JP2017142772A - 虹彩認証装置及び虹彩認証プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】画像処理量の増加を抑制しつつ、自然な操作体勢での虹彩認証を可能にする。【解決手段】虹彩認証装置は、虹彩認証処理の対象となる撮像画像を取得する取得部と、撮像画像内の複数の像に対する前後位置関係に基づいて虹彩認証処理の対象となる像が撮影された領域範囲を特定する特定部と、領域範囲に対して虹彩を検出し、虹彩認証する処理部と、を備える。【選択図】図9

Description

本発明は、虹彩認証装置及び虹彩認証プログラムに関する。
情報漏えいに伴うリスクへの問題意識の高まりから、対象者の身体的特徴等を用いて認証を行う生体認証の利用分野が広がる傾向にある。生体認証に用いられる身体的特徴等として、例えば、顔、指紋、声紋、筆跡、静脈、網膜、瞳の虹彩(黒目の瞳孔を除いたドーナツ状部分)の模様(パターン)といった個人に固有の特徴が例示できる。生体認証は、対象者の身体的特徴等を認証に利用するため、例えば、パスワードのように忘れたり、ICカードのように紛失したりするリスクを回避することが可能になる。また、生体認証では、パスワードの漏えいやICカードの盗難によって本人に成り済ました第三者を認証するリスクを回避することが可能になる。
上述の生体認証に用いられる身体的特徴等の中でも、瞳の虹彩は瞼や角膜等で保護されているため経年変化を起こし難いといった特徴を有する。このため、虹彩の模様(パターン)の特徴を個人認証に用いる虹彩認証は、長期的に安定した生体認証情報の確保が容易であり、誤認率が低く高い認証精度を得ることが可能になる。なお、対象者の虹彩のパターンは、カメラ等で撮影された撮像画像に基づいて認識可能なため、非接触での個人認証が可能になる。
近年、入退室管理システムでの認証ツールや可搬可能な電子機器のセキュリティ確保のためのツールとして、虹彩認証が導入される傾向にある。可搬可能な電子機器として、例えば、スマートフォン、PC(PC:Personal Computer)、ノートPC、タブレットP
C、PDA(Personal Data Assistance)といったカメラ等を備えた情報処理装置が例示できる。電子機器の利用者(以下、ユーザとも称す)は、例えば、虹彩認証による本人認証後に、セキュリティが解除された電子機器を利用することが可能になる。
なお、本明細書で説明する技術に関連する技術が記載されている先行技術文献としては、以下の特許文献が存在している。
特開2012−22713号公報 特開2002−51255号公報
ところで、上述の電子機器の虹彩認証時には、ユーザの虹彩パターンがカメラ等により撮影される。ユーザは、例えば、電子機器のカメラ等が設けられた外壁面と顔位置とを正対させて近接させ、ユーザの虹彩パターンを電子機器のカメラ等に認識させる。この、虹彩認証時の電子機器の操作が、自然な体勢とは言い難く、他人に対して誤解を招く虞があった。
例えば、駅の待合室や空港のロビーといった人の集まる場所での、座席等に着座した状態でスマートフォンによる虹彩認証を行う場合を想定する。スマートフォンには、例えば、着座したユーザの顔正面にカメラ位置が正対するようにスマートフォンを持ち上げるといった移動操作が発生する。着座したユーザと対向する位置の他人には、移動操作によって持ち上げられたスマートフォンで、無断撮影が行われているように誤解されることも予
測される。
上述した認証時の体勢による誤解等を防止するため、例えば、虹彩パターンを撮影するカメラの画角を広げることが考えられる。しかしながら、虹彩パターンを撮影するカメラの画角を広げ、撮影範囲を広げることになり、そのため画像処理量の増加を招く虞がある。また、撮影範囲を広げる場合には、虹彩認証時の撮影範囲内(画角内)にユーザ以外の他人が写り込みやすくなる。複数人の写り込みが発生した場合には、虹彩認証の処理対象が複数人となるため、電子機器の処理負荷が増大する。
1つの側面では、本発明は、画像処理量の増加を抑制しつつ、自然な操作体勢での虹彩
認証を可能にすることを目的とする。
上記技術は、次の虹彩認証装置の構成によって例示できる。すなわち、虹彩認証装置は、虹彩認証処理の対象となる撮像画像を取得する取得部と、撮像画像内の複数の像に対する前後位置関係に基づいて虹彩認証処理の対象となる像が撮影された領域範囲を特定する特定部と、領域範囲に対して虹彩を検出し、虹彩認証する処理部と、を備える。
上記の虹彩認証装置によれば、画像処理量の増加を抑制しつつ、自然な操作体勢での虹彩認証が可能になる。
本実施形態の虹彩認証装置を説明する図である。 本実施形態の虹彩認証装置を説明する図である。 本実施形態の虹彩認証装置を説明する図である。 本実施形態の虹彩認証装置のハードウェア構成例を示す図である。 虹彩認証装置の各処理部を説明する図である。 異なる放射強度の照明光で撮影された撮像画像を説明する図である。 輝度差画像に基づくブロック領域の分割を説明する図である。 輝度差ヒストグラムを説明する図である。 実施形態1の虹彩認証に係る処理を例示するフローチャートである。 実施形態2の虹彩認証装置の処理ブロックを説明する図である。 実施形態2の虹彩認証に係る処理を例示するフローチャートである。 虹彩認証装置の姿勢変化に伴う撮像画像内の、ユーザの撮像位置の偏りを説明する図である。 虹彩認証装置の姿勢変化に伴う撮像画像内の、ユーザの撮像位置の偏りを説明する図である。 実施形態3の虹彩認証装置の処理ブロックを説明する図である。 実施形態3の瞳検出に係る処理を説明する図である。 実施形態3の虹彩認証に係る処理を例示するフローチャートである。
以下、図面を参照して、一実施形態に係る虹彩認証装置について説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本虹彩認証装置は、以下の実施形態の構成には限定されない。以下、図1から図16の図面に基づいて、虹彩認証装置を説明する。
<実施形態1>
図1に、本実施形態の虹彩認証装置の説明図を例示する。本実施形態の虹彩認証装置10は、虹彩認証機能を有する可搬な電子機器である。可搬な電子機器として、例えば、ス
マートフォン、タブレットPC(PC:Personal Computer)、ノートPC、PDA(Personal Data Assistance)、ゲーム機、デジタルカメラ等が例示できる。なお、可搬な電
子機器は、例えば、デジタルオーディオプレイヤー、腕時計型やリストバンド型といった利用者(以下、ユーザとも称す)の身体に装着可能なウェアラブル式の電子機器であってもよい。
虹彩認証は、ユーザ固有の身体的特徴である、瞳の虹彩(黒目の瞳孔を除くドーナツ状部分)の模様(パターン)の特徴に基づいて行われる。虹彩の模様の特徴(以下、虹彩パターンとも称す)は、例えば、カメラ等で撮影された撮像画像により認識できる。
虹彩認証装置10は、例えば、カメラ等で撮影された撮像画像からユーザの瞳を検出し、検出した瞳の虹彩パターンを抽出する。抽出した虹彩パターンは、例えば、ユーザの識別情報と対応付けられてデータベース(以下、DBとも称す)に登録される。虹彩認証装置10は、セキュリティ確保のための装置のロックを解除するための認証情報としてユーザの虹彩パターンをDBに保持する。以下、「セキュリティ確保のための装置のロックを解除する」ことを単に「セキュリティを解除する」という。なお、DBには、右眼、左眼のそれぞれについての虹彩パターンが認証情報として登録される。
虹彩認証時には、例えば、虹彩認証装置10は、DBに登録された虹彩パターンと、カメラ等で撮影された撮像画像から取得された虹彩パターンとを照合する。虹彩認証装置10は、DBに登録されたユーザの、右眼、左眼の虹彩パターンのそれぞれについて照合を実行する。DBに登録された虹彩パターンと、カメラ等で撮影された虹彩パターンとが合致する場合には、虹彩認証装置10は、設定されたセキュリティを解除する。ユーザは、例えば、虹彩認証による本人認証後に、セキュリティが解除された虹彩認証装置10を利用することが可能になる。
なお、瞳の虹彩は瞼や角膜等で保護されているため経年変化を起こし難いといった特徴を有する。認証情報としてDBに登録されたユーザの虹彩パターンと、認証の際にカメラ等で撮影されたユーザの虹彩パターンとの同一性は安定して高いことが期待できる。このため、虹彩認証装置10は、例えば、カメラ等で撮影されたユーザの虹彩パターンと、認証情報としてDBに登録された右眼または左眼のどちらか一方の虹彩パターンとが合致することを条件として本人認証を行うとしてもよい。
一方、虹彩認証装置10は、DBに登録された虹彩パターンと、カメラ等で撮影された虹彩パターンとが合致しない場合には、設定されたセキュリティは解除しない。セキュリティが解除されない虹彩認証装置10では、例えば、ロック状態が継続される。ロック状態が継続する虹彩認証装置10では、例えば、表示デバイスの消灯状態が継続し、操作ボタン等に対する操作入力等は受け付けられない。虹彩認証装置10では、DBに登録された虹彩パターンと合致しない虹彩パターンを持つ第三者に対する情報等の漏えいが防止可能になる。
図1に例示する虹彩認証装置10は可搬な電子機器であり、具体的には、スマートフォンによって例示される。図1に例示のように、本実施形態の虹彩認証装置10は、虹彩パターンを撮影するための虹彩撮影用カメラ14bを備える。また、虹彩認証装置10は、虹彩パターンの撮影時に認証処理の対象者を可視光や赤外光で照射する照明部15bを備える。虹彩認証装置10は、照明部15bの発する照射光で照射された対象者を虹彩撮影用カメラ14bで撮影する。虹彩認証装置10は、虹彩撮影用カメラ14bによって撮影された撮像画像から虹彩認証処理の対象となるユーザの虹彩パターンを取得する。
なお、図1に例示の虹彩認証装置10は、ユーザの操作指示等を受け付けるための、電
源ボタン14c、操作用ボタン14dといった入力ボタンを有する。また、スマートフォンとしての虹彩認証装置10は、例えば、スピーカ等の出力デバイスとマイクロフォン等の入力デバイスを組合せた通話用レシーバ14eを含む。虹彩認証装置10は、例えば、図示しない携帯電話網等の無線ネットワークに接続し、通話用レシーバ14eを介して無線ネットワークに接続する他の通信機能を有する電子機器との間で音声による通話を行う。
また、図1に例示の虹彩認証装置10は、LCD(Liquid Crystal Display)15a等の表示デバイスを有する。LCD15a等の表示面は、虹彩認証装置10に設けられた虹彩撮影用カメラ14b、照明部15bの開口が設けられた外壁面に設けられる。LCD15aには、例えば、虹彩認証装置10のCPU(Central Processing Unit)11等で処
理された各種データ等が表示される。なお、LCD15a等の表示デバイスは、例えば、タッチセンサ14aと組合せられたタッチパネルのパネルであってもよい。タッチパネルは、タッチセンサ14aのセンサ面に接触させたユーザの操作指等の接触位置を検出する。タッチセンサ14aが設けられることで、虹彩認証装置10はセンサ面に接触させた操作指等による、ユーザの操作入力を受け付けることができる。
虹彩撮影用カメラ14bは、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor),CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を有するカメラである。虹彩撮影用カメ
ラ14bは、例えば、上下左右方向に80度以上の広画角の撮影範囲を有する。また、虹彩撮影用カメラ14bは、瞳の虹彩の模様の特徴である虹彩パターンを撮影するために求められる解像度を有する。虹彩撮影用カメラ14bの解像度として、例えば、10pix/mm−15pix/mmの解像度が例示できる。虹彩撮影用カメラ14bは、例えば、30FPS(Frames Per Second)といったフレームレートで撮像画像の撮影を行う。
本実施形態の虹彩認証装置10は、上下左右方向に80度以上の広画角の虹彩撮影用カメラ14bを備えることにより、虹彩パターンを撮影するための撮影範囲を相対的に広げることが可能となる。虹彩撮影用カメラ14bは、例えば、椅子等に着座した体勢で虹彩認証装置10をひざ上等に載せた状態のユーザの虹彩パターンを撮影することが可能となる。
広画角の虹彩撮影用カメラ14bを備える虹彩認証装置10では、ひざ上等に載せた状態のLCD15a等の表示デバイス面に視線を合わせるといった自然な体勢での、虹彩認証操作が可能になる。一方、顔正面にカメラ位置を正対させるように虹彩認証装置10を持ち上げるといったユーザの移動操作が抑制できる。以上の結果として、虹彩認証装置10では、虹彩認証を行うユーザの周囲の他人に対し、無断撮影を行っているといった不用意な誤解を招く虞が回避できる。
なお、虹彩撮影用カメラ14bの画角範囲が、上下左右方向に80度以上の撮影範囲であることに限定されるわけではない。上述したように、虹彩撮影用カメラ14bの画角範囲は、自然な体勢での、虹彩認証する対象者の虹彩パターンの撮影が可能な画角範囲であればよい。
また、虹彩撮影用カメラ14bは、例えば、照明部15bから照射される照射光として赤外光が用いられる場合には、赤外光による撮影が可能な赤外線カメラとすることができる。また、照明部15bから照射される照射光に可視光が用いられる場合には、虹彩撮影用カメラ14bは、例えば、スマートフォン等に搭載される汎用的な撮影用カメラ等とすることができる。なお、虹彩撮影用カメラ14bは、例えば、スマートフォン等に搭載される汎用的な撮影用カメラ等に可視光フィルタ等を装着した赤外線カメラであってもよい。
図2に、虹彩認証装置10の他の形態として、タブレットPCの一例を例示する。タブレットPCの形態であっても、虹彩認証装置10は、図1と同様に、虹彩撮影用カメラ14b、照明部15bを備える。また、図2に例示のように、タブレットPCによる虹彩認証装置10は、電源ボタン14c、操作用ボタン14d等の入力ボタン、LCD15a等の表示デバイスを有する。LCD15a等の表示デバイスは、例えば、センサ面に接触させたユーザの操作指等の接触位置を検出するタッチセンサ14aと組合せられて、虹彩認証装置10のポインティングデバイスとして機能する。
タブレットPCの形態であっても、虹彩撮影用カメラ14b、照明部15bの開口は、LCD15a等の表示面が設けられた外壁面に設けられる。また、図3に、虹彩認証装置10の他の形態として、ノートPCの一例を例示する。ノートPCの形態であっても、虹彩認証装置10は、図1と同様に、虹彩撮影用カメラ14b、照明部15bを備える。また、図3に例示のように、ノートPCによる虹彩認証装置10は、キーボード14f、タッチパッド14g、LCD15a等の表示デバイスを有する。ノートPCによる虹彩認証装置10においても、虹彩撮影用カメラ14b、照明部15bは、LCD15a等の表示面が設けられた外壁面に設けられる。
ところで、認証用の虹彩パターンを撮影するためのカメラの画角を広げた場合には、撮影範囲が広がるため、虹彩認証の対象者であるユーザ以外の他人が写り込みやすくなる。以下、虹彩認証の対象者を単に認証者と呼ぶことにする。広画角のカメラを有する虹彩認証装置10では、例えば、認証時に、LCD15a等の表示デバイス面に視線を合わせたユーザの背後に位置する他人を含む撮像画像が撮影される。虹彩認証時の撮影画像内に複数人の映り込みが発生した場合には、写り込んだ複数人のそれぞれを認証候補者として虹彩認証の処理が行われることになる。なお、以下の説明では、複数人の認証候補者を「候補者」とも称する。
〔比較例の処理の検討〕
ここでは、比較例として、虹彩認証装置が広画角のカメラを用いて単純に虹彩認証を実施する処理を例示する。比較例の虹彩認証装置では、撮像画像内に写り込んだ複数人のそれぞれを虹彩認証の対象として処理が実行される。このため、比較例の虹彩認証装置では、画像処理量が増大すると共に処理負荷が増大することになる。処理負荷の増大は、虹彩認証装置の電力消費を増加させることになる。また、画像処理量の増大は、認証に費やされる処理時間の長大化を引き起こすため、認証結果が得られるまでの処理時間が増加する。
さらに、虹彩認証ではメガネやカラーコンタクト等の着用により、認証処理に時間が費やされる場合がある。比較例の虹彩認証装置では、認証者であるユーザが、メガネ等を着用した状態で虹彩認証を行う場合には、悪意を持って写り込んだ第三者がユーザより先に登録・認証されてしまうことが想定される。悪意ある第三者の虹彩パターンが虹彩認証情報として登録された場合には、比較例の虹彩認証装置は、悪意ある第三者の虹彩パターンを認証し、セキュリティを解除することが生じ得る。セキュリティが解除された比較例の虹彩認証装置では、悪意ある第三者による情報漏えいが生じることになる。
〔実施形態の処理の検討〕
本実施形態の虹彩認証装置10は、虹彩撮影用カメラ14bで撮影された撮像画像内に虹彩認証処理の対象となる複数の候補者像が存在するときに、撮像画像の輝度情報に基づいて、撮像画像内に含まれる複数の候補者像間の相対的な前後位置関係を識別する。そして、虹彩認証装置10は、識別された相対的な前後位置関係に基づいて、虹彩認証の処理対象となる候補者像が撮影された領域範囲を特定する。なお、以下の説明では、撮像画像
内の候補者像を単に「像」とも称す。
本実施形態の虹彩認証装置10は、特定された虹彩認証の処理対象となる領域範囲に基づいて、虹彩認証処理を実行する。本実施形態の虹彩認証装置10は、撮像画像内の特定された領域範囲以外の画像領域については、背景領域として切り離し、虹彩認証処理を行わない。
虹彩認証処理では、例えば、特定された領域範囲に基づいて、虹彩認証処理の対象となる人物の虹彩パターンを含む瞳(眼)が検出される。虹彩認証装置10は、検出された瞳から虹彩パターンを抽出する。虹彩認証装置10は、例えば、抽出された虹彩パターンとDBに登録された認証情報(参照虹彩画像)とを照合することで本人認証を行う。また、虹彩認証装置10は、虹彩認証処理として、抽出された虹彩パターンを認証情報(参照虹彩画像)としてDBに登録する。
この結果、本実施形態の虹彩認証装置10では、虹彩認証処理についての画像処理量の軽減が可能になる。本実施形態の虹彩認証装置10では、虹彩認証処理に係る画像処理量が軽減できるため、認証に費やされる処理時間の短縮が可能となり、CPU等の処理負荷の軽減が可能になる。虹彩認証装置10では、虹彩認証処理に係る処理負荷を軽減できるため、電力消費の抑制が可能になる。本実施形態の虹彩認証装置10では、画像処理量の増加を抑制しつつ、自然な操作体勢での虹彩認証が可能になる。
〔装置構成〕
図4に、本実施形態の虹彩認証装置10のハードウェア構成の一例を例示する。図4に例示の虹彩認証装置10は、接続バスB1によって相互に接続されたCPU11、主記憶部12、補助記憶部13、入力部14、出力部15、照明部15b、照明駆動部15c、通信部16を有する。主記憶部12及び補助記憶部13は、虹彩認証装置10が読み取り可能な記録媒体である。
虹彩認証装置10は、CPU11が補助記憶部13に記憶されたプログラムを主記憶部12の作業領域に実行可能に展開し、プログラムの実行を通じて周辺機器の制御を行う。これにより、虹彩認証装置10は、所定の目的に合致した処理を実行することができる。
CPU11は、虹彩認証装置10全体の制御を行う中央処理演算装置である。CPU11は、補助記憶部13に格納されたプログラムに従って処理を行う。主記憶部12は、CPU11がプログラムやデータをキャッシュしたり、作業領域を展開したりする記憶媒体である。主記憶部12は、例えば、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。なお、CPU11は、マイコン、チップセット等であってもよい。
補助記憶部13は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶部13は、外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部13には、例えば、OS(Operating System)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、例えば、通信部16を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、有線ネットワーク、無線ネットワーク上のPCやサーバ等の情報処理装置、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、PDA等の可搬可能な電子機器、外部記憶装置等が含まれる。
補助記憶部13は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ソリッドス
テートドライブ装置、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)装置等であ
る。また、補助記憶部13としては、例えば、CDドライブ装置、DVDドライブ装置、
BDドライブ装置等が提示できる。記録媒体としては、例えば、不揮発性半導体メモリ(フラッシュメモリ)を含むシリコンディスク、ハードディスク、CD、DVD、BD、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)メモリカード等がある。
入力部14は、操作者等からの操作指示等を受け付ける。入力部14は、例えば、電源ボタン14c、操作用ボタン14d等の入力ボタン、タッチセンサ14a、タッチパッド14g、虹彩撮影用カメラ14b、ポインティングデバイス、マイクロフォン等の入力デバイスである。入力部14には、キーボード14f、ワイヤレスリモコンといった入力デバイスが含まれるとしてもよい。ポインティングデバイスには、例えば、タッチセンサ14aと出力部15のLCD15a等の表示デバイスとを組合せたタッチパネル、マウス、トラックボール、ジョイスティックが含まれる。また、入力部14には、マイクロフォン等の入力デバイスにスピーカ等の出力デバイスを組合せた通話用レシーバ14e、加速度センサ、ジャイロセンサといった虹彩認証装置10の姿勢を検出する姿勢検出センサ14hが含まれる。
出力部15は、CPU11で処理されるデータや情報、主記憶部12、補助記憶部13に記憶されるデータや情報を出力する。出力部15は、例えば、LCD15a(図1、図2、図3参照)である。ただし、出力部15は、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)パネル、有機ELパネル等の表示デバイスであってもよい。ま
た、出力部15は、プリンタ、スピーカ等の出力デバイスであってもよい。
照明部15bは、可視光を照射可能なLED(Light Emitting Diode)、赤外光を照射可能な赤外線LED等によって例示される。照明駆動部15cは、照明部15bのLED等を駆動するための電流回路等を含む制御デバイスである。
通信部16は、例えば、虹彩認証装置10に接続する有線ネットワーク、無線ネットワーク等とのインターフェースである。有線ネットワークには、例えば、インターネット等の公衆ネットワーク、LAN(Local Area Network)等が含まれる。無線ネットワーク等には、携帯電話網、無線LAN、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。なお、通信部1
6は、例えば、虹彩認証装置10が有するUSBポート等に装着された無線LANアダプタといった通信アダプタ等によって提供されるとしてもよい。
虹彩認証装置10は、CPU11が補助記憶部13に記憶されているOS、各種プログラムや各種データを主記憶部12に読み出して実行することにより、対象プログラムの実行と共に、図5に例示の各処理部を提供する。
図5に例示するように、虹彩認証装置10は、上記対象プログラムの実行による処理部として、キャプチャ部101、輝度差演算・ブロック分割部102、ヒストグラム処理部103、最前面人物判定部104、照合処理適用ブロック抽出部105を提供する。同様にして、虹彩認証装置10は、瞳検出部106、虹彩特徴点抽出部107、登録・認証部108、登録・認証結果出力部109、照明制御部110、登録・認証モード切替部111を提供する。
但し、図5に例示の各処理部のいずれか、あるいは、これらの一部がハードウェア回路によって動作するものであってもよい。また、虹彩認証装置10は、以上の各処理部が参照し、或いは、管理するデータの格納先として、例えば、参照虹彩画像DB201を補助記憶部13に備える。
〔各処理部の構成〕
図5に、本実施形態の虹彩認証装置10の処理部の説明図を例示する。なお、虹彩撮影
用カメラ14b、照明部15b、照明駆動部15cについては、図1、4等で説明した。
図5に例示の説明図において、登録・認証モード切替部111は、例えば、入力部14を介してユーザ等の虹彩認証を行うための操作入力指示を受け付ける。同様にして、登録・認証モード切替部111は、ユーザ等の虹彩パターンを認証情報として登録するための操作入力指示を受け付ける。登録・認証モード切替部111は、入力部14を介して受け付けた操作入力指示を主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。登録・認証モード切替部111は、例えば、受け付けた操作入力指示を登録・認証部108に引き渡す。
虹彩認証装置10は、例えば、電源投入時の電源ボタン14cの押下操作を、虹彩認証を行うための操作入力指示として受け付ける。また、一定期間に亘り操作入力等が発生しないために休止状態となった虹彩認証装置10は、例えば、操作用ボタン14dの長押しといった押下操作を、運用状態に復帰する際の虹彩認証の操作入力指示として受け付ける。上記の操作入力指示は、登録・認証モード切替部111により受け付けられる。
また、虹彩認証装置10は、例えば、運用状態において虹彩パターンを登録するため操作部品に対する操作入力を受け付ける。虹彩認証装置10は、例えば、虹彩パターンを登録するため操作部品に対する操作入力の選択項目をメニュー画面等に表示し、ユーザからの操作を受け付ければよい。
また、虹彩認証装置10は、タッチパネルを有する場合には、例えば、操作部品の表示位置に重畳させて接触させたユーザのタッチ操作を操作入力指示として受け付ける。また、虹彩認証装置10は、マウスやタッチパッド14g、或いは、キーボード14fを介して、ユーザからの操作を受け付けてもよい。例えば、虹彩認証装置10は、マウス等による操作部品の表示位置に重畳させたカーソルへの決定入力を操作入力指示として受け付ければよい。以上のような虹彩パターンを登録するための操作入力指示は、登録・認証モード切替部111により受け付けられる。
虹彩認証装置10は、虹彩認証を行うための操作入力指示、或いは、虹彩パターンを認証情報として登録するための操作入力指示を契機として虹彩認証或いは虹彩パターンの登録処理を行う。
図1等を用いて説明したように、虹彩認証或いは虹彩パターンの登録処理では、虹彩認証装置10は、照明部15bの発する照射光で照射された対象者を虹彩撮影用カメラ14bで撮影する。そして、虹彩認証装置10は、虹彩撮影用カメラ14bを介して撮影された撮像画像の輝度情報に基づいて、撮像画像内に含まれる複数の候補者像間の相対的な前後位置関係を識別する。
虹彩撮影用カメラ14bを介して撮影された撮像画像の輝度情報と、撮像画像内に含まれる複数の候補者(候補者像)間の相対的な前後位置関係について、次に説明する関係が成立する。
照明部15bの照射光の強度を放射強度:Ie(W/sr)とするときに、照明部15bの光軸方向の微小立体角:dω(sr(steradian))を通過する放射エネルギー(放
射束):dP(W)は、次の式(1)で表すことができる。
dP=(Ie)×(dω) …式(1)
また、照明部15bから光軸方向に距離:r(m)離れた箇所の微小面積:ds(m2
)を照明部15bから見たときの微小立体角:dω(sr)は、次の式(2)で表すことができる。
dω=(dS)/(r2) …式(2)
上述した、式(1)、(2)より、照明部15bから光軸方向に距離r(m)離れた箇所の、単位面積あたりに入射される放射エネルギーである放射照度は、次の式(3)で表すことができる。
dP/dS=(Ie)/(r2) …式(3)
式(3)より、放射照度:dP/dSは、距離の2乗に反比例することが解かる。つまり、照明部15bから撮影対象までの距離が遠いほど、放射照度は距離の2乗に反比例して減少することになる。
ここでは、前提条件として、例えば、照明部15bによって照射される撮影対象が色や模様がない無地とし、照明部15bは点光源であると想定する。照明部15bによって照射された撮影対象の照度と、撮影対象を撮影した撮影画像の輝度との間には、次の式(4)で表される関係が成立する。
輝度∽照度∽1/(r2) …式(4)
式(4)から、上述した前提条件では、虹彩撮影用カメラ14bで撮影された撮影対象の撮影画像についての画素点の輝度は、撮影対象までの距離の2乗に反比例することが解かる。例えば、撮像画像の画素点の輝度から、式(4)に示す関係に基づいて、撮影対象までの距離を推定することが可能となる。
なお、式(3)に示すように、放射照度は照明部15bから撮影対象までの距離の2乗に反比例して減少し、照明部15bの放射強度(Ie)に比例する関係にある。このため、照明部15bの照射光の放射強度を変えて撮影対象に照射した場合、撮影された撮像画像間の画素点の輝度差には、以下の関係が成立することになる。
すなわち、撮影対象と照明部15bとの距離が近付くに従い、放射強度を変えて撮影された撮像画像間の画素点の輝度差は大きくなる関係が成立する。また、撮影対象と照明部15bとの距離が遠くなるに従い、放射強度を変えて撮影された撮像画像間の画素点の輝度差は小さくなる関係が成立する。
虹彩認証装置10は、上述した、異なる放射強度の照射光で撮影された撮像画像間の画素点の輝度差に基づいて、撮像画像に含まれる複数の候補者像についての相対的な前後位置関係を識別する。虹彩認証装置10は、例えば、照明部15bからの距離が最も近い最前面に位置する候補者像を識別する。そして、虹彩認証装置10は、識別された候補者像の撮像領域を虹彩認証処理の対象となる領域範囲として特定する。虹彩認証装置10では、特定された領域範囲に基づいて瞳検出を行い、検出された瞳に含まれる虹彩パターンに基づいて虹彩認証が行われる。
図5に例示の説明図において、照明制御部110は、照明部15bから異なる放射強度の照射光が発せられるように、照明駆動部15cを制御する。照明駆動部15cは、照明制御部110から出力された制御情報に基づいて、照明部15bから発せられる照射光が異なる放射強度となるように駆動する。
例えば、異なる放射強度を、それぞれ、放射強度A、放射強度Bとする。各放射強度の関係は、放射強度A>>放射強度Bとする。「放射強度A>>放射強度B」とは、撮影対象と照明部15bとの距離が近付くに従い、放射強度を変えて撮影された撮像画像間の画素点の輝度差は大きくなる関係を判定するに十分な放射強度関係という意味である。「放射強度A>>放射強度B」の照射光を撮影対象者に照射することによって、上記関係を判
定可能な輝度差画像を求めることができる。輝度差画像からは、図8で説明するように、閾値によって、複数の候補者像についての相対的な前後位置関係を識別し、最前面に位置する候補者像の撮像領域が特定できる。異なる放射強度の関係は、閾値によって、区別できる程度の輝度差の値が十分に離間していればよい。
照明駆動部15cは、例えば、照明制御部110から出力される制御情報に基づいて、放射強度A、Bの照射光が発せられるように照明部15bに印加する電流、電圧、電力等を変化させる。或いは、照明部15bが放射強度A、Bの2種類の光源を有する場合には、照明駆動部15cは、照明制御部110から出力される制御情報に基づいて放射強度の異なる光源の切り替えを行う。
照明部15bからは、虹彩パターンの撮影対象者に対して、照明制御部110の制御情報に基づく、放射強度A,Bの照射光が照射される。放射強度A,Bの照射光で照射された撮影対象者は、虹彩撮影用カメラ14bにより撮影される。
図1等で説明したように、虹彩撮影用カメラ14bは、例えば、30FPS(Frames Per Second)といったフレームレートで撮像画像の撮影を行う。放射強度A,Bの照射光
が照射された撮影対象者の撮影画像は、30FPS等のフレームレートで撮影される。
但し、撮像画像に含まれる複数の候補者像についての相対的な前後位置関係は、異なる放射強度の照射光で撮影された撮像画像間の画素点の輝度差に基づいて識別可能である。このため、少なくとも、放射強度Aで照射された1フレームの撮像画像と、放射強度Bの照射光で照射された1フレームの撮像画像とがあればよい。例えば、30FPSのフレームレートでは、1フレームの撮影期間は、33msとなる。
照明制御部110は、例えば、放射強度A、Bの照射期間を1フレーム期間である33msとなるように、照明部15bから照射される照射光の制御を行うとしてもよい。照射光の照射期間の制限により、虹彩認証装置10の電力消費の抑制が期待できる。照射光の照射期間を1フレーム期間に制限する場合には、例えば、放射強度Aの照射期間の直後に継続して放射強度Bの照射期間を設定することができる。
なお、照射光として可視光を用いる場合には、例えば、可視光を照射した照射状態で撮影された撮像画像と、可視光を照射しない環境光下での状態で撮影された撮像画像との間の画素点に輝度差に基づいて候補者像の相対的な前後位置関係を識別することが可能である。この場合では、照明制御部110は、例えば、可視光の照射期間を1フレーム期間である33msとなるように、照射光の制御を行うとしてもよい。可視光を照射光に用いる場合であっても、虹彩認証装置10の電力消費の抑制が期待できる。
以下の説明では、照明部15bからは、放射強度の異なる放射強度A、Bの照射光が照射されるとして説明する。
図5に例示の説明図において、キャプチャ部101は、虹彩撮影用カメラ14bで撮影された撮像画像(虹彩撮像データ)を受け付ける。キャプチャ部101は、受け付けた撮像画像から、放射強度Aの照射光で撮影されたフレームの撮像画像、放射強度Bの照射光で撮影されたフレームの撮像画像を抽出する。キャプチャ部101は、例えば、抽出した放射強度A、Bの照射光による撮像画像を主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。キャプチャ部101は、抽出した撮像画像を輝度差演算・ブロック分割部102に引き渡す。
放射強度A、Bの照射光による撮像画像は、例えば、照明制御部110の制御情報に基づいて抽出するようにしてもよい。「照明制御部110の制御情報に基づいて抽出する」
とは、例えば、照明制御部110は、放射強度A、Bの照射光の照射タイミングを制御情報として取得し、放射強度A、Bの照射光の照射タイミングに対応して撮像画像を抽出することをいう。照明制御部110の制御情報に基づいて抽出することによって、虹彩認証装置10は、所定のフレームレートで撮影された撮像画像の中から、放射強度A、Bの照射光による撮像画像を確実に抽出できる。
また、虹彩認証装置10では、例えば、照射光の照射するタイミングを予め設定し、キャプチャ部101は設定されたタイミングに基づいて放射強度A、Bの照射光による撮像画像を抽出するとしてもよい。例えば、撮影開始の第1フレーム目の撮影期間に放射強度A、直後の第2フレーム目の撮影期間に放射強度Bの照射光を照射するといったタイミング設定が例示できる。
輝度差演算・ブロック分割部102は、放射強度A、Bの照射光による撮像画像間の画素点の輝度差を算出し、輝度差画像を生成する。さらに、輝度差演算・ブロック分割部102は、生成された輝度差画像を所定数のブロック領域に分割する。分割された所定数のブロック領域は、ヒストグラム処理部103に引き渡される。
図6、7に例示の説明図を参照し、輝度差演算・ブロック分割部102の処理を説明する。図6は、異なる放射強度の照明光で撮影された撮像画像の説明図である。図7は、輝度差画像に基づくブロック領域の分割についての説明図である。
図6(1)において、撮像画像Aは、放射強度Aの照射光で撮影された撮像画像例である。撮像画像Aには、認証者本人の撮像である領域範囲a1、撮影時に写り込んだ第三者の撮像である領域範囲a2が含まれる。なお、撮像画像Aにおいて、領域範囲a1、a2を除く他の領域は、背景として撮影された背景領域(領域範囲a3)である。
また、図6(2)において、撮像画像Bは、放射強度Bの照射光で撮影された撮像画像例である。撮像画像Bには、認証者本人の撮像である領域範囲b1、撮影時に写り込んだ第三者の撮像である領域範囲b2が含まれる。撮像画像Aと同様に、撮像画像Bにおいても領域範囲b1、b2を除く他の領域は、背景として撮影された背景領域(領域範囲b3)である。
撮像画像A、Bにおいて、例えば、認証者本人と撮影時に写り込んだ第三者との位置関係が前後関係にあると想定する。撮像画像A内の領域範囲a1−a3に含まれる画素点の輝度関係は、領域範囲a1>領域範囲a2>領域範囲a3となる。また、撮像画像B内の領域範囲b1−b3に含まれる画素点の輝度関係は、領域範囲b1>領域範囲b2>領域範囲b3となる。各画素点の輝度は、式(4)等で説明したように、撮影対象までの距離の2乗に反比例するからである。
但し、撮像画像A、Bのそれぞれに、撮影時の環境照明成分、撮影対象者の色成分等が含まれている。このため、例えば、撮像画像A内の領域範囲a1−a3に含まれる画素点の輝度情報を使用し、認証者本人と撮影時に写り込んだ第三者との位置関係を推定する場合には、推定された位置関係に不確定さが生じることになる。不確定さが生じることは、撮像画像Bの場合であっても同様である。
輝度差演算・ブロック分割部102は、撮影時の環境照明成分、撮影対象者の色成分等を除去するため、撮像画像Aと撮像画像Bとの間の画素点間の輝度差を算出し輝度差画像を生成する。
ここで、キャプチャ部101で説明したように、撮像画像A、Bは、撮影期間が前後す
るフレームから抽出される。このため、撮像画像間の撮像領域の位置ズレは微小とみなすことができる。但し、撮像画像間の撮像領域に位置ズレが生じている場合には、例えば、輝度差演算・ブロック分割部102は、撮像画像Aの領域範囲a1と撮像画像Bの領域範囲b1とが予め定められた一定の範囲内において合致するように位置決め補正を行うとしてもよい。輝度差演算・ブロック分割部102は、生成された輝度差画像を主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。
図7(1)に、撮像画像A及びBから算出された輝度差画像Zを例示する。輝度差画像Zは、撮像画像Aに含まれる各画素点の輝度と撮像画像Bに含まれる各画素点の輝度との差分による輝度差画像(A−B)である。
輝度差画像Zにおいて、領域範囲z1は、撮像画像Aの領域範囲a1と撮像画像Bの領域範囲b1の輝度差に対応する輝度差領域である。同様にして、領域範囲z2は、撮像画像Aの領域範囲a2と撮像画像Bの領域範囲b2の輝度差に対応する輝度差領域である。領域範囲z3は、撮像画像Aの領域範囲a3と撮像画像Bの領域範囲b3の輝度差に対応する輝度差領域である。
式(3)、(4)で説明したように、撮影対象と照明部15bとの距離が近付くに従い、放射強度を変えて撮影された撮像画像間の画素点の輝度差は大きくなる関係にある。また、撮影対象と照明部15bとの距離が遠くなるに従い、放射強度を変えて撮影された撮像画像間の画素点の輝度差は小さくなる関係にある。
従って、図7(1)において、領域範囲z1、領域範囲z2、領域範囲z3間の輝度差を比較することにより、撮像画像内における相対的な前後位置関係の推定が可能になる。
例えば、認証者本人と撮影時に写り込んだ第三者との位置関係が前後関係にある場合には、輝度差の大きい領域範囲が認証撮影の際に最前面に位置する領域であり、つまり、認証者本人の撮像領域と推定できる。例えば、図7(1)の輝度差画像Zにおいては、各領域範囲の輝度差の大小関係は、領域範囲z1>領域範囲z2>領域範囲z3になる。
輝度差演算・ブロック分割部102は、輝度差の大小関係を比較するために、生成された輝度差画像Zを複数のブロック領域に分割する。ブロック領域の分割数は、例えば、撮像画像の画素数、照射光の放射強度、虹彩認証装置10の処理性能等に対応して任意に設定できる。
図7(2)に、輝度差画像Zについてのブロック領域の分割例を例示する。図7(2)は、輝度差画像Zを120ブロックの矩形領域に分割した例である。輝度差演算・ブロック分割部102は、例えば、輝度差画像Zを縦方向に10行、横方向に12列の120ブロックの矩形領域に分割する。分割されたブロック領域は、ブロック領域毎に識別情報が付与される。輝度差演算・ブロック分割部102は、例えば、輝度差画像Zの左上角部を含むブロック領域の番地を(1,1)とし、右下角部を含むブロック領域の番地を(12,10)とする識別情報を付与する。縦方向の番地を“Y”、横方向の番地を“X”として表す場合、分割された各ブロック領域は、(X,Y)[X=1…12,Y=1…10]の2次元情報として識別される。
輝度差演算・ブロック分割部102は、分割されたブロック領域とブロック領域を識別する識別情報を対応付けて主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。輝度差演算・ブロック分割部102は、分割されたブロック領域を識別情報と共にヒストグラム処理部103に引き渡す。
ヒストグラム処理部103は、分割されたブロック領域毎に、画素の輝度差を集計し、輝度差の平均値を算出する。ヒストグラム処理部103は、ブロック領域毎に算出された輝度差の平均値に基づいて、輝度差のヒストグラムを生成する。
例えば、ヒストグラム処理部103は、ブロック領域単位で算出された輝度差の平均値をブロック領域の番地に対応付けて主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。さらに、ヒストグラム処理部103は、例えば、算出された輝度差の平均値が所定範囲内に収まるブロック領域の数量を集計する。
ここで、所定範囲とは、輝度差の平均値がバラつく算出誤差であり、実験等で取得したデータ等に基づいて予め設定することができる。なお、式(4)で説明したように、画素点の輝度は、撮影対象までの距離の2乗に反比例するため、5cmといった一定の距離単位における輝度変化量に基づいて所定範囲を設定するとしてもよい。
ヒストグラム処理部103は、算出された輝度差の平均値を所定範囲に区切り、区切られた平均値の範囲と、集計されたブロック領域の数量を対応付けて輝度差ヒストグラムを生成する。ヒストグラム処理部103は、生成された輝度差ヒストグラムを最前面人物判定部104に引き渡す。
図8に、輝度差ヒストグラムの説明図を例示する。図8に例示の輝度差ヒストグラムTb1は、120ブロックの矩形領域に分割された輝度差画像Zの輝度差ヒストグラムの一例である。輝度差ヒストグラムTb1の縦軸は、ブロック領域毎に算出された輝度差の平均値の頻度(出現頻度)である。輝度差の平均値の頻度は、例えば、算出された輝度差の平均値が所定範囲内に収まるブロック領域の数量(ブロック数)として表すことができる。また、輝度差ヒストグラムTb1の横軸は、ヒストグラム処理部103により算出された、ブロック領域単位の輝度差の平均値である。
輝度差画像Zから生成された輝度差ヒストグラムTb1では、図8の頻度領域z4−z6に示すように、輝度差の平均値の頻度は、3箇所に分布することがわかる。図8の頻度領域z4は、図7(2)の領域範囲z1内のブロック領域群に対応し、頻度領域z5は、図7(2)の領域範囲z2内のブロック領域群に対応する。図8の頻度領域z6は、図7(2)の領域範囲z3内のブロック領域群に対応する。
図8に例示の、輝度差画像Zから生成された輝度差ヒストグラムTb1においては、輝度差の平均値の大小関係は、頻度領域z4>>頻度領域z5>頻度領域z6になることがわかる。すなわち、頻度領域z4の輝度差は頻度領域z5の輝度差よりも大きく、頻度領域z5の輝度差は頻度領域z6の輝度差よりもよりも大きい。また、頻度領域z4の輝度差と頻度領域z5の輝度差との差分は、頻度領域z5の輝度差と頻度領域z4との差分よりも大きい。
最前面人物判定部104は、輝度差画像Zから生成された輝度差ヒストグラムTb1の中から、輝度差の大きい頻度領域を特定する。虹彩撮影用カメラ14bで撮影された撮像画像の画素点の輝度は、例えば、8ビット(bit)諧調の0−255段階のデータとして
表すことができる。最前面人物判定部104は、例えば、輝度差値が所定の閾値を超えることを条件として輝度差の大きい頻度領域を特定する。
なお、頻度領域を特定するための閾値(輝度差閾値)は、予め実験的に輝度差ヒストグラムのデータを取得し、取得したデータに基づいて設定することができる。例えば、撮像画像の画素点の輝度が8ビット諧調で表される場合には、輝度差値:100以上を輝度差閾値とすることが例示できる。ただし、閾値(100)は例示であり、他の輝度差値を閾
値としてもよい。
図8に例示の輝度差ヒストグラムTb1において、破線z7は、輝度差値:100の輝度差閾値を表す。図8に例示するように、輝度差閾値を輝度差値:100とした場合には、頻度領域z4が輝度差閾値を超えることになり、頻度領域z5、z6は、輝度差閾値を下回ることになる。
最前面人物判定部104は、輝度差閾値を超える頻度領域z4を輝度差の大きい頻度領域として特定する。最前面人物判定部104で特定された頻度領域z4は、虹彩パターンの撮影時に、最前の位置で撮影された人物の撮像領域に対応する。最前面人物判定部104は、輝度差閾値を超える頻度領域z4を主記憶部12所定の領域に一時的に記憶する。最前面人物判定部104は、輝度差閾値を超える頻度領域z4に対応するブロック領域群の識別情報を照合処理適用ブロック抽出部105に引き渡す。
照合処理適用ブロック抽出部105は、頻度領域z4に対応するブロック領域群の識別情報に基づいて、虹彩認証の処理対象となる領域範囲を特定する。照合処理適用ブロック抽出部105は、例えば、図7(2)に示す領域範囲z1に含まれるブロック領域群を虹彩認証の処理対象となる領域範囲として抽出する。
従って、図7(2)に示す輝度差画像Zでは、例えば、領域範囲z1を除く他の領域範囲z2、z3は、虹彩認証処理の対象範囲から切り離される。このため、図7(2)に示す領域範囲z2、z3については、以下に説明する瞳検出部106、虹彩特徴点抽出部107、登録・認証部108、登録・認証結果出力部109の処理は行われない。
照合処理適用ブロック抽出部105は、例えば、特定した領域範囲に対応するブロック領域群をそれぞれの識別情報に対応付けて主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。照合処理適用ブロック抽出部105は、特定した領域範囲を瞳検出部106に引き渡す。
瞳検出部106は、照合処理適用ブロック抽出部105で特定された領域範囲に基づいて、撮像画像内の最前面に位置する人物(認証対象者)の瞳検出を行う。撮像画像内の、特定された領域範囲における瞳検出は、例えば、光玉として瞳に映る照射光を検出することにより行われる。撮像画像内では、照射光が照射された瞳に映る光玉は、例えば、瞳の大きさに応じた輝点として検出することができる。瞳検出部106は、例えば、特定された領域範囲の中から、認証対象者の両眼に写り込んだ光玉の対を検出する。認証対象者の両眼に写り込んだ光玉は、撮像画像内において、両眼の離間距離に応じて離れて並ぶ輝点領域として検出できる。
また、瞳検出部106は、例えば、顔認識技術である目(眼)、鼻、口等の顔の特徴に基づいて、撮像画像内の特定された領域範囲から認証対象者の顔を検出するとしてもよい。瞳検出部106は、検出された認証対象者の顔に基づいて瞳検出を行うことができる。瞳検出部106は、検出した瞳の撮像画像内の領域を虹彩特徴点抽出部107に引き渡す。
なお、輝度差画像を生成するために撮影された撮像画像について、照射光の放射強度が瞳を検出するために十分な放射強度を持たない場合が想定される。例えば、輝度差画像を得るための照明光の放射強度A、Bが、瞳を検出するために十分な撮像画像を得るための放射強度Cを下回る場合である。
上記の場合には、虹彩認証装置10は、例えば、放射強度Cの照射光で新たな撮像画像
を撮影し、撮影された新たな撮像画像に対して瞳検出部106の処理を行うとしてもよい。放射強度Cの照射光で撮影された撮像画像に対する瞳検出は、輝度差画像に基づいて特定された領域範囲について行われる。認証対象者は、虹彩認証の処理の結果が通知されるまでの間の移動量は微小であるからである。
虹彩特徴点抽出部107は、撮像画像内で検出された瞳から、認証対象者の虹彩の模様の特徴である虹彩パターンを抽出する。虹彩特徴点抽出部107は、認証対象者の左眼、右眼のそれぞれから虹彩パターンを抽出する。虹彩特徴点抽出部107は、抽出された虹彩パターンを登録・認証部108に引き渡す。
登録・認証部108は、虹彩特徴点抽出部107から引き渡された左右両眼の虹彩パターンに基づいて、認証対象者の虹彩認証、または、認証情報としての虹彩パターンの参照虹彩画像DB201への登録を行う。
登録・認証部108は、虹彩認証の際には、参照虹彩画像DB201に登録された虹彩パターンと、虹彩特徴点抽出部107から引き渡された左右両眼の虹彩パターンとを照合する。照合の結果は、登録・認証結果出力部109に通知される。登録・認証結果出力部109は、登録・認証部108から通知された照合の結果を、虹彩認証装置10のLCD15a等の表示デバイスに表示する。
なお、登録・認証部108は、例えば、参照虹彩画像DB201に登録された虹彩パターンが、虹彩特徴点抽出部107から引き渡された左右両眼の虹彩パターンに照合しない場合には、新たな撮像画像に基づいて虹彩認証を繰り返す。抽出された虹彩パターンが、照合を行うために十分な情報量を持たない場合があるためである。例えば、虹彩部分にまつ毛や瞼等が被さっている場合が例示できる。なお、照合しない場合の、繰り返しの回数は、撮像画像の画素数、虹彩認証装置10の処理性能等に対応して設定できる。また、照合しない場合には、照合の結果を出力するまでの期間に応じて、照合処理を繰り返す期間を設定するとしてもよい。
また、登録・認証部108は、虹彩パターンの登録時には、虹彩特徴点抽出部107から引き渡された左右両眼の虹彩パターンを認証情報として参照虹彩画像DB201へ登録する。但し、上述したように、抽出された虹彩パターンが、照合を行うために十分な情報量を持たない場合がある。登録・認証部108は、例えば、抽出された虹彩パターンが、虹彩部分にまつ毛や瞼等が被さっている場合には、新たな撮像画像を撮影するとしてもよい。登録・認証部108は、例えば、虹彩部分にまつ毛や瞼等が被さってない虹彩パターンが抽出された場合に、抽出された虹彩パターンを参照虹彩画像DB201に登録すればよい。
〔処理フロー〕
以下、図9に例示のフローチャートを参照し、本実施形態の虹彩認証装置10の処理を説明する。図9は、虹彩認証装置10の虹彩認証に係る処理のフローチャートの例示である。なお、図9に例示のフローチャートは、図5で説明したように、瞳検出を行うため放射強度Cの照射光で撮像画像を取得する場合の処理例である。
虹彩認証装置10は、CPU11が補助記憶部13に記憶されているOS、各種プログラムや各種データを主記憶部12に読み出して実行することにより、図9に例示の虹彩認証に係る処理を実行する。また、虹彩認証装置10は、参照虹彩画像DB201を参照し、或いは、管理するデータの格納先として、図9に例示の虹彩認証に係る処理を実行する。
図9に例示のフローチャートにおいて、虹彩認証装置10の虹彩認証に係る処理の開始は、例えば、ユーザ等の虹彩認証を行うための操作入力指示の受け付けのときが例示できる。ユーザ等の虹彩認証を行うための操作入力指示については、図5を用いて説明した。
虹彩認証装置10は、操作入力指示を契機として、照明部15bを介して異なる放射強度の照射光を照射する。虹彩認証装置10では、異なる放射強度の照射光により照射された、認証対象者であるユーザを含む複数の候補者の撮像画像が虹彩撮影用カメラ14bを介して撮影される。異なる放射強度の照射光による撮影については、図5で説明した。以下の説明では、異なる放射強度として、照明部15bから放射強度A、B(A>>B)の照射光が照射されることを前提に説明する。
虹彩認証装置10は、例えば、放射強度Aの照明光で照射された撮像画像を取得する。そして、虹彩認証装置10は、取得した撮像画像の輝度変換を行う(S1)。撮像画像の輝度変換は、例えば、画素点毎に行われる。
虹彩撮影用カメラ14bを介して撮影された撮像画像の画素点は、例えば、8ビット諧調のR、G、Bで表される。この場合、画素点の輝度値(Y)は、(Y)=0.299 ×R+0.587 ×G+0.114 ×Bとして表すことができる。虹彩認証装置10は、放射強度Aの照明光で照射された撮像画像に含まれる画素点毎に、上記の関係式に基づいて撮像画像の輝度変換を行う。虹彩認証装置10は、輝度変換後の変換画像をS3の処理に引き渡す。
同様にして、虹彩認証装置10は、例えば、放射強度Bの照明光で照射された撮像画像を取得する。虹彩認証装置10は、S1の処理と同様にして取得した撮像画像の輝度変換を行う(S2)。撮像画像の輝度変換は、例えば、画素点毎に行われる。虹彩認証装置10は、輝度変換後の変換画像をS3の処理に引き渡す。
虹彩認証装置10は、S1−S2の処理から引き渡された輝度変換後の変換画像に基づいて、輝度差演算処理を行う(S3)。輝度差演算の処理については、図5、6、7を用いて説明した。輝度差演算処理により、例えば、図7(1)に示す輝度差画像Zが生成される。虹彩認証装置10は、生成された輝度差画像Zを主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。虹彩認証装置10は、輝度差演算処理の結果として生成された輝度差画像ZをS4の処理に引き渡す。
虹彩認証装置10は、S3の処理から引き渡された輝度差画像Zについて、所定数のブロック領域に分割する(S4)。例えば、輝度差画像Zの縦方向に10行、横方向に12列の120ブロックの矩形領域に分割することが例示できる。輝度差画像Zのブロック領域への分割については、図7(2)を用いて説明した。分割されたブロック領域には、例えば、縦方向の番地を“Y(Y=1…10)”、横方向の番地を“X(X=1…12)”とする番地付け(識別情報の付与)が行われる。
虹彩認証装置10は、輝度差画像Zから分割された各ブロック領域をそれぞれの識別情報に対応付けて主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。虹彩認証装置10は、分割された各ブロック領域をS5の処理に引き渡す。
S5の処理では、虹彩認証装置10は、輝度差画像Zから分割されたブロック領域単位の輝度差の平均値を算出する。輝度差の平均値はブロック領域毎に算出される。そして、虹彩認証装置10は、算出された輝度差の平均値に基づいて輝度差毎のブロック数を集計し、ブロック輝度差のヒストグラムを生成する。ブロック輝度差の生成については、図8を用いて説明した。虹彩認証装置10は、ブロック輝度差のヒストグラムをS6の処理に引き渡す。
S6の処理では、虹彩認証装置10は、輝度差閾値に基づいて、S5の処理で生成されたヒストグラムの中から輝度差の大きい頻度領域を特定する。輝度差閾値として、例えば、輝度差値:100が例示できる。頻度領域の特定については、図8を用いて説明した。虹彩認証装置10は、輝度差閾値を超える頻度領域に対応するブロック領域群をS7の処理に引き渡す。
S7の処理では、虹彩認証装置10は、S6の処理から引き渡されたブロック領域群に基づいて、虹彩認証の処理の対象となる領域範囲を特定する。虹彩認証装置10は、例えば、ブロック領域群の識別情報に基づいて、輝度差画像Zから虹彩認証処理の対象となる領域範囲を照合処理適用ブロックとして抽出する。虹彩認証装置10は、抽出された照合処理適用ブロックをS9の処理に引き渡す。
S8の処理では、虹彩認証装置10は、認証対象者の瞳を検出するために放射強度Cの照射光における撮像画像を取得する。虹彩認証装置10は、放射強度Cの照射光で撮影された撮像画像を主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。虹彩認証装置10は、取得した撮像画像をS9の処理に引き渡す。
なお、認証対象者の瞳を検出するための放射強度Cと、輝度差画像を得るための放射強度A、Bとの関係が、次の関係にある場合には、虹彩認証装置10は、S8の処理をスキップしS9の処理に移行するとしてもよい。ここで、「>」は、放射強度間の相対的な大小関係を意味し、「≒」は、放射強度がほぼ等しいことを意味する。
・放射強度A>放射強度C>放射強度B
・放射強度A≒放射強度C>放射強度B
また、放射強度A≒放射強度Cの関係にある場合には、S8の処理における放射強度は、輝度差画像を得るために用いた放射強度Aの照射光とすることができる。また、虹彩パターンの初回の登録時においては、S8の処理をスキップし、放射強度Aで撮影された撮像画像を対象として、S9−S11の処理が行われてもよい。
S9の処理では、虹彩認証装置10は、S8の処理で取得された撮像画像から、認証対象者の瞳(眼)を検出する。認証対象者の瞳(眼)検出は、S7の処理から引き渡された照合処理適用ブロックの領域範囲に基づいて行われる。瞳検出については、図5を用いて説明した。
S10の処理では、虹彩認証装置10は、S9の処理で検出された瞳から虹彩部分の模様の特徴である虹彩パターンを抽出する。虹彩パターンの抽出は、認証対象者の左眼、右眼のそれぞれについて抽出される。虹彩認証装置10は、抽出された虹彩パターンをS11の処理に引き渡す。
S11の処理では、虹彩認証装置10は、S10の処理で抽出された左右両眼の虹彩パターンに基づいて、虹彩認証、または、抽出された虹彩パターンの個人認証情報としての参照虹彩画像DB201への登録を行う。抽出された虹彩パターンに対する虹彩認証、または、抽出された虹彩パターンの参照虹彩画像DB201への登録については、図5を用いて説明した。
虹彩認証時において、抽出された虹彩パターンと、参照虹彩画像DB201に登録された虹彩パターンとが照合しない場合には、虹彩認証装置10は、例えば、S8の処理に移行し、S9−S11の処理を所定回数(N)、或いは、所定期間にわたり繰り返す。
また、虹彩パターンの登録時において、抽出された虹彩パターンが虹彩部分にまつ毛や瞼等が被さっている場合についても、虹彩認証装置10は、例えば、S8の処理に移行し、S9−S11の処理を所定回数(N)繰り返す。参照虹彩画像DB201へ登録するための個人認証情報として、虹彩部分にまつ毛や瞼等が被さっている虹彩パターンは不鮮明であるからである。
虹彩認証装置10は、抽出された虹彩パターンによる虹彩認証の結果を、LCD15a等の表示デバイスに表示する。虹彩認証装置10は、例えば、参照虹彩画像DB201に登録された虹彩パターンと、S8−S10の処理で抽出された虹彩パターンとが合致する場合には、虹彩認証後、設定されたセキュリティを解除する。セキュリティが解除された虹彩認証装置10では、ユーザ等の操作入力が受け付けられる。虹彩認証装置10では、例えば、タッチパネル、キーボード14f、タッチパッド14gを介した操作入力に基づいて虹彩認証装置10の機能が利用できる。
一方、参照虹彩画像DB201に登録された虹彩パターンと、S8−S10の処理で抽出された虹彩パターンとが合致しない場合には、虹彩認証装置10は、例えば、認証失敗といったメッセージをLCD15a等に表示させる。虹彩認証装置10では、設定されたセキュリティは解除せずにロック状態を維持し、操作入力等を受け付けない。虹彩認証が失敗した虹彩認証装置10では、ロック状態が継続されるため、情報漏えい等が防止可能になる。
ここで、虹彩認証装置10で実行されるS1−S2の処理は、虹彩認証処理の対象となる撮像画像を取得する取得ステップの一例である。また、虹彩認証装置10のCPU11等は、虹彩認証処理の対象となる撮像画像を取得する取得部の一例としてS1−S2の処理を実行する。
また、虹彩認証装置10で実行されるS3−S7の処理は、撮像画像内の複数の像に対する前後位置関係に基づいて虹彩認証処理の対象となる像が撮影された領域範囲を特定する特定ステップの一例である。また、虹彩認証装置10のCPU11等は、撮像画像内の複数の像に対する前後位置関係に基づいて虹彩認証処理の対象となる像が撮影された領域範囲を特定する特定部の一例としてS3−S7の処理を実行する。
また、虹彩認証装置10で実行されるS8−S11の処理は、領域範囲に対して虹彩を検出し、虹彩認証する処理ステップの一例である。また、虹彩認証装置10のCPU11等は、領域範囲に対して虹彩を検出し、虹彩認証する処理部の一例としてS1−S2の処理を実行する。
また、虹彩認証装置10で実行されるS3−S7の処理は、撮像画像を複数の単位領域に分割し、分割された単位領域毎の輝度情報に基づいて、撮像画像内の複数の像に対する前後位置関係における、前に位置する像が撮影された領域範囲を特定する特定ステップの一例である。また、虹彩認証装置10のCPU11等は、撮像画像を複数の単位領域に分割し、分割された単位領域毎の輝度情報に基づいて、撮像画像内の複数の像に対する前後位置関係における、前に位置する像が撮影された領域範囲を特定する特定部の一例としてS3−S7の処理を実行する。
また、虹彩認証装置10で実行されるS1−S2の処理は、第1強度の照射光の照射期間に第1撮像画像を取得すると共に第2強度の照射期間に第2撮像画像を取得する取得ステップの一例である。また、虹彩認証装置10のCPU11等は、第1強度の照射光の照射期間に第1撮像画像を取得すると共に第2強度の照射期間に第2撮像画像を取得する取得部の一例としてS1−S2の処理を実行する。
また、虹彩認証装置10で実行されるS3の処理は、第1撮像画像と第2撮像画像との輝度差に基づいて領域範囲を特定するための撮像画像を生成する特定ステップの一例である。また、虹彩認証装置10のCPU11等は、第1撮像画像と第2撮像画像との輝度差に基づいて領域範囲を特定するための撮像画像を生成する特定部の一例としてS3の処理を実行する。
以上、説明したように、本実施形態の虹彩認証装置10は、虹彩認証処理の対象となる虹彩パターンを含む撮像画像を取得することができる。そして、虹彩認証装置10は、撮像画像内に複数の候補者像が存在するときに、複数の候補者像についての前後位置関係に基づいて虹彩認証処理の対象となる候補者像が撮影された領域範囲を特定することができる。虹彩認証装置10は、領域範囲に基づいて虹彩パターンを検出し、検出した虹彩パターンに基づいて虹彩認証することができる。
この結果、虹彩認証装置10では、虹彩撮影用カメラ14bの画角を広げ、撮影範囲を広げた場合であっても、特定された対象領域を除く他の撮像領域を背景処理として切り離すことができる。本実施形態の虹彩認証装置10では、画像処理量の増加を抑制しつつ、自然な操作体勢での虹彩認証が可能になる。また、本実施形態の虹彩認証装置10では、悪意ある第三者が虹彩認証処理の対象者であるユーザの背後に写り込んでも、撮像画像内の、ユーザが撮影された撮像領域を除く他の撮像領域は背景処理として切り離すことができる。本実施形態の虹彩認証装置10では、悪意ある第三者の撮像領域に対して虹彩認証処理が行われない。本実施形態の虹彩認証装置10では、悪意ある第三者による情報漏えいが防止できる。
また、本実施形態の虹彩認証装置10は、異なる放射強度の照射光で撮影された撮像画像間の輝度差に基づいて輝度差画像を生成することができる。虹彩認証装置10は、撮像画像に含まれる環境照明成分、撮影対象者の色成分等の、位置関係を推定するための不確定要素を除去することができる。
虹彩認証装置10は、輝度差画像を所定数のブロック領域に分割し、ブロック領域単位の輝度差の平均値によるヒストグラムを生成できる。虹彩認証装置10は、ヒストグラムの頻度分布から、輝度差の大きい頻度領域を抽出することができる。この結果、虹彩認証装置10は、虹彩認証の撮影時に最前に位置する画像領域を、認証者本人の撮影領域として推定可能になる。
虹彩認証装置10は、ヒストグラムの中の輝度差の大きい頻度領域に対応するブロック領域を認証処理の対象領域として特定することができる。虹彩認証装置10は、特定された対象領域に基づいて、虹彩認証、或いは、認証情報としての虹彩パターンの登録を行うことが可能になる。
<実施形態2>
撮像画像内に、複数の候補者が写り込んでいる場合には、例えば、写り込んだ候補者の撮像面積の大小関係を比較することで、撮影時の最前面に位置する人物の撮像領域を識別することが可能である。
実施形態2(以下、本実施形態とも称す)の虹彩認証装置10は、例えば、瞳検出のために十分な放射強度の照明光で撮影された撮像画像に対し、輪郭切り出し処理等を行い、各候補者の顔輪郭を特定する。そして、本実施形態の虹彩認証装置10は、特定された顔輪郭のそれぞれの面積を求め大小関係の比較を行う。虹彩認証装置10は、顔輪郭の相対的に大きい撮像領域を最前面に位置する人物の撮像領域として識別する。本実施形態の虹
彩認証装置10では、撮像画像内の撮像面積間の大小関係に基づいて、虹彩認証処理の対象となる領域範囲を特定することができる。
なお、本実施形態の虹彩認証装置10は、実施形態1と同様に、図1、2、3、4を用いて説明した、スマートフォン、タブレットPC、ノートPC等の可搬な電子機器である。本実施形態の虹彩認証装置10は、実施形態1の虹彩認証装置10と同様のハードウェア構成を有する。
図10に、本実施形態の虹彩認証装置10の処理ブロックの説明図を例示する。本実施形態の虹彩認証装置10では、実施形態1の輝度差演算・ブロック分割部102に替えて輪郭(顔)切り出し部112を実行する。同様にして、実施形態1のヒストグラム処理部103に替えて輪郭(顔)面積計算部113を実行する。
本実施形態の虹彩認証装置10は、瞳検出のために十分な放射強度Dの照射光を照射する。照明制御部110は、例えば、照明部15bから放射強度Dの照射光が虹彩パターンの撮影対象者に照射されるように照明駆動部15cを制御する。照明制御部110は、例えば、放射強度Dの照射期間が1フレーム期間である33msとなるように、照明駆動部15cを制御する。放射強度Dの照射光で照射された撮影対象者は、虹彩撮影用カメラ14bにより撮影される。
キャプチャ部101は、虹彩撮影用カメラ14bで撮影された撮像画像(虹彩撮像データ)を受け付ける。キャプチャ部101は、受け付けた撮像画像から、放射強度Dの照射光で撮影されたフレームの撮像画像を抽出する。キャプチャ部101は、例えば、抽出した撮像画像を主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶し、該撮像画像を輪郭(顔)切り出し部112に引き渡す。
輪郭(顔)切り出し部112は、例えば、抽出された撮像画像に対して微分フィルタ等のフィルタ処理を行うことで撮像画像に含まれる複数の候補者像の顔輪郭の切り出し処理を行う。なお、輪郭(顔)切り出し部112は、眼、鼻、口といった顔に含まれる部位の特徴に基づいて顔認識処理を行い、撮像画像に含まれる複数の候補者像の顔輪郭を切り出すとしてもよい。輪郭(顔)切り出し部112は、撮像画像から切り出した顔輪郭情報を輪郭(顔)面積計算部113に引き渡す。
輪郭(顔)面積計算部113は、撮像画像から切り出した顔輪郭情報に基づいて、各顔輪郭の面積を算出する。輪郭(顔)面積計算部113は、例えば、切り出された輪郭内に含まれる画素数を計数し、顔輪郭の面積を算出する。輪郭(顔)面積計算部113は、算出された顔輪郭の面積を最前面人物判定部104に引き渡す。
最前面人物判定部104は、輪郭(顔)面積計算部113から引き渡された各顔輪郭の面積を比較し、各顔輪郭の大小関係を判定する。最前面人物判定部104は、相対的に面積が大きい顔輪郭の撮像領域を最前に位置する人物の撮像領域と判定する。最前面人物判定部104は、相対的に面積が大きい顔輪郭の撮像領域を照合処理適用ブロック抽出部105に引き渡す。
照合処理適用ブロック抽出部105は、相対的に面積が大きい顔輪郭内に含まれる撮像領域を照合処理適用領域として抽出する。虹彩認証装置10は、照合処理適用領域として抽出された領域範囲を対象に、虹彩認証処理を実行する。図10に例示の虹彩認証処理では、図5を用いて説明した瞳検出部106、虹彩特徴点抽出部107、登録・認証部108、登録・認証結果出力部109が実施形態1と同様に実行される。
〔処理フロー〕
以下、図11に例示のフローチャートを参照し、本実施形態の虹彩認証装置10の虹彩認証に係る処理を説明する。図11は、虹彩認証装置10の虹彩認証に係る処理のフローチャートの例示である。本実施形態の認証処理に係る処理では、例えば、図9のS1からS7の処理に替えて、S21からS26の処理が行われる。本実施形態の虹彩認証装置10では、S21からS26の処理の実行により、複数の候補者像が撮影された撮像画像内から最前に位置する人物の撮像領域が特定される。
虹彩認証装置10は、CPU11が補助記憶部13に記憶されているOS、各種プログラムや各種データを主記憶部12に読み出して実行することにより、図11に例示の虹彩認証に係る処理を実行する。また、虹彩認証装置10は、参照虹彩画像DB201を参照し、或いは、管理するデータの格納先として、図11に例示の虹彩認証に係る処理を実行する。
図11に例示のフローチャートにおいて、虹彩認証装置10の虹彩認証に係る処理の開始は、例えば、実施形態1と同様に、ユーザ等の虹彩認証を行うための操作入力指示の受け付けのときが例示できる。ユーザ等の虹彩認証を行うための操作入力指示については、図5を用いて説明した。
虹彩認証装置10は、操作入力指示を契機として、照明部15bを介して放射強度Dの照射光を照射する。虹彩認証装置10では、放射強度Dの照射光により照射された、認証対象者であるユーザを含む複数の候補者の撮像画像が、虹彩撮影用カメラ14bを介して撮影される。
虹彩認証装置10は、例えば、放射強度Dの照明光で照射された撮像画像を取得する(S21)。虹彩認証装置10は、取得した撮像画像をS22の処理に引き渡す。虹彩認証装置10は、取得された撮像画像に対してフィルタ処理を行い、撮像画像内の複数の候補者像の輪郭切り出し処理を実行する(S22)。虹彩認証装置10は、輪郭切り出し処理が施された撮像画像をS23の処理に引き渡す。
虹彩認証装置10は、S22の輪郭切り出し処理が実行された撮像画像に基づいて、撮像画像内に含まれる顔輪郭の数量(N)を求める(S23)。虹彩認証装置10は、輪郭切り出し処理が実行された撮像画像内に顔輪郭が存在しない場合には(S23,N=0)、S21の処理に移行し、放射強度Dによる照明光で照射された撮像画像を取得する。
また、虹彩認証装置10は、輪郭切り出し処理が実行された撮像画像内の顔輪郭が複数に存在しない場合には(S23,N=1)、S26の処理に移行する。S26の処理では、虹彩認証装置10は、輪郭切り出し処理が実行された撮像画像内の顔輪郭の撮像領域を最前面に位置する人物の顔が撮影された領域として識別する。虹彩認証装置10は、撮像画像内の顔輪郭の撮像領域を照合処理適用領域として抽出する。抽出された照合処理適用領域は、S9の処理に引き渡される。
S23の処理において、輪郭切り出し処理が実行された撮像画像内の顔輪郭が複数に存在する場合には(S23,N=2以上)、虹彩認証装置10は、S24の処理に移行する。S24の処理では、虹彩認証装置10は、撮像画像内に複数に存在する顔輪郭毎に撮像面積を求める。虹彩認証装置10は、顔輪郭毎に求められた撮像面積の情報をS25の処理に引き渡す。
S25の処理では、虹彩認証装置10は、S24の処理から引き渡された顔輪郭毎の撮像面積情報に基づいて各撮像面積間の比較を行い、各撮像面積間の相対的な大小関係を判
定する。虹彩認証装置10は、相対的に撮像面積が大きい顔輪郭として識別された撮像領域をS26の処理に引き渡す。
S26の処理では、虹彩認証装置10は、S25の処理から引き渡された顔輪郭の撮像領域を最前面に位置する人物の顔が撮影された領域として識別する。虹彩認証装置10は、撮像画像内の顔輪郭の撮像領域を照合処理適用領域として抽出する。抽出された照合処理適用領域は、S9の処理に引き渡される。
S9−S12の処理では、図9のフローチャートで説明したS9−S12の処理が行われる。S9−S12の処理の実行により、虹彩認証装置10では、抽出された虹彩パターンに基づく認証処理、または、個人認証情報としての抽出された虹彩パターンの参照虹彩画像DB201への登録が行われる。
ここで、実施形態2の虹彩認証装置10で実行されるS11の処理は、虹彩認証処理の対象となる撮像画像を取得する取得ステップの一例である。また、実施形態2の虹彩認証装置10のCPU11等は、虹彩認証処理の対象となる撮像画像を取得する取得部の一例としてS11の処理を実行する。
また、実施形態2の虹彩認証装置10で実行されるS22−S26の処理は、撮像画像内複数の像に対する前後位置関係に基づいて前記虹彩認証処理の対象となる像が撮影された領域範囲を特定する特定ステップの一例である。また、実施形態2の虹彩認証装置10のCPU11等は、撮像画像内複数の像に対する前後位置関係に基づいて前記虹彩認証処理の対象となる像が撮影された領域範囲を特定する特定部の一例としてS22−S26の処理を実行する。
実施形態2の虹彩認証装置10で実行されるS22−S26の処理は、撮像画像内の複数の像に対する所定部位の撮像面積に基づいて、撮像画像内の複数の像に対する前後位置関係における、前に位置する像が撮影された領域範囲を特定する特定ステップの一例である。また、実施形態2の虹彩認証装置10のCPU11等は、撮像画像内の複数の像に対する所定部位の撮像面積に基づいて、撮像画像内の複数の像に対する前後位置関係における、前に位置する像が撮影された領域範囲を特定する特定部の一例としてS22−S26の処理を実行する。
以上、説明したように、本実施形態の虹彩認証装置10は、撮像画像内に写り込んだ複数の候補者像の撮像面積(顔輪郭面積)の大小関係を判定し、最前面に位置する人物の撮像領域を識別できる。虹彩認証装置10は、例えば、撮像面積(顔輪郭面積)が相対的に大きい撮像領域を最前面に位置する人物の撮像領域として識別できるため、撮像画像内の撮像面積間の大小関係に基づいて、虹彩認証処理の対象となる領域範囲を特定することができる。本実施形態の虹彩認証装置10では、単一の放射強度の照射光を用いるため、異なる放射強度の照射光を用いる場合に対し、更なる電力消費の抑制が期待できる。
(変形形態)
虹彩撮影用カメラ14bで撮像された撮像画像内において、最前に位置する像が虹彩を含まない場合が想定される。例えば、虹彩認証を行う際に、認証者本人と虹彩撮影用カメラ14bとの間に、認証者本人が前抱えしたバッグ、荷物といった障害物の写り込みが発生する場合である。このような場合では、虹彩を含まない像が最前に位置する像として撮影されることが想定できる。
変形形態の虹彩認証装置10では、例えば、図9、11に例示のS9の処理において、撮像画像内の最前の像に対して目が検出されなかった場合には、次前の位置に位置する像
を虹彩認証の処理対象とするとしてもよい。変形形態の虹彩認証装置10では、最前に位置する像に虹彩が含まれていないと判断できる場合には、次前の位置に位置する像を処理対象として目を検出し、検出した目に含まれる虹彩パターンに基づく虹彩認証を行うことができる。なお、虹彩認証装置10は、最前の像に虹彩が含まれていないと判断する場合には、例えば、表示デバイス上に、虹彩パターンが検出されなかった旨のメッセージ等を表示し、前抱えしたバッグ、荷物への気付きを促すとしてもよい。
<実施形態3>
実施形態1、実施形態2においては、カメラの画角を広げ、撮影範囲を広げたことによる複数人の写りこみが生じた場合の、画像処理量の増加を抑制する処理形態について説明した。例えば、虹彩認証時において、カメラの画角を広げ、撮影範囲を広げた場合には、虹彩認証装置10の姿勢(カメラの傾き)によって、撮像画像内に写り込んだユーザの撮像位置の、左右方向、上下方向への偏りが生じ得る。
図12、13に、虹彩認証装置10の姿勢変化に伴う撮像画像内の、ユーザの撮像位置の偏りについての説明図を例示する。図12は、虹彩認証時の虹彩認証装置10の姿勢が、水平面に対して傾く場合の説明図である。同様にして、図13は、虹彩認証時の虹彩認証装置10の姿勢が、左右方向に傾く場合の説明図である。なお、虹彩認証装置10における虹彩撮影用カメラ14bは、図1から図3を用いて説明したように、LCD15a等の表示デバイスの外壁面に設けられる。外壁面に設けられた虹彩撮影用カメラ14bの開口面とLCD15a等の表示デバイス面は平行して設けられる。このため、虹彩認証時の撮像画像内におけるユーザの撮像位置(瞳位置)には、虹彩認証装置10の姿勢に対応して相対的な偏りが生じることになる。
図12(1)は、虹彩撮影用カメラ14bの撮像面(開口面)が、虹彩認証を行うユーザZ8の瞳(虹彩)に対して相対的に水平方向に傾いた場合の説明図である。また、図12(2)は、虹彩撮影用カメラ14bの撮像面(開口面)が、虹彩認証を行うユーザZ8の瞳(虹彩)に対して相対的に鉛直方向に傾いた場合の説明図である。なお、図12(1)、(2)において、破線で示す角度範囲θvは、虹彩撮影用カメラ14bの上下方向の画角の広がりを表す。
図12(1)に示すように、虹彩撮影用カメラ14bの撮像面(開口面)が相対的に水平方向に傾いた場合には、角度範囲θvで表される画角の下側部分の撮影範囲を用いてユーザZ8の顔が撮影されることになる。虹彩撮影用カメラ14bで撮影された撮像画像Z9内においては、虹彩認証対象となるユーザZ8の顔の撮像位置Z10は、相対的に下方側に偏ることになる。
また、図12(2)に示すように、虹彩撮影用カメラ14bの撮像面(開口面)が相対的に鉛直方向に傾いた場合には、角度範囲θvで表される画角の上側部分の撮影範囲を用いてユーザZ8の顔が撮影されることになる。虹彩撮影用カメラ14bで撮影された撮像画像Z9内においては、虹彩認証対象となるユーザZ8の顔の撮像位置Z10は、相対的に上方側に偏ることになる。
虹彩認証時の虹彩認証装置10の姿勢が、左右方向に傾く場合についても、撮像画像内におけるユーザZ8の撮像位置に偏りが生じることになる。図13(1)は、虹彩撮影用カメラ14bの撮像面(開口面)が、虹彩認証を行うユーザZ8の瞳(虹彩)に対して相対的に右方向に傾いた場合の説明図である。また、図13(2)は、虹彩撮影用カメラ14bの撮像面(開口面)が、虹彩認証を行うユーザZ8の瞳(虹彩)に対して相対的に左方向に傾いた場合の説明図である。なお、図13(1)、(2)において、破線で示す角度範囲θhは、虹彩撮影用カメラ14bの左右方向の画角の広がりを表す。
図13(1)に示すように、虹彩撮影用カメラ14bの撮像面(開口面)が相対的に右方向に傾いた場合には、角度範囲θhで表される画角の左側部分の撮影範囲を用いてユーザZ8の顔が撮影されることになる。虹彩撮影用カメラ14bで撮影された撮像画像Z9内においては、虹彩認証対象となるユーザZ8の顔の撮像位置Z10は、相対的には左側に偏ることになる。
また、図13(2)に示すように、虹彩撮影用カメラ14bの撮像面(開口面)が相対的に左方向に傾いた場合には、角度範囲θhで表される画角の右側部分の撮影範囲を用いてユーザZ8の顔が撮影されることになる。虹彩撮影用カメラ14bで撮影された撮像画像Z9内においては、虹彩認証対象となるユーザZ8の顔の撮像位置Z10は、相対的に右側に偏ることになる。
撮像画像内に写り込んだユーザの撮像位置が、左右方向、上下方向に偏る場合には、虹彩認証の処理領域を特定するための走査処理(瞳検出処理)がユーザの撮像位置を除く他の領域についても行われるため、画像処理量が増大することになる。画像処理量の増大は、認証に費やされる処理時間の長大化を引き起こすため、認証結果が得られるまでの処理時間が増加することになる。
実施形態3(以下、本実施形態とも称す)の虹彩認証装置10は、例えば、虹彩認証装置10の姿勢を検出可能な姿勢検出センサ14hを備える。姿勢検出センサ14hとして、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサが例示できる。また、虹彩認証装置10は、虹彩撮影用カメラ14bで撮影された撮像画像内を複数個のブロック領域に分割する。そして、本実施形態の虹彩認証装置10は、姿勢検出センサ14hを介して検出されたセンサ情報に基づいて、虹彩認証を行う認証対象者の虹彩(瞳)が複数個のブロック領域の中の何れのブロック領域に位置するかを推定する。虹彩認証装置10は、認証対象者の虹彩が位置するものと推定されたブロック領域から優先的に虹彩(瞳)の検出処理(走査処理)を行う。
本実施形態の虹彩認証装置10においては、姿勢検出センサ14hを介して検出された虹彩認証装置10の姿勢情報に基づいて、撮像画像内の認証対象者の虹彩が位置するものと推定されたブロック領域から優先的に瞳検出処理が行われる。本実施形態の虹彩認証装置10は、瞳検出処理の対象となるブロック領域に虹彩を検出した時点で、他のブロック領域に対する処理を終了できる。本実施形態の虹彩認証装置10においては、撮像画像内の虹彩を含まない他のブロック領域に対する瞳検出処理が行われないため、画像処理量が軽減可能になる。
図14に、本実施形態の虹彩認証装置10の処理ブロックの説明図を例示する。なお、本実施形態の虹彩認証装置10は、実施形態1と同様に、図1、2、3、4を用いて説明した、スマートフォン、タブレットPC、ノートPC等の可搬な電子機器である。本実施形態の虹彩認証装置10は、実施形態1の虹彩認証装置10と同様のハードウェア構成を有する。
図14に例示の本実施形態の虹彩認証装置10は、姿勢検出センサ14hを入力部14に備え、姿勢取得部114、姿勢処理部115、ブロック分割部116、虹彩検出ブロック抽出部117の各処理部を提供する。
姿勢取得部114は、虹彩認証を行うための操作指示入力を契機として、姿勢検出センサ14hで検出されたセンサ情報を取得する。虹彩認証を行うための操作指示入力として、図5を用いて説明した、電源投入時の電源ボタン14cの押下操作、休止状態から運用
状態へ復帰する際の操作用ボタン14dの長押しによる押下操作等が例示される。また、姿勢検出センサ14hで検出されたセンサ情報は、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ等の検出値である。姿勢取得部114は、姿勢検出センサ14hから取得した検出値を主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶すると共に、該検出値を姿勢処理部115に引き渡す。
姿勢処理部115は、姿勢取得部114から引き渡されたセンサ情報(検出値)に基づいて、虹彩認証装置10の姿勢を特定する。虹彩認証装置10の姿勢は、例えば、虹彩認証時の虹彩認証装置10の基準となる姿勢状態(姿勢基準)に対する相対的な姿勢として表すことができる。
例えば、ユーザが椅子等に着座した体勢でひざ上等に載せた虹彩認証装置10に対し、LCD15a等の表示デバイス面に視線を合わせて虹彩認証を行う際の、虹彩認証装置10の姿勢状態が姿勢基準として例示される。
虹彩認証装置10の提供者(製造者)は、例えば、上記姿勢基準においてセンサ情報として検出されたセンサ検出値を実験的に取得する。但し、取得されたセンサ検出値は、例えば、上記姿勢基準における被験者の撮像位置が撮像画像内の中央付近に位置する場合に有意なデータとして取得する。そして、虹彩認証装置10の提供者は、例えば、虹彩認証装置10が鉛直方向に対して左右方向に傾けられた場合の実験的なセンサ検出値をさらに取得する。また、虹彩認証装置10の提供者は、例えば、虹彩認証装置10のLCD15a等の表示デバイス面が水平方向から鉛直方向に傾けられた場合の実験的なセンサ検出値をさらに取得する。但し、虹彩認証装置10が傾けられた何れの場合においても、被験者の撮像位置が認証可能な状態(虹彩検出可能な状態)で撮像画像内に位置することを条件としてセンサ検出値を取得する。
また、虹彩認証装置10の提供者は、体型や性別等が異なる複数の被験者について同様の実験を行い、センサ検出値を取得する。そして、虹彩認証装置10の提供者は、例えば、複数の被験者について取得されたセンサ検出値に対して統計処理等を行い、該統計処理等の結果から姿勢基準時に対応してセンサ情報として検出されるセンサ検出値の範囲を予め定めておけばよい。同様にして、虹彩認証装置10の提供者は、上記統計処理の結果から、例えば、撮像画像内の撮像位置の偏りに関連付けて、姿勢基準に対するセンサ検出値の偏差範囲を上下偏差、左右偏差等のように予め定めておけばよい。また、虹彩認証装置10の提供者は、姿勢基準に対するセンサ検出値の偏差範囲を、例えば、姿勢基準を中央とする、“左上”、“上”、“右上”、“左”、“右”、“左下”、“下”、“右下”の8方向に対応付けておくとしてもよい。
虹彩認証装置10は、例えば、上述した姿勢基準時のセンサ検出値の範囲、姿勢基準に対するセンサ検出値の偏差範囲(或いは、姿勢基準を中央とした8方向)を補助記憶部13にテーブル情報として保持することが可能である。姿勢処理部115は、例えば、補助記憶部13に保持された上記テーブル情報を参照し、姿勢取得部114から引き渡されたセンサ情報(検出値)に基づいて、虹彩認証装置10の基準姿勢に対する相対的な姿勢を特定することができる。
姿勢処理部115は、例えば、姿勢取得部114から引き渡されたセンサ情報が姿勢基準時のセンサ検出値の範囲内である場合には、虹彩認証装置10の姿勢を“基準”と特定する。同様にして、姿勢処理部115は、例えば、姿勢取得部114から引き渡されたセンサ情報が“上”方向の偏差範囲内である場合には、虹彩認証装置10の姿勢を“上寄り”と特定する。
“上”方向を除く他の偏差範囲についても同様にして、“左上寄り”、“右上寄り”、“左寄り”、“右寄り”、“左下寄り”、“下寄り”、“右下寄り”といった虹彩認証装置10の基準姿勢に対する相対的な姿勢が特定される。姿勢処理部115は、特定した虹彩認証装置10の姿勢を虹彩検出ブロック抽出部117に引き渡す。
なお、虹彩認証装置10においては、上述した姿勢基準時のセンサ検出値の範囲、姿勢基準に対するセンサ検出値の偏差範囲を、例えば、虹彩認証装置10を所有するユーザの操作入力を介して設定するとしてもよい。
虹彩認証装置10は、例えば、上述した姿勢基準時のセンサ検出値の範囲、姿勢基準に対するセンサ検出値の偏差範囲を取得するための指示メニュー等を初期設定時に提示するとすればよい。虹彩認証装置10は、指示メニュー等に沿って姿勢基準時のセンサ検出値を取得し、鉛直方向に対して左右方向に傾けられた場合のセンサ検出値、表示デバイス面が水平方向から鉛直方向に傾けられた場合のセンサ検出値を取得する。なお、センサ検出値の取得は、姿勢基準におけるユーザの撮像位置が撮像画像内の中央付近に位置すること、傾けられた場合においては、ユーザの撮像位置が認証可能な状態(虹彩検出可能な状態)で撮像画像内に位置することを条件として行われる。
虹彩認証装置10は、姿勢基準時のセンサ検出値および傾けられた場合のセンサ検出値から、姿勢基準時のセンサ検出値の範囲、姿勢基準に対するセンサ検出値の偏差範囲(上或いは、姿勢基準を中央とした8方向)を設定することが可能になる。なお、虹彩認証装置10は、例えば、上記の初期設定時に取得した各センサ検出値に基づいて、予め補助記憶部13に保持されたテーブル情報を補正するとしてもよい。虹彩認証装置10においては、虹彩認証装置10を所有するユーザ毎の、操作の際の癖を考慮したキャリブレーションが可能になる。
図14の虹彩認証装置10においては、虹彩認証時には、例えば、瞳検出のために十分な放射強度Aの照射光が照射される。照明制御部110は、例えば、照明部15bから放射強度Aの照射光が虹彩パターンを撮影する対象者に照射されるように照明駆動部15cを制御する。照明制御部110は、例えば、放射強度Aの照射期間が1フレーム期間である33msとなるように、照明駆動部15cを制御する。放射強度Aの照射光で照射された認証対象者の虹彩パターンは、虹彩撮影用カメラ14bにより撮影される。
キャプチャ部101は、虹彩撮影用カメラ14bで撮影された撮像画像(虹彩撮像データ)を受け付ける。キャプチャ部101は、受け付けた撮像画像から、放射強度Aの照射光で撮影されたフレームの撮像画像を抽出する。キャプチャ部101は、例えば、抽出した撮像画像を主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶し、該撮像画像をブロック分割部116に引き渡す。
ブロック分割部116は、キャプチャ部101から引き渡された撮像画像を複数のブロック領域に分割する。ブロック領域の分割数は、例えば、撮像画像の画素数、照射光の放射強度、虹彩認証装置10の処理性能等に対応して任意に設定できる。
撮像画像のブロック分割として、例えば、縦方向に3分割、横方向に3分割された矩形領域による9分割のブロック領域が例示される。分割されたブロック領域には、ブロック領域毎に識別情報が付与される。ブロック分割部116は、例えば、左上角部を含むブロック領域を基準として、縦方向の番地を“Y”、横方向の番地を“X”とする(X,Y)で表された2次元の番地情報により、各ブロック領域を識別する。ブロック分割部116は、分割されたブロック領域とブロック領域を識別する識別情報(2次元の番地情報)を対応付けて主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。ブロック分割部102は、分
割されたブロック領域を識別情報と共に虹彩検出ブロック抽出部117に引き渡す。
虹彩検出ブロック抽出部117は、複数のブロック領域に分割された撮像画像内において、何れのブロック領域に認証対象者の虹彩(瞳)が位置するかの推定を行う。虹彩が位置するブロック領域の推定は、姿勢処理部115から引き渡された虹彩認証装置10の基準姿勢に対する相対的な姿勢に基づいて行われる。
虹彩検出ブロック抽出部117は、例えば、姿勢処理部115から引き渡された虹彩認証装置10の姿勢が基準姿勢である場合には、分割された撮像画像内の中央付近のブロック領域に虹彩が位置するものと推定する。9分割されたブロック領域例では、例えば、撮像画像内の中央付近に位置する番地(2,2)のブロック領域が推定される。
同様にして、姿勢処理部115から引き渡された虹彩認証装置10の姿勢が“左下寄り”の場合には、虹彩検出ブロック抽出部117は、分割された撮像画像内の左下付近のブロック領域に虹彩が位置するものと推定する。9分割されたブロック領域例では、例えば、撮像画像内の中央付近に位置する番地(3,3)のブロック領域が推定される。
また、虹彩検出ブロック抽出部117は、撮像画像から分割された各ブロック領域について、瞳検出処理が行われる際の処理順位を決定する。処理順位の決定は、姿勢処理部115から引き渡された虹彩認証装置10の基準姿勢に対する相対的な姿勢に基づいて行われる。なお、処理の開始順位は、始認証対象者の虹彩(瞳)が位置すると推定されたブロック領域である。虹彩検出ブロック抽出部117は、撮像画像から分割された各ブロック領域について、認証対象者の虹彩(瞳)が位置すると推定されたブロック領域を開始順位とする瞳検出処理の順位付けを行う。
姿勢処理部115から引き渡された虹彩認証装置10の姿勢が基準姿勢であると想定する。また、撮像画像は9分割されていると想定する。認証対象者の撮像された虹彩(瞳)位置は、撮像画像内の中央付近に位置すると推定できる。このため、虹彩検出ブロック抽出部117は、番地(2,2)のブロック領域を開始順位として、例えば、中央付近のブロック領域から外側のブロック領域にかけての処理順位を決定する。
例えば、虹彩検出ブロック抽出部117は、番地(2,2)→(3,2)→(1,2)といったように、開始順位のブロック領域と横方向のX番地が同一になる(横方向に隣接する)ブロック領域を選定し、順位付けを行う。次に、虹彩検出ブロック抽出部117は、例えば、開始順位のブロック領域の縦方向に隣接するブロック領域(2、1)を選定する。そして、虹彩検出ブロック抽出部117は、例えば、(2,1)→(3,1)→(1,1)といったように、横方向に隣接するブロック領域を選定して順位付けを行う。同様にして、虹彩検出ブロック抽出部117は、例えば、開始順位のブロック領域の縦方向に隣接するブロック領域(2、3)を選定する。そして、虹彩検出ブロック抽出部117は、例えば、(2,3)→(1,3)→(3,3)といったように、横方向に隣接するブロック領域を選定して順位付けを行う。
虹彩検出ブロック抽出部117は、認証対象者の虹彩(瞳)が位置すると推定されたブロック領域を開始順位とする瞳検出処理の処理順位を瞳検出部106に引き渡す。瞳検出部106では、図5等を用いて説明したように、虹彩検出ブロック抽出部117によって順位付けされたブロック領域を対象として瞳検出処理が行われる。瞳検出部106においては、認証対象者の虹彩(瞳)が検出された時点で瞳検出処理が終了する。
なお、虹彩検出ブロック抽出部117は、ブロック領域毎に認証対象者の虹彩(瞳)が位置すると推定された際の処理順位が予め定められた処理順位パターンをプログラム内に持つとしてもよい。虹彩検出ブロック抽出部117は、認証対象者の虹彩(瞳)が位置す
ると推定されるブロック領域の特定と共に、該ブロック領域を開始順位とする他のブロック領域に対する瞳検出処理の処理順位を決定することができる。
また、上記処理順位パターンは、瞳検出部106がプログラム内に持つとしてもよい。この場合には、虹彩検出ブロック抽出部117は、瞳検出部106に対して認証対象者の虹彩(瞳)が位置すると推定されたブロック領域の番地(識別情報)を引き渡せばよい。瞳検出部106は、虹彩検出ブロック抽出部117から引き渡されたブロック領域の番地を開始位置として、処理順位パターンに沿って瞳検出処理を行うことができる。
図15に、本実施形態の瞳検出処理についての説明図を例示する。図15に示す撮像画像Z14は、ブロック分割部116によって、ブロック領域Z14a−Z14iに9分割された一例である。ブロック領域Z14a−Z14iのそれぞれの番地(X,Y)は、順に、(1,1)、(2,1)、(3,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)、(1,3)、(2,3)、(3,3)である。撮像画像Z14には、虹彩認証装置10の姿勢に応じて撮影された認証対象者の顔Z15が含まれる。
虹彩認証装置10は、姿勢検出センサ14hを介して検出されたセンサ情報から、認証対象者の虹彩(瞳)を含む顔Z15が位置するブロック領域Z14hを推定する。また、虹彩認証装置10は、ブロック領域Z14hを開始位置とする瞳検出処理の処理順を決定する。
図15に示すように、顔Z15が位置するブロック領域Z14hには、横方向に隣接するブロック領域Z14g、Z14iが隣接する。また、ブロック領域Z14hには、縦方向にブロック領域Z14eが隣接する。虹彩認証装置10は、例えば、丸囲み数字“1”−“9”で示されるように、ブロック領域Z14hを処理開始位置とする瞳検出処理の処理順序を決定する。
虹彩認証装置10は、推定されたブロック領域Z14hを最優先の処理対象として瞳検出処理を行う。そして、ブロック領域Z14hにおいて瞳が検出されなかったときには、横方向に隣接するブロック領域Z14i(丸囲み数字“2”)、Z14g(丸囲み数字“3”)、Z14e(丸囲み数字“4”)の順に瞳検出処理を行う。虹彩認証装置10は、処理対象のブロック領域において瞳(虹彩)が検出された時点で処理を終了し、以降に予定されているブロック領域に対する瞳検出処理は行わない。例えば、丸囲み数字“2”で示されるブロック領域Z14iにおいて瞳が検出された場合には、丸囲み数字“3”−“9”で示されるブロック領域についての処理は行わない。虹彩認証装置10は、丸囲み数字“3”−“9”で示されるブロック領域についての瞳検出処理に係る画像処理量が軽減される。
〔処理フロー〕
以下、図16に例示のフローチャートを参照し、本実施形態の虹彩認証装置10の虹彩認証に係る処理を説明する。図16は、本実施形態の虹彩認証装置10の虹彩認証に係る処理のフローチャートの例示である。虹彩認証装置10は、CPU11が補助記憶部13に記憶されているOS、各種プログラムや各種データを主記憶部12に読み出して実行することにより、図16に例示の虹彩認証に係る処理を実行する。また、虹彩認証装置10は、参照虹彩画像DB201を参照し、或いは、管理するデータの格納先として、図16に例示の虹彩認証に係る処理を実行する。
図16に例示のフローチャートにおいて、虹彩認証装置10の虹彩認証に係る処理の開始は、例えば、実施形態1と同様に、ユーザ等の虹彩認証を行うための操作入力指示の受け付けのときが例示できる。ユーザ等の虹彩認証を行うための操作入力指示については、
図5を用いて説明した。
虹彩認証装置10は、操作入力指示を契機として、照明部15bを介して放射強度Aの照射光を照射する。そして、虹彩認証装置10は、放射強度Aの照射光により照射された、認証対象者の虹彩パターンを含む撮像画像を取得する(S31)。虹彩認証装置10は、取得した撮像画像をS32の処理に引き渡す。
虹彩認証装置10は、S31の処理から引き渡された撮像画像に対して、例えば、9分割といった複数のブロック領域に分割する(S32)。分割された各ブロック領域には、例えば、縦方向の番地を“Y”、横方向の番地を“X”とする(X,Y)で表される番地付け(識別情報の付与)が行われる。虹彩認証装置10は、複数のブロック領域に文化るされた撮像画像と各ブロック領域に付与された番地情報とを主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶する。
S33の処理では、虹彩認証装置10は、姿勢検出センサ14hを介して虹彩認証時における虹彩認証装置10の姿勢状態をセンサ情報として検出する。虹彩認証装置10は、検出されたセンサ情報を主記憶部12の所定の領域に一時的に記憶し、該センサ情報をS34の処理に引き渡す。
S34の処理では、虹彩認証装置10は、S33の処理で検出されたセンサ情報に基づいて虹彩認証装置10の姿勢状態を特定する。虹彩認証装置10の姿勢状態は、例えば、姿勢基準に対する相対的な姿勢状態として表される。姿勢基準については、図14等を用いて説明した。
虹彩認証装置10は、特定した姿勢状態から、複数のブロック領域に分割された撮像画像内において、何れのブロック領域に認証対象者の虹彩(瞳)が位置するかの推定を行う。また、虹彩認証装置10は、認証対象者の虹彩(瞳)が位置すると推定されたブロック領域に隣接する他のブロック領域についての、瞳検出処理の順位付けを行う。虹彩認証装置10は、認証対象者の虹彩(瞳)が位置すると推定されたブロック領域に付与された番地情報を抽出する。また、虹彩認証装置10は、上記ブロック領域に隣接する他のブロック領域を含んで順位付けされた番地情報を、瞳検出処理の実行順に抽出する。虹彩認証装置10は、抽出されたブロック領域の番地情報を瞳検出処理順に整列し、S35の処理に引き渡す。
S35の処理では、虹彩認証装置10は、認証対象者の虹彩(瞳)が位置すると推定されたブロック領域を最優先の対象ブロックとして瞳検出処理を実行する。そして、虹彩認証装置10は、S35の処理で処理対象としたブロック領域内に認証対象者の瞳(虹彩)が検出されたか否かを判定する(S36)。
虹彩認証装置10は、処理対象としたブロック領域内に認証対象者の瞳(虹彩)が検出された場合には(S36,YES)、S39の処理に移行する。一方、虹彩認証装置10は、処理対象としたブロック領域内に認証対象者の瞳(虹彩)が検出されない場合には(S36,NO)、S37の処理に移行する。
S37の処理では、虹彩認証装置10は、S32の処理で分割された全てのブロック領域に対して瞳検出処理が行われたか否かを判定する。虹彩認証装置10は、分割された全てのブロック領域に対して瞳検出処理が行われた場合には(S37,YES)、S31の処理に移行する。虹彩認証装置10は、新たな撮像画像を対象として図16の処理を実行するためである。
一方、虹彩認証装置10は、分割された全てのブロック領域に対して瞳検出処理が行われた場合には(S37,NO)、S38の処理に移行する。S38の処理では、虹彩認証装置10は、S34の処理で順位付けされたブロック領域の番地情報に従って、瞳検出処理の対象ブロックを隣接する他のブロック領域に移動する。S38の処理後、虹彩認証装置10は、S35の処理に移行する。
S39の処理では、虹彩認証装置10は、瞳検出処理で検出された瞳の虹彩パターンに基づいて虹彩認証処理を行う。虹彩認証装置10では、例えば、図11に示すS9−S12の処理が行われ、瞳検出処理で検出された瞳の虹彩パターンに基づく虹彩認証が行われる。
虹彩認証装置10は、抽出された虹彩パターンによる虹彩認証の結果を、LCD15a等の表示デバイスに表示する。虹彩認証装置10は、例えば、参照虹彩画像DB201に登録された虹彩パターンと、抽出された虹彩パターンとが合致する場合には、虹彩認証後、設定されたセキュリティを解除する。セキュリティが解除された虹彩認証装置10では、ユーザ等の操作入力が受け付けられる。虹彩認証装置10では、例えば、タッチパネル、キーボード14f、タッチパッド14gを介した操作入力に基づいて虹彩認証装置10の機能が利用できる。
一方、参照虹彩画像DB201に登録された虹彩パターンと、抽出された虹彩パターンとが合致しない場合には、虹彩認証装置10は、例えば、認証失敗といったメッセージをLCD15a等に表示させる。虹彩認証装置10では、設定されたセキュリティは解除せずにロック状態を維持し、操作入力等を受け付けない。虹彩認証が失敗した虹彩認証装置10では、ロック状態が継続されるため、情報漏えい等が防止可能になる。S39の処理後、虹彩認証装置10は、図16の処理を終了する。
ここで、虹彩認証装置10で実行されるS31の処理は、虹彩認証処理の対象となる撮像画像を取得する取得ステップの一例である。また、虹彩認証装置10のCPU11等は、虹彩認証処理の対象となる撮像画像を取得する取得部の一例としてS31の処理を実行する。
また、虹彩認証装置10で実行されるS33の処理は、虹彩認証処理時の自装置の姿勢を検出する姿勢検出ステップの一例である。また、虹彩認証装置10のCPU11等は、虹彩認証処理時の自装置の姿勢を検出する姿勢検出部の一例としてS33の処理を実行する。
また、虹彩認証装置10で実行されるS32、S34の処理は、撮像画像を複数の単位領域に分割すると共に、検出された姿勢に基づいて虹彩認証処理の対象となる像が存在すると推定される第1単位領域を特定する推定ステップの一例である。また、虹彩認証装置10のCPU11等は、撮像画像を複数の単位領域に分割すると共に、検出された姿勢に基づいて虹彩認証処理の対象となる像が存在すると推定される第1単位領域を特定する推定部の一例としてS32、S34の処理を実行する。
また、虹彩認証装置10で実行されるS35−S39の処理は、第1単位領域を最先の処理対象として虹彩を検出する処理を行い、虹彩認証する処理ステップの一例である。また、虹彩認証装置10のCPU11等は、第1単位領域を最先の処理対象として虹彩を検出する処理を行い、虹彩認証する処理部の一例としてS35−S39の処理を実行する。
(変形例)
S32の処理において、撮像画像を複数に分割する際に、隣接するブロック領域の端部
領域が重なるように分割するとしてもよい。例えば、図15において、ブロック領域Z14hの右端部領域と隣接するブロック領域Z14iの左端部領域とを重複させて分割するとしてもよい。隣接するブロック領域の端部領域が重なるように分割することで、虹彩認証装置10は、例えば、ブロック領域の境界上に位置する瞳(虹彩)を見逃すことなく検出できる。
以上、説明したように、本実施形態の虹彩認証装置10は、虹彩認証時の虹彩認証装置10の姿勢状態を検出できる。そして、虹彩認証装置10は、検出された姿勢状態に基づいて、認証対象者の虹彩が位置するブロック領域を複数のブロック領域の中から推定することができる。虹彩認証装置10は、認証対象者の虹彩が位置するものと推定されたブロック領域、および、該ブロック領域に隣接する他のブロック領域から順に虹彩(瞳)の検出処理を行うことができる。虹彩認証装置10は、対象となるブロック領域に虹彩を検出した時点で、他のブロック領域に対する瞳検出処理を終了することができる。この結果、本実施形態の虹彩認証装置10は、撮像画像内の虹彩を含まない他のブロック領域に対する画像処理量を軽減できる。
《コンピュータが読み取り可能な記録媒体》
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
《その他》
以上の実施形態は、さらに以下の付記と呼ぶ態様を含む。以下の各付記に含まれる構成要素は、他の付記に含まれる構成要素と組み合わせることができる。
(付記1)
虹彩認証処理の対象となる撮像画像を取得する取得部と、
前記撮像画像内の複数の像に対する前後位置関係に基づいて前記虹彩認証処理の対象となる像が撮影された領域範囲を特定する特定部と、
前記領域範囲に対して虹彩を検出し、虹彩認証する処理部と、
を備える虹彩認証装置。
(付記2)
前記特定部は、前記撮像画像を複数の単位領域に分割し、分割された単位領域毎の輝度情報に基づいて、前記撮像画像内の複数の像に対する前後位置関係における、前に位置する像が撮影された領域範囲を特定する、付記1に記載の虹彩認証装置。
(付記3)
第1強度の照射光と、前記第1強度と異なる強度の第2強度の照射光を照射する照明部を備え、
前記取得部は、前記第1強度の照射光の照射期間に第1撮像画像を取得すると共に前記第2強度の照射期間に第2撮像画像を取得し、
前記特定部は、前記第1撮像画像と前記第2撮像画像との輝度差に基づいて前記領域範囲を特定するための撮像画像を生成する、付記1または2に記載の虹彩認証装置。
(付記4)
前記特定部は、前記撮像画像内の複数の像に対する所定部位の撮像面積に基づいて、前記撮像画像内の複数の像に対する前後位置関係における、前に位置する像が撮影された領域範囲を特定する、付記1に記載の虹彩認証装置。
(付記5)
虹彩認証処理の対象となる撮像画像を取得する取得部と、
前記虹彩認証処理時の自装置の姿勢を検出する姿勢検出部と、
前記撮像画像を複数の単位領域に分割すると共に、前記検出された姿勢に基づいて前記虹彩認証処理の対象となる像が存在すると推定される第1単位領域を特定する推定部と、
前記第1単位領域を最先の処理対象として虹彩を検出する処理を行い、虹彩認証する処理部と、
を備える虹彩認証装置。
(付記6)
前記推定部は、前記検出された姿勢に基づいて、前記第1単位領域を除く他の単位領域についての虹彩を検出する処理の処理順位を決定する、付記5に記載の虹彩認証装置。
(付記7)
コンピュータに、
虹彩認証処理の対象となる撮像画像を取得する取得ステップと、
前記撮像画像内の複数の像に対する前後位置関係に基づいて前記虹彩認証処理の対象となる像が撮影された領域範囲を特定する特定ステップと、
前記領域範囲に対して虹彩を検出し、虹彩認証する処理ステップと、
を実行させるための虹彩認証プログラム。
(付記8)
前記特定ステップは、前記撮像画像を複数の単位領域に分割し、分割された単位領域毎の輝度情報に基づいて、前記撮像画像内の複数の像に対する前後位置関係における、前に位置する像が撮影された領域範囲を特定する、付記7に記載の虹彩認証プログラム。
(付記9)
前記コンピュータは、第1強度の照射光と、前記第1強度と異なる強度の第2強度の照射光を照射する照明部を備え、
前記取得ステップは、前記第1強度の照射光の照射期間に第1撮像画像を取得すると共に前記第2強度の照射期間に第2撮像画像を取得し、
前記特定ステップは、前記第1撮像画像と前記第2撮像画像との輝度差に基づいて前記領域範囲を特定するための撮像画像を生成する、付記7または8に記載の虹彩認証プログラム。
(付記10)
前記特定ステップは、前記撮像画像内の複数の像に対する所定部位の撮像面積に基づいて、前記撮像画像内の複数の像に対する前後位置関係における、前に位置する像が撮影された領域範囲を特定する、付記7に記載の虹彩認証プログラム。
(付記11)
コンピュータに、
虹彩認証処理の対象となる撮像画像を取得する取得ステップと、
前記虹彩認証処理時の自装置の姿勢を検出する姿勢検出ステップと、
前記撮像画像を複数の単位領域に分割すると共に、前記検出された姿勢に基づいて前記虹彩認証処理の対象となる像が存在すると推定される第1単位領域を特定する推定ステップと、
前記第1単位領域を最先の処理対象として虹彩を検出する処理を行い、虹彩認証する処理ステップと、
を実行させるための虹彩認証プログラム。
(付記12)
前記推定ステップは、前記検出された姿勢に基づいて、前記第1単位領域を除く他の単位領域についての虹彩を検出する処理の処理順位を決定する、付記11に記載の虹彩認証プログラム。
10 虹彩認証装置
11 CPU
12 主記憶部
13 補助記憶部
14 入力部
14a タッチセンサ
14b 虹彩撮影用カメラ
14c 電源ボタン
14d 操作用ボタン
14e 通話用レシーバ
14f キーボード
14g タッチパッド
14h 姿勢検出センサ
15 出力部
15a LCD
15b 照明部
15c 照明駆動部
16 通信部
101 キャプチャ部
102 輝度差演算・ブロック分割部
103 ヒストグラム処理部
104 最前面人物判定部
105 照合処理適用ブロック抽出部
106 瞳検出部
107 虹彩特徴点抽出部
108 登録・認証部
109 登録・認証結果出力部
110 照明制御部
111 登録・認証モード切替部
112 輪郭(顔)切り出し部
113 輪郭(顔)面積計算部
114 姿勢取得部
115 姿勢処理部
116 ブロック分割部
117 虹彩検出ブロック抽出部
201 参照虹彩画像DB
B1 接続バス

Claims (8)

  1. 虹彩認証処理の対象となる撮像画像を取得する取得部と、
    前記撮像画像内の複数の像に対する前後位置関係に基づいて前記虹彩認証処理の対象となる像が撮影された領域範囲を特定する特定部と、
    前記領域範囲に対して虹彩を検出し、虹彩認証する処理部と、
    を備える虹彩認証装置。
  2. 前記特定部は、前記撮像画像を複数の単位領域に分割し、分割された単位領域毎の輝度情報に基づいて、前記撮像画像内の複数の像に対する前後位置関係における、前に位置する像が撮影された領域範囲を特定する、請求項1に記載の虹彩認証装置。
  3. 第1強度の照射光と、前記第1強度と異なる強度の第2強度の照射光を照射する照射部を備え、
    前記取得部は、前記第1強度の照射光の照射期間に第1撮像画像を取得すると共に前記第2強度の照射期間に第2撮像画像を取得し、
    前記特定部は、前記第1撮像画像と前記第2撮像画像との輝度差に基づいて前記領域範囲を特定するための撮像画像を生成する、請求項1または2に記載の虹彩認証装置。
  4. 前記特定部は、前記撮像画像内の複数の像に対する所定部位の撮像面積に基づいて、前記撮像画像内の複数の像に対する前後位置関係における、前に位置する像が撮影された領域範囲を特定する、請求項1に記載の虹彩認証装置。
  5. 虹彩認証処理の対象となる撮像画像を取得する取得部と、
    前記虹彩認証処理時の自装置の姿勢を検出する姿勢検出部と、
    前記撮像画像を複数の単位領域に分割すると共に、前記検出された姿勢に基づいて前記虹彩認証処理の対象となる像が存在すると推定される第1単位領域を特定する推定部と、
    前記第1単位領域を最先の処理対象として虹彩を検出する処理を行い、虹彩認証する処理部と、
    を備える虹彩認証装置。
  6. 前記推定部は、前記検出された姿勢に基づいて、前記第1単位領域以外の他の単位領域についての虹彩を検出する処理の処理順位を決定する、請求項5に記載の虹彩認証装置。
  7. コンピュータに、
    虹彩認証処理の対象となる撮像画像を取得する取得ステップと、
    前記撮像画像内の複数の像に対する前後位置関係に基づいて前記虹彩認証処理の対象となる像が撮影された領域範囲を特定する特定ステップと、
    前記領域範囲に対して虹彩を検出し、虹彩認証する処理ステップと、
    を実行させるための虹彩認証プログラム。
  8. コンピュータに、
    虹彩認証処理の対象となる撮像画像を取得する取得ステップと、
    前記虹彩認証処理時の自装置の姿勢を検出する姿勢検出ステップと、
    前記撮像画像を複数の単位領域に分割すると共に、前記検出された姿勢に基づいて前記虹彩認証処理の対象となる像が存在すると推定される第1単位領域を特定する推定ステップと、
    前記第1単位領域を最先の処理対象として虹彩を検出する処理を行い、虹彩認証する処理ステップと、
    を実行させるための虹彩認証プログラム。
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