Cにより固定される。なお、縦方第1摺動部材2Cの長手方向の上方側端部背面に、第2フロートスイッチ21のケーブル20を固定する第2側方支持部材22Cが固定されるので、縦方第1摺動部材2Cの固定位置は、設定すべき起動液位(Ls)に応じて位置決めされることになる。
また、図6(a)に示すように、縦方第1摺動部材2Cは、縦方支持部材1Cの長手方向の上方側端部において、背面および両側面に配された4個の締め付けねじにより具現される。これら4個のねじを緩めることにより縦方第1摺動部材2Cの摺動が可能となり、また、これら4個のねじを締め付けることにより縦方第1摺動部材2Cを縦方支持部材1Cに固定する構成である。
また、縦方第2摺動部材8は、当該部材の外周面が縦方第1摺動部材2Cの内周面と部分的に接して、該縦方第1摺動部材2Cの長手方向に摺動可能に構成されている。また、縦方第2摺動部材8は、縦方第1摺動部材2Cの長手方向の上方側端部から所定距離だけ突出した位置に、縦方第2摺動固定部材4Cにより固定される。なお、縦方第2摺動部材8の長手方向の上方側端部背面に、第3フロートスイッチ31のケーブル30を固定する第3側方支持部材32Cが固定されるので、縦方第2摺動部材8の固定位置は、設定すべき警戒液位(La)に応じて位置決めされることになる。
また、図6(b)に示すように、縦方第2摺動固定部材4Cは、縦方第1摺動部材2Cの長手方向の上方側端部において、背面および両側面に配された4個の締め付けねじにより具現される。これら4個のねじを緩めることにより縦方第2摺動部材8の摺動が可能となり、また、これら4個のねじを締め付けることにより縦方第2摺動部材8を縦方第1摺動部材2Cに固定する構成である。
次に、第1側方支持部材12Cは、略長方管形状を持ち、他端が水平方向に延びる構造であり、縦方支持部材1Cの背面の長手方向の下方側に当該部材の一端近傍が固定されている。なお、第1側方支持部材12Cは完全な長方管形状ではなく、上面側に開口部を持つ構造で第1ケーブル掛止部12Ca,12Cb(第1ケーブル掛止固定部材)を形成すると共に、縦方支持部材1Cに固定される一端近傍の両側面がそれぞれ両外方向に切り開かれて取り付け部を形成している。なお、縦方支持部材1Cへの固定は、上記取り付け部の両端をねじ13bで固定することにより行われる。
また、側方第1摺動部材16は、当該部材の外周面が第1側方支持部材12Cの内周面と部分的に接して、該第1側方支持部材12Cの長手方向に摺動可能に構成されている。また、側方第1摺動部材16は、第1側方支持部材12Cの長手方向の他端部から所定距離だけ突出した位置に、側方第1摺動固定部材16aにより固定される。
なお、図6(c)に示すように、側方第1摺動固定部材16aは、第1側方支持部材12Cの長手方向の他端部において、両側面に配された2個の締め付けねじにより具現される。これら2個のねじを緩めることにより側方第1摺動部材16の摺動が可能となり、また、これら2個のねじを締め付けることにより側方第1摺動部材16を第1側方支持部材12Cに固定する構成である。
また、側方第1摺動部材16の他端または該他端近傍の位置に第1フロートスイッチ11のケーブル10が第1フロートスイッチ11から所定距離を保って固定されている。ここで、所定距離は、固定点を中心として第1フロートスイッチ11が液位に応じて上方または下方に支障なく傾動することが可能となる距離である。第1ケーブル固定部材14Cによるケーブル10の固定は、実施の形態1の第1ケーブル固定部材14による固定(図3(c)参照)と同等である。
また、第1側方支持部材12の第1ケーブル掛止部12Ca,12Cbにおいては、開口部の開口幅が他端から一端に向かう方向に沿って小さくなって行く構造を持ち、図6(c)に示すように、第1ケーブル掛止部12Ca,12Cbの内側空間に第1フロートスイッチ11のケーブル10が掛止される。
また、第2側方支持部材22Cは、略長方管形状を持ち、他端が水平方向に延びる構造であり、縦方第1摺動部材2Cの長手方向の上方側端部背面に当該部材の一端近傍が固定されている。なお、第2側方支持部材22Cは完全な長方管形状ではなく、上面側に開口部を持つ構造で第2ケーブル掛止部22Ca,22Cb(第2ケーブル掛止固定部材)を形成すると共に、縦方第1摺動部材2Cに固定される一端近傍の両側面がそれぞれ両外方向に切り開かれて取り付け部を形成している。なお、縦方第1摺動部材2Cへの固定は、上記取り付け部の両端をねじ23bで固定することにより行われる。
また、側方第2摺動部材26は、当該部材の外周面が第2側方支持部材22Cの内周面と部分的に接して、該第2側方支持部材22Cの長手方向に摺動可能に構成されている。また、側方第2摺動部材26は、第2側方支持部材22Cの長手方向の他端部から所定距離だけ突出した位置に、側方第2摺動固定部材26aにより固定される。なお、側方第2摺動固定部材26aによる側方第2摺動部材26の固定は、側方第1摺動固定部材16aによる側方第1摺動部材16の固定(図6(c)参照)と同等である。
また、側方第2摺動部材26の他端または該他端近傍の位置に第2フロートスイッチ21のケーブル20が第2フロートスイッチ21から所定距離を保って固定されている。ここで、所定距離は、固定点を中心として第2フロートスイッチ21が液位に応じて上方または下方に支障なく傾動することが可能となる距離である。第2ケーブル固定部材24Cによるケーブル20の固定は、実施の形態1の第1ケーブル固定部材14による固定(図3(c)参照)と同等である。
また、第2側方支持部材22の第2ケーブル掛止部22Ca,22Cbにおいては、開口部の開口幅が他端から一端に向かう方向に沿って小さくなって行く構造を持ち、第2ケーブル掛止部22Ca,22Cbの内側空間に第2フロートスイッチ21のケーブル20が掛止される。
さらに、第3側方支持部材32Cは、略長方管形状を持ち、他端が水平方向に延びる構造であり、縦方第2摺動部材8の長手方向の上方側端部背面に当該部材の一端近傍が固定されている。なお、第3側方支持部材32Cは完全な長方管形状ではなく、上面側に開口部を持つ構造で第3ケーブル掛止部32Ca,32Cb(第3ケーブル掛止固定部材)を形成すると共に、縦方第2摺動部材8に固定される一端近傍の両側面がそれぞれ両外方向に切り開かれて取り付け部を形成している。なお、縦方第2摺動部材8への固定は、上記取り付け部の両端をねじ33bで固定することにより行われる。
また、側方第2摺動部材36は、当該部材の外周面が第3側方支持部材32Cの内周面と部分的に接して、該第3側方支持部材32Cの長手方向に摺動可能に構成されている。また、側方第3摺動部材36は、第3側方支持部材32Cの長手方向の他端部から所定距離だけ突出した位置に、側方第3摺動固定部材36aにより固定される。なお、側方第3摺動固定部材36aによる側方第3摺動部材36の固定は、側方第1摺動固定部材16aによる側方第1摺動部材16の固定(図6(c)参照)と同等である。
また、側方第3摺動部材36の他端または該他端近傍の位置に第3フロートスイッチ31のケーブル30が第3フロートスイッチ31から所定距離を保って固定されている。ここで、所定距離は、固定点を中心として第3フロートスイッチ31が液位に応じて上方または下方に支障なく傾動することが可能となる距離である。第3ケーブル固定部材34Cによるケーブル30の固定は、実施の形態1の第1ケーブル固定部材14による固定(図3(c)参照)と同等である。
また、第3側方支持部材32の第3ケーブル掛止部32Ca,32Cbにおいては、開口部の開口幅が他端から一端に向かう方向に沿って小さくなって行く構造を持ち、第3ケーブル掛止部32Ca,32Cbの内側空間に第3フロートスイッチ31のケーブル30が掛止される。
以上のように、この実施の形態2では、同じ水平方向に延びる側方摺動部材16,26,36の他端(または他端近傍)のそれぞれの位置に配置されるケーブル固定部材14C,24C,34Cでケーブル10,20,30が固定され、側方支持部材12C,22C,32Cの一端近傍のそれぞれの位置に配置されるケーブル掛止部12Ca,12Cb、22Ca,22Cbおよび32Ca,32Cbでケーブル10,20,30が掛止される構造であるため、側方支持部材12C,22C,32Cの延びる方向とは逆の方向の側にケーブル10,20,30の余長部分が集められる形となる。しかも、ケーブル10,20,30の余長部分が集められる場所は、各フロートスイッチ11,21,31の傾動空間からそれぞれ一定距離(少なくとも側方支持部材12,22,32の一端から側方摺動部材16,26,36の他端までの長さ分)だけ離れて位置するため、フロートスイッチ11,21,31にケーブル10,20,30の余長部分が絡み付く可能性は殆ど無く、ケーブル余長部分の絡み付きによる液位の誤検知が無くなり、確実な水中ポンプの自動運転制御が行うことができる。
さらに、以上のような構造を持つフロートスイッチ支持部材102の水中ポンプ本体への固定は、固定部材5により行われる。この実施の形態2では、固定部材5を、相対的に低い弾性を持つバンド部材として、該バンド部材と縦方支持部材1Cとの3方の接触面を複数個のねじ6aで固定して、固定部材5と縦方支持部材1Cとを一体化した構造としている。また、実施の形態1と同様に(図2の矢印参照)、一体化した固定部材5を水中ポンプ本体の側周面上で回転移動させることにより、縦方支持部材1Cを水中ポンプ本体の側周面の任意の位置に固定することが可能となる。
このように、この実施の形態2では、一体化した固定部材5を水中ポンプ本体の側周面上で回転移動させることができるため、水中ポンプ本体とフロートスイッチ11,21,31との(上方から見た)相対的位置関係を任意に設定することができ、様々な状況に対してより柔軟に対処可能なフロートスイッチ支持部材102および水中ポンプ装置を実現することができる。
また、この実施の形態2では、従来のフロートスイッチの設置高さの違いによる垂直方向面上でのフロートスイッチの傾動中心のずれに、水平方向面上でのフロートスイッチの傾動中心のずれが加わって、各フロートスイッチの傾動空間が立体的にずれることとなり、側方から見たときの複数のフロートスイッチ間の距離が短い場合でも、互いに他方のフロートスイッチを傾動させる障害物となる(液位の誤検知の原因となる)可能性が低くなる。換言すれば、従来では液位の誤検知の原因となるために設定できなかった液位設定も可能となるため、様々な状況に対してより柔軟に対処可能なフロートスイッチ支持部材102および水中ポンプ装置を実現することができる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記実施の形態1および実施の形態2では、縦方第1摺動部材2の縦方支持部材1への固定、縦方第1摺動部材2Cの縦方支持部材1Cへの固定、並びに、縦方第2摺動部材8の縦方第1摺動部材2Cへの固定を、ねじによる一方の面からの締め付けにより行ったが、ボルトおよびナットを用いた双方の面からの締め付けによって行うようにしても良い。これにより、固定強度をより高めることができる。
また、ケーブル10,20および30の余長部分を束線バンドで束ねて、該束線バンドを紐状部材で例えば水中ポンプの取手部53などに係止するようにしても良い。