〔第1実施形態〕
図1に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、前面が開放した箱形の筐体の内部に各種の機器が設けられるとともに、この筐体の前面に、前面から見て左端部に設けられたヒンジを介して前面枠2が片開き形式に開閉可能に設けられている。
筐体内部には、当該スロットマシン1全体を制御する遊技制御装置100や遊技制御装置100からの情報に基づき演出を制御する演出制御装置300が収納されている。また、筐体内部には回転可能なリール6a,6b,6cを有する変動表示装置や、メダル払出装置(ホッパー)が配設されている。メダル払出装置は、メダル投入口15から投入されたメダルを受け入れて貯留するとともに、有効ライン上に所定の図柄組合せ態様が形成され入賞が成立した場合に、遊技制御装置100からの払出し指令(コマンドやデータ)に従ってメダル払出用モータ63を駆動させ、この入賞に対応する枚数のメダル(払出メダル)又は入賞成立に伴う加算によりクレジットの上限を超えた分のメダルを下皿27に払い出す装置である。
また、筐体内部にはこのメダル払出装置からオーバーフローして流入してくるメダルを貯留したり、流入してきたメダルを当該スロットマシン1が設置される設置島のメダル回収機構へ誘導したりするためのオーバーフロータンクも設けられている。この他に筐体内部には、制御装置やモータ、ランプなどの電子部品に電力を供給する電源装置及び当該スロットマシン1の当選確率を例えば6段階の何れかに設定するための設定装置が設けられている。
前面枠2の上部には、遊技に応じて表示による演出や情報表示を行う画像表示装置3、音による演出を行う上スピーカ4a、LEDによる発光装飾を行う装飾装置46や動作する演出可動体装置47を内蔵した枠演出装置7等が設けられている。画像表示装置3は、例えば液晶表示パネルで構成され、遊技に関する演出表示のほか、履歴情報表示など様々な情報を表示する。そして、画像表示装置3における各種演出表示や履歴情報表示は、演出制御装置300によって制御される。すなわち、画像表示装置3が、ゲームの進行に応じた演出を表示することが可能な演出表示手段をなし、演出制御装置300が、演出表示手段の表示制御を行うことが可能な表示制御手段をなす。
前面枠2の中央部には、後方を視認できないようにするとともに装飾のための絵柄等が描かれた前面パネル9が配され、前面パネル9の中央部には後方を視認可能な(例えば、透明の)図柄表示窓5が形成されている。なお、前面パネル9を表示装置で構成しても良く、図柄表示窓5の部分に画像を表示しない状態ではリール6を視認可能とし、主に図柄表示窓5の周囲において遊技を演出する画像を表示する。この場合、図柄表示窓5の部分に遊技を演出する画像を表示することも可能である。
この図柄表示窓5(窓部)を透して、筐体内に配設されたリール6の回転により変動表示される図柄を視認可能となっている。リール6は、円筒形の左リール6a、中リール6b、右リール6cが水平方向に並設されて構成されている。これらのリール6a,6b,6cの外周面には、周方向に沿って並ぶように複数の図柄が配されている。また、各リール6a,6b,6cにはそれぞれ、ステッピングモータであるリール用モータ64a,64b,64c(図3参照)が設けられており、各リール6a,6b,6cを独立して回転駆動ならびに回転停止することが可能となっている。すなわち、リール用モータ64a,64b,64cが各リール6a,6b,6cを駆動する電気的駆動源をなす。
リール用モータ64によりリール6を回転させることによって、図柄表示窓5から視認される複数種類の図柄を、例えば上から下へと循環するように変動させる(変動表示)。一方、リール6が停止している状態では、各リール6a,6b,6cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄、つまり3×3の計9つの図柄が図柄表示窓5を介して視認可能となっている。すなわち、図柄表示窓5を透して、ゲームの停止結果を導出表示するためのリール6a,6b,6cの有効表示部を視認可能となっている。よって、リール6a,6b,6cが複数の図柄を変動表示可能な複数の変動表示部をなす。
図柄表示窓5から視認される3×3の図柄行列に対しては、所定の有効化可能ラインが設定される。本実施形態では各リール6a,6b,6c中段の図柄を横切るライン(中段ライン)のみが有効化可能ラインとなっている。そして、遊技者によるメダルの投入又はクレジットからの入力(以下「賭操作」という。)によって賭数(ベット数)が所定数(例えば3)となることで有効化可能ラインが有効化されて有効ラインとなり(いわゆる3枚がけ専用)、この有効ライン上に形成された図柄組合せ態様(出目)に基づいて入賞(役)の成立/不成立が判断される。なお、3枚がけ専用ではなく1〜3枚の範囲で任意に賭数を設定可能としてもよい。ただし、その場合には通常遊技状態において賭数が3枚である場合に遊技者に最も有利となる内部当選確率となるように後述する内部抽選を行うものとする。
入賞が成立する場合には、有効ライン上に所定の図柄が3つ並ぶ場合の他、見た目上で他のラインで所定の図柄が3つ並ぶ場合もある。このようなラインとしては、各リール6a,6b,6c上段の図柄を横切るライン(上段ライン)、左リール6a下段−中リール6b中段−右リール6c上段にかけて各リール6a,6b,6cを斜めに横切るライン(右上がりライン)、左リール6a上段−中リール6b中段−右リール6c下段にかけて各リール6a,6b,6cを斜めに横切るライン(右下がりライン)、各リール6a,6b,6c下段の図柄を横切るライン(下段ライン)、上記以外の各リール6a,6b,6cの図柄表示窓5に臨む前面部(視認可能な部分)を横切るように位置する仮想的なラインに見た目上図柄が並ぶようにしても良い。以下、有効化可能ライン(中段ライン)や、入賞時に見た目上図柄が整列可能なライン(上段ライン等)をまとめて図柄停止ライン(図柄整列ライン)と称する。
図柄表示窓5の左方には、演出制御装置300により制御されて遊技媒体に関する情報を表示する第2遊技媒体情報表示部44が設けられている。この第2遊技媒体情報表示部は、第2クレジット数表示部11、第2払出数表示部13、第2獲得枚数表示部12が設けられている。第2クレジット数表示部11は、メダル払出装置により払い出さずにクレジットとして記憶されているメダル数を表示する。また、第2払出数表示部13は、入賞成立時の払出枚数を表示する。また、第2獲得枚数表示部12は、特別遊技状態の開始からのメダルの累計獲得枚数を表示する。これらの表示部11,12,13は、例えば7セグメントディスプレイで構成され、その点灯状態によって各種情報を表示する。
図柄表示窓5の下方には、演出制御装置300により制御されて遊技の情報を表示する第2遊技情報表示部40が設けられている。この第2遊技情報表示部40は、第2左表示部40a、第2中表示部40b、第2右表示部40cの3つの7セグメントディスプレイで構成され、内部抽選で当選した役の種類や当該役を成立させるためのリール6の停止順序などを報知可能である。
前面パネル9の下方には、遊技者が遊技に関する操作を行うための遊技操作手段が配された遊技構成部30が設けられている。この遊技構成部30は、前方へ突出した段部となっており、上面及び前面に各種の遊技操作手段が配されている。図2に示すように遊技構成部30の上面の左端部近傍には、遊技操作手段の一つをなす1ベットボタン31が設けられている。この1ベットボタン31は、押圧操作を一度行うことでクレジットから賭数が1枚入力されるようになっている。
1ベットボタン31の右側には、リプレイ状態やウェイト状態、遊技可能な待機状態などの状態表示を行う遊技状態表示部18が設けられており、ランプの点灯により遊技状態を表示する。遊技状態表示部18には、再遊技入賞(リプレイ入賞)が成立してリプレイゲームが付与されたことを示す再遊技表示部18aと、遊技者がスタートレバー21を操作してからリール6が回転するまでに待ち時間があること(前回のゲーム開始から一定時間経過していないためにリール6の回転開始を待機している状態であること)を示す待機表示部18bと、スタート操作が可能であることを示す遊技開始表示部18cと、当該スロットマシン1が遊技可能な待機状態であることを示し賭操作を促すメダル投入表示部18dが設けられている。
遊技状態表示部18の右側には、遊技操作手段の一つをなすマックスベットボタン17が設けられている。このマックスベットボタン17は、押圧操作を一度行うことでクレジットから賭数の上限数(例えば、3枚)まで入力できるが、クレジット数が上限数に満たない場合にはクレジット数を賭数として入力するようになっている。
マックスベットボタン17の右側には、遊技制御装置100により制御されて遊技媒体に関する情報を表示する第1遊技媒体情報表示部32が設けられている。この第1遊技媒体情報表示部32は、第1クレジット数表示部32a、第1払出数表示部32b、第1獲得枚数表示部32cが設けられている。第1クレジット数表示部32aは、メダル払出装置により払い出さずにクレジットとして記憶されているメダル数を表示する。また、第1払出数表示部32bは、入賞成立時の払出枚数を表示する。また、第1獲得枚数表示部32cは、特別遊技状態の開始からのメダルの累計獲得枚数を表示する。これらの表示部は、例えば7セグメントディスプレイで構成され、その点灯状態によって各種情報を表示する。
第1遊技媒体情報表示部32の右側には、遊技制御装置100により制御されて内部抽選の結果に関する情報などの遊技の情報を表示する表示手段をなす第1遊技情報表示部33が設けられている。この第1遊技情報表示部33は、第1左表示部33a、第2中表示部33b、第1右表示部33cの3つの7セグメントディスプレイで構成され、内部抽選で当選した役の種類や当該役を成立させるためのリール6の停止順序などを報知可能である。第1遊技情報表示部33の右側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン10が設けられている。この演出ボタン10は遊技操作手段の一つをなすものであり、遊技者が操作することによって画像表示装置3における演出表示において遊技者の操作を介入させた演出が行われたり、遊技の履歴情報が表示されたりするようになっている。
演出ボタン10の右側には、メダル投入口15が設けられている。遊技者がこのメダル投入口15にメダルを投入して賭操作を行うことにより、ゲームが実行可能となる。このメダル投入口15から投入されたメダルが通過する経路には、メダルの通過を検出するメダル投入センサ51a,51b(図3参照)が設けられており、このメダル投入センサ51a,51bによる検出情報をもとにメダルの投入枚数がカウントされる。
遊技構成部30の前面の左端部近傍には遊技操作手段の一つをなす精算ボタン20が設けられている。精算ボタン20は、メダル投入口15から投入されたメダルや1ベットボタン31、マックスベットボタン17により賭数として入力されたメダル(賭メダル)又は入賞が成立することにより払い出されクレジットとして記憶されているメダル(貯留メダル)を下皿27に返却させる指令を与える際に用いられる。なお、再遊技入賞(リプレイ入賞)の成立に基づく自動賭操作の後にメダル投入口15からメダルが投入された場合や、クレジットとして記憶可能な所定数を超えるメダルも下皿27に返却される。精算ボタン20の右側には遊技操作手段の一つをなすスタートレバー21が設けられている。スタートレバー21は、ゲームを進行させるための進行操作部をなし、一区切りのゲームを開始させるための操作レバーである。
スタートレバー21の右側には、遊技操作手段の一つをなすリール停止ボタン24が設けられている。リール停止ボタン24は、ゲームを進行させるための進行操作部をなし、左リール6a、中リール6b及び右リール6cとそれぞれ1対1で対応付けられて設けられた、左リール停止ボタン24a、中リール停止ボタン24b及び右リール停止ボタン24cで構成され、停止操作に応じて対応するリール6a,6b,6cの回転をそれぞれ停止させるためのものである。これらのリール停止ボタン24a,24b,24cは、例えば、有色半透明の樹脂部材等で形成されている。リール停止ボタン24a,24b,24cの内部には、このリール停止ボタン24a,24b,24cの操作により対応するリール6を停止可能な状態であるか否かを、発光態様により報知するためのリール停止ボタンLED66a,66b,66cがそれぞれ設けられている。すなわち、リール停止ボタン24a,24b,24cが、各変動表示部に対応して設けられた停止操作を行うため複数の停止操作部をなし、リール停止ボタンLED66a,66b,66cが停止操作部を発光させることが可能な操作部発光手段をなす。
リール停止ボタン24の右側には、遊技操作手段の一つをなす返却ボタン22が設けられている。返却ボタン22は、メダル投入口15から投入されてメダル流路で詰まったメダルを下皿27に返却させる際に用いられる。返却ボタン22の右側には鍵穴23が設けられている。鍵穴23は、前面枠2を開く際、或いは当該スロットマシン1のエラー(例えば、ホッパーエラー)状態をリセットする際に鍵を差し込むためのものである。
また、遊技構成部30の下方には、前面枠2の下部領域を構成する下部パネル(化粧パネル)25が設けられている。さらに、下部パネル25の下方であって前面枠2の最下部には、灰皿26、メダルを貯留するための下皿27、メダル払出口28、音声を出力するための下スピーカ4b等が設けられている。なお、各種装置の配置位置は上述したものに限られるものではない。例えば、画像表示装置3の周囲や前面パネル9が設けられた部分又は下部パネル25が設けられた部分に、遊技状態表示部18や第1遊技媒体情報表示部32、第1遊技情報表示部33、第2遊技媒体情報表示部44、第2遊技情報表示部40などを設けても良い。
図3、図4は、スロットマシン1の制御系の概略構成を示すブロック図である。なお、図1、図2で説明した構成要素と同一もしくは相当する構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図3に示すように、スロットマシン1は遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である遊技制御装置100を備える。遊技制御装置100は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。
遊技用マイコン111は、CPU(Central Processing Unit)111a、ROM(Read Only Memory)111b、RAM(Random Access Memory)111cを備える。また、図示を省略するが、内部抽選に用いられる入賞判定用乱数などの各種乱数値を生成する乱数発生器、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期のタイマ割込み信号や乱数発生器の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータなどを備えている。
CPU111aは、制御部や演算部を備え、遊技制御装置100の演算処理装置として各種演算処理やデータの入出力、制御信号の生成などを行う。ROM111bには、各種処理を実行するための制御プログラムや制御データのほか、内部抽選用の判定値(判定テーブル)等が格納されている。また、ROM111bには、各ゲームにおいてリール6の停止制御を行う際に参照される停止制御テーブルが格納されている。例えば、内部当選した各種入賞に対応する停止制御テーブルや、はずれに対応する停止制御テーブルなどである。停止制御テーブルには、内部当選状態(セットされている当選フラグの状態)に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に最大限に形成させるリール6の引き込み停止制御や内部当選していない各種入賞に対応する図柄組合せを有効ラインから外すリールの蹴飛ばし停止制御を行うためのデータ(滑りコマ数等)が格納されており、リール6の操作停止順、操作タイミングに応じて停止位置が予め設定されている。
RAM111cは、スタート操作に基づきCPU111aがサンプリングした内部抽選用の乱数の記憶領域、各種データ(例えば、クレジット数のデータ、賭数のデータ、内部当選状態のデータ、所定の図柄組合せ態様が導出されることに基づく払い出しに係るデータ、内部抽選の当選確率値を示すデータ等)を一時的に記憶する記憶領域、並びにCPU111aの作業領域を提供する。なお、ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、遊技制御装置100の第1入力ポート121には、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲート、入出力インタフェースなどを介して、エラー解除SW61、設定ボタンSW60、スタートレバーSW52、精算ボタンSW58、マックスベットボタンSW57、1ベットボタンSW31a、リール停止ボタンSW53(第1リール(左)停止ボタンSW53a、第2リール(中)停止ボタンSW53b、第3リール(右)停止ボタンSW53c)が接続されている。これらのスイッチから出力された各種信号は、データバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。
また、遊技制御装置100の第2入力ポート122には、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲート、入出力インタフェースなどを介して、打止切替SW35、自動精算切替SW36、段階設定キーSW62、満杯検知センサ82、メダル払出センサ59、リールセンサ54(左リールセンサ54a、中リールセンサ54b、右リールセンサ54c)が接続されている。これらのスイッチやセンサから出力された各種信号は、データバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。また、これらのスイッチやセンサから出力された各種信号は遊技制御装置100に設けられたモニタ用LED180に入力され、各種信号の入力に応じて対応するLEDが点灯するようになっている。なお、リールセンサ54については、左リールセンサ54a、中リールセンサ54b、右リールセンサ54cのそれぞれの入力に対応するLEDが点灯するようになっている。
また、遊技制御装置100の第3入力ポート123には、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲート、入出力インタフェースなどを介して、メダル投入センサ51a、51b、メダル投入不正検出センサ51c、電源遮断信号を生成する電源装置400の制御信号生成部430が接続されている。これらのセンサ等から出力された各種信号は、データバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、各入力ポート121,122,123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が各入力ポートに割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。
また、制御信号生成部430からの電源遮断信号は電源監視回路181にも入力され、電源監視回路181では電源遮断信号の入力に基づき、リセット信号RSTなどの制御信号を生成して遊技用マイコン111に出力する。リセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、各出力ポート131〜139に供給される。また、リセット信号RSTは試射試験装置へ出力するための出力ポート139に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。なお、リセット信号RSTは各入力ポート121,122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に各入力ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
また、遊技制御装置100には、電源装置400の通常電源部410から電力が供給される。通常電源部410は、AC24Vの交流電源から上記DC24V、DC12V、DC5Vの直流電源を生成するコンバータを備え、これらを遊技制御装置100に供給する。また、電源装置400のバックアップ電源部420から遊技用マイコン111の内部のRAM111cに対して停電時に電源電圧が供給され、停電時においてもRAM111cに記憶されたデータが保持されるように構成されている。
ここで、エラー解除SW61は、例えば、鍵穴23に差し込まれた鍵が前面枠2を開放する時とは逆に回動されたことを検出し、この検出に基づき当該スロットマシン1をリセットするためのスイッチである。なお、遊技制御装置100は、エラー解除SW61からの検出信号に基づき、例えば、当該スロットマシン1のエラー状態を解除する。
設定ボタンSW60と段階設定キーSW62は、当該スロットマシン1の段階設定値(いわゆる設定)を切り換えるための設定装置に設けられているものである。設定装置に設けられた鍵穴に段階設定キーを差し込んで回すことで段階設定キーSW62がオンとなって設定変更が可能となり、設定装置に設けられた設定ボタンを操作して設定ボタンSW60をオンとするごとに段階設定値が変更されるようになっている。この設定装置により、例えば、1ゲーム毎の内部抽選における各種入賞(役)の当選確率(内部当選確率)が異なる複数の設定(例えば、設定1〜6)の何れかに設定される。
スタートレバーSW52は、スタートレバー21が操作されたことを検出するためのスイッチである。精算ボタンSW58は、精算ボタン20が操作されたことを検出するためのスイッチである。マックスベットボタンSW57は、マックスベットボタン17が操作されたことを検出するためのスイッチであり、1ベットボタンSW31aは、1ベットボタン31が操作されたことを検出するためのスイッチである。
リール停止ボタンSW53の第1リール(左)停止ボタンSW53a、第2リール(中)停止ボタンSW53b、第3リール(右)停止ボタンSW53cは、それぞれに対応するリール停止ボタン24a,24b,24cが操作されたことを検出するためのスイッチである。打止切替SW35は、特別遊技状態の終了後に遊技を停止する打止モードとするか否かを選択するためのスイッチである。打止モードである場合は特別遊技状態の終了後にエラー解除SW61が操作されなければ遊技が再開できない状態となる。自動精算切替SW36は、特別遊技状態の終了後にクレジットを精算する自動精算を有効とするか否かを選択するためのスイッチである。
満杯検知センサ82は、メダル払出装置のホッパー内のメダルが満杯であることを検出するものである。メダル払出センサ59は、メダル払出装置から払い出されたメダルを検出するものであり、このスイッチからの検出信号を計数することでメダルの払出枚数がカウントされる。リールセンサ54の左リールセンサ54a、中リールセンサ54b、右リールセンサ54cは、それぞれに対応するリール6a,6b,6cの回動位相を検出するためのセンサである。
メダル投入センサ51a、51bは、メダル投入口15から投入されたメダルの通過を検出するものであり、この検出情報に基づいてメダルの投入枚数がカウントされる。また、メダル投入不正検出センサ51cは、メダルを投入したかのように検出させる不正行為を検出するセンサである。メダル投入センサ51a、51bはメダルの流下方向に沿って上流側から並んで配され、メダル投入不正検出センサ51cはメダル投入センサ51aと51bの間に配されている。不正行為がない場合は、メダル投入センサ51aでメダルを検出した後、メダル投入センサ51bで同一のメダルを検出することとなる。また、メダル投入不正検出センサ51cではメダルが流下する瞬間だけ物体の存在を検出する。しかし、メダル投入口15から不正な器具を挿入してメダル投入センサ51a、51bにメダルが通過したかのような検出をさせる不正行為を行う場合は、メダル投入不正検出センサ51cで継続して物体の存在を検出することとなり、これにより不正行為を検出することができる。
また、遊技制御装置100のデータバス140には複数の出力ポートが接続され、当該出力ポートからドライバ等を介してスロットマシンに設けられた各種装置に情報が出力される。遊技用マイコン111は、第1出力ポート131から左リール用モータ64aの動作データ信号を第1ドライバ151に出力し、第1ドライバ151は当該動作データ信号を受けて左リール用モータ64aの駆動信号を生成し、左リール用モータ64aに出力する。また、遊技用マイコン111は、第1出力ポート131から遊技開始表示部18cの表示データ、リール停止ボタン24a,24b,24cの表示データを第2ドライバ152に出力し、第2ドライバ152は当該表示データを受けて遊技開始表示LED67a、リール停止ボタンLED66a,66b,66cの表示信号を生成し、遊技開始表示LED67a、リール停止ボタンLED66a,66b,66cに出力する。
また、遊技用マイコン111は、第2出力ポート132からマックスベットボタン17、ベットライン数表示部(図示略)の表示データを第2ドライバ152に出力し、第2ドライバ152は当該表示データを受けてMAXベットボタンLED17a、ベットライン数表示LED37の表示信号を生成し、MAXベットボタンLED17a、ベットライン数表示LED37に出力する。また、遊技用マイコン111は、第2出力ポート132から中リール用モータ64bの動作データ信号を第3ドライバ153に出力し、第3ドライバ153は当該動作データ信号を受けて中リール用モータ64bの駆動信号を生成し、中リール用モータ64bに出力する。
また、遊技用マイコン111は、第3出力ポート133から右リール用モータ64cの動作データ信号を第4ドライバ154に出力し、第4ドライバ154は当該動作データ信号を受けて右リール用モータ64cの駆動信号を生成し、右リール用モータ64cに出力する。また、遊技用マイコン111は、第3出力ポート133からメダル投入表示部18d、再遊技表示部18aの表示データを第5ドライバ155に出力し、第5ドライバ155は当該表示データを受けてメダル投入表示LED67b、再遊技表示LED67cの表示信号を生成し、メダル投入表示LED67b、再遊技表示LED67cに出力する。
また、遊技用マイコン111は、第4出力ポート134から待機表示部18bの表示データを第6ドライバ156に出力し、第6ドライバ156は当該表示データを受けて待機表示LED67dの表示信号を生成し、待機表示LED67dに出力する。また、遊技用マイコン111は、第4出力ポート134から外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)へ供給する外部情報を第6ドライバ156に出力し、第6ドライバ156は当該外部情報を受けて外部情報信号を生成し、外部信号出力端子170に出力する。
なお、外部信号出力端子170に出力される制御信号としては、例えば、スタートレバー21の操作時に出力される賭数を示す信号(遊技メダル投入信号)、メダルの払い出し時に出力される払い出されたメダル数を示す信号(遊技メダル払出信号)、スーパービッグボーナス状態中であることを示す信号(SBB信号)、ビッグボーナス状態中であることを示す信号(BB信号)、レギュラーボーナス状態中であることを示す信号(RB信号)、リプレイタイム状態中であることを示す信号(RT信号)、前面枠2が開放された時又は設定変更時に出力される信号(セキュリティ信号)等がある。
また、遊技用マイコン111は、第5出力ポート135からメダルの流路を切り替えるメダルセレクタに設けられたセレクタソレノイド68の動作データ信号を第5ドライバ155に出力し、第5ドライバ155は当該動作データ信号を受けてセレクタソレノイド68の駆動信号を生成し、セレクタソレノイド68に出力する。また、遊技用マイコン111は、第5出力ポート135から第1遊技情報表示部33、第1遊技媒体情報表示部32のデジット線のオン/オフ駆動データを第7ドライバ157に出力し、第7ドライバ157は当該駆動データを受けてデジット線のオン/オフ駆動信号を生成し、第1遊技情報表示部33、第1遊技媒体情報表示部32に出力する。
また、遊技用マイコン111は、第6出力ポート136から第1遊技情報表示部33、第1遊技媒体情報表示部32のセグメント線のオン/オフ駆動データを第8ドライバ158に出力し、第8ドライバ158は当該駆動データを受けてセグメント線のオン/オフ駆動信号を生成し、第1遊技情報表示部33、第1遊技媒体情報表示部32に出力する。これにより第1遊技情報表示部33、第1遊技媒体情報表示部32がダイナミック駆動方式で制御されることとなる。また、遊技用マイコン111は、第6出力ポート136からメダル払出装置のメダル払出用モータ63の動作データ信号を第9ドライバ159に出力し、第9ドライバ159は当該動作データ信号を受けてメダル払出用モータ63の駆動信号を生成し、メダル払出用モータ63に出力する。
また、遊技用マイコン111は、第7出力ポート137及び第8出力ポート138から演出制御装置300へパラレル通信でデータを送信する。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。また、シリアル通信で演出制御装置300へデータを送信するようにしても良い。また、遊技制御装置100には、認定機関の試射試験装置500へ遊技に関する信号などを出力する第9出力ポート139が実装可能に構成されている。この第9出力ポート139は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのスロットマシンの遊技制御装置100には実装されない部品である。さらに、遊技用マイコン111は、外部の検査装置600へ各スロットマシンの識別コードやプログラムなどの情報を送信可能となっている。遊技用マイコン111と検査装置600との間ではシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるためポートは設けられていない。
遊技制御装置100は、例えば、CPU111aが所定サイクル時間毎に乱数を更新(例えば、+1)し、スタートレバーSW52による検出タイミングで、その時点の乱数をサンプリングする制御を行い、サンプリングされた乱数を内部抽選用の乱数として内部抽選を行う。また、遊技制御装置100は、内部抽選結果と、リール停止ボタン24a,24b,24cの停止操作タイミングとに基づいて、対応する停止制御テーブルを参照し、リール用モータ64a,64b,64cの動作を制御することにより、図柄表示窓5に所定の図柄が停止表示されるようにリール6a,6b,6cを停止させる。なお、乱数発生器により発生された乱数をサンプリングするようにしても良い。
さらに、遊技制御装置100は、内部当選した入賞(役)に対応する図柄組合せ態様を構成する図柄が、有効ラインに到達する前に停止操作が行われた場合には、リール6a,6b,6cを停止させるタイミングを遅らせて当該図柄が有効ライン上に停止表示されるようにする、いわゆる引き込み停止制御を行う。また、内部当選していない入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成されるタイミングで停止操作が行われた場合に、リール6a,6b,6cを停止させるタイミングを遅らせて、有効ライン上に形成されうる図柄組合せ態様を構成する図柄が有効ラインを通り過ぎるようにする、いわゆる蹴飛ばし停止制御を行う。なお、遊技制御装置100による引き込み停止制御、蹴飛ばし停止制御において、停止タイミングを変化可能とする(遅延させる)時間値は予め定められており、通常(1リールにつき21コマの場合)は停止操作が行われた位置から所定の図柄数(例えば、5コマ)の範囲内で引き込んだり蹴飛ばしたりすることが可能な時間値となっている。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って画像表示装置(液晶表示装置)3への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ4a,4bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグタイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、画像表示装置3の映像と前面枠2に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で画像表示装置3へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して画像表示装置3に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、前面枠2に設けられた上スピーカ4a及び下スピーカ4bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ4a及び下スピーカ4bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信されたコマンドなどの各種情報等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
ここで、遊技制御装置100から供給される遊技に関する情報には、スタートレバー21が操作されてゲームが開始された時点で出力される賭数情報(例えば、賭数に応じたパルス数を出力し、賭数とゲーム数とを伝達する情報)、内部抽選による抽選結果を示す内部当選情報、現在の遊技状態(通常状態、特別遊技状態、ART状態等)を示す遊技状態情報、変動表示中のリール6に対応するリール停止ボタン24が操作されたことを示すリール停止情報等が含まれる。
また、演出制御装置300には、リール6を内側から照らすバックライトを含む回胴装飾装置45を駆動制御する回胴LED制御回路332、前面枠2に設けられているLEDを有する装飾装置46を駆動制御する装飾LED制御回路333、前面枠2に設けられている演出可動体装置47(例えば画像表示装置3における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する演出可動体制御回路334、7セグメントディスプレイからなる第2遊技情報表示部40や第2遊技媒体情報表示部44の表示を制御するセグメントLED制御回路335が設けられている。ランプやLED、モータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠2に設けられた演出ボタン10に内蔵されている演出ボタンSW10a、前面枠2に設けられた演出可動体装置47のモータの初期位置等を検出する演出可動体SW47a、前面枠2の開放状態を検出するドアセンサ65のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ338の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC24V、液晶パネルからなる画像表示装置3、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300にはスロットマシン1の各所を冷却する冷却FAN48が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN48が駆動するようにされている。
ここで、本実施形態のスロットマシン1における遊技の進行について簡単に説明する。スロットマシン1においてゲームを行う場合、遊技者は、まずメダルをメダル投入口15から投入するか1ベットボタン31やマックスベットボタン17を操作して、賭数を入力する(賭入力)。賭入力が行われると、有効ラインが設定され、スタートレバー21の操作が有効な状態、すなわちゲームを開始可能な状態となる。そして、スタートレバー21を操作すると、遊技制御装置100において内部抽選処理がなされて入賞(役)の当選/非当選が決定されるとともに、リール6a,6b,6cの変動が開始される。すなわち、遊技制御装置100が、複数のリール6の変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を実行可能な遊技制御手段をなす。
所定時間経過後、停止操作が有効となったリール停止ボタン24a,24b,24cの操作に基づいてリール6a,6b,6cの回転が停止され、図柄表示窓5に所定の図柄が表示される。そして、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に入賞が成立し、この入賞に対応するメダルが払い出される。以上で一区切りのゲームが終了し、以降、この操作を繰り返すことによってゲームを進行させるようになっている。また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの情報に基づき画像表示装置3に小役入賞の予告表示や、特別入賞の告知表示、演出表示(1ゲームで完結するものや複数ゲームにわたるもの)などを表示する制御を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技制御手段(遊技制御装置100)からの情報に基づき演出を制御する演出制御手段をなす。
図5(a)には、スロットマシン1が備えるリール6a,6b,6cにおける図柄の配列の一例を示した。図5(a)に示すように各リール6には、「黒7」、「白7」、「BAR」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」「リプレイ」、「ブランク」の識別可能な8種類の図柄が所定の順序で配置されている。なお、「黒7」、「白7」、「BAR」以外の図柄については文字にて示したが、実際には対応する図柄で表示されている。
図5(b)には、本実施形態のスロットマシン1における入賞(役)の種類、各入賞に対応する図柄組合せ態様及び入賞内容を示した。本実施形態のスロットマシン1では、特別入賞としてスーパービッグボーナス入賞(SBB入賞)、ビッグボーナス入賞(BB入賞)、レギュラーボーナス入賞(RB入賞)が定められている。各特別入賞の当選フラグ(内部抽選に当選したときにセットされるフラグ)は区別して扱われる。なお、特別入賞に内部当選した場合は、内部当選したゲームで当該特別入賞を成立できなくても、当選フラグは次ゲームに持ち越され、以降のゲームにおいて特別入賞を成立させることができる。
特別入賞の成立に伴うメダルの払い出しは0枚であるが、SBB入賞、BB入賞又はRB入賞が成立した場合は、それぞれに対応した特別遊技状態であるSBB状態、BB状態又はRB状態が発生する。この特別遊技状態では、通常遊技状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となる判定テーブルを使用したゲームが実行され、当該特別遊技状態での払い出し枚数が所定数を超えることや、所定回数のゲームを実行することにより当該特別遊技状態が終了するようになっている。なお、特別遊技状態においては、メダルの総払出数が規定数となるまでJACゲーム(JACイン入賞が成立すると所定の入賞役の内部当選確率が高確率となるゲーム)を繰り返し実行するようにしてもよく、また、JACゲームと小役入賞の内部当選確率が高確率となるゲームとを組み合わせて実行するようにしてもよい。
また、本実施形態のスロットマシン1では、小役入賞としてスイカ入賞、ベル1入賞、ベル2入賞、チェリー入賞、リプレイ入賞、特殊リプレイ1入賞、特殊リプレイ2入賞が定められている。これらの小役入賞のうちリプレイ入賞、特殊リプレイ1入賞、特殊リプレイ2入賞以外の役は、成立することで役に応じた枚数のメダルが払い出される。またリプレイ入賞、特殊リプレイ1入賞、特殊リプレイ2入賞が成立した場合はメダルの払い出しは0枚であるが、改めて賭操作することなくゲームを実行できる再遊技(リプレイゲーム)が付与される。また、スイカ入賞とチェリー入賞にはそれぞれ強弱の2種類があり、それぞれ別の役である。
上記の入賞は、図6(a)に示す有効ライン(中段ライン)に図柄が停止することで成立する。なお、ベル1入賞、ベル2入賞、リプレイ入賞、特殊リプレイ1入賞、特殊リプレイ2入賞には、リール6を所定の停止順序(リール停止ボタン24の操作順(押し順))でなければ成立しない特定役がある。通常遊技状態では左、中、右の停止順序(順押し)で遊技を進行するようにされており、順押し以外の特定役に当選している場合に停止順序が報知されないため、内部抽選の結果が順押しでない特定役の当選である場合はこれを成立させることが困難である。特定遊技状態では停止順序が報知されるため、順押し以外の特定役を成立させることが容易となる。
小役入賞に内部当選した場合は、内部当選したゲームでのみ当該小役入賞を成立させることができる。すなわち、停止操作のタイミングにより、小役入賞の種類によっては図柄配列の関係上5コマの引き込み停止制御を行ったとしても当該小役入賞を成立させることができない場合や、押し順があっていないことによって当該小役入賞を成立させることができない場合がある小役入賞があり、このような小役入賞に内部当選して当該小役入賞を成立させることができなかった場合(いわゆる取りこぼし)、この小役入賞の当選フラグはクリアされ、次ゲームには持ち越されない。また、小役入賞が複合して成立することもあるが、1ゲームでの最大払出枚数は15枚とされている。
本実施形態のスロットマシン1では、同一ゲームにおいて、特別入賞と所定の小役入賞とが重複して内部当選可能となっている。また、特別入賞に内部当選したゲーム以降のゲームであって当選フラグが持ち越されているゲームで小役入賞に当選した場合に、有効ライン上に導出される入賞の優先順位は、リプレイ入賞>リプレイ入賞以外の小役入賞>特別入賞とされている。すなわち、特別入賞の当選フラグが持ち越されていても、小役入賞に内部当選している場合は当該小役入賞の成立が優先され、当該小役入賞が成立するように引き込み停止制御がなされる。
遊技制御装置100における内部抽選により、上記何れかの入賞に内部当選すると、この内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様が所定の有効ライン上に導出可能とされる。一方、何れの入賞にも内部当選しない場合にははずれ(純はずれ)となり、入賞に対応する図柄組合せ態様は有効ライン上に形成されない。
なお、有効化可能ラインを図6(a)に示すように中段ラインのみとしたが、図6(b)に示すように上段、中段、下段、右上がり及び右下がりラインを有効化可能ラインとしても良い。また、図6(c)、(d)に示すように、直線ではないラインを有効化可能ラインとしても良い。また、賭数には無関係に(賭数が1または2であっても)すべてのラインを有効としても良いし、賭数に応じて所定の有効化可能ラインを有効化し、この有効ライン上に形成された図柄組合せ態様に基づいて入賞(役)の成立/不成立を判断するようにしても良い。例えば、図6(c)、(d)の例で、賭数1又は2では点線のラインのみを有効ラインとし、賭数3では点線のライン加え実線のラインを有効ラインとしても良い。
図7には、本実施形態のスロットマシン1における遊技状態を説明するための状態遷移図を示した。本実施形態のスロットマシン1における遊技状態には、大きく分けて通常遊技状態ST10と、特別入賞が成立することにより移行する特別遊技状態ST20と、特定の移行条件が成立することにより移行する特定遊技状態ST30とがある。特定遊技状態ST30は通常遊技状態ST10よりも遊技者にとって有利な状態である。
通常遊技状態ST10には、ART権利の獲得抽選における当選確率(ART権利獲得の確率)が低確率の低確率状態ST11と、低確率状態ST11よりも確率が高い高確率状態ST12とがある。低確率状態ST11で特殊リプレイ入賞1が成立すると高確率状態ST12に移行する。また、高確率状態ST12で所定ゲーム数を消化すると低確率状態ST11に移行する。また、通常遊技状態ST10で、特殊リプレイ2入賞が成立すると、特定遊技状態(ART状態)ST30に移行する。
通常遊技状態ST10で、特別入賞であるSBB入賞、BB入賞又はRB入賞に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立すると、特別遊技状態ST20に移行する。具体的には、SBB入賞に内部当選して対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立するとSBB状態ST21に移行する。SBB状態ST21は遊技者に払い出したメダルの総数が200枚を超えると終了する。BB入賞に内部当選して対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立するとBB状態ST22に移行する。BB状態ST22は遊技者に払い出したメダルの総数が100枚を超えると終了する。RB入賞に内部当選して対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立するとRB状態ST23に移行する。RB状態ST23は遊技者に払い出したメダルの総数が50枚を超えると終了する。
特別遊技状態ST20でそれぞれの終了条件が成立した場合、当該特別遊技状態ST20において移行条件が成立していれば特定遊技状態ST30に移行し、移行条件が成立していなければ通常遊技状態ST10に移行する。移行条件の成立とは、特定遊技状態中に特殊リプレイ2入賞が成立した場合や、特定遊技状態ST30の残りゲーム数がある場合である。
特定遊技状態(ART状態)ST30では、規定ゲーム数の範囲内で通常遊技状態ST10よりもリプレイ入賞(通常リプレイ入賞)の内部当選確率が高確率となる(RT状態)とともに、停止順序を報知することで成立小役の導出がアシストされる(AT状態)。特定遊技状態ST30では、1つのART権利に対して1セット(例えば30ゲーム)の特定遊技状態ST30を実行可能である。また、所定の上乗せ条件が成立することにより特定遊技状態ST30の実行可能ゲーム数が上乗せされる。この特定遊技状態ST30で特別入賞であるSBB入賞、BB入賞又はRB入賞に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立すると、特別遊技状態ST20に移行する。また、特定遊技状態ST30で実行可能ゲーム数を消化すると通常遊技状態ST10に移行する。
なお、RT状態は遊技制御装置100で制御され、AT状態は演出制御装置300で制御されるようになっている。もちろん遊技制御装置100でRT状態とAT状態の両方を制御しても良い。また、特定遊技状態ST30の前後ではRT状態とAT状態の一方のみが設定される状態もあり得るが、この状態も通常遊技状態ST10よりは遊技者にとって有利な状態である。すなわち、遊技制御装置100及び演出制御装置300が、予め定めた移行役の入賞が成立したことに基づき、遊技状態を通常遊技状態と該通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態とに切り替えることが可能な遊技状態切替手段をなす。
次に、第1遊技情報表示部33について説明する。図8(a)に示すように第1遊技情報表示部33は、第1左表示部33a、第1中表示部33b、第1右表示部33cの3つの7セグメントディスプレイで構成され、内部抽選で当選した役の種類や当該役を成立させるためのリール6の停止順序などを報知可能である。なお、以下の説明では図中において網掛けで示す発光部が点灯し、白抜きで示す発光部が消灯しているものとする。なお、第2遊技情報表示部40についても同様の表示を行うようになっており、第2左表示部40aでは第1左表示部33aに対応した表示を実行可能であり、第2中表示部40bでは第1中表示部33bに対応した表示を実行可能であり、第2右表示部40cでは第1右表示部33cに対応した表示を実行可能である。
図8(b)に示すように各表示部は、左右のそれぞれには縦方向に延在するように配された発光部e,f及びb,cが上下に2つ並び、中央には左右の発光部の端部を結ぶように横方向に延在するように配された発光部a,g,dが上中下に3つ配されることで、7つの発光部が8の字型に配されている。なお、発光部hはあってもなくても良い。また、ここでは7つの発光体を8の字型に配した7セグメントディスプレイとしたが、液晶表示装置などの表示装置において7セグメントディスプレイを模して7つの発光部を8の字型に配した表示を行うようにしても良い。
第1左表示部33aは、内部当選した役を成立させるために必要な停止順序を報知するものである。図8(c)に示すように、この第1左表示部33aにおける表示では、左の発光部e,fを左リール6aに対応付け、中央の発光部a,g,dを中リール6bに対応付け、右の発光部b,cを右リール6cに対応付け、一の表示部において停止順序の順に点灯する発光部が上から並ぶように発光させることで停止順序を報知するようにしている。例えば、停止順序が左、中、右の順である場合には、発光部f,g,cを点灯させることで、上から順に点灯している発光部を追うことで停止順序を把握できるようにしている。また、停止順序を報知しない非報知の場合や、停止順序に関係なく役が成立する停止順序なしの場合は、発光部a〜fを点灯させて「0」の表示を行う。また、何らかの異常が発生した場合には、発光部a,d〜fを点灯させて「E」の表示を行う。
第1中表示部33b、第1右表示部33cは、役の種類を報知するものである。第1中表示部33bでは図8(d)に示すように内部当選した役の種類に応じて発光部を点灯させ、第1右表示部33cでは図8(e)に示すように内部当選した役の強弱又はベル1入賞とベル2入賞の区別に応じて発光部を点灯させる。例えば、図8(a)の表示態様では、第1左表示部33aにより停止順序が左中右の順であることが報知され、第1中表示部33bにより役の種類がチェリー入賞であることが報知され、第1右表示部33cにより役の種類が強チェリー入賞であることが報知されている。また、第1中表示部33bや第1右表示部33cの表示では、リール6で図柄として使用している「7」の表示を用いないようにして、遊技者が役の種類を誤って把握することを防止している。ただし、「7」の表示を特別入賞の何れかに内部当選している旨を報知するものとして使用しても良い。以上のように、第1遊技情報表示部33において8の字型に配した7つの発光部の点灯態様により内部抽選で当選した役の種類や当該役を成立させるための所定の停止順序を報知可能である。また、第2遊技情報表示部40でも同様の報知が可能である。
なお、第1左表示部33aにおいて停止順序の報知として最初に停止させる第1停止順序のみを報知する場合は、図9(a)に示すように第1停止順序に対応する発光部を発光させることで報知するようにしても良い。例えば、第1停止順序が左リール6aである場合は発光部e,fを点灯させる。また、特定遊技状態中にはリプレイ入賞とベル入賞が頻発するので、図9(b)に示すように第1左表示部33aにおいて停止順序の報知に加えて発光部hの点灯の有無によりリプレイ入賞とベル入賞を報知するようにしても良い。例えば、停止順序が左、中、右でありリプレイ入賞に内部当選している場合は、発光部c,f,g,hを点灯させる。停止順序が左、中、右でありベル入賞に内部当選している場合は、発光部c,f,gを点灯させる。
このように発光部hを用いて役を報知する場合には、第1中表示部33b及び第1右表示部33cでの表示は行わないようにしても良い。また、リプレイ入賞とベル入賞以外の役に内部当選している場合は発光部hを点滅させるようにしても良い。また、発光部がフルカラーで発光可能であるものとした場合には、発光色により役を報知するようにしても良い。また、リプレイ入賞とベル入賞以外の役に内部当選している場合にのみ第1中表示部33b及び第1右表示部33cでの表示を行うようにしても良い。
また、図9(c)に示すように第1左表示部33aを複数のLEDをマトリクス状に配した表示器で構成しても良い。他の7セグメントディスプレイを用いた表示部についても同様である。また、図9(d)に示すように第1右表示部33cを備えずに、第1左表示部33aと第1中表示部33bのみで役を報知するようにしても良い。この場合、役の強弱については報知しないが、発光部hの点灯の有無により報知するようにしても良い。
また、複数のLEDを任意の形状(円形、直線形、その他の形状)に配置した表示装置や、液晶表示装置などの表示装置において任意の形状(円形、直線形、その他の形状)で複数の発光部を配した表示により停止順序や当選役を報知するようにしても良い。この場合、遊技者が一見して停止順序や当選役を把握できるように表示しても良いし、遊技者が一見して停止順序や当選役を把握困難なように表示しても良い。遊技者が一見して停止順序や当選役を把握困難なように表示するとは、例えば、一の停止順序や当選役に対して複数の発光態様を割り当て、このうちから任意に一つを選択して表示することが挙げられる。さらに、数字やアルファベットの形状ではない発光態様も使用することでより識別が困難となる。また、停止順序と当選役の組み合わせに対して発光態様を割り当てるようにしても良いし、さらに一の組み合わせに対して複数の発光態様を割り当て、このうちから任意に一つを選択して表示するようにしても良い。
また、遊技者が一見して停止順序や当選役を把握困難なように表示する場合に、特定遊技状態のように遊技者に対して停止順序や当選役を認識させたい場合には、画像表示装置3で停止順序や当選役を報知することで実現可能である。また、特定遊技状態のように遊技者に対して停止順序や当選役を認識させたい場合には遊技者が一見して停止順序や当選役を把握できるように表示し、それ以外の場合には遊技者が一見して停止順序や当選役を把握困難なように表示しても良い。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数のリール6と、複数のリール6の変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、複数のリール6を個別に停止表示させるための複数の停止操作部(リール停止ボタン24)と、を備え、複数の停止操作部の操作により停止表示させたゲームの結果が内部抽選で当選した役に対応する停止図柄態様になると、当該役の入賞が成立するスロットマシン1において、遊技制御手段により制御され、内部抽選の結果に関する情報を表示可能な表示手段(第1遊技情報表示部33)を備え、内部抽選で当選する役には、複数のリール6が所定の停止順序で停止することで入賞が成立する特定役を含み、遊技制御手段は、表示手段における複数の発光部の点灯態様により所定の停止順序を報知可能であることとなる。したがって、遊技制御手段により停止順序を報知可能であるので正常な遊技を実行可能となる。また、複数の発光部の点灯態様により停止順序を報知可能であるので、単純な表示により報知を行うことができ、表示手段の構成を単純化できるとともに制御の負担が増大することを防止できる。ここで、表示手段には、7つの発光体を8の字型に配した7セグメントディスプレイの他、液晶表示装置などの表示装置において7セグメントディスプレイを模して7つの発光部を8の字型に配した表示やその他の配置で複数の発光部を配した表示を行うもの、複数のLEDをマトリクス状に配したもの、複数のLEDを任意の形状に配置したものなども含まれる。
また、複数のリール6の数は3であり左右方向に並ぶように配設され、表示手段においては、左右のそれぞれには縦方向に延在するように配された発光部が上下に2つ並び、中央には左右の発光部の端部を結ぶように横方向に延在するように配された発光部が上中下に3つ配されることで、7つの発光部が8の字型に配され、遊技制御手段は、表示手段における左の発光部を左リール6aに対応付け、中央の発光部を中リール6bに対応付け、右の発光部を右リール6cに対応付け、一の表示手段において所定の停止順序の順に点灯する発光部が上から並ぶように発光させることで所定の停止順序を報知するようにしたこととなる。したがって、一つの8の字型に配した7つの発光部の点灯態様のみで停止順序を報知可能となり、表示手段の構成を単純化できるとともに制御の負担が増大することを防止できる。
また、複数の図柄を変動表示可能な複数のリール6と、複数のリール6の変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、複数のリール6を個別に停止表示させるための複数の停止操作部(リール停止ボタン24)と、を備え、複数の停止操作部の操作により停止表示させたゲームの結果が内部抽選で当選した役に対応する停止図柄態様になると、当該役の入賞が成立するスロットマシン1において、停止操作部を含む遊技者が遊技に関する操作を行うための遊技操作手段が配された遊技構成部30と、遊技制御手段により制御されて内部抽選の結果を表示可能であり遊技構成部30に備えられた表示手段(第1遊技情報表示部33)と、を備え、内部抽選で当選する役には、複数のリール6が所定の停止順序で停止することで入賞が成立する特定役を含み、遊技制御手段は、所定の停止順序を表示手段において報知可能であることとなる。したがって、遊技制御手段により停止順序を報知可能であるので正常な遊技を実行可能となる。また、表示手段は、停止操作部を含む遊技者が遊技に関する操作を行うための遊技操作手段が配された遊技構成部30に備えられているので、遊技中に遊技者が表示を確認しやすくなる。
また、表示手段は、遊技構成部30における上方を向いた上面に備えられ、遊技構成部30における上面には、遊技状態を表示する遊技状態表示部18と、遊技媒体の払出数を表示する払出数表示部32bと、が備えられていることとなる。したがって、遊技中に遊技者が遊技に必要な情報と併せて停止順序を確認しやすくなる。
図10、図11には遊技の進行の一例を示した。図10(a)は前回のゲームが終了して今回のゲームを開始する前の状態である。この例では遊技状態が特定遊技状態(ART状態)ST30であり、画像表示装置3では特定遊技状態中の演出が行われている。また、第1遊技情報表示部33や第2遊技情報表示部40は、すべての発光部が消灯して表示を行っていない状態とされ、各リール停止ボタン24a,24b,24cのリール停止ボタンLED66a,66b,66cも全て消灯して停止操作ができないことを示している。
また、この状態ではクレジット数が3以上となっており、図10(b)に示すようにマックスベットボタン17を押下することでクレジットから賭数の上限数(ここでは3枚)が入力される。その後、図10(c)に示すようにスタートレバー21を押下するとゲームが開始される。ゲームの開始に伴い遊技制御装置100では内部抽選が行われるとともに、その結果が演出制御装置300に送信される。また、遊技制御装置100はリール6の回転を開始し、第1遊技情報表示部33で内部抽選に関する情報を表示する。ここでは、内部抽選の結果として、第1左表示部33aで停止順序が中、左、右であることが報知され、第1中表示部33b、第1右表示部33cで役の種類がベル1入賞であることが報知されている。
演出制御装置300は、遊技制御装置100からの情報に基づき第2遊技情報表示部40で内部抽選に関する情報を表示する。ここでは、内部抽選の結果として、第2左表示部40aで停止順序が中、左、右であることが報知され、第2中表示部40b、第2右表示部40cで役の種類がベル1入賞であることが報知されている。すなわち、第1遊技情報表示部33と第2遊技情報表示部40の表示は同期した状態となっている。また、演出制御装置300は、画像表示装置3において停止順序の報知を行う。なお、役の種類の報知も併せて行うようにしても良い。
そして、図10(d)に示すようにリール6が定速回転となり停止操作が可能となると、各リール停止ボタン24a,24b,24cのリール停止ボタンLED66a,66b,66cが点灯して停止操作が可能であることが示される。報知された停止順序に従って遊技者が第1停止操作として中リール停止ボタン24bを操作すると、図11(a)に示すように中リール6bが停止する。このとき遊技制御装置100は、内部当選しているベル1入賞が成立するように有効ライン上にベル図柄が停止するように制御する。また、中リール停止ボタン24bの操作に伴い中リール停止ボタンLED66bが消灯し、画像表示装置3では1番目の停止順序の報知が終了する。
さらに、報知された停止順序に従って遊技者が第2停止操作として左リール停止ボタン24aを操作すると、図11(b)に示すように左リール6aが停止する。このとき遊技制御装置100は、内部当選しているベル1入賞が成立するように有効ライン上にベル図柄が停止するように制御する。伴い左リール停止ボタンLED66aが消灯し、画像表示装置3では2番目の停止順序の報知が終了する。
そして、報知された停止順序に従って遊技者が第3停止操作として右リール停止ボタン24cを操作すると、図11(c)に示すように右リール6cが停止する。このとき遊技制御装置100は、内部当選しているベル1入賞が成立するように有効ライン上にベル図柄が停止するように制御する。これによりベル1入賞が成立し、当該入賞の成立に伴うメダルの払い出し又はクレジット数への加算が行われる。また、右リール停止ボタン24cの操作に伴い右リール停止ボタン24cの右リール停止ボタンLED66cが消灯する。さらに、画像表示装置3では停止順序の報知を終了し、ベル1入賞の成立に伴い、当該入賞の成立に伴う払出枚数の報知が行われる。
入賞に伴う払い出しが終了するとゲームが終了し、図11(d)に示すように第1遊技情報表示部33や第2遊技情報表示部40での表示が終了する。また、画像表示装置3では払出枚数の報知が終了して特定遊技状態中の演出が行われる。なお、入賞が成立しなかった場合は、すべてのリール6が停止した時点でゲームが終了し、図11(d)に示す状態となる。
次に、遊技制御装置100による処理について説明する。
〔メイン処理〕
図12にはメイン処理を示した。このメイン処理はで、スロットマシン1の電源が投入されて遊技制御装置100の電源が投入されることで、CPU111aがROM111bに記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより開始される。
メイン処理では、まず、電源投入時の処理を行うための一時スタックエリアのアドレス(ここでは先頭アドレス)を指定する一時スタックポインタを設定し(ステップS1)、割込みベクタを設定する。(ステップS2)。本実施形態のCPU111aでは割込みモードが2に固定されているので割込みモードの設定をここでは行わないが、CPUによっては割込みモードの設定を行う。
次に、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動し(ステップS3)、RAMアクセスを許可して(ステップS4)、CPUの初期設定を行う(ステップS5)。CPUの初期設定としては、WDTを使用しない設定や、CS(チップセレクト)の属性設定(メモリマップドI/Oで制御を行う)などがある。なお、必要に応じて設定項目は変化する。
続いて、RAM全領域のチェックサムを算出する(ステップS6)。本実施形態のRAM111cは512バイトであり、先頭から1バイトずつXOR(排他的論理和)を取っていく。なお、この時点では一時スタックエリアの値は0であるので無視できる。そして、算出した結果とサムチェック定数が一致するかを判定する(ステップS7)。なお、電源遮断時にRAM111cに記憶されていた情報が維持されていれば算出結果とサムチェック定数が一致するようになっている。
算出した結果とサムチェック定数が一致しない場合(ステップS7;N)は、RAM初期化の先頭アドレス1を設定する(ステップS8)。先頭アドレス1はRAM111cの先頭アドレスである。この場合は電源遮断時にRAM111cに記憶されていた情報と現在の情報とが一致しない場合であるので、RAM初期化の先頭アドレスとしてRAM111cの先頭アドレスを指定し、RAM111cの全領域が初期化されるようにする。
その後、段階設定キーSWがオンであるかを判定する(ステップS9)。段階設定キーSWがオンである場合とは、鍵穴に段階設定キーを差し込んで回した状態であり、段階設定値の変更や確認が可能な状態である。段階設定キーSWがオンである場合(ステップS9;Y)はステップS14に移行する。また、オンでない場合(ステップS9;N)は、チェックサムエラー表示のセグメント出力データを準備し(ステップS10)、復帰不可能エラー処理(ステップS30)に移行する。
ステップS10では、払出数表示部32bの下位桁用セグメント出力データとして、チェックサムエラーが発生したことを示す「1」と表示するためのデータの設定を行う。なお、復帰不可能エラー処理(ステップS30)において払出数表示部32bの上位桁用セグメント出力データとしてエラーの発生を示す「E」と表示するためのデータの設定が行われるようになっている。なお、エラー表示は第1遊技情報表示部33に表示するようにしても良い。
一方、算出した結果とサムチェック定数が一致した場合(ステップS7;Y)、すなわち電源遮断時にRAM111cに記憶されていた情報と現在の情報とが一致する場合は、段階設定値の変更中であるかを判定し(ステップS11)、変更中である場合(ステップS11;Y)は、電源復帰処理に移行する。また、段階設定値の変更中でない場合(ステップS11;N)は、段階設定キーSWがオンであるかを判定し(ステップS12)、オンでない場合(ステップS12;N)は、電源復帰処理に移行する。また、段階設定キーSWがオンである場合(ステップS12;Y)は、RAM初期化の先頭アドレス2を設定する(ステップS13)。先頭アドレス2は段階設定値と図柄抽選用乱数が格納される領域を除く最先のアドレスであり、これらの領域以外の領域が初期化される。
その後、スタックポインタを設定し(ステップS14)、RAMチェック初期化処理を行う(ステップS15)。RAMチェック初期化処理(ステップS15)では、ステップS8又はS13で設定されたアドレス以降の領域について1バイトずつデータを書き込むことと読み出すことを行い、正常に読み書きできた場合には当該領域を0クリアする処理を行う。なお、正常に読み書きができない領域があった場合は復帰不可能エラー処理(ステップS30)に移行する。
次に、段階設定値を変更するための段階設定値変更処理を行い(ステップS16)、RAM初期化の先頭アドレス2を設定し(ステップS17)、RAMチェック初期化処理を行う(ステップS18)。ステップS17、S18の処理は、ステップS13、S15の処理と同じ処理である。
続いて、自動精算と打止モードの設定を行う自動精算打止モード設定処理を行う(ステップS19)。この処理では、打止切替SW35の操作による選択に基づき、特別遊技状態の終了後に遊技を停止する打止モードとするか否かを設定する処理や、自動精算切替SW36の操作による選択に基づき、特別遊技状態の終了後にクレジットを精算する自動精算を有効とするか否かを設定する処理を行う。そして、設定された段階設定値に対応するコマンド番号(段階設定値)を準備し(ステップS20)、コマンド設定処理を行い(ステップS21)、メインループ処理に移行する。これにより設定された段階設定値の情報が演出制御装置300に送信されることとなる。
〔復帰不可能エラー処理〕
図13には上述のメイン処理や後述の各処理等に示した復帰不可能エラー処理(ステップS30)を示した。この復帰不可能エラー処理では、まず、割込みを禁止し(ステップS31)、コマンドポート(第7出力ポート137、第8出力ポート138)と試験信号ポート(第9出力ポート139)を除く全ポートをクリアして(ステップS32)、RAMアクセスを禁止する(ステップS33)。
次に、払出数表示部32bの下位桁用デジット出力データを設定し(ステップS34)、払出数表示部32bの上位桁用デジット出力データを設定して(ステップS35)、払出数表示部32bの上位桁用セグメント出力データ(「E」と表示するデータ)を設定する(ステップS36)。なお、払出数表示部32bの下位桁用セグメント出力データは復帰不可能エラー処理の呼び出し元で発生したエラーに応じたデータが設定される。
そして、デジットオフデータをデジット出力ポート(第5出力ポート135)に出力し(ステップS37)、上位桁用セグメント出力データをセグメント出力ポート(第6出力ポート136)に出力する(ステップS38)。さらに、上位桁用デジット出力データをデジット出力ポートに出力し(ステップS39)、所定時間待機するためのウェイト処理を行う(ステップS40)。
続いて、デジットオフデータをデジット出力ポートに出力し(ステップS41)、下位桁用セグメント出力データをセグメント出力ポートに出力する(ステップS42)。さらに、下位桁用デジット出力データをデジット出力ポートに出力し(ステップS43)、所定時間待機するためのウェイト処理を行い(ステップS44)、ステップS37に戻る。このステップS37〜S44の処理を電源が遮断されるまで継続する。すなわち、エラー表示のみを行い、遊技制御には復帰できない状態となる。
〔電源復帰処理〕
図14にはメイン処理に示した電源復帰処理(ステップS50)を示した。この電源復帰処理では、まず、電源復帰処理中フラグをセットし(ステップS51)、段階設定値が最大設定値(ここでは6)以下であるかを判定する(ステップS52)。段階設定値が最大設定値以下でない場合(ステップS52;N)は、段階設定値範囲外エラーのセグメント出力データ(払出数表示部32bの下位桁用セグメント出力データ)を準備し(ステップS66)、復帰不可能エラー処理(ステップS30)に移行する。また、段階設定値が最大設定値以下である場合(ステップS52;Y)は、自動精算打止モード設定処理(ステップS53)を行う。この処理はステップS19の処理と同じ処理である。
その後、現在の遊技状態に応じたコマンド番号(遊技状態)を準備し(ステップS54)、コマンド設定処理(ステップS55)を行う。これにより現在の遊技状態の情報が演出制御装置300に送信されることとなる。そして、設定された段階設定値に対応するコマンド番号(段階設定値)を準備し(ステップS56)、コマンド設定処理を行う(ステップS57)。これにより設定された段階設定値の情報が演出制御装置300に送信されることとなる。
次に、電源遮断前はエラー発生中であるかを判定する(ステップS58)。ここで言うエラーとは復帰不可能エラー処理に移行するようなエラーではなく、メダルの不足による払出エラーなどの復帰可能なエラーである。電源遮断前はエラー発生中である場合(ステップS58;Y)は、エラーに応じたコマンド番号(エラー発生)を準備し(ステップS59)、コマンド設定処理を行い(ステップS60)、ステップS62に移行する。これによりエラーの情報が演出制御装置300に送信されることとなる。また、電源遮断前はエラー発生中でない場合(ステップS58;N)は、電源遮断前の状態に戻るための復帰処理を行い(ステップS61)、ステップS62に移行する。
その後、RAM111cの未使用エリア及び電源投入時の一時スタックエリアをクリアし(ステップS62)、リール位置検出済みフラグをクリアして(ステップS63)、電源復帰処理中フラグをクリアする(ステップS64)。そして、スタックポインタ退避領域の値をスタックポインタにロードして(ステップS65)、後述するメインループ処理における電源遮断前の処理に戻る。
〔メインループ処理〕
図15にはメイン処理に示したメインループ処理(ステップS80)を示した。このメインループ処理では、まず、SBB状態ST21又はSBB状態ST22の終了時に設定されるBB終了フラグをクリアし(ステップS81)、RB状態ST23の終了時に設定されるRB終了フラグをクリアする(ステップS82)。次に、ベットライン数表示LEDのオフデータを設定する(ステップS83)。
そして、特定遊技状態ST30(ART状態)におけるRT状態の開始設定を行うRTセット処理を行い(ステップS84)、割込みを許可して(ステップS85)、遊技初期処理を行う(ステップS86)。遊技初期処理(ステップS86)では、例えばリプレイ入賞の成立に基づく再遊技の作動開始フラグや特別入賞の成立に伴う特別遊技状態の作動開始フラグをクリアし、遊技状態を演出制御装置300に送信する処理を行う。また、遊技が行われていない状態で所定時間が経過することに伴い所定のLEDを消灯するために当該所定時間を計時する自動消灯タイマに初期値(例えば30秒)をセットする。
次に、メダルの投入の可否に関する処理を行うメダル投入初期処理を行う(ステップS87)。メダル投入初期処理(ステップS87)では、今回のゲームが前回のゲームでリプレイ入賞が成立することに基づき行われる再遊技である場合には自動的に前回の賭数と同じ賭数を設定するとともにメダル投入口15から投入されたメダルが下皿27に返却されるようにセレクタソレノイド68の状態を設定する。また、今回のゲームが再遊技以外である場合は、メダル投入口15から投入されたメダルを受け入れるようにセレクタソレノイド68の状態を設定する。
その後、獲得枚数表示部32cでの表示を設定する表示設定処理(ステップS88)を行い、メダル投入済みフラグをクリアする(ステップS89)。そして、段階設定値の変更が行われた場合に設定装置の表示部に段階設定値を表示する段階設定値表示処理(ステップS90)を行い、自動消灯時間タイマが0(タイムアップ)であればベットライン数表示LEDのオフデータを設定する(ステップS91)。
次に、メダル投入管理処理を行う(ステップS92)。この処理では、メダル投入口15からのメダル投入による賭数の設定やクレジットへの追加、1ベットボタン31やマックスベットボタン17の操作によるクレジットからの賭数の設定、精算ボタン20の操作によるクレジットの精算、満杯検知センサ82からの信号に基づくメダル払出装置の満杯エラーの監視、これらの情報の演出制御装置300への送信などを行う。その後、メダル払出センサ59からの信号に基づきメダル払い出しの異常の監視や、異常の発生や終了を演出制御装置300に送信するメダル払出センサエラー処理を行い(ステップS93)、遊技状態に応じた最大賭数(特別遊技状態以外では3)と現在の賭数とを比較するメダル投入枚数チェック処理を行い(ステップS94)、メダル投入枚数(賭数)が0であるかを判定する(ステップS95)。
そして、メダル投入枚数(賭数)が0である場合(ステップS95;Y)は、ステップS89に戻る。また、メダル投入枚数(賭数)が0でない場合(ステップS95;N)は、メダル投入済みフラグをセットし(ステップS96)、メダル投入枚数が遊技状態に応じた最大値であるかを判定する(ステップS97)。メダル投入枚数が遊技状態に応じた最大値でない場合(ステップS97;N)は、ステップS92に戻る。また、メダル投入枚数が遊技状態に応じた最大値である場合(ステップS97;Y)は、遊技開始表示LEDのオンデータを設定し(ステップS98)、スタートレバーSWがオンになったかを判定する(ステップS99)。
スタートレバーSWがオンになっていない場合(ステップS99;N)は、ステップS92に戻る。また、スタートレバーSWがオンになった場合(ステップS99;Y)は、メダル投入終了処理を行う(ステップS100)。メダル投入終了処理では、メダル投入表示LED67bを消灯し、メダル投入信号出力データをセットし、メダル投入口15から投入されたメダルが下皿27に返却されるようにセレクタソレノイド68の状態を設定する。また、スタートレバーSWがオンになったことを示す情報を演出制御装置300に送信する。
次に、内部抽選を行う役抽選処理を行い(ステップS101)、ボーナス当選時処理を行う(ステップS102)。ボーナス当選時処理では、内部抽選の結果が特別入賞の当選であった場合に、RT状態の実行中であるか否かを示すRT判別用フラグやRTの残りゲーム数などをバックアップしてRTを終了させる処理を行う。これにより、特別遊技状態の終了後に残りのRT状態を実行可能となる。
そして、内部抽選の結果に応じた演出を選択するとともに演出制御装置300に期待演出情報として送信する演出選択処理を行い(ステップS103)、リール6の回転の開始に関する処理などを行うリール回転開始処理を行う(ステップS104)。その後、リール停止ボタンLED1〜3のオフデータを設定し(ステップS105)、内部抽選に用いる役抽選用乱数を更新しながらタイマ割込み処理の実行を待つ割込み待ち処理を行う(ステップS106)。
次に、リール用モータの動作異常を監視し、異常であればモータの再起動を行うリール用モータエラー検出処理を行い(ステップS107)、回っているリール6があるかをリールセンサ54により確認するとともに、リール6が定速回転になったかをチェックするリール定速チェック処理を行う(ステップS108)。その後、リール停止ボタンの受付がOKであるかを判定する(ステップS109)。リール停止ボタンの受付がOKである状態とは、リール用モータの動作異常がなく、リール6が定速回転に達した場合である。リール停止ボタンの受付がOKでない場合(ステップS109;N)は、ステップS105に戻る。また、リール停止ボタンの受付がOKである場合(ステップS109;Y)は、停止ボタンチェック処理を行う(ステップS110)。
停止ボタンチェック処理(ステップS110)では、リール停止ボタン24の操作の検出や、一定時間以上停止操作がなかった場合に自動的にリール6の回転を停止する自動停止の設定を行う。なお、AT状態では自動停止の設定を行わないようにしても良いし、役を成立させるのに必要な停止順序でリール6を停止させるようにしても良い。そして、再度リール停止ボタンの受付がOKであるかを判定し(ステップS111)、リール停止ボタンの受付がOKでない場合(ステップS111;N)は、ステップS105に戻る。また、リール停止ボタンの受付がOKである場合(ステップS111;Y)は、リール停止要求があるかを判定する(ステップS112)。
リール停止要求とは、回転しているリール6に対応するリール停止ボタン24の操作があることや自動停止の設定が行われたことである。リール停止要求がない場合(ステップS112;N)は、ステップS114に移行する。また、リール停止要求がある場合(ステップS112;Y)は、リール6を停止させる図柄制御処理を行い(ステップS113)、全リールが停止したかをチェックする全リール停止処理を行う(ステップS114)。
全リールが停止していない場合(ステップS115;N)は、ステップS106に移行する。また、全リールが停止した場合(ステップS115;Y)は、RT状態で実行可能なゲーム数の管理やRT状態の終了の設定及びRT中フラグのクリア処理などを行うRT回数減算処理を行い(ステップS116)、メダル払出センサ59からの信号に基づきメダル払い出しの異常の監視や異常の発生や終了を演出制御装置300に送信するメダル払出センサエラー処理を行う(ステップS117)。
次に、有効ライン上に停止した図柄組合せ態様と、内部抽選で当選した役を成立させるために必要な図柄組合せ態様である入賞期待図柄と、が一致しているか、すなわち役の入賞が成立したかを判定する処理などを行う入賞判定処理を行う(ステップS118)。この処理では、役の入賞が成立した場合には成立した役の入賞に対応する払い出しの設定、リプレイ入賞の成立に伴う再遊技の設定、成立した役の入賞に応じた遊技状態(通常遊技状態、特別遊技状態、特定遊技状態(遊技制御装置100ではRT状態への移行を設定))の設定、この処理で判定や設定された情報を演出制御装置300に送信する処理なども行う。
そして、成立した役に対応するメダルの払い出し又はクレジットへの加算処理や、これらの情報を演出制御装置300に送信する処理などを行うメダル払出処理を行い(ステップS119)、精算ボタン20が押下された場合にクレジットや入力された賭数に対応するメダルを精算する処理や、自動精算が有効である場合に特別遊技状態の終了に伴いクレジットを精算する処理、精算があったことを演出制御装置300に送信する処理、ゲームが終了したことを演出制御装置300に送信する処理などを行う遊技終了処理を行う(ステップS120)。
その後、未使用エリア及び電源投入時の一時スタックエリアをクリアし(ステップS121)、割込みを禁止して(ステップS122)、スタックエリアをクリアする(ステップS123)。さらに、BB、RB終了フラグの状態に対応する領域をクリアする(ステップS124)。ゲームの終了に伴い情報をクリアする領域には、ゲームの終了に伴い毎回クリアする領域と、SBB状態、BB状態、RB状態など役物連続作動装置が作動する状態の終了時にのみ対応する状態の終了に応じてクリアする領域があり、この処理では、BB、RB終了フラグの状態に応じて必要な領域をクリアする。
そして、SBB状態、BB状態又はRB状態の終了タイミングであるかを判定し(ステップS125)、SBB状態、BB状態又はRB状態の終了タイミングである場合(ステップS125;Y)は、ステップS81に戻る。また、SBB状態、BB状態又はRB状態の終了タイミングでない場合(ステップS125;N)は、ステップS84に戻る。
〔役抽選処理〕
図16にはメインループ処理に示した役抽選処理(ステップS101)を示した。この役抽選処理では、まず、遊技状態に応じた最大賭数(特別遊技状態以外では3)と現在の賭数とを比較するメダル投入枚数チェック処理を行い(ステップS141)、メダル投入枚数が遊技状態に応じた最大投入枚数であるかを判定する(ステップS142)。メダル投入枚数が遊技状態に応じた最大投入枚数でない場合(ステップS142;N)は、抽選時のメダルエラーのセグメント出力データ(払出数表示部32bの下位桁用セグメント出力データ)を準備し(ステップS168)、復帰不可能エラー処理(ステップS30)に移行する。
また、メダル投入枚数が遊技状態に応じた最大投入枚数である場合(ステップS142;Y)は、有効ライン数を算出し(ステップS143)、段階設定値が最大設定値(ここでは6)以下であるかを判定する段階設定値チェック処理を行う(ステップS144)。なお、段階設定値チェック処理(ステップS144)において段階設定値が最大設定値以下ではない場合には、復帰不可能エラー処理に移行する。
次に、遊技状態(通常遊技状態、特別遊技状態、特定遊技状態(遊技制御装置100ではRT状態))に対応する抽選テーブルアドレスを設定し(ステップS145)、役抽選用乱数をロードする(ステップS146)。そして、抽選役数を取得してループカウンタとしてセットし(ステップS147)、段階設定値に対応する抽選データテーブルのアドレスを算出する(ステップS148)。さらに、当否を判定する役の抽選データを取得して(ステップS149)、乱数値から抽選データを減算した値を新たな乱数値とし(ステップS150)、当該乱数値が0未満であるかを判定する(ステップS151)。
当該乱数値が0未満でない場合(ステップS151;N)、すなわち、現在の判定対象の役に当選していない場合は、抽選テーブルアドレスを次の抽選役に対応するアドレスに更新し(ステップS152)、ループカウンタを−1更新して(ステップS153)、ループカウンタの値が0であるかを判定する(ステップS154)。そして、ループカウンタの値が0でない場合(ステップS154;N)は、ステップS148に戻る。また、ループカウンタの値が0である場合(ステップS154;Y)は、当選フラグ1,2としてはずれを設定し(ステップS155)、押し順情報1,2として押し順なし情報を設定して(ステップS156)、ステップS159に移行する。
なお、当選フラグ1は、SBB入賞、BB入賞又はRB入賞以外に内部当選した場合の情報であり、内部当選したゲームで役の入賞が成立しなかった場合には当該内部当選は消滅する。また、当選フラグ2は、SBB入賞、BB入賞又はRB入賞に内部当選した場合の情報であり、内部当選したゲームで役の入賞が成立しなかった場合は次ゲーム以降に当該内部当選が持ち越される。また、押し順情報1は当選フラグ1の役の入賞を成立させるための停止順序の情報であり、押し順情報2は当選フラグ2の役の入賞を成立させるための停止順序の情報である。
一方、当該乱数値が0未満である場合(ステップS151;Y)、すなわち、現在の判定対象の役に当選した場合は、当選役に該当する当選フラグ1,2を取得し(ステップS157)、当選役に該当する押し順情報1,2を取得する(ステップS158)。そして、SBB入賞、BB入賞又はRB入賞に内部当選したが役の入賞が成立しなかった場合に当該入賞の当選を持ち越した状態である持越当選があるかを判定し(ステップS159)、持越当選がない場合(ステップS159;N)は、ステップS162に移行する。また、持越当選がある場合(ステップS159;Y)は、当選フラグ2を当選フラグ2領域の値に差し替え(ステップS160)、押し順情報2を押し順情報2領域の値に差し替える(ステップS161)。
そして、当選フラグ1の値を当選フラグ1領域にセーブするとともに、当選フラグ2の値を当選フラグ2領域にセーブし(ステップS162)、当選フラグ2の値を持越当選中フラグ領域にセーブする(ステップS163)。さらに、押し順情報1の値を押し順情報1領域にセーブするとともに、押し順情報2の値を押し順情報2領域にセーブし(ステップS164)、外部信号出力端子170や試射試験装置500に出力する信号を設定する条件装置信号出力処理を行い(ステップS165)、役抽選処理を終了する。
〔リール回転開始処理〕
図17にはメインループ処理に示したリール回転開始処理(ステップS104)を示した。このリール回転開始処理では、まず、入賞期待図柄設定テーブルを準備し(ステップS171)、有効ライン情報セット処理を行う(ステップS172)。入賞期待図柄とは、内部抽選で当選した役の入賞を成立させるために必要な図柄組合せ態様であり、有効ライン情報セット処理(ステップS172)では、遊技状態に応じて有効ライン毎に揃って良い図柄の情報を設定する。リール6の停止時にはこの情報を参照して停止させる図柄を設定する。
次に、停止優先図柄設定テーブルを準備し(ステップS173)、有効ライン情報設定処理を行う(ステップS174)。特別入賞に当選している場合に特別入賞以外の役に当選している場合は、成立させる入賞の優先順位を設定する必要があり、この優先順位はリプレイ入賞が最も高く、リプレイ入賞以外の小役入賞、特別入賞の順に低くなっている(リプレイ入賞>リプレイ入賞以外の小役入賞>特別入賞)。有効ライン情報設定処理(ステップS174)では、当選している役の種類に応じて有効ライン毎に揃って良い図柄組合せ態様の情報を設定する。リール6の停止時にはこの情報を参照して停止させる図柄を設定する。
次に、タイマ割込み処理の実行を待つ割込み待ち処理を行い(ステップS175)、待機表示LEDのオンデータを設定して(ステップS176)、前ゲームの開始後、次ゲームの開始が可能となるまでの所定の時間(例えば4.1秒)を管理する最小遊技間隔時間タイマが0(タイムアップ)であるかを判定する(ステップS177)。そして、最小遊技間隔時間タイマが0でない場合(ステップS177;N)は、ステップS175に戻る。また、最小遊技間隔時間タイマが0である場合(ステップS177;Y)は、待機表示LEDのオフデータを設定し(ステップS178)、リール回転開始に対応したコマンド番号を準備し(ステップS179)、コマンド設定処理を行う(ステップS180)。これによりリール6の回転開始が演出制御装置300に送信されることとなる。なお、このコマンドにはRT状態で実行可能なゲーム数の情報も含まれている。
その後、当選フラグ1,2の情報や押し順情報1,2の情報に対応したコマンド番号を準備し(ステップS181)、コマンド設定処理を行う(ステップS182)。これにより当選役や押し順の情報(当選役報知コマンド)が演出制御装置300に送信されることとなる。演出制御装置300ではこの情報に基づき第2遊技情報表示部40の表示や演出の設定を行う。次に、リール用モータ64a,64b,64cを起動するリール用モータ起動処理を行い(ステップS183)、全リール用モータの起動が終了したかを判定する(ステップS184)。全リール用モータの起動が終了していない場合(ステップS184;N)は、ステップS183に戻る。また、全リール用モータの起動が終了した場合(ステップS184;Y)は、リール回転中フラグをセットし(ステップS185)、リール回転開始処理を終了する。
〔図柄制御処理〕
図18にはメインループ処理に示した図柄制御処理(ステップS113)を示した。この図柄制御処理では、まず、割込みを禁止し(ステップS201)、停止対象となるリールのモータ制御領域のアドレスを設定する(ステップS202)。次に、押下図柄番号として現図柄番号をロードし(ステップS203)、ステップカウンタは即止め可能範囲内であるかを判定する(ステップS204)。そして、ステップカウンタが即止め可能範囲内である場合(ステップS204;Y)は、ステップS206に移行する。また、ステップカウンタが即止め可能範囲内でない場合(ステップS204;N)は、押下図柄番号を−1更新し(ステップS205)、割込みを許可する(ステップS206)。
各リール6のそれぞれには21個の図柄が配されており、各リール6のそれぞれにおいてリール6の回転方向に沿って順に0〜20の図柄番号が付されている(図5(a)参照)。また、ステップカウンタは各図柄についてその位置をより詳細に定義するものであり、各図柄についてリール6の回転方向に沿って順に0〜21の値が付された領域が均等に割り振られている。そして、図柄表示窓5における中段の最上部の位置を基準位置とし、この基準位置にある図柄及び当該図柄のステップカウンタの値に基づき様々な処理を行うようになっている。なお、中段に図柄が正しく停止している場合、基準位置における当該図柄のステップカウンタの値は0〜3の範囲である。
上記の処理では、ステップS201で割込みを禁止することでステップカウンタの値が変化しないようにし、ステップS203では停止操作又は自動停止によるリール停止要求があった時点で基準位置にある図柄の図柄番号である現図柄番号を押下図柄番号とする。そして、ステップS204では、リール停止要求があった時点で基準位置にある図柄のステップカウンタの値が所定の範囲(ここでは7〜21)である場合は、当該図柄が中段の位置に入ってくる途中の状態であるので当該図柄を中段の位置に停止可能と判定する。すなわち、リール停止要求の時点で中段の位置に存在する図柄を中段の位置に停止する即止めが可能な状態である。よって、この場合はステップS203で設定した通り、現図柄番号を押下図柄番号とする。しかし、リール停止要求があった時点で基準位置にある図柄のステップカウンタの値が所定の範囲でない(ここでは0〜6)である場合は、すでにその図柄が中段の位置に入っており停止処理を行っても停止させることが間に合わない。そこで、ステップS205では押下図柄番号を次に中段の位置に入ってくる図柄に変更するようにしている。
このように押下図柄番号を決定した後、割込みを許可し(ステップS206)、内部当選の結果に対応するように停止させる図柄を決定する処理を行う。停止させる図柄は押下図柄番号から5コマの範囲で設定可能である。すなわち押下図柄番号−5までの範囲内で設定可能である。まず、処理対象のリールと当選役の情報から引き込みコマ数テーブル選択処理を行い(ステップS207)、停止対象となるリールの図柄配置データテーブルを設定する(ステップS208)。さらに、押下図柄番号に対応するデータアドレスを算出し(ステップS209)、停止対象となるリールの有効ライン検索データインデックステーブルを設定する(ステップS210)。
次に、押下図柄番号から5コマ分の範囲において優先的に停止させる図柄の情報である停止優先図柄位置情報を0クリアし(ステップS211)、押下図柄番号から5コマ分の範囲において停止を禁止する図柄の情報である停止禁止図柄位置情報を0クリアする(ステップS212)、そして、停止禁止図柄位置情報を設定する図柄蹴飛ばし処理を行い(ステップS213)、停止優先図柄位置情報を設定する図柄引き込み処理を行う(ステップS214)。
続いて、所定時間に亘り停止操作が行われなかった場合にリール6を自動的に停止させるための図柄自動停止処理を行う(ステップS215)。この処理は自動停止によるリール停止要求があった場合に行われる処理であり、自動停止する場合の押下図柄番号を決定するための処理である。そして、この自動停止時に適切な停止位置があるかを判定し(ステップS216)、適切な停止位置がない場合(ステップS216;N)は、ステップS205に戻る。また、適切な停止位置がある場合(ステップS216;Y)は、ステップS217に移行する。なお、遊技者の停止操作によるリール停止要求の場合は常に適切な停止位置がある(ステップS216;Y)としてステップS217に移行する。
次に、停止位置セット処理を行い(ステップS217)、停止図柄セット処理を行う(ステップS218)。これらの処理では、上述の処理で設定された引き込みコマ数、停止優先図柄位置情報、停止禁止図柄位置情報等に基づき停止する図柄を算出し、対象のモータに対する停止要求(減速)を設定する処理や演出制御装置300にリール6の停止や停止図柄(リール6の停止位置)の情報を送信する処理を行う。
その後、停止対象となるリールの停止フラグをセットし(ステップS219)、停止リール数を+1更新する(ステップS220)。そして、当選フラグ1,2の情報や押し順情報1,2の情報に対応したコマンド番号を準備し(ステップS221)、コマンド設定処理を行い(ステップS222)、図柄制御処理を終了する。これにより停止操作を行った場合にも当選役や押し順の情報(当選役報知コマンド)が演出制御装置300に送信されることとなる。このように停止操作毎に当選役と押し順の情報が演出制御装置300に送信されることで、これ以前にコマンドの取りこぼしがあった場合でも演出制御装置300で当選役や押し順を把握できるようになる。また、この情報に基づいて第2遊技情報表示部40の表示を行うことも可能である。
〔タイマ割込み処理〕
図19にはタイマ割込み処理を示した。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的(例えば1.9msecごと)なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になってタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理では、まず、所定のレジスタに保持されている値をRAM111cに移すレジスタ退避の処理(ステップS241)を行い、スタック領域内の戻りアドレスをチェックしてプログラムエリア外であるかを判定する(ステップS242)。戻りアドレスがプログラムエリア外である場合(ステップS242;Y)は、戻りアドレスエラーのセグメント出力データ(払出数表示部32bの下位桁用セグメント出力データ)を準備し(ステップS263)、復帰不可能エラー処理(ステップS30)に移行する。
戻りアドレスがプログラムエリア外でない場合(ステップS242;N)は、停電の発生を監視し、停電が発生した場合に停電発生時の処理を行う電源遮断処理(ステップS243)を行う。停電発生時の処理としては、例えば、メダルの払い出しの停止、RAM111cの情報のバックアップ、スタックポインタ、チェックサムの記憶等を行った後、RAMアクセスを禁止してスロットマシン1の電源が遮断されるのを待つ。なお、停電が発生していない場合は電源遮断処理(ステップS243)では処理を行わない。
次に、各種センサなどからの入力の取り込み、すなわち各入力ポートの状態を読み込む入力スイッチ状態処理を行う(ステップS244)。この入力スイッチ状態処理(ステップS244)で取り込まれる入力は、メダル投入センサ51a,51b、メダル投入不正検出センサ51c、スタートレバースイッチ52、リール停止ボタンスイッチ53(第1リール(左)停止ボタンスイッチ53a、第2リール(中)停止ボタンスイッチ53b、第3リール(右)停止ボタンスイッチ53c)、リールセンサ54(左リールセンサ54a、中リールセンサ54b、右リールセンサ54c)、マックスベットスイッチ57、1ベットスイッチ31a、精算ボタンスイッチ58、メダル払出センサ59、エラー解除スイッチ61、満杯検知センサ82、打止切替スイッチ35、自動精算切替スイッチ36等や設定装置の段階設定キースイッチ62、設定ボタンスイッチ60等からの入力である。
次に、メダル投入センサ51a,51bやメダル投入不正検出センサ51cからの入力が異常を示す入力であった場合にこれに応じた処理を行ったり、メダル投入エラーコマンドを演出制御装置300に送信したりするセキュリティチェック処理(ステップS245)を行う。
その後、左リール6aの制御として、第1リール制御のワークアドレスを準備して(ステップS246)、リール用モータ制御処理を行う(ステップS247)。次に、中リール6bの制御として、第2リール制御のワークアドレスを準備して(ステップS248)、リール用モータ制御処理を行う(ステップS249)。さらに、右リール6cの制御として、第3リール制御のワークアドレスを準備して(ステップS250)、リール用モータ制御処理を行う(ステップS251)。
そして、割込みカウンタを0〜3の範囲で+1更新し(ステップS252)、更新後の割込みカウンタによるサブルーチンコールを行う(ステップS253)。割込みカウンタの値が「0」の場合は、第1遊技情報表示部33や第1遊技媒体情報表示部32など7セグメントディスプレイで構成された表示部の表示設定を行う7セグメントデータ設定処理を行う(ステップS254)。割込みカウンタの値が「1」の場合は、遊技状態表示部18やベットライン数表示LED37での表示を制御するLED点滅処理(ステップS255)を行う。
割込みカウンタの値が「2」の場合は、満杯検知センサ82からの入力に基づき、メダル払出装置のホッパー内のメダルが満杯であるかを監視する満杯検知センサ監視処理(ステップS256)を行う。次に、メダル払出センサ59からの入力に基づきメダルの払い出しの異常を監視し、異常があった場合は演出制御装置300に払出スイッチエラーコマンドを送信するメダル詰まり監視処理(ステップS257)を行う。さらに、自動停止を行うまでの時間を監視する自動停止監視タイマ、ゲーム間隔を監視する最小遊技間隔時間タイマ、LEDを消灯するまでの時間を監視する自動消灯時間タイマ、各種エラー監視用タイマ、その他遊技用のタイマなどの各種タイマの更新を行うタイマ更新処理(ステップS258)を行う。
割込みカウンタの値が「3」の場合は、ホールコンピュータ等の外部装置に出力する情報を編集する外部情報出力処理(ステップS259)を行う。この処理では、SBB状態である場合に出力されるSBB信号、BB状態である場合に出力されるBB信号、RB状態である場合に出力されるRB信号、メダルの投入があった場合に出力される遊技メダル投入信号、メダルの払い出しがあった場合に出力される遊技メダル払出信号、段階設定キースイッチがオンである場合に出力される段階設定キー信号などの設定が行われる。
割込みカウンタの値に応じた処理を行った後、各種処理でセットされた出力データに基づき、演出制御装置300、第1遊技情報表示部33、第1遊技媒体情報表示部32、遊技状態表示部18、メダル払出装置、リール用モータ64a、64b、64c、外部信号出力端子170、リール停止ボタンLED66a,66b,66c、ベットライン数表示LED37、セレクタソレノイド68、試射試験装置500、検査装置600等に対して制御信号を出力するデータ出力処理を行う(ステップS260)。そして、レジスタを復帰し(ステップS261)、割込みを許可して(ステップS262)、タイマ割込み処理を終了する。
〔7セグメントデータ設定処理〕
図20にはタイマ割込み処理に示した7セグメントデータ設定処理(ステップS254)を示した。この7セグメントデータ設定処理では、まず、第1遊技媒体情報表示部32の第1クレジット数表示部32aでの表示に関する処理として、クレジット数に対応するセグメントデータを設定し(ステップS281)、設定したセグメントデータを第1クレジット数表示部32aのセグメントデータ領域にセーブする(ステップS282)。
次に、第1遊技媒体情報表示部32の第1払出数表示部32bでの表示に関する処理として、空白表示のセグメントデータを設定し(ステップS283)、リール6の回転中であるかを判定する(ステップS284)。リール6の回転中である場合(ステップS284;Y)は、設定したセグメントデータを第1払出数表示部32bのセグメントデータ領域にセーブする(ステップS290)。この場合は空白表示が設定される。
また、リール6の回転中でない場合(ステップS284;N)は、段階設定値の変更中であるかを判定する(ステップS285)。段階設定値の変更中である場合(ステップS285;Y)は、ステップS290に移行する。この場合は空白表示が設定される。また、段階設定値の変更中でない場合(ステップS285;N)は、何らかのエラー発生中であるかを判定する(ステップS286)。
何らかのエラー発生中である場合(ステップS286;Y)は、エラー番号データに対応するセグメントデータを設定し(ステップS289)、ステップS290に移行する。この場合はエラーに対応した表示が設定される。また、何らかのエラー発生中でない場合(ステップS286;N)は、払い出しがある場合に当該払い出しの枚数が設定されるメダル払出枚数カウンタが0であるかを判定する(ステップS287)。
メダル払出枚数カウンタが0である場合(ステップS287;Y)は、ステップS290に移行する。この場合は空白表示が設定される。また、メダル払出枚数カウンタが0でない場合(ステップS287;N)は、メダル払出枚数カウンタに対応するセグメントデータを設定し(ステップS288)、ステップS290に移行する。この場合は、払出枚数の表示が設定される。
次に、第1遊技情報表示部33での表示に関する処理として、空白表示のセグメントデータを設定し(ステップS291)、リール6の回転中であるかを判定する(ステップS292)。リール6の回転中でない場合(ステップS292;N)は、設定したセグメントデータを第1遊技情報表示部33のセグメントデータ領域にセーブする(ステップS301)。この場合は空白表示が設定される。
また、リール6の回転中である場合(ステップS292;Y)は、RT状態(特定遊技状態)中であるかを判定し(ステップS293)、RT状態中である場合(ステップS293;Y)はステップS295に移行する。また、RT状態中でない場合(ステップS293;N)は、押し順が順押し(左中右の順)又は押し順なしであるかを判定する(ステップS294)。押し順が順押し又は押し順なしである場合(ステップS294;Y)は、ステップS295に移行する。また、押し順が順押し又は押し順なしでない場合(ステップS294;N)は、設定したセグメントデータを第1遊技情報表示部33のセグメントデータ領域にセーブする(ステップS301)。この場合は空白表示が設定される。すなわち、RT状態ではない場合には、押し順が順押し又は押し順なしである場合にのみ押し順や当選役を報知するようにしている。
ステップS295では、当選フラグ1は当選なし(はずれ)であるかを判定する(ステップS295)。当選フラグ1は当選なし(はずれ)でない場合(ステップS295;N)は、ステップS297に移行する。また、当選フラグ1は当選なし(はずれ)である場合(ステップS295;Y)は、当選フラグ2は当選なし(はずれ)であるかを判定する(ステップS296)。そして、当選フラグ2は当選なし(はずれ)である場合(ステップS296;Y)は、ステップS297に移行する。また、当選フラグ2は当選なし(はずれ)でない場合(ステップS296;N)は、ステップS299に移行する。当選フラグ1は小役入賞の情報であり、当選フラグ2は特別入賞の情報である。小役入賞と特別入賞とに同時当選した場合は、特別入賞よりも小役入賞の方が優先して成立するように制御されるので、第1遊技情報表示部33での表示もこれに応じた表示とする。
ステップS297では、当選フラグ1の当選役に対応するセグメントデータを設定し(ステップS297)、押し順情報1に対応するセグメントデータを設定し(ステップS298)、ステップS301に移行する。これにより、第1遊技情報表示部33には、小役入賞についての情報が表示される。また、ステップS299では、当選フラグ2の当選役に対応するセグメントデータを設定し(ステップS299)、押し順情報2に対応するセグメントデータを設定し(ステップS300)、ステップS301に移行する。これにより、第1遊技情報表示部33には、特別入賞についての情報が表示される。
なお、RT状態ではない場合には、押し順が順押し又は押し順なしである場合にのみ押し順や当選役を報知するようにし、これ以外の場合には空白表示とするとしたが、空白表示に替えてはずれの報知を行うようにしても良い。また、遊技制御装置100でAT状態の制御を行う場合には、RT状態中であるかの判定に替えてAT状態であるかの判定を行うようにし、AT状態ではない場合には、押し順が順押し又は押し順なしである場合にのみ押し順や当選役を報知するようにする。また、セグメントデータはテーブルから取得しても良いし、プログラムロジックでセットしても良い。
〔メイン処理〕
次に、演出制御装置300による処理について説明する。図21に示すメイン処理は、スロットマシン1の電源が投入されて演出制御装置300の電源が投入されることで、CPU311がPROM321に記憶されている演出制御処理の制御プログラムを読み出して実行することにより開始される。このメイン処理には電源投入時にのみ行われる処理と、繰り返し実行されるループ処理とが含まれている。
まず、電源投入時の処理として、割込みを禁止し(ステップS501)、内蔵RAMを有効に設定して(ステップS502)、CPUの初期設定を行う(ステップS503)。次に、ウォッチドッグタイマをスタートし(ステップS504)、音源LSI314の初期設定を行い(ステップS505)、VDP312の初期設定を行う(ステップS506)。
その後、割込みを許可し(ステップS507)、チェックサム算出処理を行い(ステップS508)、算出したチェックサムがチェックサム領域のバックアップ値と一致するかを判定する(ステップS509)。そして、一致した場合(ステップS509;Y)、すなわち、正しくバックアップされていた場合はステップS511に移行する。また、一致しない場合(ステップS509;N)、すなわち、正しくバックアップされていなかった場合は、バックアップ情報を記憶しているバックアップセクションをクリアして(ステップS510)、ステップS511に移行する。
ステップS511ではランプ制御の領域を初期化し(ステップS511)、ウォッチドッグタイマをクリアして(ステップS512)、フレーム同期処理を行う(ステップS513)。フレーム同期処理では、ゲームの管理に関するフレームの同期処理、音声制御に関するフレームの同期処理、サウンドコードの出力処理、LED制御データの出力処理、乱数の更新処理などを行う。
その後ループ処理として、まず、ウォッチドッグタイマをクリアして(ステップS514)、割込みを許可し(ステップS515)、フレーム同期処理を行って(ステップS516)、ウォッチドッグタイマをクリアする(ステップS517)。次に、演出制御装置300内の各種装置の制御処理を行うゲーム管理メイン処理を行い(ステップS518)、演出態様を設定するランプ&サウンド&画像編集処理を行って(ステップS519)、ステップS514に戻る。
〔ゲーム管理メイン処理〕
図22にはメイン処理に示したゲーム管理メイン処理(ステップS518)を示した。このゲーム管理メイン処理では、まず、演出制御装置300内の各種装置へ送信する制御情報である演出制御コードの配信の遅延(ウェイト時間)を設定し(ステップS531)、前回の演出制御コード設定処理でセーブした演出制御コードを配信し(ステップS522)、演出制御コードを全て配信したかを判定する(ステップS533)。
演出制御コードを全て配信していない場合(ステップS533;N)は、ステップS532に戻る。また、演出制御コードを全て配信した場合(ステップS533;Y)は、遊技制御装置100から受信したコマンドに関する処理を行うコマンド制御処理を行い(ステップS534)、演出制御コードを設定するための演出制御コード設定処理を行う(ステップS535)。その後、AT状態の開始、終了などの制御を行うAT制御処理を行い、ゲーム管理メイン処理を終了する。
演出制御コードには、音源LSI314を制御するためのサウンドコード、I2Cを制御するためのLED制御データの元になるランプコード、VDP312を制御するための画像コードなどがあり、遊技の進行に応じて演出制御コードを設定して演出制御装置300内の各種装置に送信することで制御を行うようになっている。
〔コマンド制御処理〕
図23にはゲーム管理メイン処理に示したコマンド制御処理(ステップS534)を示した。このコマンド制御処理では、まず、解析コマンドとしてコマンドなしをセットし(ステップS551)、解析用読込インデックスと解析用書込インデックスが一致するかを判定する(ステップS552)。そして、一致する場合(ステップS552;Y)は、ステップS556に移行する。この場合は処理対象のコマンドがない場合である。また、一致しない場合(ステップS552;N)は、解析用読込インデックスに対応する解析バッファから受信コマンドをロードし(ステップS553)、ロードした受信コマンドを解析コマンドとする(ステップS554)。
次に、解析用読込インデックスを0〜127の範囲で+1更新し(ステップS555)、解析コマンドを実行コマンドとしてセーブして(ステップS556)、実行コマンドがコマンドなしであるかを判定する(ステップS557)。実行コマンドがコマンドなしである場合(ステップS557;Y)は、コマンド制御処理を終了する。この場合はステップS552の処理で一致しないと判定された場合である。また、実行コマンドがコマンドなしでない場合(ステップS557;N)は、コマンドに対応した処理を行うコマンド実行処理を行い(ステップS558)、ステップS551に戻る。コマンド実行処理においては、遊技制御装置100から送信された情報に基づき、演出制御装置300内の各種装置へ送信する制御情報である演出制御コードを設定する。これにより、遊技制御装置100から送信された情報に基づく各種装置の動作設定が行われることとなる。
〔演出制御コード設定処理〕
図24にはゲーム管理メイン処理に示した演出制御コード設定処理(ステップS535)を示した。この演出制御コード設定処理では、まず、コマンド実行処理(ステップS558)で設定したサウンドコードをバッファにセーブし(ステップS571)、コマンド実行処理(ステップS558)で設定したランプコードをバッファにセーブする(ステップS572)。
次に、コマンド実行処理(ステップS558)で設定した画像コードをバッファにセーブし(ステップS573)、試験用の信号を出力する図示しないインターフェースボード2の出力制御を行い(ステップS574)、演出制御コード設定処理を終了する。
〔コマンド受信割込み処理〕
図25にはコマンド受信割込み処理を示した。このコマンド受信割込み処理では、まず、INT信号がオンであるかを判定し(ステップS601)、オンである場合(ステップS601;Y)は、コマンドを入力して1回目のコマンドとしてセーブし(ステップS602)、所定のウェイト時間(例えば20us)を設定する(ステップS604)。また、オンでない場合(ステップS601;N)は、0000Hを1回目のコマンドとしてセーブし(ステップS603)、所定のウェイト時間(例えば20us)を設定する(ステップS604)。その後、2回目、3回目の受信処理として同様の処理を行い(ステップS605〜S611)、3回の受信の結果が全て同じ値であるかを判定する(ステップS612)。
3回の受信の結果が全て同じ値でない場合(ステップS612;N)は、受信したコマンドを無効なものとしてコマンド受信割込み処理を終了する。また、3回の受信の結果が全て同じ値である場合(ステップS612;Y)は、受信したコマンドの値が0000H以外であるかを判定する(ステップS613)。そして、受信したコマンドの値が0000H以外でない(ステップS613;N)は、受信したコマンドを無効なものとしてコマンド受信割込み処理を終了する。
また、受信したコマンドの値が0000H以外である(ステップS613;Y)は、受信したコマンドを有効なものとして、受信用書込インデックスに対応する受信コマンドバッファアドレスを算出し(ステップS614)、算出後のアドレスにコマンドをセーブする(ステップS615)。その後、受信用書込インデックスを0〜127の範囲で+1更新し(ステップS616)、タイマカウンタ(ハード)の値を乱数シードとして設定して(ステップS617)、コマンド受信割込み処理を終了する。
〔V−Sync割込み処理〕
図26には、第2遊技情報表示部40や第2遊技媒体情報表示部44などの7セグメントディスプレイや画像表示装置3など、V−Syncに合わせて処理する必要のあるものに関する処理を行うV−Sync割込み処理を示した。このV−Sync割込み処理では、まず、フレーム同期カウンタを+1更新し(ステップS631)、フレーム同期カウンタが2以上であるかを判定する(ステップS632)。
フレーム同期カウンタが2以上でない場合(ステップS632;N)は、ステップS635に移行する。また、フレーム同期カウンタが2以上である場合(ステップS632;Y)は、フレーム同期カウンタに0を設定し(ステップS633)、V−Syncフラグをセットして(ステップS634)、ステップS635に移行する。ステップS635では、受信用コマンドバッファの内容を解析用コマンドバッファにコピーするコマンドコピー処理を行い(ステップS635)、V−Syncフラグがセットされているかを判定する(ステップS636)。
V−Syncフラグがセットされていない場合(ステップS636;N)は、画像データ等の編集を行わずにステップS641に移行する。また、V−Syncフラグがセットされている場合(ステップS636;Y)は、7SEGデータ格納処理を行い(ステップS637)、7SEGデータ編集処理を行う(ステップS638)。7SEGデータは、第2遊技情報表示部40や第2遊技媒体情報表示部44などの7セグメントディスプレイでの表示データであり、7SEGデータ編集処理(ステップS638)では表示データを編集し、7SEGデータ格納処理(ステップS637)では、編集された表示データがセグメントLED制御回路335へ出力されるように設定する処理を行う。
次に、画像データ格納処理を行い(ステップS639)、画像データ編集処理を行い(ステップS640)、音量調節SW338からの入力に基づき音量を設定するボリュームスイッチ入力処理を行って(ステップS641)、V−Sync割込み処理を終了する。画像データは、画像表示装置3のような液晶表示装置での表示データであり、画像データ編集処理(ステップS640)では表示データを編集し、画像データ格納処理(ステップS639)では、編集された表示データがVDP312へ出力されるように設定する処理を行う。
〔7SEGデータ編集処理〕
図27にはV−Sync割込み処理に示した7SEGデータ編集処理(ステップS638)を示した。この7SEGデータ編集処理では、まず、第2遊技媒体情報表示部44の第2クレジット数表示部11での表示に関する処理として、遊技制御装置100から送信された情報に基づくクレジット数に対応するセグメントデータを設定し(ステップS661)、設定したセグメントデータを第2クレジット数表示部11のセグメントデータ領域にセーブする(ステップS662)。
次に、第2遊技媒体情報表示部44の第2払出数表示部13での表示に関する処理として、空白表示のセグメントデータを設定し(ステップS663)、リール6の回転中であるかを判定する(ステップS664)。リール6の回転中である場合(ステップS664;Y)は、設定したセグメントデータを第2払出数表示部13のセグメントデータ領域にセーブする(ステップS669)。この場合は空白表示が設定される。
また、リール6の回転中でない場合(ステップS664;N)は、段階設定値の変更中であるかを判定する(ステップS665)。段階設定値の変更中である場合(ステップS665;Y)は、ステップS669に移行する。この場合は空白表示が設定される。また、段階設定値の変更中でない場合(ステップS665;N)は、遊技制御装置100からのメダル払出情報があるかを判定し(ステップS667)、メダル払出情報がない場合(ステップS667;N)は、ステップS669に移行する。この場合は空白表示が設定される。また、メダル払出情報がある場合(ステップS667;Y)は、メダル払出情報に対応するセグメントデータを設定し(ステップS668)、ステップS669に移行する。この場合は、払出枚数の表示が設定される。なお、第2払出数表示部13で第1払出数表示部32bと同様にエラーに関する表示を行うようにしても良い。次に、第2遊技情報表示部40での表示に関する処理を行う第2遊技状態表示部表示データ編集処理を行い(ステップS670)、7SEGデータ編集処理を終了する。
〔第2遊技状態表示部表示データ編集処理〕
図28には7SEGデータ編集処理に示した第2遊技状態表示部表示データ編集処理(ステップS670)を示した。この第2遊技状態表示部表示データ編集処理では、まず、空白表示のセグメントデータを設定し(ステップS671)、リール6の回転中であるかを判定する(ステップS672)。リール6の回転中でない場合(ステップS672;N)は、設定したセグメントデータを第2遊技情報表示部40のセグメントデータ領域にセーブする(ステップS682)。この場合は空白表示が設定される。
また、リール6の回転中である場合(ステップS672;Y)は、今回のゲームについての当選役・押し順コマンドを受信済みであるかを判定し(ステップS673)、受信していない場合(ステップS673;N)は、ステップS682に移行する。この場合は空白表示が設定される。また、受信済みである場合(ステップS673;Y)は、AT状態(特定遊技状態)中であるかを判定し(ステップS674)、AT状態中である場合(ステップS674;Y)はステップS676に移行する。また、AT状態中でない場合(ステップS674;N)は、押し順が順押し(左中右の順)又は押し順なしであるかを判定する(ステップS675)。押し順が順押し又は押し順なしである場合(ステップS675;Y)は、ステップS676に移行する。また、押し順が順押し又は押し順なしでない場合(ステップS675;N)は、ステップS682に移行する。この場合は空白表示が設定される。すなわち、AT状態ではない場合には、押し順が順押し又は押し順なしである場合にのみ押し順や当選役を報知するようにしている。
ステップS676では、遊技制御装置100での当選フラグ1に対応する当選情報1は当選なし(はずれ)であるかを判定する(ステップS676)。当選情報1は当選なし(はずれ)でない場合(ステップS676;N)は、ステップS678に移行する。また、当選情報1は当選なし(はずれ)である場合(ステップS676;Y)は、遊技制御装置100での当選フラグ2に対応する当選情報2は当選なし(はずれ)であるかを判定する(ステップS677)。そして、当選情報2は当選なし(はずれ)である場合(ステップS677;Y)は、ステップS678に移行する。また、当選情報2は当選なし(はずれ)でない場合(ステップS677;N)は、ステップS680に移行する。当選情報1は小役入賞の情報であり、当選情報2は特別入賞の情報である。小役入賞と特別入賞とに同時当選した場合は、特別入賞よりも小役入賞の方が優先して成立するように制御されるので、第2遊技情報表示部40での表示もこれに応じた表示とする。
ステップS678では、当選情報1の当選役に対応するセグメントデータを設定し(ステップS678)、遊技制御装置100での押し順情報1に対応した押し順報知情報1に対応するセグメントデータを設定し(ステップS678)、ステップS682に移行する。これにより、第2遊技情報表示部40には、小役入賞についての情報が表示される。また、ステップS680では、当選情報2の当選役に対応するセグメントデータを設定し(ステップS680)、遊技制御装置100での押し順情報2に対応した押し順報知情報2に対応するセグメントデータを設定し(ステップS681)、ステップS682に移行する。これにより、第2遊技情報表示部40には、特別入賞についての情報が表示される。
次に、第1遊技情報表示部33や第2遊技情報表示部40での表示の開始、終了タイミングについて説明する。図29に示すように第1遊技情報表示部33での表示は、スタートレバー操作(t11)よりも後に開始される。ここでは、スタートレバー操作(t11)があった後に内部抽選が行われてリール6が回転を開始するタイミング(t12)となっている。また、このリール6が回転を開始するタイミング(t12)で演出制御装置300に停止順序や当選役を報知する当選役報知コマンドが送信されるようになっており、演出制御装置300ではこのコマンドの受信に基づき、画像表示装置3や第2遊技情報表示部40での表示を開始する(t13)。
なお、第1遊技情報表示部33では内部抽選の終了後であれば報知を開始可能であり、第2遊技情報表示部40では当選役報知コマンドの受信後であれば報知を開始可能であるので、報知を開始可能となるタイミング以降であればどのタイミングで開始しても良い。ただし、第1遊技情報表示部33や第2遊技情報表示部40での表示の開始は、リール6が定速回転となって停止操作が可能となるタイミング(t14)より前であることが好ましい。
また、第1遊技情報表示部33や第2遊技情報表示部40での表示の終了は、全リール6の停止タイミングとなっている(t15)。全リールの停止により入賞の成立の有無が確定して報知の必要がなくなるタイミングで報知を終了することで、節電することができるとともに7セグメントディスプレイの劣化を防止することができる。
第1遊技情報表示部33や第2遊技情報表示部40での表示の終了タイミングについては、全リール6の停止タイミング以外でも良い。図30に示すように、例えば、入賞の成立に伴うメダルの払い出しがある場合にはメダル払出が終了するタイミング(t27)としても良い。このようにすることで成立した役と払出枚数を確認することができる。また、メダル払出エラーにより一部又は全部の払い出しが完了していない場合にも、残りの払出枚数を確認することが可能となる。なお、入賞が成立しなかった場合や払い出しのない入賞が成立した場合には、全リールの停止タイミング(t26)としても良いし、全リール6の停止タイミングから所定時間後としても良い。
また、終了タイミングを次ゲームの開始操作としても良い。開始操作としては、メダルの投入や1ベットボタン31やマックスベットボタン17の操作タイミング(t21,t28)や、スタートレバー操作のタイミング(t22)が挙げられる。このようにすることで、役の取りこぼしがあった場合に取りこぼした役を確認するための時間を確保することができる。
また、次ゲームの報知が開始されるタイミングを終了タイミングとしても良い。この場合は表示が切り替わるタイミングとも言える。なおこの場合に、ゲームの終了後に次ゲームが開始されずに所定時間が経過した場合には表示を終了するようにしても良い。また、単に切り替えるだけでは遊技者が認識しにくくなる虞があるので、報知の終了と開始の間に空白表示の期間を設けても良い。また、表示が開始された際に点滅表示を行うようにしても良い。
この他、停止操作が可能となったタイミング(t23)、第1停止操作のタイミング(t24)、第2停止操作のタイミング(t25)としても良い。これらのタイミングで終了するようにすれば、遊技者が推測又は停止操作前の記憶に基づき停止操作を行うこととなり、遊技性を向上することができる。なお、停止順序として第1停止操作を行うリール6のみを報知する2択の場合のみ、第1停止操作のタイミング(t24)で終了するようにしても良い。また、停止操作のタイミングによる取りこぼしのない役の場合のみ第2停止操作のタイミング(t25)で終了するようにしても良い。また、停止順序に従わなかった場合にはその時点で報知を終了するようにしても良い。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数のリール6と、複数のリール6の変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、複数のリール6を個別に停止表示させるための複数の停止操作部(リール停止ボタン24)と、を備え、複数の停止操作部の操作により停止表示させたゲームの結果が内部抽選で当選した役に対応する停止図柄態様になると、当該役の入賞が成立するスロットマシン1において、遊技制御手段により制御され、内部抽選の結果に関する情報を表示可能な表示手段(第1遊技情報表示部33)を備え、内部抽選で当選する役には、複数のリールが所定の停止順序で停止することで入賞が成立する特定役を含み、遊技制御手段は、表示手段における複数の発光部の点灯態様により、内部抽選で当選した役と、当該役を成立させるための所定の停止順序と、を報知可能であり、所定の報知終了条件が成立することに基づき表示手段における報知を終了するようにしたこととなる。
したがって、遊技制御手段により内部抽選で当選した役と、当該役を成立させるための所定の停止順序を報知可能であるので正常な遊技を実行可能となる。また、複数の発光部の点灯態様により停止順序を報知可能であるので、単純な表示により報知を行うことができ、表示手段の構成を単純化できるとともに制御の負担が増大することを防止できる。所定の報知終了条件が成立することに基づき前記表示手段における報知を終了するので、必要な期間だけ報知を行うようにすることができる。ここで、表示手段には、7つの発光体を8の字型に配した7セグメントディスプレイの他、液晶表示装置などの表示装置において7セグメントディスプレイを模して7つの発光部を8の字型に配した表示やその他の配置で複数の発光部を配した表示を行うもの、複数のLEDをマトリクス状に配したもの、複数のLEDを任意の形状に配置したものなども含まれる。
また、報知終了条件は、全てのリール6が停止したことであることとなる。したがって、内部抽選で当選した役について入賞の成立の有無が確定したことに基づき報知を終了できる。
また、報知終了条件は、遊技媒体の払い出しがない場合には全てのリール6が停止したことであり、遊技媒体の払い出しがある場合には当該払い出しの終了であることとなる。したがって、内部抽選の結果と払い出しとの対応を確認することができる。
また、報知終了条件は、全てのリール6が停止した後に所定時間が経過したことであることとなる。したがって、全リール6の停止後に内部抽選の結果を確認することができる。
また、報知対象のゲームの次のゲームの開始操作が行われたことに基づき報知終了条件が成立して表示手段における報知を終了し、当該次のゲームについての報知を開始するようにしたこととなる。したがって、報知対象のゲームの次のゲームの開始操作が行われたことに基づき表示手段における報知を終了し、当該次のゲームについての報知を開始するので、ゲームに対応した報知を行うことができる。
図31には当選役報知コマンドの送信タイミングを示した。当選役や押し順の情報である当選役報知コマンドは、まず、スタートレバー操作(t31)があった後に内部抽選が行われてリール6が回転を開始するタイミング(t32)で演出制御装置300に送信される。その後、第1停止操作があった際(t33)、第2停止操作があった際(t34)、第3停止操作があった際(t35)にも送信される。このように停止操作毎に当選役と押し順の情報が演出制御装置300に送信されることで、これ以前に当選役報知コマンドの取りこぼしがあった場合でも演出制御装置300で当選役や押し順を把握できるようになる。よって、例えばリール6の回転開始時に当選役報知コマンドの取りこぼしがあった場合に、その後の当選役報知コマンドの受信タイミングから第2遊技情報表示部40での表示を開始することができる。また、複数回コマンドを受信するようにしたことで、複数回のコマンド内容を比較して演出制御装置300においてコマンドの正当性を判定することができる。
図32には当選役報知コマンドの送信態様の別例を示した。この例では、スタートレバー操作(t41)があった後に内部抽選が行われてリール6が回転を開始するタイミング(t42)で演出制御装置300への当選役報知コマンドの送信が開始され、第1停止操作があるまで(t43)断続的に複数回送信されるようになっている。このようにゲームの開始時に当選役報知コマンドを複数回送信することで、取りこぼしを防止することができる。また、複数回のコマンド内容を比較して演出制御装置300においてコマンドの正当性を判定することができる。
なお、第1停止操作があった際(t43)、第2停止操作があった際(t44)、第3停止操作があった際(t45)にも当選役報知コマンドが送信される。もちろん、リール6が回転を開始するタイミング(t42)から第2停止操作があった際(t44)や第3停止操作があった際(t45)まで当選役報知コマンドを断続的に複数回送信するようにしても良い。すなわち、送信の開始契機から所定時間の経過又は所定回数の送信が完了するまで断続的に当選役報知コマンドを送信するようにしても良い。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数のリール6と、複数のリール6の変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、複数のリール6を個別に停止表示させるための複数の停止操作部(リール停止ボタン24)と、を備え、複数の停止操作部の操作により停止表示させたゲームの結果が内部抽選で当選した役に対応する停止図柄態様になると、当該役の入賞が成立するスロットマシン1において、遊技制御手段は、内部抽選の結果に関する情報を、ゲームの開始時と、停止操作部の操作時に、当該遊技制御手段からの情報に基づき演出を制御する演出制御手段に送信するようにしたこととなる。
したがって、内部抽選の結果に関する情報を、ゲームの開始時と、停止操作部の操作時に、当該遊技制御手段からの情報に基づき演出を制御する演出制御手段に送信するので、演出制御手段に確実に情報を送信することができ、正常な遊技を実行可能となる。
また、内部抽選で当選する役には、複数のリール6が所定の停止順序で停止することで入賞が成立する特定役を含み、遊技制御手段は、内部抽選で当選した役と、当該役を成立させるための所定の停止順序と、の情報を、ゲームの開始時と、停止操作部の操作時に、演出制御手段に送信するようにしたこととなる。したがって、演出制御手段に確実に情報を送信することができ、正常な遊技を実行可能となる。
また、演出制御手段により制御されて情報を表示可能な演出表示装置(第2遊技情報表示部40)を備え、演出制御手段は、遊技制御手段からの情報に基づき、内部抽選の結果に関する情報を演出表示装置での表示により報知可能であることとなる。したがって、遊技者に必要な情報を報知することができる。特に、情報の取りこぼしがあったとしても、その後再度送信される情報に基づき報知が可能である。
〔第1変形例〕
次に、上述した第1実施形態のスロットマシンの第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態のスロットマシン1と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例のスロットマシンは、リール6の回転開始時に受信する当選役報知コマンドを取りこぼした場合に特定の演出を行うようにしている。
図33(a)に示すように、スタートレバー操作(t51)があった後に内部抽選が行われてリール6が回転を開始すると、第1遊技情報表示部33において停止順序及び当選役の表示が開始される。また、リール6の回転開始に伴い演出制御装置300に対して当選役報知コマンドが送信される(t52)が、この例では演出制御装置300がこの当選役報知コマンドを取りこぼしている。
演出制御装置300では、スタートレバー操作があったことを示すコマンドの受信(t51)から所定時間が経過するまで(t53)の受信待機期間に当選役報知コマンドを受信しなかったことに基づき、全リール6が停止するタイミング(t55)までに亘り特定の演出を開始する。この特定の演出は、遊技者に停止順序を当てるように促す停止順序当てゲームであり、図33(b)に示すように画像表示装置3に「押し順を当てろ!」と表示するとともに、停止順序が不明であることを示す「?」の表示を行う。また、第2遊技情報表示部40では、当選役報知コマンドを受信できなかったことを示すエラー表示として「EEE」の表示がなされる。
このように特定の演出として停止順序当てゲームを実行するようにしたことで、当選役報知コマンドを取りこぼした場合であっても演出が不自然にならず遊技の興趣の低下を防止できる。なお、第1遊技情報表示部33では停止順序と当選役の報知が行われるので、遊技者が第1遊技情報表示部33の表示から内部当選した役を成立させることが可能である。よって、停止順序当てゲームに替えて又は併せて第1遊技情報表示部33を参照するように促す演出を行うようにしても良い。また、従来のスロットマシンでは停止順序や当選役の報知は演出制御装置300が制御する表示装置でのみ行っていたため、この表示ができなくなると遊技者が遊技価値(賞メダル)を獲得できない状態となってしまっていたが、このように第1遊技情報表示部33を備えることでこのような問題を解消することができる。
なお、パチンコ遊技機では、遊技を統括的に制御する遊技制御装置が制御する表示部と、遊技制御装置の制御の下で演出の制御を行う演出制御装置が制御する表示部があり、コマンドの取りこぼしなど何らかの原因により両表示部での表示の整合性が取れない状況となった場合には、演出制御装置が制御する表示部で情報の提供を中止するような構成とするだけで問題を回避できる。これは抽選が行われた後は結果の導出に遊技者の操作が影響しないためである。しかし、スロットマシンでは抽選が行われた後の遊技者の操作が結果の導出に影響を与えるものである。従来のスロットマシンのように停止順序や当選役の報知を演出制御装置300が制御する表示装置でのみ行っている場合に、単に演出制御装置300が制御する表示装置での表示を終了するだけでは遊技者にとって不利な結果をもたらしてしまう。すなわち、単純にパチンコ遊技機の技術を従来のスロットマシンに適用するだけでは不十分である。上述したように本願発明のような第1遊技情報表示部33を備えることで初めてこのような問題を解消することができる。
なお、図33(c)に示すように、停止順序を報知する第2左表示部40aでは押し順が不明である「0」の表示を行うようにしても良い。また、当選役報知コマンドが停止順序の情報を含む停止順序コマンドと当選役の情報を含む当選役コマンドとの二つのコマンドからなる場合に、一方のコマンドのみを取りこぼした場合には、受信したコマンドの情報を報知するようにしても良い。例えば、停止順序コマンドのみを取りこぼした場合は、図33(d)に示すように第2左表示部40aの表示を「E」とし、第2中表示部40bや第2右表示部40cでは当選役コマンドの情報に基づく表示を行う。また、当選役コマンドのみを取りこぼした場合は、図33(e)に示すように第2左表示部40aでは停止順序コマンドの情報に基づく表示を行い、第2中表示部40bや第2右表示部40cの表示を「E」とする。
また、スタートレバー操作があったことを示すコマンドの受信(t51)から所定時間が経過するまで(t53)の受信待機期間に当選役報知コマンドを受信しなかったことに基づき特定の演出を実行するとしたが、当選役報知コマンドを受信した後に受信するコマンドを、当選役報知コマンドを受信しないにも関わらず受信した時点で取りこぼしが発生したと判定して特定の演出を行うようにしても良い。例えば、停止操作が可能となった場合(t54)にその旨を示すコマンドが送信される場合には、当選役報知コマンドを受信せずにこのコマンドの受信した場合に取りこぼしが発生したと判定するようにしても良い。
また、受信待機期間に当選役報知コマンドを受信しなかったことに基づき特定の演出として遊技者に停止順序を当てるように促す停止順序当てゲームを開始した場合に、その後の停止操作に基づき送信された当選役報知コマンドを正しく受信した場合は、それまでの停止操作が停止順序に適合していれば停止順序や当選役の報知をその時点から開始するようにしても良い。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数のリール6と、複数のリール6の変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、複数のリール6を個別に停止表示させるための複数の停止操作部(リール停止ボタン24)と、を備え、複数の停止操作部の操作により停止表示させたゲームの結果が内部抽選で当選した役に対応する停止図柄態様になると、当該役の入賞が成立するスロットマシン1において、遊技制御手段からの情報に基づき演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、演出制御手段により制御されて演出を行う演出表示装置(第2遊技情報表示部40)と、を備え、内部抽選で当選する役には、複数のリール6が所定の停止順序で停止することで入賞が成立する特定役を含み、遊技制御手段は、内部抽選で当選した役と、当該役を成立させるための所定の停止順序と、の情報を演出制御手段に送信し、演出制御手段は、遊技制御手段からの情報に基づき、内部抽選で当選した役と、当該役を成立させるための所定の停止順序と、を演出表示装置での表示により報知可能であり、所定の停止順序の情報を受信できなかった場合には、遊技者に停止順序を当てるように促す演出を実行可能であることとなる。
したがって、内部抽選で当選した役と、当該役を成立させるための所定の停止順序と、を演出表示装置での表示により報知可能であるので遊技の興趣を高めることができる。また、所定の停止順序の情報を受信できなかった場合には、遊技者に停止順序を当てるように促す演出を実行可能であるので、演出に不具合が生じることによる興趣の低下を防止できる。
また、遊技制御手段により制御され、内部抽選の結果を表示可能な表示手段(第1遊技情報表示部33)を備え、遊技制御手段は、内部抽選で当選した役と、当該役を成立させるための所定の停止順序と、を表示手段において報知可能であり、演出制御手段は、所定の停止順序の情報を受信できなかった場合には、表示手段の表示を参照するように促す演出を実行可能であることとなる。したがって、所定の停止順序の情報を受信できなかった場合には、表示手段の表示を参照するように促す演出を実行可能であるので、演出に不具合が生じることによる興趣の低下を防止できる。
〔第2変形例〕
次に、上述した第1実施形態のスロットマシンの第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態のスロットマシン1と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例のスロットマシンは、第2遊技情報表示部40の構成が異なる。
図34に示すように本変形例の第2遊技情報表示部40は、図柄表示窓5の上方に配されている。この第2遊技情報表示部40は、駆動源を備える駆動機構部41を備え、当該駆動機構部41は下方に延出する3つの駆動軸42を備えている。この駆動軸42はそれぞれ独立して上下方向に動作可能であり、それぞれの駆動軸42の下部に、第2左表示部40a、第2中表示部40b、第2右表示部40cが取り付けられている。すなわち、第2遊技情報表示部40は、第2左表示部40a、第2中表示部40b、第2右表示部40cがそれぞれ独立して上下に動作可能となっており、演出可動体装置47としての機能も有する。また、第2左表示部40aは左リール6aの上方に位置し、第2中表示部40bは中リール6bの上方に位置し、第2右表示部40cは右リール6cの上方に位置するように配されており、動作により対応するリール6の停止順序を報知することも可能となっている。すなわち、第2遊技情報表示部40が、演出制御手段(演出制御装置300)により制御されて演出を行う演出装置をなす。また、第2遊技情報表示部40が、動作が可能であるとともに情報を表示可能な演出表示装置をなす。
図35には、第2遊技情報表示部40が設けられている部分の右方から見た模式的な断面図を示した。前面パネル9の前側には第2遊技情報表示部40の前側を覆うように透明な部材からなるカバー部材43が設けられている。このカバー部材43の構成として、図35(a)に示すように前面パネル9の全面を覆うようにするとともに、第2遊技情報表示部40よりも下側を覆う部分の前方への突出幅が少なくなるように構成しても良いし、図35(b)に示すように前面パネル9と平行に前面パネル9の全面を覆うようにしても良い。また、図35(c)に示すように第2遊技情報表示部40を覆うのみとしても良い。
図36には、特定遊技状態における演出の一例を示した。本変形例のスロットマシン1は前面パネル9の全面が画像表示装置3となっており画像を表示可能となっている。また、図柄表示窓5の部分はリール6が視認可能となるように透過可能となっているがこの部分にも画像を表示可能である。また、特定遊技状態中は、第2遊技情報表示部40の左側に特定遊技状態で実行したゲーム数を示す実行ゲーム数表示71が表示され、第2遊技情報表示部40の右側に特定遊技状態で実行可能な残りゲーム数を示す残ゲーム数表示72が表示される。ここでは特定遊技状態の開始から130ゲームが実行され、あと15ゲームは特定遊技状態が実行可能であることが示されている。
図36(a)に示すように、ゲームが開始されてリール6が回転している状態では、第1遊技情報表示部33や第2遊技情報表示部40の7セグメントディスプレイにおいて停止順序や当選役が報知される。また、第2遊技情報表示部40は、停止順序に対応して上下位置が設定され、上下位置により停止順序を報知可能となっており、ここでは停止順序が最も早いリール6に対応する表示部が最も低い位置に配され、停止順序に従って順次配設位置が高くなるようにされる。図36の例では停止順序が左中右であるので、左リール6aに対応する第2左表示部40aが最も低い位置にあり、中リール6bに対応する第2中表示部40bが次に低い位置にあり、右リール6cに対応する第2右表示部40cが最も高い位置にある。さらに、画像表示装置3では、各リール6の上方に停止順序を表示するとともに、図36(a)、(b)に示すように、次に停止するべきリール6の上下において強調表示を行う。
そして、図36(c)に示すように遊技者が停止順序に従いリール6を停止させてすべてのリール6が停止して入賞が成立すると、当該入賞に対応する払い出しが行われるとともに第2遊技情報表示部40は初期位置に戻る。その後、図36(d)に示すように払い出しが終了すると、第1遊技情報表示部33や第2遊技情報表示部40での表示が終了する。
図37には、第2遊技情報表示部40での表示の別例を示した。図37(a)に示すように、第2左表示部40aで停止順序なし、第2中表示部40bでリプレイ、第2右表示部40cで強弱なしの情報を報知する場合に、第2左表示部40aと第2右表示部40cでの報知は行わなくても遊技者に不都合はないため、図37(b)に示すように第2中表示部40bでのみ表示を行うようにしても良い。また、図37(c)に示すように第2左表示部40aと第2右表示部40cは駆動機構部41の内部に収容するように上方へ移動させても良い。
また、図37(d)に示すように第2左表示部40aで当選役の報知を行うようにしても良いし、図示しないが第2右表示部40cで当選役の報知を行うようにしても良い。また、停止順序と強弱の報知が必要ない場合にはゲーム毎に各表示部で順番に当選役を報知するようにしても良い。図37(b)や(c)のように必要のない表示部では表示を行わないようにする場合、当選役を表示する第2中表示部40bの使用頻度が高くなるので、適宜第2右表示部40cを使用して当選役の報知を行うようにすることで各表示部の使用頻度を同程度とすることができる。
また、図37(e)に示すように第2左表示部40aで停止順序なし、第2中表示部40bでチェリー、第2右表示部40cで強の情報を報知する場合に、第2左表示部40aでの報知は行わなくても遊技者に不都合はないため、図37(f)に示すように第2中表示部40b、第2右表示部40cでのみ表示を行うようにしても良い。また、図37(g)に示すように第2左表示部40aは駆動機構部41の内部に収容するように上方へ移動させても良い。また、各表示部の使用頻度を同程度とするために図37(h)に示すように、第2左表示部40aで当選役の報知を行うようにしても良い。また、停止順序の報知が必要ない場合にはゲーム毎に2つの表示部を順番に使用して当選役と強弱の別を報知するようにしても良い。
また、駆動機構部41の前面を前後に光が透過可能な材質で構成し、例えば図37(c)のように表示部が駆動機構部41の内部に収容されている状態で収容されている表示部を点灯させることで当該点灯態様を視認可能としても良い。また、駆動機構部41の前面を導光板で構成しても良い。すなわち、前後に光が透過可能であり、かつ、板面に所定の形状(模様や機種名など)に溝が形成されて側端から入射する光が溝を形成した部分で屈折して当該溝を形成した部分が光って見えるように構成しても良い。このようにすることで、導光板に側端から光を入射させない場合は、例えば図37(c)のように駆動機構部41の内部に収容されている表示部を点灯させることで当該点灯態様を視認可能となる。また、導光板に側端から光を入射させた場合は、溝が形成された部分の発光が視認可能となり、駆動機構部41の内部に収容された表示部の光を目立たなくすることができる。よって、導光板の側端に光を入射させるか否かにより、表示部の点灯態様を視認可能な状態と、溝が形成された部分の発光を視認可能な状態とに切り替えることができる。
図38には、特定遊技状態において実行可能なゲーム数を上乗せする上乗せ演出の一例を示した。特定遊技状態で実行可能なゲーム数は所定の上乗せ条件が成立することで上乗せされるようになっている。この上乗せ条件には、チェリー入賞の成立時に上乗せ抽選に当選することが含まれている。
図38(a)に示すようにチェリー入賞が成立した場合には上乗せ演出が開始される。ここでの上乗せ演出は演出ボタン10を連打することで上乗せゲーム数が報知される演出となっており、演出ボタンを連打するように促す表示が行われる。その後、払い出しが終了すると、図38(b)に示すように第1遊技情報表示部33での停止順序や当選役の報知が終了する。また、第2遊技情報表示部40では停止順序や当選役の報知が終了するとともに演出ボタン10の操作に応じた上乗せ演出の表示が開始される。すなわちこの時点で第1遊技情報表示部33と第2遊技情報表示部40での同期した表示が終了する。また、画像表示装置3でも演出ボタン10の操作に応じた上乗せ演出の表示が開始される。
この上乗せ演出では演出ボタン10を連打することにより、第2遊技情報表示部40に表示される上乗せゲーム数が増加するような演出である。なお、上乗せゲーム数は抽選により予め決定されているものである。また、画像表示装置3では演出ボタン10を操作可能な期間の残り時間が示される。そして、図38(c)に示すように演出ボタン10を操作可能な期間が終了した際には、第2遊技情報表示部40において上乗せゲーム数(ここでは135ゲーム)が表示され、図38(d)に示すように第2遊技情報表示部40から画像表示装置3での残ゲーム数表示72に移行する演出が行われて上乗せ演出が終了する。
なお、この上乗せ演出を実行するために、上乗せ条件が成立する可能性がある入賞が成立した場合(例えばチェリー入賞やスイカ入賞などのレア役)には、当該ゲームの終了後にゲームの進行をできない状態とするフリーズ状態とするようにしても良い。また、フリーズ状態とせずに次ゲームの開始を可能とする場合は、メダルの投入や1ベットボタン31やマックスベットボタン17の操作などの賭操作に基づき上乗せ演出を終了する。この場合は画像表示装置3の残ゲーム数表示72の値を上乗せゲーム数の分だけ増加させる。上乗せがあったことを示すために画像表示装置3において上乗せがあったことを示すようにしても良い。また、次ゲームの開始に基づき当該次ゲームにおいて上乗せ演出を行うようにしても良い。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数のリール6と、複数のリール6の変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、複数のリール6を個別に停止表示させるための複数の停止操作部(リール停止ボタン24)と、を備え、複数の停止操作部の操作により停止表示させたゲームの結果が内部抽選で当選した役に対応する停止図柄態様になると、当該役の入賞が成立するスロットマシン1において、遊技制御手段からの情報に基づき演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、演出制御手段により制御されて演出を行う演出装置(第2遊技情報表示部40)と、を備え、演出装置は、動作が可能であるとともに情報を表示可能な演出表示装置(第2遊技情報表示部40)を備え、内部抽選で当選する役には、複数のリール6が所定の停止順序で停止することで入賞が成立する特定役を含み、遊技制御手段は、内部抽選で当選した役と、当該役を成立させるための所定の停止順序と、の情報を演出制御手段に送信し、演出制御手段は、遊技制御手段からの情報に基づき、内部抽選で当選した役と、当該役を成立させるための所定の停止順序と、を演出装置の動作及び演出表示装置での表示により報知可能であることとなる。したがって、内部抽選で当選した役と、当該役を成立させるための所定の停止順序と、を演出装置の動作及び演出表示装置での表示により報知可能であるので遊技の興趣を高めることができる。
また、演出制御手段は、所定期間に亘って所定のゲームを実行する特定遊技状態において、特定役を成立させるための所定の停止順序を報知可能であり、所定の延長条件の成立に基づき特定遊技状態を実行する期間を延長可能であり、当該延長される期間を演出装置において報知可能であることとなる。したがって、特定遊技状態を実行する期間の延長期間を報知可能であるので遊技の興趣を高めることができる。
また、演出制御手段は、延長される期間の報知を行う場合に、内部抽選で当選した役と、当該役を成立させるための前記所定の停止順序と、を報知した後に当該延長される期間を報知するようにしたこととなる。したがって、遊技者にとって必要な順で情報を提供することができる。
図39には、画像表示装置3を用いた演出の一例を示した。図39(a)に示すように特別入賞(SBB入賞、BB入賞、RB入賞)に当選している場合には、第2遊技情報表示部40において当選役の表示として「7」の表示を実行可能である。なお、ここではSBB入賞に内部当選しており、第1遊技情報表示部33においては当選役の表示として「F」の表示が行われる。また、画像表示装置3では特別入賞に当選している旨の報知として「大当り」の表示がなされている。図39(a)では遊技者が有効ライン上に黒7を揃えることができずSBB入賞が成立していない状態である。
このように特別入賞に当選しているが入賞を成立させることができなかった場合には、当該当選を報知する当選報知演出を実行可能である。この当選報知演出が開始されると、図39(b)に示すように第2遊技情報表示部40での停止順序や当選役の報知が終了するとともに発光部をランダムに発光させる状態となる。なお、第1遊技情報表示部33での表示は図39(a)に示すように全リール6が停止した時点で終了している。
当選報知演出では、図39(b)に示すように左リール6aにおける中段の位置で画像表示装置3において黒7の画像を表示し、図39(c)に示すように中リール6bにおける中段の位置で画像表示装置3において黒7の画像を表示する。さらに、図39(d)に示すように右リール6cにおける中段の位置で画像表示装置3において黒7の画像を表示し、第2遊技情報表示部40でSBB入賞の当選であることを示すために「FFF」の表示を行う。この当選報知演出は、メダルの投入や1ベットボタン31、マックスベットボタン17の操作による賭操作を行うことで終了し、画像表示装置3での黒7の表示や第2遊技情報表示部40での「FFF」の表示が終了する。
なお、当選報知演出は、図39(a)に示すように特別入賞の当選が報知されているが入賞を成立させられなかった場合に行うとしたが、特別入賞の当選を示すリーチ目や当選の可能性があることを示すチャンス目が出現した場合にのみ行うようにしても良い。特に、図39(e)や(f)のように遊技者が内部当選した特別入賞とは別の特別入賞の成立を狙って当該別の特別入賞に対応する図柄が有効ライン外で揃うようなリーチ目が出現した場合に、内部当選している特別入賞の種類を報知するために当選報知演出を行うようにしても良い。
図40にも、画像表示装置3を用いた演出の一例を示した。ここでは有効ラインが下段ラインのみとなっている。図40(a)に示すように有効ライン上に黒7が揃いSBB入賞が成立した場合、その後に図40(b)や(c)に示すように、リール6の前側の位置のうち有効ライン(下段ライン)の前側を除く位置に画像を表示しても良い。すなわち、有効ライン上の図柄は視認可能とした状態で、その他の領域において画像を表示して演出を行うようにしても良い。
表示する画像はどのようなものでも良いが、図40(b)に示すように「おめでとう」のような文字情報を表示しても良いし、図40(c)に示すように、リール6の図柄の位置に対応してキャラクタを表示するようにしても良い。また、リール6の前側と周縁部分を跨ぐように画像を表示しても良い。
図41にも画像表示装置3を用いた演出の一例を示した。ここではリール6の他に演出用リール90を備えている。演出用リール90の構成は上述のリール6の構成と同じであるが、演出制御装置300により制御されるようになっており、演出可動体装置47の一つをなすものである。また、第2遊技情報表示部40の左方に配されたリール6の構成は上述のリール6と同様であるが、演出用リール90よりも小径のリールであるため、図5(b)に示した入賞に対応する図柄組合せ態様を表示可能な図柄は配されているが配されている図柄の数は図5(a)に示す図柄数よりは少ない。また、各リール6で一つの図柄のみ視認可能となるようにされており、視認可能な部分に有効ラインが設定されている。
このような構成のスロットマシンではスタートレバー21を操作することで、リール6及び演出用リール90が回転を開始する。そして、左リール停止ボタン24aを操作すると左リール6aと演出用左リール90aが停止し、中リール停止ボタン24bを操作すると中リール6bと演出用中リール90bが停止し、右リール停止ボタン24cを操作すると右リール6cと演出用右リール90cが停止するようになっている。また、入賞の成立の判定はリール6の図柄組合せ態様により判定される。
図41(a)では、リール6においてSBB入賞に対応する図柄組合せ態様が成立し、SBB入賞が成立している。リール6でSBB入賞が成立するように停止操作を行った場合に、演出用リール90でもSBB入賞に対応する図柄組合せ態様が成立するとは限らないため、図41(a)に示すように演出用リール90では入賞が成立していないような図柄組合せ態様で停止する場合がある。そこで、図39において説明したのと同様に、図41(b)〜(d)に示すように画像表示装置3における演出用リール90の中段ラインに対応する部分に、SBB入賞の図柄組合せ態様を表示する演出を行う。
さらに、図41(e)、(f)に示すように演出表示を行っても良く、この場合に図41(e)に示すようにリール6には画像が重ならないように演出表示を行う。また、画像表示装置3におけるリール6の上方から下方へ演出表示を移動させる場合には、図41(f)に示すようにリール6の裏側を演出画像が通過するような表示とし、リール6の視認性を確保するようにする。
図42には、第2遊技情報表示部40での演出の一例を示した。この例では、図42(a)に示すようにスタートレバー21を操作してゲームを開始した場合に一時的に遊技の進行ができない状態であるフリーズ状態が発生し、当該フリーズ状態でリール6が逆方向へ回転する演出が行われている。このフリーズ状態におけるリール6の回転は演出上の回転であってゲームを実行するための回転ではないため、この時点では第1遊技情報表示部33での表示は行われない。また、停止操作ができない状態であるのでリール停止ボタンLEDは点灯しない。
このフリーズ状態での逆方向への回転数は、当該ゲームの結果を示唆するものとなっており、回転数が多いほど特別入賞に内部当選している可能性が高いことを示唆するようになっている。この回転数を遊技者にわかりやすく示すために、第2遊技情報表示部40では逆回転するリール6の回転数を表示するようにしている。第2左表示部40aでは左リール6aの回転数を表示し、第2中表示部40bでは中リール6bの回転数を表示し、第2右表示部40cでは右リール6cの回転数を表示する。図42(a)に示す状態では1回転目であるのでそれぞれ「1」と表示されている。なお、遊技制御装置100から演出制御装置300に対しては各リール6の回転数の情報が送信されるようになっており、この情報に基づき第2遊技情報表示部40での表示を行う。その後、図42(b)に示すように2回転目となると「2」と表示される。
そして、図42(c)に示すようにフリーズ状態が終了してリール6が順方向への回転を開始すると、第1遊技情報表示部33での停止順序と当選役の報知が開始される。また、第2遊技情報表示部40では回転数の表示を終了し、停止順序と当選役の報知が開始される。その後、図42(d)に示すようにリール6が定速回転となり停止操作が可能となると、リール6の停止操作が可能となってリール停止ボタンLEDが点灯する。
また、図43(a)に示すように、フリーズ状態においては一部のリール6のみを逆回転させることも可能である。図43(a)では、左リール6aは回転させず中リール6bと右リール6cのみを逆回転させている。この場合、左リール6aの回転数を表示する第2左表示部40aでは回転が行われないため「0」と表示し、中リール6bの回転数を表示する第2中表示部40bと、右リール6cの回転数を表示する第2右表示部40cでは1回転目であるので「1」と表示する。その後、図43(b)に示すように中リール6bが1回転目で回転を終了し、右リールのみが2回転目となる場合は、第2右表示部40cの表示を「2」とする。
なお、フリーズ状態で順方向にリール6を回転しても良く、順方向への回転数を第2遊技情報表示部40に表示するようにしても良い。また、逆方向の回転数を表示する場合に順方向へ回転した場合には表示する回転数を減算しても良いし加算しても良いし、加減を行わなくても良い。また、順方向の回転数を表示する場合に逆方向へ回転した場合にも同様に表示する回転数を減算しても良いし加算しても良いし、加減を行わなくても良い。また、第1遊技情報表示部33において回転数を表示しても良いし、画像表示装置3で回転数を表示しても良い。
図44、図45には、特別入賞に内部当選していることを報知する当選報知演出の一例を示した。図44(a)に示すように特別入賞に当選している場合には、第2遊技情報表示部40において当選役の表示として「7」の表示が行われる。なお、第1遊技情報表示部33においては当選役の表示としてSBB入賞に当選していることを報知する「F」の表示が行われる。また、画像表示装置3では特別入賞に当選している旨の報知として「大当り確定!!」の表示がなされる。図44(a)では遊技者が有効ライン上に黒7を揃えることができずSBB入賞が成立していない状態である。
このように特別入賞に当選しているが入賞を成立させることができなかった場合に当該当選を報知する当選報知演出として、ここでは全リール6の停止後に一時的に遊技の進行をできない状態とするフリーズ状態を発生させ、当該フリーズ状態において演出を行う。この演出では、まず、図44(b)に示すようにリール6を順方向に回転する。また、演出の開始に伴い第1遊技情報表示部33や第2遊技情報表示部40では停止順序や当選役の報知を終了する。さらに、第2遊技情報表示部40では、特別入賞に内部当選していることを報知する「777」の表示を行う。
その後、図44(c)に示すように左リール6a、中リール6bが中段ラインにBB入賞に対応する白7が停止するように回転を停止する。この時、左リール6aと中リール6bは完全に停止していないことを示すために上下に揺れた状態とする。そして、図44(d)に示すように右リール6cの回転速度を低下させて中段ラインに白7が停止するかのように見せる。
しかし、右リール6cは中段ラインに白7が停止せず、図45(a)に示すように再度全リール6が順方向に回転する。ここではSBB入賞に内部当選しているので、図45(b)に示すように第2遊技情報表示部40の表示がSBB入賞に内部当選していることを報知する「FFF」の表示に変わるとともに、中段ラインに黒7が停止するように各リール6が停止する。この時も完全に停止していないことを示すために上下に揺れた状態とする。その後、図45(c)に示すようにリール6がフリーズ状態の開始前の図柄組合せ態様を表示する状態に戻り、フリーズ状態が終了して当選報知演出が終了する。これにより次ゲームを開始可能な状態となる。
なお、BB入賞に内部当選している場合には、図44(d)に示す状態から右リール6cが中段ラインに白7が揃うように停止して当選報知演出が終了する。また、RB入賞に内部当選している場合には、図44(c)の状態で左リール6a及び中リール6bが中段ラインにBARを停止し、右リール6cが中段ラインにBARが揃うように停止して当選報知演出が終了する。もちろんSBB入賞に当選している場合に、図44(c)の状態で左リール6a及び中リール6bが中段ラインにBARを停止させて、図44(d)の状態で右リール6cが中段ラインにBARを停止するかのような演出を行うようにしても良い。また、図45(d)に示すようにフリーズ状態の残り時間を示す残時間表示91を行うようにしても良い。もちろん図44、図45に示した場合以外でも同様に残時間表示を行うようにしても良い。
図46には、小役入賞の取りこぼしが発生した場合の演出の一例を示した。この例では図46(a)に示すようにスイカ入賞に内部当選しており、第1遊技情報表示部33や第2遊技情報表示部40ではその旨が表示されている。しかし、遊技者がスイカ入賞を成立させることができず取りこぼした状態となっている。
この場合、全リール6の停止後に一時的に遊技の進行をできない状態とするフリーズ状態を発生させ、当該フリーズ状態において演出を行う。この演出では、図46(b)に示すように有効ラインである中段ラインにスイカ図柄が停止していない右リール6cを順方向に回転させる。また、有効ラインである中段ラインにスイカ図柄が停止している左リール6a及び中リール6bがは上下に揺れるように動作させる。
そして、図46(c)に示すように中段ラインにスイカ図柄が揃うように右リール6cを停止させてスイカ入賞を取りこぼしたことを遊技者に示す。その後、リール6がフリーズ状態の開始前の図柄組合せ態様を表示する状態に戻り、フリーズ状態が終了して演出が終了する。これにより次ゲームを開始可能な状態となる。なお、取りこぼしが発生した場合にのみフリーズ状態を発生させても良いし、取りこぼしの有無にかかわらずフリーズ状態を発生させても良い。取りこぼしが発生していない場合にはフリーズ状態において入賞の成立を強調するような演出を行うようにする。
図47には、全リール6の停止後にフリーズ状態を伴う演出が行われる場合の第1遊技情報表示部33及び第2遊技情報表示部40の表示について示した。停止操作が無効となるまで(t61)、すなわち、全リール6が停止するまでは第1遊技情報表示部33と第2遊技情報表示部40は点灯して停止順序と当選役の報知を行う。この時両者に表示される情報は同じ情報であり、表示が同期した状態となっている。
全リール6の停止に伴い(t61)、第1遊技情報表示部33は表示を終了して消灯する。また、第2遊技情報表示部40は、停止順序と当選役の報知を終了するが、フリーズ状態を伴う演出に関する表示を開始する。その後、フリーズ状態を伴う演出が終了すると第2遊技情報表示部40での表示が終了して消灯する(t62)。すなわち、フリーズ状態を伴う演出の実行中は第1遊技情報表示部33と第2遊技情報表示部40の表示内容が同期しない状態となる。
その後、スタートレバー21が操作され(t63)、リール6の回転が開始されると第1遊技情報表示部33で停止順序や当選役の報知が開始される(t64)。また、この時に演出制御装置300に当選役報知コマンドが送信され、第2遊技情報表示部40での停止順序や当選役の報知も開始される。この時両者に表示される情報は同じ情報であり、表示が同期した状態となっている。
なお、以上の第2変形例では、第2遊技情報表示部40が上下に動作するものとしたが、これ以外の動作を行うものとしても良い。例えば、左右方向や斜め方向に移動可能としても良い。また、駆動軸42の延在方向に沿った中心軸を中心として回動可能として、表示部が遊技者から視認可能な表側を向いた状態と遊技者から視認不能な裏側を向いた状態とに変換可能としても良い。また、表示部が前後方向に沿った軸を中心として駆動軸42に対して回動可能とするようにしても良い。また、これら複数の動作を組み合わせるようにしても良い。
また、以上の第2変形例では、第2遊技情報表示部40の動作範囲は図柄表示窓5の上方の範囲内としたが、図柄表示窓5に重なる位置まで下降できるようにしても良い。この場合に各表示部が有効ライン上の図柄に重ならない位置まで下降するようにしても良い。各表示部が有効ライン上の図柄に重ならないようにすることでゲームの進行に影響を与えないようにすることができる。もちろん、図柄表示窓5の下方まで下降できるようにしても良い。この場合に回転しているリール6の有効ライン上の図柄に重ならないように動作を制御するようにしても良い。また、動作可能な第2遊技情報表示部40を下部パネル25の前面に設けるようにしても良い。
〔第3変形例〕
次に、上述した第1実施形態のスロットマシンの第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態のスロットマシン1と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例のスロットマシンは、動作可能な第2演出ボタン95を備える。
図48に示すように、前面パネル9の右側部分の前方に重なるように第2演出ボタン95が配されている。この第2演出ボタン95は、前側から後方へ押圧する操作が可能であり、操作に基づき出力される信号は演出制御装置300に入力されるようになっている。また、第2演出ボタン95は、上下方向に延在するように配された駆動部96に支持軸97を介して接続されており、駆動部96が支持軸97を上下方向に動作することで第2演出ボタン95が前面パネル9の前面に沿って上下方向に移動可能に構成されている。
また、第2演出ボタン95は、中央部分が後方を透視可能な透明部材で構成された透視部95bとされており、後方に位置する前面パネル9を透視可能である。前面パネル9は液晶表示装置で構成されて画像表示装置3としても機能するようにされており、図48に示すように第2演出ボタン95が初期位置にある状態で第2演出ボタン95と前後に重なる部分にクレジット数表示部11が配され、第2演出ボタン95を透して表示が視認可能となっている。
また、本変形例のスロットマシン1では、下部パネル25も液晶表示装置で構成されており、種々の画像を表示可能である。下部パネル25での表示の制御は演出制御装置300で行う。さらに、下部パネル25は、前側から後方へ押圧する操作が可能な第3演出ボタンとしての機能も有する。下部パネル25への押圧操作に基づき出力される信号は演出制御装置300に入力されるようになっている。
図49には、第2演出ボタン95を用いた演出の一例を示した。図49(a)に示すようにゲームが開始されてリール6が回転した後に、図49(b)に示すように画像表示装置3の第2演出ボタン95の動作範囲となる位置にボタン操作を指示する指示表示98aが表示されるとともに第2演出ボタン95が指示表示98aの位置へ向かって移動する。指示表示98aと第2演出ボタン95が前後に重なった際に遊技者が第2演出ボタン95を操作すると、図49(c)に示すように指示表示98aがゲームの結果を示唆する示唆表示98bに変化するようになっている。なお、遊技者が指示表示98aと第2演出ボタン95が前後に重なった状態で第2演出ボタン95の操作を行わなかった場合は、指示表示98aのまま変化しない。
また、指示表示98aの表示態様によってもゲームの結果を示唆することが可能である。例えば図49(d)に示すように指示表示98aを図49(b)に示した通常の態様とは異なる態様(ここでは大きさが大きい)とすることで、特別結果に内部当選している可能性が高いことなど期待度が高いことを示唆可能である。
また、指示表示98aの位置が図49(a)に示す第2演出ボタン95の初期位置から離れるほど期待度が高いことを示唆しても良い。図49(e)に示す例では図49(b)に示した状態よりも指示表示98aの位置が第2演出ボタン95の初期位置よりも離れており、期待度が高いことを示唆している。この場合、図49(f)に示すように示唆表示98bとしても期待度が高いことを示す表示がされる可能性が高い。さらに、示唆表示98bによる期待度の高さの示唆は、文字表示の内容の他に図49(g)に示すように大きさによって示すようにしても良い。図49(c)や(f)では第2演出ボタン95における透視部95bにキャラクタが収まるように表示しているが、図49(g)ではキャラクタを第2演出ボタン95における透視部95bに収まらない大きさとし、期待度が高いことを示唆している。
図50にも第2演出ボタン95を用いた演出の一例を示した。図50(a)に示すようにゲームが開始されてリール6が回転した後に演出が開始され、指示通りに第2演出ボタン95を操作することを指示する指示表示98aがなされる。そして、図50(b)に示すように画像表示装置3の第2演出ボタン95の動作範囲となる位置にボタン操作を指示する指示表示98aが表示されるとともに第2演出ボタン95が指示表示98aの位置へ向かって移動する。この演出では複数回の第2演出ボタン95の操作を要求するものであり、1回目の操作指示であることを示すように指示表示98aでは「1」の表示がなされる。また、示唆表示98bが表示されるとともに、第2演出ボタン95を操作するまでの時間を示す操作タイミング表示98cが表示される。この時点では示唆表示98bには表示される文字の文字数のみを示す状態となる。
図50(c)に示すように指示表示98aと第2演出ボタン95が前後に重なった際に遊技者が第2演出ボタン95を操作すると、指示表示98aが適切な操作タイミングで操作されたことを示す操作結果表示98dに変化する。また、示唆表示98bには1回目の操作が適切な操作タイミングで行われたことに基づき示唆内容の一部が表示される。ここでは示唆内容が「チャンス」であり、その一部の「チャ」の文字が表示されている。さらに、2回目の操作指示である指示表示98aが表示される。この指示表示98aでは2回目であることを示す「2」の表示がなされる。また、操作タイミング表示98cは2回目の操作タイミングまでの表示とされる。
そして、図50(d)に示すように指示表示98aと第2演出ボタン95が前後に重なった際に遊技者が第2演出ボタン95を操作すると、指示表示98aが適切な操作タイミングで操作されたことを示す操作結果表示98dに変化する。また、示唆表示98bには2回目の操作が適切な操作タイミングで行われたことに基づき残りの示唆内容が表示される。なお、第2演出ボタン95が操作されたことに基づき、図50(g)に示すように、示唆内容の一部を表示している状態から図50(e)に示すように別の示唆内容に変更するようにしても良い。
また、図50(f)に示すように適切な操作タイミングになったにもかかわらず第2演出ボタン95の操作を行わなかった場合は、操作結果表示98dでその旨を表示する。また、示唆表示98bは変化しない。その後、図50(g)に示すように2回目の操作タイミングで操作を行った場合には示唆表示98bにおいて2回目の操作に対応する表示のみが行われる。
図51には、画像表示装置3のでの表示領域の区分けを示した。なお、図51は第2演出ボタン95と画像表示装置3の上方から見た模式的な断面図である。第2演出ボタン95は、不透明な部材からなり第2演出ボタン95の外枠をなす非透視部95aと、非透視部95aの内側に位置し透明な部材からなる透視部95bとを有する。演出制御装置300は、画像表示装置3の第2演出ボタン95と前後に重なる表示領域のうち、非透視部95aと前後に重なる第1領域3aと、透視部95bと前後に重なる第2領域3bについてそれぞれ別の画像を表示することが可能となっている。第1領域3aは、遊技者99が第2演出ボタン95を斜めから覗き込まなければ見えない部分であり、この部分に特定の情報を表示することで覗き込んだ遊技者99のみに当該特定の情報を提供することができ、遊技の興趣を向上することができる。
以上のことから、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、ゲームの結果が特別結果となった場合には遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機(スロットマシン1)において、遊技に関する演出を表示可能な演出表示手段(画像表示装置3)と、演出表示手段の前方を移動可能であり、遊技者の操作を受け付ける操作手段(第2演出ボタン95)と、を備え、操作手段は、後方を透視可能な透視部95bを備え、当該透視部95bを介して後方に位置する演出表示手段の表示を視認可能であることとなる。したがって、操作手段は、後方を透視可能な透視部95bを備え、当該透視部95bを介して後方に位置する演出表示手段の表示を視認可能であるので、従来にない斬新な構成となり、遊技の興趣を高めることができる。
また、演出表示手段の表示を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、操作手段は、後方を透視不能な非透視部95aを備え、少なくとも非透視部は演出表示手段との間には所定の空間をおいて配され、演出制御手段は、非透視部と前後に重なる位置に特定の表示を行うようにしたこととなる。したがって、遊技者が覗き込むことで特定の表示を視認することができるようになり、遊技の興趣を向上することができる。
また、図52に示すように、第2演出ボタン95の構成を押下操作するものではなくかざした手を検出可能なセンサを備えるものとしても良い。そして、図52(a)に示すように指示表示98aでは手をかざすことを指示し、図52(b)に示すように適切なタイミングで手をかざした場合に、図52(c)に示すように示唆表示98bを変化させるようにしても良い。また、第2演出ボタン95に接触操作を検出するタッチセンサを備えるようにしても良い。
図53には第2演出ボタン95の配置の変形例を示した。図53(a)に示すように第2演出ボタン95を図柄表示窓5の右側に上下方向に移動可能に設けるのに加えて、第2演出ボタン95を図柄表示窓5の上方に左右方向に移動可能に設けても良い。もちろん第2演出ボタン95を図柄表示窓5の上方に左右方向に移動可能に設けるのみとしても良い。
また、図53(b)に示すように、図53(a)の構成に加えて第2演出ボタン95を図柄表示窓5の左方に上下方向に移動可能に設けても良い。もちろん第2演出ボタン95を図柄表示窓5の左方に上下方向に移動可能に設けるのみとしても良い。また、図53(b)に示すように図柄表示窓5の左方に設けた第2演出ボタン95は、獲得枚数表示部12や払出数表示部13を当該第2演出ボタン95の透視部95bを透して視認可能なように設けても良いし、そうでなくても良い。
また、図53(c)に示すように、図53(b)の構成に加えて第2演出ボタン95を図柄表示窓5の下方に左右方向に移動可能に設けても良い。もちろん第2演出ボタン95を図柄表示窓5の下方に左右方向に移動可能に設けるのみとしても良い。また、図53(c)に示すように図柄表示窓5の下方に設けた第2演出ボタン95は、第2遊技情報表示部40を当該第2演出ボタン95の透視部95bを透して視認可能なように設けても良いし、そうでなくても良い。
また、図53(a)〜(c)のように第2演出ボタン95を配した場合に、第2演出ボタン95が初期位置にある場合には、二つの第2演出ボタン95が前後に重なるように配されるようにしても良い。また、図53(a)〜(c)のように駆動部96を配した場合に、一の駆動部96の範囲内だけでなく隣接する辺に沿った駆動部96へも第2演出ボタン95が移動できるようにしても良い。例えば、図53(a)の場合はL字に配された駆動部96の全範囲に亘って第2演出ボタン95を移動可能とする。また、図53(c)の場合は、図柄表示窓5の周囲を回るように第2演出ボタン95を移動可能とする。
また、図53(d)に示すように、図柄表示窓5の左右に駆動部96を設け、2つの駆動部96の間を渡すように配した支持軸97を上下方向に駆動することで第2演出ボタン95を上下方向に移動可能に設けても良い。この場合、図柄表示窓5の前方にも第2演出ボタン95を移動可能とし、中リール6bの図柄が第2演出ボタン95を透して視認可能となるようにしても良い。さらに、第2演出ボタン95を支持軸97に沿って左右方向に移動可能とし、移動範囲が前面パネル9の全面となるようにしても良い。このようにすれば各表示部の前方や、各リール6の各図柄の前方などに第2演出ボタン95を移動可能となり、多彩な演出が可能となる。この場合、回転しているリール6の前方には移動しないようにしても良い。また、図53(e)、(f)に示すように駆動部96が支持軸97を回動動作するようにしても良い。この際の回動範囲において図53(f)に示すように第2演出ボタン95がクレジット数表示部11などの表示部と重なるようにしても良いし、そうでなくても良い。
また、第2演出ボタン95は、演出制御装置300が演出の進行に合わせて動作するとしたが、遊技者の演出ボタン10の操作に基づき動作するようにしても良い。また、図53(a)〜(d)のように上下左右に動作する第2演出ボタン95がある場合に、遊技者が操作可能な演出ボタン10として十字キーを設け、遊技者の意思により上下左右に第2演出ボタン95を動作できるようにしても良い。
図54には、第2演出ボタン95の構成を押下操作するものではなくかざした手を検出可能なセンサを備えるものとした場合に、第2演出ボタン95を覆うカバー部材94を設ける例を示した。図53(a)に示すように第2演出ボタン95を図柄表示窓5の右側に上下方向に移動可能に設けた場合は、第2演出ボタン95の移動範囲となる前面パネル9の右側部分を覆うようにカバー部材94を設ける。図53(b)に示すように第2演出ボタン95を図柄表示窓5の右側に上下方向に移動可能に設けるとともに、図柄表示窓5の上側に左右方向に移動可能に設けた場合は、第2演出ボタン95の移動範囲となる前面パネル9の右側部分及び上側部分を覆うようにカバー部材94を設ける。
図53(c)に示すように第2演出ボタン95を図柄表示窓5の左右に上下方向に移動可能に設けるとともに、図柄表示窓5の上下に左右方向に移動可能に設けた場合は、図柄表示窓5の前方を除く第2演出ボタン95の移動範囲となる部分を覆うようにカバー部材94を設ける。なお、図柄表示窓5の前方も含めて前面パネル9の全面を覆うようにカバー部材94を設けるようにしても良い。図53(d)に示すように第2演出ボタン95を上下方向に移動可能に設けた場合は、図柄表示窓5の前方も含めて前面パネル9の全面を覆うようにカバー部材94を設ける。
図55には、移動可能な第2演出ボタン95に替えて画像表示装置3をなす前面パネル9をタッチパネル式の液晶表示装置として上述したような演出を行う場合の例を示した。図55(a)に示すようにゲームが開始されてリール6が回転した後に演出が開始され、指示通りに画像表示装置3に触れる操作を行うように指示する指示表示98aがなされる。そして、図55(b)に示すように画像表示装置3に指示表示98aが表示される。この演出では複数回の接触操作を要求するものであり、1回目の操作指示であることを示すように指示表示98aでは「1」の表示がなされる。また、示唆表示98bが表示されるとともに、1回目の接触操作を実行可能な時間を示す操作タイミング表示98cが表示される。この時点では示唆表示98bには表示される文字の文字数のみを示す状態となる。
遊技者が指示表示98aに触れる接触操作を行うと、図55(c)に示すように指示表示98aが接触操作を行ったことを示す操作結果表示98dに変化する。また、示唆表示98bには1回目の接触操作が行われたことに基づき示唆内容の一部が表示される。ここでは示唆内容が「チャンス」であり、その一部の「チャ」の文字が表示されている。さらに、2回目の操作指示である指示表示98aが表示される。この指示表示98aでは2回目であることを示す「2」の表示がなされる。また、操作タイミング表示98cは2回目の接触操作が可能な時間の表示とされる。そして、遊技者が指示表示98aに触れる接触操作を行うと、図55(c)に示すように指示表示98aが接触操作を行ったことを示す操作結果表示98dに変化する。また、示唆表示98bには2回目の接触操作が行われたことに基づき残りの示唆内容が表示される。
なお、図55(e)に示すように、示唆表示98bに接触操作を行う順番を示すように指示表示98aを行うようにしても良い。そして、遊技者が順番に従い指示表示98aに触れる接触操作を行うと、図55(f)に示すように触れた部分の指示表示98aが示唆の内容を示す状態に変化するようにしても良い。また、図55(g)、(h)に示すように示唆表示98bを図柄表示窓5の右側に表示しても良い。
図56には、液晶表示装置を備える下部パネル25での演出の一例を示した。図56(a)に示すように、下部パネル25において第1遊技情報表示部33や第2遊技情報表示部40での表示と同じ表示を行うようにしても良い。また、第2遊技情報表示部40を画像表示装置3の表示で構成するようにし、所定のタイミングで図56(b)に示すように下部パネル25の表示を参照するように促す表示を行うとともに、下部パネル25で停止順序や当選役の報知を開始するようにしても良い。また、図56(c)に示すように、下部パネル25において第1遊技情報表示部33や第2遊技情報表示部40での表示内容をわかりやすく説明する表示を行うようにしても良い。
以上のことから、複数の図柄を変動表示可能な複数のリール6と、複数のリール6の変動表示を伴うゲームの実行毎に役の内部抽選を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、複数のリール6を個別に停止表示させるための複数の停止操作部(リール停止ボタン24)と、を備え、複数の停止操作部の操作により停止表示させたゲームの結果が内部抽選で当選した役に対応する停止図柄態様になると、当該役の入賞が成立するスロットマシン1において、遊技制御手段からの情報に基づき演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、停止操作部よりも下方に配され、演出制御手段により制御されて情報を表示可能な演出表示装置(下部パネル25)と、遊技制御手段により制御され、内部抽選の結果に関する情報を表示可能な表示手段(第1遊技情報表示部33)と、を備え、遊技制御手段は、内部抽選の結果に関する情報を表示手段に表示するとともに、当該情報を演出制御手段に送信し、演出制御手段は、遊技制御手段からの情報に基づき、内部抽選の結果に関する情報を演出表示装置に表示可能であることとなる。したがって、遊技制御手段により内部抽選の結果に関する情報を報知可能であるので正常な遊技を実行可能となる。また、停止操作部よりも下方に配され、演出制御手段により制御されて情報を表示可能な演出表示装置に内部抽選の結果に関する情報を表示可能であるので、従来にない報知が可能となり遊技の興趣を向上することができる。
また、内部抽選で当選する役には、複数のリール6が所定の停止順序で停止することで入賞が成立する特定役を含み、遊技制御手段は、内部抽選で当選した役と、当該役を成立させるための所定の停止順序と、の情報を表示手段に表示するとともに、当該情報を演出制御手段に送信し、演出制御手段は、遊技制御手段からの情報に基づき、内部抽選で当選した役と、当該役を成立させるための所定の停止順序と、の情報を演出表示装置に表示することとなる。したがって、演出制御手段により制御されて情報を表示可能な演出表示装置に、内部抽選で当選した役と、当該役を成立させるための所定の停止順序と、の情報を表示可能であるので、従来にない報知が可能となり遊技の興趣を向上することができる。
図57には特定遊技状態において実行可能なゲーム数が増加する上乗せがあった場合における下部パネル25での演出の一例を示した。なお、ここでは、図38で説明したような上乗せ演出が行われる場合の演出の例を示した。図57(a)に示すように第2遊技情報表示部40における上乗せゲーム数の報知と同期して下部パネル25でも上乗せゲーム数を報知するようにしても良い。また、所定のタイミングで図57(b)に示すように第2遊技情報表示部40において下部パネル25の表示を参照するように促す表示を行うとともに、下部パネル25で停止順序や当選役の報知を開始するようにしても良い。また、図57(c)に示すように、下部パネル25において第2遊技情報表示部40での表示内容をわかりやすく説明する表示を行うようにしても良い。
なお、特定遊技状態では、当該特定遊技状態で実行したゲーム数を示す実行ゲーム数表示71や、当該特定遊技状態で実行可能な残りゲーム数を示す残ゲーム数表示72、上乗せされるゲーム数を示す上乗せゲーム数表示73の表示について、図57(a)に示すように画像表示装置3で行うようにしても良いし、図57(b)に示すように一部を下部パネル25において表示するようにしても良いし、全部を下部パネル25において表示するようにしても良い。
図58にも液晶表示装置を備える下部パネル25での演出の一例を示した。なお、ここでは、図50で説明したような演出が行われる場合の演出の例を示した。図58(a)に示すようにゲームが開始されてリール6が回転した後に演出が開始され、指示通りに第2演出ボタン95を操作することを指示する指示表示98aがなされる。
そして、図58(b)に示すように画像表示装置3の第2演出ボタン95の動作範囲となる位置にボタン操作を指示する指示表示98aが表示されるとともに第2演出ボタン95が指示表示98aの位置へ向かって移動する。この演出では複数回の第2演出ボタン95の操作を要求するものであり、1回目の操作指示であることを示すように指示表示98aでは「1」の表示がなされる。また、下部パネル25において示唆表示98bが表示されるとともに、画像表示装置3において第2演出ボタン95を操作するまでの時間を示す操作タイミング表示98cが表示される。この時点では示唆表示98bには表示される文字の文字数のみを示す状態となる。なお、操作タイミング表示98cについても下部パネル25に表示するようにしても良い。
図58(c)に示すように指示表示98aと第2演出ボタン95が前後に重なった際に遊技者が第2演出ボタン95を操作すると、指示表示98aが適切な操作タイミングで操作されたことを示す操作結果表示98dに変化する。また、示唆表示98bには1回目の操作が適切な操作タイミングで行われたことに基づき示唆内容の一部が表示される。ここでは示唆内容が「チャンス」であり、その一部の「チャ」の文字が表示されている。さらに、2回目の操作指示である指示表示98aが表示される。この指示表示98aでは2回目であることを示す「2」の表示がなされる。また、操作タイミング表示98cは2回目の操作タイミングまでの表示とされる。
そして、図58(d)に示すように指示表示98aと第2演出ボタン95が前後に重なった際に遊技者が第2演出ボタン95を操作すると、指示表示98aが適切な操作タイミングで操作されたことを示す操作結果表示98dに変化する。また、示唆表示98bには2回目の操作が適切な操作タイミングで行われたことに基づき残りの示唆内容が表示される。なお、下部パネル25をタッチパネル式の表示装置として、図55に示したような演出を実行可能としても良い。
図59にも液晶表示装置を備える下部パネル25での演出の一例を示した。なお、ここでは、図50で説明したような演出が行われる場合の演出の例を示した。図59(a)に示すようにゲームが開始されてリール6が回転した後に演出が開始され、指示通りに第2演出ボタン95を操作することを指示する指示表示98aがなされる。
そして、図59(b)に示すように画像表示装置3の第2演出ボタン95の動作範囲となる位置にボタン操作を指示する指示表示98aが表示されるとともに第2演出ボタン95が指示表示98aの位置へ向かって移動する。この演出では複数回の第2演出ボタン95の操作を要求するものであり、1回目の操作指示であることを示すように指示表示98aでは「1」の表示がなされる。また、画像表示装置3において示唆表示98bが表示されるとともに、第2演出ボタン95を操作するまでの時間を示す操作タイミング表示98cが表示される。この時点では示唆表示98bには表示される文字の文字数のみを示す状態となる。
図59(c)に示すように指示表示98aと第2演出ボタン95が前後に重なった際に遊技者が第2演出ボタン95を操作すると、指示表示98aが適切な操作タイミングで操作されたことを示す操作結果表示98dに変化する。また、示唆表示98bには1回目の操作が適切な操作タイミングで行われたことに基づき示唆内容の一部が表示される。ここでは示唆内容が「チャンス」であり、その一部の「チ」の文字が表示されている。さらに、2回目の操作指示である指示表示98aが表示される。この指示表示98aでは2回目であることを示す「2」の表示がなされる。また、操作タイミング表示98cは2回目の操作タイミングまでの表示とされる。
そして、図59(d)に示すように指示表示98aと第2演出ボタン95が前後に重なった際に遊技者が第2演出ボタン95を操作すると、指示表示98aが適切な操作タイミングで操作されたことを示す操作結果表示98dに変化する。また、示唆表示98bには2回目の操作が適切な操作タイミングで行われたことに基づき示唆内容の一部が表示される。ここでは示唆内容が「チャンス」であり、その一部の「チャ」の文字が表示されている。
その後、図59(e)に示すように3回目の操作指示である指示表示98aが表示される。この指示表示98aでは3回目であることを示す「3」の表示がなされる。また、操作タイミング表示98cは3回目の操作タイミングまでの表示とされる。この指示表示98aは下部パネル25の押下操作を指示するものであるが、遊技者にわかりやすく示すために図59(e)に示すように画像表示装置3の上部から下部パネル25へ向けて移動するように表示されて図59(f)に示すように下部パネル25にされた状態となる。
そして、図59(f)に示すように遊技者が下部パネル25を操作すると、指示表示98aが適切な操作タイミングで操作されたことを示す操作結果表示98dに変化する。また、示唆表示98bには3回目の操作が適切な操作タイミングで行われたことに基づき残りの示唆内容が表示される。
図60には、図59(e)に示した3回目の操作指示である指示表示98aが表示されるタイミング以降の変形例を示した。なお、ここでは、リール6が停止した状態で演出が行われているが、それまでの演出内容は図59(a)〜(e)に示した通りである。図59(e)と同様に図60(a)に示すように指示表示98aは、下部パネル25の押下操作を指示するものであるが、遊技者にわかりやすく示すために画像表示装置3の上部から下部パネル25へ向けて移動するように表示される。
この際に、図60(b)に示すように指示表示98aを拡大して表示することで遊技者によりわかりやすくしている。拡大された指示表示98aは、画像表示装置3と下部パネル25に跨って表示されている。すなわち、画像表示装置3と下部パネル25とにおいて一体の表示をすることが可能である。また、ここではリール6が停止しているので、指示表示98aは図柄表示窓5にも跨って表示される。なお、図60(d)に示すようにリール6が回転している場合には、指示表示98aが図柄表示窓5の部分に表示されないようにしても良い。その後、図60(d)に示すように指示表示98aが下部パネル25にされた状態となる。このように、下部パネル25に液晶表示装置を設けるとともに遊技者の操作を受け付け可能とすることで多彩な演出を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、本変形例の構成はスロットマシンに限らずパチンコ遊技機などにも適用可能である。
なお、以上の実施形態及び変形例において、第1遊技情報表示部33や第2遊技情報表示部40は、通常遊技状態では消灯して又は「−」のような何も表していないことがわかる点灯態様で点灯し、特定遊技状態でのみ点灯して停止順序や当選役を報知するようにしても良い。また、通常遊技状態においては順押しで遊技を進行するように構成されたスロットマシンにおいて、通常遊技状態で停止順序が順押し又は停止順序なしではない当選役に当選している場合は、第2遊技情報表示部40ではずれの表示を行うようにしても良い。また、この場合に第1遊技情報表示部33でもはずれの表示を行うようにしても良い。さらに、通常遊技状態において遊技制御装置100から演出制御装置300に停止順序や当選役の情報を含む当選役報知コマンドを送信する場合に、停止順序が順押し又は停止順序なしではない当選役に当選している場合は、はずれである旨の情報を送信しても良い。
また、第1遊技情報表示部33の代わりに第1遊技媒体情報表示部32を用いても良い。特に第1獲得枚数表示部32cは特別遊技状態以外では使用しないので、特別遊技状態以外では第1遊技情報表示部33として機能し、特別遊技状態中では第1獲得枚数表示部32cとして機能するようにしても良い。このようにすることでスロットマシン(遊技構成部30など)の領域を有効に活用することができる。また、演出ボタン10を押しボタンのみとしたが、十字キーと押しボタンなど複数種類のボタンを備えても良い。演出ボタン10が動作する(飛び出る、振動するなど)ようにしても良い。
なお、本発明のスロットマシンは、前記実施の形態に示されるようなメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、本発明はスロットマシン以外でも遊技機として、例えば、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に対しても適用可能である。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。