JP2017145344A - ポリイミド、ポリイミド溶液、樹脂フィルム、ポリイミド組成物、架橋ポリイミド、カバーレイフィルム及び回路基板 - Google Patents

ポリイミド、ポリイミド溶液、樹脂フィルム、ポリイミド組成物、架橋ポリイミド、カバーレイフィルム及び回路基板 Download PDF

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Abstract

【課題】有機溶剤に可溶であり、環状シロキサン化合物からなる揮発成分を発生させず、優れた半田耐熱性を有し、さらに繰り返し高温にさらされる使用環境でも、配線層とカバーレイフィルムとの接着力を低下させない接着剤層を形成可能なポリイミドの提供。【解決手段】式(1)で表される酸無水物と、特定の芳香族ジアミンの少なくとも1種と、を所定量含有するポリイミド。[R1及びR2は各々独立にH、C1〜6アルキル基]【選択図】なし

Description

本発明は、フレキシブルプリント配線板等の回路基板において接着剤として有用なポリイミド及びその利用に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化、省スペース化の進展に伴い、薄く軽量で、可撓性を有し、屈曲を繰り返しても優れた耐久性を持つフレキシブルプリント配線板(FPC;Flexible Printed Circuits)の需要が増大している。FPCは、限られたスペースでも立体的かつ高密度の実装が可能であるため、例えば、HDD、DVD、携帯電話等の電子機器の可動部分の配線や、ケーブル、コネクター等の部品にその用途が拡大しつつある。
FPCには、配線部分を保護する目的でカバーレイフィルムが用いられる。カバーレイフィルムは、ポリイミド樹脂などの合成樹脂製のカバーレイ用フィルム材と接着剤層とを積層して形成されている。FPCの製造においては、例えば熱プレス等の方法を用いて回路基板に接着剤層を介してカバーレイ用フィルム材を貼り付けている。接着剤層は、銅配線などの回路配線パターンとカバーレイ用フィルム材との両方に対して、高い接着性が要求される。このようなカバーレイフィルム用の接着剤として、比較的低温の熱圧着条件で加工が可能で、耐熱性などの特性に優れたものとして、シロキサンユニットを有するポリイミドとエポキシ樹脂との混合樹脂に、リン酸エステル系、フタル酸エステル系、ポリエステル系及び脂肪酸エステル系から選ばれる1種以上の可塑剤を配合してなるプリント基板用接着剤樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1)。
一方、接着フィルムに用いるポリイミドの低温貼付性、低吸湿性、熱時における接着力、耐PCT性を改善する目的で、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物と、特定構造のシロキサンジアミンとを反応させた後に、他の酸無水物及び/又は他のジアミンを反応させるポリイミドの製造方法が提案されている(例えば特許文献2)。
また、シロキサン骨格を含むポリイミドには、原料に由来する環状シロキサン化合物が含まれる場合があり、この環状シロキサン化合物が高温環境下に長期曝露されることで揮散し、電子部品における電気接点に付着することで導電不良を引き起こす可能性が懸念されている。そのため、シロキサン化合物を使用しないポリイミド接着剤の開発が望まれている。このようなポリイミド接着剤として、シロキサン化合物を使用せず、ダイマー酸から誘導される脂肪族ジアミンを原料とするポリイミド接着剤が提案されている(例えば特許文献3)。しかしながら、脂肪族系のモノマーを原料とするポリイミド接着剤は、繰り返し150℃程度の高温環境に置かれると、熱分解が生じる虞がある。
特開平10−212468号公報 特開2006−117945号公報 特開2013−1730号公報
ポリイミドは、溶液状態でイミド化をする際にゲル化が生じることがある。ゲル化が生じると、ハンドリング性が著しく低下するため、例えばカバーレイフィルム用の接着剤などの用途において、接着剤としての使用が困難となる。
また、自動車のエンジンルーム内などに配備されるFPCを使用した車載用電子機器では、繰り返し150℃程度の高温環境に置かれるため、長期間の使用でFPCのカバーレイフィルムと配線との接着力が低下し、配線保護機能が大幅に低下してしまうという問題が生じている。FPCの用途拡大に伴い、車載用電子機器に限らず、同様に過酷な温度環境でFPCが使用される場面は今後も増加していくものと予想される。このことから、高温環境で使用されるFPCにおいて、カバーレイフィルムの接着力の低下に対して対策を講ずることが強く求められている。
従って、本発明の課題は、溶剤に可溶であり、環状シロキサン化合物からなる揮発成分を発生させず、優れた半田耐熱性を有し、さらに繰り返し高温にさらされる使用環境でも、配線層とカバーレイフィルムとの接着力を低下させない接着剤層を形成可能なポリイミドを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、原料のモノマー成分として特定の芳香族ジアミンを使用することで、芳香族系ポリイミドでありながら溶剤可溶性で低温加工性に優れ、長期耐熱性も良好なポリイミドが得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明のポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸二無水物からなる酸無水物成分と、芳香族ジアミンからなるジアミン成分と、を反応させて得られるポリイミドである。
本発明のポリイミドは、下記(i)〜(v)の条件;
(i)前記酸無水物成分の100モル部に対して、
下記の一般式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物を30〜100モル部の範囲内で含有すること;
(ii)前記ジアミン成分の100モル部に対して、
下記の一般式(2)で表される芳香族ジアミン、
下記の一般式(3)で表される官能基を2つ有する芳香族ジアミン、及び
下記の一般式(4)で表される芳香族ジアミン
[但し、前記一般式(4)で表される芳香族ジアミンは、前記一般式(3)で表される官能基を2つ有する芳香族ジアミンを含まないこと]
からなる群から選ばれる少なくとも1種の芳香族ジアミンを30〜100モル部の範囲内で含有すること;
(iii)前記酸無水物成分及び前記ジアミン成分の合計100モル部に対して、
下記の一般式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物が25モル部以上であり、下記の一般式(3)で表される芳香族ジアミンが25モル部以上である場合、
下記の一般式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物及び下記の一般式(3)で表される芳香族ジアミンの合計が60モル部以上であること;
(iv)前記酸無水物成分及び前記ジアミン成分の合計100モル部に対して、
下記の一般式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物が25モル部未満であるか、又は下記の一般式(3)で表される芳香族ジアミンが25モル部未満である場合、
下記の一般式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物及び下記の一般式(3)で表される芳香族ジアミンの合計が65モル部以上であること;
(v)前記酸無水物成分及び前記ジアミン成分の合計100モル部に対して、
下記の式(5)又は(6)で表されるケトン基含有単位を、15〜85モル部の範囲内で含有すること;
を満たすことを特徴とする。
Figure 2017145344
[式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。]
Figure 2017145344
[式(2)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基を示し、Xは−O−、−S−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH)−、−CO−、−SO−、−NH−又は−NHCO−から選ばれる2価の基を示し、n及びmは独立に1〜4の整数を示す。]
Figure 2017145344
[式(3)中、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基を示し、Xは−O−、−S−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH)−、−CO−、−SO−、−NH−又は−NHCO−から選ばれる2価の基を示し、nは1〜4の整数を示す。]
Figure 2017145344
[式(4)中、R、R及びRは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基を示し、Xは−O−、−S−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH)−、−CO−、−SO−、−NH−又は−NHCO−から選ばれる2価の基を示し、n、m及びlは独立に1〜4の整数を示す。]
Figure 2017145344
Figure 2017145344
本発明のポリイミドは、前記ケトン基含有単位が酸無水物成分中に存在していてもよく、前記ケトン基含有単位を有する酸無水物成分が、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物であってもよい。
本発明のポリイミド溶液は、上記いずれかのポリイミドを有機溶剤に溶解してなるものである。
本発明の樹脂フィルムは、上記いずれかのポリイミドからなるものである。
本発明のポリイミド組成物は、下記(A)成分及び(B)成分、
(A)上記ポリイミド、
及び、
(B)少なくとも2つの第1級アミノ基を官能基として有するアミノ化合物、
を含み、
前記(A)成分中のケトン基1モルに対し、前記第1級アミノ基が合計で0.01〜1.5モルの範囲内となるように前記(B)成分を含有する。
本発明の架橋ポリイミドは、下記(A)成分及び(B)成分、
(A)上記ポリイミド、
及び、
(B)少なくとも2つの第1級アミノ基を官能基として有するアミノ化合物、
を反応させて得られる架橋ポリイミドであって、前記(A)成分のポリイミドにおけるケトン基に、前記(B)成分のアミノ基が反応してC=N結合を形成していることにより、前記ポリイミドが前記アミノ化合物によって架橋されている。
本発明の樹脂フィルムは、上記架橋ポリイミドからなるものである。
本発明のカバーレイフィルムは、接着剤層とカバーレイ用フィルム材層とを積層したカバーレイフィルムであって、
前記接着剤層が、上記架橋ポリイミドを含有するものであることを特徴とする。
本発明の回路基板は、基材と、該基材上に形成された配線層と、該配線層を被覆する上記カバーレイフィルムと、を備えている。
本発明のポリイミドは、芳香族系のポリイミドでありながら、溶剤に可溶性であるので、ハンドリング性に優れる。また、本発明のポリイミドは、原料としてシロキサン化合物を必須としないため、電子部品に悪影響を与える環状シロキサンからなる揮発成分の発生を防止できる。また、本発明のポリイミドは、芳香族系のポリイミドとすることで、繰り返し高温環境に置かれても、金属配線層との接着力を低下させない接着剤層を形成することができる。従って、本発明のポリイミドを用いて接着剤層を形成した樹脂フィルムは、半田耐熱性及び金属配線層との接着性に優れており、この樹脂フィルムをカバーレイフィルム等の用途で使用した回路基板や電子部品の信頼性も向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[ポリイミド]
本発明の一実施の形態のポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸二無水物からなる酸無水物成分と、芳香族ジアミンからなるジアミン成分と、を反応させて得られるポリイミドであって、以下(i)〜(v);
(i)前記酸無水物成分の100モル部に対して、
下記の一般式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物(以下、「酸無水物A」と記すことがある)を30〜100モル部の範囲内で含有すること;
(ii)前記ジアミン成分の100モル部に対して、
下記の一般式(2)で表される芳香族ジアミン(以下、「ジアミンA」と記すことがある)、
下記の一般式(3)で表される官能基を2つ有する芳香族ジアミン(以下、「ジアミンB」と記すことがある)、及び
下記の一般式(4)で表される芳香族ジアミン(以下、「ジアミンC」と記すことがある)
[但し、ジアミンCは、ジアミンBを含まないこと]
からなる群から選ばれる少なくとも1種の芳香族ジアミンを30〜100モル部の範囲内で含有すること;
(iii)前記酸無水物成分及び前記ジアミン成分の合計(以下、「全モノマー成分」と記すことがある)100モル部に対して、
酸無水物Aが25モル部以上であり、ジアミンBが25モル部以上である場合、
酸無水物A及びジアミンBの合計が60モル部以上であること;
(iv)全モノマー成分100モル部に対して、
酸無水物Aが25モル部未満であるか、又はジアミンBが25モル部未満である場合、
酸無水物A及びジアミンBの合計が65モル部以上であること;
(v)全モノマー成分100モル部に対して、
下記の式(5)又は(6)で表されるケトン基含有単位を、15〜85モル部の範囲内で含有すること;
の条件を満たすポリイミドによって構成されている。
Figure 2017145344
[式中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。]
Figure 2017145344
[式(2)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基を示し、Xは−O−、−S−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH)−、−CO−、−SO−、−NH−又は−NHCO−から選ばれる2価の基を示し、n及びmは独立に1〜4の整数を示す。]
Figure 2017145344
[式(3)中、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基を示し、Xは−O−、−S−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH)−、−CO−、−SO−、−NH−又は−NHCO−から選ばれる2価の基を示し、nは1〜4の整数を示す。]
Figure 2017145344
[式(4)中、R、R及びRは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基を示し、Xは−O−、−S−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH)−、−CO−、−SO−、−NH−又は−NHCO−から選ばれる2価の基を示し、n、m及びlは独立に1〜4の整数を示す。]
Figure 2017145344
Figure 2017145344
ポリイミドは、一般に、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミンとを反応させて製造されるので、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミンを説明することにより、本実施の形態のポリイミドの具体例が理解される。以下、好ましいポリイミドをテトラカルボン酸二無水物成分とジアミンにより説明する。
(酸無水物A)
本実施の形態のポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物中、酸無水物Aを30〜100モル%の範囲内、好ましくは50〜100モル%の範囲内で含有する。酸無水物Aは、2つのエーテル基を有するので、屈曲性に優れ、他の酸無水物のモノマーに比べて分子量が大きく、ポリイミドとしての極性基濃度を低下させるとともに、イミド基濃度を低下させるので、銅の拡散を抑制することができる。また、比較的大きな分子量であるにも関わらず、屈曲性が高いので、ポリイミドとしての弾性率を低下させ、ガラス転移温度(Tg)を低下させることができるので、低温加工性に優れたものとなる。更に、ポリイミドとしての溶解性を高めることができ、他のモノマーとの組み合わせのバリエーションが広がるので、ポリイミドの物性制御の自由度を高めることができる。このような観点から、酸無水物Aは30モル%以上とする。
本実施の形態のポリイミドは、酸無水物A以外のテトラカルボン酸二無水物成分を用いることも可能である。酸無水物A以外のテトラカルボン酸二無水物成分としては、例えばピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸無水物が好ましく例示される。また、酸無水物として、2,2',3,3'-、2,3,3',4'-又は3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4'-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、3,3'',4,4''-、2,3,3'',4''-又は2,2'',3,3''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-又は3.4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、例えば1,2,7,8-、1,2,6,7-又は1,2,9,10-フェナンスレン-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)テトラフルオロプロパン二無水物、2,3,5,6-シクロヘキサン二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、2,6-又は2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-(又は1,4,5,8-)テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-(又は2,3,6,7-)テトラカルボン酸二無水物、2,3,8,9-、3,4,9,10-、4,5,10,11-又は5,6,11,12-ペリレン-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、4,4’-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルメタン二無水物等が挙げられる。
(ジアミンA)
ジアミンAは、少なくとも2つのベンゼン環を有する芳香族ジアミンである。このジアミンAは、少なくとも1つのベンゼン環に直結したアミノ基と2価の連結基Xとがメタ位にあることでポリイミド分子間のスタッキング性の低下に寄与すると考えられる。従って、ジアミンAを用いることで、ポリイミドの可溶性が高まり、低温加工性に優れたものとなる。ここで、連結基Xは、好ましくは、−O−、−S−、−CH−、−CH(CH)−、又は−C(CH)−がよい。
ジアミンAの具体例としては、例えば3,3’-ジアミノジフェニルプロパン、3,3’-ジアミノジフェニルエタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルプロパン、3,4’-ジアミノジフェニルエタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、(3,3’-ビスアミノ)ジフェニルアミン等が挙げられる。
(ジアミンB)
ジアミンBは、少なくとも2つ、好ましくは4つ以上のベンゼン環を有する芳香族ジアミンである。このジアミンBは、末端の2つのベンゼン環に直結したアミノ基と2価の連結基Xとがメタ位にあることでポリイミド分子間のスタッキング性の低下に寄与すると考えられる。従って、ジアミンBを用いることで、ポリイミドの可溶性が高まり、低温加工性に優れたものとなる。ここで、連結基Xは、好ましくは、−O−、−S−、−CH−、−CH(CH)−、又は−C(CH)−がよい。
ジアミンBの具体例としては、例えばビス[4-(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[3-(3-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4,4'-(3-アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、2,2-ビス-[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン等が挙げられる。
(ジアミンC)
ジアミンCは、少なくとも3つのベンゼン環を有する芳香族ジアミンである。このジアミンCは、少なくとも1つのベンゼン環に直結したアミノ基と2価の連結基Xとがメタ位にあることでポリイミド分子間のスタッキング性の低下に寄与すると考えられる。従って、ジアミンCを用いることで、ポリイミドの可溶性が高まり、低温加工性に優れたものとなる。ここで、連結基Xは、好ましくは、−O−、−S−、−CH−、−CH(CH)−、又は−C(CH)−がよい。
ジアミンCの具体例としては、例えば3-[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]ベンゼンアミン、3-[3-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]ベンゼンアミン等が挙げられる。
ジアミンA、ジアミンB及びジアミンCは、ポリイミドとしての可溶性及び低温加工性を向上させる成分として重要であり、これらのジアミンの少なくとも1種を、全ジアミン成分に対し、30モル%以上、例えば30〜100モル%の範囲内とする。ここで、酸無水物Aとの配合割合を調整することで、ポリイミドとしての可溶性を担保するために、酸無水物AとジアミンBとの配合の態様において、
[1]全モノマー成分に対し、酸無水物Aが25モル%以上(すなわち、テトラカルボン酸二無水物中、酸無水物Aが50モル%以上)であり、ジアミンBが25モル%以上(すなわち、ジアミン成分中、ジアミンBが50モル%以上)である場合、全モノマー成分に対して、酸無水物A及びジアミンBの合計を60モル%以上、好ましくは90モル%以上にすること、
[2]全モノマー成分に対し、酸無水物Aが25モル%未満、好ましくは15モル%以上25モル%未満の範囲内(すなわち、テトラカルボン酸二無水物中、酸無水物Aが30モル%以上50モル%未満の範囲内)であるか、又はジアミンBが25モル%未満(すなわち、ジアミン成分中、ジアミンBが50モル%未満)である場合、全モノマー成分に対して、酸無水物A及びジアミンBの合計を65モル%以上、好ましくは75モル%以上にすること、が重要である。
本実施の形態のポリイミドは、上記以外のジアミンを用いることも可能である。上記ジアミンA、ジアミンB及びジアミンC以外のジアミンとしては、例えば4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、2’-メトキシ-4,4’-ジアミノベンズアニリド、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジヒドロキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノベンズアニリド、2,2-ビス-[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[1-(4-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4,4'-(4-アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、9,9-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、9,9-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、2,2−ビス-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’-メチレンジ-o-トルイジン、4,4’-メチレンジ-2,6-キシリジン、4,4’-メチレン-2,6-ジエチルアニリン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルエタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、ベンジジン、3,3’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメトキシベンジジン、4,4''-ジアミノ-p-テルフェニル、3,3''-ジアミノ-p-テルフェニル、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-[1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4'-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン、ビス(p-β-アミノ-t-ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(2-メチル-4-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(1,1-ジメチル-5-アミノペンチル)ベンゼン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン、2,4-ビス(β-アミノ-t-ブチル)トルエン、2,4-ジアミノトルエン、m-キシレン-2,5-ジアミン、p-キシレン-2,5-ジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノ-1,3,4-オキサジアゾール、ピペラジン等が挙げられる。
(ケトン基含有単位)
本実施の形態のポリイミドにおいて、上記の式(5)又は(6)で表されるケトン基含有骨格のいずれかを有するモノマー(以下、「モノマーA」と記すことがある)を、全モノマー成分中に15〜85モル%の範囲内、好ましくは25〜50モル%の範囲内で含有する。モノマーAは、ポリイミドの半田耐熱性を向上させるため、全モノマー成分中、15モル%以上とするが、ポリイミドの可溶性を低下させるモノマーであるので、その上限を85モル%以下とする。
モノマーAは、ジアミンでもよいし、酸無水物でもよい。モノマーAの具体例としては、例えば3,3’-ジアミノベンゾフェノン、3,4‘-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ビス[4-(4-アミノ‐α,α‐ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゾフェノン等のジアミン、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の酸無水物が挙げられる。
本実施の形態のポリイミドにおいて、上記酸無水物及びジアミンの種類や、2種以上の酸無水物又はジアミンを使用する場合のそれぞれのモル比を選定することにより、熱膨張性、接着性、ガラス転移温度等を制御することができる。
本実施の形態のポリイミドは、酸無水物A並びに上記ジアミン(ジアミンA、ジアミンB及び/又はジアミンC)を溶媒中で反応させ、前駆体樹脂を生成したのち加熱閉環させることにより製造できる。例えば、酸無水物成分とジアミン成分をほぼ等モルで有機溶媒中に溶解させて、0〜100℃の範囲内の温度で30分〜24時間撹拌し重合反応させることでポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が得られる。反応にあたっては、生成するポリアミド酸が有機溶媒中に5〜30質量%の範囲内、好ましくは10〜20質量%の範囲内となるように反応成分を溶解する。重合反応に用いる有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチル−2−ピロリドン、2−ブタノン、ジメチルスホキシド、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用して使用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の併用も可能である。また、このような有機溶剤の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応によって得られるポリアミド酸溶液の濃度が5〜30質量%程度になるような使用量に調整して用いることが好ましい。
合成されたポリアミド酸は、通常、反応溶媒溶液として使用することが有利であるが、必要により濃縮、希釈又は他の有機溶媒に置換することができる。また、ポリアミド酸は一般に溶媒可溶性に優れるので、有利に使用される。ポリアミド酸をイミド化させる方法は、特に制限されず、例えば前記溶媒中で、80〜400℃の範囲内の温度条件で1〜24時間かけて加熱するといった熱処理が好適に採用される。
本実施の形態のポリイミドは、有機溶剤に可溶である。有機溶剤は、ポリイミドを溶解できるものであれば特に限定されないが、好適な例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチル−2−ピロリドン、2−ブタノン、ジメチルスホキシド、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用して使用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の併用も可能である。
本実施の形態のポリイミドは、有機溶剤に可溶であるため、ポリイミド溶液として用いることができる。そのため、本実施の形態のポリイミドをポリイミド溶液として、基材上に塗布した後、乾燥してフィルム、シート、積層体等の成形体を形成することができる。このように、本実施の形態のポリイミドは、ポリイミド溶液として適用可能であり、種々の成形体を形成した後で高温での熱処理が必要なイミド化のステップが不要となるため、耐熱性の低い基材、部材等にポリイミド成形体を形成したい場合や、高温プロセスに不向きな用途にも幅広く適用することができる。また、本実施の形態のポリイミドは、耐熱性に優れているが、更なる耐熱性を付与するために、少なくとも2つの第1級アミノ基を官能基として有するアミノ化合物による架橋を行うことが好ましい。この詳細については後述する。
本実施の形態のポリイミドは、例えばカバーレイフィルムの接着剤として使用する場合には、銅の拡散を抑制するために完全にイミド化された構造が最も好ましい。但し、ポリイミドの一部がアミド酸となっていてもよい。そのイミド化率は、フーリエ変換赤外分光光度計(市販品:日本分光製FT/IR620)を用い、1回反射ATR法にてポリイミド薄膜の赤外線吸収スペクトルを測定することによって、1015cm−1付近のベンゼン環吸収体を基準とし、1780cm−1のイミド基に由来するC=O伸縮の吸光度から算出される。
本実施の形態のポリイミドの重量平均分子量は20,000〜200,000の範囲内が好ましく、30,000〜150,000の範囲内がより好ましい。重量平均分子量が20,000未満であると、ポリイミド溶液にした場合の流動性の制御が困難になり、また硬化物の耐熱性の低下が生じる傾向になる。一方、重量平均分子量が200,000を超えると、溶剤への可溶性を損なう傾向になる。
[架橋ポリイミド]
本実施の形態のポリイミドに、さらなる耐熱性を付与するために、少なくとも2つの第1級アミノ基を官能基として有するアミノ化合物によって、ポリイミドにおけるケトン基と前記アミノ基を反応させてC=N結合を形成させ、ポリイミドがアミノ化合物によって架橋された構造を形成することが好ましい。ポリイミドにおけるケトン基は、前記酸無水物成分と前記ジアミン成分のどちらか片方、あるいは両方に由来するものである。
架橋ポリイミドは、下記(A)成分及び(B)成分、
(A)本実施の形態のポリイミド、
及び、
(B)少なくとも2つの第1級アミノ基を官能基として有するアミノ化合物、
を反応させることによって得られる。
本実施の形態のポリイミドを上記成分(A)として用いる場合において、C=N結合の形成を有利に行うために、ケトン基を有する好ましい芳香族テトラカルボン酸無水物としては、例えば3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
(アミノ化合物)
本実施の形態のポリイミドにおいて、上記(B)成分の少なくとも2つの第1級のアミノ基を官能基として有するアミノ化合物としては、(I)ジヒドラジド化合物、(II)芳香族ジアミン、(III)脂肪族アミン等を例示することができる。
(I)ジヒドラジド化合物:
ジヒドラジド化合物としては、下記一般式(7)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2017145344
一般式(7)中、基Rは、例えば単結合、脂肪族基、芳香族基等を挙げることができる。Rとして好ましいものを、ジヒドラジド化合物の例示によって説明すると、次の化合物が挙げられる。例えば、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ二酸ジヒドラジド、4,4−ビスベンゼンジヒドラジド、1,4−ナフトエ酸ジヒドラジド、2,6−ピリジン二酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等が挙げられる。以上のジヒドラジド化合物は、単独でもよいし、2種類以上混合して用いることもできる。
(II)芳香族ジアミン:
芳香族ジアミンとしては、例えば4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2’−メトキシ−4,4’−ジアミノベンズアニリド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、ビスアニリンフルオレン等が好ましく挙げられる。さらに、芳香族ジアミンの他の例として、2,2−ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[1−(4−アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[1−(3−アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4,4’−(4−アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、ビス[4,4’−(3−アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、9,9−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−メチレンジ−o−トルイジン、4,4’−メチレンジ−2,6−キシリジン、4,4’−メチレン−2,6−ジエチルアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、3,3’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ベンジジン、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4'’−ジアミノ−p−テルフェニル、3,3'’−ジアミノ−p−テルフェニル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノピリジン、1,4−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、2,4−ジアミノトルエン、m−キシレン−2,5−ジアミン、p−キシレン−2,5−ジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、ピペラジン等を挙げることができる。以上の芳香族ジアミンは、単独でもよいし、2種類以上混合して用いることもできる。
(III)脂肪族アミン:
脂肪族アミンとしては、例えば、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルアミン等のジアミノアルカン類、トリス(2−アミノエチル)アミン、N,N’−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、ジエチレントリアミン、N−メチル−2,2’−ジアミノジエチルアミン、3,3’−ジアミノジプロピルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン等の窒素原子を含有するアミン類、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカン等の酸素原子を含有するアミン類、2,2’−チオビス(エチルアミン)等の硫黄原子を有するアミン類等を挙げることができる。以上の脂肪族アミンは、単独でもよいし、2種類以上混合して用いることもできる。
上記(I)ジヒドラジド化合物、(II)芳香族ジアミン、(III)脂肪族アミン等の少なくとも2つの第1級のアミノ基を官能基として有するアミノ化合物の中でも、特にジヒドラジド化合物が最も好ましい。ジヒドラジド化合物を使用した場合は、他のアミノ化合物を使用した場合に比べてポリイミド組成物の硬化時間を短縮させることができる。これは、ジヒドラジド化合物の第1級のアミノ基がケトン基と反応して得られる生成物が、セミカルバゾン様の分子構造となり、分子間のNH同士の水素結合による2量体構造を形成することによって生成物の安定性が向上するため、反応の平衡が生成物側に偏り、原料であるポリイミドのケトン基とジヒドラジド化合物のアミノ基を生成する方向への逆反応が起こりにくくなることに因るものと考えられる。
また、上記(I)ジヒドラジド化合物、(II)芳香族ジアミン、(III)脂肪族アミン等のアミノ化合物は、例えば(I)と(II)の組み合わせ、(I)と(III)との組み合わせ、(I)と(II)と(III)との組み合わせのように、カテゴリーを超えて2種以上組み合わせて使用することもできる。
また、(B)成分のアミノ化合物による架橋で形成される網目状の構造をより密にするという観点から、本発明で使用する(B)成分のアミノ化合物は、その分子量(アミノ化合物がオリゴマーの場合は重量平均分子量)が5,000以下であることが好ましく、より好ましくは90〜2,000、更に好ましくは100〜1,500がよい。この中でも、100〜1,000の分子量をもつアミノ化合物が特に好ましい。アミノ化合物の分子量が90未満になると、アミノ化合物の1つのアミノ基がポリイミドのケトン基をC=N結合を形成するにとどまり、残りのアミノ基の周辺が立体的に嵩高くなるために残りのアミノ基はC=N結合を形成しにくい傾向となる。
[架橋ポリイミド(硬化物)の製造]
本実施の形態の架橋ポリイミドは、上記(A)成分のポリイミドを含む樹脂溶液に、(B)成分の少なくとも2つの第1級アミノ基を官能基として有するアミノ化合物を加えて、ポリイミド中のケトン基とアミノ化合物の第1級アミノ基とを縮合反応させることにより製造される。この縮合反応により、樹脂溶液(接着剤樹脂組成物)は硬化して硬化物となる。この場合、アミノ化合物の添加量は、上記(A)成分中のケトン基1モルに対し、第1級アミノ基が合計で0.01モル〜1.5モルの範囲内、好ましくは0.05〜1.2モルの範囲内、より好ましくは0.1〜1.0モルの範囲内、最も好ましくは0.3〜0.8モルの範囲内とすることができる。ケトン基1モルに対して第1級アミノ基が合計で0.01モル未満となるようなアミノ化合物の添加量では、アミノ化合物によるポリイミドの架橋が十分ではないため、ポリイミドを含むポリイミド組成物を硬化させた後の硬化物において半田耐熱性が発現しにくい傾向となり、アミノ化合物の添加量が1.5モルを超えると未反応のアミノ化合物が熱可塑剤として作用し、同硬化物において半田耐熱性を低下させたり、高温での長期耐熱性を低下させたりする傾向がある。
また、縮合反応の条件は、(A)成分ポリイミドにおけるケトン基と(B)成分のアミノ化合物の第1級アミノ基が反応してイミン結合(C=N結合)を形成する条件であれば、特に制限されない。アミノ化合物の種類にもよるが、例えば(B)成分のアミノ化合物として脂肪族アミンを使用する場合は、常温においてもポリイミドにおけるケトン基と縮合させることが可能であるが、加熱によって縮合反応を促進することが好ましい。(B)成分のアミノ化合物として脂肪族アミンを使用する場合は、例えば60〜200℃の範囲内で加熱縮合を行うことが好ましく、芳香族アミンを使用する場合は、例えば120〜220℃の範囲内で加熱縮合を行うことが好ましい。加熱縮合の温度は、縮合によって生成する水を系外へ放出させるため、又はポリイミドの合成の後に引き続いて加熱縮合反応を行なう場合に当該縮合工程を簡略化するため等の理由で、例えば120〜220℃の範囲内が好ましく、140〜200℃の範囲内がより好ましい。反応時間は、1時間〜24時間程度が好ましく、反応の終点は、例えばフーリエ変換赤外分光光度計(市販品:日本分光製FT/IR620)を用い、赤外線吸収スペクトルを測定することによって、1670cm−1付近のポリイミドにおけるケトン基に由来する吸収ピークの減少又は消失、及び1635cm−1付近のイミン基に由来する吸収ピークの出現により確認することができる。
(A)成分のポリイミドのケトン基と(B)成分のアミノ化合物の第1級のアミノ基との加熱縮合は、例えば、
(a)ポリイミドの合成(イミド化)に引き続き、アミノ化合物を添加して加熱すること、
(b)ジアミン成分として予め過剰量のアミノ化合物を仕込んでおき、ポリイミドの合成(イミド化)に引き続き、イミド化(若しくはアミド化)に関与しない残りのアミノ化合物とともにポリイミドを加熱すること、又は、
(c)アミノ化合物を添加したポリイミドの組成物を所定の形状に加工した後(例えば任意の基材に塗布した後やフィルム状に形成した後)に加熱すること、
等によって行うことができる。
上記(b)の場合、過剰のアミノ化合物は、ポリイミドの製造時における末端置換基として酸無水物基を封止する反応に消費され、生成するポリイミドの分子量が極端に低下することがあるので、硬化物において十分な耐熱性が得られにくい傾向がある。そのため、予め過剰量のアミノ化合物を仕込む方法[上記(b)]は、本発明の効果を損なわない範囲内において適宜用いることが好ましい。アミノ化合物における少なくとも2つの第1級アミノ基を有効にケトン基と反応させてC=N結合を形成させるためには、上記(a)又は(c)のように、アミノ化合物をポリイミドの合成(イミド化)を完了した後に添加することが好ましい。上記(c)の場合、加熱縮合は、例えばアミノ化合物とポリイミドとが混合した状態の組成物によってカバーレイフィルムの接着剤層を形成する際に行う熱処理の熱や、該接着剤層を形成した後、配線層を有する回路基板に熱圧着させる際の熱などを利用して行うこともできる。
[無機フィラー]
本実施の形態の架橋ポリイミドは、任意の(C)成分として、平均粒径が2〜25μmの範囲内の板状の無機フィラーを含有することができる。(C)成分の無機フィラーを配合することによって、架橋ポリイミドを例えばカバーレイフィルムの接着剤層に利用する場合に、ガスバリア性を有する無機フィラーにより、大気中の酸素の透過が遮断される結果、銅配線の酸化と銅の拡散が抑制されて長期耐熱性を向上させることができる。(C)成分の無機フィラーとしては、例えばタルク、マイカ、セリサイト、クレイ、カオリン等の絶縁性の無機フィラーが挙げられる。
[架橋ポリイミドの作用]
本実施の形態の架橋ポリイミドおいて、上記(A)成分のポリイミドのケトン基と(B)成分のアミノ化合物の第1級アミノ基との反応は、脱水縮合反応である。つまり、ポリイミド中のケトン基の炭素原子と第1級アミノ基の窒素原子がC=N結合を形成する結果、鎖状のポリイミドがアミノ化合物によって架橋されて網目状の高分子を形成するものと考えられる。ポリイミドは分子間相互作用を生じにくいため、ポリイミドの配向制御は困難であるが、このような架橋構造が生じると、ポリイミドにおける見かけ上の高分子量化のみならず、ポリイミドの分子同士をある程度拘束することが可能になるので、ポリイミドの耐熱性が向上し、極めて優れた半田耐熱性が得られると考えられる。また、C=N結合における窒素原子近傍が立体的に嵩高くなることにより、ポリイミドに含まれる極性基の銅原子の求核能を低下させることによって、銅配線からの銅の接着剤層への拡散を抑制することができ、高温環境での使用における接着強度の低下を抑制する効果が得られるものと考えられる。このような理由により、本発明で使用するアミノ化合物は、少なくとも2つのアミノ基を有する必要があり、アミノ基の数は好ましくは2〜5、より好ましくは2〜3である。また、アミノ基を3つ以上有するアミノ化合物では、2つのアミノ基がC=N結合を形成した後の架橋構造体が立体的に嵩高くなるために、残りの未反応のアミノ基がケトン基と反応しにくくなることから、アミノ基の数は2であることが特に好ましい。さらに、上記のとおりポリイミド組成物の硬化時間を短縮するという観点では、アミノ化合物としてジヒドラジド化合物を用いることが最も好ましい。
また、本実施の形態の架橋ポリイミドは、シロキサンジアミンを使用しなくても、シロキサン構造を有するポリイミドと同等以上の柔軟性や熱に対する接着耐久性などの特性を得ることができる。このため、電子部品に悪影響を与える環状シロキサンの揮発がないシロキサンフリーの接着剤層を形成できる。なお、本発明では、ジアミン成分として、シロキサン構造を有するシロキサンジアミンを用いないことが好ましいが、その使用を完全に排除するものではない。例えば電子部品に悪影響を与えない程度の微量の揮発量に抑えることが可能であればジアミン成分としてシロキサンジアミンを併用してもよい。
[ポリイミド組成物]
本実施の形態のポリイミド組成物は、ポリイミド[(A)成分]と、少なくとも2つの第1級のアミノ基を官能基として有するアミノ化合物[(B)成分]と、を含有する。本実施の形態のポリイミド組成物は、(A)成分中のケトン基1モルに対し、第1級アミノ基が合計で0.01〜1.5モルの範囲内、好ましくは0.05〜1.2モルの範囲内、より好ましくは0.1〜1.0モルの範囲内、最も好ましくは0.3〜0.8モルの範囲内となるように(B)成分を含有することがよい。このポリイミド組成物は、(A)成分及び(B)成分を混合もしくは混練させることにより、並びに/または(A)成分及び(B)成分を含有した状態で加熱することにより、前記ポリイミドのケトン基とアミノ化合物の第1級のアミノ基とが縮合反応してC=N結合を形成する性質を有する。すなわち、ポリイミドとアミノ化合物との縮合反応によって本発明の硬化物である架橋ポリイミドに変化する。本実施の形態のポリイミド組成物において、(A)成分の重量平均分子量は10,000〜200,000が好ましく、20,000〜150,000がより好ましい。(A)成分の重量平均分子量が10,000未満であると、ポリイミド組成物を溶液にした場合の流動性の制御が困難になり、また硬化物の耐熱性の低下が生じる傾向になる。一方、重量平均分子量が200,000を超えると、溶剤への可溶性を損なう傾向になる。
また、本実施の形態のポリイミド組成物には、上記(A)成分のポリイミド、(B)成分のアミノ化合物の他に、任意成分として上記(C)成分の無機フィラーを含有することが好ましい。さらに必要に応じて、他の任意成分として可塑剤、エポキシ樹脂などの他の樹脂成分、硬化促進剤、カップリング剤、充填剤、顔料、溶剤、難燃剤などを適宜配合することができる。ただし、可塑剤には、極性基を多く含有するものがあり、それが銅配線からの銅の拡散を助長する懸念があるため、可塑剤は極力使用しないことが好ましい。
本実施の形態のポリイミド組成物に上記(C)成分以外の任意成分を配合する場合は、例えば、(A)成分のポリイミド100重量部に対し、任意成分の合計で1〜50重量部の配合量とすることが好ましく、2〜7重量部の配合量とすることがより好ましい。
以上のようにして得られる本実施の形態のポリイミド組成物は、これを用いて接着剤層を形成した場合に優れた柔軟性と熱可塑性を有するものとなり、例えばFPC、リジッド・フレックス回路基板などの配線部を保護するカバーレイフィルム用の接着剤として好ましい特性を有している。カバーレイフィルムの接着剤層として使用する場合、カバーレイ用フィルム材の片面に本実施の形態のポリイミド組成物を溶液の状態(例えば、溶剤を含有するワニス状)で塗布した後、例えば60〜220℃の温度で熱圧着させることにより、カバーレイ用フィルム材層と接着剤層を有する本発明のカバーレイフィルムを形成できる。この場合、熱圧着の際の熱を利用して(A)成分のポリイミドのケトン基と(B)成分のアミノ化合物の第1級アミノ基とを加熱縮合させることができる。また、熱圧着の際の加熱縮合が充分でない場合でも、熱圧着の後に更に熱処理を施して加熱縮合させることもできる。熱圧着後に熱処理を施す場合、熱処理温度は、例えば60〜220℃が好ましく、80〜200℃がより好ましい。また、任意の基材上に、本実施の形態のポリイミド組成物を溶液の状態(例えば、溶剤を含有するワニス状)で塗布し、例えば80〜180℃の温度で乾燥した後、剥離することにより、接着剤フィルムを形成し、この接着剤フィルムを、上記カバーレイ用フィルム材と例えば60〜220℃の温度で熱圧着させることによっても、カバーレイ用フィルム材層と接着剤層を有する本発明のカバーレイフィルムを形成できる。この場合も、熱圧着の際の熱を利用して(A)成分のポリイミドのケトン基と(B)成分のアミノ化合物の第1級アミノ基とを加熱縮合させることができる。以上のように、本実施の形態のポリイミド組成物は、(A)成分のポリイミドのケトン基と(B)成分のアミノ化合物の第1級アミノ基とが未反応の状態で種々の形態に加工して利用できる。更にまた、本実施の形態のポリイミド組成物は、任意の基材上に、スクリーン印刷により溶液の状態で被覆膜を形成し、例えば80〜180℃の温度で乾燥させて使用することもできる。好ましくは更に130〜220℃の温度で所定時間熱処理し、被覆膜を完全に硬化させることにより、硬化物を形成することもできる。
[カバーレイフィルム・ボンディングシート]
本実施の形態のカバーレイフィルムは、カバーレイフィルム材と、該カバーレイフィルム材に積層された、上記ポリイミド組成物により構成される接着剤層とを備えている。本実施の形態のカバーレイフィルムにおけるカバーレイ用フィルム材としては、限定する趣旨ではないが、例えばポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド系フィルムや、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルムなどを用いることができる。これらの中でも、優れた耐熱性を持つポリイミド系フィルムを用いることが好ましい。カバーレイ用フィルム材層の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば5μm以上100μm以下が好ましい。また、接着剤層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば10μm以上50μm以下が好ましい。
また、本実施の形態のポリイミド組成物をフィルム状に形成したものは、例えば多層FPCのボンディングシートとしても利用することができる。ボンディングシートとして用いる場合、任意の基材フィルム上に、本実施の形態のポリイミド組成物を溶液の状態で塗布し、例えば80〜180℃の温度で乾燥した後、剥離して得られる接着剤フィルムをそのままボンディングシートとして使用してもよいし、この接着剤フィルムを任意の基材フィルムと積層した状態で使用してもよい。ボンディングシートとして用いる場合も、熱圧着の際の熱を利用してポリイミドのケトン基とアミノ化合物の第1級アミノ基とを加熱縮合させることができるし、熱圧着の後に更に熱処理を施して加熱縮合させることもできる。
また、カバーレイフィルムやボンディングシートは、接着剤面に離型材を貼り合わせて離型材層を有する形態としてもよい。離型材の材質は、カバーレイフィルムやボンディングシートの形態を損なうことなく剥離可能であれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂フィルムや、これらの樹脂フィルムを紙上に積層したものなどを用いることができる。
本実施の形態のポリイミド組成物を用いて、成型し、熱処理により上記加熱縮合反応を生じさせて得られるカバーレイフィルムやボンディングシートは、(A)成分のポリイミドのケトン基と(B)成分のアミノ化合物の第1級アミノ基との反応によって得られた架橋ポリイミドを含有するため、優れた半田耐熱性を有している。より具体的には、後記実施例に示すように、半田耐熱性(乾燥)が240℃以上、好ましくは300℃以上であり、半田耐熱性(耐湿)が200℃以上、好ましくは240℃以上である。このように優れた半田耐熱性を具備することにより、半田工程で変形や剥離などの発生が防止され、製造される回路基板等の歩留まりと信頼性の向上に寄与できる。
[回路基板]
本実施の形態の回路基板は、以上のようにして得られるカバーレイフィルムやボンディングシートを備えている限り、その構成に特に制限はない。例えば、本実施の形態の回路基板の好ましい形態は、少なくとも、基材と、基材上に所定のパターンで形成された銅などの金属からなる配線層と、該配線層を覆う本実施の形態のカバーレイフィルムとを備えている。回路基板の基材としては、特に限定する趣旨ではないが、FPCの場合は、上記カバーレイ用フィルム材と同様の材質を用いることが好ましく、ポリイミド系樹脂製の基材を用いることが好ましい。
本実施の形態の回路基板は、本実施の形態のカバーレイフィルムを用いることにより、優れた柔軟性と熱可塑性を有する接着剤層が配線間に充填され、カバーレイフィルムと配線層との高い密着性が得られる。
また、本実施の形態の回路基板は、多層回路基板として構成してもよい。この場合、カバーレイフィルムだけでなく、ボンディングシートにも、本実施の形態のポリイミド組成物から得られる接着剤フィルムを用いることができる。
本実施の形態の回路基板の製造は、特に限定されるものではないが、例えば銅張積層板などの金属張積層板の金属箔を化学エッチング等の方法で所定のパターンに回路加工した後、その回路上の必要な部分にカバーレイフィルムを積層し、例えば熱プレス装置などを用いて熱圧着する方法などを挙げることができる。この場合、圧着条件は、特に限定されるものではないが、例えば、圧着温度は好ましくは130℃以上220℃以下、より好ましくは140℃以上200℃以下、圧力は0.1MPa以上4MPa以下とすることが好ましい。なお、カバーレイフィルムの状態で、(A)成分のポリイミドのケトン基と(B)成分のアミノ化合物の第1級アミノ基とが未反応である場合は、カバーレイフィルムを回路配線に熱圧着させる際の熱を利用して縮合反応を起こさせることができる。すなわち、カバーレイフィルムの接着剤層が配線層に当接するように配置し、両部材を熱圧着する工程と同時に、接着剤層中に含まれる(A)成分のポリイミドのケトン基と(B)成分のアミノ化合物の第1級のアミノ基とを縮合反応させてC=N結合を形成させることが可能である。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種測定、評価は下記によるものである。
[重量平均分子量(Mw)の測定]
重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ(東ソー株式会社製、商品名;HLC−8220GPC)により測定した。標準物質としてポリスチレンを用い、展開溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミドを用いた。
[固形分濃度の測定]
固形分濃度は、ポリイミド溶液を1.0mL測り取り、220℃に加熱した大気オーブン中で1時間加熱乾燥し、溶媒を揮発させた前後の重量比から下記式により算出した。
固形分濃度(質量%)=[(乾燥後重量)/(乾燥前重量)]×100
[粘度の測定]
粘度は、ポリイミドワニスを0.5mL測り取り、測定セルを25℃に恒温したE型粘度計(ブルックフィールド社製、商品名;DV‐II+Pro CP型)を用い、回転数;10rpm、測定時間;2分間の条件で測定した。
[接着強度の測定]
1)初期ピール強度
初期ピール強度は、幅280mm、長さ160mmに切り出した試験片の接着剤面を銅張積層板M(新日鉄住金化学社製、商品名;エスパネックスMC18−25−00FRM)の銅箔面(防錆金属を除去したもの)の上に置き、温度;180℃、圧力;2MPa、時間;2時間の条件でプレスした後、幅;10mm、長さ;80mmに切り出し、引張試験機A(東洋精機株式会社製、商品名;ストログラフ−M1)を用いて、試験片と銅張積層板Mを90°方向に50mm/分の速度で引き剥がす時の力を接着強度とする。
「優」:接着強度が1.0kN/m以上であること。
「良」:接着強度が0.6kN/m以上であること。
「可」:接着強度が0.4kN/m以上であること。
「不可」:接着強度が0.4kN/m未満であること。
2)耐熱ピール強度
耐熱ピール強度は、幅280mm、長さ160mmに切り出した試験片の接着剤面を銅張積層板Mの銅箔面(防錆金属を除去したもの)の上に置き、温度;180℃、圧力;2MPa、時間;2時間の条件でプレスした後、幅;10mm、長さ;80mmに切り出した後、試験片を150℃の温度下に静置し、1000時間後に、引張試験機Aを用いて、試験片と銅張積層板Mを90°方向に50mm/分の速度で引き剥がす時の力を接着強度とする。
[ポリイミドの可溶性の評価]
ポリイミドの可溶性は、得られたポリイミド溶液において、ポリイミドの析出又はゲル化が生じていないかを確認した。
「良」:固形分濃度が22質量%でポリイミドの析出又はゲル化が確認されないこと。
「可」:固形分濃度が22質量%でポリイミドの析出又はゲル化が確認されるが、固形分濃度が15質量%でポリイミドの析出又はゲル化が確認されないこと。
「不可」:固形分濃度が15質量%でポリイミドの析出又はゲル化が確認されること。
[ガラス転移温度(Tg)の測定]
1)方法1
ガラス転移温度は、3mm×20mmのサイズのポリイミドフィルムを、サーモメカニカルアナライザー(Bruker社製、商品名;4000SA)を用い、5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度で30℃から400℃まで昇温させ、得られた変形量プロットの変曲点からガラス転移温度(Tg)を求めた。以下、方法1で求めたTgを「Tg1」とする。
2)方法2
ガラス転移温度は、5mm×20mmのサイズのポリイミドフィルムを、粘弾性測定装置(DMA:TAインスツルメント社製、商品名;RSA3)を用いて、30℃から400℃まで昇温速度4℃/分、周波数1Hzで行い、弾性率変化が最大となる(tanδが最も大きい)温度をガラス転移温度(Tg)として評価した。以下、方法2で求めたTgを「Tg2」とする。
[半田耐熱性の評価方法]
半田耐熱性は、銅張積層板Mを回路加工して、配線幅/配線間隔(L/S)=1mm/1mmの回路が形成されたプリント基板を用意し、試験片の接着剤面をプリント基板の配線の上に置き、温度;180℃、圧力;2MPa、時間;2時間の条件でプレスした。これにより得られた銅箔付きの試験片を105℃大気雰囲気下に1時間放置した後、各評価温度に設定した半田浴中に10秒間浸漬し、その接着状態を観察して、発泡、ふくれ、剥離等の不具合の有無を確認した。耐熱性は各評価温度とも4回ずつ評価を行い、4回の評価の全てで不具合が生じない上限の温度で表現し、例えば「320℃」は、320℃の半田浴中で評価して、不具合が認められないことを意味する。
実施例及び比較例に用いた略号は、以下の化合物を示す。
BPADA:2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物
BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
APB:1,3‐ビス(3‐アミノフェノキシ)ベンゼン
BAPK:4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン
DTBAB:1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,5−ビス(ターシャリーブチル)ベンゼン
4,4'−ODA:4‐(4−アミノフェノキシ)アニリン
3,3'−ODA:3‐(3−アミノフェノキシ)アニリン
NMP:N‐メチル‐2-ピロリジノン
DMAc:N,N‐ジメチルアセトアミド
N‐12:ドデカン二酸ジヒドラジド
[実施例1]
<ポリイミド溶液の調製>
500mlのセパラブルフラスコに、6.51gのAPB(0.022モル)、20.82gのBAPK(0.052モル)、93.6gのNMP、及び93.6gのキシレンを添加し、APB及びBAPKの溶解を確認した後、38.66gのBPADA(0.074モル)、及び46.8gのNMPを添加し、室温で0.25時間混合して、ポリアミド酸溶液1’を調製した。このポリアミド酸溶液1’を190℃まで昇温し、昇温開始より5時間加熱攪拌した後にNMPを添加することで希釈し、イミド化の完結したポリイミド溶液1(固形分濃度;22質量%、粘度;12,000cP、重量平均分子量;38,000)を調製した。
<樹脂フィルムの調製>
ポリイミド溶液1を、基材に塗布し、80℃で15分間乾燥を行い、厚さ25μmの接着剤フィルム1(Tg1;180℃)を調製した。
<カバーレイフィルムの調製>
ポリイミド溶液1をポリイミドフィルム(デュポン社製、商品名;カプトン100ENS、縦×横×厚さ=200mm×300mm×25μm)の片面に塗布し、80℃で15分間乾燥を行い、接着剤層厚さ25μmのカバーレイフィルム1を調製した。カバーレイフィルム1の接着剤面を銅張積層板Mの銅箔面(防錆金属を除去したもの)の上に置き、温度180℃、圧力2MPa、時間2時間の条件でプレスした後の銅箔との初期ピール強度は0.70kN/mであった。
(比較例1)
NMPとキシレンを6:4の比率で調製した溶媒中に、BPADAの1種類の芳香族テトラカルボン酸二無水物と、DTBABの1種類のジアミンとを、1.0:1.0のモル比で配合した。当該配合比を除く条件は、実施例1と同様にして、ポリアミド酸溶液を調製後、イミド化を試みたが、加熱撹拌の際に溶液の不溶化(ゲル化)が生じた。
[実施例2]
<ポリイミド溶液の調製>
NMPとキシレンを6:4の比率で調製した溶媒中に、BPADAとBTDAの2種類の芳香族テトラカルボン酸二無水物と、APBの1種類のジアミンとを、0.9:0.1:1.0のモル比で配合した。当該配合比を除く条件は、実施例1と同様にして、ポリアミド酸溶液2’を調製後、ポリイミド溶液2(固形分濃度;22質量%、粘度;106,000cP、重量平均分子量;191,000)を調製した。
<樹脂フィルムの調製>
ポリイミド溶液2を使用し、実施例1と同様にして、厚さ25μmの接着剤フィルム2(Tg2;180℃)調製した。
<カバーレイフィルムの調製>
ポリイミド溶液2を使用し、実施例1と同様にして、カバーレイフィルム2を調製した。カバーレイフィルム2の初期ピール強度は1.07kN/m、耐熱ピール強度は0.74kN/mであった。なお、耐熱ピール強度の測定後のサンプルの剥離面は、銅箔層と接着剤層の界面であった。
<回路基板の調製>
銅張積層板Mを回路加工して、配線幅/配線間隔(L/S)=1mm/1mmの回路が形成されたプリント基板を用意し、カバーレイフィルム2をプリント基板の回路面に置き、温度180℃、圧力2MPa、時間2時間の条件でプレスし、配線基板2を調製した。半田耐熱性は230℃であった。
[実施例3]
<ポリイミド溶液の調製>
NMPとキシレンを6:4の比率で調製した溶媒中に、BPADAとBTDAの2種類の芳香族テトラカルボン酸二無水物と、APBの1種類のジアミンとを、0.7:0.3:1.0のモル比で配合した。当該配合比を除く条件は、実施例1と同様にして、ポリアミド酸溶液3’を調製後、ポリイミド溶液3(固形分濃度;15質量%、粘度;65,000cP)を調製した。
<樹脂フィルムの調製>
得られたポリイミド溶液3を使用し、実施例1と同様にして、厚さ25μmの接着剤フィルム3(Tg1;174℃)を調製した。
<カバーレイフィルムの調製>
得られたポリイミド溶液3を使用し、実施例1と同様にして、カバーレイフィルム3を調製した。カバーレイフィルム3の初期ピール強度は1.00kN/mであった。
<回路基板の調製>
カバーレイフィルム3を使用し、実施例2と同様にして、配線基板3を調製した。半田耐熱性は230℃であった。
(比較例2)
NMPとキシレンを6:4の比率で調製した溶媒中に、BPADAとBTDAの2種類の芳香族テトラカルボン酸二無水物と、APBと4,4'−ODAの2種類のジアミンとを、0.7:0.3:0.3:0.7のモル比で配合した。当該配合比を除く条件は、実施例1と同様にして、ポリアミド酸溶液を調製後、イミド化を試みたが、加熱撹拌の際に溶液の不溶化(ゲル化)が生じた。
[実施例4]
<ポリイミド溶液の作製>
NMPとキシレンを6:4の比率で調製した溶媒中に、BPADAとBTDAの2種類の芳香族テトラカルボン酸二無水物と、APBの1種類のジアミンとを、0.5:0.5:1.0のモル比で配合した。当該配合比を除く条件は、実施例1と同様にして、ポリアミド酸溶液4’を調製後、ポリイミド溶液4(固形分濃度;15質量%、粘度;8,000cP)を調製した。
<樹脂フィルムの調製>
ポリイミド溶液4を使用し、実施例1と同様にして、厚さ25μmの接着剤フィルム4(Tg1;174℃)を調製した。
<カバーレイフィルムの調製>
得られたポリイミド溶液4を使用し、実施例1と同様にして、カバーレイフィルム4を調製した。カバーレイフィルム4の初期ピール強度は0.88kN/m、耐熱ピール強度は0.67kN/mであった。
<回路基板の調製>
カバーレイフィルム4を使用し、実施例2と同様にして、配線基板4を調製した。半田耐熱性は240℃であった。
(比較例3)
NMPとキシレンを6:4の比率で調製した溶媒中に、BPADAとBTDAの2種類の芳香族テトラカルボン酸二無水物と、APBと4,4'−ODAの2種類のジアミンとを、0.5:0.5:0.6:0.4のモル比で配合した。当該配合比を除く条件は、実施例1と同様にして、ポリアミド酸溶液を調製後、イミド化を試みたが、加熱撹拌の際に溶液の不溶化(ゲル化)が生じた。
[実施例5]
<ポリイミドワニスの調製>
NMPとキシレンを6:4の比率で調製した溶媒中に、BPADAとBTDAの2種類の芳香族テトラカルボン酸二無水物と、APBの1種類のジアミンとを、0.3:0.7:1.0のモル比で配合した。当該配合比を除く条件は、実施例1と同様にして、ポリアミド酸溶液5’を調製後、ポリイミド溶液5(固形分濃度;15質量%、粘度;18,000cP)を調製した。
<樹脂フィルムの調製>
ポリイミド溶液5を使用し、実施例1と同様にして、厚さ25μmの接着剤フィルム5(Tg1;175℃)を調製した。
<カバーレイフィルムの調製>
ポリイミド溶液5を使用し、実施例1と同様にして、カバーレイフィルム5を調製した。
<回路基板の調製>
カバーレイフィルム5を使用し、実施例2と同様にして、配線基板5を調製した。半田耐熱性は240℃であった。
(比較例4)
NMPとキシレンを6:4の比率で調製した溶媒中に、BPADAとBTDAの2種類の芳香族テトラカルボン酸二無水物と、APBと4,4'−ODAの2種類のジアミンとを、0.3:0.7:0.8:0.2のモル比で配合した。当該配合比を除く条件は、実施例1と同様にして、ポリアミド酸溶液を調製後、イミド化を試みたが、加熱撹拌の際に溶液の不溶化(ゲル化)が生じた。
[実施例6]
<ポリイミド溶液の調製>
NMPとキシレンを6:4の比率で調製した溶媒中に、BPADAとBTDAの2種類の芳香族テトラカルボン酸二無水物と、APBと4,4'−ODAの2種類のジアミンとを、0.8:0.2:0.5:0.5のモル比で配合した。当該配合比を除く条件は、実施例1と同様にして、ポリアミド酸溶液6’を調製後、ポリイミド溶液6(固形分濃度;15質量%、粘度;120,000cP、重量平均分子量;138,000)を調製した。
[実施例7]
<ポリイミド溶液の調製>
NMPとキシレンを6:4の比率で調製した溶媒中に、BPADAとBTDAの2種類の芳香族テトラカルボン酸二無水物と、APBと4,4'−ODAの2種類のジアミンとを、0.6:0.4:0.6:0.4のモル比で配合した。当該配合比を除く条件は、実施例1と同様にして、ポリアミド酸溶液7’を調製後、ポリイミド溶液7(固形分濃度;15質量%、粘度;150,000cP、重量平均分子量;110,000)を調製した。
[実施例8]
<ポリイミド組成物の調製>
実施例1で調製したポリイミド溶液1の100gに、2.34gのN−12(0.0091モル)を配合し、MS撹拌装置(松尾産業社製、商品名;MS−SNB 350N)を用いて2分間撹拌混合することでポリイミド組成物8の溶液を調製した。
<樹脂フィルムの調製>
ポリイミド組成物8の溶液を使用し、実施例1と同様にして、厚さ25μmの接着剤フィルム8(Tg1;185℃)を調製した。
<カバーレイフィルムの調製>
ポリイミド組成物8の溶液を使用し、実施例1と同様にして、カバーレイフィルム8を調製した。カバーレイフィルム8の初期ピール強度は0.80kN/mであった。
<回路基板の調製>
カバーレイフィルム8を使用し、実施例2と同様にして、配線基板8を調製した。
[実施例9]
<ポリイミド組成物の調製>
実施例3で調製したポリイミド溶液3の100gに、0.124gのN−12(0.0005モル)を配合し、実施例8と同様にして、ポリイミド組成物9の溶液を調製した。
<樹脂フィルムの調製>
ポリイミド組成物9の溶液を使用し、実施例1と同様にして、厚さ25μmの接着剤フィルム9を調製した。
<カバーレイフィルムの調製>
ポリイミド組成物9の溶液を使用し、実施例1と同様にして、カバーレイフィルム9を調製した。カバーレイフィルム9の初期ピール強度は1.12kN/mであった。
<回路基板の調製>
カバーレイフィルム9を使用し、実施例2と同様にして、配線基板9を調製した。半田耐熱性は260℃であった。
[実施例10]
<ポリイミド組成物の調製>
実施例3で調製したポリイミド溶液3の100gに、0.621gのN−12(0.0024モル)を配合し、実施例8と同様にして、ポリイミド組成物10の溶液を調製した。
<樹脂フィルムの調製>
ポリイミド組成物10の溶液を使用し、実施例1と同様にして、厚さ25μmの接着剤フィルム10を調製した。
<カバーレイフィルムの調製>
ポリイミド組成物10の溶液を使用し、実施例1と同様にして、カバーレイフィルム10を調製した。カバーレイフィルム10の初期ピール強度は1.30kN/mであった。
<回路基板の調製>
カバーレイフィルム10を使用し、実施例2と同様にして、配線基板10を調製した。半田耐熱性は260℃であった。
[実施例11]
<ポリイミド組成物の調製>
実施例4で調製したポリイミド溶液4の100gに、0.143gのN−12(0.0006モル)を配合し、実施例8と同様にして、ポリイミド組成物11の溶液を調製した。
<樹脂フィルムの調製>
ポリイミド組成物11の溶液を使用し、実施例1と同様にして、厚さ25μmの接着剤フィルム11(Tg1;175℃)を調製した。
<カバーレイフィルムの調製>
ポリイミド組成物11の溶液を使用し、実施例1と同様にして、カバーレイフィルム11を調製した。カバーレイフィルム11の初期ピール強度は0.87kN/m、耐熱ピール強度は0.70kN/mであった。
<回路基板の調製>
カバーレイフィルム11を使用し、実施例2と同様にして、配線基板11を調製した。半田耐熱性は280℃であった。
[実施例12]
<ポリイミド組成物の調製>
実施例4で調製したポリイミド溶液4の100gに、0.715gのN−12(0.0028モル)を配合し、実施例8と同様にして、ポリイミド組成物12の溶液を調製した。
<樹脂フィルムの調製>
ポリイミド組成物12の溶液を使用し、実施例1と同様にして、厚さ25μmの接着剤フィルム12(Tg1;174℃)を調製した。
<カバーレイフィルムの調製>
ポリイミド組成物12の溶液を使用し、実施例1と同様にして、カバーレイフィルム12を調製した。カバーレイフィルム12の初期ピール強度は1.00kN/m、耐熱ピール強度は0.70kN/mであった。
<回路基板の調製>
カバーレイフィルム12を使用し、実施例2と同様にして、配線基板12を調製した。半田耐熱性は300℃であった。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。

Claims (9)

  1. 芳香族テトラカルボン酸二無水物からなる酸無水物成分と、芳香族ジアミンからなるジアミン成分と、を反応させて得られるポリイミドであって、
    下記(i)〜(v)の条件;
    (i)前記酸無水物成分の100モル部に対して、
    下記の一般式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物を30〜100モル部の範囲内で含有すること;
    (ii)前記ジアミン成分の100モル部に対して、
    下記の一般式(2)で表される芳香族ジアミン、
    下記の一般式(3)で表される官能基を2つ有する芳香族ジアミン、及び
    下記の一般式(4)で表される芳香族ジアミン
    [但し、前記一般式(4)で表される芳香族ジアミンは、前記一般式(3)で表される官能基を2つ有する芳香族ジアミンを含まないこと]
    からなる群から選ばれる少なくとも1種の芳香族ジアミンを30〜100モル部の範囲内で含有すること;
    (iii)前記酸無水物成分及び前記ジアミン成分の合計100モル部に対して、
    下記の一般式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物が25モル部以上であり、下記の一般式(3)で表される芳香族ジアミンが25モル部以上である場合、
    下記の一般式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物及び下記の一般式(3)で表される芳香族ジアミンの合計が60モル部以上であること;
    (iv)前記酸無水物成分及び前記ジアミン成分の合計100モル部に対して、
    下記の一般式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物が25モル部未満であるか、又は下記の一般式(3)で表される芳香族ジアミンが25モル部未満である場合、
    下記の一般式(1)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物及び下記の一般式(3)で表される芳香族ジアミンの合計が65モル部以上であること;
    (v)前記酸無水物成分及び前記ジアミン成分の合計100モル部に対して、
    下記の式(5)又は(6)で表されるケトン基含有単位を、15〜85モル部の範囲内で含有すること;
    を満たすことを特徴とするポリイミド。
    Figure 2017145344
    [式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。]
    Figure 2017145344
    [式(2)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基を示し、Xは−O−、−S−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH)−、−CO−、−SO−、−NH−又は−NHCO−から選ばれる2価の基を示し、n及びmは独立に1〜4の整数を示す。]
    Figure 2017145344
    [式(3)中、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基を示し、Xは−O−、−S−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH)−、−CO−、−SO−、−NH−又は−NHCO−から選ばれる2価の基を示し、nは1〜4の整数を示す。]
    Figure 2017145344
    [式(4)中、R、R及びRは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基を示し、Xは−O−、−S−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH)−、−CO−、−SO−、−NH−又は−NHCO−から選ばれる2価の基を示し、n、m及びlは独立に1〜4の整数を示す。]
    Figure 2017145344
    Figure 2017145344
  2. 前記ケトン基含有単位が酸無水物成分中に存在し、前記ケトン基含有単位を有する酸無水物成分が、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物である請求項1に記載のポリイミド。
  3. 請求項1又は2に記載のポリイミドを有機溶剤に溶解したポリイミド溶液。
  4. 請求項1又は2に記載のポリイミドからなる樹脂フィルム。
  5. 下記(A)成分及び(B)成分、
    (A)請求項1又は2に記載のポリイミド、
    及び、
    (B)少なくとも2つの第1級アミノ基を官能基として有するアミノ化合物、
    を含み、
    前記(A)成分中のケトン基1モルに対し、前記第1級アミノ基が合計で0.01〜1.5モルの範囲内となるように前記(B)成分を含有するポリイミド組成物。
  6. 下記(A)成分及び(B)成分、
    (A)請求項1又は2に記載のポリイミド、
    及び、
    (B)少なくとも2つの第1級アミノ基を官能基として有するアミノ化合物、
    を反応させて得られる架橋ポリイミドであって、
    前記(A)成分のポリイミドにおけるケトン基に、前記(B)成分のアミノ基が反応してC=N結合を形成していることにより、前記ポリイミドが前記アミノ化合物によって架橋された架橋ポリイミド。
  7. 請求項6に記載の架橋ポリイミドからなる樹脂フィルム。
  8. 接着剤層とカバーレイ用フィルム材層とを積層したカバーレイフィルムであって、
    前記接着剤層が、請求項6に記載の架橋ポリイミドを含有するものであることを特徴とするカバーレイフィルム。
  9. 基材と、該基材上に形成された配線層と、該配線層を被覆する請求項8に記載のカバーレイフィルムと、を備えた回路基板。
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