JP2017141131A - 発光性シート、合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラス - Google Patents

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祐輔 太田
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康之 伊豆
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大輔 中島
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【課題】光線が照射されることにより輝度が高い画像を表示することができ、かつ、ガラスに対する接着性を制御できる発光性シート、該発光性シートを含む合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂、可塑剤、ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体、並びに、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びマグネシウムから選ばれる少なくとも1種の金属に、前記ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体の多座配位子と同じ主骨格を有する有機化合物が配位して形成された配位金属化合物を含有する発光性シート。【選択図】 なし

Description

本発明は、光線が照射されることにより輝度が高い画像を表示することができ、かつ、ガラスに対する接着性を制御できる発光性シート、該発光性シートを含む合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスに関する。
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、自動車等の車両のフロントガラス、サイドガラス、リアガラスや、航空機、建築物等の窓ガラス等として広く使用されている。合わせガラスとして、少なくとも一対のガラス間に、例えば、液状可塑剤とポリビニルアセタールとを含む合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させた合わせガラス等が挙げられる。
近年、自動車用のフロントガラスと同じ視野内に自動車走行データである速度情報等の計器表示をヘッドアップディスプレイ(HUD)として表示させようとする要望が高まっている。
HUDとしては、これまでに数々の形態が開発されている。最も一般的なHUDとしてコントロールユニットから送信される速度情報等をインストゥルメンタル・パネルの表示ユニットからフロントガラスに反射させることにより、運転者がフロントガラスと同じ位置、すなわち、同一視野内で速度情報等を視認できるHUDがある。
HUD用の合わせガラス用中間膜として、例えば、特許文献1には、所定の楔角を有する楔形合わせガラス用中間膜等が提案されており、合わせガラスにおいて計器表示が二重に見えるというHUDの欠点を解決することが提案されている。
特許文献1に記載された合わせガラスは、合わせガラスの面内の一部の領域であれば、計器表示が二重に見えるというHUDの欠点を解決することができる。即ち、合わせガラスの面内の全面において、計器表示が二重に見えるという問題は解決されていない。
これに対して特許文献2には、2枚の透明板の間に、発光材料を含む合わせガラス用中間膜が積層された合わせガラスが開示されている。特許文献2に記載された合わせガラスは、光線が照射されることにより、コントラストが高い画像を表示することができるとされている。しかしながら、実際には、2枚の透明板の間に、発光材料を含む合わせガラス用中間膜が積層された合わせガラスに光線を照射しても、充分な輝度の画像を表示できないことがあるという問題があった。
特表平4−502525号公報 国際公開第2010/139889号パンフレット
本発明は、上記現状に鑑み、光線が照射されることにより輝度が高い画像を表示することができ、かつ、ガラスに対する接着性を制御できる発光性シート、該発光性シートを含む合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明は、熱可塑性樹脂、可塑剤、ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体、並びに、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びマグネシウムから選ばれる少なくとも1種の金属に、前記ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体の多座配位子と同じ主骨格を有する有機化合物が配位して形成された配位金属化合物を含有する発光性シートである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、特に高い輝度の発光が得られることから、発光材料としてハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体を用いた発光性シート、及び、該発光性シートを用いた合わせガラス用中間膜を検討した。しかしながら、このような合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスに光線を照射しても、やはり充分な輝度の画像を表示できないことがあった。そこで本発明者らは、2枚の透明板の間に、ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体を含む合わせガラス用中間膜が積層された合わせガラスに光線を照射しても、充分な輝度の画像を表示できない理由について検討した。
合わせガラス用中間膜中には、ガラスに対する接着性を調整するための接着力調整剤として、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はマグネシウムを含む化合物が配合されている。本発明者らは、このようなアルカリ金属、アルカリ土類金属又はマグネシウムを含む化合物とハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体とを併用した場合に、輝度が低下してしまうことを見出した。これは、ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体と、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はマグネシウムを含む化合物と併用したときに、ランタノイドと金属との間に配位結合が形成されてランタノイド錯体の構造が変化することにより、輝度が低下してしまうと考えられた。このような輝度の低下は、合わせガラス用中間膜中のアルカリ金属、アルカリ土類金属又はマグネシウムを含む化合物の配合量を低減させることにより抑えることができる。しかしながら、アルカリ土類金属又はマグネシウムを含む化合物の配合量を低減させると、ガラスに対する接着性の制御が困難となる。
本発明者らは、更に鋭意検討の結果、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びマグネシウムから選ばれる少なくとも1種の金属に、ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体の多座配位子と同じ主骨格を有する有機化合物が配位して形成された配位金属化合物を用いることにより、ガラスに対する接着性を制御しながら、光線が照射されることにより輝度が高い画像を表示できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の発光性シートは、熱可塑性樹脂を含有する。
上記熱可塑性樹脂は特に限定されず、例えば、ポリビニルアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、硫黄元素を含有するポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。なかでも、可塑剤と併用した場合に、ガラスに対して優れた接着性を発揮する合わせガラス用中間膜が得られることから、ポリビニルアセタールが好適である。
上記ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセタールであれば特に限定されないが、ポリビニルブチラールが好適である。また、必要に応じて2種以上のポリビニルアセタールを併用してもよい。
上記ポリビニルアセタールのアセタール化度の好ましい下限は40モル%、好ましい上限は85モル%であり、より好ましい下限は60モル%、より好ましい上限は75モル%である。
上記ポリビニルアセタールは、水酸基量の好ましい下限が15モル%、好ましい上限が35モル%である。水酸基量が15モル%以上であると、発光性シートの成形が容易になる。水酸基量が35モル%以下であると、得られる発光性シートの取り扱いが容易になる。
なお、上記アセタール化度及び水酸基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
上記ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化することにより調製することができる。上記ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られ、鹸化度70〜99.8モル%のポリビニルアルコールが一般的に用いられる。
上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は500、好ましい上限は4000である。上記ポリビニルアルコールの重合度が500以上であると、発光性シートを含む合わせガラス用中間膜を用いて得られる合わせガラスの耐貫通性が高くなる。上記ポリビニルアルコールの重合度が4000以下であると、発光性シートの成形が容易になる。上記ポリビニルアルコールの重合度のより好ましい下限は1000、より好ましい上限は3600である。
上記アルデヒドは特に限定されないが、一般には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1〜10のアルデヒドは特に限定されず、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドが好ましく、n−ブチルアルデヒドがより好ましい。これらのアルデヒドは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の発光性シートは、可塑剤を含有する。
上記可塑剤は特に限定されず、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等のリン酸可塑剤等が挙げられる。上記可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。
上記一塩基性有機酸エステルは特に限定されないが、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル等が挙げられる。なかでも、トリエチレングリコールジカプロン酸エステル、トリエチレングリコールジ−2−エチル酪酸エステル、トリエチレングリコールジ−n−オクチル酸エステル、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキシル酸エステル等が好適である。
上記多塩基性有機酸エステルは特に限定されないが、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物が挙げられる。なかでも、ジブチルセバシン酸エステル、ジオクチルアゼライン酸エステル、ジブチルカルビトールアジピン酸エステル等が好適である。
上記有機エステル可塑剤は特に限定されず、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、リン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物、アジピン酸エステル、炭素数4〜9のアルキルアルコール及び炭素数4〜9の環状アルコールから作製された混合型アジピン酸エステル、アジピン酸ヘキシル等の炭素数6〜8のアジピン酸エステル等が挙げられる。
上記有機リン酸可塑剤は特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
上記可塑剤のなかでも、ジヘキシルアジペート(DHA)、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(4GH)、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート(4G7)及びトリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート(3G7)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
更に、上記可塑剤として、加水分解を起こしにくいため、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、ジヘキシルアジペート(DHA)を含有することが好ましく、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)を含有することがより好ましく、特にトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエートを含有することがより好ましい。
本発明の発光性シートにおける上記可塑剤の含有量は特に限定されないが、上記熱可塑性樹脂100重量部に対する好ましい下限が30重量部、好ましい上限が100重量部である。上記可塑剤の含有量が30重量部以上であると、発光性シートの溶融粘度が低くなるため、発光性シートを容易に成形できる。上記可塑剤の含有量が100重量部以下であると、発光性シートの透明性が高くなる。上記可塑剤の含有量のより好ましい下限は35重量部、より好ましい上限は80重量部、更に好ましい下限は45重量部、更に好ましい上限は70重量部、特に好ましい下限は50重量部、特に好ましい上限は63重量部である。
本発明の発光性シートは、発光材料としてハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体を含有する。ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体は、紫外線や赤外線等の光が照射されることにより高い輝度で発光することから、これを含有する発光性シートは、光照射により画像を表示することができる。
上記ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体のなかでも、ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体は、光線を照射することに更により一層高い発光強度で発光することから好ましい。他にも、上記ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体としては、ハロゲン原子を含む四座配位子を有するランタノイド錯体、ハロゲン原子を含む五座配位子を有するランタノイド錯体、ハロゲン原子を含む六座配位子を有するランタノイド錯体等が挙げられる。
本明細書においてランタノイドとは、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム又はルテチウムを含む。より一層高い発光強度が得られることから、ランタノイドは、ネオジム、ユーロピウム又はテルビウムが好ましく、ユーロピウム又はテルビウムがより好ましく、ユーロピウムが更に好ましい。
上記ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体は、例えば、トリス(トリフルオロアセチルアセトン)フェナントロリンユーロピウム(Eu(TFA)phen)、トリス(トリフルオロアセチルアセトン)ジフェニルフェナントロリンユーロピウム(Eu(TFA)dpphen)、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトン)ジフェニルフェナントロリンユーロピウム、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトン)ビス(トリフェニルホスフィン)ユーロピウム、トリス(トリフルオロアセチルアセトン)2,2’−ビピリジンユーロピウム、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトン)2,2’−ビピリジンユーロピウム、トリス(5,5,6,6,7,7,7−ヘプタフルオロ−2,4−ペンタンジオネート)2,2’−ビピリジンユーロピウム([Eu(FPD)]bpy)、トリス(トリフルオロアセチルアセトン)3,4,7,8−テトラメチル−1,10フェナントロリンユーロピウム([Eu(TFA)]tmphen)、トリス(5,5,6,6,7,7,7−ヘプタフルオロ−2,4−ペンタンジオネート)フェナントロリンユーロピウム([Eu(FPD)]phen)等が挙げられる。
上記ハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体は、例えば、ターピリジントリフルオロアセチルアセトンユーロピウム、ターピリジンヘキサフルオロアセチルアセトンユーロピウム等が挙げられる。
上記ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を用いることができる。なかでも、配位子の構造を安定化させることから、フッ素原子が好適である。
上記ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体のなかでも、特に初期発光性に優れることから、ハロゲン原子を含むアセチルアセトン骨格を有する二座配位子を有するランタノイド錯体が好適である。
上記ハロゲン原子を含むアセチルアセトン骨格を有する二座配位子を有するランタノイド錯体は、例えば、Eu(TFA)phen、Eu(TFA)dpphen、Eu(HFA)phen、[Eu(FPD)]bpy、[Eu(TFA)]tmphen、[Eu(FPD)]phen等が挙げられる。これらのハロゲン原子を含むアセチルアセトン骨格を有する二座配位子を有するランタノイド錯体の構造を示す。
Figure 2017141131
上記ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体は、粒子状であることが好ましい。粒子状であることにより、上記ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体を合わせガラス用中間膜中に微分散させることがより容易となる。
上記ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体が粒子状である場合、ランタノイド錯体の平均粒子径の好ましい下限は0.01μm、好ましい上限は10μmであり、より好ましい下限は0.03μm、より好ましい上限は1μmである。
本発明の発光性シートにおける上記ランタノイド錯体の含有量は、上記熱可塑性樹脂100重量部に対する好ましい下限が0.001重量部、好ましい上限が10重量部である。上記ランタノイド錯体の含有量がこの範囲内であると、高い透明性を有し、かつ、光線が照射されることにより高い輝度の画像を表示することができる。上記ランタノイド錯体の含有量のより好ましい下限は0.01重量部、より好ましい上限は5重量部、更に好ましい下限は0.05重量部、更に好ましい上限は1重量部、特に好ましい下限は0.2重量部である。
本発明の発光性シートは、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びマグネシウムから選ばれる少なくとも1種の金属に、上記ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体の多座配位子と同じ主骨格を有する有機化合物が配位して形成された配位金属化合物(以下、単に「配位金属化合物」ともいう。)を含有する。本発明の発光性シートにおいて、上記配位金属化合物は、ガラスに対する接着性を制御するための接着力調整剤としての役割を果たす。一方、上記ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体の多座配位子と同じ主骨格を有する有機化合物が配位した状態で配合することにより、配位金属化合物中の金属と上記発光材料とが反応して発光材料の構造が変化することを防止できることから、発光材料の構造変化に起因する輝度の低下を防止することができる。
例えば、ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体がEu(HFA)phenである場合、ランタノイドには2種類の有機化合物が配位している。上記配位金属化合物は、これらの有機化合物と同じ主骨格を有する有機化合物がアルカリ金属、アルカリ土類金属及びマグネシウムから選ばれる少なくとも1種の金属に配位したものである。
なお、本明細書において「同じ主骨格を有する」とは、ハロゲン原子を含む多座配位子及び上記ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体の多座配位子と同じ主骨格を有する有機化合物とを以下のように分類した場合に、同じ分類に属する骨格を有することを指す。骨格の分類として、下記式(A)で表されるジケトン骨格、下記式(B)で表されるジアミン骨格、下記式(C)で表されるトリアミン骨格、下記式(D)で表されるビピリジン骨格、下記式(E)で表されるフェナントロリン骨格、下記式(F)で表されるターピリジン骨格、下記式(G)で表されるクラウン骨格、下記式(H)で表されるα−ジケトン骨格などが挙げられる。上記(A)〜(H)の骨格を有する配位子または有機化合物は、一部または全ての水素原子が、−COOR、−SO、−NO、−OH、アルキル基、ハロゲン、−NHなどに置換されていてもよい。上記(A)〜(H)の骨格を有する配位子が、ハロゲン原子を含む多座配位子の場合、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子に置換された構造を有する。
Figure 2017141131
上記式(A)において、中央のRは、炭素数1以上の直鎖状の有機基を表す。両端のRはハロゲン原子又は有機基を表し、両端のRは炭化水素基であることが好ましく、炭素数が1〜10の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数が1〜5の炭化水素基であることが更に好ましく、炭素数が1〜3の炭化水素基であることが特に好ましい。上記炭化水素基は水素原子の一部が、水素原子以外の原子及び官能基と置換されていても良い。上記炭素数が1〜3の炭化水素基としては、水素原子が置換されていないメチル基、エチル基、プロピル基や、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。上記水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を用いることができる。
Figure 2017141131
上記式(B)において、中央のRは、炭素数1以上の直鎖状の有機基を表す。
Figure 2017141131
上記式(C)において、2つのRは、炭素数1以上の直鎖状の有機基を表す。
Figure 2017141131
なお、上記式(D)において、2つのNはビピリジン骨格のどこにあってもよい。例えば、ビピリジン骨格の2,2’位、3,3’位、4,4’位、2,3’位、2,4’位、3,4’位に2つのNがあることが挙げられる。なかでも、2,2’位に2つのNがあることが好ましい。
Figure 2017141131
なお、上記式(E)において、2つのNはビピリジン骨格のどこにあってもよい。なかでも、1,10位に2つのNがあることが好ましい。
Figure 2017141131
なお、上記式(F)において、3つのNはターピリジン骨格のどこにあってもよい。
Figure 2017141131
上記式(G)において、nは、1以上の整数を表す。
Figure 2017141131
上記式(H)において、両端のRは、ハロゲン原子又は有機基を表す。両端のRは炭化水素基であることが好ましく、炭素数が1〜10の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数が1〜5の炭化水素基であることが更に好ましく、炭素数が1〜3の炭化水素基であることが特に好ましい。上記炭化水素基は水素原子の一部が、水素原子以外の原子及び官能基と置換されていても良い。上記炭素数が1〜3の炭化水素基としては、水素原子が置換されていないメチル基、エチル基、プロピル基や、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。上記水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたメチル基、エチル基、プロピル基のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を用いることができる。
例えば、ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体がEu(HFA)phenであり、配位金属化合物が下記式(1)で表されるアセチルアセトンマグネシウムである場合は、Eu(HFA)phenの配位子であるヘキサフルオロアセチルアセトンと、配位金属化合物のアセチルアセトンとが、上記式(A)で表されるジケトン骨格を有するため、同じ主骨格を有する。
Figure 2017141131
上記配位金属化合物は、なかでも、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びマグネシウムから選ばれる少なくとも1種の金属に、上記式(A)で表されるジケトン骨格を有する有機化合物が配位して形成された配位金属化合物であることが好ましく、アセチルアセトン骨格を有する有機化合物が配位して形成された配位金属化合物であることがより好ましい。具体的には例えば、上記式(1)で表されるアセチルアセトンマグネシウムが好適である。
他にも、上記(H)で表されるα−ジケトン骨格を有する有機化合物として、下記一般式(2)で表される構造を有する配位金属化合物が挙げられる。
これらの配位金属化合物は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 2017141131
上記一般式(2)中、R及びRはハロゲン原子又は有機基を表す。
なお、上記一般式(2)においては、Mgに代えてアルカリ金属、アルカリ土類金属であってもよい。
本発明の発光性シートは、更に分散剤を含有することが好ましい。分散剤を含有することにより、上記ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体の凝集を抑制でき、より均一な発光が得られる。
上記分散剤は、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩等のスルホン酸構造を有する化合物や、ジエステル化合物、リシノール酸アルキルエステル、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、リン酸エステル等のエステル構造を有する化合物や、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールやアルキルフェニル−ポリオキシエチレン−エーテル等のエーテル構造を有する化合物や、ポリカルボン酸等のカルボン酸構造を有する化合物や、ラウリルアミン、ジメチルラウリルアミン、オレイルプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンの2級アミン、ポリオキシエチレンの3級アミン、ポリオキシエチレンのジアミン等のアミン構造を有する化合物や、ポリアルキレンポリアミンアルキレンオキシド等のポリアミン構造を有する化合物や、オレイン酸ジエタノールアミド、アルカノール脂肪酸アミド等のアミド構造を有する化合物や、ポリビニルピロリドン、ポリエステル酸アマイドアミン塩等の高分子量型アミド構造を有する化合物等の分散剤を用いることができる。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸(塩)や高分子ポリカルボン酸、縮合リシノール酸エステル等の高分子量分散剤を用いてもよい。なお、高分子量分散剤とは、その分子量が1万以上である分散剤と定義される。
本発明の発光性シートが上記分散剤を含有する場合、上記ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体100重量部に対する上記分散剤の含有量の好ましい下限は1重量部、好ましい上限は50重量部である。上記分散剤の含有量がこの範囲内であると、上記ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体を発光性シート中に均一に分散させることができる。上記分散剤の含有量のより好ましい下限は3重量部、より好ましい上限は30重量部であり、更に好ましい下限は5重量部、更に好ましい上限は25重量部である。
本発明の発光性シートは、更に、紫外線吸収剤を含有してもよい。紫外線吸収剤を含有することにより、発光性シートの耐光性を向上させることができる。
上記紫外線吸収剤は、例えば、マロン酸エステル構造を有する化合物、シュウ酸アニリド構造を有する化合物、ベンゾトリアゾール構造を有する化合物、ベンゾフェノン構造を有する化合物、トリアジン構造を有する化合物、ベンゾエート構造を有する化合物、ヒンダードアミン構造を有する化合物等の紫外線吸収剤が挙げられる。
本発明の発光性シートが上記紫外線吸収剤を含有する場合、上記熱可塑性樹脂100重量部に対する上記紫外線吸収剤の含有量の好ましい上限は1重量部、より好ましい上限は0.5重量部、更に好ましい上限は0.2重量部、特に好ましい上限は0.1重量部である。上記紫外線吸収剤の含有量がこの範囲内であると、コントラストがより一層高い画像を表示できる発光性シートが得られる。
本発明の発光性シートは、更に、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤を含有することにより、発光性シートの耐光性を向上させることができる。
上記酸化防止剤は特に限定されず、フェノール構造を有する酸化防止剤、硫黄を含む酸化防止剤、リンを含む酸化防止剤等が挙げられる。
上記フェノール構造を有する酸化防止剤はフェノール骨格を有する酸化防止剤である。上記フェノール構造を有する酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノール)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,3’−t−ブチルフェノール)ブチリックアッシドグリコールエステル、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]等が挙げられる。上記酸化防止剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の発光性シートは、必要に応じて、光安定剤、帯電防止剤、青色顔料、青色染料、緑色顔料、緑色染料等の添加剤を含有してもよい。
本発明の発光性シートの製造方法は特に限定されない。例えば、可塑剤とハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体と配位金属化合物とを含む可塑剤溶液と、熱可塑性樹脂とを充分に混合し、発光性シートを形成するための樹脂組成物を作製する。次に、該樹脂組成物を、押出機を用いて押出し、発光性シートを製造することができる。
本発明の発光性シートは、上記ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体を含有することから、特定の波長の光線を照射することにより発光する。この性質を利用することにより、高いコントラストで情報を表示することができる。
上記特定の波長の光線を照射するための装置として、例えば、スポット光源(浜松ホトニクス社製、LC−8)、キセノン・フラッシュランプ(ヘレウス社製、CWランプ)、ブラックライト(井内盛栄堂社製、キャリーハンド)等が挙げられる。
本発明の発光性シートを含む合わせガラス用中間膜もまた、本発明の1つである。
本発明の合わせガラス用中間膜は、本発明の発光性シートのみからなる単層構造であってもよいし、本発明の発光性シートを発光層とし、該発光層に他の層を積層した多層構造であってもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜が多層構造である場合、上記発光層は合わせガラス用中間膜の全面に配置されていてもよく、一部にのみ配置されていてもよく、合わせガラス用中間膜の厚み方向とは垂直の面方向の全面に配置されていてもよく、一部にのみ配置されていてもよい。上記発光層が一部にのみ配置されている場合には、該一部を発光エリア、他の部分を非発光エリアとして、発光エリアにおいてのみ情報を表示できるようにすることができる。
本発明の合わせガラス用中間膜が多層構造である場合、上記発光層及び他の層の構成成分を調整することにより、得られる合わせガラス用中間膜に種々の機能を付与することも可能である。
例えば、本発明の合わせガラス用中間膜に遮音性能を付与するために、上記発光層における熱可塑性樹脂100重量部に対する可塑剤の含有量(以下、含有量Xともいう。)を、他の層における熱可塑性樹脂100重量部に対する可塑剤の含有量(以下、含有量Yともいう。)よりも多くすることができる。この場合、上記含有量Xは上記含有量Yよりも5重量部以上多いことが好ましく、10重量部以上多いことがより好ましく、15重量部以上多いことが更に好ましい。合わせガラス用中間膜の耐貫通性がより一層高くなることから、上記含有量Xと上記含有量Yとの差は、50重量部以下であることが好ましく、40重量部以下であることがより好ましく、35重量部以下であることが更に好ましい。なお、上記含有量Xと上記含有量Yとの差は、(上記含有量Xと上記含有量Yとの差)=(上記含有量X−上記含有量Y)により算出される。
また、上記含有量Xの好ましい下限が45重量部、より好ましい下限が50重量部、更に好ましい下限が55重量部、好ましい上限が80重量部、より好ましい上限が75重量部、さらに好ましい上限が70重量部である。上記含有量Xを上記好ましい下限以上とすることにより、高い遮音性を発揮することができる。上記含有量Xを上記好ましい上限以下とすることにより、可塑剤のブリードアウトの発生を抑止し、合わせガラス用中間膜の透明性や接着性の低下を防止することができる。
また、上記含有量Yの好ましい下限が20重量部、より好ましい下限が30重量部、更に好ましい下限が35重量部、好ましい上限が45重量部、より好ましい上限が43重量部、さらに好ましい上限が41重量部である。上記含有量Yを上記好ましい下限以上とすることにより、高い耐貫通性を発揮することができる。上記含有量Yを上記好ましい上限以下とすることにより、可塑剤のブリードアウトの発生を抑止し、合わせガラス用中間膜の透明性や接着性の低下を防止することができる。
また、本発明の合わせガラス用中間膜に遮音性を付与するためには、上記発光層における熱可塑性樹脂は、ポリビニルアセタールXであることが好ましい。上記ポリビニルアセタールXは、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化することにより調製することができる。上記ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られる。上記ポリビニルアルコールの平均重合度の好ましい下限は200、好ましい上限5000である。上記ポリビニルアルコールの平均重合度を200以上とすることにより、得られる合わせガラス用中間膜の耐貫通性を向上させることができ、5000以下とすることにより、発光層の成形性を確保することができる。上記ポリビニルアルコールの平均重合度のより好ましい下限は500、より好ましい上限は4000である。なお、上記ポリビニルアルコールの平均重合度は、JIS K6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠した方法により求められる。
上記ポリビニルアルコールをアセタール化するためのアルデヒドの炭素数の好ましい下限は4、好ましい上限は6である。アルデヒドの炭素数を4以上とすることにより、充分な量の可塑剤を安定して含有させることができ、優れた遮音性能を発揮することができる。また、可塑剤のブリードアウトを防止することができる。アルデヒドの炭素数を6以下とすることにより、ポリビニルアセタールXの合成を容易にし、生産性を確保できる。上記炭素数が4〜6のアルデヒドとしては、直鎖状のアルデヒドであってもよいし、分枝状のアルデヒドであってもよく、例えば、n−ブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド等が挙げられる。
上記ポリビニルアセタールXの水酸基量の好ましい上限は30モル%である。上記ポリビニルアセタールXの水酸基量を30モル%以下とすることにより、遮音性を発揮するのに必要な量の可塑剤を含有させることができ、可塑剤のブリードアウトを防止することができる。上記ポリビニルアセタールXの水酸基量のより好ましい上限は28モル%、更に好ましい上限は26モル%、特に好ましい上限は24モル%、好ましい下限は10モル%、より好ましい下限は15モル%、更に好ましい下限は20モル%である。上記ポリビニルアセタールXの水酸基量は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。上記水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、上記ポリビニルアセタールXの水酸基が結合しているエチレン基量を測定することにより求めることができる。
上記ポリビニルアセタールXのアセタール基量の好ましい下限は60モル%、好ましい上限は85モル%である。上記ポリビニルアセタールXのアセタール基量を60モル%以上とすることにより、発光層の疎水性を高くして、遮音性を発揮するのに必要な量の可塑剤を含有させることができ、可塑剤のブリードアウトや白化を防止することができる。上記ポリビニルアセタールXのアセタール基量を85モル%以下とすることにより、ポリビニルアセタールXの合成を容易にし、生産性を確保することができる。上記ポリビニルアセタールXのアセタール基量の下限は65モル%がより好ましく、68モル%以上が更に好ましい。上記アセタール基量は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、上記ポリビニルアセタールXのアセタール基が結合しているエチレン基量を測定することにより求めることができる。
上記ポリビニルアセタールXのアセチル基量の好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限は30モル%である。上記ポリビニルアセタールXのアセチル基量を0.1モル%以上とすることにより、遮音性を発揮するのに必要な量の可塑剤を含有させることができ、ブリードアウトを防止することができる。また、上記ポリビニルアセタールXのアセチル基量を30モル%以下とすることにより、発光層の疎水性を高くして、白化を防止することができる。上記アセチル基量のより好ましい下限は1モル%、更に好ましい下限は5モル%、特に好ましい下限は8モル%、より好ましい上限は25モル%、更に好ましい上限は20モル%である。上記アセチル基量は、主鎖の全エチレン基量から、アセタール基が結合しているエチレン基量と、水酸基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。
特に、上記発光層に遮音性を発揮するのに必要な量の可塑剤を容易に含有させることができることから、上記ポリビニルアセタールXは、上記アセチル基量が8モル%以上のポリビニルアセタール、又は、上記アセチル基量が8モル%未満、かつ、アセタール基量が65モル%以上のポリビニルアセタールであることが好ましい。また、上記ポリビニルアセタールXは、上記アセチル基量が8モル%以上のポリビニルアセタール、又は、上記アセチル基量が8モル%未満、かつ、アセタール基量が68モル%以上のポリビニルアセタールであることが、より好ましい。
また、本発明の合わせガラス用中間膜に遮音性を付与するためには、上記他の層における熱可塑性樹脂は、ポリビニルアセタールYであることが好ましい。ポリビニルアセタールYは、ポリビニルアセタールXより水酸基量が大きいことが好ましい。
上記ポリビニルアセタールYは、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化することにより調製することができる。上記ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られる。また、上記ポリビニルアルコールの平均重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は5000である。上記ポリビニルアルコールの平均重合度を200以上とすることにより、合わせガラス用中間膜の耐貫通性を向上させることができ、5000以下とすることにより、他の層の成形性を確保することができる。上記ポリビニルアルコールの平均重合度のより好ましい下限は500、より好ましい上限は4000である。
上記ポリビニルアルコールYをアセタール化するためのアルデヒドの炭素数の好ましい下限は3、好ましい上限は4である。アルデヒドの炭素数を3以上とすることにより、合わせガラス用中間膜の耐貫通性が高くなる。アルデヒドの炭素数を4以下とすることにより、ポリビニルアセタールYの生産性が向上する。上記炭素数が3〜4のアルデヒドとしては、直鎖状のアルデヒドであってもよいし、分枝状のアルデヒドであってもよく、例えば、n−ブチルアルデヒド等が挙げられる。
上記ポリビニルアセタールYの水酸基量の好ましい上限は33モル%、好ましい下限は28モル%である。上記ポリビニルアセタールYの水酸基量を33モル%以下とすることにより、合わせガラス用中間膜の白化を防止することができる。上記ポリビニルアセタールYの水酸基量を28モル%以上とすることにより、合わせガラス用中間膜の耐貫通性が高くなる。
上記ポリビニルアセタールYは、アセタール基量の好ましい下限が60モル%、好ましい上限が80モル%である。上記アセタール基量を60モル%以上とすることにより、充分な耐貫通性を発揮するのに必要な量の可塑剤を含有させることができる。上記アセタール基量を80モル%以下とすることにより、上記他の層とガラスとの接着力を確保することができる。上記アセタール基量のより好ましい下限は65モル%、より好ましい上限は69モル%である。
上記ポリビニルアセタールYのアセチル基量の好ましい上限は7モル%である。上記ポリビニルアセタールYのアセチル基量を7モル%以下とすることにより、他の層の疎水性を高くして、白化を防止することができる。上記アセチル基量のより好ましい上限は2モル%であり、好ましい下限は0.1モル%である。なお、ポリビニルアセタールYの水酸基量、アセタール基量、及び、アセチル基量は、ポリビニルアセタールXと同様の方法で測定できる。
また、例えば、本発明の合わせガラス用中間膜に遮熱性能を付与するために、上記発光層及び他の層のいずれか1層、いずれか2層、又は、すべての層に熱線吸収剤を含有させることができる。
上記熱線吸収剤は、赤外線を遮蔽する性能を有すれば特に限定されないが、錫ドープ酸化インジウム(ITO)粒子、アンチモンドープ酸化錫(ATO)粒子、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)粒子、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)粒子、錫ドープ酸化亜鉛粒子、珪素ドープ酸化亜鉛粒子、6ホウ化ランタン粒子及び6ホウ化セリウム粒子からなる群より選択される少なくとも1種が好適である。
上記発光層が熱線吸収剤を含有する場合、上記発光層100重量%中、上記発光層に含まれる熱線吸収剤の含有量が0.00001重量%以上、1重量%以下であることが好ましい。上記他の層が熱線吸収剤を含有する場合、上記他の層100重量%中、上記他の層に含まれる熱線吸収剤の含有量が0.00001重量%以上、1重量%以下であることが好ましい。上記発光層又は上記他の層に含まれる熱線吸収剤の含有量が、上記好ましい範囲であれば、充分な遮熱性能を発揮させることができる。
本発明の合わせガラス用中間膜の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は50μm、好ましい上限は2200μmであり、より好ましい下限は100μm、より好ましい上限は1700μmであり、更に好ましい上限は1000μmであり、特に好ましい上限は900μmである。なお、上記合わせガラス用中間膜全体の厚みの下限は、合わせガラス用中間膜全体の最小厚さの部分の厚みを意味し、上記合わせガラス用中間膜全体の厚みの上限は、合わせガラス用中間膜全体の最大厚さの部分の厚みを意味する。
本発明の合わせガラス用中間膜が多層構造である場合、上記発光層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は50μm、好ましい上限は1000μmである。上記発光層の厚さがこの範囲内であると、特定の波長の光線を照射したときに充分にコントラストの高い発光が得られる。上記発光層の厚さのより好ましい下限は80μm、より好ましい上限は760μm、更に好ましい下限は90μm、更に好ましい上限は500μm、特に好ましい上限は300μmである。
本発明の合わせガラス用中間膜は、断面形状が楔形であってもよい。合わせガラス用中間膜の断面形状が楔形であれば、合わせガラスの取り付け角度に応じて、楔形の楔角θを調整することにより、二重像の発生を防止した画像表示が可能となる。二重像をより一層抑制する観点から、上記楔角θの好ましい下限は0.1mrad、より好ましい下限は0.2mradであり、更に好ましい下限は0.3mrad、好ましい上限は1mrad、より好ましい上限は0.9mradである。なお、例えば押出機を用いて樹脂組成物を押出し成形する方法により断面形状が楔形の合わせガラス用中間膜を製造した場合、薄い側の一方の端部からわずかに内側の領域(具体的には、一端と他端との間の距離をXとしたときに、薄い側の一端から内側に向かって0X〜0.2Xの距離の領域)に最小厚みを有し、厚い側の一方の端部からわずかに内側の領域(具体的には、一端と他端との間の距離をXとしたときに、厚い側の一端から内側に向かって0X〜0.2Xの距離の領域)に最大厚みを有する形状となることがある。本明細書においては、このような形状も楔形に含まれる。
本発明の合わせガラス用中間膜の断面形状が楔形である場合、発光層と、他の層(以下、「形状補助層」と呼ぶ場合がある。)を含む多層構造を有することが好ましい。上記発光層の厚みを一定範囲とする一方、上記形状補助層を積層することにより、合わせガラス用中間膜全体としての断面形状が一定の楔角である楔形となるように調整することができる。上記形状補助層は、上記発光層の一方の面にのみ積層されていてもよく、両方の面に積層されていてもよい。更に、複数の形状補助層を積層してもよい。
上記発光層は、断面形状が楔形であってもよく、矩形であってもよい。上記発光層の最大厚さと最小厚さの差は100μm以下であることが好ましい。これにより、一定範囲の輝度で画像を表示することができる。上記発光層の最大厚さと最小厚さの差は95μm以下であることがより好ましく、90μm以下であることが更に好ましい。
本発明の合わせガラス用中間膜の断面形状が楔形である場合、上記発光層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は50μm、好ましい上限は700μmである。上記発光層の厚みがこの範囲内であると、充分に高いコントラストの画像を表示できる。上記発光層の厚みのより好ましい下限は70μm、より好ましい上限は400μmであり、更に好ましい下限は80μm、更に好ましい上限は150μmである。なお、上記発光層の厚みの下限は、発光層の最小厚さの部分の厚みを意味し、上記発光層の厚みの上限は、発光層の最大厚さの部分の厚みを意味する。
上記形状補助層は、上記発光層に積層して、合わせガラス用中間膜全体としての断面形状が一定の楔角である楔形となるように調整する役割を有する。上記形状補助層は、断面形状が楔形、三角形、台形又は矩形であることが好ましい。断面形状が楔形、三角形、台形の形状補助層を積層することにより、合わせガラス用中間膜全体としての断面形状を一定の楔角である楔形となるように調整することができる。また、複数の形状補助層を組み合わせて、合わせガラス用中間膜全体としての断面形状を整えてもよい。
上記形状補助層の厚みは特に限定されないが、実用面の観点、並びに、接着力及び耐貫通性を充分に高める観点から、好ましい下限は10μm、好ましい上限は1000μmであり、より好ましい下限は200μm、より好ましい上限は800μmであり、更に好ましい下限は300μmである。なお、上記形状補助層の厚みの下限は、形状補助層の最小厚さの部分の厚みを意味し、上記形状補助層の厚みの上限は、形状補助層の最大厚さの部分の厚みを意味する。また、複数の形状補助層を組み合わせて用いる場合は、その合計の厚みを意味する。
本発明の合わせガラス用中間膜の断面形状が楔形である場合の、態様の一例を説明する模式図を、図1〜3に示した。なお、図1〜3では、図示の便宜上、合わせガラス用中間膜及び該合わせガラス用中間膜を構成する各層の厚みや楔角θは、実際の厚み及び楔角とは異なるように示されている。
図1には、合わせガラス用中間膜1の厚み方向の断面が示されている。合わせガラス用中間膜1は、ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体を含有する発光層11の一方の面に形状補助層12が積層された2層構造を有する。ここで発光層11は矩形であるのに対して、形状補助層12の形状を楔形、三角形又は台形とすることにより、合わせガラス用中間膜1全体として楔角θが0.1〜1mradである楔形となっている。
図2には、合わせガラス用中間膜2の厚み方向の断面が示されている。合わせガラス用中間膜2は、ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体を含有する発光層21の両面に形状補助層22と形状補助層23とが積層された3層構造を有する。ここで発光層21と形状補助層23とが厚みが一定の矩形であるのに対して、形状補助層22の形状を楔形、三角形又は台形とすることにより、合わせガラス用中間膜2全体として楔角θが0.1〜1mradである楔形となっている。
図3には、合わせガラス用中間膜3の厚み方向の断面が示されている。合わせガラス用中間膜3は、ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体を含有する発光層31の両面に形状補助層32と形状補助層33とが積層された3層構造を有する。ここで発光層31は最大厚さと最小厚さの差が100μm以下の緩やかな楔形であり、楔形の形状補助層32、33を積層することにより、合わせガラス用中間膜3全体として楔角θが0.1〜1mradである楔形となっている。
本発明の合わせガラス用中間膜が、一対のガラス板の間に積層されている合わせガラスもまた、本発明の1つである。
上記ガラス板は、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができる。例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入りガラス、線入り板ガラス、着色された板ガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射ガラス、グリーンガラス等の無機ガラスが挙げられる。また、ガラスの表面に紫外線遮蔽コート層が形成された紫外線遮蔽ガラスも用いることができるが、特定の波長の光線を照射する側とは反対のガラス板として用いることが好ましい。更に、上記ガラス板としてポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート等の有機プラスチックス板を用いることもできる。
上記ガラス板として、2種類以上のガラス板を用いてもよい。例えば、透明フロート板ガラスと、グリーンガラスのような着色されたガラス板との間に、本発明の合わせガラス用中間膜を積層した合わせガラスが挙げられる。また、上記ガラス板として、2種以上の厚さの異なるガラス板を用いてもよい。
本発明によれば、光線が照射されることにより輝度が高い画像を表示することができ、かつ、ガラスに対する接着性を制御できる発光性シート、該発光性シートを含む合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを提供することができる。
断面形状が楔形である本発明の合わせガラス用中間膜の態様の一例を説明する模式図である。 断面形状が楔形である本発明の合わせガラス用中間膜の態様の一例を説明する模式図である。 断面形状が楔形である本発明の合わせガラス用中間膜の態様の一例を説明する模式図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)Eu(HFA)phenの調製
酢酸ユーロピウム(Eu(CHCOO))3.38g(12.5mmol)を50mLの蒸留水へ溶かし、ヘキサフルオロアセチルアセトン(HFA)7.00g(33.6mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。沈殿した固体を濾過、水洗後、メタノールと蒸留水で再結晶を行なってEu(HFA)(HO)を得た。得られた錯体(Eu(HFA)(HO))7.20gと1,10−フェナントロリン(phen)2.5gを100mLのメタノールに溶かし、12時間加熱還流を行なった。12時間後、メタノールを減圧留去により取り除き、白色生成物を得た。この粉末をトルエンで洗浄し、未反応の原料を吸引濾過により取り除いた後、トルエンを減圧留去し、紛体を得た。トルエン、ヘキサンの混合溶媒により再結晶を行なうことにより、Eu(HFA)phenを得た。
(2)ポリビニルブチラールの調製
攪拌機を取り付けた2m反応器に、PVA(重合度1700、けん化度99モル%)の7.5質量%水溶液1700kgとn−ブチルアルデヒド74.6kg、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.13kgを仕込み、全体を14℃に冷却した。これに、濃度30質量%の硝酸99.44Lを添加して、PVAのブチラール化を開始した。添加終了後から10分後に昇温を開始し、90分かけて65℃まで昇温し、更に120分反応を行なった。その後、室温まで冷却して析出した固形分を濾過後、固形分に対して質量で10倍量のイオン交換水で10回洗浄した。その後、0.3質量%の炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて十分に中和を行ない、更に固形分に対して質量で10倍量のイオン交換水で10回洗浄し、脱水した後、乾燥させ、ポリビニルブチラール(以下、「PVB」ともいう。)を得た。なお、PVBのアセチル基量は0.9モル%、ブチラール化度は68.5モル%、水酸基量は30.6モル%であった。
(3)合わせガラス用中間膜及び合わせガラスの製造
トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)40重量部に、得られたEu(HFA)phen0.2重量部と、接着力調整剤としてアセチルアセトンマグネシウム0.036重量部とを加え、発光性の可塑剤溶液を調製した。得られた可塑剤溶液の全量と、得られたPVB100重量部とをミキシングロールで充分に混練することにより樹脂組成物を調製した。
得られた樹脂組成物を、押出機を用いて押出し、合わせガラス用中間膜(厚み760μm)を得た。
得られた合わせガラス用中間膜を、縦5cm×横5cmの一対のクリアガラス(厚み2.5mm)の間に積層し、積層体を得た。得られた積層体を、真空ラミネーターにて90℃下、30分保持しつつ真空プレスを行い圧着した。圧着後140℃、14MPaの条件でオートクレーブを用いて20分間圧着を行い、合わせガラスを得た。
(実施例2)
(1)Tb(HFA)phenの調製
酢酸テリビウム(Tb(CHCOO))3.46g(12.5mmol)を50mLの蒸留水へ溶かし、ヘキサフルオロアセチルアセトン(HFA、CFCOCHCOCF)7.00g(33.6mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。沈殿した固体を濾過、水洗後、メタノールと蒸留水で再結晶を行なってTb(HFA)(HO)を得た。得られた錯体Tb(HFA)(HO)7.26gと1,10−フェナントロリン(phen)2.5gを100mLのメタノールに溶かし、12時間加熱還流を行なった。12時間後、メタノールを減圧留去により取り除き、白色生成物を得た。この粉末をトルエンで洗浄し、未反応の原料を吸引濾過により取り除いた後、トルエンを減圧留去し、紛体を得た。トルエン、ヘキサンの混合溶媒により再結晶を行なうことにより、Tb(HFA)phenを得た。
(2)合わせガラス用中間膜及び合わせガラスの製造
発光粒子として得られたTb(HFA)phenを用いた以外は実施例1と同様にして、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを製造した。
(比較例1、2)
アセチルアセトンマグネシウム0.036重量部に代えて酢酸マグネシウム0.0245重量部を加えた以外は実施例1、2と同様にして、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを製造した。
(比較例3、4)
アセチルアセトンマグネシウム0.036重量部に代えて酢酸マグネシウム0.0245重量部を加え、更にアセチルアセトンを0.034重量部加えた以外は実施例1、2と同様にして、合わせガラス用中間膜及び合わせガラスを製造した。
(評価)
実施例及び比較例で得られた合わせガラスについて、以下の方法で評価を行った。結果を表1に示した。
(1)輝度の評価
縦5cm×横5cmの合わせガラスを、暗室下にて、合わせガラスの面に対して垂直方向に10cm離れた位置に配置したHigh Powerキセノン光源(朝日分光社製、「REX−250」、照射波長405nm)から合わせガラスの全面へ光を照射し、光を照射した合わせガラスの面から45度の角度で、合わせガラスの面からの最短距離が35cmとなる位置であり、かつ光を照射した側に配置した輝度計(トプコンテクノハウス社製、「SR−3AR」)によって輝度を測定した。
(2)パンメル値の測定耐貫通性の評価(合わせガラスの)
合わせガラスを−18℃±0.6℃の温度に16時間調整し、この合わせガラスの中央部(縦150mm×横150mmの部分)を頭部が0.45kgのハンマーで打って、ガラスの粒径が6mm以下になるまで粉砕し、ガラスが部分剥離した後の膜の露出度を測定し、表2によりパンメル値を求めた。
なお、パンメル値が1〜7であれば、合わせガラスは実用的な耐貫通性を備えていると言える。
Figure 2017141131
Figure 2017141131
本発明によれば、光線が照射されることにより輝度が高い画像を表示することができ、かつ、ガラスに対する接着性を制御できる発光性シート、該発光性シートを含む合わせガラス用中間膜、及び、合わせガラスを提供することができる。
1 合わせガラス用中間膜
11 発光層
12 形状補助層
2 合わせガラス用中間膜
21 発光層
22 形状補助層
23 形状補助層
3 合わせガラス用中間膜
31 発光層
32 形状補助層
33 形状補助層

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂、可塑剤、ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体、並びに、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びマグネシウムから選ばれる少なくとも1種の金属に、前記ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体の多座配位子と同じ主骨格を有する有機化合物が配位して形成された配位金属化合物を含有することを特徴とする発光性シート。
  2. ハロゲン原子を含む多座配位子を有するランタノイド錯体は、ハロゲン原子を含む二座配位子を有するランタノイド錯体又はハロゲン原子を含む三座配位子を有するランタノイド錯体であることを特徴とする請求項1記載の発光性シート。
  3. 配位金属化合物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びマグネシウムから選ばれる少なくとも1種の金属に、ジケトン骨格を有する有機化合物が配位して形成された配位金属化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の発光性シート。
  4. ジケトン骨格は、アセチルアセトン骨格であることを特徴とする請求項3記載の発光性シート。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の発光性シートを含むことを特徴とする合わせガラス用中間膜。
  6. 請求項5記載の合わせガラス用中間膜が、一対のガラス板の間に積層されていることを特徴とする合わせガラス。
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