JP2017137785A - 燃料噴射弁制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】微量な燃料噴射を行い得る燃料噴射弁制御装置を実現すること。【解決手段】電磁弁(150)へ通電する駆動電流を制御する電流出力部(102)と、入力された目標燃料噴射量に応じて前記電流出力部から出力する駆動電流の大きさ及び持続時間を制御する駆動電流制御部(112)と、を有する。一の態様では、前記駆動電流制御部は、前記電流出力部から出力する駆動電流の大きさ及び持続時間を制御して、前記電磁弁の弁体を閉弁位置から全開位置に至る前までの範囲で動かすか、又は前記電磁弁の弁体を、全開位置における当該弁体のバウンドが終了する前のバウンス期間内に閉弁位置へ向かって下降させることにより、前記入力された目標燃料噴射量の燃料噴射動作を行う。【選択図】図1
Description
本発明は、例えば内燃機関の燃料噴射弁の開閉を制御する燃料噴射弁制御装置に関し、特に、微量な燃料噴射を行うことのできる燃料噴射弁制御装置に関する。
内燃機関の動作を制御するためには、当該内燃機関における燃料噴射量を精度よく制御することが必要となる。このような燃料噴射量の制御は、従来、燃料噴射弁である電磁弁の弁体を当該電磁弁に通電して閉弁位置から開弁位置に移動させた後、当該弁体を所定の開弁位置に安定に停止させ、当該弁体が当該所定の開弁位置に安定に停止した状態(以下、安定開弁状態)における経過時間を制御することにより行われる。
また、従来、電磁弁を開弁した後に当該電磁弁のソレノイドに電圧パルスを通電し、当該電圧パルスのデューティ制御を行うことで、安定開弁状態における燃料噴射弁の開口面積を制御して、燃料噴射量を制御することが知られている(特許文献1)。
これら従来の技術においては、弁体が閉弁位置から開弁位置に至るまでの間に噴射される燃料量が、上記安定開弁状態での経過時間によって制御される燃料噴射量に付加されるオフセット又は誤差(噴射量誤差)となることから、従来、弁体を閉弁位置から開弁位置に移動させる際には、昇圧電圧からの高電圧(昇圧電圧)を電磁弁に印加して素早く弁体を開弁位置に移動させ、開弁位置への移動後は、上記昇圧電圧より低いバッテリからの供給電圧を当該電磁弁に印加することで弁体を所定の開弁位置に安定に停止させている。
しかしながら、弁体を閉弁位置から開弁位置に移動するまでの期間(開弁動作期間)の時間長さは有限であり、当該開弁動作期間に噴射される燃料量をゼロにすることはできない。このため、開弁動作期間に噴射される燃料量を最小燃料噴射量とし、当該最小燃料噴射量に安定開弁状態での経過時間で制御される燃料噴射量を加算した値が目標とする燃料噴射量となるように、当該経過時間の制御が行われる。
ところで、特にディーゼルエンジンのような内燃機関では、燃焼効率の向上等を目的として、気筒への燃料噴射を1回で行うのではなく、微量な燃料噴射(予備噴射)を1回又は複数回行った後に所定量のメイン噴射を行う多段階噴射を行う場合がある。
この場合、上記従来技術を用いると、開弁動作期間における燃料噴射に起因する最小燃料噴射量以下の微量な噴射を行うができず、多段噴射における噴射量設計の自由度が制限される。また、一般に、電磁弁に用いるソレノイドの抵抗値は、当該電磁弁への通電に起因して発生する熱等により動的に変化するため、開弁動作期間毎に電磁弁に印加する電圧を一定に制御したとしても、開弁動作期間における弁体の移動速度にはばらつきが生じ、その結果として最小燃料噴射量にばらつきが生じ得る。このため、目標燃料消費量が最小燃料消費量に近いほど、実際に気筒へ噴射される燃料量には大きな誤差が生じ得ることとなる。
上記背景より、微量な燃料噴射を精度良く行い得る燃料噴射弁制御装置の実現が望まれている。
本発明の一の態様は、電磁弁である燃料噴射弁の動作を制御する燃料噴射弁制御装置であって、前記電磁弁へ通電する駆動電流を制御する電流出力部と、入力された目標燃料噴射量に応じて、前記電流出力部から出力する駆動電流の大きさ及び持続時間を制御する駆動電流制御部と、を有する。
本発明の他の態様によると、前記駆動電流制御部は、前記電流出力部から出力する駆動電流の大きさ及び持続時間を制御して、前記電磁弁の弁体を閉弁位置から全開位置に至る前までの範囲で動かすことにより、前記入力された目標燃料噴射量の燃料噴射動作を行う。
本発明の他の態様によると、前記駆動電流制御部は、前記電流出力部から出力する駆動電流の大きさ及び持続時間を制御して、前記電磁弁の弁体を、全開位置における当該弁体のバウンドが終了する前のバウンス期間内に閉弁位置へ向かって下降させることにより、前記入力された目標燃料噴射量の燃料噴射動作を行う。
本発明の他の態様によると、前記駆動電流制御部は、前記電流出力部から出力する駆動電流の大きさ及び持続時間を制御して、前記電磁弁の弁体を閉弁位置から全開位置に至る前までの範囲で動かすことにより、前記入力された目標燃料噴射量の燃料噴射動作を行う。
本発明の他の態様によると、前記駆動電流制御部は、前記電流出力部から出力する駆動電流の大きさ及び持続時間を制御して、前記電磁弁の弁体を、全開位置における当該弁体のバウンドが終了する前のバウンス期間内に閉弁位置へ向かって下降させることにより、前記入力された目標燃料噴射量の燃料噴射動作を行う。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
本実施形態の燃料噴射弁制御装置は、車両(以下、自車両という)に搭載され、例えば、自車両の動作を制御する電子制御装置(ECU、Electronic Control Unit)として構成され得る。なお、本実施形態では単独の装置として燃料噴射弁制御装置が構成されるものとしたが、これに限らず、他の装置の一部(例えば、内燃機関の動作を制御するECUの一部)として構成されるものとすることもできる。
本実施形態の燃料噴射弁制御装置は、車両(以下、自車両という)に搭載され、例えば、自車両の動作を制御する電子制御装置(ECU、Electronic Control Unit)として構成され得る。なお、本実施形態では単独の装置として燃料噴射弁制御装置が構成されるものとしたが、これに限らず、他の装置の一部(例えば、内燃機関の動作を制御するECUの一部)として構成されるものとすることもできる。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料噴射弁制御装置の構成を示す図である。本燃料噴射弁制御装置100は、駆動電流出力部102と、昇圧回路104と、電流検出部106と、通信インタフェース(通信INF)108と、記憶部110と、処理装置112と、を有する。
駆動電流出力部102は、内燃機関(不図示)に設けられた燃料噴射弁である電磁弁150(より正確には、電磁弁150のソレノイド)を駆動する駆動電流を制御して出力する。駆動電流出力部102は、外部から供給されるバッテリ電圧VB、及び後述する昇圧回路104から供給される昇圧電圧VUにより動作し、後述する電流検出部106により検出される電流検出値に基づいて、上記駆動電流が後述する処理装置112からの電流設定値と等しくなるように、当該駆動電流をフィードバック制御する。この駆動電流出力部102は、例えば、処理装置112からの上記電流設定値が示す大きさの駆動電流を出力する定電流回路で構成されるものとすることができる。
昇圧回路104は、外部から供給されるバッテリ電圧VBを昇圧して所定の昇圧電圧VUを出力する。
電流検出部106は、例えば、電磁弁150とグランドとの間に設けられた抵抗器であり、電磁弁150に流れる電流に応じた電圧を電流検出値として駆動電流出力部102へ出力する。
通信INF108は、例えばCAN(Controller Area Network)規格に準拠したバス通信を行って、電磁弁150が設けられた内燃機関を備える自車両の動作を制御する他のECU(不図示)との間でのデータ授受を行う送受信機であるものとすることができる。
記憶部110は、揮発性及び又は不揮発性のメモリ(例えば、半導体メモリ)や、ハードディスク等で構成される記憶装置であるものとすることができる。記憶部110には、所望の燃料量(目標燃料噴射量)を噴射するために駆動電流出力部102に設定すべき、電流値(電流設定値)と当該電流値の持続時間とを示すマップが、予め定められて記憶されている。
処理装置112は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)、データの一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)等を有するコンピュータであり、制御決定ユニット130と、電流値設定ユニット132と、持続時間設定ユニット134と、電流制御ユニット136と、を有する。
処理装置112が備える上記各ユニットは、コンピュータである処理装置112がプログラムを実行することにより実現され、当該コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて又はこれに加えて、上記各ユニットの全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
制御決定ユニット130は、通信INF108を介して受信される他のECUからの情報(例えば、内燃機関のスロットル開度など)に基づいて、内燃機関の1燃焼サイクルにおいて実行すべき気筒への燃料噴射の態様を決定し、当該態様を示す燃料噴射指示情報を後述する電流値設定ユニット132、通電時間設定ユニット134、及び電流制御ユニット136へ出力する。
この燃料噴射指示情報には、当該燃焼サイクルにおいて実行すべき燃料噴射動作の回数と各燃料噴射動作における目標燃料噴射量、初回の燃料噴射動作の開始タイミング(例えば、当該動作を開始すべき内燃機関のクランク角(噴射開始クランク角))、及び2回目以降の燃料噴射動作の開始タイミング(例えば、直前の燃料噴射動作の開始時刻からの経過時間)、が含まれるものとすることができる。
電流値設定ユニット132は、制御決定ユニット130が出力した燃料噴射指示情報に従い、記憶部110が記憶するマップを参照して、当該燃料噴射指示情報が示す直近に行うべき燃料噴射動作において目標燃料噴射量を実現するための、駆動電流出力部102に設定すべき電流設定値を決定し、当該決定した電流設定値を示す電流設定情報を、後述する電流制御ユニット136へ出力する。
持続時間設定ユニット134は、制御決定ユニット130が出力した燃料噴射指示情報に従い、記憶部110が記憶するマップを参照して、当該燃料噴射指示情報が示す直近に行うべき燃料噴射動作において目標燃料噴射量を実現するための、駆動電流出力部102に設定すべき上記電流設定値の持続時間を決定し、当該決定した持続時間を示す持続時間情報を、後述する電流制御ユニット136へ出力する。
電流制御ユニット136は、内燃機関に設けられたクランク角センサ152(すなわち、当該内燃機関のクランク軸の回転角を検知して出力するセンサ)から現在のクランク角を示すセンサデータを受信すると共に、現在の燃焼サイクルにおいて実施した燃料噴射動作の回数をカウントする。また、電流制御ユニット136は、燃料噴射動作を開始したときは、当該燃料噴射動作の開始からの経過時間を計測する。当該経過時間の計測は、例えばタイマー(不図示)を用いたり、燃料噴射動作の開始時点で放電が開始された所定のコンデンサ(不図示)の端子電圧の低下量を用いて行うことができる。上述した現在のクランク角、燃料噴射動作の回数、及び燃料噴射動作開始からの経過時間は、直近に実行すべき燃料噴射動作の開始タイミングを決定するのに用いられる。
そして、電流制御ユニット136は、制御決定ユニット130が出力した燃料噴射指示情報が示す燃料噴射動作の開始タイミングに従い、電流値設定ユニット132からの電流設定情報が示す電流設定値を、持続時間設定ユニット134からの持続時間情報が示す持続時間だけ駆動電流出力部102に設定する。
なお、電流値設定ユニット132及び持続時間設定ユニット134は、それぞれ、制御決定ユニット130が出力した燃料噴射指示情報に従い、当該燃料噴射指示情報が示す回数の各燃料噴射動作についての電流設定情報及び持続時間情報を、それぞれの燃料噴射動作が開始される前に、電流制御ユニット136へ出力するものとする。例えば、電流制御ユニット136は、現在の燃料噴射動作についての電流設定値を駆動電流出力部102に設定した後に、電流値設定ユニット132及び持続時間設定ユニット134に対して次の燃料噴射動作に必要な電流設定情報と持続時間情報とを要求する要求信号を送信し、電流値設定ユニット132及び持続時間設定ユニット134は、それぞれ、当該要求信号を受信したことに応じて、次の燃料噴射動作に必要な電流設定情報と持続時間情報とを電流制御ユニット136へ出力するものとすることができる。
これにより、駆動電流出力部102は、電流制御ユニット136により設定される電流設定値を目標値とするフィードバック制御を当該電流設定値が設定されている時間(持続時間)だけ実行するという動作を繰り返すことで、電磁弁150に、制御決定ユニット130が決定した態様の燃料噴射動作を実行させることができる。
特に、燃料噴射弁制御装置100では、従来技術のように電磁弁150へ印加する電圧を制御するのではなく、電磁弁150の通電電流(駆動電流)を制御するため、当該通電に伴う電磁弁150の温度変動があっても、電磁弁150に発生する磁界の、通電毎のばらつきを低減して(従って、弁体の移動自の速度の、通電毎のばらつきを低減して)、燃料噴射量の再現性を良好に保つことができる。
また、特に、燃料噴射弁制御装置100は、記憶部110が記憶するマップが示す上記電流設定値及び上記持続時間を用いて駆動電流を制御することにより、電磁弁150の弁体の動きを、以下に示す3つのモードで動作させる。そのうち、第3のモードは、弁体が安定開弁状態になった後に当該弁体を閉弁位置へ移動させるものであり、従来技術と同様である。これに対し、第1及び第2のモードは、弁体が安定開弁状態になることを要することなく、当該弁体を素早く移動させて短時間に燃料噴射弁の開閉を行うものであり、これにより、燃料噴射弁制御装置100は、従来技術に比べて微量な燃料噴射を実現することができる。
まず、弁体の動きの第1のモードについて説明する。
図2は、燃料噴射弁制御装置100により実現される、電磁弁150の弁体の動きの第1のモードを説明するための図である。図2(a)は、電磁弁150へ通電する駆動電流の時間変化を示す図であり、横軸が時間、縦軸が電流値を示している。図2(b)は、図2(a)に示す駆動電流により実現される弁体のリフト量(閉弁位置から全開位置に向かう弁体の移動量)の時間変化を示す図であり、横軸が時間、縦軸がリフト量を示している。
図2は、燃料噴射弁制御装置100により実現される、電磁弁150の弁体の動きの第1のモードを説明するための図である。図2(a)は、電磁弁150へ通電する駆動電流の時間変化を示す図であり、横軸が時間、縦軸が電流値を示している。図2(b)は、図2(a)に示す駆動電流により実現される弁体のリフト量(閉弁位置から全開位置に向かう弁体の移動量)の時間変化を示す図であり、横軸が時間、縦軸がリフト量を示している。
図2に示す第1のモードでは、弁体は、開弁開始時刻tdに全開位置へ向かって上昇を開始した後、全開位置に至る前までの移動範囲内の位置をピーク位置として下降する。
すなわち、図2(a)のライン200に沿って駆動電流が通電開始時刻tsに電流設定値IA1まで上昇すると、弁体は、図2(b)のライン202に沿って、所定の遅れ時間が経過した時刻td(開弁開始時刻)に上昇を開始する。そして、持続時間Δtc1が経過した通電終了時刻te1に駆動電流がゼロまで下降すると、弁体は、全開位置に至る前までの移動範囲内の位置をピーク位置として下降して、時刻tf1に閉弁位置に達する。
ここで、ライン202に沿って弁体が移動すると、当該ライン202と時間軸とで囲まれた面積にほぼ比例した量の燃料が噴射されることとなる。したがって、持続時間Δtc1を変えて終了時刻te1を変化させることで上記ピーク位置を変更し、ライン202と時間軸とで囲まれた面積を変化させれば、燃料噴射量を所望の量に制御することができる。
次に、弁体の動きの第2のモードについて説明する。
図3は、燃料噴射弁制御装置100により実現される、電磁弁150の弁体の動きの第2のモードを説明するための図である。図3(a)は、電磁弁150へ通電する駆動電流の時間変化を示す図であり、横軸が時間、縦軸が電流値を示している。図3(b)は、図3(a)に示す駆動電流により実現される弁体のリフト量(閉弁位置から全開位置に向かう弁体の移動量)の時間変化を示す図であり、横軸が時間、縦軸がリフト量を示している。
図3は、燃料噴射弁制御装置100により実現される、電磁弁150の弁体の動きの第2のモードを説明するための図である。図3(a)は、電磁弁150へ通電する駆動電流の時間変化を示す図であり、横軸が時間、縦軸が電流値を示している。図3(b)は、図3(a)に示す駆動電流により実現される弁体のリフト量(閉弁位置から全開位置に向かう弁体の移動量)の時間変化を示す図であり、横軸が時間、縦軸がリフト量を示している。
図3に示す第2のモードでは、弁体は、開弁開始時刻tdに全開位置へ向かって上昇を開始した後、全開位置を規定するストッパ又は座(不図示)に衝突してから当該ストッパに対するバウンドが終了する前までの期間(バウンス期間)内に下降を開始する。
すなわち、図3(a)のライン300に沿って駆動電流が通電開始時刻tsに電流設定値IA2まで上昇すると、弁体は、図3(b)のライン302に沿って、所定の遅れ時間が経過した時刻td(開弁開始時刻)に上昇を開始し、時刻tbにおいて全開状態を規定するストッパに衝突して、当該ストッパに対するバウンドを開始する。そして、通電開始時刻tsから所定の持続時間Δtc2が経過した通電終了時刻te2に駆動電流がゼロまで下降すると、弁体は、ストッパに対するバウンドが終了する前までのバウンス期間内に、閉弁位置へ向かって下降し、時間tf2に閉弁位置へ達する。
ここで、図2に示すライン202と同様に、ライン302に沿って弁体が移動した場合には、当該ライン302と時間軸とで囲まれた面積にほぼ比例した量の燃料が噴射される。したがって、持続時間Δtc2を変えて終了時刻te2を変化させれば、ライン302と時間軸とで囲まれた面積は変化し、燃料噴射量を所望の量に制御することができる。
図2及び図3の対比から判るように、第2のモードでの燃料噴射量は第1のモードでの燃料噴射量よりも大きくすることができるので、例えば、目標とする燃料噴射量が所定の閾値量より少ない場合には弁体を第1のモードで動かして燃料噴射量を制御し、目標とする燃料噴射量が当該閾値量以上であるときには、弁体を第2のモードで動かして燃料噴射量を制御するものとすることができる。
目標燃料消費量が、弁体をバウンス期間の終了時点で閉じることで実現し得る燃料消費量Vmより大きい場合には、従来技術のように、バウンス期間が終了した安定開弁状態において弁体を閉弁位置へ移動させるものとすればよい。このようにバウンス期間の終了後の安定開弁状態において弁体を閉弁位置へ移動させる動作を、ここでは第3のモードと称する。図4は、第3のモードでの弁体の動きの一例を示す図である。
図4(a)は、電磁弁150へ通電する駆動電流の時間変化を示す図であり、横軸が時間、縦軸が電流値を示している。図4(b)は、図4(a)に示す駆動電流により実現される弁体のリフト量(閉弁位置から全開位置に向かう弁体の移動量)の時間変化を示す図であり、横軸が時間、縦軸がリフト量を示している。
図4に示す第3のモードでは、弁体は、開弁開始時刻tdに全開位置へ向かって上昇を開始した後、全開位置を規定するストッパ又は座(不図示)に衝突してから当該ストッパに対するバウンドが終了するまでの期間(バウンス期間)が過ぎた後の安定開弁状態(すなわち、弁体が安定に開弁位置で停止した状態)となった期間に、下降を開始する。
すなわち、図4(a)のライン400に沿って駆動電流が通電開始時刻tsに電流設定値IA2まで上昇すると、弁体は、図4(b)のライン402に沿って、所定の遅れ時間が経過した時刻td(開弁開始時刻)に上昇を開始し、時刻tbにおいて全開状態を規定するストッパに衝突して、当該ストッパに対するバウンドを開始する。そして、通電開始時刻tsからバウンス期間が終了して弁体が安定開弁状態となるまでの時間以上の持続時間Δtc3が経過した通電終了時刻te3に、駆動電流がゼロまで下降すると、弁体は閉弁位置へ向かって下降し、時間tf3に閉弁位置へ達する。
なお、第3のモードの弁体の動きは従来技術と同様であるが、上述したように、燃料噴射弁制御装置100では、電磁弁150の通電電流(駆動電流)を制御するため、燃料噴射量の再現性を良好に保って精度の良い燃料噴射を行うことができる。
本実施形態に係る燃料噴射弁制御装置100では、駆動電流の持続時間も制御されることから、図2〜図4に示す通電開始時刻tsから開弁開始時刻tdまでの遅れ時間がばらつくと、燃料噴射量に誤差を生じ得る。このため、当該遅れ時間を短縮して当該遅れ時間のばらつきの程度を抑制することが望ましい。このような遅れ時間の短縮は、例えば、通電開始時刻tsより前に、弁体が移動開始可能となる電流値よりも若干少ない電流(予備電流)を予め通電しておくことにより、行うことができる(例えば、特開2004−278411参照)。
次に、記憶部110に記憶されるマップについて説明する。
図5は、記憶部110に記憶されるマップの一例を示す図である。図5(a)は、目標燃料噴射量に対する電流設定値を示すマップ(電流設定値マップ)の一例であり、横軸は目標燃料噴射量を示し、縦軸は電流値を示している。図5(b)は、目標燃料噴射量に対する電流通電の持続時間を示すマップ(持続時間マップ)の一例であり、横軸は目標燃料噴射量を示し、縦軸は持続時間を示している。
図5は、記憶部110に記憶されるマップの一例を示す図である。図5(a)は、目標燃料噴射量に対する電流設定値を示すマップ(電流設定値マップ)の一例であり、横軸は目標燃料噴射量を示し、縦軸は電流値を示している。図5(b)は、目標燃料噴射量に対する電流通電の持続時間を示すマップ(持続時間マップ)の一例であり、横軸は目標燃料噴射量を示し、縦軸は持続時間を示している。
図5(a)及び図5(b)の横軸に示すVthは、第1のモードでの動作において弁体のピーク位置が全開位置と一致する場合に実現される燃料噴射量(以下、第1の閾値噴射量Vthと称する)であり、Vmは、上述したように、第2のモードにおいて弁体をバウンス期間の終了時点で閉じることで実現し得る燃料消費量(以下、第2の閾値噴射量Vmと称する)である。すなわち、目標燃料消費量が0より大きく第1の閾値噴射量Vth以下である領域(第1領域)では、弁体は第1のモードで動作するよう制御され、目標燃料消費量が第1の閾値噴射量Vthより大きく第2の閾値噴射量Vm以下である領域(第2領域)では、弁体は第2のモードで動作するよう制御され、目標燃料消費量が第2の閾値噴射量Vmより大きい領域(第3領域)では、弁体は第3のモードで動作するよう制御される。
図5(a)において、駆動電流出力部102に設定する電流設定値は、ライン500に従って定められる。図示の例では、第1領域においては、弁体を第1のモードで動かすべく電流設定値をIA1としており、第2領域においては、弁体を第2のモードで動かすべく電流設定値をIA2(>IA1)としている。また、図示の例では、第3領域における弁体の動作のうちバウンス期間の終了までの弁体の動きが第2領域における弁体の動きと同様となるように、第3領域においても電流設定値をIA2(>IA1)としている。なお、第3領域における電流設定値は、これに限らず、例えば、バウンス期間を第2領域におけるバウンス期間よりも短縮すべく、IA2よりも大きな値に設定するものとしてもよい。
一方、図5(b)において、駆動電流出力部102に設定する電流設定値の持続時間は、ライン502に従って定められる。図示の例では、第1領域と第3領域とでは、目標燃料噴射量の増加に対する持続時間の増加傾きが異なっており、第2領域における当該持続時間の増加傾きは、第1領域での増加傾きから第3領域の増加傾きまで曲線的に変化している。これは、バウンス期間における弁体の跳ね返り量が、時間に対し必ずしも線形には減衰しないことによる。
なお、図5(b)に示すライン502は、目標燃料噴射量に対して単調に増加するスムーズなラインとして示されているが、電流設定値(例えばIA1やIA2)の値によっては、目標燃料噴射量がVth及び又はVmとなる点において不連続となる(例えば、階段状に値がジャンプする)ラインにもなり得る。
図6は、図5(b)に符号504、506、508、510、512、514、516で示した各点における弁体の動きの違いを説明するための図である。
図6(a)は、弁体が第1のモードで移動する第1領域の点504〜508における弁体の動きを示す図であり、図6(a)に示すライン600、602、及び604は、それぞれ、図5(b)における点504、506、508における弁体の動きを示している。持続時間の増加と共に、弁体のリフト量のピークが上昇し、目標燃料噴射量が第1の閾値噴射量Vthとなる点508では、ライン604のように、弁体のリフト量のピーク位置が全開位置に達している。
図6(b)は、弁体が第2のモードで移動する第2領域の点510〜514における弁体の動きを示す図であり、図6(b)に示すライン606、608、及び610は、それぞれ、図5(b)における点510、512、514における弁体の動きを示している。持続時間の増加と共に、弁体が閉弁位置へ向かって下降を始める時刻がより後になり、目標燃料噴射量が第2の閾値噴射量Vmとなる点514では、ライン610のように、弁体が閉弁位置へ向かって下降を始める時刻が、バウンス期間の終了時刻となる。
図6(c)は、弁体が第3のモードで移動する第3領域の点516における弁体の動きを示す図であり、図6(b)に示すライン612が、図5(b)における点516における弁体の動きを示している。ライン612で示すように、弁体が閉弁位置へ向かって下降する時刻は、バウンス期間が終了して弁体が安定開弁状態となったあとの時刻となっている。
上述した弁体の第1〜第3のモードの動作は、それぞれ、1回の燃焼サイクルに対し1回又は複数回行うものとすることができる。例えば、弁体を閉弁位置から開弁位置の前までの範囲内で1回又は複数回往復させて、弁体の第1のモードの動きによる燃料噴射を複数回行うことができる。
図7は、1回の燃焼サイクルにおいて4回の燃料噴射動作を行う場合の例を示す図である。図7において、横軸は時間、縦軸は弁体のリフト量を示している。図示の例では、弁体は、時刻t1〜t2においてライン700に示す第1のモードの動作を行って1回目の燃料噴射動作を行うよう制御され、時刻t2〜t3においてライン702に示す第1のモードの動作を行って2回目の燃料噴射動作を行うよう制御され、時刻t3〜t4においてライン704に示す第2のモードの動作を行って3回目の燃料噴射動作を行うよう制御され、時刻t4〜t5においてライン706に示す第3のモードの動作を行って4回目の燃料噴射動作を行うよう制御されている。このような動作は、例えば、1回目〜4回目の燃料噴射動作のそれぞれについての目標燃料噴射量を定めて、当該定めた第1回目〜第4回目のそれぞれの目標燃料噴射量について、記憶部110が記憶する図5に示すようなマップから、駆動電流出力部102に設定する電流設定値と持続時間とを決定することにより、実現することができる。
なお、図示のように、1回目〜3回目の燃料噴射動作では、必ずしも弁体が閉弁位置まで下降される必要はなく、許容される燃料噴射量の誤差範囲内において、直前の燃料噴射動作における弁体位置が閉弁位置に達する前に、次の燃料噴射動作を開始することができる。
以上、説明したように、本実施形態では、電磁弁150への通電電流を制御することにより当該電磁弁150の弁体の動きを制御するので、従来技術のように電磁弁に印加する電圧を制御する構成に比べて、燃料噴射動作毎の弁体の動きのばらつきを抑制して燃料噴射量の再現性を向上することができる。
また、本実施形態では、電磁弁150へ通電する駆動電流の電流値と当該電流値の持続時間とを制御することにより、電磁弁150の弁体を閉弁位置から開弁位置の前までの範囲内で往復させたり(第1のモード)、又は弁体が全開位置でバウンドしているバウンス期間内に当該弁体を閉弁位置へ向かって移動させる(第2のモード)ので、上述した駆動電流制御と相まって、従来技術のように弁体が安定開弁状態となってから当該弁体を閉弁位置へ移動させる構成に比べて微量な燃料噴射を精度良く行うことができる。
なお、図5に示すマップでは、第1領域〜第3領域の各領域において電流設定値を一定とし、目標燃料噴射量の増加に伴って持続時間を増加させるものとしたが、これに限らず、例えば、領域内においては持続時間を一定とし、目標燃料噴射量の増加に伴って電流設定値を増加させるものとしたり、領域内において目標燃料噴射量の増加に伴って電流設定値と持続時間の両者をそれぞれ増加及び又は減少させるものとしてもよい。
100・・・燃料噴射弁制御装置、102・・・駆動電流出力部、104・・・昇圧回路、106・・・電流検出部、108・・・通信インタフェース、110・・・記憶部、112・・・処理装置、130・・・制御決定ユニット、132・・・電流値設定ユニット、134・・・持続時間設定ユニット、136・・・電流制御ユニット、150・・・電磁弁、152・・・クランク角センサ。
Claims (3)
- 電磁弁である燃料噴射弁の動作を制御する燃料噴射弁制御装置であって、
前記電磁弁へ通電する駆動電流を制御する電流出力部と、
入力された目標燃料噴射量に応じて、前記電流出力部から出力する駆動電流の大きさ及び持続時間を制御する駆動電流制御部と、
を有する、
燃料噴射弁制御装置。 - 前記駆動電流制御部は、前記電流出力部から出力する駆動電流の大きさ及び持続時間を制御して、前記電磁弁の弁体を閉弁位置から全開位置に至る前までの範囲で動かすことにより、前記入力された目標燃料噴射量の燃料噴射動作を行う、
燃料噴射弁制御装置。 - 前記駆動電流制御部は、前記電流出力部から出力する駆動電流の大きさ及び持続時間を制御して、前記電磁弁の弁体を、全開位置における当該弁体のバウンドが終了する前のバウンス期間内に閉弁位置へ向かって下降させることにより、前記入力された目標燃料噴射量の燃料噴射動作を行う、
燃料噴射弁制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2016017710A JP2017137785A (ja) | 2016-02-02 | 2016-02-02 | 燃料噴射弁制御装置 |
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