JP2017141122A - メソポーラスカーボンの製造方法、及び、それを用いた電気二重層キャパシタ用炭素系電極の製造方法 - Google Patents

メソポーラスカーボンの製造方法、及び、それを用いた電気二重層キャパシタ用炭素系電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電気二重層キャパシタの大容量化及び小型化が可能なメソポーラスカーボンの新規な製造方法、及び、それを用いた電気二重層キャパシタ用炭素系電極の製造方法の提供。
【解決手段】メソポーラスシリカであるMCM−48又はシリカに担持可能な元素が担持したMCM−48を、多環芳香族類と混合した後、予備加熱を行い、MCM−48、又は、シリカに担持可能な元素が担持したMCM−48に多環芳香族類を染み込ませ、予備加熱後に本加熱を行うことで、多環芳香族類が染み込んだMCM−48、又は、シリカに担持可能な元素が担持したMCM−48を炭化させてシリカ−カーボン複合体とし、該シリカ−カーボン複合体からMCM−48、又は、シリカに担持可能な元素が担持したMCM−48を除去することでメソポーラスカーボンを作製する。
【選択図】図5

Description

本発明は、メソポーラスカーボンの製造方法、及び、それを用いた電気二重層キャパシタ用炭素系電極の製造方法に関する。
近年、二次電池やキャパシタ等の高性能化の要望に伴い、高出力の充放電を効率的に行うことを実現する電極材料として、活性炭等の多孔質炭素材料の応用研究が盛んに行われている。このような多孔質炭素材料としては、例えば、特許文献1、2に、nmからμmレベルの空孔が形成され、その空孔が3次元的規則性を有し、かつ、その空孔がマクロ的に結晶構造を構成する配置で配列しているものが開示されている。
本願発明者らは、特許文献1、2に記載の多孔質炭素材料に対して、初期の放電容量がより高く、かつ、充放電の繰り返しによる放電容量の減少割合がより少ないリチウムイオン電池を実現する電極に用いるCNCを含む多孔質炭素材料を開発し、特許文献3で開示している。
一方、本願発明者らは、電気二重層キャパシタの容量の向上についての研究の結果、鉄触媒によってメソポーラスカーボンであるCMK−3の細孔壁のグラファイト化を進め、これを用いた炭素系電極をキャパシタに用いることにより、容量を向上させることに成功し、当該技術を非特許文献1に開示している。
特開2005−262324号公報 特開2006−286803号公報 特開2010−267542号公報 特開2015−098417号公報
S.Inagaki, Y.Yokoo, T.Miki, Y.Kubota,"Microporous Mesoporous Mater.", 179(2013)136-143
しかしながら、上述の従来技術に開示されている多孔質炭素材料を電気二重層キャパシタの電極に用いると、当該多孔質炭素材料の細孔径は依然として大きく、単位体積当たりのキャパシタ容量が低く見積もられてしまう。このような課題を解決するために、本願発明者らは、特許文献4において、大容量の電気二重層キャパシタを実現し得る、メソポーラスカーボンの製造方法を提案した。
しかしながら、近年、車載用等の用途として、大容量を実現しつつ、小型化の要求も満足し得る電気二重層キャパシタの研究・開発が望まれている。このような課題に鑑み、本発明の目的は、電気二重層キャパシタの大容量化及び小型化が可能なメソポーラスカーボンの新規な製造方法、及び、それを用いた電気二重層キャパシタ用炭素系電極の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、メソポーラスシリカであるMCM−48を作製し、これを用いてシリカ−カーボン複合体を作製し、続いてMCM−48を除去することでメソポーラスカーボンを作製するメソポーラスカーボンの製造方法において、メソポーラスカーボンの炭素源として多環芳香族類を用いることで、上記課題が解決できることを見出した。
以上の知見を基礎として完成した本発明は、(A)メソポーラスシリカであるMCM−48、又は、シリカに担持可能な元素が担持したメソポーラスシリカであるMCM−48を準備する工程と、(B−1)前記MCM−48又は前記シリカに担持可能な元素が担持したMCM−48を、多環芳香族類と混合した後、予備加熱を行い前記MCM−48、又は、前記シリカに担持可能な元素が担持したMCM−48に前記多環芳香族類を染み込ませる工程と、(B−2)前記予備加熱後に本加熱を行うことで、前記多環芳香族類が染み込んだ前記MCM−48、又は、前記シリカに担持可能な元素が担持したMCM−48を炭化させてシリカ−カーボン複合体を作製する工程と、(B−3)前記シリカ−カーボン複合体から前記MCM−48、又は、前記シリカに担持可能な元素が担持したMCM−48を除去することでメソポーラスカーボンを作製する工程とを備えたメソポーラスカーボンの製造方法である。
本発明のメソポーラスカーボンの製造方法は一実施形態において、前記工程(A)において、シリカに担持可能な元素の溶液にMCM−48を添加して攪拌し、続いて蒸発乾固させた後に加熱することで、シリカに担持可能な元素が担持したメソポーラスシリカであるMCM−48を作製する。
本発明のメソポーラスカーボンの製造方法は別の一実施形態において、前記シリカに担持可能な元素がルイス酸性を示しうる元素である。
本発明のメソポーラスカーボンの製造方法は更に別の一実施形態において、前記ルイス酸性を示しうる元素が、B、Al、Ga、及びInからなる群から選択される少なくとも1種である。
本発明のメソポーラスカーボンの製造方法は更に別の一実施形態において、前記ルイス酸性を示しうる元素が、Alである。
本発明のメソポーラスカーボンの製造方法は更に別の一実施形態において、前記多環芳香族類がアセナフテンである。
本発明のメソポーラスカーボンの製造方法は更に別の一実施形態において、前記シリカ−カーボン複合体からのMCM−48の除去を、フッ酸を用いて行う。
本発明のメソポーラスカーボンの製造方法は更に別の一実施形態において、前記メソポーラスカーボンがCMK−1である。
本発明は別の一側面において、本発明の方法によってメソポーラスカーボンを作製した後、前記メソポーラスカーボンを用いて炭素系電極を作製する工程を備えた電気二重層キャパシタ用炭素系電極の製造方法である。
本発明によれば、電気二重層キャパシタの大容量化及び小型化が可能なメソポーラスカーボンの新規な製造方法、及び、それを用いた電気二重層キャパシタ用炭素系電極の製造方法を提供することができる。
(a)はMCM−48の三次元模式図であり、(b)はCMK−1の三次元模式図である。 実施例及び比較例に係るXRDパターンを示すグラフである。 実施例2のTEM観察写真である。 実施例及び比較例に係る各電流密度での5サイクル目の重量比容量:Cg、及び、電流密度2A/gでの各サイクル後の重量比容量:Cgを示すグラフである。 実施例及び比較例に係る重量比容量:Cg、BET比表面積:SBET、単位表面積当たりの充放電容量:Csの関係を示すグラフである。
本発明のメソポーラスカーボンの製造方法及びそれを用いた電気二重層キャパシタ用炭素系電極の製造方法の実施の形態について説明する。なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本発明のメソポーラスカーボンは、メソポーラスシリカを準備する工程と、準備したメソポーラスシリカを用いて目的とするメソポーラスカーボンを作製する工程とにより製造することができる。より詳細には、本発明のメソポーラスカーボンの製造方法は、(A)メソポーラスシリカであるMCM−48、又は、シリカに担持可能な元素が担持したメソポーラスシリカであるMCM−48を準備する工程と、(B−1)前記MCM−48又は前記シリカに担持可能な元素が担持したMCM−48を、多環芳香族類と混合した後、予備加熱を行い前記MCM−48、又は、前記シリカに担持可能な元素が担持したMCM−48に前記多環芳香族類を染み込ませる工程と、(B−2)前記予備加熱後に本加熱を行うことで、前記多環芳香族類が染み込んだ前記MCM−48、又は、前記シリカに担持可能な元素が担持されたMCM−48を炭化させてシリカ−カーボン複合体を作製する工程と、(B−3)前記シリカ−カーボン複合体から前記MCM−48、又は、前記シリカに担持可能な元素が担持したMCM−48を除去することでメソポーラスカーボンを作製する工程とを備える。本発明で作製されるメソポーラスカーボンとしては、例えば、CMK−1が挙げられる。図1(a)にMCM−48の三次元模式図を示す。図1(b)にCMK−1の三次元模式図を示す。
(A:メソポーラスシリカの準備)
メソポーラスシリカを準備する工程について説明する。本発明では、メソポーラスシリカとして、MCM−48をそのまま用いてもよい。また、シリカに担持可能な元素が担持したMCM−48を用いてもよい。シリカに担持可能な元素が担持したMCM−48を用いたとき、当該元素が担持していないMCM−48をそのまま用いた場合に比べて、Alのルイス酸性に由来する触媒作用により炭素原料のグラファイト化反応が促進されるため、単位表面積当たりの充放電容量:Csがより高くなる。
なお、シリカに担持可能な元素が担持されたMCM−48とは、少なくとも細孔の表面にシリカに担持可能な元素が担持されたMCM−48を意味し、好ましくは、細孔以外の粒子外表面にもシリカに担持可能な元素が担持されたMCM−48を意味する。
以下に、本発明のMCM−48の作製方法の一実施形態について説明する。まず、カチオン性の界面活性剤として、純水を投入した容器内にC1837+Me3Br-(Meはメチル基)を添加し、攪拌してカチオン性の界面活性剤の水溶液を作製する。
次に、別の界面活性剤として、下記式(1)のTriton X−100(登録商標)を当該水溶液へ添加し、液中の界面活性剤が完全に溶解するまで30〜70℃で攪拌する。
次に、純水、水酸化ナトリウム及びシリカ源としてLudox HS−40(登録商標)を添加し、30〜70℃で15分〜3時間攪拌した後、80〜120℃で24〜72時間の静置加熱を行う。
次に、30〜70℃で5〜60分攪拌した後、溶液のpHを10に調整し、続いて80〜120℃で24〜72時間の静置加熱を行う。その後、放熱、ろ過、及び、乾燥を行った後、500〜600℃で1〜24時間の加熱を行うことで、MCM−48を作製する。
本発明のMCM−48は、空間群Ia−3dを有するメソポーラスシリカである。また、このように空間群Ia−3dを有するMCM−48を作製することで、メソポーラスカーボンとして、空間群Ia−3dまたはこれに類する空間群(例えばI4132)を有するメソポーラスカーボンであるCMK−1を作製することができる。
上記MCM−48の作製方法は、本願発明者らによる特許文献4(特開2015−098417号公報)の作製方法とは異なっているが、上記MCM−48の作製方法によれば、特許文献4で得られるMCM−48に対し、より壁厚が大きくなり、その結果作製されるメソポーラスカーボンの細孔が小さくなり、単位表面積当たりの充放電容量:Csがより高くなる。
次に、本発明のシリカに担持可能な元素が担持したMCM−48の作製方法の一実施形態について説明する。まず、シリカに担持可能な元素の溶液を準備する。シリカに担持可能な元素としては、ルイス酸性を示しうる元素が挙げられ、例えば、第13族元素であるB、Al、Ga、及びInからなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。シリカに担持可能な元素として、特にAlはコストの面で好ましい。当該元素を例えばエタノール等の溶媒に溶かすことで、前記シリカに担持可能な元素の溶液を作製することができる。
次に、シリカに担持可能な元素の溶液にMCM−48を添加して攪拌する。攪拌温度と時間は、例えば、10〜50℃で1〜24時間とすることができる。この攪拌によって、MCM−48にシリカに担持可能な元素を十分なじませる。
次に、前記溶液を例えばエバポレータ等で濃縮して溶媒を除去した後、乾燥させ(蒸発乾固)、続いて焼成する。焼成温度と時間は、例えば、500〜600℃で1〜24時間とすることができる。このようにして、シリカに担持可能な元素が担持したメソポーラスシリカであるMCM−48を作製することができる。
(B:メソポーラスシリカを用いたメソポーラスカーボンの作製)
以下、本発明のメソポーラスシリカを用いたメソポーラスカーボンの作製方法の一実施形態について説明する。
メソポーラスカーボンを作製する工程では、まず、MCM−48又はシリカに担持可能な元素が担持したMCM−48を、多環芳香族類と混合した後、予備加熱を行い、MCM−48、又は、シリカに担持可能な元素が担持したMCM−48に多環芳香族類を染み込ませる。当該予備加熱は、例えば、1段目の加熱でMCM−48、又は、シリカに担持可能な元素が担持されたMCM−48に多環芳香族類を染み込ませた後、2段目の加熱で多環芳香族類を重合させて架橋体としてもよい。このとき、MCM−48の構造体に対応した形態を有する重合体のネットワークが仮形成される。このため、後段の炭化工程(本加熱)において、より所望の形態を有するメソポーラスカーボンを作製することができる。予備加熱の1段目の処理条件は、500〜800℃で6〜24時間とすることができる。また、予備加熱の2段目の処理条件は、600〜1000℃で6〜24時間とすることができる。
本発明で用いる多環芳香族類は、アセナフテン、ナフタレン、アントラセン、ピレン等が挙げられ、このうち、下記式(2)に示すアセナフテンを用いると反応がより良好に進むため好ましい。
上記予備加熱後、さらに多環芳香族類が重合して生成した架橋体に本加熱を行うことで炭化させて、シリカ−カーボン複合体を作製する。炭化工程は真空にした炭化炉内で行うことが好ましい。本加熱の処理条件は、700〜1000℃で6〜24時間とすることができる。
次に、シリカ−カーボン複合体からMCM−48を除去することでメソポーラスカーボンを作製する。シリカ−カーボン複合体からのMCM−48の除去は、特に限定されない。例えば、フッ酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、等の水溶液にシリカ−カーボン複合体を1〜3日間含浸させることで、MCM−48を除去することができる。これにより、メソポーラスカーボンを作製することができる。また、MCM−48を用いることにより、メソポーラスカーボンとして、空間群Ia−3dを有するCMK−1を作製することができる。
MCM−48の除去に用いる薬剤は、特に、フッ酸であるのが好ましい。フッ酸を用いることで、よりMCM−48を容易に除去することができる。
このようにして作製された本発明のメソポーラスカーボンは、比表面積が500m2/g以上であり、好ましくは、600m2/g以上である。
本発明の方法によってメソポーラスカーボンを作製した後、当該メソポーラスカーボンを用いて電気二重層キャパシタ用炭素系電極を作製することができる。本発明の方法によって得られたメソポーラスカーボンを用いて炭素系電極を作製した電気二重層キャパシタはキャパシタ容量が100〜120F/gである。一方、従来のメソポーラスカーボンを用いて炭素系電極を作製した電気二重層キャパシタはキャパシタ容量が80F/g未満である。このように、本発明の方法によって得られたメソポーラスカーボンを用いて炭素系電極を作製した電気二重層キャパシタは、従来品に比べてキャパシタ容量が格段に改善されている。また、単位表面積当たりの充放電容量:Csについても、7μF/cm2以上が得られ、従来品に比べて、同じ容量であるものを、より小型化することが可能となる。
次に、本発明に係る実施例を以下に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
・実施例1(CMK−1_AN)
まず、カチオン性の界面活性剤として、純水を投入した容器内にC1837+Me3Br-(Meはメチル基)を添加し、攪拌してカチオン性の界面活性剤の水溶液を作製した。
次に、別の界面活性剤として、Triton X−100(登録商標)を当該水溶液へ添加し、液中の界面活性剤が完全に溶解するまで50℃で攪拌した。
次に、純水、水酸化ナトリウム及びシリカ源としてLudox HS−40(登録商標)を添加し、50℃で30分間攪拌した後、100℃で48時間の静置加熱を行った。
次に、50℃で攪拌した後、溶液のpHを10に調整し、続いて100℃で48時間の静置加熱を行った。その後、放熱、ろ過、及び、乾燥を行った後、550℃で6〜12時間の加熱を行うことで、MCM−48を作製した。
なお、上記MCM−48の作製における各原料の使用量(仕込み量)を、以下のモル比で示す。
Ludox HS−40(登録商標)におけるSiO2:1.0
NaOH:0.50
1837+Me3Br-:0.18
Triton X−100:0.016
2O:80
次に、得られたMCM−48を、アセナフテンと混合した後、予備加熱を行い、MCM−48にアセナフテンを染み込ませた。当該予備加熱は、1段目の加熱でMCM−48にアセナフテンを染み込ませた後、2段目の加熱でアセナフテンを重合させて架橋体とした。具体的には、10分かけて150℃に加熱し、この温度を保持しながら2時間の加熱(1段目の予備加熱)を行い、続いて30分かけて750℃に加熱し、この温度を保持しながら2時間の加熱(2段目の予備加熱)を行った。その後、放置して室温まで戻した。
続いて、さらにアセナフテンが重合して生成した架橋体に本加熱を行うことで炭化させて、シリカ−カーボン複合体を作製した。炭化工程は真空にした炭化炉内で行った。本加熱の処理条件は、1時間かけて150℃に加熱し、この温度を保持しながら2時間の加熱(1段目の本加熱)を行い、続いて6時間かけて900℃に加熱し、この温度を保持しながら6時間の加熱(2段目の本加熱)を行った。
次に、シリカ−カーボン複合体を2日間フッ酸に含浸させることで、MCM−48を除去した。次に、ろ過及び乾燥を行うことで、メソポーラスカーボンとして、空間群Ia−3dを有するCMK−1を作製することができた。以下、実施例1で作製したCMK−1を、「CMK−1_AN」とする。
なお、上記CMK−1_ANの作製における各原料の使用量(仕込み量)を、以下のモル比で示す。
MCM−48におけるSiO2:1.0
アセナフテン:0.5
・実施例2(CMK−1Al_AN)
まず、シリカに担持可能な元素であるAlをエタノールに溶かすことで、Alのエタノール溶液を作製し、続いて、Alのエタノール溶液に、実施例1と同様にして作製したMCM−48を添加し、さらにエタノールを添加して、室温で1時間の攪拌を行った。この攪拌によって、MCM−48にAlを十分なじませた。
次に、前記溶液をエバポレータで濃縮してエタノールを除去した後、乾燥させ(蒸発乾固)、続いて550℃で5時間焼成した。このようにして、Alが担持したメソポーラスシリカであるMCM−48を作製した。
実施例2において、MCM−48からメソポーラスカーボンを作製する工程は、実施例1と同様に行った。これにより、メソポーラスカーボンとして、空間群Ia−3dを有するCMK−1を作製することができた。以下、実施例2で作製したCMK−1を、「CMK−1Al_AN」とする。
・比較例1(CMK−1_SU)
まず、実施例1と同様にして作製したMCM−48を容器に投入した。続いて、下記式(3)のスクロースをさらに容器に投入した後、水溶性の硫酸と純水とを加え、100℃で5時間の加熱及び160℃で6時間の加熱をこの順で行った。次に、再度、スクロースを容器に投入した後、水溶性の硫酸と純水とを加え、100℃で5時間の加熱及び160℃で6時間の加熱をこの順で行った。
次に、減圧炭化を行い、シリカ−カーボン複合体を作製した。当該炭化工程は減圧した炭化炉内で行った。より具体的には、まず1時間かけて150℃に加熱し、この温度を保持しながら2時間の加熱(1段目の加熱)を行い、続いて6時間かけて900℃に加熱し、この温度を保持しながら6時間の加熱(2段目の加熱)を行った。その後、室温まで戻した。
次に、シリカ−カーボン複合体を2日間フッ酸に含浸させることで、MCM−48を除去した。次に、ろ過及び乾燥を行うことで、メソポーラスカーボンとして、空間群Ia−3dを有するCMK−1を作製することができた。以下、比較例1で作製したCMK−1を、「CMK−1_SU」とする。
なお、上記CMK−1_SUの作製における各原料の使用量(仕込み量)を、以下のモル比で示す。
MCM−48におけるSiO2:1.0
スクロース:0.35
2SO4:0.14
2O:33
・比較例2(CMK−1_FA)
まず、実施例1と同様にして作製したMCM−48を容器に投入した。続いて、下記式(4)のフルフリルアルコール及びシュウ酸をさらに容器に投入した後、90℃で72時間の加熱を行って容器内の混合物をポリマー状にした。
次に、減圧炭化を行い、シリカ−カーボン複合体を作製した。当該炭化工程は減圧した炭化炉内で行った。より具体的には、まず1時間かけて150℃に加熱し、この温度を保持しながら2時間の加熱(1段目の加熱)を行い、続いて6時間かけて900℃に加熱し、この温度を保持しながら6時間の加熱(2段目の加熱)を行った。その後、室温まで戻した。
次に、シリカ−カーボン複合体を2日間フッ酸に含浸させることで、MCM−48を除去した。次に、ろ過及び乾燥を行うことで、メソポーラスカーボンとして、空間群Ia−3dを有するCMK−1を作製することができた。以下、比較例2で作製したCMK−1を、「CMK−1_FA」とする。
なお、上記CMK−1_FAの作製における各原料の使用量(仕込み量)を、以下のモル比で示す。
MCM−48におけるSiO2:1.0
フルフリルアルコール:2.5
(COOH)2:0.0127
・比較例3(活性炭素繊維)
比較例3として、市販の活性炭素繊維A−10(アドール社製)を準備し、これを参照用のポーラスカーボンとした。
上記各メソポーラスカーボンについて、以下の各種評価を行った。
(XRDパターンの測定)
各メソポーラスカーボンの粉末X線回折(XRD)を行った。X線としてCuKα線(波長(α)はα=1.5418Å)を用いた。試料の表面と入射X線のなす角度をθとしたとき、2θが0〜6度(低角度)のときのXRDパターンと、2θが10〜50度(高角度)のときのXRDパターンとを測定した。結果を図2に示す。
図2(低角度)によれば、実施例2(CMK−1Al_AN)、実施例1(CMK−1_AN)、比較例1(CMK−1_SU)、比較例2(CMK−1_FA)はそれぞれピークの位置がカーボンレプリカと同様の位置となっており、数nm径の細孔が並んで存在していることがわかった。また、実施例2(CMK−1Al_AN)、実施例1(CMK−1_AN)、比較例2(CMK−1_FA)、比較例1(CMK−1_SU)はこの順でパターン強度が大きくなっていた。
図2(高角度)によれば、実施例2(CMK−1Al_AN)、実施例1(CMK−1_AN)については、グラファイトと同じ位置にピークが観察され、グラファイトと同様のスタック構造を有していることがわかった。また、実施例2(CMK−1Al_AN)、実施例1(CMK−1_AN)、比較例2(CMK−1_FA)、比較例1(CMK−1_SU)はこの順でパターン強度が大きくなっていた。
なお、図2の「Lc」はグラファイトのスタック構造において0.3nmの高さのものが何層重なっているかを示すものであり、Lc=1.5nmとは、0.3nm×5(回)となるため、0.3nmの高さのものが5層重なっていたことを示す。
(TEM観察)
TEM:透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製H−9000NAR、加速電圧200kV)を用いて、実施例2(CMK−1Al_AN)の表面観察写真を低倍率及び高倍率で撮影した。結果を図3に示す。図3によれば、低倍率図において黒い線(CMK−1Al_ANの壁)と、白い線(CMK−1Al_ANの細孔)とが交互に伸びていることがわかる。また、低倍率図の一部を拡大した高倍率図において、積層構造を示す部分(丸枠で囲まれた部分)が観察され、当該積層構造が黒い線と白い線とが5〜6回交互に繰り返し並んでいることから、グラフェンシートの積層構造を有していることが確認された。
(単位重量当たりの充放電容量:Cgの測定)
各メソポーラスカーボンを所定の電流密度で、直径12mmのセル面積を有する電気二重層キャパシタ(Electric double-layer capacitor:EDLC)に対して、充放電電圧範囲±1.0V、充放電温度30℃で、それぞれ10サイクルの充放電試験を行い、重量比容量:Cgを測定した。図4に各電流密度での5サイクル目の重量比容量:Cg、及び、電流密度2A/gでの各サイクル後の重量比容量:Cgを示す。また、図4に重量比容量:Cgの計算式を示す。
図4より、実施例1、2及び比較例1、2では電流密度が大きくなっても重量比容量:Cgは維持されているのに対し、活性炭素繊維を用いた比較例3では徐々に重量比容量:Cgが低下していくことが確認された。
なお、図4より、10サイクル目でも比較例1は実施例1及び2に対して重量比容量:Cgが高い値となっていることがわかる。このように、重量比容量:Cgについては、比較例1が最も良い値を示しているが、電気二重層キャパシタの大容量化及び小型化の両立を図るためには、メソポーラスカーボンについて、さらに以下の単位表面積当たりの充放電容量:Csが良好でなければならない。
(BET比表面積:SBET、単位表面積当たりの充放電容量:Csの測定)
BET比表面積:SBETは、各メソポーラスカーボンを液体窒素温度下において、窒素ガスを吸脱着して得られる窒素吸脱着等温線を用いて、求めた。具体的には、窒素吸脱着等温線を用いて、Brunauer-Emmett-Teller(BET)法により、各メソポーラスカーボンのBET比表面積を求めた。また、上記評価試験で測定した単位重量当たりの重量比容量:Cgを用い、Cg/SBETによって単位表面積当たりの充放電容量:Csを算出した。評価結果を図5のグラフ及び下記表1に示す。
図5のグラフにおいて、原点から各点を結んだ直線の傾きが単位表面積当たりの充放電容量:Csを示している。図5によれば、実施例2(CMK−1Al_AN)の傾きが最大(単位表面積当たりの充放電容量:Csが最大)であり、次に実施例1(CMK−1_AN)の傾きが大きかった。比較例1(CMK−1_SU)、比較例2(CMK−1_FA)及び比較例3(活性炭素繊維)は、いずれも実施例1及び2に対して傾きが小さく、単位表面積当たりの充放電容量:Csが小さいことがわかった。このため、実施例1及び2のメソポーラスカーボンによれば、比較例1〜3に対し、電気二重層キャパシタの大容量化及び小型化を同時に実現できることがわかる。

Claims (9)

  1. (A)メソポーラスシリカであるMCM−48、又は、シリカに担持可能な元素が担持したメソポーラスシリカであるMCM−48を準備する工程と、
    (B−1)前記MCM−48又は前記シリカに担持可能な元素が担持したMCM−48を、多環芳香族類と混合した後、予備加熱を行い前記MCM−48、又は、前記シリカに担持可能な元素が担持したMCM−48に前記多環芳香族類を染み込ませる工程と、
    (B−2)前記予備加熱後に本加熱を行うことで、前記多環芳香族類が染み込んだ前記MCM−48、又は、前記シリカに担持可能な元素が担持したMCM−48を炭化させてシリカ−カーボン複合体を作製する工程と、
    (B−3)前記シリカ−カーボン複合体から前記MCM−48、又は、前記シリカに担持可能な元素が担持したMCM−48を除去することでメソポーラスカーボンを作製する工程と、
    を備えたメソポーラスカーボンの製造方法。
  2. 前記工程(A)において、シリカに担持可能な元素の溶液にMCM−48を添加して攪拌し、続いて蒸発乾固させた後に加熱することで、シリカに担持可能な元素が担持されたメソポーラスシリカであるMCM−48を作製する請求項1に記載のメソポーラスカーボンの製造方法。
  3. 前記シリカに担持可能な元素がルイス酸性を示しうる元素である請求項1又は2に記載のメソポーラスカーボンの製造方法。
  4. 前記ルイス酸性を示しうる元素が、B、Al、Ga、In及びTlからなる群から選択される少なくとも1種である請求項3に記載のメソポーラスカーボンの製造方法。
  5. 前記ルイス酸性を示しうる元素が、Alである請求項4に記載のメソポーラスカーボンの製造方法。
  6. 前記多環芳香族類がアセナフテンである請求項1〜5のいずれか一項に記載のメソポーラスカーボンの製造方法。
  7. 前記シリカ−カーボン複合体からのMCM−48の除去を、フッ酸を用いて行う請求項1〜6のいずれか一項に記載のメソポーラスカーボンの製造方法。
  8. 前記メソポーラスカーボンがCMK−1である請求項1〜7のいずれか一項に記載のメソポーラスカーボンの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法によってメソポーラスカーボンを作製した後、前記メソポーラスカーボンを用いて炭素系電極を作製する工程を備えた電気二重層キャパシタ用炭素系電極の製造方法。
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