JP2017137509A - 含フッ素エーテル化合物の製造方法 - Google Patents

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勇佑 冨依
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Abstract

【課題】表面処理剤に好適に用いられる含フッ素エーテル化合物または該含フッ素エーテル化合物の中間体として有用な含フッ素エーテル化合物を生産性よく製造できる含フッ素エーテル組成物の製造方法の提供。【解決手段】A−O−Q−(Rf1O)m−Rf2−R1−OHに酸無水物を反応させてA−O−Q−(Rf1O)m−Rf2−R1−OZを得る含フッ素エーテル化合物の製造方法。ただし、Aは、炭素数1〜20のペルフルオロアルキル基であり、Qは、単結合、1つ以上の水素原子を含むフルオロアルキレン基等であり、Rf1およびRf2は、それぞれ独立にペルフルオロアルキレン基であり、mは、2〜200の整数であり、(Rf1O)mは、2種以上のRf1Oからなるものであってもよく、R1は、アルキレン基等であり、Zは、前記酸無水物のもととなる酸から−OHを除いた基である。【選択図】なし

Description

本発明は、含フッ素エーテル化合物の製造方法に関する。
ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖を有する含フッ素エーテル化合物は、高い潤滑性、撥水撥油性等を示す表面層を基材の表面に形成できるため、表面処理剤に好適に用いられる。含フッ素エーテル化合物を含む表面処理剤は、表面層が指で繰り返し摩擦されても撥水撥油性が低下しにくい性能(耐摩擦性)および拭き取りによって表面層に付着した指紋を容易に除去できる性能(指紋汚れ除去性)が長期間維持されることが求められる用途、たとえば、タッチパネルの、指で触れる面を構成する部材の表面処理剤として用いられる。
撥水撥油性、耐摩擦性、指紋汚れ除去性、潤滑性、耐薬品性および耐光性に優れる表面層を基材の表面に形成できる含フッ素エーテル化合物としては、含フッ素エーテル化合物の片末端に、窒素原子による分岐構造を介して2つの加水分解性シリル基を導入した含フッ素エーテル化合物が提案されている(特許文献1)。
特許文献1に記載の含フッ素エーテル化合物(下式(1A)で表される化合物)は、以下のようにして製造される。
含フッ素溶媒中、塩基性化合物の存在下、下式(15)で表される化合物にCFSOClを反応させて、下式(16)で表される化合物を得る。
−O−(CFCFO)(CFCFO)(Rf11O)−CF−CHOH ・・・(15)
−O−(CFCFO)(CFCFO)(Rf11O)−CF−CHOSOCF ・・・(16)
ただし、Aは、炭素数1〜20のペルフルオロアルキル基であり、Rf11は、ペルフルオロアルキレン基であり、xは、1〜198の整数である。
塩基性化合物の存在下、前記式(16)で表される化合物にHN(CHCH=CHを反応させて、下式(17)で表される化合物を得る。
−O−(CFCFO)(CFCFO)(Rf11O)−CF−CH−N(CHCH=CH ・・・(17)
前記式(17)で表される化合物とHSiR13 n1 3−n1とをヒドロシリル化反応して、下式(1A)で表される化合物を得る。
−O−(CFCFO)(CFCFO)(Rf11O)−CF−CH−N[CHCHCH−SiR13 n1 3−n1 ・・・(1A)
ただし、R13は、水素原子または1価の炭化水素基であり、Xは、加水分解性基であり、n1は、0〜2の整数である。
国際公開第2017/038832号
特許文献1に記載の方法では、式(15)で表される化合物に酸クロライドを反応させて式(16)で表される化合物を得るときに副生する塩化水素と、塩基性化合物との塩(塩基性化合物塩酸塩)を、反応生成物および含フッ素溶媒を含む反応粗液から除去する必要がある。そのため、反応粗液に水を加えて撹拌した後、有機相と水相とに分離する必要がある。しかし、含フッ素溶媒および塩基性化合物塩酸塩を含む反応粗液に水を加えた場合、反応粗液と水との混合液がエマルジョン化し、有機相と水相とに分離するまでに時間がかかる。そのため、式(16)で表される化合物、ならびに該化合物を原料とする式(17)で表される化合物および式(1A)で表される化合物の生産性が悪くなる。
本発明は、表面処理剤に好適に用いられる含フッ素エーテル化合物または該含フッ素エーテル化合物の中間体として有用な含フッ素エーテル化合物を生産性よく製造できる含フッ素エーテル組成物の製造方法の提供を目的とする。
本発明は、下記[1]〜[7]の構成を有する含フッ素エーテル化合物の製造方法を提供する。
[1]下式(1)で表される化合物に酸無水物を反応させて、下式(2)で表される化合物を得ることを特徴とする含フッ素エーテル化合物の製造方法。
A−O−Q−(Rf1O)−Rf2−R−OH ・・・(1)
A−O−Q−(Rf1O)−Rf2−R−OZ ・・・(2)
ただし、Aは、炭素数1〜20のペルフルオロアルキル基であり、Qは、単結合、1つ以上の水素原子を含むフルオロアルキレン基、1つ以上の水素原子を含むフルオロアルキレン基の末端(ただし、(Rf1O)と結合する側に限る。)にエーテル性酸素原子を有する基、1つ以上の水素原子を含む炭素数2以上のフルオロアルキレン基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基、または1つ以上の水素原子を含む炭素数2以上のフルオロアルキレン基の末端(ただし、(Rf1O)と結合する側に限る。)および炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基であり、Rf1およびRf2は、それぞれ独立にペルフルオロアルキレン基であり、mは、2〜200の整数であり、(Rf1O)は、2種以上のRf1Oからなるものであってもよく、Rは、単結合、アルキレン基、アルキレン基の末端(ただし、Rf2と結合する側の末端に限る。)にエーテル性酸素原子もしくは−NH−を有する基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子もしくは−NH−を有する基、または炭素数2以上のアルキレン基の末端(ただし、Rf2と結合する側の末端に限る。)および炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子もしくは−NH−を有する基であり、Zは、前記酸無水物のもととなる酸から−OHを除いた基である。
[2]塩基性化合物の存在下に前記式(1)で表される化合物に前記酸無水物を反応させる、[1]の含フッ素エーテル化合物の製造方法。
[3]含フッ素溶媒中で前記式(1)で表される化合物に前記酸無水物を反応させる、[1]または[2]の含フッ素エーテル化合物の製造方法。
[4]前記酸無水物が、下式(20)で表される化合物または下式(21)で表される化合物であり、前記Zが、−SO−Yまたは−CO−Yである、[1]〜[3]のいずれかの含フッ素エーテル化合物の製造方法。
Y−SO−O−SO−Y ・・・(20)
Y−CO−O−CO−Y ・・・(21)
ただし、Yは、1価の炭化水素基、または1価の炭化水素基の水素原子の少なくとも一部が1価の炭化水素基以外の基に置換された基である。
[5]前記式(2)で表される化合物にHNR2122を反応させて、下式(3)で表される化合物を得る、[1]〜[4]のいずれかの含フッ素エーテル化合物の製造方法。
A−O−Q−(Rf1O)−Rf2−R−NR2122 ・・・(3)
ただし、R21およびR22は、それぞれ独立に水素原子、末端にビニル基を有する1価の有機基または1価の炭化水素基(ただし、末端にビニル基を有するものを除く。)であり、R21およびR22の少なくとも一方は水素原子ではない。
[6]前記R21およびR22が、それぞれ独立に、末端にビニル基を有する1価の有機基であり、前記式(3)で表される化合物とHSiR 3−nとをヒドロシリル化反応して、下式(4)で表される化合物を得る、[5]の含フッ素エーテル化合物の製造方法。
A−O−Q−(Rf1O)−Rf2−R−N[−R−SiR 3−n ・・・(4)
ただし、Rは、R21またはR22に由来する2価の有機基であり、Rは、水素原子または1価の炭化水素基であり、Xは、加水分解性基であり、nは、0〜2の整数であり、2つの[−R−SiR 3−n]は、同一であっても異なっていてもよい。
[7]前記式(1)で表される化合物に前記酸無水物を反応させて前記式(2)で表される化合物を得るときに副生する、前記酸無水物に由来する酸を回収し、回収された酸から酸無水物を再生し、再生された酸無水物を、前記式(1)で表される化合物と前記酸無水物との反応に利用する、[1]〜[6]のいずれかの含フッ素エーテル化合物の製造方法。
本発明の含フッ素エーテル化合物の製造方法によれば、表面処理剤に好適に用いられる含フッ素エーテル化合物または該含フッ素エーテル化合物の中間体として有用な含フッ素エーテル化合物を生産性よく製造できる。
本明細書において、式(1)で表される化合物を化合物(1)と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。
本明細書における以下の用語の意味は、以下の通りである。
「フルオロアルキル基」とは、アルキル基の水素原子の1つ以上がフッ素原子に置換された基を意味する。
「ペルフルオロアルキル基」とは、アルキル基の水素原子のすべてがフッ素原子に置換された基を意味する。
「フルオロアルキレン基」とは、アルキレン基の水素原子の1つ以上がフッ素原子に置換された基を意味する。
「ペルフルオロアルキレン基」とは、アルキレン基の水素原子のすべてがフッ素原子に置換された基を意味する。
オキシペルフルオロアルキレン基の化学式は、その酸素原子をペルフルオロアルキレン基の右側に記載して表すものとする。
「エーテル性酸素原子」とは、炭素−炭素原子間においてエーテル結合(−O−)を形成する酸素原子を意味する。
「加水分解性シリル基」とは、加水分解反応することによってシラノール基(Si−OH)を形成し得る基を意味する。たとえば、式(4)中のSiR 3−nである。
「表面層」とは、基材の表面に形成される層を意味する。
含フッ素エーテル化合物の「数平均分子量」は、NMR分析法を用い、下記の方法で算出される。
H−NMRおよび19F−NMRによって、末端基を基準にしてオキシペルフルオロアルキレン基の数(平均値)を求めることによって算出される。末端基は、たとえば式(4)中のAまたはSiR 3−nである。
[化合物(4)]
表面処理剤に好適に用いられる化合物(4)は、本発明の含フッ素エーテル化合物の製造方法において最終的に得られる目的物質である。
A−O−Q−(Rf1O)−Rf2−R−N[−R−SiR 3−n ・・・(4)
ただし、Aは、炭素数1〜20のペルフルオロアルキル基であり、Qは、単結合、1つ以上の水素原子を含むフルオロアルキレン基、1つ以上の水素原子を含むフルオロアルキレン基の末端(ただし、(Rf1O)と結合する側に限る。)にエーテル性酸素原子を有する基、1つ以上の水素原子を含む炭素数2以上のフルオロアルキレン基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基、または1つ以上の水素原子を含む炭素数2以上のフルオロアルキレン基の末端(ただし、(Rf1O)と結合する側に限る。)および炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基であり、Rf1およびRf2は、それぞれ独立にペルフルオロアルキレン基であり、mは、2〜200の整数であり、(Rf1O)は、2種以上のRf1Oからなるものであってもよく、Rは、単結合、アルキレン基、アルキレン基の末端(ただし、Rf2と結合する側の末端に限る。)にエーテル性酸素原子もしくは−NH−を有する基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子もしくは−NH−を有する基、または炭素数2以上のアルキレン基の末端(ただし、Rf2と結合する側の末端に限る。)および炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子もしくは−NH−を有する基であり、Rは、後述する化合物(3)のR21またはR22に由来する2価の有機基であり、Rは、水素原子または1価の炭化水素基であり、Xは、加水分解性基であり、nは、0〜2の整数であり、2つの[−R−SiR 3−n]は、同一であっても異なっていてもよい。
(A基)
Aとしては、化合物(4)によって形成される表面層の潤滑性および耐摩擦性にさらに優れる点から、炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基がより好ましく、炭素数1〜3のペルフルオロアルキル基が特に好ましい。
Aが末端にCF−を有するため、化合物(4)の一方の末端がCF−となり、他方の末端が加水分解性シリル基となる。該構造の化合物(4)によれば、低表面エネルギーの表面層を形成できるため、該表面層は潤滑性および耐摩擦性に優れる。一方、両末端に加水分解性シリル基を有する従来の含フッ素エーテル化合物では、表面層の潤滑性および耐摩擦性が不充分である。
(Q基)
Qとしては、単結合、1つ以上の水素原子を含む炭素数1〜10のフルオロアルキレン基、1つ以上の水素原子を含む炭素数1〜10のフルオロアルキレン基の末端(ただし、(Rf1O)と結合する側に限る。)にエーテル性酸素原子を有する基、1つ以上の水素原子を含む炭素数2〜10のフルオロアルキレン基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基、または1つ以上の水素原子を含む炭素数2〜10のフルオロアルキレン基の末端(ただし、(Rf1O)と結合する側に限る。)および炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基が好ましい。
Qが単結合でない場合、Qにおける水素原子の数は、表面層の外観に優れる点から、1以上であり、2以上が好ましく、3以上が特に好ましい。Qにおける水素原子の数は、表面層の撥水撥油性にさらに優れる点から、(Qの炭素数)×2以下が好ましく、(Qの炭素数)以下が特に好ましい。
Qが水素原子を有することによって、化合物(4)の液状媒体への溶解性が高くなる。そのため、コーティング液中で化合物(4)が凝集しにくく、また、基材の表面に塗布した後、乾燥させる途中に化合物(4)が凝集しにくいため、表面層の外観にさらに優れる。
Qとしては、特に、単結合、−Rf5O−または−Rf5O−Rf6O−であることが好ましい。ただし、Rf5、Rf6は、それぞれ独立に、水素原子を有する炭素数2〜6のフルオロアルキレン基を表す。Rf5、Rf6における水素原子の数は、1または2であることが好ましい。
f5Oとしては、A−O−が結合する炭素原子に水素原子を有するオキシフルオロアルキレン基が好ましく、CHFCFOが特に好ましい。Rf6Oとしては、Rf5Oが結合する炭素原子に水素原子を有するオキシフルオロアルキレン基が好ましく、CHCFO、CHCFCFO、CHCFCFCFO等が挙げられる。−Rf5O−Rf6O−としては、−CHFCFO−CHCFO−等が挙げられる。
((Rf1O)
f1としては、表面層の耐摩擦性および指紋汚れ除去性にさらに優れる点から、炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のペルフルオロアルキレン基がより好ましく、表面層の潤滑性にさらに優れる点から、炭素数1〜2のペルフルオロアルキレン基が特に好ましい。
化合物(4)は、(Rf1O)を有するため、フッ素原子の含有量が多い。そのため、化合物(4)は、撥水撥油性、耐摩擦性、指紋汚れ除去性に優れる表面層を形成できる。
また、Rf1が分岐構造を有しないペルフルオロアルキレン基であれば、(Rf1O)が直鎖構造となる。該構造の化合物(4)によれば、表面層の耐摩擦性および潤滑性に優れる。一方、ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖が分岐構造を有する場合、表面層の耐摩擦性および潤滑性がやや劣る。
mは、5〜150の整数が好ましく、10〜100の整数が特に好ましい。mが前記範囲の下限値以上であれば、表面層の撥水撥油性に優れる。mが前記範囲の上限値以下であれば、表面層の耐摩擦性に優れる。すなわち、化合物(4)の数平均分子量が大きすぎると、単位分子量あたりに存在する加水分解性シリル基の数が減少し、表面層の耐摩擦性が低下する。
(Rf1O)において、2種以上のRf1Oが存在する場合、各Rf1Oの結合順序は限定されない。たとえば、CFOとCFCFOが存在する場合、CFOとCFCFOがランダム、交互、ブロックに配置されてもよい。
2種以上のRf1Oが存在するとは、炭素数の異なる2種以上のRf1Oが存在すること、および、炭素数が同一であっても側鎖の有無や側鎖の種類(側鎖の数や側鎖の炭素数等)が異なる2種以上のRf1Oが存在することをいう。
2種以上のRf1Oの配置については、たとえば実施例の含フッ素エーテル化合物の場合、{(CFO)x1(CFCFO)x2}で表される構造は、x1個の(CFO)とx2個の(CFCFO)とがランダムに配置されていることを表す。また、(CFCFO−CFCFCFCFO)x3で表される構造は、x3個の(CFCFO)とx3個の(CFCFCFCFO)とが交互に配置されていることを表す。
(Rf1O)としては、表面層の耐摩擦性、指紋汚れ除去性、潤滑性にさらに優れる点から、{(CFO)m1(CFCFO)m2}、(CFCFO)m3、(CFCFCFO)m4、(CFCFO−CFCFCFCFO)m5、およびこれらの一端または両端1〜4個の他の(Rf1O)を有する基が好ましい。これらの一端または両端1〜4個の他の(Rf1O)を有する基としては、たとえば、(CFCFO){(CFO)m1(CFCFO)m2−2}、(CFCFO−CFCFCFCFO)m5−1(CFCFO)等が挙げられる。(Rf1O)としては、{(CFO)m1(CFCFO)m2}を有する基が特に好ましい。
ただし、m1は1以上の整数であり、m2は1以上の整数であり、m1+m2は2〜200の整数であり、m1個のCFOおよびm2個のCFCFOの結合順序は限定されない。m3およびm4は、それぞれ、2〜200の整数であり、m5は、1〜100の整数である。
(Rf2基)
f2としては、表面層の耐摩擦性および指紋汚れ除去性にさらに優れる点から、炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のペルフルオロアルキレン基がより好ましく、表面層の潤滑性にさらに優れる点から、炭素数1〜2のペルフルオロアルキレン基が特に好ましい。
f2は、たとえば、(Rf1O)が、{(CFO)m1(CFCFO)m2}および(CFCFO)m3である場合、炭素数1のペルフルオロアルキレン基であり、(CFCFCFO)m4である場合、炭素数2のペルフルオロアルキレン基であり、(CFCFO−CFCFCFCFO)m5である場合、炭素数3の直鎖のペルフルオロアルキレン基である。また、Rf1が分岐を有するペルフルオロアルキレン基の場合は、Rf2は分岐を有するペルフルオロアルキレン基となることがあり、たとえば、Rf1が(CF(CF)CFO)である場合は、Rf2は、CF(CF)となる。
f2が分岐構造を有しないペルフルオロアルキレン基であれば、表面層の耐摩擦性および潤滑性に優れる。
(R基)
としては、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数1〜10のアルキレン基の末端(ただし、Rf2と結合する側の末端に限る。)にエーテル性酸素原子もしくは−NH−を有する基、炭素数2〜10のアルキレン基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子もしくは−NH−を有する基、または炭素数2〜10のアルキレン基の末端(ただし、Rf2と結合する側の末端に限る。)および炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子もしくは−NH−を有する基が好ましく、炭素数1〜7のアルキレン基、炭素数2〜7のアルキレン基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子もしくは−NH−を有する基が特に好ましい。化合物(4)の製造のしやすさの点からは、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHOCHCH−および−CHNHCHCH−からなる群から選ばれる基(ただし、左側がRf2に結合する。)が好ましい。
は、極性が高くかつ耐薬品性や耐光性が不充分なエステル結合を有しないため、表面層の初期の撥水性、耐薬品性および耐光性に優れる。
(R基)
としては、炭素数2〜10のアルキレン基、または炭素数3〜10のアルキレン基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子もしくは−NH−を有する基が好ましく、炭素数2〜7のアルキレン基、または炭素数3〜7のアルキレン基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子もしくは−NH−を有する基が特に好ましい。化合物(4)の製造のしやすさの点からは、−CHCHCH−または−CHCHOCHCHCH−(ただし、右側がSiに結合する。)が好ましい。
は、極性が高くかつ耐薬品性や耐光性が不充分なエステル結合を有しないため、表面層の初期の撥水性、耐薬品性および耐光性に優れる。
としては、表面層の耐光性に優れる点からは、エーテル性酸素原子を有しないものが特に好ましい。
化合物(4)中の2つのRは、同一であっても異なっていてもよい。
(SiR 3−n基)
SiR 3−nは、加水分解性シリル基である。
化合物(4)は、末端に加水分解性シリル基を2つ有する。該構造の化合物(4)は基材と強固に化学結合するため、表面層は耐摩擦性に優れる。
また、化合物(4)は、一方の末端のみに加水分解性シリル基を有する。該構造の化合物(4)は凝集しにくいため、表面層は外観に優れる。
Xは、加水分解性基である。加水分解性基は、加水分解反応によって水酸基となる基である。すなわち、化合物(4)の末端のSi−Xは、加水分解反応によってシラノール基(Si−OH)となる。シラノール基は、さらに分子間で反応してSi−O−Si結合を形成する。また、シラノール基は、基材の表面の水酸基(基材−OH)と脱水縮合反応して、化学結合(基材−O−Si)を形成する。
Xとしては、アルコキシ基、ハロゲン原子、アシル基、イソシアナート基(−NCO)等が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子が特に好ましい。
Xとしては、化合物(4)の製造のしやすさの点から、アルコキシ基またはハロゲン原子が好ましい。Xとしては、塗布時のアウトガスが少なく、化合物(4)の保存安定性に優れる点から、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、化合物(4)の長期の保存安定性が必要な場合にはエトキシ基が特に好ましく、塗布後の反応時間を短時間とする場合にはメトキシ基が特に好ましい。
は、水素原子または1価の炭化水素基である。1価の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリル基等が挙げられる。
としては、1価の炭化水素基が好ましく、1価の飽和炭化水素基が特に好ましい。1価の飽和炭化水素基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2が特に好ましい。Rの炭素数がこの範囲であると、化合物(4)を製造しやすい。
nは、0または1が好ましく、0が特に好ましい。1つの加水分解性シリル基にXが複数存在することによって、基材との密着性がより強固になる。
SiR 3−nとしては、Si(OCH、SiCH(OCH、Si(OCHCH、SiCl、Si(OCOCH、Si(NCO)が好ましい。工業的な製造における取扱いやすさの点から、Si(OCHが特に好ましい。
化合物(4)中の2つのSiR 3−nは、同一であっても異なっていてもよい。化合物(4)の製造のしやすさの点から、同一の基であることが好ましい。
(化合物(4)の好ましい形態)
化合物(4)としては、たとえば、下式の化合物が挙げられる。該化合物は、工業的に製造しやすく、取扱いやすく、撥水撥油性、耐摩擦性、指紋汚れ除去性、潤滑性、耐薬品性および耐光性にさらに優れる点から好ましい。
Figure 2017137509
ただし、Gはポリフルオロポリエーテル鎖、すなわちA−O−Q−(Rf1O)−Rf2−である。Gの好ましい形態は、上述した好ましいA、Q、(Rf1O)およびRf2を組み合わせたものとなる。
(化合物(4)の使用方法)
化合物(4)は、基材に塗布されて表面層を形成できる。塗布時には、化合物(4)と媒体とを含むコーティング液としてもよい。媒体としては、有機溶媒が好ましい。有機溶媒は、含フッ素溶媒であってもよく、非フッ素系有機溶媒であってもよく、両溶媒を含んでもよい。含フッ素溶媒としては後述の溶媒が挙げられる。
基材は、潤滑性や撥水撥油性の付与が求められている基材であれば特に限定されない。基材の材料としては、金属、樹脂、ガラス、サファイア、セラミック、石、これらの複合材料が挙げられる。
塗布方法としては、ドライコーティング法またはウェットコーティング法が挙げられる。ドライコーティング法としては、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法等が挙げられる。ウェットコーティング法としては、スピンコート法、ワイプコート法、スプレーコート法、スキージーコート法、ディップコート法、ダイコート法、インクジェット法、フローコート法、ロールコート法、キャスト法、ラングミュア・ブロジェット法、グラビアコート法等が挙げられる。
[化合物(1)]
化合物(1)は、本発明の含フッ素エーテル化合物の製造方法において、出発物質となる。
A−O−Q−(Rf1O)−Rf2−R−OH ・・・(1)
ただし、A、Q、(Rf1O)、Rf2およびRは、化合物(4)で説明したA、Q、(Rf1O)、Rf2およびRと同じであり、好ましい形態も同様である。
化合物(1)は、特許文献1に記載の方法、国際公開第2013/121984号に記載の方法等の公知の方法で製造できる。
[化合物(2)の製造方法]
化合物(2)は、化合物(4)等の、表面処理剤に好適に用いられる含フッ素エーテル化合物の中間体として有用である。
本発明の含フッ素エーテル化合物の製造方法は、化合物(1)に酸無水物を反応させて化合物(2)を得る方法である。
A−O−Q−(Rf1O)−Rf2−R−OZ ・・・(2)
ただし、A、Q、(Rf1O)、Rf2およびRは、化合物(4)で説明したA、Q、(Rf1O)、Rf2およびRと同じであり、好ましい形態も同様である。Zは、酸無水物のもととなる酸から−OHを除いた基である。
(Z基)
Zとしては、化合物(1)と酸無水物との反応性に優れるとともに、続くHNR2122との反応で脱離しやすい(以下、脱離しやすいことを「脱離性能」ということがある。)点から、−SO−Yまたは−CO−Y(ただし、Yは1価の炭化水素基、または1価の炭化水素基の水素原子の少なくとも一部が1価の炭化水素基以外の基(以下、置換基と記す。)に置換された基である。)が好ましく、脱離性能が優れる点から、−SO−Yが特に好ましい。
Yにおいて、1価の炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルケニル基、これらの2種以上を組み合わせた基等が挙げられ、脱離性能が優れる点から、アルキル基またはアリール基が好ましい。1価の炭化水素基の炭素数は、汎用性の観点から、1〜6が好ましく、1が特に好ましい。置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基等が挙げられる。
Yとしては、化合物(2)とHNR2122との反応性に優れ、また、溶媒との相溶性に優れる点から、1価の炭化水素基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子(特にフッ素原子)に置換された基が好ましく、ハロアルキル基がより好ましく、フルオロアルキル基がさらに好ましく、ペルフルオロアルキル基が特に好ましい。
(酸無水物)
酸無水物としては、化合物(1)との反応性に優れる点から、化合物(20)または化合物(21)が好ましく、脱離性能が特に優れる点から、化合物(20)が特に好ましい。
Y−SO−O−SO−Y ・・・(20)
Y−CO−O−CO−Y ・・・(21)
ただし、Yは、Zで説明したYと同じであり、好ましい形態も同様である。
酸無水物の好ましい具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸無水物、ベンゼンスルホン酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物、ニトロベンゼンスルホン酸無水物、クロロメタンスルホン酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物等が挙げられる。
(塩基性化合物)
化合物(1)と酸無水物との反応は、反応を促進させる点から、塩基性化合物の存在下に行うことが好ましい。
塩基性化合物としては、塩基性有機化合物、塩基性無機化合物が挙げられ、反応性に優れる点から、塩基性有機化合物が好ましい。
塩基性有機化合物としては、アルキルアミン化合物、アリールアミン化合物、アリルアミン化合物、複素環アミン化合物等が挙げられ、汎用性に優れる点から、アルキルアミン化合物、複素環アミン化合物が好ましい。
アルキルアミン化合物としては、トリエチルアミン等が挙げられる。
複素環アミン化合物としては、ピリジン、ルチジン、コリジン、ピロール、ピリミジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン等が挙げられる。
塩基性無機化合物としては、アルカリ金属水素化物(水素化ナトリウム等)、炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等)、炭酸水素化塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アルカリ金属水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ金属アルコキシド(カリウムtert−ブトキシド等)等が挙げられる。
塩基性化合物は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(相間移動触媒)
化合物(1)と酸無水物との反応は、相間移動触媒の存在下行ってもよい。
相間移動触媒としては、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩が挙げられる。
相間移動触媒の使用量は、化合物(1)の1モルに対して、通常0.01〜0.5モルである。
(溶媒)
化合物(1)と酸無水物との反応は、溶解性に優れる点から、含ハロゲン溶媒中で行うことが好ましく、含フッ素溶媒中で行うことが特に好ましい。
含フッ素溶媒としては、フッ素化アルカン、フッ素化芳香族化合物、フルオロアルキルエーテル、フッ素化アルキルアミン、フルオロアルコール等が挙げられる。
フッ素化アルカンとしては、炭素数4〜8の化合物が好ましい。市販品としては、たとえばC13H(旭硝子社製、アサヒクリン(登録商標)AC−2000)、C13(旭硝子社製、アサヒクリン(登録商標)AC−6000)、CCHFCHFCF(ケマーズ社製、バートレル(登録商標)XF)等が挙げられる。
フッ素化芳香族化合物としては、たとえばヘキサフルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、ペルフルオロトルエン、ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等が挙げられる。
フルオロアルキルエーテルとしては、炭素数4〜12の化合物が好ましい。市販品としては、たとえばCFCHOCFCFH(旭硝子社製、アサヒクリン(登録商標)AE−3000)、COCH(3M社製、ノベック(登録商標)7100)、COC(3M社製、ノベック(登録商標)7200)、CCF(OCH)C(3M社製、ノベック(登録商標)7300)等が挙げられる。
フッ素化アルキルアミンとしては、たとえばペルフルオロトリプロピルアミン、ペルフルオロトリブチルアミン等が挙げられる。
フルオロアルコールとしては、たとえば2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール等が挙げられる。
(反応条件)
反応温度は、−40〜200℃が好ましく、−20〜100℃がより好ましく、0〜50℃が特に好ましい。
反応時間は、0.01〜40時間が好ましく、0.1〜24時間がより好ましく、0.5〜10時間が特に好ましい。
酸無水物の量は、化合物(1)の1モルに対して、0.4〜10モルが好ましく、0.5〜5モルが特に好ましい。
化合物(1)と酸無水物との反応は、固液接触系で行ってもよい。
化合物(1)と酸無水物との反応は、連続反応であっても回分反応(バッチ反応)であってもよい。
(化合物(2)の回収)
化合物(1)と酸無水物との反応においては、塩基性化合物と、酸無水物に由来する酸との塩が副生する。そのため、塩基性化合物と酸との塩を、反応生成物および含フッ素溶媒を含む反応粗液から除去する必要がある。そのため、反応粗液に水を加えて撹拌した後、化合物(2)を含む有機相と、塩基性化合物と酸との塩を含む水相とに分離し、有機相を回収する。
従来の化合物(1)と酸クロライドとの反応によって得られた、含フッ素溶媒および塩基性化合物塩酸塩を含む反応粗液に水を加えた場合、反応粗液と水との混合液がエマルジョン化し、有機相と水相とに分離するまでに時間がかかる。一方、本発明において、化合物(1)と酸無水物との反応によって得られた、含フッ素溶媒、および塩基性化合物と酸無水物に由来する酸との塩を含む反応粗液に水を加えた場合、反応粗液と水との混合液がエマルジョン化しにくく、有機相と水相との分離を短時間で行うことができる。また、収率が向上する。よって、本発明の含フッ素エーテル化合物の製造方法によれば、化合物(2)、ならびに化合物(2)を原料とする化合物(3)および化合物(4)を生産性よく製造できる。
[化合物(3)の製造方法]
化合物(3)は、化合物(4)等の、表面処理剤に好適に用いられる含フッ素エーテル化合物の中間体として有用である。
本発明の含フッ素エーテル化合物の製造方法においては、化合物(2)にHNR2122を反応させて化合物(3)を得てもよい。
A−O−Q−(Rf1O)−Rf2−R−NR2122 ・・・(3)
ただし、A、Q、(Rf1O)、Rf2およびRは、化合物(4)で説明したA、Q、(Rf1O)、Rf2およびRと同じであり、好ましい形態も同様である。R21およびR22は、それぞれ独立に水素原子、末端にビニル基を有する1価の有機基または1価の炭化水素基(ただし、末端にビニル基を有するものを除く。)であり、R21およびR22の少なくとも一方は水素原子ではない。
(HNR2122
21およびR22としては、耐光性および耐薬品性に優れる点からは、1価の炭化水素基(ただし、末端にビニル基を有するものを除く。)が好ましい。1価の炭化水素基(ただし、末端にビニル基を有するものを除く。)としては、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルケニル基(ただし、末端にビニル基を有するものを除く。)、これらの2種以上を組み合わせた基等が挙げられる。1価の炭化水素基(ただし、末端にビニル基を有するものを除く。)の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6がさらに好ましく、1が特に好ましい。
21およびR22としては、化合物(4)を製造しやすい点からは、末端にビニル基を有する1価の有機基が好ましい。
末端にビニル基を有する1価の有機基としては、末端にビニル基を有する炭素数2〜10の脂肪族炭化水素基、または末端にビニル基を有する炭素数3〜10の脂肪族炭化水素基の炭素−炭素原子間(ビニル基の炭素−炭素原子間を除く。)にエーテル性酸素原子もしくは−NH−を有する基が好ましく、末端にビニル基を有する炭素数2〜7の脂肪族炭化水素基、または末端にビニル基を有する炭素数3〜7の脂肪族炭化水素基の炭素−炭素原子間(ビニル基の炭素−炭素原子間を除く。)にエーテル性酸素原子もしくは−NH−を有する基がより好ましく、HNR2122を入手しやすい点からは、−CHCH=CHまたは−CHCHOCHCH=CHが特に好ましい。
HNR2122の好ましい具体例としては、HN(−CHCH=CH、HN(−CHCHOCHCH=CH、HN(−CHCHCH=CH、HN(−CHCH=CH)(−CH=CH)、HN(−CHCHOCH=CH、HNCHCHN(−CHCH=CH、HN(CH)(−CHCH=CH)、HN(−CHCH=CH)(−CHCHCH=CH)、HN(−CHCH=CH)(−CHOCH=CH)、HN(−CHCHCH=CH)(−CHOCH=CH)、HN(−CHCH=CH)(−CHCHOCH=CH)が挙げられる。
(塩基性化合物)
化合物(2)とHNR2122との反応は、反応を促進させる点から、塩基性化合物の存在下に行うことが好ましい。
塩基性化合物としては、化合物(2)の製造に用いたものと同様のものが挙げられ、好ましい形態も同様である。
(相間移動触媒)
化合物(2)とHNR2122との反応は、相間移動触媒の存在下で行ってもよい。
相間移動触媒としては、化合物(2)の製造に用いたものと同様のものが挙げられる。
(溶媒)
化合物(2)とHNR2122との反応は、相溶性に優れる点から、含フッ素溶媒中で行うことが好ましい。
含フッ素溶媒としては、化合物(2)の製造に用いることができるものと同様のものが挙げられ、好ましい形態も同様である。
溶媒は、1種を単独で用いても2種以上を併用して用いてもよい。
(反応条件)
反応温度は、−20〜200℃が好ましく、0〜100℃がより好ましく、50〜100℃が特に好ましい。
反応時間は、0.01〜48時間が好ましく、2〜36時間がより好ましく、4〜24時間が特に好ましい。
HNR2122の量は、化合物(2)の1モルに対して、0.5〜10モルが好ましく、1〜5モルが特に好ましい。
化合物(2)とHNR2122との反応は、連続反応であっても回分反応(バッチ反応)であってもよい。
(化合物(3)の回収)
化合物(2)とHNR2122との反応においては、塩基性化合物と、化合物(2)から離脱した酸無水物に由来する酸との塩が副生する。そのため、塩基性化合物と酸との塩を、反応生成物および含フッ素溶媒を含む反応粗液から除去する必要がある。そのため、反応粗液に水を加えて撹拌した後、化合物(3)を含む有機相と、塩基性化合物と酸との塩を含む水相とに分離し、有機相を回収する。
[化合物(4)の製造方法]
本発明の含フッ素エーテル化合物の製造方法においては、R21およびR22が末端にビニル基を有する1価の有機基である化合物(3)とHSiR 3−nとをヒドロシリル化反応して、化合物(4)を得てもよい。
(HSiR 3−n
HSiR 3−nにおけるR、Xおよびnは、化合物(4)で説明したR、Xおよびnと同じであり、好ましい形態も同様である。
HSiR 3−nとしては、HSi(OCH、HSiCH(OCH、HSi(OCHCH、HSiCl、Si(OCOCH、HSi(NCO)が好ましい。工業的な製造における取扱いやすさの点から、HSi(OCHが特に好ましい。
(ヒドロシリル化反応)
ヒドロシリル化反応は、白金等の遷移金属触媒または有機過酸化物等のラジカル発生剤を用いて行うことが好ましい。
反応温度は、0〜150℃が好ましく、10〜100℃がより好ましく、20〜60℃が特に好ましい。
反応時間は、0.01〜24時間が好ましく、1〜15時間がより好ましく、3〜10時間が特に好ましい。
[酸の回収および再利用]
本発明の含フッ素エーテル化合物の製造方法においては、化合物(1)に酸無水物を反応させて化合物(2)を得るとき、および化合物(2)にHNR2122を反応させて化合物(3)を得るときに、酸無水物に由来する酸が副生する。
酸無水物および酸無水物のもととなる酸としては、高価なもの(たとえば、トリフルオロメタンスルホン酸無水物およびトリフルオロメタンスルホン酸)があるため、製造コストを抑える点から、副生する酸を回収し、酸無水物として再利用することが好ましい。
よって、本発明の含フッ素エーテル化合物の製造方法においては、各反応において副生する、酸無水物に由来する酸を回収し、回収された酸から酸無水物を再生し、再生された酸無水物を、化合物(1)と酸無水物との反応に利用することが好ましい。
各反応において副生する酸を回収する方法としては、たとえば、下記の方法が挙げられる。
各反応で得られた反応生成物および含フッ素溶媒を含む反応粗液に水を加えて撹拌し、塩基性化合物と酸との塩を含む水相と、目的の含フッ素エーテル化合物を含む有機相とに分離する。水相を回収した後、アルカリ金属水酸化物(たとえばNaOHやKOH)を加えて金属塩にした後、イオン交換膜を用いた電気透析法等を用いた分離法(特開平10−174847号公報)で金属塩から酸を回収する。
酸から酸無水物を再生する方法としては、下記の方法が挙げられる。
・脱水剤の存在下に酸を反応させて酸無水物を得る方法。
・金属の存在下に酸を反応させて酸無水物を得る方法。
・塩化リンおよび塩素の存在下に酸を反応させて酸無水物を得る方法。
脱水剤としては、十酸化四リン(二酸化五リン)、硫酸、リン酸等が挙げられる。
塩化リンとしては、PCl、PCl等が挙げられる。塩素源としては、Cl、塩化チオニル等が挙げられる。
脱水剤等と酸との反応は、反応蒸留装置内で行い、反応によって生成した酸無水物を反応蒸留しながら行うことが好ましい。反応蒸留装置内で反応を行うことによって高純度の酸無水物が得られる。高純度の酸無水物を、化合物(1)と酸無水物との反応に利用した場合、反応生成物および含フッ素溶媒を含む反応粗液に水を加えて撹拌した際のエマルジョン化がさらに抑えられる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下、「%」は特に断りのない限り「質量%」である。
例1、2、5〜8は実施例であり、例3、4は比較例である。
[評価]
(転化率および選択率)
反応生成物についてガスクロマトグラフィ、H−NMRおよび19F−NMRで分析することによって組成解析を行い、転化率および選択率を算出した。
(数平均分子量)
含フッ素エーテル化合物の数平均分子量は、H−NMRおよび19F−NMRによって、末端基を基準にしてオキシペルフルオロアルキレン基の数(平均値)を求めることによって算出した。
[例1]
特許文献1の実施例の例1−1〜例1−5を参照して、化合物(1−1)を得た。
CFCFCF−O−(CFCFO)(CFCFO){(CFO)x1(CFCFO)x2}−CF−CH−OH ・・・(1−1)
単位数x1の平均値:19、単位数x2の平均値:21、化合物(1−1)の数平均分子量:4,190。
次いで、ガラス製の100mLの2つ口ナスフラスコに、化合物(1−1)の20.5g、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(東京化成工業社製)の20.1g、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(東京化成工業社製)の2.11gおよびトリエチルアミン(和光純薬工業社製)の1.01gを入れ、窒素雰囲気下、室温で4時間撹拌した。反応終了後、反応粗液にジクロロペンタフルオロプロパン(旭硝子社製、AK−225)の20gを加え、水および飽和食塩水で各1回洗浄し、有機相を回収した。回収した有機相をエバポレータで濃縮し、化合物(2−1)の21.0g(収率99%、転化率99%、選択率100%)を得た。
CFCFCF−O−(CFCFO)(CFCFO){(CFO)x1(CFCFO)x2}−CF−CH−OSOCF ・・・(2−1)
化合物(2−1)のNMRスペクトル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:テトラメチルシラン(TMS)) δ(ppm):4.6(2H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl) δ(ppm):−52.2〜−55.7(38F)、−74.2(1F)、−76.2(1F)、−79.5(1F)、−82.2(3F)、−89.4〜−91.0(94F)、−130.5(2F)。
単位数x1の平均値:19、単位数x2の平均値:21、化合物(2−1)の数平均分子量:4,320。
[例2]
例1と同様に化合物(1−1)とトリフルオロメタンスルホン酸無水物とを反応させて反応粗液を得た。反応粗液からサンプルの20.0gを抜き出し、サンプルにAK−225の10.0gおよび水の10.5gを加え、800rpmの速度で10分間撹拌した。撹拌後、有機相と水相とに分離するまでの時間を計測したところ、34秒であった。
[例3]
トリフルオロメタンスルホン酸無水物を、同じモル量のトリフルオロメタンスルホン酸クロリドに変更した以外は、例1と同様にして反応粗液を得た。反応粗液からサンプルの20.0gを抜き出し、サンプルにAK−225の10.0gおよび水の10.1gを加え、800rpmの速度で10分間撹拌した。撹拌後、有機相と水相とに分離するまでの時間を計測したところ、8分40秒であった。
[例4]
トリフルオロメタンスルホン酸無水物とトリフルオロメタンスルホン酸クロリドとの1:1モル比の混合物を用意した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物を、合わせて同じモル量の前記混合物に変更した以外は、例1と同様にして反応粗液を得た。反応粗液からサンプルの20.0gを抜き出し、サンプルにAK−225の10.0gおよび水の10.1gを加え、800rpmの速度で10分間撹拌した。撹拌後、有機相と水相とに分離するまでの時間を計測したところ、7分30秒であった。
例2〜4の結果から、トリフルオロメタンスルホン酸クロリド由来の不純物が、反応粗液と水との混合液のエマルジョン化を引き起こしている原因であると考えられる。
[例5]
ガラス製の100mLの2つ口ナスフラスコに、例1で得た化合物(2−1)の15.7g、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(東京化成工業社製)の15.7g、HN(−CHCH=CH(東京化成工業社製)の2.3g、およびトリエチルアミン(和光純薬工業社製)の0.7gを入れ、窒素雰囲気下、90℃で24時間撹拌した。反応終了後、AK−225(旭硝子社製)の20gを加え、水および飽和食塩水で各1回洗浄し、有機相を回収した後、シリカゲル1.5gと混合し、フィルタろ過で有機相を回収した。回収した有機相をエバポレータで濃縮し、化合物(3−1)の15.3g(収率99%)を得た。
CFCFCF−O−(CFCFO)(CFCFO){(CFO)x1(CFCFO)x2}−CF−CH−N(−CHCH=CH ・・・(3−1)
化合物(3−1)のNMRスペクトル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:TMS) δ(ppm):2.9(2H)、3.1(4H)、5.2(4H)、5.7(2H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl) δ(ppm):−52.1〜−55.7(38F)、−74.3(1F)、−82.2(3F)、−89.5〜−91.0(94F)、−130.4(2F)。
単位数x1の平均値:19、単位数x2の平均値:21、化合物(3−1)の数平均分子量:4,270。
[例6]
テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルコキシビニルエーテル)共重合体製の100mLのナスフラスコに、例5で得た化合物(3−1)の10.0g、白金/1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金含有量:2%)の0.03g、HSi(OCHの1.1g、ジメチルスルホキシドの0.01gおよび1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(東京化成工業社製)の0.4gを入れ、40℃で10時間撹拌した。反応終了後、溶媒等を減圧留去し、孔径0.2μmのメンブランフィルタでろ過し、化合物(3−1)の2つアリル基がヒドロシリル化された化合物(4−1)の9.3g(収率88%)を得た。
CFCFCF−O−(CFCFO)(CFCFO){(CFO)x1(CFCFO)x2}−CF−CH−N[−CHCHCH−Si(OCH ・・・(4−1)
化合物(4−1)のNMRスペクトル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:TMS) δ(ppm):0.5(4H)、1.5(4H)、2.5(4H)、3.0(2H)、3.4(18H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl) δ(ppm):−52.2〜−55.8(38F)、−74.4(1F)、−76.6(1F)、−82.3(3F)、−89.5〜−91.1(94F)、−130.8(2F)。
単位数x1の平均値:19、単位数x2の平均値:21、化合物(4−1)の数平均分子量:4,510。
[例7]
特許文献1の実施例の例3−1を参照して、化合物(1−2)を得た。
CF−O−(CFCFO−CFCFCFCFO)x3−CFCFO−CFCFCF−CH−OH ・・・(1−2)
単位数x3の平均値:13、化合物(1−2)の数平均分子量:4,720。
次いで、ガラス製の100mLの2つ口ナスフラスコに、化合物(1−2)の20.0g、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(東京化成工業社製)の20.1g、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(東京化成工業社製)の3.6gおよびトリエチルアミン(和光純薬工業社製)の1.0gを入れ、窒素雰囲気下、室温で4時間撹拌した。反応終了後、反応粗液にジクロロペンタフルオロプロパン(旭硝子社製、AK−225)の20gを加え、水および飽和食塩水で各1回洗浄し、有機相を回収した。回収した有機相をエバポレータで濃縮し、化合物(2−2)の20.2g(収率99%、転化率99%、選択率100%)を得た。
CF−O−(CFCFO−CFCFCFCFO)x3−CFCFO−CFCFCF−CH−OSOCF ・・・(2−2)
化合物(2−2)のNMRスペク卜ル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:TMS) δ(ppm):2.0(1H)、3.9(2H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl) δ(ppm):56.3(3F)、−74.1(3F)、−84.1(54F)、−89.3(54F)、−91.4(2F)、−122.8(2F)、−123.6(2F)、−126.7(52F)。
単位数x3の平均値:13、化合物(2−2)の数平均分子量:4,850。
次いで、ガラス製の100mLの2つ口ナスフラスコに、化合物(2−2)の15.0g、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(東京化成工業社製)の15.7g、HN(−CHCH=CH(東京化成工業社製)の1.0g、およびトリエチルアミン(和光純薬工業社製)の0.5gを入れ、窒素雰囲気下、90℃で24時間撹拌した。反応終了後、AK−225(旭硝子社製)の20gを加え、水および飽和食塩水で各1回洗浄し、有機相を回収した後、シリカゲル1.5gと混合し、フィルタろ過で有機相を回収した。回収した有機相をエバポレータで濃縮し、化合物(3−2)の14.6g(収率98%)を得た。
CF−O−(CFCFO−CFCFCFCFO)x3−CFCFO−CFCFCF−CH−N(−CHCH=CH ・・・(3−2)
化合物(3−2)のNMRスペク卜ル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:TMS) δ(ppm):3.1(2H)、3.2(4H)、5.1(4H)、5.8(2H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl) δ(ppm):56.2(3F)、−83.9(54F)、−89.2(54F)、−91.4(2F)、−120.8(2F)、−126.6(54F)。
単位数x3の平均値:13、化合物(3−2)の数平均分子量:4,800。
次いで、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルコキシビニルエーテル)共重合体製の100mLのナスフラスコに、化合物(3−2)の10.0g、白金/1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金含有量:2%)の0.03g、HSi(OCHの1.0g、ジメチルスルホキシドの0.01gおよび1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(東京化成工業社製)の0.4gを入れ、40℃で10時間撹拌した。反応終了後、溶媒等を減圧留去し、孔径0.2μmのメンブランフィルタでろ過し、化合物(3−2)の2つアリル基がヒドロシリル化された化合物(4−2)の10.0g(収率95%)を得た。
CF−O−(CFCFO−CFCFCFCFO)x3−CFCFO−CFCFCF−CH−N[−CHCHCH−Si(OCH ・・・(4−2)
化合物(4−2)のNMRスペク卜ル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:TMS) δ(ppm):0.7(4H)、1.6(4H)、2.6(4H)、3.2(2H)、3.6(18H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl) δ(ppm):56.3(3F)、−84.0(54F)、−89.3(54F)、−91.4(2F)、−121.0(2F)、−126.7(54F)。
単位数x3の平均値:13、化合物(4−2)の数平均分子量:5,040。
[例8]
ガラス製の反応蒸留装置に、トリフルオロメタンスルホン酸(東京化成工業社製)の50.0gおよび五酸化二リンの9.0gを投入し、90℃、80Torrで撹拌した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物の40.4g(収率86%)を回収した。
例1で用いたトリフルオロメタンスルホン酸無水物(東京化成工業社製)を例7で得たトリフルオロメタンスルホン酸無水物に変更した以外は、例1と同様にして反応粗液を得た。反応粗液からサンプルの20.9gを抜き出し、サンプルにAK−225の10.0gおよび水の10.2gを加え、800rpmの速度で10分間撹拌した。撹拌後、有機相と水相とに分離するまでの時間を計測したところ、30秒であった。
例2〜4、8の結果から、トリフルオロメタンスルホン酸から再生したトリフルオロメタンスルホン酸無水物を用いることによって、反応粗液と水との混合液のエマルジョン化がさらに抑えられることがわかった。また、例1、5で得られた水相からトリフルオロメタンスルホン酸を回収すれば、トリフルオロメタンスルホン酸を再利用できることが示唆された。
本発明の製造方法で得られた含フッ素エーテル化合物は、潤滑性や撥水撥油性の付与が求められている各種の用途に用いることができる。たとえばタッチパネル等の表示入力装置;透明なガラス製または透明なプラスチック製部材の表面保護コート、キッチン用防汚コート;電子機器、熱交換器、電池等の撥水防湿コートや防汚コート、トイレタリー用防汚コート;導通しながら撥液が必要な部材へのコート;熱交換機の撥水・防水・滑水コート;振動ふるいやシリンダ内部等の表面低摩擦コート等に用いることができる。

Claims (7)

  1. 下式(1)で表される化合物に酸無水物を反応させて、下式(2)で表される化合物を得ることを特徴とする含フッ素エーテル化合物の製造方法。
    A−O−Q−(Rf1O)−Rf2−R−OH ・・・(1)
    A−O−Q−(Rf1O)−Rf2−R−OZ ・・・(2)
    ただし、
    Aは、炭素数1〜20のペルフルオロアルキル基であり、
    Qは、単結合、1つ以上の水素原子を含むフルオロアルキレン基、1つ以上の水素原子を含むフルオロアルキレン基の末端(ただし、(Rf1O)と結合する側に限る。)にエーテル性酸素原子を有する基、1つ以上の水素原子を含む炭素数2以上のフルオロアルキレン基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基、または1つ以上の水素原子を含む炭素数2以上のフルオロアルキレン基の末端(ただし、(Rf1O)と結合する側に限る。)および炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基であり、
    f1およびRf2は、それぞれ独立にペルフルオロアルキレン基であり、
    mは、2〜200の整数であり、
    (Rf1O)は、2種以上のRf1Oからなるものであってもよく、
    は、単結合、アルキレン基、アルキレン基の末端(ただし、Rf2と結合する側の末端に限る。)にエーテル性酸素原子もしくは−NH−を有する基、炭素数2以上のアルキレン基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子もしくは−NH−を有する基、または炭素数2以上のアルキレン基の末端(ただし、Rf2と結合する側の末端に限る。)および炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子もしくは−NH−を有する基であり、
    Zは、前記酸無水物のもととなる酸から−OHを除いた基である。
  2. 塩基性化合物の存在下に前記式(1)で表される化合物に前記酸無水物を反応させる、請求項1に記載の含フッ素エーテル化合物の製造方法。
  3. 含フッ素溶媒中で前記式(1)で表される化合物に前記酸無水物を反応させる、請求項1または2に記載の含フッ素エーテル化合物の製造方法。
  4. 前記酸無水物が、下式(20)で表される化合物または下式(21)で表される化合物であり、
    前記Zが、−SO−Yまたは−CO−Yである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の含フッ素エーテル化合物の製造方法。
    Y−SO−O−SO−Y ・・・(20)
    Y−CO−O−CO−Y ・・・(21)
    ただし、Yは、1価の炭化水素基、または1価の炭化水素基の水素原子の少なくとも一部が1価の炭化水素基以外の基に置換された基である。
  5. 前記式(2)で表される化合物にHNR2122を反応させて、下式(3)で表される化合物を得る、請求項1〜4のいずれか一項に記載の含フッ素エーテル化合物の製造方法。
    A−O−Q−(Rf1O)−Rf2−R−NR2122 ・・・(3)
    ただし、
    21およびR22は、それぞれ独立に水素原子、末端にビニル基を有する1価の有機基または1価の炭化水素基(ただし、末端にビニル基を有するものを除く。)であり、R21およびR22の少なくとも一方は水素原子ではない。
  6. 前記R21およびR22が、それぞれ独立に、末端にビニル基を有する1価の有機基であり、
    前記式(3)で表される化合物とHSiR 3−nとをヒドロシリル化反応して、下式(4)で表される化合物を得る、請求項5に記載の含フッ素エーテル化合物の製造方法。
    A−O−Q−(Rf1O)−Rf2−R−N[−R−SiR 3−n ・・・(4)
    ただし、
    は、R21またはR22に由来する2価の有機基であり、
    は、水素原子または1価の炭化水素基であり、
    Xは、加水分解性基であり、
    nは、0〜2の整数であり、
    2つの[−R−SiR 3−n]は、同一であっても異なっていてもよい。
  7. 前記式(1)で表される化合物に前記酸無水物を反応させて前記式(2)で表される化合物を得るときに副生する、前記酸無水物に由来する酸を回収し、
    回収された酸から酸無水物を再生し、
    再生された酸無水物を、前記式(1)で表される化合物と前記酸無水物との反応に利用する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の含フッ素エーテル化合物の製造方法。
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WO2022059682A1 (ja) * 2020-09-16 2022-03-24 Agc株式会社 含フッ素エーテル化合物の製造方法

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