JP2017138017A - バーナ、これを備えたボイラ及びこれを備えた船舶 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】重油を噴射する複数の燃料噴射孔18と、各燃料噴射孔18の周囲から水素を噴射する複数の水素噴射孔20と、各水素噴射孔20の周囲から燃焼用空気を供給する空気供給部22とを備えている。燃料噴射孔18の噴射角度は、各燃料噴射孔18が形成された燃料噴射管17の中心軸線C1に対して両側にみた角度範囲が60°以下とされている。
【選択図】図2
Description
近年の排ガス規制強化の影響から、硫黄分を多く含む重油の使用に際して、高価な低硫黄重油への燃料転換や、高性能脱硫装置への改造が求められているが、ランニングコスト増加が想定される。また、炭化水素燃料は、二酸化炭素を含む燃焼ガスを排出し、地球温暖化への影響が懸念される。
これに対して、重油またはLNGの一方を水素で代替することにより、硫黄酸化物の生成を抑制し、二酸化炭素排出量を削減することが検討されている。
炭化水素燃料であるLPGと水素とを混焼するバーナについては、下記特許文献1に開示されている。
また、水素燃焼時に輻射伝熱量が低下することにより、火炉内での吸熱が十分に進まずに火炉出口温度が上昇することから、現行の蒸発管や過熱器の材料見直しが必要になるという問題がある。
すなわち、本発明にかかるバーナは、燃料油を噴射する複数の燃料噴射孔と、各前記燃料噴射孔の周囲から水素を噴射する複数の水素噴射孔と、各前記水素噴射孔の周囲から燃焼用空気を供給する空気供給部とを備えていることを特徴とする。
一方、水素噴射孔から噴射された水素は、水素が燃料ガスよりも燃焼速度が速いため、水素の燃焼が燃料ガスの燃焼よりも優先して行われて酸素を消費する。これにより、燃料ガスの燃料をさらに酸素不足下で行わせることができる。
燃料ガスは、水素が助燃剤となった状態で、酸素不足下で安定的に燃焼させられるので、水素を燃料として混合しても、炉内の輻射伝熱性能が低下することを回避して、十分な火炉吸熱量を確保することが可能となる。
[第1実施形態]
図1には、本実施形態にかかる舶用ボイラ(以下、単に「ボイラ」という。)1が示されている。ボイラ1は、船舶に設置されており、船舶の主機の駆動に用いられる。
水素噴射孔20から噴射された水素によって循環渦R1が形成され、水素燃焼による着火が行われる。この水素燃焼が起点となり重油の燃焼が行われ、炭素を含む燃料粒子Pによる発光が行われる。
燃料噴射孔18の周囲に水素を噴射するので、燃料噴射孔18の周囲には、水素が噴射されて形成される水素領域が存在する。このため、燃料噴射孔18から噴射された重油は、さらに外周に存在する空気と出会う前に、燃料噴射孔18の周囲に存在する水素領域に噴射される。この水素領域では、水素が重油よりも燃焼速度が速いため、水素の燃焼が重油の燃焼よりも優先して行われる。したがって、水素領域では、水素燃焼により酸素を消費しているため、酸素不足の領域となる。そして、重油は、水素が助燃剤となった状態で、酸素不足下で安定的に燃焼が行われる。これにより、重油は酸素不足下で燃焼を開始するので、積極的な煤の発生が進行し、粒子輻射率が増大する。したがって、水素を燃料として混合しても、炉内の輻射伝熱性能が低下することを回避して、十分な火炉吸熱量を確保することが可能となる。
輻射率がn倍になることで、水素混焼量を高めることができ、重油燃焼量を1/nまで削減することができる。これにより、燃焼量に対する重油中の硫黄分が占める割合が低下することから、排ガス中硫黄酸化物濃度が低下する。
また、本実施形態によれば、水素混焼が可能となるので、低硫黄重油への燃料転換、脱硫装置高性能化といった措置が不要になる。
また、水素混焼によって重油燃焼量が低下するので、二酸化炭素排出量を削減できる。
また、水素の燃焼速度が重油よりも十分に速いことから、バーナ3近傍での安定燃焼を期待でき、水素が助燃剤として働くことで噴射角が狭くなった場合にも、着火・保炎性能を確保することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態では、第1実施形態に対して、燃料が重油ではなくLNG(燃料ガス)である点で相違する。したがって、バーナの構造が異なるが、ボイラの全体構造は同様なので、その説明は省略する。
燃料噴射孔18’及び水素噴射孔20’の外周側には、複数の旋回ベーン16を有する空気供給部22が設けられている。
LNGを噴射する燃料噴射孔18’の両隣に、水素を噴射する水素噴射孔20’が配置されている。そして、水素噴射孔20’は、燃料噴射孔18’よりも小径とされている。したがって、燃料噴射孔18’から噴射されたLNGは、水素噴射孔20’よりも多くの燃料が供給されるので燃料過剰となり、酸素不足下での燃焼となる。
一方、水素噴射孔20’から噴射された水素は、水素がLNGよりも燃焼速度が速いため、水素の燃焼がLNGの燃焼よりも優先して行われて酸素を消費する。これにより、LNGの燃料をさらに酸素不足下で行わせることができる。
LNGは、水素が助燃剤となった状態で、酸素不足下で安定的に燃焼させられるので、LNG中の炭素分の発光によって輻射量を増加させることができる。したがって、水素を燃料として混合しても、炉内の輻射伝熱性能が低下することを回避して、十分な火炉吸熱量を確保することが可能となる。
2 火炉
3,3’ バーナ
4 フロントバンクチューブ
5 過熱器
5a 頂部
6 蒸発管群
9 水ドラム
7 出口側ガスダクト
8 ガス出口
10 蒸気ドラム
11 ヘッダ
12 ヘッダ
13 空気ダクト
14 風箱
15 スロート
16,16a,16b 旋回ベーン
17 燃料噴射管
18,18’ 燃料噴射孔
19 水素噴射管
20,20’ 水素噴射孔
21a,21b 空気供給管
22,22a,22b 空気供給部
Claims (5)
- 燃料油を噴射する複数の燃料噴射孔と、
各前記燃料噴射孔の周囲から水素を噴射する複数の水素噴射孔と、
各前記水素噴射孔の周囲から燃焼用空気を供給する空気供給部と、
を備えていることを特徴とするバーナ。 - 前記燃料噴射孔の噴射角度は、各前記燃料噴射孔が形成された燃料噴射管の中心軸線に対して両側にみた角度範囲が60°以下とされていることを特徴とする請求項1に記載のバーナ。
- 燃料ガスを噴射する複数の燃料噴射孔と、
各前記燃料噴射孔の隣に設けられ、該燃料噴射孔よりも小径とされた水素を噴射する複数の水素噴射孔と、
各前記燃料噴射孔および各前記水素噴射孔の周囲から燃焼用空気を供給する空気供給部と、
を備えていることを特徴とするバーナ。 - 請求項1から3のいずれかに記載のバーナを備えていることを特徴とするボイラ。
- 請求項4に記載のボイラを備えていることを特徴とする船舶。
Priority Applications (1)
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JP2016017243A JP6552976B2 (ja) | 2016-02-01 | 2016-02-01 | バーナ、これを備えたボイラ及びこれを備えた船舶 |
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