JP2017146364A - 光半導体装置及び光半導体モジュール - Google Patents

光半導体装置及び光半導体モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】所定のヒータ熱量を得るための電圧を、従来の高キャリア濃度のSiを用いた場合に比較して大幅に低減し、ヒータの材料に非金属を用いることから高い信頼性を得る。【解決手段】光半導体装置は、光導波路11と、光導波路11の温度を調節するヒータ10とを備えており、ヒータ10は、ゲルマニウムを主成分とするゲルマニウム層13と、ゲルマニウム層13と電気的に接続された電極15とを有して構成される。【選択図】図8

Description

本発明は、光半導体装置及び光半導体モジュールに関するものである。
近年では、サーバCPU間のデータ伝送量の増大に伴い、従来のCu配線を用いた電気信号による伝送での対応が限界に近づきつつある。このボトルネックを解消するためには、光インターコネクト、即ち光信号によるデータ伝送が必要とされる。高速データ伝送のためには、光送受信に必要となる光送信器、光変調器、受信器等の各種光コンポーネントを基板上に集積化することが求められる。
また、データ伝送帯域の増大の要請及び光集積素子の小型化の要請を同時に実現する技術として波長多重伝送(WDM)技術があり、その研究開発が活発化している。WDM技術では、異なる波長の光を制御する合波器及び分波器(合分波器)を集積し、その高精度化が必要とされる。同時に、高速信号処理を実現するためには、電気信号配線による伝送帯域のボトルネックを解消すべく、光集積素子をCPUの近傍に配置する必要がある。
ところが、光集積素子をCPUに近接させると、CPUで発生した熱が光集積素子に伝搬し、光集積素子を構成する材料の屈折率が変動する。この変動は、特に合分波器の特性(合分波特性)に影響を与える。そこで、合分波器を構成する光導波路の近傍に熱源(ヒータ)を配置し、ヒータに導通させる電流を調節することにより発生熱を制御して、周辺温度の変動による合分波特性の変動を制御する手法が一般に適用されている。
例えば、非特許文献1では、金属(例えばTi)で構成されるヒータが酸化膜を介して配置された構造が提案されている。一方、金属は長時間、高温下での通電によるエレクトロマイグレーション現象によって信頼性が劣化するという懸念がある。そこで、通電によるヒータの劣化を防止するために、非特許文献2では、非金属であるSi層を高濃度にn型ドープした領域(配線)をリング型共振器の近傍に配置し、合分波特性を制御する手法が提案されている。
P. Dong et al., Optics Express (2010), 20298 M. R. Watts et al., CLEO (2009), CPDB10
光集積素子には、その制御回路における電圧に制限がある。そのため、ヒータに印加できる電圧にも制限がある。このような条件下でヒータの熱量をできるだけ大きくすることが求められており、そのためには、ヒータの電気抵抗を低下させることが必要となる。n型Siの抵抗率は、例えば、キャリア濃度が1×1020/cm3の場合、800μΩ・cm程度である。この値は、例えば、金属であるTiの42μΩ・cmに比較して約20倍程度高い。その結果、非特許文献2では、FSR(Free Spectral Range)分の共振波長の移動に必要とされる電圧は11Vと高値になっている。従って、高い信頼性を確保でき、且つ低電圧動作のための抵抗率の低い材料が必要とされていた。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、ヒータの材料に非金属を用いて高い信頼性を得ると共に、所定のヒータ熱量を得るための電圧を、従来の高キャリア濃度のSiを用いた場合に比較して大幅に低減し、所期の低電圧動作を可能とする光半導体装置を提供することを目的とする。
1つの態様では、光半導体装置は、光導波路と、前記光導波路の温度を調節するヒータとを備えており、前記ヒータは、ゲルマニウムを主成分とするゲルマニウム層と、前記ゲルマニウム層と電気的に接続された電極とを含む。
1つの態様では、光半導体モジュールは、第1の光素子集積基板と第2の光素子集積基板とが光学的に接続されてなる光半導体モジュールであって、前記第1の光素子集積基板は、発振波長の異なる複数のレーザと、前記各レーザに対応した複数の光変調器と、光合波器とを有し、前記第2の光素子集積基板は、前記各レーザに対応した複数の光分波器と、前記各光分波器の対応した複数の受光器とを有し、前記光変調器及び前記光分波器の少なくとも一方は、ゲルマニウムを主成分とするゲルマニウム層と、前記ゲルマニウム層と電気的に接続された電極とを備えたヒータを含む。
上記の諸態様によれば、ヒータの材料に非金属を用いて高い信頼性を得ると共に、所定のヒータ熱量を得るための電圧を、従来の高キャリア濃度のSiを用いた場合に比較して大幅に低減し、所期の低電圧動作が可能となる。
第1の実施形態による光半導体装置の製造方法を工程順に示す模式図である。 図1に引き続き、第1の実施形態による光半導体装置の製造方法を工程順に示す模式図である。 図2に引き続き、第1の実施形態による光半導体装置の製造方法を工程順に示す模式図である。 図3に引き続き、第1の実施形態による光半導体装置の製造方法を工程順に示す模式図である。 図4に引き続き、第1の実施形態による光半導体装置の製造方法を工程順に示す模式図である。 図5に引き続き、第1の実施形態による光半導体装置の製造方法を工程順に示す模式図である。 図6に引き続き、第1の実施形態による光半導体装置の製造方法を工程順に示す模式図である。 図7に引き続き、第1の実施形態による光半導体装置の製造方法を工程順に示す模式図である。 第1の実施形態の変形例による光半導体装置の構成を示す模式図である。 第2の実施形態による光半導体装置の構成を示す模式図である。 第2の実施形態による光半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 第3の実施形態による光半導体装置の構成を示す模式図である。 第3の実施形態による光半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 第3の実施形態による光半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 第4の実施形態による光半導体装置の構成を示す模式図である。 第4の実施形態による光半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 第4の実施形態による光半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 第5の実施形態による光半導体装置の構成を示す模式図である。 第5の実施形態による光半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 第5の実施形態による光半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 第5の実施形態による光半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 第6の実施形態による光半導体装置の構成を示す模式図である。 第6の実施形態による光半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 第6の実施形態による光半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 第6の実施形態による光半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図である。 第7の実施形態による光半導体モジュールの概略構成を示す模式図である。
(第1の実施形態)
本実施形態では、熱源(ヒータ)を備えた光半導体装置を開示する。本実施形態では、光半導体装置の構成をその製造方法と共に説明する。図1〜図8は、第1の実施形態による光半導体装置の製造方法を工程順に示す模式図である。図1〜図4,図6〜図8において、(a)が平面図、(b)が(a)の破線I−I'に沿った断面図である。図5は、破線I−I'に対応した断面図である。
先ず、図1に示すように、リブ型の光導波路11及びヒータ領域12を一体形成する。
詳細には、シリコン基板1a上にシリコン酸化膜1bを介してシリコン層1cが設けられたSOI(Silicon On Insulator)基板1を用意する。例えば、シリコン酸化膜1bの厚みは3μm程度、シリコン層1cの厚みは220nm程度である。シリコン酸化膜1bの表面の面方位は、例えば(001)である。シリコン層1cを2回のリソグラフィー及びドライエッチングで加工する。例えば、1回目のリソグラフィー及びドライエッチングにより、シリコン酸化膜1b上でシリコン層1cを所定の島状に加工する。次に、2回目のリソグラフィー及びドライエッチングにより、シリコンが所定の厚み、例えば50nm程度に残存するように除去する。以上により、リブ型の光導波路11及びヒータ領域12が一体形成される。例えば、光導波路11の幅を0.4μm程度、ヒータ領域12の幅を5μm程度で長さを200μm程度とする。
続いて、図2に示すように、選択成長用マスク2を形成し、ヒータ領域12に溝12aを形成する。
詳細には、シリコン層1cを覆うようにSOI基板1の全面に絶縁材料、例えばシリコン酸化物であるTEOSを100nm程度の厚みに堆積する。次に、TEOS上にレジストを塗布し、リソグラフィーにより、TEOSにおいて下層のヒータ領域12の上面に相当する部位を開口するレジストマスクを形成する。このレジストマスクを用いて、TEOS及びヒータ領域12をドライエッチングする。以上により、ヒータ領域12には深さ200nm程度の溝12aが形成されと共に、溝12aを露出させる開口2aを有する選択成長用マスク2が形成される。レジストマスクは、アッシング処理又は所定の薬液を用いたウェット処理により除去される。
続いて、図3に示すように、溝12aを埋め込むようにゲルマニウム(Ge)層13を形成する。
詳細には、減圧化学気層成長(LP−CVD)装置にSOI基板1を導入し、Geをエピタキシャル成長する。Geの成膜には、原料ガスとしてGeH4、キャリアガスとしてH2を適用する。シリコン層1c上には選択成長用マスク2が形成されていることから、選択成長用マスク2の開口2aから露出する溝12aを埋め込むようにGeが成長し、Ge層13が形成される。Ge層13は、例えば200nm程度の厚みに形成する。Ge層13としては、Geを主成分とする層であれば良い。例えば、スズ(Sn)を10%程度含有するGe−Sn合金層や、シリコン(Si)を10%程度含有するGe−Si層を形成することも可能である。
続いて、図4に示すように、スルー酸化膜3及びレジストマスク4を形成する。
詳細には、LP−CVD装置からSOI基板1を取り出した後、選択成長用マスク2の開口2aから露出するGe層13の上面を覆うように、選択成長用マスク2上にイオン注入用のスルー酸化膜3を、例えばプラズマCVD(P−CVD)法により10nm程度成膜する。次に、全面にレジストを塗布し、選択成長用マスク2の開口2aの部分のみを露出するように、露光及び現像を行う。これにより、開口4aを有するレジストマスク4が形成される。
続いて、図5に示すように、Ge層13に不純物を導入する。
詳細には、SOI基板1をイオン注入装置に導入し、レジストマスク4の開口4aで露出するGe層13上のスルー酸化膜3からGe層13内に、不純物、ここではn型不純物であるリン(P)をイオン注入する。n型不純物としては、Pの代わりに砒素(As)を用いても良い。イオン注入の条件としては、Ge層13の所期の低抵抗化を実現すべく、1×1015/cm2以上の高ドーズ量、例えば5×1015/cm2のドーズ量とし、加速電圧を20keVとする。なお、n型不純物の代わりに、例えばホウ素(B)等のp型不純物をGe層13に対して高濃度に導入するようにしても良い。
なお、Ge層13への不純物の導入は、イオン注入法を用いる代わりに、例えばGe層13を形成する際に、LP−CVD装置に不純物を導入し、Ge層13内に不純物をドープするようにしても良い。
続いて、図6に示すように、レジストマスク4の除去、Pイオンの活性化アニール、スルー酸化膜3の除去を行った後に、絶縁層14を形成する。
詳細には、SOI基板1をイオン注入装置から取り出し、レジストマスク4を、アッシング処理又は所定の薬液を用いたウェット処理により除去する。次に、SOI基板1をRTA(Rapid thermal annealing)装置に導入し、Ge層13に導入されたPイオンの活性化アニールを行う。活性化アニールは、Ge層13の所期の低抵抗化を実現すべく、700℃以上、例えば、700℃程度〜800℃程度、1分間程度の条件で行う。この活性化アニールにより、Ge層13中のキャリア濃度は、1×1020/cm3程度となる。次に、スルー酸化膜3を、希フッ酸(DHF)を用いたウェット処理により除去する。その後、SOI基板1をP−CVD装置に導入し、全面に、層間絶縁膜又はクラッド層となる絶縁層14を1μm程度の厚みに堆積する。
続いて、図7に示すように、絶縁層14にコンタクト孔14aを形成する。
詳細には、絶縁層14上にレジストを塗布し、リソグラフィーにより、絶縁層14のコンタクト孔の形成部位を開口するレジストマスクを形成する。SOI基板1をICP−RIE(Inductive coupled plasma reactive ion etching)装置に導入し、レジストマスクを用いて絶縁層14をドライエッチングする。これにより、絶縁層14にコンタクト孔14aが形成される。コンタクト孔14aは通常、ヒータの1つのユニットに対して2個形成される。レジストマスクは、アッシング処理又は所定の薬液を用いたウェット処理により除去される。
続いて、図8に示すように、電極15を形成する。なお、図8(a)では、絶縁層14の図示を省略している。
詳細には、SOI基板1をスパッタリング装置に導入し、コンタクト孔14aを埋め込むように絶縁層13上に導電物、ここでは例えばアルミニウム(Al)を500nm程度の厚みに堆積する。次に、Al上にレジストを塗布し、リソグラフィーにより、Alの電極形成部位を開口するレジストマスクを形成する。SOI基板1をICP−RIE装置に導入し、レジストマスクを用いて絶縁層13でAlをドライエッチングする。その後、絶縁層13上に、コンタクト孔14aを埋め込んでGe層13と電気的に接続された電極15が形成される。レジストマスクは、アッシング処理又は所定の薬液を用いたウェット処理により除去される。
以上により、光導波路11及びこれに近接するヒータ10を備えた光半導体装置が形成される。ヒータ10は、光導波路11の周辺の温度変動の影響を抑えるべく、光導波路11を所期の温度に調節して屈折率を制御するものである。
本実施形態のヒータ10では、Ge層13のn型キャリア濃度が1×1020/cm3程度である場合、その抵抗率は400μΩ・cm程度となる。これに対して、従来のヒータ(本実施形態のGe層に代わってSi層を用いたもの)では、上述したように、n型キャリア濃度が1×1020/cm3程度である場合、その抵抗率は800μΩ・cm程度となる。本実施形態では、その断面積及び長さが従来のヒータと等しい条件下では、従来のヒータと比較して抵抗値が半減する。その結果、ヒータへの印加電圧が本実施形態及び従来例で一定の場合、本実施形態のヒータ10における発生熱量が従来のヒータと比較して約2倍になる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ヒータ10の材料に非金属を用いて高い信頼性を得ると共に、所定のヒータ熱量を得るための電圧を、従来の高キャリア濃度のSiを用いた場合に比較して大幅に低減し、所期の低電圧動作が可能となる。
(第1の実施形態の変形例)
ここで、第1の実施形態の変形例について説明する。本例では、第1の実施形態と同様に、ヒータを備えた光半導体装置を開示するが、ヒータの形成部位が異なる点で相違する。図9は、第1の実施形態の変形例による光半導体装置の構成を示す模式図であり、(a)が平面図、(b)が(a)の破線I−I'に沿った断面図である。図9(a)では、図示の分り易さに配慮して、絶縁層14及び電極15の図示を省略している。なお、第1の実施形態の光半導体装置と同じ構成部材等については、同符号を付して詳しい説明を省略する。
本例においては、SOI基板1のシリコン層1cが加工されて、直線状の細線光導波路21及びリング型光導波路22が形成されている。リング型光導波路22には、リブ型の光導波路23及びヒータ24が形成されている。リブ型の光導波路23は、光共振器として機能するものであり、リング型光導波路22の一周に亘って形成されている。
ヒータ24は、光導波路23の温度を変えて屈折率を変化させ、共振波長を調節するものであり、細線光導波路21の近傍を除く円弧状に形成されている。ヒータ24は、第1の実施形態のヒータ10と同様に、ヒータ領域12の溝12aを埋め込むGe層13が形成されており、Ge層13に電極15が電気的に接続されて構成されている。
リング型光導波路22では、細線光導波路21の近傍でヒータ24の非形成領域を設けることにより、ヒータ24の細線光導波路21への影響の懸念が排除される。勿論、ヒータ24をリング型光導波路22の一周に亘って形成しても良い。
本例の光半導体装置は、第1の実施形態の図1〜図8と同様の諸工程により形成される。
図1と同様の工程では、SOI基板1のシリコン層1cがリソグラフィー及びドライエッチングにより加工され、細線光導波路21と、リング型光導波路22となる領域(リブ型の光導波路23及びヒータ領域12)が形成される。
本例のヒータ24では、従来のヒータ(本実施形態のGe層に代わってSi層を用いたもの)に比較して、リング型光導波路22におけるFSR分の共振波長の移動に必要とされる電圧だけシフトするための電圧を7割程度に低減することが可能になる。
本例によれば、所定のヒータ熱量を得るための電圧を、ヒータ24の材料に非金属を用いて高い信頼性を得ると共に、所定のヒータ熱量を得るための電圧を、従来の高キャリア濃度のSiを用いた場合に比較して大幅に低減し、所期の低電圧動作が可能となる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態の変形例と同様に、リング型光導波路にヒータを備えた光半導体装置を開示するが、その光導波路がリブ型ではなく細線状に形成されたものである点で相違する。図10は、第2の実施形態による光半導体装置の構成を示す模式図であり、(a)が平面図、(b)が(a)の破線I−I'に沿った断面図である。図10(a)では、図示の分り易さに配慮して、絶縁層14及び電極15の図示を省略している。なお、第1の実施形態及び変形例等の光半導体装置と同じ構成部材等については、同符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施形態においては、SOI基板1のシリコン層1cが加工されて、直線状の細線光導波路21、リング型の細線光導波路31、及びヒータ32が形成されている。細線光導波路31は、光共振器として機能するものであり、円状の一周に亘って形成されている。
ヒータ32は、細線光導波路31の温度を変えて屈折率を変化させ、共振波長を調節するものであり、細線光導波路21の近傍を除く細線光導波路31の外側を囲むように円弧状に形成されている。細線光導波路21の近傍でヒータ32の非形成領域を設けることにより、ヒータ32の細線光導波路21への影響の懸念が排除される。ヒータ32は、ヒータ領域33に形成された溝33aを埋め込むGe層13が形成されており、Ge層13に電極15が電気的に接続されて構成されている。
本実施形態による光半導体装置を製造するには、先ず図11(図10の破線I−I'に沿った断面に相当する。)に示すように、直線状の細線光導波路21、リング型の細線光導波路31、及びヒータ領域33を形成する。
詳細には、シリコン基板1a上にシリコン酸化膜1bを介してシリコン層1cが設けられたSOI基板1を用意する。例えば、シリコン酸化膜1bの厚みは3μm程度、シリコン層1cの厚みは250nm程度である。シリコン酸化膜1bの表面の面方位は、例えば(001)である。シリコン層1cをリソグラフィー及びドライエッチングで分断加工する。これにより、シリコン酸化膜1b上に、直線状の細線光導波路21、リング型の細線光導波路31、及びヒータ領域33が形成される。ヒータ領域33が第1の実施形態の図1のヒータ領域12に対応しており、ヒータ領域33にヒータ32が形成される。
しかる後、第1の実施形態の図2〜図8と同様の諸工程を行う。以上により、図10に示す光半導体装置が形成される。
本実施形態のヒータ32では、従来のヒータ(本実施形態のGe層に代わってSi層を用いたもの)に比較して、リング型の細線光導波路31におけるFSR分の共振波長の移動に必要とされる電圧だけシフトするための電圧を7割程度に低減することが可能になる。
本実施形態によれば、ヒータ32の材料に非金属を用いて高い信頼性を得ると共に、所定のヒータ熱量を得るための電圧を、従来の高キャリア濃度のSiを用いた場合に比較して大幅に低減し、所期の低電圧動作が可能となる。
(第3の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態の変形例と同様に、リング型光導波路にヒータを備えた光半導体装置を開示するが、ヒータの構造が若干異なる点で相違する。図12は、第3の実施形態による光半導体装置の構成を示す模式図であり、(a)が平面図、(b)が(a)の破線I−I'に沿った断面図である。図12(a)では、図示の分り易さに配慮して、絶縁層14及び電極15の図示を省略している。なお、第1の実施形態及び変形例等の光半導体装置と同じ構成部材等については、同符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施形態においては、SOI基板1のシリコン層1cが加工されて、直線状の細線光導波路21及びリング型光導波路22が形成されている。リング型光導波路22には、リブ型の光導波路23及びヒータ41が形成されている。リブ型の光導波路23は、光共振器として機能するものであり、リング型光導波路22の一周に亘って形成されている。
ヒータ41は、光導波路23の温度を変えて屈折率を変化させ、共振波長を調節するものであり、細線光導波路21の近傍を除く円弧状に形成されている。ヒータ41は、光導波路23と一体形成されたヒータ領域42の上面上にGe層13が形成されており、Ge層13と電気的に接続される電極15が形成されて構成されている。
リング型光導波路22では、細線光導波路21の近傍でヒータ41の非形成領域を設けることにより、ヒータ41の細線光導波路21への影響の懸念が排除される。勿論、ヒータ41をリング型光導波路22の一周に亘って形成しても良い。
図13〜図14は、第3の実施形態による光半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図であり、図12(a)の破線I−I'に沿った断面に相当する。
本実施形態による光半導体装置を製造するには、先ず、第1の実施形態の図1と同様の工程を行う。これにより、直線状の細線光導波路21と、一体とされたリブ型の光導波路23及びヒータ領域42とを形成する。
続いて、図13に示すように、選択成長用マスク43を形成する。
詳細には、シリコン層1cを覆うようにSOI基板1の全面に絶縁材料、例えばシリコン酸化物であるTEOSを100nm程度の厚みに堆積する。次に、TEOS上にレジストを塗布し、リソグラフィーにより、TEOSにおいて下層のヒータ領域42の上面に相当する部位を開口するレジストマスクを形成する。このレジストマスクを用いて、TEOSをドライエッチングする。以上により、ヒータ領域42の上面を露出させる開口43aを有する選択成長用マスク43が形成される。レジストマスクは、アッシング処理又は所定の薬液を用いたウェット処理により除去される。
続いて、図14に示すように、Ge層13を形成する。
詳細には、減圧化学気層成長(LP−CVD)装置にSOI基板1を導入し、Geをエピタキシャル成長する。Geの成膜には、原料ガスとしてGeH4、キャリアガスとしてH2を適用する。シリコン層1c上には選択成長用マスク43が形成されていることから、選択成長用マスク43の開口43aから露出するヒータ領域42の上面上にGeが成長し、Ge層13が形成される。Ge層13は、例えば500nm程度の厚みに形成する。
しかる後、第1の実施形態の図4〜図8と同様の諸工程を行う。以上により、図12に示すように、本実施形態による光半導体装置が形成される。
本実施形態のヒータ41では、従来のヒータ(本実施形態のGe層に代わってSi層を用いたもの)に比較して、リング型光導波路22におけるFSR分の共振波長の移動に必要とされる電圧だけシフトするための電圧を7割程度に低減することが可能になる。
本実施形態によれば、ヒータ41の材料に非金属を用いて高い信頼性を得ると共に、所定のヒータ熱量を得るための電圧を、従来の高キャリア濃度のSiを用いた場合に比較して大幅に低減し、所期の低電圧動作が可能となる。
(第4の実施形態)
本実施形態では、第2の実施形態と同様に、リング型光導波路にヒータを備えた光半導体装置を開示するが、ヒータの構造が若干異なる点で相違する。図15は、第4の実施形態による光半導体装置の構成を示す模式図であり、(a)が平面図、(b)が(a)の破線I−I'に沿った断面図である。図15(a)では、図示の分り易さに配慮して、絶縁層14及び電極15の図示を省略している。なお、第2の実施形態等の光半導体装置と同じ構成部材等については、同符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施形態においては、SOI基板1のシリコン層1cが加工されて、直線状の細線光導波路21、リング型の細線光導波路31、及びヒータ51が形成されている。細線光導波路31は、光共振器として機能するものであり、円状の一周に亘って形成されている。
ヒータ51は、細線光導波路31の温度を変えて屈折率を変化させ、共振波長を調節するものであり、細線光導波路21の近傍を除く細線光導波路31の外側を囲むように円弧状に形成されている。細線光導波路21の近傍でヒータ51の非形成領域を設けることにより、ヒータ51の細線光導波路21への影響の懸念が排除される。ヒータ51は、細線光導波路31と並んで配されたヒータ領域52の上面上にGe層13が形成されており、Ge層13と電気的に接続される電極15が形成されて構成されている。
図16〜図17は、第4の実施形態による光半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図であり、図15(a)の破線I−I'に沿った断面に相当する。
本実施形態による光半導体装置を製造するには、先ず、第1の実施形態の図1と同様の工程を行う。これにより、SOI基板1のシリコン層1cが加工されて、直線状の細線光導波路21、リング型の細線光導波路31、及びヒータ領域52が形成される。
続いて、図16に示すように、選択成長用マスク53を形成する。
詳細には、シリコン層1cを覆うようにSOI基板1の全面に絶縁材料、例えばシリコン酸化物であるTEOSを100nm程度の厚みに堆積する。次に、TEOS上にレジストを塗布し、リソグラフィーにより、TEOSにおいて下層のヒータ領域52の上面に相当する部位を開口するレジストマスクを形成する。このレジストマスクを用いて、TEOSをドライエッチングする。以上により、ヒータ領域52の上面を露出させる開口53aを有する選択成長用マスク53が形成される。レジストマスクは、アッシング処理又は所定の薬液を用いたウェット処理により除去される。
続いて、図17に示すように、Ge層13を形成する。
詳細には、減圧化学気層成長(LP−CVD)装置にSOI基板1を導入し、Geをエピタキシャル成長する。Geの成膜には、原料ガスとしてGeH4、キャリアガスとしてH2を適用する。シリコン層1c上には選択成長用マスク53が形成されていることから、選択成長用マスク53の開口53aから露出するヒータ領域52の上面上にGeが成長し、Ge層13が形成される。Ge層13は、例えば500nm程度の厚みに形成する。
しかる後、第1の実施形態の図4〜図8と同様の諸工程を行う。以上により、図15に示すように、本実施形態による光半導体装置が形成される。
本実施形態のヒータ51では、従来のヒータ(本実施形態のGe層に代わってSi層を用いたもの)に比較して、細線光導波路31におけるFSR分の共振波長の移動に必要とされる電圧だけシフトするための電圧を7割程度に低減することが可能になる。
本実施形態によれば、ヒータ51の材料に非金属を用いて高い信頼性を得ると共に、所定のヒータ熱量を得るための電圧を、従来の高キャリア濃度のSiを用いた場合に比較して大幅に低減し、所期の低電圧動作が可能となる。
(第5の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態の変形例と同様に、リング型光導波路にヒータを備えた光半導体装置を開示するが、ヒータの構造が若干異なる点で相違する。図18は、第5の実施形態による光半導体装置の構成を示す模式図であり、(a)が平面図、(b)が(a)の破線I−I'に沿った断面図である。図18(a)では、図示の分り易さに配慮して、絶縁層14及び電極15の図示を省略している。なお、第1の実施形態及び変形例等の光半導体装置と同じ構成部材等については、同符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施形態においては、SOI基板1のシリコン層1cが加工されて、直線状の細線光導波路21及びリング型光導波路61が形成されている。リング型光導波路61には、リブ型の光導波路62及びヒータ63が形成されている。リブ型の光導波路62は、光共振器として機能するものであり、リング型光導波路61の一周に亘って形成されている。
ヒータ63は、光導波路62の温度を変えて屈折率を変化させ、共振波長を調節するものであり、光導波路62の上面上で、細線光導波路21の近傍を除く円弧状に形成されている。ヒータ63は、光導波路62の上面上のGe層13と電気的に接続される電極15が形成されて構成されている。
リング型光導波路61では、細線光導波路21の近傍でGe層13の非形成領域を設けることにより、ヒータ63の細線光導波路21への影響の懸念が排除される。勿論、Ge層13をリブ型の光導波路62上の一周に亘って形成しても良い。
図19〜図21は、第5の実施形態による光半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図であり、図18(a)の破線I−I'に沿った断面に相当する。
本実施形態による光半導体装置を製造するには、先ず、図19(及び図18)に示すように、直線状の細線光導波路21及びリブ型の光導波路62を形成する。
詳細には、シリコン基板1a上にシリコン酸化膜1bを介してシリコン層1cが設けられたSOI基板1を用意する。例えば、シリコン酸化膜1bの厚みは3μm程度、シリコン層1cの厚みは220nm程度である。シリコン酸化膜1bの表面の面方位は、例えば(001)である。シリコン層1cをリソグラフィー及びドライエッチングで加工する。例えば、1回目のリソグラフィー及びドライエッチングにより、シリコン酸化膜1b上でシリコン層1cを線状及びリング状の2つの部分に分断加工する。線状とされた部分は、細線光導波路21となる。次に、2回目のリソグラフィー及びドライエッチングにより、リング状とされた部分を加工し、シリコンが所定の厚み、例えば50nm程度に残存するように除去する。これにより、リブ型の光導波路62が形成される。
続いて、図20に示すように、選択成長用マスク64を形成する。
詳細には、シリコン層1cを覆うようにSOI基板1の全面に絶縁材料、例えばシリコン酸化物であるTEOSを100nm程度の厚みに堆積する。次に、TEOS上にレジストを塗布し、リソグラフィーにより、TEOSにおいて下層の光導波路62の上面に相当する部位(細線光導波路21の近傍における部位を除く)を開口するレジストマスクを形成する。このレジストマスクを用いて、TEOSをドライエッチングする。以上により、光導波路62の上面を露出させる開口64aを有する選択成長用マスク64が形成される。レジストマスクは、アッシング処理又は所定の薬液を用いたウェット処理により除去される。
続いて、図21に示すように、Ge層13を形成する。
詳細には、減圧化学気層成長(LP−CVD)装置にSOI基板1を導入し、Geをエピタキシャル成長する。Geの成膜には、原料ガスとしてGeH4、キャリアガスとしてH2を適用する。シリコン層1c上には選択成長用マスク64が形成されていることから、選択成長用マスク64の開口64aから露出する光導波路62の上面上にGeが成長し、Ge層13が形成される。Ge層13は、例えば500nm程度の厚みに形成する。Ge層64としては、Geを主成分とする層であれば良い。
しかる後、第1の実施形態の図4〜図8と同様の諸工程を行う。以上により、図18に示すように、本実施形態による光半導体装置が形成される。
本実施形態のヒータ63では、従来のヒータ(本実施形態のGe層に代わってSi層を用いたもの)に比較して、リング型光導波路61におけるFSR分の共振波長の移動に必要とされる電圧だけシフトするための電圧を7割程度に低減することが可能になる。
本実施形態によれば、ヒータ63の材料に非金属を用いて高い信頼性を得ると共に、所定のヒータ熱量を得るための電圧を、従来の高キャリア濃度のSiを用いた場合に比較して大幅に低減し、所期の低電圧動作が可能となる。
(第6の実施形態)
本実施形態では、第2の実施形態と同様に、リング型光導波路にヒータを備えた光半導体装置を開示するが、ヒータの構造が若干異なる点で相違する。図22は、第6の実施形態による光半導体装置の構成を示す模式図であり、図22(a)では、図示の分り易さに配慮して、絶縁層14及び電極15の図示を省略している。(a)が平面図、(b)が(a)の破線I−I'に沿った断面図である。なお、第2の実施形態等の光半導体装置と同じ構成部材等については、同符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施形態においては、SOI基板1のシリコン層1cが加工されて、直線状の細線光導波路21、リング型の細線光導波路31、及びヒータ71が形成されている。細線光導波路31は、光共振器として機能するものであり、円状の一周に亘って形成されている。
ヒータ71は、細線光導波路31の温度を変えて屈折率を変化させ、共振波長を調節するものであり、細線光導波路31の上面上で、細線光導波路21の近傍を除く円弧状に形成されている。細線光導波路21の近傍でGe層13の非形成領域を設けることにより、ヒータ71の細線光導波路21への影響の懸念が排除される。ヒータ71は、細線光導波路31の上面上のGe層13と電気的に接続される電極15が形成されて構成されている。
図23〜図25は、第6の実施形態による光半導体装置の製造方法の主要工程を示す概略断面図であり、図22(a)の破線I−I'に沿った断面に相当する。
本実施形態による光半導体装置を製造するには、先ず、図23(及び図22)に示すように、直線状の細線光導波路21及びリング型の細線光導波路31を形成する。
詳細には、シリコン基板1a上にシリコン酸化膜1bを介してシリコン層1cが設けられたSOI基板1を用意する。例えば、シリコン酸化膜1bの厚みは3μm程度、シリコン層1cの厚みは250nm程度である。シリコン酸化膜1bの表面の面方位は、例えば(001)である。シリコン層1cをリソグラフィー及びドライエッチングで分断加工する。これにより、シリコン酸化膜1b上に、直線状の細線光導波路21及びリング型の細線光導波路31が形成される。
続いて、図24に示すように、選択成長用マスク72を形成する。
詳細には、シリコン層1cを覆うようにSOI基板1の全面に絶縁材料、例えばシリコン酸化物であるTEOSを100nm程度の厚みに堆積する。次に、TEOS上にレジストを塗布し、リソグラフィーにより、TEOSにおいて下層の細線光導波路31の上面に相当する部位(細線光導波路21の近傍における部位を除く)を開口するレジストマスクを形成する。このレジストマスクを用いて、TEOSをドライエッチングする。以上により、細線光導波路31の上面を露出させる開口72aを有する選択成長用マスク72が形成される。レジストマスクは、アッシング処理又は所定の薬液を用いたウェット処理により除去される。
続いて、図25に示すように、Ge層13を形成する。
詳細には、減圧化学気層成長(LP−CVD)装置にSOI基板1を導入し、Geをエピタキシャル成長する。Geの成膜には、原料ガスとしてGeH4、キャリアガスとしてH2を適用する。シリコン層1c上には選択成長用マスク72が形成されていることから、選択成長用マスク72の開口72aから露出する細線光導波路31の上面上にGeが成長し、Ge層13が形成される。Ge層73は、例えば500nm程度の厚みに形成する。Ge層13としては、Geを主成分とする層であれば良い。例えば、スズ(Sn)を10%程度含有するGe−Sn合金層や、シリコン(Si)を10%程度含有するGe−Si層を形成することも可能である。
しかる後、第1の実施形態の図4〜図8と同様の諸工程を行う。以上により、図22に示すように、本実施形態による光半導体装置が形成される。
本実施形態のヒータ71では、従来のヒータ(本実施形態のGe層に代わってSi層を用いたもの)に比較して、リング型の細線光導波路31におけるFSR分の共振波長の移動に必要とされる電圧だけシフトするための電圧を7割程度に低減することが可能になる。
本実施形態によれば、ヒータ71の材料に非金属を用いて高い信頼性を得ると共に、所定のヒータ熱量を得るための電圧を、従来の高キャリア濃度のSiを用いた場合に比較して大幅に低減し、所期の低電圧動作が可能となる。
(第7の実施形態)
本実施形態では、上述した第1の実施形態の変形例〜第6の実施形態のうちの1つの光半導体装置を備えた光半導体モジュールを開示する。
図26は、第7の実施形態による光半導体モジュールの概略構成を示す模式図である。
この光半導体モジュールは、Si光素子集積基板81,82を備え、両者が光ファイバ83で光学的に接続されて構成されている。
Si光素子集積基板81は、複数(例えば4つ)のレーザ91a〜91d、光導波路92a〜92d、リング型変調器93a〜93d、及び合波器94を備えて構成されている。
レーザ91a〜91dは、光導波路92a〜92dの一端が接続されており、それぞれ発光波長の相異なる連続光を発生させるものである。リング型変調器93a〜93dは、光導波路92a〜92dと光結合しており、温度を変えて共振波長をそれぞれ調節するものである。リング型変調器93a〜93dには、第1の実施形態の変形例〜第6の実施形態におけるヒータ24,32,41,51,62,71のうちの1つが形成されている。各ヒータは、周辺温度の変化に応じて当該ヒータに流す電流値を調整して温度を変えて、リング型変調器93a〜93dにおける共振波長を調節する。合波器94は、例えばAWG(Array Waveguide)で構成されており、入力側に光導波路92a〜92dの他端が接続され、出力側に光ファイバ83の一端が接続されている。
Si光素子集積基板82は、光導波路95、リング型分波器96a〜96d、光導波路97a〜97d、及びGe受光器98a〜98dを備えて構成されている。
リング型分波器96a〜96dは、光導波路95と光結合しており、温度を変えて共振波長をそれぞれ調節し、分波を行うものである。リング型分波器96a〜96dには、第1の実施形態の変形例〜第6の実施形態におけるヒータ24,32,41,51,62,71のうちの1つが形成されている。各ヒータは、周辺温度の変化に応じて当該ヒータに流す電流値を調整して温度を変えて、リング型変調器96a〜96dにおける共振波長を調節してフィルタ特性を制御する。Ge受光器98a〜98dは、リング型分波器96a〜96dと光導波路97a〜97dを介してそれぞれ接続されており、光導波路97a〜97dを進行してきた光信号を電気信号に変換するものである。
なお、本実施形態では、リング型変調器93a〜93d及びリング型分波器96a〜96dの双方に第1の実施形態の変形例〜第6の実施形態におけるヒータが適用される場合を例示したが、いずれか一方に当該ヒータを適用するようにしても良い。
この光半導体モジュールにおいては、レーザ91a〜91dを用いて相異なる4波長の連続光を光信号として発生させる。各光信号は、それぞれ光導波路92a〜92dを通過し、リング型変調器93a〜93dで変調される。リング型変調器93a〜93dでは、周辺温度の変化に応じて、各ヒータに流す電流値が調整される。その後、各光信号は、合波器94で合波され、光ファイバ83を通り、リング型分波器96a〜96dで分波される。リング型分波器96a〜96dでは、周辺温度の変化に応じて、各ヒータに流す電流値の調整により、フィルタ特性を制御する。光導波路97a〜97dを進行してきた光信号は、Ge受光器98a〜98dによって電気信号に変換される。
本実施形態によれば、非金属であるGe層を用い、所定のヒータ熱量を得るための電圧がSiを用いた場合に比べて低いヒータをリング型変調器93a〜93d及びリング型分波器96a〜96dに適用し、信頼性の高い光半導体モジュールが実現する。
以下、光半導体装置及び光半導体モジュールの諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)光導波路と、
前記光導波路の温度を調節するヒータと
を備えており、
前記ヒータは、
ゲルマニウムを主成分とするゲルマニウム層と、
前記ゲルマニウム層と電気的に接続された電極と
を含むことを特徴とする光半導体装置。
(付記2)前記ゲルマニウム層は、n型又はp型の導電型とされていることを特徴とする付記1に記載の光半導体装置。
(付記3)前記光導波路を有する半導体層を更に含み、
前記半導体層の一部の領域に前記ゲルマニウム層が設けられていることを特徴とする付記1又は2に記載の光半導体装置。
(付記4)前記領域に形成された溝を埋め込むように前記ゲルマニウム層が形成されていることを特徴とする付記3に記載の光半導体装置。
(付記5)前記領域上に前記ゲルマニウム層が形成されていることを特徴とする付記3に記載の光半導体装置。
(付記6)前記光導波路上に前記ゲルマニウム層が形成されていることを特徴とする付記3に記載の光半導体装置。
(付記7)前記光導波路と並んで前記ゲルマニウム層が設けられていることを特徴とする付記1に記載の光半導体装置。
(付記8)前記光導波路と並んで半導体層が設けられており、
前記半導体層に形成された溝を埋め込むように前記ゲルマニウム層が形成されていることを特徴とする付記7に記載の光半導体装置。
(付記9)前記光導波路と並んで半導体層が設けられており、
前記半導体層上に前記ゲルマニウム層が形成されていることを特徴とする付記7に記載の光半導体装置。
(付記10)前記光導波路上に前記ゲルマニウム層が設けられていることを特徴とする付記1に記載の光半導体装置。
(付記11)前記光導波路は、細線型光導波路と隣接するリング型光導波路であることを特徴とする付記1〜10のいずれか1項に記載の光半導体装置。
(付記12)第1の光素子集積基板と第2の光素子集積基板とが光学的に接続されてなる光半導体モジュールであって、
前記第1の光素子集積基板は、発振波長の異なる複数のレーザと、前記各レーザに対応した複数の光変調器と、光合波器とを有し、
前記第2の光素子集積基板は、前記各レーザに対応した複数の光分波器と、前記各光分波器の対応した複数の受光器とを有し、
前記光変調器及び前記光分波器の少なくとも一方は、
ゲルマニウムを主成分とするゲルマニウム層と、
前記ゲルマニウム層と電気的に接続された電極と
を備えたヒータを含むことを特徴とする光半導体モジュール。
(付記13)前記ゲルマニウム層は、n型又はp型の導電型とされていることを特徴とする付記12に記載の光半導体モジュール。
1 SOI基板
1a シリコン基板
1b シリコン酸化膜
1c シリコン層
2,43,53,64,72 選択成長用マスク
2a,4a,43a,53a,64a,72a 開口
3 スルー酸化膜
4 レジストマスク
10,24,32,41,51,63,71 ヒータ
11,23,62 リブ型の光導波路
12,33,42,52 ヒータ領域
12a,33a 溝
13 Ge層
14 絶縁層
14a コンタクト孔
15 電極
21 細線光導波路
22,61 リング型光導波路
31 リング型の細線光導波路
81,82 Si光素子集積基板
83 光ファイバ83
91a〜91d レーザ
92a〜92d,95,97a〜97d 光導波路
93a〜93d リング型変調器
94 合波器
96a〜96d リング型分波器
98a〜98d Ge受光器

Claims (12)

  1. 光導波路と、
    前記光導波路の温度を調節するヒータと
    を備えており、
    前記ヒータは、
    ゲルマニウムを主成分とするゲルマニウム層と、
    前記ゲルマニウム層と電気的に接続された電極と
    を含むことを特徴とする光半導体装置。
  2. 前記ゲルマニウム層は、n型又はp型の導電型とされていることを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
  3. 前記光導波路を有する半導体層を更に含み、
    前記半導体層の一部の領域に前記ゲルマニウム層が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光半導体装置。
  4. 前記領域に形成された溝を埋め込むように前記ゲルマニウム層が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の光半導体装置。
  5. 前記領域上に前記ゲルマニウム層が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の光半導体装置。
  6. 前記光導波路上に前記ゲルマニウム層が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の光半導体装置。
  7. 前記光導波路と並んで前記ゲルマニウム層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
  8. 前記光導波路と並んで半導体層が設けられており、
    前記半導体層に形成された溝を埋め込むように前記ゲルマニウム層が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の光半導体装置。
  9. 前記光導波路と並んで半導体層が設けられており、
    前記半導体層上に前記ゲルマニウム層が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の光半導体装置。
  10. 前記光導波路上に前記ゲルマニウム層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
  11. 前記光導波路は、細線型光導波路と隣接するリング型光導波路であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の光半導体装置。
  12. 第1の光素子集積基板と第2の光素子集積基板とが光学的に接続されてなる光半導体モジュールであって、
    前記第1の光素子集積基板は、発振波長の異なる複数のレーザと、前記各レーザに対応した複数の光変調器と、光合波器とを有し、
    前記第2の光素子集積基板は、前記各レーザに対応した複数の光分波器と、前記各光分波器の対応した複数の受光器とを有し、
    前記光変調器及び前記光分波器の少なくとも一方は、
    ゲルマニウムを主成分とするゲルマニウム層と、
    前記ゲルマニウム層と電気的に接続された電極と
    を備えたヒータを含むことを特徴とする光半導体モジュール。
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