JP2017143717A - 開閉器盤 - Google Patents

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Junichi Sato
潤一 佐藤
直人 亀田
Naoto Kameda
直人 亀田
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Hiromitsu Watanabe
広光 渡辺
慎晶 芹澤
Mitsuaki Serizawa
慎晶 芹澤
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Abstract

【課題】開閉器盤における内部アーク事故により生じた高圧ガス流を制御し、開閉器盤内の圧力上昇による開閉器盤の破裂を防止する。【解決手段】金属箱2に、主回路を構成する機器を収納する機器収容部3と、機器収容部3における内部アーク事故により発生した高圧ガスの流れを制御するガス流制御空間4と、高圧ガスを一定期間収納するガス滞留室5と、が形成された開閉器盤1である。ガス滞留室5は、ガス流制御空間4のガス噴出し孔6から噴き出した高圧ガスの一部を取り込み、ガス流制御空間4内における局所的な圧力上昇を抑制する。ガス流制御空間4のガス流が大きく変化する箇所にガス流制御ブロック8を設け、ガス流制御ブロック8のガス流が当たる面を傾斜させて、ガス流が当たる面がガス流から受ける圧力を調節する。【選択図】図1

Description

本発明は、開閉器盤に関する。特に、開閉器盤の内部アーク事故により発生する高圧ガスの流れを制御する構造を備えた開閉器盤に関する。
閉鎖形スイッチギア等の開閉器やコントロールギア等の制御装置は、遮断器、断路器、計器用変成器、母線、接続導体等を備えた集合装置で、接地された金属箱内(すなわち、開閉器盤内)に収納される(例えば、特許文献1乃至3)。
図24に示すように、従来技術に係る開閉器盤36においては、開閉器盤36内で発生した短絡事故等の内部アーク事故の影響を最小限に抑えるため、単位回路毎に接地金属壁により隔離された隔離構造を有する。
開閉器盤36は、開閉器盤36内で開閉動作を行うための機器が集約しており、異なる相同士の電極が密集するため、内部アーク事故に対する安全性に関する国際規格(例えば、IEC62271−200)を満たす必要がある。IEC62271−200に準拠した国際認証試験では、開閉器盤36外への高温ガスの主な噴出し軌跡は盤上面付近のみが許容されている。また、噴出ガスによる周辺の加熱域を制限する必要がある。そこで、開閉器盤36外に噴出するまでにガス流方向の制御及びガス流速度の緩和が必要となる(例えば、特許文献2)。
特開2002−369323号公報 特開2009−201274号公報 特開平9−271119号公報 特開2011−259655号公報 特開2011−259600号公報 特開2010−183818号公報
開閉器盤内においてガス流を制御する際、ガスと開閉器盤の内壁が衝突する箇所やガス同士が衝突する箇所で大きな圧力が発生することとなる。特に、ガス同士の衝突する箇所においては、内部アーク事故発生直後に噴き出たガスに伴う初期に発生した圧力波と後続して発生する圧力波との衝突時に衝突箇所付近の圧力上昇が顕著となる。
上記事情に鑑み、本発明は、内部アーク事故により発生した高圧ガス流を制御し、開閉器盤内の圧力上昇による開閉器盤の破裂を防止する技術を提供することを目的としている。
上記目的を達成する本発明の開閉器盤の一態様は、筐体に、主回路機器が収納される機器収容部と、前記機器収容部に隣接して設けられ、前記機器収容部における内部アーク事故により発生したガス流を前記筐体の外部に導出するガス流制御部と、が形成された開閉器盤であって、前記ガス流制御部には、前記内部アーク事故により発生したガス流が流入するガス噴出し孔と、当該ガス流を前記筐体の外部に放出する開口部と、が形成され、且つ、前記ガス噴出し孔から噴き出したガス流を前記ガス流制御部の下方に案内する案内部が備えられ、前記ガス流制御部の前記ガス噴出し孔より下方に、前記ガス流制御部と連通した開口部を有するガス滞留室が設けられたことを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の開閉器盤の他の態様は、上記開閉器盤において、前記機器収容部は、少なくとも上下に仕切られた区画を有し、前記ガス滞留室は、前記機器収容部の下側の区画の下方に設けられ、前記ガス滞留室には、前記機器収容部の下側の区画における内部アーク事故により発生したガス流が流入するガス噴出し孔が形成され、且つ、当該ガス噴出し孔から噴き出したガス流を前記ガス滞留室の開口部方向に案内する案内部が備えられ、前記ガス流制御部のガス噴出し孔は、当該ガス流制御部と前記機器収容部の上側の区画との間に形成され、前記ガス滞留室の開口部と対向する前記ガス流制御部の壁面近傍に、ガス流制御ブロックが設けられたことを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の開閉器盤の他の態様は、筐体に、主回路機器が収納される機器収容部と、前記機器収容部に隣接して設けられ、前記機器収容部における内部アーク事故により発生したガス流を前記筐体の外部に導出するガス流制御部と、前記ガス流制御部と連通する開口部を有し前記機器収容部の下方に設けられるガス流噴出し部と、が形成された開閉器盤であって、前記ガス流噴出し部の前記機器収容部側の壁面には、前記内部アーク事故により発生したガス流が流入するガス噴出し孔が形成され、且つ、当該ガス噴出し孔から噴き出したガス流を前記ガス噴出し部の開口部方向に案内する案内部が備えられ、前記ガス流噴出し部の開口部と対向する前記ガス流制御部の壁面近傍にガス流制御ブロックが設けられたことを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の開閉器盤の他の態様は、上記開閉器盤において、前記ガス流制御部に形成され、前記内部アーク事故により発生したガス流を前記筐体の外部に放出する開口部に、第1圧損体が設けられたことを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の開閉器盤の他の態様は、上記開閉器盤において、前記ガス流制御部の流路に第2圧損体が設けられたことを特徴としている。
以上の発明によれば、開閉器盤内の圧力上昇による開閉器盤の破裂が防止される。
(a)本発明の第1実施形態に係る開閉器盤の外観斜視図、(b)同開閉器盤の断面図、(c)同開閉器盤の透視図である。 (a)ガス流が床面に到達する前(時間T1)のガス流分布を示す図、(b)時間T1における開閉器盤内の圧力分布を示す図である。 (a)ガス流が床面に到達した時間(時間T2)のガス流分布を示す図、(b)時間T2における開閉器盤内の圧力分布を示す図である。 (a)ガス流が床面からガス噴出し孔近傍に折り返した時間(時間T3)のガス流分布を示す図、(b)時間T3における開閉器盤内の圧力分布を示す図である。 (a)床面から折り返したガス流が開口部から噴き出した時間(時間T4)のガス流分布を示す図、(b)時間T4における開閉器盤内の圧力分布を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る開閉器盤の概略断面図である。 (a)ガス滞留室のガス噴出し孔から噴き出したガス流分布を示す図、(b)ガス滞留室のガス噴出し孔から噴き出したガス流の圧力分布を示す図である。 ガス流がガス滞留室のガス噴出し孔から噴き出したときの開閉器盤内の圧力分布を示す図である。 (a)本発明の第2実施形態に係る開閉器盤の上面図、(b)同開閉器盤の概略断面図である。 従来技術に係る開閉器盤で、金属箱から噴き出すガス流の様子を示す図である。 (a)本発明の第2実施形態に係る開閉器盤の母線室で内部アーク事故が発生した場合のガス流の概略を説明する説明図、(b)同開閉器盤の機器室で内部アーク事故が発生した場合のガス流の概略を説明する説明図、(c)同開閉器盤の金属箱で内部アーク事故が発生した場合のガス流の概略を説明する説明図である。 (a)従来技術に係る開閉器盤の斜視図、(b)図12(a)に示した開閉器盤のB−B断面の拡大図である。 (a)本発明の第3実施形態に係る開閉器盤の斜視図、(b)同開閉器盤の上面図である。 (a)本発明の第3実施形態に係る開閉器盤の背面側斜視図(背面カバー取付前)、(b)同開閉器盤の背面側斜視図(背面カバー取付後)である。 図13(a)に示した開閉器盤のC−C断面の拡大図である。 (a)本発明の第4実施形態に係る開閉器盤の概略断面図(図16(b)のD−D断面図)、(b)同開閉器盤の斜視透視図である。 (a)本発明の第4実施形態に係る開閉器盤の機器収容部で内部アーク事故が発生した場合のガス流分布の解析結果を示す図、(b)同開閉器盤の機器収容部で内部アーク事故が発生した場合の圧力分布の解析結果を示す図である。 (a)圧損体を有しない開閉器盤の機器収容部で内部アーク事故が発生した場合のガス流分布の解析結果を示す図、(b)同開閉器盤の機器収容部で内部アーク事故が発生した場合の圧力分布の解析結果を示す図である。 (a)内部アーク事故発生時から30ms以上経過したときのガス流分布の解析結果を示す図、(b)内部アーク事故発生時から30ms以上経過したときの圧力分布の解析結果を示す図である。 (a)本発明の第5実施形態に係る開閉器盤の概略断面図(図20(b)のE−E断面図)、(b)同開閉器盤の斜視透視図である。 (a)本発明の第5実施形態に係る開閉器盤の機器収容部で内部アーク事故が発生した場合のガス流分布の解析結果を示す図、(b)同開閉器盤の機器収容部で内部アーク事故が発生した場合の圧力分布の解析結果を示す図である。 (a)本発明の第6実施形態に係る開閉器盤の概略断面図(図22(b)のF−F断面図)、(b)同開閉器盤の斜視透視図である。 (a)本発明の第6実施形態に係る開閉器盤の機器収容部で内部アーク事故が発生した場合のガス流分布の解析結果を示す図、(b)開口部に同じ圧損値を有する圧損体を設けた開閉器盤の機器収容部で内部アーク事故が発生した場合のガス流分布の解析結果を示す図である。 従来技術に係る開閉器盤の一例を示す断面図である。
本発明の実施形態に係る開閉器盤について、図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態に係る開閉器盤は、例えば、安全性の国際認証試験IEC62271−200に適合させるために内部アーク事故により発生したガス流分布を制御するものである。また、内部アーク事故により発生した高圧ガスの流れを制御することで開閉器盤内の圧力上昇を抑制し、以て開閉器盤の破裂を防止するものである。
[第1実施形態]
図1(a)に示すように、本発明の第1実施形態に係る開閉器盤1は、接地された金属箱2内に、図示省略の遮断器、断路器、計器用変成器、母線、接続導体等の回路を構成する機器が収納される。金属箱2の天井部には、金属箱2内で発生した高圧ガスを金属箱2の外部に放出するための開口部2aが形成されている。
図1(b)、(c)に示すように、開閉器盤1は、金属箱2に、主回路を構成する機器が収納される機器収容部3と、機器収容部3における内部アーク事故により発生した高圧ガスの流れを制御するガス流制御空間4と、高圧ガスを滞留させるガス滞留室5と、が形成されたものである。なお、機器収容部3は、図24に示した従来技術の開閉器盤36と同様に、単位回路毎に隔壁により隔離された隔離構造を有するが、図1(及び、図2乃至図23)では詳細な記載を省略している。
ガス流制御空間4は、金属箱2内に形成された空間であり、機器収容部3に隣接して設けられる。ガス流制御空間4の壁面には、ガス流制御空間4と機器収容部3の一区画(例えば、母線室)とを連通するガス噴出し孔6が形成され、機器収容部3の一区画における内部アーク事故により発生した高圧ガスはガス噴出し孔6からガス流制御空間4に流入する。なお、ガス噴出し孔6には、機器収容部3の内部アーク事故により発生した高圧ガスにより開放される蓋(図示せず)が設けられる。また、ガス流制御空間4の内壁面であって、ガス噴出し孔6を覆うように遮蔽板7が設けられる。遮蔽板7は、ガス流制御空間4に流入した高圧ガスを任意の方向(例えば、下方向)に案内する。また、ガス流制御空間4の上部には開口部2aが形成されており、ガス流制御空間4に流入した高圧ガスは開口部2aから金属箱2外部へと放出される。さらに、ガス流制御空間4の内部であって、ガス流制御空間4を流通する高圧ガスの流れの変化が大きい箇所(例えば、ガス流制御空間4の下端部)には、ガス流制御ブロック8が設けられる。
ガス滞留室5は、ガス流制御空間4に連通する開口部5aを有する空間であり、機器収容部3の下方に設けられる。ガス滞留室5の開口部5aは、例えば、ガス流制御空間4の壁面に設けられる。ガス滞留室5は、ガス噴出し孔6から流入した高圧ガスの初期に発生する圧力波(以下、圧力第1波とする)を分岐させる空間である。ガス滞留室5は、分岐された高圧ガスの圧力(例えば、2気圧以上の圧力)に耐えるために補強構造を備える。圧力第1波を分岐させることで、ガス流制御空間4内の局所的な圧力上昇が緩和される。また、ガス滞留室5の機器収容部3側の壁面には、ガス滞留室5と機器収容部3の一区画(例えば、機器室等)とを連通するガス噴出し孔9が形成され、機器収容部3の一区画における内部アーク事故により発生した高圧ガスはガス噴出し孔9からガス滞留室5に流入する。ガス噴出し孔9からガス滞留室5に流入した高圧ガスは、ガス流制御空間4を通って開口部2aより盤外に放出される。つまり、ガス噴出し孔9から高圧ガスが噴き出す際には、ガス滞留室5は高圧ガスをガス流制御空間4に案内するダクト(すなわち、ガス流噴出し部)として作用することとなる。なお、ガス噴出し孔9は、機器収容部3のガス噴出し孔6が設けられる区画とは異なる区画に設けられる。そして、ガス噴出し孔9には、この区画の内部アーク事故により発生した高圧ガスにより開放される蓋(図示せず)が設けられる。また、ガス滞留室5の内壁面であって、ガス噴出し孔9を覆うように遮蔽板10が設けられる。遮蔽板10は、ガス滞留室5に流入した高圧ガスを任意の方向(例えば、ガス滞留室5の開口部5a方向)に案内する。
ガス流制御ブロック8は、ガス流制御空間4内であって、ガス流の流れが大きく変化する箇所(例えば、ガス流制御空間4の下端部近傍やガス滞留室5の開口部5aと対向するガス流制御空間4の内壁近傍等)に設けられる。ガス流制御ブロック8は、ガスが当たる面を有する部材である。したがって、ガス流制御ブロック8として、床面に対して傾けて設けられる板状の部材、または、ガスが当たる斜面とガス流制御空間4の壁面と平行な面を有する縦断面直角三角形状のブロック状の部材等が用いられる。ガス流制御ブロック8は、ガスが当たる面が、ガス流制御空間4に流入するガスの流通方向(例えば、床面)に対して傾斜角度θ傾いた状態で設けられる。ガス流制御ブロック8のガスが当たる面の傾斜角度θを調節することで、ガス流制御ブロック8の圧力が加わる範囲を広げて、ガスが当たる面における圧力上昇の最大値を制御することができる。例えば、ガスが当たる面に局所的にかかる圧力が2気圧以上となるように傾斜角度θを調節することが好ましい。また、ガス流制御ブロック8には局所的に高い圧力(例えば、2気圧以上の圧力)がかかるので、この圧力に耐えうる補強構造を有する。なお、ガス流制御ブロック8をガス流制御空間4の内壁面から僅かに離間した状態で設け、ガス流制御ブロック8とガス流制御空間4の内壁との間に補強材を入れてこの部分の開閉器盤1の補強をしたり、緩衝材を入れたりすることで、開閉器盤1にかかる圧力を低減することができる。
[ガス噴出し孔6から高圧ガスが噴き出した場合]
図2乃至図5を参照して、ガス噴出し孔6から高圧ガスがガス流制御空間4に流入した際のガスの流れについて説明する。ここでは、ガス噴出し孔6は、機器収容部3の母線室と連通しており、この母線室で内部アーク事故が起きた場合を例示して説明する。図1(b)に示すように、ガス噴出し孔6から流入したガスは、遮蔽板7に当たることにより床面方向へ向かうガス流(矢印V1で示す)となる。そして、床面に到達したガスは、ガス流制御ブロック8へ流れるガス流(矢印V2で示す)とガス滞留室5へ流れるガス流(矢印V3で示す)に分岐する。ガス噴出し開始後の時間の経過に伴い、分岐した2つの流れのうち継続してガスが流れることができる開口部2aへの流れ(すなわち、矢印V2、V4で示す)が支配的となる。
図2乃至図5は、ガス噴出し孔6から高圧ガスが流入した際のガス流分布及び圧力分布の解析結果を時系列順(T1〜T4)に示したものである。なお、内部アーク事故による一回の爆発でガス噴射は0.1秒程度持続する。この間に噴出したガス流によって開閉器盤1内に反射波が生じ、この反射波と直接ガス噴出し孔6から来るガス流との間で衝突が起こる。このガスが衝突する箇所において圧力が大きくなるおそれがある。そこで、時間T1乃至時間T4の解析では、この現象の解析を行った。
図2(a)、(b)は、ガス噴出し孔6から流入した高圧ガスが床面に到達する前の時間T1における解析結果を示し、図3(a)、(b)は、ガス噴出し孔6から流入した高圧ガスが床に到達した時間T2における解析結果を示している。また、図4(a)、(b)は、床から折り返した高圧ガスがガス噴出し孔6付近に到達した時間T3における解析結果を示し、図5(a)、(b)は、時間T3以降の時間であって、開口部2aから多くの高圧ガスが放出されている時間T4における解析結果を示している。
図2(a)乃至図5(a)のガス流分布を示す図においては、ベクトル方向がガス流の方向を示し、ベクトルの大きさがガス流の流速の大きさを示している(後に詳細に説明する他の実施形態におけるガス流分布を示す図においても同様である)。また、図2(b)乃至図5(b)の圧力分布を示す図は、圧力分布のコンター図であり、色の濃い部分が高い圧力部分を示している(後に詳細に説明する他の実施形態における圧力分布を示す図においても同様である)。また、コンター図の表示断面は、図1(c)のA−A断面である。
図2(a)に示すように、時間T1では、遮蔽板7により高圧ガスは下方向に案内されるので、下向きに大きなガス流速が発生している(点線で囲った部分S1参照)。また、図2(b)に示すように、高圧ガスの流れと一緒に動く圧力第1波が発生していることがわかる(点線で囲った部分S2参照)。
図3(a)に示すように、高圧ガスが床に到達すると、ガス流は、ガス流制御ブロック8方向(図中左側)への流れと、ガス滞留室5方向(図中右側)への流れに分岐することとなる(点線で囲った部分S3参照)。また、図3(b)に示すように、圧力第1波が床に到達しており、ガスの流れと同様に、圧力第1波がガス流制御ブロック8方向とガス滞留室5方向とに拡散する兆候がみられる(点線で囲った部分S4参照)。つまり、ガス滞留室5を設けることで、圧力第1波の一部がガス滞留室5に分散されることとなる。
圧力第1波をガス滞留室5に呼び込むためには、ガス滞留室5の開口部5a面積を十分に大きく確保する必要がある。図3(a)と図3(b)との比較から明らかなように、ガス流分布と圧力波の動きが連動している。したがって、ガス滞留室5の開口部5a面積の大きさは、例えば、ガス流制御空間4(すなわち、高圧ガスが金属箱2外部へ放出される本流部分の流路)の水平方向断面積と同程度であることが望ましい。少なくとも、ガス滞留室5の開口部5a面積は、ガス流制御空間4の水平方向断面積の30%以上であることが好ましい。また、ガス滞留室5の容積V(m3)は、ガス滞留室5の開口部5a面積S(m2)、ガス流速v(m/s)、ガス滞留室5がない場合のガスの圧力第1波と後続波の圧力波との衝突が起こるまでの時間t(s)、とした場合、V=S×v×t程度とすることが望ましい。具体的には、時間tは、ガス噴出し孔6から噴き出したガス流が、ガス流制御空間4の底面に反射して(図1(b)に矢印V2で示す)、ガス噴出し孔6の高さの内壁面に当たるまでの時間である。そして、ガス滞留室5の容積Vにおけるtを10m(s)以下とすることで、ガス滞留室5が圧力第1波を一定期間(10m(s)程度)収納することができ、圧力第1波と後続波の圧力波との衝突による圧力上昇を低減することができる。
図4(a)に示すように、時間T3では、ガス滞留室5へ流れ込むガス流がほとんど発生していない(点線で囲った部分S5参照)。これは、図4(b)に示すように、ガス滞留室5の内部圧力が高まったことにより、ガス滞留室5へ流れるガス流が減少したと考えられる(点線で囲った部分S6参照)。また、ガス噴出し孔6付近の圧力波の振る舞いに注目すると、この付近で圧力第1波と後続してガス噴出し孔6から発生した圧力波との間で衝突が起きていることが予想されるが、大きな圧力上昇は確認されなかった(点線で囲った部分S7参照)。
図5(a)に示すように、時間T4では、ガス滞留室5へのガスの流れ込みがさらに少なくなり(点線で囲った部分S8参照)、開口部2aから金属箱2外部に放出されるガス流が主流となり(点線で囲った部分S9及び開口部2a近傍参照)、開口部2aにおけるガス流速が上昇した。また、図5(b)に示すように、時間T3のときよりも開口部2aに流れ込むガス流が増加するため、開口部2a近傍の圧力が上昇しているが、大きな圧力上昇は発生しなかった(点線で囲った部分S10参照)。つまり、ガス流制御空間4内で圧力波同士の衝突による大きな圧力上昇が発生していないことがわかる。
以上のように、ガス噴出し孔6から高圧ガスが噴き出した場合、ガス流をガス流制御空間4の下方に案内するとともに、ガス流制御空間4にガス滞留室5を設けることで、内部アーク事故発生初期に噴出するガスから発生する圧力第1波を一定時間ガス滞留室5に取り込むことができる。その結果、圧力第1波の最大圧力を低減することができる。また、圧力第1波と後続圧力波との衝突のタイミングを分散させることで開閉器盤1内の局所的な圧力上昇量を抑制することができる。
内部アーク事故が発生してガス噴出し孔6からガス流が噴き出すと、ガス噴出し孔6に大きな圧力が発生し、この圧力は圧力第1波としてガスの流れに沿って拡散する。そのため、圧力第1波が床面から折り返し、後続で発生した圧力波と盤内のガス噴出し孔6付近で衝突し、周辺に瞬間的ではあるが大きな圧力が発生するおそれがある。このような大きな圧力が発生すると、盤内壁への加重力が増幅し盤が破裂するおそれがある。
これに対して、本発明の第1実施形態に係る開閉器盤1では、ガス流制御空間4にガス滞留室5を設けることで、圧力第1波を分岐させている。その結果、圧力第1波の圧力最大値を抑制し、圧力第1波と後続で発生した圧力波との衝突箇所での開閉器盤1内の圧力上昇を緩和することができる。
[ガス噴出し孔9から高圧ガスが噴き出した場合]
図6乃至図8を参照して、ガス噴出し孔9から噴き出した高圧ガスが、ガス滞留室5を介してガス流制御空間4に流入した際のガスの流れについて説明する。ここでは、ガス噴出し孔9は、機器収容部3の機器室と連通しており、この機器室で内部アーク事故が起きた場合を例示して説明する。解析条件は、ガス噴出し孔6から高圧ガスが噴き出した場合と同様である。
図6に示すように、ガス噴出し孔9からガス滞留室5に流入したガスは、遮蔽板10に当たることでガス滞留室5の開口部5a側に向かうガス流(矢印V5で示す)となる。そして、盤の側面部に到達したガスは、ガス流制御ブロック8と衝突し、開口部2aへ向かうガス流(矢印V6、V7で示す)となる。
図7(a)に示すように、ガス噴出し孔9より噴き出した左向きのガス流は、ガス流制御ブロック8に当たった後に上向きの流れと変わり(点線で囲った部分S11参照)、開口部2aより金属箱2外部(すなわち、開閉器盤1外部)へ流出する。
また、図7(b)に示すように、ガス噴出し孔9から噴き出したガス流が当たる箇所、すなわち、ガス流制御ブロック8付近で大きな圧力が発生している(点線で囲った部分S12、S13参照)。圧力が高くなる箇所は、ガス流制御ブロック8の床からの高さhの部分であり、この高さhは、ガス噴出し孔9の床からの距離とほぼ等しい。つまり、ガス噴出し孔9からほぼ真横に流れたガス流が、ガス流制御ブロック8に対して大きな圧力を発生させている。なお、ガス流制御ブロック8の左側隣の盤の側壁には大きな圧力がかかっておらず(点線で囲った部分S12参照)、盤壁に代わりガス流制御ブロック8に圧力がかかっていることがわかる。
図8は、図7(b)の解析結果を別の角度から表示したものである。図8では、ガス流制御空間4の内壁及びガス流制御ブロック8に印加される圧力に注目するため、壁面での圧力が表示されている。図8の解析結果より、ガス流制御ブロック8の中心付近では、2×105Pa以上の圧力が印加されている。このため、ガス流制御ブロック8には、ガス流制御ブロック8の破損を防止する補強部が設けられる。なお、ガス流制御ブロック8のガス流を受ける面の傾斜角度θを変えることで、ガス流制御ブロック8のガス流を受ける面の圧力(例えば、中心付近の大きな圧力)が印加される範囲を調節することができる。具体的には、傾斜角度θを小さくすることで、圧力が加わる範囲を広げることができ、局所的な圧力上昇を抑制することができる。また、傾斜角度θを大きくすることで、圧力が加わる範囲を狭くし、局所的にかかる圧力を大きくすることができる。
以上のように、ガス噴出し孔9から高圧ガスが噴き出した場合、ガス滞留室5の開口部5aと対向するガス流制御空間4の壁面部(少なくとも、ガス噴出し孔9のガス流通方向延長上の壁面部)近傍に、ガス流制御ブロック8を設けることで、ガス流制御ブロック8にガス流が衝突する。その結果、従来盤壁に発生する圧力を、ガス流制御ブロック8が代わりに受けることとなり、開閉器盤1の破裂を防止できる。また、ガス流制御ブロック8のガス流を受ける面の傾斜角度θを変えることで、圧力集中度合いを変えることができる。
ガス滞留室5の開口部5aから流入したガスは、ガス流制御空間4の内壁(すなわち、盤壁)との衝突により大きな圧力を発生し、この圧力により盤壁が破裂するおそれがあるが、ガス流制御空間4にガス流制御ブロック8を設けることで、盤壁に直接圧力が加わることが防止される。さらに、ガス流制御ブロック8のガスを受ける面を、ガス流制御空間4に流入するガスの流れ(すなわち、床面)に対して一定の傾斜角度θ傾けることで、ガス流制御ブロック8で圧力が加わる範囲を広げて、ガスを受ける面における圧力上昇の最大値を調節することができる。なお、傾斜角度θをより小さな角度とすることで、ガス流制御ブロック8のガスを受ける面の圧力上昇が抑制されるので好ましい。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る開閉器盤は、第1実施形態に係る開閉器盤1において、開口部2aを、ガス流制御空間4の上面であって、この面の中心部より機器収容部3側に偏って形成し、この開口部2aの開口面に対向して保護板を設けたものである。よって、第1実施形態に係る開閉器盤1と同じ構成については同じ符号を付して、異なる構成について詳細に説明する。
図9(a)、(b)に示すように、本発明の第2実施形態に係る開閉器盤11は、金属箱2に、機器収容部3、ガス流制御空間4、及びガス滞留室5が形成されている。
図9(a)に示すように、ガス流制御空間4の上面には、開口部2aが形成される。開口部2aは、ガス流制御空間4の上面の中心から機器収容部3(すなわち、開閉器盤11の前面方向)に偏った位置に形成される。つまり、金属箱2の開口部2aは、開閉器盤11前面側に絞った位置(例えば、天井面(L)の内、開口部2a(L1)30%〜70%)に形成される。
また、図9(b)に示すように、ガス流制御空間4内であって、開口部2aの開口面と対向する位置には、保護板12が設けられる。保護板12を開口部2aの下方に離間した位置に設け、保護板12により開口部2aを覆うことで、機器収容部3から噴き出したガスは、保護板12を迂回して開口部2aから噴き出すこととなる。
以上のような、本発明の第2実施形態に係る開閉器盤11によれば、第1実施形態に係る開閉器盤1が有する効果に加えて、金属箱2(すなわち、ガス流制御空間4)から噴き出すガス流を開閉器盤11前面方向(側面から離れた方向)に誘導することができる。その結果、人がいる可能性がある開閉器盤11背面(メンテナンススペース)へのガス噴きつけを防止することができる。
開閉器盤11内のガス流を外部へ誘導する際、人がいる可能性がある盤上面以外(背面や側面等)のメンテナンススペースへのガス噴きつけを防ぐ構成とする必要がある。しかしながら、図10に示すように、従来の開閉器盤13のように金属箱14の背面側(図中左側)の上面全体に開口部14aを形成した場合、機器収容部3で内部アーク事故が発生した際、ガス噴出し孔6を経て開口部14a(すなわち、ガス流制御空間4)から噴き出す噴出ガスは、開口部14aがある背面方向へ広がり易くなってしまう。なお、図10の外枠部分は、開閉器盤13が屋内に設置されている空間を表している。
そこで、本発明の第2実施形態に係る開閉器盤11では、ガス流制御空間4の上面の前面側(機器収容部3)に偏った位置に開口部2aを形成し、開口部2a下方に保護板12を設けることで、ガス流を盤上部の前面方向へ誘導することができる。
具体的には、図11(a)に示すように、機器収容部3の母線室3aで内部アーク事故が発生した場合、開口部2aから噴き出すガス流を盤上部の前面方向に誘導することができる。この時、開口部2a下方に保護板12を設けることで、ガス流制御空間4から直接開口部2aに向かうガス流の流れが妨げられるので、さらにガス流を盤上部の前面方向に誘導でき、開口部2aから噴き出すガス流の勢いを低減することができる。同様に、図11(b)に示すように、機器収容部3の機器室3bで内部アーク事故が発生した場合も、ガス流を盤上部の前面方向に誘導でき、開口部2aから噴き出すガス流の勢いを低減することができる。
また、図11(c)に示すように、金属箱2内のケーブル接続部(例えば、ケーブルとC−GISの接続箇所)で閃絡が起こった場合も、ガス滞留室5とガス流制御ブロック8とによりガス流制御空間4におけるガス圧力集中を軽減することができ、ガス流を盤上部の前面方向に誘導することができる。このように、ケーブル接続部で閃絡事故が発生した場合でも、ガス圧力集中を軽減し、開閉器盤11外部へのガス流の制御(及び緩和)を行うことができる。
[第3実施形態]
図12(a)、(b)に示すように、従来の開閉器盤15では、開閉器盤15の側板16、背面カバー17及び、飾盤18が面一に配置されており、背面カバー17の取付部の隙間から噴き出したガス(図12(b)に矢印Xで示す)が、盤側面のメンテナンススペースに直接噴きつけられるおそれがあった。第3実施形態に係る開閉器盤は、この課題を解決する。なお、実施形態の説明では詳細な説明を省略しているが、第3実施形態に係る開閉器盤も、図1を参照して説明した開閉器盤1と同様に、金属箱に、機器収容部3とガス流制御空間4が形成されている。
図13(a)、(b)に示すように、本発明の第3実施形態に係る開閉器盤19は、金属箱20に、機器収容部3やガス流制御空間4(図示せず)が形成されている。そして、金属箱20の天井部には開口部20aが形成され、この開口部20aを通ってガス流制御空間4内のガスが金属箱20の外部に噴き出すこととなる。
金属箱20は、一対の側板20b、側板20bの上下に設けられる上板20c及び下板20d、並びに背面カバー21を備える。背面カバー21は、側板20b、上板20c及び下板20dで形成される枠体の背面側開口部20eを閉塞するカバーであり、側板20b(上板20c及び下板20d)の端面にボルト22により固定される。また、金属箱20の側面には、飾盤23が設けられる。
図14(a)、(b)に示すように、開閉器盤19のガス流制御空間4は、金属箱20の背面側に形成された背面側開口部20eを背面カバー21で閉塞して形成される。すなわち、ガス流制御空間4は、一対の側板20bと側板20bの上下に設けられる上板20c及び下板20dとにより形成される枠体の背面側開口部20eを背面カバー21で閉塞し、枠体の前面側に機器収容部3等の区画を設けることで形成される。
図14(a)に示すように、背面側開口部20eの周縁には、背面側開口部20eの開口面に対して垂直方向に突出する突出枠24が設けられている。突出枠24は、例えば、側板20b、上板20c及び下板20dの端部を折り曲げて形成される。
また、図14(b)に示すように、背面カバー21は、この突出枠24に覆設される蓋部21aと蓋部21aの開口端に設けられるフランジ部21bとを有する。背面カバー21は、背面側開口部20eを覆うように被せられ、フランジ部21bがボルト22等により側板20b(上板20c及び下板20d)の端面に固定される。なお、図14(b)では、背面カバー21を点線で示し、便宜上、開閉器盤19の内部が見えるようにしている。
図15に示すように、上記の構成を有する開閉器盤19おいて、背面カバー21の接続部から噴き出すガスの流出経路は、突出枠24の外壁面と蓋部21aの内壁面の間を通る経路(矢印Yで示す)及び側板20bの端面とフランジ部21bの間を通る経路(矢印Zで示す)となり、流出経路が長くなる。
飾盤23は、側板20b(上板20c及び下板20d)の端面から突出して設けられる蓋部21aと同様に、側板20b(上板20c及び下板20d)の端面から突出した状態で設けられるため、側板20b(上板20cまたは下板20d)の端面とフランジ部21bとの接続部が飾盤23で覆われることとなる。その結果、側板20b(上板20cまたは下板20d)の端面とフランジ部21bとの間から噴き出したガスが飾盤23に衝突し、直接開閉器盤19の側面方向に噴きつけられることがない。
以上のような、本発明の第3実施形態に係る開閉器盤19によれば、背面カバー21と金属箱20の端部を折り返し構造とすることで、ガスの流出経路が長くなり、背面カバー21の接続部からガスが漏れることを抑制することができる。また、背面カバー21の接続部が飾盤23で覆われることとなり、接続部から噴き出したガスが直接開閉器盤19の側面側のメンテナンススペースへ噴きつけられることが防止される。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態に係る開閉器盤は、第2実施形態に係る開閉器盤11において、開口部2aに圧損体を設けたものである。よって、第2実施形態に係る開閉器盤11と同じ構成については同じ符号を付して、異なる構成について詳細に説明する。なお、本発明の第4実施形態に係る開閉器盤は、開閉器盤の内部構成については、特に限定されるものではない。
図16(a)、(b)に示すように、本発明の第4実施形態に係る開閉器盤25は、金属箱2に、機器収容部3、ガス流制御空間4、及びガス滞留室5が形成されている。
金属箱2の天井部(すなわち、ガス流制御空間4の上面)には、開口部2aが形成される。開口部2aは、ガス流制御空間4の上面の中心から機器収容部3(すなわち、開閉器盤25の前面方向)に偏った位置に形成される。つまり、金属箱2の開口部2aは、開閉器盤25前面側に絞った位置(例えば、天井面(L)の内、開口部2a(L1)30%〜70%)に形成される。開口部2aには、圧損体26が設けられる。
また、ガス流制御空間4内であって、開口部2aの開口面と対向する位置には、保護板12が設けられる。保護板12を開口部2aの下方に離間した位置に設け、保護板12により開口部2aを覆うことで、機器収容部3から噴き出したガスは、保護板12を迂回して開口部2aから噴き出すこととなる。なお、ガス流制御空間4の中間部であって、ガス流制御空間4の流路側に張り出すようにVT(計器用変圧器)装置27が設けられている。
圧損体26は、開口部2aの一部またはすべてを覆うように設けられる。例えば、圧損体26が、開口部2aの開口面積の80%以上を覆うように設けることが好ましい。圧損体26は、内部アーク事故発生時に、開口部2aにおいて金属箱2(すなわち、ガス流制御空間4)内外で圧力差を生じさせるために設けられる。圧損体26は、内部アーク事故発生時に発生する大きなガス流の圧力により開閉器盤25外へ飛散しないように固定される。また、圧損体26は、例えば、ステンレスやタングステン等の高融点且つ高強度の金属製のメッシュが用いられる。これは、圧損体26を高温のガスが透過するため、耐熱の部材で構成することが望ましいためである。また、圧損体26としてメッシュのような細かい網目の形状のものを用いることで、開閉器盤25内で発生した燃焼物等の盤外への飛散が防止される。
金属箱2外部へ放出されるガス流速は、例えば、100m/s〜1000m/sであり、ガス温度は100℃以上が想定される。したがって、圧損体26は、常温よりも高いガス密度及び粘性にて圧力損失(圧損)を引き起こすことを想定した圧損値をもつものが選択される。例えば、粘性抵抗係数αが4×109[m-1]、慣性抵抗係数βが50[−]である圧損体26が用いられる。粘性抵抗係数αは、ガス流速vに比例する係数であり、慣性抵抗係数βは、ガス流速vに対し2乗で比例する係数である。圧損体26の圧損値を大きくすると、内部アーク事故発生時のガス流制御空間4といった開閉器盤25内の圧力上昇が大きくなることとなる。したがって、盤の破裂防止の観点から、例えば、内部アーク事故発生時におけるガス流制御空間4内の最大圧力が2気圧以下となるような圧損値を有する圧損体26が用いられる。
なお、圧損体26が設けられる開口部2aの開口面積により、開口部2aを通過するガス流速が変わるので、圧損体26(及び圧損体26の圧損値)は開口部の面積に応じて変更する必要がある。したがって、開口部2aの開口面積に占める圧損体26の割合や圧損体26の圧損値等を変更することで、開閉器盤25外へ流出するガス流速量に応じて開口部2aにおける圧損値を変えることができる。
図17は、機器収容部3において内部アーク事故が発生し、機器収容部3で発生した高圧ガスがガス噴出し孔9から噴き出し、開口部2aに達した時間における解析結果を示している。図17(a)は、ガス流分布の解析結果を示す図であり、図17(b)は圧力分布の解析結果を示すコンター図である。図17(及び図19)の表示断面は、図16(b)のD−D断面である。また、解析では、開口部2aの面積を0.25m2とし、開口部2aがすべて圧損体26で覆われた開閉器盤25の解析を行った。
図17(a)に示すように、例えば、機器収容部3における内部アーク事故時に発生した高圧ガスは、ガス噴出し孔9から噴き出し、金属箱2の開口部2aに向かって流れるガス流となる(図16(a)中に矢印V8で示す)。開口部2aに圧損体26が備えられていることで、ガス流が圧損体26を通過しにくくなっており、一部のガスが開閉器盤25外へ出られず、ガス流制御空間4内で対流することとなる。その結果、圧損体26を通過して金属箱2外部に噴き出すガス流の流速が小さくなっている(点線で囲った部分S14参照)。また、図17(b)に示すように、圧損体26を境に金属箱2外部と比較してガス流制御空間4内の方が高圧となっている(点線で囲った部分S15参照)。
図18は、圧損体26が設けられていない開閉器盤28において、同様の解析(機器収容部3で発生した高圧ガスがガス噴出し孔9から噴き出し、開口部2aに達した時間における解析)を行った結果を示している。
図18(a)に示すように、圧損体26が無いことにより、圧損体26がある場合と比較して多くのガスが金属箱2出口に向かってガスが噴き出ていることが確認できる(点線で囲った部分S16参照)。また、図18(b)に示すように、開口部2a近傍のガス流制御空間4内外における圧力差は発生していない(点線で囲った部分S17参照)。つまり、図17(a)、(b)でみられた開口部2a付近のガス流の減少や、圧力分布の変化は、圧損体26を設置したことによって引き起こされているものと考えられる。圧損体26を設けることにより、ガス流制御空間4から金属箱2外部へ放出されるガス流が抑制されている。
図19は、内部アーク事故発生時から30ms以上経過したときの解析結果を示す図である。図19(a)は、ガス流分布の解析結果であり、図19(b)は、圧力分布の解析結果である。
図19(b)に示すように、内部アーク事故により発生したガスが多いため、ガス流制御空間4内の圧力が全体的に高くなっている(点線で囲った部分S18参照)。また、図19(a)に示すように、ガス流制御空間4の圧力が高くなることで、圧損体26を通過して噴出するガスの流速は、図18(a)の圧損体26が無い場合の開閉器盤28におけるガスの流速に近づいている(点線で囲った部分S19参照)。これは、ガス流制御空間4内を対流できるガス量が最大に達することで、機器収容部3から供給されるガス流分をガス流制御空間4内に溜めることができないためであると考えられる。この解析結果では、ガス流制御空間4内の最大圧力が2.0気圧程度であった。
以上のような、本発明の第4実施形態に係る開閉器盤25によれば、金属箱2の開口部2aに圧損体26を設けることで、内部アーク事故発生時の初期に発生するガスの開閉器盤25外への噴き出し量を一定時間減少させることができる。これにより、開閉器盤25内におけるガス対流でのガス滞在時間が長くなり、ガス温度が低下する。つまり、開閉器盤25は、開閉器盤25外へ噴き出すガスの温度を低下させることができ、第1実施形態に係る開閉器盤1や第2実施形態に係る開閉器盤11が有する効果に加えて、周囲への安全性がさらに向上する。
また、圧損体26として金属の網目の細かいメッシュを用いることで、開閉器盤25内で発生した飛散物(塗装破片や導体破片及びその他盤内の部品の燃焼体)が開閉器盤25外へ放出されることを防ぐことができる。これにより、周辺への燃焼物飛散物が減少するので、内部アーク事故発生時において周辺の安全性を高めることができる。
また、ガス流制御空間4においてガスを対流させることでガス流路が広がるため、ガス流路が広がるための空間を有効利用することができる。
また、適切な圧損値をもつ圧損体26を開口部2aに設置することで、ガス流制御空間4の圧力値を制御することができ、開閉器盤25の破裂を防止することができる。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態に係る開閉器盤は、第4実施形態に係る開閉器盤25において、ガス流制御空間4内にさらに圧損体を設けたものである。よって、第4実施形態に係る開閉器盤25と同じ構成については同じ符号を付して、異なる構成について詳細に説明する。なお、本発明の第5実施形態に係る開閉器盤は、開閉器盤の内部構成については、特に限定されるものではない。
図20(a)、(b)に示すように、本発明の第5実施形態に係る開閉器盤29は、金属箱2に、機器収容部3、ガス流制御空間4、及びガス滞留室5が形成されている。
金属箱2の天井部(すなわち、ガス流制御空間4の上面)には、開口部2aが形成される。開口部2aは、ガス流制御空間4の上面の中心から機器収容部3(すなわち、開閉器盤29の前面方向)に偏った位置に形成される。開口部2aには、圧損体26が設けられる。
ガス流制御空間4の流路には、圧損体30が設けられる。圧損体30は、開口部2aに設けられる圧損体26と同様のものが用いられる。圧損体30の圧損値は、金属箱2の破裂防止の観点から、機器収容部3において内部アーク事故が発生した際、例えば、圧損体30で仕切られたガス流制御空間4の最大圧力が2気圧以下となるような値であることが好ましい。圧損体30は、ガス流制御空間4の流路断面全体に亘るように設けられる。このように、圧損体30をガス流制御空間4の流路内に隙間なく設けることで、内部アーク事故により発生したガスすべてが圧損体30を通過するようになり、ガス流制御空間4内の一部の圧力を高めることができる。
圧損体30は、例えば、ガス流制御空間4であって、VT(計器用変圧器)装置27によってガスが通過できる面積が狭まっている箇所に設置される。その他、圧損体30は、例えば、ガス対流の圧力上昇に対して補強を施した盤壁部分のみから構成される空間(例えば、機器収容部3)の出口付近に設置される。このように開口面積が小さい箇所に圧損体30を設置することで圧損体30の設置利便性が向上する。また、圧損体30は、内部アーク事故発生時に高温となるブスバーから離れた場所に設置すると、圧損体30の設置箇所の温度が圧損体30の融点以下となり好ましい。
図21は、機器収容部3において内部アーク事故が発生し、機器収容部3で発生した高圧ガスがガス噴出し孔9から噴き出し、圧損体30近傍に到達した時間における解析結果を示している。図21(a)は、ガス流分布の解析結果を示す図であり、図21(b)は圧力分布の解析結果を示すコンター図である。図21(a)、(b)の表示断面は、図20(b)のE−E断面である。
図21(a)に示すように、例えば、機器収容部3における内部アーク事故時に発生した高圧ガスは、ガス噴出し孔9から噴き出し、金属箱2の開口部2aに向かって流れるガス流となる(図20(a)中に矢印V9で示す)。また、図21(b)に示すように、圧損体30を設けることにより、ガス流制御空間4の圧損体30により仕切られた部分(点線で囲った部分S20参照)で疎密が発生している。つまり、圧損体30によりガス流が圧損体30を通過しにくくなるため、一部のガスが開閉器盤29外へ出られずガス流制御空間4内で対流することとなる。その結果、ガス流制御空間4の圧損体30により仕切られた部分の圧力を均一化できる。つまり、この均一化の過程において、ガス流制御空間4内をガスが対流して、ガスが開閉器盤29外に放出されるまでの時間が長くなる。このように開閉器盤29内でガスが対流する時間が増えることで、滞留中にガス温度が下がり、開閉器盤29外へ放出されるガスの温度を下げることができる。圧損体30の圧損値を高くすることで、この効果を大きくすることができる一方で、圧損体30で仕切られた空間の圧力が上昇するほど金属箱2の破裂の危険性が増加する。よって、圧損体30の圧損値は、例えば、ガス流制御空間4の圧損体30で仕切られた空間の最大圧力が2気圧以下となる値とすることが好ましい。
以上のような、本発明の第5実施形態に係る開閉器盤29によれば、ガス流制御空間4内に圧損体30を設けることにより、機器収容部3での内部アーク事故により発生したガスをガス流制御空間4の一部に閉じ込めることができる。つまり、圧損体30の配置場所及び圧損体30の圧損値を適宜選択することにより、ガス流制御空間4において高圧となる箇所をガス流制御空間4の一部に限定することができる。この開閉器盤29によれば、開閉器盤29外へ放出されるガスが低温・低速となり、第4実施形態に係る開閉器盤25が有する効果に加えて、さらに開閉器盤29周辺の安全性が向上する。
また、ガス流制御空間4において、圧損体26と圧損体30を2つ直列に配置することで、ガス流制御空間4で圧力を上昇させる空間範囲を限定しながら、ガス流を開閉器盤29外へ放出するため、開閉器盤29内の空間利用をより効果的に行うことができる。
また、ガス流制御空間4において、開口部2aに設けられる圧損体26と、ガス流制御空間4の中間部に設けられる圧損体30と、を併設することで、圧損体30がガス流で吹き飛ばされても、圧損体26により圧損体30が盤外に放出されることが防止される。また、圧損体30により、圧損体30で仕切られたガス流制御空間4内でガスを対流させることができるため、ガスの滞留時間がより増えることとなる。その結果、開閉器盤29外へ放出されるガスがより低温・低速となる。
なお、この実施形態の説明では、圧損体26と圧損体30を併設しているが、圧損体30のみを設ける態様とした場合でも、第5実施形態の開閉器盤29の有する効果の一部を奏することができる。
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態に係る開閉器盤は、第4実施形態に係る開閉器盤25において、開口部2aに異なる圧損値を有する圧損体を複数設けたものである。よって、第4実施形態に係る開閉器盤25と同じ構成については同じ符号を付して、異なる構成について詳細に説明する。なお、本発明の第6実施形態に係る開閉器盤は、開閉器盤の内部構成については、特に限定されるものではない。
図22(a)、(b)に示すように、本発明の第6実施形態に係る開閉器盤31は、金属箱2に、機器収容部3、ガス流制御空間4、及びガス滞留室5が形成されている。
金属箱2の天井部(すなわち、ガス流制御空間4の上面)には、開口部2aが形成される。開口部2aは、ガス流制御空間4の上面の中心から機器収容部3(すなわち、開閉器盤31の前面方向)に偏った位置に形成される。開口部2aには、圧損体32、33が設けられる。
圧損体32、33は、第4実施形態で説明した圧損体26と同様のものが用いられる。圧損体32及び圧損体33の圧損値が大きいとガス流制御空間4内の圧力が上昇してしまうため、金属箱2の破裂防止の観点から、例えば、ガス流制御空間4における最大圧力が2気圧以下となるような圧損値を有する圧損体32、33が用いられる。
圧損体32、33の圧損値は、例えば、開口部2aから放出されるガス流が上方向となるように選択される。具体的に説明すると、図22の開閉器盤31では、開口部2aにおいて右上に向けたガス流ができる(図中矢印V10で示す)。開口部2aに同じ圧損値を有する圧損体を設けた場合は、ガス流は、機器収容部3側に設けられた圧損体よりも、機器収容部3より離れた位置に設けられた圧損体をガス流が多く通過することとなる。そこで、第6実施形態に係る開閉器盤31のように、機器収容部3より離れた位置に設けられた圧損体33の圧損値を、機器収容部3側に設けられた圧損体32の圧損値より大きくすることで、機器収容部3側に設けられた圧損体32を通過するガス流量(図中矢印V11で示す)を増加させることができる。このようにして開口部2aから噴き出すガス流方向が制御される。
図23は、機器収容部3において内部アーク事故が発生し、機器収容部3で発生した高圧ガスがガス噴出し孔9から噴き出し、圧損体32、33(または、圧損体35)近傍に到達した時間における解析結果を示している。図23(a)は、開口部2aに圧損値の異なる圧損体32、33を並列に設け開閉器盤31のガス流分布の解析結果であり、図23(b)は、開口部2aに圧損値が同じ圧損体35を並列に設けた開閉器盤34のガス流分布の解析結果である。なお、圧損体32の圧損値は、圧損体33の圧損値に対して半分の圧損値である。
図23(a)に示すように、例えば、機器収容部3における内部アーク事故時に発生した高圧ガスは、ガス噴出し孔9から噴き出し、金属箱2の開口部2aに向かって流れるガス流となる(図22(a)に矢印V10、V11で示す)。
図23(a)に示すように、開口部2aを通過するガスは縦方向を向いている(点線で囲った部分S21参照)。一方、図23(b)に示すように、開口部2aに同じ圧損値の圧損体35を設けた場合、開口部2aを通過するガスは右上方向を向いている(点線で囲った部分S22参照)。これは、圧損体32、33の圧損値が異なることにより開口部2aを通過するガスは、圧損体33よりも圧損値が小さい圧損体32側を通り易くなる傾向となるためである。つまり、圧損体33と比較して小さな圧損値を有する圧損体32を圧損体33と並設することで、圧損体32を通過するガスが多くなる。その結果、ガスが圧損体32付近に集まることで、開口部2aから噴き出すガス流分布が変わり、開閉器盤31外へ放出されるガス流方向が変わる。このように、開口部2aから噴き出すガス流を制御することで、ガス流が天井に衝突するまで開閉器盤31の前後左右方向へのガスの拡散を抑制することができる。その結果、ガス流の内部アーク事故発生時から開閉器盤31の周囲(前背面や側面等)への到達時間が長くなり、ガス流が冷やされることで周囲への安全性が向上する。
以上のような、本発明の第6実施形態に係る開閉器盤31によれば、開口部2aに異なる圧損値を有する圧損体32、33を並列に設けることで、開閉器盤31外へ放出されるガス流の方向を調整することができる。その結果、第4実施形態に係る開閉器盤25の有する効果に加えて、さらに、周囲の安全性を高めることができる。
つまり、本発明の第6実施形態に係る開閉器盤31によれば、開閉器盤31の形状に即した支配的なガス流に応じて、開口部2aに設けられる圧損体32、33の圧損値を変えることで、開口部2aの開口面積を変えることなくガス流を制御できる。その結果、同じ圧損値を有する圧損体を用いて開口部2aの開口面積を調節する場合と比較して、容易かつ柔軟にガス流の調整を行うことができる。
なお、開口部2aに設けられる圧損体は、開閉器盤31の特性に応じて異なる圧損値の圧損体を3つ以上設けることもできる。また、開口部2aにおける圧損体の配置形態は、開閉器盤31の前後方向に異なる圧損値を有する圧損体を並べることに限定されず、開口部2aから放出されるガス流を誘導する方向に応じて圧損体の配置形態が選択される。例えば、開口部2aに、開閉器盤31の左右方向に異なる圧損値を有する圧損体を並べると、開閉器盤31の左右方向のガス流の流れを調節することができる。
以上、本発明の実施形態の説明では、本発明の好ましい態様を示して説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、発明の特徴を損なわない範囲において適宜設計変更が可能である。
例えば、実施形態の説明では、ガス流制御空間4とガス滞留室5にそれぞれガス噴出し孔6,9を設けた態様を示しているが、ガス流制御空間4またはガス滞留室5のいずれかにガス噴出し孔を設ける態様でも、本発明が奏する効果を部分的に得ることができる。また、ガス流制御空間4及びガス滞留室5に複数のガス噴出し孔を設けることもできる。つまり、図1(b)に示すように、機器収容部3の上段側の区画(例えば、母線室)で爆発が起こった場合には、ガス噴出し孔6からのガス流を下側に流し、且つガス滞留室5を設けてガス流の圧力を分散することができる。また、図6に示すように、機器収容部3の下段側の区画(例えば、機器室)で爆発が起こった場合には、ガス噴出し孔9からのガス流を横向き(すなわち、ガス流制御空間4に向かう方向)に流し、且つガス流制御空間4にガス流制御ブロック8を設けることで圧力を分散することができる。その結果、開閉器盤1内における圧力上昇を低減し、開閉器盤1の破裂を防止することができる。なお、機器収容部3の下段側の区画であっても、ガス流制御空間4に直接ガス流が噴き出すガス噴出し孔を形成してもよい。この場合、ガス流制御空間4に噴き出したガス流は、ガス流制御空間4の下方に案内される。
また、実施形態の説明では、ガス滞留室5やガス流制御ブロック8に2気圧程度若しくは2気圧以上の圧力がかかるように設定されているが、ガス滞留室5やガス流制御ブロック8にかかる圧力は、開閉器盤1の定格に応じて適宜選択した圧力となるように設定される。つまり、爆発時の圧力は、爆発時に生じる材料等の蒸発による蒸気圧のことであり、開閉器に流れる電流値が異なると導体等の大きさも変わりガス流の圧力も異なる。本発明の開閉器盤1では、他の部分と比較して高い圧力がかかるガス滞留室5やガス流制御ブロック8を設けることで、開閉器盤1全体の強度をガス滞留室5やガス流制御ブロック8と同じにする必要がなく、高い圧力がかかる部位(すなわち、ガス滞留室5やガス流制御ブロック8)の補強を行えばよいので、開閉器盤1の設計が容易となる。
また、各実施形態で説明した構成を個々に備える態様とすることで、本発明の効果を部分的に得ることができる。よって、本発明の開閉器盤は、各実施形態で説明した構成を個々に備える開閉器盤、及び、各実施形態で説明した構成を2以上組み合わせて備える開閉器盤を含んでいる。
1,11,19、25、28、29、31、34…開閉器盤
2,20…金属箱(筐体)
2a…開口部
3…機器収容部
4…ガス流制御空間(ガス流制御部)
5…ガス滞留室(ガス流噴出し部)
6,9…ガス噴出し孔
7,10…遮蔽板(案内部)
8…ガス流制御ブロック
12…保護板
13,15,36…開閉器盤
14…金属箱
14a…開口部
16…側板
17…背面カバー
18,23…飾盤
20a…開口部、20b…側板、20c…上板、20d…下板、20e…背面側開口部
21…背面カバー
21a…蓋部、21b…フランジ部
22…ボルト
24…突出枠
26、32、33、35…圧損体(第1圧損体)
30…圧損体(第2圧損体)

Claims (11)

  1. 筐体に、主回路機器が収納される機器収容部と、前記機器収容部に隣接して設けられ、前記機器収容部における内部アーク事故により発生したガス流を前記筐体の外部に導出するガス流制御部と、が形成された開閉器盤であって、
    前記ガス流制御部には、前記内部アーク事故により発生したガス流が流入するガス噴出し孔と、当該ガス流を前記筐体の外部に放出する開口部と、が形成され、且つ、前記ガス噴出し孔から噴き出したガス流を前記ガス流制御部の下方に案内する案内部が備えられ、
    前記ガス流制御部の前記ガス噴出し孔より下方に、前記ガス流制御部と連通した開口部を有するガス滞留室が設けられた
    ことを特徴とする開閉器盤。
  2. 前記ガス滞留室の開口部と対向する前記ガス流制御部の壁面近傍にガス流制御ブロックが設けられた
    ことを特徴とする請求項1に記載の開閉器盤。
  3. 前記ガス滞留室の開口部の面積は、前記ガス流制御部の流路断面積の30%以上である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の開閉器盤。
  4. 前記ガス滞留室は、前記ガス流制御部に流入したガス流により形成される圧力波を、一定期間収納する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の開閉器盤。
  5. 前記機器収容部は、複数の区画に区切られており、
    前記ガス滞留室は、前記機器収容部の下方に設けられ、
    前記ガス滞留室の前記機機器収容部側の壁面には、前記機器収容部の区画であって前記ガス流制御部とガス噴出し孔を介して連通する区画と異なる区画における内部アーク事故により発生したガス流が流入するガス噴出し孔が形成され、且つ、当該ガス噴出し孔から噴き出したガス流を前記ガス滞留室の開口部方向に案内する案内部が備えられた
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の開閉器盤。
  6. 前記機器収容部は、少なくとも上下に仕切られた区画を有し、
    前記ガス流制御部のガス噴出し孔は、当該ガス流制御部と前記機器収容部の上側の区画との間に形成され、
    前記ガス滞留室のガス噴出し孔は、当該ガス滞留室と前記機器収容部の下側の区画との間に形成された
    ことを特徴とする請求項5に記載の開閉器盤。
  7. 筐体に、主回路機器が収納される機器収容部と、前記機器収容部に隣接して設けられ、前記機器収容部における内部アーク事故により発生したガス流を前記筐体の外部に導出するガス流制御部と、前記ガス流制御部と連通する開口部を有し前記機器収容部の下方に設けられるガス流噴出し部と、が形成された開閉器盤であって、
    前記ガス流噴出し部の前記機器収容部側の壁面には、前記内部アーク事故により発生したガス流が流入するガス噴出し孔が形成され、且つ、当該ガス噴出し孔から噴き出したガス流を前記ガス流噴出し部の開口部方向に案内する案内部が備えられ、
    前記ガス流噴出し部の開口部と対向する前記ガス流制御部の壁面近傍にガス流制御ブロックが設けられた
    ことを特徴とする開閉器盤。
  8. 前記ガス流制御ブロックのガス流が当たる面の傾斜に応じて、当該ガス流が当たる面がガス流から受ける圧力が調整される
    ことを特徴とする請求項7に記載の開閉器盤。
  9. 前記ガス流制御部に形成され、前記内部アーク事故により発生したガス流を前記筐体の外部に放出する開口部は、前記ガス流制御部の上面であって、この上面の中心部より前記機器収容部方向に偏って形成され、
    前記ガス流制御部内部であって、前記ガス流制御部に形成された開口部の開口面と対向した位置に保護板が設けられた
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の開閉器盤。
  10. 前記ガス流制御部に形成され、前記内部アーク事故により発生したガス流を前記筐体の外部に放出する開口部に、第1圧損体が設けられた
    ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の開閉器盤。
  11. 前記ガス流制御部の流路に第2圧損体が設けられた
    ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の開閉器盤。
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