<電子機器の外観>
図1及び2は電子機器1の外観の一例を示す斜視図及び背面図である。電子機器1は、例えば、スマートフォン等の携帯電話機である。電子機器1は、基地局との間で、例えば、LTE(Long Term Evolution)あるいはCDMA(Code Division Multiple Access)などの通信方式に応じた無線通信を行う。以後、電子機器1で使用される、LTEあるいはCDMAなどの通信方式を「使用通信方式」と呼ぶことがある。
図1及び2に示されるように、電子機器1は、平面視で略長方形の板状の機器ケース10を備えている。機器ケース10は電子機器1の外装を構成している。電子機器1の前面1a、つまり機器ケース10の前面には、文字、記号、図形等の各種情報が表示される表示領域11が設けられている。表示領域11の背面側には後述するタッチパネル140が設けられている。これにより、ユーザは、電子機器1の前面1aの表示領域11を指等で操作することによって、電子機器1に対して各種情報を入力することができる。なお、ユーザは、指以外の操作子、例えば、スタイラスペンなどのタッチパネル用ペンで表示領域11を操作することによっても、電子機器1に対して各種情報を入力することができる。
電子機器1の前面1a(機器ケース2の前面)の上側端部にはレシーバ穴12が設けられている。電子機器1の前面1aの下側端部にはスピーカ穴13が設けられている。電子機器1の下側の側面1cにはマイク穴14が設けられている。
電子機器1の前面1aの上側端部からは、後述する第1カメラ190が有するレンズ191が視認可能となっている。図2に示されるように、電子機器1の背面1bの上側端部からは、後述する第2カメラ200が有するレンズ201が視認可能となっている。
電子機器1の前面1aの下側端部には、複数の操作ボタン15,16,17から成る操作ボタン群18が設けられている。操作ボタン15,16,17のそれぞれはハードウェアボタンである。具体的には、操作ボタン15,16,17のそれぞれは押しボタンである。なお、操作ボタン15,16,17は、表示領域11に表示されるソウフトウェアボタンであっても良い。
操作ボタン15は、例えばバックボタンである。バックボタンは、表示領域11の表示を一つ前の表示に切り替えるための操作ボタンである。ユーザが操作ボタン15を操作することよって、表示領域11の表示が一つ前の表示に切り替わる。
操作ボタン16は、例えばホームボタンである。ホームボタンは、表示領域11にホーム画面を表示させるための操作ボタンである。ユーザが操作ボタン16を操作することよって、表示領域11にホーム画面が表示される。
操作ボタン17は、例えば履歴ボタンである。履歴ボタンは、電子機器1で実行されたアプリケーションの履歴を表示領域11に表示させるための操作ボタンである。ユーザが操作ボタン17を操作することよって、表示領域11には、電子機器1で実行されたアプリケーションの履歴が表示される。
<電子機器の電気的構成>
図3は電子機器1の電気的構成の一例を主に示すブロック図である。図3に示されるように、電子機器1には、制御部100、無線通信部110、表示部120、タッチパネル140、操作ボタン群18及び圧力センサ150が設けられている。さらに電子機器1には、レシーバ160、スピーカ170、マイク180、第1カメラ190、第2カメラ200及び電池210が設けられている。電子機器1に設けられたこれらの構成要素は、機器ケース10内に収められている。
制御部100は、一種の演算処理装置であって、一種の電気回路でもある。制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)101、DSP(Digital Signal Processor)102及び記憶部103等を備えている。制御部100は、電子機器1の他の構成要素を制御することによって、電子機器1の動作を統括的に管理することが可能である。制御部100は、例えば、SoC(System-on-a-Chip)、MCU(Micro Control Unit)及びFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の副処理装置(co-processor)をさらに含んでも良い。この場合には、制御部100は、CPU101及び副処理装置を互いに協働させて各種の制御を行って良いし、両者のうちの一方を切り替えながら用いて各種の制御を行って良い。制御部100は制御装置100とも言える。
記憶部103は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などの、CPU101及びDSP102が読み取り可能な非一時的な記録媒体を含む。記憶部103が有するROMは、例えば、不揮発性メモリであるフラッシュROM(フラッシュメモリ)である。記憶部103には、電子機器1を制御するための複数の制御プログラム103a等が記憶されている。制御部100の各種機能は、CPU101及びDSP102が記憶部103内の各種制御プログラム103aを実行することによって実現される。
なお、制御部100の全ての機能あるいは制御部100の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されても良い。また、記憶部103は、ROM及びRAM以外の、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体を備えていてもよい。記憶部103は、例えば、小型のハードディスクドライブ及びSSD(Solid State Drive)などを備えていてもよい。
記憶部103内の複数の制御プログラム103aには、様々なアプリケーション(アプリケーションプログラム)が含まれている。記憶部103には、例えば、音声通話及びビデオ通話を行うための通話アプリケーション、ウェブサイトを表示するためのブラウザ、電子メールの作成、閲覧及び送受信を行うためのメールアプリケーションが記憶されている。また記憶部103には、第1カメラ190及び第2カメラ200を利用して被写体を撮影するためのカメラアプリケーション、地図を表示するための地図表示アプリケーション、記憶部103に記憶されている音楽データの再生制御を行うための音楽再生制御アプリケーションなどが記憶されている。記憶部103内の少なくとも一つのアプリケーションは、記憶部103内にあらかじめ記憶されているものであって良い。また、記憶部103内の少なくとも一つのアプリケーションは、電子機器1が他の装置からダウンロードして記憶部103内に記憶したものであって良い。
無線通信部110は、アンテナ111を有している。無線通信部110は、アンテナ111を用いて、制御部100による制御よって無線通信を行うことが可能である。無線通信部110は、使用通信方式に応じた無線通信を行う。無線通信部110は、電子機器1とは別の携帯電話機からの信号、あるいはインターネットに接続されたウェブサーバ等の通信装置からの信号を、基地局等を介してアンテナ111で受信する。無線通信部110は、受信信号に対して増幅処理及びダウンコンバートを行って制御部100に出力する。制御部100は、入力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれるユーザデータ及び制御データ等を取得する。また無線通信部110は、制御部100で生成された、ユーザデータ及び制御データ等を含む送信信号に対してアップコンバート及び増幅処理を行って、処理後の送信信号をアンテナ111から無線送信する。アンテナ111からの送信信号は、基地局等を通じて、電子機器1とは別の携帯電話機、あるいはインターネット等に接続された通信装置で受信される。
表示部120は、電子機器1の前面1aに設けられた表示領域11と、表示パネル130とを備えている。表示部120は、表示領域11に各種情報を表示することが可能である。表示パネル130は、例えば、液晶表示パネルあるいは有機ELパネルである。表示パネル130は、制御部100によって制御されることによって、文字、記号、図形などの各種情報を表示することが可能である。表示パネル130は、機器ケース10内において、表示領域11と対向して配置されている。表示パネル130に表示される情報は表示領域11に表示される。
タッチパネル140は、表示領域11に対する指等の操作子による操作を検出することが可能である。タッチパネル140は、例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルであって、表示領域11の裏側に配置されている。ユーザが指等の操作子によって表示領域11に対して操作を行ったとき、その操作に応じた電気信号がタッチパネル140から制御部100に入力される。制御部100は、タッチパネル140からの電気信号に基づいて、表示領域11に対して行われた操作の内容を特定して、その内容に応じた処理を行う。
操作ボタン群18の操作ボタン15,16,17のそれぞれは、ユーザによって操作されると、操作されたことを示す操作信号を制御部100に出力する。これにより、制御部100は、操作ボタン15,16,17のそれぞれについて、当該操作ボタンが操作されたか否かを判断することができる。操作信号が入力された制御部100が他の構成要素を制御することによって、電子機器1では、操作された操作ボタンに割り当てられている上述の機能が実行される。
圧力センサ150は、気体及び液体の圧力を測定することが可能である。圧力センサ150は、気体及び液体の圧力を、例えばステンレスダイヤフラム又はシリコンダイヤフラムなどの部材を介して感圧素子で検出する。そして、圧力センサ150は、検出結果として、検出した圧力に応じた電気信号を制御部100に出力する。制御部100は、圧力センサ150での検出結果に基づいて圧力値を求める。この圧力値は後述する水中判定で利用される。
マイク180は、電子機器1の外部から入力される音を電気的な音信号に変換して制御部100に出力することが可能である。電子機器1の外部からの音は、マイク穴14から電子機器1の内部に取り込まれてマイク180に入力される。
スピーカ170は、例えばダイナミックスピーカである。スピーカ170は、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力することが可能である。スピーカ170から出力される音はスピーカ穴13から外部に出力される。スピーカ穴13から出力される音は、電子機器1から離れた場所でも聞こえるようになっている。
レシーバ160は受話音を出力することが可能である。レシーバ160は例えばダイナミックスピーカで構成されている。レシーバ160は、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力する。レシーバ160から出力される音はレシーバ穴12から外部に出力される。レシーバ穴12から出力される音の音量は、スピーカ穴13から出力される音の音量よりも小さくなっている。レシーバ穴12から出力される音は、当該レシーバ穴12に耳を近づけた場合に聞こえるようになっている。なお、レシーバ160の代わりに、機器ケース10の前面部分を振動させる、圧電振動素子等の振動素子を設けて、当該前面部分から音をユーザに伝えても良い。
第1カメラ190は、レンズ191及び撮像素子などで構成されている。第2カメラ200は、レンズ201及び撮像素子などで構成されている。第1カメラ190及び第2カメラ200のそれぞれは、制御部100による制御に基づいて被写体を撮影し、撮影した被写体を示す静止画像あるいは動画像を生成して制御部100に出力することが可能である。
第1カメラ190のレンズ191は、電子機器1の前面1aから視認可能となっている。したがって、第1カメラ190は、電子機器1の前面1a側(表示領域11側)に存在する被写体を撮影することが可能である。第2カメラ200のレンズ201は、電子機器1の背面1bから視認可能となっている。したがって、第2カメラ200は、電子機器1の背面1b側に存在する被写体を撮影することが可能である。
電池210は電子機器1の電源を出力することが可能である。電池210は例えば充電式の電池である。電池210から出力される電源は、電子機器1が備える制御部100及び無線通信部110などの各種構成に対して供給される。
<制御部内の機能ブロック>
図4は、CPU101及びDSP102が記憶部103内の制御プログラム103aを実行することによって形成される主な機能ブロックを示す図である。図3に示されるように、制御部100は、機能ブロックとして、受信処理部300と、水中判定部310と、動作モード設定部320と、送信電力制御部330とを備えている。なお、これらの機能ブロックのうちの一部あるいは全部が、その機能の実行にソフトウェアが不要なハードウェア回路で実現されても良い。
受信処理部300は、無線通信部110から出力される受信信号に対して、復調処理等の各種デジタル信号処理を行って、当該受信信号に含まれるデータ及び既知信号等を取得する受信処理を行う。
ここで、受信処理部300で実行される受信処理とは、無線通信部110のアンテナ111で受信される受信信号に含まれるデータを取得しようとする処理である。つまり、受信処理は、無線通信部110で受信される受信信号に含まれるデータ等を取得するために、当該受信信号に対して、LTEあるいはCDMA等の使用通信方式に応じた、復調処理等を含むデジタル受信処理を行う処理である。したがって、電子機器1と通信可能な基地局との間の伝送路の状況が悪い場合、あるいは電子機器1が通信の圏外に存在する場合などにおいては、受信処理部300は、受信処理を行ったとしても、データ等が取得できないことがある。
また、受信処理部300は、無線通信部110で受信される受信信号に基づいて、電子機器1が、通信相手装置である基地局との通信の圏内(以後、単に「圏内」と呼ぶ)に存在するか、基地局との通信の圏外(以後、単に「圏外」と呼ぶ)に存在するかを判定する。つまり、受信処理部300は、電子機器1が圏内に存在するか、圏外に存在するかを判定する判定部として機能する。記憶部103には、現在、電子機器1が圏内に存在するか、圏外に存在するかを示す圏内圏外情報が記憶される。受信処理部300は、記憶部103内の圏内圏外情報を更新する。したがって、記憶部103内の圏内圏外情報を参照することによって、現在、電子機器1が圏内に存在するか、圏外に存在するかを特定することができる。
また、受信処理部300は、電子機器1が圏外に存在すると判定した場合、無線通信部110で受信される受信信号に基づいて、接続可能な基地局をサーチするサーチ処理を実行する。サーチ処理は「セルサーチ」と呼ばれる。サーチ処理では、受信処理部300は、例えば、無線通信部110で受信される受信信号から取得する信号の周波数成分等を変化させて、適切に信号を受信することが可能な無線チャネルをサーチするチャネルサーチを行う。そして、受信処理部300は、チャネルサーチの結果に基づいて、接続可能な基地局を特定する。
水中判定部310は、圧力センサ150での検出結果に基づいて、電子機器1が水中に存在するか否かを判定する水中判定を行う。水中判定部310は、電子機器1の機器ケース10が水中に存在するか否かを判定するとも言える。例えば、水中判定部310は、圧力センサ150での検出結果に基づいて圧力値を求める。そして、水中判定部310は、求めた圧力値としきい値とを比較する。水中判定部310は、圧力値がしきい値よりも大きい場合には、電子機器1が水中に存在すると判定する。一方で、水中判定部310は、圧力値がしきい値以下の場合には、電子機器1が水中に存在しないと判定する。水中判定部310は、圧力値がしきい値以上の場合に電子機器1が水中に存在すると判定し、圧力値がしきい値未満の場合には電子機器1が水中に存在しないと判定しても良い。なお、圧力値と比較されるしきい値は、電子機器1が水中に存在する場合において制御部100が求める圧力値を予め取得しておき、その圧力値に基づいて適宜設定することができる。
電子機器1が水中に存在する場合としては、例えば、ユーザが、電子機器1に水中撮影を実行させる場合が考えられる。ユーザが、水中に存在する電子機器1に対して所定の操作を行うと、電子機器1では、第1カメラ190あるいは第2カメラ200が水中に存在する被写体を撮影する。これにより、電子機器1では水中撮影が実行される。
なお、水中判定部310は、圧力センサ150以外のセンサでの検出結果に基づいて水中判定を行っても良い。例えば、水中判定部310は、静電容量を検出可能なセンサでの検出結果に基づいて水中判定を行っても良い。静電容量を検出可能なセンサは、静電容量を検出し、その検出結果として、検出した静電容量に応じた電気信号を制御部100に出力する。水中判定部310は、入力された検出結果に基づいて静電容量の値を求める。水中判定部310は、例えば、求めた静電容量の値に基づいて、電子機器1が水中に存在するか否かを判定する。水中判定部310は、例えば、求めた静電容量の値がしきい値よりも大きい場合に電子機器1が水中に存在すると判定し、求めた静電容量の値がしきい値以下の場合に電子機器1が水中に存在しないと判定する。なお、水中判定部310は、求めた静電容量の値がしきい値以上の場合に電子機器1が水中に存在すると判定し、求めた静電容量の値がしきい値未満の場合に電子機器1が水中に存在しないと判定しても良い。静電容量の値と比較されるしきい値は、電子機器1が水中に存在する場合において制御部100が求める静電容量の値を予め取得しておき、その値に基づいて適宜設定することができる。静電容量を検出可能なセンサは、例えば、タッチセンサ等である。静電容量を検出可能なセンサとして、タッチパネル140を用いても良い。また、水中判定部310は、圧力センサ150での検出結果と、静電容量を検出可能なセンサでの検出結果とに基づいて、水中判定を行っても良い。
動作モード設定部320は、電子機器1の動作モードを設定する。本例では、電子機器1の動作モードとして水中モードが存在する。動作モード設定部320は、水中判定部310が水中に電子機器1が存在すると判定すると、電子機器1の動作モードを水中モードに設定する。水中モードでの電子機器1の動作は後で詳細に説明する。
また本例では、電子機器1の動作モードとして、受信処理部300がサーチ処理を実行するサーチ実行モードと、受信処理部300がサーチ処理を実行しないサーチ非実行モードとが含まれている。動作モード設定部320は、受信処理部300において電子機器1が圏外に存在すると判定され、かつ水中判定部310において電子機器1が水中に存在しないと判定される場合、電子機器1の動作モードをサーチ実行モードに設定する。サーチ実行モードの電子機器1では、受信処理部300はサーチ処理を実行する。これにより、水中モードでない電子機器1において、受信処理部300が電子機器1が圏外に存在すると判定するとき、電子機器1の動作モードがサーチ実行モードに設定され、電子機器1ではサーチ処理が実行される。
一方で、動作モード設定部320は、受信処理部300において電子機器1が圏外に存在すると判定され、かつ水中判定部310において電子機器1が水中に存在すると判定される場合、電子機器1の動作モードをサーチ非実行モードに設定する。サーチ非実行モードの電子機器1では、受信処理部300はサーチ処理を全く実行しない。これにより、水中モードの電子機器1において、受信処理部300において電子機器1が圏外に存在すると判定されるとき、電子機器1の動作モードがサーチ非実行モードに設定され、電子機器1ではサーチ処理が実行されない。
送信電力制御部330は、無線通信部110の送信電力を制御する。送信電力制御部330は、電子機器1と基地局との間の接続が確立して、電子機器1と当該基地局との間でユーザデータのやり取りを行えるようになるまでは、オープンループの送信電力制御を行う。オープンループでは、送信電力制御部330は、無線通信部110が送信する信号に対して基地局が送信する応答信号が無線通信部110で受信されない場合には送信電力を増加させる。送信電力制御部330は、無線通信部110が基地局からの応答信号を受信できるまで、送信電力を徐々に増加させる。送信電力は、上限値に達すると、それよりも大きくならない。
電子機器1と基地局との間の接続が確立して、電子機器1と当該基地局との間でユーザデータのやり取りを行えるようになった後は、送信電力制御部330は、クローズドループの送信電力制御を行う。クローズドループでは、送信電力制御部330は、電子機器1に接続されている基地局からの送信電力の制御指示に応じて、無線通信部110の送信電力を制御する。
また送信電力制御部330は、無線通信部110の送信電力の上限値を設定する。本例では、上限値として設定できる値として、第1の値と、それよりも大きい第2の値とが規定されている。送信電力制御部330は、受信処理部300において電子機器1が圏内に存在すると判定され、かつ水中判定部310において電子機器1が水中に存在すると判定される場合には、無線通信部110の送信電力の上限値を第2の値に設定し、それ以外の場合には、当該上限値を第1の値に設定する。したがって、圏内に存在する電子機器1では、当該電子機器1が水中に存在する場合の送信電力の上限値が、当該電子機器1が水中に存在しない場合の送信電力の上限値よりも大きく設定される。
<間欠的な受信処理>
待ち受け状態の電子機器1では、音声通話での他の携帯電話機からの呼び出しを通知するための着呼通知を受信するために、受信処理部300が間欠的に受信処理を行う。以下にこの間欠的な受信処理について詳細に説明する。
電子機器1に接続された基地局は、音声通話のためのページング信号を定期的に送信する。基地局はページング信号を例えば数秒間隔で送信する。基地局は、音声通話での電子機器1に対する呼び出しがある場合には、電子機器1宛ての着呼通知を示す着呼通知データを含むページング信号を送信する。電子機器1は、それに接続されている基地局がページ信号を送信する送信周期を把握している。電子機器1では、定期的に送信されるページング信号に対して受信処理を行うために、受信処理部300が、ページング信号の送信周期に同期して受信処理を間欠的に行う。つまり、間欠受信処理では、受信処理部300は、基地局からページング信号が送信されるタイミングに受信処理を行う。
受信処理を間欠的に行う受信処理部300が、無線通信部110が受信するページシング信号から、電子機器1宛ての着呼通知データを取得すると、制御部100が表示部120等を制御することによって、他の携帯電話機からの呼び出しがある旨がユーザに通知される。ユーザが、表示部120の表示領域11を操作して、他の携帯電話機からの呼び出しに応答する応答操作を行うと、電子機器1は音声通信を行う。一方で、受信処理を間欠的に行う受信処理部300は、無線通信部110が受信するページシング信号から、電子機器1とは別の携帯電話機宛ての着呼通知データを取得した場合は、当該着呼通知データを破棄する。
<圏内圏外判定>
待ち受け状態の電子機器1(圏内の電子機器1)では、間欠的に受信処理を行う受信処理部300は、受信処理を行うたびに、電子機器1での受信品質が所定の基準を満たすか否かを判定する。例えば、受信処理部300は、無線通信部110で受信される受信信号に基づいて、Ec/No及びRSCP(Received Signal Code Power)を求める。そして、受信処理部300は、Ec/Noが第1しきい値よりも大きいか否か、RSCPが第2しきい値よりも大きいか否かを判定する。そして、受信処理部300は、Ec/Noが第1しきい値よりも大きく、かつRSCPが第2しきい値よりも大きい場合、受信品質が所定の基準を満たすと判定する。一方で、受信処理部300は、Ec/Noが第1しきい値以下の場合、受信品質が所定の基準を満たさないと判定する。また、受信処理部300は、RSCPが第2しきい値以下の場合、受信品質が所定の基準を満たさないと判定する。
受信処理部300は、所定回数連続して、受信品質が所定の基準を満たさないと判定すると、サーチ処理を行う。このサーチ処理の結果、電子機器1が接続可能な基地局が発見されると、電子機器1は、接続可能な基地局のうち最も適切な基地局に接続する。一方で、受信処理部300は、サーチ処理の結果、電子機器1が接続可能な基地局が発見されなかった場合、電子機器1が圏外に存在すると判定する。これにより、電子機器1の状態は、圏外に存在する状態から圏内に存在する状態に変化する。
また、圏外の電子機器1においてサーチ処理が実行された結果、電子機器1が接続可能な基地局が発見された場合、電子機器1は、接続可能な基地局のうち最も適切な基地局に接続する。その後、電子機器1が接続先の基地局と通信を行うことによって、基地局の上位装置において電子機器1の位置が登録されると、電子機器1は待ち受け状態となり、受信処理部300は、電子機器1が圏内に存在すると判定する。これにより、電子機器1の状態は、圏外に存在する状態から圏内に存在する状態に変化する。
<水中に存在する電子機器の動作>
図5は電子機器1の制御部100の動作を示すフローチャートである。図5に示されるように、ステップs1において、水中判定部310は、電子機器1が水中に入った否かを判定する。つまり、水中判定部310は、電子機器1の状態が、水中に入っていない状態から、水中に入っている状態に変化したか否かを判定する。水中判定部310は、定期的に水中判定を行っていることから、水中判定結果に基づいて、電子機器1が水中に入った否かを判定することができる。水中判定部310は、ステップs1においてYesと判定されるまで、定期的にステップs1を実行する。
ステップs1において電子機器1が水中に入ったと判定されると、ステップs2において、動作モード設定部320が電子機器1の動作モードを水中モードに設定する。
電子機器1の動作モードが水中モードに設定されると、ステップs3において、制御部100は、記憶部103内の圏内圏外情報が圏内を示すか否かを判定する。圏内圏外情報が圏内を示す場合、つまり、現在電子機器1が圏内に存在する場合、ステップs4において、送信電力制御部330は、無線通信部110の送信電力の上限値を、第1及び第2の値のうち、大きい方の第2の値に設定する。一方で、圏内圏外情報が圏外を示す場合、つまり、現在電子機器1が圏外に存在する場合、ステップs6において、動作モード設定部320は、電子機器1の動作モードをサーチ非実行モードに設定する。これにより、電子機器1が水中に存在する場合には、電子機器1が圏外に存在する場合であっても、サーチ処理は実行されない。
ステップs4の後、ステップs5において、水中判定部310は、電子機器1が水中から出たか否かを判定する。つまり、水中判定部310は、電子機器1の状態が、水中に入っている状態から、水中に入っていない状態に変化したか否かを判定する。水中判定部310は、定期的に水中判定を行っていることから、水中判定結果に基づいて、電子機器1が水中から出たか否かを判定することができる。ステップs5において、電子機器1が水中から出ていないと判定されると、ステップs3が再度実行され、記憶部103内の圏内圏外情報が圏内を示すか否かが判定される。一方で、ステップs5において、電子機器1が水中から出たと判定されると、ステップs8が実行される。
またステップs6の後、ステップs7において、水中判定部310は、ステップs5と同様に、電子機器1が水中から出たか否かを判定する。水中判定部310は、ステップs7において、電子機器1が水中から出たと判定されるまでステップs7を繰り返し実行する。ステップs7において、電子機器1が水中から出たと判定されると、ステップs8が実行される。
ステップs8では、動作モード設定部320が、電子機器1の水中モードを解除する。水中モードが解除されると、送信電力制御部330は、無線通信部110の送信電力の上限値を、第1及び第2の値のうち、小さい方の第1の値に設定する。また、動作モード設定部320は、電子機器1の動作モードがサーチ非実行モードに設定されている場合には、サーチ非実行モードを解除する。水中モードでない電子機器1では、電子機器1が圏外に存在すると受信処理部300が判定すると、動作モード設定部320は電子機器1の動作モードをサーチ実行モードに設定する。
ステップs8が実行されると、水中判定部310が再度ステップs1を実行する。水中判定部310は、ステップs1においてYesと判定されるまで、定期的にステップs1を実行する。以後、制御部100は同様に動作する。
なお、送信電力制御部330は、電子機器1が圏内に存在するか否かにかかわらず、水中判定部310において電子機器1が水中に存在すると判定される場合、無線通信部110の送信電力の上限値を第2の値に設定しても良い。図6はこの場合の制御部100の動作を示すフローチャートである。
図6に示されるように、制御部100は、上記と同様にステップs1及びs2を実行する。電子機器1の動作モードが水中モードに設定されると、ステップs11及びs12が実行される。ステップs11では、送信電力制御部330が、無線通信部110の送信電力の上限値を、第1及び第2の値のうち、大きい方の第2の値に設定する。ステップs12では、制御部100は、記憶部103内の圏内圏外情報が圏内を示すかどうかを判定する。
ステップs11の後、ステップs13において、水中判定部310は、電子機器1が水中から出たか否かを判定する。水中判定部310は、ステップs13において、電子機器1が水中から出たと判定されるまでステップs13を繰り返し実行する。ステップs13において、電子機器1が水中から出たと判定されると、ステップs16が実行される。
ステップs12において、圏内圏外情報が圏外を示す場合、ステップs14において、動作モード設定部320は、電子機器1の動作モードをサーチ非実行モードに設定する。一方で、ステップs12において、圏内圏外情報が圏内を示す場合、ステップs15において、水中判定部310は、電子機器1が水中から出たか否かを判定する。ステップs15において、電子機器1が水中から出ていないと判定されると、再度ステップs12が実行される。以後、制御部100は同様に動作する。ステップs15において、電子機器1が水中から出たと判定されると、ステップs16が実行される。
ステップs16では、動作モード設定部320が、電子機器1の水中モードを解除する。水中モードが解除されると、送信電力制御部330は、無線通信部110の送信電力の上限値を、第1及び第2の値のうち、小さい方の第1の値に設定する。また、動作モード設定部320は、電子機器1の動作モードがサーチ非実行モードに設定されている場合には、サーチ非実行モードを解除する。
以上のように、電子機器1では、動作モード設定部320は、受信処理部300において電子機器1が圏外に存在すると判定され、かつ水中判定部310において電子機器1が水中に存在すると判定される場合に、電子機器1の動作モードをサーチ非実行モードに設定する。
ここで、電子機器1が水中に存在する場合、基地局からの無線信号は水中を通って電子機器1に到達する。水中では無線信号が減衰することから、電子機器1は、基地局が送信する無線信号をどの基地局からも適切に受信できない可能性がある。特に、LTE及びCDMAで使用される数百MHz帯〜数GHz帯の無線信号は水中で大きく減衰することから、LTEあるいはCDMAに応じた無線通信を行う電子機器1についての水面から深さが数十cm程度になると、電子機器1は、無線信号をどの基地局からも受信できない可能性が高くなる。
一方で、電子機器1は、無線信号をどの基地局からも適切に受信できない状態でサーチ処理を行ったとしても、接続先の基地局を見つけることは困難である。したがって、電子機器1が、無線信号をどの基地局からも適切に受信できない状態でサーチ処理を実行する場合には、電子機器1の消費電力が無駄に増加する可能性がある。
本例に係る電子機器1では、電子機器1が圏外に存在し、かつ水中に存在すると判定される場合には、電子機器1の動作モードがサーチ非実行モードに設定されることから、電子機器1が、無線信号をどの基地局からも適切に受信できない状態でサーチ処理を行うことを抑制することができる。よって、電子機器1の消費電力が無駄に大きくなることを抑制することができる。その結果、電子機器1の消費電力が低減する。
また、電子機器1が水中に存在する場合であっても、電子機器1が水面から浅い場所に存在する場合には、電子機器1は基地局と通信することができる場合がある。この場合、電子機器1が送信する無線信号は、水中で減衰することから、通信先の基地局は、電子機器1からの無線信号を適切に受信できない可能性がある。
電子機器1では、送信電力制御部330は、水中判定部310において電子機器1が水中に存在すると判定される場合、無線通信部110の送信電力の上限値を、第1の値よりも大きい第2の値に設定している。そのため、水中に存在する電子機器1は、送信電力を大きな値まで上げることができる。よって、電子機器1は、基地局に対して適切に信号を送信することができる。言い換えれば、基地局は、電子機器1が送信する無線信号を適切に受信することができる。
また、図5の例のように、送信電力制御部330が、電子機器1が圏内に存在すると判定され、かつ電子機器1が水中に存在すると判定される場合に、無線通信部110の送信電力の上限値を第2の値に設定するときには、電子機器1が接続された基地局は、電子機器1が送信する無線信号を適切に受信することができる。
なお、送信電力制御部330は、電子機器1が水中に存在するか否か及び圏内に存在するか否かにかかわらず、無線通信部110の送信電力の上限値を第1の値に設定しても良い。つまり、無線通信部110の送信電力の上限値は常に第1の値に設定されても良い。この場合の制御部100の動作を示すフローチャートは図7のようになる。図7に示されるフローチャートは、図6に示されるフローチャートにおいて、ステップs11を削除したものである。
また、動作モード設定部320は、電子機器1が圏外に存在し、かつ水中に存在すると判定される場合であっても、電子機器1の動作モードをサーチ非実行モードに設定しなくも良い。つまり、動作モード設定部320は、電子機器1が水中に存在するか否かにかかわらず、電子機器1が圏外に存在すると受信処理部300が判定したとき、電子機器1の動作モードをサーチ実行モードに設定しても良い。この場合には、水中モードの電子機器1では、図8,9に示されるように、送信電力の上限値の設定に関する処理だけが行われる。図8に示されるフローチャートは、図5に示されるフローチャートに対応する。図9に示されるフローチャートは、図6に示されるフローチャートに対応する。図8のフローチャートは、図5のフローチャートにおいて、ステップs6,s7が削除され、ステップs3でYesと判定されるまでステップs3が繰り返し実行されるものである。図9のフローチャートは、図6のフローチャートにおいて、ステップs12,s14,s15が削除されたものである。図8,9の例では、動作モード設定部320は、電子機器1の動作モードが水中モードであるか否かにかかわらず、電子機器1が圏外に存在すると受信処理部300が判定したとき、電子機器1の動作モードをサーチ実行モードに設定する。
また、電子機器1の動作モードがサーチ非実行モードに設定されている場合には、制御部100は、サーチ処理が実行されない旨を通知する通知情報を、表示部120に表示させても良い。
<各種変形例>
以下に電子機器1の各種変形例について説明する。
<第1変形例>
図10は本変形例に係る制御部100の構成を示す図である。図10に示される構成は、上述の図4に示される構成において、受信レベル判定部350をさらに設けたものである。
受信レベル判定部350は、無線通信部110から出力される受信信号に基づいて、アンテナ111で受信される無線信号の受信レベルを求める。受信レベル判定部350は、受信レベルとして例えばRSSI(Received Signal Strength Indication)を求める。そして、受信レベル判定部350は、所定基準に基づいて、求めた受信レベルが大きいか小さいかを判定する。受信レベル判定部350は、例えば、受信レベルとしきい値と比較し、その比較結果に基づいて、当該受信レベルが大きいか小さいかを判定する。例えば、受信レベル判定部350は、受信レベルがしきい値よりも大きい場合には当該受信レベルが大きいと判定する。一方で、受信レベル判定部350は、受信レベルがしきい値以下の場合には当該受信レベルが小さいと判定する。
なお、電子機器1のアンテナ111で受信される無線信号の受信レベルが小さくなると、電子機器1は、接続先の基地局からの信号を適切に受信できなくなる。受信レベル判定部350で使用されるしきい値は、受信レベルが低下して電子機器1が接続先の基地局からの信号を適切に受信できなくなるであろう受信レベルの値よりも大きく設定される。
また、受信レベル判定部350は、受信レベルがしきい値以上の場合に当該受信レベルが大きいと判定し、受信レベルがしきい値未満の場合に当該受信レベルが小さいと判定しても良い。
本変形例では、送信電力制御部330は、水中判定部310において電子機器1が水中に存在すると判定される場合、受信レベル判定部350において受信レベルが大きいと判定されるとき、送信電力の上限値を第1の値に設定する。そして、送信電力制御部330は、水中判定部310において電子機器1が水中に存在すると判定される場合、受信レベル判定部350において受信レベルが小さいと判定されるとき、送信電力の上限値を第2の値に設定する。図11は本変形例に係る制御部100の動作を示すフローチャートである。図11に示されるフローチャートは、図5に示されるフローチャートにおいて、ステップs4の代わりにステップs21〜s23が実行される。
図11に示されるように、ステップs3において、記憶部103内の圏内圏外情報が圏内を示すと判定されると、ステップs21において、受信レベル判定部350は、受信レベルを求めて、求めた受信レベルが大きいか小さいかを判定する。ステップs21において、受信レベルが小さいと判定されると、ステップs22において、送信電力制御部330は、無線通信部110の送信電力の上限値を第2の値に設定する。一方で、ステップs21において、受信レベルが大きいと判定されると、ステップs23において、送信電力制御部330は、無線通信部110の送信電力の上限値を第1の値に設定する。ステップs22が実行されると、ステップs5が実行される。また、ステップs23が実行されると、ステップs5が実行される。電子機器1では、電子機器1が水中に存在し、かつ圏内に存在する場合には、ステップs21は繰り返し実行される。
このように、本変形例では、電子機器1が水中に存在すると判定される場合であって、受信レベルが大きいと判定される場合、送信電力の上限値が第1の値に設定される。したがって、水中に存在する電子機器1が送信する無線信号についての水中での減衰量が小さい場合に、送信電力の上限値が大きな値に設定されることを抑制することができる。よって、基地局が電子機器1からの無線信号を適切に受信できる場合に、送信電力の上限値が無駄に大きく設定されることを抑制することができる。
なお、上述の図6に示されるフローチャートにおいて、ステップs11の代わりにステップs21〜s23が実行されても良い。この場合には、図12に示されるように、ステップs22,s23の後にステップs24が実行される。ステップs24では、水中判定部310が電子機器1が水中から出たか否かを判定する。ステップs24において、電子機器1が水中から出ていないと判定されるとステップs21が再度実行される。一方で、ステップs24において、電子機器1が水中から出たと判定されるとステップs16が実行される。
また、上述の図8に示されるフローチャートにおいて、ステップs4の代わりにステップs21〜s23が実行されても良い。図13はこの場合のフローチャートを示す図である。
また、上述の図9に示されるフローチャートにおいて、ステップs11の代わりにステップs21〜s23が実行されても良い。この場合には、図14に示されるように、ステップs13においてNoと判定される場合には、ステップs21が再度実行される。
<第2変形例>
水中に存在する電子機器1についての水面からの深さが浅い場合、電子機器1は、基地局からの信号を適切に受信できることがある。サーチ非実行モードで動作する水中の電子機器1は、サーチ処理を実行しないことから、水面からの深さが浅い場合であっても、接続先の基地局を見つけることができない。
そこで、本変形例では、動作モード設定部320は、電子機器1の動作モードがサーチ非実行モードの場合、水中判定部310が、水中に存在する電子機器1についての水面から深さが所定値以下であると判定するとき、電子機器1の動作モードをサーチ非実行モードからサーチ実行モードに変更する。これにより、電子機器1は、水中に入って圏外になった後においても、水面からの深さが浅い場合には、サーチ処理を実行することができる。以下に本変形例について詳細に説明する。
図15は本変形例に係る制御部100の動作を示すフローチャートである。図14に示されるフローチャートは、図5に示されるフローチャートにおいて、ステップs31,s32を追加したものである。
図15に示されるように、ステップs6において電子機器1の動作モードがサーチ非実行モードに設定され、その後ステップs7において、電子機器1が水中から出ていないと判定されると、ステップs31において、水中判定部310は、水中に存在する電子機器1についての水面から深さが所定値以下であるか否かを判定する。ステップs31において、水中判定部310は、圧力センサ150での検出結果に基づいて、水中に存在する電子機器1についての水面から深さを求める。そして、水中判定部310は、求めた深さが所定値以下であるか否かを判定する。ステップs31で使用される所定値は、例えば、0cmよりも大きく、かつ10cm以下に設定される。
ステップs31において、水中に存在する電子機器1についての水面から深さが所定値以下であると判定されると、ステップs32において、動作モード設定部320は、電子機器1の動作モードをサーチ非実行モードからサーチ実行モードに変更する。一方で、ステップs31において、水中に存在する電子機器1についての水面から深さが所定値以下ではないと判定されると、ステップs7が再度実行される。したがって、水中に存在する電子機器1についての水面から深さが所定値以下ではないと判定されると、電子機器1の動作モードはサーチ非実行モードに維持される。
ステップs32において、電子機器1の動作モードがサーチ実行モードに設定され、サーチ処理が行われると、制御部100はステップs3を実行する。その後、制御部100は同様に動作する。
なお、水中判定部310は、ステップs31において、水中に存在する電子機器1についての水面から深さが所定値未満であるか否かを判定しても良い。この場合には、動作モード設定部320は、電子機器1の動作モードがサーチ非実行モードの場合、水中判定部310が、水中に存在する電子機器1についての水面から深さが所定値未満であると判定するとき、電子機器1の動作モードをサーチ非実行モードからサーチ実行モードに変更する。
また、上述の図6,7,12に示されるフローチャートにおいて、ステップs31,s32を追加しても良い。この場合には、ステップs13において、電子機器1が水中から出ていないと判定されると、ステップs31が実行される。そして、ステップs31において、電子機器1の水面からの深さが所定値以下であると判定されるとステップs32が実行される。ステップs32において、電子機器1の動作モードがサーチ実行モードに設定され、サーチ処理が行われると、ステップs12が実行される。また、ステップs31において、電子機器1の水面からの深さが所定値以下ではないと判定されるとステップs13が再度実行される。
また、上述の図11に示されるフローチャートにおいて、ステップs31,s32を追加しても良い。この場合には、ステップs7において、電子機器1が水中から出ていないと判定されると、ステップs31が実行される。そして、ステップs31において、電子機器1の水面からの深さが所定値以下であると判定されるとステップs32が実行される。ステップs32において、電子機器1の動作モードがサーチ実行モードに設定され、サーチ処理が行われると、ステップs3が実行される。また、ステップs31において、電子機器1の水面からの深さが所定値以下ではないと判定されるとステップs7が再度実行される。
<その他の変形例>
上記の例では、電子機器1は、スマートフォン等の携帯電話機であったが、他の種類の電子機器であっても良い。電子機器1は、例えば、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル機器などであっても良い。
以上のように、電子機器1は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。