JP2017150294A - キー認証システム - Google Patents

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Abstract

【課題】利便性の低下を防ぐことを可能にしたキー認証システムを提供すること。【解決手段】車両2と携帯機3との双方向通信の過程で、車両2から携帯機3のローリングコード値を要求する無線信号(第1の無線信号に相当)が送信されると、その第1の無線信号による要求を受けて、携帯機3から携帯機3のローリングコード値を含む無線信号(第2の無線信号に相当)が送信される。そして、この第2の無線信号が車両2で受信されることに伴い、車両2は、車両2のローリングコード値を第2の無線信号に含まれる携帯機3のローリングコード値に同期させることができる。【選択図】図2

Description

本発明は、機器と携帯機との間で無線通信によるキー認証を行いつつ、ローリングコード値の同期を図るキー認証システムに関する。
いわゆるスマートキーシステム(登録商標)の適用された車両は、ユーザが所持する携帯機との間で双方向通信によるキー認証を行い、キー認証が成立したことを条件に、ドアのアンロックを行う。また、携帯機のアンロックスイッチがオン操作された場合、携帯機のローリングコード値が更新され、そのローリングコード値を含む無線信号が携帯機から送信される。この場合、車両は、携帯機を送信側とする単方向通信によるキー認証を行い、キー認証が成立したことを条件に、ドアのアンロックを行うとともに、車両のローリングコード値を携帯機のローリングコード値に同期させる。尚、携帯機のスイッチがオン操作された場合に、ローリングコード値を更新する技術については、例えば、特許文献1に記載されている。
特開2011−59931号公報(段落[0038])
長期間に亘り単方向通信が成立していないことを前提に、幾度となく携帯機のスイッチがオン操作されると、オン操作の度に携帯機のローリングコード値が更新され、車両と携帯機のローリングコード値の差分値が予め定められた閾値を超えることになる。この場合、スイッチに対する特定の操作をすることを条件にキー認証を行うこととすれば、ユーザに煩わしさを感じさせてしまう。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、その目的は、利便性の低下を防ぐことを可能にしたキー認証システムを提供することにある。
上記課題を解決するキー認証システムは、機器と携帯機との間で無線通信によるキー認証を行いつつ、ローリングコード値の同期を図るキー認証システムにおいて、前記機器は、前記携帯機のローリングコード値を要求する第1の無線信号を送信する機器制御手段を備え、前記携帯機は、前記第1の無線信号による要求を受けて、当該携帯機のローリングコード値を含む第2の無線信号を送信するキー制御手段を備えることをその要旨としている。
この構成によれば、双方向通信の過程で、機器から携帯機のローリングコード値を要求する第1の無線信号が送信されると、その第1の無線信号による要求を受けて、携帯機から携帯機のローリングコード値を含む第2の無線信号が送信される。そして、この第2の無線信号が機器で受信されることに伴い、機器は、機器のローリングコード値を第2の無線信号に含まれる携帯機のローリングコード値に同期させることができる。これにより、機器と携帯機のローリングコード値の差分値が原因で特定の操作をさせるといったユーザに煩わしさを感じさせる場面を減らすことが可能である。したがって、利便性の低下を防止できる。
上記キー認証システムについて、前記携帯機は、前記機器の動作を指示するスイッチを備え、前記キー制御手段は、前記スイッチがオン操作された場合に、自携帯機のローリングコード値を更新するとともに、更新後のローリングコード値をメモリに記憶し、前記キー制御手段は、前記第1の無線信号を受信した場合には、前記メモリから前記ローリングコード値を読み出して当該ローリングコード値を含む前記第2の無線信号を送信することとしてもよい。
この構成によれば、機器のローリングコード値を携帯機の最新のローリングコード値に同期させることができる。これにより、過去のローリングコード値との差別化を図ることができる。
上記キー認証システムについて、前記機器制御手段は、前記携帯機のキーIDを要求するリクエスト信号を送信したことに伴い、キー認証が成立するキーIDを取得したとき、前記第1の無線信号を送信することとしてもよい。
この構成によれば、双方向通信によるキー認証の成立状態でローリングコード値を同期させることができる。これにより、同期できる機会を逃さない確実な同期が可能になる。
上記キー認証システムについて、前記機器は、ドアロックを指示する車外スイッチが搭載された車両であり、前記機器制御手段は、前記車外スイッチがオン操作されたことを契機に、車外に前記リクエスト信号を送信し、前記キー制御手段は、前記リクエスト信号による要求を受けて、自携帯機のキーIDを含む応答信号を送信することとしてもよい。
この構成によれば、双方向通信によるドアロック時にローリングコード値を同期させることができる。これにより、車両の近くにユーザがいる状況での同期が可能になる。
上記キー認証システムについて、前記機器は、運転中であるか否かを検出するセンサが搭載された車両であり、前記機器制御手段は、前記センサが車両の運転中を検出しているとき、定期的に車内に前記リクエスト信号を送信し、前記キー制御手段は、前記リクエスト信号による要求を受けて、自携帯機のキーIDを含む応答信号を送信することとしてもよい。
この構成によれば、確実に車内に携帯機がある状況でローリングコード値を同期させることができる。また、携帯機のローリングコード値が盗聴され難い環境下での同期が可能になる。
上記キー認証システムについて、前記機器制御手段は、前記携帯機のキーIDを要求するリクエスト信号を送信したことに伴い、キー認証のうち第1のキー認証が成立するキーIDを取得して当該第1のキー認証が成立し、且つ、前記第1のキー認証とは別の第2のキー認証が成立しない場合の当該第2のキー認証の代替認証に、前記第2の無線信号に含まれる携帯機のローリングコード値に同期させた機器のローリングコード値を用いることとしてもよい。
この構成によれば、第2のキー認証が成立しない場合の代替認証に、携帯機のローリングコード値に同期させた機器のローリングコード値を用いることで、セキュリティ性を向上できる。
本発明によれば、利便性の低下を防止できる。
キー認証システムの構成を示すブロック図。 双方向通信のうちローリングコード値の同期に関する処理を示す図。
(第1の実施の形態)
以下、キー認証システムの第1の実施の形態について説明する。
図1に示すように、キー認証システム1は、いわゆるスマートキーシステム(登録商標)であって、車両2と携帯機3との間で双方向通信によるキー認証を行うとともに、携帯機3を送信側とする単方向通信によるキー認証を行い、いずれかのキー認証が成立したことを条件に、車両2のドアのロック或いはアンロックを行う。車両2は機器に相当する。
車両キーとして所持される携帯機3は、自キーの統括的な制御を司るマイコン31の他、LF帯の電波を受信可能なLF受信回路32と、UHF帯の電波を送信可能なUHF送信回路33とを備えている。
マイコン31は、車両2から送信されるLF帯の電波のうち、双方向通信の契機となるWAKE信号がLF受信回路32で受信されると、ACK信号をUHF帯の電波としてUHF送信回路33から送信する。そして、ACK信号が車両2で受信されたことに伴い、次のフェーズのLF帯の電波がLF受信回路32で受信されると、マイコン31は、次のフェーズのUHF帯の電波をUHF送信回路33から送信する。双方向通信では、LF帯の電波とUHF帯の電波の送受信が所定の回数行われる。
双方向通信に際し、携帯機3のキーIDを要求するリクエスト信号がLF受信回路32で受信されると、マイコン31は、当該リクエスト信号による要求を受けて、携帯機3のキーIDを含む応答信号をUHF送信回路33から送信する。尚、携帯機3のキーIDは、マイコン31内のメモリ34に記憶されている。
そして、その応答信号が車両2で解析され、キーIDが照合一致した場合には、双方向通信によるキー認証の成立状態となり、この状態において、ドアのアンロックが許可される。これにより、携帯機3を所持したユーザが、車両2からのLF帯の電波による双方向通信エリアに進入すると、双方向通信によりドアが自動でアンロック許可されることになる。そして、このアンロック許可状態で、ドアハンドルにタッチ操作すると、実際にドアがアンロックされる。
また、携帯機3は、車両2の動作のうち、ドアのアンロックを指示するアンロックスイッチ35と、ドアのロックを指示するロックスイッチ36とを備えている。アンロックスイッチ35とロックスイッチ36は共に、車両2の動作を指示するスイッチの一例である。マイコン31は、アンロックスイッチ35或いはロックスイッチ36のオン操作を監視しつつ、アンロックスイッチ35がオン操作された場合には、ドアのアンロックを指示する操作コードと上記キーIDと携帯機3のローリングコード値とを含むワイヤレス信号をUHF送信回路33から送信する。一方、マイコン31は、ロックスイッチ36がオン操作された場合には、ドアのロックを指示する操作コードと上記キーIDと携帯機3のローリングコード値とを含むワイヤレス信号をUHF送信回路33から送信する。尚、マイコン31は、アンロックスイッチ35或いはロックスイッチ36がオン操作される度に、携帯機3のローリングコード値を更新(一例としてインクリメント)するとともに、更新後のローリングコード値を上記メモリ34に記憶する。
そして、それぞれのワイヤレス信号が車両2で解析され、キーIDが照合一致した場合には、単方向通信によるキー認証の成立状態となり、この状態において、ドアのアンロック或いはロックが行われるとともに、車両2のローリングコード値が携帯機3のローリングコード値に同期される。これにより、車両2にワイヤレス信号が届くエリア(単方向通信エリア)内で、ユーザが携帯機3のアンロックスイッチ35或いはロックスイッチ36をオン操作すると、単方向通信によりドアがアンロック或いはロックされることになる。
車両2は、自車のセキュリティ制御等を司る照合ECU21の他、LF帯の電波を送信可能なLF発信機22と、UHF帯の電波を受信可能なUHF受信機23と、ドアハンドルへのタッチ操作を検出するタッチセンサ24とを備えている。
照合ECU21は、ドアがロックされているとき、車両2への携帯機3の接近を監視するために、LF発信機22からWAKE信号を発信してドアの周辺に双方向通信エリアを形成する。そして、照合ECU21は、ACK信号がUHF受信機23で受信されると、次のフェーズのLF帯の電波をLF発信機22から送信し、その電波を受けて携帯機3から送信されるUHF帯の電波をUHF受信機23で受信する、といったように双方向通信を遷移させる。
照合ECU21は、双方向通信の過程で、携帯機3のキーIDを要求するリクエスト信号をLF発信機22から送信したことに伴い、携帯機3のキーIDを含む応答信号がUHF受信機23で受信されると、応答信号を解析する。尚、照合ECU21内のメモリ25には、携帯機3のキーIDが登録されている。そして、照合ECU21は、応答信号の解析に際し、メモリ25に登録済のキーIDとの照合を行い、キーIDが照合一致することでキー認証が成立すると、ドアのアンロックを許可する。照合ECU21は、このアンロック許可状態でタッチセンサ24を通じてドアハンドルへのタッチ操作を検出すると、実際にドアをアンロックする。
また、照合ECU21は、ワイヤレス信号がUHF受信機23で受信されると、ワイヤレス信号を解析する。そして、照合ECU21は、ワイヤレス信号の解析に際し、まず車両2と携帯機3のローリングコード値を比較し、携帯機3のローリングコード値の方が大きく、且つ、双方のローリングコード値の差分値が閾値以下であることを条件に、車両2のローリングコード値を携帯機3のローリングコード値に同期させた上で上記メモリ25に記憶する。尚、車両2のローリングコード値は、初期設定値が上記メモリ25に記憶されて以後、携帯機3のローリングコード値に同期される度に更新される。
次いで、照合ECU21は、ワイヤレス信号の解析に際し、メモリ25に登録済のキーIDとの照合を行い、キーIDが照合一致することでキー認証が成立すると、操作コードによる指示を受けて、ドアをアンロック或いはロックする。
尚、照合ECU21は、ワイヤレス信号の解析により、携帯機3のローリングコード値が車両2のローリングコード値と同じ或いは携帯機3のローリングコード値の方が小さい場合には、過去のワイヤレス信号が盗聴された可能性があるため、ドアのアンロックやロックを行わない他、同期の処理も行わない。
また、携帯機3のローリングコード値の方が大きい場合でも、双方のローリングコード値の差分値が閾値を超えるとき、短期間のうちに或いは長期間に亘り、車両2の遠くで幾度となく携帯機3のアンロックスイッチ35或いはロックスイッチ36がオン操作されたことが示唆される。よって、この場合、照合ECU21は、この時点でドアのアンロックやロックを行わない他、同期の処理も行わず、後にアンロックスイッチ35等に対する特定の操作がなされたことを示すワイヤレス信号がUHF受信機23で受信されたことを条件に、キー認証を経てドアのアンロックやロックを行うとともに、同期の処理を行う。
ところで、車両2のドアハンドルには、ドアロックを指示するロックボタン26が設けられている。ロックボタン26は車外スイッチの一例である。照合ECU21は、ロックボタン26がオン操作されたことを契機に、LF発信機22からWAKE信号を発信して車外のうちドアの周辺に双方向通信エリアを形成する。そして、照合ECU21は、ドアがロックされているときと同様の双方向通信を行い、その過程で、応答信号の解析によりキー認証が成立するキーIDを取得したとき、ドアをロックするとともに、携帯機3のローリングコード値を要求する無線信号(第1の無線信号に相当)をLF発信機22から送信する。このとき、携帯機3のマイコン31は、第1の無線信号による要求を受けて、メモリ34から携帯機3のローリングコード値を読み出し、そのローリングコード値を含む無線信号(第2の無線信号に相当)をUHF送信回路33から送信する。照合ECU21は機器制御手段に相当し、マイコン31はキー制御手段に相当する。
照合ECU21は、第2の無線信号がUHF受信機23で受信されると、車両2のローリングコード値を第2の無線信号に含まれる携帯機3のローリングコード値に同期させた上で上記メモリ25に記憶する。つまり、照合ECU21は、ワイヤレス信号がUHF受信機23で受信された場合の他、第2の無線信号がUHF受信機23で受信された場合にも、車両2のローリングコード値を携帯機3のローリングコード値に同期させることになる。
次に、キー認証システム1の作用について説明する。
図2に示すように、車両2と携帯機3との双方向通信の過程で、車両2から携帯機3のローリングコード値を要求する無線信号(第1の無線信号に相当)が送信されると、その第1の無線信号による要求を受けて、携帯機3から携帯機3のローリングコード値を含む無線信号(第2の無線信号に相当)が送信される。そして、この第2の無線信号が車両2で受信されることに伴い、車両2は、車両2のローリングコード値を第2の無線信号に含まれる携帯機3のローリングコード値に同期させることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)単方向通信の場合にローリングコード値の同期が図られることに加え、双方向通信の場合にもローリングコード値の同期が図られる。これにより、車両2と携帯機3のローリングコード値の差分値が原因で特定の操作をさせるといったユーザに煩わしさを感じさせる場面を減らすことが可能である。したがって、利便性の低下を防止できる。
(2)携帯機3のメモリ34には、携帯機3の最新のローリングコード値が記憶され、マイコン31は、第1の無線信号を受信した場合には、メモリ34から最新のローリングコード値を読み出して当該ローリングコード値を含む第2の無線信号を送信する。この構成によれば、車両2のローリングコード値を携帯機3の最新のローリングコード値に同期させることができる。これにより、過去のローリングコード値との差別化を図ることができる。よって、盗聴したワイヤレス信号を不正利用する盗難手口を防止できる。
(3)車両2の照合ECU21は、携帯機3のキーIDを要求するリクエスト信号を送信したことに伴い、キー認証が成立するキーIDを取得したとき、携帯機3のローリングコード値を要求する第1の無線信号を送信する。この構成によれば、双方向通信によるキー認証の成立状態でローリングコード値を同期させることができる。これにより、同期できる機会を逃さない確実な同期が可能になる。
(4)上記(3)について、車両2に搭載されたロックボタン26のオン操作を契機とする双方向通信によるドアロック時にローリングコード値を同期させることができる。これにより、車両2の近くにユーザがいる状況での同期が可能になる。
(5)ユーザ操作を必要とすることなく双方向通信によりローリングコード値の同期を行える。
尚、上記第1の実施の形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ローリングコード値の同期を図るタイミングは、双方向通信によるドアロック時に限らない。双方向通信によるキー認証の成立状態であればよい。一例として、車両2には、運転中であるか否かを検出するセンサ27(図1の破線を参照)が搭載され、照合ECU21は、そのセンサ27が車両2の運転中を検出しているとき、定期的に車内にリクエスト信号を送信し、携帯機3のマイコン31は、リクエスト信号による要求を受けて、携帯機3のキーIDを含む応答信号を送信する構成を採用してもよい。この構成によれば、確実に車内に携帯機3がある状況でローリングコード値を同期させることができる。また、携帯機3のローリングコード値が盗聴され難い環境下での同期が可能になる。
また、ローリングコード値の同期を図るタイミングは、ドアロックを指示する車外スイッチ(ロックボタン26)の押下時に限らず、エンジン始動を指示する車内スイッチの押下時でもよい。
(第2の実施の形態)
次に、キー認証システムの第2の実施の形態について説明する。
この第2の実施の形態のキー認証システム1では、上記第1の実施の形態に倣う車両2と携帯機3との間での双方向通信によるキー認証が第1のキー認証と規定され、その第1のキー認証及びそれとは別の第2のキー認証が共に成立した場合に、ドアのアンロック等が許可される。本例では、第2のキー認証として、車両2と携帯機3との間で往復する特定の電波の遅延時間を測定し、その遅延時間に公知の光速を乗じることで伝搬距離を算出しつつ、車両2から携帯機3までの距離を推定する携帯機位置エリア認証による距離認証が採用される。
したがって、双方向通信によるキー認証(第1のキー認証)でキーIDが照合一致し、且つ、距離認証(第2のキー認証)で車両2から携帯機3までの距離推定値が閾値以下の場合に、ドアのアンロック等が許可されることになる。一方、距離推定値が閾値を超えた場合には、中継器を使用した不正行為の可能性があるため、たとえキーIDが照合一致しようとも、ドアのアンロック等が許可されない。
ところで、第2のキー認証として上記距離認証を採用する場合、電波伝搬環境の影響を受けて、距離推定精度が劣化する可能性があり、実際には携帯機3が車両2の近く(LF帯の電波による双方向通信エリア内)にあるにもかかわらず、距離推定値が閾値を超えてアンロック不許可となる懸念がある。これに対処するべく、距離認証(第2のキー認証)が成立しない場合でも、第2のキー認証の代替認証が成立した場合には、ドアのアンロック等を許可するバックアップ手段を備え、この第2の実施の形態では、そのバックアップ手段でドアをアンロックする場合のセキュリティ性を向上するための工夫を凝らした。
本例では、バックアップ手段として、ユーザが携帯機3のアンロックスイッチ35をオン操作するワイヤレスアンロックが採用される。したがって、上記第1の実施の形態に倣う単方向通信によるキー認証が第2のキー認証の代替認証であり、この第2の実施の形態では、その単方向通信によるキー認証に更なるセキュリティ性が得られるようにした。
すなわち、車両2の照合ECU21は、図2の処理にしたがい携帯機3のローリングコード値に同期させた車両2のローリングコード値を用いて、単方向通信によるキー認証を行う。尚、双方向通信によるキー認証(第1のキー認証)でキーIDが照合一致し、且つ、距離認証(第2のキー認証)が成立しない場合に限らず、単方向通信エリア内でユーザがアンロックスイッチ35をオン操作した場合の全ての機会を対象に、最後に同期させた車両2のローリングコード値を用いて、単方向通信によるキー認証を行ってもよい。
次に、キー認証システム1の作用について説明する。
図2を援用して、携帯機3を所持したユーザが車両2からのLF帯の電波による双方向通信エリア内に進入すると、車両2と携帯機3との間で双方向通信が確立され、キーIDが照合一致することで第1のキー認証が成立する。そして、双方向通信の過程で、車両2からの要求を受けて、携帯機3から携帯機3のローリングコード値を含む無線信号が送信されると、車両2のローリングコード値が携帯機3のローリングコード値に同期される。
その後、本例では、距離認証による第2のキー認証が行われるが、ここでは、第2のキー認証が成立しなかった場合を想定する。この場合、ユーザはドアハンドルに触れても開錠(アンロック)できないため、携帯機3のアンロックスイッチ35をオン操作するワイヤレスアンロック(バックアップ手段)での開錠を試みることになる。このとき、携帯機3のマイコン31は、アンロックスイッチ35のオン操作に伴い、携帯機3のローリングコード値を更新(一例はインクリメント)した上で、その更新後のローリングコード値を含むワイヤレス信号をUHF送信回路33から送信する。直前の双方向通信の過程で携帯機3が車両2に送信した携帯機3のローリングコード値から更新された携帯機3のローリングコード値を含むワイヤレス信号が送信されることになる。
車両2の照合ECU21は、ワイヤレス信号がUHF受信機23で受信されると、ワイヤレス信号を解析する。このとき、照合ECU21は、まずワイヤレス信号に含まれる携帯機3のローリングコード値と、直前の双方向通信の過程で携帯機3のローリングコード値に同期させた車両2のローリングコード値とを比較する。そして、照合ECU21は、携帯機3のローリングコード値の方が大きく、且つ、双方のローリングコード値の差分値が閾値以下であることを条件に、車両2のローリングコード値を携帯機3のローリングコード値に同期させた上でメモリ25に記憶する。
次いで、照合ECU21は、ワイヤレス信号に含まれるキーIDと、メモリ25に登録済のキーIDとの照合を行い、キーIDが照合一致することで第2のキー認証の代替認証が成立すると、ワイヤレス信号に含まれる操作コードによる指示を受けて、ドアをアンロックする。
尚、照合ECU21は、ワイヤレス信号の解析により、携帯機3のローリングコード値が車両2のローリングコード値と同じ或いは携帯機3のローリングコード値の方が小さい場合には、過去のワイヤレス信号が盗聴された可能性があるため、ドアのアンロックを行わない他、同期の処理も行わない。
また、携帯機3のローリングコード値の方が大きい場合でも、双方のローリングコード値の差分値が閾値を超えるとき、短期間のうちに或いは長期間に亘り、車両2の遠くで幾度となく携帯機3のアンロックスイッチ35或いはロックスイッチ36がオン操作されたことが示唆される。よって、この場合、照合ECU21は、この時点でドアのアンロックを行わない他、同期の処理も行わず、後にアンロックスイッチ35等に対する特定の操作がなされたことを示すワイヤレス信号がUHF受信機23で受信されたことを条件に、所要のキー認証を経てドアのアンロックを行うとともに、同期の処理を行う。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(6)距離認証による第2のキー認証が成立しない場合の代替認証に、携帯機3のローリングコード値に同期させた車両2のローリングコード値を用いることで、セキュリティ性を向上できる。
(7)ユーザにとって合理的な方法で、距離認証不成立時のバックアップ手段を確保できる他、そのセキュリティ性を向上できる。
(8)直前の双方向通信の過程で同期されたローリングコード値を用いてバックアップ手段の正当性を判断するため、最後に同期された時期よりも過去のローリングコード値との差別化を図ることができる。よって、過去に盗聴したワイヤレス信号を不正利用する盗難手口を防止できる。言い換えれば、ワイヤレスアンロックの脆弱性を解消できることになる。
尚、上記第2の実施の形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・第1のキー認証と組み合わされる第2のキー認証は距離認証に限定されない。例えば生体認証を第2のキー認証として採用し、第1のキー認証と組み合わせてもよい。
・開錠に限らず、エンジン始動の際でも、ワイヤレス機能にエンジンスタート機能を持たせることで対応可能である。この場合、携帯機3にエンジンスタートスイッチが設けられる。そして、第1のキー認証が成立し、且つ、第2のキー認証が成立しない場合には、エンジン始動を指示する車内スイッチを押下してもエンジンが始動されないため、ユーザは携帯機3のエンジンスタートスイッチをオン操作するワイヤレスエンジンスタート(バックアップ手段)でのエンジン始動を試みることになる。以下、開錠の際と同様の作用を経て、上記第2の実施の形態による(6)〜(8)と同様の効果を奏する。
・第2のキー認証の代替認証は、ローリングコード値のような車両2と携帯機3との間で同期可能な共通のカウンタを用いた認証であればどのような方式でもよい。
尚、上記各実施の形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・携帯機3のローリングコード値を更新するにあたり、ローリングコード値をインクリメントすることに代えて、年月日及び時刻をもとにローリングコード値を作成してもよい。
・アンロックスイッチ35或いはロックスイッチ36がオン操作される度に、携帯機3のローリングコード値をデクリメントする構成を採用してもよい。この場合、携帯機3のローリングコード値が車両2のローリングコード値と同じ或いは携帯機3のローリングコード値の方が大きい場合には、過去のワイヤレス信号が盗聴された可能性があるため、ドアのアンロックやロックを行わない他、同期の処理も行わないことになる。
・機器は車両2に限定されない。無線通信によるキー認証が成立したことを条件に、建物のドア或いは電化製品等を動作させるキー認証システムに本発明を適用してもよい。
1…キー認証システム、2…車両(機器)、3…携帯機、21…照合ECU(機器制御手段)、22…LF発信機、23…UHF受信機、24…タッチセンサ、25…メモリ、26…ロックボタン(車外スイッチ)、27…センサ、31…マイコン(キー制御手段)、32…LF受信回路、33…UHF送信回路、34…メモリ、35…アンロックスイッチ(スイッチ)、36…ロックスイッチ(スイッチ)。

Claims (6)

  1. 機器と携帯機との間で無線通信によるキー認証を行いつつ、ローリングコード値の同期を図るキー認証システムにおいて、
    前記機器は、前記携帯機のローリングコード値を要求する第1の無線信号を送信する機器制御手段を備え、
    前記携帯機は、前記第1の無線信号による要求を受けて、当該携帯機のローリングコード値を含む第2の無線信号を送信するキー制御手段を備える
    ことを特徴とするキー認証システム。
  2. 前記携帯機は、前記機器の動作を指示するスイッチを備え、
    前記キー制御手段は、前記スイッチがオン操作された場合に、自携帯機のローリングコード値を更新するとともに、更新後のローリングコード値をメモリに記憶し、
    前記キー制御手段は、前記第1の無線信号を受信した場合には、前記メモリから前記ローリングコード値を読み出して当該ローリングコード値を含む前記第2の無線信号を送信する
    請求項1に記載のキー認証システム。
  3. 前記機器制御手段は、前記携帯機のキーIDを要求するリクエスト信号を送信したことに伴い、キー認証が成立するキーIDを取得したとき、前記第1の無線信号を送信する
    請求項1又は2に記載のキー認証システム。
  4. 前記機器は、ドアロックを指示する車外スイッチが搭載された車両であり、
    前記機器制御手段は、前記車外スイッチがオン操作されたことを契機に、車外に前記リクエスト信号を送信し、
    前記キー制御手段は、前記リクエスト信号による要求を受けて、自携帯機のキーIDを含む応答信号を送信する
    請求項3に記載のキー認証システム。
  5. 前記機器は、運転中であるか否かを検出するセンサが搭載された車両であり、
    前記機器制御手段は、前記センサが車両の運転中を検出しているとき、定期的に車内に前記リクエスト信号を送信し、
    前記キー制御手段は、前記リクエスト信号による要求を受けて、自携帯機のキーIDを含む応答信号を送信する
    請求項3又は4に記載のキー認証システム。
  6. 前記機器制御手段は、前記携帯機のキーIDを要求するリクエスト信号を送信したことに伴い、キー認証のうち第1のキー認証が成立するキーIDを取得して当該第1のキー認証が成立し、且つ、前記第1のキー認証とは別の第2のキー認証が成立しない場合の当該第2のキー認証の代替認証に、前記第2の無線信号に含まれる携帯機のローリングコード値に同期させた機器のローリングコード値を用いる
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のキー認証システム。
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