JP2017137373A - フェロコークス製造方法および竪型乾留炉 - Google Patents

フェロコークス製造方法および竪型乾留炉 Download PDF

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誠 安藤
孝思 庵屋敷
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孝思 庵屋敷
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Hidekazu Fujimoto
英和 藤本
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Abstract

【課題】フィルターを用いることなく、成型物やフェロコークスが羽口へ流入して閉塞してしまうことを防止できるフェロコークス製造方法の提供。【解決手段】竪型乾留炉が、乾留炉本体と、その側面に設けられ、乾留炉本体内の耐火物と成型物またはフェロコークスとが接する面に開口部31を有する羽口30とを備え、羽口30が、羽口30の内部下面が水平となっている部分である水平部32と、水平部32と開口部31との間に位置し、羽口30の断面が開口部31へ近づくほど大きくなるように羽口30の内部下面が斜めに形成された斜面部33とを備え、水平部32のうち最も開口部31側に位置する水平部32先端と、記開口部30の上端との、鉛直方向における距離h、水平部先端と開口部の上端との水平方向における距離d、およびフェロコークスの安息角θとが、下記の式を満足する条件で乾留を行う、フェロコークス製造方法。h/d≦tanθ【選択図】図1

Description

本発明は、炭素含有物質と鉄含有物質とを含有する成型物を竪型乾留炉で乾留してフェロコークスを製造するフェロコークス製造方法に関するものである。特に、本発明は、前記成型物やフェロコークスが羽口へ流入して閉塞してしまうことを防止することができるフェロコークス製造方法に関するものである。また、本発明は、前記フェロコークス製造方法に用いることができる竪型乾留炉に関するものである。
製鉄の分野においては、原料である鉄鉱石をコークスとともに高炉に装入し、両者を高温で反応させることによって銑鉄を製造している。コークスは、石炭を乾留することによって得られるものであり、高炉内においては、通気をよくするためのスペーサー、熱源、および還元材として機能する。
近年、高炉における製鉄プロセスの効率を高めるために、高炉へ装入されるコークスの一部をフェロコークスに置き換えることが提案されている。フェロコークスとは、粉状の鉄鉱石等の鉄含有物質とともに、粉状の石炭(微粉炭とも称する)などの炭素含有物質を成型した後、乾留して製造されるものであり、その内部には、鉄含有物質が還元されて生成した微粒子状の金属鉄が含まれている。この金属鉄は、高炉内での反応の進行に伴って生成したCO2がコークス(C)と反応して還元ガスであるCOを再生する反応を促進する触媒の機能を有している。そのため、フェロコークスを使用することにより、高炉内の低温部からコークスのガス化反応を開始させ、熱保存帯の温度を低くすることができる。したがって、フェロコークスの使用は、還元材比を大きく低減させるので、省エネルギーおよびCO2排出量削減に寄与するものと期待されている。このような有用性のため、フェロコークスの製造技術に関する研究が進められている。
現在用いられている一般的な冶金用コークスは、原料である石炭を室炉式コークス炉で乾留して製造される。そこで、同様に、室炉式コークス炉を用いてフェロコークスを製造する方法が検討された。例えば、a)石炭と粉鉄鉱石の混合物を室炉式コークス炉に装入して乾留する方法や、b)石炭と鉄鉱石を冷間、すなわち室温で成型し、得られた成型物を室炉式コークス炉に装入して乾留する方法などが提案されている(非特許文献1)。
しかし、通常の室炉式コークス炉は珪石煉瓦で構成されているため、鉄鉱石を装入して乾留を行うと、珪石煉瓦の主成分であるシリカが鉄鉱石と反応し、低融点のファイアライトが生成する。この反応による珪石煉瓦の損傷が問題となるため、従来の室炉式コークス炉を用いたフェロコークスの製造は、工業的には実施されていない。
そこで、室炉式コークス製造方法に代わるフェロコークス製造方法として、竪型乾留炉を用いる方法が提案されている(特許文献1、2)。この方法においては、乾留炉として、珪石煉瓦ではなくシャモット煉瓦で構成される竪型シャフト炉が使用される。また、原料である石炭と鉄鉱石は、バインダーとともに混合し、冷間で所定の大きさに成型して得られる成型炭として、前記竪型乾留炉に装入される。そして、竪型乾留炉内に羽口から熱媒ガスを吹込んで加熱することにより成型炭を乾留し、成型フェロコークスが製造される。この方法によれば、鉄鉱石による煉瓦の損傷を受けることなく乾留を行うことができる。
特許第4666114号公報 特許第5504731号公報
「コークス技術年報」燃料協会、1958年、p.38
しかし、上記竪型乾留炉を用いた方法でフェロコークスを製造する場合、羽口が閉塞してしまうという問題があった。すなわち、原料である成型物は竪型乾留炉内に充填され、上部から下部へと進みながら乾留されてフェロコークスとなるが、その際、成型物には常に圧力がかかっているため、炉壁に設けられた羽口の内部へ流入してガス流路を塞いでしまう。その結果、ガスが炉内へ流入しにくくなり、成型物の乾留効率が低下する。最悪の場合、羽口から離れた炉の中心付近において成型物が完全に乾留されず、得られるフェロコークスの乾留度合いがばらつくということも起こりうる。
このような羽口の閉塞を防止する方法としては、乾留炉内壁に設けられた羽口の開口部に、フェロコークスなどが入り込まない程度に目の細かいフィルターやメッシュなどを設置することが考えられる。しかしその場合、前記フィルターやメッシュが、羽口からのガスの吹き込みに対する通気抵抗となるため、やはり乾留効率が低下してしまうという問題がある。
本発明は、上記の実情に鑑み開発されたものであり、通気抵抗となるフィルター等を用いることなく、成型物やフェロコークスが羽口へ流入して閉塞してしまうことを防止することができるフェロコークス製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、前記フェロコークス製造方法に用いることができる竪型乾留炉を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨構成は、次のとおりである。
1.炭素含有物質と鉄含有物質とを含有する成型物を竪型乾留炉で乾留してフェロコークスを製造するフェロコークス製造方法であって、
前記竪型乾留炉が、
乾留炉本体と、
前記乾留炉本体の側面に設けられ、記乾留炉本体内の耐火物と前記成型物または前記フェロコークスとが接する面に開口部を有する少なくとも1つの羽口とを備え、
前記羽口が、
該羽口の内部下面が水平となっている部分である水平部と、
前記水平部と前記開口部との間に位置し、該羽口の断面が該開口部へ近づくほど大きくなるように羽口の内部下面が斜めに形成された斜面部とを備え、
前記水平部のうち最も前記開口部側に位置する水平部先端と、前記開口部の上端との、鉛直方向における距離h、前記水平部先端と前記開口部の上端との水平方向における距離d、および前記フェロコークスの安息角θとが、下記(1)式の関係を満足する条件で前記乾留を行う、フェロコークス製造方法。

h/d≦tanθ ・・・(1)
2.炭素含有物質と鉄含有物質とを含有する成型物を乾留してフェロコークスを製造するための竪型乾留炉であって、
乾留炉本体と、
前記乾留炉本体の側面に設けられ、前記乾留炉本体内の耐火物と前記成型物または前記フェロコークスとが接する面に開口部を有する少なくとも1つの羽口とを備え、
前記羽口が、
該羽口の内部下面が水平となっている部分である水平部と、
前記水平部と前記開口部との間に位置し、該羽口の断面が該開口部へ近づくほど大きくなるように羽口の内部下面が斜めに形成された斜面部とを備え、
前記水平部のうち最も前記開口部側に位置する水平部先端と、前記開口部の上端との、鉛直方向における距離hと、前記水平部先端と前記開口部の上端との水平方向における距離dとが、下記(2)式の関係を満足する、竪型乾留炉。

h/d≦tan 40° ・・・(2)
本発明によれば、通気抵抗となるフィルター等を用いることなく、成型物やフェロコークスが羽口へ流入して閉塞することを防止することができる。これにより、品質の安定したフェロコークスを安定的に生産することが可能となる。
羽口の構造の例を表す炉壁断面の概略図である。 フェロコークスの安息角θと羽口の形状との関係を示す概略図である。 本発明の一実施形態における羽口構造を示す模式図である。 本発明の他の実施形態における羽口構造を示す模式図である。 本発明の一実施形態における竪型乾留炉の正面概略図である。
(フェロコークス製造方法)
まず、本発明のフェロコークス製造方法(第1発明)を実施する方法について具体的に説明する。なお、以下の説明において「上」、「下」、「鉛直」、「水平」、および「高さ」等との用語は、特に断らない限り、本発明における竪型乾留炉を操業時の状態、すなわち縦位置に設置した状態での位置関係を指すものとする。
[成型物]
本発明では、炭素含有物質と鉄含有物質とを含有する成型物を竪型乾留炉で乾留してフェロコークスを製造する。前記炭素含有物質としては、特に限定されず任意のものを用いることができるが、高炉内の熱源とする必要があることから、炭素含有量が多いものが好ましく、好適例として石炭を挙げることができる。石炭は粉状であることがさらに好ましい。石炭を主に使用し、必要に応じてさらにタールやプラスチックなどを追加することができる。また、前記鉄含有物質としては、特に限定されず任意のものを用いることができるが、鉄鉱石を用いることが好ましい。鉄鉱石は粉状であることがさらに好ましい。
前記炭素含有物質と鉄含有物質とは、混合して成型物(「ブリケット」ともいう)とした上で竪型乾留炉内へ充填される。前記成型は、特に限定されることなく任意の方法で行うことができるが、例えば、型となる凹部を表面に有するロールを用いたロール型圧縮造粒機など、一般的な成型機(ブリケットマシン)を用いて、冷間で行うことができる。また、その際、前記炭素含有物質と鉄含有物質とともに、バインダーを混合して用いることもできる。
成型物の形状は特に限定されないが、一般的には粒状である。ブリケットマシンを用いる場合には、その型の形状に応じて、マセック型、印籠型、玉子型、楕円型、俵型等とすることができる。成型物の寸法は特に限定されないが、強度確保と高炉内装入時の通気性確保の観点から、最大径は3〜4cmとすることが好ましい。
[竪型乾留炉]
本発明では、乾留炉として竪型乾留炉(竪型シャフト炉)を使用する。竪型乾留炉は、炉頂部に装入口を、下部にフェロコークス排出口を、それぞれ備えており、前記装入口から原料としての成型物が装入される。前記装入口より炉内に充填された成型物は、炉内をゆっくりと下降しながら乾留され、フェロコークスとして前記フェロコークス排出口から排出される。
[[乾留炉本体]]
上記竪型乾留炉は、乾留炉本体と後述する羽口とを備えている。乾留炉本体は、外部構造物と、その内側に設けられた耐火物と、からなる。そして、外部構造物と耐火物とをあわせて、以下、炉壁とも称する。前記乾留炉本体の形状は特に限定されず、任意の形状とすることができる。使用可能な炉の水平断面形状としては、例えば、正方形、長方形などの矩形や、円形などが挙げられる。なお、ここで炉の水平断面形状とは、耐火物などからなる炉壁に囲まれた炉内空間の水平方向断面における形状を意味する。耐火物には、前述の通り鉄鉱石が珪石煉瓦の主成分であるシリカと反応することを防ぐため、シャモット煉瓦を採用することが好ましい。また、外部構造物としては、例えば鉄皮を例示することができる。
[[羽口]]
上記乾留炉本体の側面には、該乾留炉本体内の耐火物と成型物またはフェロコークスとが接する面(すなわち、炉壁の内側の面)に開口部を有する少なくとも1つの羽口が備えられている。ここで、「羽口」とは、竪型乾留炉の内部へガスを吹き込むため、または竪型乾留炉内から外部へガスを排出するために乾留炉本体の側面に設けられた、炉内と炉外とが貫通した部分を指すものとする。羽口は外部構造物および耐火物を貫通して設けられており、さらに、該開口の炉外側には配管(ダクト)が接続されている。本発明においては、外部構造物および耐火物を貫通している部分と、そこに接続されたダクトの接続部とを「羽口」と定義する。
前記羽口の配置や個数は特に限定されず、少なくとも1つの羽口を、任意の位置に配置すれば良いが、炉内水平面内における温度の不均一さを低減するという観点からは、炉壁上の同じ高さ、すなわち、同一水平面内に、互いに対向するように少なくとも1組の羽口を設けることが好ましい。前記羽口は、任意の目的に用いることができるが、例えば、以下に述べる高温羽口、低温羽口、冷却羽口、排気羽口から選択されるものであることが好ましい。
・ 高温羽口
高温羽口とは、乾留を行うために必要な高温ガスを炉内へ吹き込むための導入口である。したがって、通常の竪型乾留炉は高温羽口を少なくとも1つ備えている。前記高温羽口の個数と配置は、炉本体の形状や寸法に応じて、適切に乾留を行うために必要な温度が得られるよう設定される。高温羽口は、炉壁上の同じ高さに、互いに対向するように少なくとも1組設けることが好ましい。また、十分に加熱を行うために、異なる高さに複数段の高温羽口を設けることもでき、その場合には、特に2段とすることが好ましい。
・ 低温羽口
低温羽口は、特許文献1、2に記載されているように、上記高温羽口に加えて追加的に設けられる吹き込み羽口であり、高温羽口から吹き込まれるガスよりも低温のガスを吹き込むために用いられる。通常、低温羽口は、高温羽口よりも高い位置に設けられる。竪型乾留炉の炉頂部または後述する排気羽口から回収された比較的低温のガスを低温羽口から吹き込むことにより、一度使用されたガスが有する熱を活用して成型物を予熱することができる。低温羽口も高温羽口と同様、炉壁上の同じ高さに、互いに対向するように少なくとも1組設けることが好ましい。
・ 冷却羽口
本発明における竪型乾留炉は、その下部に冷却のための設備を備えた連続式乾留炉とすることが好ましい。具体的には、炉の下部、高温羽口より下方の炉底付近に、乾留されたフェロコークスを冷却するためのガスを吹き込む冷却羽口を設ける。前記冷却羽口より吹き込まれた低温のガスはフェロコークスを冷却しながら炉内を上昇し、高温羽口から吹き込まれた高温ガスと合流した後にさらに上昇し、炉頂から排出される。また、冷却羽口よりも上、高温羽口よりも下の位置に後述する排気羽口を設け、フェロコークスと熱交換した後の冷却用ガスを抜き出すこともできる。炉頂または排気羽口から回収されたガスは、その少なくとも一部を炉外に設けた冷却装置によって温度を調整した後に、再度、前記冷却羽口から炉内へ吹き込んで循環使用することができる。前記回収されたガスを、上記低温羽口から吹き込んで循環使用することもできる。また、炉頂より排出されたガスの一部を、炉外に設けた加熱装置によって再加熱し、上記高温羽口から吹き込んで循環使用することもできる。
・ 排気羽口
排気羽口とは、炉内から炉外へガスを抜き出すための羽口である。排気羽口は任意の位置に設けることができるが、例えば、上述のように、冷却羽口と高温羽口の間の高さに設けて、冷却に使用された後の低温ガスを抜き出すことができる。また、高温羽口と略同一の高さ、該高温羽口とは異なる水平位置に排気羽口を設けてガスを回収すれば、炉内水平方向におけるガスの流れを促進し、炉内温度の不均一さを低減できるため好ましい。排気羽口は、炉壁上の同じ高さに、互いに対向するように少なくとも1組設けることが好ましい。
なお、本発明におけるガスの吹き込み、排気、循環には、ブロワーなど、各種公知の送風手段を用いることができる。
[[水平部・斜面部]]
さらに本発明では、上記羽口が、羽口の内部下面が水平となっている部分である水平部と、 前記水平部と前記開口部との間に位置し、該羽口の断面が該開口部へ近づくほど大きくなるように羽口の内部下面が斜めに形成された斜面部とを備えていることが重要である。以下、図面を参照して水平部と斜面部について説明する。
図1(a)は、羽口の構造の例を表した炉壁断面の概略図である。この例では、外部構造物10の内側(炉内側)には耐火物20が配置されており、外部構造物10および耐火物20を貫通するように羽口30が設けられている。羽口30の炉外側にはダクト40が接続されており、羽口30が吹き込み羽口である場合には、ダクト40から供給されたガスが、耐火物20と成型物またはフェロコークスとが接する面に設けられている羽口30の開口部31から炉内へ吹き込まれる。なお、ここでは便宜上、羽口30とダクト40を区別して説明しているが、上述したように本発明における羽口には、図1で示されているダクトの一部分(接続部分)も含むものとする。
図示したように、羽口30の内部上面は水平であるのに対して、内部下面には、水平部32と斜面部33とが設けられている。ここで、水平部とは、羽口の内部下面が水平となっている部分を指すものとする。また、斜面部とは、前記水平部と前記開口部との間に位置し、羽口30の断面が開口部31へ近づくほど大きくなるように羽口の内部下面が斜めに形成された部分を指すものとする。ここで、羽口の断面とは、炉壁に対して垂直な方向における断面を指すものとする。したがって、斜面部33では、羽口30の内部下面が水平部32よりも下となっている。斜面部33の形状は、例えば、図1(a)に示したような直線的な斜面とすることができる。このように斜面部33を設けることにより、斜面部33がない場合に比べて羽口30の下面に成型物が堆積し、羽口が閉塞することを抑制することができる。
さらに本発明のフェロコークス製造方法では、前記水平部のうち最も前記開口部側に位置する水平部先端と、前記開口部の上端との、鉛直方向における距離h、前記水平部先端と前記開口部の上端との水平方向における距離d、および前記フェロコークスの安息角θとが、下記(1)式の関係を満足する条件で前記乾留を行うことが重要である。
h/d≦tanθ ・・・(1)
すなわち、図1(a)に示したように、水平部32のうち最も開口部31側に位置する点を水平部先端34、開口部31の最も上側の位置を開口部上端35としたとき、水平部先端34と開口部上端35の水平方向における距離dと鉛直方向における距離h、およびフェロコークスの安息角θとが上記(1)式の関係を満たすような条件で乾留を行う。
図2は、フェロコークスの安息角θと羽口の形状との関係を示す概略図である。安息角とは、粒状や粉状の物質を積み上げた際に、崩れずに安定した状態を保つことができる角度であり、積み上げた斜面と水平面とのなす角である。したがって、図2(a)に示すように、h/dの値がtan θよりも大きいと、羽口30の内部へ入り込んだ成型物が形成する斜面Aが、崩れずに安定状態を保つことのできる傾斜を超えるため、成型物が崩れてさらに内部の水平部32に堆積してしまう。
これに対して、上記(1)式の条件を満たす場合、すなわち、h/dの値がtan θ以下である場合には、図2(b)に示すように、羽口30の内部へ入り込んだ成型物が形成する斜面Bがなだらかであり、崩れずに安定状態を保つことができるため、成型物が崩れてさらに内部の水平部32に堆積してしまうことが防止できる。
一方、h/dの値は小さいほど成型物が崩れにくくなるため、h/dの下限は特に限定されない。しかし、h/dを過度に小さくしようとすると、hが小さくなる結果、羽口の通気抵抗が増加することに加えて、dを大きくするために炉壁を必要以上に厚くする必要が生じる。そのため、h/dの値は0.01以上とすることが好ましく、0.02以上とすることがより好ましく、0.05以上とすることがさらに好ましい。
このように、本発明では、羽口に水平部と斜面部を設けることに加え、羽口の構造とフェロコークスの安息角とが(1)式の関係を満たす条件とすることにより、成型物が羽口内の水平部に堆積して、羽口を閉塞してしまうことを防止できる。
なお、上記(1)式では、羽口の構造を、フェロコークスの安息角との関係で限定している。実際の乾留においては、竪型乾留炉にはまず成型物が装入され、該成型物が乾留されてフェロコークスとなる。そのため、(1)式で用いる安息角の値は、羽口の位置によっては成型物の安息角とすることがより正確である。しかし、一般的なフェロコークスの製造条件では、成型物の安息角と、該成型物を乾留して得られるフェロコークスの安息角とに大きな差がないため、上述のようにフェロコークスの安息角を用いても問題がないことを確認している。
なお、羽口の形状は、図1(a)に例示したものに限定されず、上述した条件を満たすものであれば任意の形状とすることができる。他の形状を有する羽口の例を、図1(b)、(c)に示す。
図1(b)は、耐火物20の厚さ方向全体にわたって斜面部33が形成されている場合の例である。この場合、ダクト40の下面が水平部32となり、したがってダクト40の下面のうち最も開口部31側に位置する点が水平部先端34となる。
また、図1(c)に示すように、斜面部33を複数の斜面で構成することもできる。さらに、図1(a)〜(c)のように直線的な斜面ではなく、曲面によって斜面部33を構成することも可能である。何れの場合においても、図に示すようにhおよびdの値は水平部先端34と開口部上端35のみによって決定される。なお、耐火物を複雑な形状に精度良く加工することは困難であるため、羽口の形状は単純であることが望ましく、したがって図1(a)または(b)に示す形状とすることが好ましい。
なお、hの値については特に限定されず、上記(1)式を満たすものであれば任意の値とすることができる。しかし、羽口を過度に大きくしても、成型物が羽口に入りやすくなる一方でそれ以上の乾留効率の向上が見込めないため、通常は、hを1000mm以下とすることが好ましい。一方、hは小さいほど成型物の侵入が生じにくくなるが、フェロコークスの製造において一般的に用いられる成型物は、短径が10mm以上であるため、hが10mm未満である場合には、そもそも成型物による羽口の閉塞が生じる可能性が低い。さらに、hが過度に小さいと通気抵抗が増加して乾留効率が悪くなり、均一に乾留されないなどの理由でフェロコークスの品質が低下する。そのため、hは10mm以上であることが好ましい。なお、hは20〜700mmであることが好ましい。
dの値についても特に限定されず、上記(1)式を満たすものであれば任意の値とすることができる。しかし、dの好適範囲は、hを上記好適範囲とした際に(1)式の条件を満たす範囲として間接的に規定することができる。さらに、一般的な竪型乾留炉における炉壁の厚さを考慮すると、dを1000mm以下とすることがより好ましい。
羽口の横幅については特に限定されず、竪型乾留炉のスケールや羽口の数などに応じて、必要なガス流量が得られるように決定すればよい。羽口の構造を簡略化するという観点からは、外部構造物の外側から耐火物の内側までの羽口の横幅を等しくすることが好ましい。なお、ここで羽口の横幅とは、ダクトを除いた羽口全体の、水平方向における幅を意味するものとする。
図3、4は、それぞれ本発明の一実施形態における羽口構造を示す模式図である。なお、図3では、羽口の形状を可視化するために、耐火物および外部構造物は、耐火物の最も内側の面、すなわち耐火物と成型物またはフェロコークスとが接触する接触面50を除いて図示されていない。羽口30の横幅が大きくない場合は、図3に示すように1つのダクト40のみを接続してガスの吹き込みや抜き出しを行うことができる。しかし、羽口の横幅が大きい場合には、十分なガス流量を確保するために、1つの羽口当たりに2本以上のダクトを接続することもできる。図4は1つの羽口30に2本のダクト40を接続した場合の例である。
(竪型乾留炉)
次に、本発明の竪型乾留炉(第2発明)を実施する方法について具体的に説明する。第2発明の竪型乾留炉は、上記第1発明のフェロコークス製造方法において好適に用いることができるものであり、したがってその構造は第1発明に関する説明において述べたものと同様とすることができるが、水平部先端と開口部上端との、鉛直方向における距離hと、水平方向における距離dとが、下記(2)式の関係を満足するものとする。
h/d≦tan 40° ・・・(2)
これは、通常用いられるフェロコークスの安息角θが20〜40°の範囲内であるため、上記(2)式の関係を満たしていれば、フェロコークスによる羽口の閉塞を防止できるからである。なお、h/dの値は、35°以下であることが好ましく、30°以下であることがさらに好ましい。
(実施形態)
次に、本発明の一実施形態について、図面に基づいてさらに具体的に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の好適な例を示すものであり、本発明は、その記載によって何ら限定されるものではない。本発明の実施形態は、本発明の趣旨に適合する範囲で適宜変更することが可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に包含される。
図5は、本実施形態における竪型乾留炉の正面概略図である。外部構造物10の上部には成型物を装入するための装入部60を、下部には前記成型物を乾留して得られるフェロコークスを排出するための排出部70を、それぞれ備えている。外部構造物10の高さ方向における中央付近には1組の高温羽口80が対向して設けられており、高温羽口80から高温のガスが炉内に吹き込まれる。また、外部構造物10の下部には、冷却羽口90が設けられており、乾留が終了したフェロコークスを冷却するための冷却用ガスが冷却羽口90から吹き込まれる。
高温羽口80は、すべて図1(a)に示した形状とする。そして、h/dの値は上記(2)式の関係を満たすものとするとともに、h、d、およびフェロコークスの安息角θが上記(1)式を満たす条件でフェロコークスの製造を実施する。これにより、成型物やフェロコークスが、羽口の水平部に堆積して羽口を閉塞することを防止し、安定してフェロコークスを製造することができる。
10 外部構造物
20 耐火物
30 羽口
31 開口部
32 水平部
33 斜面部
34 水平部先端
35 開口部上端
40 ダクト
50 接触面
60 装入部
70 排出部
80 高温羽口
90 冷却羽口

Claims (2)

  1. 炭素含有物質と鉄含有物質とを含有する成型物を竪型乾留炉で乾留してフェロコークスを製造するフェロコークス製造方法であって、
    前記竪型乾留炉が、
    乾留炉本体と、
    前記乾留炉本体の側面に設けられ、前記乾留炉本体内の耐火物と前記成型物または前記フェロコークスとが接する面に開口部を有する少なくとも1つの羽口とを備え、
    前記羽口が、
    該羽口の内部下面が水平となっている部分である水平部と、
    前記水平部と前記開口部との間に位置し、該羽口の断面が該開口部へ近づくほど大きくなるように羽口の内部下面が斜めに形成された斜面部とを備え、
    前記水平部のうち最も前記開口部側に位置する水平部先端と、前記開口部の上端との、鉛直方向における距離h、前記水平部先端と前記開口部の上端との水平方向における距離d、および前記フェロコークスの安息角θとが、下記(1)式の関係を満足する条件で前記乾留を行う、フェロコークス製造方法。

    h/d≦tanθ ・・・(1)
  2. 炭素含有物質と鉄含有物質とを含有する成型物を乾留してフェロコークスを製造するための竪型乾留炉であって、
    乾留炉本体と、
    前記乾留炉本体の側面に設けられ、記乾留炉本体内の耐火物と前記成型物または前記フェロコークスとが接する面に開口部を有する少なくとも1つの羽口とを備え、
    前記羽口が、
    該羽口の内部下面が水平となっている部分である水平部と、
    前記水平部と前記開口部との間に位置し、該羽口の断面が該開口部へ近づくほど大きくなるように羽口の内部下面が斜めに形成された斜面部とを備え、
    前記水平部のうち最も前記開口部側に位置する水平部先端と、前記開口部の上端との、鉛直方向における距離hと、前記水平部先端と前記開口部の上端との水平方向における距離dとが、下記(2)式の関係を満足する、竪型乾留炉。

    h/d≦tan 40° ・・・(2)
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