JP2017142830A - 建設業の建築情報管理、ソフトウェア、及び方法 - Google Patents

Abstract

【課題】建設プロジェクトをリアルタイムで管理するシステムを提供する。
【解決手段】建設プロジェクトをリアルタイムで管理するための建設情報システムであって、サーバ１６と、コンピュータ１４又は他のモバイル装置と連通するデータベース１８と、サーバとクライアント２０との間を通信可能にするソフトウェアアプリケーション１２を有するリモートクライアントと、を備える。
【選択図】図１

Description

本発明は、コンピュータを利用した建設関連情報管理システム、ソフトウェア、及び方法に関する。特に、建築ソフトウェアと連動するとともに、統合的なリアルタイムの建設情報へのウェブ上リモートアクセスを可能にするよう構成された、建設関連情報の管理システム、ソフトウェアアプリケーション、及び方法に関し、これにより、ユーザは、建設工程全体を通して、総合的な建築物情報を追跡、集約することが可能になる。

ビルディング・インフォメーション・モデリング（ＢＩＭ）に特化したＡｕｔｏｄｅｓｋ（登録商標）Ｒｅｖｉｔ（登録商標）Ａｒｃｈｉｔｅｃｔｕｒｅ ｄｅｓｉｇｎ ｓｏｆｔｗａｒｅは、設計者やデザイナが初期のコンセプトを捉えて分析し、文書化及び建設を通じてデザインを維持するのに役立つ。ＢＩＭソフトウェアアーキテクチャと連動するように構成された現在の在庫追跡アプリケーションやシステムでは、建設現場とのリアルタイム情報の遠隔伝送ができない。ＣＯＢＩＥ等のソフトウェアアプリケーションは、その使用目的を果たすには十分であっても、ＣＯＢＩＥソフトウェアアプリケーションを介してアップロードされる建設関連情報へのリモートアクセスや、建設現場の担当者による情報のリアルタイム更新ができない。

建設の全段階を通じて、進捗状況を追跡し、在庫をリアルタイムで把握することは、プロジェクト効率を維持するのに必要不可欠である。

本発明は、プリロードされた建設情報へのリアルタイムなウェブ上リモートアクセスを実現する、システム及びソフトウェアアプリケーションを提供する。本発明では、現場担当者が、プランや図面仕様書等のプリロードされた情報に、現場からリモートアクセスすることができる。本発明は、現場担当者にリアルタイム情報を提供するだけでなく、建設関係者（つまり、所有者、設計者、エンジニア、プロジェクトマネージャ、建設業者、建築企業幹部）が、建設工程の各段階についてのリアルタイム情報を基に、プロジェクトを管理できるようにする。

また、本発明によれば、ソフトウェアアプリケーションと連動する情報システムは、建設現場での納期時点からの在庫を追跡し、材料や設備機器に関する情報及びデータをアーカイブに保管することにより、建築図面に変更が生じた際に、未使用の材料や設備機器を、将来の代替品の在庫として使用することができる。また、本システムは、建物を建設するために使用される全ての情報を収集しアーカイブ保存することにより、建設中並びに竣工後の施設管理及び維持のために、その情報を使用することができる。

この発明概要は、発明の詳細な説明で述べるコンセプトを簡単に説明したものである。この発明概要は、請求項に記載される発明対象について、基本的あるいは本質的な発明概念を特定したり、発明対象の範囲を定めることを意図するものではない。本発明の構成要素は、特定の建設プロジェクトをリアルタイムで管理するための情報システム処理方法であって、サーバと、コンピュータと連通するデータベースと、前記サーバとクライアントとの間を通信可能にするソフトウェアアプリケーションを有するリモートクライアントと、を備える。当該情報システム処理方法は、サーバに設定された建築／設計図面データ及び第一の建設情報、並びに、リレーショナルデータベースをプリローディングする工程を有する。次の工程として、前記特定の建設プロジェクトから設定された第二の建設プロジェクト設置情報をリモートで入力する工程と、建築図面データに設定される前記第二のプロジェクト設置情報と、建設情報の差異及び進捗を確かめるために設定される前記第一のプロジェクト設置情報とを比較する工程と、を含む。

前述の発明の概要、並びに、後述の発明の詳細な説明は、添付図面を参照しながら読むことで、より良く理解することができる。本発明を説明する目的において、本発明の例示的な構成を図面に示す。ただし、本発明は、図面に開示する特定の方法及び手段に限定されない。

図１〜図１８は、本発明に係るソフトウェアアプリケーション及び情報システムの機能を説明する図である。
図１は、本発明に係る情報システム及びソフトウェアアプリケーションの機能を示す、システムブロック図である。 図２は、情報システムの処理を説明するためのフローチャート図である。 図３は、ソフトウェアアプリケーションのデータ入力インターフェースの画面ショットの一例を示している。 図４は、システムデータベースにおけるデータセット間の関係の一例を示す図である。 図５は、ソフトウェアアプリケーションの製品ポータルの画面ショットの一例を示している。 図６は、ユーザデータ入力画面の画面表示を示している。 図７は、ソフトウェアアプリケーションのレポートポータルの画面ショットの一例を示している。 図８は、属性値の画面表示である。 図９は、掲示板インデックス又は変更指示の一例である。 図１０は、本発明に係るシステム及びソフトウェアアプリケーションの機能の概要を説明している。 図１１は、管理システムの施工前の処理のフロー図である。 図１２は、在庫管理標準操作手順のフロー図である。 図１３は、現場作業員工程による建設のフロー図である。 図１４は、建設図面処理における変更のフロー図である。 図１５は、システムレポート処理のフロー図である。 図１６は、アーカイブの在庫追跡処理のフロー図である。 図１７は、引継ぎ標準操作手順処理のフロー図である。 図１８は、製品ポータル画面表示の一例を示している。

本発明の特定の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。図１は、本発明に係る建設データ情報システム１０の一例を示す機能ブロック図である。

本システム１０は、ソフトウェアアプリケーション１２、ディスプレイを有する１つ以上のコンピュータ１４、サーバ１６、データベース１８、並びに、サーバ１６及びデータベース１８と連通する１つ以上のクライアント２０を備える。データベース１８は、現在入手可能でかつ当業者にとって一般的に知られている、いずれの製品であってもよい。ただし、好ましい実施形態としては、データベースは、ＳＱＬデータベースサーバ又はそれと同類のリレーショナルデータベースである。

本発明において、クライアント２０は、当技術分野において一般的に知られている、ＰＤＡ、コンピュータ、ＩＰＡＤ、スマートフォン、あるいは、他のワイヤレス又はモバイル装置であればよい。システム１０のコンポーネントであるＣＰＵ１４及びクライアント２０は、ソフトウェアアプリケーション１２と共働して可視ポータルを提供する、ウェブ上のブラウザアプリケーションを有する。したがって、システム１０は、当技術分野において一般的に知られているワイヤレス通信システムを使用して、クライアント２０とサーバ１６との間の通信を行う。

本実施形態において、システム１０又はソフトウェアアプリケーション１２は、個別に又は共同で、リレーショナルデータベース１８及びサーバ１６を備える。ソフトウェアアプリケーション１２はウェブ上のアプリケーションであるため、建設関連プロジェクトデータ及び情報に対する、コンピュータ１４からのローカルアクセス、及び、クライアント２０を介するリモートアクセスが可能になる。本実施形態において、ソフトウェアアプリケーション１２は、ＢＥＮＴＬＥＹやＲＩＶＥＴといった建築ソフトウェアプロバイダが使用する最も一般的なＢＩＭソフトウェアプロトコルと互換性がある、Microsoft（登録商標）.net C+プログラミング言語を有する。Microsoft.net C+言語の詳細については、www.microsoft.comを参照のこと。なお、ソフトウェアアプリケーション１２は、Hypertext Preprocessor「ＰＨＰ」、Ｊａｖａ（登録商標）、又はＬｉｎｕｘ（登録商標）等の他のプログラミング言語を有しても良く、その場合も本発明の範囲から逸脱することはない。

上述したように、ソフトウェアアプリケーション１２は、当技術分野において一般的に知られているＢＩＭソフトウェアプログラムアーキテクチャ（ＲＩＶＥＴ、ＢＥＮＴＬＥＹ、その他の建設ソフトウェアアプリケーション等）と互換性のあるコンピュータ言語を使用する。ソフトウェアアプリケーション１２は、プリロードされた建設データをフォーマットし、予め設定されているデータセットに編成することにより、コンピュータ１４及び／又はクライアント２０が提供するウェブ上ブラウザアプリケーションを用いた、情報の表示及び操作が可能になる。

データベース１８に格納されている建設関連情報の検索は、サーバ１６からワイヤレスでストリーミングされかつウェブ上ブラウザを介してクライアント２０からリモートアクセスされるデータパケットを介して、これを行うことができる。別の実施形態として、建設関連情報をクライアント２０上にローカルで記憶し、ソフトウェアアプリケーション１２を使用してアクセスするようにしてもよい。ホストコンピュータ１４においてリアルタイムに、また、クライアント２０からリモートで、情報がソフトウェアアプリケーション１２にリアルタイム入力されると、ソフトウェアアプリケーション１２は、その入力情報と、データベース１８に格納されているプリロードされたデータとを比較して、差異を特定する。これについては後段で説明する。

図２は、ソフトウェアアプリケーション１２と共働するシステム１０の処理及び／機能を示すフローチャートである。図示するように、建築プラン、材料、建物の仕様書等を含むデータファイルは、当初、ＲＥＶＩＴ又はＢＥＮＴＥＬＹといった第三者の建築ソフトウェアアプリケーション２２に記憶されている（ＳＴＥＰ２１）。なお、別の実施形態として、同データファイルを、建築ソフトウェア及びシステム１０と連通する別箇のデータベース上にローカルで記憶するようにしてもよい。建築担当者は、ソフトウェアアプリケーション１２使用して、第三者の建築ソフトウェアのエクスポート機能を実行し（ＳＴＥＰ２３）、ソフトウェアアプリケーション１２にログインして、建設関連情報をシステム１０のサーバ及びデータベース１８に、アップロード又はエクスポートする（ＳＴＥＰ２４）。建設関連情報とは、建築図面、建物の仕様書、平面図、材料、及び、他の所望情報であってよい。なお、同情報は、第三者の建築ソフトウェアプロトコルと互換性を保つようにフォーマットされる。

本実施形態では、建設関連情報及び／又はデータは、一般的なテキスト形式で提供される。ただし、建設関連情報が他のフォーマット（ＸＭＬ等）の場合であっても、本発明の範囲から逸脱することはない。建設関連データファイルがデータベース１８へロードされると、ソフトウェアアプリケーション１２及びデータベース１８は、当該データを、データの属性に従って、データセットへ編成する（ＳＴＥＰ２５）。リレーショナルデータベース１８、データフィールド、及び、属性の一例を図４に示し、また本明細書の後段で説明する。

データがシステム１０に伝達されると、ソフトウェアアプリケーション１２は、予めプログラムされたフィルタを使用してデータを処理する。本実施形態では、ユーザは、当該データが使用されるプロジェクト／ジョブのタイプを予め選択するので、当該データは、データベース１８に記憶されている選択されたプロジェクトデータセット属性に従って、データベース１８内に配置される。ソフトウェアアプリケーション１２は当該データを処理し、一連のプレカスタマイズされたデータフィールドに配置する。例えば、本実施形態では、カスタマイズされたデータフィールドが、ドア設置プロジェクト用に予め設定されている。したがって、各データフィールドは、ドア設置プロジェクト用の建設関連データに関する属性を有している。なお、他の種類の建設関連データ（例えば、空調システム、配管系統、電気システム、電話システム、その他、建設関連のテンプレート）がソフトウェアアプリケーション１２及びデータベース１８にプリロードされていても、本発明の範囲から逸脱することはない。ユーザは、この建設関連データをウェブ上ポータルで見ることができる（ＳＴＥＰ２６）。ソフトウェアアプリケーション１２は、例えばバックグラウンドで動作しており、第三者の建築サーバからデータベース１８にロードされたデータ属性に関する情報と、ＣＰＵを介してローカルでアップロードされたか又はクライアント２０を介してリモートアップロードされたデータとを自動的に比較し、ソフトウェアアプリケーション１２内で更新されたフィールド及びファイルのデータファイルを作成する（ＳＴＥＰ２７）。プリロードされたデータと現在のデータとの比較により、情報の差異がソフトウェアアプリケーション１２によって検出され、リモート接続及びローカル接続されているユーザへリアルタイムで報告される。ＳＴＥＰ２７の処理は、一日を通じて予め設定された時間に予定してもよく、さらに／又は、必要に応じて実行するようにしてもよい。その際、ソフトウェアアプリケーション１２のデータベース１８に記憶されている、更新済みデータファイルを含む各種データファイルが、第三者の建築ソフトウェア２２にインポートされるためにダウンロードされる（ＳＴＥＰ２８）。その後、ソフトウェアアプリケーション１２のデータベース１８からダウンロードされた、更新済みファイルを含むダウンロードファイルが、第三者の建築ソフトウェア２２へインポートされる（ＳＴＥＰ２９）。

図３は、ソフトウェアアプリケーション１２が生成する表示画面を示している。図示するように、ユーザは、ソフトウェアアプリケーション１２を使用して、指定したデータファイルに記憶されている建設関連情報をアップロードする。建設関連情報がデータベース１８へアップロードされると、ソフトウェアアプリケーション１２は、当該データを配置するとともに、当該データと、予め構成されたソフトウェアアプリケーションのデータフィールドとを比較して、属性に従って情報をソートする。

図４は、本発明に係るリレーショナルデータベース１８の構成の一例を示す図である。図示するように、データベース１８は、建設関連情報を構成する、一連のデータセット（７０−９６）を備えている。この例では、データベース１８は、ドア設置プロジェクト用の建設関連データを構成するための、特定のデータセットサブヘッディングを有している。なお、上述したように、データベース１８は、多種多様な建設関連プロジェクト及び建設業者用のデータセットを提供するように構成されてよく、その場合も本発明の範囲を逸脱することがない。また、ソフトウェアアプリケーション１２は、アップロード済みデータに照会する際に必要なデータフィールドの数を検出し、その情報に基づいて、データを配置するための「ｎ」個のフィールドを生成するようにしてもよく、この場合も本発明の範囲を逸脱することはない。

ドア設置プロジェクトの例で示すように、提供されるデータセットは、次に記載するラベル表示されたデータセットである：プロジェクト７０、プロジェクト製品タイプ７２、属性値７４、サブ値７６、ハードウェア変更ログ７８、属性８０、製品属性８２、製品８４、製品ワークフローＤ８６、製品属性変更ログ８８、差異９０、掲示板９２、製品タイプ９４、及び、ワークフロー日付９６である。各データセットは、データセット属性を表す一連のサブヘッディングを有し、これらサブヘッディングは、データベース１８内の建設関連データを分類するために使用される。例えば、プロジェクトデータセット７０には、プロジェクトＩＤ、プロジェクト名、及び、プロジェクト記述に関する情報が記憶されている。別の例として、掲示板データセット９２は、掲示板ＩＤ、名称、記述、及び、製品タイプＩＤを含むデータセットを有し、このデータセットは、特定の掲示板に関するデータ、及び、記述や製品タイプＩＤを含む当該掲示板に関する情報、を記憶するために使用される。本例における、全てのデータセット属性のリストを別表Ａ（本記載により本明細書に含まれるものとする）に示す。

また、図４では、各データセット間の関係が、１つ以上の関係線９８を使って示されている。例えば、ユーザが入力した掲示板に関するデータは、前述の掲示板データセット９２用の属性を割り当てられ、製品タイプデータセット９４と製品属性変更ログデータセット８８とによって共有される。各関係線の説明をここでは省略するが、図４には他のデータセット間の関係例も示されている。なお、色々な関係を定義する関係線は、プロジェクトやその目的に応じて、任意の数の方法で設定するようにしてもよい。

図６は、ユーザのディスプレイに表示される、ソフトウェアアプリケーション１２が提供する可視データフィールドの建設プロジェクト用入力ポータルの一例を示している。図示するように、この例では、次の項目の可視データフィールドが提供される：１）ドア及びフレームの位置、２）ドア及びフレームの素材の種類、３）ドア及びフレームの寸法、４）ドア及びフレームに隣接するウォールのパーティションサイズ、５）ドア及びフレームの動線、６）ドア及びフレームの出荷日、７）ドア及びフレームの納入期日、８）ドア及びフレームの設置日、９）ドア及びフレームの音響率（任意）、１０）ドア及びフレームに割り当てられたハードウェアパッケージ、及び、１１）ドア及びフレームを描画する建築図面。ユーザは、このポータルを使用して、情報を更新することができる。ユーザのポータルを介して情報が入力されると、当該情報が処理されるとともに、プリロードされたデータと比較され、ユーザは、このポータルを使ってデータベース１８内で当該情報を修正することができる。この情報は、図１８に示す製品詳細ポータル上でも表示することができる。同ポータルについては、本明細書の後段で説明する。

データがアップロードされると、ソフトウェアアプリケーション１２は、選択されたプロジェクトに関連する、予め構成されたデータセットに従って、データベース１８内のデータを編成する。ソフトウェアアプリケーション１２が一連のユーザーフレンドリなポータルを提供することにより、ユーザは、データベースに記憶されたデータ、特にデータセットを見ることができる。ポータルは、所望の建設プロジェクトに従って構成することができる。ソフトウェアアプリケーション１２は、データセット間での情報の相互参照を可能にする。図４に示すリレーショナルデータベースは、データセット間でシェアされる情報を示している。

図５に示すように、製品在庫追跡ポータルは、データと、それに関連するより詳細なデータへの接続性を見るためのウェブ上ポータルを提供している。例えば、所望の建物内の全ドア開口部に関してプリロードされたデータが、スプレッドシート形式で編成されており、このスプレッドシートは、製品ＩＤ、製品名称、記述、ハードウェアパッケージ、及び、在庫、という属性サブヘッディングを有している。ユーザは、さらなる関連情報を得るために特定のドア番号又はアイコン（本例の場合はえんぴつアイコン）を選択すると、製品ポータル（図１８）が開かれ、選択された属性に関する詳細が表示される。

例えば、ドア設置プロジェクトの場合、建築データベース内で、ドア開口部や位置に対して固有の識別子又は在庫ＩＤを予め割り当てるようにしてもよく、例えば、Ｂ３Ｈ２３というＩＤの場合、Ｂ３が位置（例えば、２階）を、Ｈ２３が同階の部屋番号を表している。在庫ＩＤ、Ｂ３Ｈ２３に関する詳細情報は、データベースに保存されている。

例えばＢ２Ｆ１０という開口部の識別子をユーザが選択する。すると、その識別子に関する情報が検索され、図１８に示す製品ポータル上に表示される。図示するように、当該開口部について、その識別子の関連属性のリストが表示される。ユーザが入力した建設関連情報が、データベース１８に記憶された情報に適合しない場合、ソフトウェアアプリケーション１２は、差異を検出し、属性にフラグを立てる。前述したように、ソフトウェアアプリケーション１２はデータ内の差異を検出する。この場合、ドア開口部の識別子に関して情報の差異が存在する場合はいつでも、製品在庫追跡ポータル上において、当該識別子が強調表示される。

ソフトウェアアプリケーション１２は、リアルタイムかつ自動的に、第三者の建築サーバに記憶されたデータ（プリロードされたデータ）からデータベース１８へロードされたデータ属性に関する情報と、ＣＰＵを介してローカルアップロードされたか又はクライアント２０を介してリモートアップロードされたデータと、を比較する。プリロードされたデータと現在のデータとの比較の結果、ソフトウェアアプリケーション１２が両者間に差異を検出すると、自動的にフラグが立ち、ユーザに差異を警告する。本実施形態では、製品在庫ワークフロー追跡表示画面（図５）上で、差異／コメント／ＲＦＩが特記され、強調表示又は太字表示される。

製品ユーザポータルでは、選択された属性の詳細情報が提供される。図１８では、製品ポータルは、選択された識別子「Ｂ２Ｆ１０」に関する情報を提供している。製品ポータルが提供するフィールドの中には、ユーザがコメント又は差異をリモート又はローカルに手入力できるフィールドがある。また、建築データが示す内容と、担当者が現場でリアルタイムに目にする状態との間に差異がある場合はいつでも、その情報をアプリケーションを介して本社へ速やかに連絡することにより、建設現場での状態と建築図面の内容との間の矛盾点を解決することができる。さらに、製品ポータルでは、関連する「掲示板」又は変更指示も示され、図９の掲示板ポータルに記憶及び表示される情報が参照される。

図７は、ソフトウェアアプリケーション１２が提供するレポートポータル画面表示８０の一例を示している。レポートポータル８０上で、ユーザは、建設関連データを探索して、所望の属性に基づくレポートを作成することができる。例えば、ユーザは、建設関連情報をフィルタリングする探索を実行して、所望日に納入又は設置される材料のリストを手に入れることができる。別の例では、ある特定の部屋に設置されたドア及びフレームを特定するレポートを作成したり、あるいは、階別、日付別、設置業者別にレポートを作成したり、あるいは、特定の変更指示により変更された項目について、又は、全体を通じて特定の番号に従って、レポートを作成するようにしてもよい。レポートは、所望するあらゆるプリロード属性に基づいて、作成することができる。レポートが作成されると、情報のフィルタリングによりレポートが作成され、同レポートをエクセルスプレッドシートにエクスポートしたり、印刷することができる。

ソフトウェアアプリケーション１２は電子メール機能を有しており、同機能によって、現場担当者は、データ間の差異が検出された場合に、速やかに本社へ電子メールを送ることができる。この機能により、ユーザは、本社から連絡があれば、この差異についての説明を迅速に受け取ることができる。本社から回答がない場合、システム１０内で回答が得られて記載されるまで、システム１０の製品在庫ページ上で、この問題が強調表示又は太字表示される。

また、図９に示すように、ユーザは、「掲示板インデックス」ページ内の特定のドア開口部に一部影響する、建築図面への全ての変更（「掲示板」）を見ることができる。例えば、ユーザがドアの素材又は寸法を変更すると、その情報が掲示板又は変更指示ページ上に反映され、変更情報は、図８に示すように、当該特定のドア開口部の「属性値リスト」ページに自動的にアップデートされる。属性値リストページにおいてユーザが「掲示板」タブを選択し、その後、当該開口部に影響する掲示板をクリックすると、特定の開口部についてどの属性が変更されたかが分かる掲示板のページへリンクされる。「ハードウェア」タブの下では、ハードウェアパッケージに含まれる全てのアイテムがリストアップされ、各ドアに割り当てられる各ハードウェアアイテムの数が並列形式で列記される。例えば、パッケージ内のハードウェアアイテム、各ハードウェアアイテムの総数、及び、各ハードウェアアイテムについて、それを使用する各開口部の各ハードウェアの数がリストアップされる。新しいハードウェアパッケージは、メインの「ハードウェア」ページで追加することができる。ハードウェアページの例は、図９に示す例と同様である。

図１０は、本発明に係るデータ情報システム１０を図式化したものである。図示するように、情報システム１０がいくつもの機能を実行する。情報システム１０が実行する機能には、次のものが含まれる：建設前の処理２００、在庫管理３００、建築業者による現場作業の標準操作手順（ＳＯＰｓ）４００、建築図面の変更ＳＯＰｓ５００、レポートＳＯＰｓ６００、アーカイブ保存ＳＯＰｓ７００、及び、引継ぎＳＯＰｓ８００。情報システム１０は、ソフトウェアアプリケーション１２と共働して、サーバ１６、データベース１８、ＣＰＵ１４、及び、リモートクライアント２０間での情報共有を可能にし、データフィールドに記憶されている情報へのリアルタイムアクセスを可能にする。

図１１は、システム１０がソフトウェアアプリケーション１２を使用して建設前段階の処理２００のフロー図である。ＳＴＥＰ２１０では、使用する材料に関するデータ及び仕様書を含む建築プランのファイルが、好ましくはテキスト形式で、提供される。これらのファイルは、ソフトウェアアプリケーションのデータベース２００へロードされる。なお、これらの情報は、ソフトウェアアプリケーション１２と互換性がありかつ連通しているデータベースであれば、どのデータベースにロードするようにしても、本発明の範囲を逸脱することはない。また、ＢＩＭソフトウェア又は他の設計／建築ソフトウェアから情報を直接伝送するようにしてもよい。

情報をシステムにロードしておくことによって、管理部が現場担当者用の情報を準備するのに要する時間を短縮することができる（ＳＴＥＰ２３０）。具体的には、ソフトウェアアプリケーション１２を使用することによって、管理部が現場作業員用の情報を作成するのに要するサポート時間、及び、現場作業員が情報を作成するための時間、が短縮されるため（ＳＴＥＰ２４０）、建設業者はコストを削減でき、設計／建築データのリサーチに要する労働時間を短縮することもできる。

図１２は、本発明に係る在庫管理機能の処理及び手順３００を示している。図示するように、ＳＴＥＰ３１０では、建設現場において在庫品が受け取られる。ＳＴＥＰ３２０では、担当者（建築業者等）が、ソフトウェアアプリケーション１２と連通するモバイルクライアント２０を使用して、在庫品をスキャンする。クライアント２０としては、ＩＰａｄ、コンピュータ、スマートフォン（ＩＰｈｏｎｅ、Ａｎｄｒｏｉｄ、又はＢｌａｃｋｂｅｒｒｙ）、その他、当業者に一般的に知られている、バーコード技術に対応するモバイル装置であればよい。在庫品をスキャンすることにより、在庫データがクライアント２０にロードされ、サーバ及びデータベースへ伝送される。ソフトウェアアプリケーション１２を使用することにより、担当者は、データベースから情報をリアルタイムで検索でき、納品を確認することができる。また、ソフトウェアアプリケーション１２には全在庫のリストがプリロードされているため、ＳＴＥＰ３２０で入手した在庫データと、データベース１８上に記憶されている在庫データ（本例では、大容量ハードウェアリスト）とを比較することにより、リアルタイムの在庫管理及び在庫状況の把握を維持することができる。ソフトウェアアプリケーション１２は、リアルタイムの比較結果に基づいて、各設置作業後に残るハードウェアの数を計算し、ユーザに表示することができる（ＳＴＥＰ３３０）。したがって、ソフトウェアアプリケーション１２を使用することにより、在庫管理に要する時間を短縮することができる（ＳＴＥＰ３４０）。具体的には、ソフトウェアアプリケーション１２の利用により、納入された在庫品は一度のスキャンで自動的にシステムにロードされるため、建設業者は、納品時に、納品書に列記された在庫品をペンと紙を使ってチェックするという作業を行う必要がない（ＳＴＥＰ３５０）。レポート機能を使用することにより、在庫情報を日付順にフィルタリングして、受け取った在庫品目の数を確認し、納品書に列記された在庫品目の数と照合する。端的に言えば、在庫情報及び在庫の更新情報が自動的にソフトウェアアプリケーション１２にロードされるので、建設業者は納品を確認したり、注文した品目と受け取った品目とを照合することができる（ＳＴＥＰ３６０）。

図１３は、本発明に係るドキュメント管理処理４００を示している。まず、ＳＴＥＰ４１０では、建設に先立ち、設置／建設情報（つまり、仕様書、部屋の寸法、平面図、等.)がアプリケーションデータベースにロードされる。ＳＴＥＰ４１０において、現場担当者は、ソフトウェアアプリケーション１２及びクライアント２０を使用することにより、本社のアプリケーションデータベース１８に接続及びアクセスし、その情報を見ることができる。現場担当者は、所望のプロジェクトに関連する全ての設計／建築情報を見ることができる。これによって、現場担当者は、情報にアクセスできる上、設計／建築図面と現場の状況との間に差異がある場合は、その差異について、建設情報を維持する本社へリアルタイムに通知することができる。本社のデータベースの情報が更新される場合も、現場担当者は、ソフトウェアアプリケーションを使用して、その情報にリモートアクセスすることができる。ドキュメント管理処理のＳＴＥＰ４２０では、現場担当者は、完了した建設作業について日々の最新情報を入力し、この最新情報はサーバ１４及びアプリケーション１２へ伝送され、社内の担当者や関係者は、この情報にリアルタイムにアクセスすることができる。したがって、本発明によれば、差異の原因について本社が速やかに調査し、正確な情報を直ちに現場担当者へ報告することができる（ＳＴＥＰ４３０）。また、現場担当者は、完了した建設作業について日々の最新情報を入力するが、一度入力された情報は、その直後から関係者全員がアクセスすることができる（ＳＴＥＰ４４０）。したがって、ソフトウェアアプリケーション１２を利用することにより、現場担当者は、契約図面と現場の状況の差異を、本社に通知することができる（ＳＴＥＰ４５０）。具体的には、ソフトウェアアプリケーション１２を使用することにより、現場担当者は、手持ちのスマートフォン、ＩＰａｄ、コンピュータ、又はその他のモバイル装置を介して、設置される所定の材料又はシステム用のハードウェアパッケージを全て見ることができ（ＳＴＥＰ４６０）、かつ、建築図面の最新情報に常時アクセスすることができる（ＳＴＥＰ４７０）。ソフトウェアアプリケーション１２を使用することにより、現場担当者は、手持ちのスマートフォン、ＩＰａｄ、コンピュータ、又は、その他のモバイル装置を介して、本社へ電子メールを送り、現場の状況と建築図面の差異に関する情報を通知することができる（ＳＴＥＰ４８０）。

図１４は、システム１０が実行する、建築図面の変更を扱う処理を示すフロー図（５００）である。ＳＴＥＰ５１０に示すように、設計者等の担当者が、平面図の変更など、建設プロジェクトに変更を加えると、これらの変更はデータベース１８に入力され、現場担当者は、クライアント２０を介してデータベース１８にリモートアクセスすることにより、これらの変更をクライアント２０を介して見ることができる。したがって、ソフトウェアアプリケーション１２を利用することにより、変更について、関係者全員にリアルタイムで通知することができる（ＳＴＥＰ５２０）。具体的には、ソフトウェアアプリケーション１２の利用により、ＢＩＭソフトウェア又は他の設計／建築ソフトウェアにおいて設計者が加えた変更は、直ちにソフトウェアアプリケーション１２にアップロードされ、その後、新しいプランが印刷される（ＳＴＥＰ５３０）。さらに、現場担当者は、これらの変更をリアルタイムに受け取ることができる（ＳＴＥＰ５４０）。

図１５は、システム１０が実行する、建設進捗状況レポート処理６００を示す図である。ＳＴＥＰ６１０に示すように、建設業者がクライアント２０に建設情報を入力すると、この情報はリアルタイムにソフトウェアデータベース１８へ伝送される。これによって、アプリケーションは、所望のフィールドを使用してレポートを作成することができる。また、ソフトウェアアプリケーション１２を使用することにより、関係者は、建設進捗状況及び／又は在庫に関するレポートを、手元でリアルタイムに受け取ることができる（ＳＴＥＰ６２０）。具体的には、ソフトウェアアプリケーション１２は情報をフィルタリングし、選択された属性に基づいてレポートを作成する（ＳＴＥＰ６３０）。また、ソフトウェアアプリケーション１２は、連続して入力及び更新される情報に基づき、各業者による全ての設置及び建築工程について、その進捗度を計算することができる。これにより、ソフトウェアアプリケーション１２のユーザが作成する支払請求の妥当性を、建設業者がソフトウェアアプリケーション１２内に日々記録するリアルタイムの建設進捗情報に基づいて、確認することができる。アプリケーションのこの機能を使用すれば、往々にして所有者の代理人がプロジェクト現場を歩き回り、構造や在庫を凝視して、建設業者が主張する進捗状況が正しいかを「推測」するという、曖昧な妥当性確認方法を取らずに済む。大規模かつ複雑な建設プロジェクトの場合、実際の建設進捗度を正確に反映した金額が支払請求に記載されていても、その支払請求が認められないことが多々あるため、「凝視」による確認は、ゼネコンと業者の間で不要なあつれきを生む恐れがある。

図１６は、本発明に係る、システム１０のアーカイブ在庫追跡処理７００のフロー図である。建築図面に何らかの変更が生じると（ＳＴＥＰ７１０）、建設現場で受け取られた材料及び設備機器は在庫リストに記載されかつデータベース１８に記憶され、その直後から、当該材料や設備機器は、利用可能なものとして、又は、余剰品又は回収対象品として、識別されるようになる（ＳＴＥＰ７２０）。建築図面に追加の変更が生じた場合、ソフトウェアアプリケーション１２は、データベース１８に記憶されている識別コードを使用して、使用可能な材料を特定することができる（ＳＴＥＰ７３０）。この在庫記載処理のメリットは、在庫探索処理によって現場でアイテムを特定できるため、材料の再発注を防げる点である。したがって、ソフトウェアアプリケーション１２を利用することにより、建築上の変更が生じた場合に、材料を新たに発注するのではなく、回収対象品又は余剰品となった材料を使うことができる（ＳＴＥＰ７４０）。具体的には、ソフトウェアアプリケーション１２において、回収対象品又は余剰品となった材料又は設備機器の属性と、建築図面上で変更された場所に使用すべき材料又は設備機器の属性とを照合させることによって、材料や設備機器を不要に発注するという無駄をなくすことができる（ＳＴＥＰ７５０）。

図１７は、本発明に係る、システム１０によるドキュメント管理処理及び建設後の情報引継ぎ処理８００のフロー図である。建設業者が、設置／建設工程に関する全ての情報の入力を完了することにより（ＳＴＥＰ８１０）、完成したプロジェクトのシステム及びドキュメントを使用して、参加業者からデータ一式が提供される。このように、ソフトウェアアプリケーション１２を使用することにより、システムを利用する参加業者から、竣工後の建物に設置される設備機器、システム、及び、材料についての総合的な情報が提供される。具体的には、ソフトウェアアプリケーション１２を使用することにより、建設プロジェクトの終了時に、各参加業者から１つのデジタルファイルが施設維持管理者へ自動的に引き渡される（ＳＴＥＰ８３０）。

前述の例は全て、本発明を説明することを目的としたものであって、本明細書が開示する方法や製品を限定するものとして解釈されるべきではない。様々な実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、本明細書で使用される用語は全て、説明や解説を目的としたものであって、限定を目的としたものではない。また、特定の手段、材料、及び、実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、本発明は、本明細書で開示されるこれらの特定事項に限定されることを意図せず、本発明は、特許請求の範囲に含まれるような、機能的に同等の構成、方法、及び、用途を包含するものとする。当業者は、本明細書の開示内容を利用して、本明細書に多くの改良や変更を加えることができ、その場合も、本発明の範囲や本発明の精神全てを逸脱することはない。

Claims (2)

1. 特定の建設プロジェクトをリアルタイムで管理するための情報システム処理方法であって、
   サーバと、コンピュータと連通するデータベースと、前記サーバとクライアントとの間を通信可能にするソフトウェアアプリケーションを有するリモートクライアントと、を備え、
   ａ．サーバに設定された建築／設計図面データ及び第一の建設情報を入力する工程と、
   ｂ．前記クライアントとアプリケーションを使用して建設関連の材料データをスキャンし、前記サーバにデータを転送する工程と、
   ｃ．前記特定の建設プロジェクトから設定された第二の建設プロジェクト設置情報をリモートで入力する工程と、
   ｄ．建築図面データに設定される前記第二のプロジェクト設置情報と、建設情報の差異及び進捗を確かめるために設定される前記第一のプロジェクト設置情報とを比較する工程と、
   を備える情報システム処理方法。
2. ＢＩＭソフトウェアあるいはその他の建築又は設計ソフトウェアと共働するように構成され、
   建設関連データを記憶するためのデータベースと、
   第一の一連のデータフィールドを有する第一の可視ポータルと、
   第二の一連のデータフィールドを有する第二の可視ポータルと、
   を備えるソフトウェアアプリケーション。

Images