まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤2(ゲージ盤ともいう)と、該遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3(台枠とも言う)とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面視略四角形状に構成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられて構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右下方)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えばセグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄とも言う)が変動表示される。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた変動表示、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた変動表示と同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば9種類の図柄(英数字「1」〜「9」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する9個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「9」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「9」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は9種類に限定されず、大当り組合せやはずれとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば8種類や10種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「9」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域には、第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uが配置されている。第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでは、各特別図柄に対応した変動表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示(保留表示とも言う)が行われる。ここで、各特別図柄に対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特別図柄や演出図柄の変動表示を実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示が実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示の開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。なお、第2始動入賞口への始動入賞に基づく変動表示は保留しないようにしてもよい。後述する本実施例のスペックでは、第2特図の特図ゲームにおける小当り確率が高く、小当りが発生するとほぼ100%V入賞が発生する。このようにして発生したV入賞大当りの終了後時短状態が終了する場合でも、第2始動入賞口への始動入賞に保留があると、その後第2特図の特図ゲームが実行され、またすぐに小当りからV入賞大当りが発生してしまうからである。第1保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示であり、第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示である。
本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第1保留記憶表示エリア5Dに表示される保留記憶表示)とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第2保留記憶表示エリア5Uに表示される保留記憶表示)とする。
図1に示す例では、第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uとともに、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの右側方に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられ、該普通入賞球装置6Aの右側方には普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば、後述する球受部810(図8参照)によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、遊技領域10に突出する突出位置と遊技領域10から退避する退避位置との間で前後方向にスライド移動する誘導板601(図11(A)参照)を有する普通電動役物を備え、例えば、後述する球受部812によって右側方に開放するように形成された第2始動入賞口へ向けて遊技球を誘導する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに誘導板601が退避位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し難い閉鎖状態(第2状態)となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに誘導板601が突出位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し易い開放状態(第1状態)となる。尚、普通可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態であるとき、第2始動入賞口には遊技球が進入しないようになっているが、閉鎖状態であるとき、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるが、開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aの下方には、第1特別可変入賞球装置7Aが設けられている。第1特別可変入賞球装置7Aは、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される第1大入賞口扉701を備え、該第1大入賞口扉701によって上向きに開放する開放状態と閉鎖状態とに変化する第1大入賞口702を形成する。尚、第1大入賞口扉701は、ソレノイド82の駆動によって第1大入賞口702を閉鎖する閉鎖位置と、第1大入賞口702を開放する開放位置との間で下辺を中心として回動可能となっている。
第1特別可変入賞球装置7Aでは、ソレノイド82がオン状態であるときに第1大入賞口扉701が第1大入賞口702を開放状態として、遊技球が第1大入賞口702を通過(進入)し易くする。その一方で、ソレノイド82がオフ状態であるときに第1大入賞口扉701が第1大入賞口702を閉鎖状態として、遊技球が第1大入賞口702を通過(進入)できなくする。このように第1大入賞口702は、遊技球が通過(進入)し易い遊技者とって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第1大入賞口702を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第1大入賞口702を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
第1大入賞口702を通過(進入)した遊技球は、第1大入賞口702内に設けられた第1カウントスイッチ23(図2参照)を通過することで、該第1カウントスイッチ23によって検出される。第1カウントスイッチ23を通過した遊技球は遊技機外へ排出される。第1カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて開放状態となった第1大入賞口702を遊技球が通過(進入)したときには、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて第1大入賞口702が開放状態となれば、その第1大入賞口702に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて第1大入賞口702が閉鎖状態となれば、第1大入賞口702に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な状態となる。
第2特別可変入賞球装置7Bは、普通可変入賞球装置6Bの下方に設けられ、ソレノイド83(図2参照)によって駆動される第2誘導板711(図11(B)参照)を備え、該第2誘導板711によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第2大入賞口712を形成する。第2大入賞口712は、開放状態において上向きに開放するように形成されている。第2誘導板711は、ソレノイド83の駆動によって第2大入賞口712を開放する開放状態(第3状態)と、第2大入賞口712を閉鎖する閉鎖状態(第4状態)との間で前後方向にスライド移動可能に設けられている。
第2特別可変入賞球装置7Bでは、第2誘導板711用のソレノイド83がオン状態であるときに第2誘導板711が第2大入賞口712を開放状態として、遊技球が第2大入賞口712を通過(進入)し易くする。その一方で、第2誘導板711用のソレノイド83がオフ状態であるときに第2誘導板711が第2大入賞口712を閉鎖状態として、遊技球が第2大入賞口712を通過(進入)できなくする。このように第2大入賞口712は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第2大入賞口712を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第2大入賞口712を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
第2大入賞口712を通過(進入)する遊技球は、第2大入賞口712内に設置された第2カウントスイッチ24Aを通過することで、該第2カウントスイッチ24A内によって検出される。第2カウントスイッチ24Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて開放状態となった第2大入賞口712を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の普通入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて第2大入賞口712が開放状態となれば、該第2大入賞口712に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて第2大入賞口712が閉鎖状態となれば、第2大入賞口712に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な状態となる。
これら普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bは、可変入賞球ユニット7として一体化された状態で遊技盤2に設けられている。尚、可変入賞球ユニット7の詳細な構成については後述することとする。
図1に戻って、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bの右側方には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。尚、通過ゲート41は、可変入賞球ユニット7の上方に設置されている。尚、通過ゲート41内には、後述するゲートスイッチ21が内蔵されている。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口、第1大入賞口702及び第2大入賞口712とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域10の周辺部には、遊技効果LED9が設けられている。遊技領域10における各構造物(例えば、可変入賞球ユニット7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10へ向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿91が設けられている。
本実施例では、遊技領域10は、該遊技領域10の略中央位置に配設された演出表示装置5の周囲を囲うセンター飾り枠の左側の左遊技領域と右側の右遊技領域とに分かれており、打球操作ハンドルにて弱めに打ち出された(左打ち)遊技球は左遊技領域(第1通過経路)を流下し、打球操作ハンドルにより強めに打ち出された(右打ち)遊技球は右遊技領域(第2通過経路)を流下するようになっている。
また、左遊技領域を流下した遊技球は、普通入賞球装置6Aに入賞可能となり、右遊技領域を流下した遊技球は、普通可変入賞球装置6B、第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bに入賞可能、かつ、通過ゲート41を通過可能となるように多数の障害釘や誘導部材が配設されている。つまり、左打ちの場合は普通可変入賞球装置6B、第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bに入賞不能、かつ、通過ゲート41を通過不能である。
下皿を形成する部材には、例えば、下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば、下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば、遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば、左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば、人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット(図示略)が設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば、スティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ(図示略)が設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図の変動表示が終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図の変動表示が開始される。
この普図の変動表示では、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する誘導板601が突出位置となり、所定時間が経過すると退避位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図の変動表示が開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図の変動表示や大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示が開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示では、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(変動表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「はずれ」となる。
特図の変動表示での変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図の変動表示での変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態及び小当り遊技状態は、有利状態に含まれる。
この実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」、「6」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をはずれ図柄としている。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図の変動表示における大当り図柄や小当り図柄、はずれ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示における各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図の変動表示において共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、はずれ図柄となるようにしてもよい。
特図の変動表示における確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置7Aの第1大入賞口扉701が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第1大入賞口702を開放状態とする。これにより、第1特別可変入賞球装置7Aを遊技者にとって有利な開放状態とするラウンドが実行される。
第1大入賞口702の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」や「2」、「8」や「4」など)に達するまで、繰返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第1大入賞口702に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
また、特図の変動表示における確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「小当り」となった後、小当り遊技状態において、第2特別可変入賞球装置7Bの第2誘導板711が、所定の上限時間(例えば0.1秒間×18回)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口712を開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置7Bは遊技者にとって有利な開放状態となる。
尚、本実施例では、小当り遊技状態において第2誘導板711の開放態様はこれに限定されるものではなく、小当り遊技状態において所定期間1回開放するようにしてもよい。
小当り遊技状態において、第2大入賞口712に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置7B内に設けられた第3カウントスイッチ24B(特定領域)を通過すると、該遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過に基づく「大当り」となる(V入賞大当り)。つまり、CPU103は、該遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態に制御する。一方、小当り遊技状態において第2大入賞口712に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置7B内に設けられた第4カウントスイッチ24Cを通過した場合は、「大当り」とはならない。つまり、CPU103は、該遊技球の第4カウントスイッチ24Cの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態には制御しない。
そして、遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過に基づいて大当り遊技状態に制御されると、第1特別可変入賞球装置7Aの第1大入賞口扉701が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第1大入賞口702を開放状態とする。これにより、第1特別可変入賞球装置7Aを遊技者にとって有利な開放状態とするラウンドが実行される。尚、本実施例では、第3カウントスイッチ24Bの通過に基づいて大当り遊技状態に制御されると、第1特別可変入賞球装置7Aが開放状態に制御されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2特別可変入賞球装置7Bが開放状態に制御されるようにしてもよい。
尚、本実施例における大当り遊技状態の終了後は、所定の変動回数の範囲(例えば、100回等)において時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態と、時短制御が行われない通常状態(非時短状態)とのいずれかに制御される。時短制御が行われることにより、特図の変動表示における変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数の特図の変動表示が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となること、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過すること、のうちいずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示における変動時間(特図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、普通図柄表示器20による普図の変動表示の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、普図の変動表示での変動表示結果が「普図当り」となったことに基づき普通可変入賞球装置6Bを開放状態に制御する制御時間を通常状態のときよりも長くする制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。尚、上記以外に、各回の普図の変動表示での変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御や、普通可変入賞球装置6Bの開放状態において誘導板601を突出位置へ移動させる回数を通常状態のときよりも増加させる制御を行うようにしてもよい。
このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御(全てを含む)が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図の変動表示が頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」または「小当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81〜83に伝送する出力回路111などが搭載されている。
尚、出力回路111は、ソレノイド85を駆動させるためのコントローラ92にも接続されている。コントローラ92は、パチンコ遊技機1の起動時に出力回路111を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100から起動信号を受信することでソレノイド85の駆動制御を開始するようになっている。コントローラ92がソレノイド85を駆動することにより、後述する規制部材721は、遊技状態にかかわらず規制状態と許容状態との変化を1秒間毎に繰り返す。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果LED9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図3に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば、変動表示結果が「はずれ」であるか「大当り」であるか「小当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「はずれ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「小当り」で小当り種別が「小当りA」となる旨の事前決定結果及び小当り種別決定結果を通知する第5変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「小当り」で小当り種別が「小当りB」となる旨の事前決定結果及び小当り種別決定結果を通知する第6変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御が行われない遊技状態(低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、大当り遊技状態または小当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示エリア5Dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶表示エリア5Uなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドD100は、V入賞したこと、つまり、遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したことで第3カウントスイッチ24Bがオンとなったことを通知するV入賞通知指定コマンドである。
コマンドD2XXH及びコマンドD3XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドD2XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否か及び大当り種別や、変動表示結果が「小当り」となるか否かの判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドD3XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン判定用の乱数値MR3が、「非リーチ」、「スーパーリーチ」、「その他」のいずれの変動パターンとなるかの判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。
図柄指定コマンドでは、例えば、コマンドD200Hは入賞時判定結果が「はずれ」であることを示す第1図柄指定コマンドである。コマンドD201Hは入賞時判定結果が「大当り」であり大当り種別が「大当りA」であることを示す第2図柄指定コマンドである。コマンドD202Hは入賞時判定結果が「大当り」であり大当り種別が「大当りB」であることを示す第3図柄指定コマンドである。コマンドD203Hは入賞時判定結果が「小当り」であり小当り種別が「小当りA」または「小当りB」であることを示す第4図柄指定コマンドである。
つまり、本実施例における第2図柄指定コマンド〜第3図柄指定コマンドは、それぞれの大当り種別に応じて主基板11から演出制御基板12に向けて伝送されるコマンドである一方で、第4図柄指定コマンドは、入賞時判定結果として小当り種別が「小当りA」と判定された場合と「小当りB」と判定された場合とで主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される共通のコマンドである。
コマンドD400は、第入賞口に遊技球が入賞したこと、つまり、遊技球が第1カウントスイッチ23、または、第2カウントスイッチ24Aを通過したことを通知する大入賞口入賞指定コマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1の他、大当り種別や小当り種別を判定するための当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4、MR4の初期値決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR5は、CPU103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路104によって更新されてもよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
図5は、本実施例における変動パターンを示している。本実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。また、変動表示結果が「小当り」となる場合などに対応して、1の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。変動表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けてもよい。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けてもよい。
図5に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
尚、本実施例においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行し、RAM102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された、図6などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM101が記憶する判定テーブルには、例えば図6(A)に示す表示結果判定テーブル、図6(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特図)、図6(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特図)、図6(D)に示す小当り種別判定テーブル(第2特図)の他、普図表示結果判定テーブル(図示略)、大当り変動パターン判定テーブル(図示略)、小当り変動パターン判定テーブル(図示略)、はずれ変動パターン判定テーブル(図示略)、普図変動パターン決定テーブル(図示略)などが含まれている。
図6(A)は、表示結果判定テーブルを示す説明図である。表示結果判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。表示結果判定テーブルは、変動特図指定バッファが1(第1)である、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と、変動特図指定バッファが2(第2)である、つまり、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値と、小当りとする判定値が設定されている。
図6(A)に示すように、変動特図指定バッファが第1である場合には、大当りに対応する判定値が設定されているが、小当りに対応する判定値は設定されておらず、よって、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、大当りのみが当選可能とされ、小当りの当選は発生しない。
また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率で大当りが発生するとともに、大当りに対応する判定値以外は、小当りに対応する判定値として設定されている。即ち、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、1/200の確率(割合)で大当りに当選し、199/200の確率で小当りとなり、ハズレとなる場合がないようになっている。
つまり、CPU103は、MR1の値が図6(A)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値と一致すると、変動表示結果として大当りとすることを決定する。また、MR1が図6(A)に示す小当りに対応するいずれかの当り判定値と一致すると、変動表示結果として小当りとすることを決定する。また、大当りとするか否かを決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否かを決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。また、小当りとするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否かを決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を小当り図柄とするか否か決定するということでもある。
尚、本実施例では、CPU103は、図6(A)に示す表示結果判定テーブルにおける決定割合は一例であって、第1特図の変動表示である場合に小当りとなる場合があってもよいし、第2特図の変動表示である場合にハズレとなる場合があってもよい。また、複数のテーブルを用いて表示結果を決定するようにしてもよい。
図6(B)、(C)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル(第1特図)、大当り種別判定テーブル(第2特図)を示す説明図である。このうち、図6(B)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。また、図6(C)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR2)に基づいて、大当りの種別を大当りA〜大当りBのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。図6(B)(C)に示すように、大当りAの大当り遊技状態の終了後においては時短状態に移行し、大当りBの大当り遊技状態の終了後において時短状態に移行せず通常状態となる。
図6(D)は、ROM101に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説明図である。小当り種別判定テーブルは、変動表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR2)に基づいて、小当りの種別を小当りAまたは小当りBに決定するために参照されるテーブルである。尚、本実施例では、小当りAの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過した場合、すなわちV入賞大当りが発生した場合は、8ラウンド(小当り遊技状態を1ラウンド目とする実質7ラウンド)の大当り遊技が実行され、その後時短状態に移行する。また、小当りBの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過した場合、すなわちV入賞大当りが発生した場合は、4ラウンド(実質3ラウンド)の大当り遊技が実行され、その後時短状態に移行せず通常状態となるようになっている。つまり、これらのV入賞大当りの種別は、始動入賞時に抽出される当り種別判定用の乱数値MR2によって小当り種別が決定されることで決定される。
ここで、本実施例における各当りの開放態様について、図6(E)を用いて説明する。大当りA、Bとなった場合は、第1大入賞口702を遊技者にとって有利な開放状態に最長29秒変化させるラウンドが4回(いわゆる4ラウンド)、繰返し実行される大当りである。
小当りA、Bとなった場合、第2大入賞口712を遊技者にとって有利な開放状態に最長0.1秒間18回(インターバル1秒)変化させるラウンドが1回実行される。そして、この1ラウンドの小当り遊技において、V入賞が発生すると、2ラウンド目以降、第1大入賞口702を遊技者にとって有利な開放状態に変化させるラウンドが7回(計8ラウンド。尚、8ラウンドのうち1ラウンド目はV入賞大当りの契機となった小当り遊技のラウンド)、繰返し実行される大当りである。小当り遊技状態においてV入賞が発生すると大当り遊技状態に制御されるので有利状態が継続する。小当り遊技状態においてV入賞が発生しない場合は有利状態が終了する。従って、第2大入賞口712における第3カウントスイッチ24Bは、有利状態の継続判定領域(特定領域)であるといえる。
大当りAまたは小当りA後のV入賞大当りの大当り遊技状態の終了後は時短制御が実行される。この実施の形態では、時短状態において、第1特図及び第2特図の特図ゲームが合計5回実行されるまであるいは第2特図の特図ゲームが1回実行されるまでのうち早いほうまで、または再度大当りが発生するまで時短制御が実行される。このように、この実施の形態では、特図ゲームの回数による時短状態の終了条件が複数設けられている。なお、第1特図及び第2特図の特図ゲームが合計5回とは、大当りの発生時に第1特図の保留が4個ある場合に、それらが全て消化されても時短状態(第2特図を変動させる権利)が確保される回数となっている。即ち、回数による時短状態の終了条件は実質的に第2特図の特図ゲームが1回実行されるまでである。なお、第1特図及び第2特図の特図ゲームの合計回数による終了条件は5回以上であればよく、例えば10回や100回であってもよい。また、大当り種別によって時短制御が実行される回数を異ならせてもよい。
回数による時短状態の終了条件は実質的に第2特図の特図ゲームが1回実行されるまでとしている理由について説明する。この実施の形態では、小当り種別によって、V入賞したときのV入賞大当りの有利度合い(ラウンド数、時短制御の有無)が決定される。従って、第2特別図柄表示器4Bの停止図柄を見ることによって、小当り種別及びその後のV入賞大当りの種別(特に時短制御の有無)を認識できてしまう。また、小当りとなった場合、右打ちをしていれば、後述するような構造により必ずV入賞が発生するようになっている。ここで、時短状態の終了条件を第2特図の特図ゲームが2回以上実行され得るまで(例えば第1特図及び第2特図の特図ゲームの合計20回実行されるまで等)にしてしまうと、不利な小当り種別(この実施の形態では小当りB)である場合、遊技者は遊技球の打ち出しをやめて不利なV入賞大当りとなること(時短状態が終了すること)を避けつつ、有利な小当り種別(この実施の形態では小当りA)である場合、遊技者は遊技球を打ち出してV入賞大当りを発生させる(大当りを選別して時短状態を継続させる)ことができてしまう。
このように、停止図柄を見ることによって狙って連荘させることができ、連荘率が異常の高くなってしまうことを防止するため、回数による時短状態の終了条件は実質的に第2特図の特図ゲームが1回実行されるまでとしている。このように構成することで、時短状態となってから第2特図の特図ゲームにより小当りとなった場合に、V入賞を発生させなければ当該V入賞によるV入賞大当りにおける出玉を獲得することなく時短状態が終了してしまうため、上述ように打ち止めによって有利なV入賞大当りを狙うことができなくなり、遊技者に過度に有利となってしまうことを防止できる。
普図表示結果判定テーブルは、遊技球が通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたことに基づく普図ゲームの保留情報を用いて(すなわち、普通図柄の変動表示が行われるとき)普通図柄当りを決定する場合のテーブルである。このように本実施例では、「普図当り」となる確率を、通常状態(非時短状態)と時短状態とで同じ確率(例えば、約60%)にしている。
一方、時短状態において「普図当り」が発生したことに基づいて普通可変入賞球装置6Bを開放状態とする開放期間(第1期間)を、通常状態において「普図当り」が発生したことに基づいて普通可変入賞球装置6Bを開放状態とする開放期間(第2期間)よりも長くなるようにしている。具体的には、第2大入賞口の開放期間は、時短状態において「普図当り」が発生したときは約3秒、通常状態において「普図当り」が発生したときは約0.1秒としている。つまり、時短状態では、「普図当り」の発生に伴い普通可変入賞球装置6Bが開放状態となる開放期間が長いため、遊技球が誘導板601により第2始動入賞口に誘導されやすくなる(始動入賞が発生しやすくなる)のに対し、通常状態では、「普図当り」の発生に伴い普通可変入賞球装置6Bが開放状態となる開放期間が極めて短いため、遊技球が誘導板601により第2始動入賞口に誘導されることがほぼない。
このため、時短状態では、第2特別図柄の変動表示結果として大当りが発生する場合と、第2特別図柄の変動表示結果として小当りが発生して遊技球が小当り遊技中にV入賞することにより大当り(V入賞大当り)が発生する場合とがあるので、大当り遊技状態が通常状態を介すること無く連続的に発生する所謂連荘状態が発生しやすい。一方、通常状態では、第1特別図柄の変動表示結果として大当りが発生する場合があるのに対し、第1特別図柄の変動表示結果として小当りが発生することはない。また、右打ちすることにより普図当りが発生して普通可変入賞球装置6Bが開放状態となることはあっても、第2始動入賞が発生すること、つまり、小当り遊技中にV入賞することにより大当り(V入賞大当り)が発生することはほぼないので、大当り遊技状態が通常状態を介すること無く連続的に発生する所謂連荘状態は発生し難い。
尚、通常状態では基本的に第1特図が変動することになるが、第1特図で大当りに当選した場合、時短有りの大当りAとなる確率が50%に設定されている。また、時短状態では基本的に第2特図が変動することになるが、第2特図で大当りに当選した場合、時短有りの大当りAとなる確率が90%に設定されており、また、小当りとなった場合、V入賞時時短有りの小当りAとなる確率が90%に設定されている。即ち、通常状態において、時短有りの大当りAとなって時短状態に制御された場合には、90%の確率で連荘状態が継続するようになっている。また、この実施の形態では、第2特図では大当りまたは小当りとなる確率が100%であり、小当りとなった場合、右打ちをしていれば、後述するような構造により必ずV入賞が発生するようになっている。そのため、時短状態になった場合、即次の大当り(連荘)が発生するようになっており、スピーディーな遊技を実行することができる。なお、必ずV入賞(V入賞大当り)が発生するとは、故障や球詰まりや天災等の予期せぬ動作や不具合によりV入賞しない場合を含まない。即ち、必ずしも100%V入賞が発生するものでなくてもよく、必ずV入賞が発生することを意図して構成したものであればよい。
尚、本実施例では当り種別として大当りA、B及び小当りA、B(及びその後のV入賞大当り)が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら以外の当りが設けられていてもよい。例えば、ラウンド数の異なる当り、開放する大入賞口が異なる大当り、大入賞口の開放回数(開放期間)が異なる小当り等の当り種別が設けられていてもよい。
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、変動表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「小当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、変動表示結果を「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、本実施例では、これらの判定値が、大当りの種別が「大当りB」または「大当りC」である場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当りの種別が「大当りA」である場合には、スーパーリーチαが決定され易いように割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「大当りB」または「大当りC」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。つまり、本実施例では、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、変動表示結果が大当りとなり、大当り遊技の終了後に時短制御が実行されることに対する期待感を高めることができる。
また、小当り用変動パターン判定テーブルにおいては、小当りの変動パターン(PC1−1)の変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、本実施における小当りの変動パターンとしてはPC1−1のみが設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当りの変動パターンとしては2以上の変動パターンを設けるようにしてもよい。
また、はずれ用変動パターン判定テーブルには、遊技状態が時短制御の実施されていない低ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルAと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルBとが予め用意されている。
はずれ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルBにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαはずれの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβはずれの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、本実施例では、低ベース状態において変動表示が「はずれ」となる場合は、保留記憶数に拘らずはずれ用変動パターン判定テーブルAを用いて変動パターンを決定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、低ベース状態において変動表示が「はずれ」となる場合は、保留記憶数に応じて異なるはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを決定するようにしてもよい。特に、保留記憶数が2個以上である場合は、非リーチはずれの変動パターンであるPA1−1よりも特図変動時間が短い非リーチはずれ変動パターンが決定され易いはずれ用変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを決定することで、変動時間が長い短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば遊技制御用データ保持エリア(図示略)が設けられている。遊技制御用データ保持エリア(図示略)は、第1特図保留記憶部(図示略)と、第2特図保留記憶部(図示略)と、普図保留記憶部(図示略)と、遊技制御フラグ設定部(図示略)と、遊技制御タイマ設定部(図示略)と、遊技制御カウンタ設定部(図示略)と、遊技制御バッファ設定部(図示略)とを備えている。
第1特図保留記憶部(図示略)は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部(図示略)は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された変動表示結果判定用の乱数値MR1や当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部(図示略)に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部(図示略)は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部(図示略)は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された変動表示結果判定用の乱数値MR1や当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部(図示略)に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部(図示略)は、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部(図示略)は、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部(図示略)には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部(図示略)には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部(図示略)には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部(図示略)には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部(図示略)には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部(図示略)には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部(図示略)には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部(図示略)のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR1〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部(図示略)には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部(図示略)には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、LED制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニットから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサから伝送するための配線も接続されている。
尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果LED9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。この演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部(図示略)と、演出制御タイマ設定部(図示略)と、演出制御カウンタ設定部(図示略)と、演出制御バッファ設定部(図示略)とを備えている。
演出制御フラグ設定部(図示略)には、演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられおり、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部(図示略)には、演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられており、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部(図示略)には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられており、演出制御カウンタ設定部(図示略)には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部(図示略)には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、始動入賞時受信コマンドバッファ(図示略)を構成するデータが、演出制御バッファ設定部(図示略)の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域)と、変動表示中の第1特図に対応した格納領域(バッファ番号「1−0」に対応した領域)とが設けられている。また、始動入賞時受信コマンドバッファ(図示略)には、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域)と、変動表示中の第2特図に対応した格納領域(バッファ番号「2−0」に対応した領域)とが設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド及び保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ(図示略)における第1特図保留記憶に対応した格納領域と第2特図保留記憶に対応した格納領域は、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリ指定コマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて、第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とに分けて格納するための格納領域(エントリ)が確保されている。
これら格納領域(エントリ)の記憶内容は、開始条件が成立して最上位の保留記憶(バッファ番号「1−1」またはバッファ番号「2−1」)の変動表示が開始されるときに、後述するように1つずつ上位にシフトされていくとともに、該開始条件が成立した保留記憶の内容を格納するバッファ番号「1−0」またはバッファ番号「2−0」の記憶内容は、当該変動表示を終了するときに実行される演出図柄変動停止処理においてクリアされるようになっている。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受付けると、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24B、第4カウントスイッチ24Cといった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1や乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、可変入賞球ユニット7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける誘導板601の動作設定(例えば、開放期間の設定等)などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部(図示略)に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図7は、主基板11に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。先ず、CPU103は、第1始動入賞口または第2始動入賞口のどちらに遊技球が入賞したかや、各遊技用乱数値MR1〜MR4の抽出及び記憶を行う始動入賞処理を実行する(S300−)。尚、始動入賞処理においては、CPU103は、遊技球が入賞した始動入賞口に応じて、図3に示す始動入賞指定コマンド等を演出制御基板12に対して送信するための送信設定を実行する。
S300−の処理の実行後は、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300)特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りまたは小当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットし、小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。尚、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301)特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータに、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303)特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304)特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータに、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。尚、演出制御用マイクロコンピュータは、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置5において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(S305)特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、第1大入賞口702または第2大入賞口712を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、第1大入賞口702または第2大入賞口712に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド82またはソレノイド83を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。尚、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306)特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータに送信する制御や第1大入賞口702または第2大入賞口712の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。第1大入賞口702または第2大入賞口712の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307)特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータに行わせるための制御を行う。また、終了した大当り種別に応じて、遊技状態を示すフラグ(例えば、時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308)特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、第2大入賞口712を開放する制御を行う。具体的には、ソレノイド83を駆動して第2大入賞口712を開放状態にする。また、タイマによって小当り開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。尚、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S309)特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。第2大入賞口712の閉成条件の成立を確認する制御と、第3カウントスイッチ24Bによる遊技球の検出の成立を確認する制御と、を行う。第2大入賞口712の閉成条件が成立した場合及び第3カウントスイッチ24Bによる遊技球の検出が成立した場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。なお、第3カウントスイッチ24B及び第4カウントスイッチ24Cにより遊技球の検出結果に応じて賞球を払い出す処理が含まれていてもよい。
小当り終了処理(S310)特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータに行わせるための制御を行う。そして、小当り開放中処理で第3カウントスイッチ24Bによる遊技球の検出が成立している場合は、該第3カウントスイッチ24Bによる遊技球の検出に基づき、V入賞大当りを設定する処理を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当り開放中処理で第3カウントスイッチ24Bによる遊技球の検出が成立していない場合は、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
次に、可変入賞球ユニット7の構成について、図8〜図13に基づいて説明する。図8は、可変入賞球ユニットを示す斜視図である。図9は、可変入賞球ユニットを示す平面図である。図10は、図9のA−A断面図である。図11は、(A)は図10のB−B断面図、(B)は図10のC−C断面図である。図12は、(A)は図10のD−D断面図、(B)は誘導板が突出位置へ移動した状態を示す断面図である。図13は、(A)は後壁の前面の要部を示す斜視図であり、(B)は前壁の背面の要部を示す斜視図である。
図8〜図13に示すように、可変入賞球ユニット7は、遊技盤2の前面(遊技盤面)に取付けられる後壁800の左側に設けられる普通入賞球装置6A及び第1特別可変入賞球装置7Aと、後壁800の右側に設けられる普通可変入賞球装置6B及び第2特別可変入賞球装置7Bと、を構成しており、遊技盤2の前面における遊技領域10の下部位置における中央から右側にかけて設けられている。
後壁800の右側には、該後壁800の右側前面を覆うように略平行に配置される前壁801が取付けられている。前壁801は、後壁800の前面に対し離間寸法L1(図11参照)だけ離間して配置されており、後壁800と前壁801との間には遊技球Pが流下可能な経路が形成されている。尚、離間寸法L1は、遊技球Pの直径2R(例えば、約11mm)より大きく、該直径2Rの2倍の寸法よりも小さい寸法(例えば、約15mm)とされている。つまり、1個の遊技球Pが前後方向に蛇行しながら遊技盤2の前面に沿うように流下可能、かつ、2個の遊技球Pが前後に並んだ状態で遊技盤2の前面に沿うように流下不能な離間寸法とされている。
普通入賞球装置6Aは、後壁800の前面左側上部に設けられる球受部810によって、常に一定の開放状態に保たれる上向きに開放する第1始動入賞口を形成している。尚、球受部810には、左側に向けて下方に傾斜する傾斜部811が、下方の第1大入賞口702の左上部に形成されており、第1大入賞口702の左斜め上方から流下してくる遊技球Pを左斜め下方へ誘導して第1大入賞口702への進入を阻害するようになっている。従って、第1大入賞口702に遊技球を入賞させる場合には、図8の矢印で示すように、可変入賞球ユニット7を介して右側から入賞させることになる。そのため、第1大入賞口702が開放する大当り遊技状態では、遊技者は右打ちをすることになる。
第1特別可変入賞球装置7Aは、普通入賞球装置6Aの下方に設けられている。後壁800の前面における普通入賞球装置6Aの下方には第1大入賞口702が形成されており、該第1大入賞口702の下辺を中心として回動可能に設けられた第1大入賞口扉701により開閉されるようになっている。第1大入賞口702の背面側には、開放状態において第1大入賞口702に進入した遊技球Pを遊技盤2の背面側に誘導する誘導通路(図示略)、該誘導通路内に設けられる第1カウントスイッチ23、第1大入賞口扉701を開閉するソレノイド82及び駆動機構等が設けられている。
普通可変入賞球装置6Bは、後壁800の背面上部に形成された球受部812によって、右側方に開放する第2始動入賞口と、該第2始動入賞口へ進入した遊技球Pを誘導する誘導通路とを形成している。第2始動入賞口に進入した遊技球Pは、球受部812内に設けられた第2始動口スイッチ22Bを通過した後、後壁800に形成された貫通孔813を通過して遊技盤2の背面側へ誘導される。後壁800における第2始動入賞口の右方には、誘導板601が挿通可能な長孔814が形成されており、誘導板601は、長孔814を通して、後壁800と前壁801との間に形成される遊技球Pの流下経路、つまり、遊技領域10側に突出した突出位置と、遊技領域10から後壁800の背面側に退避した退避位置との間で前後方向にスライド移動可能に設けられている。
誘導板601の右側方には、可変入賞球ユニット7の右側へ向けて流下してきた遊技球Pを誘導板601側へ誘導する誘導壁部815が設けられている。誘導壁部815の上面により誘導された遊技球Pは、誘導板601が退避位置にあるときは球受部812と誘導壁部815との間を通過して下方へ落下し、誘導板601が突出位置にあるときは該誘導板601により左側の第2始動入賞口へ向けて誘導されるようになっている。
第2特別可変入賞球装置7Bは、普通可変入賞球装置6Bの左斜め下方に設けられている。普通可変入賞球装置6Bの下方には、可変入賞球ユニット7の右端から左側へ向けて下方に傾斜する誘導壁部816が設けられるとともに、誘導壁部816の左端部から左方に離れた位置には、右側から左側へ向けて下方に傾斜する誘導壁部817が設けられており、誘導壁部816の左端部と誘導壁部817の右端部との間に第2大入賞口712が形成されている。尚、誘導壁部817は、誘導壁部816及び第2大入賞口712よりも下方位置に形成されている。時短状態においては、第2始動入賞口に遊技球が入賞しやすくなるため、遊技者は右打ちにより遊技を行う。この実施の形態では、第2始動入賞口の下方に第2大入賞口712が設けられているため、第2始動入賞口に遊技球が入賞して小当りとなった場合には、そのまま右打ちをすることで、第2大入賞口712を狙うことができる。さらに、小当り遊技状態において、V入賞が発生しV入賞大当りとなると、2ラウンド目以降のラウンドでは、第1大入賞口702が開放するが、第1大入賞口702が第2大入賞口712の延長線上(左下方)に設けられているため、引き続き右打ちにより遊技を継続することができる。
後壁800の前面における第2大入賞口712に対応する位置には、第2誘導板711が挿通可能な長孔824が形成されており、第2誘導板711は、長孔824を通して、後壁800と前壁801との間に形成される遊技球Pの流下経路、つまり、遊技領域10側に突出した突出位置と、遊技領域10から後壁800の背面側に退避した退避位置との間で前後方向にスライド移動可能に設けられている。
第2特別可変入賞球装置7B内には、第2大入賞口712を通過した遊技球Pが流下可能な流下経路750が形成されている。流下経路750は、第2大入賞口712を通過した遊技球Pが通過可能な主経路750Aと、該主経路750Aから分岐する分岐路750Bとを有する。主経路750Aの途中には第2カウントスイッチ24Aが設けられているとともに、第2カウントスイッチ24Aの下流側に分岐部750Cが設けられている。つまり、主経路750Aを流下する遊技球は、分岐部750Cから分岐路750B側へ移動可能とされている。
主経路750Aの下流部には、遊技球Pが通過可能な第3カウントスイッチ24Bが設置されており、遊技球Pは、該第3カウントスイッチ24Bを通過することで、該第3カウントスイッチ24Bによって検出される。第3カウントスイッチ24Bを通過した遊技球Pは、後壁800に形成された貫通孔818を介して遊技盤2の背面側に誘導される。また、分岐路750Bの下流部には、遊技球Pが通過可能な第4カウントスイッチ24Cが設置されており、遊技球Pは、該第4カウントスイッチ24Cを通過することで、該第4カウントスイッチ24Cによって検出される。第4カウントスイッチ24Cを通過した遊技球は、後壁800に形成された貫通孔819を介して遊技盤2の背面側に誘導される。
尚、本実施例では、後述する小当り遊技中に第3カウントスイッチ24Bによって遊技球が検出されたことに基づき、小当り遊技終了後の遊技状態を大当り遊技状態に制御するようになっている。
主経路750Aにおける分岐部750Cの下流側には、遊技球の第3カウントスイッチ24Bへ向けての流下を規制及び許容する規制部材721が設けられている。規制部材721は、ソレノイド85(図2参照)の駆動によって主経路750A内に突出することで、遊技球の主経路750Aでの第3カウントスイッチ24Bへ向けての流下を規制する規制状態と、主経路750A内から退避することで遊技球の主経路750Aでの第3カウントスイッチ24Bへ向けての流下を許容する許容状態と、の間で前後方向にスライド可能に設けられている。
尚、規制部材721の上部は平坦面に形成されているとともに、該平坦面は、正面視で分岐路750B側に向けて下方に所定角度の傾斜を成すように主経路750Aに設けられている。このため、規制部材721が規制状態であるときに主経路750Aを遊技球Pが流下してくると、該遊技球Pは規制部材721の上部に形成された平坦面に沿って分岐部750Cを経由して分岐路750Bに向けて流下するように誘導される。
また、第2大入賞口712の背面側には、第2誘導板711をスライド移動させるソレノイド83及び駆動機構や、規制部材721をスライド移動させるソレノイド85及び駆動機構とコントローラ92等が設けられている。
図12(A)に示すように、後壁800と前壁801との間に形成された空間部には、遊技球Pの流下経路が形成されている。具体的には、誘導壁部815の右側を通過した遊技球Pは誘導壁部816上に落下する。誘導壁部815の上面に落下した遊技球Pは、誘導壁部815と球受部812との間に形成された開口を通過した後、誘導板601が退避位置にあるときはそのまま誘導壁部816上に落下し、誘導板601が突出位置にあるときは第2始動入賞口へ誘導される。球受部812の上部に落下した遊技球P及び球受部812の左側を通過した遊技球Pは、第2誘導板711が突出位置にあるときには該第2誘導板711上に落下し、第2誘導板711が退避位置にあるときには第2大入賞口712へ進入する。球受部812のさらに左方を通過した遊技球は、誘導壁部817上に落下する。
また、第2誘導板711が突出位置にあるときには、該第2誘導板711と誘導壁部816,817とにより、可変入賞球ユニット7の右端から左側へ向けて遊技球Pを誘導する流下経路が形成される。誘導壁部817を流下した遊技球Pは、左端部から第1大入賞口702へ向けて落下する。
図11(A)及び図13に示すように、前壁801と後壁800との対向面における誘導板601の上方には、誘導板601の上面を流下する遊技球Pの流下速度を低下させるための規制片830A,830B,830Cが複数形成されている。
規制片830A,830Bは後壁800の前面、規制片830Cは前壁801の背面に一体形成され、後壁800から前方に突出する態様、または、前壁801から後方に突出する態様で上下方向を向くリブ状に形成されている。ここで、実施例における遊技球Pの半径をRとすると、後壁800に形成された規制片830A,830Bの前端部と前壁801に形成された規制片830Cの後端部との間の前後寸法L2は、遊技球Pの直径(2R)よりも短寸に形成されている(L2<2R)。一方で、後壁800に形成された規制片830A,830Bの前端部と、平面視で該規制片830A,830Bと左右方向で隣接するように前壁801に形成された規制片830Cの後端部との間の離間寸法L3は、遊技球Pの直径(2R)よりも長寸に形成されている(L3>2R)。このように複数の規制片830A,830B,830Cが、遊技球Pの流下方向へ向けて前壁801と後壁800に交互に形成されていることにより、遊技球Pは、誘導板601が突出位置にあるとき、これら複数の規制片830A,830B,830Cに干渉されながら誘導板601の上面を第2始動入賞口へ向けて前後に蛇行しながら流下する。
このため、誘導板601の上面を流下する遊技球Pは、規制片830A,830B,830Cが形成されていない場合よりも、誘導板601の上面の左右寸法L4の領域を通過するのに要する期間が延長されるようになっている。
また、規制片830A,830B,830Cのうち、誘導板601の傾斜上位側に設けられる規制片830Aの前端には、左側から右側へ向けて漸次前方へ傾斜する傾斜面830Kが形成されており、誘導壁部815により誘導されてきた遊技球Pの流下速度を低下させつつ、左側へ流下させながらスムーズに前側へ蛇行させることができるようになっている。また、角部が形成されないので、誘導壁部815から落下してきた遊技球Pが衝突することにより角部が破損することが抑制される。
図11(B)及び図13に示すように、前壁801と後壁800との対向面における誘導壁部816及び第2誘導板711の上方には、第2誘導板711の上面を流下する遊技球Pの流下速度を低下させるための規制片840A〜840Fが複数形成されている。
規制片840A,840B,840Cは後壁800の前面、規制片840D,840E,840Fは前壁801の背面に一体形成され、後壁800から前方に突出する態様、または、前壁801から後方に突出する態様で上下方向を向くリブ状に形成されている。ここで、後壁800に形成された規制片840A,840B,840Cの前端部と前壁801に形成された規制片840D,840E,840Fの後端部との間の前後寸法L12は、遊技球Pの直径(2R)よりも短寸に形成されている(L12<2R)。一方で、後壁800に形成された規制片840A,840B,840Cの前端部と、平面視で該規制片840A,840B,840Cと左右方向で隣接するように前壁801に形成された規制片840D,840E,840Fの後端部との間の離間寸法L13は、遊技球Pの直径(2R)よりも長寸に形成されている(L13>2R)。このように複数の規制片840A〜840Fが遊技球Pの流下方向へ向けて前壁801と後壁800とに交互に形成されていることにより、遊技球Pは、第2誘導板711が突出位置にあるとき、これら複数の規制片840A〜840Fに干渉されながら第2誘導板711の上面を誘導壁部817へ向けて前後に蛇行しながら流下する。
このため、第2誘導板711の上面を流下する遊技球Pは、規制片840A〜840Fが形成されていない場合よりも、第2誘導板711の上面の左右寸法L14の領域を通過するのに要する期間が延長されるようになっている。
また、規制片840A〜840Fのうち、第2誘導板711よりも傾斜上位側の誘導壁部816の上方に設けられる規制片840Aの前端には、左側から右側へ向けて漸次前方へ傾斜する傾斜面840Kが形成されており、誘導壁部816により誘導されてきた遊技球Pの流下速度を低下させつつ、左側へ流下させながらスムーズに前側へ蛇行させることができるようになっている。また、角部が形成されないので、誘導壁部816を流下してきた遊技球Pが衝突することにより規制片840Aの左角部が破損することが抑制される。
さらに、規制片840Aの上端には、上方から下方へ向けて漸次前方へ傾斜する傾斜面840Sが形成されており、誘導板601が退避位置にあるときに落下してきた遊技球Pが衝突することにより規制片840Aの上角部が破損することが抑制される。
また、前壁801に形成された規制片840D,840E,840Fは、後壁800に形成された規制片840A,840B,840Cよりも上下寸法が短寸とされ、下端が第2誘導板711の上面を流下する遊技球Pの外面上部に接触するように設けられている。このようにすることで、遊技球Pに対し多数の規制片840A〜840Fが接触することにより抵抗が大きくなりすぎて球詰りが生じることが抑制される。
図12及び図13に示すように、前壁801と後壁800との対向面における誘導壁部815及び誘導板601の下方には、誘導壁部815の左方を落下する遊技球Pの落下速度を低下させるための規制片850A,850Bが形成されている。
規制片850Aは後壁800の前面、規制片850Bは前壁801の背面における規制片850Aの下方に一体形成され、後壁800から前方に突出する態様、または、前壁801から後方に突出する態様で左右方向を向くリブ状に形成されている。ここで、後壁800に形成された規制片850Aの前端部と前壁801に形成された規制片850Bの後端部との間の前後寸法L22は、遊技球Pの直径(2R)よりも短寸に形成されている(L22<2R)。一方で、後壁800に形成された規制片850Aの前端部と、前壁801に形成された規制片850Bの後端部との間の離間寸法L23は、遊技球Pの直径(2R)よりも長寸に形成されている(L23>2R)。このように複数の規制片850A,850Bが前壁801と後壁800に形成されていることにより、遊技球Pは、これら複数の規制片850A,850Bに干渉されながら前後に蛇行しながら落下するため、規制片850A,850Bが形成されていない場合よりも、誘導壁部816上に落下したときの衝撃が緩衝されるようになっている。
また、規制片850Bは、誘導壁部816上を流下する遊技球Pに接触可能な位置に設けられており、図11(B)に示すように、誘導壁部815の右方を落下し、誘導壁部816の右端部から左側へ向けて流下する遊技球Pを前方へ誘導するようになっている。規制片850Bの右端部には、右端から左側へ向けて前方へ傾斜する傾斜面850Kが形成されており、誘導壁部816により誘導される遊技球Pの流下速度を低下させつつ、左側へ流下させながらスムーズに前側へ誘導できるようになっている。これにより、誘導壁部816により誘導される遊技球Pが下流側の規制片840Aに衝突しにくくなるため、規制片840Aの破損が抑制される。
尚、後壁800の前面における第2大入賞口712の下方位置には、規制片860が前方に突出する態様で左右方向を向くリブ状に形成されている。これにより、第2大入賞口712へ進入した遊技球Pの落下速度が低減されることで、後述するように第2大入賞口712へ一斉に進入した複数の遊技球Pが下方の底壁へ落下する際の衝撃が緩衝されるため、底壁の破損が抑制される。
次に、普通可変入賞球装置6Bの詳細について、図14〜図16に基づいて説明する。図14は、(A)は普通可変入賞球装置が閉鎖状態である状態を示す縦断面図、(B)は横断面図である。図15は、(A)は普通可変入賞球装置が開放状態である状態を示す縦断面図、(B)は横断面図である。図16は、(A)〜(C)は普通可変入賞球装置が閉鎖状態へ変化するときの状況の一例を示す説明図である。
図14〜図16に示すように、誘導板601は、平面視略横長長方形状をなす板状部材からなり、左側に向けて下方に傾斜した状態でスライド移動するように配設されている。誘導板601の前辺左端部からは、所定の左右幅寸法を有する突出片650が前方に向けて延設されているとともに、該突出片650の先端上面には、遊技球Pの第2始動入賞口への通過を規制する規制部651が上方に向けて突設されている。尚、左右寸法は遊技球の直径2Rよりも短寸とされている。
図14(A)に示すように、規制部651は、突出片650の上面からの突出寸法L30が遊技球Pの半径Rよりも短寸とされている(L30<R)。また、規制部651は、左側から右側へ向けて下方へ向けて傾斜する上面651Aと、左側から右側へ向けて前方へ向けて傾斜する背面651Bと、を有している。このように構成される規制部651は、普通可変入賞球装置6Bが閉鎖状態であるとき、つまり、誘導板601が退避位置にあるときに、遊技球Pが第2始動入賞口を通過することを規制する。
図12(A)及び図14に示すように、誘導板601が退避位置にあるとき、誘導板601の前辺の左側に形成された突出片650は長孔814よりも前方に配置されることで、規制部651が第2始動口スイッチ22Bにより形成される第2始動入賞口に対応する位置に配置され、遊技球の第2始動入賞口の通過を阻止する。具体的には、規制部651は、第2始動入賞口の右方の下後部近傍位置に配置される。このとき、規制部651から第2始動入賞口の周縁までの最大離間寸法L40が遊技球Pの直径2Rよりも短寸であるため(L40<2R)、遊技球Pの第2始動入賞口への進入が規制される。
図14(A)に示すように、右方へ開口する第2始動入賞口の上方は球受部812により覆われているため、上方から落下してくる遊技球Pが第2始動入賞口へ進入することはないが、例えば、誘導壁部815により第2始動入賞口側へ誘導された遊技球Pが他の遊技球Pと衝突するなど何らかの要因で第2始動入賞口へ向かってきたり、あるいは、第2始動入賞口に遊技球Pを不正に進入させようとしても、遊技球Pが第2始動入賞口を通過することが規制されるため、普通可変入賞球装置6Bが開放状態ではないのに遊技球Pが第2始動入賞口を通過する異常入賞が発生することが抑制される。
また、特に図示しないが、流下してきた遊技球Pが規制部651に衝突したり、規制部651を不正に押圧するなど、誘導板601に対し後方への外力が加わっても、誘導板601の退避位置から後方への移動が図示しない規制部にて規制されるため、規制部651を第2始動入賞口に対応する位置から遊技盤2側へ退避させることはできない。また、規制部651は上面651Aが傾斜面であることで、第2始動入賞口の近傍を通過する遊技球Pが衝突しても第2始動入賞口から離れる方向へ誘導することができる。
図12(B)及び図15に示すように、誘導板601が突出位置にあるとき、球受部812と誘導壁部815との間に形成された開口から流下してきた遊技球Pは、後壁800と前壁801とにより形成された空間部における誘導板601の上面における右端部付近に落下し、該誘導板601の上面により左側の第2始動入賞口へ向けて誘導される。
誘導板601が突出位置にあるとき、誘導板601の前辺の左側に形成された突出片650は前方位置に配設されることで、規制部651が第2始動口スイッチ22Bにより形成される第2始動入賞口に対応する位置よりも前側に配置されるため、遊技球Pの第2始動入賞口の通過が許容される。これにより、誘導板601により誘導されてきた遊技球Pは、規制部651により流下を規制されることなく第2始動入賞口へ進入して通過する。
また、図16(A)〜(C)に示すように、誘導板601が突出位置から退避位置へ移動するとき、第2始動入賞口よりも前側にあった規制部651が第2始動入賞口を横切るように後方へ移動するため、誘導板601により第2始動入賞口に誘導されてきた遊技球Pは、第2始動入賞口の側方を横切る規制部651に接触することで第2始動入賞口の通過が規制される。よって、誘導板601が退避位置に移動して第2状態になる直前に遊技球が第2始動入賞口を通過することが規制される。
また、図16(B)に示すように、規制部651は、背面651Bが右側に向けて前方に傾斜する傾斜面にて構成されていることで、背面651Bと後壁800の前面との間に挟まれた遊技球Pを第2始動入賞口から離れる方向に誘導するため、球噛み等を防止することもできる。さらに、規制部651が形成される突出片650の左右幅寸法が遊技球Pの直径2Rよりも短寸に形成されていることで、規制部651が遊技球に接触しても遊技球が左右に誘導されやすいため、球噛みが発生しにくい。
また、誘導板601は、図16(A)に示す突出位置において、前辺と前壁801との間に遊技球Pの半径よりも短い隙間が形成されることで、突出位置へ移動したときに前壁801との間に遊技球Pが挟まることが抑制されるとともに、突出位置から退避位置へ移動を開始してから瞬時に遊技球Pが落下するため、第2始動入賞口へ誘導されにくくなる。
また、誘導板601に対応する位置に規制片830A,830B,830Cが配置されていることにより、図15(B)に示すように、誘導板601が突出位置にあるときは、遊技球Pは規制片830A,830B,830Cにより前後に蛇行しながら誘導板601上を第2始動入賞口へ向けて流下していく。また、規制片830A,830B,830Cにより前後に蛇行することで、誘導板601上(図11(A)に示す左右寸法L4の領域)を流下する遊技球Pの流下速度は、規制片830A,830B,830Cがない場合よりも遅い。つまり、本実施例における規制片830A,830B,830Cは、誘導板601により遊技球Pが第2始動入賞口まで誘導されるのに要する期間(例えば、約1秒)が長くなるようにするための部材である。これにより、誘導板601が突出位置にあるときに該誘導板601上に落下した遊技球Pが第2始動入賞口へ向けて流下する速度が低下する。
本実施例では、前述したように、通常状態(非時短状態)でも時短状態でも、普通図柄当りの当選確率は同一とされている。これにより、通常状態(非時短状態)と時短状態とで普通図柄当りの当選確率を変更しなくて済むため、設計が容易になるとともにCPU103の制御負荷を軽減することができる。しかし、これでは通常状態(非時短状態)において右打ちされると、時短状態と同じ確率で普通図柄当りが発生するので、通常状態であるにもかかわらず、普通可変入賞球装置6Bが開放状態となって遊技球Pが第2始動入賞口を通過しやすくなる。よって、第2特図の変動表示の実行頻度が増加するので、小当りを契機とした小当り遊技が実行されてV入賞大当りが発生する可能性が高まってしまう。
そこで、本実施例では、通常状態(非時短状態)で普通図柄当りが発生したことに基づいて普通可変入賞球装置6Bを開放状態とする期間、すなわち、誘導板601を突出位置に保持する期間を極めて短い期間(例えば、約0.1秒)とすることで、実質的に遊技球Pが誘導板601により第2始動入賞口へ誘導されないようにすることが好ましい。
但し、短期間であるとはいえ、誘導板601は一時的に突出位置へ移動するので、この瞬間に誘導板601上に遊技球Pが落下して勢いよく流下すると、第2始動入賞口へ誘導されてしまう虞がある。
よって、上述したように、誘導板601により遊技球Pが第2始動入賞口まで誘導されるのに要する期間(例えば、約1秒)が長くなるようにするための規制片830A,830B,830Cを設けることで、普通可変入賞球装置6Bが開放状態となって誘導板601が突出位置へ移動したとき、誘導板601上に落下した遊技球Pが高速で流下して第2始動入賞口へ進入してしまうことを抑制できるため、通常状態において小当りを契機としたV入賞大当りが発生することを好適に回避することができる。
また、誘導板601により遊技球Pが第2始動入賞口まで誘導されるのに要する期間(例えば、約1秒)は、通常状態における普通可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)の開放期間である約0.1秒よりも長いため、誘導板601が突出位置へ移動したときに遊技球Pが誘導板601の上面に落下したとしても、第2始動入賞口まで誘導される前に誘導板601は退避位置へ戻ることで、誘導板601により第2始動入賞口まで誘導され難くなる。
さらに、本実施例では、誘導板601の上方に、誘導壁部815と球受部812とが設けられており、誘導板601へ流下してくる遊技球Pは、誘導壁部815と球受部812との間に形成された開口を通過してほぼ誘導板601の上面右側、つまり、第2始動入賞口と反対側の端部に落下するようになっている。これにより、誘導板601により第2始動入賞口まで誘導される経路長さ及び誘導期間が長くなるため、誘導板601の上面左側に落下して直ちに第2始動入賞口へ誘導されてしまうことが抑制される。
また、普通可変入賞球装置6Bが閉鎖状態であるとき、誘導壁部815と球受部812との間に形成された開口から流下してくる大半の遊技球Pは、上記したように下方の誘導壁部816上に落下するが、何らかの要因により図14(A)において2点鎖線で示すように第2始動入賞口へ向けて流下してきた場合にあっても、規制片830A,830B,830Cに接触することにより第2始動入賞口側へ移動され難くなるため、閉鎖状態において第2始動入賞口へ遊技球Pが進入することを抑制できる。
さらに、図14(A)に示すように、規制片830A,830B,830Cは、誘導板601の上面から所定寸法(例えば、遊技球Pの半径R)上方に離れた位置に下端が位置するように設けられている。言い換えると、規制片830A,830B,830Cは、誘導板601の上面を流下する遊技球Pの中心点の移動軌跡とほぼ同じ高さ位置に下端が位置するように設けられている。
すなわち、本実施例では、通常状態において普通可変入賞球装置6Bが開放状態となって誘導板601が突出位置へ移動したときに、該誘導板601により遊技球Pが第2始動入賞口まで誘導されるのに要する期間が長くなるようにするため、規制片830A,830B,830Cが設けられているが、時短状態において普通可変入賞球装置6Bが開放状態となって誘導板601が突出位置へ移動したときに、過度に流下速度が低下されて第2始動入賞口への遊技球Pの進入が阻害されることがないようにすることが好ましい。
よって、上記したように、規制片830A,830B,830Cを、誘導板601の上面から所定寸法(例えば、遊技球Pの半径R)上方に離れた位置に下端が位置するように設けることで、規制片830A,830B,830Cは遊技球Pの外面上半部に接触するようになる。これにより、遊技球Pの外面側部に接触する場合に比べて接触時の抵抗が小さくなるため、時短状態において普通可変入賞球装置6Bが開放状態となったときに遊技球Pの流下速度が過度に低下することが抑制される。
一方、普通可変入賞球装置6Bが閉鎖状態である場合において、例えば、図14(A)において2点鎖線で示すように、誘導壁部815の角部に落下したことにより第2始動入賞口へ向けて誘導板601の上方を勢いよく移動する遊技球Pなどが規制片830A,830B,830Cに接触して第2始動入賞口側への移動が阻害されるため、第2始動入賞口へダイレクトに進入することを好適に抑制できる。
つまり、規制片830A,830B,830Cは、通常状態において遊技球Pが第2始動入賞口へ進入することを抑制するための手段であり、通常状態において誘導板601が退避位置にあるときは第2始動入賞口へダイレクトに進入することを抑制し、通常状態において誘導板601が突出位置にあるときは誘導板601上を流下する遊技球Pの流下速度を低下させて第2始動入賞口への入賞を抑制する。
次に、第2特別可変入賞球装置7Bの詳細について、図17に基づいて説明する。図17は、(A)〜(C)は特別可変入賞球装置へ進入した遊技球の状況の一例を示す説明図である。
図17に示すように、誘導壁部816上を左側へ向けて流下してきた遊技球Pは、第2誘導板711が突出位置にあるとき、後壁800と前壁801とにより囲まれた領域において第2誘導板711の上面における右端部付近に到達する。
そして、誘導壁部816の左側端部に対応する位置に規制片840Aが配置され、第2誘導板711に対応する位置に規制片840B〜840Eが配置されていることにより、第2誘導板711が突出位置にあるときは、遊技球Pは規制片840A〜840Eにより前後に蛇行しながら第2誘導板711上を左側へ向けて流下していく。これら規制片840A〜840Eにより前後に蛇行することで、第2誘導板711上(図11(B)に示す左右寸法L14の領域)を流下する遊技球Pの流下速度は、規制片840A〜840Eがない場合よりも遅い。つまり、本実施例における規制片840A〜840Eは、第2誘導板711により遊技球Pが第2誘導板711上(図11(B)に示す左右寸法L14の領域)を通過するのに要する期間が長くなるようにするための部材である。これにより、突出位置にある第2誘導板711上を遊技球Pが左側へ向けて流下する速度が低下する。
また、図17(A)に示すように、第2誘導板711は、突出位置にあるとき、例えば最大4個の遊技球Pが同時に流下可能な面積を有している。従って、第2誘導板711が退避位置に移動して第2大入賞口712が開放状態となったときには、1回の開放制御によって最大で同時に4個の遊技球Pが落下するようになっている。
図6(E)に示すように、この実施の形態では、第2大入賞口712は、小当り遊技状態の第1ラウンドにおいて0.1秒間18回開放するようになっている。そして、開放間のインターバルは1秒となっている。規制片840A〜840Eは、このように遊技球Pが第2誘導板711上を通過する期間が、例えば、小当り遊技状態における開放間のインターバル(1秒)よりも長くなるように設けられているため、インターバル期間中に突出位置にある第2誘導板711に到達した遊技球Pが該第2誘導板711上を通過する前に、次回の0.1秒開放開始に伴い第2誘導板711が退避位置へ移動して第2大入賞口712が開放するため、インターバル期間に第2誘導板711に到達した遊技球Pを取りこぼすことなく第2大入賞口712に進入させることができる。
第2大入賞口712に進入した遊技球Pは、規制部材721が規制状態となっている場合には、図17(B)に示すように、第4カウントスイッチ24Cにより検出される。また、規制部材721が許容状態となっている場合には、図17(C)に示すように、第3カウントスイッチ24Bにより検出される(V入賞が発生する)。なお、小当り遊技状態中は規制部材721を許容状態に制御したり、同時に4個の遊技球が第2大入賞口712に進入した場合には、必ず1個はV入賞するように規制部材721を動作させるようにしてもよい。このようにすることで、小当りとなった場合、右打ちをしていれば第2大入賞口712を狙った場合には、必ずV入賞させることができる。
図18は、図7に示す特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S131)。尚、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータに図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(S132)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定する(S133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータに大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(S135)。また、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータに通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(S136)。
次いで、CPU103は、時短フラグがセットされているか否かを判定する(S136a)。時短フラグがセットされていない場合は、S137に移行し、時短フラグがセットされている場合は、時短フラグをクリアし(S136b)、S137に移行する。
また、S137において、CPU103は、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、4回)および大当り種別に応じた開放時間をセットし、大当り種別を示すデータをクリアする(S138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S139)。
S133の処理において大当りフラグがセットされていない場合は、CPU103は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(S141)。時短フラグがセットされている場合(すなわち、時短状態(高ベース状態)に制御されている場合)には、第2特図の変動であるか否かを判定する(S142)。第2特図の変動出ない場合、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S143)。そして、CPU103は、減算後の時短回数カウンタの値が0であるか否かを判定する(S144)、第2特図の変動である場合、または、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には、時短フラグをクリアする(S145)。
なお、時短回数カウンタには、大当りAや小当りAにおいてV入賞したことに伴うV入賞大当りが終了したことに基づいて、例えば図7のS307の大当り終了処理において初期値の5がセットされる。そして、S143にて減算後の時短回数カウンタの値が0になったこと(時短状態における第1特図と第2特図の合計変動回数が5回になったこと)、または、第2特図の変動が実行されたことに基づいて時短状態が終了する。このように、この実施の形態では、時短状態の終了条件が複数設けられている。
S145にて時短フラグをクリアした場合、またはS141のNo、S144のNoの場合、CPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S147)。小当りフラグがセットされていれば、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータに小当り開始指定コマンドを送信し(S148)、S149に移行する。
S149において、CPU103は、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S149)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(S308)に対応した値に更新する(S151)。
小当りフラグもセットされていなければ(S147;No)、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S152)。
図19は、図7に示す特別図柄プロセス処理における小当り開放中処理(S309)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、CPU103は、まず、開放時間タイマのタイマ値を−1した後(S521)、開放時間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S522)。開放時間タイマがタイマアウトした場合は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(S310)に対応した値に更新して(S523)、小当り開放中処理を終了する。
開放時間タイマがタイマアウトしていない場合は、第3カウントスイッチ24Bがオンとなったか否かを判定する(S524)。第3カウントスイッチ24Bがオンとなっていない場合は、小当り開放中処理を終了する。第3カウントスイッチ24Bがオンとなった場合は、第3カウントスイッチ24Bが当該小当り中においてオンとなったことを示すV入賞フラグをセットし(S525)、演出制御用マイクロコンピュータに、V入賞通知指定コマンドを送信する制御を行い(S526)、開放時間タイマをクリアし(S527)、S523に移行する。
小当り開放中処理の後に、図7のS310の小当り終了処理が実行され、V入賞フラグがオンであればV入賞大当りを開始するための処理が実行される。
図20、図21は、小当り遊技状態や大当り遊技状態において、第1大入賞口702または第2大入賞口712が開放状態となっているときに、大入賞口へ遊技球を入賞させることを促す入賞促進報知を実行するための開放中演出処理を示すフローチャートである。開放中演出処理は、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、演出制御基板12の演出制御用CPU120が実行する。
開放中演出処理では、演出制御用CPU120は、まず、小当り遊技状態の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS701)。小当り遊技状態の開始タイミングであるか否かは、例えば、主基板11から伝送される当り開始指定コマンドに基づいて判定すればよい。
小当り遊技状態の開始タイミングであると判定された場合、演出制御用CPU120は、第2大入賞口712へ遊技球を入賞させることを促す第1入賞促進報知を実行する(ステップS702)。第1入賞促進報知は、例えば、画像表示装置5において右打ちすることを促す画像(例えば「右打ち>」等)を表示する入賞促進報知である。
なお、小当り遊技状態が発生する場合とは、時短状態であって、遊技者が右打ちをして第2始動入賞口へ遊技球を入賞させた場合である。そして、遊技者がそのまま右打ちをしていれば、必然的に小当り遊技状態において第2大入賞口712に遊技球を入賞させることができる。そのため、第1入賞促進報知は、図22に示すように、表示のみによる簡素な報知となっている。
続いて、演出制御用CPU120は、小当りが開始してからの時間を計測するための小当りタイマをスタートさせ(S703)、開放中演出処理を終了する。
小当り遊技状態の開始タイミングでない場合、演出制御用CPU120は、小当り遊技状態であるか否かを判定する(S711)。小当り遊技状態であるか否かは、例えば、主基板11から伝送される当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドに基づいて判定すればよい。また、演出制御基板12において、主基板11から伝送される各種のコマンドに基づいて現在の状態を特定するためのフラグをセットし、そのフラグを参照することで小当り遊技状態であるか否かを判定するようにしてもよい。
小当り遊技状態であると判定された場合、演出制御用CPU120は、主基板11からV入賞通知指定コマンドを受信しているか否かを判定する(S712)。V入賞通知指定コマンドを受信している場合は、実行中である場合には後述の第2入賞促進報知を終了し(S713)、開放中演出処理を終了する。なお、S713の処理を既に実行済みである場合や、第2入賞促進報知を実行しなかった場合には、S713の処理をスキップすればよい。また、S712の処理を実行する前に、第2入賞促進報知を実行中であるか否かを判定して、実行中でなければ開放中演出処理を終了するようにしてもよい。
主基板11からV入賞通知指定コマンドを受信していなければ、小当り遊技状態終了まで10s未満であるか否かを判定する(S714)。小当り終了までの時間は、小当りタイマの値と小当り遊技状態の長さとを比較することで小当り終了まで10s(秒)未満であるか否かを判定すればよい。
小当り遊技状態終了まで10s未満である場合、演出制御用CPU120は、大入賞口へ遊技球を入賞させることを促す第2入賞促進報知を実行する(S715)。第2入賞促進報知は、例えば、図22に示すように、画像表示装置5において右打ちすることを促す画像(第1入賞促進報知と同じ画像でも異なる画像でもよい)を表示するとともに、スピーカ8L、8Rから右打ちを促す音声を出力し、遊技効果LED9を点灯または点滅させる入賞促進報知である。
なお、発光手段としての遊技効果LED9は、遊技機用枠3に設けられる枠LEDと、大入賞口(第1大入賞口702及び第2大入賞口712の縁等)に設けられる入賞口LEDと、を少なくとも含む。そして、LED制御基板14は、枠LEDと入賞口LEDとを別の制御でそれぞれ点灯または点滅させることができるようになっている。枠LEDと入賞口LEDとのうちいずれか一方を点灯させる制御等が可能である。なお、第2入賞促進報知では、枠LEDと第2大入賞口712の入賞口LEDの双方を点灯または点滅させる。また、発光手段として盤面側に遊技効果LEDをさらに備え、発光させるようにしてよい。
このように、第2入賞促進報知は、パチンコ遊技機1に設けられた複数の演出装置により行う派手な報知となっている。この実施の形態では、小当り遊技状態において、第2大入賞口712に遊技球を入賞させて、V入賞を発生させずに小当り遊技状態が終了すると、その後V入賞大当りに制御されず、また、時短状態も終了してしまう。このように、この実施の形態のパチンコ遊技機1は、小当り遊技状態においてV入賞を発生させなかった場合、遊技者にとって非常に不利となる。そこで、小当り終了まで10s未満である場合には、上述のような派手な第2入賞促進報知により、右打ちを促すことで、遊技者に不利な状況になることを防止している。
小当り終了まで10s以上である場合に、このような第2入賞促進報知を実行すると、遊技者の不安を煽ってしまうおそれがあるため、上述のような簡素な第1入賞促進報知を実行するようにしている。なお、第2入賞促進報知は、小当り遊技状態における少なくとも一部で実行されればよく、小当り終了までの10sより短い時間未満となってから開始するようにしてもよく、それより早く実行するようにしてもよい。小当り遊技状態の開始から第2入賞促進報知を実行するようにしてもよい。
S715の処理を実行した後や、小当り終了まで10s以上である場合には、開放中演出処理を終了する。なお、S715にて、既に第2入賞促進報知を実行中であった場合には、当該処理をスキップすればよい。
小当り遊技状態であると判定された場合、演出制御用CPU120は、小当り遊技状態の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS721)。小当り遊技状態の終了タイミングであるか否かは、例えば、主基板11から伝送される当り終了指定コマンドに基づいて判定すればよい。
小当り遊技状態の終了タイミングであると判定された場合、演出制御用CPU120は、小当りタイマをストップさせて(S722)、実行中の入賞促進報知(第1入賞促進報知または第2入賞促進報知)を終了して(S723)、開放中演出処理を終了する。
小当り遊技状態の終了タイミングないと判定された場合、演出制御用CPU120は、大当り遊技状態における大入賞口(第1大入賞口702)の開放開始タイミングであるか否かを判定する(S731)。小当り遊技状態の開始タイミングであるか否かは、例えば、主基板11から伝送される当り開始指定コマンドや、大入賞口開放中指定コマンドに基づいて判定すればよい。
大入賞口の開始タイミングであると判定された場合、演出制御用CPU120は、大入賞口に遊技球が入賞するまでの時間等を計測するための入賞タイマをスタートさせ(S732)、開放中演出処理を終了する。
大入賞口の開始タイミングでないと判定された場合、演出制御用CPU120は、大入賞口の開放中であるか否かを判定する(S741)。大入賞口の開放中であるか否かは、例えば、主基板11から伝送される大入賞口開放中指定コマンドの受信後大入賞口解放後指定コマンドを受信したか否か等に基づいて判定すればよい。
大入賞口の開放中であると判定された場合、演出制御用CPU120は、大入賞口への入賞があったか否かを判定する(S742)。大入賞口への入賞があったか否かは、主基板11から大入賞口入賞指定コマンドを受信したか否かに基づいて判定すればよい。
大入賞口への入賞があった場合、演出制御用CPU120は、入賞タイマをリスタートさせ(S743)、実行中であれば後述の第3入賞促進報知を終了させて(S744)、開放中演出処理を終了する。
大入賞口への入賞がない場合、演出制御用CPU120は、入賞タイマのタイマ値が5s(秒)であるか否かを判定する(S745)。入賞タイマのタイマ値が5sである場合、第1大入賞口702へ遊技球を入賞させることを促す第3入賞促進報知を実行する(ステップS746)。第3入賞促進報知は、例えば、図22に示すうように、遊技効果LED9のうち、第1大入賞口702の大入賞口LEDを点灯させる入賞促進報知である。
なお、大当り遊技状態において大入賞口へ遊技球を入賞させないと遊技者は賞球を得られないものの、V入賞が発生せずに当りが終了したり、時短状態の終了が確定しまうわけではない。そのため、第3入賞促進報知は、大入賞口開放から5sまたは前回の入賞から5s経過した場合に、第1大入賞口702の大入賞口LEDのみを点灯させる簡素な報知となっている。ただし、第3入賞促進報知では、遊技効果LED9のうち入賞口LEDのみを点灯させ他のLEDを消灯させるので、狙う大入賞口を目立たせてわかりやすくすることができる。なお、第1入賞促進報知や第2入賞促進報知において、遊技効果LED9のうち入賞口LEDのみを点灯させ他のLEDを消灯させる入賞促進報知を実行するようにしてもよい。
また、大入賞口開放から入賞が発生するまでの時間または前回の入賞からの時間がいずれかが所定期間(5秒)になったときに、入賞促進報知を実行するようにしているが、いずれか一方の時間のみに基づいて入賞促進報知を実行するようにしてもよい。
また、大入賞口開放から入賞が発生するまでの時間と前回の入賞からの時間とで、入賞促進報知を実行するまでの閾値(所定期間)を異ならせてもよい。例えば、大入賞口開放から入賞が発生するまでの時間が第1所定期間(例えば5秒)となったとき、または、前回の入賞からの時間が第2所定期間(例えば3秒)となったきに、入賞促進報知を実行するようにしてもよい。前回の入賞からの時間に基づいて入賞促進報知を行う場合、当該ラウンドにおける大入賞口の残りの開放時間が不明であるため、過度に入賞促進報知が実行されてしまわない程度の短い時間であることが好ましい。なお、第1所定期間を第2所定期間より短い期間としてもよい。第2所定期間を短い期間とすることで、大入賞口の開放が始まったことを気づいていない遊技者等に、好適な入賞促進報知をすることができる。
S746の処理を実行した後や、入賞タイマのタイマ値が5sでない場合には、開放中演出処理を終了する。
大入賞口の開放中であると判定された場合、演出制御用CPU120は、大入賞口の開放終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS751)。大入賞口の開放終了の終了タイミングであるか否かは、例えば、主基板11から伝送される大入賞口開放後指定コマンドに基づいて判定すればよい。
大入賞口の開放終了タイミングであると判定された場合、演出制御用CPU120は、入賞タイマをストップさせて(S752)、実行中であれば第3入賞促進報知を終了して(S753)、開放中演出処理を終了する。また、大入賞口の開放終了タイミングでもない場合には、開放中演出処理を終了する。
なお、S753において第3入賞促進報知を終了させた場合には、次回の大入賞口の開放時に、最初から第3入賞促進報知を実行するようにしてよい。この場合、S752にて入賞タイマをストップさせなくてもよい。S753において第3入賞促進報知を終了させた場合とは、大当り遊技状態におけるラウンドが終了して大入賞口を閉鎖する段階で、所定期間大入賞口に遊技球が入賞していなかったことになる。そのため、次のラウンドの開始から第3入賞促進報知を実行するようにしてもよい。即ち、ラウンド間を跨いで第3入賞促進報知を実行するようにしてもよい。このようにすることで、遊技者に適切な入賞促進報知を実行することができる。
図22に示すように、1ラウンド(小当り遊技状態)における入賞促進報知(第1入賞促進報知、第2入賞促進報知)と、2〜8ラウンド(V入賞大当りの大当り遊技状態)における入賞促進報知(第3入賞促進報知)と、で入賞促進報知の実行態様が異なっている。即ち、大入賞口が開放状態となる期間のうち第1期間と第2期間とで入賞促進報知の実行態様が異なっている。このようにすることで、遊技者に対して期間に応じた適切な報知を実行することができる。
また、図22に示すように、第1大入賞口702を開放するときと、第2大入賞口712を開放するときと、で入賞促進報知の実行態様が異なっている。このようにすることで、遊技者に対して開放する大入賞口に応じた適切な報知を実行することができる。
なお、上述のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1は、小当り遊技状態においてV入賞を発生させなかった場合、遊技者にとって非常に不利となる。そのため、小当り遊技状態における第2入賞促進報知を実行する一方で、V入賞大当りの大当り遊技状態においては入賞促進報知を実行しないようにしてもよい。即ち、大入賞口が開放状態となる期間のうち第1期間において入賞促進報知を実行し、第2期間においては入賞促進報知を実行しないようにしてもよい。このようにすることでも、遊技者に対して期間に応じた適切な報知を実行することができる。
また、特定領域(第3カウントスイッチ24B)を備える第2大入賞口712を開放するときには、入賞促進報知を実行し、特定領域を有さない第1大入賞口702を開放するときには入賞促進報知を実行ようにしてもよい。このようにすることでも、遊技者に対して開放する大入賞口に応じた適切な報知を実行することができる。
なお、図22に示した入賞促進報知の態様は一例であり、表示、音、LEDの他、可動部材等の任意の演出装置を組み合わせて入賞促進報知を実行すればよい。この場合、報知の表示や音による報知は、強い報知になると考えられるため、第2入賞促進報知のように強い報知を実行したい場合には、これらの報知が含まれることが望ましい。また、第2入賞促進報知では、大入賞口LEDを点灯させず枠LEDのみを点灯する一方、第3入賞促進報知では、大入賞口LEDのみを点灯させることで、大入賞口を強調するようにしてもよい。
また、小当り遊技状態開始時に実行される第1入賞促進報知は実行しないようにしてよい。図22では、大当りAや大当りBとなった場合の大当り遊技状態が含まれていないが、大当りAや大当りBとなった場合の大当り遊技状態においては、1〜4ラウンドにおいて第3入賞促進報知を実行するようにしてよいし、他の態様の入賞促進報知を実行するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、遊技領域10を流下する遊技球が通過領域としての第2始動入賞口を通過し易い開放状態(第1状態)と該開放状態よりも通過し難い閉鎖状態(第2状態)とに変化可能な普通可変入賞球装置6Bと、遊技球が第2始動入賞口を通過したことに基づいて所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出し、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件を成立させた後、例えば前回の特図の変動表示や大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示を開始させるCPU103と、を備え、普通可変入賞球装置6Bは、遊技領域10を流下する遊技球を第2始動入賞口へ向けて遊技盤2の前面に沿うように誘導する誘導部材としての誘導板601と、誘導板601を、開放状態において遊技領域10に突出させ、閉鎖状態において該遊技領域10から退避させるソレノイド81と、を有し、開放状態において誘導板601が遊技領域10に突出したときに該誘導板601により遊技球が第2始動入賞口まで誘導されるのに要する期間が長くなるようにするための遅延手段としての規制片830A,830B,830Cをさらに備える。
このように、遅延手段により、開放状態において遊技領域10に突出した誘導板601により遊技球が第2始動入賞口まで誘導されるのに要する期間が長くなることで、意図しない数の遊技球が第2始動入賞口を通過して遊技価値が過度に付与されてしまうことを抑制できる。
特に本実施例のように、普図当りの当選確率を通常状態と時短状態とで同時とした場合において、通常状態で右打ちされることにより普図当りが発生しても、普通可変入賞球装置6Bの開放期間が約0.1秒と短いだけでなく、誘導板601が突出位置へ移動したときでも、規制片830A,830B,830Cが設けられていることにより、誘導板601上を流下する遊技球の流下速度が低下させられるため、誘導板601上を遊技球が高速で流下して第2始動入賞口へ進入することが抑制される。
また、誘導板601の左側方には第2始動入賞口が設けられ、右側方には誘導板601に向かう遊技球を該誘導板601における第2始動入賞口と反対側の右端部へ誘導する誘導手段としての球受部812と誘導壁部815が設けられていることで、遊技球が誘導板601により誘導されることなく第2始動入賞口へダイレクトに進入してしまうことを抑制できる。また、誘導板601の右端から左端へ向けて誘導される期間が長くなるので、規制片830A,830B,830Cにより好適に遊技球の流下速度を低下させることができる。
また、開放状態において誘導板601により誘導される遊技球が蛇行するように後壁800と前壁801との対向面に突設される複数の規制片830A,830B,830Cのうち、少なくとも誘導板601の傾斜上位側に配置される規制片830Aには、誘導方向に向けて傾斜する傾斜面830Kが形成されていることで、誘導板601により誘導される遊技球が規制片830Aに接触することにより球詰りが発生したり、流下速度が低下されていない遊技球が衝突して規制片830Aが破損することを抑制できる。
また、CPU103は、普図の変動表示での変動表示結果が「普図当り」となったことに基づき普通可変入賞球装置6Bを開放状態に制御する。また、変動表示を行って予め定められた特定表示結果である大当り表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り)に制御する。また、大当りAまたは小当りAに伴うV入賞大当りが発生したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態であって大当りとは異なる特別状態(例えば、時短状態)に制御する。また、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出し、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件を成立させた後、例えば前回の特図の変動表示や大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示を開始する。そして、時短状態において普図当りが発生したとき、通常状態において普図当りが発生したときよりも高い割合で普通可変入賞球装置6Bを通常状態のときよりも長い約3秒間にわたり開放状態に制御するようにすることで、通常状態において、意図しない数の遊技球が第2始動入賞口を通過して遊技価値が過度に付与されてしまうことを抑制できる。
また、誘導板601は、第2始動入賞口へ向けて延設される板状の部材からなり、該誘導板601の右側から左側まで遊技球が誘導されるのに要する期間(例えば、約1秒)は、通常状態において普通可変入賞球装置6Bが開放状態となる開放期間(例えば、約0.1秒間)よりも長いことで、通常状態において普図当りが発生して普通可変入賞球装置6Bが開放状態に制御されても、遊技球が誘導板601の右側から左側まで誘導される前に閉鎖状態へ変化してしまうため、意図しない数の遊技球が第2始動入賞口を通過して遊技価値が過度に付与されてしまうことを抑制できる。
また、遊技領域10を流下する遊技球が第2始動入賞口とは異なる第2大入賞口712を通過し易い開放状態(第3状態)と該開放状態よりも通過し難い閉鎖状態(第4状態)とに変化可能な第2特別可変入賞球装置7Bは、遊技領域10を流下する遊技球を第2大入賞口712へ向けて遊技盤2の前面に沿うように誘導する第2誘導板711と、第2誘導板711を、閉鎖状態において遊技領域10に突出させ、開放状態において該遊技領域10から退避させるソレノイド83と、を有し、閉鎖状態において第2誘導板711が遊技領域10に突出したときに該第2誘導板711により遊技球が第2大入賞口712まで誘導されるのに要する期間が長くなるようにするための特別遅延手段としての規制片840A〜840Fをさらに備え、規制片840A〜840Fは、開放状態において第2誘導板711が遊技領域10から退避することで遊技球が第2大入賞口712を通過可能となるようにすることで、普通可変入賞球装置6Bと類似の構造の第2特別可変入賞球装置7B、つまり、普通可変入賞球装置6Bと同じように遅延手段を有する第2特別可変入賞球装置7Bが設けられても、普通可変入賞球装置6Bでは誘導板601を遊技領域10に突出させることで遊技球が第2始動入賞口を通過しやすくなるのに対し、第2特別可変入賞球装置7Bでは第2誘導板711を遊技領域10から退避させることで遊技球が第2大入賞口712を通過しやすくなるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施例では、通過領域の一例として、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出し、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件を成立させた後、例えば前回の特図の変動表示や大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示が開始される第2始動入賞口を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球が通過することに基づいて遊技価値が付与される通過領域であれば、例えば、第1始動入賞口や、第1大入賞口702、第2大入賞口712、一般入賞口、あるいは、遊技球が通過することで大当り遊技終了後に変動表示結果が大当りとなる確率が向上する確変制御の実行が付与される確変スイッチ等が適用されてもよい。
また、本実施例では、遊技領域10を流下する遊技球を第2始動入賞口へ向けて遊技盤2の前面に沿うように誘導する誘導部材の一例として誘導板601を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記した第1始動入賞口や、第1大入賞口702、第2大入賞口712、一般入賞口、あるいは確変スイッチ等へ遊技球を誘導する誘導部材としてもよい。また、誘導板601は板状に形成されていたが、必ずしも板状に形成されていなくてもよい。
また、本実施例では、前壁801と後壁800とに規制片830A,830B,830Cを形成することにより遊技球を蛇行させることで、遊技球が誘導板601上を通過するのに要する期間を延長する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、誘導板601が突出位置へ移動したときに遊技球が流下する流下経路に定期的に進退する進退部材を設け、該進退部材によって誘導板601上における遊技球の通過を一時的に妨げることによって遊技球が誘導板601上を通過するのに要する期間を延長するようにしてもよいし、誘導板601の上面に平面視で蛇行する溝や凹凸、傾斜等を形成することによって誘導板601上を移動する遊技球の速度が低下するようにしてもよい。
また、本実施例では、前壁801と後壁800とに規制片840A〜840Fを形成することにより遊技球を蛇行させることで、遊技球が第2誘導板711上を通過するのに要する期間を延長する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第2誘導板711が突出位置へ移動したときに遊技球が流下する流下経路に定期的に進退する進退部材を設け、該進退部材によって第2誘導板711上における遊技球の通過を一時的に妨げることによって遊技球が第2誘導板711上を通過するのに要する期間を延長するようにしてもよいし、第2誘導板711の上面に平面視で蛇行する溝や凹凸、傾斜等を形成することによって第2誘導板711上を移動する遊技球の速度が低下するようにしてもよい。
また、本実施例では、通常状態と時短状態とで、普図当り確率は同一とされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、普図当り確率は、時短状態であるとき、通常状態よりも高くなるようにしてもよい。
また、本実施例では、普通可変入賞球装置6Bの開放期間は、時短状態であるとき、通常状態よりも長くなるようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、時短状態であるときと通常状態であるときとで同じ開放期間としてもよい。尚、この場合、規制片840A〜840Fにより、誘導板601が遊技領域10に突出したときに該誘導板601により遊技球が第2始動入賞口まで誘導されるのに要する期間が、少なくとも通常状態であるときの普通可変入賞球装置6Bの開放期間よりも長くなるようにすることが好ましい。
また、本実施例では、誘導板601の左側方に第2始動入賞口が設けられていたが、右側方に設けられていてもよい。さらに、誘導板601に向けて流下してくる遊技球は、球受部812と誘導壁部815との間に形成された開口からのみ進入可能であることで、誘導板601の上面における右端部に極力落下するように構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、誘導板601の上面の任意の位置に落下するようになっていてもよい。
また、本実施例では、小当り種別が2種類であり、小当りからV入賞大当りとなった場合の大当り遊技状態の種類は2種類(8R時短あり、4R時短なし)であったが、小当りからV入賞大当りとなった場合の大当り遊技状態の種類として、例えば、4R時短あり、8R時短あり、15R時短ありとなる小当り種別(時短ありでラウンド数の異なる小当り種別)を設けることも考えられる。このような小当り種別を設ける場合、小当り後にいずれ種類の大当りとなるかを煽るラウンド数報知演出を実行することも考えられる。このようなラウンド数報知演出を実行しているときに、遊技者がラウンド数報知演出(特にスティックコントローラ31Aを複数回操作させる演出等)に夢中になり、第2大入賞口712への遊技球の発射を忘れてしまうおそれがある。このような場合に、本実施例の入賞促進報知(第2入賞促進報知)を適用することで、遊技球の発射のし忘れを防止することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
右打ちしているときに小当りが発生すれば、必ずV入賞大当りが発生するように第2特別可変入賞球装置7Bを構成した際の変形例について説明する。図23に示すように、変形例の第2特別可変入賞球装置7Bは、第2大入賞口712を通過した遊技球Pを該第2大入賞口712の下方において右側から左側へ向けて流下させる第1経路750Dと、第1経路750Dから第2カウントスイッチ24Aを通過した遊技球Pをやや左側下方に流下させる第2経路750Eと、第2経路750Eにおける第2カウントスイッチ24Aの直下において分岐され、第2カウントスイッチ24Aを通過したものの第2経路750Eに流下しなかった遊技球Pを右側下方へ流下させる第3経路750Fと、を有する。また、上記実施の形態と同様に、第2誘導板711の上方には、第2誘導板711の上面を流下する遊技球Pの流下速度を低下させるための後壁800及び前壁801に規制片840が複数形成されている。
第2経路750Eの下流部に到達した遊技球Pは、遊技盤2に形成された貫通孔819を介して遊技盤2の背面側に誘導され、第4カウントスイッチ24Cを通過することで該第4カウントスイッチ24Cによって検出された後、遊技機外へ排出される。また、第3経路750Fの下流部に到達した遊技球Pは、第3カウントスイッチ24Bを通過することで該第3カウントスイッチ24Bによって検出され、遊技盤2に形成された貫通孔818を介して遊技盤2の背面側に誘導された後、遊技機外へ排出される。
第2経路750Eにおける貫通孔819の近傍上流側には、遊技球Pの流下を規制するための規制部材730が設けられている。該規制部材730は、帯板状に形成され、所定のソレノイドの駆動によって、遊技盤2から第2経路750E側へ突出して第2経路750Eを流下する遊技球Pの第4カウントスイッチ24Cへ向けての流下を規制する規制位置と、第2経路750Eから遊技盤2側へ退避して第2経路750Eを流下する遊技球Pの第4カウントスイッチ24Cへの流下を許容する規制解除位置と、の間で前後方向に略水平にスライド可能に設けられている。ソレノイドがオフ状態のときに規制状態となり、オン状態のときに規制解除状態となる。
本変形例において、CPU103は、通常時においては規制部材730を規制位置に保持しており、第2大入賞口712が開放状態となったときから所定期間(例えば4秒)が経過したときに、ソレノイドの駆動により規制部材730を規制位置から規制解除位置へ移動させ、該規制解除位置において予め定められた期間(例えば2秒)が経過したときに、ソレノイドをオフ状態として規制位置へ移動させるようになっている。
尚、前記所定期間(例えば4秒)は、第2経路750Eに5個の遊技球P1〜P5を滞留させるとともに、少なくとも6球目の遊技球P6が第3経路750Fへ誘導されるのに必要な時間とされていれば、上記4秒に限定されるものではない。また、前記予め定められた期間(例えば2秒)は、第2経路750Eに滞留している5個の遊技球P全てが規制部材730を通過するのに要する時間とされていれば、上記2秒に限定されるものではない。
また、この変形例では、第2経路750Eは、規制部材730により遊技球Pの流下が規制されているとき、複数個(例えば、5個)の遊技球Pが滞留可能な長さを有しており、滞留している最後尾の遊技球Pは第3経路750Fとの分岐部付近に配置されるようになっている(図24(B)参照)。また、第2経路750Eと第3経路750Fとは、第2経路750Eに5個の遊技球Pが滞留されている場合や、何らかの要因(例えば、振動など)が生じた場合を除き、第2カウントスイッチ24Aを通過した遊技球Pを第3経路750Fより優先して第2経路750Eに案内するように構成されている。
この変形例では、図23(A)に示すように、大入賞口が閉鎖状態であるときに、第2誘導板711(第2大入賞口用扉711ともいう)は、同時に例えば最大6個の遊技球Pが流下可能な面積を有している。従って、第2誘導板711が後退移動して第2大入賞口712が開放状態となったときには、1回の開放制御によって第2大入賞口712が短時間開放されたときであっても、同時に6個の遊技球Pが第2大入賞口712に進入することが可能となっている。このように、第2特別可変入賞球装置7Bは、第2大入賞口712が閉鎖状態であるときに流路上に遊技球Pが複数個載ることが可能な構造となっている。
次いで、第2特別可変入賞球装置7Bが第1状態に変化したときの遊技球Pの流下状況及び各部の作動状況について説明する。
小当りの発生に伴い小当り遊技状態に制御されると、第2誘導板711が閉鎖位置から開放位置へ移動し、第2大入賞口712が所定期間(例えば、0.1秒間×18回)に亘り開放状態に制御される。この開放状態になる直前において、図23(A)に示すように、第2誘導板711上に複数個(例えば、6個)の遊技球P1〜P6が滞留している場合、これら遊技球P1〜P6は、図23(B)に示すように大入賞口712に一斉に進入する。そして、図24(A)に示すように、これら遊技球P1〜P6は第1経路750Dを左側に流下し、第2カウントスイッチ24Aにより順次検出されていく。
開放状態に制御されたとき、第2経路750Eに遊技球は滞留していないため、第2カウントスイッチ24Aを通過した遊技球P1〜P5は、図24(A)に示すように第2経路750Eに案内される。開放状態に制御されたとき、規制部材730は規制位置に位置しているため、第2経路750Eに最初に流入した遊技球P1が規制部材730により流下が規制されることで、後続の遊技球P2〜P5が第2経路750Eに次々に滞留していく。
そして、図24(B)に示すように、第2経路750Eに5個の遊技球P1〜P5が滞留することで、後続の遊技球P6は第2経路750Eに滞留している最後尾の遊技球P5に接触して第3経路750Fへ誘導される。よって、第3経路750Fへ誘導された遊技球P6は、第3カウントスイッチ24Bを通過することにより該第3カウントスイッチ24Bにより検出される。これによりV入賞が発生し、大当り遊技状態へ移行することになる。
以上説明したように、この変形例の第2特別可変入賞球装置7Bでは、遊技球Pが第2誘導板711上に複数個滞留している状態で第2大入賞口712が開放状態となれば、複数個(例えば、6個)の遊技球Pが一斉に第2大入賞口712に進入するため、遊技球Pが第3カウントスイッチ24Bを通過する確率が高い。尚、遊技球Pが第2誘導板711上に複数個滞留している状態で第2大入賞口712が開放状態となれば、遊技球Pが100%またはほぼ100%の割合で第3カウントスイッチ24Bを通過するようにしてもよい。つまり、右打ちしていれば遊技球の大半は第2特別可変入賞球装置7Bへ誘導され、第2誘導板711上を流下することになるので、右打ちしているときに小当りが発生すれば、必ずV入賞大当りが発生するようになる。
尚、第2特別可変入賞球装置7Bの上部の通路を形成する誘導壁部816と第2誘導板711との間等に所定の段差を設けて、一時的に遊技球Pがより滞留しやすくなるような構成を採用してもよい。
また、この変形例では、6個(N個)の遊技球Pが一斉に第2大入賞口712に進入する構成とするとともに、第2経路750Eの長さを、規制部材730により遊技球Pの流下が規制されているとき、5個(N−1個)の遊技球Pが滞留可能な長さとすることで、6個目の遊技球Pが第3経路750Fに誘導され、V入賞が発生するようになっていた。これに限定されず、Nを任意の数(例えば2以上の自然数)として、同様の構造によってV入賞が発生するように構成してもよい。
上記実施の形態では、有利状態として小当り遊技状態及び大当り遊技状態を含む。そして、小当り遊技状態において第3カウントスイッチ24Bを遊技球が通過する(V入賞が発生する)と大当り遊技状態に制御されるので有利状態が継続する。小当り遊技状態においてV入賞が発生しない場合は有利状態が終了する。従って、第2大入賞口712における第3カウントスイッチ24Bは、有利状態の継続判定領域(特定領域)となっていた。これに対して、特定領域及びV入賞によって発生するV入賞大当り(及びそのきっかけとなる小当り)を廃して、第3カウントスイッチ24Bを確変判定領域としてもよい。即ち、大当り遊技状態の第1所定期間(所定のラウンド)において、確変判定領域(第3カウントスイッチ24B)を備える第2大入賞口712を開放し、第2所定期間(他のラウンド)では、確変判定領域を有さない第1大入賞口702を開放するようにしてもよい。そして、大当り遊技状態において、確変判定領域を遊技球が通過した場合には、大当り遊技状態の終了後、大当りとなる確率が向上する確変状態に制御するようにしてもよい。
この場合においても、大当り遊技状態の第2大入賞口712を開放する第1所定期間においては、上記実施の形態における第1入賞促進報知や第2入賞促進報知を実行し、第1大入賞口702を開放する第2所定期間においては、上記実施の形態における第3入賞促進報知を実行するか入賞促進報知を実行しないようにしてもよい。このようにしても、開放する大入賞口や、期間に応じた適切な報知を実行できる。
また、前記実施例では、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bを可変入賞球ユニット7として一体に設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bはそれぞれ別個に遊技盤2に設けられていてもよい。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bに大当り図柄が導出表示されることや、小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出されることにもとづいて大当り遊技状態に制御される形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4B、演出表示装置5を設けない、つまり、特別図柄や演出図柄の変動表示を実行しないようにし、小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出されることのみにもとづいて大当り遊技状態に制御されるようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4B、演出表示装置5において特別図柄や演出図柄の変動表示を行い、該変動表示結果が「大当り」や「小当り」となることに応じて第1大入賞口702や第2大入賞口712を開放する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4B、演出表示装置5において特別図柄や演出図柄の変動表示を行わず、抽出した乱数値MR1が大当りや小当りの判定範囲内であると判定したことのみに応じて第1大入賞口702や第2大入賞口712を開放するようにしてもよい。
上記の実施の形態では、例えば、2次元コード読み取り機能およびインターネット網への接続機能を備える携帯端末等を介して、パチンコ遊技機1および管理サーバとデータのやり取りを行なうようにしてもよい。遊技者は、携帯端末等を用いて管理サーバに接続し、予め遊技者自身のID等の発行を受け、自己の選択により、遊技中の自己の成績に関する報知を受信したり、過去の遊技履歴を反映させた遊技モードで遊技を行なうことが可能である。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の外れ図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
なお、上記の実施の形態では、割合(決定割合等を含む。確率についても同じ)などは、0割を含むものであってもよい。つまり、割合や確率は0〜10割の間であればよい。
また、上記の実施の形態では、パチンコ遊技機1は、特別図柄の可変表示結果として、所定の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる確変制御を行うが、例えば、遊技領域に設けられたアタッカ内の特定領域を遊技球が通過したことに基づいて確変制御が行われる、確変判定装置型のパチンコ遊技機でもよい。
上記の実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知するようにしてもよい。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる(組合せで複数の変動パターンを形成できる)。
上記実施の形態では、メイン側で先読み判定をしてその判定結果に対応したコマンドをサブ側に送信していたが、メイン側から乱数値を示すコマンドを送信してサブ側で先読み判定をするようにしてもよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される封入式遊技機にも適用することができる。また、本発明の遊技機は、飾り図柄の変動表示部を有するスロットマシンにも適用することができる。