JP2017133724A - 蓄熱システムおよび空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも効果的に媒体の熱を蓄熱剤に伝える蓄熱システムまたは当該蓄熱システムを搭載する空気調和機を提供する。【解決手段】空気調和機1の蓄熱システム100においては、仕切り板170の上方に超音波発生器180が搭載される。そして、制御部50が、低温の媒体が流れる際に、超音波発生器180を駆動して、仕切り板170や媒体を介して、蓄熱剤に超音波振動を伝達させる。好ましくは、低温の媒体の循環時には、蓄熱システム100は、入口110から媒体を入れ、出口120から媒体を出す。中温の媒体の循環時には、蓄熱システム100は、出口120から媒体を入れ、入口110から媒体を出す。【選択図】図2

Description

本発明は、温熱および/または冷熱を伝熱させた媒体を循環させることによって蓄熱することのできる蓄熱システムおよび当該蓄熱システムを搭載する空気調和機の技術に関する。
近年、夏期において昼間冷房等の電力需要の増大により、昼夜の電力需要差が増大している。このような夏期における昼夜の電力需要差を少なくする方法の一つとして、夜間電力を有効に活用することが考えられる。
これまで、このような有効利用の具体例として、夜間電力を利用して水を氷結させ、氷の潜熱を利用した氷蓄熱システムが多く提案されている。氷蓄熱システムは、水が氷になる際の潜熱を冷熱として蓄熱し、冷熱の必要なときに解氷して冷熱を取り出すようにしたシステムである。
しかしながら、このような氷蓄熱システムにおいては、氷結が進むと、ブラインと氷との間の伝熱が悪くなり、また氷結時に氷は水よりも体積が大きくなるので蓄冷容器が破壊されることもある。これを解決する蓄冷システムとして、蓄冷容器内に高吸水性樹脂を充填し、蓄冷時に冷凍機により冷却された媒体により高吸水性樹脂に保持された水を氷結させ、氷の潜熱により蓄冷するシステムが提案されている。たとえば、特開平02−219933号公報(特許文献1)および特開平05−264074号公報(特許文献2)などがあげられる。
このシステムは、前述したように、蓄冷容器中に水を保持した高吸水性樹脂を充填し、高吸水性樹脂に保持された水を氷結させるものである。夜間など冷房負荷が比較的少ないときはこのようにして冷熱を氷の潜熱の状態で蓄えるものであるため、従来の氷冷却システムに比べ、伝熱の面で有利であることに加え、蓄冷容器をコンパクト化することができ、しかも安全性の点で格段の進歩がある。
しかしながら、従来の蓄冷システムは、高吸水性樹脂中の水分の凍結、解凍を利用するものであり、従来のような管外に氷を付着させる方法ではないため、エネルギー的に有利な方法であるといえるが、高吸水性樹脂が耐久性に優れる必要があることに加え、高吸水性樹脂中の水分が熱媒体中に浸出しないことが必須である。すなわち、これらの方法では、高吸水性樹脂の種類とそれに組み合わせる熱媒の選択が重要であり、高吸水性樹脂が高価であることに加え、蓄熱・放熱の運転も極めて慎重に行う必要がある。すなわち、高吸水性樹脂を用いた長期に安定に使用可能な蓄熱システムを実用化することはかなり困難である。
また、蓄熱効率を上げるために蓄熱剤の改良の面から検討することは非常に有意義ではあるが、有効な蓄熱剤を見出すことはかなり困難である。このような状況下においては、蓄熱槽自体の構造の面から検討することは非常に重要である。従って、蓄熱槽の構造の面から検討を加えた、蓄熱効率のよい蓄熱槽、蓄熱システム、及び、加熱冷却方法も提案されている。たとえば、特開2004−108761号公報(特許文献3)があげられる。
より詳細には、特許文献3においては、第1に、槽内に蓄熱剤又は蓄冷剤を充填した筒状の金属容器を接触しないように配列した蓄熱槽であって、該蓄熱槽の断面における筒状の金属容器の総断面積が蓄熱槽断面積の50%〜95%であることを特徴とする蓄熱槽としている。第2に、少なくとも、温熱蓄熱槽、熱媒ポンプ、加熱手段、熱交換器、及び、これらを連結するラインから構成される温熱蓄熱システムであって、該温熱蓄熱槽とし て、槽内に、蓄熱剤又は蓄冷剤を充填した筒状の金属容器を接触しないように配列し、かつ槽の断面における筒状の金属容器の総断面積が槽断面積の50%〜95%である蓄熱槽を使用することを特徴とする温熱蓄熱システムである。第3に、少なくとも、冷熱蓄熱槽、熱媒ポンプ、冷凍手段、交換器及びこれらを連結するラインから構成される冷熱蓄熱システムであって、該冷熱蓄熱槽として、槽内に、蓄熱剤又は蓄冷剤を充填した筒状の金属容器を接触しないように配列し、かつ槽の断面における筒状の金属容器の総断面積が槽断面積50%〜95%である蓄熱槽を使用することを特徴とする冷熱蓄熱システムである。第4に、加熱手段により加熱された熱媒を蓄熱剤が充填された蓄熱槽に循環して蓄熱し、しかる後、蓄熱されたエネルギーにより負荷流体を加熱することにより加熱手段の負荷を小さくすることを特徴とする加熱方法である。第5に、冷却手段により冷却された熱媒を蓄冷剤が充填された蓄熱槽に循環して蓄冷し、しかる後、蓄冷されたエネルギーにより負荷流体を冷却することにより冷却手段の負荷を小さくすることを特徴とする冷却方法である。
特開平02−219933号公報 特開平05−264074号公報 特開2004−108761号公報
しかしながら、特許文献3のような、下から通水し直上に出水するといった方法では、比重のため、冷媒体の通水時は下の方ばかり凍結が進行し、熱媒体の通水時は上の方ばかり溶解してしまい、均一に使用できないという課題があった。
本発明は、このような課題を解決することを目的としており、従来よりも効果的に媒体の熱を蓄熱剤に伝える蓄熱システムまたは蓄熱システムを搭載する空気調和機を提供することを目的としている。
この発明のある態様に従うと、温熱および/または冷熱を伝熱させた媒体を通すことによって蓄熱するための蓄熱システムが提供される。蓄熱システムは、蓄熱槽と、前記蓄熱槽内に横置きに積層配置され、蓄冷材を含む複数の蓄熱容器とを備える。前記蓄熱槽は、下部に前記媒体の入口が設けられ、上部に前記媒体の出口が設けられる。
好ましくは、低温の媒体の循環時には、蓄熱システムは、前記入口から前記媒体を入れ、前記出口から前記媒体を出す。蓄熱材の凝固点より高い温度の中温の前記媒体を前記入口から循環するときは、蓄熱システムは、前記出口から前記媒体を入れ、前記入口から前記媒体を出す。
好ましくは、蓄熱システムは、前記蓄熱槽から流出した前記媒体の少なくとも一部を前記入口に戻すためのバイパス回路をさらに備える。
好ましくは、蓄熱システムは、前記蓄熱槽を前段部と後段部とに仕切るための仕切り部をさらに備える。前記複数の蓄熱容器は、前記前段部と前記後段部とに分かれて配置される。前記仕切り部は、蓄熱材の凝固点より低い温度の低温の前記媒体を前記入口から循環するときは下降することによって前記前段部の上部と前記後段部の上部とを連通させ、中温の媒体循環時は上昇することによって前記前段部の下部と前記後段部の下部とを連通させる。
好ましくは、蓄熱システムは、前記蓄熱剤に超音波振動を伝えるための超音波発生部をさらに備える。
好ましくは、前記蓄熱剤は、水の含有量が50%以上である。
好ましくは、前記媒体は、空気調和機において温熱および/または冷熱を伝熱させられたものである。
この発明の別の局面に従うと、上記の蓄熱システムを備える空気調和機が提供される。前記媒体は、前記空気調和機の暖房および/または冷房サイクルにて発生する温熱および/または冷熱を伝熱させられたものである。
以上のように、この発明によれば、従来よりも効果的に媒体の熱を蓄熱剤に伝える蓄熱システムまたは蓄熱システムを搭載する空気調和機が提供される。
第1の実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成を示す概略図である。 第2の実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成を示す概略図である。 第2の実施の形態にかかる低温の媒体を4時間流した後に中温の媒体を2時間流した時の蓄熱槽101を経由した媒体の温度の変化を示すグラフである。 第2の実施の形態にかかる中温の媒体の通水開始時を起点としたΔT(=注水温度-出水温度)の変化を示すグラフである。 第2の実施の形態にかかる低温の媒体の通水による凍結後に各種通水速度で中温の媒体を通水したときの熱交換量の変化を示すグラフである。 第4の実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成を示す概略図である。 第4の実施の形態にかかる制御部50の処理を示すフローチャートである。 第5の実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成を示す第1の概略図である。 第5の実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成を示す第2の概略図である。 第5の実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成を示す第3の概略図である。 第6の実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成を示す第1の概略図である。 第6の実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成を示す第2の概略図である。 第7の実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成を示す正面概略図である。 第8の実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成を示す概略図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
<空気調和機の全体構成>
まず、図1を参照しながら、本実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成について説明する。なお、図1は、本実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成を示す概略図である。
図1を参照して、本実施の形態にかかる空気調和機1は、主に、蓄熱システム100と、空気調和機1の主な機能としてのヒートポンプサイクル10とを搭載する。そして、蓄熱システム100は、主に、蓄熱槽101と、蓄熱槽101の内部に配置される複数の蓄熱容器130,130・・・と、ポンプ140と、制御部50とを含む。
複数の蓄熱容器130,130・・・の各々には、蓄熱剤が充填されている。複数の蓄熱容器130,130・・・は、横に寝かされた状態で、鉛直方向に積層されている。蓄熱槽101は、複数の蓄熱容器130,130・・・とヒートポンプサイクル10との間で熱交換するための媒体が流れたり、蓄えられたりする。
蓄熱槽101は、下部の一端側に、媒体が注入されるための注入口110が1または複数形成され、上部の他端側に、媒体が吐出されるための吐出口120が1または複数形成されている。そして、注入口110の近傍には、空気調和機1のヒートポンプサイクル10から蓄熱槽101へと媒体を送るためのポンプ140が配置される。
本実施の形態においては、ポンプ140は、蓄熱槽101の直前に配置される。ポンプ140は、制御部50によって制御される。つまり、制御部50は、ポンプ140を駆動することによって、空気調和機1のヒートポンプサイクル10で伝熱された媒体を注入口110を通して蓄熱槽101へと注入し、吐出口120を通して媒体を空気調和機1のヒートポンプサイクル10へと返す。
なお、図1(A)の矢印は、低温(−5〜+5℃)の媒体の流れる方向を示し、図1(B)の矢印は、中温(+15〜+25℃)の媒体の流れる方向を示している。本実施の形態においては、低温時と中温時における媒体の流れる方向が同じである。そして、制御部50が、温度センサ111からの注入される媒体の温度や、温度センサ121からの吐出される媒体の温度や、2つの温度の差、などに基づいて、ポンプ140の駆動量を制御する。
なお、蓄熱容器130,130・・・の各々は熱伝導率が大きい材料で形成されることが好ましい。例えば、アルミニウムステンレスといった金属容器やアルミパウチといった金属蒸着容器などのような、蓄熱剤パッケージの少なくとも一部に100W(m・K)以上の材料が用いられることが望ましい。あるいは、樹脂容器の一部に金属材を用いたり、樹脂材に伝熱性の高い樹脂フィラーを添加したり、するなどして蓄熱容器130の伝熱性の向上を図っても良い。
以上の構成により、本実施の形態にかかる蓄熱システム100は、空気調和機1のヒートポンプサイクル10で伝熱された媒体を、横置きに配置された複数の蓄熱容器130,130・・・の間を通しながら、蓄熱槽101の下方から上方へと流すので、従来よりも効率的に媒体が有する熱を蓄熱容器130,130・・・内の蓄熱剤に伝えることができる。
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態においては、蓄熱システム100は、常に、蓄熱槽101の下部から媒体を注入し、蓄熱槽101の上部から媒体を吐出するものであった。しかしながら、本実施の形態においては、低温の媒体を蓄熱槽101に供給する場合と、中温の媒体を蓄熱槽101に供給する場合とで、媒体の流れる向きを切り替えるものである。
図2は、本実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成を示す概略図である。図2を参照して、本実施の形態にかかる空気調和機1も、主に、蓄熱システム100と、空気調和機1のメインのヒートポンプサイクル10とを搭載する。そして、蓄熱システム100は、主に、蓄熱槽101と、蓄熱槽101の内部に配置される複数の蓄熱容器130,130・・・と、ポンプ140と、制御部50とを含む。
複数の蓄熱容器130,130・・・の各々には、蓄熱剤が充填されている。複数の蓄熱容器130,130・・・は、横に寝かされた状態で、鉛直方向に積層されている。蓄熱槽101は、複数の蓄熱容器130とヒートポンプサイクル10との間で熱交換するための液体の媒体が流れたり、蓄えられたりする。
蓄熱槽101は、下部の一端側に、媒体が注入されるための注入口110が1または複数形成され、上部の他端側に、媒体が吐出されるための吐出口120が1または複数形成されている。そして、注入口110の近傍に、空気調和機1のヒートポンプサイクル10から蓄熱槽101へと媒体を送るためのポンプ140が配置される。ポンプ140は、蓄熱槽101の直前、すなわち蓄熱槽101の低温時における媒体の上流側に配置される。ポンプ140は、制御部50によって制御される。
より詳細には、本実施の形態においては、図2(A)に示すように、制御部50は、温度センサ111からの蓄熱槽101に注入される媒体の温度や、温度センサ121からの蓄熱槽101から吐出される媒体の温度に基づいて、注入口110での媒体の温度が蓄熱材の凝固点より低い低温(例えば−5〜+5℃)である場合には、ポンプ140を順方向に駆動することによって、下部の注入口110から媒体を蓄熱槽101に注入し、上部の吐出口120から媒体を吐出させる。
一方、図2(B)に示すように、制御部50は、温度センサ111からの蓄熱槽101に注入される媒体の温度や、温度センサ121からの蓄熱槽101から吐出される媒体の温度に基づいて、注入口110での媒体の温度が蓄熱材の融点より高い中温(例えば+15〜+25℃)である場合には、ポンプ140を逆方向に駆動することによって、上部の吐出口120から媒体を蓄熱槽101に注入し、下部の注入口110から媒体を吐出させる。
なお、本実施の形態においても、制御部50は、温度センサ111からの注入される媒体の温度や、温度センサ121からの吐出される媒体の温度や、2つの温度の差、などに基づいて、ポンプ140の駆動量を制御してもよい。また、本実施例においてポンプは注入口と吐出口の両方に配置してあるものとし、注入口110での媒体の温度が蓄熱材の凝固点より低い低温(例えば−5〜+5℃)である場合には注入口側のポンプを駆動し(吐出口側は停止)、注入口110での媒体の温度が蓄熱材の融点より高い中温(例えば+15〜+25℃)である場合には吐出口側のポンプを駆動(注入口側は停止)させるものとする。
本実施の形態においても、蓄熱容器130は熱伝導率が大きい材料で形成されることが好ましい。例えば、アルミニウムステンレスといった金属容器やアルミパウチといった金属蒸着容器などのような、蓄熱剤パッケージの少なくとも一部に100W(m・K)以上の材料が用いられることが望ましい。あるいは、樹脂容器の一部に金属材を用いたり、樹脂材に伝熱性の高いフィラーを樹脂に添加したり、するなどして蓄熱容器130の伝熱性の向上を図っても良い。
以上の構成により、本実施の形態にかかる蓄熱システム100は、空気調和機1のヒートポンプサイクル10で伝熱された媒体が低温である場合には蓄熱槽101の下方から媒体を流し、媒体が中温である場合には蓄熱槽101の上方から媒体を流すので、従来よりも効率的に媒体が有する熱量を蓄熱容器130,130・・・内の蓄熱剤に伝えることができる。特に、蓄熱槽101内の上部の媒体の温度と下部の媒体の温度とに温度差があると相対的に温度が高い媒体が浮力によって鉛直上方向に移動するため、より均一に媒体が循環することで熱交換が促進される。また、媒体の流れが遅い場合に、より顕著に熱交換の効率が上昇する。
図3〜図5を参照することによって、低温の媒体の通水時と中温の媒体の通水時とで媒体の流れの方向を逆にすることによって熱交換量が大きくなることがわかる。なお、図3は、本実施の形態にかかる低温の媒体を4時間流した後に中温の媒体を2時間流した時の蓄熱槽101を経由した媒体の温度の変化を示すグラフである。図4は、本実施の形態にかかる中温の媒体の通水開始時を起点としたΔT(=注水温度-出水温度)の変化を示すグラフである。図5は、本実施の形態にかかる低温媒体通水による凍結後に各種通水速度で中温媒体通水したときの熱交換量の変化を示すグラフである。
ここで、本測定においては、蓄熱槽101としては内寸が18×38×20cmサイズの発泡材の内面に金属箔を貼り付けたものを使用した。複数の蓄熱容器130としては外寸が18×28×3cm、肉厚が1.5mmであるパッケージ内部に各1Lの水系蓄熱剤媒体を入れたものを5個使用した。複数の蓄熱容器130は、8mmの間隔で積層した。媒体としてはエタノール:水=1:1の混合溶液を用いた。
前記のように媒体を流す方向を切り替えることで、特に切り替えの初期において、媒体と蓄熱剤との熱交換量(Q)が大きくなることがわかる。なお、単位時間あたりの熱交換量Q[W=J/S]は下記の関係式(1)から求めた。
Q[W]=G[kg/S]*c[J/(kg・K)]*ΔT[K])・・・式(1)
<第3の実施の形態>
媒体と蓄熱剤との熱交換量を大きくする場合、媒体の流量を大きくすることで熱交換量をある程度まで大きくすることができる。一方、媒体と蓄熱剤の1回あたりの接触における熱交換量が小さいと蓄熱槽101から流出する媒体の温度が所望の温度まで低下または上昇しない。そこで、本実施の形態かかる蓄熱システム100は、蓄熱槽101を通過した媒体を、空気調和機1のヒートポンプサイクル10に戻す前に、再度蓄熱槽101を循環させるものである。
<第4の実施の形態>
本実施の形態においては、図6に示すように、ポンプ140とバイパス回路150とに加えて、第2のポンプ160がバイパス回路150に配置される。なお、ポンプ140は、バイパス回路150との分岐の上流に配置されてもよいし、バイパス回路150との分岐の下流に配置されてもよい。
そして、より詳細には、本実施の形態にかかる制御部50は、以下のような処理を実行する。なお、図7は、本実施の形態にかかる制御部50の処理を示すフローチャートである。本実施の形態においては、制御部50は、吐出される媒体の目標温度Ttや、目標の熱量Qtをそのメモリに記憶する。
図7を参照して、制御部50は、定期的に、注入口110近傍の温度センサ111から媒体の温度を取得する(ステップS202)。制御部50は、吐出口120近傍の温度センサ121からも媒体の温度を取得する(ステップS204)。
制御部50は、吐出口120近傍の温度センサ121からの媒体の温度Tが目標の温度Ttから所定の範囲内であるか否か、また関係式(1)で計算される熱量Qが目標の熱量Qtから所定の範囲内であるか否かを判断する(ステップS206)。
なお、流量Gに関しては、予め設定されていてもよい。より詳細には、ACモータを利用する場合はモータを駆動したときの流量Gを設定しておくことが好ましい。DCモータを利用する場合はモータに印加する電圧と流量Gとの関係式などを予め設定しておくことが好ましい。
吐出口120近傍の温度センサ121からの媒体の温度Tが目標の温度Ttから所定の範囲内であり、かつ熱量Qが目標の熱量Qtから所定の範囲内である場合(ステップS206にてYESである場合)、制御部50は、流量制御弁155を閉鎖する(ステップS208)。制御部50は、温度Tなどに基づいて第1のポンプ140を駆動しつつ、第2のポンプ160の運転は停止する(ステップS210)。
一方、吐出口120近傍の温度センサ121からの媒体の温度Tが目標の温度Ttから所定の範囲内ではない場合、あるいは熱量Qが目標の熱量Qtから所定の範囲内でない場合(ステップS206にてNOである場合)、制御部50は、流量制御弁155を開放する(ステップS212)。制御部50は、温度Tなどに基づいて、第1のポンプ140だけでなく第2のポンプ160も駆動させる。
なお、制御部50は、吐出口120近傍の温度センサ121からの媒体の温度Tと目標の温度Ttとの差が大きいほど、また熱量Qと目標の熱量Qtとの差が大きいほど、第1のポンプの駆動量や第2のポンプ160の駆動量を大きくすることが好ましい。
<第5の実施の形態>
第4の実施の形態では、ポンプ140が蓄熱槽101の上流に配置され、流量制御弁155がバイパス回路150に配置されていた。しかしながら、図8に示すように、ポンプ140は、蓄熱槽101の直後、すなわち蓄熱槽101の媒体の低温時における下流側に配置されてもよい。
あるいは、図9に示すように、流量制御弁155が媒体の低温時におけるバイパス回路150との分岐の下流に配置されてもよい。
あるいは、図10に示すように、ポンプ140が、蓄熱槽101の直後、すなわち蓄熱槽101の媒体の低温時における下流側に配置されて、流量制御弁155が媒体の低温時におけるバイパス回路150との分岐の下流に配置されてもよい。
<第6の実施の形態>
第3から第5の実施の形態においては、蓄熱システム100が、バイパス回路150と流量制御弁155とを有するものであった。しかしながら、たとえば図11および図12に示すように、第3から第5の実施の形態の蓄熱システム100に関して、流量制御弁155を配置しない構成を採用してもよい。
<第7の実施の形態>
次に、本実施の形態にかかる蓄熱システム100は、蓄熱槽が2つのパートに分けられるものである。図13は、本実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成を示す正面概略図である。
図13を参照して、本実施の形態にかかる空気調和機1の蓄熱システム100においては、蓄熱槽101が仕切り板170によって前段部101Aと後段部101Bとに分けられる。そして、複数の蓄熱容器230は、前段部101Aと後段部101Bとに分かれて配置される。
仕切り板170は図示しないモータによって駆動される歯車175によって、壁面に対して上下方向に摺動移動する。そして、制御部50が、当該モータを制御する。
仕切り板170が下方へ位置するときは、仕切り板170の上方にて、前段部101Aから後段部101Bへと、前段部101Aの下部から上部の蓄熱剤と熱交換をした後の媒体が流れる。一方、仕切り板170が上方へ位置するときは、仕切り板170の下方にて、前段部101Aから後段部101Bへと、前段部101Aの下部の蓄熱剤と熱交換をした媒体が流れる。
これによって、例えばエコキュート(登録商標)の冷排熱を伝熱させることにより発生する比重の重い低温媒体(−5〜+5℃)の循環時に仕切り板170を下部に降ろしておくことで、蓄熱剤を下から順に効率良く凍結させることができる。一方、例えば昼間のエアコン駆動時などに室外機で発生する排熱を伝熱させることにより発生する比重の軽い中温媒体(+15〜+25℃)の循環時に仕切り板170を上部に上げておくことで、蓄熱剤を上から順に効率良く溶解させることができる。
さらに、第2の実施の形態と同様に、中温の媒体が流れる時において、通水方向を反転させることで、蓄えた冷熱をより有効利用できる。さらに、本実施の形態にかかる蓄熱システム100は、第3〜第6の実施の形態と同様に、バイパス回路150を備えてもよい。
<第8の実施の形態>
次に、本実施の形態にかかる蓄熱システム100は、蓄熱槽が2つのパートに分けられたうえ、超音波によって蓄熱剤の過冷却を防止するものである。図14は、本実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成を示す概略図である。
図14を参照して、本実施の形態にかかる空気調和機1の蓄熱システム100においては、仕切り板170の上方に超音波発生器180が搭載される。そして、制御部50が、媒体が所定の温度よりも低いか否かを判断することによって、低温の媒体が流れる際に、超音波発生器180を駆動して、仕切り板170や媒体を介して、蓄熱剤に超音波振動を伝達させる。
これによって、超音波の振動によって蓄熱容器130内の蓄熱剤の過冷却を抑えることができる。このことは、蓄冷剤の固有の相変化温度(凝固点及び融点)で媒体との間で冷却時において過冷却無しに相変化を起こすことによって所望の温度の熱を利用するとともに、蓄熱剤を冷却するための熱源の消費電力を低減することに寄与する。蓄冷剤の過冷却を抑えることにより、蓄熱剤に比べ安価なイオン交換水や純水等を用いた場合においても、過冷却が起こるのを抑えることが可能である。なお、水系材料の一例としてはネオホワイト(R)(JFEエンジニアリング社製)が好適であるが、本方式により過冷却の発生を低減できるため、蓄熱剤の内容物としては価格の点から水の含有量が50%以上の水系材料を用いることが好ましい。
第1〜第8の蓄熱システム100は、空気調和機1のヒートポンプサイクル10にて伝熱された媒体の熱を蓄積するものであった。しかしながら、蓄熱システム100は、空気調和機1のヒートポンプサイクル10に限らず、たとえば発電機やエンジンなどの他の装置やシステムにて伝熱された媒体の温熱および/または冷熱を蓄積するものであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 :空気調和機
10 :ヒートポンプサイクル
50 :制御部
100 :蓄熱システム
101 :蓄熱槽
101A :前段部
101B :後段部
110 :入口(注入口)
111 :温度センサ
120 :出口(吐出口)
121 :温度センサ
130 :蓄熱容器
140 :第1のポンプ
150 :バイパス回路
155 :流量制御弁
160 :第2のポンプ
170 :仕切り部
175 :歯車
180 :超音波発生部
230 :蓄熱容器

Claims (5)

  1. 温熱および/または冷熱を伝熱させた媒体を通すことによって蓄熱するための蓄熱システムであって、
    蓄熱槽と、
    前記蓄熱槽内に横置きに積層配置され、蓄冷材を含む複数の蓄熱容器とを備え、
    前記蓄熱槽は、下部に前記媒体の入口が設けられ、上部に前記媒体の出口が設けられる、蓄熱システム。
  2. 低温の媒体の循環時には、前記入口から前記媒体を入れ、前記出口から前記媒体を出し、
    中温の媒体の循環時には、前記出口から前記媒体を入れ、前記入口から前記媒体を出す、請求項1に記載の蓄熱システム。
  3. 前記蓄熱槽から流出した前記媒体の少なくとも一部を前記入口に戻すためのバイパス回路をさらに備える、請求項1または2に記載の蓄熱システム。
  4. 前記蓄熱槽を前段部と後段部とに仕切るための仕切り部をさらに備え、
    前記複数の蓄熱容器は、前記前段部と前記後段部とに分かれて配置され、
    前記仕切り部は、低温の媒体の循環時は下降することによって前記前段部の上部と前記後段部の上部とを連通させ、中温の媒体循環時は上昇することによって前記前段部の下部と前記後段部の下部とを連通させる、請求項1から3のいずれか1項に記載の蓄熱システム。
  5. 前記蓄熱剤に超音波振動を伝えるための超音波発生部をさらに備える、請求項4に記載の蓄熱システム。
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