以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付ける演出操作部550が設けられている。この演出操作部550は、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25であり、さらに、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。また、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出操作部550を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2及び図3を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2及び図3は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置(可動演出部材)44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けてのスライド移動動作(落下動作)が可能であるとともに、回転動作が可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の左方には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図5参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図5参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図5参照)により検出される。
また、始動入賞口36の左方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。
普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な開閉扉37bを備えており、この開閉扉37bは、常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図5参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図5参照)により検出される。
また、始動入賞口36の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
さらに、普図始動ゲート34の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が左側に倒れる方向に回動して開放可能になっている可動部材(図示省略)を有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図5参照)により駆動される可動部材によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図5参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、大入賞口スイッチ38aが2つ設けられ、大入賞口内に流入した遊技球は何れかの大入賞口スイッチ38aに検出されるようになっている。このように大入賞口スイッチ38aを複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。
ここで、本実施形態の遊技機10においては、センターケース40の左部にワープ装置42が設けられている。ワープ装置42は、センターケース40の外側の遊技領域32を流下する遊技球を受け入れるための左方に開口した流入口42aと、流入口42aに流入した遊技球をステージ42bへ誘導する筒状のワープ流路とを有し、当該ワープ流路を流下した遊技球はステージ42bの左端へ誘導される。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)51a及び第2特図変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)51bと、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)52と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部53,54,55とを備える。
また、一括表示装置50には、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器、時短状態報知部)57、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。なお、一括表示装置50には、更に、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。
特図1表示器51aと特図2表示器51bにおける特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器52は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。
また、普図保留表示器55は、普図表示器52の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
特図1保留表示器53は、特図1表示器51aにおいて表示される第1特図変動表示ゲームの実行権利である第1始動記憶(特図1保留)の数を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
特図2保留表示器54は、特図2表示器51bにおいて表示される第2特図変動表示ゲームの実行権利である第2始動記憶(特図2保留)の数を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
第2遊技状態表示部(時短状態報知部)57は、LEDランプ等で構成され、時短状態が発生していない通常の遊技状態の場合(変動時間短縮機能未作動時)にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合(変動時間短縮機能作動時)にはランプを点灯状態にする。
第3遊技状態表示部(確率状態表示部)58は、LEDランプ等で構成され、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、LEDランプ等で構成され、例えば、大当りに基づく特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。
図4には、演出操作部550の詳細を示した。図4(a)は、演出操作部550の平面図である。本実施形態の演出操作部550は、図4(a)に示すように、演出ボタン(プッシュボタン)25と、演出ボタン(プッシュボタン)25の上面に設けられたタッチパネル29と、を備えて構成されている。すなわち、演出操作部550は、物理的なプッシュボタン機能に加えて、タッチセンサ機能(タッチパネル機能)を有している。
そして、演出制御基板(演出制御装置)300から演出操作部550へは、感度設定データやLED輝度データなどが送信され、演出操作部550から演出制御基板(演出制御装置)300へは、演出ボタン(プッシュボタン)25が備える演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25aからのプッシュボタン信号(押圧検出信号)やタッチパネル29が備えるタッチセンサ29aからのタッチON/OFF信号(接触/非接触検出信号)が出力されるよう構成されている。
本実施形態の場合、演出ボタン(プッシュボタン)25が備える演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25aで、演出操作部550の上面に対する押圧操作(演出操作部550の上面を押して演出操作部550を押し下げる操作)を検出する。また、演出操作部550の上面には複数のポイントが設けられており、タッチパネル29が備えるタッチセンサで、演出操作部550の上面に設けられたポイントに対する接触操作を検出する。
具体的には、図4(b)に示すように、複数のポイントとして、「TSW1」〜「TSW8」ポイントと、「Pa」ポイントと、の9つのポイントが設けられている。より具体的には、演出操作部550上面の中央部に設けられた「TSW4」ポイントと、「TSW4」ポイントの左側に設けられた「TSW1」ポイントと、「TSW4」ポイントよりも奥側(遊技盤30側)に設けられた「TSW3」ポイントと、「TSW4」ポイントの右側に設けられた「TSW6」ポイントと、「TSW4」ポイントよりも手前側(遊技者側)に設けられた「TSW8」ポイントと、「TSW1」ポイントと「TSW3」ポイントとの間に設けられた「TSW2」ポイントと、「TSW3」ポイントと「TSW6」ポイントとの間に設けられた「TSW5」ポイントと、「TSW6」ポイントと「TSW8」ポイントとの間に設けられた「TSW7」ポイントと、「TSW8」ポイントと「TSW1」ポイントとの間に設けられた「Pa」ポイントと、が設けられている。なお、ポイントの数は、9つに限定されるものではなく、適宜任意に変更可能である。また、図4(b)では、便宜上、「TSW1」〜「TSW8」の各ポイントにそれぞれ「TSW1」〜「TSW8」と表記しているが、本実施形態の演出操作部550には、図4(a)に示すように、このような表記はない。
タッチパネル29のタッチセンサによって接触操作が検出可能なポイントは、「TSW1」〜「TSW8」ポイントの8つのポイントであり、「Pa」ポイントでは接触操作を検出しない。もちろん「Pa」ポイントでも接触操作を検出するようにしても良い。また、「TSW1」〜「TSW8」ポイントと「Pa」ポイントとの9つのポイント各々には、それぞれが独立した系統のLED(本実施形態の場合、フルカラーLED)が配置されている。
「Pa」ポイントは、例えば、「Pa」ポイントのLEDを一発告知用の告知ランプとして使用することや、演出操作部550上面の各ポイントのLEDをルーレットのように順次点灯させ「Pa」ポイントのLEDを“当確(または確変確定)”ポイントに使用すること、「Pa」ポイントのLEDを先読みの当確演出に使用すること等、確定系の演出に用いることができる。
ここで、演出操作部550の上面を光らせるためのLED(具体的には、「TSW1」〜「TSW8」ポイントや「Pa」ポイントなどに配置されたLED)の点灯輝度は、輝度調整(ホール設定、遊技者調整とも)の対象からは除外されている。すなわち、当該LEDの点灯輝度は、輝度調整の影響を受けず、一定となっている。また、タッチセンサは、タッチON状態(接触状態)が所定時間(例えば、約35秒間(基本設定))継続すると、強制的にタッチOFFする機能(タッチON信号の出力を停止して、タッチOFF信号を出力する機能)を有している。すなわち、タッチセンサ(タッチ検知IC)は、所定時間以上の連続した接触操作を検出できないよう構成されている。
このような演出操作部550で検出する遊技者の操作としては、例えば図4(c)に示す操作が挙げられる。「単打」は、演出操作部550の押下を1回行う操作であり、「連打」は演出操作部550の押下を所定時間以内の間隔で複数回行う操作である。「長押し」は演出操作部550を所定時間以上押下したままとする操作であり、「タッチ」はタッチパネル29に触れる操作である。「「Pa」操作(TSW1or8)+長押し」は、「Pa」ポイント又はこれに隣接する「TSW1」ポイントと「TSW8」ポイントとの2つのポイントの一方(或いは、両方)に接触した状態で長押しする操作であり、「フリック」はタッチパネル29に触れた状態のまま弾くようにスライドさせる操作である。もちろん検出する操作はこれらの操作に限られるものではない。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図5参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図5参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器55に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値を判定値に参照して当該普図変動表示ゲームの結果を決定する。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられ、LEDにより構成された変動表示部(普図表示器)52で表示されるようになっており、このLEDの点灯態様や点灯色が普通識別情報(普図、普通図柄)をなす。なお、普図表示器52を表示装置で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の開閉扉37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図5参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器53、特図2保留表示器54)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51a(変動表示装置)又は特図2表示器51b(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51a若しくは特図2表示器51bの表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。また、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51a若しくは特図2表示器51bの表示態様が小当り結果態様となった場合には、小当りとなって小当り遊技状態(いわゆる、小当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も小当り結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51a、特図2表示器51bは、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51a、特図2表示器51bを備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行(優先して実行)されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態や小当り遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態や小当り遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図5は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)が設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当り又は小当り)或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a及び大入賞口スイッチ38aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38b及び普通変動入賞装置37の開閉扉37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、図6を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、普図表示器52に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器52に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の開閉扉37bを所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(開閉扉37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51aや特図2表示器51bに、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1表示器51aや特図2表示器51bに特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の可動部材を開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51aや特図2表示器51bにはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図当り確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては開閉扉37bを開放しないように普図当り確率が0に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、例えば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、例えば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×3回)、となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行うよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定しても良く、例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば、2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図当り確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、例えば、0/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、例えば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図当り確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図7及び図8に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図9に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図7及び図8に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップS16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップS16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;Y)は、図8のステップS21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS16;Y)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS17;NもしくはステップS18;N)、チェックサムが正常でない(ステップS20;N)と判定された場合は、図8のステップS26へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図8のステップS21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS22;N)は、ステップS23,S24をスキップしてステップS25へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS22;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS23)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS24)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS25)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS25では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定のコマンド(客待ち中なら客待ちデモ画面のコマンド、それ以外なら復旧画面のコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
一方、ステップS16、S17、S18、S20からステップS26へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS26)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS27)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS28)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS29)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS30)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS30では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
ステップS31では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS31のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割り込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Y)は、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS37)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS44)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図9に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図9のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS102)。ステップS102では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS104)を行う。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS105)、乱数更新処理1(ステップS106)、乱数更新処理2(ステップS107)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS109)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS110)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS111)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップS113)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS114)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS109)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図10に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA7)。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA8)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA9)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA10)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA12)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA13)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA14)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA15)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA16)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA17)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA18)を行う。
その後、特図1表示器51aの変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図1表示器51aに係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。そして、特図2表示器51bの変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA21)、特図2表示器51bに係る図柄変動制御処理(ステップA22)を行い、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA19の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図11に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)を行って、第1始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、第1始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA106の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA103にて、第1始動口への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA104)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA105)を行う。
次に、第2始動口(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップA106)、ハード乱数取得処理(ステップA107)を行って、第2始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA108)。
ステップA108にて、第2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA108;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA108にて、第2始動口への入賞があると判定した場合(ステップA108;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA109)、普通電動役物が作動中である(ステップA109;Y)と判定すると、ステップA111の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA109にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA109;N)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA110)。
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
ステップA110にて、普電不正発生中でない(ステップA110;N)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA110にて、普電不正発生中である(ステップA110;Y)と判定した場合は、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップA102、A107)の詳細について説明する。図12に示すように、ハード乱数取得処理では、まず、第1始動口(始動入賞口36)及び第2始動口(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップA121)、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA122)。そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA122;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップA122;Y)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップA123)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップA124)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップA124;N)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップA124;Y)は、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA125)。そして、第1始動口(始動入賞口36)及び第2始動口(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップA126)、ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA105、A112)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図13に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を+1更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA135の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA135)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップA136)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA137)。続けて、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップA138)、ステップA125にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA139)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA140)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
次いで、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA142)。
ステップA142にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA142;N)には、ステップA145の処理に移行する。
一方、ステップA142にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA142;Y)には、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA143)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA144)。
次いで、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA145)、特図保留情報判定処理(ステップA146)を行う。
次いで、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段をなす。また、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA146)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図14に示すように、まず、ステップA137にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA151)。
ステップA151にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA151;N)には、ステップA154の処理に移行する。
一方、ステップA151にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA151;Y)には、特図時短中であるかを判定する(ステップA152)。
ステップA152にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA152;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA152にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA152;N)には、大当り中または小当り中であるかを判定する(ステップA153)。
ステップA153にて、大当り中または小当り中であると判定した場合(ステップA153;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA153にて、大当り中または小当り中でないと判定した場合(ステップA153;N)には、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA154)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA155;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA156)、ステップA140にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA157)、ステップA164の処理に移行する。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA155;N)は、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA158)。
ステップA158にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA158;N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、ステップA158にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA158;Y)には、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA159)を行う。そして、判定結果が小当りでない場合(ステップA160;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、判定結果が小当りである場合(ステップA160;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA161)、ステップA143にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA162)、ステップA164の処理に移行する。
そして、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備し(ステップA164)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA165)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA166)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う(ステップA167)。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA168)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA169)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA166における特図情報設定処理、ステップA167における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)の詳細について説明する。図15に示すように、大入賞口スイッチ監視処理では、まず、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるかを判定する(ステップA201)。大入賞口開放中処理中である場合(ステップA201;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、大入賞口開放中処理中でない場合(ステップA201;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「5」であるか、すなわち大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA202)。
大入賞口残存球処理中である場合は(ステップA202;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、大入賞口残存球処理中でない場合は(ステップA205;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「8」であるか、すなわち小当り中処理中であるかを判定する(ステップA203)。
小当り中処理中である場合は(ステップA204;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、小当り中処理中でない場合(ステップA203;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「9」であるか、すなわち小当り残存球処理中であるかを判定する(ステップA204)。
特図ゲーム処理タイマが「0」になるまで特図ゲーム処理番号は次に移行しないため、このように特図ゲーム処理番号によって遊技の進行状態をチェックすることができる。
小当り残存球処理中でない場合(ステップA204;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、小当り残存球処理中である場合(ステップA204;Y)は、ステップA205の処理に移行する。
そして、入賞カウンタに「0」をセットして(ステップA205)、大入賞口スイッチ1(一方の大入賞口スイッチ38a)に入力があるかを判定する(ステップA206)。
大入賞口スイッチ1に入力がない場合(ステップA206;N)は、大入賞口スイッチ2(他方の大入賞口スイッチ38a)に入力があるかを判定する(ステップA210)。また、大入賞口スイッチ1に入力がある場合(ステップA206;Y)は、大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA207)、演出コマンド設定処理(ステップA208)を行う。そして、入賞カウンタを+1更新し(ステップA209)、大入賞口スイッチ2(他方の大入賞口スイッチ38a)に入力があるかを判定する(ステップA210)。
大入賞口スイッチ2に入力がない場合(ステップA210;N)は、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(ステップA214)。また、大入賞口スイッチ2に入力がある場合(ステップA210;Y)は、大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA211)、演出コマンド設定処理(ステップA212)を行う。そして、入賞カウンタを+1更新し(ステップA213)、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(ステップA214)。
入賞カウンタの値が「0」であるかの判定(ステップA268)において、入賞カウンタの値が「0」である場合(ステップA214;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
また、入賞カウンタの値が「0」でない場合(ステップA214;N)は、大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA215)。
大入賞口残存球処理中である場合(ステップA215;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、大入賞口残存球処理中でない場合(ステップA215;N)は、小当り残存球処理中であるかを判定する(ステップA216)。
小当り残存球処理中である場合(ステップA216;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り残存球処理中でない場合(ステップA216;N)は、入賞カウンタの値(1又は2)を大入賞口カウント数に加算し(ステップA217)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば「9」)以上となったかを判定する(ステップA218)。
大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(ステップA218;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(ステップA218;Y)は、大入賞口カウント数を上限値に留め(ステップA219)、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(ステップA220)、小当り中処理中であるかを判定する(ステップA221)。小当り中処理中でない場合(ステップA221;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り中処理中である場合(ステップA221;Y)は、大入賞口制御ポインタ領域に小当り開放動作終了の値をセーブして(ステップA222)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA8)の詳細について説明する。図16に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA301)。特図2保留数が「0」である(ステップA301;Y)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA306)。そして、特図1保留数が「0」である(ステップA306;Y)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA311)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA311;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA312)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA313)、演出コマンド設定処理(ステップA314)を行い、特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)を行って、特図普段処理を終了する。一方、ステップA311にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA311;Y)は、特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA301にて、特図2保留数が「0」でない場合(ステップA301;N)は、特図2変動開始処理(ステップA302)を行い、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップA303)、演出コマンド設定処理(ステップA304)を行う。そして、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA305)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA306にて、特図1保留数が「0」でない場合(ステップA306;N)は、特図1変動開始処理(ステップA307)を行い、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップA308)、演出コマンド設定処理(ステップA309)を行う。そして、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA310)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が「0」でない場合には特図2変動開始処理(ステップA302)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図普段処理移行設定処理1〕
次に、前述の特図普段処理における特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)、後述の特図表示中処理における特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)の詳細について説明する。図17に示すように、特図普段処理移行設定処理1では、まず、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(ステップA321)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(ステップA322)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(ステップA323)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA324)、特図普段処理移行設定処理1を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA307)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図18に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA331)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA332)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA333)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA334)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA335)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA336)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA337)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA302)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図18に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
図19に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA341)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA344)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
図20には、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA332)を示した。この大当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ領域にはずれ情報をセーブして(ステップA351)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップA352)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA353)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップA354)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA355)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップA355)の判定結果が大当りである場合(ステップA356;Y)は、ステップA352にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップA357)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップA355)の判定結果が大当りでない場合(ステップA356;N)は、準備した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA358)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップA358)の判定結果が小当りである場合(ステップA359;Y)は、ステップA351にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ領域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップA360)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(ステップA358)の判定結果が小当りでない場合(ステップA359;N)は、大当りフラグ1領域にも小当りフラグ領域にもはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、本実施形態において、第1特図変動表示ゲームの結果は、「大当り」、「小当り」、及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
図21には、上述の特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を示した。この大当りフラグ2設定処理では、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップA371)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA372)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップA372)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA374)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップA374)の判定結果が大当りである場合(ステップA375;Y)は、ステップA371にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップA375)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップA374)の判定結果が大当りでない場合(ステップA375;N)は、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。このように、本実施形態において、第2特図変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当り判定処理〕
図22には、上述の特図保留情報判定処理、大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA154、A355、A374)を示した。この大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップA381)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(ステップA382)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA387)、大当り判定処理を終了する。具体的には、当該大当り判定処理が、大当りフラグ1設定処理における大当り判定処理(ステップA355)である場合には、大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、小当り又ははずれであるので、判定結果として「大当り以外(小当り又ははずれ)」を設定する(ステップA387)。一方、当該大当り判定処理が、大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA374)である場合には、大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、はずれであるので、判定結果として「大当り以外(はずれ)」を設定する(ステップA387)。
また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップA382;N)は、高確率状態であるかを判定する(ステップA383)。
そして、高確率状態である場合(ステップA383;Y)は、高確率中の上限判定値を設定し(ステップA384)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA386)。また、高確率状態でない場合(ステップA383;N)は、低確率中の上限判定値を設定し(ステップA385)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA386)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA357)、大当り判定処理を終了する。具体的には、当該大当り判定処理が、大当りフラグ1設定処理における大当り判定処理(ステップA355)である場合には、大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、小当り又ははずれであるので、判定結果として「大当り以外(小当り又ははずれ)」を設定する(ステップA387)。一方、当該大当り判定処理が、大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA374)である場合には、大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、はずれであるので、判定結果として「大当り以外(はずれ)」を設定する(ステップA387)。
また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップA386;N)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップA388)、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
図23には、上述の特図保留情報判定処理及び大当りフラグ1設定処理における小当り判定処理(ステップA159、A358)を示した。この小当り判定処理では、まず、小当り下限判定値を設定し、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満かを判定する(ステップA391)。なお、大当り判定と同一の乱数(大当り乱数)を用いて小当り判定を行う。すなわち、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。無論、大当り判定値の範囲と小当り判定値の範囲は被らないよう設定されている。
大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(ステップA391;Y)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA393)、小当り判定処理を終了する。
また、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合(ステップA391;N)は、小当り上限判定値を設定し、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいかを判定する(ステップA392)。
大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(ステップA392;Y)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA393)、小当り判定処理を終了する。
また、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(ステップA392;N)、すなわち小当りである場合は、判定結果として小当りを設定し(ステップA394)、小当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図24には、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA333)を示した。この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(ステップA401)、大当りである場合(ステップA401;Y)は、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA402)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定して(ステップA403)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA404)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定して(ステップA405)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA406)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51a)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブして(ステップA407)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブして(ステップA408)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA409)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様、及び特別遊技状態の終了後の演出モードを設定するためのものである。本実施形態の場合、当りを契機に演出モードが移行し、当り図柄の種類(大当り図柄の種類、又は小当り)に応じて当り終了後に移行する演出モードの移行先が変化する。また、特図1における大当りのうち特定の大当り図柄(例えば、6R確変図柄)となる場合は、遊技状態が確変中であるか否かに応じて、移行先の演出モードが確変確定となる専用の演出モードとなるのか、確変であるか否か区別が困難な演出モードに移行するかが決定される。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。
一方、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA401;N)は、小当りフラグが小当りかを判定し(ステップA410)、小当りである場合(ステップA411;Y)は、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(ステップA411)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(ステップA412)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA413)。
その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA414)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA415)。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。
また、小当りフラグが小当りでない場合(ステップA410;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(ステップA416)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA417)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA419)、演出コマンド設定処理(ステップA420)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA421)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(ステップA422)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップA423)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図25には、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を示した。この特図2停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ2が大当りかを判定し(ステップA431)、大当りである場合(ステップA431;Y)は、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA432)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定して(ステップA433)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄番号領域にセーブする(ステップA434)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定して(ステップA435)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA436)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器51b)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブして(ステップA437)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブして(ステップA438)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA439)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様、及び特別遊技状態の終了後の演出モードを設定するためのものである。また、本実施形態の場合、特図2における大当りにおいては、何れの大当り図柄であっても移行先の演出モードが確変確定となる専用の演出モードとなる。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA442)。
一方、大当りフラグ2が大当りでない場合(ステップA431;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(ステップA440)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA441)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA442)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA443)、演出コマンド設定処理(ステップA444)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA445)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップA446)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、第1始動入賞口(始動入賞口36)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づき変動表示ゲームの実行を制御する変動表示ゲーム実行制御手段をなす。
〔特図情報設定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA166、A334、A344)の詳細について説明する。本実施形態の場合、確率状態(低/高確率、時短あり/なし)は変動の振り分けに影響せず、遊技制御装置100が管理している演出モードが変動の振り分けに影響する。演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
図26に示すように特図情報設定処理では、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA451)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA452)。
次いで、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(ステップA453)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(ステップA454)。
次いで、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(ステップA455)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(ステップA456)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留数が多い時に変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次いで、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA457)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA458)。
次いで、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(ステップA459)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(ステップA460)。
次いで、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(ステップA461)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(ステップA462)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、はずれの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時にリーチの発生率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動の振り分けに影響しない。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理、特図1変動開始処理、及び特図2変動開始における変動パターン設定処理(ステップA167、A336、A346)の詳細について説明する。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
図27に示すように変動パターン設定処理では、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(ステップA471)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA472)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードし、準備する(ステップA473)。本実施形態において、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサイズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用は1バイトサイズになっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多様な演出を出現させたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し(ステップA474)、はずれである場合(ステップA474;Y)には、2バイト振り分け処理(ステップA475)を行って、ステップA477の処理に移行する。また、はずれでない場合(ステップA474;N)には、振り分け処理(ステップA476)を行って、ステップA477の処理に移行する。
そして、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA477)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する(ステップA478)。そして、振り分け処理(ステップA479)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップA480)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップA481)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップA482)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA483)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(ステップA484)。その後、振り分け処理(ステップA485)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブして(ステップA486)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA337、A347)の詳細について説明する。図28に示すように変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(ステップA491)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA492)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA493)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA494)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA495)。
そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA496)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA497)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップA498)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップA499)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA500)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新して(ステップA501)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(ステップA502)。次いで、乱数格納領域をシフトし(ステップA503)、シフト後の空き領域をクリアして(ステップA504)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図1)〕
図29には、特図普段処理における特図変動中処理移行設定処理(特図1)(ステップA310)を示した。この特図変動中処理移行設定処理(特図1)では、まず、処理番号として「1」を設定し(ステップA511)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA512)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA513)、特図1の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA514)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA515)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51aの点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは52ms)を設定して(ステップA516)、特図変動中処理移行設定処理(特図1)を終了する。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図2)〕
図30には、特図普段処理における特図変動中処理移行設定処理(特図2)(ステップA305)を示した。この特図変動中処理移行設定処理(特図2)では、まず、処理番号として「1」を設定し(ステップA521)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA522)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA523)、特図2の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA524)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA525)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器51bの点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは104ms)を設定して(ステップA526)、特図変動中処理移行設定処理(特図2)を終了する。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA9)の詳細について説明する。図31に示すように、特図変動中処理では、まず、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定して(ステップA601)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA602)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として600m秒を設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として600m秒を設定し、停止図柄パターンが小当り図柄パターンである場合には表示時間として600m秒を設定する。
次いで、特図表示中処理移行設定処理(ステップA603)を行って、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。
〔特図表示中処理移行設定処理〕
図32には、上述の特図変動中処理での特図表示中処理移行設定処理(ステップA603)を示した。この特図表示中処理移行設定処理では、まず、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し(ステップA611)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA612)。
次に、特図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA613)、特図2の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA614)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば256m秒)をセーブする(ステップA615)。その後、特図1表示器51aにおける特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51aでの変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA616)、特図2表示器51bにおける特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器51bでの変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブして(ステップA617)、特図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図33及び図34に示すように、特図表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグをロードして(ステップA701)、RWMの小当りフラグ領域をクリアする処理(ステップA702)を行う。
次いで、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA703)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA704)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA705)、大当りである(ステップA705;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA708)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA709)。
一方、ステップA705にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA705;N)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA706)、大当りである(ステップA706;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA707)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、「16」又は「6」)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA710)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA711)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA712)、演出コマンド設定処理(ステップA713)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)を行う。続けて、ラウンド数上限値に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド設定処理(ステップA717)を行う。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA718)。本実施形態の場合、ステップA718において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外)である場合にはON、出玉のない大当り(所謂、突確大当りなど。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1)である場合には、時短状態中での大当り時であればON、それ以外ではOFFとなる。また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはON、出玉のない大当りである場合にはOFFとなる。
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000m秒、4700m秒、7700m秒又は300m秒)を設定して(ステップA719)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA720)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA721)。これにより特別結果が発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置38)の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップA722)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA723)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)を行い、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別結果となることに基づき、特別変動入賞装置38を開状態に変換する特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段をなす。
一方、ステップA706にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA706;N)は、ロードした小当りフラグが小当りかを判定する(ステップA725)。
ステップA725にて、小当りフラグが小当りであると判定した場合(ステップA725;Y)には、高確率変動回数更新処理(ステップA726)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA727)を行って、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA728)。
ステップA728にて、特図の高確率中でないと判定した場合(ステップA728;N)には、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ステップA729)、演出コマンド設定処理(ステップA730)を行う。次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップA731)、演出コマンド設定処理(ステップA732)を行って、ステップA733の処理に移行する。
また、ステップA728にて、特図の高確率中であると判定した場合(ステップA728;Y)には、ステップA733の処理に移行する。このように、本実施形態の遊技機10においては、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態である場合には、小当りの発生で大入賞口は開くが、小当りの発生を遊技者に意識させないようにするために、表示装置41に表示される画面を変化させないようになっている。
そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA733)。その後、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA734)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA725にて、小当りフラグが小当りでないと判定した場合(ステップA725;N)には、高確率変動回数更新処理(ステップA735)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA736)を行い、演出モード番号に対応する切替準備残り回転数を設定して(ステップA737)、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致するかを判定する(ステップA738)。なお、切替準備残り回転数は、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて異なる値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの何れかの演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよい。
ステップA738にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致しないと判定した場合(ステップA738;N)には、特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA738にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致すると判定した場合(ステップA738;Y)には、演出モード切替準備コマンドを準備して(ステップA739)、演出コマンド設定処理(ステップA740)を行った後に、特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)を行い、特図表示中処理を終了する。演出モード切替準備コマンドは、演出モードが切り替わる数回転前から先読み演出を行わないようにするためのコマンドであり、演出モード切替準備コマンドを演出制御装置300に送信することによって、モードをまたいで演出に矛盾等が生じないようにすることができる。
〔高確率変動回数更新処理〕
次に、上述の特図表示中処理における高確率変動回数更新処理(ステップA726、A735)の詳細について説明する。図35に示すように、高確率変動回数更新処理では、まず、特図高確率中(高確率状態中)であるかを判定する(ステップA751)。特図高確率中でない場合(ステップA751;N)は、高確率変動回数更新処理を終了する。また、特図高確率中である場合(ステップA751;Y)は、高確率変動回数を−1更新して(ステップA752)、高確率変動回数が「0」となったかを判定する(ステップA753)。
高確率変動回数が「0」でない場合(ステップA753;N)には、高確率変動回数更新処理を終了する。また、高確率変動回数が「0」となった場合(ステップA753;Y)には、高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA754)、高確率終了に関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブする。
次いで、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする。なお、「高確率&時短あり」の状態と「高確率&時短なし」の状態とがあり、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時OFFされている。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(ステップA757)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブする(ステップA758)。
次いで、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブして(ステップA759)、高確率変動回数更新処理を終了する。
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、上述の特図表示中処理における演出モード情報チェック処理(ステップA727、A736)の詳細について説明する。図36に示すように、演出モード情報チェック処理では、まず、次モード移行情報が更新なしコードであるかを判定する(ステップA771)。次モード移行情報が更新なしコードである場合(ステップA771;Y)は、演出モード情報チェック処理を終了する。この場合は、実行した特図変動表示ゲームの回数に応じた演出モードの変更が行われない場合であって、例えば高確率状態において次回の大当りまで継続する演出モードが選択されている場合である。
また、次モード移行情報が更新なしコードでない場合(ステップA771;N)は、演出モードの変更までの特図変動表示ゲームの実行可能回数である演出残り回転数を−1更新し(ステップA772)、演出残り回転数が「0」となったかを判定する(ステップA773)。演出残り回転数が「0」となっていない場合(ステップA773;N)には、演出モード情報チェック処理を終了する。また、演出残り回転数が「0」となった場合(ステップA773;Y)、すなわち次の特図変動表示ゲームから演出モードを変更する場合は、演出モード情報アドレステーブルを設定し(ステップA774)、次モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA775)。
そして、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(ステップA776)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得し、RWM内の演出残り回転数領域にセーブして(ステップA677)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(ステップA678)。その後、新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA779)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するかを判定する(ステップA780)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(ステップA780;Y)、すなわち確率の状態が変化していない場合には、演出モード情報チェック処理を終了する。
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(ステップA780;N)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA782)、演出コマンド設定処理(ステップA782)を行う。
次いで、新しく設定された演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA783)、演出コマンド設定処理(ステップA784)を行う。
次いで、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備して(ステップA785)、演出コマンド設定処理(ステップA786)を行って、演出モード情報チェック処理を終了する。これにより、演出モードの切替の規定回転数前から切替を予告する演出を行うことが可能となる。このように遊技制御装置100で演出モードを管理するようにしたことで、例えば特定の演出モードでのみ特定のリーチを発生させる等の制御が可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)の詳細について説明する。図37に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップA791)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA792)。
次に、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大当り+小当りで出力)、大当り4信号をON(大当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA793)、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA794)。なお、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時OFFされている。その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステップA795)、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(ステップA796)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブする(ステップA797)。
そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA798)、高確率状態の表示に係る遊技盤30に設けた遊技状態表示LED(第3遊技状態表示部58)を消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA799)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA800)。次に、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA801)、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための高確率変動回数領域をクリアする(ステップA802)。これにより高確率状態及び時短状態が終了し、通常確率状態かつ通常状態となる。
その後、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブして(ステップA803)、演出残り回転数領域をクリアする(ステップA804)。そして、次モード移行情報領域に更新なしコードをセーブして(ステップA805)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。これにより、特別遊技状態の発生に伴い演出モードの情報が一旦クリアされることとなる。
〔小当りファンファーレ中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理における小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA734)の詳細について説明する。
図38に示すように、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1では、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップA811)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA812)。
次いで、小当りファンファーレ時間(例えば0.3秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA813)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大当り+小当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA814)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA815)。
次いで、大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップA816)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブして(ステップA817)、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図39に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップA901)、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップA902)、演出コマンド設定処理(ステップA903)を行う。
その後、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA904)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA905)、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定する(ステップA906)。
ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA906;Y)は、短開放用の大入賞口開放時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA907)、大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA906;N)は、長開放用の大入賞口開放時間(例えば29秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA908)、大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
ここで、本実施形態においては、大当りパターンとして、(1)6R、大入賞口開放情報1(全て短開放)、(2)16R、大入賞口開放情報2(全て長開放)、(3)16R、大入賞口開放情報3(1〜6Rは長開放、7〜16Rは短開放)、(4)6R、大入賞口開放情報4(全て長開放)、(5)16R、大入賞口開放情報5(全て長開放)、(6)16R、大入賞口開放情報6(1〜8Rは長開放、9〜16Rは短開放)、(7)16R、大入賞口開放情報7(1〜6Rは長開放、7〜16Rは短開放)が設定されている。
したがって、大入賞口動作判定テーブルには、大入賞口開放情報1データと開放切替判定値「0」とが、大入賞口開放情報2データと開放切替判定値「16」とが、大入賞口開放情報3データと開放切替判定値「6」とが、大入賞口開放情報4データと開放切替判定値「6」とが、大入賞口開放情報5データと開放切替判定値「16」とが、大入賞口開放情報6データと開放切替判定値「8」とが、大入賞口開放情報7データと開放切替判定値「6」とが対応付けて記憶されている。そして、ラウンド数が開放切替判定値以下である間は長開放、ラウンド数が開放切替判定値を上回ると短開放となる開放動作を行うようになっている。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理〕
図40には、上述のファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)を示した。この大入賞口開放中処理移行設定処理においては、まず、処理番号を大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定し(ステップA911)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA912)。その後、大入賞口の開放開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA913)、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(ステップA914)。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップA915)、大入賞口開放中処理移行設定処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップA12)の詳細について説明する。図41に示すように、大入賞口開放中処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA1001)。そして、最終ラウンドでない場合(ステップA1001;N)は、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA1002)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA1003)、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定する(ステップA1004)。
ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA1004;Y)には、短閉鎖用の残存球処理時間(例えば1.4秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1005)、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備して(ステップA1007)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA1004;N)には、長閉鎖用の残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1006)、インターバルコマンドを準備して(ステップA1007)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
一方、最終ラウンドである場合(ステップA1001;Y)は、最終用の残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1008)、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備して(ステップA1009)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理移行設定処理〕
図42には上述の大入賞口開放中処理における大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を示した。この大入賞口残存球処理移行設定処理においては、まず、処理番号を大入賞口残存球処理にかかる「5」に設定して(ステップA1021)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1022)。そして、特別変動入賞装置38の可動部材を閉鎖するために、大入賞口ソレノイド38bをオフさせるためのオフデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブして(ステップA1023)、大入賞口残存球処理移行設定処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップA13)の詳細について説明する。図43に示すように、大入賞口残存球処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA1101)。
そして、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップA1101;N)は、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA1102)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA1103)、通常用のインターバル時間(例えば0.1秒)を設定する(ステップA1104)。
次いで、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定し(ステップA1105)、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA1105;Y)には、ステップA1109の処理に移行する。また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA1105;N)には、大入賞口開放情報はランクダウン演出系の値であるかを判定する(ステップA1106)。
ここで、ランクダウン演出とは、大当りラウンドが継続するか否かを報知するラウンド継続報知演出を実行し、該ラウンド継続報知演出において大当りラウンドが継続されないことを報知する演出が該当する。具体的には、大当りパターンとして、「16R、大入賞口開放情報2(全て長開放)」と「16R、大入賞口開放情報3(1〜6Rは長開放、7〜16Rは短開放)」との何れかが選択された場合に、大当りラウンドの1R〜5Rまで表示装置41の表示画面に所定の大当りラウンド演出を表示し、6R目でラウンド継続報知演出を実行する。選択された大当りパターンが「16R、大入賞口開放情報2(全て長開放)」であれば、ラウンド継続報知演出においてラウンド継続が報知され、7R目以降のラウンドにおいても大入賞口が長開放で開放され、選択された大当りパターンが「16R、大入賞口開放情報3(1〜6Rは長開放、7〜16Rは短開放)」であれば、ラウンド継続報知演出においてラウンド非継続が報知され、7R目以降のラウンドにおいて大入賞口が短開放で開放されることとなる。
大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値でない場合(ステップA1106;N)は、ステップA1109の処理に移行する。また、大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値である場合(ステップA1106;Y)は、ラウンド数が特殊演出ラウンドの値(例えば、6R)であるかを判定する(ステップA1107)。
ラウンド数が特殊演出ラウンドの値でない場合(ステップA1107;N)は、ステップA1109の処理に移行する。また、ラウンド数が特殊演出ラウンドの値である場合(ステップA1107;Y)、例えばラウンド数が6Rである場合は、ランクダウン演出用のインターバル時間(例えば3.6秒)を設定して(ステップA1108)、ステップA1109の処理に移行する。なお、特殊ラウンド数は1種類に限らず、例えば6Rと8Rというように複数種類設けても良い。
そして、ステップA1104又はA1108にて設定したインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1109)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップA1110)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップA1101;Y)は、特別結果が導出された際の演出モードを記憶する特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1111)、ロードしたフラグと大入賞口開放情報と停止図柄パターンとに対応するエンディング時間を設定して(ステップA1112)、設定したエンディング時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA1113)。その後、大当り終了処理移行設定処理(ステップA1114)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2〕
図44には、上述の大入賞口残存球処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップA1110)を示した。このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップA1121)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA1122)。
次に、大入賞口(特別変動入賞装置38)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA1123)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2を終了する。
〔大当り終了処理移行設定処理〕
図45には、上述の大入賞口残存球処理における大当り終了処理移行設定処理(ステップA1114)を示した。この大当り終了処理移行設定処理においては、まず、大当り終了処理に係る処理番号として「6」を設定し(ステップA1131)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1132)。その後、大入賞口(特別変動入賞装置38)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1133)。
次に、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1134)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリアして(ステップA1135)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をクリアする(ステップA1136)。そして、ラウンド数の上限値判定用のフラグを記憶するラウンド数上限値情報領域の情報をクリアし(ステップA1137)、大入賞口の開放情報判定用のフラグを記憶する大入賞口開放情報領域の情報をクリアして(ステップA1138)、大当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA14)の詳細について説明する。図46に示すように、この大当り終了処理では、まず、時間短縮判定データが、時短作動データかを判定する(ステップA1201)。
時短作動データでない場合(ステップA1201;N)は、大当り終了設定処理1を行い(ステップA902)、時短作動データである場合(ステップA1201;Y)は、大当り終了設定処理2を行う(ステップA903)。そして、演出モード情報アドレステーブルを設定して(ステップA1204)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA1205)。
次に、遊技制御装置100での演出モードの管理に必要な情報をセーブする処理として、まず、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出モード番号を取得し、演出モード番号領域にセーブする(ステップA1206)。さらに、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数を取得し、演出残り回転数領域にセーブして(ステップA1207)、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得し、次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1208)。
その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1209)、コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA1210)、演出コマンド設定処理(ステップA1211)を行う。ここで、確率情報コマンドとして、「高確率・時短あり」、「高確率・時短なし」の何れかに、更に演出モードの情報が含まれた複数のコマンドがある。本実施形態の場合、大当りが終了すると必ず確変状態になる(所謂ST状態)ので、確率情報コマンドとして、「高確率・時短あり・演出モードA」、「高確率・時短あり・演出モードB」、「高確率・時短あり・演出モードC」、「高確率・時短なし・演出モードA」があり、この処理では使われないが、他に「低確率・時短なし・演出モードA」、「低確率・時短なし・演出モードB」、「低確率・時短なし・演出モードC」がある。
次いで、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA1212)、演出コマンド設定処理(ステップA1213)を行う。
次いで、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備し(ステップA1214)、演出コマンド設定処理(ステップA1215)を行って、特図普段処理移行設定処理2を行い(ステップA1216)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
図47には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA1202)を示した。この大当り終了設定処理1では、まず、時短状態なしに関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1221)、高確率状態と時短状態なしの開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をON、特別図柄2高確率状態信号をON、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1222)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短状態なしの番号をセーブし(ステップA1223)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブして(ステップA1224)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA1225)。その後、高確率変動回数領域に初期値(例えば100回)をセーブして(ステップA1226)、大当り終了設定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
図48には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA1203)を示した。この大当り終了設定処理2では、まず、時短状態の開始に関する信号(例えば、大当り2信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA1231)。時短状態の開始に関する信号は、大当り中から出力されているので継続する形で、外部情報出力データ領域にセーブされる。次いで、高確率状態と時短状態の開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をON、特別図柄2高確率状態信号をON、特別図柄1変動時間短縮状態信号をON、特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、普通図柄1高確率状態信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1232)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短状態ありの番号をセーブし(ステップA1233)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率フラグをセーブして(ステップA1234)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短ありフラグをセーブする(ステップA1235)。その後、高確率変動回数領域に初期値(例えば100回)をセーブして(ステップA1256)、大当り終了設定処理2を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後に、予め定められた所定期間に亘って時短状態を発生可能な時短状態発生手段をなす。そして、時短状態においては、当該時短状態でない場合よりも普通変動入賞装置37への入賞が容易となるように普通変動入賞装置37の動作を制御するとともに、当該時短状態でない場合よりも第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの変動時間を短縮するように構成されていることとなる。
〔特図普段処理移行設定処理2〕
図49には上記した大当り終了処理における特図普段処理移行設定処理2(ステップA1216)を示した。この特図普段処理移行設定処理2においては、まず、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップA1241)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1242)。
その後、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF、大当り3信号をOFF、大当り4信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1243)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をOFF、役物連続作動装置作動中信号をOFF、特別図柄1当り信号をOFF、特別図柄2当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1244)。続いて、時間短縮判定フラグ領域の情報をクリアし(ステップA1245)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(ステップA1246)、演出モード移行情報領域の情報をクリアする(ステップA1247)。そして、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアし(ステップA1248)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1249)、特図普段処理移行設定処理2を終了する。
〔小当りファンファーレ中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(ステップA15)の詳細について説明する。図50(a)に示すように、小当りファンファーレ中処理では、小当り中処理移行設定処理(ステップA1301)を行う。
〔小当り中処理移行設定処理〕
次に、上述の小当りファンファーレ中処理における小当り中処理移行設定処理(ステップA1301)の詳細について説明する。図50(b)に示すように、小当り中処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り中処理にかかる「8」を設定して(ステップA1311)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1312)。
次いで、小当り遊技における大入賞口の開放時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA1313)、小当り動作の開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1314)。
次いで、特別変動入賞装置38の可動部材を開放するために、大入賞口ソレノイド38bをオンさせるためのオンデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブする(ステップA1315)。
次いで、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1316)、小当り中制御ポインタ領域に小当り動作初期値(例えば「0」)をセーブして(ステップA1317)、小当り中処理移行設定処理を終了する。
〔小当り中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り中処理(ステップA16)の詳細について説明する。図51に示すように、小当り中処理では、まず、小当り中制御ポインタの値をロードして(ステップA1401)、ロードした値が小当り動作終了値(例えば「6」)以上であるかを判定する(ステップA1402)。
ロードした値が小当り動作終了値以上でない場合(ステップA1402;N)には、小当り中制御ポインタを+1更新し(ステップA1403)、小当り動作移行設定処理(ステップA1404)を行って、小当り中処理を終了する。
一方、ロードした値が小当り動作終了値以上である場合(ステップA1402;Y)には、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1405)、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるかを判定する(ステップA1406)。これにより、特図高確率中での小当りかを判定する。なお、ここでは、時短状態中であるか否かは問わない。
ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグである場合(ステップA1406;Y)には、小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)を行い、小当り中処理を終了する。また、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場(ステップA1406;N)には、小当り終了画面のコマンドを準備し(ステップA1407)、演出コマンド設定処理(ステップA1408)を行って、小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)を行い、小当り中処理を終了する。
〔小当り動作移行設定処理〕
次に、上述の小当り中処理における小当り動作移行設定処理(ステップA1404)の詳細について説明する。図52に示すように、小当り動作移行設定処理では、制御ポインタ(小当り中制御ポインタ)に応じて分岐処理(ステップA1411)を行う。
ステップA1411にて、制御ポインタが「0」,「2」,「4」の場合は、制御ポインタに対応するウェイト時間(例えば1500m秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1412)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップA1413)、小当り動作移行設定処理を終了する。
また、ステップA1411にて、制御ポインタが「1」,「3」,「5」の場合は、制御ポインタに対応する大入賞口開放時間(例えば200m秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1414)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップA1415)、小当り動作移行設定処理を終了する。
ここで、本実施形態の場合、300m秒の小当りファンファーレ時間の後に、200m秒の開放と1500m秒の閉鎖とを交互に行い、開放の終了時及び閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが順次更新される。
具体的には、1回目の200m秒開放の終了時(すなわち、1回目の200m秒開放から1回目の1500m秒閉鎖への切り替わり時)に小当り中制御ポインタが「0」に更新され、1回目の1500m秒閉鎖の終了時(すなわち、1回目の1500m秒閉鎖から2回目の200m秒開放への切り替わり時)に小当り中制御ポインタが「1」に更新され、2回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「2」に更新され、2回目の1500m秒閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが「3」に更新され、3回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「4」に更新され、3回目の1500m秒閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが「5」に更新される。そして、4回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「6」に更新され、1900m秒の小当り残存球時間と、その後の100m秒の小当りエンディング時間との経過後に、小当り状態が終了する。したがって、4回目の200m秒開放の後に、2000m秒間閉鎖されるので、見た目のエンディング時間は2000m秒となる。
〔小当り残存球処理移行設定処理〕
次に、上述の小当り中処理における小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)の詳細について説明する。図53に示すように、小当り残存球処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り残存球処理にかかる「9」を設定して(ステップA1421)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1422)。
次いで、小当り残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1423)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップA1424)、小当り残存球処理移行設定処理を終了する。
〔小当り残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップA17)の詳細について説明する。図54(a)に示すように、小当り残存球処理では、小当り終了処理移行設定処理(ステップA1501)を行う。
〔小当り終了処理移行設定処理〕
次に、上述の小当り残存球処理における小当り終了処理移行設定処理(ステップA1501)の詳細について説明する。図54(b)に示すように、小当り終了処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り終了処理にかかる「10」を設定して(ステップA1511)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1512)。
次いで、小当りエンディング時間(例えば0.1秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA1513)、小当り動作の終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1514)。
次いで、大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1515)、小当り中制御ポインタ領域の情報をクリア(例えば0クリア)して(ステップA1516)、小当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔小当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップA18)の詳細について説明する。図55に示すように、小当り終了処理では、まず、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1601)、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるかを判定する(ステップA1602)。
ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場合(ステップA1602;N)は、演出モード情報アドレステーブルを設定して(ステップA1603)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA1604)。
そして、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(ステップA776)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得し、RAM内の演出残り回転数領域にセーブして(ステップA1606)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1607)。その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1608)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するかを判定する(ステップA1609)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(ステップA1609;Y)は、ステップA1616の処理に移行する。
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(ステップA1609;N)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA1610)、演出コマンド設定処理(ステップA1611)を行う。
次いで、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA1612)、演出コマンド設定処理(ステップA1613)を行う。
次いで、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備して(ステップA1614)、演出コマンド設定処理(ステップA1615)を行う。
次いで、特図普段処理移行設定処理3(ステップA1616)を行い、小当り終了処理を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理3〕
次に、上述の小当り終了処理における特図普段処理移行設定処理3(ステップA1616)の詳細について説明する。図56に示すように、特図普段処理移行設定処理では、まず、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定して(ステップA1631)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1632)。
次いで、小当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1633)、小当りの終了に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1634)。
次いで、変動図柄判別フラグ領域の情報をクリアし(ステップA1635)、演出モード移行情報領域の情報をクリアして(ステップA1636)、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアする(ステップA1637)。
次いで、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1638)、特図普段処理移行設定処理3を終了する。
〔演出コマンド設定処理〕
次に、タイマ割込み処理中に実行される各処理における演出コマンド設定処理の詳細について説明する。図57に示すように、演出コマンド設定処理では、まず、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップA2001)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるかを判定する(ステップA2002)。
演出用シリアル送信バッファが満杯である場合(ステップA2002;Y)は、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込む処理(ステップA2001)に戻る。
また、演出用シリアル送信バッファが満杯でない場合(ステップA2002;N)は、コマンドデータ(MODE)を演出用シリアル送信バッファに書き込む(ステップA2003)。
次いで、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップA2004)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるかを判定する(ステップA2005)。
演出用シリアル送信バッファが満杯である場合(ステップA2005;Y)は、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込む処理(ステップA2004)に戻る。
また、演出用シリアル送信バッファが満杯でない場合(ステップA2005;N)は、コマンドデータ(ACTION)を演出用シリアル送信バッファに書き込んで(ステップA2006)、演出コマンド設定処理を終了する。
なお、演出コマンド設定処理のことを、単に「コマンド設定処理」と称することもある。
〔図柄変動制御処理〕
図58に、前述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップA20,A22)、後述の普図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップB15)を示した。図柄変動制御処理は、特別図柄(第1特図、第2特図等)や普通図柄(普図)の変動の制御と特別図柄や普通図柄の表示データの設定を行う処理である。
この図柄変動制御処理では、まず、制御対象の図柄(例えば、第1特図、第2特図、及び普図の何れか)にかかる変動制御フラグが変動中であるかチェックする(ステップA2101)。本実施形態の場合、ステップA19、ステップA21、ステップB14にて準備した変動制御テーブル上に、変動制御フラグ領域の下位アドレス、点滅制御タイマの初期値、変動図柄番号上限判定値、表示テーブル2(停止用)のアドレス、表示テーブル1(変動用)のアドレスが定義されている。
制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中である場合(ステップA2102;Y)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得する(ステップA2103)。本実施形態の場合、ステップA19、ステップA21、ステップB14にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(変動用)のアドレスが定義されている。
次いで、制御対象の点滅制御タイマを−1更新し(ステップA2104)、更新後の点滅制御タイマが「0」であるかを判定して(ステップA2105)、更新後の点滅制御タイマが「0」でない場合(ステップA2105;N)は、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップA2108)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
また、更新後の点滅制御タイマが「0」である場合(ステップA2105;Y)は、対象の点滅タイマ領域に対応する点滅制御タイマ初期値をセーブし(ステップA2106)、制御対象の変動図柄番号を対応する範囲で+1更新して(ステップA2107)、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップA2108)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中でない場合(ステップA2102;N)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(ステップA2109)。本実施形態の場合、ステップA19、ステップA21、ステップB14にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(停止用)のアドレスが定義されている。
次いで、制御対象の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(ステップA2110)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
ステップA2106でセーブする点滅制御タイマ初期値は、処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて定義された値がセーブされる。ここでは、第1特図(第1特図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値として52msに相当する値が定義されており、第2特図(第2特図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値として104msに相当する値が定義されており、普図(普図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値として52msに相当する値が定義されている。この点滅制御タイマ初期値は、一括表示装置50において変動時間中に点灯パターンを更新する間隔である。
また、ステップA2107における対応する範囲は、処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて定義された変動図柄番号上限判定値により規定される。ステップA2107において変動図柄番号を+1更新することで変動図柄番号上限値に達した場合は変動図柄番号を0にするようにされており、変動図柄番号は0〜(変動図柄番号上限判定値−1)の範囲で順次更新される。ステップA2108、A2111ではこの変動図柄番号に応じた表示データ(点灯パターン)を取得して表示する設定を行うようになっており、変動図柄番号上限判定値に等しい回数の点灯パターンの更新(変更)が行われることで一巡する表示が繰り返し行われることとなる。
ここでは、第1特図(第1特図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて変動図柄番号上限判定値として8が定義されており、変動図柄番号を0〜7の範囲で更新可能である。よって、第1特図変動表示ゲームの変動表示中に繰り返し表示する特図1変動中表示は8回の点灯パターンの更新で一巡することとなる。また、第2特図(第2特図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて変動図柄番号上限判定値として2が定義されており、変動図柄番号を0と1で交互に更新可能である。よって、第2特図変動表示ゲームの変動表示中に繰り返し表示する特図2変動中表示は2回の点灯パターンの更新で一巡することとなる。また、普図(普図変動表示ゲーム)の変動制御テーブルにおいて変動図柄番号上限判定値として4が定義されており、変動図柄番号を0〜3の範囲で更新可能である。よって、普図変動表示ゲームの変動表示中に繰り返し表示する普図変動中表示は4回の点灯パターンの更新で一巡することとなる。
このように処理対象のゲームに応じて準備されている変動制御テーブルにおいて点滅制御タイマ初期値と変動図柄番号上限値を定義することで、一括表示装置50において点灯パターンを更新させる間隔や表示が一巡する更新回数をゲームごとに設定することができる。
〔振り分け処理〕
図59には、上述の変動パターン設定処理における振り分け処理(ステップA476、A479、A485)を示した。振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて、後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択したり、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブルから特図変動表示ゲームの後半変動パターン(後半変動番号)を選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブルから特図変動表示ゲームの前半変動パターン(前半変動番号)を選択したりするための処理である。
この振り分け処理では、まず、対象の選択テーブル(ステップA472にて準備した後半変動グループテーブル、ステップA477にて準備した後半変動選択テーブル、又はステップA483にて準備した前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(ステップA2201)。ここで、後半変動グループテーブル、後半変動選択テーブル、及び前半変動選択テーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)と対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振り分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップA2202;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2207)、振り分け処理を終了する。
一方、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップA2202;N)は、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップA2203)。
続けて、ステップA473やA478やA484にて準備した乱数値(変動パターン乱数1や変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からステップA2203にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップA2204)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップA2205)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップA2205;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップA2206)、ステップA2203の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(ステップA2203)、その後、前回のステップA2205にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(ステップA2204)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップA2205)。
上記の処理をステップA2205にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(ステップA2205;Y)するまで実行する。これにより、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)の中から何れか一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)が選択される。
そして、ステップA2205にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(ステップA2205;Y)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2207)、振り分け処理を終了する。
〔2バイト振り分け処理〕
図60には、上述の変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(ステップA475)を示した。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
この2バイト振り分け処理では、まず、選択テーブル(ステップA472にて準備した後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(ステップA2301)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動選択テーブルのみを規定する後半変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振り分けの必要がないため、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップA2302;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2307)、2バイト振り分け処理を終了する。
一方、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップA2302;N)は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップA2303)。
続けて、ステップA473にて準備した乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップA2303にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップA2304)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップA2305)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップA2305;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップA2306)、ステップA2303の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(ステップA2303)、その後、前回のステップA2305にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(ステップA2304)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップA2305)。
上記の処理をステップA2305にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(ステップA2305;Y)するまで実行する。これにより、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。
そして、ステップA2305にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(ステップA2305;Y)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2307)、2バイト振り分け処理を終了する。
図59に示す振り分け処理の構成と、図60に示す2バイト振り分け処理の構成とは、基本的に同じであるが、振り分けに使用する乱数のサイズが1バイトであるか、2バイトであるかという点で異なるため、計算するためのプログラム命令が異なっている。
[ST中リーチ演出制御]
次に、本実施形態の遊技機10が特徴とする“ST中リーチ演出制御”について説明する。
本実施形態の遊技機10において、遊技制御装置100は、特別遊技状態の終了後に、特定遊技状態として、一定の回転数のみ高確率状態が設定されるスペシャルタイム(ST)を発生可能となっている。そして、演出制御装置300は、スペシャルタイムにおいては、リーチ演出のうちの、結果がはずれとなるリーチ演出(以下「ハズレリーチ演出」という。)を所定の上限回数実行した後は、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合にのみ、リーチ演出を実行するように構成されている。すなわち、スペシャルタイムにおいては、ハズレリーチ演出が上限回数実行されると、その後に実行されるリーチ演出は必ず、結果が大当りとなるリーチ演出(以下「アタリリーチ演出」という。))になる。
図61を用いて、本実施形態における“ST中リーチ演出制御”の一例を説明する。具体的には、図61は、ハズレリーチ演出の上限回数が3回である場合の表示の一例を示す図である。
演出制御装置300は、少なくともスペシャルタイムの開始から終了までの間、表示装置41の表示領域の所定部分(図61に示す例では、表示領域の下部)にメータ表示Mを表示し、当該メータ表示Mによって、スペシャルタイムにおいてリーチ演出を実行した回数(以下「ST中リーチ実行済み回数」という。)を報知するように構成されている。
ハズレリーチ演出の上限回数が3回である場合、スペシャルタイムにおいては、ハズレリーチ演出が3回実行されると、その後に実行されるリーチ演出は必ずアタリリーチ演出になる。
具体的には、演出制御装置300は、まず、図61(a)〜(c)に示すように、1回目のハズレリーチ演出として、主人公キャラクタ(自キャラクタ)が敵キャラクタと戦って負けるバトル演出を実行する。そして、1回目のハズレリーチ演出が終了すると、ST中リーチ実行済み回数が1回(ハズレリーチ演出の上限回数までの残り回数は2回)になるため、メータ表示Mのメータレベルを「レベル0」から「レベル1」へと変化させる。
次いで、図61(d),(e)に示すように、2回目のハズレリーチ演出として、主人公キャラクタが負けるバトル演出を実行する。そして、2回目のハズレリーチ演出が終了すると、ST中リーチ実行済み回数が2回(ハズレリーチ演出の残り回数は1回)になるため、メータ表示Mのメータレベルを「レベル1」から「レベル2」へと変化させる。
次いで、図61(f),(g)に示すように、3回目のハズレリーチ演出として、主人公キャラクタが負けるバトル演出を実行する。そして、3回目のハズレリーチ演出が終了すると、ST中リーチ実行済み回数が3回(ハズレリーチ演出の残り回数は0回)になるため、メータ表示Mのメータレベルを「レベル2」から「レベル3」へと変化させる。
そして、図61(h),(i)に示すように、アタリリーチ演出として、主人公キャラクタが勝つバトル演出を実行して、図61(j)に示すように、当りの結果態様(特別結果態様)を停止表示する。
本実施形態では、スペシャルタイム中に実行するリーチ演出の演出態様として複数の演出態様が設けられており、当該複数の演出態様が出現する順番は予め決まっている。
具体的には、本実施形態の場合、図61に示すように、ハズレリーチ演出の演出態様として、第1キャラクタ(パンチの数が1つの主人公キャラクタ)が登場する「演出態様A」、第2キャラクタ(パンチの数が2つの主人公キャラクタ)が登場する「演出態様B」、および第3キャラクタ(パンチの数が3つの主人公キャラクタ)が登場する「演出態様C」が設けられており、アタリリーチ演出の演出態様として、第4キャラクタ(パンチの数が3つで光っている主人公キャラクタ)が登場する「演出態様D」が設けられている。そして、これらの演出態様は「演出態様A」→「演出態様B」→「演出態様C」→「演出態様D」の順番に出現する。
また、本実施形態では、ハズレリーチ演出の上限回数までの残り回数と、リーチ演出の演出態様とが対応付けられている。すなわち、メータ表示Mのメータレベルと、スペシャルタイム中に実行するリーチ演出で登場するキャラクタとが対応付けられている。
具体的には、本実施形態の場合、図61に示すように、ハズレリーチ演出の残り回数が3回である場合には、「演出態様A」のリーチ演出(1回目のハズレリーチ演出)を実行している。1回目のハズレリーチ演出の実行中におけるメータ表示Mのメータレベルは「レベル0」であるため、「レベル0」と、「演出態様A」のリーチ演出で登場する第1キャラクタとが対応付けられている。
また、ハズレリーチ演出の残り回数が2回である場合には、「演出態様B」のリーチ演出(2回目のハズレリーチ演出)を実行している。2回目のハズレリーチ演出の実行中におけるメータ表示Mのメータレベルは「レベル1」であるため、「レベル1」と、「演出態様B」のリーチ演出で登場する第2キャラクタとが対応付けられている。
また、ハズレリーチ演出の残り回数が1回である場合には、「演出態様C」のリーチ演出(3回目のハズレリーチ演出)を実行している。3回目のハズレリーチ演出の実行中におけるメータ表示Mのメータレベルは「レベル2」であるため、「レベル2」と、「演出態様C」のリーチ演出で登場する第3キャラクタとが対応付けられている。
また、ハズレリーチ演出の残り回数が0回である場合には、「演出態様D」のリーチ演出(アタリリーチ演出)を実行している。アタリリーチ演出の実行中におけるメータ表示Mのメータレベルは「レベル3」であるため、「レベル3」と、「演出態様D」のリーチ演出で登場する第4キャラクタとが対応付けられている。
このように、主人公キャラクタが負ければ負けるほど、メータレベルが上がり、メータレベルが上がる(ST中リーチ実行済み回数が増加する)につれて、パンチの数を増やしたり光らせたりして主人公キャラクタが強くなっていくように見せるようになっている。これにより、ST中リーチ実行済み回数の増加(ハズレリーチ演出の残り回数の減少)に伴い、遊技者の大当りへの期待感を向上させることが可能となる。
また、本実施形態では、例えば図62に示すように、ハズレリーチ演出の上限回数(リーチ回数天井)として、特別遊技状態が発生する際に停止表示された大当り図柄に応じた回数を設定するように構成されている。
ここで、前述したように、ハズレリーチ演出の上限回数までの残り回数と、リーチ演出の演出態様とは対応付けられている。
したがって、ハズレリーチ演出の上限回数が3回である場合(例えば、スペシャルタイム直前の特別遊技状態が発生する際に停止表示された大当り図柄が「2」、「4」、「6」、または「8」であった場合(図62参照))には、当該スペシャルタイムの開始時点におけるハズレリーチ演出の残り回数は3回であるため、「演出態様A」のリーチ演出(1回目のハズレリーチ演出)から開始する。そして、1回目のハズレリーチ演出→2回目のハズレリーチ演出→3回目のハズレリーチ演出→アタリリーチ演出の順にリーチ演出を実行する。
これに対し、ハズレリーチ演出の上限回数が2回である場合(例えば、スペシャルタイム直前の特別遊技状態が発生する際に停止表示された大当り図柄が「1」、「3」、「5」、または「9」であった場合(図62参照))には、当該スペシャルタイムの開始時点におけるハズレリーチ演出の残り回数は2回であるため、1回目のハズレリーチ演出を飛ばして、「演出態様B」のリーチ演出(2回目のハズレリーチ演出)から開始する。そして、2回目のハズレリーチ演出→3回目のハズレリーチ演出→アタリリーチ演出の順にリーチ演出を実行する。
また、ハズレリーチ演出の上限回数が1回である場合(例えば、スペシャルタイム直前の特別遊技状態が発生する際に停止表示された大当り図柄が「7」または「特殊図柄(例えば、プレミア演出等の期待度が高い演出が実行される場合に揃う図柄、特図始動記憶内に特別結果となる特図始動記憶があることを示唆する場合に揃う図柄等)」であった場合(図62参照))には、当該スペシャルタイムの開始時点におけるハズレリーチ演出の残り回数は1回であるため、1回目および2回目のハズレリーチ演出を飛ばして、「演出態様C」のリーチ演出(3回目のハズレリーチ演出)から開始する。そして、3回目のハズレリーチ演出→アタリリーチ演出の順にリーチ演出を実行する。
また、前述したように、メータ表示Mのメータレベルと、スペシャルタイム中に実行するリーチ演出で登場するキャラクタとは対応付けられている。
したがって、ハズレリーチ演出の上限回数が3回である場合には、「演出態様A」のリーチ演出(1回目のハズレリーチ演出)から開始するため、メータ表示Mのメータレベルは、「演出態様A」のリーチ演出で登場する第1キャラクタに対応する「レベル0」から開始する。
また、ハズレリーチ演出の上限回数が2回である場合には、「演出態様B」のリーチ演出(2回目のハズレリーチ演出)から開始するため、メータ表示Mのメータレベルは、「演出態様B」のリーチ演出で登場する第2キャラクタに対応する「レベル1」から開始する。
また、ハズレリーチ演出の上限回数が1回である場合には、「演出態様C」のリーチ演出(3回目のハズレリーチ演出)から開始するため、メータ表示Mのメータレベルは、「演出態様C」のリーチ演出で登場する第3キャラクタに対応する「レベル2」から開始する。
すなわち、ハズレリーチ演出の上限回数が1回または2回である場合には、メータ表示Mのメータレベルを所望のレベル(「レベル2」または「レベル1」)まで上げた状態で、スペシャルタイムにおける最初のリーチ演出を開始する。
メータレベルを所望のレベルまで上げるタイミングは、スペシャルタイムにおける最初のリーチ演出の開始前であれば、適宜選択可能であり、例えば、当該スペシャルタイムの開始時であっても良いし、当該スペシャルタイム直前の特別遊技状態中であっても良い。また、メータレベルを所望のレベルまで上げるタイミングとして複数のタイミングを設けておき、当該スペシャルタイム直前の特別遊技状態の開始時等に、当該複数のタイミングのうちの何れを採用するかを、抽選等によって決定するように構成することも可能である。
特別遊技状態中にメータレベルを所望のレベルまで上げる場合、例えば図63(a),(b)に示すように次のラウンドに移行したときに上げても良いし、最終ラウンド中に上げても良いし、例えば図63(c)に示すように特別遊技状態終了画面の表示中に上げても良い。また、特別遊技状態中にメータ表示Mの周囲を光らせても良い。図63に示す例では、大当り図柄が「7」であり、ハズレリーチ演出の上限回数が1回(図62参照)、すなわち所望のレベルが「レベル2」であるため、特別遊技状態中にメータ表示Mのメータレベルが「レベル2」まで上がっている。
演出制御装置300は、遊技制御装置100から特図変動表示ゲームの開始に関する情報として「結果:はずれ、リーチ:有」を示すコマンドを受信した場合には、ハズレリーチ演出(リーチの発生を伴うはずれ演出)を行い、「結果:当り、リーチ:有」を示すコマンドを受信した場合には、アタリリーチ演出(リーチの発生を伴う当り演出)を行う。一方、「結果:はずれ、リーチ:無」を示すコマンドを受信した場合には、リーチの発生を伴わないはずれ演出を行い、「結果:当り、リーチ:無」を示すコマンドを受信した場合には、リーチの発生を伴わない当り演出を行う。しかしながら、スペシャルタイムにおいては、遊技制御装置100からのコマンドに従ってリーチ演出を行うと、ルール(ハズレリーチ演出を上限回数実行した後は、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合にのみ、リーチ演出を実行するというルール)に違反してしまう場合がある。
図64を用いて、本実施形態における“ST中リーチ演出制御”の一例を説明する。具体的には、図64は、ハズレリーチ演出の上限回数が2回である場合の一例を示す図である。
ハズレリーチ演出の上限回数が2回である場合、スペシャルタイムにおいて、リーチ演出は「演出態様B」のリーチ演出(2回目のハズレリーチ演出)から開始し、メータ表示Mのメータレベルは「レベル1」から開始する。また、ハズレリーチ演出の上限回数が2回である場合、スペシャルタイムにおいては、ハズレリーチ演出を2回実行した後のリーチ演出を必ずアタリリーチ演出にすれば、ルール違反にならない。
図64(a)に示すように、遊技制御装置100から「結果:はずれ、リーチ:有」を示すコマンドを2回受信した後に、「結果:当り、リーチ:有」を示すコマンドを受信した場合には、ハズレリーチ演出を2回実行した後のリーチ演出は、アタリリーチ演出になる。したがって、この場合は、遊技制御装置100からのコマンドに従ってリーチ演出を行っても、ルール違反にならない。
一方、遊技制御装置100から「結果:はずれ、リーチ:有」を示すコマンドを3回受信した後に、「結果:当り、リーチ:有」を示すコマンドを受信した場合には、ハズレリーチ演出を2回実行した後のリーチ演出は、ハズレリーチ演出になる。したがって、この場合は、遊技制御装置100からのコマンドに従ってリーチ演出を行うと、ルール違反になってしまう。
そこで、本実施形態では、図64(b)に示すように、ハズレリーチ演出を上限回数(この例では2回)実行した後は、遊技制御装置100から「結果:はずれ、リーチ:有」を示すコマンドを受信しても、当該コマンドに従わずにリーチの発生を伴わないはずれ演出を実行する。これにより、ハズレリーチ演出を上限回数実行した後のリーチ演出は、アタリリーチ演出になるため、ルール違反を回避することができる。
演出制御装置300は、リーチの発生を伴わないはずれ演出として、例えば、リーチ発生に対する遊技者の期待感を煽って、結局リーチを発生させないような変動表示演出(具体的には、例えば、変動開始後、まず、左変動表示領域に、飾り特別図柄(例えば「5」)を停止表示し、次いで、右変動表示領域に、左変動表示領域で停止表示されているのと同じ飾り特別図柄を一旦停止表示し、その後、右変動表示領域に停止表示されている飾り特別図柄が滑る(例えば「5」から「6」に滑る)ような演出)を行い、当該演出が終了しても、メータ表示Mのメータレベルを変化させないように構成されている。すなわち、スペシャルタイムにおいては、バトル演出(リーチ演出)が実行されたときのみ、メータレベルが変化する。
ここで、遊技制御装置100からのコマンドに従わずにリーチの発生を伴わないはずれ演出を実行する際、当該演出の演出時間を、遊技制御装置100によって指定された変動時間(特図変動表示ゲームの実行時間)に一致させる必要がある。そのため、演出制御装置300は、当該演出中に、所定の表示(例えば、リーチ発生に対する遊技者の期待感を煽って、結局リーチを発生させないような変動表示)を出現させる等して演出時間を稼ぐことによって、当該演出の演出時間を、変動時間に一致させるように構成されている。すなわち、演出制御装置300は、遊技制御装置100からのコマンドに従わずにリーチの発生を伴わないはずれ演出を実行する際、遊技制御装置100からのコマンドによって指定されるリーチ状態の発生の有無には従わないが、遊技制御装置100からのコマンドによって指定される変動時間等には従うように構成されている。
また、ハズレリーチ演出を上限回数実行する前に、遊技制御装置100から「結果:当り、リーチ:有」を示すコマンドを受信した場合には、遊技制御装置100からのコマンドに従ってリーチ演出を行うと、アタリリーチ演出を実行する前に、上限回数分のハズレリーチ演出を実行することができない。
そこで、本実施形態では、図64(c)に示すように、ハズレリーチ演出を上限回数(この例では2回)実行する前に、遊技制御装置100から「結果:当り、リーチ:有」を示すコマンドを受信した場合には、当該コマンドに従ってアタリリーチ演出を実行する前に、擬似連演出(特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて特別結果態様以外の結果態様で仮停止した後に再度変動表示を開始する再変動表示を一回以上行う演出)を実行し、この擬似連演出においてハズレリーチ演出を残り回数分実行する。これにより、アタリリーチ演出を実行する前に、上限回数分のハズレリーチ演出を実行することができる。
なお、アタリリーチ演出を実行する前に、上限回数分のハズレリーチ演出を実行することができなくても、ルール(ハズレリーチ演出を上限回数実行した後は、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合にのみ、リーチ演出を実行するというルール)違反にならない。また、アタリリーチ演出を実行する前に、上限回数分のハズレリーチ演出を実行することができなくても、遊技の興趣を削ぐことにはならない。よって、ハズレリーチ演出を上限回数実行する前に、遊技制御装置100から「結果:当り、リーチ:有」を示すコマンドを受信した場合には、擬似連演出を行わずにアタリリーチ演出を実行しても良い。その際、例えばアタリリーチ演出の実行中に、メータ表示Mのメータレベルを「レベル3」まで上げる演出等を行っても良い。
また、ハズレリーチ演出を上限回数実行する前に、遊技制御装置100から「結果:当り、リーチ:有」を示すコマンドを受信した場合には、当該コマンドを受信した時点で、擬似連演出を行った後(すなわち、上限回数分のハズレリーチ演出を実行した後)にアタリリーチ演出を実行するか、或いは、擬似連演出を行わず(すなわち、上限回数分のハズレリーチ演出を実行せず)にアタリリーチ演出を実行するかを、抽選等によって決定するように構成することも可能である。
以上説明した“ST中リーチ演出制御”を実行可能な遊技機10によれば、ゲーム(本実施形態の場合、特図変動表示ゲーム)の結果が予め定められた特別結果(本実施形態の場合、大当り結果)となる場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、特別遊技状態の終了後の所定期間(本実施形態の場合、スペシャルタイム)において所定の遊技イベント(本実施形態の場合、リーチ演出)を実行した回数を報知する報知表示(本実施形態の場合、メータ表示M)を実行可能である。
したがって、特別遊技状態の終了後の所定期間(スペシャルタイム)に遊技イベント(リーチ演出)を実行可能であるとともに、報知表示(メータ表示M)によって当該遊技イベントを実行した回数を報知可能であるため、特別遊技状態の終了後の所定期間中における遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態では、“特別結果”を「大当り結果」とし、“特別遊技状態”を「大当り状態(大当り遊技状態)」としたが、“特別結果”は「大当り結果」だけでなく、「小当り結果」や「潜伏確変結果」を含んでいても良い。例えば、“特別結果”が「大当り結果または小当り結果」である場合、“特別遊技状態”は「大当り状態(大当り遊技状態)または小当り状態(小当り遊技状態)」となる。また、特別遊技状態が大当り状態である場合には、ハズレリーチ演出の上限回数として、大当り図柄に応じた回数が設定され、特別遊技状態が小当り状態である場合には、ハズレリーチ演出の上限回数として、小当り図柄に応じた回数が設定される。
また、報知表示は、表示装置41に表示されるメータ表示Mに限定されるものではなく、適宜変更可能であり、例えば表示装置41に表示されるセグメント表示等であっても良い。
また、以上説明した“ST中リーチ演出制御”を実行可能な遊技機10によれば、特別遊技状態の終了後の所定期間は、一定回数のゲームが実行される期間であり、当該所定期間では、特別遊技状態の発生確率を、当該所定期間でない場合よりも高確率とする高確率状態が設定されるように構成することが可能である。すなわち、特別遊技状態の終了後の所定期間は、スペシャルタイムが発生する期間とするように構成することが可能である。
このように構成することによって、いわゆるスペシャルタイムの最中における遊技の興趣を高めることができる。
なお、特別遊技状態の終了後の所定期間は、スペシャルタイムが発生する期間に限定されるものではなく、適宜変更可能である。具体的には、特別遊技状態の終了後の所定期間は、例えば、潜伏確変状態(普図当り確率は低確率状態で大当り確率は高確率状態)が発生した後に発生する特定モード(大当り確率が高確率状態であることを示唆するようなモード)や、大当り確率が低確率状態である場合に発生する専用モード(大当り確率が高確率状態である場合と同じ演出が実行されるモード)などの所定のモードが発生する期間であっても良い。
また、以上説明した“ST中リーチ演出制御”を実行可能な遊技機10によれば、演出制御手段(演出制御装置300)は、特別遊技状態の終了後の所定期間においては、所定の遊技イベントを上限回数実行した後は、ゲームの結果が特別結果となる場合にのみ、所定の遊技イベントを実行するように構成することが可能である。
このように構成することによって、遊技イベントに期待感を持たせることができるため、遊技の興趣を高めることができる。上限回数を設けることで、遊技イベントを実行した回数が上限回数に到達するまでは、遊技イベントが実行される毎に、特別結果の導出に徐々に近づいているような印象を与えることができるとともに、遊技イベントを実行した回数が上限回数に到達した後は、次に実行される遊技イベントによって特別結果の導出を報知することができるため、遊技イベントに期待感を持たせることができる。
また、以上説明した“ST中リーチ演出制御”を実行可能な遊技機10によれば、演出制御手段(演出制御装置300)は、ゲームに対応して、複数の識別図柄を変動表示する変動表示演出(本実施形態の場合、飾り特図変動表示ゲーム)を表示装置41に表示可能であるとともに、ゲームの結果が特別結果となる場合に、変動表示演出の結果態様として特別結果態様を導出可能であり、所定の遊技イベントは、変動表示演出において最後に停止表示する識別情報次第で結果態様が特別結果態様となりうるリーチ状態が演出として表示されるリーチ演出であり、特別遊技状態の終了後の所定期間においては、リーチ演出のうちの、結果態様が特別結果態様とならないリーチ演出(ハズレリーチ演出)を上限回数実行した後は、ゲームの結果が特別結果となる場合にのみ、リーチ演出を実行するように構成することが可能である。
このように構成することによって、リーチ演出に期待感を持たせることができるため、遊技の興趣を高めることができる。上限回数を設けることで、リーチ演出を実行した回数が上限回数に到達するまでは、リーチ演出(ハズレリーチ演出)が実行される毎に、特別結果の導出に徐々に近づいている印象を与えることができるとともに、リーチ演出を実行した回数が上限回数に到達した後は、次に実行される遊技イベント(アタリリーチ演出)によって特別結果の導出を報知することができるため、リーチ演出に期待感を持たせることができる。すなわち、アタリリーチ演出だけでなく、ハズレリーチ演出にも期待感を持たせることができる。
なお、遊技イベントは、リーチ演出に限定されるものではなく、適宜変更可能である。具体的には、遊技イベントは、例えば、ミッション演出(遊技者に一定期間で一定条件を課す演出)や、ミニゲーム演出(遊技者の演出ボタン25への操作に基づいて表示装置41の表示内容を変化させる等する、遊技の実行を伴わない演出)などであっても良い。遊技イベントがミッション演出である場合、例えば、一定条件を満たしてミッションが達成されるとメータレベルが増加する。さらに、上限回数に応じて、2段階や3段階のミッション演出を行っても良い。また、遊技イベントがミニゲーム演出である場合、ミニゲームの結果に応じてメータレベルが増加する。
また、以上説明した“ST中リーチ演出制御”を実行可能な遊技機10によれば、演出制御手段(演出制御装置300)は、複数の回数のうちから選択した回数を上限回数として設定し、特別遊技状態の発生中、或いは、特別遊技状態の終了後の所定期間の開始時に、設定した上限回数に応じて報知表示を変化させることによって、当該上限回数を遊技者に認識可能とさせるように構成することが可能である。
このように構成することによって、上限回数自体に対しても興味を抱かせることができるため、遊技の興趣を高めることができる。上限回数を一律にするのではなく変化させるとともに、上限回数を遊技者に認識可能とさせることで、上限回数によって特別結果が導出されるまでの期間の長短が示唆されているような印象を与える(例えば上限回数が小さいほど特別結果がすぐに導出されるような印象を与える)ことができるため、上限回数自体(すなわち、上限回数の大小)に対しても興味を抱かせることができる。
なお、上限回数(本実施形態の場合、ハズレリーチ演出の上限回数)を、大当り図柄に応じて変化させるようにしたが、これに限定されるものではなく、上限回数は、例えば、大当り図柄にかかわらず一律であっても良いし、大当り図柄以外のファクターに応じて変化するようにしても良い。
[演出ポイント制御]
次に、本実施形態の遊技機10が特徴とする“演出ポイント制御”について説明する。
本実施形態の遊技機10においては、例えば図2および図3に示すように、センターケース40の下方右側に配置されている一般入賞口35と、始動入賞口36との間にポイントゲート80が配置されているとともに、ポイントゲート80の下方に、獲得ポイント数報知器81が配置されている。ポイントゲート80を通過した遊技球は、演出制御装置300が備えるポイントゲートスイッチ(図示省略)によって検出される。そして、演出制御装置300は、ポイントゲートスイッチが遊技球を検出した場合に、所定のポイントをポイント数に加算して、獲得ポイント数報知器81の表示を更新するように構成されている。また、演出制御装置300は、ポイントゲートスイッチが遊技球を検出する度に、スピーカ19a,19bから特定の効果音を出力したり、所定の装飾ランプを点灯させたりすることによって、遊技球がポイントゲート80を通過したことを遊技者に報知するように構成されている。
演出制御装置300は、図65(a)に示すように、遊技機10の状態が通常状態(特殊状態以外の状態)である際に、遊技球がポイントゲート80を通過した場合には、通過した遊技球1個あたり1ポイントを付与する。また、遊技機10の状態が特殊状態である際に、遊技球がポイントゲート80を通過した場合には、通過した遊技球1個あたり3ポイントを付与するように構成されている。
ここで、特殊状態とは、例えば、小当り遊技状態、特別結果態様が導出される確率の状態を報知しない状態(いわゆる潜伏遊技状態)、始動記憶数が上限数に達している状態などである。
なお、通過した遊技球1個あたりに付与するポイントは、図65(a)に示すものに限定されず、適宜変更可能である。
そして、演出制御装置300は、獲得ポイント数が規定数に到達した場合に、演出態様を変化させるように構成されている。
具体的には、例えば図65(b)に示すように、獲得ポイント数が規定数のうちの「10」に到達した場合には、演出態様を「演出態様ア(デフォルトの演出態様)」から「演出態様イ」に変化させ、獲得ポイント数が規定数のうちの「30」に到達した場合には、演出態様を「演出態様イ」から「演出態様ウ」に変化させ、獲得ポイント数が規定数のうちの「100」に到達した場合には、演出態様を「演出態様ウ」から「演出態様エ」に変化させる。演出態様の変化によって、スピーカ19a,19bから出力されるBGMが変化したり、表示装置41に表示されている背景画像が変化したり、表示装置41に表示されているキャラクタの服、アクセサリー、髪型等やキャラクタ自体が変化したり、飾り特別図柄が変化したりする。このように、遊技者は、獲得ポイント数を貯めることによって、演出態様をカスタマイズすることができる。
なお、規定数の値や個数は、図65(b)に示すものに限定されず、適宜変更可能である。
従来、演出態様をカスタマイズする方法として、携帯電話との連動サービスを適用した方法が知られている。しかしながら、この方法の場合、遊技者は、携帯電話との連動サービスに登録しなければならないため、遊技者によっては煩わしく感じる場合があった。これに対し、本実施形態の場合は、このような登録を行うことなく演出態様をカスタマイズできるため、幅広い遊技者に対応することが可能となる。
また、本実施形態の場合、ポイントゲート80は、始動入賞口36の近傍、具体的には始動入賞口36に入賞しなかったこぼれ球の多くが当該ポイントゲート80を通過する位置に設置されている。よって、始動入賞口36に入賞しなかった遊技球によってポイントを貯めることができるため、遊技者に、遊技球が始動入賞口36になかなか入賞しないという喪失感や不快感を与え難く、飽きずに継続して遊技を行わせることが可能となる。
なお、ポイントゲート80や獲得ポイント数報知器81の設置場所は、適宜変更可能である。
例えば、ワープ装置42の近傍に、ポイントゲート80および獲得ポイント数報知器81を設置しても良い。この場合、ポイントが貯まりにくくなるが、その分、1ポイントの価値が高まるため、ポイントゲート80に対する遊技者の関心を高めることができる。
また、例えば、ワープ装置42が有するワープ流路内に、ポイントゲート80を設置するとともに、ポイントゲート80から離れた位置に、獲得ポイント数報知器81を設置しても良い。この場合、ポイントが貯まりにくくなるが、その分、1ポイントの価値が高まるため、ポイントゲート80に対する遊技者の関心を高めることが可能となる。また、獲得ポイント数報知器81をポイントゲート80から離れた位置に配置することで、ポイントゲート80に邪魔されることなく獲得ポイント数報知器81に表示されているポイント数を確認することができる。また、獲得ポイント数報知器81とポイントゲート80を離間して配置することで、遊技者の視線が大きく移動するため、遊技領域32全体を見渡すきっかけとなり、遊技の興趣を高めることができる。
また、大入賞口(特別変動入賞装置38)の近傍に、ポイントゲート80および獲得ポイント数報知器81を設置しても良い。この場合、ポイントゲート80を、大入賞口に入賞しなかったこぼれ球が当該ポイントゲート80に流入する位置に設置して、大入賞口に入賞しなかった遊技球によってポイントを貯めることができるようにすることで、大入賞口に入賞しなかったことへの落胆・不快感を軽減することができる。
また、普図始動ゲート34の近傍に、ポイントゲート80および獲得ポイント数報知器81を設置しても良い。この場合、多くの遊技球がポイントゲート80を通過することになるため、遊技者は、多くのポイントを獲得でき、変動表示ゲーム以外でも楽しむことができる。
以上説明した“演出ポイント制御”を実行可能な遊技機10によれば、ゲームの結果が予め定められた特別結果となる場合に遊技者に遊技価値を付与可能な遊技機において、演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、所定のポイント付与条件の成立(本実施形態の場合、遊技球のポイントゲート80への流入)に基づき、遊技者にポイントを付与可能なポイント付与手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、ポイント付与手段により付与されたポイントが規定数に到達することに基づいて、演出の演出態様を変更可能である。
したがって、ポイントを貯めることで演出態様が変更されるため、遊技の興趣を高めることができる。
以上のように演出を使用可能とする処理を含めて演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311によって実行される制御について説明する。主制御用マイコン311による制御処理は、主に図66に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
メイン処理においては、図66に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出操作部550(演出ボタン25やタッチパネル29)の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出操作部550からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出操作部550からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
次いで、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更、演出を使用可能とする設定などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。
次いで、演出ポイント制御処理(ステップC11)を行って、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC12)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC13)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC14)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC15)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC16)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC16で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC16;N)には、ステップC16の処理を繰り返して行う。一方、ステップC16で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC16;Y)には、画面描画を指示する(ステップC17)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC18)、盤装飾装置46や枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC19)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC20)を行い、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔演出ポイント制御処理〕
次に、上述のメイン処理における演出ポイント制御処理(ステップC11)の詳細について説明する。この演出ポイント制御処理にて、上述の“演出ポイント制御”を行う。
図67に示すように、演出ポイント制御処理では、まず、遊技球がポイントゲート80を通過したか否か判定する(ステップC101)。
ステップC101で、遊技球がポイントゲート80を通過していないと判定した場合(ステップC101;N)には、演出ポイント制御処理を終了する。
一方、ステップC101で、遊技球がポイントゲート80を通過したと判定した場合(ステップC101;Y)、すなわちポイントゲートスイッチが遊技球を検出した場合には、遊技機の状態に対応するポイントをポイント数に加算して(ステップC102)、演出ポイント制御処理を終了する。具体的には、本実施形態の場合、図65(a)に示すように、遊技機10の状態が通常状態である際には、ポイントゲート80を通過した遊技球1個あたり1ポイントをポイント数に加算し、遊技機10の状態が特殊状態である際には、ポイントゲート80を通過した遊技球1個あたり3ポイントをポイント数に加算する。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理(ステップC13)の詳細について説明する。
図68に示すように、受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC301)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC302)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC302;N)は、当該受信コマンドチェック処理を終了する。また、コマンド受信数が0でないと判定した場合(ステップC302;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC303)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC304)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC305)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC306)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC306で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC306;N)には、ステップC304の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC306;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC307)、受信コマンド解析処理(ステップC308)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC309)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC310)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC310;N)には、ステップC307の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC310;Y)には、当該受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理(ステップC308)の詳細について説明する。
図69に示すように、受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC321)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC322、ステップC323)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC322;Y、ステップC323;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC324)。
また、ステップC322、ステップC323で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC322;N、ステップC323;N)、あるいは、ステップC324でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC324;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC324で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC324;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC325)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC325;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC326)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC325で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC325;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC327)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC327;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC328)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC327で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC327;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC329)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC329;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC330)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC329で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC329;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC331)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC331;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC332)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC331で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC331;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC333)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC333;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC334)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC333で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC333;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC335)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC335;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC336)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC335で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC335;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、単発系コマンド処理(ステップC332)には、特図1保留(第1始動記憶)に対応する飾り特図保留数コマンドを受信した場合に、発生した特図1保留に関する処理を行う特図1保留情報設定処理や、特図2保留(第2始動記憶)に対応する飾り特図保留数コマンドを受信した場合に、発生した特図2保留に関する処理を行う特図2保留情報設定処理が含まれる。これらの特図1保留情報設定処理及び特図2保留情報設定処理では、発生した保留に対応する飾り特図始動記憶表示を表示装置41に表示する処理などを行う。すなわち、演出制御装置300が、個々の始動記憶に対応した始動記憶表示により始動記憶に関する情報を表示する始動記憶報知表示を行う始動記憶報知手段をなす。
また、先読み演出(先読み予告、或いは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(或いはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド、及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
〔図柄系コマンド処理〕
次に、上述の受信コマンド解析処理における図柄系コマンド処理(ステップC330)の詳細について説明する。
図70に示すように、図柄系コマンド処理では、まず、MODEに対応する特図種別(特図1か特図2の何れか)を設定し(ステップC701)、MODEとACTの組み合わせに対応する図柄種別を設定してセーブし(ステップC702)、図柄系コマンド処理を終了する。
図柄種別とは、はずれ図柄、16R確変大当り図柄、16R通常大当り図柄、6R確変大当り図柄、小当り図柄等の図柄のカテゴリであり、ACTのデータと対応付けられている。特図1と特図2で図柄の割合が変わるので(確変割合は同じ)、MODE毎にこの図柄種別設定テーブルを分けて設けており、複数ある図柄種別設定テーブルからMODEのデータに対応するものを選択し、さらに当該テーブルを参照してACTに対応する図柄種別を設定する。
〔変動系コマンド処理〕
次に、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC326)の詳細について説明する。
図71に示すように、変動系コマンド処理では、まず、特図種別が未確定であるかを判定する(ステップC801)。特図種別とは、特図の種別が特図1か特図2かを示す情報であり、上述の図柄系コマンド処理のステップC701で設定される情報である。
この特図種別が未確定である場合(ステップC801;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、特図種別が未確定でない場合(ステップC801;N)、すなわち特図種別が設定されている場合は、変動コマンドと図柄コマンドの組み合わせをチェックし(ステップC802)、変動コマンドと図柄種別が不整合であるかを判定する(ステップC803)。
変動コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップC803;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、変動コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップC803;N)は、変動コマンドから変動パターン種別を判別する(ステップC804)。図柄種別とは図柄のカテゴリを意味し、図柄種別には例えば、はずれ図柄、16R確変大当り図柄、16R通常大当り図柄、6R確変大当り図柄、小当り図柄などがある。変動コマンドと図柄種別が不整合である場合とは、はずれの変動コマンド(変動パターンコマンド)を受信したのに、16R確変大当り図柄の図柄コマンドを受信していた時のような、演出を行う上で矛盾してしまう組み合わせ(変動コマンドと図柄種別の組み合わせ)であることを意味する。
変動コマンドから変動パターン種別を判別する処理(ステップC804)では、受信したコマンドに応じて、特図の変動表示演出の大まかな分類である変動パターン種別を判別する。そして、変動コマンドに応じた演出を行うための情報を設定する変動演出設定処理を行う(ステップC805)。
次に、P機状態(パチンコ機の状態)として特図変動中を設定する(ステップC806)。ここで、特図変動中とは、特図の変動中(客待ちデモ中や大当り中、或いはファンファーレ中等でないこと)を表している。さらに、先読み演出回数(先読み実行回数)がゼロでなければ先読み演出回数を−1更新(先読み演出回数を1だけ減らす処理)し(ステップC807)、変動系コマンド処理を終了する。
〔変動演出設定処理〕
次に、上述の変動系コマンド処理における変動演出設定処理(ステップC805)の詳細について説明する。
図72に示すように、変動演出設定処理では、まず、変動パターン種別がリーチなし変動であるかを判定する(ステップC811)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(ステップC811;Y)は、現在の獲得ポイント数、機種コード、特図種別、及び演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC812)。なお、リーチなし変動であるので図柄種別は必ずはずれ図柄であり、ここでは図柄種別を特に参照しなくてもよい。また、演出モードは、演出制御装置300が管理する遊技モードに相当し、機種によって当然異なるが、ここでは通常モード、確変モード、時短モード及び潜伏モードなどがある。さらに、各モード内に予告演出の振り分け率や表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出態様を異ならせた複数のモードを設けている。
次に、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(ステップC813)。これにより、リーチなし変動の場合には、各変動中に出現する予告演出の抽選内容(具体的には各予告演出態様の出現率)を保留数に応じて変化させることが可能となる。その後、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC816)。
一方、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(ステップC811;N)は、現在の獲得ポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、及び図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC814)。そして、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC815)、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC816)。
次に、ステップC817からステップC819により後半変動の予告演出を抽選する。なお、特図変動表示ゲームの後半変動とはいわゆるリーチアクション(例えば、特図の複数列の表示領域のうち特定領域を除く表示領域が大当りとなる特別結果態様(特別な図柄の組合せ)で変動表示が停止していて、特定領域のみで変動表示している状態)の変動表示である。一方、特図変動表示ゲームの前半変動とはリーチアクション開始前までの変動表示である。
まず、現在の獲得ポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、及び図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC817)。後半予告振分グループアドレステーブルは、後半予告振分グループテーブルのアドレスを選択するためのテーブルである。そして、後半予告振分グループアドレステーブルを参照してACTに対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC818)、後半予告振分グループテーブルを使って後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(ステップC819)。
次いで、変動演出の内容を決定する変動演出内容決定処理を行う(ステップC820)。
次いで、ステップC819で行った予告抽選の結果に対応する演出の内容を決定して(ステップC821)、飾り特図変動表示ゲームの結果態様を構成する停止図柄を設定する停止図柄設定処理を行う(ステップC822)。
次いで、ステップC820で決定した変動演出の内容に基づいて、変動演出の表示設定を行い(ステップC823)、ステップC821で決定した演出の内容に基づいて、予告演出の表示設定を行う(ステップC824)。
次いで、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行う(ステップC825)。これにより、今回実行する飾り特図変動表示ゲームに対応する飾り特図始動記憶表示が減少するアニメ(動画)が設定される。
次いで、スピーカ19a,19bから出力するBGMの種類を示す音声番号や、装飾ランプ等による演出の種類を示す装飾番号を設定する(ステップC826)。
次いで、特図種別に対応する飾り特図変動表示ゲームの表示設定を行って(ステップC827)、変動演出設定処理を終了する。
〔変動演出内容決定処理〕
次に、上述の変動演出設定処理における変動演出内容決定処理(ステップC820)の詳細について説明する。この変動演出内容決定処理にて、上述の“ST中リーチ演出制御”を行う。
図73に示すように、変動演出内容決定処理では、まず、ST中フラグがセットされているか否か判定する(ステップC831)。
ST中フラグがセットされていると判定した場合(ステップC831;Y)、すなわちスペシャルタイム中である場合には、今回実行する飾り特図変動表示ゲームでスペシャルタイムが終了するか否か判定する(ステップC835)。
一方、ST中フラグがセットされていないと判定した場合(ステップC831;N)には、今回実行する飾り特図変動表示ゲームからスペシャルタイムが開始するか否か判定する(ステップC832)。
今回からスペシャルタイムが開始しないと判定した場合(ステップC832;N)には、MODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定して(ステップC845)、変動演出内容決定処理を終了する。変動コマンド(MODE、ACT)から、変動時間や、ゲームの結果、リーチの有無、リーチ有の場合には主なリーチ内容などが分かるため、それに基づいて、変動演出の内容(演出態様)を決定する。
一方、今回からスペシャルタイムが開始すると判定した場合(ステップC832;Y)には、ハズレリーチ演出の上限回数までの残り回数をカウントする残り回数カウンタに、大当り図柄に対応する上限回数(リーチ回数天井)をセットし(ステップC833)、ST中フラグをセットして(ステップC834)、今回実行する飾り特図変動表示ゲームでスペシャルタイムが終了するか否か判定する(ステップC835)。
今回でスペシャルタイムが終了しないと判定した場合(ステップC835;N)には、MODE、ACTは「結果:当り、リーチ:有」を示すコマンドであるか否か判定する(ステップC837)。
一方、今回でスペシャルタイムが終了すると判定した場合(ステップC835;Y)には、ST中フラグをクリアして(ステップC836)、MODE、ACTは「結果:当り、リーチ:有」を示すコマンドであるか否か判定する(ステップC837)。
MODE、ACTは「結果:当り、リーチ:有」を示すコマンドであると判定した場合(ステップC837;Y)には、MODE、ACT、および残り回数(残り回数カウンタの値)に対応する変動演出の内容を決定し(ステップC838)、残り回数カウンタに「0」をセットして(ステップC839)、変動演出内容決定処理を終了する。ステップC838の時点で残り回数カウンタの値が「0」である場合、当該ステップC838では、アタリリーチ演出を実行するための変動演出の内容が決定される。また、ステップC838の時点で残り回数カウンタの値が「0」以外である場合、当該ステップC838では、例えば、ハズレリーチ演出を残り回数分実行する擬似連演出と、その後のアタリリーチ演出とを実行するための変動演出の内容が決定される(図64(c)参照)。
一方、MODE、ACTは「結果:当り、リーチ:有」を示すコマンドでないと判定した場合(ステップC837;N)には、MODE、ACTは「結果:はずれ、リーチ:有」を示すコマンドであるか否か判定する(ステップC840)。
MODE、ACTは「結果:はずれ、リーチ:有」を示すコマンドでないと判定した場合(ステップC840;N)、すなわちMODE、ACTが「結果:はずれ、リーチ:無」を示すコマンドや「結果:当り、リーチ:無」を示すコマンドである場合には、MODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定して(ステップC845)、変動演出内容決定処理を終了する。
一方、MODE、ACTは「結果:はずれ、リーチ:有」を示すコマンドであると判定した場合(ステップC840;Y)には、残り回数カウンタの値が「0」であるか否か判定する(ステップC841)。
残り回数カウンタの値が「0」でないと判定した場合(ステップC841;N)には、MODE、ACT、および残り回数(残り回数カウンタの値)に対応する変動演出の内容を決定し(ステップC842)、残り回数カウンタを−1更新して(ステップC843)、変動演出内容決定処理を終了する。ステップC842では、残り回数カウンタの値が「3」である場合、1回目のハズレリーチ演出を実行するための変動演出の内容が決定され、残り回数カウンタの値が「2」である場合、2回目のハズレリーチ演出を実行するための変動演出の内容が決定され、残り回数カウンタの値が「1」である場合、3回目のハズレリーチ演出を実行するための変動演出の内容が決定される。
一方、残り回数カウンタの値が「0」であると判定した場合(ステップC841;Y)、すなわち上限回数分のハズレリーチ演出を実行済みである場合には、「リーチ:有」を「リーチ:無」に変更したMODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定して(ステップC844)、変動演出内容決定処理を終了する。ステップC841で残り回数カウンタの値が「0」であると判定した場合、このまま遊技制御装置100からのコマンド(すなわち「結果:はずれ、リーチ:有」を示すコマンド)に従って演出を行うと、ハズレリーチ演出を上限回数実行した後のリーチ演出がハズレリーチ演出になり、ルール(ハズレリーチ演出を上限回数実行した後は、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合にのみ、リーチ演出を実行するというルール)に違反してしまう。したがって、ステップC844では、リーチの発生を伴うはずれ演出(ハズレリーチ演出)を実行するための変動演出の内容に替えて、リーチの発生を伴わないはずれ演出を実行するための変動演出の内容が決定される(図64(b)参照)。
<変形例1>
遊技制御装置100からの先読み結果に基づいて“ST中リーチ演出制御”を行うことも可能である。
具体的には、演出制御装置300は、特図変動表示ゲームの開始に関する情報として「結果:当り、リーチ:有」を示すコマンドを遊技制御装置100から受信する前に、当該特図変動表示ゲームの先読み結果を遊技制御装置100から受信した場合には、当該特図変動表示ゲームの開始までに、ハズレリーチ演出の残り回数をできるだけ減らすべく、ハズレリーチ演出を強制的に実行するように構成することも可能である。
例えば、図74に示すように、演出制御装置300は、スペシャルタイムにおける最初の特図変動表示ゲーム(1回目の特図変動表示ゲーム)に対応する飾り特図変動表示ゲームの実行中に、遊技制御装置100から、4回目の特図変動表示ゲームの先読み結果として「結果:当り、リーチ:有」を示すコマンドを受信したとする。この場合、4回目の特図変動表示ゲームの開始までに、ハズレリーチ演出の残り回数をできるだけ減らすべく、2回目や3回目の特図変動表示ゲームの開始に関する情報として「結果:はずれ、リーチ:無」を示すコマンドを受信した場合には、当該コマンドに従わずに、ハズレリーチ演出を行う。
なお、対象の特図変動表示ゲーム(図74に示す例の場合、4回目の特図変動表示ゲーム)の先読み結果を受信してから当該対象の特図変動表示ゲームを開始するまでの間の変動回数(特図変動表示ゲームが実行される回数)が、ハズレリーチ演出の残り回数(当該先読み結果を受信した時点における残り回数)よりも多い場合や、図74に示す例のようにハズレリーチ演出の残り回数(当該先読み結果を受信した時点における残り回数)と同数である場合には、強制的にハズレリーチ演出を実行することで、当該対象の特図変動表示ゲームの開始までに、ハズレリーチ演出の残り回数を「0回」にすることができる。
一方、対象の特図変動表示ゲームの先読み結果を受信してから当該対象の特図変動表示ゲームを開始するまでの間の変動回数が、ハズレリーチ演出の残り回数よりも少ない場合には、強制的にハズレリーチ演出を実行することで、当該対象の特図変動表示ゲームの開始までに、ハズレリーチ演出の残り回数を減少させることはできるが、「0回」にすることはできない。すなわち、アタリリーチ演出を実行する前に、上限回数分のハズレリーチ演出を実行することができない。このように、アタリリーチ演出を実行する前に、上限回数分のハズレリーチ演出を実行することができない場合には、図64(c)に示すように、アタリリーチ演出を実行する前に擬似連演出を行い、この擬似連演出においてハズレリーチ演出を残り回数分実行しても良い。
<変形例2>
スペシャルタイムの終了に近づくほど、ハズレリーチ演出の発生率を高くすることも可能である。
具体的には、演出制御装置300は、スペシャルタイムの開始から終了までの期間を複数の時期(例えば「序盤」、「中盤」、「終盤」の3つの時期)に分けて、スペシャルタイムの終了に近い時期ほど、ハズレリーチ演出の発生率(すなわち「結果:はずれ、リーチ:有」を示すコマンドに従う確率)を高くするように構成することも可能である。
前述した実施形態では、図64(b)に示すように、ハズレリーチ演出を上限回数実行した後は、「結果:はずれ、リーチ:有」を示すコマンドを受信しても、当該コマンドに従わずにリーチの発生を伴わないはずれ演出を実行するように構成した。しかし、この場合、ハズレリーチ演出を上限回数実行してから、アタリリーチ演出を実行するまでの期間が長いと、向上した大当りへの期待感が低下してしまう可能性がある。
そこで、例えば、「結果:はずれ、リーチ:有」を示すコマンドを受信した際に、当該コマンドに従うか否か決定するための抽選を行い、当該抽選に当選した場合に当該コマンドに従ってハズレリーチ演出を実行する。そして、この抽選の当選確率を、スペシャルタイムの終了に近い時期ほど高くなるように設定することによって、スペシャルタイムの終了に近い時期ほど、ハズレリーチ演出の発生率を高くすることで、期待感の低下を抑制することが可能となる。
なお、スペシャルタイムの終了に近づくほど、ハズレリーチ演出の発生率を高くすることで、アタリリーチ演出を実行する前に、上限回数分のハズレリーチ演出を実行することができない場合には、図64(c)に示すように、アタリリーチ演出を実行する前に擬似連演出を行い、この擬似連演出においてハズレリーチ演出を残り回数分実行しても良い。
<変形例3>
特別遊技状態中に、スペシャルタイム中に実行するリーチ演出で登場するキャラクタ(例えば、第1〜第4キャラクタ)を表示装置41に表示することも可能である。
具体的には、演出制御装置300は、スペシャルタイムにおいて特図変動表示ゲームを実行する回数(以下「ST回数」という。)と、スペシャルタイム中に実行するリーチ演出で登場するキャラクタ(主人公キャラクタ)とを対応付けておき、特別遊技状態中に、当該特別遊技状態の終了後に発生するスペシャルタイムのST回数に対応するキャラクタを表示するように構成することも可能である。
例えば、第1キャラクタとST回数「20回」とを対応付けておき、第2キャラクタとST回数「40回」とを対応付けておき、第3キャラクタとST回数「60回」とを対応付けておき、第4キャラクタとST回数「80回」とを対応付けておく。そして、特別遊技状態の終了後に発生するスペシャルタイムのST回数が、例えば「60回」である場合には、当該特別遊技状態中に第3キャラクタを表示する。これにより、特別遊技状態中に、当該特別遊技状態の終了後に発生するスペシャルタイムのST回数を示唆することが可能となる。また、特別遊技状態の終了後に発生するスペシャルタイムのST回数が、例えば「60回」である場合、当該特別遊技状態中に主人公キャラクタを第1キャラクタ→第2キャラクタ→第3キャラクタの順に表示すると、ST回数が増えていくように見せることができるため、ST回数を示唆できるだけでなく、期待感を高めることもできる。
また、演出制御装置300は、特別遊技状態中に、スペシャルタイム中に実行するリーチ演出で登場するキャラクタ(主人公キャラクタ)が敵キャラクタと戦うバトル演出を行い、バトルの結果(主人公キャラクタの勝ち、負け、引き分け)に応じて、メータ表示Mのメータレベルを上げ下げするように構成することも可能である。
例えば、所定のラウンド毎(例えば4ラウンド毎)にバトル演出を行い、主人公キャラクタが勝つとメータレベルを上げ、引き分けるとメータレベルを変化させず、負けるとメータレベルを下げることによって、最終的(すなわち特別遊技状態の終了時)に、メータレベルを所望のレベルまで上げる。これにより、スペシャルタイム中の演出(本実施形態の場合、バトル演出)に関連する演出を、特別遊技状態中に行うことが可能となる。
なお、特別遊技状態中に実行するバトル演出は、ハズレリーチ演出の上限回数が3回である場合にも実行可能であり、その場合には、メータ表示Mのメータレベルが最終的(すなわち特別遊技状態の終了時)に「レベル0」となるように主人公キャラクタの勝ち、負け、引き分けを出現させる。
<変形例4>
ST中リーチ実行済み回数等を報知する報知表示は、メータ表示Mやセグメント表示などの表示装置41を用いた報知表示に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、枠装飾装置18やセンターケース40などに設けられたLEDランプによって、ST中リーチ実行済み回数等を報知しても良い。なお、表示装置41を用いた報知表示と、LEDランプを用いた報知表示との両方で、ST中リーチ実行済み回数等を報知することも可能である。
<変形例5>
演出制御装置300が“ST中リーチ演出制御”を行うのではなく、遊技制御装置100が“ST中リーチ演出制御”を行うことも可能である。
具体的には、遊技制御装置100は、ST中リーチ実行済み回数を管理するとともに、当該ST中リーチ実行済み回数やハズレリーチ演出の上限回数に応じて変動パターンテーブルを変更することによって、ルール(ハズレリーチ演出を上限回数実行した後は、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合にのみ、リーチ演出を実行するというルール)に違反しないように、演出制御装置300にコマンドを送信するよう構成することも可能である。
<変形例6>
ハズレリーチ演出として、主人公キャラクタが負けるパターンのバトル演出だけでなく、主人公キャラクタが引き分けるパターンのバトル演出を行うことも可能である。
例えば、スペシャルタイムにおける最初のリーチ演出が開始するまでに、メータ表示Mのメータレベルを所望のレベルよりも高いレベルまで上げておき、ハズレリーチ演出として、負けるパターンのバトル演出を実行した場合にはメータレベルを上げるが、引き分けるパターンのバトル演出を実行した場合にはメータレベルを変化させないように構成することも可能である。具体的には、例えば、所望のレベルが「レベル1」である場合(すなわち、ハズレリーチ演出の上限回数が2回である場合)に、メータレベルを「レベル2」まで上げておき、アタリリーチ演出を実行する前に、ハズレリーチ演出として、引き分けるパターンのバトル演出と負けるパターンのバトル演出をそれぞれ1回ずつ行えば、上限回数分のハズレリーチ演出を実行したことになるとともに、アタリリーチ演出の実行前までにメータレベルを「レベル3」まで上げることができる。
<変形例7>
遊技イベントは、リーチ演出に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、リーチ演出以外の演出を、遊技イベントとすることも可能である。
例えば、演出制御装置300は、スペシャルタイム中に、ハズレリーチ演出として、主人公キャラクタが勝つパターンのバトル演出と、主人公キャラクタが引き分けるパターンのバトル演出と、主人公キャラクタが負けるパターンのバトル演出とを実行する。そして、これらのバトル演出のうちの、主人公キャラクタが勝つパターンのバトル演出のみを遊技イベントとし、主人公キャラクタが勝つパターンのバトル演出を実行した場合に、メータ表示Mのメータレベルを上げ、主人公キャラクタが引き分けるパターンや負けるパターンのバトル演出を実行した場合には、メータレベルを変化させないように構成することも可能である。
この場合、演出制御装置300は、例えば、遊技制御装置100からの「結果:はずれ、リーチ:有」を示すコマンドに従ってハズレリーチ演出を行い、そのハズレリーチ演出にて遊技イベント(主人公キャラクタが勝つパターンのバトル演出)を行うか否かを、遊技イベントの実行済み回数や上限回数に応じて選択する。
<変形例8>
演出制御装置300は、先読み演出として、予告対象となる特定の始動記憶(対象始動記憶)に基づく特図変動表示ゲームまでの複数の特図変動表示ゲームに亘り、連続的な演出を行う連続予告演出を実行することも可能である。
また、演出制御装置300は、リーチ演出の開始を報知するリーチ開始演出として、リーチ図柄を報知するために当該リーチ図柄を一時的に停止表示するリーチ図柄報知演出を実行することも可能である。
まず、本変形例における連続予告演出について説明する。
演出制御装置300は、飾り特図変動表示ゲームとして、図76(a)に示すように、表示装置41の表示画面の中央部に表示される飾り特図変動表示ゲームZ1と、表示装置41の表示画面の隅部(本変形例では右上隅部)に表示される飾り特図変動表示ゲームZ2と、を実行可能である。
一般的に、表示装置41の表示画面の隅部に表示される飾り特図変動表示ゲームZ2用の識別図柄(飾り特別図柄)は、表示装置41の表示画面の中央部に表示される飾り特図変動表示ゲームZ1用の識別図柄(飾り特別図柄)よりも小さい。よって、以下、表示装置41の表示画面の隅部に表示される飾り特図変動表示ゲームZ2を「小飾り変動表示ゲームZ2」といい、表示装置41の表示画面の中央部に表示される飾り特図変動表示ゲームZ1を「大飾り変動表示ゲームZ1」という。
大飾り変動表示ゲームZ1は、特図変動表示ゲームを演出するために表示される。一方、小飾り変動表示ゲームZ2は、特図変動表示ゲームの変動状況を遊技者に認識させるために表示され、大飾り変動表示ゲームZ1が演出等で非表示となっている際にも表示され続ける。例えば、図61に示す例では、大飾り変動表示ゲームZ1がバトル演出によって非表示となっており、小飾り変動表示ゲームZ2が表示画面の隅部(図61に示す例では左上隅部)に表示されている。また、連続予告演出によって大飾り変動表示ゲームZ1が非表示となる際にも、小飾り変動表示ゲームZ2は表示され続ける。その具体例を、図75〜図77を用いて説明する。
図75における、「小図柄変動表示」は小飾り変動表示ゲームZ2用の識別図柄の変動表示のことであり、「大図柄変動表示」は大飾り変動表示ゲームZ1用の識別図柄の変動表示のことであり、「小図柄停止表示」は小飾り変動表示ゲームZ2用の識別図柄の停止表示のことであり、「大図柄停止表示」は大飾り変動表示ゲームZ1用の識別図柄の停止表示のことである。
図75に示すように、演出制御装置300が、連続予告演出を実行していない状態で、第2特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームとして、大飾り変動表示ゲームZ1と小飾り変動表示ゲームZ2との双方を実行していたとする(図76(a)参照)。その際に、3つ目の第2特図変動表示ゲームの始動記憶が発生し(t11)、当該3つ目の始動記憶についての先読み処理の結果、当該3つ目の始動記憶を対象始動記憶として連続予告演出を行うことが決定されると、演出制御装置300は、連続予告フラグをONする(ステップt12)。
以下、当該3つ目の始動記憶を「始動記憶A」といい、当該3つ目の始動記憶の1つ前の始動記憶を「始動記憶B」といい、当該3つ目の始動記憶の2つ前の始動記憶を「始動記憶C」といい、当該3つ目の始動記憶の3つ前の始動記憶を「始動記憶D」という。したがって、この例において、当該3つ目の始動記憶の発生時に実行していた特図変動表示ゲームは、始動記憶Dに基づく第2特図変動表示ゲームである。
連続予告フラグは、表示装置41の表示画面の中央部にて、大飾り変動表示ゲームZ1を実行するか連続予告演出を実行するかを決定するために用いられる。具体的には、本変形例の場合、演出制御装置300は、特図変動表示ゲームの開始時に連続予告フラグがONであるか否か判定し、連続予告フラグがOFFである場合には、表示画面の中央部にて大飾り変動表示ゲームZ1を実行し、連続予告フラグがONである場合には、表示画面の中央部にて連続予告演出を実行する。また、本変形例の場合、演出制御装置300は、開始される特図変動標示ゲームが対象始動記憶(この例では始動記憶A)に基づくゲームである場合には、連続予告フラグをOFFするとともに、表示画面の中央部にて連続予告演出を実行するよう構成されている。
なお、大図柄(すなわち、大飾り変動表示ゲームZ1用の識別図柄)の変動表示態様は、図76(a)に示す態様、すなわち縦軸回転表示に限定されず、適宜変更可能であり、例えばスクロール表示であってもよい。また、小図柄(すなわち、小飾り変動表示ゲームZ2用の識別図柄)の変動表示態様も、図76(a)に示す態様、すなわち縦スクロール表示に限定されず、適宜変更可能であり、例えば軸回転表示であってもよい。
次いで、演出制御装置300は、表示画面の中央部にて大図柄の停止表示を行うとともに、表示画面の隅部にて小図柄の停止表示を行うことによって、始動記憶Dに基づく第2特図変動表示ゲームの結果を報知する結果報知演出を実行する(t13。図76(b)参照)。図76(b)に示す結果報知演出において、大飾り変動表示ゲームZ1の結果態様として停止表示される確定図柄と、小飾り変動表示ゲームZ2の結果態様として停止表示される確定図柄とは、同一(この例では「321」)になっている。
次いで、演出制御装置300は、始動記憶Cに基づく第2特図変動表示ゲームの開始時に、当該始動記憶Cが対象始動記憶であるか否か判定し、対象始動記憶ではないため、連続予告フラグがONであるか否か判定する。そして、連続予告フラグがONであるため、始動記憶Cに基づく第2特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームとして小飾り変動表示ゲームZ2のみを実行するとともに、表示画面の中央部に連続予告表示(この例では「オニキュンソード」という表示)を表示する(t14。図76(c)参照)。
次いで、演出制御装置300は、表示画面の隅部にて小図柄の停止表示を行い(t15)、その後、表示画面の中央部にて連続予告表示を消去して大図柄の停止表示を行う(t16)。これにより、始動記憶Cに基づく第2特図変動表示ゲームの結果を報知する結果報知演出を実行する(図76(d)参照)。図76(d)に示す結果報知演出においても、大飾り変動表示ゲームZ1の結果態様として停止表示される確定図柄と、小飾り変動表示ゲームZ2の結果態様として停止表示される確定図柄とは、同一(この例では「243」)になっている。
次いで、演出制御装置300は、始動記憶Bに基づく第2特図変動表示ゲームの開始時に、当該始動記憶Bが対象始動記憶であるか否か判定し、対象始動記憶ではないため、連続予告フラグがONであるか否か判定する。そして、連続予告フラグがONであるため、始動記憶Bに基づく第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームとして小飾り変動表示ゲームZ2のみを実行するとともに、表示画面の中央部に連続予告表示を表示する(t17。図76(e)参照)。
次いで、演出制御装置300は、表示画面の隅部にて小図柄の停止表示を行い(t18)、その後、表示画面の中央部にて連続予告表示を消去して大図柄の停止表示を行う(t19)。これにより、始動記憶Bに基づく第2特図変動表示ゲームの結果を報知する結果報知演出を実行する(図76(f)参照)。図76(f)に示す結果報知演出においても、大飾り変動表示ゲームZ1の結果態様として停止表示される確定図柄と、小飾り変動表示ゲームZ2の結果態様として停止表示される確定図柄とは、同一(この例では「413」)になっている。
次いで、演出制御装置300は、始動記憶Aに基づく第2特図変動表示ゲームの開始時に、当該始動記憶Aが対象始動記憶であるか否か判定し、対象始動記憶であるため、連続予告フラグをOFFし、始動記憶Aに基づく第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームとして小飾り変動表示ゲームZ2のみを実行するとともに、表示画面の中央部に連続予告表示を表示する(t20。図77(a)参照)。この始動記憶Aに基づく第2特図変動表示ゲームにおいては、リーチ演出が実行され、結果が大当りになるとする。
次いで、演出制御装置300は、リーチ演出を実行するタイミングになると、大飾り変動表示ゲームZ1を、連続予告表示に替えて表示画面の中央部に表示する(t21。図77(b)参照)。
次いで、演出制御装置300は、表示画面の中央部にて大図柄の停止表示を行うとともに、表示画面の隅部にて小図柄の停止表示を行うことによって、始動記憶Aに基づく第2特図変動表示ゲームの結果を報知する結果報知演出を実行する(t22。図77(c)参照)。図77(c)に示す結果報知演出においても、大飾り変動表示ゲームZ1の結果態様として停止表示される確定図柄と、小飾り変動表示ゲームZ2の結果態様として停止表示される確定図柄とは、同一(この例では「111」)になっている。
このように、小飾り変動表示ゲームZ2を、大飾り変動表示ゲームZ1が非表示となる間(この例では、連続予告表示が表示されている間)も表示し続けることで、遊技者は、特図変動表示ゲームの変動状況として、常に正確な変動状況を把握できるため、特図変動表示ゲームの変動状況が誤認識されてしまう等の不都合を回避することができる。
また、小飾り変動表示ゲームZ2を表示することで、大飾り変動表示ゲームZ1の非表示が可能となるため、連続予告演出の連続性、すなわち続けて予告表示が表示される状態を確保することができ、遊技の興趣を高めることができる。
特に、本変形例のように、連続予告演出を実行している状態における大図柄停止表示の期間(t16からt17までの期間、t19からt20までの期間)が、連続予告演出を実行していない状態における大図柄停止表示の期間(t13からt14までの期間)よりも短い場合には、連続予告演出の連続性を効果的に確保することが可能となる。
次に、本変形例におけるリーチ図柄報知演出について説明する。
小飾り変動表示ゲームZ2は特図変動表示ゲームの変動状況を遊技者に認識させるためのものであるため、小飾り変動表示ゲームZ2が視認困難な状態になると、場合によっては、特図変動表示ゲームの変動状況が誤認識されてしまう虞がある。
特図変動表示ゲームの変動状況が誤認識されてしまう虞がある場合の具体例を、図78を用いて説明する。
演出制御装置300は、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームとして、例えば図78(a)に示すように、大飾り変動表示ゲームZ1と小飾り変動表示ゲームZ2との双方を実行する。当該特図変動表示ゲームにおいては、リーチ演出が実行されるとする。
次いで、リーチ演出の開始を報知するリーチ開始演出として、例えば図78(b)に示すように、大飾り変動表示ゲームZ1用のリーチ図柄(この例では左図柄および右図柄)を一時的に停止表示するリーチ図柄報知演出と、大飾り変動表示ゲームZ1用のリーチ図柄を第1サイズ(通常サイズ)よりも大きな第2サイズで表示するリーチ図柄拡大演出との双方を実行する。
次いで、例えば図78(c)に示すように、リーチ演出を実行し、その後、例えば図78(d)に示すように、当該特図変動表示ゲームの結果を報知する結果報知演出を実行する。図78(c)に示すリーチ演出においては、大飾り変動表示ゲームZ1用のリーチ図柄が、第1サイズ(通常サイズ)に戻って、仮停止表示(ここでは定位置で揺動表示)されている。また、図78(d)に示す結果報知演出においては、大飾り変動表示ゲームZ1用の確定図柄(停止図柄)と、小飾り変動表示ゲームZ2用の確定図柄(停止図柄)とが、同一(この例では「121」)になっている。
ここで、「停止表示」とは、識別図柄を所定時間(例えば0.5秒)以上完全に停止させることであり、「仮停止表示」とは、一見すると停止しているように見える状態で、識別図柄の表示態様を連続的に変化させることである。また、本願における「連続的に変化」とは、所定時間(例えば0.5秒)未満の間隔で変化させる(切り替える)ことである。
リーチ図柄拡大演出が実行されている間は、例えば図78(b)に示すように、大飾り変動表示ゲームZ1用のリーチ図柄が拡大表示されるため、小飾り変動表示ゲームZ2が視認困難な状態になる。小飾り変動表示ゲームZ2が視認困難な状態になると、特図変動表示ゲームの変動状況が、小飾り変動表示ゲームZ2ではなく大飾り変動表示ゲームZ1に基づき判断される場合が生じ得る。しかしながら、その場合に、リーチ図柄報知演出も実行していると、特図変動表示ゲームの変動状況が誤認識されてしまう虞がある。
すなわち、リーチ図柄報知演出が実行されている間は、例えば図78(b)に示すように、大飾り変動表示ゲームZ1用のリーチ図柄が停止表示される。さらに、リーチ図柄報知演出では、リーチ図柄以外の図柄(この例では中図柄。以下「非リーチ図柄」という。)は、識別困難な速さで変動表示され続けるか、あるいは、リーチ図柄の停止表示を強調するために消去される。そのため、リーチ図柄報知演出が実行されている間、大飾り変動表示ゲームZ1に基づき特図変動表示ゲームの変動状況が判断されると、特図変動表示ゲームは変動中でない(すなわち、特図変動表示ゲームは結果表示中である)と誤認識されてしまう虞がある。
したがって、リーチ図柄報知演出のような“大飾り変動表示ゲームZ1用のリーチ図柄が停止表示されて、大飾り変動表示ゲームZ1用の非リーチ図柄が消去される(あるいは、非リーチ図柄が識別困難な速さで変動表示され続ける)演出”とともに、リーチ図柄拡大演出のような“小飾り変動表示ゲームZ2を視認困難にさせる演出”を実行すると、特図変動表示ゲームの変動状況が誤認識されてしまう虞がある。
なお、図78(b)に示すリーチ図柄拡大演出では、大飾り変動表示ゲームZ1用のリーチ図柄の表示領域が、小飾り変動表示ゲームZ2の表示領域の少なくとも一部に重複しているが、これに限ることはなく、大飾り変動表示ゲームZ1用のリーチ図柄によって小飾り変動表示ゲームZ2が視認困難となるのであれば、大飾り変動表示ゲームZ1用のリーチ図柄の表示領域は、小飾り変動表示ゲームZ2の表示領域に重複しなくてもよい。すなわち、リーチ図柄拡大演出時におけるリーチ図柄の表示領域の位置やサイズは、適宜変更可能である。
また、大図柄(すなわち、大飾り変動表示ゲームZ1用の識別図柄)の変動表示態様は、図78に示す態様、すなわち縦スクロール表示に限定されず、適宜変更可能であり、例えば軸回転表示であってもよい。また、小図柄(すなわち、小飾り変動表示ゲームZ2用の識別図柄)の変動表示態様も、図78に示す態様、すなわち縦スクロール表示に限定されず、適宜変更可能であり、例えば軸回転表示であってもよい。図79〜図82に示す例においても同様である。
また、小飾り変動表示ゲームZ2を視認困難にさせる演出は、リーチ図柄拡大演出に限ることはなく、例えば、図78(e)に示すような演出、具体的にはエフェクトXを表示するエフェクト表示演出や、図78(f)に示すような演出、具体的には盤演出装置44の一種である役物Yを動作させる役物動作演出などであってもよい。
図78(e)に示すエフェクト表示演出では、エフェクト表示Xの表示領域が、小飾り変動表示ゲームZ2の表示領域の少なくとも一部に重複しているが、これに限ることはなく、エフェクト表示Xによって小飾り変動表示ゲームZ2が視認困難となるのであれば、エフェクト表示Xの表示領域の位置やサイズは適宜変更可能である。
また、エフェクト表示演出と同時に、リーチ図柄拡大演出を実行することも可能である。エフェクト表示演出とリーチ図柄拡大演出とを同時に実行する場合、エフェクト表示Xおよび大飾り変動表示ゲームZ1用のリーチ図柄の何れか一方によって小飾り変動表示ゲームZ2が視認困難となればよい。
図78(f)に示す役物動作演出では、図2や図3に示す盤演出装置44に加えて(あるいは替えて)設けられた役物Yが、小飾り変動表示ゲームZ2の表示領域と前後に重ならない位置から、小飾り変動表示ゲームZ2の表示領域の少なくとも一部と前後に重なる位置(すなわち、小飾り変動表示ゲームZ2の表示領域の少なくとも一部に対する前方からの視認を遮蔽可能な位置)まで移動しているが、これに限ることはなく、役物Yによって小飾り変動表示ゲームZ2が視認困難となるのであれば、役物Yの動作態様は適宜変更可能である。
また、役物動作演出と同時に、リーチ図柄拡大演出を実行することも可能である。役物動作演出とリーチ図柄拡大演出とを同時に実行する場合、役物Yおよび大飾り変動表示ゲームZ1用のリーチ図柄の何れか一方によって小飾り変動表示ゲームZ2が視認困難となればよい。
また、役物動作演出と同時に、リーチ図柄拡大演出およびエフェクト表示演出を実行することも可能である。役物動作演出とリーチ図柄拡大演出とエフェクト表示演出とを同時に実行する場合、役物Y、大飾り変動表示ゲームZ1用のリーチ図柄、およびエフェクト表示Xの何れかによって小飾り変動表示ゲームZ2が視認困難となればよい。
無論、役物動作演出は、役物Yを動作させる演出ではなく、図2や図3に示す盤演出装置44等を動作させる演出であってもよい。
なお、小飾り変動表示ゲームZ2を視認困難にさせる演出は、リーチ開始演出中だけでなくリーチ演出中にも実行可能であり、リーチ演出中に小飾り変動表示ゲームZ2が視認困難となる場合には、大飾り変動表示ゲームZ1用のリーチ図柄を仮停止表示する際に、当該リーチ図柄を通常の仮停止表示よりも大きな変化量で変化させる。これにより、リーチ演出中に、特図変動表示ゲームの変動状況が誤認識されてしまう等の不都合を回避することができる。
このように、リーチ図柄報知演出とともに小飾り変動表示ゲームZ2を視認困難にさせる演出を実行すると、特図変動表示ゲームの変動状況が誤認識されてしまう虞がある。
そこで、本変形例では、リーチ図柄報知演出として、図79〜図82に示すように、当該リーチ図柄報知演出とともに小飾り変動表示ゲームZ2を視認困難にさせる演出を実行しても、特図変動表示ゲームの変動状況が誤認識されることのない演出、すなわち、大飾り変動表示ゲームZ1だけで、正確な変動状況を把握させることのできる演出を実行する。
なお、図79〜図82に示す例では、小飾り変動表示ゲームZ2を視認困難にさせる演出としてリーチ図柄拡大演出を実行しているが、小飾り変動表示ゲームZ2を視認困難にさせる演出としてその他の演出(エフェクト表示演出や役物動作演出など)を実行する場合も、リーチ図柄報知演出として図79〜図82に示す演出と同様の演出を行うことが可能である。
図79に示すリーチ図柄報知演出では、大飾り変動表示ゲームZ1用のリーチ図柄を構成する枠画像Z11、数字画像Z12、およびキャラクタ画像Z13のうち、枠画像Z11およびキャラクタ画像Z13の表示態様は変化せずに、数字画像Z12の表示態様のみが変化している。
具体的には、例えば、図79(a)に示すように、数字画像Z12を変動表示(この例では縦軸回転表示)したり、図79(b)に示すように、数字画像Z12の色を連続的に変化させたり、図79(c)に示すように、数字画像Z12を拡縮して、枠画像Z11の表示面積に対する数字画像Z12の表示面積の比率を連続的に変化させたりしている。
このように、図79に示すリーチ図柄報知演出では、枠画像Z11およびキャラクタ画像Z13が停止表示されるため、従来のリーチ図柄報知演出(すなわち、リーチ図柄全体を停止表示する演出。図78(b),(e),(f)参照)と同等のインパクトを遊技者に与えることができる。さらに、図79に示すリーチ図柄報知演出の実行中は、数字画像Z12の表示態様が変化しているため、遊技者は、大飾り変動表示ゲームZ1に基づいて、特図変動表示ゲームが変動中であると認識することができる。すなわち、大飾り変動表示ゲームZ1だけで、正確な変動状況を把握させることができる。
なお、数字画像Z12の表示態様を変化させる方法は、図79(a)〜(c)に示す方法に限定されず、適宜変更可能であり、例えば、数字画像Z12における数を表すのに用いる記号や文字を、例えばアラビア数字→漢数字→…といったように連続的に変化させる方法であってもよい。
図80に示すリーチ図柄報知演出では、大飾り変動表示ゲームZ1用のリーチ図柄を構成する枠画像Z11、数字画像Z12、およびキャラクタ画像Z13のうち、枠画像Z11および数字画像Z12の表示態様は変化せずに、キャラクタ画像Z13の表示態様のみが変化している。
具体的には、例えば、図80(a)に示すように、キャラクタ画像Z13を変動表示(この例では縦軸回転表示)したり、図80(b)に示すように、キャラクタ画像Z13におけるキャラクタの表情を、例えば笑顔→泣き顔→…といったように連続的に変化させたり、図80(c)に示すように、キャラクタ画像Z13を拡縮して、枠画像Z11の表示面積に対するキャラクタ画像Z13の表示面積の比率を連続的に変化させたりしている。
このように、図80に示すリーチ図柄報知演出では、枠画像Z11および数字画像Z12が停止表示されるため、従来のリーチ図柄報知演出(すなわち、リーチ図柄全体を停止表示する演出。図78(b),(e),(f)参照)と同等のインパクトを遊技者に与えることができる。さらに、図80に示すリーチ図柄報知演出の実行中は、キャラクタ画像Z13の表示態様が変化しているため、遊技者は、大飾り変動表示ゲームZ1に基づいて、特図変動表示ゲームは変動中であると認識することができる。すなわち、大飾り変動表示ゲームZ1だけで、正確な変動状況を把握させることができる。
なお、キャラクタ画像Z13の表示態様を変化させる方法は、図80(a)〜(c)に示す方法に限定されず、適宜変更可能であり、例えば、キャラクタ画像Z13の色を連続的に変化させる方法であってもよい。
図81に示すリーチ図柄報知演出では、大飾り変動表示ゲームZ1用の2つのリーチ図柄、すなわち第1リーチ図柄および第2リーチ図柄が同時に停止表示されないように、第1リーチ図柄と第2リーチ図柄とで停止表示タイミングが異なっている。
具体的には、例えば、まず、図81(a)に示すように、第1リーチ図柄(この例では左図柄)を表示して第1サイズ(通常サイズ)から第2サイズへと徐々に拡大する。次いで、図81(b)に示すように、第1リーチ図柄のサイズが第2サイズに達する前に、第2リーチ図柄(この例では右図柄)を表示して第1サイズ(通常サイズ)から第2サイズへと徐々に拡大する。次いで、図81(c)に示すように、第1リーチ図柄のサイズが第2サイズに達すると、当該第1リーチ図柄を停止表示する。次いで、第2リーチ図柄のサイズが第2サイズに達する前に、第1リーチ図柄を第2サイズから第1サイズ(通常サイズ)へと徐々に縮小する。
次いで、図81(d)に示すように、第2リーチ図柄のサイズが第2サイズに達すると、当該第2リーチ図柄を停止表示する。次いで、第1リーチ図柄のサイズが第1サイズ(通常サイズ)に達する前に、第2リーチ図柄を第2サイズから第1サイズ(通常サイズ)へと徐々に縮小する。次いで、図81(e)に示すように、第1リーチ図柄のサイズが第1サイズ(通常サイズ)に達すると、当該第1リーチ図柄を停止表示する。そして、第2リーチ図柄のサイズが第1サイズ(通常サイズ)に達すると、図81(f)に示すように、リーチ演出を開始して、第1リーチ図柄および第2リーチ図柄を仮停止表示する。
このように、図81に示すリーチ図柄報知演出では、2つのリーチ図柄が、停止表示タイミングは異なるものの、停止表示されるため、従来のリーチ図柄報知演出(すなわち、2つのリーチ図柄を同時に停止表示する演出。図78(b),(e),(f)参照)と同等のインパクトを遊技者に与えることができる。さらに、図81に示すリーチ図柄報知演出の実行中は、2つのリーチ図柄のうちの少なくとも一方の表示態様が変化しているため、遊技者は、大飾り変動表示ゲームZ1に基づいて、特図変動表示ゲームが変動中であると認識することができる。すなわち、大飾り変動表示ゲームZ1だけで、正確な変動状況を把握させることができる。
なお、第1リーチ図柄および第2リーチ図柄の停止表示タイミングは、図81に示すタイミングに限定されず、適宜変更可能である。
また、図81に示すリーチ図柄報知演出において、非リーチ図柄を消去するタイミングは、第1リーチ図柄の表示開始タイミング(図81(a)参照)と同時に限定されず、適宜変更可能であり、例えば、第2リーチ図柄の表示開始タイミング(図81(b)参照)と同時であってもよい。また、非リーチ図柄は、消去せずに、識別困難な速さで変動表示してもよい。
また、第1リーチ図柄および第2リーチ図柄の表示開始タイミングは、図81に示すタイミングに限定されず、適宜変更可能であり、例えば同時であってもよい。すなわち、図81(a)においては、第2リーチ図柄が停止表示(あるいは、仮停止表示)されていてもよい。
また、図81に示すリーチ図柄報知演出では、先に第1サイズ(通常サイズ)に戻った第1リーチ図柄を、第2リーチ図柄が第1サイズに戻るまでの間、停止表示するようにしたが、これに限定されず、例えば、先に第1サイズ(通常サイズ)に戻った第1リーチ図柄を仮停止表示してもよい。すなわち、図81(e)においては、第1リーチ図柄が仮停止表示されていてもよい。これにより、特図変動表示ゲームが変動中であることをよりアピールすることができるため、誤認識をより効果的に回避することが可能となる。
図82(a)に示すリーチ図柄報知演出では、大飾り変動表示ゲームZ1用のリーチ図柄が識別可能な速さで変動表示されている。
このように、図82(a)に示すリーチ図柄報知演出では、リーチ図柄が、停止表示されないものの、識別可能な速さで変動表示されるため、従来のリーチ図柄報知演出(すなわち、リーチ図柄を停止表示する演出。図78(b),(e),(f)参照)と同等のインパクトを遊技者に与えることができる。さらに、図82(a)に示すリーチ図柄報知演出の実行中は、リーチ図柄が変動表示されているため、遊技者は、大飾り変動表示ゲームZ1に基づいて、特図変動表示ゲームが変動中であると認識することができる。すなわち、大飾り変動表示ゲームZ1だけで、正確な変動状況を把握させることができる。
なお、リーチ図柄の変動表示態様は、図82(a)に示す態様、すなわち縦スクロール表示に限定されず、適宜変更可能であり、例えば軸回転表示であってもよい。
図82(b),(c),(d)に示すリーチ図柄報知演出では、大飾り変動表示ゲームZ1用のリーチ図柄(この例では左図柄および右図柄)が停止表示されているとともに、大飾り変動表示ゲームZ1用の非リーチ図柄(この例では中図柄)が識別可能な速さで変動表示されている。
非リーチ図柄は、図82(b),(d)に示すようにリーチ図柄よりも奥側に表示してもよいし、図82(c)に示すようにリーチ図柄よりも手前側に表示してもよい。図82(b)と図82(d)との違いは、図82(b)では、非リーチ図柄を背景画像よりも手前側に表示しており、図82(d)では、非リーチ図柄を背景画像として表示している点である。
ここで、「非リーチ図柄をリーチ図柄よりも奥側に表示する」とは、非リーチ図柄のうちのリーチ図柄と表示位置が一致する部分が、当該リーチ図柄によって隠される(すなわち、非リーチ図柄の一部が、リーチ図柄によって非表示状態となる)ように表示することである。
また、「非リーチ図柄をリーチ図柄よりも手前側に表示する」とは、非リーチ図柄によって、リーチ図柄のうちの当該非リーチ図柄と表示位置が一致する部分が隠される(すなわち、非リーチ図柄によって、リーチ図柄の一部が非表示状態となる)ように表示することである。同様に、「非リーチ図柄を背景画像よりも手前側に表示する」とは、非リーチ図柄によって、背景画像のうちの当該非リーチ図柄と表示位置が一致する部分が隠される(すなわち、非リーチ図柄によって、背景画像の一部が非表示状態となる)ように表示することである。
このように、図82(b),(c),(d)に示すリーチ図柄報知演出では、リーチ図柄が停止表示されるため、従来のリーチ図柄報知演出(すなわち、リーチ図柄を停止表示する演出。図78(b),(e),(f)参照)と同等のインパクトを遊技者に与えることができる。さらに、図82(b),(c),(d)に示すリーチ図柄報知演出の実行中は、非リーチ図柄が識別可能な速さで変動表示されているため(すなわち、非リーチ図柄が識別困難な速さで変動表示されている場合には、非リーチ図柄が表示されていないと勘違いされる虞があるが、その虞がないため)、遊技者は、大飾り変動表示ゲームZ1に基づいて、特図変動表示ゲームが変動中であると認識することができる。すなわち、大飾り変動表示ゲームZ1だけで、正確な変動状況を把握させることができる。
なお、非リーチ図柄の変動表示態様は、図82(b),(c),(d)に示す態様、すなわち縦スクロール表示に限定されず、適宜変更可能であり、例えば軸回転表示であってもよい。また、リーチ図柄の停止表示を強調するために、非リーチ図柄を、例えばデフォルト色よりも薄い色で表示してもよい。
また、図82(b),(c),(d)に示すリーチ図柄報知演出の実行中、リーチ図柄を停止表示するようにしたが、これに限定されず、例えば、リーチ図柄を仮停止表示してもよい。すなわち、図82(b),(c),(d)においては、リーチ図柄が仮停止表示されていてもよい。これにより、特図変動表示ゲームが変動中であることをよりアピールすることができるため、誤認識をより効果的に回避することが可能となる。
図82(e)に示すリーチ図柄報知演出では、大飾り変動表示ゲームZ1用のリーチ図柄(この例では左図柄および右図柄)が停止表示されているとともに、大飾り変動表示ゲームZ1用の非リーチ図柄(この例では中図柄)がリーチ形成図柄の周囲を移動しながら識別可能な速さで変動表示されている。
このように、図82(e)に示すリーチ図柄報知演出では、リーチ図柄が停止表示されるため、従来のリーチ図柄報知演出(すなわち、リーチ図柄を停止表示する演出。図78(b),(e),(f)参照)と同等のインパクトを遊技者に与えることができる。さらに、図82(e)に示すリーチ図柄報知演出の実行中は、非リーチ図柄が識別可能な速さで変動表示されているため(すなわち、非リーチ図柄が識別困難な速さで変動表示されている場合には、非リーチ図柄が表示されていないと勘違いされる虞があるが、その虞がないため)、遊技者は、大飾り変動表示ゲームZ1に基づいて、特図変動表示ゲームが変動中であると認識することができる。すなわち、大飾り変動表示ゲームZ1だけで、正確な変動状況を把握させることができる。
なお、図82(e)に示すリーチ図柄報知演出では、1つの非リーチ図柄がリーチ形成図柄の周囲を移動しているが、これに限定されず、例えば、複数の非リーチ図柄がリーチ形成図柄の周囲を移動してもよい。これにより、特図変動表示ゲームが変動中であることをよりアピールすることができるため、誤認識をより効果的に回避することが可能となる。
また、非リーチ図柄の移動態様は、図82(e)に示す態様に限定されず、適宜変更可能であり、例えば、非リーチ図柄を表示装置41の表示画面の縁に沿って移動させてもよい。また、リーチ図柄の停止表示を強調するために、非リーチ図柄を、例えばデフォルト色よりも薄い色で表示してもよい。
また、図82(e)に示すリーチ図柄報知演出の実行中、リーチ図柄を停止表示するようにしたが、これに限定されず、例えば、リーチ図柄を仮停止表示してもよい。すなわち、図82(e)においては、リーチ図柄が仮停止表示されていてもよい。これにより、特図変動表示ゲームが変動中であることをよりアピールすることができるため、誤認識をより効果的に回避することが可能となる。
以上、図79〜図82を用いて、複数種類のリーチ図柄報知演出を説明したが、これら複数種類のリーチ図柄報知演出のうちの何れか一つのみを実行可能に構成されていてもよいし、例えば、演出制御装置300が、複数種類のリーチ図柄報知演出のうちの何れを実行するかを、所定の振り分け率に応じて選択するように構成されていてもよい。
また、リーチ図柄報知演出とともに実行する小飾り変動表示ゲームZ2を視認困難にさせる演出についても、複数種類の当該演出(リーチ図柄拡大演出(図78(b)参照)、エフェクト表示演出(図78(e)参照)、役物動作演出(図78(f)参照)等)のうちの何れか一つのみを実行可能に構成されていてもよいし、例えば、演出制御装置300が、複数種類の当該演出のうちの何れを実行するかを、所定の振り分け率に応じて選択するように構成されていてもよい。
以上説明した本変形例の遊技機10によれば、ゲーム(本変形例の場合、特図変動表示ゲーム)の結果が予め定められた特別結果となる場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、表示装置41と、表示装置41による演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、複数の識別図柄を変動表示する第1変動表示演出(本変形例の場合、大飾り変動表示ゲームZ1)および第2変動表示演出(本変形例の場合、小飾り変動表示ゲームZ2)を表示装置41に表示可能であり、第1変動表示演出と第2変動表示演出との双方を表示している際に、第2変動表示演出を視認困難にさせる所定演出(小飾り変動表示ゲームZ2を視認困難にさせる演出)を表示装置41に表示可能であり(図78(b),(e)参照)、所定演出を表示している間、第1変動表示演出用の表示のうちの少なくとも一部の表示態様を変化させる構成となっている(図79〜図82参照)。
具体的には、本変形例において「第1変動表示演出用の表示のうちの少なくとも一部」は、図79に示す例では数字画像Z12であり、図80に示す例ではキャラクタ画像Z13であり、図81に示す例では2つのリーチ図柄の何れか一方であり、図82(a)に示す例ではリーチ図柄であり、図82(b),(c),(d),(e)に示す例では非リーチ図柄である。
したがって、第2変動表示演出(小飾り変動表示ゲームZ2)が視認困難な状態になっている間、第1変動表示演出(大飾り変動表示ゲームZ1)用の表示のうちの少なくとも一部の表示態様が変化しているため、ゲーム状況(特図変動表示ゲームの変動状況)が誤認識されることを回避することができる。
また、以上説明した本変形例の遊技機10によれば、第2変動表示演出(小飾り変動表示ゲームZ2)用の識別図柄は、第1変動表示演出(大飾り変動表示ゲームZ1)用の識別図柄よりも小さい構成とすることが可能である。
このように構成することによって、縮小図柄(小図柄)が視認困難な状態になっている間、第1変動表示演出(大飾り変動表示ゲームZ1)用の表示のうちの少なくとも一部の表示態様が変化しているため、ゲーム状況(特図変動表示ゲームの変動状況)が誤認識されることを回避することができる。
また、以上説明した本変形例の遊技機10によれば、演出制御手段(演出制御装置300)は、所定演出(小飾り変動表示ゲームZ2を視認困難にさせる演出)として、第1変動表示演出用の識別図柄を拡大表示する演出(リーチ図柄拡大演出)を実行可能である構成とすることが可能である(図78(b)参照)。
このように構成することによって、遊技の興趣を高めることができる。
また、以上説明した本変形例の遊技機10によれば、演出制御手段(演出制御装置300)は、所定演出(小飾り変動表示ゲームZ2を視認困難にさせる演出)として、エフェクト表示Xを表示する演出(エフェクト表示演出)を実行可能である構成とすることが可能である(図78(e)参照)。
このように構成することによって、遊技の興趣を高めることができる。
また、以上説明した本変形例の遊技機10によれば、ゲーム(本変形例の場合、特図変動表示ゲーム)の結果が予め定められた特別結果となる場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、表示装置41と、可動部材(役物Y)と、表示装置41および可動部材による演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、複数の識別図柄の変動表示と停止表示とを行う第1変動表示演出(本変形例の場合、大飾り変動表示ゲームZ1)および第2変動表示演出(本変形例の場合、小飾り変動表示ゲームZ2)を表示装置41に表示可能であり、第1変動表示演出と第2変動表示演出との双方を表示している際に、第2変動表示演出を視認困難にさせる所定演出(小飾り変動表示ゲームZ2を視認困難にさせる演出)を、可動部材を動作させることによって実行可能であり(図78(f)参照)、所定演出を表示している間、第1変動表示演出用の表示のうちの少なくとも一部の表示態様を変化させる構成となっている(図79〜図82参照)。
具体的には、本変形例において、演出制御手段(演出制御装置300)は、所定演出(小飾り変動表示ゲームZ2を視認困難にさせる演出)として、第2変動表示演出(小飾り変動表示ゲームZ2)用の表示の少なくとも一部に対する前方からの視認を遮蔽可能な位置へと可動部材(役物Y)を移動させる演出(役物動作演出)を実行可能である(図78(f)参照)。
したがって、第2変動表示演出(小飾り変動表示ゲームZ2)が視認困難な状態になっている間、第1変動表示演出(大飾り変動表示ゲームZ1)用の表示のうちの少なくとも一部の表示態様が変化しているため、ゲーム状況(特図変動表示ゲームの変動状況)が誤認識されることを回避することができる。
また、以上説明した本変形例の遊技機10によれば、識別図柄は、枠画像Z11と識別画像(数字画像Z12)とキャラクタ画像Z13とにより構成され、演出制御手段(演出制御装置300)は、所定演出(小飾り変動表示ゲームZ2を視認困難にさせる演出)を実行している間、第1変動表示演出(大飾り変動表示ゲームZ1)において、識別図柄のうちの識別画像(数字画像Z12)およびキャラクタ画像Z13の何れか一方の表示態様と枠画像Z11の表示態様とを変化させずに、当該識別図柄のうちの識別画像(数字画像Z12)およびキャラクタ画像Z13の何れか他方の表示態様を変化させることによって、第1変動表示演出用の表示のうちの少なくとも一部の表示態様を変化させる構成とすることが可能である(図79および図80参照)。
このように構成することによって、遊技の興趣を高めることができる。
なお、識別画像は、数字画像Z12に限定されるものではなく、例えば、数字以外の記号や文字の画像であってもよい。
また、以上説明した本変形例の遊技機10によれば、演出制御手段(演出制御装置300)は、所定演出(小飾り変動表示ゲームZ2を視認困難にさせる演出)を実行している間、第1変動表示演出(大飾り変動表示ゲームZ1)において、同一の識別図柄(本変形例の場合、リーチ図柄)を識別可能な速さで変動表示することによって、第1変動表示演出用の表示のうちの少なくとも一部の表示態様を変化させる構成とすることが可能である(図82(a)参照)。
このように構成することによって、遊技の興趣を高めることができる。
また、以上説明した本変形例の遊技機10によれば、演出制御手段(演出制御装置300)は、所定演出(小飾り変動表示ゲームZ2を視認困難にさせる演出)を実行している間、第1変動表示演出(大飾り変動表示ゲームZ1)において、識別図柄の停止表示と識別図柄の変動表示とを同時に行うことによって、第1変動表示演出用の表示のうちの少なくとも一部の表示態様を変化させる構成とすることが可能である。
具体的には、本変形例において「識別図柄の停止表示と識別図柄の変動表示とを同時に行う」は、図81に示す例では2つのリーチ図柄の何れか一方の停止表示と何れか他方の変動表示とを同時に行うことであり、図82(b),(c),(d),(e)に示す例ではリーチ図柄の停止表示と非リーチ図柄の変動表示とを同時に行うことである。
このように構成することによって、遊技の興趣を高めることができる。
また、以上説明した本変形例の遊技機10によれば、演出制御手段(演出制御装置300)は、複数の識別図柄を変動表示して、ゲーム(本変形例の場合、特図変動表示ゲーム)の結果に応じた確定図柄を停止表示する第1変動表示演出(本変形例の場合、大飾り変動表示ゲームZ1)および第2変動表示演出(本変形例の場合、小飾り変動表示ゲームZ2)を表示装置41に表示可能であり、第1変動表示演出において停止表示する確定図柄と、第2変動表示演出において停止表示する確定図柄と、を同一にする構成とすることが可能である(図77(c)、図78(d)参照)。
このように構成することによって、大当りのオープニング演出(すなわち、特別遊技状態の開始を報知する演出)を、変動表示演出中に実行することができる。したがって、第1変動表示演出(大飾り変動表示ゲームZ1)がオープニング演出の妨げにならず、かつ、ファンファーレ演出へとスムーズに移行することが可能となる。具体的には、大飾り変動表示ゲームZ1用の確定図柄と、小飾り変動表示ゲームZ2用の確定図柄と、を同一にすることによって、小飾り変動表示ゲームZ2用の確定図柄をオープニング演出中に表示することで確定図柄を明示しておくことができる。その結果、大飾り変動表示ゲームZ1用の確定図柄を停止表示する時間を最小にすることができるため、大飾り変動表示ゲームZ1がオープニング演出の妨げにならず、かつ、ファンファーレ演出へとスムーズに移行することが可能となる。
また、オープニング演出を、変動表示演出の後に行うファンファーレ演出中ではなく、変動表示演出中に実行するため、ファンファーレ演出(ファンファーレ時間)を短くすること、すなわち大当り遊技開始までの時間を短くすることができる。
すなわち、このように構成することによって、遊技の興趣を高めることができ、大当り発生を遊技者に明確に伝えることができ、かつ、遊技者が待ち望んでいる大当り遊技までの時間を短縮することが可能となる。
<変形例9>
演出制御装置300は、遊技盤30に設けられた発光部(盤発光部46a(後述)等)と、前面枠12またはガラス枠15に設けられた発光部(枠発光部18a(後述)等)と、表示装置41と、盤演出装置44と、のうちの少なくとも2つを関連させた関連演出を行うことも可能である。本変形例では、関連演出として、ライン演出を実行する。当該ライン演出は、例えば、大当り確定を報知する一発告知演出として実行される。
本変形例の遊技機10は、図2や図3に示す盤演出装置44に替えて、図83〜図85に示す盤演出装置44を備えている。
当該盤演出装置44は、ハート型部材44aと、ハート型部材44aの後面側に取り付けられた複数本(本変形例では2本)の棒状部材44bと、を備えている。そして、当該盤演出装置44は、表示装置41の前方において上下にスライド移動可能に構成されており、表示装置41の表示画面の上部と前後に重なる第1状態(図84に示す状態)と、表示装置41の表示画面の中央部と前後に重なる第2状態(図83に示す状態)と、に変換可能となっている。
複数本の棒状部材44bは、それぞれの長尺方向中央部が、回動自在にハート型部材44aに連結されており、ハート型部材44aおよび当該ハート型部材44aを支持する支持部材によって隠蔽された隠蔽状態(図83に示す状態)と、ハート型部材44aを中心として放射状に延在する放射状態(図85に示す状態)と、に変換可能となっている。棒状部材44bは、複数の発光素子を内蔵しており、発光による装飾ができるようになっている。
さらに、本変形例の遊技機10は、図83〜図85に示すように、盤装飾装置46の一種である盤発光部46aを備えており、当該盤発光部46aの近傍に、獲得ポイント数報知器81が配置されている。なお、本変形例において、盤発光部46aは、G字形状をなしているが、盤発光部46aの形状は適宜変更可能である。
盤発光部46aは、複数の発光素子(例えばフルカラーLED)を内蔵しており、発光による装飾ができるようになっている。
盤発光部46aに設けられた複数の発光素子は、図86に示すように、放射状態の棒状部材44bの延長線上の領域に配置される発光素子(図86において黒塗りの四角で示す発光素子)と、放射状態の棒状部材44bの延長線上の領域以外の領域に配置される発光素子(図86において白塗りの四角で示す発光素子)と、に分類することができる。すなわち、盤発光部46aは、放射状態の棒状部材44bの延長線上の領域に配置される一または複数の発光素子からなる第1盤発光素子群と、放射状態の棒状部材44bの延長線上の領域以外の領域に配置される一または複数の発光素子からなる第2盤発光素子群と、を備えている。
また、枠装飾装置18の一種である枠発光部18a(図83〜図85参照)も、複数の発光素子(例えばフルカラーLED)を内蔵しており、発光による装飾ができるようになっている。
枠発光部18aに設けられた複数の発光素子も、図86に示すように、放射状態の棒状部材44bの延長線上の領域に配置される発光素子(図86において黒塗りの四角で示す発光素子)と、放射状態の棒状部材44bの延長線上の領域以外の領域に配置される発光素子(図86において白塗りの四角で示す発光素子)と、に分類することができる。すなわち、枠発光部18aは、放射状態の棒状部材44bの延長線上の領域に配置される一または複数の発光素子からなる第1枠発光素子群と、放射状態の棒状部材44bの延長線上の領域以外の領域に配置される一または複数の発光素子からなる第2枠発光素子群と、を備えている。
盤発光部46aにおいては、第1盤発光素子群を発光制御する系統と、第2盤発光素子群を発光制御する系統とが、別系統になっている。すなわち、第1盤発光素子群と第2盤発光素子群とは互いに異なる発光態様で発光できるよう構成されている。
枠発光部18aにおいても同様に、第1枠発光素子群を発光制御する系統と、第2枠発光素子群を発光制御する系統とが、別系統になっている。すなわち、第1枠発光素子群と第2枠発光素子群とは互いに異なる発光態様で発光できるよう構成されている。
ここで、第1発光素子群(第1盤発光素子群および第1枠発光素子群)をなす発光素子は、ライン演出時およびライン演出以外の演出時に発光する発光素子であり、第2発光素子群(第2盤発光素子群および第2枠発光素子群)をなす発光素子は、ライン演出以外の演出時にのみ発光する発光素子である。
図86においては、盤発光部46aの前面カバー部材および枠発光部18aの前面カバー部材の図示を省略している。
演出制御装置300は、例えば、獲得ポイント数報知器81を装飾するための演出として、当該獲得ポイント数報知器81を取り囲む盤発光部46aの第1盤発光素子群および第2盤発光素子群を発光させる発光演出を実行する。ここで、獲得ポイント数報知器81にはポイント数が常時表示されているとする。
ライン演出の開始タイミングになると、演出制御装置300は、盤演出装置44が第2状態(図83に示す状態)でなければ盤演出装置44を第1状態(図84に示す状態)から第2状態に変換する。次いで、盤演出装置44の各棒状部材44bの発光素子が発光していなければ発光させて、当該各棒状部材44bを隠蔽状態(図83に示す状態)から放射状態(図85に示す状態)へと変換する。次いで、図87に示すように、放射状態の各棒状部材44bと連続性を有するように表示装置41にラインLを表示し、かつ、盤発光部46aの第2盤発光素子群を発光させずに第1盤発光素子群を発光させるとともに、枠発光部18aの第2枠発光素子群を発光させずに第1枠発光素子群を発光させることによって、ハート型部材44aを中心として放射状に直線を描くライン演出を実行する。当該ライン演出においては、各棒状部材44bの発光素子の発光色と、ラインLの表示色と、盤発光部46aの第1盤発光素子群の発光色と、枠発光部18aの第1枠発光素子群の発光色と、は略同一であることが好ましい。
このように、獲得ポイント数報知器81を取り囲む盤発光部46aが、当該盤発光部46aの全発光素子が発光している状態から、当該盤発光部46aの第1盤発光素子群のみが発光している状態へと移行することによって、常時表示を行っている獲得ポイント数報知器81から、ライン演出へと遊技者の意識が向くように促すことができる。
図87においては、盤発光部46aにおける放射状態の棒状部材44bの延長線上の領域と、枠発光部18aにおける放射状態の棒状部材44bの延長線上の領域とに、斜め格子ハッチングを付している。すなわち、図87において、盤発光部46aのうちの斜め格子ハッチングが付された部分と、枠発光部18aのうちの斜め格子ハッチングが付された部分とは、ライン演出の際に発光する部分である。
図87では、便宜上、遊技盤30に設けられた複数の発光部のうちの盤発光部46aのみに、斜め格子ハッチングを付しているが、無論、遊技盤30に設けられた複数の発光部のうちの盤発光部46a以外の発光部も、第1盤発光素子群および第2盤発光素子群を備え、放射状態の棒状部材44bの延長線上の領域(すなわち第1盤発光素子群)が、ライン演出の際に発光してもよい。また、図87では、便宜上、前面枠12およびガラス枠15に設けられた複数の発光部のうちの枠発光部18aのみに、斜め格子ハッチングを付しているが、無論、前面枠12およびガラス枠15に設けられた複数の発光部のうちの枠発光部18a以外の発光部も、第1枠発光素子群および第2枠発光素子群を備え、放射状態の棒状部材44bの延長線上の領域(すなわち第1枠発光素子群)が、ライン演出の際に発光してもよい。図88および図89においても同様である。
なお、演出制御装置300は、盤発光部46aによる発光演出(すなわち、盤発光部46aの全発光素子を発光させる演出)の演出態様にかかわらず、発光演出を中断してライン演出を実行するようにしてもよいし、発光演出の演出態様が特定の演出態様でない場合には発光演出を中断してライン演出を実行するとともに、発光演出の演出態様が特定の演出態様である場合には発光演出を中断せずにライン演出を実行するようにしてもよい。ここで、「特定の演出態様」とは、例えば、盤発光部46aを特定の色(例えば虹色)で発光させる態様等である。また、発光演出を中断してライン演出を実行する場合、当該ライン演出は、盤発光部46aと枠発光部18aと表示装置41と盤演出装置44とのうちの少なくとも2つを関連させた関連演出になるが、発光演出を中断せずにライン演出を実行する場合、盤発光部46aでは発光演出が継続しているため、当該ライン演出は、枠発光部18aと表示装置41と盤演出装置44とのうちの少なくとも2つを関連させた関連演出になる。
また、本変形例では、獲得ポイント数報知器81にはポイント数が常時表示されていることとしたが、これに限ることはなく、例えば、ライン演出(具体的には、発光演出を中断して実行するライン演出)中は獲得ポイント数報知器81を非表示としてもよい。ポイントの加算は、獲得ポイント数報知器81が非表示となっている間も行うことが好ましい。
また、第1発光素子群(第1盤発光素子群および第1枠発光素子群)をなす発光素子は、ライン演出時およびライン演出以外の演出時に発光する発光素子ではなく、ライン演出時にのみ発光する発光素子であってもよい。
この場合、図90に示すように、盤発光部46aのうち、放射状態の棒状部材44bの延長線上の領域には、第1盤発光素子群をなす発光素子(図90において黒塗りの四角で示す発光素子)と、第2盤発光素子群をなす発光素子(図90において白塗りの四角で示す発光素子)と、の両方が配置され、枠発光部18aのうち、放射状態の棒状部材44bの延長線上の領域には、第1枠発光素子群をなす発光素子(図90において黒塗りの四角で示す発光素子)と、第2枠発光素子群をなす発光素子(図90において白塗りの四角で示す発光素子)と、の両方が配置される。これにより、第1発光素子群をなす発光素子として単色LED(例えば白色LED)を用いるとともに第2発光素子群をなす発光素子としてフルカラーLEDを用いる等、第1発光素子群をなす発光素子と、第2発光素子群をなす発光素子と、の種類を異ならせることができる。
このように、第1発光素子群をなす発光素子をライン演出専用の発光素子とすることによって、第1発光素子群をなす発光素子の使用頻度を抑えることができるため、効果的なライン演出を実行できる状態の維持期間を長期化することが可能となる。すなわち、第1発光素子群をなす発光素子の消耗・劣化によって第1発光素子群が発光しない等の不具合が発生すると、効果的なライン演出を実行できない状態になって、遊技の興趣が低下してしまう虞があるが、第1発光素子群をなす発光素子の使用頻度を抑えることで、当該不具合が発生しにくくなるため、効果的なライン演出を実行できる状態を長期に亘って維持することが可能となり、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、ライン演出の際、盤発光部46aの第2盤発光素子群を発光させずに第1盤発光素子群を発光させることとしたが、これに限ることはなく、第1盤発光素子群と第2盤発光素子群とを異なる発光色で発光させるようにしてもよい。すなわち、第1盤発光素子群を、各棒状部材44bの発光素子の発光色やラインLの表示色と略同一の色で発光させるとともに、第2盤発光素子群を、各棒状部材44bの発光素子の発光色やラインLの表示色と異なる色で発光させるようにしてもよい。枠発光部18aについても同様である。
また、盤発光部46aに、第1盤発光素子群が配置されている領域と第2盤発光素子群が配置されている領域とを隔てる遮光性の隔壁を設けるよう構成することも可能である。このように構成することによって、ライン演出の際に盤発光部46aの第2盤発光素子群を発光させずに第1盤発光素子群を発光させる場合には、第1盤発光素子群からの光が第2盤発光素子群の配置領域へと拡散しないため、盤発光部46aにおいて、よりくっきりとしたライン表示を行うことが可能となる。また、ライン演出の際に第1盤発光素子群と第2盤発光素子群とを異なる発光色で発光させる場合には、第1盤発光素子群からの光と第2盤発光素子群からの光とが混ざらないため、盤発光部46aにおいて、よりくっきりとしたライン表示を行うことが可能となる。枠発光部18aについても同様である。
また、盤演出装置44の棒状部材44bは、放射状態(図85に示す状態)を維持しながら、ハート型部材44aを中心に回転自在であってもよい。
また、棒状部材44bが、放射状態(図85に示す状態)を維持しながらハート型部材44aを中心に回転自在である場合、盤発光部46aが備える複数の発光素子のうちの少なくとも一部は、第1盤発光素子群および第2盤発光素子群の何れにもなり得るよう構成されていることが好ましい。枠発光部18aについても同様である。このように構成することによって、ライン演出中に棒状部材44bを回転させることが可能となる。すなわち、ライン演出中に棒状部材44bが回転すると、図87〜図89に示すように、棒状部材44bの回転に伴って当該棒状部材44bの延長線上の領域が変化するため、ラインLの表示位置等や、第1盤発光素子群をなす発光素子や、第1枠発光素子群をなす発光素子を、棒状部材44bの回転に伴い変更していく必要があるが、盤発光部46aが備える複数の発光素子のうちの少なくとも一部を、第1盤発光素子群および第2盤発光素子群の何れにもなり得るよう構成するとともに、枠発光部18aが備える複数の発光素子のうちの少なくとも一部を、第1枠発光素子群および第2枠発光素子群の何れにもなり得るよう構成することで、棒状部材44bの回転に伴って、第1盤発光素子群をなす発光素子や第1枠発光素子群をなす発光素子を変更(すなわち、発光させる発光素子を変更)していくことが可能となる。
ここで、ライン演出中に棒状部材44bが回転して、一括表示装置50の一部が、当該棒状部材44bの延長線上の領域となった場合(例えば図88に示す場合)であって、当該一括表示装置50が、ラインLと、遊技盤30に設けられた発光部(第1盤発光素子群および第2盤発光素子群を有する発光部)と、前面枠12またはガラス枠15に設けられた発光部(第1枠発光素子群および第2枠発光素子群を有する発光部)と、のうちの何れか2つの間に配置される場合であっても、一直線上の発光である(すなわち、直線が描かれている)と認識できるようになっている。
無論、図90に示す例の場合、すなわち第1発光素子群(第1盤発光素子群および第1枠発光素子群)をなす発光素子が、ライン演出時にのみ発光する発光素子である場合にも、ライン演出中に棒状部材44bが回転させ、それに伴い、ラインLの表示位置等や発光させる発光素子を変更していくよう構成することが可能である。この場合、第1発光素子群をなす発光素子(例えば単色LED)を遊技盤30やガラス枠15などに所定の間隔で配置することで、棒状部材44bの回転に伴って、第1発光素子群をなす発光素子の中で発光させる発光素子を変更していくことが可能となる。
また、ライン演出は、ハート型部材44aを中心として放射状に直線を描く演出に限ることはなく、遊技盤30に設けられた発光部(盤発光部46a等)と、前面枠12またはガラス枠15に設けられた発光部(枠発光部18a等)と、表示装置41と、盤演出装置44と、のうちの少なくとも2つを用いて所定のラインを描く演出であれば、適宜変更可能であり、例えば、ハート状のラインを描く演出であってもよい。
また、関連演出は、ライン演出に限ることはなく、遊技盤30に設けられた発光部(盤発光部46a等)と、前面枠12またはガラス枠15に設けられた発光部(枠発光部18a等)と、表示装置41と、盤演出装置44と、のうちの少なくとも2つを関連させた演出であれば、適宜変更可能であり、例えば、所定の形状を描く演出(具体的には、例えば、ラインを描くとともに、ラインによって囲まれた領域を塗りつぶす演出)であってもよい。
また、第1発光素子群(第1盤発光素子群および第1枠発光素子群)をなす発光素子は、放射状態の棒状部材44bの延長線上の領域に配置される発光素子のみではなく、放射状態の棒状部材44bの延長線上の領域以外の領域に配置される発光素子および放射状態の棒状部材44bの延長線上の領域以外の領域に配置される発光素子の何れかであってもよいし、放射状態の棒状部材44bの延長線上の領域以外の領域に配置される発光素子のみであってもよい。
ところで、本変形例において、小飾り変動表示ゲームZ2が表示装置41の表示画面の左上隅部または右上隅部に表示されている場合、盤演出装置44は、第1状態(図84に示す状態)である際には、当該小飾り変動表示ゲームZ2の表示領域と前後に重ならない位置にあり、第2状態(図83に示す状態)である際には、当該小飾り変動表示ゲームZ2の表示領域の少なくとも一部と前後に重なる位置(すなわち、当該小飾り変動表示ゲームZ2の表示領域の少なくとも一部に対する前方からの視認を遮蔽可能な位置)にある。
また、小飾り変動表示ゲームZ2は表示されているが、大飾り変動表示ゲームZ1は表示されていない場合、ゲーム状況(特図変動表示ゲームの変動状況)が誤認識されることを回避するために、盤演出装置44が、小飾り変動表示ゲームZ2の表示領域の少なくとも一部と前後に重なる期間の長さは、所定時間(例えば10秒)未満となるよう設定されている。
ここで、「小飾り変動表示ゲームZ2の表示領域の少なくとも一部と前後に重なる期間」には、盤演出装置44が第2状態である期間だけでなく、第1状態から第2状態へと変換している最中や第2状態から第1状態へと変換している最中の期間も含むこととする。
無論、小飾り変動表示ゲームZ2および大飾り変動表示ゲームZ1が表示されている場合にも、盤演出装置44が、小飾り変動表示ゲームZ2の表示領域の少なくとも一部と前後に重なる期間の長さを、所定時間未満となるよう設定してもよい。
図90(a)に示すように、盤演出装置44のハート型部材44aは、下端部44a1が、当該ハート型部材44a全体の形状と同じハート型になっている。
ハート型部材44aは、複数の発光素子(例えばフルカラーLED)を内蔵しており、発光による装飾ができるようになっている。具体的には、図90(b)に示すように、ハート型部材44aのうちの下端部44a1には、一または複数個(本変形例では1個)の発光素子が配置され、ハート型部材44aのうちの下端部44a1以外の部分には、複数個の発光素子が配置されている。図90(b)においては、ハート型部材44aの前面カバー部材の図示を省略しており、二点鎖線で囲んだ部分が下端部44a1に相当する。
また、ハート型部材44aにおいては、下端部44a1に配置されている発光素子を発光制御する系統と、下端部44a1以外の部分に配置されている発光素子を発光制御する系統とが、別系統になっている。すなわち、ハート型部材44aのうちの下端部44a1に配置されている発光素子と、ハート型部材44aのうちの下端部44a1以外の部分に配置されている発光素子とは、互いに異なる発光態様で発光できるよう構成されている。
本変形例において、演出制御装置300は、特定の演出のときには、ハート型部材44aのうちの下端部44a1以外の部分に配置されている発光素子だけでなく、ハート型部材44aのうちの下端部44a1に配置されている発光素子も発光させ、特定の演出以外の演出のときには、ハート型部材44aのうちの下端部44a1以外の部分に配置されている発光素子のみを発光させるよう構成されている。したがって、下端部44a1は、特定の演出のときには、当該下端部44a1に配置されている発光素子からの光によって輝いているように見え、特定の演出以外の演出のときには、当該下端部44a1に配置されている発光素子以外からの光によって輝いているように見える。
具体的には、例えば、演出制御装置300は、特定の演出において、まず、盤演出装置44を第1状態(図84に示す状態)から第2状態(図83に示す状態)に変換し、盤演出装置44が第2状態になると、ハート型部材44aのうちの下端部44a1に配置されている発光素子の発光を開始する。次いで、盤演出装置44を第2状態から第1状態に変換し、盤演出装置44が第1状態になると、ハート型部材44aのうちの下端部44a1に配置されている発光素子の発光を終了する。
ここで、「特定の演出」とは、例えば、擬似連演出や、大当りを報知する結果報知演出や、大当り時に実行する演出、連続予告演出(例えば、予告対象となる始動記憶の発生に基づき発光し、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行中まで発光する演出)などである。
また、「当該下端部44a1に配置されている発光素子以外からの光」とは、ハート型部材44aのうちの下端部44a1以外の部分に配置されている発光素子からの光や、表示装置41からの光などである。
このように構成することによって、ハート型部材44aのうちの下端部44a1の輝き度合いを変化させることができるとともに、当該輝き度合いが大きい場合の遊技者の期待感を向上させることができるため、遊技の興趣を高めることができる。
また、ハート型部材44aも、盤発光部46aや枠発光部18aと同様に、ライン演出中にライン発光するよう構成することが可能である。
この場合、図91(c)に示すように、ハート型部材44aに、放射状態の棒状部材44bの延長線上の領域に配置される一または複数の発光素子からなる第1発光素子群(図91(c)において黒塗りの四角で示す発光素子)と、放射状態の棒状部材44bの延長線上の領域以外の領域に配置される一または複数の発光素子からなる第2発光素子群(図91(c)において白塗りの四角で示す発光素子)と、を設ける。そして、演出制御装置300は、ライン演出のときには、第1発光素子群をなす発光素子の全部を発光させ、特定の演出のときには、第2発光素子群をなす発光素子の全部を発光させ、特定の演出およびライン演出以外の演出のときには、第2発光素子群をなす発光素子のうちの下端部44a1以外の部分に配置されている発光素子を発光させる。
以上説明した本変形例の遊技機10によれば、発光部(盤発光部46a)を備える遊技機において、表示装置41と、発光部および表示装置41による演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、発光部は、一または複数の発光素子からなる第1発光素子群(第1盤発光素子群)と、当該第1発光素子群と異なる第2発光素子群(第2盤発光素子群)と、を備え、演出制御手段は、第1発光素子群および第2発光素子群を発光させることによって、発光部全体が発光する発光演出を実行可能であり、かつ、第2発光素子群を発光させずに第1発光素子群を発光させるとともに、所定表示(本変形例の場合、ラインL)を表示装置41に表示することによって、発光部と表示装置41とを関連させた関連演出(本変形例の場合、ライン演出)を実行可能である構成となっている(図87参照)。
したがって、発光部(盤発光部46a)を、当該発光部の形状を利用した演出(発光演出)だけでなく、当該発光部の形状を利用した演出以外の演出(関連演出)にも用いることができるため、当該発光部を用いて多彩な演出を実行することができる。
なお、当該構成は、遊技盤30に配設された発光部であれば、盤発光部46a以外の発光部にも適用可能である。
さらに、当該構成は、遊技機10に設けられた発光部であれば、遊技盤30に配設された発光部以外の発光部にも適用可能である。
また、図90に示す例の場合、演出制御手段は、発光演出として、“第2発光素子群を発光させることによって発光部全体が発光する演出”を実行する。
また、以上説明した本変形例の遊技機10によれば、第1発光素子群(第1盤発光素子群)は、所定表示(ラインL)の延長線上の領域内に配置された発光素子からなる構成とすることが可能である(図87参照)。
このように構成することによって、関連演出を実行した場合に、発光部(盤発光部46a)と表示装置41とを関連させていることが明確になる。
また、以上説明した本変形例の遊技機10によれば、所定のポイント付与条件の成立(本変形例の場合、遊技球のポイントゲート80への流入)に基づき、遊技者にポイントを付与可能なポイント付与手段(演出制御装置300)と、ポイント付与手段によって付与されたポイント数を表示するポイント数表示部(獲得ポイント数報知器81)と、を備え、ポイント数表示部は、発光部(盤発光部46a)の近傍に配設され、少なくとも発光演出中にポイント数を表示する構成とすることが可能である。
このように構成することによって、発光演出を実行することで、ポイント数表示部(獲得ポイント数報知器81)に表示されているポイント数へと遊技者の意識が向くように促すことができる。
また、以上説明した本変形例の遊技機10によれば、発光部(盤発光部46a)を備える遊技機において、発光素子を有する可動部材(棒状部材44b)と、発光部および可動部材による演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、第1発光素子群および第2発光素子群を発光させることによって、発光部全体が発光する発光演出を実行可能であり、かつ、第2発光素子群を発光させずに第1発光素子群を発光させるとともに、可動部材が有する発光素子を発光させることによって、発光部と可動部材とを関連させた関連演出(本変形例の場合、ライン演出)を実行可能である構成となっている(図87参照)。
したがって、発光部(盤発光部46a)を、当該発光部の形状を利用した演出(発光演出)だけでなく、当該発光部の形状を利用した演出以外の演出(関連演出)にも用いることができるため、当該発光部を用いて多彩な演出を実行することができる。
なお、当該構成は、遊技盤30に配設された発光部であれば、盤発光部46a以外の発光部にも適用可能である。
さらに、当該構成は、遊技機10に設けられた発光部であれば、遊技盤30に配設された発光部以外の発光部にも適用可能である。
また、図90に示す例の場合、演出制御手段は、発光演出として、“第2発光素子群を発光させることによって発光部全体が発光する演出”を実行する。
また、以上説明した本変形例の遊技機10によれば、第1発光素子群(第1盤発光素子群)は、関連演出中の可動部材(棒状部材44b)の延長線上の領域内に配置された発光素子からなる構成とすることが可能である(図86および図87参照)。
このように構成することによって、関連演出を実行した場合に、発光部(盤発光部46a)と可動部材(棒状部材44b)とを関連させていることが明確になる。
また、以上説明した本変形例の遊技機10によれば、発光部(盤発光部46a)が備える複数の発光素子のうちの少なくとも一部は、第1発光素子群(第1盤発光素子群)および第2発光素子群(第2盤発光素子群)の何れにもなり得るよう構成され、演出制御手段(演出制御装置300)は、関連演出中に可動部材(棒状部材44b)を動作させるとともに、当該動作(本変形例の場合、回転動作)に応じて第1発光素子群をなす発光素子を切替可能である構成とすることが可能である(図87〜図89参照)。
このように構成することによって、関連演出として、動きのある演出を行うことが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
また、以上説明した本変形例の遊技機10によれば、本体枠(前面枠12)と、本体枠に対して開閉可能に取り付けられる透明部材保持枠(ガラス枠15)と、透明部材保持枠に配設された発光部(枠発光部18a)と、を備える遊技機において、表示装置41と、発光部および表示装置41による演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、発光部は、一または複数の発光素子からなる第1発光素子群(第1枠発光素子群)と、当該第1発光素子群と異なる第2発光素子群(第2枠発光素子群)と、を備え、演出制御手段は、第1発光素子群および第2発光素子群を発光させることによって、発光部全体が発光する発光演出を実行可能であり、かつ、第2発光素子群を発光させずに第1発光素子群を発光させるとともに、所定表示(本変形例の場合、ラインL)を表示装置41に表示することによって、発光部と表示装置41とを関連させた関連演出(本変形例の場合、ライン演出)を実行可能である構成となっている(図87参照)。
したがって、発光部(枠発光部18a)を、当該発光部の形状を利用した演出(発光演出)だけでなく、当該発光部の形状を利用した演出以外の演出(関連演出)にも用いることができるため、当該発光部を用いて多彩な演出を実行することができる。
なお、当該構成は、透明部材保持枠に配設された発光部であれば、枠発光部18a以外の発光部にも適用可能である。
また、図90に示す例の場合、演出制御手段は、発光演出として、“第2発光素子群を発光させることによって発光部全体が発光する演出”を実行する。
また、以上説明した本変形例の遊技機10によれば、本体枠(前面枠12)と、本体枠に対して開閉可能に取り付けられる透明部材保持枠(ガラス枠15)と、透明部材保持枠に配設された発光部(枠発光部18a)と、を備える遊技機において、発光素子を有する可動部材(棒状部材44b)と、発光部および可動部材による演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、第1発光素子群および第2発光素子群を発光させることによって、発光部全体が発光する発光演出を実行可能であり、かつ、第2発光素子群を発光させずに第1発光素子群を発光させるとともに、可動部材が有する発光素子を発光させることによって、発光部と可動部材とを関連させた関連演出(本変形例の場合、ライン演出)を実行可能である構成となっている(図87参照)。
したがって、発光部(枠発光部18a等)を、当該発光部の形状を利用した演出(発光演出)だけでなく、当該発光部の形状を利用した演出以外の演出(関連演出)にも用いることができるため、当該発光部を用いて多彩な演出を実行することができる。
なお、当該構成は、透明部材保持枠に配設された発光部であれば、枠発光部18a以外の発光部にも適用可能である。
また、図90に示す例の場合、演出制御手段は、発光演出として、“第2発光素子群を発光させることによって発光部全体が発光する演出”を実行する。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。