JP2017147261A - 変圧器 - Google Patents

Abstract

【課題】作業効率を高めること。【解決手段】実施例の変圧器の製造方法は、変圧器本体およびタップ切換え器間を組付ける工程と、変圧器本体およびタップ切換え器間の組付け後に両者を組付け状態で乾燥炉内で乾燥させる工程と、変圧器本体およびタップ切換え器の乾燥後に両者を組付け状態で収納容器内に収納する工程を備えたものである。【選択図】図６

Description

実施例は変圧器に関する。

変圧器にはタップ切換え器を備えたものがある。このタップ切換え器は変圧器本体の出力電圧を切換えるためのものであり、乾燥炉内で単体で乾燥された後に変圧器本体に組付けられる。

特開２００５−３１１０１７号公報

上記従来の変圧器の製造方法の場合にはタップ切換え器の乾燥が単体で行われていたので、作業効率が悪かった。

実施例の変圧器の製造方法は、変圧器本体およびタップ切換え器間を組付ける工程と、前記変圧器本体および前記タップ切換え器間の組付け後に両者を組付け状態で乾燥炉内で乾燥させる工程と、前記変圧器本体および前記タップ切換え器の乾燥後に両者を組付け状態で収納容器内に収納する工程を備えたものである。

実施例１を示す図（変圧器の外観を示す図） 上ブラケットを示す図 タップ切換え器の一部を示す図 タップ切換え器の全体を示す図 タップ切換え器のジョイントを示す図 変圧器の製造方法を説明するための図

図１のタンク１は下面が閉鎖された四角筒状をなすものであり、収納容器に相当する。このタンク１にはタンクカバー２が装着されている。このタンクカバー２は天板に相当するものであり、タンク１の上面を塞いでいる。このタンク１内には変圧器本体３が収納されている。この変圧器本体３は変圧器鉄心４に三相の変圧器巻線５を装着してなるものであり、三相の変圧器巻線５のそれぞれには複数のタップ線６が接続されている。この三相の変圧器巻線５の並び方向を長手方向と称し、三相の変圧器巻線５の並び方向に対して直交する方向を短手方向と称する。

タンク１内には絶縁油が充填されている。この絶縁油は変圧器本体３を冷却するためのものであり、変圧器本体３は絶縁油中に浸漬されている。このタンク１のタンクカバー２には３つのブッシング８が装着されている。これら３つのブッシング８のそれぞれの下端部はタンクカバー２を貫通してタンク１内に挿入されており、三相の変圧器巻線５のそれぞれはタンク１内でブッシング８に配線を介して接続されている。

変圧器本体３には、図１に示すように、変圧器鉄心４の上端部に位置してベース９が固定されている。このベース９には上から木組み１０が組付けられており、複数のタップ線６のそれぞれは木組み１０に支持されている。この木組み１０は複数の木材間を組合せることで構成されたものであり、上から見て長手方向に細長な四角枠状をなしている。

木組み１０には、図２に示すように、４つの長孔１１が形成されている。これら４つの長孔１１のそれぞれは短手方向へ指向するものであり、木組み１０の長手方向の一端部に配置されている。この木組み１０には、図１に示すように、上からタップ切換え器１２が組付けられている。このタップ切換え器１２は作業者がタンク１の外部から変圧器本体３の出力電圧を手動操作で切換えるためのものであり、次のように構成されている。

図３の上ブラケット１３および下ブラケット１４のそれぞれは水平な板状をなすものであり、上ブラケット１３および下ブラケット１４間には端子板１５の一端部が固定されている。この端子板１５は、図４に示すように、長手方向へ指向する細長な木材からなるものであり、上ブラケット１３および下ブラケット１４間は端子板１５を介して連結されている。

端子板１５には、図４に示すように、ガイド板１６が固定されている。このガイド板１６は端子板１５と同一の木を材料とするものであり、端子板１５に対して直交する垂直な板状をなしている。このガイド板１６にはスライド板１７が移動可能に挿入されている。このスライド板１７は端子板１５およびガイド板１６のそれぞれと同一の木を材料とするものであり、スライド板１７の一端部は上ブラケット１３および下ブラケット１４間に配置されている。

上ブラケット１３および下ブラケット１４のそれぞれには、図２に示すように、円孔１８が形成されている。この上ブラケット１３の円孔１８内には、図３に示すように、シャフト１９の上端部が挿入されており、下ブラケット１４の円孔１８内にはシャフト１９の下端部が挿入されている。このシャフト１９はピニオン２０に固定されたものである。このピニオン２０は上ブラケット１３および下ブラケット１４間に配置されたものであり、シャフト１９を中心に回転可能にされている。

スライド板１７の一端部には、図３に示すように、ラック２１が形成されている。このラック２１は、図３に示すように、ピニオン２０に噛合されたものであり、ピニオン２０が回転した場合にはスライド板１７がガイド板１６によって案内されることに応じて端子板１５に対して平行な長手方向へ移動する。

シャフト１９の上端部には、図５に示すように、上から円筒状のジョイント２２が挿入されており、ジョイント２２はボルト２３を介してシャフト１９に回転不能および上下動不能に連結されている。このジョイント２２には２つの長孔２４が形成されている。これら２つの長孔２４のそれぞれは上下方向へ指向するものであり、ジョイント２２の軸心を挟んで径方向に相互に対向している。

ジョイント２２の一方の長孔２４内には、図５に示すように、ボルト２５が挿入されており、ボルト２５はシャフト２６を径方向に貫通してジョイント２２の他方の長孔２４内に挿入されている。このシャフト２６は上からジョイント２２内に挿入された円筒状をなすものであり、ジョイント２２に回転不能および上下動可能に連結されている。このシャフト２６は軸に相当する。

上ブラケット１３および下ブラケット１４のそれぞれには、図２に示すように、４つの長孔２７が形成されている。これら計８つの長孔２７のそれぞれは長手方向へ指向するものであり、上から見て木組み１０の長孔１１に対して直交している。これら８つの長孔２７のうち上ブラケット１３の４つのそれぞれには上からネジが挿入されており、４つのネジのそれぞれは下ブラケット１４の長孔２７および木組み１０の長孔１１を通して変圧器本体３のベース９に螺合されている。

４つのネジはタップ切換え器１２を変圧器本体３に木組み１０を介して固定するものであり、木組み１０およびタップ切換え器１２は４つのネジを緩めることに応じて変圧器本体３に対して短手方向へ位置調整可能となり、タップ切換え器１２は木組み１０および変圧器本体３に対して長手方向へ位置調整可能となる。即ち、タップ切換え器１２は変圧器本体３に水平方向へ位置調整可能に組付けられている。

シャフト２６の上端部は、図１に示すように、タンクカバー２のシャフト孔を通してタンクカバー２の上に突出しており、シャフト２６の突出部分にはハンドルプレート２９が固定されている。このハンドルプレート２９はタンク１外に配置されたものであり、タンクカバー２の上面に接触している。

ハンドルプレート２９には、図３に示すように、ハンドル３０が固定されている。このハンドル３０はタンクカバー２の上に配置されたものであり、ハンドルプレート２９およびシャフト２６と共に変圧器本体３に対して上下動可能にされている。このハンドル３０はタンク１外からピニオン２０を回転操作するためのものであり、ハンドル３０が正方向へ回転操作された場合にはシャフト２６とジョイント２２とシャフト１９を介してピニオン２０が正方向へ回転することに応じてスライド板１７が一方向へ移動し、ハンドル３０が逆方向へ回転操作された場合にはシャフト２６〜シャフト１９を介してピニオン２０が逆方向へ回転することに応じてスライド板１７が他方向へ移動する。このハンドル３０は操作子に相当する。

端子板１５には、図４に示すように、複数のタップ端子３１が固定されており、スライド板１７には３つの接触子３２が固定されている。複数のタップ端子３１は３つのグルーに分けて水平方向に配列されたものであり、複数のタップ線６のそれぞれはタップ端子３１に接続されている。３つの接触子３２のそれぞれはハンドル３０が回転操作されることに応じてスライド板１７と共に位置調整されるものであり、複数のタップ端子３１のうち現在位置に応じた１つに接触する。

図６は変圧器の製造方法を説明するものであり、変圧器の製造はメインラインおよびサブラインの２系統で行われる。
［１］メインラインでタップ切換え器１２を組立てる（Ｓ１ｍ）。
［２］サブラインで木組み１０を組立て、木組み１０に複数のタップ線６を装着する（Ｓ１ｓ）。
［３］メインラインでタップ切換え器１２を変圧器本体３のベース９に木組み１０を介して組付ける（Ｓ２）。この組付け工程で木組み１０の複数のタップ線６のそれぞれを変圧器巻線５およびタップ端子３１に接続する。
［４］変圧器本体３と木組み１０とタップ切換え器１２を組付け状態で乾燥炉内に投入し、三者を乾燥炉内で乾燥時間Ｔｔだけ乾燥温度Ｔｈで乾燥させる（Ｓ３）。この乾燥温度Ｔｈは変圧器本体３および木組み１０の乾燥に適した温度である。この乾燥温度Ｔｈはタップ切換え器１２の乾燥に必要な乾燥温度Ｔｌに比べて高く設定されており、端子板１５〜スライド板１７等のタップ切換え器１２の全ての構成部品は乾燥温度Ｔｈで乾燥時間Ｔｔだけ乾燥炉内で乾燥されても歪むことがない耐熱性の高い材料から構成されている。
［５］変圧器本体３と木組み１０とタップ切換え器１２を組付け状態でタンク１内に上面から投入し、タンク１にタンクカバー２を装着する。

上記実施例１によれば次の効果を奏する。
変圧器本体３およびタップ切換え器１２間の組付け後に両者を組付け状態で乾燥炉内で乾燥した。従って、タップ切換え器１２の乾燥を変圧器本体３とは別に単体で行う必要がなくなるので、作業効率が向上する。

タップ切換え器１２のハンドル３０を上下方向へ移動可能とした。従って、タンク１の内圧が変動することに応じてタンクカバー２が上下方向へ変形した場合にはハンドル３０がタンクカバー２の変形に追従して同方向へ移動するので、タンクカバー２の変形がハンドル３０からタップ切換え器１２に伝わることに応じてタップ切換え器１２が損傷することを防止できる。

タップ切換え器１２を変圧器本体３に対して長手方向および短手方向のそれぞれに位置調整可能としたので、変圧器本体３およびタップ切換え器１２を製造誤差に拘らずタンク１内の目標位置に配置することができる。

以上、本発明の実施例を説明したが、この実施例は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施例やその変形は発明の範囲や要旨に含まれると共に特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

１はタンク（収納容器）、２はタンクカバー（天板）、３は変圧器本体、１２はタップ切換え器、２６はシャフト（軸）、３０はハンドル（操作子）である。

Claims (3)

1. 変圧器本体およびタップ切換え器間を組付ける工程と、
   前記変圧器本体および前記タップ切換え器間の組付け後に両者を組付け状態で乾燥炉内で乾燥させる工程と、
   前記変圧器本体および前記タップ切換え器の乾燥後に両者を組付け状態で収納容器内に収納する工程を備えたことを特徴とする変圧器の製造方法。
2. 変圧器本体が収納されたものであって、天板を有する収納容器と、
   前記変圧器本体に組付けられ且つ前記収納容器内に収納されたものであって、上下方向へ指向する軸を中心に回転操作可能な操作子を有するタップ切換え器を備え、
   前記操作子は、前記天板の上に上下方向へ移動可能に設けられていることを特徴とする変圧器。
3. 前記タップ切換え器は、前記変圧器本体に対して水平方向へ位置調整可能にされていることを特徴とする請求項２に記載の変圧器。

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