JP2017145476A - 三次元造形装置、及び三次元造形方法 - Google Patents

三次元造形装置、及び三次元造形方法 Download PDF

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紳也 安田
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【課題】テーブルの開口部と造形壁との固着の防止を図ることが可能な三次元造形装置を提供する。【解決手段】三次元造形装置100は、層が積層される造形ステージ112と、造形ステージ112の外周に配置される側壁108と、造形ステージ112の上の積層305を加熱するヒータ114とを備える。また、造形ステージ112の上方に配置され、側壁108よりも内側で開口して層が形成される開口部113Aを有するテーブル113を備える。制御部200は、造形ステージ112の上の層にレーザービームLBを照射して三次元造形物を形成すると共に開口部113Aの内側に隣接して造形壁を形成して、層の厚み分について造形ステージを下降させる各層造形処理を繰り返し実行する。そして、造形ステージ112が下降するに際して、開口部113Aの凹凸形状が開口部113Aと造形壁との切離しを補助する。【選択図】図1

Description

本発明は、三次元造形物を造形する三次元造形装置、及び三次元造形方法に関する。
近年、いわゆる3Dプリンタと呼ばれる三次元造形技術の開発が進められている。三次元造形技術のひとつとして、粉末床溶融結合方式がある。粉末床溶融結合方式は、造形ステージ上に敷かれた金属粉体の層をレーザ光のエネルギーにより選択的に溶融結合することで硬化層を形成し、その硬化層を積層させ三次元造形を行う方式である。このような粉末床溶融結合方式では、レーザ光により硬化層の積層を繰り返し行うため、造形ステージが昇降する必要がある。
また、粉末床溶融結合方式を用いた三次元造形物の造形時には、金属粉体の層をレーザ光により溶融結合するため、造形中の三次元造形物にあって溶融部分と造形後(溶融後)の部分との温度差が生じ易い。このような温度差が生じると、三次元造形物に熱変形が生じる虞があり、高精度に三次元造形物を造形することの妨げとなる。
上記のように三次元造形物に温度差が生じることを防止するため、特許文献1には、造形ステージの周囲の側壁に加熱用のヒータを設けることが提案されている。このものは、加熱用のヒータで造形中の三次元造形物を融点以下の温度範囲で予備加熱することにより、レーザ光で新たに溶融結合する部分と造形後の部分との温度差を減らし、熱変形の低減を図っている。
一方、特許文献2には、三次元造形物の造形に際して金属粉体の無駄を少なくするため、三次元造形物の造形と共にその周囲に造形壁を造形するものが提案されている。このように三次元造形物の周囲に造形壁を造形することで、造形ステージの上面全体に層を形成する必要を無くし、造形の時に使用する粉体の量の低減が図られている。
特許第4866145号公報 特許第5452072号公報
上記のように、造形ステージの周囲の側壁に配置したヒータで三次元造形物を加熱する場合には、できるだけ三次元造形物における溶融部分と溶融後の部分との温度差を小さくすることが望ましい。しかしながら、ヒータにより溶融後の部分を溶融部分の温度に近づけようとすると、ヒータにより造形ステージの周囲の側壁を高温に上げる必要が生じる。たとえ側壁の温度が融点以下の温度であっても、金属粉体が高温となると、その側壁の近傍にある金属粉体の原子が拡散して接合してしまう(いわゆる拡散接合を生じてしまう)。このように側壁に金属粉体が接合してしまうと、特に側壁と造形ステージとの間で固着が生じ、造形ステージの昇降ができなくなる。このような造形ステージの側壁に対する固着を防止しようとすると、結局は予備加熱の温度を下げることになり、三次元造形物の高精度化が図れないことになる。
そのため、三次元造形物の周囲に造形壁を造形し、かつ造形壁と側壁とを接触させないことで、上述のような固着の防止を図ることが考えられる。しかし、このように造形壁を造形する場合でも、層を崩さずに形成するためには、造形壁から側壁の方に金属粉体が崩れて落下しないように構成する必要がある。これを実現するためには、層を形成するための開口部を有するテーブルを設け、その開口部に層を形成し、さらに開口部に隣接して造形壁を造形する必要がある。しかしながら、テーブルの開口部の近くに造形壁を溶融しつつ造形することになるので、テーブルの開口部と造形壁とが固着してしまう虞があるという問題があった。
そこで本発明は、テーブルの開口部と造形壁との固着の防止を図ることが可能な三次元造形装置、及び三次元造形方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る三次元造形装置は、原料粉体の層を形成する層形成手段と、昇降可能に構成され、前記層が積層されるステージと、前記ステージに形成された層にエネルギービームを照射するビーム照射手段と、前記ステージの昇降方向の外周に配置される側壁と、前記側壁に配置され、前記ステージの上の積層を加熱する加熱手段と、前記ステージの上方に配置され、前記側壁よりも内側で開口して前記層形成手段により層が形成される開口部を有するテーブルと、前記層を形成し、前記ステージの上の層にエネルギービームを照射して三次元造形物を形成すると共に前記開口部の内側に隣接して造形壁を形成して、前記層の厚み分について前記ステージを下降させる各層造形処理を繰り返し実行するように、前記層形成手段、前記ビーム照射手段、及び前記ステージを制御する制御部と、前記ステージが下降するに際して、前記開口部と前記造形壁との切離しを補助する切離し補助手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る三次元造形方法は、昇降可能なステージの外周に配置されて前記ステージの上の積層を加熱する加熱手段を有する側壁、よりも内側で開口したテーブルの開口部を介して前記ステージの上に原料粉体の層を形成する層形成工程と、前記ステージに形成された層にエネルギービームを照射して三次元造形物を形成すると共に前記開口部の内側に隣接して造形壁を形成する造形工程と、切離し補助手段により前記開口部と前記造形壁との切離しを補助しながら、前記ステージを前記層の厚みに合わせて下降させる下降工程と、を備え、前記各工程を繰り返し実行することにより三次元造形物を造形することを特徴とする。
本発明によると、三次元造形物を形成する際に、側壁よりも内側で開口するテーブルの開口部に隣接して造形壁を形成するので、側壁と造形壁とを離すことができる。このため、側壁に配置された加熱手段でステージの上の積層を例えば拡散接合が生じる温度以上に加熱しても、側壁と積層とが固着することを防止できる。これにより、ステージが昇降不能となってしまうことを防止することができ、かつ三次元造形物を高精度に造形することを可能とすることができる。そして、切離し補助手段によりテーブルの開口部と造形壁との切離しを補助するので、ステージを下降させる際に開口部と造形壁との切離しを容易にでき、開口部と造形壁との固着の防止を図ることができる。
本実施の形態に係る三次元造形装置の構成を示す説明図である。 造形容器の構成を示す説明図である。 第1の実施の形態に係る切離し補助手段を示す模式図で、(a)は模式平面図、(b)は模式断面図である。 三次元造形物の造形工程を示すフローチャートである。 層形成時における造形容器を示す説明図で、(a)は本実施の形態の層形成時の説明図、(b)は変形例の層形成時の説明図である。 1層目のレーザービーム加熱形成時における造形容器を示す説明図である。 2層目のレーザービーム加熱形成時における造形容器を示す説明図である。 テーブルの構成の変形例を示す模式図で、(a)はテーブルを二層構造で構成した場合の模式断面図、(b)はテーパ面を開口部の上端から設けた場合の模式断面図、(c)は開口部の垂直面を層より短くした場合の模式断面図である。 第2の実施の形態に係る切離し補助手段を示す模式図で、(a)は模式平面図、(b)は模式断面図である。 第3の実施の形態に係る切離し補助手段を示す模式図で、(a)は模式平面図、(b)は模式断面図である。
<第1の実施の形態>
[三次元造形装置の概略構成]
以下、本発明に係る第1の実施の形態について、図1乃至図8を用いて説明する。図1は本実施の形態に係る三次元造形装置の構成を示す説明図、図2は造形容器の構成を示す説明図である。また、図3は第1の実施の形態に係る切離し補助手段を示す模式図で、(a)は模式平面図、(b)は模式断面図である。また、図4は三次元造形物の造形工程を示すフローチャートである。また、図5は層形成時における造形容器を示す説明図で、(a)は本実施の形態の層形成時の説明図、(b)は変形例の層形成時の説明図である。また、図6は1層目のレーザービーム加熱形成時における造形容器を示す説明図で、図7は2層目のレーザービーム加熱形成時における造形容器を示す説明図である。そして、図8はテーブルの構成の変形例を示す模式図で、(a)はテーブルを二層構造で構成した場合の模式断面図、(b)はテーパ面を開口部の上端から設けた場合の模式断面図、(c)は開口部の垂直面を層より短くした場合の模式断面図である。
まず、三次元造形装置100の概略構成を図1に用いて説明する。図1に示すように、三次元造形装置100は、金属製の原料紛体を粉末床溶融結合方式で三次元造形する、いわゆる3Dプリンタである。容器101は、例えばステンレス等の金属製で形成され、密閉可能である。容器101には、真空計208が接続されており、容器101内の圧力を検知可能に構成されている。排気機構103は、容器101内を減圧可能に構成されており、主に酸素を減少させるため、容器101内を排気する。また、排気機構103は、容器101との接続部に開口量を調整可能な開口調整弁を有する。制御部200は、後述のガス供給機構102によって容器101に気体を供給しつつ真空計208の出力に応じて開口調整弁を調整することで、容器101内を所望の雰囲気と真空度に制御することができる。
一方、ガス供給機構102は、例えば金属製の原料紛体を窒化処理する場合には窒素ガスと水素ガスの混合ガスを容器101内に供給する。ガス供給機構102は、窒素ガスと水素ガスを任意の混合割合で容器101内に供給可能である。なお、ガス供給機構を2箇所に設け、窒素ガスと水素ガスとを別々に供給するようにしてもよい。また、ガス供給機構102は、例えば金属製の原料紛体を炭化処理する場合にはアセチレンガスなどの単一ガスを容器101内に供給してもよいし、不活性ガスとアセチレンガスとを混合して供給してもよい。さらには、原料紛体の酸化をクリーニングする目的で水素ガスだけを供給するようにしてもよいし、水素ガスと不活性ガスとを混合して供給してもよい。
造形容器107は、造形室109の内側にステージの一例である造形ステージ112が昇降可能に配置されている。昇降機構111は、不図示のモータとこのモータにより回転駆動されるボールネジとを有しており、造形ステージ112を支持する支持軸115を上下方向に伸縮させることで造形ステージ112を昇降させる。これにより、昇降機構111は、後述する層形成機構105により形成される原料紛体の層の厚みに対応させた任意のピッチで造形ステージ112を段階的に下降させることができる。また、造形ステージ112と容器101の底面との間には、支持軸115の外周を覆う金属製のベローズ116が配置されている。このベローズ116は、造形ステージ112と容器101の底面とに対してシールされており、詳しくは後述するように原料紛体が造形ステージ112と側壁108との間から落下しても、原料紛体が容器101から漏れ出ないように構成されている。なお、容器101の底面に溜まった原料紛体は三次元造形を行っていないときなどに定期的に(例えば数週間〜数か月程度の期間で)清掃する。
図1及び図2に示すように、造形容器107の造形室109を形成する側壁108は、造形ステージ112の昇降方向の外周に配置されている。側壁108には、加熱手段の一例であるヒータ114が埋め込まれて設けられており、薄い層300が積み重ねられて構成される積層305を加熱(予備加熱)可能となっている。なお、例えば造形ステージ112には不図示の温度センサが設けられており、制御部200は、温度センサの検出結果に基づいてヒータ114を制御することで積層305を所望の温度に管理する。また、ヒータ114は、例えば赤外線等により積層305を加熱できるもので、金属ヒータやカーボンヒータ等を用いる。
また、造形容器107の側壁108の上部には、造形ステージ112の上方を開口し、かつ側壁108よりも内側で上下方向に貫通して開口する開口部113Aを有するテーブル113が配置されている。即ち、テーブル113の開口部113Aの縁部は、造形室109を構成する側壁108よりも造形室109の内側方向に突出している。また、本実施の形態では、造形ステージ112の上面がテーブル113の上面と一致する位置まで上昇できるように、開口部113Aと造形ステージ112との水平方向の大きさが同じ、つまり水平方向の断面積が同じとなるように構成されている。このため、造形ステージ112は、開口部113Aが内側に突出している分だけ、側壁108との間に隙間120を有して離れていることになる。
なお、造形ステージ112の側面の形状を詳しくは後述するテーブル113の開口部113Aの側面の形状と合わせて構成することで、造形ステージ112の水平方向の大きさを開口部113Aの大きさよりも大きくしてもよい。さらには、造形ステージ112と側壁108とを隙間なく接触するようにしてもよい。これらの場合、開口部113Aの縁部から落下した原料紛体が造形ステージ112の上面に溜まることが考えられるが、何らかの気体で吹き飛ばしたり、或いは吸引したりするようにしてもよい。このような気体の噴出口や吸引口は、造形ステージ112に内蔵させるようにすることが考えられる。
一方、層形成手段の一例である層形成機構105は、テーブル113の上方を水平方向に移動可能に構成されており、開口部113Aを介して造形ステージ112の上に原料紛体の層300を形成する。原料粉体は、造形室109の水平方向の近傍に配置された不図示の原料室に蓄積されており、原料室の上方に押し出された一層分以上の原料紛体を層形成機構105で押遣って開口部113Aの中に一定厚さの原料粉体の層300を形成する。また、層形成機構105は、造形ステージ112の上に形成された層300を造形ステージ112が一層分降下させることで、次の層300を積層させる。なお、開口部113Aに入らずに余った原料紛体は、テーブル113の縁より外側に層形成機構105で押し出して落下させる。
ビーム照射手段の一例である走査加熱機構106は、層300にエネルギービームの一例であるレーザービームLBを照射する。走査加熱機構106は、光源110で発生させたレーザービームLBを透明な照射窓106eを介してガルバノミラー106mで走査することにより、層300における入力データに応じた固形化領域をレーザービームのスポットで加熱する。
走査加熱機構106は、造形容器107の造形室109の上面の層300を、レーザービームによって加熱し、ほぼ瞬時に溶融して下層の固体組織と一体に固形化させる。これにより、造形室109の上面の層300の所望の領域を溶融して固形化することができる。このとき、レーザービーム加熱成形処理中も積層305(特に三次元造形物301)の温度を、例えば造形していない粉体である非造形部分303において溶融を生じず、かつなるべく溶融する温度に近い温度にすることが望ましい。即ち、例えば原料紛体がSUS316であれば、1370〜1400°C以下でなるべく高い温度が望ましい。このため、本実施の形態では、上述のように隙間120を設けることで、積層305と側壁108とが原料紛体の拡散接合で固着してしまう虞がないので、積層305の温度を原料紛体が拡散接合を生じる温度以上(例えば600°C以上)に維持する。積層305の温度を高く保つことで、三次元造形物301の溶融状態のばらつきを減らすと共に溶融部分と溶融後(造形後)の部分との温度差を低減し、高精度の三次元造形物301を造形することが可能となる。なお、積層305における非造形部分303では、原料紛体が拡散接合することになるが、三次元造形が終了した後、非造形部分303を削ったり崩したりすることで、三次元造形物301を所望の形状で得ることができる。
制御部200は、CPU205、RAM206、及びROM207を有している。ROM207から呼び出したプロセスの制御プログラムをRAM206に保持することで、CPU205は、三次元造形のプロセスコントローラとして機能する。ユーザーは、表示部202に表示される各種の情報を視認しながら、操作部201を介して三次元造形装置100を操作する。また、制御部200は、上述した光源110、走査加熱機構106、ガス供給機構102、排気機構103、層形成機構105、及び昇降機構111を制御し、三次元造形のプロセスを実行する。
[テーブルの開口部の形状]
次に、本第1の実施の形態に係る切離し補助手段としてのテーブル113の開口部113Aの形状について図3に用いて説明する。なお、図3(a)に示す模式平面図及び図3(b)に示す模式断面図は、テーブル113の一部を切取って示したもので、テーブル113の全体像は貫通して形成された孔が上方視で矩形状(例えば正方形)の開口部113Aとして視認できる板状の部材である。
図3(b)に示すように、テーブル113の開口部113Aは、上方部分が垂直方向に形成された垂直部113Aaと下方側に向けて水平方向の断面積が大きくなる傾斜面であるテーパ形状のテーパ部113Abとを有する形状で構成されている。垂直部113Aaの厚みは、層300(図2参照)の厚みと同じか、それ以上の厚みに形成されている。これにより層300が形成された際に垂直部113Aaが層300の側面を覆い、原料紛体が落下し難くなる。また、図3(a)及び図3(b)に示すように、垂直部113Aaは、山部113aと谷部113bとの形成方向が垂直方向に並んでいる、いわゆる鋸形状の凹凸形状に形成されている。このように形成することで、垂直部113Aaを平面状に形成する場合に比して、詳しくは後述する開口部113Aに隣接して形成される造形壁302に隣接する部分の面積を減らすことができる。即ち、造形壁302と垂直部113Aaとは、僅かな隙間を存して対向し、特に山部113aが造形壁302に隣接(或いは近接)している状態となる。しかしながら、谷部113bが山部113aに比して造形壁302から遠ざかることになるので、上記隣接する部分の面積としては低減されている。さらに、造形壁302を溶融する際に、熱量が山部113aに流入することになるが、谷部113bに向けて熱が拡散する。このため、テーブル113の開口部113Aの全体としての温度上昇が小さくなる。これにより、造形壁302と開口部113Aとの間の僅かな隙間にある原料紛体の温度上昇が抑えられ、拡散接合が生じ難くなる。
なお、垂直部113Aaの山部113aと谷部113bとの形成方向は、垂直方向に限らず、水平方向であっても、垂直方向に対して傾斜した方向であっても上記造形壁302に隣接する部分の面積を減じる目的ではどのような方向でもよい。しかしながら、造形壁302を形成した際に溶融されなかった原料紛体が谷部113bに存在する可能性がある。このとき、山部113aと谷部113bとの形成方向が垂直方向或いはそれに近い方向であると、谷部113bにある原料紛体が下方に落下し易くなり、谷部113bに溜まり難くなるので望ましい。また、テーブル113の開口部113Aのうちの下方側にあるテーパ部113Abは、下方側に向けて広がっていることになるので、原料紛体の落下を妨げず、つまり開口部113Aに原料紛体が溜まることを防止している。
[三次元造形の工程]
図4に示すように、制御部200は、プロセス開始を指令されると、排気機構103を作動させて容器101内を排気する。続いて、容器101内の圧力が例えば1×10−2Paに達すると、ガス供給機構102による気体供給を開始して窒素ガスと水素ガスの混合気体の供給を開始する。そして、容器101内の圧力を大気圧未満のプロセス圧力(例えば10kPa)に調整し、三次元造形を行うための雰囲気を調整する(雰囲気調整工程)(S11)。
次に制御部200は、ヒータ114をオンし、造形室109の予備加熱を開始する(予備加熱開始工程)(S12)。なお、制御部200は、造形ステージ112に配置された不図示の温度センサが検出した温度に応じて、この後に層300が積み重ねられて構成される積層305が溶融を生じない温度になるようヒータ114を制御する。
続けて制御部200は、昇降機構111を作動させて造形ステージ112を下降させ、造形ステージ112の上にあってテーブル113の開口部113Aに囲まれた領域に、層300の形成余地を形成する。そして、図5(a)に示すように、層形成機構105を作動させて原料粉体の層300を形成する(層形成工程)(S13)。この際、ヒータ114により層300が加熱されることで、容器101内にある水素が金属製の原料紛体の表面を脱酸素してクリーニングし、窒素により原料紛体の窒化が進む。
なお、図5(b)に示す変形例のように、原料紛体の層300を形成する際、テーブル113の上に例えば1mm程度の原料紛体の層を形成しておいてもよい。即ち、層形成機構105が層を形成する平面方向と造形ステージ112の平面方向との平行度が僅かにずれている場合、層300の平行度や平面度の精度が良好でなくなる虞がある。そのため、層形成機構105により造形ステージ112及びテーブル113の上に例えば1mm程度の原料紛体の層を形成しておくと、その層の上面の平行度や平面度は、層形成機構105の平面方向に倣って合わせられる。これにより、特に2層目以降は、その上に層が形成されることになり、形成される層300の平行度や平面度を高精度にすることができる。また、その後にレーザービームLBにより造形が行われる層300が、テーブル113の開口部113Aから例えば1mm分の距離で離れる。このため、開口部113Aに造形による熱量が流入し難くなり、開口部113Aと造形壁302との拡散接合の防止を図ることができる。
次に制御部200は、走査加熱機構106及び光源110を作動させて、層300のレーザービーム加熱成形処理を実行する(S14)。このレーザービーム成形処理(造形工程)では、走査加熱機構106及び光源110を作動させて、図6に示すように、造形ステージ112上の層300の原料紛体における所望の固形化領域にレーザービームLBを照射して溶融し、その部分を固形化する。この際、制御部200は、固形化領域として、三次元造形物301を造形する領域と、テーブル113の開口部113Aの内側に隣接して造形壁302を造形する領域とにレーザービームLBを照射する。つまり、1つの層300に対するレーザービーム成形処理の内で、三次元造形物301の1層分と造形壁302の1層分とを溶融して固形化する。
また、造形壁302はテーブル113の開口部113Aの内側に隣接して造形されるので、テーブル113の開口部113Aと造形壁302との間には僅かな隙間を存するだけで造形壁302が造形される。このため、次の層300が形成される際に、テーブル113の開口部113Aと造形壁302との間から原料紛体が落下し難くなる。さらに、造形壁302と造形容器107の側壁108との間は、隙間120によって離間している。このため、ヒータ114により層300(積層305)を、拡散接合が生じる温度で予備加熱しても、造形壁302と造形容器107の側壁108とが固着することはない。
次に、図4に示すように、制御部200は、層300の1層分のレーザービーム加熱成形処理が終了すると、昇降機構111により造形ステージ112を1層分下降させる下降処理(下降工程)を実行する(S15)。この際、層300における造形壁302の領域が溶融され、その領域がテーブル113の開口部113Aに隣接しているので、造形壁302と開口部113Aとの間には原料紛体が存在している。しかしながら、上述したように開口部113Aの垂直部113Aaには、山部113aと谷部113bとが形成されて凹凸形状となっているので(図3参照)、開口部113Aと造形壁302との間の原料紛体の温度上昇が抑えられ、拡散接合し難くなっている。これにより、昇降機構111により造形ステージ112の下降処理を実行する際、造形壁302とテーブル113の開口部113Aとの切離しは、接触面積の減少により補助される。従って、造形ステージ112と造形壁302とが固着していても、造形ステージ112の下降処理の実行が不可能となることが防止される。なお、造形ステージ112には、造形プレートを設置し、その上に三次元造形物301や造形壁302を造形してもよい。この場合も造形プレートが造形ステージ112に固定されるので、造形壁302がテーブル113に固着すると造形ステージ112の下降処理の実行が不可能になる虞がある。しかしながら、本実施の形態では、造形壁302とテーブル113の開口部113Aとの切離しが補助されるので、造形ステージ112の下降処理が不可能となることが防止される。
上記下降処理が終了すると、制御部200は、三次元造形物301の成形に必要な積層回数に達しているか否かを判定し(S16)、積層回数が終了していない場合には(S16のNo)、ステップS13に戻り、次の層形成に移行する。なお、このステップS13からステップS16までの処理を各層の造形処理とする。
次の層形成が行われ、造形ステージ112の上に2層目の層が形成されると、ステップS14に進み、図7に示すように、2層目の層300のレーザービーム加熱成形処理を実行する。この2層目のレーザービーム加熱成形処理において、制御部200は、三次元造形物301を造形する領域では、三次元造形物301の形状に応じた領域にレーザービームLBを照射する。また、造形壁302を造形する領域では、1層目の層と同じ領域にレーザービームLBを照射する。そして、2層目のレーザービーム加熱成形処理が終了すると、上述のように開口部113Aの垂直部113Aaの形状により造形壁302杜の切離しが補助されつつ、昇降機構111により造形ステージ112を1層分下降させる(S15)。
そして、以上のような層の積層を繰り返し、例えば数mm程度の積層が行われても、各層で造形壁302が形成されているため、造形壁302とテーブル113の開口部113Aとの間から原料紛体が落下し難い。その後、三次元造形物301の形成に必要な積層回数に達すると(S16のYes)、制御部200は、ヒータ114をオフして予備加熱を停止する(予備加熱停止工程)(S17)。そして、制御部200は、容器101内のガスを排出してから容器101内に外気を供給し(大気復帰工程)(S18)、表示部202を通じて三次元造形物301の取り出しを許可する。
なお、以上の三次元造形の工程実行中に、造形壁302とテーブル113の開口部113Aとの間にあって、特に谷部113bにある原料紛体が落下することがある。しかし、図2に示すように造形ステージ112の断面方向の大きさは、テーブル113の開口部113Aとほぼ同じ大きさに形成されている。即ち、造形ステージ112と造形容器107の側壁108との間が、側壁108と造形壁302との間の隙間120と同じ距離で離れている。そのため、落下した原料紛体が造形ステージ112よりも下に落下するので、側壁108と造形ステージ112との間に挟まって、それらを固着してしまうことが防止されている。また、造形ステージ112よりも下に落下した原料紛体は、図1に示すように、容器101の底部分に溜まるが、ベローズ116によってシールされるので容器101から外部に漏れ出ることはない。容器101の底部分に溜まった原料紛体は、三次元造形の工程が終了した状態で定期的に清掃することで取り除かれる。
以上説明したように、三次元造形物301を形成する際に、側壁108よりも内側で開口するテーブル113の開口部113Aに隣接して造形壁302を形成するので、側壁108と造形壁302とを離すことができる。このため、側壁108に配置されたヒータ114で造形ステージ112の上の積層305を例えば溶融が生じる手前でかつ拡散接合が生じる温度に加熱しても、側壁108と積層305(即ち造形壁302)とが固着することを防止できる。これにより、造形ステージ112が昇降不能となってしまうことを防止することができ、かつ三次元造形物301を高精度に造形することを可能とすることができる。そして、第1の実施の形態では切離し補助手段としてテーブル113の開口部113Aの凹凸形状により、開口部113Aと造形壁302との切離しを補助する。このため、造形ステージ112を下降させる際に開口部113Aと造形壁302との切離しを容易にでき、開口部113Aと造形壁302との固着の防止を図ることができ、造形ステージ112が昇降不能となってしまうことを防止することができる。
また、テーブル113の開口部113Aは、厚み方向の上方側より下方側が水平方向の断面積が大きくなる形状に形成されている。つまり開口部113Aは、その側面にあって、厚み方向の上部に垂直方向に向けて形成された垂直部113Aaと、厚み方向の下部に下方側に向けて水平方向の断面積が大きくなるテーパ部113Abとを有している。このため、造形壁302(或いは造形ステージ112)と開口部113Aとの接触面積が小さくなり、造形ステージ112を下降させる際の切離しが容易になると共に、それらの間から原料紛体が落下することを妨げないようにすることができる。
また、造形ステージ112も、水平方向に対して側壁108との間に隙間120を存する大きさで構成されている。このため、ヒータ114で造形ステージ112の上の積層305を例えば溶融が生じる手前でかつ拡散接合が生じる温度に加熱しても、側壁108と造形ステージ112とが固着することを防止できる。
[テーブルの構成の変形例1]
ついで、テーブル113の構成を変更した変形例について図8に用いて説明する。変形例1として図8(a)にテーブル413の構成を示す。テーブル413は、いわゆる2層構造で構成したものであり、上方側に配置されて開口部413Aの上部を構成する薄板414と、薄板414の下方側に配置されて薄板414を支持すると共に開口部413Aの下部を構成する支持板415とを有している。支持板415の開口部415Aである開口部413Aの下部は、垂直方向から視て薄板414の開口部414Aである開口部413Aの上部の範囲に対して外側に位置している。つまり上方から視て薄板414の開口部414Aの方が狭く、支持板415の開口部415Aの方が外側に広がっている。言い換えると、開口部413Aの下部は、開口部413Aの上部より水平方向の断面積が大きいことになる。
具体的に薄板414は、一枚の平板で構成され、上方から視て矩形状で貫通して形成された開口部414Aを有している。薄板414の厚みは、層300の1層分よりも薄い厚みで構成することで、造形壁302(造形ステージ112)に対して隣接する部分の面積を小さくでき、固着し難くすることができる。また、薄板414の開口部414Aの側面は、造形壁302(造形ステージ112)に対して隣接する部分の面積が小さいので平面状でも構わないが、上述した開口部113Aのように凹凸形状を形成しておいてもよい。
一方の支持板415も、矩形状で貫通して形成された開口部415Aを有する一枚の平板で構成され、かつ薄板414よりも厚みが厚く構成されており、薄板414を下方から支持している。即ち、薄板414は厚みが薄いので撓み易いが、薄板414が支持板415によって下方から支持されることで平面度を維持するように構成されている。支持板415自体は、造形容器107の側壁108によって支持されている。支持板415の開口部415Aは、垂直方向に形成された垂直面415aと、下方側に向けて水平方向の断面積が大きくなるテーパ形状のテーパ面415bとを有している。垂直面415aは、薄板414の開口部414Aに近い方が薄板414の撓みを防止する補強機能として有効だが、近すぎると造形壁302(或いは造形ステージ112)に固着し易くなるので、薄板414の剛性に応じて適宜な距離に設定するとよい。また、支持板415がテーパ面415bを有していることで、原料紛体の落下を妨げないように構成されている。
このようにテーブル413を2層構造とすることで、薄板414を薄くでき、造形壁302(或いは造形ステージ112)に対向して配置される薄板414の開口部414Aの側面の面積を小さくすることができる。これにより、開口部414Aへの熱量の流入を小さくして温度上昇を抑えることができて、開口部414Aと造形壁302との間にある原料紛体の拡散接合を低減できる。このため、造形ステージ112の下降時におけるテーブル413の開口部413Aと造形壁302(或いは造形ステージ112)との切離しを補助することができる。また、薄板414よりも厚みの厚い支持板415によって薄板414を支持することで、薄板414の平面度を維持することができる。
[テーブルの構成の変形例2]
次に変形例2として図8(b)にテーブル513の構成を示す。テーブル513は、一枚の平板で構成され(1層構造で構成され)、貫通して形成された開口部513Aを有している。この開口部513Aは、下方側に向けて水平方向の断面積が大きくなるテーパ形状のテーパ面513aで構成されており、つまり垂直方向の垂直面を有していない構成となっている。このように開口部513Aを構成することで、造形壁302(或いは造形ステージ112)に対向する部分が鋭角形状となり、造形壁302(或いは造形ステージ112)に対して隣接する部分の面積を小さくできる。これにより、開口部513Aへの熱量の流入を小さくして温度上昇を抑えることができて、開口部513Aと造形壁302との間にある原料紛体の拡散接合を低減できる。このため、造形ステージ112の下降時におけるテーブル513の開口部513Aと造形壁302(或いは造形ステージ112)との切離しを補助することができる。また、テーブル513がテーパ面513aを有していることで、原料紛体の落下を妨げないように構成することができ、かつテーブル513の開口部513Aの付近の厚みが薄くなったとしても剛性が維持でき、テーブル513の平面度を維持することができる。
[テーブルの構成の変形例3]
次に変形例3として図8(c)にテーブル613の構成を示す。テーブル613は、図3に示すテーブル113と同様に、上方部分が垂直方向に形成された垂直部613Aaと下方側に向けて水平方向の断面積が大きくなる傾斜面であるテーパ形状のテーパ部613Abとを有する形状で構成されている。図3に示すテーブル113と異なり、垂直部613Aaの厚みを層300の1層分よりも薄い厚みで構成することで、造形壁302(造形ステージ112)に対して隣接する部分の面積を小さくできる。これにより、開口部613Aへの熱量の流入を小さくして温度上昇を抑えることができて、開口部613Aと造形壁302との間にある原料紛体の拡散接合を低減できる。このため、造形ステージ112の下降時におけるテーブル613の開口部613Aと造形壁302(或いは造形ステージ112)との切離しを補助することができる。また、テーブル613がテーパ部613Abを有していることで、原料紛体の落下を妨げないように構成することができ、かつテーブル613の開口部613Aの付近の厚みが薄くなったとしても剛性が維持でき、テーブル613の平面度を維持することができる。
<第2の実施の形態>
ついで、第1の実施の形態を一部変更した第2の実施の形態について図9に用いて説明する。図9は第2の実施の形態に係る切離し補助手段を示す模式図で、(a)は模式平面図、(b)は模式断面図である。なお、図9(a)に示す模式平面図及び図9(b)に示す模式断面図も、テーブル213の一部を切取って示したもので、テーブル213の全体像は貫通して形成された孔が上方視で矩形状(例えば正方形)の開口部213Aとして視認できる板状の部材である。
本第2の実施の形態は、造形ステージ112の下降時におけるテーブルと造形壁302(造形ステージ112)との切離しを補助する切離し補助手段として、テーブル213に冷却機能を追加したものである。具体的にテーブル213は、図9(a)及び図9(b)に示すように、第1の実施の形態のテーブル113と同様な構成の開口部213Aを有している。即ち、テーブル213の開口部213Aは、上方部分が垂直方向に形成された垂直部213Aaと下方側に向けて水平方向の断面積が大きくなる傾斜面であるテーパ形状のテーパ部213Abとを有する形状で構成されている。
そして、テーブル213は、内部に冷媒を循環させる循環路213aが冷却手段の一例として形成されており、循環路213aは、外部から開口部213Aの近傍まで周回して外部に戻る循環経路を構成している。循環路213aの供給側は、不図示の冷媒ポンプに接続されてテーブル213の外部から冷媒が供給される。また循環路213aの排出側は、熱交換器等の冷媒を冷却するクーラントに接続されている。従って、循環路213aを流れる冷媒は、循環路213aに供給され、開口部213Aの近傍を通ってクーラントに送られた後、再度冷媒ポンプに還流される。なお、図9(a)及び図9(b)では、1つの循環路213aを示しているが、テーブル213全体には、複数の循環路213aが並設されて、開口部213Aをなるべく均一に冷却するように構成されている。また、冷媒としては、例えば水、油などの液体を用いることが現実的である。さらに、テーブル213を冷却する手法としては、テーブル213を金属製で構成し、ペルチェ素子などを用いて冷却することも可能である。要するに、テーブル213、特に開口部213Aを冷却できれば、どのような構成でもよい。
このようにテーブル213を冷却することで開口部213Aの温度上昇を抑えられる。このため、ヒータ114で積層305を高温で予備加熱した状態で、造形壁302(造形ステージ112)との間にある原料紛体の温度上昇を抑えることができるので拡散接合が生じることを低減できる。これにより、造形ステージ112の下降時においてテーブル213の開口部213Aと造形壁302(造形ステージ112)との切離しを補助することができる。このため、造形ステージ112を下降させる際に開口部213Aと造形壁302との切離しを容易にでき、開口部213Aと造形壁302との固着の防止を図ることができ、造形ステージ112が昇降不能となってしまうことを防止することができる。
なお、これ以外の第2の実施の形態における構成、作用、効果は、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
<第3の実施の形態>
ついで、第1の実施の形態を一部変更した第3の実施の形態について図10に用いて説明する。図10は第3の実施の形態に係る切離し補助手段を示す模式図で、(a)は模式平面図、(b)は模式断面図である。なお、図10(a)に示す模式平面図及び図10(b)に示す模式断面図において、テーブル113及び側壁108の一部を切取って示しているが、これらは第1の実施の形態と同様な構成である。
本第3の実施の形態は、造形ステージ112の下降時におけるテーブル113と造形壁302(造形ステージ112)との切離しを補助する切離し補助手段の一例としてガス供給機構102(図1参照)を造形容器107の底部分に接続して構成したものである。そして、気体を開口部113Aと造形壁302との間に流すように供給するものである。具体的には、造形容器107の底部分に気体を噴き出して供給する供給口(不図示)を設け、造形容器107の側壁108と造形ステージ112との間の隙間120を通過させて、矢印Wで示すように開口部113Aと造形壁302との間に供給する。この気体は、例えばアルゴンなどの不活性ガスであってもよいが、例えば原料紛体を窒化処理する場合には、水素ガスや窒素ガス或いはそれらの混合気体などを供給しても良いし、例えば原料紛体を炭化処理する場合には、アセチレンガスなどを供給しても良い。不活性ガスを供給する場合には、ガス供給機構102とは別の気体供給機構を設けてもよい。さらに、ガス供給機構102は、例えばベローズ116の内部を通して造形ステージ112に接続し、造形ステージ112の側面或いは下面から吹き出すようにしてもよい。
このように気体を供給することで、テーブル113の開口部113Aと造形壁302との間にある原料紛体を吹き飛ばして清掃でき、かつ開口部113Aを冷却することもできるので、拡散接合を防止できる。これにより、造形ステージ112の下降時においてテーブル113の開口部113Aと造形壁302(造形ステージ112)との切離しを補助することができる。このため、造形ステージ112を下降させる際に開口部113Aと造形壁302との切離しを容易にでき、開口部113Aと造形壁302との固着の防止を図ることができ、造形ステージ112が昇降不能となってしまうことを防止することができる。
なお、これ以外の第3の実施の形態における構成、作用、効果は、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
<その他の実施の形態の可能性>
なお、以上説明した第1乃至第3の実施の形態においては、原料紛体として金属粉体を用いることを前提として説明したが、原料紛体は樹脂やセラミックなどであってもよく、どのような原料紛体であっても構わない。
また、以上説明した第1の実施の形態では切離し補助手段として開口部の形状を、第2の実施の形態では切離し補助手段として冷却手段を、第3の実施の形態では切離し補助手段として気体供給手段を説明したが、これらは自在に組合せて用いることができる。
100…三次元造形装置:102…切離し補助手段、気体供給手段(ガス供給機構):105…層形成手段(層形成機構):106…ビーム照射手段(走査加熱機構):108…側壁:112…ステージ(造形ステージ):113…テーブル:113A…開口部:113Aa…垂直部:113Ab…テーパ部:113a,113b…切離し補助手段、凹凸形状(山部、谷部):114…加熱手段(ヒータ):200…制御部:213…テーブル:213A…開口部:213Aa…垂直部:213Ab…テーパ部:213a…切離し補助手段、冷却手段(循環路):300…層:301…三次元造形物:302…造形壁:413…テーブル:413A…開口部:414…薄板:415…支持板:513…テーブル:513A…開口部:613…テーブル:613A…開口部:613Aa…垂直部:613Ab…テーパ部:LB…エネルギービーム(レーザービーム)

Claims (11)

  1. 原料粉体の層を形成する層形成手段と、
    昇降可能に構成され、前記層が積層されるステージと、
    前記ステージに形成された層にエネルギービームを照射するビーム照射手段と、
    前記ステージの昇降方向の外周に配置される側壁と、
    前記側壁に配置され、前記ステージの上の積層を加熱する加熱手段と、
    前記ステージの上方に配置され、前記側壁よりも内側で開口して前記層形成手段により層が形成される開口部を有するテーブルと、
    前記層を形成し、前記ステージの上の層にエネルギービームを照射して三次元造形物を形成すると共に前記開口部の内側に隣接して造形壁を形成して、前記層の厚み分について前記ステージを下降させる各層の造形処理を繰り返し実行するように、前記層形成手段、前記ビーム照射手段、及び前記ステージを制御する制御部と、
    前記ステージが下降するに際して、前記開口部と前記造形壁との切離しを補助する切離し補助手段と、を備える、
    ことを特徴とする三次元造形装置。
  2. 前記切離し補助手段は、前記テーブルの開口部の内側の側面に形成された凹凸形状である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の三次元造形装置。
  3. 前記切離し補助手段は、前記テーブルの開口部を冷却する冷却手段である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の三次元造形装置。
  4. 前記切離し補助手段は、前記開口部と前記造形壁との間に気体を供給して通過させる気体供給手段である、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の三次元造形装置。
  5. 前記テーブルの開口部は、厚み方向の上方側より下方側が水平方向の断面積が大きくなる形状に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の三次元造形装置。
  6. 前記テーブルの開口部は、その側面にあって、厚み方向の上部に垂直方向に向けて形成された垂直部と、厚み方向の下部に下方側に向けて水平方向の断面積が大きくなるテーパ部と、を有する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の三次元造形装置。
  7. 前記垂直部は、その厚みが前記層形成手段により層よりも薄い、
    ことを特徴とする請求項6に記載の三次元造形装置。
  8. 前記テーブルは、上方側に配置されて前記開口部の上部を構成する薄板と、前記薄板の下方側に配置されて前記薄板を支持すると共に前記開口部の下部を構成する支持板と、を有し、前記開口部の下部は、垂直方向から視て前記開口部の上部の外側に位置して前記開口部の上部より水平方向の断面積が大きい、
    ことを特徴とする請求項5に記載の三次元造形装置。
  9. 前記テーブルの開口部は、その側面の全体が、厚み方向の下方側に向けて断面積が大きくなるテーパ形状に形成されている、
    ことを特徴とする請求項5に記載の三次元造形装置。
  10. 前記ステージは、水平方向に対して前記側壁との間に隙間を存する大きさで構成されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の三次元造形装置。
  11. 昇降可能なステージの外周に配置されて前記ステージの上の積層を加熱する加熱手段を有する側壁、よりも内側で開口したテーブルの開口部を介して前記ステージの上に原料粉体の層を形成する層形成工程と、
    前記ステージに形成された層にエネルギービームを照射して三次元造形物を形成すると共に前記開口部の内側に隣接して造形壁を形成する造形工程と、
    切離し補助手段により前記開口部と前記造形壁との切離しを補助しながら、前記ステージを前記層の厚みに合わせて下降させる下降工程と、を備え、
    前記各工程を繰り返し実行することにより三次元造形物を造形する、
    ことを特徴とする三次元造形方法。
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