JP2017137219A - グラフェンナノリボン及びデバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】ハーフメタリックな性質を持つグラフェンナノリボンあるいは磁気モーメントを持つグラフェンナノリボン、さらに、これらを用いたデバイスを実現する。【解決手段】グラフェンナノリボン1を、幅方向の両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、両端部に異なる原子又は分子X,Yが結合しており、原子又は分子が、H、F、Cl、NH2、OH、CH3、NO2、遷移金属の原子又は分子のいずれかであるものとする。【選択図】図1

Description

本発明は、グラフェンナノリボン及びデバイスに関する。
グラフェン、カーボンナノチューブに代表されるナノカーボン材料は、その優れた特性から、トランジスタのチャネル材料、配線材料、電極材料、放熱材料などへの応用が期待されており、一部実用化されている。
グラフェンの中でも、幅が狭いグラフェンナノリボンは、そのエッジの形態に応じて、半導体的振る舞い(アームチェアエッジ(AGNR)の場合;図13(A)参照)を示したり、金属的振る舞い(ジグザグエッジの場合(ZGNR);図13(B)参照)を示したりするなど、非常に面白い性質を示す。
そして、グラフェンナノリボンのうち、ジグザグエッジを持つグラフェンナノリボン(ZGNR)は、エッジに局在した磁気モーメントを持ち、スピンを利用したデバイスへの応用が期待されている。
特開2012−28369号公報 特表2014−527020号公報 国際公開第2012/160663号 特開2015−191975号公報
しかしながら、上述のように、ジグザグエッジを持つグラフェンナノリボン(ZGNR)はエッジに磁気モーメントを持つが、通常、両端のエッジのスピンが反対方向を向き、グラフェンナノリボン全体としては磁気モーメントを持たない(図14参照)。また、ハーフメタリックな特性も示さない。このため、グラフェンナノリボンは、スピン伝導材料として有用である一方、スピン注入材料としては利用が難しい。
このようなグラフェンナノリボンに何らかの方法で磁気モーメントやハーフメタリックな性質を持たせることができれば、スピントロニクスの有力材料となり、例えば、磁気抵抗デバイスなどのデバイスに応用することができる。
本発明は、ハーフメタリックな性質を持つグラフェンナノリボン、あるいは磁気モーメントを持つグラフェンナノリボン、さらに、これらを用いたデバイス、例えば磁気抵抗効果デバイスを実現することを目的とする。
1つの態様では、グラフェンナノリボンは、幅方向の両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、両端部に異なる原子又は分子が結合しており、原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかである。
1つの態様では、グラフェンナノリボンは、長さ方向の一方の側の第1領域と、長さ方向の他方の側の第2領域と、第1領域と第2領域とに挟まれた第3領域とを備えるグラフェンナノリボンであって、第1領域が、幅方向の第1両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、第1両端部に異なる第1原子又は分子が結合しており、第1原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであり、第2領域が、幅方向の第2両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、第2両端部に異なる第2原子又は分子が結合しており、第2原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであり、第3領域が、幅方向の第3両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、第3両端部にHが結合している。
1つの態様では、長さ方向の一方の側の第1領域と、長さ方向の他方の側の第2領域と、第1領域と第2領域とに挟まれた第3領域とを備えるグラフェンナノリボンであって、第1領域が、幅方向の第1両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、第1両端部に異なる第1原子又は分子が結合しており、第1原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであり、第2領域が、幅方向の第2両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、第2両端部に異なる第2原子又は分子が結合しており、第2原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであり、第3領域が、幅方向の第3両端部にアームチェア型のエッジ構造を持ち、第3両端部にHが結合している。
1つの様態では、長さ方向の一方の側の第1領域と、長さ方向の他方の側の第2領域とを備えるグラフェンナノリボンであって、第1領域が、幅方向の第1両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、第1両端部に異なる第1原子又は分子が結合しており、第1原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであり、第2領域が、幅方向の第2両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、第2両端部に異なる第2原子又は分子が結合しており、第2原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかである。
1つの態様では、デバイスは、上述のグラフェンナノリボンと、グラフェンナノリボンの長さ方向の両側に設けられた第1電極及び第2電極と、第1電極及び第2電極の少なくとも一方に設けられ、磁界又は電界を印加する機構とを備える。
1つの態様では、デバイスは、上述のグラフェンナノリボンと、グラフェンナノリボンの長さ方向の一方の側に設けられ、磁性体と、反強磁性体とからなる第1電極と、グラフェンナノリボンの長さ方向の他方の側に設けられ、非磁性体からなる第2電極とを備える。
1つの側面として、ハーフメタリックな性質を持つグラフェンナノリボン、あるいは磁気モーメントを持つグラフェンナノリボンを実現できるという効果を有する。さらに、これらを用いたデバイス、例えば磁気抵抗効果デバイスを実現することができるという効果を有する。
本実施形態にかかるグラフェンナノリボンの構成を示す模式図である。 本実施形態にかかるグラフェンナノリボンの構成の一例(NH−8ZGNR−F)を示す模式図である。 (A)、(B)は、本実施形態にかかるグラフェンナノリボンの構成の一例(NH−8ZGNR−F)におけるエネルギーバンド構造を示す図であって、(A)は強磁性(FM)の場合のエネルギーバンド構造を示しており、(B)は反強磁性(AFM)の場合のエネルギーバンド構造を示している。 本実施形態にかかるグラフェンナノリボンの構成の一例(NH−8ZGNR−CH)を示す模式図である。 (A)、(B)は、本実施形態にかかるグラフェンナノリボンの構成の一例(NH−8ZGNR−CH)におけるエネルギーバンド構造を示す図であって、(A)は強磁性(FM)の場合のエネルギーバンド構造を示しており、(B)は反強磁性(AFM)の場合のエネルギーバンド構造を示している。 本実施形態にかかるグラフェンナノリボンの構成の一例(NH−8ZGNR−Cl,H)を示す模式図である。 (A)、(B)は、本実施形態にかかるグラフェンナノリボンの構成の一例(NH−8ZGNR−Cl,H)におけるエネルギーバンド構造を示す図であって、(A)は強磁性(FM)の場合のエネルギーバンド構造を示しており、(B)は反強磁性(AFM)の場合のエネルギーバンド構造を示している。 一般的なグラフェンナノリボンの構成の一例(H−8ZGNR−H)を示す模式図である。 (A)、(B)は、一般的なグラフェンナノリボンの構成の一例(H−8ZGNR−H)におけるエネルギーバンド構造を示す図であって、(A)は強磁性(FM)の場合のエネルギーバンド構造を示しており、(B)は反強磁性(AFM)の場合のエネルギーバンド構造を示している。 本実施形態にかかるグラフェンナノリボンの構成の変形例を示す模式図である。 本実施形態にかかるグラフェンナノリボンの構成の変形例を示す模式図である。 本実施形態にかかるグラフェンナノリボンを用いたデバイスの構成の一例を示す模式図である。 (A)、(B)は、一般的なグラフェンナノリボンの構成を示す模式図であって、(A)はアームチェアエッジの場合の構成を示しており、(B)はジグザグエッジの場合の構成を示している。 一般的なグラフェンナノリボンが持つ磁気モーメントを説明するための模式図である。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかるグラフェンナノリボン及びデバイスについて、図1〜図14を参照しながら説明する。
本実施形態にかかるグラフェンナノリボンは、図1に示すように、ジグザグエッジを持つグラフェンナノリボン1である。つまり、幅方向の両端部にジグザグ型のエッジ構造を持つグラフェンナノリボン1である。ここで、グラフェンナノリボン1は、ナノオーダーの幅(短手方向の長さ)を有するリボン状のグラフェン(グラフェンリボン)であって、その幅は例えば約10nm以下である。以下、ジグザグエッジを持つグラフェンナノリボン1をZGNRともいう。
特に、本実施形態では、図1に示すように、ZGNR1の幅方向(図1の上下方向)の両端部に異なる原子又は分子X,Yが結合している。つまり、ZGNR1の両端のエッジが異種類の原子又は分子X,Yで修飾されている。そして、その原子又は分子X,Yは、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかである。ここで、遷移金属の原子は、例えばNi、Fe、Coなどである。また、遷移金属の分子、即ち、遷移金属を含む分子は、例えばフェロセン、コバルトセン、ニッケルセンなどである。なお、これらの原子又は分子X,Yを、修飾原子又は修飾分子、エッジ修飾原子又はエッジ修飾分子ともいう。
例えば図2に示すように、幅方向の両端部に、異なる原子又は分子X,Yとして、NH、Fが結合しているZGNR1(NH−8ZGNR−F)とすれば良い。また、例えば図4に示すように、幅方向の両端部に、異なる原子又は分子X,Yとして、NH、CHが結合しているZGNR1(NH−8ZGNR−CH)とすれば良い。これらの場合、ZGNR1の幅方向の両端部の一方に、同じ原子又は分子X(即ち、1種類の原子又は分子)が結合しており、両端部の他方に、同じ原子又は分子Y(即ち、1種類の原子又は分子)が結合していることになる。つまり、ZGNR1の幅方向の両端部の一方を構成する全ての端(グラフェン端)に、同じ原子又は分子Xが結合しており、両端部の他方を構成する全ての端(グラフェン端)に、同じ原子又は分子Yが結合していることになる。
また、例えば図6に示すように、ZGNR1の幅方向の両端部に、異なる原子又は分子X,Yとして、NH、Cl及びHが結合しているZGNR1(NH−8ZGNR−Cl,H)とすれば良い。この場合、ZGNR1の幅方向の両端部の一方に、同じ原子又は分子X(即ち、1種類の原子又は分子)が結合しており、両端部の他方に、Hと、H以外の原子又は分子Yとが交互に結合していることになる。つまり、ZGNR1の幅方向の両端部の一方を構成する全ての端(グラフェン端)に、同じ原子又は分子Xが結合しており、両端部の他方を構成する全ての端(グラフェン端)に、Hと、H以外の原子又は分子Yとが交互に結合していることになる。
このように、ZGNR1の幅方向の両端部に異なる原子又は分子(修飾基)X,Yを結合させることにより、ZGNR1の電子・スピン状態を変調し、ZGNR1にハーフメタリックな性質を持たせることができる。
ここで、図3、図5、図7は、幅方向の両端部に異なる原子又は分子X,Yが結合しているZGNR1のエネルギーバンド構造を示している。
具体的には、図3は、幅方向の両端部に、異なる原子又は分子X,Yとして、NH、Fが結合しているZGNR(NH−8ZGNR−F;図2参照)のエネルギーバンド構造を示している。また、図5は、幅方向の両端部に、異なる原子又は分子X,Yとして、NH、CHが結合しているZGNR(NH−8ZGNR−CH;図4参照)のエネルギーバンド構造を示している。また、図7は、幅方向の両端部に、異なる原子又は分子X,Yとして、NH、Cl及びHが結合しているZGNR(NH−8ZGNR−Cl,H;図6参照)のエネルギーバンド構造を示している。
また、図3(A)、図5(A)、図7(A)は、両端のエッジのスピンが同じ方向を向く強磁性(FM)の場合のエネルギーバンド構造を示しており、図3(B)、図5(B)、図7(B)は、両端のエッジのスピンが逆方向を向く反強磁性(AFM)の場合のエネルギーバンド構造を示している。なお、図2、図4、図6に示すZGNR1においても、両端のエッジのスピンが同じ方向を向く強磁性(FM)よりも、逆方向を向く反強磁性(AFM)の方が安定である。
また、ここでの計算上は、図3(A)、図3(B)、図5(A)、図5(B)、図7(A)、図7(B)中、実線Aは、アップスピンを持つ電子の状態、即ち、アップスピンのバンド(E−E)を示している。また、実線Bは、ダウンスピンを持つ電子の状態、即ち、ダウンスピンのバンド(E−E)を示している。なお、図3(A)、図3(B)、図5(A)、図5(B)、図7(A)、図7(B)では実線Aと実線Bとが重なっている部分は実線Bのみが示されている。
図3(B)、図5(B)、図7(B)に示すように、ZGNR1の幅方向の両端部に異なる原子又は分子X,Yを結合させることにより、より安定な反強磁性の状態において、アップスピン(上向きスピン)のバンドとダウンスピン(下向きスピン)のバンドが分裂し、アップスピンのバンドギャップとダウンスピンのバンドギャップに差が生じ、アップスピンとダウンスピンの一方のスピンのバンドギャップが狭くなり、アップスピンとダウンスピンの一方のスピンのバンド(一対のバンド)がフェルミ準位付近にあるものとなり、他方のスピンのバンド(一対のバンド)が一方のスピンのバンドを挟んでフェルミ準位から遠い側に位置するようになる。このような電子状態は、いわゆるハーフメタリックな性質を有することになる。
このように、ZGNR1の幅方向の両端部に異なる原子又は分子X,Yを結合させることにより、エネルギーバンド構造においてアップスピンのバンドとダウンスピンのバンドが分裂しており、アップスピンとダウンスピンの一方のスピンのバンドギャップが狭く、アップスピンとダウンスピンの一方のスピンのバンドが他方のスピンのバンドよりもフェルミ準位の近くにあるものとなり、ZGNR1にハーフメタリックな性質を持たせることができる。
なお、図3(B)中、白丸で示すバンドは、図2中、上側の端部に結合している分子NHからきていて空であるため、NHが結合している側がアップスピンに偏る傾向となる。このように、物理的にはアップスピンとダウンスピンとは等価であるため、NHが結合している側がどちらのスピンに偏るという言い方しかできない。ここでは、Fが結合している側はスピン的にはよりニュートラルである。
また、図5(B)中、白丸で示すバンドは、図4中、上側の端部に結合している分子NHからきていて空であるため、NHが結合している側がアップスピンに偏る傾向となる。物理的にはアップスピンとダウンスピンとは等価であるため、NHが結合している側がどちらのスピンに偏るという言い方しかできない。ここでは、CHが結合している側はスピン的にはよりニュートラルである。
また、図7(B)中、白丸で示すバンドは、図6中、上側の端部に結合している分子NHからきていて空であるため、NHが結合している側がアップスピンに偏る傾向となる。物理的にはアップスピンとダウンスピンとは等価であるため、NHが結合している側がどちらのスピンに偏るという言い方しかできない。ここでは、H、Clが結合している側はスピン的にはよりニュートラルである。
これに対し、幅方向の両端部に同じ原子(例えばH)が結合しているZGNR10(例えばH−8ZGNR−H;図8参照)は、ハーフメタリックな特性を示さない。
ここで、図9は、幅方向の両端部に、同じ原子としてHが結合しているZGNR10(例えばH−8ZGNR−H;図8参照)のエネルギーバンド構造を示している。
また、図9(A)は、両端のエッジのスピンが同じ方向を向く強磁性(FM)の場合のエネルギーバンド構造を示しており、図9(B)は、両端のエッジのスピンが逆方向を向く反強磁性(AFM)の場合のエネルギーバンド構造を示している。なお、図8に示すZGNR10においても、両端のエッジのスピンが同じ方向を向く強磁性(FM)よりも、逆方向を向く反強磁性(AFM)の方が安定である。
また、ここでの計算上は、図9(A)、図9(B)中、実線Aは、アップスピンを持つ電子の状態、即ち、アップスピンのバンド(E−E)を示している。また、実線Bは、ダウンスピンを持つ電子の状態、即ち、ダウンスピンのバンド(E−E)を示している。なお、図9(A)、図9(B)では実線Aと実線Bとが重なっている部分は実線Bのみが示されている。
図8に示すように、ZGNR10の幅方向の両端部に同じ原子(例えばH)が結合していると、図9(B)に示すように、より安定な反強磁性の状態において、アップスピンとダウンスピンのバンドが一致し、バンドギャップに差が生じないため、ハーフメタリックな特性を示さない。
なお、図2、図4、図6、図8に示すいずれの構造も、反強磁性の状態の方が安定であり、通常磁気モーメントは持たない。これに対し、後述するように電界又は磁界が印加された場合には、磁気モーメントを持つことも可能となる。
ところで、上述のように構成されるグラフェンナノリボン1は、以下のようにして作製することができる。
ここでは、幅方向の両端部の一方にNH(NH基)、他方にF(F基;フッ素原子)が結合しているZGNR1(NH−8ZGNR−F;図2参照)を例に挙げて説明する。
まず、基板上に配置されたグラフェンを、例えばリソグラフィを利用して、リボン化し、次のようにして幅方向の両端部の一方をNH基で、他方をF基で修飾することで、グラフェンナノリボン1を作製する。
例えば、エッジは通常水素終端されているが、フッ素雰囲気中で、STMの探針を利用して、例えば数ボルトの電圧をかけることによって、エッジをF基で修飾することができる。また、フッ素雰囲気中で、例えば数百度で加熱することによって、エッジをF基で修飾することもできる。一方、アンモニア雰囲気中で、同様のプロセスを行なうことによって、エッジをNH基で修飾することができる。これらのプロセスは、グラフェンナノリボンの幅方向の両端部の一方をマスクして行なえば良い。
このような手法によって、エッジを修飾している原子又は分子が異なるジグザググラフェンナノリボン1を作製することが可能である。
なお、エッジを修飾している原子又は分子が異なるジグザググラフェンナノリボン1を作製する方法は、これに限られるものではなく、例えば、ZGNRの形成に、Jinming Cai et al., “Atomically precise bottom-up fabrication of graphene nanoribbons”, Nature, Vol466 (2010) pp.470-473に示されているような方法を利用することもできる。つまり、ZGNRを形成可能な前駆体を高真空中で昇華して対象基板に堆積し、その後、基板を約200℃〜約400℃でアニールすることによって、結合、縮環し、リボン化するという方法である。この場合も、エッジは水素終端されることになるが、上述の方法と同様の手法で、異なる修飾基をそれぞれのエッジに導入することができる。
ところで、幅方向の両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、その両端部に異なる原子又は分子X,Yが結合しているグラフェンナノリボン1は、上述のように、ハーフメタリックな性質を有するため、このようなグラフェンナノリボン1からアップスピン、あるいはダウンスピンどちらか一方のスピンを持つ電子のみ、伝導に寄与させることが可能となる。また、これを用いたデバイスやセンサに応用することが可能となる。
また、このように構成されるデバイス2Xに、さらに、第2電極4Xに設けられ、第1電極3Xを介して印加される磁界の方向と同じ方向又は反対方向の磁界を印加する機構5Xを設けて、デバイス2Yとしても良い(例えば図12参照)。なお、このようなデバイス2Yは、磁気抵抗効果を利用するため、磁気抵抗効果デバイスともいう。このように、上述のように構成されるグラフェンナノリボン1のハーフメタリックな特性を利用して、磁気抵抗効果デバイス(例えばGMRデバイス、TMRデバイスなど)を実現することができる。なお、磁気抵抗効果デバイスを磁気抵抗デバイスともいう。
この場合、グラフェンナノリボン1の長さは、例えば、約5nm以上、1000nm以下とするのが好ましい。これは、グラフェンナノリボン1の両端に電極を設けるため、ある程度の長さを確保するためである。
また、グラフェンナノリボンとしては、上述のように構成されるグラフェンナノリボン1を用いても良いし、以下に説明するように、上述のように構成されるグラフェンナノリボンを含むものを用いても良い。
例えば、図10に示すように、グラフェンナノリボン1Xを、上述のように構成されるエッジ修飾原子又はエッジ修飾分子が両端で異なるグラフェンナノリボン1A,1Bと、エッジ修飾原子又はエッジ修飾分子が両端とも水素であるグラフェンナノリボン1Cとの複合構造を有するものとしても良い。
つまり、グラフェンナノリボン1Xを、長さ方向の一方の側の第1領域1Aと、長さ方向の他方の側の第2領域1Bと、第1領域1Aと第2領域1Bとに挟まれた第3領域1Cとを備えるグラフェンナノリボンとし、第1領域1Aを、幅方向の第1両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、第1両端部に異なる第1原子又は分子X,Yが結合しており、第1原子又は分子X,Yが、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであるものとし、第2領域1Bを、幅方向の第2両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、第2両端部に異なる第2原子又は分子X,Yが結合しており、第2原子又は分子X,Yが、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであるものとし、第3領域1Cを、幅方向の第3両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、第3両端部にHが結合しているものとしても良い。
なお、図10では、グラフェンナノリボン1A,1B、即ち、グラフェンナノリボン1Xの第1領域1A、第2領域1Bを、幅方向の両端部に、異なる原子又は分子X,Yとして、Cl、NHが結合しているZGNR1(Cl−8ZGNR−NH)とした場合を例に挙げて示している。
なお、ここでは、第3領域1Cが、幅方向の第3両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、第3両端部にHが結合しているものとしているが、これに限られるものではなく、例えば、図11に示すように、第3領域1Cが、幅方向の第3両端部にアームチェア型のエッジ構造を持ち、第3両端部にHが結合しているものとしても良い。この場合、幅方向の両端部にアームチェア型のエッジ構造を持つグラフェンナノリボン1C、即ち、グラフェンナノリボン1Yの第3領域1Cは、半導体で、バンドギャップを持つため、トンネル層として働くことになる。なお、図11では、グラフェンナノリボン1A,1B、即ち、グラフェンナノリボン1Yの第1領域1A、第2領域1Bを、幅方向の両端部に、異なる原子又は分子X,Yとして、Cl、NHが結合しているZGNR1(Cl−8ZGNR−NH)とした場合を例に挙げて示している。
また、例えば、グラフェンナノリボンを、第3領域1Cを備えないものとして構成することもできる。この場合、グラフェンナノリボンは、長さ方向の一方の側の第1領域1Aと、長さ方向の他方の側の第2領域1Bとを備え、第1領域1Aが、幅方向の第1両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、第1両端部に異なる第1原子又は分子X,Yが結合しており、第1原子又は分子X,Yが、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであり、第2領域1Bが、幅方向の第2両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、第2両端部に異なる第2原子又は分子X,Yが結合しており、第2原子又は分子X,Yが、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであるものとなる。
以下、上述のように構成されるグラフェンナノリボンを利用した磁気抵抗デバイス(ここではGMR素子)を、具体例を挙げて、図12を参照しながら説明する。
ここでは、図12に示すように、幅方向の両端部の一方にNH(NH基)、他方にF(F基;フッ素原子)が結合しているZGNR(NH−8ZGNR−F)を用い、これの間に、幅方向の両端部の両方にHが結合しているZGNR(H−8ZGNR−H)が挟まれた構造になっているグラフェンナノリボン1Xを利用する場合を例に挙げて説明する。なお、グラフェンナノリボン1Xの構成はこれに限られるものではない。例えば、NH−8ZGNR−Fの間に挟まれるH−8ZGNR−Hがなくてもデバイスとしては動作する。
また、ここでは、図12に示すように、磁気抵抗デバイス2Yは、グラフェンナノリボン1Xと、グラフェンナノリボン1Xの長さ方向(長手方向)の一方の側に設けられ、磁性体3Aと、反強磁性体3Bとからなる第1電極(磁性電極)3Xと、グラフェンナノリボン1Xの長さ方向の他方の側に設けられ、非磁性体4Aからなる第2電極(非磁性電極)4Xと、第2電極4Xに設けられ、第1電極3Xを介して印加される磁界の方向と同じ方向又は反対方向の磁界を印加する機構5Xとを備える。
なお、図12では、電極3X、4Xをグラフェンナノリボン1Xの下方に設けているが、これに限られるものではなく、電極をグラフェンナノリボンの上方に設けても良い。
このような磁気抵抗デバイス2Yは、次のようにして作製することができる。
まず、上述したような手法で作製したグラフェンナノリボン1X(1)を、絶縁基板上に配置する。なお、絶縁基板上に配置した後、上述のリソグラフィプロセスを行なっても良い。ここでは、グラフェンナノリボン1Xの長さは約10nmから1μm程度である。また、NH−8ZGNR−Fの途中に挿入されるH−8ZGNR−Hの長さは、両側が互いに影響を及ぼし合うのを防ぐことができればよく、例えば約1nm〜約10nm程度とすれば良い。
次に、グラフェンナノリボン1Xの長さ方向の一方の側に、通常のリソグラフィとリフトオフプロセスを利用して、磁性材料(例えばCoなど)からなる磁性体(磁性層)3Aと、反強磁性材料(例えばFeMnなど)からなる反強磁性体(反強磁性層)3Bとを備える磁性電極(第1電極)3Xを形成する。この磁性電極3Xは、磁場の固定層として働く。ここで、磁性電極3Xとグラフェンナノリボン1Xのオーバーラップは最低数nm程度あれば良い。
この場合、磁性電極3Xと接している部分及びその近傍のグラフェンナノリボン1Xは強磁性的になるが、磁性電極から離れるにしたがって、エネルギー的により低い反強磁性的な状態となっていく。反強磁性的な状態としては、フェルミ準位付近のスピンがアップの場合とダウンの場合の2つの等価な状態があるが、この場合は磁性電極3Xの磁界による対称性の崩れから、一方の状態(例えばフェルミ準位付近のスピンがアップの状態)に落ち着くことになる。
なお、磁性電極3Xを構成する磁性体3AにCo膜を用いる場合、その飽和磁化は約1.8Tであるが、このデバイス2Yの動作のためにはこれほど強い磁化でなくても良い。例えば、地磁気は10−4〜10−5T程度のオーダーであるが、1mT程度の磁場の強さがあれば良い。
また、グラフェンナノリボン1Xの長さ方向の他方の側に、即ち、磁性電極3Xが設けられている側の反対側に、同様にリソグラフィとリフトオフプロセスを利用して、非磁性体(例えば金など)4Aからなる非磁性電極4Xを形成する。この非磁性電極4Xは、磁場のフリー層として働く。
さらに、この非磁性電極4Xに、図示していない絶縁膜(例えば10nm厚のSiO膜)を介して、磁性電極3Xを介して印加される磁界の方向と同じ方向又は反対方向の磁界を印加する磁界印加機構5Xを設ける。この磁界印加機構5Xは、非磁性電極4X側のグラフェンナノリボン1Xのスピン状態を制御するために利用する。
例えば、ワイヤ(又はコイル)5Aを用意し、それに数〜数十μA程度の電流を流すことで、磁性電極3Xと同じ方向又は反対方向の磁界を印加する機構5Xとすることができる。ここで、ワイヤ5Aは、例えばカーボンナノチューブ(単層又は多層)で形成することができる。例えば、カーボンナノチューブワイヤ5Aが約20nm程度離れて置かれており、約20μA程度の電流を流すと、それによって形成される磁界の強さは約160A/m程度となる。
このような磁界印加機構5Xによって、反対側に置かれている磁性電極3Xと同じ方向の磁界が印加されると、非磁性電極4X付近のグラフェンナノリボン1Xの状態は磁性電極3X付近のグラフェンナノリボン1Xと等価となり、フェルミ準位付近のスピン方向がそろうため、低抵抗状態となる。
一方、磁界印加機構5Xによって、反対側に置かれている磁性電極3Xと反対方向(逆方向)の磁界が印加されると、非磁性電極4Xと接している部分及びその近傍のグラフェンナノリボン1Xは、磁性電極3Xと接している部分及びその近傍のグラフェンナノリボン1Xと反対方向に磁化されて強磁性的になるが、非磁性電極4Xから離れるにしたがって、エネルギー的により低い反強磁性的な状態となっていく。そして、非磁性電極4Xの磁界による対称性の崩れ(違い)から、2つの等価な状態のうち他方の状態(例えば磁性電極側がフェルミ準位付近のスピンがアップの状態の場合、フェルミ準位付近のスピンはダウンの状態)をとることになる。結果として、電子は透過することができなくなり、高抵抗状態(理想的には無限大)となる。
このように、磁界印加機構5Xによる磁界を制御することで、低抵抗状態と高抵抗状態を切り替える制御、即ち、オン・オフ制御を行なうことができる。このようなスイッチングも、上述のように構成されるグラフェンナノリボン1Xのハーフメタリックな特性を利用している。
そして、磁性電極3X及び非磁性電極4Xのそれぞれから、外部に接続するための配線が引き出されており、上述のような磁界印加機構5Xによって印加される磁界の方向の違いによる抵抗の変化を検知することができるようになっている。
上述のように構成される磁気抵抗デバイス2Yは、極めて低い磁界(例えば100A/m程度)で大きな抵抗変化を示すという利点がある。これは、上述のように構成されるグラフェンナノリボン1Xのハーフメタリックな特性によるものであり、通常のグラフェンナノリボンでは実現不可能である。
したがって、本実施形態にかかるグラフェンナノリボン及びデバイスによれば、ハーフメタリックな性質を持つグラフェンナノリボン1(1X,1Y)、あるいは、磁気モーメントを持つグラフェンナノリボン(1X,1Y)、及び、これらを用いたデバイス2(2X,2Y)、例えば磁気抵抗効果デバイスを実現することができるという効果を有する。
例えば、上述のように構成されるグラフェンナノリボン1(1X,1Y)のハーフメタリックな性質を利用して、磁気抵抗効果デバイス2Yを実現することが可能となり、また、磁気センサなどに用いることができるデバイス2Xを実現することも可能となるなど、各種応用が拡がることとなる。
なお、本発明は、上述した実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
以下、上述の実施形態に関し、更に、付記を開示する。
(付記1)
幅方向の両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、前記両端部に異なる原子又は分子が結合しており、前記原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであることを特徴とするグラフェンナノリボン。
(付記2)
エネルギーバンド構造においてアップスピンのバンドとダウンスピンのバンドが分裂しており、アップスピンとダウンスピンの一方のスピンのバンドギャップが狭く、アップスピンとダウンスピンの一方のスピンのバンドが他方のスピンのバンドよりもフェルミ準位の近くにあることを特徴とする、付記1に記載のグラフェンナノリボン。
(付記3)
前記両端部の一方に、1種類の原子又は分子が結合しており、
前記両端部の他方に、1種類の原子又は分子が結合していることを特徴とする、付記1又は2に記載のグラフェンナノリボン。
(付記4)
前記両端部の一方に、1種類の原子又は分子が結合しており、
前記両端部の他方に、Hと、H以外の原子又は分子とが交互に結合していることを特徴とする、付記1又は2に記載のグラフェンナノリボン。
(付記5)
長さ方向の一方の側の第1領域と、
前記長さ方向の他方の側の第2領域と、
前記第1領域と前記第2領域とに挟まれた第3領域とを備えるグラフェンナノリボンであって、
前記第1領域が、幅方向の第1両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、前記第1両端部に異なる第1原子又は分子が結合しており、前記第1原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであり、
前記第2領域が、幅方向の第2両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、前記第2両端部に異なる第2原子又は分子が結合しており、前記第2原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであり、
前記第3領域が、幅方向の第3両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、前記第3両端部にHが結合していることを特徴とするグラフェンナノリボン。
(付記6)
長さ方向の一方の側の第1領域と、
前記長さ方向の他方の側の第2領域と、
前記第1領域と前記第2領域とに挟まれた第3領域とを備えるグラフェンナノリボンであって、
前記第1領域が、幅方向の第1両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、前記第1両端部に異なる第1原子又は分子が結合しており、前記第1原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであり、
前記第2領域が、幅方向の第2両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、前記第2両端部に異なる第2原子又は分子が結合しており、前記第2原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであり、
前記第3領域が、幅方向の第3両端部にアームチェア型のエッジ構造を持ち、前記第3両端部にHが結合していることを特徴とするグラフェンナノリボン。
(付記7)
長さ方向の一方の側の第1領域と、長さ方向の他方の側の第2領域とを備えるグラフェンナノリボンであって、
前記第1領域が、幅方向の第1両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、前記第1両端部に異なる第1原子又は分子が結合しており、前記第1原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであり、
前記第2領域が、幅方向の第2両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、前記第2両端部に異なる第2原子又は分子が結合しており、前記第2原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであることを特徴とするグラフェンナノリボン。
(付記8)
付記1〜7のいずれか1項に記載のグラフェンナノリボンと、
前記グラフェンナノリボンの長さ方向の両側に設けられた第1電極及び第2電極と、
前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方に設けられ、磁界又は電界を印加する機構とを備えることを特徴とするデバイス。
(付記9)
付記1〜7のいずれか1項に記載のグラフェンナノリボンと、
前記グラフェンナノリボンの長さ方向の一方の側に設けられ、磁性体と、反強磁性体とからなる第1電極と、
前記グラフェンナノリボンの長さ方向の他方の側に設けられ、非磁性体からなる第2電極とを備えることを特徴とするデバイス。
(付記10)
前記第2電極に設けられ、前記第1電極を介して印加される磁界の方向と同じ方向又は反対方向の磁界を印加する機構とを備えることを特徴とする、付記9に記載のデバイス。
(付記11)
前記グラフェンナノリボンの長さが、5nm以上、1000nm以下であることを特徴とする、付記8〜10のいずれか1項に記載のデバイス。
1、1X、1Y グラフェンナノリボン(ZGNR)
1A グラフェンナノリボン(第1領域)
1B グラフェンナノリボン(第2領域)
1C グラフェンナノリボン(第3領域)
2、2X、2Y デバイス
3 第1電極
3A 磁性体
3B 反強磁性体
3X 第1電極(磁性電極)
4 第2電極
4A 非磁性体
4X 第2電極(非磁性電極)
5 磁界又は電界を印加する機構
5X 磁界を印加する機構(磁界印加機構)
X,Y 異なる原子又は分子

Claims (10)

  1. 幅方向の両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、前記両端部に異なる原子又は分子が結合しており、前記原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであることを特徴とするグラフェンナノリボン。
  2. エネルギーバンド構造においてアップスピンのバンドとダウンスピンのバンドが分裂しており、アップスピンとダウンスピンの一方のスピンのバンドギャップが狭く、アップスピンとダウンスピンの一方のスピンのバンドが他方のスピンのバンドよりもフェルミ準位の近くにあることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェンナノリボン。
  3. 前記両端部の一方に、1種類の原子又は分子が結合しており、
    前記両端部の他方に、1種類の原子又は分子が結合していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のグラフェンナノリボン。
  4. 前記両端部の一方に、1種類の原子又は分子が結合しており、
    前記両端部の他方に、Hと、H以外の原子又は分子とが交互に結合していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のグラフェンナノリボン。
  5. 長さ方向の一方の側の第1領域と、
    前記長さ方向の他方の側の第2領域と、
    前記第1領域と前記第2領域とに挟まれた第3領域とを備えるグラフェンナノリボンであって、
    前記第1領域が、幅方向の第1両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、前記第1両端部に異なる第1原子又は分子が結合しており、前記第1原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであり、
    前記第2領域が、幅方向の第2両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、前記第2両端部に異なる第2原子又は分子が結合しており、前記第2原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであり、
    前記第3領域が、幅方向の第3両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、前記第3両端部にHが結合していることを特徴とするグラフェンナノリボン。
  6. 長さ方向の一方の側の第1領域と、
    前記長さ方向の他方の側の第2領域と、
    前記第1領域と前記第2領域とに挟まれた第3領域とを備えるグラフェンナノリボンであって、
    前記第1領域が、幅方向の第1両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、前記第1両端部に異なる第1原子又は分子が結合しており、前記第1原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであり、
    前記第2領域が、幅方向の第2両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、前記第2両端部に異なる第2原子又は分子が結合しており、前記第2原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであり、
    前記第3領域が、幅方向の第3両端部にアームチェア型のエッジ構造を持ち、前記第3両端部にHが結合していることを特徴とするグラフェンナノリボン。
  7. 長さ方向の一方の側の第1領域と、長さ方向の他方の側の第2領域とを備えるグラフェンナノリボンであって、
    前記第1領域が、幅方向の第1両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、前記第1両端部に異なる第1原子又は分子が結合しており、前記第1原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであり、
    前記第2領域が、幅方向の第2両端部にジグザグ型のエッジ構造を持ち、前記第2両端部に異なる第2原子又は分子が結合しており、前記第2原子又は分子が、H、F、Cl、NH、OH、CH、NO、遷移金属の原子又は分子のいずれかであることを特徴とするグラフェンナノリボン。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のグラフェンナノリボンと、
    前記グラフェンナノリボンの長さ方向の両側に設けられた第1電極及び第2電極と、
    前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方に設けられ、磁界又は電界を印加する機構とを備えることを特徴とするデバイス。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のグラフェンナノリボンと、
    前記グラフェンナノリボンの長さ方向の一方の側に設けられ、磁性体と、反強磁性体とからなる第1電極と、
    前記グラフェンナノリボンの長さ方向の他方の側に設けられ、非磁性体からなる第2電極とを備えることを特徴とするデバイス。
  10. 前記第2電極に設けられ、前記第1電極を介して印加される磁界の方向と同じ方向又は反対方向の磁界を印加する機構とを備えることを特徴とする、請求項9に記載のデバイス。
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CN111539108A (zh) * 2020-04-24 2020-08-14 郑州大学 一种具有Rashba效应的Gd吸附石墨烯纳米带体系

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