JP2017141781A - エンジンの吸気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンルーム内の限られたスペースにおいて、吸気管がその他の部材と干渉するのを避けながら、吸気管の流路断面積を十分に確保すること。【解決手段】エンジン本体と、当該エンジン本体の外壁面から外側に突出する突出部と、前記エンジン本体の吸気ポートに接続された吸気管とを備えるエンジンの吸気装置であって、前記吸気管は、前記突出部に向かって延びる上流側吸気管と、当該上流側吸気管の下流側端部から前記突出部をその両側で迂回するように分岐する第1分岐管および第2分岐管とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンの吸気装置に関する。
近年、エンジンルームの限られたスペース内で吸気管にその周辺の部品が干渉するのを避けるための技術が開発されており、その一例が特許文献1に開示されている。
特許文献1には、車両のブレーキ装置を構成するマスタシリンダが吸気管と干渉するのを避けるために、吸気管を反マスタシリンダ側に湾曲させることが開示されている。
特開2002−155750号公報
ところで、エンジンの出力を十分に確保するためには、吸気管の流路断面積を十分に確保する必要があるが、エンジンルーム内にはマスターシリンダ以外にも多数の部材が存在するため、吸気管を配索できるスペースは限られており、そのような状況下で、特許文献1のように吸気管を単に湾曲させるだけでは、全ての部材との干渉を避けながら、吸気管の流路断面積を十分に確保することが難しい場合がある。
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、エンジンルーム内の限られたスペースにおいて、吸気管がその他の部材と干渉するのを避けながら、吸気管の流路断面積を十分に確保することができるエンジンの吸気装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、エンジン本体と、当該エンジン本体の外壁面から外側に突出する突出部と、前記エンジン本体の吸気ポートに接続された吸気管とを備えるエンジンの吸気装置であって、前記吸気管は、前記突出部に向かって延びる上流側吸気管と、当該上流側吸気管の下流側端部から前記突出部をその両側で迂回するように分岐する第1分岐管および第2分岐管とを備えるエンジンの吸気装置を提供する。
本発明によれば、吸気管は、突出部に向かって延びる上流側吸気管と、当該上流側吸気管の下流側端部から突出部をその両側で迂回するように分岐する第1分岐管および第2分岐管とを備えているため、上記突出部の両側に吸気の流通領域を確保することができる。これにより、エンジンルーム内の限られたスペースにおいて、吸気管が上記突出部と干渉するのを避けながら、吸気管の流路断面積を十分に確保することができる。つまり、特許文献1のように、障害物の一方側にのみ吸気管を迂回させる構成では、障害物の近くに別の障害物が存在する場合には、吸気管がそれらの障害物と干渉するのを避けるために、吸気管の流路断面積をそれらの障害物の間で十分に確保できない虞があるが、本発明によれば、上記突出部の一方側に確保し得る配管スペースと他方側に確保し得る配管スペースの各々が比較的小さくても、突出部の両側に設けられる分岐管の流路断面積を足し合わせることで全体として比較的大きな流路断面積を確保することができる。
本発明は、前記エンジンは、当該エンジンの排気ガスで駆動される排気ターボ過給機と、電動モータにより駆動される電動過給機と、前記排気ターボ過給機から排出される吸気および前記電動過給機から排出される吸気を冷却するインタークーラとを備えるものであって、前記第1分岐管と前記第2分岐管とは、流路断面積が略同じであるとともに前記突出部より下流側で合流し、前記上流側吸気管の途中に前記排気ターボ過給機が介設され、前記吸気管は、前記第1分岐管と前記第2分岐管とが前記突出部より下流側で合流する合流部と、その下流側で二股状に分岐する第3分岐管および第4分岐管とをさらに備え、前記第3分岐管は、前記インタークーラに接続され、前記第4分岐管の途中に、前記電動過給機が介設されている場合に好適である。
この構成によれば、第1分岐管と第2分岐管とは、流路断面積が略同じであるが、これら第1分岐管と第2分岐管とを合流させて、その合流部の下流側で第3分岐管と第4分岐管とを分岐させるので、それら第3分岐管および第4分岐管の流路断面積を適切に設定することにより、電動過給機およびインタークーラに対する吸気の供給量を適切に設定することができる。さらに、吸気管を第1分岐管と第2分岐管とに分岐させることにより、吸気管の表面積を増やすことができるため、インタークーラの放熱量の負担を軽減することができ、インタークーラを小型化することができる。
本発明においては、前記第1分岐管と前記第2分岐管とは、長さが略同じであることが好ましい。
この構成によれば、第1分岐管と第2分岐管の長さが略同じであり、しかも、第1分岐管と第2分岐管の流路断面積が略同じであるため、これら第1分岐管と第2分岐管との吸気の流通抵抗が略同じになる。これにより、第1分岐管と第2分岐管とで吸気流通抵抗のバランスが良くなり、エンジンに効率よく吸気を送り込むことができる。
本発明は、前記エンジンが、当該エンジンの排気ガスで駆動される排気ターボ過給機と、電動モータにより駆動される電動過給機と、前記排気ターボ過給機から排出される吸気および前記電動過給機から排出される吸気を冷却するインタークーラとを備えるものであって、前記第1分岐管は前記第2分岐管よりも流路断面積が大きく設定されており、前記上流側吸気管の途中に前記排気ターボ過給機が介設され、前記第1分岐管は、前記インタークーラに接続され、前記第2分岐管の途中に、前記電動過給機が介設されている場合に好適である。
この構成によれば、第1分岐管の流路断面積が第2分岐管の流路断面積よりも大きく設定されているため、第1分岐管を流れる吸気量を第2分岐管よりも多くすることができ、インタークーラに十分な量の吸気を送り込むことができる。これにより、排気ターボ過給機から排出された吸気をインタークーラで十分に冷却することができる。さらに、吸気管を第1分岐管と第2分岐管とに分岐させることにより、吸気管の表面積を増やすことができるため、インタークーラの放熱量の負担を軽減することができ、インタークーラを小型化することができる。
本発明においては、前記エンジン本体の気筒列方向の一方側の端部に配置され、クランク軸の回転力を吸気弁駆動軸および排気弁駆動軸に伝達する動力伝達機構を覆うカバー部材をさらに備え、前記吸気管のうち、前記上流側吸気管から前記第1分岐管および前記第2分岐管が分岐する部分である分岐部と前記カバー部材とが一体に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、分岐部とカバー部材とが一体に形成されているため、分岐部とカバー部材との距離を短くすることができ、分岐部とエンジンルーム内の他の部材との干渉を抑制することができる。
本発明は、前記エンジンは、気筒列方向が車両前後方向に向くように配置された縦置きエンジンであり、前記突出部は、前記エンジン本体の車両前後方向における後端部から、前記エンジンルームと車室とを仕切るダッシュパネルに向かって突出するものであり、前記第1分岐管が前記突出部の上側の面に沿って配置され、前記第2分岐管が前記突出部の下側の面に沿って配置されている場合に好適である。
この構成によれば、第1分岐管が上記突起部の上側の面に沿って配置され、第2分岐管が上記突起部の下側の面に沿って配置されているため、上記突起部の上側と下側に吸気の流通領域を確保することができ、これにより、第1分岐管と第2分岐管の径を比較的小さく設定しても、第1分岐管と第2分岐管の全体で十分な吸気量を確保することが可能となり、その結果、縦置きエンジンの後端部とダッシュパネルとの距離を狭めつつ、吸気管が上記部材と干渉するのを避けながら、吸気管の流路断面積を十分に確保することができる。
以上説明したように、本発明によれば、エンジンルーム内の限られたスペースにおいて、吸気管がその他の部材と干渉するのを避けながら、吸気管の流路断面積を十分に確保することができる。
本発明の実施形態に係るエンジンシステムを示す概略図である。 本発明の実施形態に係るエンジンシステムを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るエンジンシステムを気筒列方向一端側(車両前後方向後側)から見た側面図である。 図3におけるA−A線断面図である。 図3に示すエンジンシステムの変形例を示す側面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について詳述する。
(エンジンの構成)
本実施形態に係る吸気装置が適用されるエンジン1(図1〜3参照)は、自動車等の車両用エンジンであり、車両前部のエンジンルーム内において、吸気ポート3が車両左側を向き且つ排気ポート4が車両右側を向くように縦置きに配置された(気筒列方向が車両前後方向を向くように配置された)直列4気筒のディーゼルエンジンである。なお、図1には、4つの気筒(気筒列方向の一方側から他方側に並ぶ第1〜第4気筒)2のうち、1つの気筒2のみを示している。
図2に示されるように、エンジン1は、シリンダブロック1aと、このシリンダブロック1aの上側に設けられるシリンダヘッド1bと、このシリンダヘッド1bの上側に設けられるシリンダヘッドカバー1cと、シリンダブロック1aおよびシリンダヘッド1bの気筒列方向の一端部に設けられ、クランク軸の回転力を吸気弁駆動軸及び排気弁駆動軸に伝達する動力伝達機構(図示略)と、この動力伝達機構を覆うカバー部材71とを備えており、このカバー部材71の下方には、エンジン1の回転数を適切な回転数に変換するトランスミッション70が設けられている。
動力伝達機構は、クランク軸75a(図4参照)に設けられるとともに2つのスプロケットが同軸上で結合されたクランク側2段スプロケット75i(図4参照)と、燃料ポンプ駆動軸に設けられるとともに2つのスプロケットが同軸上で結合された燃料ポンプ側2段スプロケットと、オイルポンプ駆動軸に設けられるオイルポンプ側スプロケットと、吸気弁駆動軸に設けられる吸気側ギヤおよび吸気側スプロケットと、排気弁駆動軸に設けられるとともに吸気側ギヤと噛み合う排気側ギヤと、クランク側2段スプロケット75iの一方のスプロケットとオイルポンプ側スプロケットに巻き掛けられる第1タイミングチェーンと、クランク側2段スプロケット75iの他方のスプロケットと燃料ポンプ側2段スプロケットの一方のスプロケットに巻き掛けられる第2タイミングチェーンと、燃料ポンプ側2段スプロケットの他方のスプロケットと吸気側スプロケットに巻き掛けられる第3タイミングチェーンと、排気弁の開閉タイミングを変更する排気可変バルブタイミング機構(以下、「排気側VVT」と称する)75j(図8参照)とを有している。
図3に示されるように、カバー部材71は、吸気側ギヤ、吸気側スプロケット75b、および排気側VVT75jを覆う上側カバー部71aと、上側カバー部71aと一体に形成され、排気側ギヤ、燃料ポンプ側2段スプロケット、および第3タイミングチェーンを覆う中間カバー部材71bと、上側カバー部71aおよび中間カバー部材71bとは別体に構成され、第2タイミングチェーン、クランク側2段スプロケット75i、および第1タイミングチェーンを覆う下側カバー部71cとを備えている。
上側カバー部71aおよび中間カバー部71bは、合成樹脂により一体成型されており、エンジン1の気筒列方向の一方側の端部(車両前後方向後側の端部)にボルト締結されている。
下側カバー部71cは、アルミニウム合金等の金属により構成されており、上側カバー部71aおよび中間カバー部71bの下側において、エンジン1の気筒列方向の一方側の端部にボルト締結されている。下側カバー部71cの反エンジン側の面には、トランスミッション70がボルト締結されている。
図2に示されるように、上側カバー部71aは、中間カバー部71bおよび下側カバー部71cよりも気筒列方向の一方側(車両前後方向の後側)に突出している。
図1に示されるように、エンジン1の各気筒2には、燃焼室2aが形成されている。各燃焼室2aには、吸気ポート3及び排気ポート4が開口し、これらのポートに吸気弁5および排気弁6が設けられている。さらに各燃焼室2aの上部には燃料噴射弁7が設けられている。
(吸気装置等の構成)
本実施形態に係る吸気装置は、上記エンジン1の吸気ポート3に接続されており、過給装置に吸気(新気)を送り込むとともに、過給装置から排出された吸気をインタークーラ16を介して吸気ポート3に送り込む機能を有している。
以下、エンジン1、吸気管12(本発明の「吸気装置」に相当する)、エンジン1の排気ポート4に接続される排気管13、および過給装置を含むエンジンシステムの構成要素について詳細に説明する。
図1に示されるように、吸気管12は、概略的には、各吸気ポート3に接続される1つの吸気マニホールド10と、吸気流れ方向における吸気マニホールド10の上流側に設けられた1つの共通吸気管13とを備えている。共通吸気管13は、本発明の「吸気管」に相当する。この吸気マニホールド10と共通吸気管13との間には、インタークーラ16が介設されている。
図1に示されるように、吸気マニホールド10は、インタークーラ16の下流側端部と吸気ポート3とを繋いでいる。
インタークーラ16は、水冷式のインタークーラであり、図2に示されるように、熱交換器16f(図1参照)を有するインタークーラコア16aと、このインタークーラコア16aの上側に設けられる上流側タンク16bと、インタークーラコア16aの下側に設けられる下流側タンク(図示略)とを備えている。
図1に示されるように、共通吸気管13には、吸気流れ方向における上流側から順に、エアクリーナ14、第1の排気ターボ過給機11のコンプレッサホイール43(以下、「第1のコンプレッサ43」と称する)、第2の排気ターボ過給機15のコンプレッサホイール44(以下、「第2のコンプレッサ44」と称する)、および第1の流量調節弁(スロットルボディ)17が設けられている。第1の排気ターボ過給機11および第2の排気ターボ過給機15は、本発明の「排気ターボ過給機」に相当する。共通吸気管13のうち、第1のコンプレッサ43とインタークーラ16との間の部分を、以下の説明では、当該部分をメイン吸気管13cと称する。
メイン吸気管13cは、第1の排気ターボ過給機11の第1のコンプレッサ43から延出して、第2の排気ターボ過給機15の第2のコンプレッサ44を経由して、エンジン1の気筒列方向の一方側(車両前後方向の後側)の端部から突出する突出部、より具体的には、上側カバー部71aをその上側および下側で二股状に迂回するように第1分岐管13c1(上側)および第2分岐管13c2(下側)に分岐している。以下の説明では、メイン吸気管13cにおいて、第1分岐管13c1および第2分岐管13c2が分岐する部分を分岐部82と称する。また、以下の説明では、メイン吸気管13cのうち、第1のコンプレッサ43から分岐部82までの部分を上流側吸気管13eと称する。
第1分岐管13c1と第2分岐管13c2とは、略同じ長さで且つ略同じ流路断面積を有している。第1分岐管13c1と第2分岐管13c2とは、上側カバー部材71aより下流側で合流し、エンジン1の排気側の側面に沿ってインタークーラ16に向かって延びている。第1分岐管13c1と第2分岐管13c2の合流部13c3からインタークーラ16までの部分は、本発明の「第3分岐管」に相当する。
図1に示されるように、メイン吸気管13cにおける第2のコンプレッサ44の下流側には、第1の流量調節弁17をバイパスする電動過給バイパス管21が接続されている。電動過給バイパス管21は、本発明の「第4分岐管」に相当する。
詳しく説明すると、電動過給バイパス管21は、第2のコンプレッサ44の下流側において共通吸気管13に並列に設けられた通路であって、共通吸気管13のうち吸気流れ方向において互いに離間する第1の位置13aと当該第1の位置13aの下流側に位置する第2の位置13bとを繋ぐ1つの通路である。電動過給バイパス管21は、メイン吸気管13cの中途部の第1の位置13aから下方に向けて分岐し、エンジン1の吸気側の側面に沿って配置され、メイン吸気管13cにおける第1の流量調節弁17とインタークーラ16との間の部分13d(以下、「下流側配管13d」と称する)に接続されている。電動過給バイパス管21には、吸気流れ方向における上流側から順に、電動過給機18および第2の流量調節弁19が設けられている。図示例では、上記第1の位置13aは、エンジン1の気筒列方向の一方側の端部(車両前後方向の後端部)付近に設定されている。第1の流量調節弁17および第2の流量調節弁19は、後述のECU(Electronic Control Unit)100により開閉制御される。
上記分岐部82は、エンジンルームと車室とを仕切るダッシュパネル80と、エンジン1の車両前後方向における後端部との間に配置されるとともに、カウルトップパネル81の下方に配置されている(図4参照)。図4に示されるように、ダッシュパネル80は、上下方向に延びるパネル本体80aと、パネル本体80aを補強するための部材であって車幅方向に延びてパネル本体80aのエンジン1側の面にエンジン1側に突出するように設けられる補強リブ80bとを備えている。
なお、図1に示される符号21aは、電動過給バイパス管21における電動過給機18の上流側部分を示し、符号21bは、電動過給バイパス管21における電動過給機18の下流側部分を示している。
電動過給機18は、電動モータ18aと、電動モータ18aにより直接駆動されるインペラ18bとを備えている。電動過給機18は、電動モータ18aにより駆動されるため、応答性が良好であり、速やかに過給圧を高めることができ、さらに、エンジン1の運転状態(エンジン回転数等)に影響を受けることなく過給圧を高めることができる。この特性を生かして、エンジン1が低回転域にある状況や、過給に遅れが生じるターボラグといった排気ターボ過給機11,15が過給を行えない状況で、排気ターボ過給機11,15の過給圧が高まるまでの過給を補うために電動過給機18が駆動される。
図2に示されるように、電動過給機18は、エンジン1における吸気ポート3(図1参照)が設けられている側の側面25に沿って、吸気マニホールド10およびインタークーラ16の下方に配置されている。電動過給機18の動作は、ECUにより制御される。
図1に示されるように、排気管30は、排気マニホールド31と、共通排気管33とを有する。
排気マニホールド31は、各気筒2の排気ポート4に接続される4つの独立排気管と、各独立排気管の下流端部を束ねることにより構成された1つの集合管部とを有する。排気流れ方向における集合管部の下流端部には、共通排気管33の上流端部が接続されている。
共通排気管33には、排気流れ方向における上流側から順に、第2の排気ターボ過給機15のタービンホイール41(以下、「第2のタービン41」と称する)、第1の排気ターボ過給機11のタービンホイール40(以下、「第1のタービン40」と称する)、排気浄化装置34、および排気シャッター弁37が設けられている。排気シャッター弁37は、ECU100により開閉制御される。
排気浄化装置34は、触媒機能と、ディーゼルスモークの排気微粒子(PM)を捕集する機能とを有するものであり、具体的には酸化触媒35と、この酸化触媒35の下流側に配置されたディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)36とを備えている。
図1に示されるように、共通吸気管13と共通排気管33との間には、第1の排気ターボ過給機11および第2の排気ターボ過給機15が設けられている。第1の排気ターボ過給機11および第2の排気ターボ過給機15により、2ステージ(2段)で過給が行われるようになっている。なお、電動過給機18が駆動される場合には、全部で3ステージ(3段)の過給が行われる。
第1の排気ターボ過給機11は、排気ガスのエネルギーで駆動されて回転する第1のタービン40と、第1のタービン40にシャフト42を介して連結された第1のコンプレッサ43とを備え、第1のタービン40の回転に連動した第1のコンプレッサ43の回転により吸気を過給する。
第2の排気ターボ過給機15は、排気ガスのエネルギーで駆動されて回転する第2のタービン41と、第2のタービン41にシャフト45を介して連結された第2のコンプレッサ44とを備え、第2のタービン41の回転に連動した第2のコンプレッサ44の回転により吸気を過給する。
さらに、図1に示されるように、吸気管12と排気管30との間には、低圧用(LP−)EGR通路50と、高圧用(HP−)EGR通路60とが設けられている。
LP−EGR通路50は、共通排気管33における排気浄化装置34の排気流れ方向下流側と共通吸気管13における第1のコンプレッサ43の吸気流れ方向上流側との間を連通し、第1のタービン40および第2のタービン41を駆動した後の比較的圧力の低い排気ガスの一部を吸気管12に還流するものである。LP−EGR通路50にはLP−EGR弁51が設けられ、LP−EGR弁51はECU100により開閉制御される。また、LP−EGR弁51の排気流れ方向上流側には、LP−EGRクーラ52が設けられている。
HP−EGR通路60は、共通排気管33における第2のタービン41の排気流れ方向上流側とサージタンク9との間を連通し、第1のタービン40および第2のタービン41を駆動する前の比較的高温で圧力の高い排気ガスの一部を吸気管12に還流するものである。HP−EGR通路60にはHP−EGR弁61が設けられ、HP−EGR弁61はECU100により開閉制御される。また、HP−EGR弁61の排気流れ方向上流側にはHP−EGRクーラ62が設けられている。さらに、HP−EGR通路60には、HP−EGR弁61およびHP−EGRクーラ62をバイパスするEGRバイパス管20が接続されている。EGRバイパス管20には、EGRバイパス弁22が設けられており、EGRバイパス弁22はECU100により開閉制御される。
ECU100は、CPU、RAM、ROM等から構成されたマイクロコンピュータであり、ROMに予め格納されたプログラムにより生成される制御信号により、各制御対象を制御するように構成されている。
ECU100は、クランク角やアクセルペダルの踏込量等を含む車両の運転状態を検知する複数のセンサ(図示略)に通信線を介して接続されており、この通信線を通じて各センサから車両の運転状態を示す信号を入力する。ECU100は、入力した信号に基づいて、第1の流量調節弁17、第2の流量調節弁19、電動過給機18、EGRバイパス弁22、排気シャッター弁37、HP−EGR弁61、LP−EGR弁51等を制御するための制御信号を生成する。ECU100は、第1の流量調節弁17、第2の流量調節弁19、電動過給機18、EGRバイパス弁22、排気シャッター弁37、HP−EGR弁61、LP−EGR弁51等に通信線を介して接続されており、この通信線を通じてこれらの制御対象に制御信号を送信する(図1の破線矢印参照)。
第1の流量調節弁17および第2の流量調節弁19のうち、開弁している流量調節弁の開度は、アクセルペダルの踏込量等に応じて変更することが可能である。つまり、第1の流量調節弁17は、吸気管12を閉鎖する機能と、吸気の流通面積を変更することにより吸入空気量を制御するスロットルバルブとしての機能の両方を有している。同様に、第2の流量調節弁19は、電動過給バイパス管21を閉鎖する機能と、吸気の流通面積を変更することにより吸入空気量を制御するスロットルバルブとしての機能の両方を有している。
以上説明したように、本実施形態によれば、メイン吸気管13cは、突出部である上側カバー部71aに向かって延びる上流側吸気管13eと、上流側吸気管13eの下流側端部から上側カバー部71aをその上側と下側で迂回するように分岐する第1分岐管13c1および第2分岐管13c2を備えているため、上側カバー部71aの上側および下側に吸気の流通領域を確保することができる。これにより、エンジンルーム内の限られたスペースにおいて、メイン吸気管13cが上側カバー部71aと干渉するのを避けながら、メイン吸気管13cの流路断面積を十分に確保することができる。つまり、本実施形態によれば、上側カバー部71aの上側に確保し得る配管スペースと下側に確保し得る配管スペースの各々が比較的小さくても、上側カバー部71aの上側と下側に設けられる分岐管の流路断面積を足し合わせることで全体として比較的大きな流路断面積を確保することができる。
また、本実施形態によれば、第1分岐管13c1と第2分岐管13c2とは、流路断面積が略同じであるが、これら第1分岐管13c1と第2分岐管13c2とを合流させて、その合流部の下流側で下流側配管13dから電動過給バイパス管21を分岐させるので、それら下流側配管13dと電動過給バイパス管21の流路断面積を適切に設定することにより、電動過給機18およびインタークーラ16に対する吸気の供給量を適切に設定することができる。さらに、メイン吸気管13cを第1分岐管13c1と第2分岐管13c2とに分岐させることにより、メイン吸気管13cの表面積を増やすことができるため、インタークーラ16の放熱量の負担を軽減することができ、インタークーラ16を小型化することができる。
また、本実施形態においては、第1分岐管13c1と第2分岐管13c2の長さが略同じであり、しかも、第1分岐管13c1と第2分岐管13c2の流路断面積が略同じであるため、これら第1分岐管13c1と第2分岐管13c2との吸気の流通抵抗が略同じになる。これにより、第1分岐管13c1と第2分岐管13c2とで吸気流通抵抗のバランスが良くなり、エンジン1に効率よく吸気を送り込むことができる。
また、本実施形態によれば、第1分岐管13c1が上側カバー部71aの上側の面に沿って配置され、第2分岐管13c2が上側カバー部71aの下側の面に沿って配置されているため、上側カバー部71aの上側と下側に吸気の流通領域を確保することができ、これにより、第1分岐管13c1と第2分岐管13c2の径を比較的小さく設定しても、第1分岐管13c1と第2分岐管13c2の全体で十分な吸気量を確保することが可能となり、その結果、縦置きエンジン1の後端部とダッシュパネル80との距離を狭めつつ、吸気管が上側カバー部71aと干渉するのを避けながら、メイン吸気管13cの流路断面積を十分に確保することができる。
なお、上記実施形態では、共通吸気管13のうち、メイン吸気管13cから電動過給バイパス管21が分岐する部分である分岐部82と、中間カバー部71bとは別体に構成されているが、これらは一体に形成されていてもよい。具体的には、上記分岐部82は、メイン吸気管13cの一部を構成する第1分岐通路13c1と、電動過給バイパス管21の一部を構成する第2分岐管21cとを含んで全体としてY字状をなしており、第1分岐通路13c1の管壁および第2分岐管21cの管壁が中間カバー部71bと一体に形成されていてもよい。この場合には、第1分岐通路13c1の管壁および第2分岐管21cの管壁と中間カバー部71bとは、同一の材料により、射出成型等で一体に成型される。その材料は、特に限定されないが、例えば、硬質の合成樹脂の他、可撓性を有する軟質の合成樹脂が挙げられる。
また、上記実施形態では、メイン吸気管13cに合流部13c3が形成されているが、図5に示されるように合流しなくてもよい。この場合には、第1分岐管13c1が下流側配管13dを介してインタークーラ16に接続され、第2分岐管13c2が電動過給バイパス管21を介して電動過給機18に接続される。
11 第1ターボ過給機
13 吸気管
13c メイン吸気管
13c1 第1分岐管
13c2 第2吸気管
15 第2ターボ過給機
16 インタークーラ
21 電動過給バイパス管
71 カバー部材
71a 上側カバー部
80 ダッシュパネル
82 分岐部

Claims (6)

  1. エンジン本体と、当該エンジン本体の外壁面から外側に突出する突出部と、前記エンジン本体の吸気ポートに接続された吸気管とを備えるエンジンの吸気装置であって、
    前記吸気管は、前記突出部に向かって延びる上流側吸気管と、当該上流側吸気管の下流側端部から前記突出部をその両側で迂回するように分岐する第1分岐管および第2分岐管とを備えるエンジンの吸気装置。
  2. 前記エンジンは、当該エンジンの排気ガスで駆動される排気ターボ過給機と、電動モータにより駆動される電動過給機と、前記排気ターボ過給機から排出される吸気および前記電動過給機から排出される吸気を冷却するインタークーラとを備えるものであって、
    前記第1分岐管と前記第2分岐管とは、流路断面積が略同じであるとともに前記突出部より下流側で合流し、
    前記上流側吸気管の途中に前記排気ターボ過給機が介設され、
    前記吸気管は、前記第1分岐管と前記第2分岐管とが前記突出部より下流側で合流する合流部と、その下流側で二股状に分岐する第3分岐管および第4分岐管とをさらに備え、
    前記第3分岐管は、前記インタークーラに接続され、前記第4分岐管の途中に、前記電動過給機が介設されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの吸気装置。
  3. 前記第1分岐管と前記第2分岐管とは、長さが略同じであることを特徴とする請求項2に記載のエンジンの吸気装置。
  4. 前記エンジンは、当該エンジンの排気ガスで駆動される排気ターボ過給機と、電動モータにより駆動される電動過給機と、前記排気ターボ過給機から排出される吸気および前記電動過給機から排出される吸気を冷却するインタークーラとを備えるものであって、
    前記第1分岐管は前記第2分岐管よりも流路断面積が大きく設定されており、
    前記上流側吸気管の途中に前記排気ターボ過給機が介設され、
    前記第1分岐管は、前記インタークーラに接続され、前記第2分岐管の途中に、前記電動過給機が介設されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの吸気装置。
  5. 前記エンジン本体の気筒列方向の一方側の端部に配置され、クランク軸の回転力を吸気弁駆動軸および排気弁駆動軸に伝達する動力伝達機構を覆うカバー部材をさらに備え、
    前記吸気管のうち、前記上流側吸気管から前記第1分岐管および前記第2分岐管が分岐する部分である分岐部と前記カバー部材とが一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエンジンの吸気装置。
  6. 前記エンジンは、気筒列方向が車両前後方向に向くように配置された縦置きエンジンであり、前記突出部は、前記エンジン本体の車両前後方向における後端部から、前記エンジンルームと車室とを仕切るダッシュパネルに向かって突出するものであり、
    前記第1分岐管が前記突出部の上側の面に沿って配置され、前記第2分岐管が前記突出部の下側の面に沿って配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のエンジンの吸気装置。
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