JP2017144844A - 油圧式パークロッド駆動装置及びこれを用いた油圧式パークロック装置 - Google Patents

油圧式パークロッド駆動装置及びこれを用いた油圧式パークロック装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017144844A
JP2017144844A JP2016027280A JP2016027280A JP2017144844A JP 2017144844 A JP2017144844 A JP 2017144844A JP 2016027280 A JP2016027280 A JP 2016027280A JP 2016027280 A JP2016027280 A JP 2016027280A JP 2017144844 A JP2017144844 A JP 2017144844A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
park
rod
hydraulic pressure
hydraulic
oil chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016027280A
Other languages
English (en)
Inventor
誠 二村
Makoto Nimura
誠 二村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
JATCO Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
JATCO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd, JATCO Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2016027280A priority Critical patent/JP2017144844A/ja
Publication of JP2017144844A publication Critical patent/JP2017144844A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Gear-Shifting Mechanisms (AREA)

Abstract

【課題】油圧式パークロッド駆動装置においてパーク用とロック用との各油圧駆動系統とを共用化してシンプルな構成でコスト削減を実現する。
【解決手段】パークロッド10を前進付勢する第1リターンスプリング21と、パークロッド10に後退油圧を与える第1油室22と、パークロッド10の第1及び第2ロック溝23,24と、前進時に何れかのロック溝に係合し後退時に離脱するロックピン25と、ロックピンを前進付勢する第2リターンスプリング26と、ロックピンに後退油圧を与える第2油室27と、両油室に共通の油圧を供給する油圧供給手段30とを有し、供給油圧は可変であり、第1リターンスプリングはロックピンを後退位置に移動させる荷重以上の初期荷重を与えられ、油圧供給手段と第1油室とを接続する第1油路33bにオリフィス34が介装され、第1油路は油圧供給手段と第2油室とを接続する第2油路よりも管路抵抗が大きく設定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両を停止状態に保持する技術に関し、特に、パークロッドを駆動する油圧式パークロッド駆動装置及びこれを用いた油圧式パークロック装置に関するものである。
車両を停止状態に保持するパークロック装置(或いは、パーキングロック装置)には、車輪に動力連結された回転部材にパーキングロックギヤを結合し、パークロックギヤの歯溝にパークポールの凸部を噛み合わせてパークロック状態を実現するものがある。また、パークポールをその凸部がパークロックギヤの歯溝に噛み合う状態と解放する状態とに駆動するパークロッドを、油圧を用いて進退駆動するものが知られている(特許文献1,2)。
特開2013−209090号公報 特開2014−521897号公報
ところで、油圧を用いてパークロッドを油圧により進退駆動するには、パークロッドを軸方向に進退駆動する油圧駆動系統(パーク用油圧駆動系統)が必要になる。また、パークロッドをパークロック状態や解放状態に固定することも必要であり、ロック部材を駆動する油圧駆動系統(ロック用油圧駆動系統)が更に必要になる。
したがって、2つの油圧駆動系統が必要になり、構成が複雑になり、コスト増も招く。
本発明はこのような課題を解決するために創案されたもので、パーク用油圧駆動系統とロック用油圧駆動系統とを共用化してシンプルな構成でコスト削減を実現できるようにした、油圧式パークロッド駆動装置及びこれを用いた油圧式パークロック装置を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、本発明の油圧式パークロッド駆動装置は、車輪に動力連結される回転軸に固定されたパークロックギヤに係脱するパークポールを移動させるパークロッドを、前記パークポールが前記パークロックギヤに係合するパーク位置と前記パークポールが前記パークロックギヤから離脱するパーク解除位置との間で一方及び他方に進退駆動する油圧式パークロッド駆動装置であって、前記パークロッドを前記一方に付勢する第1リターンスプリングと、前記パークロッドを前記他方に付勢する油圧を与える第1油室と、前記パークロッドの外周に、互いに進退方向に離隔して形成された第1ロック溝及び第2ロック溝と、前記パークロッドの進退方向と交差する方向に移動して、前進時に前記第1ロック溝及び前記第2ロック溝の何れかに係合して前記パークロッドを固定し、後退時に前記第1ロック溝及び前記第2ロック溝から離脱して前記パークロッドの固定を解除するロックピンと、前記ロックピンを前進方向に付勢する第2リターンスプリングと、前記ロックピンを後退方向に付勢する油圧を与える第2油室と、前記第1油室及び前記第2油室に共通の油圧を供給する油圧供給手段と、を有し、前記油圧供給手段は、供給する油圧を可変に構成され、前記第1リターンスプリングは、前記ロックピンを前記第2リターンスプリングに抗して後退位置に移動させる荷重よりも大きな初期荷重を与えられ、前記油圧供給手段と前記第1油室とを接続する第1油路に介装されたオリフィスとを有し、前記第1油路は、前記油圧供給手段と前記第2油室とを接続する第2油路よりも管路抵抗が大きく設定されていることを特徴としている。
(2)前記パークロッドは、前進方向に移動すると前記パーク位置となり、後退方向に移動すると前記パーク解除位置となるように構成され、前記第1リターンスプリングは、前記パークロッドを前進方向に付勢し、前記第1油室に供給される油圧は、前記パークロッドを後退方向に付勢し、前記第1ロック溝は前記パークロッドの後退方向寄りに配置され前記パークロッドを前記パーク位置に固定するパーク位置固定溝であって、前記第2ロック溝は前記パークロッドの前進方向寄りに配置され前記パークロッドを前記パーク解除位置に固定するパーク解除位置固定溝であることが好ましい。
(3)前記パークロッドは、前記第1油室の油圧を受ける第1受圧面を有する第1ピストン部を有し、前記ロックピンは、前記第2油室の油圧を受ける第2受圧面を有する第2ピストン部を有し、前記油圧供給手段と前記第1油室との間は、共用油路と第1分岐油路とにより連通接続され、前記油圧供給手段と前記第2油室との間は、前記共用油路と第2分岐油路とにより連通接続され、前記第1分岐油路内に前記オリフィスが介装されていることが好ましい。
(4)パーク指示又はパーク解除指示に応じて前記油圧供給手段による供給油圧を制御する油圧制御手段を更に有していることが好ましい。
(5)本発明の油圧式パークロック装置は、車輪に動力連結された回転部材に結合されたパークロックギヤと、前記パークロックギヤの歯溝に係脱する凸部を有し、前記凸部が前記歯溝に係合するパーク状態と、前記凸部が前記歯溝から離脱するパーク解除状態との間で移動するパークポールと、前記パークポールを前記パーク状態とするパーク位置と、前記パークポールを前記非パーク状態とする非パーク位置との間で進退するパークロッドと、前記パークロッドを前記パーク位置と前記パーク解除位置との間で進退駆動する、(1)〜(4)の何れか1項に記載の油圧式パークロッド駆動装置とを備えていることを特徴としている。
本発明によれば、油圧供給手段からの共通の油圧を、第1油路を介して第1油室に、第2油路を介して第2油室に、それぞれ供給すると、第1油路よりも管路抵抗が小さい第2油路を介して、第2油室にまず油圧が供給されて、ロックピンを後退させパークロッドの固定を解除する。その後、例えば、オリフィスが介装されていて第2油路よりも管路抵抗が大きい第1油路を介して第1油室に供給される油圧が高まって、第1リターンスプリングの初期荷重よりも大きくなると、パークロッドがこの第1油室内の油圧によって他方に駆動され、パークロッドのパーク位置とパーク解除位置との切り替えが行なわれる。このように、管路抵抗の設定及びリターンスプリングの初期荷重の設定により、油圧供給手段によって共通の油圧を供給することで、パークロッドのパーク位置とパーク解除位置とへの進退駆動と、ロックピンの進退によりパークロッドの固定と解除とを行なうことができるので、パークロッドを進退駆動する油圧駆動系統(パーク用油圧駆動系統)と、パークロッドの固定及び解除をする油圧駆動系統(ロック用油圧駆動系統)とを共用化して、油圧駆動系統をシンプルな構成にすることができ、コスト削減を実現することができる。
実施形態に係る油圧式パークロッド駆動装置及びその制御系を示す概略構成図である。 実施形態に係る油圧式パークロック装置を示す概略構成図であり、(a)はパークポールがパーク状態にある場合を示し、(b)はパークポールが非パーク状態にある場合を示す。 実施形態に係る油圧式パークロッド駆動装置の動作を示す装置の概略構成図であり、(a)はパークロッドがパーク解除位置でアンロックからロックされる状態を、(b)はパークロッドがパーク位置とパーク解除位置との間で移動する途中の状態を、(c)はパークロッドがパーク位置でのアンロック状態を、(d)はパークロッドがパーク位置でのロック状態を、それぞれ示している。 実施形態に係る油圧式パークロッド駆動装置の油圧制御の一例を示すタイムチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することや適宜組み合わせることが可能である。
〔油圧式パークロック装置〕
図2に示すように、油圧式パークロック装置は、車輪に動力連結された回転軸に固定されると共に外周に複数の歯溝2aが形成されたパーキングロックギヤ2と、複数の歯溝2aの何れかに噛み合い係合可能な凸部4aを有し、揺動可能なパークポール4と、パークポール4を揺動させるパークロッド10とを有している。
パークポール4は、パーキングロックギヤ2に隣接して配置された棒状の部材であって、その基端部(図2中、右端部)を、ピン6によって、図2(a)に示すパーク状態と図2(b)に示す非パーク状態との間で揺動可能に支持されている。凸部4aはパークポール4の先端部(揺動端)の一側にパーキングロックギヤ2の外周に対向するように突出して形成されている。また、パークポール4先端部の他側には、後述する押圧部11と当接する当接面4bが押圧部11と対向するように形成されている。さらに、パークポール4は、図示しないリターンスプリングによって、図2中に白抜き矢印で示すように、凸部4aが歯溝2aから離脱する方向(図2中、下方)に付勢されている。
パークロッド10は、パークポール4の揺動方向と交差する方向(ここでは、略直交する方向)にその軸方向を向けて配置され、軸方向に進退移動する。パークロッド10は、パークポール4をそのリターンスプリングの付勢力に抗して、凸部4aが歯溝2aに噛み合い係合する方向(図2中、上方)に押圧するパークポール押圧部(以下、単に、押圧部とも言う)11を有している。
パークロッド10は、直線軸状に形成され、その先端(図2中、右端)側に押圧部11が設けられている。押圧部11は、径の小さい小径円筒状の小径面12aを有する軸状部12と、この軸状部12に隣接して形成され、軸状部12からテーパ状に拡径したテーパ面13aとテーパ面13aに続く径の大きい大径円筒状の大径面13bとを有する拡径部13を備えている。
さらに、パークロッド10の軸状部12を挟んでパークポール4の当接面4bと反対側にはサポート面8aを有するサポート部材8が配設されている。このサポート部材8は、軸状部12と当接するサポート面8aによって、押圧部11がパークポール4のリターンスプリングから受ける付勢力に対抗する反力を押圧部11に与えて押圧部11を支持する。
パークポール4の当接面4bは、パークロッド10の押圧部11の小径面12a,テーパ面13a,大径面13bの何れかの面が当接する。パークロッド10の小径面12aが当接面4bに当接している状態では、パークポール4の凸部4aは歯溝2aから離脱しているが、パークロッド10が軸方向前方に移動してテーパ面13aが当接面4bに当接していくと、パークポール4は次第に揺動して凸部4aが歯溝2a内に進入し始める。
パークロッド10が更に軸方向前方(図2中右方)に移動していくと、テーパ面13aによりパークポール4の先端部が押圧されて、パークポール4は揺動量(揺動角度)を増大させていき、凸部4aが歯溝2a内へさらに進入していく。大径面13bが当接面4bに当接する状態になると、凸部4aが歯溝2a内への進入を完了して、凸部4aが歯溝2a内に噛み合う係合状態になって、パークポール4がパーキングロックギヤ2を非回転に固定するパーク状態となる。
逆に、この係合状態から、パークロッド10が更に軸方向後方(図2中左方)に移動していくと、テーパ面13aの当接面4bに当接する箇所が次第に小径になり、パークポール4は揺動量(揺動角度)を減少させていき、凸部4aが歯溝2a内から離脱方向に移動する。小径面12aが当接面4bに当接する状態になると、凸部4aが歯溝2a内からの離脱を完了して、パークポール4がパーキングロックギヤ2の回転固定を解除するパーク解除状態となる。
〔油圧式パークロッド駆動装置〕
次に、本油圧式パークロック装置に装備され、パークロッド10を軸方向に進退駆動する油圧式パークロッド駆動装置20について、図1,図2を参照して説明する。
図2に示すように、パークロッド10には、上記のように、その先端側に押圧部11が設けられており、この押圧部11から基端(図1,図2中、左端)側に向かって、接続軸状部14,第1ランド部15,第2ランド部16,第3ランド部17が設けられている。第1ランド部15と第2ランド部16との間には環状溝部18が、第2ランド部16と第3ランド部17との間には環状溝部19が、それぞれ形成されている。
パークロッド10のランド部15,16,17及び環状溝部18,19が形成された部分はスプール状に形成され、この部分は、支持部材10Sに形成されたシリンダ室10C内に軸方向に可動に装備されている。第1ランド部15はピストン部として機能し、シリンダ室10C内にはこのピストン部15によって油室22が区画形成されている。ピストン部15の油室22に臨む面は油圧を受ける受圧面15aとなっており、受圧面15aで受ける油圧がパークロッド10を基端側に付勢する。パークロッド10の基端側には、リターンスプリング21が装備され、パークロッド10を先端側に付勢している。
シリンダ室10Cの外周部の軸方向所定位置には、シリンダ室10Cの軸方向(パークロッド10の進退方向)と交差する方向(ここでは、直交する方向)に軸方向を有するシリンダ状のピン収容室10Dが形成されている。ピン収容室10D内には、パークロッド10の環状溝部18,19に進入してこのパークロッド10をロック(固定)するロックピン25が軸方向に可動に装備されている。
ロックピン25はピン収容室10Dの内周面と摺接するピストン部25aを備え、ピン収容室10D内にはこのピストン部25aによって油室27が区画形成されている。ピストン部25aの油室27に臨む面は油圧を受ける受圧面25bとなっており、受圧面25bで受ける油圧がロックピン25を前記進入方向と反対側に付勢する。ロックピン25の基端側(ここでは、ピストン部25a)には、リターンスプリング26が装備され、ロックピン25を先端側(パークロッド10側)に付勢している。
環状溝部18,19は、パークロッド10をロック(固定)するロックピン25が進入し係合するロック溝として機能する。環状溝部19に形成されるものを第1ロック溝(パーク位置固定溝)23、環状溝部18に形成されるものを第2ロック溝(パーク解除位置固定溝)24とする。これらのロック溝23,24は、第2ランド部16を挟んでパークロッド10の外周に互いにパークロッド10の進退方向に離隔して形成される。
パークロッド10が前進してパークポール4を図2(a)に示すパーク状態とする位置(パーク位置)にあると、第1ロック溝23内にロックピン25が進入し係合することが可能になる。パークロッド10が後退してパークポール4を図2(b)に示す非パーク状態とする位置(パーク解除位置)にあると、第1ロック溝23内にロックピン25が進入し係合することが可能になる。
シリンダ室10C内の油室(第1油室)22と、ピン収容室10D内の油室(第2油室)27とに油圧を供給するために、油圧供給装置(油圧供給手段)30が備えられている。この油圧供給装置30は、オイルポンプ31と、オイルポンプ31と油路33aを介して連通された圧力制御弁32とを備えている。圧力制御弁32は、オイルポンプ31からの吐出圧を適宜圧力調整して、油室22,27へ供給をする。本実施形態では、圧力制御弁32は、高圧と中圧との2段階の圧力による油圧供給状態と、各油室22,27内の油をリークさせる油圧供給停止状態との3つの何れかに設定できる。
圧力制御弁32は、油路(共用油路)33bと油路(第1分岐油路)33cとからなる第1油路を介して第1油室22と連通接続され、油路(共用油路)33bと油路(第2分岐油路)33dとからなる第2油路を介して第2油室27と連通接続されている。つまり、共用油路33bの下流は第1分岐油路33cと第2分岐油路33dとに分岐しており、第1分岐油路33cの先に第1油室22が、第2分岐油路33dの先に第2油室27が、それぞれ接続されている。
したがって、第1油室22及び第2油室27には、圧力制御弁32で調圧された同圧の油圧が供給されるようになっている。ただし、第1分岐油路33cには、オリフィス34が介装されているので、第1油路33b,33cは、第2油路33b,33dよりも管路抵抗が大きく設定されている。このため、第1油室22内の油圧は供給される油圧の変化に対して緩やかに時間を掛けて変化する。一方、第2分岐油路33dには、オリフィスが介装されていないので、第2油路33b,33dは、第1油路33b,33cよりも管路抵抗が小さく設定されている。このため、第2油室27内の油圧は供給される油圧の変化に対して速やかに変化する。
また、第1リターンスプリング21及び第2リターンスプリング26は、何れも圧縮状態に初期荷重を与えられて装備されている。ただし、第1リターンスプリング21の初期荷重は、ロックピン25を第2リターンスプリング26に抗して後退位置に移動させる荷重(即ち、第2リターンスプリング26の初期荷重と、第2油室27内の油圧によって加えられる荷重との和)よりも大きな値に設定されている。
そして、油圧供給装置30からの供給油圧が中圧のときには、第2油室27内の中圧の油圧が第2リターンスプリング26の初期荷重を上回りロックピン25を第2リターンスプリング26に抗して後退位置に移動させるが、第1油室22内の中圧の油圧は第1リターンスプリング21の初期荷重未満となり、パークロッド10を第1リターンスプリング21に抗して後退位置に移動させることはできない。
一方、油圧供給装置30からの供給油圧が高圧のときには、第2油室27内の高圧の油圧は当然第2リターンスプリング26の初期荷重を上回りロックピン25を第2リターンスプリング26に抗して後退位置に移動させ、第1油室22内の高圧の油圧も第1リターンスプリング21の初期荷重を上回り、パークロッド10を第1リターンスプリング21に抗して後退位置に移動させることができる。
この場合、ロックピン25が後退位置になってパークロッド10のロックが解除され、図3(a)に実線で示すように、パークロッド10が後退位置に移動して、パーク解除位置となる。この状態で、油圧供給装置30からの油圧供給を停止すると、第2油室27内の油は速やかにリークし、第1油室22内の油は緩やかに時間をかけてリークするため、パークロッド10が第1リターンスプリング21により前進側に移動を始める前に、図3(a)に二点鎖線で示すように、ロックピン25が第2リターンスプリング26により前進して第1ロック溝23に係合してパークロッド10を後退位置(パーク解除位置)に固定する(パーク解除ロック状態)。
この図3(a)に二点鎖線で示すようにパークロッド10が後退位置(パーク解除位置)に固定された状態で、油圧供給装置30から中圧の油圧を供給すると、第2油室27内の油圧は速やかに中圧状態になり、ロックピン25が第2油室27内の油圧により第2リターンスプリング26に抗して後退して第1ロック溝23から離脱し、パークロッド10の進退方向位置の固定を解除する。
これにより、パークロッド10は、図3(b)に示す中間状態を経て、図3(c)に示すように前進位置に移動する。このとき、中圧に向けて徐々に増加する第1油室22内の油圧が第1リターンスプリング21の付勢力に対抗するため、パークロッド10の移動が緩やかになり、前進位置に到達した際にショックを緩和する。
図3(c)に示すようにパークロッド10が前進位置に到達した段階で、油圧供給装置30からの油圧供給を停止すると、第2油室27内の油は速やかにリークし、図3(d)に示すように、ロックピン25が第2リターンスプリング26により前進して第1ロック溝23に係合してパークロッド10を前進位置(パーク位置)に固定する(パークロック状態)。
〔油圧式パークロッド駆動装置の制御系〕
本油圧式パークロッド駆動装置は、このようなパークロッド10及びロックピン25の油圧応答特性を用いて油圧供給装置30を制御するコントローラ(制御手段)40(図1参照)が装備されている。このコントローラ40は、図示しないパーク操作手段(周知のセレクトレバーや他の独立したパーク操作機構)によるパーク指示又はパーク解除指示に応じた信号(P:パーク指示信号、nP:パーク解除指示)が切り替わると、所定のプログラムに従って油圧供給装置30を制御する。
例えば、図3(d)に示すパークロック状態において、図4に示すように、時点t1で、パーク指示からパーク解除指示に切り替わると(P→nP)、所定の期間(時点t3まで)油圧を高圧に制御して供給する。これにより、第2油室27内の油圧が速やかに上昇して、ロックピン25がこの第2油室27内の油圧により後退して第1ロック溝23から離脱し、パークロッド10の進退方向位置の固定を解除する。パークロッド10は、緩やかに上昇する第1油室22内の油圧により後退して、時点t2で、図3(a)に実線で示す後退位置(パーク解除位置)となる。ここでは、パークロッド10は、本来の後退位置よりもさらに微小量だけ多く後退する。
時点t3で、供給油圧を停止すると、第2油室27内の油は速やかにリークし、第1油室22内の油は緩やかに時間をかけてリークするため、パークロッド10が第1リターンスプリング21により前進側に移動を始める前に、図3(a)に二点鎖線で示すように、ロックピン25が第2リターンスプリング26により前進して第2ロック溝24に係合してパークロッド10を後退位置(パーク解除位置)に固定し、パーク解除ロック状態とする。このとき、パークロッド10が第1リターンスプリング21により前進側に僅かに移動したとしても、パークロッド10は微小量だけ多く後退しているので、ロックピン25が支障なく第1ロック溝23に係合する。
そして、この図3(a)に二点鎖線で示すパーク解除ロック状態において、図4に示す時点t4で、パーク解除指示からパーク指示に切り替わると(nP→P)、所定の期間(時点t5まで)油圧を中圧に制御して供給する。これにより、第2油室27内の油圧が速やかに上昇して、ロックピン25がこの第2油室27内の油圧により後退して第2ロック溝24から離脱し、パークロッド10の進退方向位置の固定を解除する。
これにより、パークロッド10は、図3(b)に示す中間状態を経て、図3(c)に示すように前進位置に移動する。パークロッド10がこのように前進位置に移動した時点t5で、油圧供給装置30からの油圧供給を停止する。これにより、第2油室27内の油は速やかにリークし、図3(d)に示すように、ロックピン25が第2リターンスプリング26により前進して第1ロック溝23に係合してパークロッド10を前進位置(パーク位置)に固定する(パークロック状態)。
〔作用及び効果〕
本実施形態に係る油圧式パークロッド駆動装置及びこれを用いた油圧式パークロック装置は、上述のように構成されているので、以下のような作用及び効果を得ることができる。
油圧供給装置30から共通の油圧を、第1油路33b,33cを介して第1油室22に、第2油路33b,33dを介して第2油室27に、それぞれ供給すると、第1油路33b,33cよりも管路抵抗が小さい第2油路33b,33dを介して、第2油室22にまず油圧が供給される。この第2油室22内の油圧が第2リターンスプリング26の荷重よりも大きくなると、第2油室22内の油圧がロックピン25を後退させる。
第2油室22内の油圧がロックピン25を後退させている状態で、オリフィス34が介装され第2油路33b,33dよりも管路抵抗が大きい第1油路33b,33cを介して第1油室22に供給される油圧が高まっていき、この第1油室22内の油圧が第1リターンスプリング21の初期荷重よりも大きくなると、パークロッド10がこの第1油室22内の油圧によってパーク解除位置に駆動されるか或いは保持される。
また、第2油室22内の油圧がロックピン25を後退させている状態で、油圧供給装置30からの供給油圧が高められずに、第1油室22内の油圧が第1リターンスプリング21の初期荷重未満の状態が続くと、パークロッド10は第1リターンスプリング21の付勢力によってパーク位置に駆動されるか或いは保持される。
このように、第1油路33b,33cの管路抵抗の設定及び第1リターンスプリング21の初期荷重の設定により、油圧供給装置30から共通の油圧を供給することによって、パークロッド10のパーク位置とパーク解除位置とへの進退駆動と、ロックピン25の進退によりパークロッドの固定と固定解除とを行なえるので、パークロッド10を進退駆動する油圧駆動系統(パーク用油圧駆動系統)と、パークロッドの固定及び固定解除をする油圧駆動系統(ロック用油圧駆動系統)とを、共用化して、油圧駆動系統をシンプルな構成にすりことができ、コスト削減を実現することができる。
また、油圧を除去したらロックピンがスプリングの付勢力によってパークロッドをパーク状態又はパーク解除状態にロックする構成なので、パーク状態とパーク解除状態との間の切替時以外は油圧が不要であり、油圧供給装置の負担が軽減され、例えば油圧供給装置のオイルポンプの駆動に起因する車両の燃費低下を抑制できる。
また、油圧供給装置は油圧が可変であるが、高圧,中圧の2段階のシンプルな可変構成なので、油圧供給装置を簡素で低コストのものにできる。
〔その他〕
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態を本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して適用することが可能である。
例えば、上記の実施形態では、パークロッド10がパークポール4を直接揺動駆動する構成となっているが、パークロッド10が他部材を介してパークポール4を揺動駆動する構成としてもよい。
また、パーキングロックギヤ2及びパークポール4の構成も上記の実施形態のものは一例でありこれに限定されない。
さらに、第1リターンスプリングがパークロッドを付勢する方向及び第1油室内の油圧がパークロッドを付勢する方向も、上記の実施形態のものは一例でありこれに限定されない。
2 パーキングロックギヤ
2a 歯溝
4 パークポール
4a 凸部
6 ピン
8 サポート部材
10パークロッド
10C シリンダ室
10D ピン収容室
10S 支持部材
11 押圧部
12 軸状部
12a 小径面
13 拡径部
13a テーパ面
13b 大径面
14 接続軸状部
15 第1ランド部
16 第2ランド部
17 第3ランド部
18,19 環状溝部
20 油圧式パークロッド駆動装置
21 第1リターンスプリング
22 第1油室
23 第1ロック溝(パーク位置固定溝)
24 第2ロック溝(パーク解除位置固定溝)
25 ロックピン
25a ピストン部
25b 受圧面
26 第2リターンスプリング
27 第2油室
30 油圧供給装置(油圧供給手段)
31 オイルポンプ
32 圧力制御弁
33a 油路
33b 油路(第1油路,第2油路を構成する共用油路)
33c 油路(第1油路を構成する第1分岐油路)
33d 油路(第2油路を構成する第2分岐油路)
34 オリフィス
40 コントローラ(制御手段)

Claims (5)

  1. 車輪に動力連結される回転軸に固定されたパークロックギヤに係脱するパークポールを移動させるパークロッドを、前記パークポールが前記パークロックギヤに係合するパーク位置と前記パークポールが前記パークロックギヤから離脱するパーク解除位置との間で一方及び他方に進退駆動する油圧式パークロッド駆動装置であって、
    前記パークロッドを前記一方に付勢する第1リターンスプリングと、
    前記パークロッドを前記他方に付勢する油圧を与える第1油室と、
    前記パークロッドの外周に、互いに進退方向に離隔して形成された第1ロック溝及び第2ロック溝と、
    前記パークロッドの進退方向と交差する方向に移動して、前進時に前記第1ロック溝及び前記第2ロック溝の何れかに係合して前記パークロッドを固定し、後退時に前記第1ロック溝及び前記第2ロック溝から離脱して前記パークロッドの固定を解除するロックピンと、
    前記ロックピンを前進方向に付勢する第2リターンスプリングと、
    前記ロックピンを後退方向に付勢する油圧を与える第2油室と、
    前記第1油室及び前記第2油室に共通の油圧を供給する油圧供給手段と、を有し、
    前記油圧供給手段は、供給する油圧を可変に構成され、
    前記第1リターンスプリングは、前記ロックピンを前記第2リターンスプリングに抗して後退位置に移動させる荷重よりも大きな初期荷重を与えられ、
    前記油圧供給手段と前記第1油室とを接続する第1油路に介装されたオリフィスを有し、前記第1油路は、前記油圧供給手段と前記第2油室とを接続する第2油路よりも管路抵抗が大きく設定されている
    ことを特徴とする、油圧式パークロッド駆動装置。
  2. 前記パークロッドは、前進方向に移動すると前記パーク位置となり、後退方向に移動すると前記パーク解除位置となるように構成され、
    前記第1リターンスプリングは、前記パークロッドを前進方向に付勢し、
    前記第1油室に供給される油圧は、前記パークロッドを後退方向に付勢し、
    前記第1ロック溝は前記パークロッドの後退方向寄りに配置され前記パークロッドを前記パーク位置に固定するパーク位置固定溝であって、前記第2ロック溝は前記パークロッドの前進方向寄りに配置され前記パークロッドを前記パーク解除位置に固定するパーク解除位置固定溝である
    ことを特徴とする、請求項1記載の油圧式パークロッド駆動装置。
  3. 前記パークロッドは、前記第1油室の油圧を受ける第1受圧面を有する第1ピストン部を有し、
    前記ロックピンは、前記第2油室の油圧を受ける第2受圧面を有する第2ピストン部を有し、
    前記油圧供給手段と前記第1油室との間は、共用油路と第1分岐油路とにより連通接続され、
    前記油圧供給手段と前記第2油室との間は、前記共用油路と第2分岐油路とにより連通接続され、
    前記第1分岐油路内に前記オリフィスが介装されている
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の油圧式パークロッド駆動装置。
  4. パーク指示又はパーク解除指示に応じて前記油圧供給手段による供給油圧を制御する油圧制御手段を更に有している
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の油圧式パークロッド駆動装置。
  5. 車輪に動力連結された回転部材に結合されたパークロックギヤと、
    前記パークロックギヤの歯溝に係脱する凸部を有し、前記凸部が前記歯溝に係合するパーク状態と、前記凸部が前記歯溝から離脱するパーク解除状態との間で移動するパークポールと、
    前記パークポールを前記パーク状態とするパーク位置と、前記パークポールを前記非パーク状態とする非パーク位置との間で進退するパークロッドと、
    前記パークロッドを前記パーク位置と前記パーク解除位置との間で進退駆動する、請求項1〜4の何れか1項に記載の油圧式パークロッド駆動装置とを備えている
    ことを特徴とする、油圧式パークロック装置。
JP2016027280A 2016-02-16 2016-02-16 油圧式パークロッド駆動装置及びこれを用いた油圧式パークロック装置 Pending JP2017144844A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016027280A JP2017144844A (ja) 2016-02-16 2016-02-16 油圧式パークロッド駆動装置及びこれを用いた油圧式パークロック装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016027280A JP2017144844A (ja) 2016-02-16 2016-02-16 油圧式パークロッド駆動装置及びこれを用いた油圧式パークロック装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017144844A true JP2017144844A (ja) 2017-08-24

Family

ID=59681709

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016027280A Pending JP2017144844A (ja) 2016-02-16 2016-02-16 油圧式パークロッド駆動装置及びこれを用いた油圧式パークロック装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017144844A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11168754B2 (en) 2018-11-27 2021-11-09 Subaru Corporation Parking mechanism

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11168754B2 (en) 2018-11-27 2021-11-09 Subaru Corporation Parking mechanism

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5695679B2 (ja) トランスミッションのパーキングロック装置
JP5667728B2 (ja) 少なくとも1つのロックエレメントを備えた自動車パーキングロック装置
CN101255922B (zh) 压力辅助停车伺服器
JP2013024415A (ja) 駐車ブレーキのロック装置
JP2015135159A (ja) 電動アクチュエータ、および車両用ブレーキシステム
JP2010241389A (ja) 電動ブレーキ装置
JP5164895B2 (ja) 自動変速機の油圧制御装置
JP2020046043A (ja) パーキングロック装置
JP4635622B2 (ja) 常用兼駐車ブレーキ装置
JP2005113935A (ja) 自動パーキングブレーキ装置
JP2017144844A (ja) 油圧式パークロッド駆動装置及びこれを用いた油圧式パークロック装置
JP2005282613A (ja) パーキングブレーキ装置
JP2006170334A (ja) 常用兼駐車ブレーキ装置
US20160334015A1 (en) Range switching device
JP2018047825A (ja) パークロックデバイス
JP2005282607A (ja) パーキングブレーキ装置
JP6714482B2 (ja) パークロックデバイス
JP6376645B2 (ja) 電磁弁及び車両用ブレーキ液圧制御システム
JP6304267B2 (ja) 自動変速機のパーキング制御装置
JP2004190744A (ja) アクチュエータ
JPH10194112A (ja) ブレーキシステム
JP6497727B2 (ja) 電磁弁及び車両用ブレーキ液圧制御システム
JP2014196771A (ja) パーキング装置の油圧制御装置
CN103161995B (zh) 单手操作的气压控制装置
JP2010096071A (ja) 燃料噴射装置