以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成を説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bが設けられているが、遊技機は、1つの特別図柄表示器のみを備えていてもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である始動条件が成立(例えば、遊技球が始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した装飾用(演出用)の演出図柄(飾り図柄)の可変表示が行われる。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9の表示画面には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)になる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示が使用されるが、演出表示装置9で行われる演出は、演出図柄の変動表示に限られず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9の表示画面には、実行中の可変表示に対応する保留表示を可変表示対応表示として表示する可変表示対応表示部(保留ボックス)9Fの表示領域がある。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間に従って演出図柄の変動表示が制御される。よって、変動パターンコマンドにもとづいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、同期して実行される。同期するとは、変動開始タイミングおよび変動終了タイミングが略同じであることを意味する。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域である大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
なお、この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態(確変状態:通常状態と比較して大当りとなる確率が高められた遊技状態)に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8や演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる。)ように制御された遊技状態である高ベース状態(高頻度状態)に移行する。高ベース状態である場合には、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータは、遊技の進行状態を示すデータに相当する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新する乱数発生機能を有する。そして、読出される数値データが乱数値として使用される。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作を説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り決定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り決定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り決定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り決定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、CPU56は、乱数を用いた変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り決定用乱数等の各決定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(決定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。(1)ランダム1:大当りの種類(確変大当り、通常大当り)を決定する(大当り種別決定用)(2)ランダム2:変動パターンの(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)(3)ランダム3:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り決定用)(4)ランダム4:ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)
図6に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別決定用乱数、および(3)の普通図柄当り決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが決定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2)または初期値用乱数(ランダム4)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り決定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図7は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り決定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り決定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当り、または通常大当り)にすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図7(B)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別決定用乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
「通常大当り」は、大当り遊技中に大入賞口が15回(15ラウンド)開放し、大当り遊技が終了すると遊技状態を非確変状態(低確率状態)に移行させることになる大当りである。また、大当り遊技が終了すると遊技状態は、時短状態(高ベース状態)に移行する。時短状態は、特別図柄の可変表示(変動)が100回実行されるまで継続する。「確変大当り」は、大当り遊技中に大入賞口が15回(15ラウンド)開放し、大当り遊技が終了すると遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させることになる大当りである。また、大当り遊技が終了すると遊技状態は、時短状態(高ベース状態)に移行する。時短状態は、次に大当りが発生するまで継続する。
なお、この実施の形態では、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」があるが、他の大当り種別があってもよい。
図8は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図8において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。図8に示すように、この実施の形態では、リーチ演出(ノーマルリーチ、スーパーリーチ)が実行されない変動パターン(非リーチ変動パターン)とリーチ演出が実行される変動パターン(リーチ変動パターン)とがある。リーチ変動パターンは、1回の可変表示(変動)中に1回以上演出図柄(はずれ図柄)が仮停止表示および再変動されるような擬似連演出が行われた後にリーチ演出が実行される変動パターン(擬似連変動パターン)を含む。
図9および図10は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン決定テーブルを示す説明図である。図9および図10に示す例では、はずれ変動パターン決定テーブルとして、低ベース状態(非時短状態)で使用されるテーブルと、高ベース状態(時短状態)で使用されるテーブルとがある。図9および図10に示すように、この実施の形態では、非時短状態(低ベース状態)で使用されるはずれ変動パターン決定テーブルでも時短状態(高ベース状態)で使用されるはずれ変動パターン決定テーブルでも、スーパーリーチの変動パターンについては共通の範囲(25〜30)の判定値が割り当てられている。
なお、はずれ変動パターン決定テーブルとして、合算保留記憶数に応じた複数のテーブルを用いてもよい。その場合にも、複数のテーブルにおいて、スーパーリーチの変動パターンについては共通の範囲の判定値が割り当てられていることが好ましい。入賞時判定処理が実行される時点と可変表示(変動)開始時において大当り等の判定が実行される時点とで保留数が異なっていても、スーパーリーチになるか否かの判定については、判定結果が一致するからである。また、はずれ変動パターン決定テーブルとして、第1特別図柄に対応するはずれ変動パターン決定テーブルと第2特別図柄に対応するはずれ変動パターン決定テーブルとを別に設けてもよい。
図11は、ROM54に記憶されている大当り変動パターン決定テーブルを示す説明図である。
図9および図10に示すはずれ変動パターン決定テーブルおよび図11に示す大当り変動パターン決定テーブルには、各々の変動パターンに対応する判定値が設定されている。
図12および図13は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図12および図13に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動時間の情報を含む変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図8に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を特定可能な演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(以下、大当り開始指定コマンドまたはファンファーレ指定コマンドともいう。)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。
コマンドB001(H)は、遊技状態が低ベース状態であることを示す演出制御コマンド(低ベース状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が高ベース状態であることを示す演出制御コマンド(高ベース状態指定コマンド)である。コマンドB003(H)は、遊技状態が確変状態でないことを示す演出制御コマンド(非確変状態指定コマンド)である。コマンドB004(H)は、遊技状態が確変状態であることを示す演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
なお、低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドおよび確変状態指定コマンドを遊技状態指定コマンドと総称することがある。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。
コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果(始動入賞が生じたときに実行される判定処理の結果)の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施の形態では、後述する入賞時判定処理(図17参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14において始動入賞が生じたときに、その始動入賞にもとづいて大当りとなるか否かを判定するとともに、その始動入賞にもとづく可変表示の変動パターンを判定する。そして、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに判定結果を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。
また、この実施の形態では、特別図柄表示器8に大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13または第2始動口スイッチ14への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図15は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認する(ステップS211A)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212A)。第1保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS211Bに移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213A)、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214A)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図16参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215A)。なお、ステップS215Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)および変動パターン決定用乱数(ランダム2)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
図16は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図16に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
また、CPU56は、遊技状態が高ベース状態であるか否か確認する。具体的には、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS216A)。セットされている場合には、ステップS219Aに移行する。時短フラグがセットされていない場合には、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(ステップS217A)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上である場合には(すなわち、大当り遊技状態であれば)、CPU56は、ステップS219Aに移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満である場合には、検出した始動入賞にもとづく変動(可変表示)がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターンを始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS218A)。そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS219A)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
次いで、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(ステップS211B)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が上限値である4であるか否かを確認する(ステップS212B)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。
第2保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに(ステップS213B)、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214B)。
そして、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215B)。ステップS215Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)および変動パターン決定用乱数(ランダム2)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を抽出するようにしてもよい。
また、CPU56は、入賞時判定処理を行う(ステップS218B)。また、CPU56は、合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行う(ステップS219B)。
なお、第1始動入賞の場合と同様に、大当り遊技中には、ステップS218Bの処理を実行しないようにしてもよい。また、ステップS218Aの処理は、低ベース状態でのみ実行されるが、ステップS218Bの処理を、高ベース状態でのみ実行するようにしてもよい。
図17は、ステップS218A,S218Bの入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理では、CPU56は、ステップS215A,S215Bの処理で抽出され保留記憶バッファに格納された大当り判定用乱数(ランダムR)と図7(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS221)。
なお、この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りとするか否かを決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動が開始される前に、入賞時判定処理を実行する。入賞時判定処理における判定結果を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信することによって、演出図柄の変動が実行されるより前に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りやリーチになることを予告する保留予告演出(先読み予告演出)を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS215A,S215Bの処理で抽出され保留記憶バッファに格納された変動パターン決定用乱数と大当り変動パターン決定テーブル(図11参照)とを用いて変動パターンを判定し、判定結果に応じたEXTデータ(「07」〜「0C」のいずれか:図13参照)を入賞時判定結果指定コマンドに設定する(ステップS222)。そして、ステップS229に移行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致しない場合には、CPU56は、ステップS215A,S215Bの処理で抽出され保留記憶バッファに格納された変動パターン決定用乱数と変動パターン決定テーブルとを用いて、変動パターンがリーチ演出を伴うリーチ変動パターンになるか否か判定する(ステップS225,S226)。
ステップS225の処理では、CPU56は、遊技状態(時短状態/非時短状態)に応じたはずれ変動パターン決定テーブル(図9および図10参照)を使用する。
変動パターンがリーチ変動パターンになる場合には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして、リーチの種類に応じたリーチはずれ(変動パターンはリーチ変動パターンであるが、表示結果ははずれ図柄)に対応するデータ(「02」〜「06」のいずれか:図13参照)を設定する(ステップS228)。そして、ステップS229に移行する。
入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータとして、非リーチはずれ(変動パターンはリーチ変動パターンではなく、かつ、表示結果ははずれ図柄)に対応するデータ(「01」:図13参照)を設定する(ステップS228)。そして、ステップS229に移行する。
なお、ステップS229の処理では入賞時判定結果コマンドが送信されるのであるが、非リーチはずれに対応するデータが設定された入賞時判定結果コマンドが送信される場合に、実はリーチはずれであるということもある(遊技状態が非時短状態(低ベース状態)である場合)。しかし、リーチはずれに対応するデータが設定された入賞時判定結果コマンドが送信されたときに、実は非リーチはずれであったということはない。
ステップS229では、CPU56は、ステップS222,S227,S228の処理でEXTデータが設定された入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。
図18および図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。すなわち、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。なお、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行されるが、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行されるようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示が第2特別図柄の変動表示よりも優先して実行されるようにしてもよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄保留記憶表示器(第1特別図柄保留記憶表示器18aまたは第2特別図柄保留記憶表示器18b)の点灯個数を1減らす(ステップS57)。また、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタ(第1保留記憶数カウンタまたは第2保留記憶数カウンタ)の値を1減らす(ステップS58)。また、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS59)。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当りにするか否か決定する。すなわち、大当り判定用乱数の値が大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値(図7(A)参照)のいずれかに一致するか否か判定する(ステップS61)。なお、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS216Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS216Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とを比較する処理)を行う。具体的には、CPU56は、現在の遊技状態に応じて、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かは、確変フラグがセットされているか否かを確認することによって判定される。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りとすることに決定された後大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当りとすることに決定した場合には、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
ステップS61で、ランダムR(大当り判定用乱数)の値がいずれの大当り判定値にも一致しないことを確認した場合には、すなわち、はずれである場合には、ステップS74に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、CPU56は、大当り種別判定テーブル(図7(B)参照)を用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS72)。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS73)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS74)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄である「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄である「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定するが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS75)。
図20は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされているときは、CPU56は、大当り変動パターン決定テーブル(図11参照)を用いることに決定する(ステップS92)。大当りフラグがセットされていなければ、はずれ変動パターン決定テーブル(図9および図10参照)を用いることに決定する(ステップS93)。なお、CPU56は、ステップS93の処理を実行するときに、時短フラグがセットされている場合には図10に示すはずれ変動パターン決定テーブルを使用し、時短フラグがセットされていない場合には図9に示すはずれ変動パターン決定テーブルを使用する。
CPU56は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、大当り用変動パターン決定テーブルまたははずれ用変動パターン決定テーブルを用いて演出図柄の変動パターンを決定する(ステップS101)。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンが演出表示装置9で実行される演出図柄の変動パターンと決定される。なお、この実施の形態では、変動パターン決定用乱数は始動入賞発生時に抽出され乱数格納バッファに格納されているが、CPU56は、変動パターン決定用乱数を、特別図柄の変動開始時に抽出(例えば、変動パターン設定処理において抽出)し、抽出した乱数にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンド)を送信する制御を行い(ステップS103)、決定された変動パターン(変動時間)に応じた変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を送信する制御を行う(ステップS102)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスタイマに変動時間をセットする(ステップS104)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値に更新する(ステップS105)。
図21は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、大当りであるか否かや、決定されている大当りの種類に応じて、表示結果1指定〜表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンド(図12参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS111)。セットされていない場合には、ステップS113に移行する。
大当りフラグがセットされている場合、大当りの種類(種別)に応じて、表示結果2指定〜表示結果3指定のいずれかの演出制御コマンド(図12参照)を送信する制御を行う。大当り種別は、特別図柄通常処理のステップS73の処理で大当り種別バッファに設定されたデータによって判定される。
ステップS113では、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS114)。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS127)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS128)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS129)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、処理を終了する。
なお、この実施の形態では、特別図柄の変動表示は、具体的には、特別図柄変動中処理となり特別図柄プロセスフラグの値が3となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理(ステップS32参照)において、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定されることによって行われる。そして、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の変動表示が実行される。
また、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4(特別図柄停止処理を示す値)となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理(ステップS32参照)において特別図柄の停止図柄(特別図柄通常処理のステップS65で決定された停止図柄)を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定されることによって行われる。そして、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態(高ベース状態)であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS138)。
また、ステップS133で大当りフラグがセットされていないことを確認した場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS140)。セットされている場合には、ステップS147に移行する。確変フラグがセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。セットされていない場合には、時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態ではないが、時短状態である場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。また、低ベース状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS146)。
ステップS147では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する。
図24は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過している場合には、CPU56は、大当りの種別が確変大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS73の処理で大当り種別バッファに設定されたデータによって判定される。確変大当りでない場合には、ステップS172に移行する。
確変大当りである場合には、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS170)。また、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS171)。そして、ステップS174に移行する。
ステップS170,S171の処理が実行されることによって、この実施の形態では、確変大当りにもとづく大当り遊技を終了するときに、遊技状態が確変状態(高確率状態)に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される(すなわち、高確率/高ベース状態に移行される)。
なお、この実施の形態では、ステップS173の処理でセットされた時短フラグは、可変入賞球装置15の開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。また、時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
ステップS172では、CPU56は、時短回数(時短状態における変動可能回数)をカウントするための時短回数カウンタに所定数(例えば、100)をセットする(ステップS172)。また、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS173)。そして、ステップS174に移行する。
ステップS174では、CPU56は、現在の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンド(低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドまたは確変状態指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。ステップS174の処理で、UCPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、高ベース状態指定コマンドを送信する制御を行う。時短フラグがセットされていない場合には、低ベース状態指定コマンドを送信する制御を行う。また、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態指定コマンドを送信する制御を行う。確変フラグがセットされていない場合には、非確変状態指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技が終了する度に遊技状態指定コマンドを送信するが、例えば、遊技状態指定コマンドを送信しようとする前に、遊技状態が変化したか否かを判定し、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを送信するようにしてもよい。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS175)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図25は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御処理の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。さらに、演出図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存されている。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU101が、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図12および図13参照)であるのか解析する。
図26は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドはコマンド受信バッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
なお、コマンド受信バッファへのコマンドの格納は、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から出力される演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって、まず1バイトのMODEデータの取り込み処理を行い、コマンド受信バッファに格納される。次いで、演出制御INT信号がオフされた後、次の演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって、1バイトのEXTデータの取り込み処理を行い、コマンド受信バッファの次の領域に格納される。以上の処理によって、1つの演出制御コマンド(2バイトのコマンド)が取り込まれ、コマンド受信バッファに格納される。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS622)。そして、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS623)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS624)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS625)。
受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、受信した入賞時判定結果指定コマンドを、RAMに形成されている入賞時判定結果記憶バッファの空いている最初の格納領域に格納する(ステップS652)。
図27は、入賞時判定結果記憶バッファの構成例を示す説明図である。図27に示すように、入賞時判定結果記憶バッファには、合算保留記憶数の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。
各々の格納領域には、入賞時判定結果指定コマンドを格納する領域と、保留記憶ステップ加算指定コマンド(第1保留記憶ステップ加算指定コマンド、第2保留記憶ステップ加算指定コマンド)を格納する領域とがある。また、入賞時判定結果記憶バッファには、演出制御用CPU101が決定した保留予告パターンを格納する領域(保留予告パターン格納領域)もある。
また、図27には、5個の入賞時判定結果指定コマンドが受信された例(保留記憶数が5である場合に相当)が示されている。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている入賞時判定結果記憶バッファの空いている最初の格納領域に格納する(ステップS662)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS663)、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている入賞時判定結果記憶バッファの空いている最初の格納領域に格納する(ステップS664)。
ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、演出制御用CPU101は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS671)。
図28は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図28に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、保留予告演出決定用乱数SR2を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、演出図柄の可変表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される演出図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、演出図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの演出図柄のことである。なお、演出図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
保留予告演出決定用乱数SR2は、先読み予告演出としての保留予告を実行するか否かを決定するために用いられる乱数である。
図29は、保留表示の変化例を示す説明図である。図29には、始動入賞にもとづく演出図柄の可変表示(変動)が開始される前に保留表示の態様(表示態様)が変化する変動開始前態様変化の例が示されている。なお、図29には、可変表示(変動)が開始される前の時点として、始動入賞が生じたときが例示されている。
図29に示す例では、左中右の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて演出図柄の可変表示が実行されているときに(図29(A)参照)、新たな始動入賞が発生すると保留表示の数が1増える。なお、新たな始動入賞に対応する保留表示(保留表示Aとする。)は、通常態様とは異なる態様で表示されることがある。
図29に示す例では、2回の可変表示(始動入賞時に実行されていた可変表示を含む)が実行され、3回目の可変表示が開始されたときに、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、保留表示Aが通常態様とは異なる態様に変える(図29(C),(D)参照)。
図30は、保留表示の変化の他の例を示す説明図である。図30に示す例では、擬似連変動パターンによって演出図柄の可変表示(変動)が行われる。そして、可変表示を開始可能な状態になると、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、可変表示を開始するときに、開始される可変表示に対応する保留表示(保留表示Bとする。)であった表示物(表示B(可変表示対応表示に相当)とする。)を可変表示対応表示部9Fの内部に表示する(図30(A),(B)参照)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常の表示領域から保留表示Bを消去する。
その後、1回目の仮停止を行った後、1回目の再変動を開始するときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示画面(例えば、可変表示対応表示部9Fの近傍)に所定のキャラクタ画像9aを表示する(図30(C),(D)参照)。ここで、キャラクタとは、人間、動物、および、植物等の生物、ならびに、何らかのシンボル、文字、および、記号等の生物以外の物を示す映像(これらをそのまま示す画像およびこれらをモチーフとした画像を含む)をいい、遊技者が、図柄(演出図柄)とは異なる画像として認識できるものであれば、あらゆる画像が含まれる。演出制御用マイクロコンピュータ100は、キャラクタ画像9aが表示されているときには、キャラクタ画像9aが動くような表示制御を行う。従って、可変表示対応表示部9Fに表示されている実行中の可変表示に対応する保留表示(具体的には、可変表示対応表示)にキャラクタ画像9aが作用することによって実行中の可変表示に対応する保留表示の態様が変化するような表示演出が実現される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1保留記憶表示部18cに表示されている保留表示についても、キャラクタ画像9aが作用することによって表示態様が変化するような表示演出を行ってもよい(第2保留記憶表示部18dに表示されている保留表示についても同様)。
そして、2回目の仮停止を行った後、2回目の再変動を開始するときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示対応表示部9Fの内部で表示Bの態様を変える(図30(E),(F)参照)参照)。なお、演出図柄の仮停止時にはキャラクタ画像9aは表示画面から消去されているが(図30(E)参照)、キャラクタ画像9aを継続して表示しておくようにしてもよい。
なお、図30に示す例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2回目の再変動を開始するときに表示Bの表示態様を変更するが、1回目または3回目の再変動を開始するときに表示Bの表示態様を変更することがある。
ただし、何回目の再変動を開始するときに表示Bの表示態様を変更する場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、1回目の再変動を開始するときに、表示画面に所定のキャラクタ画像9aを表示する(図30(D)参照)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、キャラクタ画像9aの表示開始時点を同じにするのではなく、変化する変動や再変動時にキャラクタ画像9aを表示開始するようにしてもよい。その場合にも、キャラクタ画像9aを表示した後表示画面から消去するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、キャラクタ画像9aのみが使用されるが、複数種類のキャラクタ画像から選択して使用するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りになる場合に、はずれになる場合に比べて、特定のキャラクタ画像を高い割合で選択する。また、キャラクタ画像の違いに応じて、表示Bの態様を変化させる割合を異ならせてもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、キャラクタ画像9aを表示した場合に、再変動が開始されたときに表示Bの態様が必ず変化するように制御するが、表示Bの態様を変化させない場合にも、キャラクタ画像9aを表示するようにしてもよい。
なお、第1保留記憶表示部18cにおける保留表示と第2保留記憶表示部18dにおける保留表示とに関して別個の可変表示対応表示部9Fが設けられていてもよいが、第1保留記憶表示部18cにおける保留表示と第2保留記憶表示部18dにおける保留表示とで可変表示対応表示部9Fは共用されることが好ましい。すなわち、第1保留記憶表示部18cにおける保留表示の移動先と第2保留記憶表示部18dにおける保留表示の移動先とが同じであることが好ましい。そのように構成されている場合には、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示が連続して実行される場合でも、可変表示対応表示が視認しづらくなることはない。
図31は、メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、保留予告処理を実行した後(ステップS800A)、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面(ファンファーレ画面)を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図32は、保留予告処理(ステップS800A)を示すフローチャートである。保留予告処理において、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドを受信したか否か確認する(ステップS6000)。なお、第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドを受信したか否かを判定するために、例えば、図26に示すステップS662,S664の処理でコマンドを受信したことを示すフラグをセットする。そして、ステップS6001の処理で、当該フラグがセットされているか否かによって、第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドを受信したか否か確認可能である。
第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合には、演出制御用CPU101は、先読み予告演出の実行中または実行することに決定されているか否か確認する(ステップS6001)。具体的には、先読み予告演出実行フラグがセットされているか否か確認する。
先読み予告演出の実行中または実行することに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、通常態様(「青」の態様)で第1保留記憶表示部18cまたは第2保留記憶表示部18dにおける保留表示を1増やす(ステップS6002)。なお、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数加算指定コマンドが受信されたときには第1保留記憶表示部18cにおける保留表示を1増やし、第2保留記憶数加算指定コマンドが受信されたときには第2保留記憶表示部18dにおける保留表示を1増やす。
先読み予告演出の実行中でもなく実行することに決定されていない場合には、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果コマンドにもとづいて、発生した保留記憶にもとづいて開始される可変表示(変動)の変動パターンが擬似連変動を含む変動パターン(ただし、ノーマルリーチを除く。また、図8および図13参照)であるか否か確認する(ステップS6003)。擬似連変動パターンでない場合には、ステップS6002に移行する。
擬似連変動パターンである場合には、演出制御用CPU101は、低ベース状態で第1保留記憶数加算指定コマンドを受信したか、または、高ベース状態で第2保留記憶数加算指定コマンドを受信したか否か確認する(ステップS6004)。
いずれかである場合には、ステップS6005に移行する。いずれでもない場合には、ステップS6002に移行する。
この実施の形態では、ステップS6004の処理が実行されることによって、低ベース状態では第1始動入賞口13への入賞にもとづいて保留記憶が増加したときに先読み予告演出が実行可能になり、高ベース状態では第2始動入賞口14への入賞にもとづいて保留記憶が増加したときに先読み予告演出が実行可能になる。
ステップS6005では、演出制御用CPU101は、予告の対象でない保留記憶が2以上あるか否か確認する(ステップS6005)。予告の対象は、図27に示された入賞時判定結果記憶バッファにおける最新の格納領域(合算保留記憶数の値と等しい番号の格納領域)に格納された入賞時判定結果指定コマンドに対応する保留記憶である。また、演出制御用CPU101は、例えば、入賞時判定結果記憶バッファにおいて、予告の対象に対応する入賞時判定結果指定コマンドが格納されている格納領域の前(番号が小さい格納領域)の2つ以上において保留予告パターンが格納されていない場合に、保留記憶が2以上でないと判定する。保留記憶が2以上でない場合には、ステップS6002に移行する。
保留記憶が2以上である場合には、保留予告演出の決定を行う(ステップS6006)。ステップS6006の処理で使用する入賞時判定結果コマンドは、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドに対応するコマンドである。すなわち、入賞時判定結果記憶バッファ(図27参照)において、最後にコマンドが格納された格納領域(最新のコマンドが格納されている格納領域)に格納されている入賞時判定結果コマンドである。
図33および図34は、ステップS6006の処理で使用される保留予告演出決定テーブルの一例を示す説明図である。図33および図34に例示する保留予告演出決定テーブルには、保留表示および可変表示対応表示の態様と保留表示および可変表示対応表示の態様の変化時期とに対応して、判定値が設定されている。なお、図33および図34には、判定値数が示されている。
図33に示す例において、「青」、「青」、「青」のパターンは、保留予告を実行しないことに対応するパターンである。「青」は、保留表示の通常態様だからである。なお、「青」、「青」、「青」は、変動開始前の態様が「青」、保留記憶にもとづく変動が開始された後の1回目の再変動時の態様が「青」、2回目の再変動時の態様が「青」であることを意味する。このことは、他のパターンについても同様である。
「青」、「青」、「黄」のパターンと「青」、「青」、「赤」のパターンは、2回目の再変動時に可変表示対応表示の態様が変化することに対応するパターンである。「青」、「黄」、「黄」のパターンは、1回目の再変動時に可変表示対応表示の態様が変化することに対応するパターンである。「青」、「黄」、「赤」のパターンは、1回目および2回目の再変動時に可変表示対応表示の態様が変化することに対応するパターンである。
「黄」、「黄」、「黄」のパターンと「赤」、「赤」、「赤」のパターンは、変動開始前に保留表示の態様が変化することに対応するパターンである。「黄」、「黄」、「赤」のパターンは、変動開始前に保留表示の態様が変化し、かつ、2回目の再変動時に可変表示対応表示の態様が変化することに対応するパターンである。
図34に示す例において、「青」、「青」、「青」、「青」のパターンは、保留予告を実行しないことに対応するパターンである。
「青」、「青」、「黄」、「黄」のパターンは、2回目の再変動時に可変表示対応表示の態様が変化することに対応するパターンである。「青」、「青」、「青」、「赤」のパターンは、3回目の再変動時に可変表示対応表示の態様が変化することに対応するパターンである。
「青」、「黄」、「黄」、「黄」のパターンは、1回目の再変動時に可変表示対応表示の態様が変化することに対応するパターンである。「青」、「黄」、「黄」、「赤」のパターンは、1回目および3回目の再変動時に可変表示対応表示の態様が変化することに対応するパターンである。
「黄」、「黄」、「黄」、「黄」のパターンと「赤」、「赤」、「赤」、「赤」のパターンは、変動開始前に保留表示の態様が変化することに対応するパターンである。
「黄」、「黄」、「黄」、「赤」のパターンは、変動開始前と3回目の再変動時に可変表示対応表示の態様が変化することに対応するパターンである。「青」、「黄」、「赤」のパターンは、1回目および2回目の再変動時に可変表示対応表示の態様が変化することに対応するパターンである。
「黄」、「黄」、「黄」のパターンと「赤」、「赤」、「赤」のパターンは、変動開始前に保留表示の態様が変化することに対応するパターンである。「黄」、「黄」、「黄」、「赤」のパターンは、変動開始前に保留表示の態様が変化し、かつ、2回目の再変動時に可変表示対応表示の態様が変化することに対応するパターンである。
なお、この実施の形態では、入賞時判定結果コマンドが大当り(かつ、再変動2回または3回))を示すコマンドである場合に使用される保留予告演出決定テーブル(大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブル)と、入賞時判定結果コマンドがスーパーリーチ(はずれ)(かつ、再変動2回または3回))を示すコマンドである場合に使用される保留予告演出決定テーブル(スーパーリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブル)とがある。
また、図33および図34に示すパターンは一例であって、他のパターンを用いてもよい。例えば、再変動2回の場合の「1回目の再変動時」の「赤」に変化したり、再変動3回の場合の「2回目の再変動時」の「赤」に変化するパターンがあってもよい。
図33および図34に示す例では、大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、スーパーリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルに比べて、2回目または3回目の再変動時に可変表示対応表示の表示態様が「赤」になるパターン(パターン5)に多くの判定値が割り合てられている。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示が開始される前に特定表示結果になると判定した場合と特定表示結果にならないと判定した場合とで、異なる割合で特定態様(例えば、「赤」または「黄」の態様)で可変表示対応表示の表示を行う。
また、「赤」の態様に着目すると、大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、スーパーリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルに対して、遅いタイミング(この例では、「2回目または3回目の再変動時」)で「赤」の態様に変化するパターン(パターン3,5,13,15)に、早いタイミング(この例では、「変動開始前」および再変動2回の場合の「1回目の再変動時」または「変動開始前」および再変動3回の場合の「2回目の再変動時」)で「赤」の態様に変化するパターン(パターン8,18)に比べて、多くの判定値が割り当てられている(割り当てられている判定値の割合が高い)。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示の表示結果が特定表示結果になるか否かに応じて、複数のタイミングのうちいずれのタイミングで特定態様に変化させるかの割合を異ならせる。
なお、この実施の形態では、より遅いタイミングで特定の態様(例えば、最終態様としての「赤」)に変化する方が大当りに対する期待度は高いが、逆に、早いタイミングで特定の態様に変化する方が大当りに対する期待度を高くするようにしてもよい。
また、「赤」の態様に着目すると、大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、スーパーリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルに対して、変動開始前に「赤」の態様に変化するパターン(パターン8)に、可変表示(変動)中(具体的には、「1回目の再変動時」および「2回目の再変動時」)に「赤」の態様に変化するパターン(パターン3,5,13,15)に比べて、少ない判定値が割り当てられている(割り当てられている判定値の割合が低い)。すなわち、可変表示中に可変表示対応表示の態様が特定態様に変化するときと、変動開始前に保留表示の態様が特定態様に変化するときとで、可変表示の表示結果が特定表示結果になる割合が異なる。
また、大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルでも保留予告演出決定テーブルでも、可変表示開始後(具体的には、「1回目の再変動時」および「2回目の再変動時」)に着目すると、可変表示開始前の保留表示の態様が「黄」である場合に比べて、「青」である場合の方が、高い割合で、可変表示開始後に、可変表示対応表示の態様が変化する。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示が開始される前の保留表示の態様に応じて、保留表示の態様を変化させる割合を異ならせる。逆に、可変表示開始前の保留表示の態様が通常態様である「青」である場合に比べて、「黄」である場合の方が、高い割合で、可変表示開始後に、可変表示対応表示の態様が変化する(この例では、「赤」に変化する。)ようにしてもよい。
なお、図33および図34に示す保留予告演出決定テーブルにおける判定値の割り当て方は一例であり、他の例を用いてもよい。その場合、大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルでは、スーパーリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルに比べて、最終的に「赤」の態様(特定態様)になるパターンに割り当てられる判定値数の比率が高く、最終的に「黄」の態様になるパターンに割り当てられる判定値数の比率が中程度であり、最終的に「青」の態様(特定態様)になるパターンに割り当てられる判定値数の比率が最も低いことが好ましい。
また、可変表示開始前では、保留表示の態様を「赤」の態様(特定態様)にしないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示開始前に(一例として、始動入賞時に)、全ての時期(始動入賞時、可変表示中)における保留表示の態様を決定するが、入賞時判定結果コマンドにもとづいて可変表示が開始されるまでの態様を可変表示開始前に決定し、可変表示開始時に、例えば表示結果指定コマンドにもとづいて可変表示中の態様を決定するようにしてもよい。
始動入賞時と可変表示開始前との各々において、あらかじめ決められている割合にもとづいて別個に決定する場合には、保留表示の態様が変化するタイミングの割合を異ならせることができる。さらに、可変表示開始前に、可変表示中の態様とをあらかじめ決められている割合にもとづいて別個に決定するようにしてもよい。その場合にも、保留表示の態様が変化するタイミングの割合を異ならせることができる。
演出制御用CPU101は、ステップS6006の処理で、保留予告決定用乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値(保留予告演出決定テーブルに設定されている判定値)に対応するパターンを、保留表示を変化させるパターンとして決定する。なお、入賞時判定結果指定コマンドが大当りを示している場合には大当りの場合に使用される保留予告演出決定テーブルを用い、スーパーリーチはずれを示している場合にはスーパーリーチはずれの場合に使用される保留予告演出決定テーブルを用いる。
なお、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果コマンドが大当り(再変動2回または3回)を示しているかまたはスーパーリーチはずれ(再変動2回または3回)を示している場合(入賞時判定結果5指定コマンド、入賞時判定結果6指定コマンド、入賞時判定結果11指定コマンド、または入賞時判定結果12指定コマンドを受信している場合)以外の場合には、保留予告の態様(パターン)をパターン1またはパターン11(図33および図34参照)に決定して、ステップS6002に移行する。パターン1およびパターン11は、保留予告を実行しないパターンである。
また、演出制御用CPU101は、ステップS6006の処理で決定した態様(「変動開始前時」の態様)で第1保留記憶表示部18cまたは第2保留記憶表示部18dにおける保留表示を1増やす(ステップS6007)。なお、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数加算指定コマンドが受信されたときには第1保留記憶表示部18cにおける保留表示を1増やし、第2保留記憶数加算指定コマンドが受信されたときには第2保留記憶表示部18dにおける保留表示を1増やす。
また、演出制御用CPU101は、ステップS6006の処理で決定したパターンを入賞時判定結果バッファ(図27参照)における保留予告パターン格納領域に格納する(ステップS6008)。また、先読み予告演出実行フラグをセットする(ステップS6009)。
図35は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS811)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS813)。
図36は、図31に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、保留表示を可変表示対応表示部(保留ボックス)9Fに移動させるような表示制御を行う(ステップS816)。ステップS816の処理によって、保留表示は、可変表示対応表示とされる。また、通常の表示領域(可変表示対応表示部9Fの外)における保留表示を1減らすとともに表示をシフトする(ステップS817)。なお、入賞時判定結果記憶バッファの格納領域1に第1保留記憶数加算指定コマンドが格納されている場合には、第1保留記憶表示部18cの保留表示を1減らし、第2保留記憶数加算指定コマンドが格納されている場合には、第2保留記憶表示部18dの保留表示を1減らす。
また、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS818)。
また、演出制御用CPU101は、変動パターンが擬似連変動パターン(ただし、スーパーリーチまたは大当りである場合)には、入賞時判定結果記憶バッファの格納領域1における保留予告パターン格納領域に格納されている保留予告のパターン(図33および図34参照)を読み出して、RAMの所定領域に記憶する(ステップS819)。
また、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファの格納領域1に記憶されている入賞時判定結果指定コマンド等を削除し、入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする(ステップS820)。すなわち、格納領域n(n:2〜8)の内容を、格納領域(n−1)にシフトする。
また、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファにおいて保留予告パターンが格納されている格納領域があり(格納領域1に限らず)、ステップS819の処理でRAMに記憶した保留予告のパターン(図33および図34参照)が変動開始前の態様変化を示している場合には、所定の条件が成立すると、その格納領域に対応する保留表示の表示態様を変化させる(ステップS821)。ただし、所定の条件の成立は、例えば乱数を用いた抽選によって表示態様を変化させることに決定されたことである。表示態様を変化させた場合には、その旨を示すフラグをセットする。従って、所定の条件には、表示態様を変化させたことを示すフラグがセットされていないことも含まれる。
なお、表示態様を変化させたことを示すフラグがセットされていない場合に、演出制御用CPU101は、保留表示が次に変動を開始させることになる位置にあるときには、無条件に(例えば、抽選をせずに)、保留予告パターンに従って、保留表示の態様を変化させる。
また、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS822)。
なお、演出制御用CPU101は、擬似連変動パターンによって演出図柄の可変表示が実行されるときには、仮停止図柄も決定する。仮停止図柄は、はずれ図柄であるが、遊技者に所定の有利度を想起させることが可能なチャンス目(例えば、「1」「1」「2」)であってもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS824)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS825)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS826)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
図37は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)の組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図37に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや演出種類に応じて用意されている。すなわち、各変動パターンや通常予告演出の態様等に応じて用意されている。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS827)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)を示す値に更新する(ステップS829)。
図38は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS841)。タイムアウトしていない場合には、ステップS844に移行する。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS842)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS843)。
また、演出制御用CPU101は、擬似連変動パターンによって演出図柄の可変表示(変動)を行っている場合(ただし、スーパーリーチはずれまたは大当りの場合)には、再変動のタイミングになったか否か確認する(ステップS844)。1〜3日目の再変動のタイミングはあらかじめ決められている。従って、演出制御用CPU101は、例えば、変動時間タイマの値で再変動のタイミングを確認できる。
再変動のタイミングになった場合には、演出制御用CPU101は、ステップS819の処理でRAMに記憶した保留予告のパターン(図33および図34参照)に従って、可変表示対応表示部9F内の可変表示対応表示の態様を変更する(ステップS845)。ただし、ステップS845の処理で可変表示対応表示の態様が変化しないことがある(図33および図34参照)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、RAMにいずれの保留予告のパターンが記憶されている場合でもステップS844,S845の処理を実行するが、可変表示対応表示の態様が変化しない保留予告のパターン(図33および図34参照)が記憶されている場合には、ステップS844,S845の処理を実行しないようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、保留予告のパターンがパターン1,6,8,11,16,18(可変表示中に可変表示対応表示の態様が変化しないパターン)以外である場合には、1回目の再変動開始のタイミングになる直前(例えば、1日目の仮停止時)に、演出表示装置9の表示画面にキャラクタ画像9aを表示する制御を開始する。また、演出制御用CPU101は、キャラクタ画像9aが表示されているときには、キャラクタ画像9aが動くような表示制御を行う。
なお、演出制御用CPU101は、ステップS845の処理が最後に可変表示対応表示の態様が変化させたときの処理である場合には、先読み予告演出実行フラグ(図32におけるステップS6001,S6009参照)をリセットする。
そして、ステップS845の処理で可変表示対応表示の態様が変化したときに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面からキャラクタ画像9aを消去する。ただし、変動中に2回可変表示対応表示の態様を変化させる場合(パターン5,15の場合)には、2回目の再変動に関するステップS845の処理で可変表示対応表示の態様が変化したときに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面からキャラクタ画像9aを消去する。なお、演出表示装置9の表示画面にキャラクタ画像9aを表示する制御を開始した場合に、1回目の再変動開始時または2回目の再変動開始時に可変表示対応表示の態様を変化させるときでも、3回目の再変動開始時に演出表示装置9の表示画面からキャラクタ画像9aを消去するようにしてもよい。そのような制御を行う場合には、最終的に「赤」に変化しないパターンが使用されているときに、キャラクタ画像9aの表示が継続することによって、可変表示中に「赤」に変化することへの期待感を遊技者に持続させることができる。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS861)。変動時間タイマがタイムアウトしているときには、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS863)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS862)、演出制御用CPU101は、ステップS863の処理を実行する。
図39は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、図柄確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、図柄確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS871)、ステップS822の処理で決定された停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS872)。
そして、演出制御用CPU101は、大当りにすることに決定されているか否か確認する(ステップS875)。大当りにすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。大当りとすることに決定されていない場合には、ステップS8312に移行する。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS876)。
大当りとすることに決定されていない場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS877)。
以上に説明したように、上記の実施の形態では、演出図柄の可変表示を開始するときに、当該可変表示に対応する保留表示を可変表示対応表示として可変表示対応表示部9Fに表示し、当該可変表示の実行中に、可変表示の表示結果が特定表示結果になるか否かに応じて、可変表示対応表示部9Fに表示されている可変表示対応表示の態様を特定態様に変化させ、演出図柄の表示結果が大当り図柄になるか否かに応じて、複数のタイミングのうちいずれのタイミングで特定態様(「赤」の態様)に変化させるかの割合が異なる。そのように構成されることによって、可変表示が開始される前においても保留表示に遊技者を注目させることができる。
また、可変表示が開始される前(例えば、始動入賞時)の判定結果にもとづいて、当該判定の対象となった保留記憶に対応する保留表示を、通常態様(「青」の態様)または特定態様(「赤」の態様)で演出表示装置の表示画面に表示することによって可変表示開始前保留予告を実行し、演出図柄の可変表示を開始するときに、当該可変表示に対応する保留表示を可変表示対応表示として可変表示対応表示部9Fに表示し、可変表示が開始される前に通常態様で保留表示が表示された場合に、当該保留表示に対応する可変表示の実行中に、演出図柄の表示結果が大当り図柄になるか否かに応じて、可変表示対応表示部9Fに表示されている可変表示対応表示の態様を特定態様に変化させ、可変表示の実行中に保留表示の態様を特定態様に変化させるときと、可変表示が開始される前に保留表示の態様を特定態様に変化させるときとで、演出図柄の表示結果が大当り図柄になる割合が異なる。そのように構成されることによって、保留表示に対する遊技者の期待感と実行中の識別情報の可変表示に対する遊技者の期待感との双方を高めることができ、遊技の興趣をより向上させることができる。
なお、上記の実施の形態では、「可変表示が開始される前」として保留表示をシフトさせるときを例にしたが、「可変表示が開始される前」は、保留表示をシフトさせるときに限られない。例えば、当該始動入賞よりも前に生じた始動入賞にもとづいて可変表示が開始されるときや可変表示中、または、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dにおいて保留表示がシフトされるときに保留表示の態様を変化させてもよい。また、「可変表示が開始される前」における保留表示の態様の変化時点を抽選で決めるようにしてもよいし、あらかじめ決定(テーブル等)しておいてもよい。
また、保留表示の態様の変化のタイミングに応じて、確変状態に移行する割合や時短回数が異なるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、可変表示(変動)中の可変表示対応表示の態様を変化させるタイミングとして擬似連演出の再変動時を例にしたが、擬似連演出の再変動時に加えて他のタイミング(例えば、変動開始時、高速変動中における仮停止時、)でも態様を変化させるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、変動開始前の保留表示の態様と、可変表示対応表示の態様の変化の仕方とが一括して決定されるが、それらを別個に決定してもよい。例えば、始動入賞時に所定の乱数を用いた抽選によって変動開始前の保留表示の態様を決定した後、変動開始時に、変動開始前の保留表示の各々の態様(「青」または「黄」)に応じたテーブルと乱数とを用いて、可変表示対応表示の態様を変化させ方を抽選によって決定するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、第1保留記憶表示部18c、第2保留記憶表示部18dおよび可変表示対応表示部9Fが、演出表示装置9の表示画面に表示されたが、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dが、可変表示対応表示部9Fとは異なる表示装置で実現されてもよい。例えば、可変表示対応表示部9Fは演出表示装置9の表示画面に表示されるが、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dは他の表示装置(例えば、各々の保留表示についてのLEDの集合)で実現されてもよい。また、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dは演出表示装置9の表示画面に表示されるが、可変表示対応表示部9Fは他の表示装置で実現されてもよい。
また、可変表示対応表示部9Fは、複数種類の態様から選択可能であるようにしてもよい。その場合、可変表示対応表示部9Fの態様に応じて、保留表示の態様が、可変表示が開始される前の変化するのか可変表示中に変化するのかの割合を異ならせてもよい。
また、上記の実施の形態では、3種類の保留表示の態様が用いられたが、保留表示の態様は2種類でもよく、4種類以上であってもよい。
また、上記の実施の形態では、保留表示の態様の相違として、色の違い(「青」、「黄」、「赤」)を例にしたが、保留表示の態様の例は色に限られない。保留表示の形状の違いで、保留表示の態様の相違を実現してもよい。
また、上記の実施の形態では、変動開始前の保留表示の態様と変動中の可変表示対応表示の態様とを共通したが、変動開始前においてのみ使用される保留表示の態様があってもよい。その場合、例えば、変動開始前の保留表示の態様として、通常態様の他に「?」の態様を使用可能にし、変動を開始するときの態様が「?」である場合に、変動を開始するときの態様が通常態様である場合に比べて、高い割合で、変動中の可変表示対応表示の態様が変化するようにしてもよい。
次に、上記の実施の形態に適用可能な予告演出のその他の制御例を説明する。上記の実施の形態のパチンコ遊技機1では、以下に具体例を説明するように、演出表示装置9において、始動入賞時の判定結果に応じた予告演出(例えば、大当り予告演出)として、上記のような保留表示の表示態様を変化させる演出(以下、保留表示変化演出と呼ぶ)を実行するときと、上記のような可変表示対応表示の表示態様を変化させる演出(以下、対応表示変化演出と呼ぶ)を実行するときとで、共通の演出態様の演出(少なくとも一部が共通の演出態様であればよい)を実行する処理を行うようにしてもよい。
以下においては、演出制御用マイクロコンピュータ100が、前述した共通の演出態様として、保留表示または可変表示対応表示を演出対象(作用対象、予告対象)として、特定のキャラクタ画像を用いて作用演出を実行する演出態様例を説明する。その場合、保留表示変化演出と対応表示変化演出とでは、特定のキャラクタ画像として共通のキャラクタ画像を用いた共通の演出態様で作用演出を実行可能とする。
作用演出とは、例えば図30を用いて一例を説明したような、特定のキャラクタ画像が保留表示または可変表示対応表示のような所定の画像に作用して当該画像の表示態様を変化させる表示演出であり、演出制御用マイクロコンピュータ100により実行される。作用演出における「作用する」とは、保留表示または可変表示対応表示のような所定の画像と重なるように、キャラクタ画像のような特定の画像を表示すること、当該所定の画像の近傍で当該特定の画像を表示すること、当該所定の画像の遠方で当該特定の画像を表示すること等、当該所定の画像が変化することを認識できるように特定の画像を表示するものであればどのようなものでもよい。
また、当該所定の画像に対してキャラクタ画像のような特定の画像自体が接触して作用する表示の他に、例えば、キャラクタ画像のような特定の画像自体から出力されたビーム光線が当該所定の画像(作用対象の画像、変化対象の画像)に対して接触する等、特定の画像自体が直接作用しないが当該特定の画像に関連する画像が当該所定の画像に作用する等、当該特定の画像が当該所定の画像に作用することが認識可能なものであれば、どのような作用演出を用いてもよい。
以下に説明するような共通のキャラクタ画像を用いる作用演出を含む保留表示変化演出および対応表示変化演出は、前述したような、演出制御プロセス処理における保留表示または可変表示対応表示を変化可能に表示する処理(例えば、演出図柄変動開始処理、演出図柄変動中処理)において実行可能とすればよい。
このような共通のキャラクタ画像を用いる作用演出を含む保留表示変化演出および対応表示変化演出は、前述した場合と同様に、始動入賞時の判定結果にもとづいて大当りとなることが判定された保留記憶に対応する保留表示(または可変表示対応表示)の方が、始動入賞時の判定結果にもとづいてはずれとなることが決定された保留記憶に対応する保留表示(または可変表示対応表示)よりも実行される割合が高くなるように、実行することが選択決定される。これにより、共通のキャラクタ画像を用いる作用演出を含む保留表示変化演出および対応表示変化演出が実行されたときには、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
また、共通のキャラクタ画像を用いる作用演出を含む保留表示変化演出および対応表示変化演出としては、前述した場合と同様に、保留表示を変化対象表示(作用対象表示)とする第1作用演出を含む保留表示変化演出および対応表示変化演出と、可変表示対応表示を変化対象表示(作用対象表示)とする第2作用演出を含む保留表示変化演出および対応表示変化演出とのような複数種類の演出が、予め定められた割合で実行可能となるようにすればよい。
第1作用演出は、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dに表示されている未実行の可変表示の保留記憶を示す保留表示を変化対象表示として、当該保留表示に対して特定のキャラクタ画像が作用する作用演出である。したがって、第1作用演出は、変化対象表示となる保留表示にもとづく可変表示が実行順番となる前のタイミング(例えば、当該保留表示よりも前の保留表示にもとづく可変表示が実行されるときに保留表示の表示位置がシフトするタイミング等)において実行される。
第2作用演出は、可変表示対応表示部9Fに表示されている実行中の可変表示に対応する可変表示対応表示を変化対象表示として、当該変化対象表示に対して特定のキャラクタ画像が作用する作用演出である。したがって、第2作用演出は、保留表示にもとづく可変表示が実行順番となったことにより保留表示が可変表示対応表示に変更して表示されたとき以降の当該可変表示中のタイミング(例えば、擬似連の再変動開始時のタイミング等)において実行される。
このような第1作用演出と第2作用演出とは、同時期に実行可能であってもよく、異なる時期に実行可能であってもよい。この実施の形態では、第1作用演出と第2作用演出とは、少なくとも1回の共通期間中に実行可能であればよい。また、第1作用演出と第2作用演出とは、異なる割合で実行されるように制御してもよく、同じ割合で実行されるように制御してもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100では、新たな保留記憶が発生したときに、当該保留記憶について、遊技制御用マイクロコンピュータ560から新たに受信した入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて、当該保留記憶の可変表示結果および変動パターンを確認し、変動パターンが予め定められた条件(例えば、大当り表示結果およびはずれ表示結果を含み、当該保留記憶の変動パターンが擬似連変動パターン、スーパーリーチ等の遊技者にとって有利な状態となる期待度が高い特定の変動パターンであるとき)を満たすときに、例えば図33および図34に示すような保留表示変化演出および対応表示変化演出選択用のデータテーブル(演出制御基板80のROMに記憶される)を用いて、「第1作用演出を含む保留表示変化演出のみを実行する」、「第2作用演出を含む対応表示変化演出のみを実行する」、「第1作用演出を含む保留表示変化演出および対応表示変化演出との両方を実行する」、および、「保留表示変化演出と対応表示変化演出とのいずれの演出も実行しない」という選択肢のうちからいずれかを選択決定し、その決定結果を記憶しておく。
そして、その決定結果にしたがって、予め定められたタイミング(例えば、作用演出を実行することを決定したときに、実行するタイミングも決定する)、または、遊技の進行に応じて選択されたタイミング(例えば、所定タイミングごとに抽選により実行するか否かを決定する等)において、第1作用演出を含む保留表示変化演出の実行、第2作用演出を含む対応表示変化演出の実行、第1作用演出を含む保留表示変化演出および第2作用演出を含む対応表示変化演出の両方の実行(例えば、第1作用演出と第2作用演出とで実行するタイミングは異なる)、または、いずれの演出も不実行、という演出制御を行う。
保留表示変化演出および対応表示変化演出選択用のデータテーブルは、例えば図33および図34に示すような、表示結果が大当りとなるときと、表示結果がはずれになるときとに分けて設けられ、表示結果が大当りとなるときには、表示結果がはずれとなるときと比べて、第1作用演出を含む保留表示変化演出と、第2作用演出を含む対応表示変化演出とのどちらかを実行することが選択決定される割合が高くなるように設定されている。これにより、第1作用演出と第2作用演出とのいずれかの作用演出が実行されたときには、いずれかの作用演出が実行されないときと比べて、大当りとなる期待度が高くなる。このようにすれば、作用演出が実行されたときに、遊技者における大当り等の有利状態への期待感を高めることができる。
なお、第1作用演出を含む保留表示変化演出と、第2作用演出を含む対応表示変化演出とは、異なる割合で実行されるように選択されてもよく、同じ割合で実行させれるように選択されてもよい。また、「第1作用演出を含む保留表示変化演出と、第2作用演出を含む対応表示変化演出との両方を実行する」という選択肢を無くしてもよい。
このような、作用演出における特定のキャラクタ画像のような共通の演出としては、第1作用演出を含む保留表示変化演出と、第2作用演出を含む対応表示変化演出とを可変表示開始時または可変表示中に実行する制御を行う場合において、保留表示変化演出と対応表示変化演出とのどちらを実行することが決定されたときでも、例えば可変表示開始前のタイミング(たとえば、保留記憶表示のシフト時等のタイミング)等のような、特定のキャラクタ画像が保留表示と可変表示対応表示とのどちらに作用するか判別できないようなタイミングで、特定のキャラクタ画像(共通のキャラクタ画像)の表示を開始させる制御を行うようにすればよい。このようにすれば、当該特定のキャラクタ画像(共通のキャラクタ画像)が、保留表示に作用するか(第1作用演出)、可変表示対応表示に作用するか(第2作用演出)を遊技者が認識できないので、遊技者を作用演出に注目させることができる。
このように、作用演出として、特定のキャラクタ画像が保留表示に作用する第1作用演出と、特定のキャラクタ画像が可変表示対応表示に作用する第2作用演出とのような作用対象表示(変化対象表示)が異なる作用演出を、共通のキャラクタ画像で実行可能とすることにより、特定のキャラクタ画像(共通のキャラクタ画像)が表示されたときに、当該キャラクタ画像が、保留表示に作用し得る演出と、可変表示対応表示に作用し得る演出とが実行可能となるので、保留表示と可変表示対応表示とのどちらが変化するかに遊技者の期待感が高まることとなり、遊技者を作用演出に注目させることができる。
このような第1作用演出と第2作用演出とを実行可能とするときには、それぞれの作用演出において、あらかじめ定められた1種類のキャラクタ画像(例えば、キャラクタ画像A)を共通のキャラクタ画像として用いた1種類の演出態様(例えば、演出態様A)で実行される作用演出(作用演出A)が固定的に実行されるようにしてもよく、また、あらかじめ定められた異なる種類のキャラクタ画像(例えば、キャラクタ画像A、キャラクタ画像B)を共通のキャラクタ画像として用いた複数種類の演出態様(例えば、演出態様A、演出態様B)で実行される複数種類の作用演出(例えば、作用演出A、作用演出B)のうちからいずれかの作用演出が選択されて実行されるようにしてもよい。1種類のキャラクタ画像を用いた1種類の演出態様の作用演出を固定的に実行する場合には、当該1種類のキャラクタ画像を用いた1種類の演出態様を第1作用演出と第2作用演出とで共通に使用するようにする。また、複数種類のキャラクタ画像から選択されたキャラクタ画像を用いる複数種類の演出態様の作用演出が実行される場合には、当該複数種類のキャラクタ画像を用いた複数種類の演出態様の少なくとも一部(全部または一部)を第1作用演出と第2作用演出とで共通に使用するようにする。
このようにすれば、演出制御用マイクロコンピュータ100により、保留表示を作用対象表示(変化対象表示)とした第1作用演出と、可変表示対応表示を作用対象表示(変化対象表示)とした第2作用演出とで、作用対象表示(変化対象表示)の画像(保留表示または可変表示対応表示)を変化させるために、共通のキャラクタ画像を用いるという共通の変化態様で、作用対象表示(変化対象表示)の画像(保留表示または可変表示対応表示)を特定態様(特定の色等)に変化可能とする演出を行うことが可能となる。
そして、保留表示と可変表示対応表示とに対して、このような共通の変化態様で特定態様に変化可能とする演出は、共通のキャラクタ画像を用いることが共通するというように、少なくとも一部が共通の演出態様であればよく、演出態様としてキャラクタ画像のみというような一部の演出態様が共通であってもよく、演出態様としてキャラクタ画像を含めたすべての演出態様が共通であってもよい。少なくとも一部が共通の演出態様という概念としては、キャラクタ画像の見た目の全てが共通、キャラクタ画像の見た目の一部が共通(例えば、所定の形状のキャラクタ(一部が共通)であるが、色、模様、色彩等の他の部分が異なる等。)、キャラクタ画像の動作が共通、キャラクタ画像以外の画像の演出態様(例えば、キャラクタ画像の種類が異なるが、キャラクタ画像が保留表示または可変表示対応表示に作用するときの演出態様、保留表示または可変表示対応表示が特定態様に変化する演出態様)が共通のように、演出の全体のうちの少なくとも一部の演出態様が共通であるという概念が含まれる。
また、例えば、作用演出を行う特定のキャラクタ画像が異なることで演出態様が異なる複数種類の演出のような複数種類の演出態様のうちから、実行する作用演出の演出態様を選択する場合には、複数種類の演出態様のうちいずれの演出態様で作用演出が実行されるかにより、キャラクタ画像が保留表示と可変表示対応表示とのどちらに作用するかの割合が、異なるように設定してもよく、同じになるように設定してもよい。
具体的には、第1作用演出を含む保留表示変化演出、または、第2作用演出を含む対応表示変化演出を実行することが決定されたときに、複数種類の演出態様として、キャラクタ画像Aを作用演出に使用する演出態様Aとキャラクタ画像Bを作用演出に使用する演出態様Bとのうちから演出態様を選択する場合に、第1作用演出を実行する選択がされた場合と、第2作用演出を実行する選択がされた場合とのそれぞれにおいて、キャラクタ画像Aを使用する演出態様Aと、キャラクタ画像Bを使用する演出態様Bとのいずれかを選択可能とする。なお、保留表示変化演出および対応表示変化演出のそれぞれにおける作用演出として、特定のキャラクタ画像が第1の動作により作用する第1演出態様と、当該特定のキャラクタ画像が第1の動作とは異なる第2の動作により作用する第2演出とのいずれかを選択可能としてもよい。
このような複数種類の演出態様(例えば、演出態様A,B)から実行する演出態様を選択するためのデータテーブルとして、第1作用演出を実行する選択がされたときに演出態様Aと演出態様Bとのいずれかの演出態様を選択する第1選択テーブルと、第2作用演出を実行する選択がされたときに演出態様Aと演出態様Bとのいずれかの演出態様を選択する第2選択テーブルとを設ける(演出制御基板80のROMに記憶させる)。例えば、第1選択テーブルでは、演出態様Aの方を演出態様Bと比べて選択割合を高く設定する。一方、第2選択テーブルでは、演出態様Bの方を演出態様Aと比べて選択割合を高く設定する。
このような第1選択テーブルによる演出態様の選択割合と、第2選択テーブルによる演出態様の選択割合との関係にもとづいて、演出態様Aが選択されるときには、保留表示に作用する第1作用演出が実行される割合が、可変表示対応表示に作用する第2作用演出が実行される割合よりも高く、演出態様Bが選択されるときには、可変表示対応表示に作用する第2作用演出が実行される割合が保留表示に作用する第1作用演出が実行される割合よりも高くなるように設定する。
このような設定をすることにより、演出態様Aでの演出が表示されたときには、第1作用演出が第2作用演出よりも実行されやすく、演出態様Bでの演出が表示されたときには、第2作用演出が第1作用演出よりも実行されやすいようにする制御を行うことが可能である。また、逆に、演出態様Aでの演出が表示されたときには、第2作用演出が第1作用演出よりも実行されやすく、演出態様Bでの演出が表示されたときには第1作用演出が第2作用演出よりも実行されやすいようにする制御を行うようにしてもよい。
このようにすれば、演出態様A、および、演出態様Bのような複数種類の演出態様のうちいずれの演出態様で作用演出が実行されるかにより、特定のキャラクタ画像が、保留表示と可変表示対応表示とのどちらに作用するかの割合が異なるようになる。これにより、特定のキャラクタ画像が表示されたときに、演出の面白みを向上させることができ、遊技者の期待感を向上させることができる。
なお、演出態様A、および、演出態様Bのような複数種類の演出態様のうちいずれの演出態様で作用演出が実行されるかにより、特定のキャラクタ画像が、保留表示と可変表示対応表示とのどちらに作用するかの割合が異なるようにする制御としては、演出制御用マイクロコンピュータ100が、次のようなその他の制御を実行するようにしてもよい。
第1作用演出を含む保留表示変化演出、または、第2作用演出を含む対応表示変化演出を実行することが決定されたときに、まず、演出態様Aと、演出態様Bとのどちらを使用するかを選択決定した後、演出態様Aが選択されたときは、演出制御基板80のROMに記憶された作用演出選択テーブルA(第1作用演出と第2作用演出とのどちらを実行するかを選択決定するデータテーブルであって、第1作用演出>第2作用演出という選択割合が設定されたテーブル。)を用いて第1作用演出と第2作用演出とのどちらを実行するかを選択し、演出態様Bが選択されたときは、演出制御基板80のROMに記憶された作用演出選択テーブルB(第1作用演出と第2作用演出とのどちらを実行するかを選択決定するデータテーブルであって、第1作用演出<第2作用演出という選択割合が設定されたテーブル。)を用いて第1作用演出と第2作用演出とのどちらを実行するかを選択するようにしてもよい。なお、このような演出態様Aおよび演出態様Bと、第1作用演出および第2作用演出との選択割合は、前述とは逆の関係に設定してもよい。このような演出態様の選択をすることにより、前述した場合と同様に、演出態様A、および、演出態様Bのような複数種類の演出態様のうちいずれの演出態様で操作演出が実行されるかにより、特定のキャラクタ画像が、保留表示と可変表示対応表示とのどちらに作用するかの割合が異なるようになる。
また、このように第1作用演出と第2作用演出とを実行する場合においては、第1作用演出として、特定のキャラクタ画像が保留表示に作用するが変化対象の保留表示が変化しない表示変化無演出(所謂ガセ演出)が実行可能となるようにしてもよい。また、第2作用演出として、特定のキャラクタ画像が可変表示対応表示に作用するが変化対象の可変表示対応表示が変化しない表示変化無演出(所謂ガセ演出)が実行可能となるようにしてもよい。なお、表示変化無演出については、特定のキャラクタ画像が保留表示または可変表示対応表示に作用しようとするが結果的に作用しない演出を実行可能としてもよい。
このようにすれば、第1作用演出としては、特定のキャラクタ画像が保留表示に作用したときに変化対象の保留表示が変化する表示変化有演出に加え、特定のキャラクタ画像が保留表示に作用したときに変化対象の保留表示が変化しない表示変化無演出(ガセ演出)が実行可能となる。また、第2作用演出としては、特定のキャラクタ画像が可変表示対応表示に作用したときに変化対象の可変表示対応表示が変化する表示変化有演出に加え、特定のキャラクタ画像が可変表示対応表示に作用したときに変化対象の可変表示対応表示が変化しない表示変化無演出(ガセ演出)が実行可能となる。
このような表示変化無演出(ガセ演出)は、保留表示または可変表示対応表示に対応する変動表示の表示結果がはずれとなるときに、大当りとなるときよりも高い割合で実行されるように設定すればよい。さらに、表示変化無演出(ガセ演出)は、保留表示または可変表示対応表示に対応する変動表示の変動パターンが、遊技者にとって有利な変動パターン(例えば、スーパーリーチ等の特定のリーチ変動パターン等)となるときに、遊技者にとって不利な変動パターン(例えば、特定のリーチ変動パターン以外の変動パターン等)となるときよりも低い割合で実行されるように設定してもよい。
また、表示変化無演出を含む第1作用演出および第2作用演出のそれぞれとしては、例えば、演出態様Aおよび演出態様Bというように、複数種類の演出態様(例えば、演出態様Aと演出態様Bとで特定のキャラクタ画像の動作が異なる等)を設け、演出態様を選択して実行するようにし、いずれの演出態様で作用演出(第1作用演出または第2作用演出)が実行されるかによって、変化対象の画像(保留表示、可変表示対応表示)が変化する割合(期待度)が異なるように制御してもよい。
例えば、第1作用演出を実行する選択がされたときに、演出態様Aと演出態様Bとのいずれを実行するかを選択する作用演出用演出態様選択テーブルA(演出制御基板80のROMに記憶)と、第2作用演出を実行する選択がされたときに、演出態様Aと演出態様Bとのいずれを実行するかを選択する作用演出用演出態様選択テーブルB(演出制御基板80のROMに記憶)とを設ける。
そして、これら各テーブルにおいて、第1作用演出および第2作用演出について、表示変化有演出を実行するときには演出態様Aの選択割合の方が演出態様Bの選択割合よりも高く、表示変化無演出(ガセ演出)を実行するときには演出態様Bの選択割合の方が演出態様Aの選択割合よりも高くなるように設定しておき、変化対象の保留表示または可変表示対応表示に対応する可変表示の表示結果(変動パターンでもよい)が遊技者にとって不利となるときは有利となるときと比べて、演出態様Bの選択割合が高くなるように、演出制御用マイクロコンピュータ100により制御する。このようにすれば、演出態様Aと演出態様Bとのうちいずれの演出態様で作用演出が実行されるかによって、演出対象の画像(保留表示または可変表示対応表示)が変化する期待度が異なるようにすることができる。これにより、作用演出に遊技者の注目を集めることができる。
なお、表示変化無演出(ガセ演出)は、特定のキャラクタ画像が保留表示に作用したときに変化対象の保留表示または可変表示対応表示が変化しない演出に代えて、特定のキャラクタ画像が保留表示または可変表示対応表示に作用しようとするが実際には作用しない演出(例えば、特定のキャラクタ画像が登場するが保留表示または可変表示対応表示には近づかないような演出)を実行するようにしてもよい。
このような表示変化無演出(ガセ演出)を、第1作用演出および第2作用演出のそれぞれに含めて実行可能とする場合には、第1作用演出または第2作用演出として実行される複数種類の演出態様のうち、いずれの演出態様で演出が実行されるかにより、変化対象表示が変化する割合が異なるようにしてもよい。
例えば、前述の演出態様Aと、演出態様Bとで、変化対象表示となる保留表示が変化する割合が異なる(例えば、演出態様Aが演出態様Bよりも保留表示が変化する割合が高い)ようにしてもよい。一例として、演出態様Aでは50%の割合で表示変化有演出が実行されることで保留表示が変化し、演出態様Bでは10%の割合で表示変化有演出が実行されることで保留表示が変化する等の割合を設定してもよい。また、第2作用演出として実行される複数種類の演出態様のうち、いずれの演出態様で演出が実行されるかにより、変化対象表示となる可変表示対応表示が変化する割合が異なる(例えば、演出態様Bが演出態様Aよりも可変表示対応表示が変化する割合が高い)ようにしてもよい。一例として、演出態様Bでは50%の割合で表示変化有演出が実行されることで可変表示対応表示が変化し、演出態様Aでは10%の割合で表示変化有演出が実行されることで可変表示対応表示が変化する等の割合を設定してもよい。
また、前述の演出態様A、および、演出態様Bとは別に、保留表示と可変表示対応表示とのどちらに作用するかの割合が同じであるキャラクタ画像を使用する演出態様として、第3キャラクタ画像(または特定のキャラクタ画像が演出態様A,Bの動作とは異なる第3の動作により作用する表示でもよい)を使用する演出態様Cと、第4キャラクタ画像(または特定のキャラクタ画像が演出態様A,Bの動作および第3の動作とは異なる第4の動作により作用する表示でもよい)を使用する演出態様Dとが所定の割合で選択されて実行可能な場合において、第1作用演出として実行される複数種類の演出態様である演出態様Cおよび演出態様Dのうち、いずれの演出態様で演出が実行されるかにより、変化対象表示となる保留表示が変化する割合が異なる(例えば、演出態様Cが演出態様Dよりも保留表示が変化する割合が高い)ようにしてもよい。また、第2作用演出として実行される複数種類の演出態様である演出態様Cおよび演出態様Dのうち、いずれの演出態様で演出が実行されるかにより、変化対象表示となる可変表示対応表示が変化する割合が異なる(例えば、演出態様Dが演出態様Cよりも可変表示対応表示が変化する割合が高い)ようにしてもよい。
また、前述したような特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態(例えば、時短状態)のように、所定の短縮条件が成立したときに、特別図柄の可変表示を、通常可変表示時間よりも短縮した短縮可変表示時間で実行する可変表示時間短縮制御を実行するパチンコ遊技機1においては、第1作用演出および第2作用演出のそれぞれとして、通常可変表示時間に対応する演出時間で実行される通常時間作用演出と、当該通常時間作用演出の演出時間よりも短く、短縮可変表示時間に対応する演出時間で実行される短縮時間示唆演出とが含まれるようにしてもよい。
一例として、通常可変表示時間が10秒間以上に設定され、短縮可変表示時間が3秒間に設定されるときにおいて、通常時間作用演出としては、演出時間が通常可変表示時間よりも短い5秒間等の演出を設け、短縮時間作用演出としては、演出時間が通常可変表示時間よりも短い1秒間等の演出を設ける。そして、可変表示時間短縮制御が実行されていないときには、第1作用演出および第2作用演出のそれぞれとして通常時間示唆演出を実行し、可変表示時間短縮制御が実行されているときには、第1作用演出および第2作用演出のそれぞれとして短縮時間示唆演出を実行する制御を行う。これにより、可変表示時間短縮制御が実行されているときであっても、1回の特別図柄の変動表示中において、第1作用演出および第2作用演出のそれぞれを完了させることができる等、短い可変表示時間中でも作用演出を演出が完了するまで実行することができる。
特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態としては、特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときに、特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、可変表示時間を短縮する保留数短縮制御が実行される遊技状態が含まれてもよい。
また、前述したような共通のキャラクタ画像を用いた作用演出を行うときにおいて、変化後の保留表示と変化後の可変表示対応表示とは、同じ表示態様(演出態様)となるような演出をしてもよく、異なる表示態様(演出態様)となるような演出をしてもよい。このような同じ表示態様となる演出の一例としては、例えば、保留表示と可変表示対応表示とを丸形状のような同じ形状で表示するときに、共通のキャラクタ画像を用いた作用演出がされたことに応じて、保留表示と、可変表示対応表示とで、変化後の色が同じ色となるように色を変化させるようにしてもよい。また、このような異なる表示態様となる演出の一例としては、例えば、保留表示を花の「蕾」の形状で表示し、可変表示対応表示を当該「蕾」から開花した「花」の形状で表示するときに、共通のキャラクタ画像を用いた作用演出がされたことに応じて、保留表示は「蕾」の色が変化し、可変表示対応表示は「花」の色が保留表示の「蕾」の色と異なる色に変化するようにしてもよい。なお、可変表示対応表示は「花」の色が変化し、保留表示は「蕾」の色が変化するので、両者が同じ色に変化するものであっても、作用演出に応じた変化後の形状および色を含めた全体の表示態様(演出態様)は異なるものとなる。
なお、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27Lなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連(1回の可変表示中に1回以上の図柄の仮停止と再変動とが実行される演出)の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例が示されたが、2つ以上のコマンドで変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドで通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドとして擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチになる前(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとしてリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチになったとき以降(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止以後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示(可変表示)における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2つのコマンドのそれぞれで変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100で選択するようにしてもよい。2つのコマンドを送信する場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はそのような例に限定されず、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ以上のコマンドで変動パターンを通知するようにすることによって、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。