JP2017140621A - 上型平行出し治具、金型、調整方法 - Google Patents

上型平行出し治具、金型、調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低コストな治具により金型の平行出しを可能とする。
【解決手段】上型平行出し治具は、シャンク取付板をプレス加工装置の昇降部に装着されたシャンクに固定装着し、上型取付板を上型に固定装着する。上型を下側に対して平行にしたうえで、シャンクから下方に延長する突起部を上型取付板の上面側のストッパに当接させ、かつ上型取付板の上面側に立設された複数の調整ポストがシャンク取付板における対応する孔部に挿通された状態とする。下側球面ナットの球面部側をシャンク取付板の下面側に当接させて締め付け、さらに上側球面ナットの球面部側をシャンク取付板の上面側に当接させて締め付けることで、昇降部に対して上型を固定する。これにより昇降部側が完全に垂直でなくとも、上型が下型に対して平行に維持固定されるようにする。
【選択図】図2

Description

本発明はプレス加工に用いられる金型と、上下金型の平行出しのための上型平行出し治具、及び平行出しのための調整方法に関する。
特開2008−194735号公報
プレス加工の分野では、加工に用いる金型における上型と下型の平行が保たれることは当然に重要である。例えばフィルム等の被加工物を下型のプレート上に配置し、上型に取り付けられた切断刃で切断したり、抜きや絞り等の加工を行う場合、上型の平行が出ていないとフィルムの全切りができない。
図8は、上型200と下型201を有する金型によりフィルム等の被加工物206を切断する場合において、上型200の平行が出ていない様子を模式的に示している。
上型200はシャンクホルダ202により、プレス加工装置のラム(昇降部)215の先端に取り付けられたシャンク204に取り付けられる。これによりラム215の昇降に応じて上型200が昇降動作する。
下型201の四隅にはガイドポスト203が設けられ、上型200は四隅がガイドポスト203に案内される状態で昇降する。そして上型200には切断刃205が取り付けられていることで、昇降に応じて下型201のプレート上に載置された被加工物206を切断加工する。
ところが図示のように上型200が下型201に対して傾いていると(図では説明のため傾いた状態を強調して示している)、切断刃205が平行に被加工物206にあたらず、切断加工が適切に行えない。
このために、シャンクホルダ202の下にシムを挟み込むなどして上型の平行を出している。
しかしながら、シムによる調整(平行出し)は、当然時間がかかるとともに、精密な平行出しは困難である。そこで図9や図10に示すような対応がとられてもいた。
図9の例は、下型201から上型200の左右に垂直の支柱210を設け、上型200の左右を支柱210に沿ってスライド移動するLMガイド(Linear Motion Guide)211で上型200の平行を維持させるものである。これにより切断刃205を被加工物206に平行に当てる。左右にダイヤルゲージ212を取り付けることで平行状態をチェックすることもできる。
しかしながらこの方式では、プレス加工装置や金型毎に適切なLMガイド機構を設計しなければならず、設計時間がかかる。また製作コストが高額となるという問題もある。
図10の例は、四隅に配置した4つのダイヤルゲージ212と4つのレベリングボルト220を用いる例である。プレート222の四隅にレベリングボルト220を設け、また各レベリングボルトに近接した位置(つまりプレート222の四隅)の平行状態を確認できるダイヤルゲージ212を設ける。そして上型200の四隅にレベリングボルト220を挿通させ、ナット221を螺合する。これによりプレート222の四隅の高さ位置がナット221で規定されるようにする。そしてナット221の締め量を、ダイヤルゲージ212を確認しながら調整していくことで平行状態を得る。
しかしこの方式は、平行出しのための調整に非常に時間がかかる。作業者がダイヤルゲージ212で確認しながら四隅のナット221の締め量をくり返し微妙に調整していかなければならないためである。もちろん調整に熟練を要するという難点もある。またこの方式も製作コストが高額となる。
このように従来では、上型200の平行出しのために設計や調整の手間がかかったり、コスト高となるという問題があった。
なお特許文献1には、上型の変形を抑制してプレス製品のバラツキを防止することができる金型取付用治具が開示されているが、上記のような上型の平行出しに関する問題を解決する手法は開示されていない。
そこで本発明では、容易かつ低コストで上型の平行出しを行うことができる手法を提案する。
本発明に係る上型平行出し治具は、プレス加工装置の昇降部に装着されたシャンクに固定装着されるシャンク取付板と、上型及び下型からなるプレス加工用金型の前記上型に固定装着される上型取付板と、前記上型取付板の上面側に立設された複数の調整ポストと、少なくとも一方の面が球面部とされ、前記調整ポストに螺合される下側球面ナットと、少なくとも一方の面が球面部とされ、前記調整ポストに螺合される上側球面ナットと、前記上型取付板の上面側であって、前記シャンクから下方に延長する突起部が当接可能な位置に設けられたストッパとを備える。そして前記突起部が前記ストッパに当接し、かつ前記調整ポストが前記シャンク取付板における対応する孔部に挿通された状態で、前記下側球面ナットが前記球面部側で前記シャンク取付板の下面側に当接して締め付けられ、さらに前記上側球面ナットが前記球面部側で前記シャンク取付板の上面側に当接して締め付けられることで、前記昇降部に対して前記上型を固定する。
また本発明に係る金型は、上型と、下型と、上記の上型平行出し治具とを有する。
以上の上型平行出し治具の構造では、シャンクがストッパに押しつけられた状態で、各調整ポストに螺合される下側球面ナットがシャンク取付板の下側に当接する。この場合、プレス加工装置の昇降部の垂直性が完全でなければ、それぞれの調整ポスト上での下側球面ナットの螺合位置に差が出る。換言すれば、下側球面ナットの螺合位置が、昇降部の非垂直性を吸収する。そして上側球面ナットによっても締め付けることで、昇降部の非垂直性に関わらず、上型が下型に対して平行を保った状態で昇降部に固定される。
上記した上型平行出し治具においては、前記シャンク取付板において、前記下側球面ナットが当接する当接部は、前記球面部に凹凸関係で対応する球面状とされていることが望ましい。
つまりシャンク取付板は、下側球面ナットの球面部に対応する形状で下側球面ナットを受けるようにする。
上記した上型平行出し治具においては、前記シャンク取付板において、前記上側球面ナットが当接する当接部は、前記球面部に凹凸関係で対応する球面状とされていることが望ましい。
つまりシャンク取付板は、上側球面ナットの球面部に対応する形状で上側球面ナットを受ける。
上記した上型平行出し治具においては、前記ストッパは、前記突起部が当接する面が球面とされていることが望ましい。
つまりストッパは、シャンクから下方に延長する突起部を球面で受け止める。
本発明に係る調整方法は、金型に上記の上型平行出し治具を用いる調整方法である。プレス加工用金型の下型に対して上型を平行に維持した状態で、前記突起部を前記ストッパに当接させる工程と、前記調整ポストが前記シャンク取付板における対応する孔部に挿通された状態で、前記下側球面ナットを、前記球面部側で前記シャンク取付板の下面側に当接させて締め付ける工程と、前記上側球面ナットを、前記球面部側で前記シャンク取付板の上面側に当接させて締め付ける工程とを有する。
これにより、昇降部の垂直性が維持されていなくても、上型と下型の平行を維持した状態で、昇降部に対して上型を固定する。
本発明によれば、シンプルな構造の上型平行出し治具を用いて上型の平行出しを行うことができ、平行出しのためのコストを低減し、さらに調整工程も簡易となり、工程効率を向上させることができる。
本発明の実施の形態の金型の説明図である。 実施の形態の上型平行出し治具と上型の固定状態の説明図である。 実施の形態の上型平行出し治具を一部断面として拡大した説明図である。 実施の形態の上型平行出し治具のシャンク取付板の固定の説明図である。 実施の形態の調整手順のフローチャートである。 実施の形態の調整手順の過程の説明図である。 実施の形態の調整手順の過程の説明図である。 上型の平行を出すための従来方式の説明図である。 上型の平行を出すための従来方式の説明図である。 上型の平行を出すための従来方式の説明図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1はプレス加工装置に取り付けられた金型として上型1と下型2を示している。この例は上型1の昇降によりフィルム等の被加工物5を切断する装置を想定している。
なお説明において「上側」「上方」「上」は、上型1からみてプレス加工装置のラム6側の方向を指し、「下側」「下方」「下」は上型1からみて下型2側の方向を指す。
上型1はプレス加工装置のラム6(昇降部)に対して固定される。ラム6の先端にはシャンク7が装着され、上型1はシャンク7に対して上型平行出し治具10(以下、単に「治具10」と表記する)を介して固定装着されている。これにより上型1はプレス加工装置のラム6の昇降に応じて昇降動作する。
上型1の下部には切断刃プレート1bが形成され、この切断刃プレート1bに切断刃3が装着されている。
下型2には、切断刃3に対向する面を形成するプレート2aが設けられる。このプレート2aに被加工物5が載置される。
下型2の四隅にはそれぞれ下型2から垂直にガイドポスト4が設けられている。この4本のガイドポスト4に対応して上型1の四隅には4つのポストホルダ1aが設けられている。ポストホルダ1aにおいて形成されるガイドポスト孔PH(図2参照)に、ガイドポスト4が挿通されることで、上型1は四隅がガイドポスト4に案内される状態で昇降する。そして上型1の降下に応じて下型2のプレート2a上に載置された被加工物5が切断刃3によって切断加工される。
このような金型においては、背景技術の説明で述べたように上型1が下型2に対して平行を保てていないと、切断刃3が被加工物5に平行に当たらず、切断加工が適切に行えない。そもそも上型1の下型2に対する平行が保てないのは、プレス加工装置のラム6の昇降動作が、下型2に対して高い精度での垂直方向の動作とは必ずしもならないことや、上型1のガイドポスト4に沿った昇降のため、ポストホルダ1aに多少のクリアランスが必要なためなどの理由による。
本実施の形態では、図8〜図10で説明したような手法をとらなくとも治具10により上型1が下型2に対して平行状態を維持できるようにする。
治具10の構造及び取付状態を図2〜図4を参照して説明する。
なお図2Aはラム6側(上方側)から治具10を見た状態である。図2Bは図1の状態で接合のためのボルト等を示したものであり、ガイドポスト4は1つのみ表記した。図3は治具10の周辺を拡大し、一部断面で示している。
治具10はシャンク取付板11と上型取付板12を有する。
上型取付板12は正方形の板状とされ、その板状の下面側が上型1の上面略中央に載置された状態で、上型1の上面に複数のボルト13によって固定される(図2A、図2B、図3参照)。
上型取付板12の上面中央には例えば円柱状のストッパ17が設けられる。ストッパ17は上型取付板12に対してボルト21により固定されている。
ストッパ17の上端面は後述するようにシャンク7の突起部7aが当接する当接部17aとされている。この当接部17aとなるストッパ17の上面は球面状に形成されている。(図2A、図2B、図3参照)
上型取付板12の四隅にはそれぞれ調整ポスト14が突設されている。各調整ポスト14は、下半分が大径部14bで上半分が小径部14aとなる形状とされている。大径部14bの内部にはネジ孔が形成され、上型取付板12からのボルト20が螺合される。これにより調整ポスト14が上型取付板12の上面に固定される(図3参照)。
シャンク取付板11は、シャンク7に固定される。
まずシャンク7はラム6の先端に対してボルト8により固定されている。このシャンク7には突起部7aが設けられている。突起部7aはシャンク7の平面中央から下方に向かって延伸するように形成されている(図2A、図2B、図3参照)。
シャンク取付板11は上型取付板12と同じく正方形の板状とされる。図4A、図4Bにシャンク取付板11の斜視図及び側面図を示している。
図示するようシャンク取付板11には、正方形とされた平面中央に中央孔11aが形成されている。中央孔11aの内周面には螺合溝が形成されている。
またシャンク取付板11の四隅にそれぞれ調整ポスト孔11dが形成されている。
調整ポスト孔11dの上面側は球面状の凹部とされた上側球面当接部11bとされている。また調整ポスト孔11dの下面側は球面状の凹部とされた下側球面当接部11cとされている。
このようなシャンク取付板11は、シャンク7の突起部7aに対して固定される。
突起部7aには螺合溝が形成されており(図3参照)、この突起部7aに対してシャンク取付板11の中央孔11aの螺合溝が螺合する。そしてシャンク取付板11が突起部7aに対して螺合を進める方向に回転されていくことでシャンク取付板11が突起部7a上の所定の位置状態とされる。例えば図2B、図3に示すように突起部7aの突起方向の略中間位置にシャンク取付板11が位置される。
その状態でナット18,19がシャンク取付板11を上面側及び下面側から締め付けられることで、シャンク取付板11が突起部7aに対して固定される。即ち突起部7aの螺合溝に螺合されるナット18、19がシャンク取付板11の上面側及び下面側から挟み込むように締め付けられることで固定が行われる。
なお、シャンク取付板11の中央孔11aには螺合溝を形成しない例も考えられる。即ち突起部7aが中央孔11aに挿通した状態でナット18,19がシャンク取付板11を上面側及び下面側から締め付けることで、シャンク取付板11が突起部7aに対して固定されるようにしてもよい。
シャンク取付板11の四隅の調整ポスト孔11dのそれぞれは、調整ポスト14の細径部14aが挿通可能な径とされている。
また各調整ポスト14の細径部14aにはネジ溝が形成されている(図3参照)。この細径部14aのネジ溝に対して、上側球面ナット15と下側球面ナット16が螺合する。
そして調整ポスト14の細径部14aが調整ポスト孔11dに挿通された状態で、上側球面ナット15と下側球面ナット16がシャンク取付板11の上面側及び下面側から締め付けられることで、各調整ポスト14とシャンク取付板11が固定連結される。
この状態で図2Bのように、ラム6に対して上型1が固定装着されることになる。
ここで図4A、図4Bからわかるように、上側球面ナット15と下側球面ナット16はどちらも一方の面が球面形状(球面部RM)の六角ナットとされている。
そしてシャンク取付板11の上側球面当接部11bは、上側球面ナット15の球面部RMに対応した球面状の凹部となっている。同様にシャンク取付板11の下側球面当接部11cは、下側球面ナット16の球面部RMに対応した球面状の凹部となっている。
シャンク取付板11は中央孔11aに挿通されたシャンク7の突起部7aに対して固定される一方、調整ポスト14と上型1が連結固定されている。
仮に突起部7aと調整ポスト14が完全に平行状態でなくとも、上側球面ナット15と下側球面ナット16の球面部RMが当接され、また球面状の凹部とされた上側球面当接部11b、下側球面当接部11cによって球面部RMが受けられることで、調整ポスト14とシャンク取付板11は強固に固定できる。
本実施の形態では、以上の構造の治具10を用いて、上型1が下型2に対して平行となるように調整された状態で上型1がラム6に装着され、プレス加工が実行される。
以下では、治具10を用いて上型1の平行出しを行う調整手順の例を図5〜図7を参照して説明する。図5の調整手順における各手順S1〜S12について述べていく。
・手順S1:治具10を仮組みし、上型1に取り付ける
まず上型取付板12に対してストッパ17をボルト21により取り付け、また4本の調整ポスト14をボルト20により取り付ける。さらに各調整ポスト14に下側球面ナット16をある程度の深さまで螺合させ、その状態で各調整ポスト14をシャンク取付板11の各調整ポスト孔11dに挿通させる。シャンク取付板11の上面に突出した調整ポスト14に対しては上側球面ナット15を軽く螺合する(強固に締め付ける必要はない)。
そして仮組みされた治具10をボルト13により上型1に固定する。
・手順S2:ラム6にシャンク7及びシャンク取付板11を固定する
まずプレス装置のラム6を作業に適切な位置まで降下させ、シャンク7にボルト8を差し込み、スパナを用いて締め込んで、シャンク7を固定する。
さらに仮組みされた治具10のシャンク取付板11をシャンク7に固定する。即ちラム6を下降させてシャンク7の突起部7aがシャンク取付板11の中央孔11aに挿通される状態とする。なお突起部7aにはナット18を予め螺合させておく。そしてシャンクを下降させ、突起部7aが中央孔11aからシャンク取付板11の下方に十分突出する状態とする。その状態で下方に突出した突起部7aに対してナット19を嵌め込んで締め付け、シャンク取付板11を、ナット18,19によって上下から挟み込むようにしてシャンク7に固定する。
この状態においては、ラム6の昇降によって上型1が昇降されるようになる。
・手順S3:ブロックゲージ100を配置する
上型1を上昇させ、下型2のプレート2aの上にブロックゲージ100を配置する。
図6にブロックゲージ100をプレート2a上に配置した状態を示している。まず手順S3では、例えばラム6を上昇させて上型1を上昇させる。その上でプレート2a上にブロックゲージ100を配置する。
・手順S4:ブロックゲージ100の上に上型1を載せる
ブロックゲージ100の配置後に上型1を下げて、図6のように上型1がブロックゲージ100に載置された状態とする。
・手順S5:シャンク取付板11を上昇させる
仮組みされた治具10において上側球面ナット15を、スパナを用いて外す。これによってシャンク取付板11が調整ポスト14から外れることが可能となる。この状態でラム6を上昇させることで、図7Aのようにシャンク取付板11のみが仮組から解かれて上昇される。
・手順S6:シャンク7の先端をストッパ17に当接させる
まずシャンク取付板11が外された状態で、各調整ポスト14に螺合している下側球面ナット16を調整ポスト14の一番下方にまで下げる。図7Aでは下側球面ナット16が調整ポスト14の細径部14aの一番下方に下げられた状態を示している。
そして、シャンク7の突起部7aの先端が、ストッパ17の当接面17a(球面)に当たる図7Bの状態となるまでラム6を下降させる。
・手順S7:下側球面ナット16の締め込み
図7Bのように下降させることで、シャンク取付板11の調整ポスト孔11dに再び調整ポスト14が挿通された状態となる。この状態で、最下方まで下げていた下側球面ナット16を図7Cのようにシャンク取付板11に当接するまで上方に上げていき、シャンク取付板11を下面側から締め込む。
・手順S8:上側球面ナット15の締め込み
続いてシャンク取付板11の上方に突出している調整ポスト14に対して上側球面ナット15を締め込んでいく。図7Dのように上側球面ナット15をシャンク取付板11の上方から締め込むようにする。
・手順S9:本締め
上記手順S7,S8で締め込んだ上側球面ナット15、下側球面ナット16についてスパナを用いて本締めする。これにより治具10を介して上型1がラム6(シャンク7)に固定装着された状態とする。
・手順S10:ブロックゲージ100を取り外す
ラム6を上昇させて上型1を上昇させ、ブロックゲージ100をプレート2aから取り外す。以上で上型1の平行出しの調整を行った状態での固定が完了する。
・手順S11:確認作業
実際のプレス加工に入る前に、平行出しの調整が適切に行われているか否かの確認を行う。
まずプレス加工装置を手動で操作して上型1を下降させ、切断刃3がフィルム等の被加工物5に平行に当たっているか確認する。
そして切断刃3が被加工物5に当たった位置(昇降方向の位置)を0点とする。
続いて上型1を上昇させ、プレス加工装置の自動昇降動作で0点の位置まで下降させ、切断刃3が被加工物5に平行に当たっているか確認する。
以上の確認がとれたら、上型1の下降位置を0点より下げ、被加工物5を加工、例えばフィルムの切断を行う。
なお、具体的には、被加工物5であるフィルムを切断加工する場合、全切断するフィルムを上層とし、下層にダミーフィルムを配置した2層の状態で供給することがある。上記の確認のための切断は、上層のフィルムが全切断されればよい。
・手順S12:確認作業判断
以上の確認作業により、上型1の平行出しが適切に行われているか否か、つまり被加工物5の加工が適切に行われる状態であるか否かが確認できる。適切な調整ができたことが確認できたら、調整作業は終了し、実際のプレス加工に移る。
もし適切な調整がされていないと判断された場合は、手順S3から調整をやり直せば良い。
以上、実施の形態の治具10及び治具10を用いた金型、さらには治具10の使用による調整方法について説明してきたが、実施の形態の技術によれば以下の効果が得られる。
実施の形態の治具10は、プレス加工装置のラム6(昇降部)に装着されたシャンク7に固定装着されるシャンク取付板11と、プレス加工用金型の上型1に固定装着される上型取付板12を有する。また上型取付板12の上面側に立設された複数の調整ポスト14と、少なくとも一方の面が略球面状の球面部RMとされ、調整ポスト14に螺合される下側球面ナット16と、少なくとも一方の面が略球面状の球面部RMとされ、調整ポスト14に螺合される上側球面ナット15を備える。また上型取付板12の上面側であって、シャンク7から下方に延長する突起部7aが当接可能な位置に設けられたストッパ17を備える。そして突起部7aがストッパ17に当接し、かつ調整ポスト14がシャンク取付板11における対応する孔部に挿通された状態で、下側球面ナット16が球面部RM側でシャンク取付板11の下面側に当接して締め付けられ、さらに上側球面ナット15が球面部RM側でシャンク取付板11の上面側に当接して締め付けられることで、ラム6に対して上型1を固定するようにしている。
このような構造では、シャンク7がストッパ17に押しつけられた状態で、各調整ポスト14に螺合される下側球面ナット16がシャンク取付板11の下側に当接する。このとき、もしラム6の垂直性が下型2に対して完全でなければ、それぞれの調整ポスト14上での下側球面ナット16の螺合位置に差が出る。図3に図中の左右の下側球面ナット16の螺合位置の差を、螺合範囲の最下部からの距離K1,K2として示しているが、もしラム6が垂直状態からわずかに紙面左に傾いた状態であればK1<K2となる。図では2つの下側球面ナット16の螺合位置のみを示しているが、実際には4つの下側球面ナット16がシャンク取付板11に当接した状態での螺合位置が、下側2に対するラム6の傾きに応じて異なる。
換言すれば、4つの下側球面ナット16の螺合位置が、ラム6の非垂直性を吸収した状態で、上型1が下型2に対して平行になることを保ったまま、上型1がラム6に固定されるようにしている。つまりシャンク取付板11は、必ずしもラム6の昇降動作の軸線に対して垂直とはならないが、あくまでもブロックゲージ100への載置によって確保される下型2に対する平行状態を維持したうえでラム6に固定される。
従って上述の通り簡易な構造の治具10によって、下型2に対して上型1の平行状態を得ることができ、金型製造のコストダウンや工程効率の向上を図ることができる。特に上型1の平行出しのために、図8〜図10で説明したようなコストアップを生じさせたり設計や調整に手間のかかる手法を用いることは不要となる。治具10は、LMガイドやダイヤルゲージを用いて調整する方式よりも安価に製作することができる。
またシャンク取付板11がシャンク7に固定装着され、上型取付板12が上型1に固定装着された上で、シャンク取付板11と上型取付板12が固定接合されることになり、シャンク7側(ラム6側)に対して上型1を固定する。つまり、ラム6(昇降部)の非垂直性に関わらず、上型1が下型2に対して平行を保った状態でラム6に固定される。これによって上型1の平行を保ってシャンク7に取り付けるように調整するのみでよく、工程効率を改善できる。従って効率的なプレス加工が実現されるとともに加工製品の品質向上や歩留まりの向上を促進できる。
またこのときに、上側球面ナット15と下側球面ナット16がそれぞれ球面部RMでシャンク取付板11に当接されて締め付けられるため、プレス加工装置のラム6(昇降部)の垂直性が完全でなくても、上下ナットによる確実な締め付けが可能となり、上型1がシャンク7に対して安定して固定できる。
なお、治具10は汎用性も高い。一般的な上型と下型による金型を用いるプレス加工装置において、金型の種類に限らず、上型に上型取付板12を装着できるようにすれば適用できる。つまり上型に上型取付板12を固定するネジ孔をあければ、治具10を用いた平行出しが可能となる。
また治具10を打ち抜き型に取り付ければ、打ち抜き精度が向上し、刃の寿命を大幅に延ばすことができる。
実施の形態の治具10は、シャンク取付板11において、下側球面ナット16が当接する下側球面当接部11cは、下側球面ナット16の球面部RMに凹凸関係で対応する略球面状(球面状の凹部)とされている。
これによりシャンク取付板11は、下側球面当接部11cにより下側球面ナット16の球面部RMを対応する形状で確実に受けることができ、下側球面ナット16の締め付けによる固定力を強固にすることができる。従って上型1とシャンク7の固定をより安定化させることができる。
また実施の形態の治具10は、シャンク取付板11において、上側球面ナット15が当接する上側球面当接部11bは、上側球面ナット15の球面部RMに凹凸関係で対応する略球面状(球面状の凹部)とされている。
これによりシャンク取付板11は、上側球面当接部11bにより上側球面ナット15の球面部RMを対応する形状で確実に受けることができ、上側球面ナット15による締め付けによる固定力を強固にすることができる。従って上型1とシャンク7の固定をより安定化させる。
特に実施の形態のシャンク取付板11は上側球面当接部11bと下側球面当接部11cの両方で、上側球面ナット15と下側球面ナット16を受けることで、固定をより強固にできる。これはプレス加工装置の稼働中の上型1の平行状態の維持にも好適である。
なお、シャンク取付板11は、上側球面当接部11bと下側球面当接部11cの一方が設けられる構造や、或いはこれら両方が設けられない構造も考えられる。
また、実施の形態とは逆に、上側球面ナット15が凹状の球面部RMを有し、シャンク取付板11の上側球面当接部11bが対応する凸状とされてもよい。
同様に、実施の形態とは逆に、下側球面ナット16が凹状の球面部RMを有し、シャンク取付板11の下側球面当接部11cが対応する凸状とされてもよい。
また上側球面ナット15と下側球面ナット16は、それぞれ上下両面が球面部RMとされたナットでもよい。
実施の形態の治具10のストッパ17はシャンク7の突起部7aが当接する当接面17aが略球面とされている。つまりストッパ17は突起部7aを球面で受け止める。
ラム6及びシャンク7の下型2に対する垂直性が厳密に維持されていないことを考えると、下型2に対して上型1の平行をとった状態では、突起部7aは必ずしも垂直状態でストッパ17に当接しない。そこでストッパ17は球面で突起部7aを受けることで、非垂直の状態に良好に対応できるようにしている。
特にシャンク7とストッパ17の接する面が、お互いに平らだとすると、シャンク7の直角が出ていない場合、シャンク7は突起部7aの先端縁部がストッパ17に当接してしまう。つまり突起部7aの下面中央で接しない。この状態でプレスを行うと、プレスの際の荷重が金型に伝わらず、フィルム等の被加工物5を切断できないということが生ずる。また治具10のボルト接合部分の破損等の可能性も生ずる。本実施の形態のように当接面17aが略球面であることで、このような事態を回避できる。
なお、シャンク7の突起部7aの下面が略球面とされ、ストッパ17の当接面17aが平面とされていてもよい。このような態様であっても同様の利点を得ることができる。
実施の形態の調整方法は、図5〜図7で説明した手順で行われる。そしてこの調整方法は、プレス加工用金型の下型2に対して上型1を平行に維持した状態で、シャンク7の突起部7aをストッパ17に当接させる工程(S3〜S6)を有する。
また、調整ポスト14がシャンク取付板11における対応する孔部(各調整ポスト孔11d)に挿通された状態で、下側球面ナット16を、球面部RM側でシャンク取付板11の下面側に当接させて締め付ける工程(S7)と、上側球面ナット15を、球面部RM側でシャンク取付板11の上面側に当接させて締め付ける工程(S8)とを有する。
これにより、昇降部の垂直性が維持されていなくても、上型と下型の平行を維持した状態で、昇降部に対して上型を固定することができる。特にこの調整手順では、ダイヤルゲージで平行を確認しながら微調整を繰り返すといったことが不要であり、非常に簡易かつ効率的に調整が実行できるという効果を有する。
実施の形態では被加工物5の切断加工を行うプレス加工装置の例で説明したが、各種のプレス加工において本発明は適用できる。即ち切断加工に限らず、被加工物の折り曲げ加工、孔開け加工、押し出し加工など、各種の加工に適用できる。
また実施の形態のような昇降動作ではなく、一方の型を左右方向に移動させて他方の型と接離させる機構において、一方の型を他方の型に対して平行に維持したい場合にも本発明は適用できる。その場合は本発明でいう「上」を、一方の型が他方の型から離れる方向、「下」を一方の型が他方の型に接近する方向と考えればよい。
1…上型
2…下型
3…切断刃
4…ガイドポスト
5…被加工物
6…ラム
7…シャンク
7a…突起部
10…治具(上型平行出し治具)
11…シャンク取付板
11a…中央孔
11b…上側球面当接部
11c…下側球面当接部
11d…調整ポスト孔
12…上型取付板
14…調整ポスト
15…上側球面ナット
16…下側球面ナット
17…ストッパ
17a…当接面

Claims (6)

  1. プレス加工装置の昇降部に装着されたシャンクに固定装着されるシャンク取付板と、
    上型及び下型からなるプレス加工用金型の前記上型に固定装着される上型取付板と、
    前記上型取付板の上面側に立設された複数の調整ポストと、
    少なくとも一方の面が球面部とされ、前記調整ポストに螺合される下側球面ナットと、
    少なくとも一方の面が球面部とされ、前記調整ポストに螺合される上側球面ナットと、
    前記上型取付板の上面側であって、前記シャンクから下方に延長する突起部が当接可能な位置に設けられたストッパと、
    を備え、
    前記突起部が前記ストッパに当接し、かつ前記調整ポストが前記シャンク取付板における対応する孔部に挿通された状態で、前記下側球面ナットが前記球面部側で前記シャンク取付板の下面側に当接して締め付けられ、さらに前記上側球面ナットが前記球面部側で前記シャンク取付板の上面側に当接して締め付けられることで、前記昇降部に対して前記上型を固定する
    上型平行出し治具。
  2. 前記シャンク取付板において、前記下側球面ナットが当接する当接部は、前記球面部に凹凸関係で対応する球面状とされている
    請求項1に記載の上型平行出し治具。
  3. 前記シャンク取付板において、前記上側球面ナットが当接する当接部は、前記球面部に凹凸関係で対応する球面状とされている
    請求項1又は請求項2に記載の上型平行出し治具。
  4. 前記ストッパは、前記突起部が当接する面が球面とされている
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の上型平行出し治具。
  5. 上型と、
    下型と、
    上型平行出し治具と、
    を有し、
    前記上型平行出し治具は、
    プレス加工装置の昇降部に装着されたシャンクに固定装着されるシャンク取付板と、
    前記上型に固定装着される上型取付板と、
    前記上型取付板の上面側に立設された複数の調整ポストと、
    少なくとも一方の面が球面部とされ、前記調整ポストに螺合される下側球面ナットと、
    少なくとも一方の面が球面部とされ、前記調整ポストに螺合される上側球面ナットと、
    前記上型取付板の上面側であって、前記シャンクから下方に延長する突起部が当接可能な位置に設けられたストッパと、
    を備え、
    前記突起部が前記ストッパに当接し、かつ前記調整ポストが前記シャンク取付板における対応する孔部に挿通された状態で、前記下側球面ナットが前記球面部側で前記シャンク取付板の下面側に当接して締め付けられ、さらに前記上側球面ナットが前記球面部側で前記シャンク取付板の上面側に当接して締め付けられることで、前記昇降部に対して前記上型が固定される
    金型。
  6. プレス加工装置の昇降部に装着されたシャンクに固定装着したシャンク取付板と、
    上型及び下型からなるプレス加工用金型の前記上型に固定装着した上型取付板と、
    前記上型取付板の上面側に立設された複数の調整ポストと、
    少なくとも一方の面が球面部とされ、前記調整ポストに螺合される下側球面ナットと、
    少なくとも一方の面が球面部とされ、前記調整ポストに螺合される上側球面ナットと、
    前記上型取付板の上面側であって、前記シャンクから下方に延長する突起部が当接可能な位置に設けられたストッパと、
    を備えた上型平行出し治具を用いた調整方法として、
    前記下型に対して前記上型を平行に維持した状態で、前記突起部を前記ストッパに当接させる工程と、
    前記調整ポストが前記シャンク取付板における対応する孔部に挿通された状態で、前記下側球面ナットを、前記球面部側で前記シャンク取付板の下面側に当接させて締め付ける工程と、
    前記上側球面ナットを、前記球面部側で前記シャンク取付板の上面側に当接させて締め付ける工程と、
    を有する調整方法。
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