JP2017142233A - X線回折システムのキャリブレーション方法 - Google Patents

X線回折システムのキャリブレーション方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017142233A
JP2017142233A JP2016248925A JP2016248925A JP2017142233A JP 2017142233 A JP2017142233 A JP 2017142233A JP 2016248925 A JP2016248925 A JP 2016248925A JP 2016248925 A JP2016248925 A JP 2016248925A JP 2017142233 A JP2017142233 A JP 2017142233A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
calibration
pixel
spectrum
function
intensity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016248925A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6967851B2 (ja
Inventor
ジョアキム タバリー
Tabary Joachim
ジョアキム タバリー
ダミアン バルベス
Barbes Damien
ダミアン バルベス
カロリーヌ パウルス
Paulus Caroline
カロリーヌ パウルス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Commissariat a lEnergie Atomique et aux Energies Alternatives CEA
Original Assignee
Commissariat a lEnergie Atomique CEA
Commissariat a lEnergie Atomique et aux Energies Alternatives CEA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Commissariat a lEnergie Atomique CEA, Commissariat a lEnergie Atomique et aux Energies Alternatives CEA filed Critical Commissariat a lEnergie Atomique CEA
Publication of JP2017142233A publication Critical patent/JP2017142233A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6967851B2 publication Critical patent/JP6967851B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01TMEASUREMENT OF NUCLEAR OR X-RADIATION
    • G01T7/00Details of radiation-measuring instruments
    • G01T7/005Details of radiation-measuring instruments calibration techniques
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N23/00Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00
    • G01N23/20Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by using diffraction of the radiation by the materials, e.g. for investigating crystal structure; by using scattering of the radiation by the materials, e.g. for investigating non-crystalline materials; by using reflection of the radiation by the materials
    • G01N23/20091Measuring the energy-dispersion spectrum [EDS] of diffracted radiation
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01TMEASUREMENT OF NUCLEAR OR X-RADIATION
    • G01T1/00Measuring X-radiation, gamma radiation, corpuscular radiation, or cosmic radiation
    • G01T1/29Measurement performed on radiation beams, e.g. position or section of the beam; Measurement of spatial distribution of radiation
    • G01T1/2907Angle determination; Directional detectors; Telescopes
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01TMEASUREMENT OF NUCLEAR OR X-RADIATION
    • G01T1/00Measuring X-radiation, gamma radiation, corpuscular radiation, or cosmic radiation
    • G01T1/36Measuring spectral distribution of X-rays or of nuclear radiation spectrometry
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2223/00Investigating materials by wave or particle radiation
    • G01N2223/30Accessories, mechanical or electrical features
    • G01N2223/303Accessories, mechanical or electrical features calibrating, standardising

Abstract

【課題】X線回折測定システムのキャリブレーション方法を提供する。
【解決手段】キャリブレーション物体10を照射ビームが伝搬する伝搬軸12に沿って移動することを含んでおり、キャリブレーション物体は、軸に沿って連続的に複数の位置を示すように構成され、物体のそれぞれの位置で分光検出器20は、伝搬軸に対して鋭角で物体から放出された散乱放射線のスペクトルを取得する少なくとも1つの画素を含み、物体のそれぞれの位置に対応する様々なスペクトルにおいて、キャリブレーションピークを特定し、ピークのパラメータを取得することを含んでおり、ピークのパラメータは、ピークの強度又はエネルギーであり、様々なピークで取得されたパラメータは、画素に関連付けられた分散関数を取得することを可能にする。
【選択図】図3A

Description

本発明の技術分野は、物体から回折された電離した放射線の分光分析による物体の分析である。本発明は診断を目的とする生物組織の分析と産業分野又はセキュリティ関連利用における非破壊テストの両方に応用可能である。
X線回折分光は物体を作る材料を特定するために使用されている非破壊分析技術である。この技術は、電離した電磁放射線の弾性散乱に基づくものであり、それはレイリー散乱と呼ばれている。それは、爆発物又は他の違法な物質の検出にも既に利用されている。
一般にこの技術は、多エネルギーのX線の物体への照射により構成され、小さい角度で物体で後方散乱したエネルギースペクトルの決定により構成され、典型的には、物体に入射するX線の軌道に対して1°〜20°の範囲である。このスペクトルの分析は、物体の構成材料を特定することができる。実際、ほとんどの物質は、その分子又は原子構造に依存するスペクトルの痕跡(シグネチャ)のセットを有している。測定された散乱スペクトルを既知の物質の痕跡と比較することで、物質の組成を推定することが可能となる。
従来の装置では、照射源は物体に向かって伝搬する多エネルギーのX線を生成し、物体に向かう精密にコリメートされたX線ビームを形成するために1つ目のコリメータ又はプリコリメータが照射源と物体の間に配置されている。2つ目のコリメータは、物体で後方散乱した放射線のエネルギースペクトルを取得するため、分析すべき物体と検出器との間に配置されている。
分析すべき物体の体積は、物体を通過した伝搬するビームと、検出器の観察視野の交差部に対応し、その視野は、様々なものの間で、第2のコリメータのアパーチャと検出器のサイズで定義される。従って、同じ検出器では、観察視野のサイズは、第2のコリメータのアパーチャに比例する。これは、観察すべき物体の体積を増加させ、検出される散乱放射線の量を増加させる。
しかしながら、観察視野が増大すると、検出器は、物体の異なる部分から異なる散乱角度で散乱された光子を検出するかもしれない。エネルギースペクトルの形式で取得された測定データを、試験すべき物体を構成する材料を示すスペクトルシグネチャに変換することができるので、散乱角度は、重要なパラメータであり、後者は、一般に運動量伝達と称する大きさの形式で表現されている。さらに、分析すべき物体は、均一ではなく、異なる部分を有しており、それらはそれぞれ独自のスペクトルシグネチャを有している。それゆえ、物体を空間的に異なる基本体積に分割すること,及び、これらの基本体積のそれぞれに関連付けられた散乱シグネチャと称されるスペクトルシグネチャを決定することに興味を示す。これにより、測定装置の角度分解能又は空間分解能は、キャリブレーション処理の間に決定される。本発明は、この種の分散関数を取得することができる実験方法を提供する。
本発明の1つの目的は、物体を分析するための装置のキャリブレーション方法であり、分析装置は、
前記物体を照射し、伝搬軸に沿って前記物体に向かう電離した電磁波を放出するように設けられた照射源と、
少なくとも1つの画素を有し、照射された前記物体で散乱された放射線を検出し、そのエネルギースペクトルを取得するために構成された検出器であって、前記散乱された放射線は、前記伝搬軸に対して散乱角度と呼ばれる鋭角の方向に伝搬しており、
前記キャリブレーション方法は、以下のステップを有し、
a)少なくとも1つの前記画素がキャリブレーション物体によって散乱された放射線を検出して、そのエネルギースペクトルを取得するように、前記照射源によってキャリブレーション物体を照射し、
b)前記キャリブレーション物体を前記伝搬軸に沿って異なる位置に連続的に移動し、物体のそれぞれの位置で、前記画素により、キャリブレーションスペクトルと称される前記キャリブレーション物体で散乱された放射線のスペクトルを取得して、それぞれのキャリブレーションスペクトルは、前記キャリブレーション物体の位置に関連付けられており、
c)ステップb)の間に取得されたそれぞれのキャリブレーションスペクトルにおいて、前記キャリブレーション物体の特性キャリブレーションピークを特定し、
d)ステップc)において特定されたそれぞれキャリブレーションピークのパラメータを決定し、
e)ステップd)の間に決定されたパラメータから、前記キャリブレーション物体の様々な位置において前記画素に関連付けられた分散関数を取得し、前記分散関数は前記キャリブレーション物体の前記様々な位置で前記画素によって検出された散乱された放射線の強度及び/又は散乱角度を示すものである。
ピークパラメータは、ピークの強度、及び/又はそのピークに関連付けられたエネルギーを意味し、すなわち、パラメータは、そのピークの高さ又は面積を示し、パラメータは、そのピークが検出されたエネルギーを示している。
実施形態によると、ステップd)は、それぞれのキャリブレーションスペクトルにおいて特定されたキャリブレーションピークを決定することを含み、
ステップe)は、いわゆる強度空間分散関数をキャリブレーション物体のそれぞれの位置で決定されたキャリブレーションピークの強度から決定することを含んでおり、前記分散関数は前記キャリブレーション物体の位置の関数として前記画素で検出された散乱放射線の量を示している。
実施形態によると、
ステップd)は、それぞれのキャリブレーションスペクトルで特定されたキャリブレーションピークのエネルギーを決定することを含む
ステップe)は、
それぞれのキャリブレーションスペクトルで決定された前記エネルギーから散乱角度を決定すること、
前記キャリブレーション物体のそれぞれの位置で取得された前記散乱角度から、散乱角度の空間分散関数を決定することを含み、前記分散関数は、前記キャリブレーション物体の位置の関数として、前記画素で検出された散乱放射線の散乱角度を示す。
本実施形態で、ステップf)は、前記画素に対する平均散乱角度を決定することを含んでいる。
実施形態によると、
ステップd)は、それぞれのキャリブレーションスペクトル特定された前記キャリブレーションピークの強度と前記エネルギーを決定することを含み、
ステップe)は、
それぞれのキャリブレーションピークで決定された前記エネルギーから散乱角度を計算すること、前記散乱角度はキャリブレーションピークの強度に関連付けられており、
前記放射線の散乱角度の関数として、前記画素で検出された散乱放射線の強度分布を示すいわゆる強度角度分散関数を決定すること、を含んでいる。
この実施形態によると、方法は、ステップf’)を含むことができ、
ステップf’)では、いわゆる補間強度角度分散関数を取得するために、ステップe)で取得されたキャリブレーション物体のそれぞれ位置での様々な散乱角度の間において、強度角度分散関数を補間する。
方法は、また、ステップg)を含むことができ、
ステップg)では、前記補間強度角度分散関数から、画素に関連付けられた角度応答行列を決定し、前記行列のそれぞれの行と列は、エネルギーに関連付けられており、前記画素が前記エネルギーで散乱放射線を検出したときの運動量伝達の確率分布を示す。
キャリブレーション物体は、組成が既知の物体である。
1実施形態によると、検出器は、複数の画素を含み、方法は、それぞれの画素に対して前記分散関数の決定を含んでいる。
画素は、検出器の物理画素をサブピクセル化した仮想画素であってもよい。
本発明の他の目的は、検出器の画素によるスペクトルの取得を用いて、プロセッサによって読み取り可能な、クレーム1の方法のステップc)〜ステップe)を実行するための指令を含む情報記録媒体であり、スペクトルはクレーム1のステップa)とステップb)によって取得され、前記指令はプロセッサにより実行可能である。
図1AはX線回折によって物体を分析するための装置の実施形態を示している。 図1Bは図1Aの詳細を示しており、それぞれの画素の観察視野と、物体の基本体積への分解を示している。 図2は、図1A、図1Bに示された装置を用いた物体の分析方法の主要なステップを示している。 図3Aは、分散関数を取得することができる装置を示している。 図3Bは、そのような関数を取得することができる方法の主要なステップを示している。 図3Cと図3Dは、キャリブレーションピークと呼ばれる特性回折ピークで特徴付けられたキャリブレーションスペクトルの例を示す図であり、その強度及び又はエネルギーは、空間分散関数又は角度分散関数を構成するために測定される。 図3Dは、いわゆる透過スペクトルによって後述する規格化後の図3Cのスペクトルを示している 図3Eは、様々な画素と関連付けられた、いわゆる空間分散関数を示している。 図3Fは、図3Eの画素と関連付けられた、いわゆる角度分散関数を示している。 図4Aは、様々な画素に関連付けられた平均散乱角度をプロットした曲線であり、点線と、線形の傾向曲線がプロットされている。。 図4Bは、異なる画素で取得されたエネルギースペクトルを合計することで得られたエネルギースペクトルを示し、同様に、前記画素で取得された運動量伝達スペクトルを合計することで得られた運動量伝達スペクトルを示し、1画素の運動量伝達スペクトルは、それぞれ、前記画素で取得されたエネルギースペクトルに変数を変えることを適用することで取得され、変数を変えることは、前記画素と関連付けられた平均散乱角度を考慮している。 図5Aは、複数の画素に対して求められた、いわゆる強度角度分散関数を示している。 図5Bは、図5Aに対応して、複数の画素に対して求められた、補間強度角度分散を示している。 図5Cは、1画素に関連付けられた、いわゆる角度分散行列を示している。 図5Dは、その画素に関連付けられた、他の角度分散行列を示している。 図6Aは、テスト物体を用いた実験装置を示す。 図6Bは、本例ではPMMA(ポリメチルメタアクリレート)である参照材料を用いて、様々な仮想画素によって取得された様々な散乱スペクトルを示す。 図6Cは、テスト物体を用いた試験の間に、様々な仮想画素によって取得された様々な散乱スペクトルを示す。 図6Dは、様々な画素によって測定された応答関数を示し、それぞれは、エネルギーの関数、又は運動量伝達の関数として表現されている。 図6Eは、様々な画素によって測定された応答関数を示し、それぞれは、エネルギーの関数、又は運動量伝達の関数として表現されている。 図6Fは、図6Eに示された応答関数から取得された、様々な基本体積のスペクトルシグネチャを示している。 図6Gは、テスト物体で特定された様々な材料を示している。
図1Aは、X線回折分光によって物体10を分析するための装置1を示す。
照射源11は、組成を決定すべき物体10に向かって伝搬する電離した電磁放射線12を放出する。
装置は、物体に向って伝搬軸12に沿って伝搬する、コリメートされた入射ビーム12を形成するために、照射源11によって放出された放射線をコリメートするために構成された第1のコリメータ、すなわち、プリコリメータ30を有している。装置は、画素20を有する検出器20を有しており、それぞれの画素は、伝搬軸12と散乱角θをなす方向において、物体10によって散乱された放射線14θを検出することができる。この放射線は、例えば、入射コリメートビーム12を形成する放射線の弾性散乱によって生成される。
分析装置1は、物体10と検出器20との間に配置された第2のコリメータ40を有している。第2のコリメータ40は、伝搬軸12に対して角度範囲Δθ内の散乱角度θにおいて物体10で散乱された放射散乱14θが選択的に入射する。選択的に週謝することによって意味することは、角度範囲Δθ以外の角度で散乱された放射線が、第2のコリメータで減衰する。
分析装置1は、図1Aに示すようなXYZ直交座標系の枠組みに配置されている。
電離した電磁放射線という用語は、1keVよりも高く、好ましくは5MeVよりも低いエネルギーのフォトンで生成された電磁放射線を指定している。電離放射線のエネルギー範囲は、1keVから2MeVの間であってもよく、最も頻繁には、1keV〜150keV又は300keVの間である。電離した放射線はX線又は放射線を含む。好ましくは、電離した放射線源は、多エネルギーであり、入射放射線は一般的に数十〜数百keVに渡るエネルギー範囲において放出される。それは特に、X線を放出する管である。
照射源11は、一般に40〜170kVの間の電圧が印加されるタングステン陽極が設けられたX線管であり、それは、入射放射線12のエネルギー範囲を修正するために可変である。検出器20は、1列又は2次元マトリクスアレイに画素20を有しており、それぞれの画素は、2.5×2.5mmの領域に渡っており、その厚さは5mmである。それぞれの画素を形成する材料は、半導体であり、例えば、CdTe、CdZnTe又は好ましくは室温において、分光測定を実行するのに適した他の材料である。それは、シンチレータ型材料でもよく、十分高いエネルギー分解能を提供する。検出器は、エネルギー分解され、それぞれの画素は、1keVのオーダのエネルギーチャネルでスペクトルを取得することができる。照射源11は、プリコリメータ30に向かう20keV未満のエネルギーの放射線の伝搬を遮蔽するため例えば銅製の金属スクリーンを有していてもよい。
このスクリーンが銅製の場合、その厚さは、例えば、0.2mmである。
第1のコリメータ、すなわちプリコリメータ30は、照射源11で放出された放射線12の全てを事実上吸収するために構成された、例えば、タングステンを含む密集材料31のブロックを有している。第1のコリメータ30は、細いコリメートビーム12が通過できるように伝搬軸12と呼ばれる軸に沿って延びた細い開口部32を有している。細い開口部によって、意味することは、アパーチャの直径又は対角線が2cm未満、さらには1cm未満になる。この例では、開口部は、直径1mmの円柱である。
物体10は、産業部品かもしれず、その量及び組成を決定することが望まれる。また、物体10は、検査が望まれる手荷物かもしれない。装置1は、非破壊試験/検査目的に使用される。それは、例えば動物や人間の体の一部である、生きている生物の組織の問題かもしれない。装置は、診断目的に用いられる医療分析装置である。体の一部は、特には、例えば、レントゲン又はスキャンなどの一次検査が行われる、存在が疑われる特異ながん性腫瘍等の臓器である。
第2のコリメータ40は、物体によって散乱された上記の角度範囲の外側の全ての放射線14θを事実上吸収するよう設けられた密集材料製の壁41を有している。前記密集材料の開口部は、中間軸45に沿って延びているチャネル42を規定する。中間軸によって、意味することは、軸はチャネルに沿って延びており、チャネルの境界となる壁から同じ距離にあるということである。この中間軸45は、入射コリメートビーム12の伝搬軸12から傾いている。チャネル42の中間軸45と伝搬軸12の間の角度Θは、いわゆるコリメート角度であり、厳密に0°より大きく、20°より小さい。コリメータは、コリメータ角度Θについて規定された角度範囲Δθ内の散乱角度θである角度で伝搬して、検出器20に向かう散乱放射線14θが透過することができる。図1Aは、第2のコリメータ40の観察視野Δθを境界づける2つの散乱線14θを示しており、それぞれの散乱角度は、第2のコリメータ40と関連付けられた角度範囲のθminとθmaxとで制限されている。それぞれのチャネルの長さは,典型的には、50mmと100mmとの間であり、開口部の中間軸45と直交する方向におけるサイズは、数百μmであり、例えば500μmである。
図1Aに示す実施形態において、第2のコリメータ40は、単一のチャネル42を有している。他の実施形態によれば、コリメータ40は、複数のチャネル42を有しており、それは、例えば、互いに平行に配置されており、それぞれのチャネルは、コリメータ角度Θと角度範囲Δθに関連付けられている。
放射線検出器は検出面P20と呼ばれる面に配置された複数の画素20を有する検出器である。指標kは、検出面P20におけるそれぞれの画素の座標を示す。画素は、一列に配置されていてもよいが、一般には、一定の2次元マトリクスアレイに配置されている。本出願に記載された例では、検出面P20は、コリメート入射放射線12の伝搬軸12に対して厳密に90°未満の角度αを形成する方向に延びている。角度αは、好ましくは70°と88°又は89°との間の範囲である。好ましくは、検出面P20は第2のコリメータ40のチャネル42の中間軸45に直交する。
放射線検出器20のそれぞれの画素20は、
物体10を透過して2のコリメータ40を介した散乱放射線14θの光子と相互作用するために構成された検出器材料を備え、この材料はシンチレータ材料、又は好ましくは室温において使用可能な例えば、CdTe、CdZnTeタイプである半導体材料である検出器材料と、
振幅Aに応じた信号を生成するために構成された電子回路21であって、好ましくは、検出器材料と相互作用したそれぞれの光子によって蓄積したエネルギーEに比例する信号を生成する電子回路と、
取得期間である期間の間に検出された信号の、S で示されるエネルギースペクトルを求めるために構成された分光回路と、を備えている。
従って、それぞれの画素20は物体によって散乱された放射線14θのスペクトルS を生成するために設けられている。
エネルギースペクトルという用語はスペクトルの取得期間の間に検出された信号の振幅Aのヒストグラムを指定している。放射線の信号の振幅AとエネルギーEの関係は、当業者によって知られている原理、例えばE=g(A)のような、エネルギーキャリブレーション関数gによって取得される。エネルギースペクトルS はベクトル形式で得られ、それぞれの項S (E)は、エネルギー範囲E±∂E/2において画素20で検出された放射線の総量を示しており、ここでは、∂Eは、スペクトルのエネルギー離散化間隔のスペクトル幅である。
装置は、例えば、マイクロプロセッサのような、検出器20の画素20kによって取得されたそれぞれのスペクトルS を処理するために構成された計算ユニット又はプロセッサ22を有している。具体的には、プロセッサは、本明細書に記載されたスペクトル処理動作及び計算を実行するための一連の指示が格納されたプログラマブルメモリ23に接続されたマイクロプロセッサである。これらの指示は、ハードディスク、CD-ROMや他のタイプのメモリのような、プロセッサによって読み込み可能な記録媒体に保存されている。プロセッサは、例えばスクリーンである表示部24に接続されている。
それぞれの画素20はコリメータ40を透過した散乱放射線のエネルギーを示す信号を収集する電子回路21に接続されている。検出器20は、上記のプロセッサ22に接続されていてもよく、画素が配列されたピッチよりも小さい空間分解能で検出された放射線の衝突位置を決めるために、複数の隣接画素から出力された信号の分析からなる初期処理を実行することを可能にする。このような処理は、当業者には、サブピクセル化(sub-pixelization or sur-pixelization,)として知られており、いわゆる仮想画素20’を形成することを意味し、それぞれの仮想画素の領域は、例えば、1mm×1mm以下となり、0.5mm×0.5mmにさえなる。本実施例では、それぞれの仮想画素のサイズは、150μm×150μmである。従って、検出器20の空間分解能を向上することができる。このような仮想画素の分解は、当業者に知られている。それは、以下の文献に記載されている。
Warburton W.K, “An approach to sub-pixel spatial resolution in room temperature X-ray detector arrays with good energy resolution”
Montemont et al. “Studying spatial resolution of CZT detectors using sub-pixel positioning for SPECT”, IEEE transactions on nuclear science, Vol. 61, No. 5, October 2014.
残りの文章において、画素20は、仮想画素、又は物理画素を参照する。これは、好ましくは、検出器の空間分解能の改善による仮想画素を意味する。
装置1は、好ましくは、いわゆる透過構成に配置された補助検出器200である検出器を有しており、その検出器は、サポートに保持された物体によって散乱された放射線ではなく、入射ビーム12の伝搬軸12に沿って物体10を透過した放射線140を検出するために構成されている。そのような放射線は、透過放射線と呼ばれ、物体との相互作用なしに物体10を透過している補助検出器200は、入射コリメートビーム12の伝搬方向12に沿って、物体10を透過した放射線140のスペクトルS を設定することができる。そのようなスペクトルは、後述する減衰スペクトル関数Attを決定するために用いられる。
図1Bは、物体10とコリメータ40によって規定された観察視野をより詳細に示している。この図において、散乱放射線14θを受けるために構成された3つの画素201・・・203があり、それぞれの画素は、観察視野Ω1、Ω2,Ω3に関連付けられている。それぞれの画素の観察視野は、画素のサイズとコリメータ40の幾何構成によって規定される。物体は、さらに、規則的又は非規則的に複数の基本体積V・・・VNZによってサンプリングされ、それぞれの基本体積Vは、入射コリメートビーム12の伝搬軸12に沿ったZ方向に関連付けられている。Nは、基本体積Vの数を示している。図1Bは、伝搬軸に沿って、座標z、z、z、zを中心とする4つの基本体積V、V、V、Vをそれぞれ示している。本発明の基本概念は、本装置を特徴付けている角度分散関数と空間分散関数を取得することである。これらの分散関数は、検出器20の様々な画素20によって取得されたスペクトルS から、それぞれの基本体積の組成を推定することを可能にする。コリメータのアパーチャのため、同じ基本体積Vは、検出器20の異なる画素20に向かう散乱放射線を放出することができ、特に検出器はサイズの小さい仮想画素に分割されている。それぞれの画素で測定されたスペクトルS は、物体10の異なる基本体積Vでの異なる散乱角度での散乱放射線14θの検出の結果である。それぞれの画素の観察視野を独立する基本体積にサンプリングすることは、任意に定義された微細なサンプリングに基づいて物体を分解することができる。
分析中において、物体10は、多エネルギーの入射ビーム12が照射される。レイリー弾性散乱の効果により、入射ビーム12の一部は、複数の方向に散乱され、放射散乱の強度は、光子のエネルギーと散乱方向のペアに応じて、高くなったり低くなったりする。散乱角度θの関数である強度の変化は散乱シグネチャを形成し、それは、それぞれの材料を特定する。結晶の場合、散乱強度は以下のブラッグの式によって定義された,正確な入射光子のエネルギー/散乱角度のペアのみで、ゼロとならない。
2dsin(θ/2)=nhc/E ・・・(1)
ここで、dは、照射された物体の成分材料の分子又は原子の配置の特性距離である。
分析する材料が結晶の場合、dは、網間の距離に対応し、nは、干渉の次数を指定する整数であり、Eは、keVで示される散乱放射線のエネルギーを示し、θは散乱角度であり、hとcは、それぞれプランク定数と光速である。
以下の式のように、運動量伝達によって、文字χ(nmー1)で示される量を表現することは一般的である。
χ=sin(θ/2)E/(hc) ・・・(2)
検出器20のそれぞれの画素、又は仮想画素20は、画素に検出される放射散乱14θの最も確実な角度を示すいわゆる平均散乱角度θに対応する。サブピクセル化の効果は、小さなサイズの画素を得ることであり、それによって、それに到達する放射散乱の角度範囲を減少することができる。
物体を分析する方法の主要なステップは、図2を参照して記載される。
第1のステップ100において、物体10は照射源11によって照射され、検出器20のそれぞれの画素20は放射散乱14θのスペクトルS を取得する。本実施例では、コリメート角度Θは1°〜20°の間にある。指数Eは、スペクトルがエネルギーの関数であることを示す。それぞれの画素20に関連付けられた散乱角度θkは既知であるので、式(2)によって変数を変換することで散乱関数をエネルギーの関数としてではなく、運動量伝達χの関数として表現することが可能となり、この場合、スペクトルはSχ となる。
エネルギースペクトルは、以下の式で表現される
=D.(Sinc×Att×(A.f χ))・・・(3)
ここでは、S は次数(NE,1)の画素20で測定されたエネルギースペクトルであり、Nはスペクトルのチャンネル数であり、例えば、エネルギーの離散間隔の数である。
は、検出の不完全さを示す画素20の応答行列である。この行列のそれぞれの項D(E,Ei)は、光子が検出器に入射する確率を示し、エネルギーEiの項は、検出器によって検出されたエネルギーと考えられる。この行列は、N×Nのサイズの正方行列である。Sincは、入射コリメートビーム12の、次元(N,1)のエネルギースペクトルである。Attは減衰スペクトル関数と呼ばれるベクトルであり、次元(N,1)の物体10による入射スペクトルの減衰を示している。Aは、サイズ(N, Nχ)のそれぞれの画素20角度の角度分散行列を示す行列であり、ここでNχは、運動量伝達χの離散間隔の数を示している。それぞれの項A(E,χ)は、検出器20によって検出されたエネルギーEの光子のエネルギーが、式(2)において、χに等しい運動量伝達に対応する確率を示す。この行列の応用は、エネルギーEの関数として示される画素で測定されたスペクトルS と、運動量伝達χで示される同じスペクトルSχの変換を実行することができる。この行列を求めることは、画素に関連付けられた散乱強度の角度分散関数の決定と関連付けて、以下に詳述される。最初のアプローチにおいて、角度応答行列Akは、変数の変換を示す1対1対応の関数で有り、E=hcχ/sin(θ/2)の場合、A(E,χ)=1である、と考えられる。ここで、θは、画素20に関連付けられた平均散乱角度を示している。以下、平均散乱角度θの決定を説明する。f χはそれぞれの画素20に関連付けられた散乱関数である。それは、画素20で測定された運動量伝達χの値のスペクトルである。この散乱関数は画素20の観察視野Ωにある基本体積Vに存在する材料のみに依存する。f χの次元は(Nχ,1)である。×はアダマール積(項別の積)を示し、.は行列積を示す。
さらに、本実施例では、検出器のエネルギー分解能は、それぞれの画素20の応答行列Dが単位行列と考えられるほど、十分高いと考えられる
式(3)は、以下のようになる。
=Sinc×Att×f ・・・(5)
ここで、f はエネルギーの関数である、それぞれの画素20で測定された散乱関数である。エネルギーEの関数として示されるこの散乱関数に基づいて、運動量伝達χの関数として推定された散乱関数f χを求めることが可能になり、ベクトルf ,とベクトルf χとの間の移行は、f =Ak.f χを用いて上記の行列Akを用いることで求めることができる。
ステップ120とステップ140とにおいて、既知の材料からなる参照物体10refが物体10の代わりに配置されることによって、それぞれの画素20で取得された参照散乱スペクトルS ,refが考えられる。参照物体の散乱特性は既知である。従って、それぞれの画素20に関連付けられた散乱関数f ,ref,f χ ,refを求めることが可能になる。この参照散乱関数を取得する方法が以下に記載される。参照物体の散乱スペクトルの測定S ,refと、分析される物体の散乱スペクトルS の測定の間で、入射コリメートビーム12のスペクトルSincが変化しないと仮定すると、画素20によって散乱された放射線は以下のようになる。
,ref =Sinc×Attref×f ,ref・・・(6)
ここで、Attrefは、参照物体10refの減衰スペクトル関数を示す。
従って、S’ で示される散乱スペクトルを形成することが可能となり、それは、以下のように参照散乱スペクトルS ,refによって規格化されている。
S’ =S /S ,ref=(Att×f )/(Attref×f ,ref)・・・(7)
この規格化は、ステップ120に続く。規格化されたスペクトルに基づいて、それぞれの画素20に対して、散乱関数f χを決定することが可能になり、これはステップ140に続き、以下の式となる。
χ=f χ ,ref×A -1.[(S’ ×Att,ref)/Att]・・・(8)
ここで、f χ ,refは画素に関連付けられた参照散乱関数であり、運動量伝達の関数として表現されている。
Att,refとf χ ,refとAttとは既知であり、S は測定されるため、式(8)を用いて、f χを推定することができる。
ステップ160の目的は、それぞれの画素20で取得された散乱関数f χに基づいて、物体のそれぞれの基本体積の散乱シグネチャを取得することである。具体的には、コリメータの角度アパーチャのため、様々な基本体積で発生して、様々な角度に散乱した放射線を、同じ画素20が検出することができる。
この空間分散は、強度空間分散関数gによって特徴付けられ、それぞれの項g(z)は座標zを中心とする基本体積Vzで散乱されて、画素20に到達する放射線強度を示す。この分散関数gはそれぞれの画素20に対して求められる。この分散関数gを求める方法が以下に記載される。
強度空間分散行列Gは、そのそれぞれの行が、zの関数として、画素20に関連付けられた分散関数gの様々な値によって形成されるように構成されるかもしれない。行列Gのそれぞれの項G(k,z)は、zを中心とする基本体積から発生し、一つの画素20によって検出された放射散乱の強度を示している。換言すると、G(k,z)=g(z) (13)である。
ステップ160は、各行が一つの画素20.によって得られる散乱関数f χを示す行列Fを構成することでこの分散行列を考慮することを意味している。この行列のそれぞれの項F(k,χ)は、一つの画素20によるχの一つの値で測定された散乱関数f χの値を示している。この行列の次元は、(N,Nχ)であり、ここでNは、画素数を示す。
目的は、物体10の散乱シグネチャの行列Fを形成することであり、この行列のそれぞれの行は、中心をzとする基本体積Vに対するスペクトルシグネチャf χを示す。この行列のそれぞれの項F(z,χ)は、基本体積Vzの、値χでの散乱シグネチャ(又は形状因子)の値を示す。この行列の次数は、(N,Nχ)であり、ここでNは、基本体積Vの数を示す。
強度空間分散行列Gは、行列Fを形成しているそれぞれの画素の散乱関数f χと、行列F χを形成しているそれぞれの基本体積のシグネチャとの関係を示し、これは、以下のように示される。
=G.F ・・・(9)
それは、それぞれの画素のレベルで集められた測定に基づいて、それぞれの基本体積で散乱された放射線を特徴付ける情報を取得する問題である。
分散行列Gを決定することと、測定に基づいて散乱関数の行列Fを形成することで、変換アルゴリズムを用いて、散乱シグネチャの行列Fの推定を取得することが可能となる。広く利用されている反復の変換アルゴリズムのうち、最大尤度期待値最大化アルゴリズム、つまりMLEMが使用される。そのようなアルゴリズムによれば、行列Fのそれぞれの項は、以下の式を用いて推定される。
指数nは、各反復のランクを示している。それぞれの反復は、行列Fの推定を取得することを許す(なお、行列Fの推定は以下の記号で示される)。
収束基準が合致するまで、反復が繰り返され、それは、反復のプリセット数となるか、あるいは、連続する2つの反復の推定値の変化が小さくなることである。このアルゴリズムの導入は、行列Fの初期化のステップを仮定する。例えば、初期化は以下の式となる。
ステップ160の最後で,マトリクスFの推定が取得され、そのそれぞれの行は物体10の基本体積Vの構成材料の散乱シグネチャf χを示す。
ステップ180で、基本体積Vを形成する材料は、散乱シグネチャf χで特定され、それらは関連付けられている。
このようにするため、様々な標準材料10の散乱シグネチャf χが提供されている。
これらのキャリブレーション散乱シグネチャは、実験的に求められているか、文献から求められている。基本体積Vにおける材料10の比率γ(i)は、以下の式で決定されるかもしれない。
ここで、Nは、既知のキャリブレーション材料10の数を示している。
それぞれの項γ(i)が基本体積Vにおける材料10の比率を示すベクトルγが取得される。
上記の方法は、先だって、測定系のキャリブレーションパラメータを求めることを仮定する。より正確には、方法は、それぞれの画素に対して、散乱放射線が放出された物体の位置の関数として、画素で検出された散乱放射線の強度分散及び/又は散乱角度を示す分散関数を用いる。従って、それぞれの画素20は、上記の強度空間分散関数gであって、座標zを中心とする基本体積Vによって放出され、画素20に到達する散乱放射線の強度を示す強度空間分散関数gに関連付いている。それぞれの画素の強度空間分散関数を知ることは、上記の強度空間分散行列Gを構成することを可能にする。散乱角度空間分散関数は、hで示され、それは画素20で検出された散乱放射線14θの散乱角の分布を示している。散乱強度角度分散関数は、jで示され、それは画素20で検出された散乱放射線14θの散乱角の分布を散乱角度の関数として示している。この分散関数を知ることは、上記した、画素20の角度応答行列A、及び/又は前記画素の平均散乱角度θを決定することを可能にする。この角度分散関数を知ることで、あるいは、角度応答行列を用いることで、エネルギーEと運動量伝達χとの間での変数の変換を生成することができる。
本発明の1つの目的は、具体的な実験において、これらの分散関数の少なくとも一つを求めることであり、発明者は、この種の決定は、計算コードに基づくモデリングよりも信頼性が高いと考えている。
(強度空間分散関数gの取得)
画素によって測定された散乱関数f χと基本体積Vから放出された放射線の散乱シグネチャf χとの間の移行は、画素20と関連付けられた強度空間分散関数gの使用を要求し、強度空間分散関数gから、上記のステップ160を参照して、強度空間分散行列Gを求めることが可能になる。キャリブレーション物体10を用いて、強度空間分散関数gを実験的に求めることも可能であり、キャリブレーション物体10は、入射コリメートビーム12の伝搬軸12に沿って連続的に移動可能な薄板形状の既知の材料によって形成されている。薄板によって意味することは、基本体積の幅であり、例えば、望ましく取得される空間分解能のオーダである。
図3Aは、図3Bに示されたメインステップに関連付けられて、それぞれの画素20の分散関数を取得することができる装置を示している。キャリブレーション物体10cは、分析すべき物体の基本体積Vを連続的に占めるように、軸12zに沿って移動される。キャリブレーション物体10のそれぞれの位置において、キャリブレーション物体10は照射源11によって照射され、それぞれの画素20kは、キャリブレーション物体10cが位置zに占めるとき、放射散乱のキャリブレーションスペクトルS c,zを取得する。
散乱シグネチャ、すなわち、物体を照射中の散乱放射線の運動量伝達スペクトルが特性ピークを持つように、キャリブレーション物体10は選択されている。例えば、2.0248オングストロームの特性ピークを有する厚さ3mmのアルミニウムが選ばれている。これに対応する運動量伝達χ=2.469nm−1である。キャリブレーション物体の厚さは後に求められる空間分解能に一致していなければならない。1cmよりも高い空間分解能を取得するため、それは、例えば、1mmと1cmの間の範囲にある。
2.5°の角度θで放出された放射散乱を実質的に受けるように設けられた画素20を考える。図3Cはこの画素によって取得された散乱放射のスペクトルS ,c,zを示す。
図3Dに示される規格化されたスペクトルを取得するため、透過モードでの補助検出器20で測定された透過スペクトルS ,cによって、規格化する。透過スペクトルS ,cは、キャリブレーション物体10と相互作用せずに、キャリブレーション物体10を伝搬軸12に平行に通過した放射線のスペクトルに対応する。120keVのエネルギーを中心とするキャリブレーションピークと呼ばれるピークが観測され、これは、χ=2.469nm-1,θ=2.5°の場合の式(2)で得られるエネルギーEに対応する。検出器のエネルギー分解能と、画素20に関連付けられた角度分散のため、キャリブレーションピークは、120keVの両側にまで延びている。図3Dに示す、その積分Ik,c,zは、分光分野において、従来から用いられているスペクトル処理アルゴリムの一つを用いて、容易に取得されるかもしれない。この積分は、キャリブレーション物体が位置zに配置されたときに、キャリブレーションピークにおいて、画素20によって検出された放射線量を示している。キャリブレーション物体10のそれぞれのz位置において、キャリブレーションピークの積分Ik,c,zはキャリブレーションスペクトルS ,c,zから決定され、それは、好ましくは、透過スペクトルS ,cで規格化されている。画素20kに関連付けられた強度空間分散関数gは、位置zの全てに対して、キャリブレーションピークの積分Ik,c,zを含んでいる。換言すると、以下の式となる。
(z)=Ik,c,z
従って、キャリブレーション物体10が物体の位置zを占める場合、キャリブレーション物体10を代表するピークにおいて、画素20によって検出された光子の総量を示す強度値Ik,c,zが取得される。
それぞれの項G(k,z)=g(z)=Ik,c,zである、図3Eに示すような強度空間分散行列Gを求めることが可能になる。この行列は、zを中心とする物体の基本体積Vで発生し、画素20によって検出された散乱放射線の強度を示している。その次元は、(N,N)である。この行列のそれぞれの行kは、前記行に関連付けられた画素20の分散関数gを示す。強度Ik,c,zの値は、グレースケールで示されている。
従って、分散行列の決定は、以下のステップを有している。
検出器20の観察視野において、位置zにキャリブレーション材料と呼ばれる既知の材料で構成されたキャリブレーション物体10を配置すること(ステップ200)、
位置zで、検出器20の画素20によってキャリブレーションスペクトルS ,c,zを測定すること(ステップ210)、
それぞれの散乱スペクトルS ,c,zを、キャリブレーション物体を透過して補助検出器200で測定された透過スペクトルS ,0によって規格化すること(ステップ220)、この規格化は、選択的に、ただし好ましくは、それぞれの規格化された散乱スペクトルにおいて,キャリブレーション物体の構成材料を代表するキャリブレーションピークの強度Ik,c,zを決定しており(ステップ230)、
キャリブレーション物体を第2のコリメータの観察視野における異なる位置zに連続的に移動して、ステップ210〜230を繰り返し行うこと(ステップ240)、及び
前記強度Ik,c,zを用いて、それぞれの画素に関連付けられた空間分散関数gk,zと、空間分散行列Gを取得すること(ステップ250)。
キャリブレーション物体10のある位置zにおいて、画素20によって測定されたキャリブレーションスペクトルS ,c,zは、識別可能なキャリブレーションピークを含んでいないかもしれない。この場合、キャリブレーションスペクトルは、画素と関連付けられた分散関数の決定に考慮されない。
(散乱角度空間分散関数hの取得)
再び図3Bを参照する。ステップ200,210,220,230を通じて、画素20と関連付けられた散乱角度空間分散関数hの決定が実行され、ステップ210〜230は、第2のコリメータ40の異なる位置で実行される。
画素20によって測定され、好ましくは透過スペクトルS ,cで規格化されたキャリブレーションスペクトルS ,c,zのそれぞれにおいて、キャリブレーションピークを構成する材料の代表的なキャリブレーションピークに対応して、エネルギーEk,c,zが決定される。この材料は既知であり、キャリブレーションピークに対応する運動量伝達も既知であり、例えば、アルミニウムでは、χ=2.469nm−1である。ステップ230は、キャリブレーションピークのエネルギーEk,c,zを決定する。
エネルギーEk,c,zを知ることで、このピークに対応する散乱角度θk,c,zは、式(2)を用いて取得可能である。従って、それぞれの位置zに対して、キャリブレーションスペクトルS ,c,zは、識別可能なキャリブレーションピークを有しており、それらは、画素20によって検出された散乱放射線の散乱角度θk,c,zと関連付けられるかもしれない。ステップ235は、この散乱角度を決定する。キャリブレーション材料がある位置zを占める場合、画素は、散乱放射線を収集しないかもしれない。この場合、キャリブレーションスペクトルS ,c,zは、どのようなピークも現れずこの位置での画素に関連する散乱角度がない。
図3Fは、伝搬軸12に沿ったキャリブレーション物体の位置zの関数として、画素20に関連付けられた様々な散乱角度θk,c,zを示す。この図では、横軸が位置zを示し、画素を参照し、ここで、150μm離れた仮想画素の問題である。散乱角度θk,c,zの値はグレースケールで示されている。
位置zの関数として、画素20で検出された散乱放射線散乱角度θk,c,zの分布は、前記画素の散乱角度hの空間分散関数を構成し、それは、h(z)=θk,c,zのようになり、ここでθk,c,zは、キャリブレーション物体の位置zで決定された散乱角度の一つである。この関数は、ステップ260で決定される。図3Fの各行kは、1つの画素20の散乱角度hの空間分散関数を示す。この分散関数は、離散的であり、z座標のみによって定義され、それは、散乱角度θk,c,zが画素20によって決定され、すなわち、散乱角度θk,c,zに対するキャリブレーションスペクトルは使用可能なキャリブレーションピークを有している。
さらに、それぞれの画素20/位置zのペアについて、キャリブレーションピークの強度Ik,c,zを求めるかもしれず、それは強度空間分散関数の決定を参照して記載されている。
画素20に対する平均散乱角度θは、位置zに対応するそれぞれの散乱角度θk,c,zの平均値を求めることで決定されてもよく、その散乱角度は、同じ位置に対応するキャリブレーションピークの強度で重み付けされている。
換言すると、以下の式となる。
図4Aは、様々な画素20に対して得られた平均分散角度θを示す。図4Bは、前記平均分散角度を用いた変数の変換の効果を示す。この図には、16個の仮想画素20・・・2016によって取得されたスペクトルS を合計することで得られた蓄積エネルギースペクトルSが示されている。さらに、それぞれの仮想画素20で取得されたスペクトルは、再キャリブレーションされており、それは式(18)に従ったエネルギーEと運動量伝達の間の変数の変換の効果により得られている。
χ=Esin(θ/2)/(hc)・・・(18)
ここで、θは、画素20に関連付けられた平均散乱角度を示す。このように再キャリブレートされたスペクトルS χで示され、それは、運動量伝達に依存するため、運動量伝達の蓄積スペクトルSχを構成するため、合計される。このスペクトルは図4Bに示される。再キャリブレーションされたスペクトルの合計の結果得られたスペクトルは、アルミニウムのχ=2.469nm−1のキャリブレーションピークをより適切に特定することが可能である。
(強度角度空間分散関数jの取得)
キャリブレーション物体10がそれぞれの位置zに配置された場合、それぞれの画素20について、キャリブレーションスペクトルS ,c,zに渡って取得された強度Ik,c,zと散乱角度θk,c,zを求めることが可能である。強度角度分散関数jは、前記画素について取得することが可能である。θ=θk,c,zの場合、以下の式で表現される。
(θ)=Ik,c,z
図3Bを参照すると、この関数は、ステップ270で決定される。図5Aは、様々な画素に関連付けられた強度角度分散関数を示す。画素20に関連付けられたそれぞれの強度角度分散関数は、離散的であり、散乱角度θk,c,zのみによって決定され、それに対するキャリブレーションスペクトルS ,c,zは使用可能なキャリブレーションピークを有している。グレースケールは、この図において、その強度角度分散関数が示される画素を決定している。それぞれの強度角度分散関数jは、様々な角度θk,c,zの間の連続的な分布を取得するために、補間される。いわゆる補間強度角度分散関数j が取得され、指数iは、角度分散関数が補間された事実を示している。図5Bは、図5Aにプロットされた強度角度分散関数から様々な画素に対して取得された補間強度角度分散関数j を示している。図5Bのグレースケールは、図5Aに使用されたものと同じである。
それぞれの画素20について、画素20に関連付けられた補間強度角度分散関数j は、上記の画素に関連付けられた角度応答行列Aを取得することを可能にする。角度応答行列Aのそれぞれの行(又は列)は、エネルギーEに関連付けられており、前記画素がエネルギーEの放射線を検出する場合、それは運動量伝達χの確率分布を示している。
図5Cは、この種の角度応答行列Aを示しており、E=hcx/sin(θ/2)のとき、そのそれぞれの項A(E,χ)=j(θ)となる。
小さいサイズの物理画素又は仮想画素を使用することは、それぞれの画素の観察視野を制限することを可能とする。このため、本実施例では、E=hcχ/sin(θ/2)の場合、角度応答行列A(E,χ)=1を用いて、角度応答行列Aは対角行列であると考えられ、この対角行列は、図5Dに示され、θは式(17)で定義される。
したがって、強度角度分散関数の決定は、離散的であろうと、補間であろうと、検出器のそれぞれの画素について、角度分散行列を求めることを可能にする。
(それぞれの画素20に対する、参照材料の散乱関数f χ ,refの取得)
ステップ160は、参照材料10refからの放射散乱が検出された場合、それぞれの画素20の散乱関数f χ ,refの知識を要求する
そのような材料の存在において、第2のコリメータ40の観察視野の全ての基本体積Vを占めるので、それぞれの基本体積Vの散乱シグネチャf χ ,refは、参照材料の散乱シグネチャfχ refに対応し、そのシグネチャは、全ての基本体積で既知であり、共通である。それぞれの画素の散乱関数f χ ,refは、式(9)に応じて取得され、行列Fz,refを構成し、このそれぞれの行は、参照材料の散乱シグネチャfχ refに対応している。行列Fk,ref=G.Fz,ref(16)が得られ、行列Fk,refのそれぞれの行はそれぞれの画素20と関連付けられた参照物体10refの散乱関数f χ ,refを示している。
減衰スペクトル関数の取得
方法は、好ましくは、減衰スペクトル関数Att、Attrefの使用を仮定し、それぞれは物体10と参照物体10refによる入射コリメートビーム12の減衰をそれぞれ示す。これらの関数は、透過モードの補助検出器20を用いて取得され、補助検出器は、
入射コリメートビーム12のエネルギースペクトルSincを測定し、このスペクトルは、補助検出器20と第1のコリメータ30との間に物体がない状態で取得され、物体10又は参照物体10refを伝搬軸12に沿って透過した放射線14のエネルギースペクトルS ,ref又はS を測定している。この透過放射線は、物体(又は参照物体)と相互作用しない。
これらのスペクトルを取得して、一般には比の形式である比較によって、減衰スペクトル関数を定義することが可能になる。物体10の減衰Attは、SincとS との比によって取得され、参照物体の減衰Attrefは、SincとS ,refとの比によって取得される。これは以下の式に対応している。
実験
1cmの厚さの銅板10test−1と、1cmの厚さのアルミニウム板10test−2とからなり、これら2枚の板が2cmの間隔離れたテスト物体10test−1を用いた実験が実行された。コリメート角度Θは5°である。実験機は図6Aに示されている。
それぞれの画素20の散乱関数f χを取得することを可能にする参照測定f χ ,ref、Attref(ステップ140参照)は、厚さ10cmのPMMAのブロックを用いて実行された。
補助検出器20を用いて、透過スペクトルS χ ,refが決定される前に、最初に、PMMAが配置される。補助検出器は、補助検出器20と第1のコリメータ30との間に物体がない状態で、入射コリメートビーム12のスペクトルSincを測定することができる。スペクトル関数Attrefは、参照材料の減衰のための手法で、式(21)にしたがって、S χ ,refとSincとの比に基づいて決定される。
ここではPMMAである、参照材料の放射散乱のスペクトルS ,refは、様々な仮想画素20に対して決定される。図6Bは、これらの様々なスペクトルを示す。この図において、横軸はエネルギーを示し、縦軸はそれぞれの仮想画素の番号を示し、カラーコードはスペクトルの振幅を示す。この図のそれぞれのラインは、それぞれの画素で取得されたスペクトルを示し、強度はグレースケールで示されている。
スペクトルS とSincとをそれぞれ取得するために、テスト物体を用いた及び用いない補助検出器20によるスペクトルの測定を実行することで、テスト物体10testの減衰スペクトル関数Attが決定され、その比は式(20)にしたがって、減衰スペクトル関数Attを求めることができる
テスト物体の散乱スペクトルS は、様々な仮想画素20によって取得され、これらのスペクトルは図6Cに示されている。この図において、横軸はエネルギーを示し、縦軸は各仮想画素の番号を示し、強度はグレースケールで示されている。
それぞれの画素において、規格化されたスペクトルS’ を取得するために、それぞれの散乱スペクトルS は、散乱スペクトルS ,refを用いて式(7)で規格化される。
運動量伝達χの関数で示されたそれぞれの画素20の散乱関数f χ(式(8))は、式(16)により得られた、参照材料の散乱関数f χ ,refを用いることでそれぞれの規格化されたスペクトルS’k’ から得られる。図6Dと図6Eは、エネルギーの関数と運動量伝達の関数で示された散乱関数f 、f χをそれぞれ示す。強度はグレーススケールで示されている。
分散行列Gを知ることで、物体内で、伝搬軸12に沿って分布した様々な基本体積の散乱シグネチャf χが、式(9)と式(10)を適用することで得られる。散乱シグネチャは図6Fにプロットされ、座標z=0は、試験物体の中心を示している。アルミニウム(Al)と銅(Cu)の特定のシグネチャは、実際に得られる。
図6Gは、座標zの関数として決定された様々な材料を示している。銅とアルミニウムが正しく特定されている。2つの材料の間のエアギャップは特定されておらず、それはアルミニウムと銅の間の空間はアルミニウム又は銅によって占められていることを説明している。物体の一端における水の存在は、エッジ効果の結果である。
本発明は、非破壊試験用途、又は医療診断補助のいずれかに利用することが可能であり、明細書に詳述したような単一チャネルを含むコリメータ、又は、複数のチャネルを含むコリメータを採用することができる。
さらに、単一のチャネル42を有する第2のコリメータ40に関係して記載されたが、画素が異なるチャネルを介して物体を見るという観点から、角度分散関数又は空間分散関数を意味する分散関数を求める方法は、例えば、複数のチャネルを有し、そのチャネルが互いに平行に配置されたコリメータや、マスクタイプコリメートのような、その他のコリメートタイプを適用することができる。

Claims (9)

  1. 物体を分析するための分析装置のキャリブレーション方法であり、前記分析装置は、
    前記物体を照射するよう構成され、伝搬軸に沿って前記物体に向かう電離した電磁波を放出するように設けられた照射源と、
    少なくとも1つの画素を有し、照射された前記物体で散乱された放射線を検出し、そのエネルギースペクトルを取得するために構成された検出器であって、前記散乱された放射線は、前記伝搬軸に対して散乱角度と呼ばれる鋭角の方向に伝搬しており、
    前記キャリブレーション方法は、以下のステップを有し、
    a)少なくとも1つの前記画素がキャリブレーション物体によって散乱された放射線を検出して、そのエネルギースペクトルを取得するように、前記照射源によってキャリブレーション物体を照射し、
    b)前記キャリブレーション物体を前記伝搬軸に沿って異なる位置に連続的に移動し、物体のそれぞれの位置で、前記画素により、キャリブレーションスペクトルと称される前記キャリブレーション物体で散乱された放射線のスペクトルを取得して、それぞれのキャリブレーションスペクトルは、前記キャリブレーション物体の位置に関連付けられており、
    c)ステップb)の間に取得されたそれぞれのキャリブレーションスペクトルにおいて、前記キャリブレーション物体の特性キャリブレーションピークを特定し、
    d)ステップc)において特定されたそれぞれキャリブレーションピークからパラメータを決定し、
    e)ステップd)の間に決定されたパラメータから、前記キャリブレーション物体の様々な位置において前記画素に関連付けられた分散関数を取得し、前記分散関数は前記キャリブレーション物体の前記様々な位置で前記画素によって検出された散乱放射線の強度及び/又は散乱角度を示すものである、
    方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    ステップd)は、それぞれのキャリブレーションスペクトルにおいて特定されたキャリブレーションピークを決定することを含み、
    ステップe)は、強度空間分散関数をキャリブレーション物体のそれぞれの位置で決定されたキャリブレーションピークの強度から決定することを含んでおり、前記分散関数は前記キャリブレーション物体の位置の関数として前記画素で検出された散乱放射線の量を示している、
    方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、
    ステップd)は、それぞれのキャリブレーションスペクトルで特定されたキャリブレーションピークのエネルギーを決定することを含み、
    ステップe)は、
    それぞれのキャリブレーションスペクトルで決定された前記エネルギーから散乱角度を計算すること、及び
    前記キャリブレーション物体のそれぞれの位置で取得された前記散乱角度から、散乱角度の空間分散関数を決定することを含み、
    前記分散関数は、前記キャリブレーション物体の位置の関数として、前記画素で検出された散乱放射線の前記散乱角度を示す、
    方法。
  4. 請求項3に記載の方法であって、f)前記画素に対する平均散乱角度を決定することを含んでいる方法。
  5. 請求項1に記載の方法であって、
    ステップd)は、それぞれのキャリブレーションスペクトル特定された前記キャリブレーションピークの強度とエネルギーを決定することを含み、
    ステップe)は、
    それぞれのキャリブレーションピークで決定された前記エネルギーから散乱角度を計算すること、前記散乱角度はキャリブレーションピークの前記強度に関連付けられており、
    前記放射線の散乱角度の関数として、前記画素で検出された散乱放射線の強度分布を示す強度角度分散関数を決定すること、を含んでいる、
    方法。
  6. 請求項5に記載の方法であって
    方法はステップf’)を含み、
    ステップf’)では、補間強度角度分散関数を取得するために、ステップe)で取得されたキャリブレーション物体のそれぞれ位置での様々な散乱角度の間において、強度角度分散関数を補間する、
    方法。
  7. 請求項6に記載の方法であって
    方法は、ステップg)を含み、
    ステップg)では、前記補間強度角度分散関数から、前記画素に関連付けられた角度応答行列を決定し、前記行列のそれぞれの行と列は、エネルギーに関連付けられており、前記画素が前記エネルギーで散乱放射線を検出したときの運動量伝達の確率分布を示す、方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、検出器は、複数の画素を含み、方法は、それぞれの画素に対して前記分散関数の決定を含んでいる、
    方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、前記画素は、前記検出器の物理画素をサブピクセル化した仮想画素である方法。
JP2016248925A 2015-12-24 2016-12-22 X線回折システムのキャリブレーション方法 Active JP6967851B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR1563318 2015-12-24
FR1563318A FR3046241B1 (fr) 2015-12-24 2015-12-24 Procede de calibration d’un systeme d’analyse par diffraction x

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017142233A true JP2017142233A (ja) 2017-08-17
JP6967851B2 JP6967851B2 (ja) 2021-11-17

Family

ID=55971123

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016248925A Active JP6967851B2 (ja) 2015-12-24 2016-12-22 X線回折システムのキャリブレーション方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US10386508B2 (ja)
EP (1) EP3185002B1 (ja)
JP (1) JP6967851B2 (ja)
FR (1) FR3046241B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017142232A (ja) * 2015-12-24 2017-08-17 コミサリア ア レネルジ アトミク エ オウ エネルジ アルタナティヴ X線回折により物体を分析する方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR3082945B1 (fr) * 2018-06-22 2020-06-05 Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives Procede de caracterisation d'un objet par imagerie spectrale
CA3116422A1 (en) * 2018-10-19 2020-04-23 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation An energy dispersive x-ray diffraction analyser having an improved reflection geometry
CN109655475B (zh) * 2019-01-23 2020-04-07 同济大学 一种能谱仪探测深度的标定方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7092485B2 (en) * 2003-05-27 2006-08-15 Control Screening, Llc X-ray inspection system for detecting explosives and other contraband
JP2007024894A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Jordan Valley Semiconductors Ltd 試料の検査方法および装置
WO2014045045A1 (en) * 2012-09-20 2014-03-27 The University Of Manchester A dispersive diffraction projection imaging system
US20140348298A1 (en) * 2011-12-28 2014-11-27 Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives Method Of Analysing A Sample Of Material By Diffractometry And Associated Diffractometer
JP2015152607A (ja) * 2014-02-18 2015-08-24 パナリティカル ビー ヴィ X線解析装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6947520B2 (en) * 2002-12-06 2005-09-20 Jordan Valley Applied Radiation Ltd. Beam centering and angle calibration for X-ray reflectometry
US7901136B2 (en) * 2008-11-19 2011-03-08 Morpho Detection, Inc. Methods and system for calibrating and correcting a detection system
FR3023000B1 (fr) 2014-06-30 2016-07-29 Commissariat Energie Atomique Procede et systeme d'analyse d'un objet par diffractometrie utilisant un spectre en diffusion et un spectre en transmission
FR3046240A1 (fr) * 2015-12-24 2017-06-30 Commissariat Energie Atomique Procede d’analyse d’un objet par diffraction x

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7092485B2 (en) * 2003-05-27 2006-08-15 Control Screening, Llc X-ray inspection system for detecting explosives and other contraband
JP2007024894A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Jordan Valley Semiconductors Ltd 試料の検査方法および装置
US20140348298A1 (en) * 2011-12-28 2014-11-27 Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives Method Of Analysing A Sample Of Material By Diffractometry And Associated Diffractometer
WO2014045045A1 (en) * 2012-09-20 2014-03-27 The University Of Manchester A dispersive diffraction projection imaging system
JP2015152607A (ja) * 2014-02-18 2015-08-24 パナリティカル ビー ヴィ X線解析装置

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
MONTEMONT, GUILLAUME: "An Autonomous CZT Module for X-ray Diffraction Imaging", 2013 IEEE NUCLEAR SCIENCE SYMPOSIUM AND MEDICAL IMAGING CONFERENCE(2013 NSS/MIC), JPN6021001643, 2013, pages 1 - 4, XP032601839, ISSN: 0004430280, DOI: 10.1109/NSSMIC.2013.6829819 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017142232A (ja) * 2015-12-24 2017-08-17 コミサリア ア レネルジ アトミク エ オウ エネルジ アルタナティヴ X線回折により物体を分析する方法
JP7007091B2 (ja) 2015-12-24 2022-01-24 コミサリア ア レネルジ アトミク エ オウ エネルジ アルタナティヴ X線回折により物体を分析する方法

Also Published As

Publication number Publication date
FR3046241B1 (fr) 2018-01-26
FR3046241A1 (fr) 2017-06-30
US10386508B2 (en) 2019-08-20
EP3185002A1 (fr) 2017-06-28
JP6967851B2 (ja) 2021-11-17
US20170184739A1 (en) 2017-06-29
EP3185002B1 (fr) 2018-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7007091B2 (ja) X線回折により物体を分析する方法
JP5054518B2 (ja) 物質の平均原子番号及び質量を求めるための方法及びシステム
US9335281B2 (en) Apparatus for coded aperture X-ray scatter imaging and method therefor
JP6786401B2 (ja) 透過スペクトル次いで散乱スペクトルを使用して2つのステージで物体を解析する方法
Santodonato et al. The CG-1D neutron imaging beamline at the oak Ridge National Laboratory high flux isotope reactor
JP6967851B2 (ja) X線回折システムのキャリブレーション方法
US10121561B2 (en) Collimator for X-ray diffraction spectroscopy, associated device and its use
De Mesquita et al. Industrial tomography using three different gamma ray
US20110081003A1 (en) Method and system for performing materials analysis with reflected inelastic scatter
Greenberg et al. Coding and sampling for compressive x-ray diffraction tomography
Barbes et al. Material-specific imaging system using energy-dispersive X-ray diffraction and spatially resolved CdZnTe detectors with potential application in breast imaging
CN1614400A (zh) 位置分辨地确定检查对象内元素浓度的方法和装置
JP6678602B2 (ja) 散乱スペクトルおよび透過スペクトルを使用して回折法によって物体を解析するための方法およびシステム
Ghammraoui et al. New software to model energy dispersive x-ray diffraction in polycrystalline materials
US9188551B2 (en) Angle-dependent X-ray diffraction imaging system and method of operating the same
Harding et al. X-ray diffraction imaging for explosives detection
JP6770866B2 (ja) スペクトルを修正するための方法
Sosa et al. Compact energy dispersive X-ray microdiffractometer for diagnosis of neoplastic tissues
Stuchebrov et al. Estimation of radiation doses in X-ray visualization of biological objects
Scot et al. 3D extension of the Monte Carlo code MCSHAPE for photon–matter interactions in heterogeneous media
Hazineh et al. Coding versus collimation in pencil-beam x-ray diffraction tomography
US11872071B2 (en) Method for correcting a spectral image
Busi et al. A Monte Carlo simulation of scattering reduction in spectral x-ray computed tomography
Wieder et al. A novel multi slit X-ray backscatter camera based on synthetic aperture focusing
Greenberg et al. Structured illumination for compressive x-ray diffraction tomography

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191211

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210928

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211026

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6967851

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150