JP2017138129A - デュアルコム分光法を用いた偏光計測装置及び偏光計測方法 - Google Patents

デュアルコム分光法を用いた偏光計測装置及び偏光計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 デュアルコム分光法を用いた高速かつ高精度の偏光計測を実現する。【解決手段】 デュアルコム分光法を用いた偏光計測装置は、第1の繰り返し周波数を有する第1の光周波数コム光源と、第2の繰り返し周波数を有する第2の光周波数コム光源と、前記第1の光周波数コム光源の光路上で試料の出射側に配置され偏光状態を周期的に変調する変調素子と、前記変調素子を、前記第1の光周波数コム光源と前記第2の光周波数コム光源の繰り返し周波数差の分数倍の周波数で偏光変調する手段と、前記第1の光周波数コム光源から出力されて前記試料及び前記変調素子を透過する光と前記第2の光周波数コム光源から出力される光の干渉光を検出する検出器と、前記干渉光に基づいて前記試料を透過した光の偏光状態を計測する解析装置と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、デュアルコム分光法を用いた偏光計測装置と偏光計測方法に関する。
化学あるいは生命科学の分野で、分子の光学異性体の立体配置の識別に円二色性分散計が用いられている。分子の光学異性体は通常のスペクトル計測では識別できないが、偏光情報の変化の違いを活用した円二色性分散計を用いることで、識別が可能になる。
円二色性分散計として、モノクロメーターやフーリエ変換赤外(FTIR)分光計に光弾性変調器(PEM)を組み込んだ円二色性分散計が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
近年では、近赤外及び中赤外の周波数領域で、デュアルコム(Dual Comb)分光法が注目を集めている。デュアルコム分光法は、繰り返し周波数がわずかに異なる二台のフェムト秒レーザーの干渉信号を活用して、高精度、かつ高速に分光計測を行う技術である(たとえば、特許文献2参照)。インコヒーレントなランプ光源を用いるFTIR分光計測と比較して、デュアルコム分光法の周波数分解能が高く、計測時間も短い。
特開2012−202812号公報 米国特許出願公開番号US 2011/0069309 A1
高分解能かつ高速なデュアルコム分光は、将来的にFTIR分光計測に替わる技術として期待されている。しかしながら、デュアルコム分光による精密な偏光計測についての報告はなされていない。
そこで、デュアルコム分光法を用いた新たな偏光計測の構成と手法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の側面では偏光計測装置を提供する。偏光計測装置は、
第1の繰り返し周波数を有する第1の光周波数コム光源と、
第2の繰り返し周波数を有する第2の光周波数コム光源と、
前記第1の光周波数コム光源の光路上で試料の出射側に配置され、偏光状態を周期的に変調する変調素子と、
前記変調素子を、前記第1の光周波数コム光源と前記第2の光周波数コム光源の繰り返し周波数差の分数倍の変調周波数で偏光変調する手段と、
前記第1の光周波数コム光源から出力されて前記試料及び前記変調素子を透過する光と、前記第2の光周波数コム光源から出力される光の干渉光を検出する検出器と、
前記干渉光に基づいて前記試料を透過した光の偏光状態を計測する解析装置と、
を有する。
本発明の第2の側面として、偏光計測方法を提供する。偏光計測方法は、
第1の繰り返し周波数を有する第1の光周波数コム光源と、第2の繰り返し周波数を有する第2の光周波数コム光源でデュアルコム分光測定用の光源を構成し、
前記第1の光周波数コム光源からの出力光で試料を照射し、
前記試料の出射側に配置されて偏光状態を周期的に変調する変調素子を、前記第1の光周波数コム光源と前記第2の光周波数コム光源の繰り返し周波数差の分数倍の変調周波数で偏光変調し、
前記試料と前記変調素子を透過した前記第1の光周波数コム光源からの出力光と、前記第2の光周波数コム光源から出力された光の干渉光を検出し、
前記干渉光に基づいて前記試料を透過した光の偏光状態を計測する
工程を含む。
上記の構成と手法により、高速かつ高分解能の偏光計測が実現する。
デュアルコム分光法を用いた実施形態の偏光計測装置の概略図である。 図1の偏光計測装置の変形例である。 図1の偏光計測装置の別の変形例である。 サンプル透過光の偏光状態を数学的に表す図である。 光周波数コムの基本概念を説明する図である。 図1のデュアルコム分光法による偏光計測の概念図である。 時間領域でみたデュアルコム分光法の原理を説明する図である。 実施形態の構成で検出される干渉信号のスペクトルの模式図である。 ω=(6/5)Δfrのときの周波数領域のスペクトルの模式図であり、サンプル透過後の光が楕円偏光の場合を示す。 ω=(6/5)Δfrのときの周波数領域のスペクトルの模式図であり、サンプル透過後の光が直線偏光の場合を示す。 ω=(6/5)Δfrのときの周波数領域のスペクトルも模式図であり、サンプル透過後の光が円偏光の場合を示す。 検証実験に用いた光学系の図である。 サンプル透過光が直線偏光の場合の干渉信号の測定結果である。 サンプル透過光が楕円偏光の場合の干渉信号の測定結果である。 サンプル透過光が円偏光に近い楕円偏光の場合の干渉信号の測定結果である。 サンプル透過光が円偏光の場合の干渉信号の測定結果である。 サンプルの代替として1/4波長板を用いて回転させたときのストークスパラメータをポアンカレ球上にプロットした図である。 サンプルの代替として1/2波長板を用いて回転させたときの干渉信号のパワースペクトルである。 サンプルの代替として1/2波長板を用いて回転させたときのストークスパラメータをポアンカレ球上にプロットした図である。
以下で、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
<装置構成>
図1は、デュアルコム分光法を用いた偏光計測装置10Aの概略図である。実施形態の偏光計測装置10Aは、第1の光周波数コム光源としてのシグナルコム11と、第2の光周波数コム光源としてのローカルコム12を有する。
シグナルコム11とローカルコム12は、互いに繰り返し周波数がわずかに異なるフェムト秒レーザを用いている。シグナルコム11の繰り返し周波数をfrとすると、ローカルコム12の繰り返し周波数はfr−Δfrと記述される。ここで、Δfrは2台のフェムト秒レーザの繰り返し周波数差である。一例として、シグナルコム11とローカルコム12はともに48MHz近傍に繰り返し周波数を有し、その差(Δfr)は70Hzである。シグナルコム11とローカルコム12を合わせて、便宜上「デュアルコム光源」と称する。
図1の構成例では、シグナルコム11から出力された光は、ミラー19及び偏光ビームスプリッタ(PBS)13により、ローカルコム12からの出力光に重ねられる。重ね合された光でサンプル(試料)20を照射し、サンプル20を透過した光を回転補償子15を通して検出器21で検出する。
偏光計測装置10Aの特徴として、サンプル20の出射面の直後に、偏光状態を周期的に変調する変調素子を配置する。変調素子は、たとえば偏光の方向を光学的に回転させる回転補償子15である。回転補償子15として、1/4波長板を用いることができる。以下の例では変調素子として回転補償子15を用いるが、2つの光周波数コム光源の繰り返し周波数差の分数倍の変調周波数で偏光状態を周期的に変調できれば、任意の素子または機構を用いることができる。たとえば、電気光学変調器や光弾性変調器など、電気的に偏光を制御する素子を用いて偏光状態を周期的に変調してもよい。
回転補償子15の回転周波数は、回転制御部25によって所定の条件を満たすように制御されている。具体的には、回転補償子15の回転周波数は、デュアルコム光源の繰り返し周波数差Δfrの分数倍(1/10倍、6/5倍等)になるように制御されている。分数の値は、後述するように一定の条件を満たすように選択されている。
分数の値が6/5のときは、回転補償子15の回転周波数ωは、
ω=(6/5)Δfr
と記述される。なお、ここでのωは単位「Hz」で標記される周波数であり、ラジアン表記される角周波数とは区別されるが変換可能である。繰り返し周波数差Δfrが70Hzである場合は、回転補償子15の回転周波数ωは、84Hzとなる。
検出器21で検出されるのは、サンプル20及び回転補償子15を透過したシグナルコム11からの光と、ローカルコム12からの光の干渉光である。一般的に、干渉光として周波数領域でΔfr間隔で規則正しく並ぶラジオ周波数(マイクロ波周波数)のコムが検出される。
実施形態では、サンプル20の出射面側にΔfrの分数倍の回転周波数で回転する回転補償子15を挿入してサンプル透過光の偏光を変調することで、シグナルコム11とローカルコム12の干渉信号であるコムとコムの間に、サンプル20を透過した光の偏光状態の情報を乗せた新しいコム成分を検出する。この新しいコム成分の検出の詳細については後述する。
偏光計測装置10Aはさらに、サンプルの入射側に配置された第1の偏光子(P1)14と、回転補償子15の出力側に配置された第2の偏光子(P2)16を有する。第1の偏光子14は、サンプル20に入射する光を直線偏光に調整する。シグナルコム11とローカルコム12の出力光があらかじめ直線偏光に整えられている場合は、必ずしも第1の偏光子14を用いなくてもよい。
第2の偏光子16は、検出器21に入射する光を直線偏光に調整する。検出器21が直線偏光検出能力を有する場合は、必ずしも第2の偏光子16を用いなくてもよい。
検出器21の出力は、解析装置30に接続されている。解析装置30は、コム解析部31と、偏光状態算出部32を有する。コム解析部31は、シグナルコム11とローカルコム12の干渉信号の間に出現する新たなコム成分の大きさと位相を解析する。偏光状態算出部32は、新たに出現したコム成分の大きさと位相から、サンプル20を透過した光の偏光状態を算出する。偏光状態の算出方法についても後述する。
偏光状態は、偏光の種類(円偏光、直線偏光、楕円偏光)と、偏光の方向(右回り、左回り、または直線の向き)を含み、たとえば(Δ,Ψ)で表される。パラメータΔは、互いに直交する光電場ベクトル成分の位相差であり、これにより偏光の種類を表わす。パラメータΨは基準軸(たとえばy軸)からの偏角であり、これにより偏光の方向を表わす。コム成分の解析と偏光状態の算出を行う解析装置30は、たとえばパーソナルコンピュータ(PC)で実現することができる。
図2は、図1の変形例として、偏光計測装置10Bを示す。図1と同じ構成要素には同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
偏光計測装置10Bでは、シグナルコム11からの出力光だけをサンプル20に入射し、サンプル透過後のシグナルコム11の出力光と、ローカルコム12からの出力光を重ね合わせてから回転補償子15に導く。
より具体的には、第1の偏光子14とサンプル20を透過したシグナルコム11の出力光を、ミラー19とPBS13を用いて、ローカルコム12の出力光に重ね合わせる。ローカルコム12の出力光は、PBS13に入射する前に、第3の偏光子(P3)17によって直線偏光に調整されている。PBS13で重ね合された光は、回転補償子15を通過する。図1と同様に、回転補償子15の回転周波数ωは、回転制御部25によって繰り返し周波数差Δfrの分数倍に制御されている。回転補償子15の出力光を、第2の偏光子16を介して検出器21で検出する。検出器21の出力を解析装置30に入力して、サンプル20の透過光の偏光状態(Δ,Ψ)を計測する。
図3は、さらに別の変形例として、偏光計測装置10Cを示す。図1と同じ構成要素には同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
偏光計測装置10Cでは、シグナルコム11からの出力光だけがサンプル20と回転補償子15を通過する。シグナルコム11の光路上に、第1の偏光子14、サンプル20、回転補償子15、第2の偏光子16がこの順で配置されている。図1及び図2と同様に、回転補償子15の回転周波数ωは、回転制御部25によって繰り返し周波数差Δfrの分数倍に制御されている。
サンプル20と回転補償子15を通過し、第2の偏光子16で直線偏光に調整されたシグナルコム11からの光は、ミラー19とPBS13により、ローカルコム12の出力光に重ねられる。ローカルコム12の出力光は、PBS13に入射する前に、第3の偏光子(P3)17によって直線偏光に調整されている。PBS13で重ね合された光が検出器21で検出される。検出器21の出力を解析装置30に入力して、サンプル20の透過光の偏光状態(Δ,Ψ)を計測する。
図1〜3のいずれの構成においても、サンプル20を透過したシグナルコム11の出力光は、繰り返し周波数差Δfrの分数倍に回転周波数が制御された回転補償子15を通して検出される。以下で述べるように、検出光において規則的に並ぶ干渉信号の間に現れる新しいコム成分のフーリエ係数を見ることで、サンプル20を透過した光の偏光状態を高速かつ高精度に計測することができる。
シグナルコム11からの光とローカルコム12からの光を重ね合せる光学素子はPBSに限定されず、カプラ等を用いてもよい。
<本発明の原理>
次に、本発明の原理を説明する。
図4は、サンプル20の透過光の偏光状態を数学的に表す図である。紙面の手前方向(z方向)に向かって光がサンプル20を透過する場合を考える。サンプル20を透過する光電場ベクトルのx軸方向の成分をEx、y軸方向の成分をEyとする。ExとEyは通常、
Ex=Exoexp(iδx)
Ey=Eyoexp(iδy)
で表される。Ex成分の初期位相δxと、Ey成分の初期位相δyの間に位相差(Δ)がない状態で同じ振動数で振動しなから進行する場合は直線偏光である。Ex成分とEy成分の大きさが同じで、δxとδyの間にπ/2の位相差があるときは、xy面でみたときに光電場(合成ベクトル)の方向が円に沿って回転する円偏光となる。δxとδyの間の位相差が0あるいはπ/2以外のときは楕円偏光となる。光電場(ExとEyの合成ベクトル)の方向とy軸のなす角度が偏角(Ψ)である。換言すると、偏角Ψはy軸方向から図った楕円率角である。
サンプル20の透過光の偏光状態は、光電場のx軸方向成分(Ex)とy軸方向成分(Ey)成分の位相差Δと偏角Ψという2つのパラメータ(Δ,Ψ)を用いて表される。
図5は、光周波数コムの基本概念を説明する図である。周期Δtで出力される超短パルスは、時間領域では、図5の左図で示されるように、時間軸上に間隔Δtのパルス列として並ぶ。このパルス列をフーリエ変換して周波数領域のスペクトルを得ると、図5の右図のように、一定の間隔frで並ぶ光周波数列が得られる。光周波数の列が「くし(Comb)」のように並ぶので、「光周波数コム」と呼ばれる。コムが発生する間隔frが繰り返し周波数であり、Δtとfrは互いに逆数の関係にある。
第n番目の周波数コムは、キャリアエンベロープ・オフセット、すなわち始点の周波数fCEOを用いて、f(n)=fCEO+n×frで表される。
図6は、図1のデュアルコム分光法による偏光計測の概念図である。互いにΔfrだけ異なる繰り返し周波数を有する2つの光、すなわちシグナルコム11からの光とローカルコム12からの光は、ミラー19とPBS13によって重ね合されてサンプル20に入射する。サンプル20を透過した光は、繰り返し周波数差Δfrの分数倍の回転周波数ωで回転する回転補償子15を通過して、検出器21で検出される。検出器21で検出されるのは、シグナルコム11からの光と、ローカルコム12からの光の干渉光である。シグナルコム11からの光は、サンプル20を透過することにより受けた偏光情報を乗せている。ローカルコム12からの光は、シグナルコム11からの光に含まれているサンプル20の分光情報を読み取る。
この例では、ローカルコム12からのローカル光もサンプル20を透過するが、シグナルコム11とローカルコム12は非常に近い繰り返し周波数を有するので、2つの光はサンプル20でほぼ同じ変化を受けるとみなせる。したがって、2つの光の間で繰り返し周波数差Δfrは維持され、検出器21にて干渉光が適正に検出される。
図2や図3のように、サンプル20を通過しないローカルコム12の出力光を用いて、シグナルコム11からの光に含まれているサンブルの偏光情報を読み取ってもよい。
図7は、時間領域からみたデュアルコム分光法の原理を示す図である。シグナルコム11とローカルコム12は、わずかな繰り返し周波数の差をもってパルスを出力する。シグナルコム11のパルス間隔Δtは、繰り返し周波数frの逆数(1/fr)に等しい。ローカルコム12のパルス間隔Δt'は、繰り返し周波数の逆数(1/(fr−Δfr))に等しい。
検出器21では、シグナルコム11とローカルコム12の干渉信号U(t)が検出される。干渉信号U(t)の間隔、すなわちシグナルコム11のパルスとローカルコム12のパルスが一致してから次に再び一致するまでにかかる時間は、1/Δfrとなる。デュアルコム分光法では、一周期分(1/Δfr)の測定時間で、frの分解能が達成される。
これを周波数領域に置き換えてみる。シグナルコム11のn番目の周波数コムと、ローカルコム12のn番目の周波数コムが一致する場合、その周波数差は0Hzであり、検出器21において0Hzの信号として現れる。同様に、シグナルコム11の(n+1)番目とローカルコム12の(n+1)番目の周波数の差はΔfrとなる。この差は検出器21の出力でΔfrの信号として現れる。これを繰り返すと、シグナルコム11とローカルコム12の干渉信号U(t)は、ラジオ周波数(またはマイクロ波周波数)の領域でΔfr間隔で現れる。
このように、デュアルコム分光法では、fr間隔の光周波数の情報を、Δfr間隔のラジオ周波数領域の情報へダウンコンバートできる。
発明者らは、図7のデュアルコム分光法に、一定の条件を満たす偏波変調手段(たとえば一定条件の回転周波数で回転する回転補償子15)を組み合わせることで、干渉信号のコムとコムの間に、サンプル20の偏光情報を表わす新たなコムが立つことを見出した。
図8は、実施形態の構成で検出される干渉信号のスペクトルの模式図である。このスペクトルは、検出器21で検出される干渉信号U(t)をフーリエ変換して周波数領域で見たときの模式図である。ここでは、回転補償子15の回転周波数ωを、シグナルコム11とローカルコム12の繰り返し周波数差Δfrの1/10倍(ω=Δfr/10)に設定している。
n番目の発振モードに着目すると、本来のデュアルコム分光法によるコム信号Cn(nΔfr成分)に加えて、nΔfr±2ωと、nΔfr±4ωの位置に、新たなコム成分a1、a2、b1、b2が出現する。
サンプル20の状態が円偏光を示す場合は、本来のコム信号Cnから±2ωの位置に、新たなコム成分a1が現れる。
サンプル20の状態が直線偏光の場合は、コム信号Cnから±4ωの位置に新たなコム成分b1、b2が現れる。
サンプル20が楕円偏光の場合は、円偏光成分と直線偏光成分の両方を含むため、nΔfr±2ωとnΔfr±4ωの位置に新たなコム成分a1,a2、b1、b2が現れる。
繰り返し周波数差Δfrの分数倍の回転周波数で回転補償子15を回転させることで、サンプル20の偏光情報を含む新たなコム成分が、本来のデュアルコム分光法によるコム信号Cnと重ならないように制御する。
新しいコム成分が立つ位置によって、サンプル20が円偏光なのか、直線偏光なのか、楕円偏光なのかを判別することができる。後述するように、干渉信号U(t)をフーリエ解析することで、偏光状態(Δ,Ψ)を求めることができる。
4つの新しいコム成分を、それぞれ本来のデュアルコム分光法によるコム信号Cnと分離して抽出するには、4つのコム成分a1、a2、b1、b2が互いに重ならないだけでなく、他のコム信号に生じる新しいコム成分、たとえば隣接するコム信号Cn+1に生じる新しいコム成分a4、b4等と重ならないように分数値を選ぶ必要がある。
たとえば1/2倍だと、着目するコム信号Cの+2ω成分と、以下の4つのコム信号が重なる可能性がある;Cn+1の−2ω成分、Cn+2の−2ω成分、Cn+3の−4ω成分、そしてCn−1の+4ω成分。1/4倍だと、着目するコム信号Cの+2ω成分と、隣接するコム信号Cn+1の−2ω成分が重なる可能性がある。1/10倍は、新たに出現する4つのコム成分が他と重ならずに抽出できる条件を満たす。ただし、回転周波数ωをΔfrの1/10倍とすると、測定速度を十分に高めることが難しい場合もある。
他方で、回転補償子15の回転速度が速すぎると、回転補償子15の回転が不安定になる場合がある。そこで、回転補償子15が安定して回転し、4つの新たなコム成分が重ならない条件を満たす値の一例として、実施形態では6/5倍を選択する。この値は、実施形態で繰り返し周波数差Δfrが70Hz程度であること、回転補償子15の回転に用いるモータが安定して回転できる周波数の上限が100Hz程度であることを考慮して決定された値である。この場合、回転周波数ωはω=(6/5)Δfr=84Hzとなる。
図9〜図11は、回転周波数ωを(6/5)Δfrとしたときの、周波数領域のパワースペクトルの模式図である。
図9は、サンプル通過後の光が楕円偏光の場合のスペクトルの模式図である。着目するn番目の干渉信号(コム信号)Cnについて、nΔfr±2ω成分と、nΔfr±4ω成分の双方が検出される。
回転周波数ωを繰り返し周波数差Δfrの6/5倍にしているので、nΔfr±2ω成分が立つ位置と、nΔfr±4ω成分が立つ位置が、図8とは異なる。図9で、星印で示すように、円偏光を表わすnΔfr±2ω成分は、着目するコム信号Cnから2つ離れたコム信号の外側に現れる。また、直線偏光を表わすnΔfr±4ω成分は、着目するコム信号Cnから4つ離れたコム信号の外側に現れる。
これらの4つの新たなコム成分は、互いに重ならず、本来のデュアルコム分光法によるコム信号とも重ならない。また、他のコム信号に生じる新たなコム成分とも重ならない。
図10は、サンプル透過後の光が直線偏光の場合のスペクトルの模式図である。図10では、nΔfr±4ω成分だけが検出されている。図9と同様に、星印で示すnΔfr±4ω成分は、着目するコム信号Cnから4つ離れたコム信号の外側に現れる。このnΔfr±4ω成分は、本来のデュアルコム分光法によるコム信号とも、他のコム信号に生じる新たなコム成分とも重ならない。
図11は、サンプル透過後の光が円偏光の場合のスペクトルの模式図である。図11では、nΔfr±2ω成分だけが検出されている。図9と同様に、星印で示すnΔfr±2ω成分は、着目するコム信号Cnから2つ離れたコム信号の外側に現れる。このnΔfr±2ω成分は、本来のデュアルコム分光法によるコム信号とも、他のコム信号に生じる新たなコム成分とも重ならない。
回転補償子15の回転周波数がω=(6/5)Δfrの場合、本来のnΔfr成分のコム信号と、偏光情報を表わす新しいコムの対応関係は、
±2ω=±(2+2/5)Δfr
±4ω=±(4+4/5)Δfr
となる。nΔfrのコム信号Cnの円偏光の情報は、nΔfrから数えて±(2+2/5)Δfrの位置に現れる。同様に、nΔfr成分のコム信号Cnの直線偏光の情報は、nΔfr成分から数えて±(4+4/5)Δfrの位置に現れる。
以下で述べるように、検出光に含まれる2ω成分と4ω成分の大きさと位相から、サンプル透過光の偏光状態を算出することができる。
<数学的裏付け>
偏光状態が(Δ,Ψ)で表されることは上述のとおりである。他方、偏光状態を表わす量として、ストークスパラメータS1〜S3が用いられる。ストークスパラメータは、式(0)で表される。
S1=−cos2Ψ
S2=sin2Ψ・cosΔ
S3=−sin2Ψ・sinΔ (0)
一般的に、直線偏光の場合はS3=0となり、円偏光の場合はS1=S2=0となる。
サンプル20を透過する前のシグナルコム11とローカルコム12の光電場はそれぞれ式(1)と式(2)で表される。
ここで、frはシグナルコム11の繰り返し周波数、fCEOはシグナルコム11のキャリア・エンベロープオフセット周波数、φnはシグナルコム11の位相である。(fr−Δfr)はローカルコム12の繰り返し周波数、f'CEOはローカルコム12のキャリア・エンベロープオフセット周波数、φ'nはローカルコム12の位相である。また、n、nはそれぞれ、計測するシグナルコム信号とローカルコム信号の一つ目のコム番号である。キャリア・エンベロープオフセット周波数は、シグナルコム11とローカルコム12の間で一致させておいてもよい。
一般に、シグナルコム11とローカルコム12の干渉信号の強度Iは、E(t)とE'(t)を足し合わせた電場の大きさの絶対値の二乗に比例する(I∝|E(t)+E'(t)|2)。
実施形態では、サンプル20を透過した光は回転補償子(1/4波長板)15と第2の偏光子(P2)16を通り、式(3)で表わされる強度変調EAを受ける(藤原裕之著「分光エリプソメトリー」、丸善株式会社、pp.91)。
図1の構成を用いる場合は、シグナルコム11の出力光とローカルコム12の出力光の双方がサンプル20、回転補償子15、及び第2の偏光子16を通過する。したがって、シグナルコム11とローカルコム12からの光は、それぞれE*E(t)とE*E'(t)となり、検出器21でこれらの干渉信号が検出される。検出器21で検出される干渉信号U(t)は、
U(t)=<|EAE(t)+EAE'(t)|2>=EA 2<|E(t)+E'(t)|2>となる。
これを、式(0)のストークスパラメータS1〜S3を用いて表すと、式(4)のようになる。
ここで、EnS+nE'nL+nはシグナルコム11とローカルコム12の光電場の振幅の積であり、φnS+n-φ'nL+nは位相差である。
上述したように、サンプル20が直線偏光の場合はS3=0であり、円偏光の場合は、S1=S2=0である。円偏光の場合に式(4)にS1=S2=0を代入すると、nΔfr±2ω成分が残る。直線偏光の場合に式(4)にS=0を代入すると、nΔfr±4ω成分が残る。サンプルが楕円偏光の場合、式(4)において、nΔfr±2ωとnΔfr±4ωの両方が残る。この原理は、図8で模式的に示した状態と一致する。
U(t)の値は、検出器21の出力から取得できる。Δfrの値は既知である。詳細は省略するが、以下の(1)〜(5)の手順で、ストークスパラメータS1〜S3を求めることができる。
(1) nΔfr+2ω成分の振幅から|Ens+nE'nL+nS3|を求める。
(2) nΔfr+4ω成分の位相から、対応するnΔfr+2ω成分の位相を引くと、その位相差φは、式(4)から、
cosφ=S2/(S12+S221/2
sinφ=S1/(S12+S221/2
となり、
φ=tan-1(S1/S2)=tan-1(−cos2Ψ/sin2ΨcosΔ)
である。
(3) nΔfr+4ω成分の振幅にsinφをかけたものを(Ens+nE'nL+nS1)/2とし、cosφをかけたものを(Ens+nE'nL+nS2)/2とする。
(4) (1)〜(3)で求めた|Ens+nE'nL+nS3|、(Ens+nE'nL+nS1)/2、(Ens+nE'nL+nS2)/2を、|Ens+nE'nL+n|(S12+S22+S32)1/2で割って規格化することにより、S1, S2, S3を求める。
(5) S3の正負についてはφ'(すなわちnΔfr+2ω成分の項の位相から、nΔfr成分の位相を引いたもの)の変化から判断する。π以上の変化があった場合にはS3の正負は(1)と逆になる。また、φには±mπ/2(mは整数)の不定性があることも必要に応じて考慮する。
ストークスパラメータS1〜S3が求まると、式(0)から偏光状態(Δ,Ψ)を求めることができる。
<検証実験>
(1)光学系のセットアップ
図12は、上述した原理の検証実験に用いた光学系を示す。基本的に図1の構成と同様であり、同じ構成要素には同じ符号を付けて重複する説明を省略する。シグナルコム11とローカルコム12は、エルビウム添加ファイバーレーザーで構成され、電気光学変調器(EOM)により共振器長を高速制御して、コムの線幅を1Hz以下に保っている。
シグナルコム11の繰り返し周波数は48.35020MHz、ローカルコム12の繰り返し周波数は48.35013MHz、繰り返し周波数差Δfrは約70Hzである。
シグナルコム11とローカルコム12は、1.54μmの安定化レーザー23と、これに最も近いモード番号のコムとのビート周波数が30MHzになるように、ファンクションジェネレータ26〜29で制御されている。また、シグナルコム11とローカルコム12のキャリア・エンベロープオフセット周波数(fCEO)も、ビート周波数が30MHzになるようにファンクションジェネレータ28,29により制御されている。
シグナルコム11からの出力光を、ミラー19とPBS13で、ローカルコム12の出力光と重ね合わせ、第1の偏光子14を通してサンプル20に入射する。第1の偏光子14は、45°の角度に固定されている。
回転補償子15として1/4波長板を用い、回転周波数ωが繰り返し周波数(Δfrep)の1.2倍(6/5倍)になるように、回転制御部25としてのファンクションジェネレータで制御している。サンプル20、回転補償子15、第2の偏光子16を通過した光をレンズ18で検出器21の入力ポート(不図示)に集光する。第2の偏光子16は、45°に固定された第1の偏光子14に対して第2の偏光子16を回転させたときに、検出されるパワーレベルが最大となる角度に設定した。
(2)サンプルとしての1/4波長板の使用
図12のサンプル20の位置に、サンプルの代替として1/4波長板を配置する。1/4波長板は、遅軸と速軸の屈折率差を利用して、入射する光の偏光を変化させる性質をもつ光学素子である。サンプルとしての1/4波長板の角度θを変化させることで、入射光の偏光状態を円偏光や直線偏光に変換することができる。すなわち、入射光が生体分子等のサンプルで受ける偏光の変化を模擬的に表すことができる。
図12の光学系は、サンプルとしての1/4波長板の角度θがθ=48°のときに直線偏光、θ=93°のときに円偏光となるように調節されている。1/4波長板の角度θが48°のときに、光が速軸(または遅軸)に沿って入射していると考えられる。
サンプルとしての1/4波長板を、θ=48°の位置から5°刻みで180°回転させる。各角度において、干渉波形(インターフェログラム)を15パルス分とる。
通常のデュアルコム分光法では、1パルス分のインターフェログラムを記録すると、ラジオ周波数領域において、分解能はΔfrとなる。実施形態では、Δfr間隔のコムの間に最大で4本のサイドバンド(コム成分)が出現するため、従来の5倍の分解能が必要になる。デュアルコム分光法を用いた実施形態の偏光計測では、最低5パルス分測定する必要があり、余裕をもたせて15パルス分を測定する。
図13〜図16は、実際に測定したインターフェログラムを離散フーリエ変換したパワースペクトルである。横軸がデータ番号、縦軸がパワーである。
図13は、サンプル位置の1/4波長板の角度がθ=48°のときのパワースペクトルである。規則的に現れるコムとコムの間の領域の両端側にサイドバンドが観察される。検証実験では回転補償子15の回転周波数がω=1.2Δfrに設定されているので、これらのサイドバンドは、4つ離れたコム信号の±4ω成分である。この状態は、サンプル(1/4波長板)の透過光が完全に直線偏光の場合を示す。
図14は、サンプル位置の1/4波長板の角度がθ=63°のときのパワースペクトルである。コムとコムの間の領域の両端側のサイドバンドに加えて、中央領域にも2つのサイドバンドが出現する。この中央領域のサイドバンドは、2つ離れたコム信号の±2ω成分である。コムとコムの間に、トータルで4つのサイドバンドが観察され、サンプル(1/4波長板)の透過光が楕円偏光である場合を示す。
図15は、サンプル位置の1/4波長板の角度がθ=78°のときのパワースペクトルである。コムとコムの間に4つのサイドバンドが現れるのは図14と同じである。図14と比較して、nΔfr±2ω成分が大きくなり、サンプル(1/4波長板)の透過光は円偏光に近い楕円偏光である場合を示す。
図16は、サンプル位置の1/4波長板の角度がθ=93°のときのパワースペクトルである。コムとコムの間の領域の中央領域に2つのサイドバンドが現れる。これは、サンプル(1/4波長板)の透過光が円偏光である場合を示す。
上記の「数学的裏付け」で説明したように、nΔf±2ω成分とnΔf±4ω成分の大きさと位相からストークスパラメータS1〜S3を求めることで、サンプル透過光の偏光状態(Δ,Ψ)を求めることができる。
図17は、サンプルとしての1/4波長板の各角度におけるストークスパラメータS1〜S3をポアンカレ球上にプロットした図である。1/4波長板を48°から5°刻みで回転させると、赤道付近(すなわち直線偏光)からスタートして、8の字を描くように北極付近を通って、再び赤道付近に戻ってくることがわかる。これは、1/4波長板を回転させることで、透過光の偏光状態が、直線偏光→楕円偏光→円偏光→楕円偏光→直線偏光と変化することを意味する。図17では90°分の回転の様子を描いているが、1/4波長板を180°分回転させると、北半球と同様に、南半球でも南極付近を通って赤道付近に戻り、8の字が完成する。
(3)サンプルとしての1/2波長板の使用
次に、図12のサンプル位置に、1/2波長板を置いて、1/4波長板を置いた場合と同様の実験を行う。図12の光学系は、1/2波長板の角度が84°のときに光が速軸(または遅軸)に沿って入射するように調整される。
1/2波長板を84°から15°刻みで180°回転させて、各角度でのパワースペクトルを計測する。図18は、その一部のみを示すが(回転の角度θλ/2が84°、54°、24°、354°の場合)、180°の回転の範囲にわたって、コムとコムの間にnΔfr±4ω成分だけが現れる。
図19は、1/2波長板の各角度におけるストークスパラメータS1〜S3をポアンカレ球上にプロットしたものである。(a)はポアンカレ球全体の様子、(b)は1/2波長板の角度θが84°〜9°までのときのS1〜S3を北極から見た図、(c)は1/2波長板の角度θが354°〜279°までのときのS1〜S3を北極から見た図、(d)は全体を北極からみた図である。
図19から、S1〜S3は赤道上をほぼ等間隔で移動していることがわかる。ポアンカレ球の赤道上では、対角となる位置で直線の傾きが90°回転し、赤道を一周すると直線の傾きは180°回転する。これは図19のプロットの結果と一致する。
サンプルとして1/2波長板を用いる実験により、サンプルで生じる変化が直線偏光の面の回転(傾きの変化)である場合でも実施形態の手法を有効に適用できることが確認された。
以上のように、実施形態の偏光計測によると、デュアルコム分光法を利用し、測定対象の出射側に所定の条件を満たすように回転周波数が制御された回転補償子を配置することで、測定対象の透過光の偏光状態を高速かつ高精度に計測することができる。この手法は、たとえば物質の円二色性の測定に適用することができる。
10A、10B、10C 偏光計測装置
11 シグナルコム(第1の光周波数コム光源)
12 ローカルコム(第2の光周波数コム光源)
13 偏光ビームスプリッタ(PBS)
14 偏光子
15 回転補償子
16 偏光子
20 サンプル(試料)
21 検出器
25 回転制御部(回転手段)
30 解析装置
31 コム解析部
32 偏光状態算出部

Claims (9)

  1. 第1の繰り返し周波数を有する第1の光周波数コム光源と、
    第2の繰り返し周波数を有する第2の光周波数コム光源と、
    前記第1の光周波数コム光源の光路上で試料の出射側に配置され、偏光状態を周期的に変調する変調素子と、
    前記変調素子を、前記第1の光周波数コム光源と前記第2の光周波数コム光源の繰り返し周波数差の分数倍の周波数で偏光変調する手段と、
    前記第1の光周波数コム光源から出力されて前記試料及び前記変調素子を透過する光と、前記第2の光周波数コム光源から出力される光の干渉光を検出する検出器と、
    前記干渉光に基づいて前記試料を透過した光の偏光状態を計測する解析装置と、
    を有することを特徴とする偏光計測装置。
  2. 前記解析装置は、前記繰り返し周波数差をΔfr、前記繰り返し周波数差の分数倍の周波数をωとしたときに、周波数領域でのn番目(nは自然数)の干渉信号について、nΔfr±2ωとnΔfr±4ωの少なくとも一方の成分を検出し、検出された前記成分に基づいて前記試料を透過した光の偏光状態を算出することを特徴とする請求項1に記載の偏光計測装置。
  3. 前記分数倍の分数の値は、nΔfr±2ωとnΔfr±4ωの4つの成分が互いに重ならない値に設定されていることを特徴とする請求項2に記載の偏光計測装置。
  4. 前記解析装置は、検出された前記成分に基づいて、偏光の種類と偏光の方向を決定することを特徴とする請求項2に記載の偏光計測装置。
  5. 前記変調素子は、回転補償子、電気光学変調器、光弾性変調器を含むことを特徴とする請求項1に記載の偏光計測装置。
  6. 前記第1の光周波数コム光源から出力された光と、前記第2の光周波数コム光源から出力された光を重ね合わせる光学素子、
    をさらに有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光計測装置。
  7. 前記試料の入射面側に配置される第1の偏光子、及び/または前記変調素子の出力側に配置される第2の偏光子、
    をさらに有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光計測装置。
  8. 第1の繰り返し周波数を有する第1の光周波数コム光源と、第2の繰り返し周波数を有する第2の光周波数コム光源でデュアルコム分光測定用の光源を構成し、
    前記第1の光周波数コム光源からの出力光で試料を照射し、
    前記試料の出射側に配置されて偏光状態を周期的に変調する変調素子を、前記第1の光周波数コム光源と前記第2の光周波数コム光源の繰り返し周波数差の分数倍の周波数で偏光変調し、
    前記試料と前記変調素子を透過した前記第1の光周波数コム光源からの出力光と、前記第2の光周波数コム光源から出力された光の干渉光を検出し、
    前記干渉光に基づいて前記試料を透過した光の偏光状態を計測する
    ことを特徴とする偏光計測方法。
  9. 前記繰り返し周波数差をΔfr、前記繰り返し周波数差の分数倍の周波数をωとしたときに、周波数領域でのn番目(nは自然数)の干渉信号について、nΔfr±2ωと、nΔfr±4ωの少なくとも一方の成分を検出し、
    検出された前記成分に基づいて前記試料を透過した光の偏光状態を算出する
    ことを特徴とする請求項8に記載の偏光計測方法。
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