JP2017148840A - 中子の組み付け方法 - Google Patents
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Abstract
Description
先ず、図1乃至図4を参照して、本実施の形態に係る組み付け方法を利用した鋳造により得られるシリンダヘッド1の基本構成について説明する。この説明は、シリンダヘッド1の平面図と断面図とを用いて行う。なお、本明細書においては、これ以降、特に断りのない限り、シリンダヘッド1をシリンダブロックに対して鉛直方向上側に位置させたものと仮定して、各要素間の位置関係について説明する。また、シリンダヘッド1の構成のうち、冷却水流路の構成についてはその説明を詳細に後述する。
先ず、シリンダヘッド1の基本構成について平面図を参照して説明する。図1は、シリンダヘッド1をヘッドカバーが取り付けられるヘッドカバー取り付け面1bの側から見た平面図である。なお、本明細書では、クランクシャフトの軸方向をシリンダヘッド1の長手方向と定義し、長手方向に直交し、且つ、シリンダヘッド1のシリンダブロック合わせ面に平行な方向をシリンダヘッド1の幅方向と定義する。また、長手方向の端面1c,1dのうちクランク軸の出力端の側の端面1dを後端面と称し、その反対側の端面1cを前端面と称する。
図2は、図1のシリンダヘッド1の吸気バルブ挿入孔7の中心軸を含み長手方向に垂直な断面(図1のA−A断面)を示す断面図である。図2に示すように、シリンダヘッド1の下面にあたるシリンダブロック合わせ面1aには、ペントルーフ形状を有する燃焼室4が形成されている。燃焼室4は、シリンダヘッド1がシリンダブロックに組み付けられたときに、シリンダを上方から閉塞して閉空間を構成する。なお、シリンダヘッド1とピストンとで挟まれた閉空間を燃焼室と定義する場合には、この燃焼室4は燃焼室天井面と呼ぶことができる。
図3は、シリンダヘッド1の燃焼室4の中心軸L1を含み長手方向に垂直な断面(図1のB−B断面)を示す断面図である。シリンダヘッド1には、点火プラグを取り付けるための点火プラグ挿入孔12が形成されている。点火プラグ挿入孔12は、ペントルーフ形状を有する燃焼室4の頂部に開口している。燃焼室4の中心軸L1は、シリンダヘッド1をシリンダブロックに組み付けた場合にシリンダの中心軸と一致する。
図4は、シリンダヘッド1の隣接する2つの燃焼室間を通る長手方向に垂直な断面(図1のC−C断面)を示す断面図である。シリンダヘッド1には、吸気側動弁機構室5から鉛直下方に向けて吸気側のヘッドボルト挿入孔13が形成されている。また、排気側動弁機構室6から鉛直下方に向けて排気側のヘッドボルト挿入孔14が形成されている。ヘッドボルト挿入孔13,14はシリンダブロック合わせ面1aに対して垂直で、シリンダブロック合わせ面1aに開口している。図4に示す断面は、ヘッドボルト挿入孔13,14の中心軸を含み長手方向に垂直な断面である。
次に、図2乃至図4を再び参照して、本実施の形態に係る組み付け方法により得られるシリンダヘッド1の冷却水流路の構成について説明する。
図2に示す断面において、吸気ポート2の入口近傍の領域には、吸気ポート2の上面2aおよび下面2bに沿ってウォータージャケット22が配置されている。また、吸気側動弁機構室5に隣接しシリンダヘッド側面側近傍となる領域には、冷却水流路20の主流路21が配置されている。また、支流路23は、主流路21から吸気側動弁機構室5に沿ってウォータージャケット22へとつながるように配置されている。さらに、補助流路24は、支流路23よりも流路断面が小さい流路として構成され、ウォータージャケット22の鉛直方向頂部から主流路21へとつながるように配置されている。
図3に示す断面において、吸気ポート2の入口近傍には、ウォータージャケット22が配置されている。ウォータージャケット22は、中心軌道面S1の下側に向かって、筒内インジェクタ挿入孔18に対して所定の肉厚を残した位置まで拡がっている。また、吸気側動弁機構室5に隣接しシリンダヘッド側面側近傍となる領域には、冷却水流路20の主流路21が配置されている。
図4に示す断面において、シリンダヘッド合わせ面1aに面し、吸気側のヘッドボルト挿入孔13よりもシリンダヘッド1の中央に近い領域には、ウォータージャケットとシリンダブロックの冷却水流路とを接続する冷却水流路の連結流路25の一部が位置している。また、吸気側動弁機構室5に隣接しシリンダヘッド側面側近傍となる領域には、冷却水流路20の主流路21が配置されている。
次に、図5乃至図12を参照して、本実施の形態に係る中子の組み付け方法とその効果について説明する。図5乃至図7には、図1乃至図4で説明したシリンダヘッド1の鋳造プロセスのステップ(ステップS1〜S6)が描かれており、このうちのステップS2〜S5が本実施の形態に係る中子の組み付け方法に相当する。なお、図5乃至図7の説明に際しては、本実施の形態に係る方法の組み付け対象となる3種類の中子を抽出して拡大した図8を適宜参照して、これらの中子の構成についても説明する。また、本明細書においては、これ以降、特に断りのない限り、金型の下型30が水平面に設置されているものとして各要素間の位置関係について説明する。
ところで、上記実施の形態においては、図10乃至図11で説明したように、本体部36aが図2等で説明した吸気ポート2と同一の外形を有するとした。しかし本体部36aの外形は、伸張部36e側から吸気ポート用中子36をウォータージャケット部38bに通すことができる限りにおいて、各種の変形が可能である。例えば、図10乃至図11に示した本体部36aをその長手方向に短縮してポートインジェクタ部36b近傍までとし、その短縮分を補うように巾木40を伸張して本体部36aとの接合面を延長させてもよい。このように接合面を延長した場合であっても、本体部36aの壁面とウォータージャケット部38bの内壁との距離を短くすることができる。よって、上記実施の形態と同様に、吸気ポートを流れる空気に対する冷却効果を高めることができる。
2 吸気ポート
2c ポートインジェクタ挿入部
2d 吸気バルブ挿入部
17 ポートインジェクタ挿入孔
20 冷却水流路
21 主流路
22 ウォータージャケット
30 下型
30a 位置決め部
32 燃焼室用中子
32a 屈曲溝
34 水路支持材
36 吸気ポート用中子
36a 本体部
36b ポートインジェクタ部
36c 吸気バルブ部
36d 屈曲部
36e 伸張部
38 冷却水流路用中子
38a 主流路部
38b ウォータージャケット部
40 巾木
40a 溝
40b 合わせ部
42 巾木押さえ材
42a 角錐台部
44 上型
Claims (6)
- インジェクタ挿入部を有する吸気ポートと、前記吸気ポートの壁面の上面の一部および下面の一部を覆うウォータージャケットと、を備えるエンジンのシリンダヘッドを鋳造する際に使用される中子を金型へ組み付ける方法であって、
前記中子は、前記吸気ポートを形成するためのポート本体部および前記ポート本体部の壁面に上に凸に設けられて前記インジェクタ挿入部を形成するためのインジェクタ部を備える吸気ポート用中子と、前記壁面に対応した内壁を備えるウォータージャケット用中子と、前記吸気ポート用中子を前記金型に組み付けるための巾木であって、前記ポート本体部の長手方向の一端と結合可能に構成され、前記ポート本体部よりも幅広である巾木と、を備え、
前記ポート本体部が前記巾木と結合する前記ポート本体部の巾木結合端から前記ポート本体部を前記ウォータージャケット用中子に挿入して、前記ポート本体部のうちの前記インジェクタ部よりも前記巾木結合端に近い部分を少なくとも前記内壁の内側に通した後に、前記巾木と前記巾木結合端を結合することを特徴とする中子の組み付け方法。 - 前記シリンダヘッドは、前記吸気ポートと連通する燃焼室を更に備え、
前記中子は、前記ポート本体部の前記巾木結合端とは反対側の一端と結合可能に構成されると共に、前記金型に組み付け可能に構成された燃焼室用中子を更に備え、
前記ポート本体部を前記ウォータージャケット用中子に挿入する前に、前記燃焼室用中子を前記金型に組み付け、尚且つ、前記ポート本体部の前記巾木結合端とは反対側の一端を、前記金型に組み付けた前記燃焼室用中子と結合することを特徴とする請求項1に記載の中子の組み付け方法。 - 前記吸気ポート用中子は、前記ポート本体部の前記巾木結合端とは反対側の一端に屈曲部を更に備え、
前記燃焼室用中子は、前記屈曲部に対応した形状を有する屈曲溝を更に備え、
前記屈曲溝に前記屈曲部を嵌め合わせることで、前記吸気ポート用中子を前記燃焼室用中子と結合することを特徴とする請求項2に記載の中子の組み付け方法。 - 前記吸気ポート用中子は、前記巾木結合端に伸張部を更に備え、
前記巾木は、前記伸張部に対応した形状を有する受容溝を更に備え、
前記受容溝に前記伸張部を嵌め合わせることで、前記吸気ポート用中子を前記巾木と結合することを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の中子の組み付け方法。 - 前記巾木は、前記金型を構成する下型の位置決め部と組み合わせ可能な合わせ部を更に備え、
前記受容溝と前記伸張部との嵌め合わせの際に、前記巾木を前記下型の表面に沿って移動して前記位置決め部と前記合わせ部を組み合わせることを特徴とする請求項4に記載の中子の組み付け方法。 - 前記金型は、前記巾木と組み合わせることで前記金型における前記巾木の位置を固定可能な巾木押さえ材を備え、
前記巾木と前記巾木結合端を結合した後に、前記巾木の上方から前記巾木押さえ材を押し付けて前記巾木と前記巾木押さえ材を組み合わせることを特徴とする請求項4または5に記載の中子の組み付け方法。
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