以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機は、従来の第1種ぱちんこ遊技機に相当する機能を二つ混在した機種であり、第1の遊技(第1特別図柄遊技)と第2の遊技(第2特別図柄遊技)とを展開可能である。
[第1実施形態]
本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMの正面図及び背面図を図1及び図2に示しており、まず、この図を参照して、ぱちんこ遊技機PMの全体構成について概要説明する。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
はじめに、図1を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2には、この前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス枠5が上下のヒンジ機構3を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。前枠2には、遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5の複層ガラスを通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
ガラス枠5の前面側には、遊技の展開状況に応じて発光する枠ランプ(LEDランプ)10や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生するスピーカ11が設けられている。ガラス枠5の下部には遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿8及び下球皿9)が設けられており、上球皿8の正面中央には遊技者によって押圧操作される演出ボタン15が設けられ、下球皿9の正面右側には遊技球の発射操作を行う発射ハンドル12が設けられている。
遊技盤20は、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂材料を用いて矩形平板状に形成された基板をベースとして構成されている。遊技盤20の前面には、外レール及び内レールが円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成され、この遊技領域PAに風車や多数本の遊技釘とともに、第1始動口61、第2始動口62、作動ゲート63、大入賞口64などの各種入賞口の他、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普図保留ランプ76などの各種表示装置が設けられている。遊技領域PAの略中央にはセンター飾り22が配設されており、このセンター飾り22の中央開口を通して演出表示装置70の画面が視認可能に設けられている。遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに転動流下した遊技球を遊技盤20の裏側へ排出するアウト口29が設けられている。以下、遊技盤20に設けられた各構成要素を順番に説明する。
第1始動口61は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動口スイッチ611を備えている。第1始動口61への遊技球の入球は、第1特別図柄抽選の契機となる。
第2始動口62は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチ621を備えている。第2始動口62への遊技球の入球は、第2特別図柄抽選の契機となる。また、第2始動口62は、普通電動役物622と、この普通電動役物622を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイド623とを備える。普通電動役物622は、第2始動口62へ遊技球が入球し難い閉鎖状態と該状態よりも遊技球が入球し易い開放状態とに可変する。ここで、第2始動口62は、普通電動役物622が開放されなければ、遊技球が入球し難い構造となっている。一方、普通電動役物622が開放されると、第2始動口62への入球容易性が高まる。
作動ゲート63は、普通図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の通過を検出するための作動ゲートスイッチ631を備えている。なお、作動ゲート63への遊技球の通過は、第2始動口62の普通電動役物622を拡開させるか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。
大入賞口64は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選で大当り又は小当りとなった場合に開放状態となる横長方形状をなす入賞口として形成される。大入賞口64は、遊技球の入球を検出するための大入賞口スイッチ641を備えるとともに、いわゆるアタッカー装置と称される特別電動役物642と、この特別電動役物642を開閉駆動させるための大入賞口ソレノイド643とを備えている。特別電動役物642は、大入賞口64に遊技球が入球不能又は入球困難な通常状態と遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態とに可変する。本例において大入賞口64は、遊技領域PAにおける右側寄りの領域に設けられている。そのため、特別遊技状態(大当り遊技状態)においては、遊技領域PAへ向けて遊技球を発射する際に、右側領域を狙って打つ、いわゆる右打ちを行うことで、大入賞口64への入球が容易となっている。
第1特別図柄表示装置71は、遊技球が第1始動口61に入球したことを契機として、第1特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第1特別図柄表示装置71は、例えば8個のLEDランプから構成され、第1特別図柄の変動表示は当該ランプの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第1特別図柄が確定表示される。
第2特別図柄表示装置72は、遊技球が第2始動口62に入球したことを契機として、第2特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第2特別図柄表示装置72は、例えば8個のLEDランプから構成され、第2特別図柄の変動表示は当該ランプの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第2特別図柄が確定表示される。
第1特図保留ランプ73および第2特図保留ランプ74は、例えば2個のLEDランプからそれぞれ構成され、当該ランプの点灯・点滅表示によって第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数(最大4個)を表現する。第1特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第1始動口61への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。同様に、第2特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第2始動口62への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。
普通図柄表示装置75は、例えば2個のLEDランプから構成され、普通図柄の変動表示及び確定表示を行う。普図保留ランプ76は、例えば4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が普通図柄変動の保留数(まだ実行されていない普通図柄変動の数)に相当する。なお、普通図柄表示装置75の左側には、特別遊技におけるラウンド遊技(単位遊技)の回数(ラウンド数:特別電動役物642が連続して作動する回数)を表示するラウンド表示器77が設けられている。
演出表示装置70は、主として、第1特別図柄又は第2特別図柄と連動して変動表示・変動停止する装飾図柄や大当りの期待度を予告的に示唆又は報知する予告演出を含む演出画像を表示するとともに、第1特別図柄および第2特別図柄の保留表示を行う。具体的には、演出表示装置70の画面上に、装飾図柄の変動表示や予告演出表示などが実行される装飾図柄表示部700と、第1特図保留ランプ73と同期して第1特別図柄の保留表示が実行される第1特図保留表示部701と、第2特図保留ランプ74と同期して第2特別図柄の保留表示が実行される第2特図保留表示部702とが設けられている。本実施形態では、演出表示装置70として、液晶表示装置を採用している。装飾図柄表示部700には、所定の有効ライン(不図示)上に、装飾図柄の変動表示領域となる三列の表示領域(左表示領域Z1、中表示領域Z2、右表示領域Z3)が設けられており、左表示領域Z1に対応して装飾図柄の左図柄、中表示領域Z2に対応して装飾図柄の中図柄、右表示領域Z3に対応して装飾図柄の右図柄がそれぞれ停止表示されるようになっている。特図保留表示部701,702には、通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生起されると白丸印の保留画像が表示される一方、当該作動保留球が消化されると対応する保留画像が消失される。この保留画像は、特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示され、各保留表示部701,702に最大で4個ずつ表示が可能である。
センター飾り22は、演出表示装置70の周囲に設置され、遊技球の流路、演出表示装置70の画面の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り22には、遊技の展開状況に応じた演出動作を実行する複数の可動役物24(24A,24B,24C)が設けられている。各可動役物24は、駆動源としてモータM(例えば、ステッピングモータ)を備えて構成されている。また、センター飾り22には、遊技の展開状況に応じて発光する盤ランプ(LEDランプ)25が設けられている。以下の説明では、便宜上、枠ランプ10および盤ランプ25を総称して「演出ランプLP」とも称する。
続いて、図2を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの背面側の基本構造を説明する。前枠2の背面側には、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された基枠体をベースとしてなる裏セット盤30が、上下のヒンジ機構3を介して前枠2後方に横開き開閉及び着脱が可能に連結されている。この裏セット盤30には、前面開放の矩形箱状をなす裏セットカバー30Cが着脱自在に装着されており、常には前枠2に取り付けられた遊技盤20の裏面側を覆って配設されている(これにより後述する主制御基板100、演出制御基板200、画像制御基板300が裏セットカバー30Cにより覆われる)。
裏セット盤30の各部には、多数個の遊技球を貯留する貯留タンク31、貯留タンク31から右方に緩やかな下り傾斜を有して延びるタンクレール32、タンクレール32の右端部に繋がり下方に延びる球供給通路部33、球供給通路部33により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニット34、賞球払出ユニット34から払い出された遊技球を上球皿6に導くための賞球通路部35などが設けられている。
遊技盤10の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御する主制御基板100や、演出全般の制御を行う演出制御基板200、遊技展開に応じた画像表示、効果音の制御を行う画像制御基板300、などが取り付けられている。これに対して、裏セット盤30の背面側には、遊技球の発射及び払い出しに関する制御を行う払出制御基板400や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板500などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤20背面又は裏セット盤30背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
<ぱちんこ遊技機の制御構成>
次に、図3を追加参照して、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMに搭載された各制御基板について説明する。図3は、ぱちんこ遊技機PMの制御構成を示す制御ブロック図である。
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うメインCPU101と、制御プログラムや各種データ等を記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路104とを備えて構成された主制御マイコン(ワンチップマイコン)110を搭載しており、メインCPU101がROM102に記憶された制御プログラムに従って遊技進行に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、主制御基板100には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、メインCPU101が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とするCTC回路、メインCPU101によるプログラム処理(ソフトウェア乱数)とは別系統として動作して所定の乱数(内蔵乱数)を生成する乱数生成回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
メインCPU101は、各スイッチからの検出情報などに基づき、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。RAM103は、電源基板500において生成されるバックアップ電源によってバックアップされる不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。RAM103のバックアップ領域は、電源断が生じた場合、当該電源断時に保持していたスタックポインタや各レジスタ等のデータを記憶しておくためのエリアとなっており、電源投入時(電源断復帰時)には当該バックアップ領域の情報に基づいて遊技機の状態が電源断前の状態に復帰されるようになっている。
また、主制御基板100は、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、大入賞口スイッチ641などと電気的に接続されており、I/Oポート回路104を介して、各種スイッチからの検出信号をメインCPU101に入力する。また、主制御基板100は、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75および普図保留ランプ76に電気的に接続されるとともに、普通電動役物ソレノイド623および特別電動役物ソレノイド643,653に電気的に接続されており、I/Oポート回路104を介して、メインCPU101からの制御信号を各種表示手段および各種ソレノイドに送信する。
主制御基板100と演出制御基板200との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から演出制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から演出制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。演出制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできない。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うサブメインCPU201、演出制御プログラムや各種データ等を記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路204とを備えて構成された演出制御マイコン(ワンチップマイコン)210を搭載しており、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、演出制御基板200には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、サブメインCPU201が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、システムクロックに基づき各種信号を出力するTPU回路、TPU回路からの信号などに基づきタイマ割込み等の各種割込みを起動させる割込みコントローラ、シリアルデータを入出力するためのシリアル通信回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、画像制御基板300へ画像および音響を指示する画像制御コマンド、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)などを生成する。演出制御基板200は、画像制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、画像および音響に関する画像制御コマンドが演出制御基板200から画像制御基板300へ送信される一方、その応答として、この画像制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が画像制御基板300から演出制御基板200へ送信される。
また、演出制御基板200は、複数のLEDドライバを搭載したランプ接続基板91と電気接続されており、シリアル通信回路を介して、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)を送信する。なお、本例では、演出制御基板200とランプ接続基板91とは、クロック同期式のシリアル通信が採用されており、ランプデータ伝送用のデータ線とは別の信号線(クロック線)で送信されるクロック信号に同期して、ランプ制御信号が当該データ線を介して1ビットずつ送信される。ランプ接続基板91は、演出制御基板200から送信されるLED駆動用のランプ制御信号を受けて機能するLEDドライバを内蔵しており、このランプ制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、演出ランプLPに対して駆動電流を供給又は遮断して、演出ランプLPを点灯又は消灯させる制御を行う。
さらに、演出制御基板200は、複数のモータドライバ92と電気接続されており、I/Oポート回路204を介して、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92へ送信する。モータドライバ92は、演出制御基板200から送信される役物駆動用の駆動制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、各可動役物24のステッピングモータに対して駆動電流を供給又は遮断して、各可動役物24を動作させる制御を行う。なお、モータドライバ92へのデータ送信はパラレル通信方式が採用されている。
画像制御基板300は、演出制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うサブサブCPU301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路304とを備えて構成された画像制御マイコン(ワンチップマイコン)310を搭載しており、サブサブCPU301がROM302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、画像制御基板300には、図示省略するが、サブサブCPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDPと、サブサブCPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、サブサブCPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した映像信号(画像データ)を演出表示装置に送信する。このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、サブサブCPU301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、これを合成処理して生成した音響データを増幅器(デジタルアンプ)を介してスピーカ11に出力する。
払出制御基板400は、払出CPU401、ROM402およびRAM403を主体として構成されている。払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニット34を駆動させて賞球を払い出すための制御を実行するとともに、発射ハンドル12の操作量に基づき球送り機構13と発射機構14とを同期的に駆動させて遊技球の発射の制御を実行する。
電源基板500は、詳細図示を省略するが、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、各制御基板で使用される通常時の電源を生成するための通常電源回路と、バックアップ電源を生成するためのバックアップ電源回路と、電圧低下による電源断を監視するための電源断監視回路と、を具備して構成され、各制御基板や遊技用機器等の電子・電気部品に必要な電源を供給する。電源基板500には、電源回路を起動させるための電源スイッチが接続されており、遊技島の電源装置から1次電源が供給されていることを前提として、該電源スイッチがオンになると、電源基板500の通常電源回路から各制御基板などに所定の電源が供給される。電源基板500は、遊技島の電源装置からの電源供給が遮断されたことを検出可能に構成されており、電源断の検出時にはその旨を報知する電源断信号(NMI信号)を主制御基板100、演出制御基板200、払出制御基板400に送信する。なお、バックアップ電源回路は、遊技島の電源装置からぱちんこ遊技機PMに電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。また、電源基板500には、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に、主制御基板100のRAM103の一時記憶内容を一旦消去して初期値を設定するためのRAMクリアスイッチ(図示せず)が接続されている。なお、RAMクリアスイッチは、電源基板500ではなく、例えば主制御基板100に接続される構成であってもよい。
<ぱちんこ遊技機の基本動作>
以上のように構成される、ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島に固定設置され、前枠2、ガラス枠5等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、上球皿8に遊技球を貯留させて発射ハンドル12を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル12が回動操作されると、上球皿8に貯留された遊技球が、ガラス枠5の背面側に配設される球送り機構13(図3を参照)によって1球ずつ発射機構14(図3を参照)に送り出され、該発射機構14により遊技領域PAに打ち出される。
遊技領域PAを転動流下する遊技球が、第1始動口61、第2始動口62、大入賞口64のいずれかに入球すると、その入賞口の種別に応じた賞球が賞球払出ユニット34により上球皿8又は下球皿9に払い出される。また、遊技球が第1始動口61又は第2始動口62に入球すると、特別図柄の抽選乱数値が取得され、当該乱数値を所定の上限個数まで特別図柄の保留球として一時記憶する。そして、所定の始動条件が成立する場合に、最先の保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定を行い、この判定結果に応じた態様で、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72において特別図柄が変動表示されるとともに、演出表示装置70において装飾図柄が変動表示される。特別図柄および装飾図柄の変動表示は、前記選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示される。
第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口64の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施形態では、特別遊技として、ラウンド遊技が16回(16ラウンド)に設定された16R特別遊技と、ラウンド遊技が8回(8ラウンド)に設定された8R特別遊技と、ラウンド遊技が2回(2ラウンド)に設定された2R特別遊技とが設けられている。
本実施形態では、16R特別遊技、8R特別遊技および2R特別遊技のいずれに移行されたとしても、特別遊技の終了後から特別図柄の変動回数が所定の終期回数に達するまで、特別図柄の確率変動機能(「確変」とも称する)が一律に作動する。すなわち、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMは、確変突入率が100%の回数切り確変機、所謂「ST機」と称される遊技機である。従って、本実施形態では、特別図柄の確率変動機能が次の大当りの発生まで継続するのではなく、所定の終期回数(「ST回数」とも称する)に達するまでの期間(「ST期間とも称する」)に限定されている。特別図柄の確率変動機能が作動した場合には、特別図柄抽選の大当り確率が通常の低確率状態から高確率状態へ移行するため、新たな大当り(特別遊技)が比較的早期に発生するようになる。
一方、特別遊技が終了した後は、特別図柄の確率変動機能と付随して又は独立して、特別図柄の変動時間短縮機能(以下「時短」ともいう)が作動する場合がある。特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、特別図柄及び装飾図柄の平均的な変動時間が通常よりも短縮される傾向となり、単位時間当たりの特別図柄抽選回数が向上する(単位時間当たりの大当りの獲得容易性を高めることができる)。
さらに、特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、これに付随して、電チューサポート機能が作動する。電チューサポート機能は、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物622の開放延長機能が作動することにより、第2始動口62への入球容易性が高められる状態(「入球容易状態」とも称する)である。なお、普通図柄の確率変動機能が作動すると、普通図柄の当選確率が通常状態よりも高まる状態となる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、普通図柄の変動時間が短縮される状態となる。普通電動役物622の開放時間延長機能が作動すると、普通電動役物622の開放時間が通常状態よりも延長された状態となる。この入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口62への入球容易性も高まるため、第2始動口62への入球数が増加する可能性も向上する。したがって、電チューサポート機能の作動により、その期間中は第2始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち球をほとんど減らさずに遊技を継続することが可能となる。
<ぱちんこ遊技機の主要な機能構成>
次に、図4の機能ブロック図を追加参照しながら、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PM(主として、主制御基板100/演出制御基板200)の各種機能について説明する。
主制御基板100は、図4に示すように、入球判定手段110、遊技抽選乱数発生手段120、保留制御手段130、事前判定手段135、特別図柄抽選処理手段140、普通図柄抽選処理手段145、特別遊技制御手段150、図柄表示制御手段155、電動役物制御手段160、遊技状態制御手段165、エラー監視制御手段170、メイン情報記憶手段180、コマンド送受信手段190、を含む。なお、主制御基板100における上述の各手段は、主制御基板100上に設けられたメインCPU101、ROM102、RAM103、電子回路等のハードウェア及びROM102等に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
入球判定手段110は、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、大入賞口スイッチ641などからの検出信号に基づき、各入賞口への遊技球の入球を判定する。
遊技抽選乱数発生手段120は、主制御マイコン110の乱数生成回路で生成した内蔵乱数をソフトウェアで取り込み、これに後述の特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄の当否抽選に使用される特別図柄当り乱数を生成する。また、遊技抽選乱数発生手段120は、メインCPU101のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、当り乱数生成のために前述の内蔵乱数に加算される特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄の停止図柄として当り図柄(条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ)の決定に使用する特別図柄停止図柄乱数、特別図柄停止図柄乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための特別図柄停止図柄初期値乱数、特別図柄の変動パターンの選択に使用するための特別図柄変動パターン乱数、普通図柄の当否抽選に使用するための普通図柄当り乱数、普通図柄当り乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための普通図柄当り初期値乱数、普通図柄の変動パターンの選択に使用するための普通図柄変動パターン乱数などが含まれる。これらのソフトウェア乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新(インクリメントやデクリメント、素数の加算など)し、また、初期値乱数についてはタイマ割込み処理を実行していない間(ループ処理中)も割込み周期の残余時間を利用して更新する。
保留制御手段130は、特別図柄保留制御手段131、普通図柄保留制御手段132、を含む。
特別図柄保留制御手段131は、第1始動口61又は第2始動口62への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報として管理する。特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時記憶する。
第1特別図柄保留格納領域および第2特別図柄保留格納領域には、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)、がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、特別図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄変動パターン乱数を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2特別図柄保留球数カウンタ、を有している。特別図柄保留制御手段131は、特別図柄の作動保留球数の更新処理として、特別図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数を更新(加算又は減算)したとき、当該保留球数の更新情報を含む演出制御コマンド(「図柄記憶数コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。この1コマンドには、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数との両方の情報が含まれる。なお、原則として、各特別図柄の作動保留球は入球した順番に消化されることになるが、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用するため、第2特別図柄遊技に係る作動保留球が存在する間は、第1特別図柄遊技に係る作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄遊技に係る作動保留球を優先的に消化するように構成されている。なお、この優先消化の下では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合は、第1特別図柄の作動保留球が存在していたとしても、第1特別図柄の作動保留球の消化が保留されることになる。
普通図柄保留制御手段132は、作動ゲート63への遊技球の入球を契機として、普通図柄遊技に係る抽選乱数値である、普通図柄当り乱数値、普通図柄当り図柄乱数値、普通図柄変動パターン乱数値、を取得して、当該乱数値を普通図柄の作動保留球情報として管理する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球情報を所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の普通図柄保留格納領域に一時記憶する。また、普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球数をカウントするための普通図柄保留球数カウンタを有している。普通図柄保留制御手段132は、作動普通図柄の保留球数の更新処理として、普通図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
事前判定手段135は、所定の事前判定タイミングにて特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球を対象として先読み予告のための事前判定を実行する。上記の事前判定タイミングの一例としては、(1)当り待ち中、且つ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄の作動保留球を取得した場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、のうちのいずれかの条件を満足するときである。具体的には、事前判定手段135は、今回取得した作動保留球に対応する乱数値をメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域から読み出して、当否の事前判定(当否事前判定)、図柄の事前判定(図柄事前判定)、変動パターンの事前判定(変動パターン事前判定)を順次実行する。各事前判定で用いられる事前判定テーブルは、図示省略するが、当否事前判定用テーブル、図柄事前判定用テーブル、変動パターン事前判定用テーブルのそれぞれが乱数の総数に相当する領域が複数の領域に区画され、この領域(判定置数)ごとに、抽選ID(事前判定の結果を示す番号(「事前判定番号」とも称する))が割り当てられている。そのため、この事前判定の結果は、後述の特別図柄抽選処理手段140による本抽選の結果(当否判定の結果、図柄判定の結果、変動パターン判定の結果)に準ずるものとなっている。そして、事前判定手段135は、事前判定の結果(事前判定番号)の情報を含む演出制御コマンド(「事前判定コマンド」と称する)を順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄当否判定手段141、特別図柄停止図柄判定手段412、特別図柄変動パターン判定手段143、を含む。特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄の変動開始条件が成立したとき、メイン情報記憶手段180における特別図柄保留格納領域の最先の記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、これをメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「特別図柄の変動開始条件が成立する」とは、その一例として、(1)大当り又は小当り中ではないこと、(2)第1特別図柄および第2特別図柄のいずれも変動待機中であること、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足したときであり、その結果として、特別図柄が変動開始可能な状態であると判断される。
特別図柄当否判定手段141は、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、大当り、小当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否判定の結果は、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに一時記憶され(例えば、大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)、以降の処理で使用された後、特別図柄の変動停止時にクリアされる。特別図柄当否判定手段141は、この当否判定の際に参照される特別図柄当否抽選テーブルを保持する。
ここで、図5は、特別図柄当否抽選テーブルを模式的に示す図であり、(A)は通常状態(低確率状態)で参照され、(B)は確変状態(高確率状態)で参照される。この特別図柄当否抽選テーブルには、特別図柄当り乱数値と、大当り、小当り、はずれの判定結果とが対応付けられており、この対応付けられた乱数範囲に応じて大当りおよび小当りの当選確率が定まる。図5からも分かるように、特別図柄遊技の当否抽選において、通常状態(低確率状態)では乱数値が「0〜217」の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変状態(高確率状態)では大当りの範囲が拡大され、乱数値が「0〜217」の範囲に該当する場合だけでなく、「218〜2170」の範囲に該当する場合にも大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの抽選確率が低確率状態(約1/300)から高確率状態(約1/30)に変動する。このように大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否抽選と第2特別図柄の当否抽選とで大当りの当選確率は等しい。ここで、特別図柄当り乱数値が大当りの範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当する場合には小当りとなる。本例では、第1特別図柄の当否判定のみ小当りが存在するように構成しているが、例えば、第2特別図柄の当否判定にも小当りを設けて、第2特別図柄の当否判定よりも第1特別図柄の当否判定のほうが高い確率で小当りとなるように構成してもよい。
特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄を決定する。特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する際に参照される第1特別図柄停止図柄テーブルおよび第2特別図柄停止図柄テーブルを有している。
図6(A)は第1特別図柄停止図柄テーブルの一例を模式的に示す図である。第1特別図柄停止図柄テーブル(大当り図柄用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、三種類の停止図柄(大当り図柄)「A1」,「B1」,「C1」が割り当てられている。なお、本例では、説明の便宜上、各大当り図柄に対して、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、大入賞口64の作動パターン)も付記している。なお、括弧内の数値「100」は、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、すなわち、ST回数を意味する。このテーブルでは、第1特別図柄の停止図柄「A1」〜「C1」が大当りの種別に応じて区分されている。具体的には、図柄「A1」には16R特定時短有図柄、図柄「B1」には8R特定時短有図柄、図柄「C1」には2R特定時短有図柄がそれぞれ対応付けられている。なお、本実施形態において、「特定図柄」とは特別遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能を作動させることとなる図柄、「時短有図柄」とは特別遊技の終了後に特別図柄の変動時間短縮機能(および電チューサポート機能)を作動させることとなる図柄、「時短無図柄」とは特別遊技の終了後に特別図柄の変動時間短縮機能(および電チューサポート機能)を作動させることのない図柄である(後述する第2特別図柄についても同様である)。
図柄A1,B1は、特別遊技の終了後の遊技状態を特別図柄確変状態(高確率状態)へ移行させる、いわゆる「確変大当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、あるいは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。図柄A1については、特別遊技の規定ラウンド数は16ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。図柄B1については、特別遊技の規定ラウンド数は8ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。
図柄C1は、上記の「確変大当り」と比較して大入賞口64の開放回数および開放時間が異なるものの、特別遊技の終了後の遊技状態を特別図柄の確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「突然確変大当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、あるいは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。特別遊技の規定ラウンド数は2ラウンドで、1回のラウンド遊技における第1大入賞口64の最大開放時間は約0.05秒である。
一方、第1特別図柄停止図柄テーブル(はずれ図柄用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、単一の停止図柄(はずれ図柄)「H1」が一義的に割り当てられている。また、第1特別図柄停止図柄テーブル(小当り図柄用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、単一の停止図柄(小当り図柄)「K1」が一義的に割り当てられている。なお、小当りの場合には、遊技状態の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当該遊技状態が維持される。
図6(B)は第2特別図柄停止図柄テーブルの一例を模式的に示す図である。第2特別図柄停止図柄テーブル(大当り図柄用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、二種類の停止図柄(大当り図柄)「A2」,「B2」が割り当てられている。なお、本例では、説明の便宜上、各大当り図柄に対して、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、大入賞口64の作動パターン)も付記している。このテーブルでは、第2特別図柄の停止図柄「A2」,「B2」が大当りの種別に応じて区分されている。具体的には、図柄「A2」には16R特定時短有図柄、図柄「B2」には8R特定時短有図柄がそれぞれ対応付けられている。
図柄A2,B2は、特別遊技の終了後の遊技状態を特別図柄確変状態(高確率状態)へ移行させる、いわゆる「確変大当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、あるいは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。図柄A2については、特別遊技の規定ラウンド数は16ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。図柄B2については、特別遊技の規定ラウンド数は8ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。
また、第2特別図柄停止図柄テーブル(はずれ図柄用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、単一の停止図柄(はずれ図柄)「H2」が一義的に割り当てられている。
ここで、本実施形態では、上記のように、大当り種別として、16R大当り(16R特定時短有図柄)と8R大当り(8R特定時短有図柄)と2R大当り(2R特定時短無図柄)との3種類が設けられている。そして、特別遊技における賞球獲得の期待値(賞球獲得期待値)は、16R大当り>8R大当り>2R大当りとなっている。そして、前述の説明からも分かるように、第1特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、30%の確率で16R大当りが選択されるのに対して、第2特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、70%の確率で16R大当りが選択されることにより、第1始動口61に入賞するよりも第2始動口62に入賞した方が、多くの出玉を獲得できる点で遊技者に有利である。
(変動パターン)
特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、特別図柄変動パターン判定手段143は、図7に示すように、特別図柄の変動パターンを選択する際に参照される複数種の変動パターンテーブルを保持している。特別図柄変動パターン判定手段143は、現在の変動パターン選択状態と当否抽選の結果とに基づき、複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。なお、変動パターン選択状態と変動パターンテーブルとの関係については後述する。各変動パターンテーブルには、複数種の変動パターンが規定されている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には特別図柄変動パターン乱数値に応じて、変動パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定されるようになっている。各種の変動パターンは、その図柄変動の終了条件として当該変動パターンごとに変動時間が定められており、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。なお、本例では、説明の便宜上、数種類の変動パターンテーブルおよび数種類の変動パターンのみを例に挙げて説明するが、実際には、遊技状態の他、保留数に応じたハズレ変動パターンテーブル、当り図柄の種類に応じた変動パターンテーブル(16R大当り用テーブル、2R大当り用テーブルなど)、特定の変動(大当り後の数回転、ST終了時の変動など)であることをもとに参照される特殊変動パターンテーブルを有する場合もあり、変動パターンテーブルの種類によっては、100種類以上の変動パターンを含む場合が存在する。
ここで、本実施形態では、上記の変動パターン選択状態として、「通常変動状態α」および「短縮変動状態β」の2種類が存在する。ここで、通常変動状態αとは、遊技状態が通常状態のときに選択される通常変動パターンテーブル(図7(A))を参照して特別図柄の変動パターンを選択する状態である。短縮変動状態βとは、遊技状態が確変状態のときに選択される短縮変動パターンテーブル(図7(B))を参照して特別図柄の変動パターンを選択する状態である。
特別図柄変動パターン判定手段143は、前述のように、通常変動パターンテーブルと、短縮変動パターンテーブルとを保持する。各変動パターンテーブルは、当否抽選の結果(大当り・小当り・はずれ)に応じて異なり得るものとなっている。また、本例では、各変動パターンテーブルは、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで共通にしているが、これに限定されず、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで異なるものとしてもよい。以下に、各変動パターンテーブルについて詳述する。
(通常変動パターンテーブル)
図7(A)は、通常変動パターンテーブルの一例を示す模式図である。まず、はずれ用の通常変動パターンテーブルでは、変動パターンPX1(5秒)、変動パターンPX2(10秒)、変動パターンPX3(15秒)、変動パターンPX4(20秒)、変動パターンPX5(60秒)、変動パターンPX6(90秒)のいずれかが選択される。一方、大当り・小当り用の通常変動パターンテーブルでは、変動パターンPY3(15秒)、変動パターンPY4(20秒)、変動パターンPY5(60秒)、変動パターンPY6(90秒)のいずれかが選択される。このように遊技状態が通常状態である場合に、当否判定の結果が大当り又は小当りとなった場合は、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、必ずリーチ態様の変動パターンが選択される。
(短縮変動パターンテーブル)
図7(B)は、短縮変動パターンテーブルの一例を示す模式図である。まず、はずれ用の短縮変動パターンテーブルでは、変動パターンPX0(3秒)、変動パターンPX1(5秒)、変動パターンPX2(10秒)、変動パターンPX3(15秒)、変動パターンPX4(20秒)、変動パターンPX5(60秒)、変動パターンPX6(90秒)のいずれかが選択される。なお、該はずれ用の短縮変動パターンテーブルでは、上記のはずれ用の通常変動パターンテーブルと比較して、変動パターンPX1(5秒)の選択される割合が高く設定されており、平均的な変動時間値が短縮されるようになっている。一方、大当り・小当り用の短縮変動パターンテーブルでは、変動パターンPY3(15秒)、変動パターンPY4(20秒)、変動パターンPY5(60秒)、変動パターンPY6(90秒)のいずれかが選択される。このように遊技状態が確変状態である場合に、当否判定の結果が大当り又は小当りとなった場合は、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、必ずリーチ態様の変動パターンが選択される。
ここで、変動時間「3秒」は超短縮変動に対応付けられ、変動時間「5秒」は短縮変動に対応付けられ、変動時間「10秒」は通常変動に対応付けられ、変動時間「15秒」はNリーチ(ノーマルリーチ)に対応付けられ、変動時間「20秒」はLリーチ(ロングリーチ)に対応付けられ、変動時間「60秒」は弱SPリーチ(弱スーパーリーチ)に対応付けられ、変動時間「90秒」は強SPリーチ(強スーパーリーチ)に対応付けられている。なお、以下では、超短縮変動の変動パターンPX0、短縮変動の変動パターンPX1及び通常変動の変動パターンPX2をまとめて「非リーチ種別」の変動パターンと称することがある。なお、各変動パターンの大当り期待度は、非リーチ種別<Nリーチ<Lリーチ<弱SPリーチ<強SPリーチの順に高くなるように設定されている。なお、前述の説明では、いずれの場合にもはずれ用の変動パターンテーブルを単一のテーブルで表現しているが、当否抽選の結果がはずれとなったときは、特別図柄の作動保留球数(0〜4)に応じて異なる変動パターンテーブルが選択されるように構成してもよい。つまり、特別図柄の作動保留球数に応じた変動パターンテーブルを用いることで、作動保留球数が多いほど相対的に短い変動時間が選択される割合を高くして、逆に作動保留数が少ないほど相対的に長い変動時間が選択される割合を高くすることができる。また、図示省略するが、短縮変動パターンテーブルにおいて、第2特別図柄の保留記憶数が0となるときの変動においては、第2特別図柄(保留記憶数=0)のはずれ用の変動パターンテーブル(例えば、変動パターンPX7(10秒)の選択率100%)を使用し、当該変動中での電チュー(第2始動口62)への遊技球の入球確率を高め、第2特別図柄での変動を途切れさせないようにしてもよい。
また、特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄の変動パターンを選択した後、演出制御基板200に対して装飾図柄の変動開始を指示するため、演出制御基板200との通信が正常に行われているか否かを確認するための演出制御コマンド(通信検査コマンド)、変動付加情報(変動時間を加減算するための情報)を含む演出制御コマンド(変動付加情報指定コマンド)、変動パターン情報を含む演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)、キャラクタ演出番号(図柄群および遊技状態)の情報を含む演出制御コマンド(図柄指定コマンド)等を生成して(以降、これらのコマンドを纏めて「変動開始コマンド」と称する)、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄当否判定手段146と、普通図柄停止図柄判定手段147と、普通図柄変動パターン判定手段148と、を有する。普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄の変動開始条件が充足したとき、普通図柄保留格納領域における最先の記憶領域に格納された普通図柄当り乱数値、普通図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域、普通図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。
普通図柄当否判定手段146は、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域から普通図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否抽選の結果は、メイン情報記憶手段180の普通図柄判定フラグに一時記憶され、以降の処理で使用された後、普通図柄の変動停止時にクリアされる。普通図柄当否判定手段146は、この当否抽選の際に参照される普通図柄当否抽選テーブルを保持しており、通常状態(低確率状態)においては例えば「160/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照し、普通図柄の確変状態(高確率状態)においては、例えば「282/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照して、普通図柄の当否抽選を実行する。
普通図柄停止図柄判定手段147は、図柄抽選テーブルを参照して、当否抽選の結果が当りである場合には所定の当り図柄を割り当てる一方、はずれである場合には所定のはずれ図柄を割り当てるようになっている。
普通図柄変動パターン判定手段148は、メイン情報記憶手段180の普通図柄変動パターン判定領域から普通図柄変動パターン乱数値を読み出すとともに、普通図柄変動パターンテーブルを参照して、通常状態における普通図柄の変動表示においては、相対的に長い変動時間を選択する(例えば「4秒・5秒・6秒・7秒・8秒・9秒・10秒」の7種類をそれぞれ均一的に選択する)。一方、普通図柄の時短状態(入球容易状態)では、変動時間短縮機能の作動により、相対的に短い変動時間(例えば「0.5秒」)を選択する。
特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が大当りである場合、前記決定された大当り図柄に応じて、大当り開始デモおよび大当り終了デモに係るデモ時間を決定する。また、特別遊技制御手段150は、演出制御基板200側に対して、大当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り開始デモコマンド」と称する)と、大当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り終了デモコマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。なお、大当り開始デモコマンドは、演出制御基板200側において、特別遊技中に展開される一連の大当り演出(大当り開始デモ演出、ラウンド演出、大当り終了デモ演出)の内容を決定するための契機ともなる。また、特別遊技制御手段150は、特別遊技中の各ラウンド遊技において、各ラウンド遊技に対応したラウンド演出の開始を指示するための演出制御コマンド(「ラウンド演出指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。このラウンド演出指定コマンドには、現在のラウンド数の情報および大入賞口スイッチ641の検出の情報などが含まれる。
また、特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が小当りの場合、小当り遊技中に演出表示装置70等に表示される小当り開始デモおよび小当り終了デモに係るデモ時間を決定する。また、特別遊技制御手段150は、小当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り開始デモコマンド」)と、小当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り終了デモコマンド」)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
図柄表示制御手段155は、特別図柄表示制御手段156、普通図柄表示制御手段157、を含む。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置71に変動表示させるとともに、該変動表示後に第1特別図柄を確定表示させる。また、特別図柄表示制御手段156は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置72に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄および第2特別図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマを有している。第1特別図柄表示装置71および第2特別図柄表示装置72の動作状態は、メイン情報記憶手段180の特別図柄遊技ステイタスに基づき監視される。特別図柄表示制御手段156は、特別図柄の変動停止の際に(すなわち、特別図柄遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(「変動停止コマンド」と称する)を生成する。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の変動パターン(変動時間)に従って、普通図柄を普通図柄表示装置75に変動表示させるとともに、該変動表示後に普通図柄を確定表示させる。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための普通図柄遊技タイマを有している。普通図柄表示装置75の動作状態は、メイン情報記憶手段180の普通図柄遊技ステイタスに基づき監視される。
電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、特別遊技処理として、特別電動役物ソレノイド643に制御信号を出力し、特別電動役物642を所定の作動パターンに従って開放させる。特別遊技は、特別電動役物642の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技(単位遊技)とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、16R,8R,2R)だけ連続して実行するものである。電動役物制御手段160は、特別電動役物642の作動回数(すなわち、実行中のラウンド数)を格納するための大入賞口開放カウンタを保持する。ここで、大当り種別がいわゆる16R大当り(図柄A1,A2)又は8R大当り(図柄B1,B2)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口64を最大で約30秒間開放させる。他方、大当り種別がいわゆる2R大当り(図柄C1)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口64を最大で約0.05秒間開放させる。ここで、特別遊技における大入賞口64の閉鎖条件(単位遊技の終了条件)とは、規定カウント数の遊技球の入賞又は規定秒数の開放可能期間の経過である。
また、電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が小当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、小当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイド643に制御信号を出力し、特別電動役物642を短期間だけ開放させる。小当り遊技は1回のラウンド遊技で構成される点で、複数回のラウンド遊技で構成される特別遊技とは区別される。ここで、前述した2R特別遊技と小当り遊技とを比較すると、内部的には相違するものの、1回の開閉時間(0.05秒)が同じ点及び開閉回数が同一である点(前者が1ラウンド当たり1開閉を2ラウンドの2回、後者が1ラウンド当たり2開閉を1ラウンドの2回)で共通するので、見た目上は近似した開放時間・開放パターンの遊技が繰り広げられる。
また、電動役物制御手段160は、普通図柄の当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド623に制御信号を出力して、所定の開放時間だけ普通電動役物622を開放させる。ここで、電動役物制御手段160は、通常状態では普通電動役物622を極短時間(例えば0.2秒間)だけ開放させるのに対し、入球容易状態(電チューサポート状態)では普通電動役物622を通常状態と比較して相対的に長い時間(例えば4秒間)に亘り開放させる。
遊技状態制御手段165は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りに係る図柄の種類に基づき、特別遊技の終了後の遊技状態を決定するとともに、特別遊技の終了後の遊技状態を切り替える。以下では、前述した特別図柄および普通図柄に関する諸機能のうち、1)特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能の全てが作動する遊技状態を「確変状態」と称し、2)特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能のみが作動する遊技状態を「時短状態」と称し、3)特別図柄の確率変動機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態」と称し、4)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」と称する。なお、「確変状態」、「時短状態」、「潜伏確変状態」は、いずれも「通常状態」と比べて、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。なお、各遊技状態は、特別図柄遊技の作動状態(高確率/低確率)と普通図柄遊技の作動状態(開放延長あり/開放延長なし)との組み合わせにより、(1)確変状態を「高確率/開放延長」、(2)時短状態を「低確率/開放延長」、(3)潜伏確変状態を「高確率/非開放延長」、(4)通常状態を「低確率/非開放延長」、と表現することもできる。また、本実施形態では、前述のとおり、回数切りの所謂ST機であるため、特別遊技の終了後の遊技状態は、特別図柄の変動回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終期回数、すなわちST回数に到達するまでの間、確変状態が継続する(但し、ST回数内で次回の大当りが発生した場合には当該変動にて確変状態は終了し、大当り終了後に再度ST回数が設定される)。なお、ST期間中に小当りとなった場合には、ST回数が0リセット(復活)されることはなく、小当り発生の前後でST回数は継続してカウントされている。本実施形態では、ST回数は100回に設定されているが、他の回数に設定されてもよいことは勿論である。なお、確変状態へ移行した場合は、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が同時に作動して、該確変状態が継続する限り、各機能も継続することになる。なお、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合には、当該大当り前の遊技状態が通常状態および確変状態のいずれであっても、特別遊技中は通常状態であり且つ特別遊技後はST回数を限度として一律に確変状態となる。一方、特別図柄の当否抽選の結果が小当りであれば、当該小当り前の遊技状態が通常状態であった場合、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も通常状態となる。また、当該小当り前の遊技状態が特別図柄の確変状態であった場合には、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も特別図柄の確変状態となる。
また、遊技状態制御手段165は、当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りの図柄種別に基づき、特別遊技後の変動パターン選択状態を決定するとともに、特別遊技後の変動パターン選択状態を切り替える。変動パターン選択状態とは、前述の変動パターンテーブルを選択する際に参照される条件の一つである。変動パターン選択状態の切り替え時期は、特別遊技の終了時又は変動パターン選択状態の終期回数を満了したときである。本実施形態では、前述したように、変動パターン選択状態として、「通常変動状態α」および「短縮変動状態β」の2種類が存在する。なお、各変動パターン選択状態については既に説明しているため、ここでは重複説明を省略する。本実施形態では、大当り図柄(A1,B1,C1,A2,B2)のいずれが選択された場合でも、(1)特別遊技の終了直後、変動回数がST期間(100回)内にあるときは短縮変動状態βに滞在し、(2)ST回数の終了後、すなわち、その実行回数として101回目以降は通常変動状態αに滞在する。無論、初当たりが発生するまでの期間は、通常変動状態αに滞在することになる。そして、遊技状態制御手段165は、現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(「遊技状態指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
エラー監視制御手段170は、I/Oポート回路104の入力情報を監視し、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー状態演出を指示すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を要求する。なお、図3では記載を省略しているが、扉開放スイッチはガラス枠5が開放されているか否かの検出手段であり、枠開放スイッチは前枠2が開放されているか否かの検出手段であり、裏セット開放スイッチは裏セット盤30が開放されているか否かの検出手段である。また、磁気センサおよび電波センサはいわゆるゴト行為を発見するための検出手段である。
メイン情報記憶手段180は、特別図柄遊技および普通図柄遊技にて取得した乱数値情報、特別図柄および普通図柄の作動保留球情報、特別図柄遊技および普通図柄遊技に関する遊技状態(確変状態、時短状態、入球容易状態)の情報、変動パターン選択状態に関する情報、当否抽選の結果情報(当り、小当り、はずれ)、特別図柄や普通図柄に係る停止図柄および変動パターンの情報、特別遊技に関する情報(ラウンド数、開放時間、開放態様(1ラウンド遊技あたりの開放回数)など)、特別図柄表示装置71,72の動作状態を示すステイタス情報、特別電動役物642の動作状態を示すステイタス情報、演出制御コマンドデータの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。
コマンド送受信手段190は、コマンド送信要求があった場合に、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納された各種の演出制御コマンドデータをパラレル伝送方式にて演出制御基板200に送信するように構成されている。なお、各演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含んだ2バイト構成となっており、MODEとEVENTを区別するために、MODEデータのBit7は「1」、EVENTデータのBit7は「0」としている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、MODEおよびEVENTの各々の送信タイミングでストローブ信号が出力される。各処理で発生した演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域にセットされた順番に従って割込み周期毎に1コマンド送信される。
演出制御基板200は、図4に示すように、演出抽選乱数発生手段210、演出統括手段220、ランプ制御手段230、役物制御手段240、エラー演出制御手段250、サブメイン情報記憶手段260、コマンド送受信手段270、を含む。なお、演出制御基板200における上述の各手段は、演出制御基板200上に配されたサブメインCPU201、ROM202、RAM203、電子回路等のハードウェア及びROM202に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
演出抽選乱数発生手段210は、サブメインCPU201のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数(演出抽選乱数)を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、先読み演出の抽選に使用する先読み抽選乱数、装飾図柄の停止図柄の抽選に使用する装飾図柄乱数、装飾図柄の変動演出パターンの抽選に使用する変動演出パターン乱数、予告演出の抽選に使用する予告抽選乱数、大当り演出パターンの抽選に使用する大当り演出パターン乱数、演出ステージの移行抽選に使用するステージ抽選乱数などが含まれる。これらの乱数の更新時期としては、後述の演出制御側メイン処理内でコマンド解析が行われなかった場合(主制御基板100から演出制御コマンドを受信しなかった場合)の残余時間を利用して更新する。
演出統括手段220は、演出モード制御手段221、保留情報表示制御手段222、先読み予告制御手段223、変動演出制御手段224、装飾図柄制御手段225、予告演出制御手段226、大当り演出制御手段227を含む。
演出モード制御手段221は、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドに基づき、主制御基板100側で管理された遊技状態および変動パターン選択状態との整合性をとるかたちで、演出モードの移行制御を実行する。本実施形態では、2種類の演出モードとして、通常演出モードMα、確変演出モードMβが含まれており、主制御基板100から指示された特別図柄の変動パターンが同一であっても、演出モード毎に図柄変動演出の具体的内容を特定する変動演出パターン(詳細後述)が異なるように設定されている。演出表示装置70には、現在滞在中の演出モードに対応した演出モード報知画像(本例では、装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示され、この背景画像は演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像の種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。通常演出モードMαは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、通常変動状態αが選択されている場合に設定され、その背景画像として「通常背景」が表示される。確変演出モードMβは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、短縮変動状態βが選択されている場合に設定され、その背景画像として「確変背景」が表示される。
保留情報表示制御手段222は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2保留球数カウンタを有している。保留情報表示制御手段222は、主制御基板100からの図柄記憶数コマンドを受信すると、この図柄記憶数コマンドに含まれる作動保留球数の情報に基づき、対応するカウンタの値を更新(加算)する。一方、保留情報表示制御手段222は、主制御基板100からの変動開始コマンドを受信すると、すなわち、作動保留球が消化されると、対応するカウンタの値を更新(減算)する。また、保留情報表示制御手段222は、第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの値に基づいて、演出表示装置70の保留表示部701,702に、第1特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像と、第2特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像とを表示する制御を行う。本例において、特別図柄の作動保留球が生起されると、通常の表示態様の保留画像が表示される一方、後述の先読み予告演出(保留変化先読み演出)が実行される場合には、この先読みの対象となった保留画像が通常の表示態様から特殊な表示態様に変化する。
先読み予告制御手段223は、先読み予告演出の対象となる作動保留球に対して先読み的な判定(「先読み抽選」と称する)を実行する。先読み予告演出は、先読み対象の作動保留球が消化される以前の一又は複数回の変動表示に亘って大当り当選又は高期待度演出(例えばリーチ演出)発生の可能性を予告するいわゆる連続予告演出の一態様として発生される。このとき、先読み抽選は、主制御基板100からの事前判定コマンドに含まれる事前判定結果の情報に基づき実行される。ここで、先読み予告制御手段223は、主制御基板100からの事前判定コマンドを受信すると、第1特別図柄の事前判定結果の情報と第2特別図柄の事前判定結果の情報とを区別して、それぞれ所定の上限個数(4個)まで、作動保留球の入球順序と結合したかたちでサブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域に一時記憶する。この先読み情報格納領域は、主制御基板100の保留記憶領域と同様の構成となっており、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、当否事前判定結果の情報、図柄事前判定結果の情報、変動パターン事前判定結果の情報を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。事前判定結果の情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の事前判定結果の情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された事前判定結果の情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。なお、先読み予告演出の具体的内容については後述する。
変動演出制御手段224は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報、変動付加情報など)に基づき、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程(演出過程)を規定した変動演出パターンを抽選により決定する。ここで、主制御基板100側では特別図柄のメイン変動パターン(例えば「強SPリーチ」など)が定まるのに対して、演出制御基板200側では当該メイン変動パターンを基に演出表示過程のシナリオを詳細に規定した装飾図柄のサブ変動パターン(例えば、「強SPリーチA,B…」など)が定まる。本実施形態では、図柄の変動演出として、非リーチ演出(短縮変動演出、通常変動演出)、Nリーチ演出、Lリーチ演出、SPリーチ演出、擬似連続変動演出などが設定されている。Nリーチ演出は、3列ある装飾図柄のうち2列(典型的には左列、右列)に同一の装飾図柄が停止した状態(いわゆるリーチ状態)において、残り1列(典型的には中列)の装飾図柄が停止したならば大当りとなる演出である。Lリーチ演出とは、上記のNリーチ演出よりもリーチ状態が形成されてからの変動時間が延長された演出である。SP演出とは、上記のNリーチやLリーチよりも大当り期待度の高いリーチ演出であり、演出内容が途中で発展して例えばアニメや実写等の静止画・動画などが表示される演出である。擬似連続変動演出(略して「疑似連」とも称する)とは、装飾図柄の1回の変動表示の間に、図柄を仮停止表示させることにより、擬似的に複数回の変動表示をさせたように見せる変動演出である。この疑似連続変動演出は、三列の装飾図柄が全て擬似的に仮停止した後に変動を再開する単位擬似変動を1回以上実行するように構成されており、本例では2回の単位擬似変動を行う変動演出パターンと、3回の単位擬似変動を行う変動演出パターンとが用意されている(詳細後述)。このように装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のシナリオが定義されており、当該表示過程中の各段階において予告演出を発生させるタイミングなどもタイムスケジュールとして規定されている。また、この装飾図柄の変動演出パターンについては、特別図柄の変動パターンが同一であっても(同一情報の変動開始コマンドを受信した場合でも)、滞在中の演出モードを異にすれば、互いに演出内容の異なる変動演出パターンが選択され得ることになる。すなわち、変動演出パターンテーブルは、滞在中の演出モードごとに用意される。
装飾図柄制御手段225は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(停止図柄情報、遊技状態情報)と、変動演出制御手段224により決定された上記の変動演出パターンとに基づき、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を抽選により決定する。詳細は後述するが、本例では、複数種類の装飾図柄を含む3つの図柄列が構成されており、この装飾図柄は例えば数字等からなる識別要素により形成される。また、装飾図柄制御手段225は、装飾図柄の停止図柄の組合せ(「停止図柄パターン」ともいう)を抽選で決定する際に参照される複数種の停止図柄パターンテーブルを保持している。この複数種のテーブルとしては、大当り用の停止図柄パターンテーブル、小当り用の停止図柄パターンテーブル、リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブル、非リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブルなどがある。装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成され、「大当りを示す停止図柄(大当り図柄)」と、「小当りを示す停止図柄(小当り図柄)」と、「はずれを示す停止図柄(はずれ図柄)」とを含む。特定大当り(確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の奇数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば「7・7・7」)となる。通常大当り(非確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の偶数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば、「2・2・2」)となる。はずれ図柄は、3つの図柄のうちの少なくとも1つが他の数字と異なる数字の図柄となる停止態様の組合せ(例えば「1・3・8」)となる。ここで、はずれ図柄のうちリーチはずれ図柄は、左図柄と右図柄とが一致している状態で中図柄のみが前後に数コマずれた停止態様の組合せ(例えば「3・1・3」)となる。なお、小当り図柄や、大当り図柄であっても2R大当り図柄などの場合は、例えば「3・5・7」のような所定の停止態様の組み合わせとなる場合がある。また、抽選結果が非リーチはずれである場合には、いわゆる「チャンス目」と称される特定の出目が選択されることがある。更には、擬似連続演出(いわゆる疑似連)などで、最終的な停止図柄を確定表示する前に仮停止表示させる演出を行う場合には、その仮停止図柄が選択される。チャンス目や仮停止図柄を表示させる場合は、数字の装飾図柄に対して「CHANCE」や「NEXT(擬似連続変動示唆図柄)」などの文字を表示する特殊装飾図柄に、三図柄のうち少なくとも一の停止図柄を差し替えて表示させる場合がある。なお、装飾図柄を停止させるための停止順序は、次述の変動演出パターン毎に予め定められており、本実施形態では原則として、左図柄→右図柄→中図柄の順に停止させる。但し、変動時間が極短く設定された短縮変動の変動演出パターンである場合には、左図柄・中図柄・右図柄をほぼ同時に停止させ、特殊の変動演出パターンである場合には、右図柄→中図柄→左図柄の順に停止させることもでき、この場合は大当り期待度が相対的に高くなる傾向となる。
予告演出制御手段226は、変動演出制御手段224によて決定された変動演出パターンのシナリオに沿って装飾図柄の変動過程の各段階で実行される予告演出の内容を規定した予告演出パターンを抽選により決定する。予告演出パターンには、特定のキャラクタの画像、アニメーションなどを一時的又は段階的に画像表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターン、可動役物を動作させる演出パターン等が含まれる。予告演出は、装飾図柄の変動表示と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する大当り信頼度が高いことを予告的に示唆するものである。予告演出には、装飾図柄の変動過程においてリーチ状態が発生する前(リーチ発生時を含む)に実行される予告演出と、リーチ状態が発生した後に実行される予告演出とがある。予告演出はそれぞれ大当り信頼度が異なるものとなっており、基本的には、リーチ発生前に表示される予告演出よりも、リーチ発生後に表示される予告演出の方が相対的に大当り期待度は高くなっている。予告演出制御手段226は、予告演出パターンを選択する際に参照される予告抽選テーブルを予告演出の種類別に保持しており、変動演出パターンのシナリオに沿って発生する予告演出の種類に応じた予告抽選テーブルを選択するようになっている。なお、具体的な予告演出の種類としては、例えば、コメント予告演出、背景予告演出、SU(ステップアップ)予告演出、ロゴ予告演出、ミニキャラ予告演出、群予告演出、役物予告演出などが用意されている。この予告演出は、基本的には、演出表示装置70での装飾図柄の変動表示に、1又は複数の予告演出の表示を合成することによって行われる。そのため、同一の変動演出パターンによる装飾図柄の変動表示であっても、1又は複数の予告演出との組み合わせによって多彩な演出態様を発生させることが可能となる。
大当り演出制御手段227は、特別遊技中であることを報知する大当り演出の内容(大当り演出パターン)を決定する。大当り演出は、特別遊技の開始を報知する開始デモ演出と、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出と、特別遊技の終了を報知する終了デモ演出とを含む。大当り演出決定手段227は、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信した場合、サブメイン情報記憶手段260に格納された大当り種別の情報などに基づき、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)を決定する。この大当り演出パターンには、大当り種別に応じて、大当り開始デモ演出時間とラウンド演出時間(大入賞口64の開放パターンに応じた演出時間)と大当り終了デモ演出時間とが設定されるとともに、その時間軸に沿って一連の演出内容が設定されている。また、大当り演出決定手段227は、大当り演出パターンに従って、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信したことを契機として開始デモ演出を実行し、ラウンド演出指定コマンドを受信したことを契機として各ラウンド演出を実行し、大当り終了デモコマンドを受信したことを契機として終了デモ演出を実行する。大当り開始デモ演出では、例えば画面上に「大当り開始」の文字が表示されて、特別遊技の開始が告げられる。また、ラウンド演出では、例えば画面上の現在実行中のラウンド数や獲得賞球数が表示されるとともに、特別遊技を盛り上げる各種画像(アニメーション画像など)が表示される。そして、大当り終了デモ演出では、例えば画面上に「大当り終了」の文字が表示されて、特別遊技の終了が告げられる。
以上、演出統括手段220は、前記決定された演出内容(先読み演出パターン、変動演出パターン、予告演出パターン、停止図柄パターン、大当り演出パターンなど)に基づき画像および音響に関する画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する。
ランプ制御手段230は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って演出ランプの点灯や発光色等を制御する。ランプ制御手段230は、演出ランプLP(枠ランプ10、盤ランプ25)を点灯制御するための複数種のランプデータ(ランプパターンデータ)を保持しており、前記決定した演出パターンに応じたランプデータを読み出して、このランプ制御信号(ランプデータ)をランプ接続基板91へ送信する。
役物制御手段240は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って各可動役物24の駆動を制御する。役物制御手段240は、可動役物24を駆動制御するための複数種の駆動データを保持しており、前記決定した演出パターンに応じた駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92へ送信する。
エラー演出制御手段250は、主制御基板100からエラー演出指定コマンドを受信した場合にエラー演出パターンを決定し、遊技機にエラー状態が発生したことを当該エラー演出パターンに従って報知するように構成されている。
サブメイン情報記憶手段260は、装飾図柄の情報、変動演出パターンの情報、予告演出パターンの情報、制御コマンドの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。例えば、コマンド格納領域には、主制御基板100からの演出制御コマンドを格納するための演出制御コマンドバッファ、画像制御基板300への画像制御コマンドを格納するための画像制御コマンドバッファ、画像制御基板300からのACKコマンドを格納するためのACKコマンドバッファを含む。各コマンドバッファはそれぞれリングバッファから構成されており、所定数の演出制御コマンド、画像制御コマンド、ACKコマンドをそれぞれ格納可能である。
コマンド送受信手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、この演出制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260の演出制御コマンドバッファに格納するように構成されている。コマンド送受信手段270は、主制御基板100からの前述のストローブ信号の入力に基づき割込みを発生させて演出制御コマンドの受信割込み処理(詳細後述)を実行し、この割込み処理において各種の演出制御コマンドを取得するようになっている。なお、コマンド送受信手段270は、ストローブ信号を受信した場合には、この演出制御コマンドの受信割込み処理を他の割込み処理(後述する優先レベル7未満の割込み処理)よりも優先的に行うようになっている。
また、コマンド送受信手段270は、演出統括手段220にて設定された演出内容(変動演出パターン情報、予告演出パターン情報、装飾図柄情報など)の実行を指示すべく、サブメイン情報記憶手段260に格納された画像制御コマンドをシリアル通信方式にて画像制御基板300へ送信する。画像制御コマンドは、原則として、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にセットされた順番に従って所定の周期(本例では500μs)毎に送信される。これにより、画像制御基板300は、演出制御基板200から送信された各種の画像制御コマンドを解析し、変動演出パターンのシナリオに沿って演出表示装置70に装飾図柄を含む演出画像を変動表示させるとともに、変動表示過程の各段階で図柄変動の演出に重畳させるかたちで予告演出を表示させる。さらに、コマンド送受信手段270は、画像制御基板300から送信されたACKコマンドを受信し、このACKコマンドをサブメイン情報記憶手段260のACKコマンドバッファに格納するようになっている。
[各種の演出]
かかる構成のぱちんこ遊技機PMでは、前述したように、遊技の進行状況等に応じて、各種の演出が演出制御基板200により制御されて実行されるように構成されている。以下では、各種の演出のうち、演出統括手段220により制御される(1)変動演出、(2)先読み予告演出について順に詳述する。
[変動演出]
まず、装飾図柄の変動演出について説明する。ここで、図8は、本実施形態のシナリオ振分抽選を説明するための概念図である。本実施形態では、図柄の変動演出(予告演出およびリーチ演出を含む)の内容を三つの階層1,2,3に分けて抽選する。つまり、第1階層〜第3階層といった階層構造を利用して、第1階層→第2階層→第3階層の順に抽選を実行していくことにより(上位層のパターンから下位層のパターンにブレークダウンしていくことにより)、最終的に予告演出の内容とリーチ演出の内容とが決定されるように構成されている。具体的には、第1階層において変動演出の基本パターンが決定され、第2階層において当該基本パターンに基づき予告演出およびリーチ演出の各シナリオが決定され、第3階層において各シナリオに規定された予告演出およびリーチ演出の具体的内容が決定されるものとなっている。それでは、各階層における処理の内容について順に説明する。
<第1階層:サブ変動抽選>
まず、第1階層では、特別図柄の変動パターン(メイン変動パターン)に基づき、装飾図柄の変動演出パターン(サブ変動パターン)を抽選で決定する。図9は、変動演出パターン抽選テーブルの一例を示す模式図である。変動演出パターンテーブルには、特別図柄の変動パターンに対して、変動演出パターンと判定置数(抽選乱数値の範囲)が対応付けられており、はずれの変動パターンと大当りの変動パターンに対して、複数種の変動演出パターンのうちのいずれかを選択可能なように判定置数(抽選乱数値の範囲)が割り振られている。具体的に、はずれの変動パターンPX0〜PX6に対応しては、はずれの変動演出パターンPEX0〜PEX6が対応付けられている。一方、大当りの変動パターンPY3〜PY6に対応しては、大当りの変動演出パターンPEY3〜PEY6が対応付けられている。
続いて、前記決定された変動演出パターンに基づき、各変動グループ(付加変動情報別変動グループ、リーチ別変動グループ)に振り分けるための抽選を行う。
図10は、付加情報別変動グループ抽選テーブルの一例を示す模式図である。付加情報別変動グループ抽選テーブルには、変動演出パターンに対して、付加情報別変動グループ(ID番号)と判定置数(抽選乱数値の範囲)が対応付けられており、はずれの変動演出パターンと大当りの変動演出パターンに対して、複数種の付加情報別変動グループのうちのいずれかを選択可能なように判定置数(抽選乱数値の範囲)が割り振られている。この付加情報別変動テーブルでは、前記決定された変動演出パターンを基に、付加情報別変動グループに振り分けられる。本例における付加情報別変動グループは、主として擬似連続変動演出の演出態様を規定した擬似連続変動パターンとして機能する。本例では、はずれの付加情報別変動グループとして、変動演出パターンPEX0〜PEX4に対して「疑似連なしA〜E(はずれ)」、変動演出パターンPEX5−1,PEX5−2に対して「疑似連2A,2B(はずれ)」、変動演出パターンPEX6−1,PEX6−2に対して「疑似連3A,3B(はずれ)」が対応付けられている。一方、大当りの付加情報別変動グループとして、変動演出パターンPEY3,PEY4に対して「疑似連なしC〜D(大当り)」、変動演出パターンPEY5−1,PEY5−2に対して「疑似連2A,2B(大当り)」、変動演出パターンPEY6−1,PEY6−2に対して「疑似連3A,3B(大当り)」が対応付けられている。
図11は、リーチ別変動グループ抽選テーブルの一例を示す模式図である。リーチ別変動グループ抽選テーブルには、変動演出パターンに対して、リーチ別変動グループパターン(ID番号)と判定置数(抽選乱数値の範囲)が対応付けられており、はずれの変動演出パターンと大当りの変動演出パターンに対して、複数種の付加情報別変動グループのうちのいずれかを選択可能なように判定置数(抽選乱数値の範囲)が割り振られている。本例では、はずれのリーチ別変動グループとして、変動演出パターンPEX0に対して「超短縮変動(はずれ)」、変動演出パターンPEX1に対して「短縮変動(はずれ)」、変動演出パターンPEX2に対して「通常変動(はずれ)」、変動演出パターンPEX3に対して「Nリーチ(はずれ)」、変動演出パターンPEX4に対して「Lリーチ(はずれ)」、変動演出パターンPEX5−1に対して「弱SPリーチA(はずれ)」、変動演出パターンPEX5−2に対して「弱SPリーチB(はずれ)」、変動演出パターンPEX6−1に対して「強SPリーチA(はずれ)」、変動演出パターンPEX6−2に対して「強SPリーチB(はずれ)」が対応付けられている。一方、大当りのリーチ別変動グループとして、変動演出パターンPEY3に対して「Nリーチ(大当り)」、変動演出パターンPEY4に対して「Lリーチ(大当り)」、変動演出パターンPEY5−1に対して「弱SPリーチA(大当り)」、変動演出パターンPEY5−2に対して「弱SPリーチB(大当り)」、変動演出パターンPEY6−1に対して「強SPリーチA(大当り)」、変動演出パターンPEY6−2に対して「強SPリーチB(大当り)」が対応付けられている。
上記二種の変動グループ抽選テーブルでは、上述のように、一の変動演出パターンに対して一の各変動グループ(付加情報別変動グループ、リーチ別変動グループ)が対応付けられており(すなわち、1対1の対応関係となっており)、変動演出パターンと各変動グループとは実質的に同一のものとなっている。そのため、以下では、特段の場合を除き、変動演出パターンと各変動グループとを区別せず、一纏めに「変動演出パターン」と称する場合がある。
<第2階層:予告シナリオ抽選/SPシナリオ抽選>
第2階層では、第1階層で選択された変動演出パターンを基に、各種演出のシナリオ(予告シナリオ、SPシナリオ)を振り分けるための抽選を行う。
図12は、予告シナリオ抽選テーブルの一例を示す模式図である。予告シナリオ抽選テーブルには、変動演出パターンに対して、予告シナリオ(ID番号)と判定置数(抽選乱数値の範囲)が対応付けられており、はずれの変動演出パターンと大当りの変動演出パターンに対して、複数種の予告シナリオのうちのいずれかを選択可能なように判定置数(抽選乱数値の範囲)が割り振られている。予告シナリオには、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のタイムスケジュールに沿って、当該表示過程中の各段階(ブロック1〜6)において発生可能な予告演出の種類が定められている。図中、ブロック1は変動序盤(賑やかし系)のタイミング、ブロック2は疑似連1回目のタイミング、ブロック3は疑似連2回目のタイミング、ブロック4は疑似連3回目のタイミング、ブロック5はSPリーチ演出のタイミング、ブロック6は変動終盤のタイミングである。本例において、予告シナリオには予告演出A〜Jの10種類が設定されている。なお、予告演出A〜Jの個別の内容については省略する。予告演出A〜Jは、上記の演出表示過程のタイムスケジュールに沿って(ブロック1からブロック6への流れで)各ブロックごとに振り分けられている。本例では、上記10種類の予告演出において、変動開始に近いタイミングで出現する予告演出ほど大当り期待度が低く、変動停止に近いタイミングで出現する予告演出であるほど大当り期待度が高くなるように設定されている。そのため、本例における予告演出A〜Jは、予告演出A<予告演出B,C<予告演出D,E<予告演出F,G<予告演出H,I<予告演出Jの順に、大当り期待度が高くなるように設定されている。
図13は、SPシナリオ抽選テーブルの一例を示す模式図である。SPシナリオ抽選テーブルには、変動演出パターンに対して、SPシナリオ(ID番号)と判定置数(抽選乱数値の範囲)とが対応付けられており、はずれの変動演出パターンと大当りの変動演出パターンに対して、複数種のSPシナリオのうちのいずれかを選択可能なように判定置数(抽選乱数値の範囲)が割り振られている。SPシナリオには、リーチ発展後の演出表示過程のタイムスケジュールに沿って、当該表示過程中の各段階(ブロック1〜6)において発生可能なリーチ演出の種類が定められている。なお、このSPシナリオにおける「ブロック1」〜「ブロック6」はリーチ状態となった後の演出に関する構成要素であり、上記の予告シナリオにおける「ブロック1」〜「ブロック6」はリーチ状態を形成する前の変動に係る演出の構成要素である。本例では、主要なSPリーチ演出として、「小型討伐リーチ」と、「大型討伐リーチ」の2種類が設定されている。討伐リーチとは、遊技者側の味方キャラクタが敵キャラクタと対戦して勝敗を決めるバトル系リーチである。本例では、小型モンスタと対戦する小型討伐リーチよりも、大型モンスタと対戦する大型討伐リーチの方が大当り期待度は相対的に高く設定されている。各SPシナリオには、所定の演出要素A〜D(リーチ状態での最終停止図柄減速、再加速やキャラクタカットインなどのチャンスアップ演出など)を経て討伐リーチに至るルートや、討伐リーチの後に復活演出に至るルートなど、多種のルートが設定されている。ここで、復活演出とは、大型討伐リーチ(バトル系リーチ)にて敗北した後、特定のエンブレムが突如出現することで大当り当選となる演出である。本例において、変動演出パターンとしてPEX5−1〜5−2,PEY5−1〜5−2(弱SPリーチA,B)に対応して選択される小型討伐リーチは低期待度リーチ演出であり、変動演出パターンとしてPEX6−1〜6−2,PEY6−1,6−2(強SPリーチA,B)に対応して選択される大型討伐リーチは高期待度リーチ演出である。
<第3階層:予告抽選/SPリーチ抽選>
第3階層では、第1階層で選択された各変動グループを基に、予告演出およびリーチ演出の個別抽選を行う。この第3階層では、第2階層で選択された各予告演出A〜Jを対象に予告演出内容の個別抽選が行われるとともに、第2階層で選択された各SPリーチ演出を対象にSPリーチ演出内容の個別抽選が行われる。
図14(A)は、予告抽選テーブルの一例を示す模式図である。本例では、予告抽選テーブルの一例として、予告演出Cに関する予告抽選テーブルを例示する。この予告演出Cとしては、例えば、SU予告演出(ステップアップ予告演出)が適用される。SU予告演出とは、予め定められた順番に従って演出態様を段階的に変化させる演出であり、発展する段階数に応じて大当り期待度の高さが示唆される。この予告抽選テーブルには、上記の第1階層にて決定された付加情報別変動グループに対して、SU予告演出パターン(ID番号)と判定置数(抽選乱数値の範囲)が対応付けられており、はずれの付加情報別変動グループと大当りの付加情報別変動グループに対して、複数種のSU予告演出パターンのうちのいずれかを選択可能なように判定置数(抽選乱数値の範囲)が割り振られている。
この予告抽選テーブルには、抽選IDごとにSU予告演出パターン(SUの種類)が定められており、具体的に、ID0には「SUなし」、ID1には「SU1(SU1段階))」、ID2には「SU2(SU2段階)」、ID3には「SU3(SU3段階)」が定められている。この予告抽選処理では、取得した抽選乱数値と各抽選IDの判定置数とを比較して、この抽選乱数値に対応した抽選ID(すなわち予告演出パターン)を抽選結果として取得する。このような予告抽選処理を各予告演出ごとに順次実行することで、今回の変動演出のシナリオにおいて発生する各種の予告演出パターン(予告演出の具体的内容)が決定される。
図14(B)は、SPリーチ抽選テーブルの一例を示す模式図である。本例では、SPリーチ抽選テーブルの一例として、複数種のSPリーチ演出のうち、大型討伐リーチ(高期待度リーチ)に関するSPリーチ抽選テーブルを例示する。大型討伐リーチとは、上述したように、遊技者側の味方キャラクタが敵キャラクタ(大型モンスタ)と対戦して勝敗を決めるバトル系リーチ演出であり、味方キャラクタが敵キャラクタに最終的に勝利すると「大当り」が確定し、味方キャラクタが敵キャラクタに最終的に敗北すると「はずれ」が確定する。なお、例外として、敵キャラクタに敗北した後でも、上記の復活演出が出現した場合には大当り当選となる場合がある。SPリーチ抽選テーブルには、上記の第1階層にて決定されたリーチ別変動グループに対して、SPリーチ演出パターン(ID番号)と判定置数(抽選乱数値の範囲)が対応付けられており、はずれりのリーチ別変動グループと大当りのリーチ別変動グループに対して、複数種のSPリーチ演出パターンのうちのいずれかを選択可能なように判定置数(抽選乱数値の範囲)が割り振られている。このSPリーチ抽選テーブルでは、抽選IDごとにSPリーチ演出パターン(対戦相手の種類)が定められており、具体的に、ID0には「敵キャラなし」、ID1には「敵キャラ1」、ID2には「敵キャラ2」、ID3には「敵キャラ3」、ID4には「敵キャラ4」が定められている。このとき、敵キャラクタの強さは、「敵キャラクタ1」>「敵キャラクタX」>「敵キャラクタ3」>「敵キャラクタ4」の順になっている。そのため、複数の敵キャラクタのうち最強の敵キャラクタ1が登場すると、味方キャラクタが敗北する可能性が高く、大当り期待度は低くなる。逆に、複数の敵キャラクタのうち最弱の敵キャラクタ4が登場すると、味方キャラクタが勝利する可能性が高く、大当り期待度は高くなる。したがって、この大型討伐リーチでは、「敵キャラクタ1」<「敵キャラクタ2」<「敵キャラクタ3」<「敵キャラクタ4」の順に、大当り期待度が高くなる。このSPリーチ抽選処理では、取得した抽選乱数値と各抽選IDの判定置数とを比較して、この抽選乱数値に対応した抽選ID(すなわちSPリーチ演出パターン)を抽選結果として取得する。それにより、今回の変動演出のシナリオにおいて発生するSPリーチ演出パターン(SPリーチ演出の具体的内容)が決定される。
その結果、このような第1階層〜第3階層といった階層構造を利用したシナリオ振分抽選によって、装飾図柄の変動開始〜変動停止までの一連の演出表示過程のシナリオが決定されるとともに、当該表示過程中の各段階において発生する予告演出およびSPリーチ演出の具体的内容が決定されることになる。
[先読み予告演出]
次に、事前判定結果を用いた先読み予告演出(以下、単に「先読み演出」ともいう)について説明する。以下では、各種の先読み演出として、(1)ルート先読み演出、(2)タイマ先読み演出、(3)保留変化先読み演出、(4)カットイン先読み演出、(5)フラッシュ先読み演出、を順に説明する。
(先読み全般の基本ルール)
始めに、各種の先読み演出の個別内容を説明する前に、本実施形態の先読み演出全般の基本ルールについて概説する。先読み演出とは、先読み抽選対象の作動保留球が消化される以前の一又は複数回の図柄変動表示に亘って大当り当選又は高期待度演出の発生の可能性を予告的に示唆又は報知する、いわゆる連続予告演出の一態様として実行される。以下では、先読み演出の実行契機となる作動保留球を「トリガ保留」とも称する。また、現存する作動保留球のうち、トリガ保留よりも先に消化される作動保留球を「先行保留」とも称する。
まず、本実施形態において、上記の先読み演出(1)〜(5)が実行される前提となる遊技状態は、通常状態(低確率状態/非入球容易状態)である。遊技状態が通常状態であるときは、開放延長機能が作動せず、第2始動口への遊技球の入球が相対的に困難となるため、基本的には第1始動口への遊技球の入球が主となる。そのため、本例における先読み演出は、第1特別図柄の作動保留球を対象として実行される(第2特別図柄の作動保留球は対象としない)。そのため、上述の優先消化を採用するうえで、遊技状態が通常状態であるときに、第1特別図柄の作動保留球が存在する場合であっても、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、もしくは、第2特別図柄の変動表示中である場合は、先読み予告演出の実行は禁止される。なお、以降において、「始動入賞」又は「入賞」というときは、特段の場合を除き、第1始動口61への入賞を意味する。
上記作動保留球に対する先読み抽選は、主制御基板100からの事前判定結果に基づき実行される。本実施形態では、各種の事前判定結果のうち、主に、当否の事前判定結果と変動パターンの事前判定結果とを情報源として、先読み抽選が行われる。先読み抽選では、当該先読み抽選の対象となるトリガ保留の事前判定情報のみならず、現存する作動保留球のうちトリガ保留よりも先に消化される作動保留球(先行保留)の事前判定結果も利用される場合がある。ここで、各種の先読み演出のうち、保留変化先読み演出に関しては、先行保留の事前判定情報として「大当り」が含まれる場合でも先読み抽選は行われる。一方、それ以外の先読み演出に関しては、基本的に、先行保留の事前判定情報として全て「非リーチ種別」の変動パターンである場合に先読み抽選が行われる。なお、トリガ保留は、事前判定情報が当りやリーチの変動パターンである必要はない。すなわち、事前判定情報がはずれや非リーチ種別の変動パターンである場合であっても、トリガ保留として先読み抽選を実施してもよい。
そして、上記各種の先読み演出(1)〜(5)は、別個独立した先読み抽選処理により実行の可否が決定され、トリガ保留の認定方式、抽選実行条件、禁則条件などが、互いに異なり得るものとなっており、基本的には、一の先読み演出の実行決定によって他の先読み演出の実行が制限されることはない。
<1.ルート先読み演出>
ルート先読み演出とは、一又は複数回の変動表示において、複数種の先読み演出を予め定められた所定のルート(「予告ルート」と称する)に従って複合的に実行することで、大当り発生の可能性を示唆又は報知する先読み演出である。上記複数種の先読み演出には、(1−1)メイン先読み演出、(1−2)同色図柄先読み演出、(1−3)特殊ゾーン先読み演出が含まれる。メイン先読み演出は、上記複数種の先読み演出の中でも主たる先読み演出として位置付けられており、キャラクタ予告演出及びステージチェンジ演出から構成される。このメイン先読み演出は、同色図柄先読み演出、及び特殊ゾーン先読み演出の発生を予告する構成となっている。なお、各先読み演出の個別の内容については後述する。
このルート先読み演出の実行可否及びその演出パターンは、ルート先読み抽選により決定される。ルート先読み抽選は、予め定められた所定の抽選タイミングにて実行される。この抽選タイミングとは、作動保留球が生起された始動入賞時と、作動保留球が消化された保留減算時である。以下では、抽選タイミング別に、始動入賞時のルート先読み抽選のことを「入賞時ルート先読み抽選」、保留減算時のルート先読み抽選のことを「消化時ルート先読み抽選」とも称する。
ルート先読み抽選の抽選実行条件は、(1)先行保留が全て非リーチ種別(短縮変動又は通常変動)の変動パターンであること、(2)既にルート先読み抽選に当選中の状態ではないことである。
ルート先読み抽選の対象となるトリガ保留の決め方は、上記の抽選タイミングごとに異なるものとなっている。入賞時ルート先読み抽選の場合は、新たに始動入賞した作動保留球をトリガ保留(先読み抽選の対象)として決定する。そのため、一以上の作動保留球が現存する場合であっても、今回入賞した作動保留球が必ずトリガ保留となる。一方、消化時ルート先読み抽選の場合は、一以上の作動保留球が存在することを前提として、先頭の作動保留球(保留1)から順にみて「Lリーチ」以上の作動保留球が存在する場合は、当該作動保留球をトリガ保留として決定する。一方、「Lリーチ」以上の作動保留球が存在しない場合、すなわち、「短縮変動」、「通常変動」、「Nリーチ」の作動保留球である場合は、最後の作動保留球をトリガ保留として決定する。
図15は、ルート先読み抽選テーブルの一例を示す模式図である。ルート先読み抽選テーブルには、複数種のルート先読み演出パターン(予告ルート)が規定されている。図中では、便宜上、抽選に供する数値が省略されているが、実際には、取得した抽選乱数値に対して、予告ルートを決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が事前判定情報として送信された変動パターン事前判定の抽選ID毎に設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、予告ルートが決定されるようになっている。このルート先読み抽選テーブルには、合計60個の予告ルートが設定されている。予告ルート0(ID=0)は、複数種の先読み演出のうちいずれの先読み演出も実行されない非当選時のルートである。予告ルート1〜59(ID=1〜59)は、複数種の先読み演出のうち少なくとも一以上の先読み演出が実行される当選時のルートである。すなわち、ルート先読み抽選の結果として、予告ルート0が選択された場合は当該抽選に「非当選」したことを意味し、予告ルート1〜59のいずれかが選択された場合には当該抽選に「当選」したことを意味する。本例における予告ルートは、一又は複数回の変動表示における、メイン先読み演出、同色図柄停止先読み演出、及び特殊ゾーン先読み演出の各ルートを規定したシナリオとして構成されている。この予告ルートには、先読み抽選の対象となるトリガ保留が発生してから当該トリガ保留が消化されるまでの各変動表示(但し、トリガ保留に対応する変動を除く)における上記先読み演出の実行の有無及びその演出内容が時系列に定められている。なお、ルート先読み抽選では、事前判定結果が大当りである場合の方がはずれである場合よりも相対的に高い確率で当該抽選に当選する。
ここで、図中、「入賞時変動」は、先読み抽選の対象となるトリガ保留の始動入賞時の変動を意味する。「保留3変動」は、トリガ保留が保留3のときの変動表示を意味し、「保留2変動」は、トリガ保留が保留2のときの変動表示を意味し、「保留1変動」は、トリガ保留が保留1のときの変動表示を意味する。また、図中、「割込用」とは、或る変動中に始動入賞したことによりトリガ保留が発生した場合、始動入賞時の当該変動において装飾図柄の停止パターンをチャンス目(同色図柄)に差し替えることで、当該変動の停止時にチャンス目先読み予告を割込み的に発生させる処理を意味する。この割込みの処理は、始動入賞時の変動のみに適用される。割込可能期間は、装飾図柄の変動表示が開始されてから、3つの装飾図柄のうち左図柄が停止される前の期間である。装飾図柄は、左図柄、右図柄、中図柄の順に停止することを前提として、最先に停止される左図柄の停止前であれば、実質的に装飾図柄の停止パターンを差替可能であるからである。なお、この割込用の処理は、入賞時ルート先読み抽選で当選した場合のみ実行され、消化時ルート先読み抽選で当選した場合には実行されない。
また、図中、「メイン先読み」欄には、メイン先読み演出としてキャラクタ先読み演出およびステージチェンジ演出の有無が定められている。なお、キャラクタ先読み演出には、成功演出と失敗演出とが設定されている(詳細後述)。また、「同色図柄停止」欄には、同色図柄停止先読み演出の有無が定められている。また、「特殊ゾーン」欄には、特殊ゾーン先読み演出の有無(ゾーン突入の有無)が定められている。それでは、以下においてルート先読み演出を構成する複数種の個別演出(先読み演出)について順に説明する。
≪キャラクタ予告演出(メイン先読み演出)≫
キャラクタ予告演出とは、当該変動の停止時において同色図柄(チャンス目)が停止すること、すなわち、同色図柄先読み演出が発生することを示唆又は報知する先読み演出である。このキャラクタ予告演出の実行可否は、上述のルート先読み抽選の結果(すなわち、ルート先読み抽選により選択された予告ルート)に基づき決定される。なお、図15において、「キャラ(成功)」が定められている場合は、キャラクタ予告演出として成功演出が実行され、予告ルート中に「キャラ(失敗)」が定められている場合は、キャラクタ予告演出として失敗演出が実行されることを意味する。
このキャラクタ予告演出では、所定のキャラクタが画面を攻撃して該画面を破壊しようとする演出が実行されるものとなっており、画面が見事に破壊された場合には成功演出となり、当該変動において同色図柄が停止してチャンス目が成立する。なお、成功演出は、その演出尺(変動時間)に応じた内容として、短縮変動の場合には1発で画面を割る演出内容とし、通常変動の場合には数発で画面を割る演出内容となる。一方、画面が破壊されなかった場合には失敗演出となり、当該変動において同色図柄は停止せずチャンス目は成立しない。このようにキャラクタ予告演出(成功演出)は、同色図柄停止先読み演出が発生するための契機演出として機能する。なお、キャラクタ予告演出の演出例については、同色図柄停止先読み演出のところで併せて説明する(具体的には図21を参照)。
≪ステージチェンジ演出(メイン先読み演出)≫
ステージチェンジ演出とは、滞在ステージを通常ステージから特殊ステージ(「特殊ゾーン」と称する)へ変更すること、すなわち、特殊ゾーン演出が開始されることを予告する先読み演出である。このステージチェンジ演出の実行可否は、上述のルート先読み抽選の結果(すなわち、ルート先読み抽選により選択された予告ルート)に基づき決定される。なお、図15において、「ステチェン」が定められている場合に、ステージチェンジ演出が実行されることを意味する。
ステージチェンジ演出は、予告ルート中に規定された変動表示の開始時に実行される。図16(A)に示すように、ステージチェンジ演出では、黒色の背景表示(壁紙)に「ゾーン突入」という文字が表示され、その直後、移行先のステージとして特殊ゾーンへ移行する。このように、ステージチェンジ演出を実行することで、通常とは異なる特殊ゾーンへ突入することを遊技者に教示することができる。特殊ゾーンは、特殊ゾーンに制御されるうちに装飾図柄がリーチ状態を形成した場合、ロングリーチ以上のリーチに発展することを示唆するものでる。
≪同色図柄停止先読み演出≫
同色図柄停止先読みとは、装飾図柄の組合せとして、同色図柄の組合せ(いわゆるチャンス目と呼ばれる特定のはずれ図柄)を停止表示させることで、次回の変動以降における大当り期待度を示唆又は報知する先読み演出である。
(装飾図柄)
ここで、本実施形態における装飾図柄について説明する。図17は、本実施形態における装飾図柄の図柄列SZの一例を示す模式図である。本例では、複数種類の装飾図柄を含む3つの図柄列SZ(SZ1,SZ2,SZ3)が構成されている。この装飾図柄は、数字からなる識別要素と、該識別要素に付された色彩(表示色)との組合せにより形成されている。本例では、識別要素として「1」〜「7」の数字の全7種類が設定されている。本実施形態において、各図柄列SZ1,SZ2,SZ3は、いずれも装飾図柄の配列が同一となっており、各装飾図柄はこの配列に従って「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「7」→「1」→…の順序で各表示領域Z1,Z2,Z3にて巡回表示される。また、本実施形態では、数字からなる識別要素の他に、所定の条件が成立したときに当該識別要素と組み合わされて装飾図柄を構成する特殊要素が用意されている。この特殊要素は、保留変化(ランクアップ)を示唆又は報知するものである。特殊要素は、本例では「UP」の文字からなり、識別要素等と重畳的に組み合わされて装飾図柄を構成する。なお、この特殊要素は、三列の図柄列SZのうち、中央の図柄列SZ2のみに設定されており、左側の図柄列SZ1および右側の図柄列SZ3には設定されていない。本例では、識別要素と色彩と特殊要素との組合せからなる装飾図柄を「保留変化図柄」とも称する。この保留変化図柄は、変動中には表示されることがなく、変動停止のタイミングにて表示される。ここで、装飾図柄の特殊要素としては、他に擬似連続予告における仮停止時のタイミングにて停止する「NEXT」図柄や、ゾーン移行を示唆する「CHANCE ZONE」図柄など、保留変化以外の演出に対しても設けられる。なお、保留変化図柄については、後述の保留変化先読み演出のところでも説明する。
ここで、図18は、装飾図柄の図柄属性を示す模式図である。各装飾図柄は、識別要素に付された色彩の種類により当該図柄の属性(図柄属性)が区別されている。つまり、複数の装飾図柄が互いに異なる識別要素から構成されていても、同一の色彩が付されることにより、同一の属性にグループ化されることになる。本例では、装飾図柄の色彩として、「青色」、「緑色」、「赤色」の3種類が設定されている。なお、図面上では、「青色」、「緑色」、「赤色」の3種類の装飾図柄の表示態様を、「白抜き」、「斜線」、「塗り潰し」によって表現する。具体的には、図18に示すように、装飾図柄「2」、「4」、「6」は青色の色彩で表示された図柄属性(青色属性)、装飾図柄「1」、「5」は緑色の色彩で表示された図柄属性(青色属性)、装飾図柄「3」、「7」は赤色の色彩で表示された図柄属性(赤色属性)に分類される。これらの図柄属性(色属性)は、チャンス目を構成するための必須要素となっている。なお、本例では、装飾図柄の停止図柄(左図柄・中図柄・右図柄)として、青色属性の装飾図柄(偶数図柄)を通常大当り発生となる非確変図柄として取り扱う一方、緑色属性および赤色属性の装飾図柄(奇数図柄)を確変大当り発生となる確変図柄として取り扱う。
(チャンス目)
続いて、本実施形態におけるチャンス目について説明する。本実施形態では、特定の態様で停止表示される装飾図柄のチャンス目として、同色チャンス目が設定されている。このチャンス目は、原則的には当否判定の結果がはずれであることを表す停止図柄となるが、当該当否判定の結果以外の付加情報(後続の変動表示の大当り期待度など)も示唆又は報知するものとなっている。
本例におけるチャンス目(同色チャンス目)とは、左図柄・中図柄・右図柄として、互いに同一属性の装飾図柄が揃った出目のことをいう。本例では、同一属性に含まれる装飾図柄は連続する数字とはなっておらず、同一属性間でリーチ目となることはない。すなわち、同一属性の装飾図柄が3つ揃った場合でもリーチ態様(いわゆるリーチ目)となることはない。これはチャンス目とリーチ目とが混在(競合)することで、先読み予告演出が希薄となるのを防止するためである。すなわち、同色チャンス目は、三つの装飾図柄が互いに同一属性として揃った非リーチ態様の出目となる場合に成立する。
チャンス目の図柄属性は、次回の変動以降で大当りが発生する可能性と関係しており、「青色属性」<「緑色属性」<「赤色属性」の順に1段階ずつ大当り期待度が高くなるように設定されている。つまり、チャンス目の図柄属性は、先読み対象の作動保留球(トリガ保留)が消化された場合の大当り期待度と関係しており、「青色属性」<「緑色属性」<「赤色属性」の順に1段階ずつ大当り期待度が高くなるように設定されている。このように装飾図柄の停止態様としてチャンス目が成立した場合には、次回の変動以降において、遊技者にとって有利な状態の発生、具体的には、後続の作動保留球(トリガ保留)の消化時に大当り当選となる可能性が予告的に示唆又は報知される。
また、装飾図柄がチャンス目で停止する場合には、このチャンス目の図柄属性に対応した種類のエフェクトが同時に出現するようになっている。本例では、まず、エフェクトの種類(表示色)を決定した後、当該表示色(図柄属性)に対応したチャンス目の図柄組合せパターンを決定するという手順で抽選処理が進められる。すなわち、最初にエフェクトの種類(表示色)に基づき図柄の色彩(図柄属性)を決定した後、当該図柄属性に含まれる具体的な図柄組合せパターンを決定することになる。
図19は、エフェクト演出抽選テーブルの一例を示す模式図である。エフェクト演出抽選テーブルには、複数種のエフェクト演出パターンが規定されている。図中では、便宜上、抽選に供する数値が省略されているが、実際には、取得した抽選乱数値に対して、エフェクト演出パターンを決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、エフェクト演出パターンが決定されるようになっている。
このエフェクト演出抽選テーブルには、エフェクト演出パターン(抽選ID)ごとに、エフェクトの種類(表示色)が複数回の変動における各変動ごとに特定されている。エフェクト演出抽選の抽選実行条件としては、上述のルート先読み抽選において、同色図柄停止先読み演出に当選したことを条件とする。すなわち、エフェクト演出の実行可否は、上述のルート先読み抽選の結果(すなわち、ルート先読み抽選により選択された予告ルート)に基づき決定される。つまり、ルート先読み抽選により選択された当該ルート中に、同色図柄停止先読み演出を実行することが定められている場合に、この同色図柄停止先読み演出に紐付くかたちでエフェクト演出の実行が決定される。すなわち、同色図柄停止先読み演出が実行されることが前提となる。このエフェクト演出抽選テーブルには、エフェクトの種類(換言すれば、チャンス目の図柄属性)が各変動ごと(先読み予告の対象となる最終の変動を除く)に特定されている。このエフェクトの種類としては、上記の図柄属性に対応して、「青色」、「緑色」、「赤色」の3種類が設定されている。そして、このエフェクト演出抽選の抽選結果によって、実質的にチャンス目の図柄属性が決定されることになる。なお、エフェクト演出(同色図柄停止先読み演出)がいずれの変動から開始されるかは、ルート先読み抽選の結果(予告ルート)に依存する。
続いて、図20は、同色図柄先読み抽選テーブルの一例を示す模式図である。同色図柄先読み抽選テーブルには、複数種の同色図柄先読み演出パターンが規定されている。図中では、便宜上、抽選に供する数値が省略されているが、実際には、取得した抽選乱数値に対して、同色図柄停止先読み演出パターンを決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、同色図柄停止先読み演出パターンが決定されるようになっている。
この同色図柄先読み抽選テーブルには、同色図柄先読み演出パターン(抽選ID)ごとに、チャンス目の図柄組合せ態様が複数回の変動における各変動ごとに特定されている。本例では、トリガ保留の入賞時の変動表示、トリガ保留が保留3となる変動表示、トリガ保留が保留2となる変動表示、及びトリガ保留が保留1となる変動表示を対象に、チャンス目の図柄組合せ態様が規定されている。なお、この同色図柄停止先読み抽選の対象となるトリガ保留とは、上記メイン先読み抽選の対象となるトリガ保留と同じ作動保留球を指す。この同色図柄停止先読み抽選では、複数種の同色図柄先読み演出パターンのうち、前記決定されたエフェクト演出パターンに対応する同色図柄停止先読み演出パターン(抽選ID)が選択される。つまり、同色図柄停止先読み演出パターンは、チャンス目の種類(図柄属性)とエフェクトの種類とが整合(エフェクトの種類:青色→チャンス目:青色属性、エフェクト:緑色→チャンス目:緑色属性、エフェクト:赤色→チャンス目:赤色属性)するかたちで選択される。例えば、上述のエフェクト先読み抽選においてID7(青→青→赤→赤)が選択された場合には、同色図柄停止先読み抽選ではID19〜20(青色属性→青色属性→赤色属性→赤色属性)のうちの一方が選択される。
同色図柄停止先読み抽選の抽選実行条件としては、先読みルート抽選において同色図柄先読みに当選していることを条件とする。すなわち、同色図柄停止先読み演出の実行可否は、上述のルート先読み抽選の結果(すなわち、ルート先読み抽選により選択された予告ルート)に基づき決定される。
ここで、同色図柄停止先読み演出を実行するには、その変動表示(チャンス目を停止させる変動表示)における変動パターンが、非リーチ種別(短縮変動、通常変動)の変動パターンであることを必要とする。その理由としては、上述したように、同色図柄先読み演出とリーチ演出との競合を避けるため、同色チャンス目の対象としてリーチ態様の図柄組合せを排除してからである。そのため、同色図柄停止先読み抽選にて所定のチャンス目を停止させることを決定した場合であっても、当該変動表示の変動パターンが短縮変動および通常変動以外の変動パターンである場合には、本抽選結果による同色図柄先読み演出(およびエフェクト演出)はキャンセルする。
ここで、同色図柄先読み演出パターンは、当該図柄属性の変化の過程(先読みルート)に応じた複数のパターン種別に分類される。本実施形態では、パターン種別として、複数回の変動表示(連続予告演出)の表示過程において図柄属性が変化しない不変パターン種別、図柄属性が1回の変化につき最大で1段階昇格する1段昇格パターン種別、図柄属性が1回の変化につき最大で2段階昇格する場合を含む2段昇格パターン種別に分類される。なお、本例において、図柄属性の変化とは、上位の属性への変化である昇格(成り上がり)のみを意味し、基本的に降格(成り下がり)はない。
同色図柄停止先読み抽選テーブルは、事前判定の結果が大当り、はずれの場合で、同色図柄停止先読み演出パターンの選択率が異なるように設定されている。図20では省略しているが、まず、原則として、同色図柄停止先読み演出パターンは、最終のチャンス目の表示態様(図柄属性)に応じて選択率(判定置数)が割り振られており、事前判定の結果が大当りの場合には、最終的な表示態様が、「青色」、「緑色」、「赤色」の順に選択率が高くなるのに対して、事前判定の結果がはずれの場合には、最終的な表示態様が、「青色」、「緑色」、「赤色」の順に選択率が低くなる。従って、上記3種類のチャンス目の表示態様(図柄属性)は、当否判定の結果が大当りとなる期待度(「大当り期待度」と称する)と密接に関係しており、「青色」、「緑色」、「赤色」の順に1段階ずつ大当り期待度が高くなるといえる。なお、事前判定結果が大当りか否かではなく、変動パターンの変動時間値に関する情報に基づいて、変動時間値の長いもの(SPリーチに対応する変動パターン)ほど、「青色」、「緑色」、「赤色」の順に選択率が高くなるようにしてもよい。
また、最終のチャンス目の表示態様(図柄属性)が同じである場合でも、上記の1段昇格パターン、2段昇格パターンの順に大当り期待度が高くないように設定されている。すなわち、チャンス目の昇格幅(昇格の段階数)が大きくなるほど、大当り期待度が高くなる。そのため、チャンス目の昇格幅が1段階(例えば、緑色→赤色)よりは2段階(例えば、青色→赤色)となる変化を含む方が、大当り期待度が高いといえる。
さらに、上記のパターン種別(昇格幅)が同じである場合には、複数回の変動においてチャンス目の昇格のタイミングが遅くなるほど、大当り期待度が高くなるように設定されている。そのため、連続変動における早期のタイミングでチャンス目の表示態様(図柄属性)が昇格しなくても、遊技者の期待感を維持することができる。
ところで、同色図柄のチャンス目は、装飾図柄の最終停止図柄として確定停止表示されるだけでなく、1回の変動表示中において仮停止図柄として少なくとも1回以上、仮停止表示される場合がある。ここで、「確定停止」とは当該図柄を確定的に停止表示させることを意味し、「仮停止」とは当該図柄を仮の状態で停止表示させることを意味する。このとき、上述した複数種の同色図柄停止先読演出パターンのうち、同色図柄停止先読み演出パターン2〜6(ID=2〜6)では、トリガ保留が保留1となる1回の変動表示において、計3回の図柄の停止表示(仮停止→仮停止→確定表示)を伴う演出であって、その過程でチャンス目を複数回停止表示させる演出内容が設定されている。このとき、同色図柄停止先読み演出が真実の演出となるか、あるいは偽の演出(いわゆるガセの演出)となるかは、3回目の停止表示(確定停止)のときに、チャンス目が成立するか否かで決まる。ここで、図○において、「2回〇〇×」とは、1回目の停止表示(仮停止)にてチャンス目、2回目の停止表示(仮停止)にてチャンス目、3回目の停止表示(確定停止)にて非チャンス目を表示させる、いわゆるガセの同色図柄停止先読み演出を表している。一方、「2回×〇〇」とは、1回目の停止表示(仮停止)にて非チャンス目、2回目の停止表示(仮停止)にてチャンス目、3回目の停止表示(確定停止)にてチャンス目を確定表示させる、真実の同色図柄停止先読み演出を表している。なお、「3回〇〇〇」とは、1回目〜3回目まで全てチャンス目を停止表示させる、真実の同色図柄停止先読み演出を表している。なお、同色図柄先読み抽選にて同色図柄停止先読み演出パターン2〜6のいずれかに当選した場合であっても、当該変動表示における変動パターンが、非リーチ種別の変動パターンのうち短縮変動の変動パターンである場合には、1回の変動表示中において複数回の図柄停止を実行するだけの演出尺が確保できないため、本抽選結果による同色図柄先読み演出(及びエフェクト演出)の実行をキャンセルする。なお、上記のように1変動にて3回のチャンス目を停止表示する場合の停止図柄の決定では、複数変動に跨ってチャンス目(同色図柄)が停止する場合と同様の抽選テーブル(エフェクト演出抽選テーブル、同色図柄停止先読み抽選テーブル)を使用して決定し、各テーブルの保留3変動から保留1変動に対応するエフェクトおよび同色図柄を順次表示させるように制御する。
図21は、同色図柄停止先読み演出の演出例を示す模式図である。本例では、キャラクタ予告演出(成功演出)の発生後、赤色属性のチャンス目が成立する場合を例示する。なお、図21では、便宜上、保留画像の表示等を省略する。
まず、図中(A)に示すように、装飾図柄の変動表示が開始されると、各図柄列において、装飾図柄が「1」→「2」→…→「6」→「7」→「1」→…といったように、表示画面上で上から下へスクロールするように巡回表示される(以下、同様)。続いて、図中(B)に示すように、キャラクタ先読み演出が開始されて、所定のキャラクタ(図示せず)が画面に向かって攻撃する画像が表示される。図中(C)に示すように、上記攻撃により背景画像が切り裂かれると(すなわち、成功演出が表示されると)、その先から「同色」という文字が出現して、同色図柄(チャンス目)の停止が予告される。そして、図中(D)に示すように、装飾図柄の変動停止時に、赤色属性のチャンス目として「3」−「3」−「7」が停止表示される。本例におけるチャンス目は、同色(同一属性)からなる装飾図柄の組合せとなるため、遊技初心者であってもチャンス目の成立/非成立を容易に把握することができる。また、チャンス目が成立すると、チャンス目の図柄属性と関連性のあるエフェクト画像(本例では「赤色」のエフェクト画像)が該装飾図柄の周囲に表示されるため、「赤色属性」のチャンス目の成立を強調させて遊技者の期待感をより高めることができる。
≪特殊ゾーン演出≫
特殊ゾーン演出とは、通常時とは異なる特殊背景等を表示させることで、現在保有する一又は複数の作動保留球内に大当り保留が存在する可能性が相対的に高いことを示唆又は報知する先読み演出である。本例では、上述のステージチェンジ演出を契機演出(ゾーン煽り演出)として、特殊ゾーン演出が発生する。この特殊ゾーン先読み演出の実行可否は、上述のルート先読み抽選の結果(すなわち、ルート先読み抽選により選択された予告ルート)に基づき決定される。なお、図15において、「突入」が定められている場合に、特殊ゾーン演出が実行されることを意味する。
図16(B)に示すように、特殊ゾーン演出では、特殊背景として、画面の左右の端に「chance zone」の文字を含む帯画像が表示されることで、特殊ゾーンへ移行したことを告知する。この特殊背景(帯画像)は、通常背景とは異なる特殊ゾーン演出専用の背景表示である。この特殊ゾーン演出は、上述のステージ演出の発生直後に開始されて、トリガ保留に対応する変動表示の停止時に終了する。特殊ゾーン演出が実行されると、現存するいずれかの作動保留球に対応する変動において大当り又は変動時間がLリーチ以上のリーチが発生する可能性が相対的に高いことを遊技者に教示することができる。また、特殊ゾーンを複数種(上位ゾーン、下位ゾーン)用意し、上位のものほど大当り当選の確率が高くなるようにしてもよい。
<2.タイマ先読み演出>
タイマ先読み演出とは、先読み対象のトリガ保留に係る変動表示(トリガ保留に対応する変動)において高期待度の予告演出が出現することを示唆又は報知する演出である。このタイマ先読み演出は、待機中先読み演出と、ストック予告演出と、カウントダウン予告演出とから構成される。詳細には、待機中先読み演出は事前判定結果を反映した先読み演出の一種であり、ストック予告演出およびカウントダウン予告演出は本抽選結果を反映した予告演出の一種である。本例では、互いに関連するこれら三つの演出を総称してタイマ先読み演出という。タイマ先読み演出の各抽選は、待機中先読み抽選→ストック予告抽選→カウントダウン予告の順番に実行される。これらタイマ先読み演出の各抽選は、先読み抽選の対象となるトリガ保留が「強SPリーチ」の変動パターンである場合に実行される。そのため、タイマ先読み演出の対象となる予告演出とは、強SPリーチの予告シナリオに規定された予告演出(相対的に高期待度の予告演出)となる。
≪待機中先読み演出≫
待機中先読み演出は、カウントダウン予告演出の待機状態であることを示唆又は報知する先読み演出である。待機中先読み演出では、画面に「予告待機中」の文字を表示して、トリガ保留に対応する変動においてカウントダウン予告演出が発生することを予告する。この待機中先読み抽選は、予め定められた所定の抽選タイミングにて実行される。その抽選タイミングとは、先読み抽選の対象となる作動保留球(トリガ保留)が生起された始動入賞時である。待機中先読み抽選の抽選実行条件としては、(1)トリガ保留に係る事前判定結果が強リーチの変動パターン(変動時間の長い変動パターン)であること、(2)先行保留が全て非リーチ種別の変動パターンであることを条件とする。
図22(A)は、待機中先読み抽選テーブルの一例を示す模式図である。待機中先読み抽選テーブルには、待機中先読み演出の実行の可否等が定められている。図中では、便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には、取得した抽選乱数値に応じて、待機中先読み演出の実行可否を決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、待機中先読み演出の実行可否が決定されるようになっている。そのため、この待機中先読み抽選では、取得した抽選乱数値に基づき、待機中先読み演出を実行することに対応した「実行あり」、待機中先読み演出を実行しないことに対応した「実行なし」のいずれかが選択される。この待機中先読み抽選に当選した場合には、次回の変動開始時から待機中演出を開始して「予告待機中」という文字を表示する。なお、「予告待機中」の文字表示は、複数回のカウントダウン予告演出のうち最後のカウントダウン予告演出の開始時まで継続する。なお、待機中先読み演出の演出例については、カウントダウン予告演出のところで併せて説明する(具体的には図23を参照)。
≪ストック予告演出≫
ストック予告演出は、トリガ保留に対応する変動において、カウントダウン予告演出が実行される回数(「ストック数」という)を事前に告知する予告演出である。ストック予告抽選は、予め定められた所定の抽選タイミングにて実行される。具体的には、図8に示す第1階層の抽選にてサブ変動パターン(変動演出パターン)が決定された後、第2階層の抽選においてシナリオ抽選とは別個独立に抽選される(単独抽選)。その抽選タイミングとは、作動保留球(トリガ保留)が消化される変動開始時である。ストック予告抽選の抽選実行条件としては、(1)当該変動表示において強SPリーチ(大型討伐リーチ)の変動演出パターンが選択されたことを条件とする。ストック予告演出では、ストック数N(N=1,2,3…)に対応した表示として、画面上に「予告待機中×N」という文字が表示される。なお、上述の待機中先読み演出おいて「予告待機中」という文字が既に表示されている場合は、「×N」という文字を付加的に表示するだけで済む。ストック数Nとしては、前述の予告シナリオ抽選にて決定された予告演出(強SPリーチに含まれる予告演出)の個数が設定されることになる。
図22(B)は、ストック予告抽選テーブルの一例を示す模式図である。ストック予告抽選テーブルには、ストック予告演出の実行の可否等が定められている。図中では、便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には、取得した抽選乱数値に応じて、ストック予告演出の実行可否を決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、ストック予告演出の実行可否が決定されるようになっている。そのため、このストック予告抽選では、取得した抽選乱数値に基づき、ストック予告演出を実行することに対応した「実行あり」、ストック予告演出を実行しないことに対応した「実行なし」のいずれかが選択される。このストック予告抽選に当選した場合には、当該変動表示の開始時に「予告待機中×N」という文字が表示される。そして、カウントダウン予告演出が発生するごとに、表示中の「N」の個数が1つ減算される。なお、ストック予告演出の演出例については、カウントダウン予告演出のところで併せて説明する(具体的には図23を参照)。
≪カウントダウン予告演出≫
カウントダウン予告演出は、当該変動表示において予定される各回の予告演出が開始されるまでの残り時間を示唆又は報知する予告演出である。カウントダウン予告抽選は、予め定められた抽選タイミングにて実行される。具体的には、図8に示す第1階層の抽選にてサブ変動パターン(変動演出パターン)が決定された後、第2階層の抽選においてシナリオ抽選とは別個独立に抽選される(単独抽選)。なお、このカウントダウン予告抽選は、上述のストック予告抽選の後に実行される。その抽選タイミングとは、作動保留球(トリガ保留)が消化される変動開始時である。カウントダウン予告抽選の抽選実行条件としては、(1)待機中先読み演出およびストック予告演出の少なくとも一方が当選したこと、(2)当該変動表示において強SPリーチ(大型討伐リーチ)の変動演出パターンが選択されたことを条件とする。ここで、複数種の変動演出パターンのうち、強SPリーチの変動演出パターンに対応するリーチ演出としては、「強SPリーチA(小型討伐リーチ)」及び「強SPリーチB(大型討伐リーチ)」が該当する。
図22(C)は、対象予告演出設定テーブルの一例を示す模式図である。この対象予告演出テーブルには、カウントダウン予告演出の告知対象となる各種の予告演出が設定されている。つまり、この対象予告演出設定テーブルには、変動演出パターン(強SPリーチA,B)の予告シナリオに規定された複数種の予告演出が設定されている。ここで対象となる予告演出は、その予告発生タイミングに応じて、「第1変動(擬似連1回目)」、「第2変動(擬似連2回目)」、「第3変動(擬似連3回目)」、「SPリーチ」、「復活演出」のうちの何れかのタイミングに振り分けられており、1つの予告発生タイミングからは1つの予告演出のみが選択されるようになっている。本例では、このように予告発生タイミングとして「第1変動(疑似連1回目)」以降を設定している理由としては、賑やかし系演出は、変動開始直後に発生するため、予告演出発生までの残り時間をカウントダウンするには時間的な余裕が確保し難いからであるとともに、変動開始直後は相対的に低期待度の予告演出が設定される傾向にあるため、カウントダウン予告演出を実行するほどの演出効果は見込めないからである。そして、この対象予告演出設定テーブルを用いて、強SPリーチの変動演出パターンに対応する1以上の予告演出が選択され、その予告演出を対象にカウンタダウン予告抽選が実行される。対象予告演出の例としては、発生することで大当りへの期待度が高まることを報知する演出である、疑似連を示す特殊図柄「NEXT」の停止、チャンスアップカットインの発生などがあげられ、カウントダウン(タイマ)が「0」となった直後に演出が発生するよう、タイマ画像によるカウントダウンを行う。
図22(D)は、カウントダウン予告抽選テーブルの一例を示す模式図である。図中では、便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には、取得した抽選乱数値に応じて、図22(C)に示した対象予告演出設定テーブルにて設定した、対象予告演出について、カウントダウン予告演出の実行可否等を決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、カウントダウン予告演出の実行可否等が決定されるようになっている。このカウントダウン予告抽選テーブルは、該抽選の対象となる複数種の予告演出の共通テーブルとして構成されており、いずれの予告演出がカウントダウン予告抽選の対象となる場合でも、該カウントダウン予告抽選テーブルを用いて実行可否等が決定される。カウントダウン予告抽選では、大当りの変動演出パターンとはずれの変動演出パターンに対して、カウントダウン予告演出を実行しないことに対応した「演出なし」、カウントダウン予告演出(タイマ画像=黄色)を実行することに対応した「演出あり(通常)」、カウントダウン予告演出(タイマ画像=赤色)を実行することに対応した「演出あり(チャンス)」のいずれかを選択可能なように、判定置数(抽選乱数値の範囲)が割り振られている。なお、本例では、カウントダウン予告演出の実行回数を出来るだけ確保するため、「演出なし」に判定置数は割り振られていない。ここで、はずれの変動演出パターンに対しては、「演出なし」、「演出あり(通常)」、「演出あり(チャンス)」の順に選択率が低くなる。一方、大当りの変動演出パターンに対しては、「演出なし」、「演出あり(通常)」、「演出あり(チャンス)」の順に選択率が高くなる。そのため、カウントダウン予告演出に関しては、「演出なし」、「演出あり(通常)」、「演出あり(チャンス)」の順に、大当り期待度が高くなるといえる。
図23は、本実施形態におけるタイマ先読み演出の演出例を示す模式図である。本例では、先読み抽選後の1回目の変動表示において待機中演出が実行された後、2回目の変動表示においてストック予告演出とカウントダウン予告演出とが同時に実行されるものとする。なお、図23では、便宜上、保留画像の表示等を省略する。
まず、図中(A)に示すように、上記の1回目の変動表示において、待機中先読み演出として「予告待機中」という文字が表示されることで、次回以降の変動表示においてタイマ予告演出が発生することが遊技者に告知される。次いで、図中(B)に示すように、1回目の変動表示が停止するまで、「予告待機中」の表示は継続され、第2回目にて実行されるカウントダウン予告演出とシームレスに繋がるように構成されている。
続いて、図中(C)に示すように、2回目の変動表示の開始時に、ストック予告演出とカウントダウン予告演出とが同時に開始される。ストック予告演出及びカウントダウン予告演出は、画面の左上の表示領域において、上下に並ぶ位置関係で表示される。このとき、ストック予告演出として、予告演出のストック数が「予告待機中×3」というかたちで表示されることで、今回の変動表示において少なくとも3つの予告演出の発生が予定されていることを遊技者に教示することができる。これと同時に、第1回目のカウントダウン予告演出が開始され、画面にタイマ画像(黄色又は赤色)が表示されることで、ターゲットとなる予告演出発生までの残り時間が表示される。次いで、図中(D)に示すように、タイマ画像の数値が1秒ずつ減算されていき、予告演出発生までの残り時間がカウントダウンされる。続いて、図中(E)に示すように、タイマ画像の数値が「0」に到達するのと同時に、今回のターゲットである予告演出Bが発生する。
そして、図中(F)に示すように、第2回目のカウントダウン予告演出が開始されることでストック数が1減算され、予告演出のストック数Nの表示が「×3」から「×2」へ変化する。以下、同様の流れとなる。なお、ストック数Nの表示は、最後(第3回目)のカウンタダウン予告演出が開始されたのと同時に画面上から消去される。
なお、上述の実施形態では、待機中先読み抽選及びストック予告抽選のいずれか一方に当選した場合に、共通のカウントダウン予告抽選テーブルを使用して、カウントダウン予告抽選を実行する構成を例示したが、この構成に限定されるものではない。例えば、待機中先読み抽選及びストック予告抽選のいずれか一方に当選している場合と、待機中先読み抽選及びストック予告抽選のいずれにも当選していない場合とで、互いに異なるカウントダウン予告抽選テーブルを使用するように構成してもよい。その場合は、待機中先読み抽選及びストック予告抽選のいずれか一方に当選している方が、待機中先読み抽選及びストック予告抽選のいずれにも当選していない場合よりも、カウントダウン予告抽選の当選確率が高くなるように設定してもよい。なお、カウントダウン予告抽選の当選確率に関して、上述の実施形態では必ず「100%」の確率で当選するように構成したが、その当選確率は「100%未満」であってもよい。但し、カウントダウン予告抽選の結果、全ての予告演出に対して非当選であった場合には、待機中先読み演出による報知情報がガセとなってしまうので、待機中先読み演出に当選していた場合は、少なくともいずれか一つの予告演出について当選するまで、当該抽選処理をループさせたり、予め規定された所定のルールに従って複数種の予告演出のうちのいずれかの予告演出を当選に切り替えたりしてもよい。
<3.保留変化先読み演出>
保留変化先読み演出とは、先読み抽選の対象となった保留画像(トリガ保留に対応する保留画像)の表示態様を通常の表示態様から特殊の表示態様に変化させることで、当該保留が大当りとなる可能性を予告する先読み演出である。
ここで、図24を参照しながら、本実施形態における保留画像について説明する。図24は、本実施形態における保留画像の説明に供する模式図である。既述したように、演出表示装置70の画面内の所定領域には、第1特別図柄の作動保留球に対応する保留画像を表示するための第1保留表示部701と、第2特別図柄の作動保留球数に対応する保留画像を表示するための第2保留表示部702とが設けられている。通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生起されると白丸印「○」の保留画像が表示される一方、当該作動保留球が消化されると対応する保留画像が消失される。なお、保留画像の通常の表示態様「白色」は、図面上では「白抜き」によって表現している。この保留画像は、特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示され、各保留表示部701,702に最大で4個ずつ表示が可能である。そのため、第1保留表示部701は、第1特別図柄の保留画像をそれぞれ表示可能な4つの保留表示領域X11,X12,X13,X14を有してなり、第2保留表示部702は、第2特別図柄の保留画像をそれぞれ表示可能な4つの保留表示領域X21,X22,X23,X24を有してなる。保留表示領域X11,X21は保留1の保留画像に対応し、保留表示領域X12,X22は保留2の保留画像に対応し、保留表示領域X13,X23は保留3の保留画像に対応し、保留表示領域X14,X24は保留4の保留画像に対応する。また、各保留表示部701,702の間には、保留消化表示領域703が設けられており、最先の保留1が消化されたときに、当該保留1の保留画像が保留消化表示領域703へ移動して、当該変動に対応した保留画像として表示される(当該変動停止まで表示される)。すなわち、保留消化表示領域703は、今回消化された保留画像(保留0の保留画像)を表示するためのエリアとなっている。
第1保留表示部701では、第1特別図柄の作動保留球が生起される毎に、保留表示領域X11から順に1個ずつ保留画像(保留1、保留2、保留3、保留4の保留画像)が追加表示され、また、第1特別図柄の作動保留球が消化される毎に、保留消化表示領域X10に表示された保留画像(保留0の保留画像)が消失されるとともに、保留表示領域X11〜X14に表示された保留画像(保留1〜保留4の保留画像)が1個ずつ右側へシフトされる。同様に、第2保留表示部702では、第2特別図柄の作動保留球が生起される毎に、保留表示領域X21から順に1個ずつ保留画像が追加表示され、また、第2特別図柄の作動保留球が消化される毎に、保留消化表示領域X20に表示された保留画像(保留0の保留画像)が消失されるとともに、保留表示領域X22〜X24に表示された保留画像(保留1〜保留4の保留画像)が1個ずつ左側へシフトされる。
保留変化先読み演出では、上記の事前判定の結果に基づき、保留表示部701,702に表示される保留画像のうち、先読み抽選の対象となった保留画像(トリガ保留に対応する保留画像)の表示態様を、通常態様(白色表示)から特殊態様(特殊な色彩表示)に変化させる演出が行われる。本例では、保留画像の表示態様(表示色)として、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」、「虹色」の6種類を用意している。以下では、通常の表示態様である白色表示(デフォルト)の保留画像を「通常保留画像」とも称し、特殊な表示態様である青色表示、緑色表示、赤色表示、金色表示および虹色表示の保留画像を「特殊保留画像」とも称する。なお、図面上では、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」、「虹色」の6種類の表示態様を、その保留画像を示す白丸印「〇」の中に上記色彩の名称を付記することで表現している。この保留変化先読み演出で用いられる上記6種類の表示態様は、当否判定の結果が大当りとなる信頼度(「大当り信頼度」と称する)と関係しており、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」、「虹色」の順に1段階ずつ大当り信頼度が高くなるように設定されている。なお、「虹色」の保留画像は、大当たり当選が確定となる保留画像を意味する。従って、「虹色」の保留画像が出現した場合又は保留画像が「虹色」に変化した場合には、該保留画像(作動保留球)に係る図柄変動表示にて大当り当選することが確約される。なお、本例では、上記6種類の保留画像(通常保留画像、特殊保留画像)の他に、SPリーチの発展先を予告する特別保留画像(特別な表示態様の保留画像)が用意されている。この特別保留画像は、例えば白丸の中に「強」という文字が表示された保留画像であり、変動表示において強SPリーチ演出(本例では大型討伐リーチ)に発展することを予告する。なお、保留変化先読み演出において、保留画像の表示態様の変化を表示色ではなく、形状や模様等で表現してもよい。
保留変化先読み抽選は、予め定められた所定の抽選タイミングにて実行される。その抽選タイミングとは、作動保留球が生起された始動入賞時と、作動保留球が消化された保留減算時である。
以下では、抽選タイミング別に、始動入賞時の保留変化先読み抽選のことを「入賞時保留変化先読み抽選」と称し、保留減算時の保留変化先読み抽選のことを「消化時保留変化先読み抽選」と称する。基本的には、入賞時保留変化先読み抽選は始動入賞時に必ず実行される一方、消化時保留変化先読み抽選は後述の抽選実行条件が成立している場合(入賞時保留変化先読み抽選にて非当選となった場合)に実行される。
先読み抽選の対象となるトリガ保留の決め方は、上記の抽選タイミングごとに異なるものとなっている。入賞時保留変化先読み抽選の場合は、新たに入賞した作動保留球をトリガ保留(先読み抽選の対象)として決定する。そのため、一以上の作動保留球が既に現存する場合であっても、今回入賞した作動保留球が必ずトリガ保留となる。一方、消化時保留変化先読み抽選の場合は、一以上の作動保留球が存在することを前提として、先頭の作動保留球(保留1)から順にみて「Lリーチ」以上の作動保留球が存在した場合は、当該作動保留球をトリガ保留として決定する。一方、「Lリーチ」以上の作動保留球が存在しない場合、すなわち、「短縮変動」、「通常変動」、「Nリーチ」の作動保留球である場合は、最後の作動保留球(最新の作動保留球)をトリガ保留として決定する。
図25は、保留変化先読み抽選テーブルの一例を示す模式図である。保留変化先読み抽選テーブルには、複数種の保留変化パターンが規定されている。図中では、便宜上、抽選に供する数値が省略されているが、実際には、取得した事前判定情報(当否事前判定情報や変動パターン事前判定情報)に対応したテーブルを有し、抽選乱数値に対して、各テーブル毎に、保留変化パターンを決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、保留変化パターンが決定されるようになっている。
保留変化先読み抽選テーブルには、合計59個の保留変化パターン(ID番号)が設定されている。保留変化パターン0は、トリガ保留が1回も保留変化を行わない非当選時の演出パターンである。保留変化先読み演出パターン1〜58は、トリガ保留が少なくとも1回の保留変化を行う当選時の演出パターンである。すなわち、保留変化先読み抽選において、保留変化パターン0が選択された場合は当該抽選に「非当選」したことを意味し、保留変化パターン1〜58が選択された場合には当該抽選に「当選」したことを意味する。本例では、「保留変化先読み演出の実行」とは、当選時の保留変化パターンに従って保留表示を実行している状態をいう。なお、この保留変化先読み抽選では、事前判定結果が大当りである場合の方がはずれである場合よりも相対的に高い確率で当該抽選に当選することになる。
本例における保留変化パターンとは、先読み抽選の対象となるトリガ保留(保留画像)の保留変化のルートが規定されたシナリオである。そのため、この保留変化パターンに基づき、トリガ保留に係る保留画像の表示態様が各変動ごとに特定されることになる。本例において、入賞時保留変化先読み抽選では、トリガ保留が何個目の作動保留球として生起された場合でも(トリガ保留が入賞したときの保留記憶数に関係なく)、この保留変化パターンに則して、最大保留記憶数に対応した4回分の保留画像の表示態様が決定されるとともに、その保留変化のタイミングが決定されるようになっている。なお、本例において、保留変化のタイミングは、基本的には変動停止時のタイミングに設定されている(但し、例外がある)。
図25に示すように、この保留変化パターンは、「入賞時」欄に規定された保留表示データ1と、「保留3変動停止時」欄に規定された保留表示データ2と、「保留2変動停止時」欄に規定された保留表示データ3と、「保留1変動停止時」欄に規定された保留表示データ4とから構成される。ここで、「入賞時」は、先読み抽選の対象となるトリガ保留の始動入賞時を意味する。「保留3変動停止時」は、トリガ保留が保留3のときの変動停止時を意味し、「保留2変動停止時」は、トリガ保留が保留2のときの変動停止時を意味し、「保留1変動停止時」は、トリガ保留が保留1のときの変動停止時を意味する。そのため、保留表示データ1には、入賞時に表示される保留画像の表示態様(初期表示態様)が設定されている。一方、保留表示データ2〜4には、トリガ保留が保留3〜保留1のときの各変動停止時に表示される保留画像の表示態様が設定されている。
前述したように、本例における保留変化(保留画像の表示態様の変化)は、変動停止時のタイミング(変動停止後〜次回の変動開始前までの期間)にて発生する。この変動停止時に保留変化が発生する場合は、(1)変動停止→(2)トリガ保留に係る保留画像が変化→(3)次回の変動開始→(4)トリガ保留を含む全ての保留画像が1つ下位の表示領域へシフト(トリガ保留の保留順序が「保留n+1」から「保留n」へシフト)、といった演出の流れとなる。
続いて、入賞時保留変化先読み抽選、及び消化時保留変化先読み抽選の具体的な処理の内容を説明する。なお、本実施形態では、入賞時保留変化先読み抽選、及び消化時保留変化先読み抽選の何れの先読み抽選の場合でも、始動入賞時の保留個数に依存することなく、単一の保留変化抽選テーブルを使用して選択された保留変化パターンに従い各変動時の保留画像の表示態様を決定している。
入賞時保留変化先読み抽選の場合は、原則通り、その抽選にて選択された保留変化パターンに規定される保留表示データ1〜4に基づき、始動入賞時の表示態様と変動停止時の表示態様とが決定される。始動入賞時の保留画像の表示態様としては、先読み抽選対象の作動保留球が何個目の作動保留球として生起させた場合でも、保留変化パターンの保留表示データ1が設定される。変動停止時の保留画像の表示態様としては、その保留滞在状況に従って、保留変化パターンの保留表示データ2〜4が設定される。なお、トリガ保留が始動入賞した最初の変動表示の停止時には、保留変化は発生せず、保留表示データ1が維持される。
具体的に、トリガ保留が保留4として始動入賞した場合は、(A)始動入賞時の表示態様として保留表示データ1が設定され、(B)次回の変動(トリガ保留が保留3となる変動)停止時の表示態様として保留表示データ2が設定され、(C)次々回の変動(トリガ保留が保留2となる変動)停止時の表示態様として保留表示データ3が設定され、(D)次々々回の変動(トリガ保留が保留1となる変動)停止時の表示態様として保留表示データ4が設定され、次々々々回の変動(該トリガ保留が消化される変動)の停止時まで保留表示データ4が維持される。
トリガ保留が保留3として始動入賞した場合は、(A)始動入賞時の表示態様として保留表示データ1が設定され、(B)次回の変動(トリガ保留が保留2となる変動)停止時の表示態様として保留表示データ3が設定され、(C)次々回の変動(トリガ保留が保留1となる変動)停止時の表示態様として保留表示データ4が設定され、次々々回の変動(該トリガ保留が消化される変動)の停止時まで保留表示データ4が維持される。
トリガ保留が保留2として始動入賞した場合は、(A)始動入賞時の表示態様として保留表示データ1が設定され、(B)次回の変動(トリガ保留が保留1となる変動)停止時の表示態様として保留表示データ4が設定され、次々回の変動(該トリガ保留が消化される変動)の停止時まで保留表示データ4が維持される。
トリガ保留が保留1として始動入賞した場合は、(A)始動入賞時(トリガ保留が保留1となる変動)の表示態様として保留表示データ1が設定される。
なお、この入賞時保留変化先読み抽選では、上述したように、新たな始動入賞があった場合に、当該抽選結果が当選/非当選に関わらず、保留変化パターンが決定される。つまり、遊技球が始動入賞した場合(新たな作動保留球が発生した場合)は、この入賞時保留変化先読み抽選にて、必ず保留変化のシナリオ(保留画像の表示態様)が決定されることになる。なお、同時に複数の保留に対して保留変化を実施させたくない場合において、既存の保留に対し保留変化ルートIDとして「0」以外のデータが設定されている場合は、入賞により生起した保留に対しルートIDとして「0」を抽選結果に上書きするようにしてもよい。
消化時保留変化先読み抽選は、基本的には、上記の入賞時保留変化先読み抽選と同じであるが、以下の点で異なる。すなわち、この消化時保留変化先読み抽選が実行される場合とは、既に、先の入賞時保留変化先読み抽選において非当選時の保留変化パターン0(全てデフォルト表示)が選択され、その保留画像がデフォルト表示されている状況であるため(つまり、入賞時保留変化先読み抽選の結果が非当選であるが故での再抽選であるため)、この段階で始動入賞時の保留画像の表示態様を決定する必要性はなく、該先読み抽選ではそれ以降の保留変化ルートを決定するものとなる。
上記変動開始時(保留変化先読み演出の開始時)の表示態様としては、保留滞在状況に関わらず、保留変化パターンの保留表示データ1が設定される。すなわち、入賞時保留変化先読み抽選及び消化時保留変化先読み抽選のいずれの場合であっても、当該先読み抽選に当選して保留変化先読み演出を実行する場合には、この演出開始時の保留画像の表示態様として「保留表示データ1」を共通に使用することになっている。そのため、この変動開始時(保留変化先読み演出開始時)の表示態様として、保留表示データ1に規定された表示態様が特殊態様(白色表示以外)であれば保留変化するが、保留表示データ1に規定された表示態様が通常態様(白色表示)であれば保留変化せず、デフォルト表示(白色表示)が継続する。一方、変動停止時の表示態様としては、上記と同様に、その保留滞在状況に応じて、保留変化データ2、保留変化データ3、保留変化データ4が設定される。
具体的に、トリガ保留が保留3(保留4→保留3)となる変動開始時に本抽選に当選した場合、(A)当該変動(トリガ保留が保留3となる変動)停止時の表示態様として保留表示データ1が設定され、(B)次回の変動(トリガ保留が保留2となる変動)停止時の表示態様として保留表示データ3が設定され、(C)次々回の変動(トリガ保留が保留1となる変動)停止時の表示態様として保留表示データ4が設定され、次々々回(該トリガ保留が消化される変動)の停止時まで保留表示データ4が維持される。
トリガ保留が保留2(保留3→保留2)となる変動開始時に本抽選に当選した場合、(A)当該変動(トリガ保留が保留2となる変動)停止時の表示態様として保留表示データ1が設定され、(B)次回の変動(トリガ保留が保留1となる変動)停止時の表示態様として保留表示データ4が設定され、次々回(該トリガ保留が消化される変動)の停止時まで保留表示データ4が維持される。
トリガ保留が保留1(保留2→保留1)となる変動開始時に本抽選に当選した場合、(A)当該変動(トリガ保留が保留1となる変動)停止時の表示態様として保留表示データ1が設定される。
なお、この消化時保留変化先読み抽選において当選した場合は、先の入賞時保留変化先読み抽選にて決定された非当選時の保留変化パターン0(全てデフォルト表示となる保留変化ルート)から、今回の消化時保留変化先読み抽選にて決定された当選時の保留変化パターン1〜58(少なくとも1回の保留変化が予定された保留変化ルート)に差し替えられることになる。なお、保留1に対して入賞時および消化時保留変化先読み抽選を実行し、その抽選に当選した場合、上記実施形態では最終態様である保留表示データ4に示すデータが表示されないようになっているが、トリガ保留の消化時変動にて、変動開始時や変動中の所定のタイミング(リーチ発生時など)に保留表示データ4を呼び出して上書きするような処理を有するようにしてもよい。このように設計することにより、デフォルトの「白」保留が、当該変動にて特殊保留画像等に変更される「当該保留変化」演出が実行可能となる。
このように保留変化パターンには、保留画像の保留変化のルート(保留画像の状態変化の推移)が、始動入賞時(又は先読み開始時)→保留3となる変動停止時→保留2となる変動停止時→保留1となる変動停止時、といったように時系列的に定められている。ここで、保留変化先読み演出パターンは、当該保留画像の変化の過程に応じて、保留画像の表示態様が1回の変化につき1段階昇格する1段昇格パターン、保留画像の表示態様が1回の変化につき2段階昇格する場合を含む2段昇格パターン、保留画像の表示態様が1回の変化につき3段階昇格する場合を含む3段昇格パターン、保留画像の表示態様が1回の変化につき4段階昇格する場合を含む4段昇格パターンなどがある。ここで、本例における保留変化とは、昇格(ランクアップ)のみを意味し、基本的に降格(ランクダウン)はない。一方、保留変化先読み抽選に非当選(抽選ID:0)の場合には、当該作動保留球が消化されるまでの一又は複数回の変動表示において、その保留画像の表示態様は1度も変化せず、当該表示過程を通してデフォルト表示(白色表示)が継続される。
保留変化先読み抽選テーブルは、事前判定の結果が大当り、はずれの場合で、保留変化先読み演出パターンの選択率が異なるように設定されている。図25では省略しているが、まず、原則として、保留変化先読み予告パターンは、最終の保留画像の表示態様に応じて選択率(判定値)が割り振られており、事前判定の結果が大当りである場合、または大当りとなりやすい長時間の変動パターンを示す情報である場合ほど、最終的な表示態様が、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」の順に選択率が高くなっているのに対して、事前判定の結果がはずれの場合または、短時間の変動パターンを示す情報であるほど、最終的な表示態様が、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」の順に選択率が低くなっている。なお、「虹色」の保留画像は、事前判定の結果が大当りである場合には選択され得る(所定の選択率が割り振られている)が、事前判定の結果がはずれである場合は選択されることがない(選択率が「0」である)、いわゆる大当たり当選が確定となる保留画像を意味する。そのため、「虹色」の保留画像が出現した場合は、該保留画像(作動保留球)に係る図柄変動表示にて大当り当選することが確約される。従って、上記6種類の表示態様は、当否判定の結果が大当りとなる期待度(「大当り期待度」と称する)と密接に関係しており、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」、「金色」、「虹色」の順に1段階ずつ大当り期待度が高くなるといえる。
また、保留画像の最終的な表示態様が同じである場合でも、保留変化の中に上記の1段昇格パターン、2段昇格パターン、3段昇格パターンのいずれが含まれるかによって、大当り期待度を異ならせるようにしており、1段昇格パターン、2段昇格パターン、3段昇格パターンの順に、実行される大当り期待度が高くなるように設定されている。すなわち、保留変化の昇格幅(昇格の段階数)が大きくなるほど、大当り期待度が高くなる。そのため、昇格幅が1段階(例えば、緑色→赤色)よりは2段階(例えば、青色→赤色)、2段階(例えば、青色→赤色)よりは3段階(例えば、白色→赤色)となる変化が実行された方が、大当り期待度が高いといえる。
さらに、上記のパターン種別(昇格幅)が同じである場合には、複数回の変動において保留変化(昇格)のタイミングが遅くなるほど、大当り期待度が高くなるように設定されている。すなわち、通常の表示態様、通常態様(白色)から特殊の表示態様、特殊態様(青色、緑色、赤色…)に保留変化するタイミングが遅くなるほど、大当り期待度が高くなる。そのため、特殊の表示態様の保留画像が最初に登場するタイミングが保留3よりは保留2、保留2よりは保留1となる方が、大当りの期待度が高くなるといえる。そのため、連続変動における早期のタイミングで保留変化が出現しなくても、遊技者の期待感を維持することができる。
ここで、大当り当選確定となる特殊態様「虹色」は、始動入賞時に発生するものであり、他の表示態様から該特殊表示態様「虹色」に保留変化することはない。また、SPリーチを予告する特別態様「強」は、保留変化を生じない最終形の表示態様である。また、始動入賞時の表示態様が「緑色」以上である場合にのみ、その後の変動停止時にて「金色」以上の表示態様に保留変化し得る。
なお、この保留変化先読み演出と同色図柄先読み演出とが同時に発生する場合、両者の先読み抽選は別々の処理として実行されるため、保留変化先読み演出と同色図柄先読み演出とにおいて、表示態様の昇格幅、演出が開始されるタイミング、昇格のタイミングが互いに異なる場合があり、両者の演出による相乗効果によって、遊技の興趣性を向上させることができる。なお、本実施形態では、変化幅の大きいものがルートに含まれるほど、大当り期待度が高くなるよう設定されているが、反対に、ルート上での変化演出の実行回数が多くなるほど、すなわち1段昇格パターンや2段変動パターンの演出を多く実行したときほど大当りしやすいように設定してもよい。
(補正変化処理)
ところで、上述の保留変化ルートは、本来は1回の変動ごとに、保留表示データ1→保留表示データ2→保留表示データ3→保留表示データ4という順に、各データに規定された表示態様にて保留変化することを前提に設計されており、トリガ保留の保留3変動時〜保留1変動時の変動停止時に変化する態様として、保留表示データ1→保留表示データ2、保留表示データ2→保留表示データ3、保留表示データ3→保留表示データ4といったように、保留変化1回ごとの昇格幅が予め規定されている。そして、上述したように、この保留変化1回あたりの昇格幅にて大当り期待度が示唆され得るため、この1回の保留変化における昇格幅は保留変化先読み演出において教示する重要な情報の一つとして位置づけられる。このとき、トリガ保留が保留4として始動入賞し、このトリガ保留が消化されるまで(保留0となるまで)の間に4回の変動が介在するのであれば、当然ながら1回の保留変化ごとに規定通りの昇格幅は確保される。しかしながら、トリガ保留が保留4未満の状態で始動入賞した場合には、前述したように、少なくとも始動入賞した変動表示の停止時には保留表示データを切り替えないため(保留変化は行われないため)、保留変化ルートの一部(1以上の保留表示データ)をスキップする場合がある。そのため、保留変化ルートの内容によっては、保留変化の前後で想定以上の昇格幅が発生して、該保留変化による大当り期待度を誤認させてしまうという問題が生じ得る。
例えば、図26(A)を参照しながら、保留変化パターン24が選択された場合を想定して具体的に説明する。この保留変化パターン24には、保留表示データ1「緑」→保留表示データ2「緑」→保留表示データ3「緑」→保留表示データ4「赤」といった保留変化ルートのデータが設定されている。このとき、或る変動中に保留2の作動保留球が生起されてトリガ保留となった場合、その入賞時の表示態様は保留表示データ1の「緑」である。そして、次回の変動表示(保留1となる変動表示)の停止時の表示態様は保留表示データ4の「赤」である。このとき、保留表示データ2,3をスキップすることになるが、この保留表示データ2,3にも保留表示データ1と同じく「緑」が設定されているため、本来のシナリオ通りに、次回の変動表示の停止に「緑」→「赤」へと保留変化することになる(シナリオ通りに次回の変動停止時に1段階の昇格となる)。
これに対して、図26(B)を参照しながら、保留変化パターン20が選択された場合を想定して具体的に説明する。この保留変化パターン20は、保留表示データ1「白」→保留表示データ2「青」→保留表示データ3「緑」→保留表示データ4「赤」といった保留変化ルートのデータが設定されている。このとき、或る変動中に保留2の作動保留球が生起されてトリガ保留となった場合、その入賞時の表示態様は保留表示データ1の「白」である。そして、次回の変動表示(保留1となる変動表示)の停止時の表示態様は保留表示データ4の「赤」である。このとき、上記と同様に、保留表示データ2の「青」と保留表示データ3の「緑」をスキップすることになるが、今回の場合には、保留表示データ2,3と保留表示データ1とが互いに異なるため、次回の変動表示にて保留表示データ4の「赤」へと変化させると、本来であれば次回の変動停止時に1段階の変化(緑→赤)が予定されているのに対して、実際には3段階の変化(白→青→緑→赤)を伴うこととなり、その昇格幅(ランクアップの度合い)の上昇により大当り期待度を誤認させてしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、このような不具合を是正するため、保留画像の表示態様および変化のタイミングについて所定の補正を行う補正変化処理が設定されている。
ここで、補正変化の対象となるのは、保留3又は保留2となる状態で入賞時保留変化先読み抽選または消化時保留変化先読み抽選にて抽選に当選したトリガ保留の保留画像であり、次回変動の停止時にて、該保留画像が保留表示データ1の表示態様から保留表示データ3又は保留表示データ4の表示態様へ変化する場合である。なお、保留4となる状態での始動入賞の場合は、保留表示データ1〜4全てを適用するため、補正変化は不要である。また、保留1となる状態での始動入賞の場合は、保留表示データ1のみしか適用しないため、補正変化は不要である。このとき、始動入賞時の表示態様に対応する保留表示データ1の表示態様から、次回の変動停止時の表示態様に対応する保留表示データN(但しN=3,4)の表示態様へ変化させるとき、保留表示データ1の表示態様と、保留表示データNよりも一つ手前の保留表示データN−1の表示態様とが同じである場合には、次回の変動停止時の保留変化において、シナリオ通りの昇格幅が発生するものと判断して、補正変化処理を行わず、通常の補正変化処理を継続する。一方、保留表示データ1の表示態様と、保留表示データNよりも一つ手前の保留表示データN−1の表示態様とが相互に異なる場合には、次回の変動停止時の保留変化において、シナリオ以上の昇格幅が発生するものと判断して、補正変化処理を行う。
本例における補正変化処理では、上記の状況において、次回の変動の開始時に、保留画像を保留表示データ1の表示態様から保留表示データN−1の表示態様へ補正変化させる。この補正変化を施したうえで、その変動の停止時に、当選した保留変化先読みの変化態様を示すルートに従い、保留画像を保留表示データN−1の表示態様から保留表示データNの表示態様へ最終的に変化させる。すなわち、保留変化先読み抽選に当選した変動の次回の変動表示においては、補正変化処理(変動開始時の保留変化)を経由した、二段階の保留変化を実行する場合を有することになる。
この補正変化処理の内容を、図26(C)を参照しながら、上記と同様に保留変化パターン20が選択された場合を想定して具体的に説明する。上記と同様に、この保留変化パターン20は、保留表示データ1「白」→保留表示データ2「青」→保留表示データ3「緑」→保留表示データ4「赤」といった保留変化ルートのデータが設定されている。このとき、或る変動中に保留2の作動保留球が生起されてトリガ保留となった場合、その入賞時の表示態様は保留表示データ1の「白」である。そして、次回の変動表示(保留1となる変動表示)の停止時の表示態様は保留表示データ4の「赤」である。このとき、通常の処理では、保留表示データ2の「青」と保留表示データ3の「緑」はスキップすることになるが、補正変化処理では、次回の変動表示の開始時に保留表示データ3の「緑」を表示させる。そのため、次回の変動の停止時に保留表示データ4の「赤」を表示させても、この変動停止時の保留変化として「緑」→「赤」の1段階の昇格とすることができる。従って、この補正変化処理では、本来であればスキップするはずの保留表示データ(一つ手前の保留表示データ)に基づく表示態様を変動開始時に介在表示させて、その昇格幅(3段階)を補正変化にて分配(補正変化時に2段階、変動停止時に1段階)することで1回の補正変化の昇格幅を抑制することができ、大当り期待度を誤認させる事態を防止することができる。
(保留変化図柄演出)
本実施形態では、図柄の変動停止時に保留画像が変化する場合は、原則として、保留変化図柄演出(保留変化示唆演出)が実行される。保留変化図柄演出とは、三列の装飾図柄のうち中列の装飾図柄を上述の保留変化図柄で停止表示させることで、その変動停止時のタイミングにて保留変化が発生することを予告する演出である。すなわち、上記の保留変化図柄は、保留変化演出が実行されることをわかりやすく遊技者に示唆するための演出として機能する。したがって、保留変化図柄が表示されない場合であっても、保留変化先読み抽選に当選している場合は、変動の停止時に保留変化演出を実行する。また、保留変化図柄演出は、所定の禁止条件が成立している場合には、その実行が制限される(当該変動表示の停止時に保留変化図柄を停止表示させることが禁止される)。禁止条件とは、(1)当該変動表示の変動パターンがNリーチ、Lリーチ又は弱SPリーチであり、保留変化後の表示態様が「青色」である場合、(2)当該変動表示の変動パターンが強SPリーチである場合、(3)当該変動表示において同色図柄(チャンス目)を停止される場合、(4)当該変動表示において特定の擬似連続変動演出が実行される場合、(5)当該変動表示において図柄スベリ演出が実行される場合である。禁止条件(1)を規定したのは、リーチ演出が発生し、装飾図柄のうち左図柄及び右図柄が揃って、残りひとつの中図柄が揃うか否かに遊技者の関心が集中しているときに、結果がはずれとなったうえ、保留変化図柄に変化しても保留画像の表示態様が相対的に大当り期待度の低い表示態様(青色)に変化したのでは、遊技者の期待感を大幅に減殺してしまうからである。但し、保留画像の表示態様が相対的に大当り期待度の高い表示態様(緑色以上)に変化する場合には、たとえリーチ状態からはずれとなったとしても、該保留画像に対応する変動表示にて大当り当選を期待できるため、保留変化図柄の使用を許容している。また、禁止条件(2)を規定したのは、高期待度のSPリーチ演出では、保留変化図柄演出を介在させることなく、変動停止の最後のタイミングまで該SPリーチ演出に関心を惹きつけるためである。また、禁止条件(3)〜(5)を規定したのは、装飾図柄の停止組合せ態様又は装飾図柄の変動態様に特徴のある変動演出が実行される場合には、当該変動演出と保留変化図柄演出との競合を回避して、両者の演出効果が互いに希薄になるのを防止するためである。このとき、上記の禁止条件(1)〜(5)の何れかに該当し、保留変化図柄演出を発生させずに保留変化を実行する場合は、サウンドやランプなどによる画像表示以外の保留変化示唆演出(通常とは異なる音声や発光パターンなど)を発生させることで、遊技者を装飾図柄の変動表示に注視させながらも、保留変化が発生することを遊技者に対して明確に教示することができる。なお、保留変化図柄演出の演出例については後述する(具体的には図54を参照)。
<4.カットイン先読み演出>
カットイン先読み演出とは、トリガ保留に対応する変動の一つ手前の変動表示(先行変動)において、その変動停止の間際に所定のカットイン画像を割込み表示させて、カットイン画像の表示態様に応じて当該トリガ保留に対応する変動における大当り期待度を示唆又は報知する先読み演出である。カットイン先読み抽選は、予め定められた抽選タイミングにて実行される。その抽選タイミングとは、保留1に対する作動保留球が生起された始動入賞時と、作動保留球が消化されトリガ保留が保留1となる保留減算時である。以下では、抽選タイミング別に、始動入賞時のカットイン先読み抽選のことを「入賞時カットイン先読み抽選」と称し、保留減算時のカットイン先読み抽選のことを「消化時カットイン先読み抽選」と称する。ここで、入賞時カットイン先読み抽選の抽選実行条件としては、(1)保留数が0の状態での変動表示中における左図柄の停止前での始動入賞により作動保留球(トリガ保留)が発生したこと、(2)先読み抽選の対象となるトリガ保留が「Lリーチ」以上の変動パターンであることを条件とする。一方、消化時カットイン先読み抽選の抽選実行条件としては、(1)トリガ保留の一つ手前にある先行保留が消化されたこと、(2)先読み抽選の対象となるトリガ保留が「Lリーチ」以上の変動パターンであることを条件とする。なお、カットイン先読み抽選に当選した場合でも、先行変動(一つ手前の変動)の変動パターンが、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチの変動パターンである場合は、カットイン先読み演出の実行がキャンセルされる。すなわち、先行変動が短縮変動、通常変動である場合にのみ、カットイン先読み演出の実行が有効となる。
図27(A)は、カットイン先読み抽選テーブルの一例を示す模式図である。カットイン先読み抽選テーブルには、カットイン先読み演出の実行の可否等が定められている。
図中では、便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には、取得した抽選乱数値に応じて、カットイン先読み演出パターンを決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、カットイン先読み演出パターンが決定されるようになっている。図27(A)では、トリガ保留の事前判定結果(大当り、はずれ)に対して、「演出なし」、「演出あり:パターンA」、「演出あり:パターンB」のいずれかを選択可能なように選択率が割り振られている。カットイン先読み演出に関しては、「演出なし」<「演出あり:パターンA」<「演出あり:パターンB」の順に、大当り期待度が高くなるといえる。
図27(B)はカットイン先読み演出のタイミングを説明するための模式図である。カットイン先読み演出は、装飾図柄の変動停止(左図柄の停止→中図柄の停止→右図柄の停止)のタイミングにおいて、中図柄の停止後〜右図柄の停止前までの期間に発生する。すなわち、装飾図柄の確定停止表示の直前にカットイン先読み演出が表示されることになる。
続いて、図27(C)はカットイン予告演出の演出例を示す模式図である。カットイン先読み演出として、パターンAが実行される場合は、キャラクタA(不図示)が出現して「近い!」というセリフが表示される。一方、パターンBが実行される場合は、キャラクタB(不図示)が出現して「いきましょう」というセリフが表示される。そして、この演出内容(キャラクタのセリフ等)に応じて、次回の変動表示にて大当りが発生する期待度が予告される。
<5.フラッシュ先読み演出>
フラッシュ先読み演出とは、遊技球が始動入賞したときに盤面ランプを発光させることで、この始動入賞した作動保留球の事前判定結果を報知又は示唆する先読み演出である。フラッシュ先読み抽選は、予め定められた抽選タイミングにて実行される。その抽選タイミングとは、作動保留球が生起された始動入賞時である。フラッシュ先読み抽選の抽選実行条件としては、1)先読み対象のトリガ保留が「弱リーチ」以上の変動パターンであること、2)先行保留が存在しないこと或いは先行保留が全て非リーチ種別の変動パターンであることを条件とする。
図28(A)は、フラッシュ先読み抽選テーブルの一例を示す模式図である。フラッシュ先読み抽選テーブルには、フラッシュ先読み演出の実行の可否等が定められている。
図中では、便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には、取得した抽選乱数値に応じて、フラッシュ先読み演出パターンを決定するための判定置数(抽選乱数値の範囲)が設定されており、その抽選乱数値がいずれの判定置数に属するかに基づき、フラッシュ先読み演出パターンが決定されるようになっている。図28(A)では、トリガ保留の事前判定結果(大当り、はずれ)に対して、「演出なし」、「演出あり:パターンA」、「演出あり:パターンB」のいずれかを選択可能なように選択率が割り振られている。フラッシュ先読み演出に関しては、「演出なし」<「演出あり:パターンA」<「演出あり:パターンB」の順に、大当り期待度が高くなるといえる。
図28(B)はフラッシュ先読み演出の演出例を示す模式図である。フラッシュ先読み演出として、パターンAが実行される場合は、遊技盤の4カ所の盤面ランプが赤色および白色の表示態様にて発光する。一方、パターンBが実行される場合は、遊技盤の4カ所の盤面ランプが虹色の表示態様にて発光する。そして、この演出内容(ランプの発光色)に応じて、次回の変動表示にて大当りが発生する期待度が予告される。なお、フラッシュ先読み演出では、盤面ランプによる発光演出のみで、演出表示装置70による画像表示は行われない。
<主制御基板側の処理>
次に、図29〜図43のフローチャートを参照しながら、主制御基板100における動作処理の手順について説明する。主制御基板100側の処理は、主制御側メイン処理と、主制御側タイマ割込み処理と、を含んで構成される。
《主制御側メイン処理》
図29〜図30は主制御基板100の主制御側メイン処理を示すフローチャートである。この主制御側メイン処理では、電源投入時のリセットによりメインCPU101のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S1以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定するとともに(S1)、RAM103のアクセス許可を行う(S2)。続いて、タイマ割込みが発生した場合に処理するプログラムの先頭アドレスが格納されたベクタテーブルを設定し(S3)、メインCPU101の内蔵レジスタに初期値を設定する(S4)。
続いて、RAMクリアスイッチがオンされているか否かを判定する(S5)。RAMクリアスイッチがオンされている場合(S5:YES)には、後述するS9でRAM103の全領域がゼロクリアされる。他方、RAMクリアスイッチがオンされていない場合(S5:NO)には、電源断情報フラグの値を読み込んで、電源断正常の情報が保存されているか否かを判定する(S6)。
ここで、電源断正常の情報が保存されている場合(S6:YES)には、RAM103の所定領域を対象としてチェックサムを算出する(S7)。そして、このチェックサムが0であるか否か、すなわち、チェックサムが正常であるか否かを判定する(S8)。なお、ここで算出される電源投入時のチェックサムには、後述の電源断時処理で算出されるチェックサムの補数が含まれているため、正常にバックアップされていれば、電源投入時のチェックサムは「0」となる。このように、電源断前にRAM103に記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断する。このとき、チェックサムが正常である場合(S8:YES)には、電源断前の状態に復帰すべく、後述するS12に移行する。他方、チェックサムが異常である場合に(S8:NO)には、RAM103の全領域をゼロクリアする(S9)。次に、RAM103に電源投入時の初期化データを設定する(S10)。続いて、演出表示装置70の初期化、演出ランプLPの初期化などを行うため、演出制御基板200への演出制御コマンド(「演出初期コマンド」)を要求する(S11)。
次に、電源断復帰設定処理において、RAM103における、電源投入正常情報の設定、各種エラーの初期設定、払出制御基板400との通信初期設定を順に行う(S12)。ここで、電源投入正常情報の設定としては、電源投入が正しく行われたことを保存するため、電源断情報フラグに電源投入正常データを格納するとともに、電源断発生の情報を初期化するため、電源断確認フラグをオフにする。次に、データ転送元アドレス、データ転送先アドレス、転送バイト数、をセットして、転送バイト数分のデータを転送する(S13)。そして、電源断時における特別図柄遊技ステイタスの値を読み込んで、特別図柄遊技に係る電源断復帰処理を行う(S14)。
続いて、主制御基板100と演出制御基板200との電源断復帰時の演出制御コマンド(「電源断復帰コマンド」)の送信要求を行う(S15)。この電源断復帰コマンドには、通信線の検査、特別図柄の作動状態、確率変動回数、時短回数、入球容易状態回数、変動パターン選択状態、エラー状態に関する情報が含まれている。なお、電源断前の未送信分のコマンド要求はクリアされる。次に、図柄記憶数コマンド要求処理において、電源断時の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を読み込み、この作動保留球数の情報を含む演出制御コマンドを要求する(S16)。
続いて、普通電動役物622を電源断前の状態(例えば、第2始動口62を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S17)。さらに、特別電動役物642を電源断前の状態(例えば、大入賞口64を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S18)。続いて、特別図柄モードフラグの値を読み込み、電源断時における特別図柄の確率変動機能の作動状態を設定する(S19)。なお、特別図柄モードフラグとは、特別図柄遊技の作動確率(高確率又は低確率)を設定するためのフラグである。次いで、タイマ割込みを起動させるため、主制御マイコン110のCTC回路の初期設定として、所定のカウント値を設定して、タイマ割込みを4ms毎に発生させる(S20)。続いて、タイマ割込み処理の発生を禁止すべく割込み禁止を設定する(S21)。そして、ウォッチドッグタイマのリスタート準備として、クリアワード1(「55H」)を設定する(S22)。
次に、電源断の発生を判定するため、電源断確認フラグの値を読み込み、電源断が発生しているか否かを判定する(S23)。電源断が発生していない場合には、初期値乱数更新処理を実行する(S24)。この初期値乱数更新処理では、この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ割込み処理の発生を許可すべく割込み許可を設定して(S25)、上述の割込みを禁止する処理(S21)に戻り、S21〜S25のループ処理を繰り返し実行する。ここで、タイマ割込み処理は所定の周期ごとに定期的に実行されるが、前回の割込み処理が完了してから次回の割込み処理が発生するまでの間の残余時間を利用して、S21〜S25までの処理を繰り返す。そして、割込み禁止状態において割込み要求があった場合には、S25で割込み許可となったときにタイマ割込み処理が起動することとなる。他方、S23で電源断確認フラグがオンとなっている場合、すなわち、電源断が発生している場合には、S26に移行して、次述する電源断時処理を実行する。
次に、電源断時処理(S26〜S32)として、まず、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S26)。次に、電源断情報フラグの内容が電源投入正常データであるか否かを判定する(S27)。電源投入正常情報である場合(S27:Yes)には、電源断情報フラグに電源断正常データを設定する(S28)。他方、電源投入正常情報でない場合(S27:No)には、電源断情報フラグに電源断異常データを設定して(S29)、S32に移行する。
次に、RAM103の所定領域(チェックサム領域を除く)に対してチェックサムを算出する(S30)。そして、チェックサムデータに対する補数を算出し、この補数の結果値をRAM103のチェックサム領域に設定する(S31)。続いて、RAM103のアクセス禁止設定をして(S32)、電源が落ちるまで処理をループする。
《主制御側タイマ割込み処理》
次に、主制御基板100の主制御側タイマ割込み処理を説明する。図31は、主制御基板100のタイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、遊技制御マイコン110のCTC回路からの一定時間(例えば4ms)毎のクロックパルスにより起動され、上述の主制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。なお、以下で使用する用語として、「条件装置」および「役物連続作動装置」という用語は概念上の制御機器を意味しており、「条件装置」とは、特別図柄遊技で大当りが発生した場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」とは、特別電動役物642を連続して複数回作動させることができるものである。
まず、このタイマ割込みが発生すると、メインCPU101内のレジスタの内容をRAM103のスタック領域に退避させた後、割込み動作条件を設定する(S51)。
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S52)。このとき、予め設定されたタイムアウト時間内に、CPU101のWDTクリアレジスタに、クリアワード1、クリアワード2が順に書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。すなわち、メインCPU101がプログラムを正常に実行しているときは、定期的にクリアワード1,2が設定されることにより、ウォッチドッグタイマがタイムアウトする前にクリアおよびリスタートされることとなる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
次に、入力処理を実行する(S53)。この入力処理では、主制御基板100に接続されている各種スイッチとして、RAMクリアスイッチ以外のスイッチの情報が読み込まれる。すなわち、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、大入賞口スイッチ641、扉開放スイッチ、枠開放スイッチ、裏セット開放スイッチ、磁気センサ、電波センサ、などの入力情報を読み込み、それらの状態判定を行ったうえで、これらの検出情報を格納する。
次に、各種乱数更新処理を実行する(S54)。この各種乱数更新処理では、普通図柄変動パターン乱数および特別図柄変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数については、乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。他方、特別図柄変動パターン乱数については、前回の乱数から所定値(例えば3511)を減算する。なお、減算した結果が0未満の場合には、減算した結果に所定値(例えば50000)を加算する。
次に、初期値更新型乱数更新処理を実行する(S55)。この初期値更新型乱数更新処理では、普通図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数および特別図柄当り図柄乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。また、カウンタの数値が1周した場合には、対応する初期値乱数の値を初期値として設定する。
次に、初期値乱数更新処理を実行する(S56)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ減算処理を実行する(S57)。このタイマ減算処理では、ぱちんこ遊技機PMの遊技動作制御に用いる各種タイマの値を減算更新する。例えば、各種タイマの値を割込み周期(本例では4ms)ずつ減算する。なお、各種タイマには、特別図柄表示装置71,72に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマ、などが含まれる。
次に、第2始動口有効期間設定処理を実行する(S58)。この第2始動口有効期間設定処理では、第2始動口62の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として、第2始動口62の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、入賞監視処理を実行する(S59)。この入賞監視処理では、前記入力処理(S53)での第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、大入賞口スイッチ641の検出情報に基づき、遊技球のスイッチ通過検査を行い、その結果、遊技球が各スイッチを通過したと判断した場合、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報を含む演出制御コマンドの送信要求、などを行う。
次に、賞球制御処理を実行する(S60)。この賞球制御処理では、入賞の種別に対応する賞球個数の指示をすべく払出制御コマンドを払出制御基板400へ送信するとともに、払出制御基板400からの受信データを監視して払出制御基板400との通信検査を行う。
次に、普通図柄作動ゲート監視処理を実行する(S61)。この普通図柄作動ゲート監視処理では、遊技球の作動ゲート63への通過を監視し、作動ゲート63を通過していると判断した場合、普通図柄抽選に係る乱数を作動保留球情報として取得して、最大4個を限度として作動保留球数の更新を行うとともに、普通図柄抽選に係る乱数の記憶を行う。
次に、普通図柄制御処理を実行する(S62)。この普通図柄制御処理では、普通図柄表示装置75又は普通電動役物622に係る一連の処理を行うため、普通図柄遊技ステイタスの値に応じて、普通図柄変動中処理、普通図柄停止図柄表示中処理、普通電動役物作動中処理、普通電動役物作動終了デモ中処理、などを実行する。なお、普通図柄変動中処理では、普通図柄を変動表示又は確定表示させるべく、普通図柄の表示パターン番号データを作成(更新)する。
次に、普通図柄変動開始監視処理を実行する(S63)。この普通図柄変動開始監視処理では、普通図柄の作動状態を監視して、普通図柄の変動開始条件を充足していると判断したとき、普通図柄作動保留球数を1個消化して、普通図柄の当否判定、図柄の判定、変動パターンの判定、変動時間の設定、などを順に行う。
次に、始動口監視制御処理を実行する(S64)。この始動口監視制御処理では、遊技球の第1始動口61および第2始動口62への入賞を監視して、遊技球の入賞があった場合、保留球数の更新、特別図柄抽選に係る乱数記憶、先読み予告演出判定、図柄記憶数のコマンド要求、などを順に行う。
次に、特別図柄制御処理を実行する(S65)。この特別図柄制御処理では、特別図柄表示装置71,72に係る一連の処理として、特別図柄遊技ステイタスの値に応じて、詳細後述する特別図柄変動開始処理(S420)、特別図柄変動中処理(S430)、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)、などを実行する。
次に、特別電動役物制御処理を実行する(S66)。この処理では、特別図柄の抽選結果が「大当り」又は「小当り」となった場合に、特別電動役物642に係る動作処理として、特別電動役物642の作動開始および作動終了の設定、大入賞口64の開放時間および開放回数の更新、確率変動機能の作動開始設定、変動時間短縮機能の作動開始設定、変動パターン選択状態の設定、などを順に実行する。
次に、大入賞口有効期間設定処理を実行する(S67)。この大入賞口有効期間設定処理では、大入賞口64の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として大入賞口64の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、特別図柄変動開始監視制御処理を実行する(S68)。この特別図柄変動開始監視制御処理では、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、保留球数を1個消化して、図柄記憶数のコマンド要求、特別図柄の当否判定、特別図柄の図柄判定、確率変動機能の判定、時間短縮機能の判定、特別電動役物の作動パターンの設定、デモ演出時間の設定、などを順に行う。
次に、異常検知処理を実行する(S69)。この異常検知処理では、前記入力処理(S53)での入力情報に基づき、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを順に検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー表示を要求すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を生成する。
次に、入球通過時間異常検出処理を実行する(S70)。この入球通過時間異常検出処理では、入賞検出スイッチのオン信号が連続して所定時間以上検出された場合に、入球通過時間異常を設定して、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)の要求を行うとともに、外部端子へ出力するためのセキュリティ信号の出力要求を行う。
次に、遊技状態表示処理を実行する(S71)。この遊技状態表示処理では、特別電動役物642が連続して作動する回数(規定ラウンド数)、普通図柄および特別図柄の作動保留球数、などの表示データを作成する。また、前記の異常検知処理で検出したエラー状態の情報を主制御基板100の状態表示灯に表示させるための表示データを作成する。
次に、LED出力処理を実行する(S72)。このLED出力処理では、特別図柄および普通図柄の表示、保留球数の表示、特別電動役物が連続して作動する回数、エラーの表示などを行うべく、前記の特別図柄制御処理(S65)、異常検知処理(S69)、遊技状態表示処理(S71)等で作成された表示データを、各特別図柄表示装置71,72、普通図柄表示装置75、各特図保留ランプ73,74、普図保留ランプ76、主制御基板100の状態表示灯などに出力するとともに、これら各種表示装置における表示の初期化を行う。
次に、発射制御信号出力処理を実行する(S73)。この発射制御信号出力処理では、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合に、払出制御基板400に対して発射許可の信号を出力し、遊技球の発射を許可する。他方、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されたいる場合には、払出制御基板400に対して発射禁止の信号を出力し、遊技球の発射を禁止する。
次に、ソレノイド出力処理を実行する(S74)このソレノイド出力処理では、各電動役物622,642を作動させるべく、前記の普通図柄制御処理(S62)および特別電動役物制御処理(S66)において取得した制御データに基づき、各電動役物ソレノイド623,643に対して励磁信号を出力する。
次に、演出制御コマンド送信処理を実行する(S75)。この演出制御コマンド送信処理では、前記の処理でメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域(リングバッファ)に格納された演出制御コマンドの中から、ポインタで指定された演出制御コマンドを読み出して、この演出制御コマンドを演出制御基板200に対して送信する。
次に、外部情報出力処理を実行する(S76)。この外部情報出力処理では、外部端子板を介して、遊技機の動作状態情報を外部情報としてホールコンピュータ等の外部装置に出力する。
次に、退避していたレジスタの内容を復帰させて、メインCPU101を割込み許可状態に設定する(S77)。これにより、主制御側タイマ割込み処理を終了して上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を実行する。
なお、主制御側メイン処理中又は割込み処理中に、主制御基板100が電源断(所定の閾値に基づき供給電圧の低下)を検出すると、ノンマスカブル割込みを発生させて、電源断確認フラグをオンにする。そして、元の処理に戻ったうえで、前述の電源断時処理(S26〜S32)を実行することとなる。
≪特別図柄遊技処理≫
次に、主制御側タイマ割込み処理内の特別図柄遊技に係る一連の処理について説明する。特別図柄遊技に係る処理には、前述の始動口監視制御処理(S64)、特別図柄制御処理(S65)、特別電動役物制御処理(S66)、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)、などが該当する。
(始動口監視制御処理)
始めに、始動口監視制御処理(S64)について説明する。図32は、始動口監視制御処理(S64)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口61への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S201)。第1始動口61への入賞を検出した場合(S201:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S202)。
第1特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S202:YES)には、第1特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S203)。そして、第1特別図柄の作動保留球数の更新として、第1特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S204)、第1始動口61の入賞チェックを終了する。
続いて、第2始動口62への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S205)。第2始動口62への入賞を検出した場合(S205:YES)には、第2特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S206)。第2特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S206:YES)には、第2特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第2特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S207)。そして、第2特別図柄の作動保留球数の更新として、第2特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S208)、第2始動口62の入賞チェックを終了する。
続いて、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数の更新があったか否か、すなわち、S204又はS208にて第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が加算されたか否かを判定する(S209)。作動保留球数の更新があった場合(S209:YES)には、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S210)。
次いで、遊技機の状態を確認し、事前判定タイミングであるか否かを判定する(S211)。事前判定タイミングである場合(S211:YES)には、保留n記憶領域の当り乱数バッファから特別図柄当り乱数値を読み出して、当否事前判定を行う(S212)。そして、この事前判定結果の情報(当否事前判定番号)を含む当否事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S213)。
また、保留n記憶領域の当り図柄乱数バッファから特別図柄当り図柄乱数値を読み出して、図柄事前判定を行う(S214)。そして、この事前判定結果の情報(図柄事前判定番号)を含む図柄事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S215)。さらに、保留n記憶領域の変動パターン乱数バッファから特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、変動パターン事前判定を行う(S216)。そして、この事前判定結果の情報(変動パターン事前判定番号)を含む変動パターン事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S217)。
(特別図柄変動開始監視制御処理)
次に、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)について説明する。図33は特別図柄変動開始監視制御処理(S68)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動開始監視制御処理(S68)では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、変動開始条件を充足している方の特別図柄側に対して、後述の特別図柄変動開始監視処理(S310)を実行する。なお、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動開始条件を充足している場合には、前述したように、第2特別図柄側の処理が優先的に実行される。
まず、大当り中又は小当り中であるか否かを判定する(S301)。続いて、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動待機中であるか、すなわち、第1特別図柄遊技ステイタスおよび第2特別図柄遊技ステイタスが共に「00H(変動待機中)」であるか否かを判定する(S302)。
続いて、第2特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定して(S303)、当該保留球数が「0」でない場合(S303:NO)には、第2特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第2特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S304)、第2特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。すなわち、本実施形態では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合には、第1特別図柄の作動保留球の存在の有無に拘わらず、第2特別図柄の作動保留球が優先的に消化されるようになっている。この特別図柄変動開始監視処理(S310)の詳細は図34を用いて後述する。
他方、第2特別図柄の作動保留球数が「0」である場合(S303:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定する(S305)。ここで、当該保留球数が「0」でない場合(S305:NO)には、第1特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第1特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S306)、第1特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。
なお、第1特別図柄および第2特別図柄の変動開始条件が共に成立していない場合(S301:YES,S302:NO,S305:YES)には、特別図柄変動開始監視処理(S310)をスキップする。
(特別図柄変動開始監視処理)
次に、特別図柄変動開始監視処理(S310)について説明する。図34は、特別図柄変動開始監視処理(S310)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動開始監視処理(S310)では、上述のS304又はS306で設定された第1特別図柄変動開始監視テーブル又は第2特別図柄変動開始監視テーブルを参照して、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。
まず、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の作動保留球数を1減算する(S311)。そして、減算後の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S312)。続いて、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の特別図柄保留格納領域にアクセスして、最先の保留記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を順に読み出し、これらの乱数値を、後述の特別図柄当否判定処理(S320)、図柄判定処理(S330)、変動パターン選択処理(S423)に使用するため、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域に転送する(S313)。また、保留記憶領域の更新として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の保留記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(S314)。
続いて、特別図柄当否判定処理を実行する(S320)。特別図柄当否判定処理(S320)では、まず、特別図柄当否抽選テーブルを取得する。このとき、遊技状態が特別図柄確変状態である場合は高確率の当否抽選テーブルを取得し、遊技状態が通常状態である場合は低確率の当否抽選テーブルを取得する。次いで、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出す。そして、特別図柄当否抽選テーブルを参照して、特別図柄当り乱数値に基づき、特別図柄の当否判定を実行する。また、この当否判定結果に対応した値(大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)をメイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納する。
続いて、図柄判定処理を実行する(S330)。図柄判定処理(S330)では、当否判定の結果に応じて、特別図柄の停止図柄、キャラクタ演出番号(変動付加図柄情報)を決定する。そして、今回決定した特別図柄の停止図柄、キャラクタ演出番号をメイン情報記憶手段180の図柄格納領域に格納する。なお、キャラクタ演出番号は、決定された停止図柄の種類(大当り・小当り図柄A1〜C1,A2〜B2,K1の6パターン)と、特別図柄および普通図柄の確率変動機能の作動状態(特別図柄の確変オン/特別図柄の確変オフ/普通図柄の確変オン/普通図柄の確変オフの4パターン)との組み合わせに基づき、計24パターンの中のいずれかが決定される。なお、当否判定の結果がはずれの場合には、キャラクタ演出番号「0」が決定される。
続いて、当否判定の結果が小当りに該当するか否かを判定するとともに(S341)、当否判定の結果が大当りに該当するか否かを判定する(S342)。当否判定の結果が小当りである場合(S341:YES)は、S347に移行し、当否判定の結果がはずれである場合(S341:NO,S342:NO)は、S349に移行する。
他方、当否判定の結果が大当りである場合(S341:NO,S342:YES)には、S330で決定された図柄の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、特別図柄の確率変動機能を作動させるか否かを判定する(S343)。すなわち、図柄の種類(大当り種別)が、特定図柄を示すものである場合には確率変動機能を付与することを決定し、図柄の種類が通常図柄を示すものである場合には確率変動機能を付与しないことを決定する。この判定結果は、メイン情報記憶手段180の確率変動判定フラグに記憶される。
また、S330で決定された図柄の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、変動時間短縮機能の作動回数を決定するとともに(S344)、電チューサポート機能の作動回数を決定する(S345)。この判定結果(変動時間短縮機能の作動回数情報、電チューサポート機能の作動回数情報)は、メイン情報記憶手段180の時短回数格納領域および入球容易状態回数格納領域に記憶される。
続いて、S330で決定された図柄の種類(大当り種別)に基づき、特別電動役物642の作動パターンを設定する(S346)。具体的には、特別電動役物642の作動パターンとして、ラウンド遊技の規定ラウンド数(本例では、16ラウンド、8ラウンド、2ラウンド)、大入賞口64の最大開放時間(本例では、30秒、0.05秒)などを設定する。
次いで、S330で決定された図柄の種類と現在の遊技状態とに基づき、特別遊技終了後又は小当り遊技後の変動パターン選択状態を設定する(S347)。続いて、S330で決定された図柄の種類に基づき、特別遊技又は小当り遊技のデモ演出時間(当り開始デモ時間および当り終了デモ時間)を設定する(S348)。次いで、前述の特別図柄当否判定処理(S320)および図柄判定処理(S330)で使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域および特別図柄図柄判定領域をクリアする(S349)。そして、今回の変動対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(S350)。
(特別図柄制御処理)
次に、特別図柄制御処理(S65)について説明する。図35は、特別図柄制御処理(S65)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物642が未作動中であるか否か、すなわち、特別電動役物遊技ステイタスが「00H(当り待ち状態)」であるか否かを判定する(S401)。続いて、特別電動役物642が未作動中である場合(S401:YES)には、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でないか否かを判定する(S402)。
第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でない場合(S402:YES)には、第2特別図柄に係る処理を実行するため、第2特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S403)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。他方、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」である場合(S402:NO)には、第1特別図柄に係る処理を実行するため、第1特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S404)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。
なお、次述する特別図柄制御汎用処理(S410)では、上述のS403又はS404で設定された第1特別図柄制御テーブル又は第2特別図柄制御テーブルを使用して、今回の変動の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。この特別図柄制御汎用処理(S410)の詳細は図36を用いて後述する。
(特別図柄制御汎用処理)
続いて、特別図柄制御汎用処理を実行する(S410)。ここで、図36は、特別図柄制御汎用処理(S410)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄制御汎用処理(S410)では、特別図柄遊技ステイタスの値(「01H」,「02H」,「03H」)に応じた処理に移行するための分岐処理(S411〜S414)を実行する。まず、今回の変動の対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスが0でないか否かを判定する(S411)。特別図柄遊技ステイタスが「00H」でない場合(S411:YES)には、特別図柄遊技ステイタスが「01H(変動開始)」であるか否かを判定する(S412)。特別図柄遊技ステイタスが「01H」である場合(S412:YES)には、特別図柄変動開始処理(S420)に移行する。この特別図柄変動開始処理(S420)の詳細は図37を用いて後述する。一方、S412でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「02H(変動中)」であるか否かを判定する(S413)。特別図柄遊技ステイタスが「02H」である場合(S413:YES)には、特別図柄変動中処理(S430)に移行する。この特別図柄変動中処理(S430)の詳細は図38を用いて後述する。S413でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「03H(停止図柄表示中)」であるか否かを判定する(S414)。特別図柄遊技ステイタスが「03H」である場合(S414:YES)には、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)に移行する。この特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細は図39を用いて後述する。
(特別図柄変動開始処理)
次に、特別図柄変動開始処理(S420)について説明する。図37は、特別図柄変動開始処理(S420)の詳細を示すフローチャートである。
まず、当否抽選の結果および変動パターン選択状態等に基づき、特別図柄変動パターンテーブルを取得する(S421)。続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域から特別図柄変動パターン乱数値を読み出す(S422)。そして、特別図柄変動パターンテーブルを参照して、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、複数種の変動パターンの中からいずれかを選択する(S423)。
次いで、今回選択された変動パターンに対応する変動時間を設定する(S424)。そして、特別図柄の変動開始の設定として、図柄表示制御手段165の特別図柄遊技タイマに変動時間を格納するとともに(S425)、演出制御基板200への変動開始コマンドを生成する(S426)。変動開始コマンドとしては、演出表示装置70における図柄変動演出を開始させるべく、通信検査コマンド、変動付加図柄情報指定コマンド、変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンドを順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に記憶する。
続いて、変動パターンの決定に使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域の内容をクリアする(S427)。そして、特別図柄遊技ステイタスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(S428)。
(特別図柄変動中処理)
次に、特別図柄変動中処理(S430)について説明する。図38は、特別図柄変動中処理(S430)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄の変動表示を行うため、特別図柄の表示パターン番号切替処理を実行する(S431)。この表示パターン番号切替処理(S431)では、所定の切替時間毎に、特別図柄の表示パターン番号データを生成する。この表示パターン番号データは、特別図柄を変動表示又は確定表示させるべく、LED出力処理(S73)において、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に出力される。
次いで、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄の変動時間が終了したか否かを判定する(S432)。特別図柄の変動時間が終了した場合(S432:YES)には、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に確定表示すべき特別図柄の停止図柄を設定する(S433)。続いて、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を指示するための変動停止コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S434)。
次いで、特別図柄遊技タイマに確定表示時間として「500(ms)」を格納する(S435)。なお、「確定表示時間」とは、特別図柄の変動停止の際に、停止図柄を確定的に停止表示させる時間である。そして、特別図柄遊技ステイタスを「02H(変動中)」から「03H(停止図柄表示中)」に遷移する(S436)。
(特別図柄停止図柄表示中処理)
次に、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)について説明する。図39〜図40は、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄(停止図柄)の確定表示時間が終了したか否かを判定する(S441)。ここで、特別図柄の確定表示時間が終了した場合(S441:YES)には、特別図柄遊技ステイタスを「03H(停止図柄表示中)」から「00H(待機中)」に遷移する(S442)。
続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納された当否判定データが大当りデータ「55H」であるか否かを判定する(S443)。当否判定データが大当りデータである場合(S443:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動停止(S444)、特別図柄の変動時間短縮機能の作動停止(S445)、電チューサポート機能の作動停止(S446)、を順に行う。具体的には、特別図柄モードフラグに「00H(未作動)」を設定するとともに、時短回数カウンタおよび入球容易状態回数カウンタに「00H」を設定してゼロクリアする。
次いで、特別遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り開始デモコマンド)を生成する(S447)。続いて、変動パターン選択状態の実行回数(変動パターン選択状態回数カウンタ)をゼロクリアする(S448)。また、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「01H(特別遊技)」に遷移する(S449)。そして、当否判定フラグの内容をクリアするため、「00H」を設定する(S450)。
他方、当否判定データが大当りデータでない場合(S443:NO)には、特別図柄の確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(S451)。特別図柄の確率変動機能が作動中である場合(S451:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタを1減算する(ステップS452)。続いて、確率変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS453)。確率変動回数カウンタがゼロである場合(S453:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動を停止する(S454)。減算後の確率変動回数カウンタがゼロでない場合(S453:NO)には、S454をスキップして、S455に移行する。
次いで、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S455)。特別図柄の変動時間短縮機能が作動中である場合(S455:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の時短回数カウンタを1減算する(ステップS456)。続いて、時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS457)。時短回数カウンタがゼロである場合(S457:YES)には、特別図柄時短状態の終了回数に到達したとして、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を停止する(S458)。減算後の時短回数カウンタがゼロでない場合(S457:NO)には、S458をスキップして、S459に移行する。
次いで、電チューサポート機能が作動中であるか否かを判定する(S459)。電チューサポート機能が作動中である場合(S459:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の入球容易状態回数カウンタを1減算する(ステップS460)。続いて、入球容易状態回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS461)。入球容易状態回数カウンタがゼロである場合(S461:YES)には、入球容易状態の終了回数に到達したとして、電チューサポート機能の作動を停止する(S462)。減算後の入球容易状態回数カウンタがゼロでない場合(S461:NO)には、S462をスキップして、S463に移行する。
次いで、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを1減算する(S463)。そして、変動パターン選択状態を更新する(S464)。具体的には、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを参照し、現在の変動パターン選択状態の実行回数が予め設定された終了回数に達したか否かを判定し、終了回数に達している場合には、次に規定された変動パターン選択状態に切り替える。他方、終了回数に達していない場合には、現在の変動パターン選択状態を維持する。
次いで、前述のS451〜S464にて更新された現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S465)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、演出モードの設定および更新を実行する。
続いて、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されているか否かを判定する(S466)。小当りデータが格納されている場合(S466:YES)には、小当り遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り開始デモコマンド)を生成する(S467)。続いて、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「02H(小当り遊技)」に遷移する(S468)。そして、当否判定フラグの内容をクリアするため「00H」を設定する(S469)。
他方、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されていない場合(S466:NO)、すなわち、特別図柄判定フラグにはずれデータ「00H」が格納されている場合には、S467〜S469をスキップする。なお、特別図柄判定フラグがはずれデータである場合に、当該フラグの内容をクリアする処理をしなかったのは、もともとはずれデータとして「00H」が格納されているからである。
(特別電動役物制御処理)
次に、特別電動役物制御処理(S66)について説明する。図41〜図43は、電動役物制御処理(S66)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」であるか否かを判定する(S501)。特別電動役物遊技ステイタスが「01H」である場合(S501:YES)には、以降の処理において特別遊技処理を実行する。この特別遊技処理において、まず、特別電動役物642,652が作動中であるか否かを判定する(S502)。特別電動役物642,652が作動していない場合(S502:NO)には、特別電動役物642,652の作動開始時間であるか否かを判定する(S503)。特別電動役物642,652の作動開始時間とは、各ラウンド遊技おいて特別電動役物642,652の作動を開始するタイミングである。
特別電動役物642,652の作動開始時間である場合(S503:YES)には、ラウンド演出を開始させるべく演出制御コマンド(ラウンド演出指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S504)。なお、演出制御基板200側では、このラウンド演出指定コマンドの情報(現在のラウンド数などの情報)に基づき、特別遊技中における各ラウンド遊技に対応したラウンド演出を実行する。そして、特別電動役物642,652の作動を開始して(S505)、特別電動役物642,652の作動中の処理として、S506〜S510の処理を実行する。
特別電動役物642,652の作動中の処理として、大入賞口64,65に遊技球が最大入賞数だけ入賞したか否かを判定するとともに(S506)、特別電動役物642,652の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S507)。このとき、大入賞口64,65に遊技球が最大入賞数だけ入賞した場合(S506:YES)又は特別電動役物642,652の作動時間が経過した場合(S507:YES)には、特別電動役物642,652の作動を停止させる(S507)。そして、特別電動役物642,652の連続作動回数が予め定められた規定ラウンド数に達したか否かを判定する(S509)。連続作動回数が規定ラウンド数に達していない場合(S509:NO)には、特別電動役物642,652の連続作動回数を1インクリメントする(S510)。
他方、特別電動役物642,652の連続作動回数が規定ラウンド数に達している場合(S509:YES)には、S511に移行して、特別遊技の当り終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り終了デモコマンド)を生成する(S511)。
続いて、時短回数カウンタに、上記S344で設定した変動時間短縮回数情報を格納する(S512)。また、入球容易状態回数カウンタに、上記S345で設定した入球容易状態回数情報を格納する(S513)。
続いて、上記S343で設定された確率変動判定フラグの内容を参照して、条件装置の作動が特定図柄(いわゆる確変図柄)による作動であるか否かを判定する(S514)。特定図柄による条件装置の作動である場合(S514:YES)には、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタに作動時データ「7FH」を格納して、特別図柄の確率変動機能の作動を開始する(S515)。他方、特定図柄による条件装置の作動でない場合(S514:NO)には、確率変動回数カウンタに未作動時データ「00H」を格納して、S515をスキップする。
続いて、時短回数カウンタに記憶された変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S516)。変動時間短縮機能作動データである場合(S516:YES)には、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を開始する(S517)。他方、変動時間短縮機能作動データでない場合(S516:NO)には、S517をスキップする。
続いて、入球容易状態回数カウンタに記憶された入球容易状態回数情報が電チューサポート機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S518)。電チューサポート機能作動データである場合(S518:YES)には、電チューサポート機能の作動を開始させる(S519〜S521)。すなわち、普通図柄の確率変動機能の作動開始(S519)、普通図柄の変動時間短縮機能の作動開始(S520)、普通電動役物622の開放延長機能の作動開始(S521)、を順に実行する。他方、電チューサポート機能作動データでない場合には、S519〜S521をスキップする。
次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S522)。続いて、前述のS512〜S522にて設定された特別遊技後の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S523)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、特別遊技後の演出モードを設定する。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S524)。
他方、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」でない場合(S501:NO)には、S530に移行して、特別電動役物遊技ステイタスが「02H(小当り遊技)」であるか否かを判定する(S530)。特別電動役物遊技ステイタスが「02H」である場合(S530:YES)には、以降の処理で小当り遊技処理を実行する。
小当り遊技処理において、まず、特別電動役物642,652が作動中であるか否かを判定する(S531)。特別電動役物642,652が作動していない場合(S531:NO)には、特別電動役物642,652の作動を開始する(S532)。他方、特別電動役物642,652が作動中である場合(S531:YES)には、S532をスキップする。
続いて、特別電動役物642,652の作動中の処理として、大入賞口64,65に遊技球が最大入賞数だけ入賞したか否かを判定するとともに(S533)、特別電動役物642,652の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S534)。このとき、大入賞口64,65に遊技球が最大入賞数だけ入賞した場合(S533:YES)又は特別電動役物642,652の作動時間が経過した場合(S534:YES)には、特別電動役物642,652の作動を停止する(S535)。
続いて、小当り遊技の終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り終了デモコマンド)を生成する(S536)。次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S537)。続いて、上記S537にて設定された特別遊技後の変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S538)。この遊技状態指定コマンドは、演出制御基板200側で、演出モードの移行契機の判定、移行先の演出モードの特定などに用いられる。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S539)。
<演出制御基板側の処理>
次に、図43〜図53のフローチャートを参照しながら、演出制御基板200における動作処理の手順について説明する。演出制御基板200側の処理は、電源投入後などサブメインCPU201がリセットされると実行されるリセット開始処理(演出制御側メイン処理を含む)と、一定周期毎に起動される演出制御側タイマ割込み処理と、主制御基板100からのストローブ信号に起因して起動される演出制御コマンドの受信割込み処理と、変動演出パターンのタイムスケジュールに規定された所定の発生時期の到来を契機として起動されるランプ演出割込み処理と、一定周期毎に起動される画像制御コマンドの送信割込み処理とを含んで構成される。
各割込み処理(例外処理)には、複数の割込み処理が発生したときの優先度を示す優先レベルが設定されている。本例では、「電源リセットによるリセット開始処理:最優先」、「各種異常時によるリセット開始処理:最優先」→「演出制御コマンドの受信割込み処理:レベル7」→「WDT(暴走検知時)によるリセット開始処理:レベル3」→「画像制御コマンドの送信割込み処理:レベル2」→「演出制御側タイマ割込み処理:レベル1」などの順に、優先レベルの順位付けがされている。なお、「各種異常時によるリセット開始処理」は、例えば、サブメインCPU201が不正な命令を実行したとき、サブメインCPU201が不正な領域又は不正な方法にてアクセスしようとしたとき、DMA(Direct Memory Access)転送中のエラーが発生したときなどに起動する。本実施形態では、上記の複数種の割込み処理を例示しているが、実際にはその他の割込み処理も存在する。
演出制御側メイン処理内では、基本的には、全割込み禁止又は演出制御コマンド受信割込み以外の割込み禁止のいずれかの状態に設定したうえで処理が進められる。その上で、演出制御側メイン処理が割込み許可状態となった場合に、当該メイン処理を中断させるかたちで各割込み処理が起動される。各割込み処理では、当該割込み処理の実行中に他の割込み処理の要求があった(多重割込みが発生した)ときは、実行中の割込み処理よりも優先レベルの高い割込み処理であれば、原則的には当該割込み要求が許可される一方、実行中の割込み処理よりも優先レベルの低い又は優先レベルの同じ割込み処理である場合には当該割込み要求が禁止される。すなわち、各割込み処理は、優先レベルの同じ又は優先レベルの低い他の割込みを禁止した状態で処理が進められる。そして、各割込み処理から演出制御側メイン処理へは、全割込み許可の状態で戻ってくる。なお、このような割込み要因の優先順位(優先レベル)は、演出制御マイコン210(割込みコントローラ)のレジスタ設定によって規定される。
《リセット開始処理》
まず、演出制御基板200のリセット開始処理について説明する。図44は演出制御基板200のリセット開始処理を示すフローチャートである。このリセット開始処理では、電源投入時のリセット、各種異常時を起因としたリセット、WDT(暴走検知時)を起因としたリセットのいずれかにより起動し、サブメインCPU201のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S601以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定する(S601)。そして、各種初期設定が完了するまで全ての割込み処理を禁止する(S602)。
続いて、ハードウェアに関する基本的な設定として、サブメインCPU201内に設けられている内蔵レジスタに初期値を設定するとともに、I/Oポート回路204を初期化する(S603)。さらに、演出制御マイコン210のRAM203内のメモリ領域を初期化する(S604)。ここでは、初期値付きの変数には初期値を設定し、初期値なしの変数には0クリアによる初期化を行う。また、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムをRAM203に適宜展開する。
続いて、演出制御コマンドの受信割込み処理以外の割込みを禁止する(S605)。次いで、予め各機種共通で設定された各種のエラーのうち、当該機種で有効とすべきエラーの種別を設定する処理を行う(S606)。さらに、演出ランプLP(枠ランプ10、盤ランプ25)を全消灯状態とするため消灯リクエストを行う(S607)。そして、サブメインCPU201の暴走を監視するためウォッチドッグタイマを起動する(S608)。
続いて、遊技演出の主たる処理として演出制御側メイン処理を実行する(S609)。この演出制御側メイン処理(S609)の詳細は図26を用いて後述する。なお、前記S609で演出制御側メイン処理へ移行すると、メイン処理から当該リセット開始処理へ復帰することは通常はあり得ないが、プログラムのバグ等の発生によって、万が一、この処理へ復帰してきた場合には、消費電力が通常作動時よりも低減された小消費電力モード(スリープモード)へ遷移する。
《演出制御側メイン処理》
次に、演出制御基板200の演出制御側メイン処理(S609)について説明する。図45は演出制御側メイン処理(S609)を示すフローチャートである。
まず、演出制御側メイン処理内で制御プログラムがRAM203で正確に展開されているか否かのチェックを開始するためのアドレス(プログラムが展開された先頭アドレス)を取得する(S611)。続いて、全ての割込みを許可(各種の割込み処理の起動を許可)する(S612)。
次いで、デバイスの初期化動作を実行する(S613)。この初期化動作は、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時(リセット開始時)に1度だけ実行される動作態様のことであり、モータ、ソレノイド等のデバイスによって可動役物24の動作を制御するために必要となる位置情報を確認することを目的として実行される。なお、初期化動作の終了時には、可動役物24は予め設定された初期位置(基準位置)に復帰する。
続いて、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、ウォッチドッグタイマをクリアする(S614)。このとき、サブメインCPU201がプログラムを正常に実行しているときは、予め設定されたタイムアウト時間内に、サブメインCPU201のWDTクリアレジスタに、所定のクリアワードが書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
続いて、入力ポートチェック処理を実行する(S615)。この入力ポートチェック処理では、後述のタイマ割込み処理におけるポート入出力処理S912でのI/Oポート回路204(入力ポート)の読み込みを割込み発生毎に監視して、複数回(例えば4回)の監視において入力ポートの状態が全て「1」の場合は信号レベルを「1(Hレベル)」、全て「0」の場合は信号レベルを「0(Lレベル)」、それ以外の場合は信号レベルを変化させない(これにより入力信号が確定される)。
続いて、エラー演出管理処理を実行する(S616)。このエラー演出管理処理では、後続のコマンド解析処理(S620)で設定されるエラー演出パターンに基づき、各種デバイスによるエラー演出を開始させる。さらに、エラー演出管理処理では、エラー管理タイマに初期値(エラー演出時間)を設定して、エラー演出の進行を管理する。このエラー管理タイマは、演出制御側タイマ割込み処理のエラー管理タイマ更新処理(S920)にて16ms周期で減算更新される。そして、エラー管理タイマがタイムアウトした場合は、当該エラー演出を終了させる。
続いて、演出ボタン監視制御処理を実行する(S617)。この演出ボタン監視制御処理では、図柄変動中にボタン予告演出を組み込んでいる場合に、操作有効時間内における演出ボタン15の入力状態を監視して、演出ボタン15の入力状態に関する情報を保持する。
次に、デバイス管理処理を実行する(S619)。このデバイス管理処理では、後述のコマンド解析処理(S620)にて各種デバイスの動作要求(ランプリクエスト、役物リクエスト)があった場合、ROM203に記憶された複数種のパターンデータ(ランプパターン、駆動パターン)の中から、演出番号(ランプ演出番号、役物予告演出番号)に対応したパターンデータを特定して、対象デバイスの制御を開始する。演出ランプLPのランプパターンデータには、1フレーム時間(画像フレームを1回更新するのに要する時間:16ms)毎に対応付けられたランプデータがスケジュールデータとして格納されている。なお、本例において、1フレーム時間は、演出表示装置70において毎秒約60フレーム(=約60fps)で描画等する場合の1フレームの描画処理に要する時間と対応するものになっている。同様に、可動役物24の駆動パターンデータには、割込み周期(1ms)毎に対応付けられた駆動データがスケジュールデータとして格納されている。これにより、後述する演出制御側タイマ割込み処理にて、各制御データ(ランプデータ、駆動データ等)が対象デバイスに対して一定周期毎に出力され、対象デバイスの動作が開始されることになる。一方、後述の演出制御側タイマ割込み処理において、一連の制御データ(ランプデータ、駆動データ)の出力が全て完了した場合は、演出ランプLPを消灯させ、又は、可動役物24の動作を停止させ、対象デバイスの制御を終了する。
続いて、コマンド解析処理(S620)を実行する。このコマンド解析処理では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。このコマンド解析処理(S620)の詳細は図46を用いて後述する。
そして、今回のループ処理中で、コマンド解析(演出制御コマンドの解析)を実行したか否かを判定する(S621)。コマンド解析直後の場合(S621:YES)は、S614に戻り、次のループ処理へ移行する。一方、コマンド解析を実行しなかった場合(S621:NO)には、演出抽選乱数更新処理を実行する(S622)。この演出抽選乱数更新処理では、先読み予告抽選乱数、装飾図柄乱数、変動演出パターン乱数、予告演出パターン乱数などの各種の演出抽選乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値に戻す。
(コマンド解析処理)
次に、コマンド解析処理(S620)について説明する。図46は、コマンド解析処理(S620)の詳細を示すフローチャートである。このコマンド解析処理では、主制御基板100からの演出制御コマンドがサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納されているか否かを監視して、格納された演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。
まず、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に遊技状態指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S631)。遊技状態指定コマンドが格納されている場合(ステップS631:YES)には、演出状態移行処理(S632)へ移行する。演出状態移行処理(S632)では、遊技状態指定コマンドに含まれる変動パターン選択状態情報に基づき、演出モードを遷移する処理を実行する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に保留関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S633)。ここで、保留関連コマンドには、図柄記憶数コマンド、事前判定コマンドが含まれる。この保留関連コマンドが格納されている場合(S633:YES)には、保留情報管理処理(S634)へ移行する。この保留情報管理処理(S634)では、サブメイン情報記憶手段260から図柄記憶数コマンド又は事前判定コマンドを読み出して、事前判定結果の情報に基づき先読み判定を実行するとともに、演出表示装置70の保留表示部701,702に表示される保留画像の表示個数および表示態様(表示色など)を更新するための処理を行う。この保留情報管理処理(S633)の詳細は図47を用いて後述する。
次いで、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に図柄変動関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S635)。ここで、図柄変動関連コマンドには、変動開始コマンド、変動停止コマンドが含まれる。図柄変動関連コマンドが格納されている場合(ステップS635:YES)には、変動演出内容決定処理(S636)へ移行する。この変動演出内容決定処理(S636)では、受信した図柄変動関連コマンドが変動開始コマンドである場合には図柄変動演出を開始させるための処理を実行し、受信した図柄変動関連コマンドが変動停止コマンドである場合には実行中の図柄変動演出を終了させるための処理を実行する。この変動演出内容決定処理(S636)の詳細は図49を用いて後述する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に大当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S637)。ここで、大当り演出関連コマンドには、大当り開始デモ演出コマンド、ラウンド演出指定コマンド、大当り終了デモ演出コマンドを含む。大当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS637:YES)には、大当り演出内容決定処理(S638)へ移行する。この大当り演出内容決定処理(S638)では、開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出を実行するための処理を行う。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に小当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S639)。ここで、小当り演出関連コマンドには、小当り開始デモ演出コマンド、小当り終了デモ演出コマンドを含む。小当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS639:YES)には、小当り演出内容決定処理(S640)へ移行する。この小当り演出内容決定処理(S640)では、小当り開始デモ演出、小当り終了デモ演出を実行するための処理を行う。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にエラー演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S641)。このエラー演出指定コマンドが格納されている場合(S641:YES)には、エラー演出内容決定処理(S642)へ移行する。このエラー演出内容決定処理(S642)では、サブメイン情報記憶手段260からエラー演出指定コマンドを読み出して、演出表示装置70の画像表示や演出ランプLPの発光態様などによってエラー状態を報知するためのエラー演出パターンを決定する。
なお、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されていない場合(S631:NO、S633:NO、S635:NO、S637:NO、S639:NO、S641:NO)は、何もせずコマンド解析処理を終了する。
(保留情報管理処理)
次に、保留情報管理処理(S634)について説明する。図47は、保留情報管理処理(S634)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260に図柄記憶数コマンドが格納されているか否かを判定する(S671)。図柄記憶数コマンドが格納されている場合(S671:YES)には、この図柄記憶数コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数情報を取得する(S672)。続いて、上記S612で取得した作動保留球数情報に基づき、第1保留球数カウンタ又は第2保留球数カウンタを更新する(S673)。これにより、演出制御基板200側で管理する特別図柄の作動保留球数情報が、主制御基板100側で管理する特別図柄の作動保留球数情報と一致することになる。次いで、上記S673で更新された第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの数値に基づき、当該処理で決定した保留画像の個数を画像制御基板300側に指示するための画像制御コマンドを生成し、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する(S674)。
一方、図柄記憶数コマンドが格納されていない場合(S671:NO)には、サブメイン情報記憶手段260に事前判定コマンドが格納されているか否かを判定する(S675)。事前判定コマンドが格納されている場合(S675:YES)には、この事前判定コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる事前判定結果情報を取得する(S676)。続いて、この事前判定結果情報を作動保留球の入球順序と結合したかたちでサブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域(保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域)に格納する(S677)。
続いて、入賞時先読み演出判定処理を実行する(S680)。この入賞時先読み演出判定処理(S680)では、各種の先読み演出のうち、ルート先読み演出、待機中先読み演出、保留変化先読み演出、フラッシュ先読み演出およびカットイン先読み演出を対象として先読み抽選を個別に実行し、その先読み演出の実行の可否とともに先読み演出パターンを決定する。なお、入賞時先読み演出判定処理の詳細は図48を用いて後述する。次いで、上記S680にて決定された各種の先読み演出パターン番号を画像制御基板300側へ指示するための画像制御コマンドを生成し、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する(S674)。
(入賞時先読み演出判定処理)
次に、入賞時先読み演出判定処理(S680)について説明する。ここで、図48は、入賞時先読み演出判定処理(S680)の詳細を示すフローチャートである。
まず、現在の遊技状態が通常状態であるか否かを判定する(S681)。遊技状態が通常状態である場合(S681:YES)は、保留情報表示制御手段222の第1保留球数カウンタを参照して、第1特別図柄の作動保留球が存在するか否かを判定する(S682)。これは先読み抽選の対象として第1特別図柄の作動保留球の存在が必要条件となるからである。第1特別図柄の作動保留球が存在する場合(S682:YES)は、保留情報表示制御手段222の第2保留球数カウンタを参照して、第2特別図柄の作動保留球が存在するか否かを判定する(S683)。本実施形態では、第1特別図柄の作動保留球よりも第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化する優先消化を採用するため、先読み抽選対象として第2特別図柄の作動保留球を排除するためである。第2特別図柄の作動保留球が存在しない場合(S683:NO)、すなわち、現存する作動保留球が全て第1特別図柄の作動保留球となる場合は、第2特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(S684)。第2特別図柄の変動表示中でない場合(S684:NO)は、以降において、各種の先読み抽選処理が実行される(S685〜S689)。
まず始めに、ルート先読み抽選処理を実行する(S685)。このルート先読み抽選処理では、前述の当該抽選実行条件が成立している場合に、ルート先読み演出の実行の可否及びその演出パターン(予告ルート)を決定する。また、ルート先読み抽選の結果(予告ルート)に従って、メイン先読み演出の演出パターン、同色図柄停止先読み演出の演出パターン、ゾーン先読み演出の演出パターンが順次決定される。なお、同色図柄停止先読み演出の演出パターンに関しては、上述したように、エフェクト演出抽選にてエフェクト演出の種類(図柄属性に相当する)を決定してから、同色図柄(チャンス目)の図柄組合せ態様を決定する。ここで決定された抽選結果(演出パターン番号等)は、サブメイン情報記憶手段260に設定された先読み演出パターン格納領域に一時記憶される。
次いで、待機中先読み抽選を実行する(S686)。この待機中先読み抽選では、前述の当該抽選実行条件が成立している場合に、待機中先読み演出の実行の可否及びその演出パターンを決定する。ここで決定された抽選結果(演出パターン番号等)は、サブメイン情報記憶手段260に設定された先読み演出パターン格納領域に一時記憶される。
続いて、入賞時保留変化先読み抽選を実行する(S687)。この保留変化先読み抽選では、前述の当該抽選実行条件が成立している場合に、保留変化先読み演出の実行の可否及びその演出パターン(保留変化パターン)を決定する。ここで決定された抽選結果(保留変化パターン番号等)は、サブメイン情報記憶手段260の先読み演出パターン格納領域に一時記憶される。
次いで、フラッシュ先読み抽選を実行する(S688)。このフラッシュ先読み抽選では、前述の抽選実行条件が成立している場合に、フラッシュ先読み演出の実行の可否及びその演出パターンを決定する。ここで決定された抽選結果(演出パターン番号等)は、サブメイン情報記憶手段260の先読み演出パターン格納領域に一時記憶される。
続いて、カットイン先読み抽選を実行する(S689)。このカットイン先読み抽選では、前述の抽選実行条件が成立している場合に、カットイン先読み演出の実行の可否及びその演出パターンが決定される。ここで決定された抽選結果(演出パターン番号等)は、サブメイン情報記憶手段260の先読み演出パターン格納領域に一時記憶される。
なお、遊技状態が通常状態ではない場合(S681:NO)、第1特別図柄の作動保留球が存在しない場合(S682:NO)、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合(S683:YES)、第2特別図柄の変動表示中ではない場合(S684:YES)には、そのまま処理を終了する。なお、「先読み演出パターン格納領域」とは、各種の先読み演出の抽選結果を格納するための共通の記憶領域として設けられている。
(変動演出内容決定処理)
次に、変動演出内容決定処理(S636)について説明する。図49は、変動演出内容決定処理(S636)の詳細を示すフローチャートである。この変動演出内容決定処理では、前述のシナリオ振分抽選として、第1階層の抽選処理(S703〜S706)、第2階層の抽選処理(S707〜S708)、及び第3階層(S709〜S710)の抽選処理が順に実行される。
まず、サブメイン情報記憶手段260に変動開始コマンドが格納されているか否かを判定する(S701)。変動開始コマンドが格納されている場合(S701:YES)には、この変動開始コマンド(変動パターン指定コマンド、変動付加情報指定コマンド、図柄指定コマンド)の内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる変動パターン(変動時間)、特別図柄(停止図柄)、変動付加時間、遊技状態などを示す情報を取得する(S702)。なお、この取得情報は、サブメイン情報記憶手段260の変動演出内容判定領域に格納される。
続いて、変動演出パターン抽選処理を実行する(S703)。この変動演出パターン抽選処理では、上記S702で取得した情報(主に変動パターン情報)に基づき、変動演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から抽選乱数値を取得して、複数種の変動演出パターンの中から、いずれかの変動演出パターンを抽選で決定する。ここで決定された変動演出パターン番号は、サブメイン情報記憶手段260の変動演出パターン格納領域に一時記憶される。また、変動演出パターンに対応したランプ演出番号をリクエストして、このリクエストされたランプ演出番号をサブメイン情報記憶手段260のランプリクエスト記憶領域に設定する。
次いで、停止図柄抽選処理を実行する(S704)。この停止図柄抽選処理では、上記S702で取得した情報(主に特別図柄情報)と、上記S703で選択された変動演出パターンとに基づき、装飾図柄停止パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から抽選乱数値を取得して、装飾図柄の停止図柄の組合せ(左図柄・中図柄・右図柄)を特定した停止図柄パターンをそれぞれ抽選で決定する。ここで決定された停止図柄パターン番号は、サブメイン情報記憶手段260の装飾図柄格納領域に一時記憶される。
続いて、付加情報別変動グループ抽選処理を実行する(S705)。この付加情報別変動グループ抽選処理では、上記S703で選択された変動演出パターンに基づき、変動情報別変動グループ抽選テーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から抽選乱数値を取得して、付加情報別変動グループを抽選で決定する。
次いで、リーチ別変動グループ抽選処理を実行する(S706)。このリーチ別変動グループ抽選では、上記S703で選択された変動演出パターンに基づき、リーチ別変動グループ抽選テーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から抽選乱数値を取得して、リーチ別変動グループを抽選で決定する。
続いて、予告シナリオ抽選処理を実行する(S707)。この予告シナリオ抽選処理では、上記S703で選択された変動演出パターンに基づき、予告シナリオ抽選テーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から抽選乱数値を取得して、予告シナリオを抽選で決定する。
次いで、SPシナリオ抽選処理を実行する(S708)。このSPシナリオ抽選では、上記S703で選択された変動演出パターンに基づき、SPシナリオ抽選テーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から抽選乱数値を取得して、SPシナリオを抽選で決定する。なお、予告シナリオ抽選処理、及びSPシナリオ抽選処理では、先読み抽選の実施に関する情報(ルートID番号など)をもとに、抽選テーブルを切り替えるようにし、先読み抽選に対応した演出が出力されるように制御する。
続いて、予告抽選処理を実行する(S709)。この予告抽選処理では、上記S707で選択された予告シナリオに基づき、該シナリオに沿って規定された各予告に対応する予告抽選テーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から抽選乱数値を取得して、予告演出パターン(予告演出のバリエーション)を抽選で決定する。なお、予告演出パターンとして、役物予告演出パターンが選択された場合には、役物リクエストが発生し、後続のデバイス管理処理(S619)にて、可動役物24の駆動パターンが特定される。
次いで、SPリーチ抽選処理を実行する(S710)。このSPリーチ抽選処理では、上記S708で選択されたSPシナリオに基づき、該シナリオに沿って規定された各演出のSPリーチ演出抽選テーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から抽選乱数値を取得して、SPリーチ演出パターン(SPリーチ演出のバリエーション)を抽選で決定する。
そして、このような第1階層〜第3階層といった階層構造を利用したシナリオ振分抽選(S703〜S710)によって、装飾図柄の変動開始〜変動停止までの一連の演出表示過程のシナリオが決定されるとともに、当該表示過程中の各段階において発生する予告演出およびSPリーチ演出の具体的内容が決定される。
次いで、サブメイン情報記憶手段260に設定された先読み情報格納領域の更新処理として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された事前判定情報(先読み抽選に供する保留球情報)を下位の保留記憶領域(第1記憶領域〜第3記憶領域)にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(S711)。
続いて、消化時先読み演出判定処理を実行する(S712)。この消化時先読み演出判定処理では、各種の先読み演出のうち、ルート先読み演出、保留変化先読み演出、及びカットイン先読み演出を対象として先読み抽選を個別に実行し、その先読み演出の実行の可否とともに先読み演出パターンを決定する。なお、消化時先読み演出判定処理の詳細は図30を用いて後述する。
次いで、予告関連演出判定処理を実行する(S713)。この予告関連演出判定処理では、タイマ予告演出(ストック予告演出、カウントダウン予告演出)、及び保留変化図柄演出を対象として個別の抽選処理を実行する。まず、ストック予告抽選では、前述の抽選実行条件が成立している場合に、ストック予告演出の実行の可否及びその演出パターンを決定する。また、カウントダウン予告抽選では、前述の抽選実行条件が成立している場合に、カウントダウン予告演出の実行の可否及びその演出パターンを決定する。ここで選択された演出パターン番号は、サブメイン情報記憶手段260に設定された予告演出パターン格納領域に一時記憶される。一方、保留変化図柄抽選では、保留変化先読み抽選にて決定された保留変化パターンに基づき当該変動表示の停止時に保留変化が予定され、且つ、上記の禁止条件が成立していない場合に、保留変化図柄演出の実行を決定する。保留変化図柄演出の実行が決定された場合には、上記S704で選択された装飾図柄の停止図柄パターンを保留変化図柄演出用の停止図柄パターン(中図柄に保留変化図柄を重畳した図柄組合せ)に差し替える。
続いて、先読み禁則確認処理を実行する(S714)。この先読み禁則確認処理では、上記S712の先読み抽選にて当選した場合(ルート先読み演出、カットイン先読み演出の実行が決定された場合)に、上記S703で選択された当該変動表示における変動演出パターンが、Nリーチ演出、Lリーチ演出、弱SPリーチ演出、又は強SPリーチ演出の変動演出パターンである場合は、ルート先読み演出及びカットイン先読み演出の実行がキャンセルされる。すなわち、ルート先読み演出及びカットイン先読み演出に関しては、当該変動表示が短縮変動演出又は通常変動演出である場合に限って実行が許容される。このとき、ルート先読み抽選にて、同色図柄停止先読みに当選している場合は、このタイミングにて装飾図柄を差し替える。
次いで、保留補正判定処理を実行する(S715)。この保留補正判定処理では、上述のS687又は後述のS736の保留変化先読み抽選にて選択された保留変化パターンを参照し、当該変動表示の停止時に保留変化が予定されている場合に、当該保留変化パターンの保留表示データ1と3または4を確認して、補正変化処理の実行の可否を決定する。補正変化処理の実行が決定された場合には、該補正変化の対象となる保留表示データ、及び該補正変化の実行タイミングデータをサブメイン情報記憶手段260に設定された補正変化データ格納領域に一時記憶させる。
そして、上記S703〜S715にて取得した各種の演出情報に基づき、装飾図柄の変動開始に要する画像制御コマンド(変動演出開始コマンド)を生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S716)。
一方、変動開始コマンドが格納されていない場合(S701:NO)には、サブメイン情報記憶手段260に変動停止コマンドが格納されているか否かを判定する(S717)。変動停止コマンドが格納されている場合(S717:YES)には、変動停止コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる図柄停止情報を取得する(S718)。
そして、装飾図柄の変動停止に要する画像制御コマンド(変動演出停止コマンド)を生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S716)。
(消化時先読み演出判定処理)
次に、消化時先読み演出判定処理(S680)について説明する。ここで、図50は、消化時先読み演出判定処理(S680)の詳細を示すフローチャートである。
まず、現在の遊技状態が通常状態であるか否かを判定する(S731)。遊技状態が通常状態である場合(S731:YES)は、保留情報表示制御手段222の第1保留球数カウンタを参照して、第1特別図柄の作動保留球が存在するか否かを判定する(S732)。これは先読み抽選の対象として第1特別図柄の作動保留球の存在が必要条件となるからである。第1特別図柄の作動保留球が存在する場合(S732:YES)は、保留情報表示制御手段222の第2保留球数カウンタを参照して、第2特別図柄の作動保留球が存在するか否かを判定する(S733)。本実施形態では、第1特別図柄の作動保留球よりも第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化する優先消化を採用するため、先読み抽選対象として第2特別図柄の作動保留球を排除するためである。第2特別図柄の作動保留球が存在しない場合(S733:NO)、すなわち、現存する作動保留球が全て第1特別図柄の作動保留球となる場合は、今回の変動表示が第2特別図柄の変動表示であるか否かを判定する(S734)。第2特別図柄の変動表示が予定されていない場合(S734:NO)は、以降において、各種の先読み抽選処理が実行される(S735〜S737)。
まず始めに、ルート先読み抽選処理を実行する(S735)。このルート先読み抽選処理では、前述の当該抽選実行条件が成立している場合に、ルート先読み演出の実行の可否及びその演出パターン(予告ルート)を決定する。また、ルート先読み抽選の結果(予告ルート)に従って、メイン先読み演出の演出パターン、同色図柄停止先読み演出の演出パターン、ゾーン先読み演出の演出パターンが順次決定される。なお、同色図柄停止先読み演出の演出パターンに関しては、上述したように、エフェクト演出抽選にてエフェクト演出の種類(図柄属性に相当する)を決定してから、同色図柄(チャンス目)の図柄組合せ態様を決定する。ここで決定された抽選結果(演出パターン番号等)は、サブメイン情報記憶手段260に設定された先読み演出パターン格納領域に一時記憶される。
続いて、消化時保留変化先読み抽選を実行する(S736)。この保留変化先読み抽選では、前述の当該抽選実行条件が成立している場合に、保留変化先読み演出の実行の可否及びその演出パターン(保留変化パターン)を決定する。ここで決定された抽選結果(保留変化パターン番号等)は、サブメイン情報記憶手段260の先読み演出パターン格納領域に一時記憶される。
続いて、カットイン先読み抽選を実行する(S737)。このカットイン先読み抽選では、前述の抽選実行条件が成立している場合に、カットイン先読み演出の実行の可否及びその演出パターンが決定される。ここで決定された抽選結果(演出パターン番号等)は、サブメイン情報記憶手段260の先読み演出パターン格納領域に一時記憶される。
なお、遊技状態が通常状態ではない場合(S731:NO)、第1特別図柄の作動保留球が存在しない場合(S732:NO)、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合(S73:YES)、今回の変動表示として第2特別図柄の変動表示が予定されている場合(S774:YES)には、そのまま処理を終了する。
《演出制御コマンドの受信割込み処理》
次に、演出制御コマンドの受信割込み処理を説明する。図51は、演出制御コマンドの受信割込み処理を示すフローチャートである。この演出制御コマンドの受信割込み処理では、前述したように、主制御基板100からのストローブ信号の入力に基づいて割込みが発生することで開始され、この割込み処理において各種の演出制御コマンドが取得されるようになっている。なお、演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含む構成となっており、主制御基板100から演出制御基板200へ、MODEデータ、EVENTデータの順に送信される。以下では、説明の便宜上、MODEデータを「第1コマンド」、EVENTデータを「第2コマンド」とも称する。
まず、主制御基板100からのストローブ信号に基づく割込みが発生すると、演出制御コマンドの入力値が確定したか否かを判定する(S901)。具体的には、コマンドデータを最高5回まで読み込み、2回連続で同じ値が読み込まれた時点で入力値が確定となる。これはノイズ等により演出制御コマンドの読み取りが失敗するおそれがあるためであり、2回連続で同じ値が読み込まれるまでは入力値を確定とはしない。
続いて、今回受信したコマンドが第1コマンド(MODE)であるか否か、換言すれば、第1コマンド(MODE)であるか第2コマンド(EVENT)であるかを判定する(S902)。今回受信したコマンドが第1コマンドである場合(S902:YES)は、当該第1コマンドをテンポラリ領域に一時的に記憶する(S903)。そして、演出抽選乱数発生手段210から演出抽選乱数を取得して、この乱数情報をサブメイン情報記憶手段260の演出抽選乱数格納領域に一時記憶する(S904)。なお、演出抽選乱数の取得時期を、演出制御コマンドの受信時としているのは、演出制御コマンドは遊技球の始動入賞時や特別図柄の変動開始時など物理的に不規則なタイミングで送信されるため、それを契機とすることで取得時期に周期性を出さないようにするためである。このように演出抽選乱数の取得時期を不規則とすることで、各種の演出抽選においても、同一の演出が不自然に繰り返し選択されてしまう等の不都合が発生し難くなる。
一方、今回受信したコマンドが第2コマンドである場合(S902:NO)には、すでに第1コマンドを受信済であるか否かを判定する(S905)。すなわち、演出制御コマンドを第1コマンド(MODE)→第2コマンド(EVENT)の順に受信したか否か判定して、演出制御コマンドの組合せに矛盾がないかを確認する。演出制御コマンドの組合せに矛盾がない場合(S905:YES)は、ライトポインタ(書き込み用のポインタ)の示すアドレスを取得する(S906)。続いて、第1コマンドと第2コマンドとを、ライトポインタの指示するアドレスに従って、サブメイン情報記憶手段260の演出制御コマンドバッファ(リングバッファ)に保存する(S907)。保存されたコマンドデータは、メイン処理における前記のコマンド解析処理(S620)で読み出され、演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理が実行される。次いで、ライトポインタの示すアドレスを更新する(S908)。さらに、前記S903で一時記憶したコマンドデータ(第1コマンド)をクリアする(S909)。そして、当該演出制御コマンド受信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
《演出制御側タイマ割込み処理》
次に、演出制御側タイマ割込み処理を説明する。図52は、演出制御側タイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、一定時間毎のクロックパルスにより起動され、上述の演出制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。
タイマ割込みが発生すると、サブメインCPU201内のレジスタの内容をRAM203のスタック領域に退避させた後、S911以降の処理を順次実行する。このタイマ割込み処理内では、主制御基板100からの演出制御コマンド受信割込み、ウォッチドッグタイマ割込み等、優先レベル2以上の割込みを許可する(S911)。
続いて、ポート入出力処理を実行する(S912)。このポート入出力処理では、I/Oポート回路204におけるポートデータの入力処理、出力処理を行う。入力処理では、I/Oポート回路204(入力ポート)に入力されている各種信号を読み取り、これを入力情報として記憶する。出力処理では、サブメイン情報記憶手段260に一時記憶されている各種制御信号(モータ制御信号)を読み出して、I/Oポート回路204(出力ポート)から出力する。
続いて、デバイス制御データ出力処理を実行する(S913)。このデバイス制御データ出力処理では、前記のデバイス管理処理(S619)で特定した駆動パターンデータから所定時間分の駆動データを読み出してサブメイン情報記憶手段260の駆動データ記憶領域に設定する。この処理で設定される駆動データは、割込み周期に対応した1ms間の制御を示すデータである。この処理で駆動データが設定されると、次回のタイマ割込み処理にて、当該駆動データがI/Oポート回路204(出力ポート)からモータドライバ92へ出力される。従って、このデバイス制御データ出力処理では、駆動パターンデータに従って駆動データが割込み周期(1ms)毎に切り替えられることとなる。
次いで、演出用タイマ更新処理を実行する(S914)。この演出タイマ更新処理では、演出動作制御に用いる各種の演出用タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)ずつ減算更新する。演出用タイマには、装飾図柄の変動時間を管理するためのタイマ、予告演出の発生タイミングを管理するためのタイマなどが含まれる。この演出用タイマによって、変動演出パターンにおけるタイムスケジュールが管理され、その時間軸上で可動役物24の駆動タイミングや演出ランプLPの点灯タイミング等の時間管理がされている。なお、演出用タイマは、この演出制御用タイマ割込み処理内のデバイス制御データ出力処理(S913)やランプデータ更新処理(S917)などにおいても利用される。
続いて、ボタン制御タイマ更新処理を実行する(S915)。演出ボタン15の操作有効時間を管理するための有効時間管理タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)ずつ減算更新する。なお、操作有効時間とは、演出ボタン15の操作入力が有効となる時間である。
続いて、タスク制御カウンタ更新処理を実行する(S916)。このタスク制御カウンタ更新処理では、タイマ割込み毎にタスクカウンタの値(「0」〜「15」)を更新する。具体的には、タスクカウンタの値が「0」〜「14」であれば1インクリメントし、タスクカウンタの値が「15」となった場合には「0」に戻す。すなわち、このタスクカウンタは16msの循環周期を取り得る。そして、今回更新されたタスクカウンタの値に対応して各種のタスク(タスク処理)が割り当てられており、当該タスクカウンタの値に応じて、ランプ制御タスク(S917のランプデータ更新処理)、暴走監視タスク(S9189の画像CPU暴走監視処理)、エラー管理タスク(S919のエラー管理タイマ更新処理)などの各処理を実行する。本例では、タスクカウンタの値(「0」〜「15」)のうち、或る1つの値がランプ制御タスクに割り当てられ、他の2つの値(互いに8ms間隔となる値)が暴走監視用タスクに割り当てられ、他の1つの値がエラー管理タスクに割り当てられている(その他のタスクの説明は省略する)。なお、前述のように、タスクカウンタの循環周期を16msに設定しているのは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)と一致させるためである。そして、この演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)は画像フレームの1フレーム時間と対応し、画像演出とランプ演出との同期を実現している。
続いて、ランプデータ更新処理を実行する(S917)。このランプデータ更新処理では、前記のデバイス管理処理(S619)等で特定したランプパターンデータから所定時間分のランプデータを読み出して設定する。この処理で設定されるランプデータは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位となる16ms間の点灯制御を示すデータである。ランプデータが設定されると、当該ランプデータが出力ポート(シリアルポート)からシリアル転送にてランプ接続基板91へ自動的に出力される。このランプデータの出力処理は、シリアル通信割込み処理として構成されており、シリアル通信回路の送信バッファにランプデータを順次書き込むことで実現される。シリアル通信回路は、送信バッファのランプデータを1バイト単位でシリアル変換して、シリアルクロックと同期したかたちで、1ビット毎にランプ接続基板91に対して出力する。この処理では、送信バッファが空になるまで繰り返され、これにより送信バッファに格納された全てのランプデータ(全バイト)が出力されるようになっている。従って、このランプデータ更新処理では、ランプパターンに従ってランプデータが1フレーム時間(16ms)毎に切り替えられるとともに、このランプデータがランプ接続基板91に対してシリアル転送にて出力される。
続いて、画像CPU暴走監視処理を実行する(S918)。この画像CPU暴走監視処理では、画像制御基板300から入力されるトグル信号を監視して、当該トグル信号が1600ms(50〜100フレーム程度)の間、連続して変化しない場合に、画像制御基板300のサブサブCPU301が暴走していると判定し、演出制御基板200から画像制御基板300に対してリセット信号を送信する。これにより、画像制御基板300側はサブサブCPU301のリセット状態の発生によって、所定のリセット処理を実行する。なお、トグル信号とは、1フレーム時間毎にHレベル/Lレベルが交互に繰り返される波形の信号のことである。
次いで、エラー管理タイマ処理を実行する(S919)。このエラー管理タイマ処理では、前記のエラー演出管理処理(S617)でセットされたエラー演出時間を管理するためのエラー演出タイマの値を減算更新する。そして、全ての割込みを許可した状態にするとともに、退避していたレジスタの内容を復帰させた後、演出制御側タイマ割込み処理を終了して、割込み発生前の元の処理に戻る。
《画像制御コマンドの送信割込み処理》
次に、画像制御コマンドの送信割込み処理を説明する。図53は、画像制御コマンドの送信割込み処理を示すフローチャートである。この画像制御コマンドの送信割込み処理は、予め設定された一定間隔(500μs)毎に発生する。
この画像制御コマンドの送信割込み処理では、まず、サブメイン情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファをチェックする(S931)。続いて、画像制御コマンドバッファにおいてリードポインタを取得する(S932)。次いで、画像制御コマンドバッファに画像制御コマンドが格納されているか否かを判定する(S933)。画像制御コマンドが格納されているか否かは、例えば、リードポインタとライトポインタによって確認でき、リードポインタとライトポインタとが一致している場合には、画像制御コマンドが格納されていないことになる。画像制御コマンドが格納されている場合(S933:YES)には、リードポインタが指す領域から画像制御コマンドを読み出す(S934)。この読み出した画像制御コマンドを、出力先として指定されたシリアル通信回路の出力バッファにセットする(S935)。これによりシリアルポートから画像制御コマンドが画像制御基板300に対してシリアル送信される。次いで、コマンドデータ(前記S935で送信したコマンドデータ)をクリアする(S936)。続いて、リードポインタを1インクリメントして更新する(S937)。そして、当該画像コマンドの送信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
[作用]
次に、本実施形態の理解を容易なものとするために、ぱちんこ遊技機PMの特徴的作用について図54〜図57を追加参照しながら説明する。なお、本説明中では、特段の場合を除き、図柄の変動表示中に、第1特別図柄の作動保留球のみが発生するものとし、第2特別図柄の作動保留球は発生しないものとする。そのため、単に「作動保留球(又は保留画像)」と称する場合は、第1特別図柄の作動保留球(又は保留画像)を指すものとする。
<作用1>
まず、図54を参照して、保留変化先読み演出の基本的な流れについて説明する。図中(A)に示すように、第1特別図柄の作動保留球が3個ある状態(保留画像H1,H2,H3)にて、装飾図柄の変動表示(1回目の変動表示)が実行されているとき、新たな始動入賞が発生したものとする。なお、図中には、この時点における第1特別図柄の作動保留球の入球順に従って、1個目の保留画像を「H1」、2個目の保留画像を「H2」、3個目の保留画像を「H3」で表すとともに、変動表示の対象となる保留画像(今回消化された保留画像)を「H0」で表している。この新たな始動入賞に基づく4個目の作動保留球が発生することで、その事前判定結果に基づき保留変化先読み抽選が実行され、保留変化パターンが決定される。本例では、この4個目の作動保留球(トリガ保留)の保留変化のルート(シナリオ)として、保留変化パターン29が選択されたものとする。この保留変化パターン29には、保留表示データ1=青、保留表示データ2=緑、保留表示データ3:赤、及び保留表示データ4:赤が設定されている。
図中(B)に示すように、今回入賞した作動保留球(トリガ保留)に対応する保留画像H4が4個目の保留画像として表示される。この保留画像H4の表示態様は、上記の保留表示データ1に従い「青色」となる。なお、図中(C)に示すように、この1回目の変動表示(入賞時の変動表示)の停止時には保留変化は発生せず、保留画像H4の表示態様は「青色」のままである。
続いて、図中(D)に示すように、次回の変動表示(2回目の変動表示)が開始されると、この変動表示の対象となる保留画像H1が保留消化表示領域703へシフトするとともに、消化前の保留画像H2,H3,H4がひとつ右側の保留表示領域へシフトする。
次いで、図中(E)に示すように、この2回目の変動表示の停止のタイミングにて、三列の装飾図柄が左図柄→右図柄→中図柄の順に停止する。このとき、図中(F)に示すように、3つの装飾図柄のうち中図柄が「UP」に変化して保留変化図柄が確定表示される。この保留変化図柄演出が実行されることで、遊技者に対して保留変化の発生が予告される。図中(G)に示すように、装飾図柄の確定表示の直後、保留画像H4の表示態様が「青色」から「緑色」へ変化する。図中(H)に示すように、次々回の変動表示(3回目の変動表示)が開始されると、この変動の対象となる保留画像H2が消化保留表示領域703へシフトするとともに、消化前の保留画像H3,H2がひとつ右側の表示領域へシフトする。以下同様に、保留変化パターンに従い、変動表示の停止時に保留画像が変化又は継続表示される。
<作用2>
次に、図55を参照して、同色図柄先読み演出の実行後に保留変化が発生する場合について説明する。図中(A)に示すように、第1特別図柄の作動保留球が3個ある状態(保留画像H1,H2,H3)にて、装飾図柄の変動表示が実行されている。なお、図中には、この時点における第1特別図柄の作動保留球の入球順に従って、1個目の保留画像を「H1」、2個目の保留画像を「H2」、3個目の保留画像を「H3」で表すとともに、今回の変動表示の対象となる保留画像(今回消化された保留画像)を「H0」で表している。このとき、3個目の保留画像(青色の保留画像)H3がトリガ保留に係る保留画像であり、このトリガ保留に係る保留画像を対象に当該変動表示の停止時に保留変化が予定されているものとする。
図中(B)に示すように、当該変動表示の過程でキャラクタ予告演出(成功演出)が実行されることで、当該変動表示の停止時に同色図柄先読み演出が実行されること(すなわち、チャンス目の成立)が示唆される。続いて、図中(C)に示すように、当該変動表示の停止時に、赤色属性のチャンス目が停止する。このように当該変動表示の停止時にチャンス目が発生する場合には、当該変動表示の停止時に保留変化が予定されている場合であっても、保留変化図柄の使用は禁止される。それにより、同色図柄停止先読み演出と保留変化図柄演出とが競合することなく、チャンス目の図柄組合せの法則性を維持できるとともに、両演出の競合によりかえって演出効果が互いに希薄になるのを防止することができる。
次いで、図中(D)に示すように、装飾図柄の確定表示の後、保留画像H3の表示態様が「青色」から「緑色」へ変化する。そして、図中(E)に示すように、次回の変動表示(2回目の変動表示)が開始されると、この変動の対象となる保留画像H1が消化保留表示領域703へシフトするとともに、消化前の保留画像H3,H2がひとつ右側の表示領域へシフトする。
<作用3>
次に、図56を参照して、リーチ演出の実行後に保留変化が発生する場合について説明する。なお、図中(A)→(B)→(C)→(D)の表示過程は、変動表示の停止時に保留画像が「白色」から「緑色」へ保留変化する場合を示し、図中(A)→(B)→(E)→(F)の表示過程は、変動表示の停止時に保留画像が「白色」から「青色」へ保留変化する場合を示している。
図中(A)に示すように、第1特別図柄の作動保留球が3個ある状態(保留画像H1,H2,H3)にて、装飾図柄の変動表示が実行されている。なお、図中には、この時点における第1特別図柄の作動保留球の入球順に従って、1個目の保留画像を「H1」、2個目の保留画像を「H2」、3個目の保留画像を「H3」で表すとともに、今回の変動表示の対象となる保留画像(今回消化された保留画像)を「H0」で表している。このとき、3個目の保留画像H3がトリガ保留に係る保留画像であり、このトリガ保留に係る保留画像を対象に当該変動表示の停止時に保留変化が予定されているものとする。
図中(B)に示すように、当該変動表示の過程においてリーチ発展して、SPリーチ演出(本例では弱SPリーチ演出)が発生する。SPリーチ演出が発生すると、変動表示中の装飾図柄は、画面の端の方に縮小した状態で表示される。
ここで、図中(C)及び(D)に示すように、当該変動表示の停止時に、保留画像H3の表示態様が「白色」から「緑色」に変化する場合(相対的に大当り期待度の高い表示態様に変化する場合)は、この変動停止時のタイミングにて、保留変化図柄を停止表示させてから当該保留変化が発生する。このとき、保留変化図柄を重ねて表示(または差替え)する図柄としては、リーチ状態を形成した図柄ではなく、次の図柄(図中では「3」図柄)などにすることで、SPリーチの当否に関する当落分岐演出(煽り演出)を実行することが可能となる。
一方、図中(E)及び(F)に示すように、当該変動表示の停止時に、保留画像H3の表示態様が「白色」から「青色」に変化する場合(相対的に大当り期待度の低い表示態様に変化する場合)は、この変動停止時のタイミングにて、保留変化図柄を停止表示させることなく、リーチはずれとなる装飾図柄の組み合わせ態様(「2」−「3」−「2」)が確定表示された後、当該保留変化が発生する。
なお、本例とは異なり、変動表示中に強SPリーチ演出が発生した場合には、保留画像の表示態様がいずれの表示態様に保留変化する場合であっても、保留変化図柄の使用は禁止される。
<作用4>
次に、図57を参照して、補正変化処理を実行する場合について説明する。図中(A)に示すように、第1特別図柄の作動保留球が1個ある状態(保留画像H1)にて、装飾図柄の変動表示(1回目の変動表示)が実行されているとき、新たな始動入賞が発生したものとする。なお、図中には、この時点における第1特別図柄の作動保留球の入球順に従って、1個目の保留画像を「H1」で表すとともに、変動表示の対象となる保留画像(今回消化された保留画像)を「H0」で表している。この新たな始動入賞に基づく2個目の作動保留球が発生することで、その事前判定結果に基づき保留変化先読み抽選が実行され、保留変化パターンが決定される。本例では、この2個目の作動保留球(トリガ保留)の保留変化のルートとして、保留変化パターン20が選択されたものとする。この保留変化パターン20には、保留表示データ1=白、保留表示データ2=青、保留表示データ3:緑、及び保留表示データ4:赤が設定されている。このとき、今回新たに発生した作動保留球の保留順序と上記の保留表示データ1〜4とを参照することで、次回の変動表示の開始時に補正変化処理を実行するか否かが判定され、その結果、補正変化処理を実行することが決定される。
図中(B)に示すように、今回入賞した作動保留球(トリガ保留)に対応する保留画像H2が2番目の保留画像として表示される。この保留画像H2の表示態様は、上記の保留表示データ1に従い「白色」となる。なお、図中(C)に示すように、この1回目の変動表示(入賞時の変動表示)の停止時に保留変化は発生せず、保留画像H2は「白色」のままである。
続いて、図中(D)に示すように、次回の変動表示(2回目の変動表示)が開始されると、この変動表示の対象となる保留画像H1が保留消化表示領域703へシフトするとともに、消化前の保留画像H2がひとつ右側の表示領域へシフトする。
次いで、図中(E)に示すように、保留画像H2がシフトされた直後、補正変化処理として、該保留画像H2の表示態様が「白色」から「緑色」に変化する。このように補正変化処理が実行されると、その変動開始時に、昇格幅を調節するための保留変化が割込み的に実施される。
次いで、図中(F)に示すように、この2回目の変動表示の停止のタイミングにて、三列の装飾図柄が左図柄→右図柄→中図柄の順に停止する際に、中図柄が「UP」に変化して保留変化図柄が確定表示される。この保留変化図柄演出が実行されることで、遊技者に対して保留変化の発生が予告される。
続いて、図中(G)に示すように、装飾図柄の確定表示の直後、保留画像H2の表示態様が「緑色」から「赤色」へ変化する。このとき、上記の補正変化処理において、今回の変動開始時に、保留画像が「緑色」に保留変化されて、保留変化による昇格幅が調節されるため、大当り期待度を誤認させる事態を未然に防止することができる。そして、図中(H)に示すように、トリガ保留(保留画像H2)が消化されて、次々回の変動表示(3回目の変動表示)が開始される。
[効果]
以上、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMでは、入賞時の保留個数に依存しない抽選テーブルにて先読み抽選を実行し、該先読み抽選にて決定された保留変化パターンのシナリオに従い保留変化を発生させることで、従前のように入賞時の保留個数に対応した抽選テーブルを何個も用意する必要がなく、保留消化のタイミングごとに先読み抽選を実行する必要性もないため、遊技演出を制御するための処理を簡素化することができるとともに、簡素化した分の処理に係るデータ容量を削減することができ、その結果、遊技演出の制御を円滑に進めて、遊技の趣興性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMでは、遊技者にとって注目度の高い装飾図柄を利用した保留変化示唆演出(保留変化図柄演出)を実行することで、遊技者に対して保留変化(保留画像の表示態様の変化)が発生することを明確に教示することができるため、保留変化による演出効果をより一層高めることができ、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMでは、保留変化先読み演出が装飾図柄の特定態様の図柄組み合わせ(例えばチャンス目)を利用した他の先読み演出と競合する場合(同時発生する場合)には、他の先読み演出を優先して、保留変化図柄演出を禁止することで、上記特定態様の図柄組み合わせの法則性を崩すことがなくなるとともに、保留変化先読み演出及び他の先読み演出の競合により演出効果が相互に希薄になるのを回避することができ、遊技の興趣性の低下を防止することが可能となる。
また、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMでは、保留変化先読み演出が装飾図柄の変動表示としてリーチ演出と競合する場合(同時発生する場合)には、リーチ演出を優先して、保留変化図柄演出を禁止することで、そのリーチ演出の表示過程において3つの装飾図柄のうち左図柄及び右図柄が揃い残りの中図柄も揃って大当り発生となるか否かに遊技者の注目が集まったにも関わらず、その変動停止時に(特に、残りひとつの中図柄として)保留変化図柄が停止してはずれ確定となり、更には、保留変化した保留画像が相対的に大当り期待度の低い表示態様に変化することにより、遊技者の大当りへの期待感が同時多発的に減殺される事態を回避して、遊技の興趣性の低下を防止することが可能となる。
また、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMでは、保留画像の表示態様を所定のタイミングにて補正変化させることで、入賞時の保留個数に依存しない単一の抽選テーブルを利用する弊害として、保留画像の表示態様が1回の変化で想定以上の昇格幅となることにより、遊技者に対して大当り期待度を誤認させる事態を未然に防止することができるため、遊技の興趣性の低下を防止することが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。また、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素を適宜組み合わせたもの、あるいは、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素のうち一部を削除又は周知・慣用技術等で転換したものについても、本発明の範囲に含まれるものである。
上述の実施形態では、特別図柄の作動保留球の消化順序として、第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化する優先消化を採用しているが、この構成に限定されるものではない。例えば、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数とを併存させて、第1始動口61および第2始動口62への入球順序に従って第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球を消化するように構成してもよい。このように作動保留球の消化順序を始動口61,62への入球順とした場合には、当然ながら、特別図柄の変動開始条件は優先消化の場合と異なる。すなわち、入球順の場合には、特別図柄の変動開始条件として、(1)大当り又は小当り中ではないこと、(2)第1特別図柄および第2特別図柄のいずれも変動待機中であること、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球数が存在すること、(4)今回消化される作動保留球の消化順序が入球順と整合していること、の全ての条件を満足したときに、変動開始可能と判断する。また、作動保留球の消化順序を始動口61,62への入球順とした場合には、作動保留球を更新するとき、すなわち、作動保留球を獲得又は消化するときに、当該作動保留球の更新だけではなく、第1特別図柄および第2特別図柄の合計作動保留球数の更新、入球順序の更新を行う必要がある点で、優先消化を採用した場合と異なる。
また、上述の実施形態では、遊技状態が通常状態であるときの第1特別図柄の作動保留球を対象とした保留変化について説明したが、この構成に限定されるものではなく、遊技状態が確変状態であるときの第2特別図柄の作動保留球を対象とした保留変化、或いは、いずれの遊技状態であっても第1特別図柄及び第2特別図柄の双方の作動保留球を対象とした保留変化を適用してもよい。
また、上述の実施形態では、第1特別図柄および第2特別図柄の双方に作動保留球が存在する場合でも、作動保留球数が消化されるのはいずれか一方の特別図柄であり、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に当否抽選や図柄変動等が行われることのない、いわゆる直列の機種になっている。一方、第1特別図柄と第2特別図柄とが独立して当否抽選や図柄変動等が行われる、いわゆる並列の機種を採用してもよい。この並列の機種によれば、特別図柄の変動開始条件に、相手側の特別図柄の動作状態(つまり変動待機中であること)を条件にいれる必要がなくなるため、制御に関する処理負担が軽減される。
また、上述の実施形態では、第1始動口61と第2始動口62とを遊技領域PAの略中央に上下に並べて配置した構成を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、遊技領域における相対的に左側の領域に第1始動口61を配置し、相対的に右側の領域に第2始動口62を配置することにより、二つの始動口61,62への入球を打ち分け可能な構成としてもよい。