JP2019201726A - ぱちんこ遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】入賞装置を有効に活用することが可能なぱちんこ遊技機を提供する。【解決手段】遊技盤50上に配置されステージ部412を有し、ステージ部412を開放して遊技球の流入を可能とする第2種非電動役物54Bを備え、第2種非電動役物54Bは、ステージ部412に力を伝えることでステージ部412を開放状態へと変位させるロックアーム415を備え、ロックアーム415は、ステージ部412に当接する第2爪部430と、ステージ部412が開放状態にあるとき、および閉鎖状態にあるときの双方において、ステージ部412の当接リブ445に対して当接することで、ステージ部412の状態を維持可能とする第1爪部429と、を一体に有している。【選択図】図29

Description

本発明は、遊技媒体として遊技球を用いるぱちんこ遊技機に関するものである。
一般に、ぱちんこ遊技機には、遊技を司る主制御基板と、この主制御基板からの指令(演出制御コマンド)に基づいて制御処理を行う副制御基板とが備えられている。そして、これらのうち、副制御基板としては、払出制御基板、演出制御基板、各種表示制御基板、電飾制御基板、音響制御基板等を例示することができる。さらに、ぱちんこ遊技機には、非電動式の入賞装置(所謂「非電動役物」)を備え、この入賞装置への入球に基づく賞球の数を、獲得賞球数に加算できるようにしたもの(特許文献1)が知られている。
特開2017−086699号公報
ところで、非電動式の入賞装置を用いたぱちんこ遊技機において高い趣向性を実現するためには、一連の遊技の中でこの非電動式の入賞装置を有効に活用することが必要である。また、非電動式の入賞装置は、ソレノイド等の電気機器によらずに入賞口を開閉するものであり、どのような態様の開閉を行うか、開閉のためにどのような機構を採用するか、といった事項は趣向性を向上するうえで重要である。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、入賞装置を有効に活用することが可能なぱちんこ遊技機を提供することにある。
(1)上記課題を解決するために本発明は、遊技盤上に配置され開閉部(ステージ部など)を有し、前記開閉部を開放して遊技球の流入を可能とする入賞装置(第2種非電動役物2など)と、を備え、
前記入賞装置は、
前記開閉部に力を伝えることで前記開閉部を開放状態へと変位させる開閉機能部品(開閉軸部材など)を備え、
前記開閉機能部品は、棒状に形成され、
前記開閉部に当接する状態切替部(ステージ規制用凸部など)と、
前記開閉部が開放して流入する遊技球とは別の遊技球が接触する動作開始起点部(開作動用凸部など)とを有し、
前記動作開始起点部に遊技球が接触することで、前記開閉部を開放状態へ切り替えるために前記状態切替部を前記開閉部の動作を許容する位置へ変位させることを特徴とするぱちんこ遊技機である。
(2)また、上記課題を解決するために本発明は、前記入賞装置に、
前記別の遊技球を前記動作開始起点部に導く流下流路(開放作動用流路など)と、
前記流下流路に面するよう形成され、遊技球に接触して遊技球を減速する減速部(軸押さえ部材の傾斜面、開放作動用流路の内側におけるリブなど)と、を有することを特徴とするぱちんこ遊技機である。
(3)また、上記課題を解決するために本発明は、前記入賞装置の前記開閉機能部品が前記開閉部を開放状態で維持している場合には、前記別の遊技球が前記動作開始起点部を通過可能であることを特徴とするぱちんこ遊技機である。
本発明によれば、入賞装置を有効に活用することが可能なぱちんこ遊技機を提供できる。
本発明の一実施例のぱちんこ遊技機の正面図である。 ぱちんこ遊技機の背面図である。 ぱちんこ遊技機の機能を示すブロック図である。 ぱちんこ遊技機の主要な基板構成を示すブロック図である。 (a)はメイン基板を収容した状態の基板ケースを示す正面図、(b)は(a)中のA−A線に沿った部分を概略的に示す部分断面図である。 メイン基板、サブメイン基板、及び、サブサブ基板の基本的な機能手段を示すブロック図である。 主制御表示装置のメイン図柄表示基板を示す説明図である。 (a)は演出表示装置における演出図柄の変動中の表示例を示す説明図、(b)は同じく演出図柄の停止中の表示例を示す説明図である。 (a)は当否判定テーブルを示す図表、(b)ははずれ用の変動パターンテーブルを示す図表である。 (a)は第1抽選用の大当り図柄判定テーブルを示す図表、(b)は第2抽選用の大当り図柄判定テーブルを示す図表である。 (a)ははずれ時に用いられる変動パターンテーブルを示す図表、(b)は10R大当り時に用いられる変動パターンテーブルを示す図表、(c)は6R大当り時に用いられる変動パターンテーブルを示す図表である。 メイン基板における電源投入時処理を示すフローチャートである。 初期設定処理を示すフローチャートである。 設定値変更処理を示すフローチャートである。 メイン基板における遊技進行割込み処理を示すフローチャートである。 メイン基板における抽選判定処理を示すフローチャートである。 メイン基板における電源断処理を示すフローチャートである。 操作ボタンや十字キー及びこれらの周辺を前方上方から見た状態を示す斜視図である。 遊技盤を示す正面図である。 遊技盤から右側入賞装置ユニットを取り外して示す説明図である。 右側入賞装置ユニットを一部省略して示す正面図である。 右側入賞装置ユニットを一部省略して示す背面図である。 (a)は第1実施例の第2種非電動役物2に係る正面図、(b)は同じく第1実施例の第2種非電動役物2に係る背面図である。 (a)は第2種非電動役物2を示す上面図、(b)は第2種非電動役物2を示す下面図である。 (a)は第2種非電動役物2を示す斜視図、(b)は第2種非電動役物2の一部を示す斜視図である。 第2種非電動役物2を分解して上方から示す斜視図である。 第2種非電動役物2を分解して下方から示す斜視図である。 (a)はステージ部が閉鎖状態にある場合の第2種非電動役物2を側方から示す断面図、(b)は(a)から一部を取り除いて示す説明図である。 (a)はステージ部が開放状態となる場合の第2種非電動役物2の動作を示す説明図、(b)はステージ部が閉鎖状態となる場合の第2種非電動役物2の動作を示す説明図である。 (a)は遊技の基本的な状態遷移を示す説明図、(b)は普通入賞口装置の開放状態と振り分け部材の動作との関係を示すタイミングチャートである。 (a)は第2実施例の第2種非電動役物2に係る正面図、(b)は同じく第2実施例の第2種非電動役物2に係る背面図である。 (a)は第2種非電動役物2を示す上面図、(b)は第2種非電動役物2を示す下面図である。 (a)は第2種非電動役物2を左側面図、(b)は第2種非電動役物2を示す右側面図である。 (a)は第2種非電動役物2を正面側上方から示す斜視図、(b)第2種非電動役物2を背面側下方から示す斜視図である。 (a)は第2種非電動役物2を背面側上方から示す斜視図、(b)は第2種非電動役物2の一部を正面側下方から示す斜視図である。 第2種非電動役物2を分解して上方から示す斜視図である。 第2種非電動役物2を分解して下方から示す斜視図である。 (a)はステージ部が開放状態となる場合の第2種非電動役物を図31(b)のE−E断面に沿って示す説明図、(b)は同じく図31(b)のF−F断面に沿って示す説明図、(c)は同じく図31(b)のG−G断面に沿って示す説明図である。 (a)は図38に続いてステージ部が開放状態となる場合の第2種非電動役物を図31(b)のE−E断面に沿って示す説明図、(b)は同じく図31(b)のF−F断面に沿って示す説明図である。 (a)はステージ部が閉鎖状態となる場合の第2種非電動役物を図31(b)のE−E断面に沿って示す説明図、(b)は同じく図31(b)のF−F断面に沿って示す説明図、(c)は同じく図31(b)のG−G断面に沿って示す説明図である。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
以下、本発明に係るぱちんこ遊技機の実施例について説明する。図1は、本実施例に係るぱちんこ遊技機10の前面構成を示している。ぱちんこ遊技機10においては、後述する遊技機枠11に遊技盤50が装着されている。これらのうち、遊技盤50は、ぱちんこ遊技機10の機種に応じて付属機器や意匠等といった構成要素を異ならせているものである。さらに、遊技盤50は、遊技機枠11との電気的な接続関係や、構造的な接続関係を解除することにより、遊技機枠11から分離できるようになっている。
また、複数機種の遊技盤50について、遊技機枠11との構造的及び電気的な接続関係を共通化することにより、異機種間で遊技機枠11を共用する所謂機種変更が可能となっている。なお、以下では先ず、遊技機枠11について説明し、その後に遊技盤50の盤面構成について説明する。
上述の遊技機枠11は、外枠12、前枠(「内枠」や「本体枠」などともいう)13、及び、下部前板(「幕板」などともいう)14を有している。さらに、前枠13には、ガラス扉15、及び、皿ユニット16が装着されている。これらのうち外枠12は、ぱちんこ遊技機10を、遊技場(遊技店舗)内の島設備における所定位置に固定するために用いられる矩形の枠体であり、図1中に示すように、ガラス扉15や皿ユニット16を有する前枠13と、上述の下部前板14とにより、前面側が閉じられる開口部分を有している。
また、外枠12を島設備に設置するための工法として、釘打ちが行われるのが一般的である。そして、外枠12の、少なくとも、島設備への固定のための部位の材質として、木材が用いられている。なお、木材に代えて、例えば釘打ちが可能なプラスチック材を採用することが可能である。また、外枠12を島設備に設置するための工法として、釘打ち以外の工法を採用することも可能である。
前枠13は、外枠12の開口部分に整合する外形を備えた構造であり、図1中の左側に示すヒンジ機構15A、15Bを介して、外枠12に装着されている。そして、前枠13は、外枠12に対する閉鎖状態から、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、前方へ揺動することで開放状態となる。さらに、前枠13は、開放状態から後方へ揺動し、外枠12内に入り込んで係止することにより、再び閉鎖状態となる。そして、前枠13は、閉鎖時に、外枠12の上短部から、上述の下部前板14までの間の部位を塞ぐようになっている。
前枠13の外枠12への係止と、外枠12からの解放は、錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、図1中に示すように、前枠13の自由端側の下方の部位には、錠装置のシリンダ部17が配置されており、このシリンダ部17は、前枠13の下部を覆った前述の皿ユニット16を通して、鍵穴をぱちんこ遊技機10の前方へ向けている。そして、遊技場店員が、鍵をシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば反時計回りに回すと、前枠13の自由端側が錠装置から解放され、前枠13が開放状態となる。
このような前枠13に対して、前述の下部前板14は、前枠13のような開閉のための構成は備えておらず、外枠12に、動くことないよう固定されている。そして、下部前板14は、外枠12の前面の下端部を常に塞いでいる。
前枠13の前部に配置されたガラス扉15と、皿ユニット16とは、ヒンジ機構(図示略)を介して、前枠13に装着されている。さらに、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、いずれも、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、各々独立に揺動可能である。そして、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、例えば遊技場店員が、前方に水平に揺動させることで開放状態となり、開放状態から後方へ水平に揺動させ、前枠13に係止させることにより閉鎖状態となる。
ガラス扉15の前枠13への係止と、前枠13からの解放は、前述の錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、遊技場店員が、鍵を前述のシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば前枠13の開放時とは逆の時計回りに回すと、ガラス扉15の自由端側が錠装置から解放され、ガラス扉15が開放状態となる。そして、開放状態にあるガラス扉15を、前枠13に重なるように押し戻し、ガラス扉15が前枠13と平行になるように押し込むことで、錠装置が作動して、ガラス扉15が再び前枠13に係止する。
また、ガラス扉15を開放することで、皿ユニット16の係止機構(図示略)が現れて操作可能となり、この係止機構の操作部(図示略)を遊技場店員が、例えば下方向に押し込み操作することで、皿ユニット16が開放状態となる。さらに、開放状態にある皿ユニット16を、前枠13に重なるように押し戻し、皿ユニット16が前枠13と平行になるように押し込むことで、係止機構が作動して、皿ユニット16が再び前枠13に係止する。
さらに、ガラス扉15は、例えば平行な2枚の透明板を脱着可能に保持しており、閉鎖状態にある場合に、これらの透明板を通して、ぱちんこ遊技機10の前方から遊技盤50を視認できるようにしている。透明板としては、ガラス板のほか、透明な樹脂板なども利用することができる。また、ガラス扉15を開放することで、遊技盤保持機構(図示略)により前枠13に保持された遊技盤50の前面が露出するようになっている。さらに、図示は省略するが、前枠13は、遊技媒体である遊技球を誘導や回収するための遊技球通路等を有している。
皿ユニット16は、その前面に、上球皿18、下球皿19、及び、発射ハンドル20等を有している。これらのうち、上球皿18には、遊技球の貯留、発射ハンドル20を介して操作される発射装置43(図2及び図4参照)への遊技球の供給、下球皿19への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。また、下球皿19には、遊技球の貯留、上球皿18から送られてきた遊技球の受入れ、ぱちんこ遊技機10の外部に置かれた玉箱(所謂ドル箱)への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。なお、玉箱が、島設備に一体的に備えられている場合もある。
また、本実施例においては、ガラス扉15の上隅部や、下部前板14などといった部位に、各種のスピーカ21が設けられており、これらのスピーカ21を通して、遊技状態や演出パターンなどに応じたBGMや各種効果音などが出力されるようになっている。
さらに、上球皿18の、遊技者に向かう部分には、遊技者により操作が可能な操作ボタン22が設けられている。この操作ボタン22は、上球皿18の上部の外壁面に設けられており、上球皿18の左右方向の中央近傍に位置している。さらに、操作ボタン22は、内部に操作ボタン用発光体(図示略)を備えており、実行される演出パターンに応じて光出力を行うようになっている。
なお、操作ボタン22を、例えばモータ等の駆動源を用いて、所定の場合に上方に突出するようにしてもよい。本実施例における操作ボタン22は、詳細は図示しないが昇降モータの駆動により操作ボタン22の先端が上方へ突出する態様に変位し、傾倒による入力を実施可能な操作レバー入力部を形成することが可能であり、操作レバーの駆動系に振動を発生するための半月状の偏心カムを有している。
また、図18に示すように、操作ボタン22のほかに十字キー96が備えられており、この十字キー96を用いて遊技者による各種の環境設定が可能となっている。そして、環境設定の内容としては、スピーカ21の音量調節、後述する演出表示の輝度調節や光量調節、或いは、演出モードの変更などを例示できる。また、遊技機枠11の、例えば前枠13等に、遊技に係る演出や、上述の環境設定に係る表示を行うことが可能な表示器を設けることが可能である。
さらに、十字キー以外にも、例えば、レバー状の操作手段や、各種方式のタッチパネル等を用いることが可能である。また、図18中に符号97で示すのは玉貸ボタンであり、符号98で示すのは返却ボタンである。さらに、図18中に符号98で示すのは上球皿18用の球抜ボタンである。
<ぱちんこ遊技機の背面構成>
次に、ぱちんこ遊技機10の背面側における基本的な構成を説明する。図2に示すように前枠13の背面には、遊技球を誘導又は回収するための遊技球通路等を備え、賞球路形成機構となるセット基盤(「裏セット盤」などともいう)31が取着されており、このセット基盤31の下方に、遊技機全体に電源を供給するための電源ユニット32、遊技機枠側の制御を行う払出制御(「賞球制御」などともいう)基板103が、それぞれ専用の透明ケースに収められた状態で取り付けられている。また、遊技盤50の背面側においては、遊技全体を統括制御するメイン基板(主制御基板)102や、メイン基板102からの制御コマンドに基づいて演出制御を実行するサブ基板104が、それぞれ専用の透明ケースに収められ、セット基盤31の開口に対応する位置関係で設けられている。さらに、セット基盤31には、発射装置43や、発射装置43を制御する発射制御基板105も備えている。
セット基盤31においては、上述の開口の上部に賞球タンク33が設けられている。この賞球タンク33は、島設備から供給されて賞球となる遊技球を貯留する。さらに、賞球タンク33の下方には、賞球通路34、払出ユニット35、賞球排出通路36が設けられている。そして、これらの賞球通路34、払出ユニット35、賞球排出通路36は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、遊技盤50の上方から右側部に沿って配置されている。
上述の賞球通路34は、賞球タンク33に貯留された遊技球を下流側へ整流案内するものである。また、上述の払出ユニット35は、賞球通路34と連絡し賞球タンク33内に貯留された球を1球単位で下方に排出可能である。さらに、賞球排出通路36は、払出ユニット35から流下された遊技球を賞球として球皿(上球皿18又は下球皿19)に案内する。
前述の電源ユニット32は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の左下の部位に設けられている。そして、電源ユニット32は、遊技機外部から供給される交流電源を、遊技機中において使用する各種の電圧に変換して、払出制御基板103、メイン基板102、サブ基板104等へ供給する。また、電源ユニット32を作動させるための電源スイッチ40は、図中右下の部位に隠れ線(破線)で示すように、他の機器の背後に配置されている。この電源スイッチ40は、落下した遊技球が直撃してもオフにならないように、電源スイッチ40の中央より下が押されて下側に傾倒したときにオンとなるよう設置されている。
前述の払出制御基板103は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の右下の部位に配置されている。そして、払出制御基板103は、メイン基板102からの払出に係る指令や外部からの貸出要求に応じて払出ユニット35を制御する払出制御機能を有している。また、前述の発射制御基板105は、発射ハンドル20(図1参照)の操作量に応じた強度で遊技球(打球)を遊技領域に発射するよう、発射装置43を制御する発射制御機能を備えている。さらに、遊技球の発射は、1分間に連続して100個程度行えるようになっている。
前述のメイン基板102は、遊技盤50の背面側における中央下部に配置されており、主に、各種の抽選機能や設定変更機能、払出制御基板103及びサブ基板104に対する制御機能などのように、ぱちんこ遊技機10における中心的な処理機能を備えている。前述のサブ基板104は、遊技盤50の背面側における中央上部に配置されており、主に、後述する各種の演出を制御するための機能を備えている。
サブ基板104については、演出制御の主体的な機能を担う主サブ基板(本実施例ではサブメイン基板301)と、画像作成などの特定の演出機能に特化した副サブ基板(本実施例ではサブサブ基板302)とに分かれているが、「サブ基板」の用語はこれらを包含したものである。また、セット基盤31の背面側における右下部には、メイン基板102や払出制御基板103等からの信号をぱちんこ遊技機10の外部の機器へ中継する外部中継端子基板(「枠中継端子板」などともいう)46が設けられている。
前述のメイン基板102における設定変更の機能は、理論上の当り易さ(遊技者の有利度合い)を規定する設定値を変更できる機能である。本実施例では、設定値として、整数値である「1」〜「6」の6種類が設けられており、これらの設定値毎に、理論上の大当りや小当りに係る確率値、及び、出玉率が異なるようになっている。このような設定値の変更等については後述する。
<遊技盤の盤面構成>
次に、前述の遊技盤50や、遊技盤50の盤面に配置された部品(盤面部品)について説明する。本実施例においては、遊技盤50は、透明な樹脂材質(例えば透明アクリル樹脂など)や木材(ベニヤ板)からなる複数の部品により構成されている。また、遊技盤50は、板状に形成されており、遊技球を遊技盤50の裏側に導く遊技球通路や、所定の空間などを有している。そして、遊技盤50は、各種の盤面部品が装着された板面を前方に向けた状態で、遊技機枠11の前枠13に装着されており、閉鎖状態にあるガラス扉15等により、その前方を覆われるようになっている。さらに、遊技盤50の前面側においては、湾曲した帯状に成形された内レールや外レールを組み合せて遊技領域52が区画形成されている。
図19及び図20に示すように、遊技領域52には、正面から見て中央下段に位置する第1始動口ユニット61、右側中段の取付け穴に嵌め込まれた右側入賞装置ユニット95などが設けられている。この右側入賞装置ユニット95には、作動口(作動通過ゲート)68、普通入賞口装置63、2つの第2種非電動役物54A、54B、及び、大入賞口92などが設けられているが、右側入賞装置ユニット95の構成については後述する。
また、遊技領域52の最下部にはアウト口58Aが備えられている。さらに、遊技領域52には、演出のための表示を行うことが可能な液晶表示装置からなる演出表示装置60や、この演出表示装置60の周辺を装飾するセンター飾り64等が備えられている。
さらに、遊技領域52には、複数(ここでは3つ)の一般入賞口72や、図示しない多数の遊技釘、及び、風車などの機構が備えられている。なお、風車を設けないようにすることも可能である。さらに、遊技盤50の、遊技領域52の左下の外部には、主制御表示装置53が設けられている。なお、この主制御表示装置53の具体的な構成や機能については後述する。また、遊技盤50の上述のような盤面構成は、例えば、ぱちんこ遊技機10に採用されたゲーム性等に応じて種々に異ならせ得るものである。
<盤面部品の機能>
続いて、上述した個々の盤面部品に係る具体的な機能や構成について説明する。先ず、前述の第1始動口ユニット61には、第1始動入賞口62が設けられている。第1始動入賞口62は、第1遊技に係る始動入賞口であり、遊技球の入口を常時開き、且つ、遊技球の入口の大きさを変化させないタイプのものである。さらに、第1始動入賞口62は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出する第1始動入賞検出装置74(センサ)を有しており(図3)、このセンサの出力信号は、前述のメイン基板102に入力されている。
前述の右側入賞装置ユニット95には、図3、図19〜図22に示すように、作動口(作動通過ゲート)68、普通入賞口装置63、2つの第2種非電動役物54A、54B、大入賞口92、及び、アウト口58Bなどが設けられている。これらのうち、作動口68は、右側入賞装置ユニット95の最上部に配置されている。
さらに、作動口68は、図3中に示すように、通過検出装置69を備えており、この通過検出装置69は、作動口68における遊技球の通過を検出するセンサを有している。通過検出装置69におけるセンサの出力信号は、メイン基板102に入力されており、通過検出装置69は、入球の有無に応じて、センサの出力信号を変化させる。そして、この作動口68は、後述する普通図柄の変動開始の契機、及び、後述する大当り遊技の開始の契機(特別図柄の大当り図柄停止表示により成立した条件装置に基づく役物連続作動装置の作動を開始する契機)として用いられるようになっている。
続いて、普通入賞口装置63は、作動口68の直ぐ下の部位に配置されている。普通入賞口装置63は、普通電動役物(所謂「電動チューリップ」や「電チュー」)に係る入賞口となっており、遊技盤50の前後方向にスライド変位可能な電チュー用シャッタ67を有している(図21など)。普通入賞口装置63においては、後述する普通図柄が当りの態様で停止表示された場合に、電チュー用シャッタ67が遊技盤50の後方向へ水平にスライドし、開放動作が行われて、普通入賞口装置63に対して入球容易となる。
さらに、普通入賞口装置63は、図3中に示すように、電チュー入賞検出装置75(センサ)と、上述の電チュー用シャッタ67を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76とを備えている。電チュー入賞検出装置75の出力信号は、メイン基板102に入力されている。
また、本実施例では、普通入賞口装置63を開放する態様として、複数種類が設けられている。そして、これらの開放態様には、比較的短時間(例えば0.2秒程度)の態様(「ショート開放」や「短開放」などと称する)や、比較的長時間(例えば5秒程度)の態様(「ロング開放」や「長開放」などと称する)などがある。また、ショート開放とロング開放の間の開放時間に設定されたミドル開放の態様を設けることも可能である。そして、普通入賞口装置63が、普通電動役物の作動に基づき、所定時間に亘り開放することにより、遊技球の普通入賞口装置63への入球が可能となる。
図21に示すように、普通入賞口装置63には、振り分け部材98が組み合わされている。振り分け部材98は、図中に実線で示すような起立状態と、図中左側への倒伏状態(二点鎖線で概略的に示す状態)との間で変化させることが可能である。そして、振り分け部材98は、実線で示すような起立状態では、普通入賞口装置63に進入した遊技球を、図中左側の排出口99Aに導くようになっている。また、振り分け部材98は、倒伏状態では、普通入賞口装置63に進入した遊技球を、図中右側の排出口99Bに導くようになっている。
つまり、振り分け部材98は、普通入賞口装置63に進入した遊技球を、下方に設けられた排出口99A、99Bのいずれかへ振り分けることができるようになっている。以下では、排出口99A、99Bを、それぞれ、排出口1(99A)、排出口2(99B)と称して区別する。また、振り分け部材98には、図3中に示すように、振り分け部材ソレノイド77が連結されている。
続いて、前述の2つの第2種非電動役物54A、54Bは、いずれもソレノイド等の電気的な駆動源を用いずに開閉動作することが可能な構成を有するもの(非電動役物)である。これらの第2種非電動役物54A、54Bは、例えば、電動役物以外の役物のうち、前述の大入賞口92以外の入賞口の入口を開き、又は拡大するもので、遊技球が当該入賞口以外の特定の入賞口に入賞し、又は特定のゲートを通過した場合に作動するものとすることが可能である。
本実施例では、これらの第2種非電動役物54A、54Bを、第2種非電動役物1(54A)、第2種非電動役物2(54B)と称して両者を区別する。そして、本実施例では、前述の普通入賞口装置63への入賞があり、振り分け部材98により遊技球が、排出口1(99A)に振り分けられた場合に、当該遊技球の重みを利用して第2種非電動役物1(54A)が作動するようになっている。また、振り分け部材98により遊技球が、排出口2(99B)に振り分けられた場合に、当該遊技球の重みを利用して第2種非電動役物2(54B)が作動するようになっている。
さらに、第2種非電動役物54A、54Bは、それぞれの最大入賞数がおおむね所定個数(例えば2個)であるものとすることができる。さらに、第2種非電動役物54A、54Bは、両方の最大入賞数の合計が、おおむね所定個数(例えば4個)であるものとすることができる。また、第2種非電動役物54A、54Bは、後述する大入賞口への遊技球の入賞により作動するものでないものとすることができる。
さらに、第2種非電動役物54A、54Bは、第2遊技に係る始動入賞口として機能するようになっている。そして、普通入賞口装置63に入賞した遊技球が、第2種非電動役物1(54A)及び第2種非電動役物2(54B)のいずれに振り分けられるかによって、異なる内容の第2遊技が実行されるようになっている。第2種非電動役物1(54A)及び第2種非電動役物2(54B)に係る第2遊技の内容については後述する。
第2種非電動役物1(54A)は、遊技球の重みや動きを利用して開閉羽根66を開放状態とする。第2種非電動役物1(54A)が開放状態となると、第2種非電動役物1(54A)への遊技球の受入れが可能となる。ここで、図19や図20では、開閉羽根66の図示略を省略している。また、図21では、第2種非電動役物1(54A)の上部に、3つの円により3本の釘(所謂「三角釘」)を示している。
また、普通入賞口装置63に進入した後続の遊技球が、排出口1(99A)に導かれ、第2種非電動役物1(54A)に到達すると、第2種非電動役物1(54A)は、当該遊技球の重みや動きを利用して開閉羽根66を閉鎖状態とする。このような第2種非電動役物1(54A)は、所謂メカチューリップなどと呼ばれるタイプのものであり、第2種非電動役物1(54A)としては一般的な構成の種々のものを採用できる。このため、ここでは第2種非電動役物1(54A)のより具体的な構成については説明を省略する。
一方、第2種非電動役物2(54B)は、第2種非電動役物1(54A)と同様に、遊技球の重みや動きを利用して開放動作や閉鎖動作を行うものである。しかし、第2種非電動役物2(54B)は、開閉の動作をさせる対象が倒伏扉94である点や、開閉の動作のための機構の点などにおいて、上述の第2種非電動役物1(54A)とは異なっている。この第2種非電動役物2(54B)のより具体的な構成については後述する。
さらに、第2種非電動役物1(54A)は、図3に示すように、第2種非電動役物1(54A)への遊技球の入球を検出する第2−1始動入賞検出装置75A(センサ)を有しており、このセンサの出力信号は、前述のメイン基板102に入力されている。また、第2種非電動役物2(54B)は、第2種非電動役物2(54B)への遊技球の入球を検出する第2−2始動入賞検出装置75B(センサ)を有しており、このセンサの出力信号は、前述のメイン基板102に入力されている。
続いて、前述の大入賞口装置90は、透明な合成樹脂製の部品を組み合わせてケース状に形成されており、その内側に、遊技者から視認可能な大入賞口92を備えている。大入賞口92は、横長に形成された開口を有しており、この開口を開閉するための開閉扉である大入賞口シャッタ91(図21)を内部に備えている。そして、大入賞口92は大当りや小当りが発生した場合に、所定の態様で大入賞口シャッタ91の開放動作を行う。ここで、本実施例では、大入賞口92は正面向きに開口しており、大入賞口シャッタ91は遊技盤50の前後方向へのスライドが可能となっている。そして、大入賞口シャッタ91が開放動作を行っている場合には、大入賞口92が開放され、大入賞口92への入球が可能となる。
また、大入賞口装置90は、図3中に示すように、大入賞口92への遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置78や、上述の大入賞口シャッタ91を開閉駆動する大入賞口(開放)ソレノイド80を備えている。これらのうち、大入賞検出装置78は、大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。
なお、大入賞口92としては種々のものを採用可能である。例えば、大入賞口92として、上向きに開口したものなども採用することが可能である。また、大入賞口92として、大入賞口シャッタ91に係る動作パターン(開閉パターン)を複数種類備え、大当りの発生時に実行される大当り遊技や、小当りの発生時に実行される小当り遊技において、予め定められた所定の動作パターンで大入賞口シャッタ91を動作させるものなどを採用することが可能である。
前述の複数(ここでは3つ)のうち、最も右側に位置する1つの一般入賞口72は、第1始動口ユニット61に設けられている。また、その他の2つの一般入賞口72は、第1始動口ユニット61の左側に配置されている。一般入賞口72は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73(センサ)を備えている。一般入賞検出装置73は、の出力信号はメイン基板102に入力されている。
そして、一般入賞検出装置73は、各一般入賞口72毎に個別に備えてもよく、或いは、3つの一般入賞口72で共用してもよい。そして、一般入賞検出装置73を複数の一般入賞口72で共用する場合には、複数の一般入賞口72入球した遊技球を、一般入賞検出装置73が配置された箇所に集合させて、検出することが可能である。また、複数の一般入賞口72について、位置関係毎に、または賞球個数毎にグループ化(一般入賞検出装置73の共用)することも可能である。
遊技領域52の最下部に設けられた前述のアウト口58Aは、図3中に示すように、アウト球検出装置(アウト口センサ)82を備えている。このアウト口センサ82は、遊技領域52で入賞球(セーフ球)とならずアウト口58に入った遊技球(アウト球)の検出を行うようになっている。そして、アウト口センサ82の検出結果は、アウト球の計数や、後述する性能表示部(後述する図5(a)の入球状態表示器808)での表示(ベース表示)に利用されるようになっている。
前述したように、右側入賞装置ユニット95にもアウト口(右アウト口)58Bが設けられている(図21、図22)。このアウト口58Bは、右側入賞装置ユニット95の最下部に開口しており、主には、右側入賞装置ユニット95における普通入賞口装置63、第2種非電動役物1(54A)、第2種非電動役物2(54B)、及び、大入賞口92などに入球しなかった遊技球を、遊技盤50の背面側に取り込めるようになっている。
ここで、本実施例では、アウト球検出装置(アウト口センサ)82が、両方のアウト口58A、58Bに共用されている。そして、右側入賞装置ユニット95のアウト口58Bの取り込まれた遊技球数も、アウト球の計数や、後述する性能表示部(後述する図5(a)の入球状態表示器808)での表示(ベース表示)に利用されるようになっている。
なお、例えば、右側入賞装置ユニット95のアウト口(右アウト口)58Bについても、他方のアウト口(中央アウト口)58Aとは別個にアウト球検出装置(アウト口センサ)82を備えることが可能である。そして、この場合には、別個に取得されるアウト球検出装置(アウト口センサ)82の検出結果を、アウト球の計数や、後述する性能表示部(後述する図5(a)の入球状態表示器808)での表示(ベース表示)に利用することが可能であるし、アウト口58A、58Bを通過した遊技球の他に、一般入賞口、始動口、大入賞口などへ入球したセーフ球も含めた遊技済み球を前枠13の遊技盤50の下部において集約した位置にて一括で計数できるようにアウト球(遊技済み球)検出センサを設けるように構成することも可能である。
前述のセンター飾り64(図19、図20)は、演出の機能等を有しており、センター飾り64の内部には、多数のチップ型LEDが実装されたLED基板が設けられている。そして、センター飾り64のLEDを駆動することで、LEDの光がセンター飾り64を透過し、センター飾り64が光装飾(光演出)を行うようになっている。
また、センター飾り64の背面(内側)には、複数の可動演出部材が設けられており、これらの可動演出部材が、演出用のギミックを構成している。これらの可動演出部材は、通常は図19や図20に示すようにセンター飾り64の内側に隠れている。しかし、所定の演出が行われる場合には、図示は省略するが、これらの可動演出部材が演出表示装置60の前に出現する。また、本実施例においては、可動演出部材においても光装飾(光演出)が行われるようになっている。
さらに、センター飾り64の、正面から見て右側の部位には遊技球通路部65が形成されており、センター飾り64は、上述のような演出機能のほかに、遊技球の流路の機能を有している。
また、センター飾り64には、導光板88が備えられている。この導光板88としては、図示は省略するが、例えば、板面を前後に向けて平行に並べられた2枚の透明板を備えたものを採用することが可能である。さらに、導光板88は、センター飾り64に装着されており、演出表示装置60の前方において、センター飾り64の外側と内側との間を遮蔽している。そして、導光板88は、センター飾り64において、演出表示装置60の保護カバーとしても機能している。
この導光板88は、例えば、以下のように構成することが可能である。すなわち、センター飾り64内部において、透明板の、例えば左右の端面のうちの一方の端面に向い合うように、光源となる複数のLEDを、それぞれ帯状に並べて配置する。そして、通常時には、演出表示装置60の画面に他の像を重ねることなく、演出表示装置60の表示内容を、遊技者が視認できるように透明板の外側に透過させている。
しかし、導光板を構成する各透明板の内部には、通常の環境の下では視認できない程度の細かな凹凸が形成されている。そして、所定の演出の実行時に、例えば、いずれか一方の透明板の端面に面した上述の光源が駆動され、当該透明板の端面から、光源の光が、透明板の内部に向けて照射される。さらに、光を照射された透明板の凹凸により光が拡散し、拡散光により、所定のイラストや文字などが、遊技者に認識可能なように発色して浮かび上がる。
また、センター飾り64に備えられた導光板88の2枚の透明板のうち、他方の透明板には、上述のイラスト等とは異なる像を形成するための凹凸が刻まれている。そして、所定の演出時に、端面に面した光源を駆動することにより、上述のものとは異なるイラストなどが、遊技者に認識可能なように浮かび上がる。
ここで、透明板の左右のうちの一方の端面だけではなく、上下のうちの一方の端面にも光源を向い合せ、この光源の光により、他のイラスト等を映し出すことも可能である。このようにすることで、1枚の透明板につき2種類の画像を表示することが可能となる。また、センター飾り64の導光板88における透明板の数は、1枚であっても、3枚以上であってもよい。また、センター飾り64に関しては、導光板88に代えて、或いは併せて、透過液晶表示体や立体表示レンズ(3Dレンズ)などを用いることも可能である。
前述の主制御表示装置53は、図7に示すように、LED表示灯を多数配置した図柄表示基板(メイン図柄表示基板)256を備えるものである。図柄表示基板256には、前述の普通図柄を表示する普通図柄表示部59、第1遊技に対応する第1特別図柄(後述する)を表示する第1特別図柄表示部70、第2遊技に対応する第2特別図柄(後述する)を表示する第2特別図柄表示部71、及び、その他の各種表示部が遊技機正面から遊技者に視認可能に形成されている。なお、上述の普通図柄表示部59は普通図柄表示装置を構成している。また、第1特別図柄表示部70は第1特別図柄表示装置を構成しており、第2特別図柄表示部71は第2特別図柄表示装置を構成している。
なお、以下では、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「第1特図」や「特図1」、「特1」、第2特別図柄を「第2特図」や「特図2」、「特2」、などと称する場合がある。さらに、第1特別図柄については「特別図柄1」や「図柄1」などと称し、第2特別図柄については「特別図柄2」や「図柄2」などと称する場合がある。
また、上述の主制御表示装置53は、遊技盤50に備えられたものを意味しているが、後述するようにメイン基板102に設けられた設定表示部(後述する図5(a)の設定表示器807)や性能表示部(後述する図5(a)の入球状態表示器808)などを含めて、主制御表示装置とすることも可能である。そして、その場合は、メイン基板102に設けられた設定表示部や性能表示部を、例えば「メイン基板側主制御表示装置」などと称することも可能である。
<基本的な遊技手順>
続いて、本実施例のぱちんこ遊技機10における遊技手順について説明する。先ず、前述の上球皿18に遊技球が供給された状況で、遊技者が、前述の発射ハンドル20を操作して回動させると、その回動角度に応じた強度で、上球皿18に貯留された遊技球が1球ずつ所定間隔で発射される。そして、遊技球は、前述の内レールと外レールにより案内され、遊技領域52の上部に達し、内レールと外レールとの間から遊技領域52へ放出される。
通常の遊技においては、遊技者は、遊技球が遊技領域52の左側で流下するように発射を行い、遊技領域52の下方中央部に位置する第1始動入賞口62を狙う。このような遊技領域52の左側を主に使用する発射の態様は、所謂左打ちと呼ばれる。また、遊技球の発射は、遊技者が発射ハンドル20を操作している間、前述の発射装置43により、所定の時間間隔(例えば1分間に100発を超えない程度の間隔)で繰り返される。そして、遊技領域52に連続して放出された遊技球は、複数の遊技釘や風車などに干渉しながら、その速度や入射角度(又は反射角度)等の要因に応じた方向へ落下する。
遊技球が、前述の一般入賞口72や第1始動入賞口62などの各種の入賞口へ落入すると、入球が検出され、遊技球の払出制御が行われる。そして、入球した入賞口の種類に応じて、所定数の遊技球が、前述の払出ユニット35を介し、賞球として上球皿18に払出される。また、上球皿18が多くの遊技球により満たされ、払出された後続の遊技球が上球皿18に進入できない場合には、これらの遊技球は、溢れ球として下球皿19に導かれる。
また、各種の入賞口に落入した遊技球はセーフ球となり、遊技盤50の表面側から裏面側に案内される。また、セーフ球とならなかった遊技球は、遊技領域52の下端部に達してアウト口(58A等)に落入し、遊技盤50の裏面側に案内される。そして、遊技盤50の裏面側に達した遊技球は、所定の案内樋やセット基盤31内の遊技球通路を通って下方に導かれ、ぱちんこ遊技機10から、前述の島設備の側へ向けて排出される。
前述の作動口68は、上述のセーフ球を発生させる入賞口と異なり、遊技球が通過するゲートとなっている。なお、以下では作動口68を含めて「入賞口」とし、本実施例における「落入」、「入球」、「入賞」の用語は、特に説明がない場合には、ゲートに係る「通過」の意味を含むものとする。
大当りに当せんした状況ではない遊技状況において、遊技球が、作動口68に入球して検出された場合、後述するような所定の変動開始条件(普図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、普通図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される普通図柄は、作動口68への入球に基づき実行される乱数抽選(普図抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
遊技球が、始動口(ここでは第1始動入賞口62、又は、第2種非電動役物(54A、54B))に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(特図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、特別図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される特別図柄は、始動口への入球に基づき実行される乱数抽選(大当り抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
前述の演出表示装置60においては、特別図柄に係る演出表示が行われる。この演出表示は、特別図柄が変動表示中であるか、停止表示中であるか、といった違いや、特別図柄の停止表示態様が大当りのものであるか、はずれのものであるか、といった違いに関係して、予め定められた各種の態様の演出を行うものである。
大当りが発生した場合には、遊技者は遊技領域52の右側の領域を狙って遊技球を発射する。そして、遊技球が普通入賞口装置63の上部に設けられた作動口68を通過すると、大当り遊技が可能な状態に移行する。つまり、大当りの発生時には、作動口68が、遊技球が検出されるまでは所謂役連作動口(役物連続作動装置の入球口)として機能する。そして、遊技者は右打ちを継続し、遊技球を遊技領域52の右側の領域で流下させる。
特別遊技が実行される上述の大当り遊技においては、大入賞口装置90が作動し大入賞口(図示略)が開放される単位遊技が複数回繰り返される。さらに、特別遊技には、単位遊技が最大回数に亘り繰り返されるものと、単位遊技が最大回数よりも少ない回数に亘り繰り返されるものとがある。最大回数としては、10回(10R(ラウンド))などを例示でき、最大回数よりも少ない回数としては、6回(6R)や2回(2R)などを例示できる。なお、大入賞口装置90を作動させる遊技として他にも小当り遊技があるが、この小当り遊技については後述する。
各単位遊技においては、対応する大入賞口において、所定数(例えば10個)の遊技球が検出された場合、又は、合計の開放時間が所定時間(例えば約30秒)に達した場合に、終了条件が成立して、大入賞口が閉鎖される。単位遊技の終了条件として、合計の開放時間とするのは、1回の単位遊技中で複数回の大入賞口の開放を分割して行う場合であっても上限値を定めていることを示している。大入賞口の開放を単位遊技内で複数行うことにより、技術介入性を高めたり、1回の開放で行うことにより容易に出玉を獲得できるなど大当り中の遊技性に幅を持たせるため、大入賞口の開放態様は予め設定されているパターンの中から選択可能としている。
さらに、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、上述のように、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数(ここでは2つ)混在するゲーム性が採用されている。つまり、本実施例においては、上述の複数の遊技を、第1始動入賞口62が使用される第1遊技と、第2種非電動役物(54A、54B)が始動入賞口として使用される第2遊技とに分けることができる。そして、本実施例では、第1遊技と第2遊技との間に優先順位を設けず、第1遊技と第2遊技が並列に実行されるようになっている。このため、第1遊技と第2遊技とが同時に実行される状況も生じ得る。
また、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、前述の大当り抽選の結果に応じて、特別遊技の終了後に、特定遊技が実行される場合がある。この特定遊技は、前述の特別遊技とは別な態様で、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態となるものである。本実施例においては、特定遊技として、確率変動遊技(以下「確変」と称する)、変動時間短縮遊技(以下「時短」と称する)、及び、入球容易化遊技が設けられている。特定遊技として、確変、時短、入球容易化遊技の何れか1のみ実行するものもあれば、複数の特定遊技を同時に行うものもあり、それらの組み合わせによって異なる遊技性を創出するものである。
特定遊技が実行される場合には、演出表示装置60の画像や音声などによって推奨される遊技球の発射位置、発射タイミングに関する報知(例えば、右打ちを促す右打ち演出)が実行される。そして、遊技者が、発射ハンドル20の回動量を時計回りに増やして発射力を強め、遊技球を遊技領域52の右側の領域に向けて発射すると、センター飾り64の上方を通った遊技球が、センター飾り64の遊技球通路部65に進入し、センター飾り64を流下する。さらに、センター飾り64から放出された遊技球は、複数の遊技釘や他の構造物に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。
センター飾り64から放出された多数の遊技球のうちの一部は、作動口68(図19、図20等参照)を通過して通過検出装置69(図3参照)により検出される。そして、前述のように、作動口68を遊技球が通過すると、前述の普通図柄が主制御表示装置53(図7参照)で変動表示され、普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、普通入賞口装置63の普通電動役物が当り態様に応じて所定時間開放作動する。
本実施例においては、遊技領域52の右側に達した遊技球を、釘等によって、右側入賞装置ユニット95の、作動口68、普通入賞口装置63、大入賞口92等の各種の入賞機器の周辺に導くことが可能となっている。さらに、本実施例では、特定遊技である時短には入球容易化遊技が付加されるようになっており、時短中は、入球容易化遊技により普通電動役物の開放延長、普通電動役物の確率変動、普通電動役物の時短が単独又は所定の組合せで実行される。そして、時短中において、普通入賞口装置63の普通電動役物が1回開放した際に、1個、または複数個の遊技球が普通入賞口装置63に入球し得るようになっている。
右打ちを行った場合には、上述のように作動口68を通過する遊技球や、通過しない遊技球が発生する。図21は、作動口68や普通入賞口装置63が設けられた前述の右側入賞装置ユニット95を拡大して示している。右側入賞装置ユニット95において、普通入賞口装置63に進入した遊技球は、前述の振り分け部材98により、排出口1(99A)及び排出口2(99B)のいずれかに導かれる。
遊技球が排出口1(99A)に導かれた場合には、右側入賞装置ユニット95の背面側に形成された遊技球通路(図示略)により、遊技球が前述の第2種非電動役物1(54A)を開放動作させるために遊技盤(50)裏に設けられた開放作動用流路(後述する)に導かれる。遊技球が排出口2(99B)に導かれた場合には、右側入賞装置ユニット95の背面側に形成された遊技球通路(図示略)により、遊技球が前述の第2種非電動役物2(54B)を開放動作させるために遊技盤(50)裏に設けられた開放作動用流路に導かれる。
遊技球が前述の開放用作動用流路において第2種非電動役物1(54A)に到達すると、不図示の第2種非電動役物1(54A)の開放動作のための機構(開放動作機構)が動作し、第2種非電動役物1(54A)が開放して入賞可能となる。そして、遊技盤前面の遊技領域52を流下してきた第2種非電動役物1(54A)に遊技球が進入すると、第2種非電動役物1(54A)への入賞が発生するとともに、第2種非電動役物1(54A)が入賞した遊技球の重みで閉鎖状態となる。また、同様に遊技球が作動用流路において第2種非電動役物2(54B)に到達すると、第2種非電動役物2(54B)の開放動作のための機構(開放動作機構)が動作し、第2種非電動役物2(54B)が開放する。そして、遊技領域52を流下した遊技球が第2種非電動役物2(54B)に進入すると、第2種非電動役物2(54B)への入賞が発生するとともに、第2種非電動役物2(54B)が入賞した遊技球の重みで閉鎖状態となる。
<当りの種類の概要>
次に、上述の第1遊技及び第2遊技における大当りの種類について説明する。先ず、大当りとして、前述の単位遊技を10回繰り返す大当り(以下、適宜「10R大当り」とも称する)や、単位遊技を6回繰り返す大当り(以下、適宜「6R大当り」とも称する)が設けられている。
上述の単位遊技は、特別遊技において、大入賞口装置90における大入賞口の開放に伴って開始され、所定時間(例えば約30秒)が経過した場合や、大入賞口に所定個数(例えば10個以上)の遊技球が落入した場合に終了し、大入賞口を閉鎖する。このような単位遊技を繰り返す特別遊技は、遊技者に遊技球を獲得させることを目的とする所謂出球(出玉と記載する場合もある)あり当りに伴う遊技を基本としている。さらに、各種の大当りのうち、10R大当りや6R大当りなどは、遊技者に相対的に多くの遊技球を獲得させようとするものである。
しかし、これに限定されず、大当りの一部の種類として、例えば10R大当りや10R大当りの一部に、確変にならないもの(10R通常や6R通常)を設けることが可能である。また、例えば、10R大当りであっても、大入賞口の開放期間が短く、実質的に6R大当りと同じ程度の出球しか獲得できないといったもの(10R確変(実6R))を設けたり、6R大当りであっても、出球の獲得がほとんどできない(例えば各Rにおいて最小限度程度(例えば1球)しか大入賞口92に入球しない)といったものを設けたりすることが可能である。
また、本実施例では、前述の確変や時短等といった特定遊技状態は、予め定められた特定の大当りについて大当り遊技が終了する際に発生するようになっている。このような特定遊技状態の発生態様として、例えば、確変、時短、及び、入球容易化遊技といった特典機能のうち、少なくとも一部を付与しない大当りを設けることが可能である。より具体的には、確変のみが伴う大当りや、時短のみが伴う大当りを設けることが考えられる。さらに、時短の継続期間の相違によって、大当りの種類を異ならせることも可能である。また、時短中に電チューサポートを併せて実行する場合は、「時短の継続期間」は、「電チューサポートの継続期間」と言い換えることができる。さらに、時短と電チューサポートのうち、電チューサポートのみを実行する、反対に時短と電チューサポートのうち、時短のみを実行するといったことも考えられる。また、時短について、特別図柄の変動時間短縮機能と普通図柄の変動時間短縮機能(電チューサポートに含まれる機能である)があるが、特別図柄に係る時短について、第1遊技、第2遊技の一方のみ、時短が実行されていない状態に比して変動時間が短縮するものとし、他方は時短が実行されていない場合と同等か変動時間が長くなるものとしてもよい。
しかし、大当りと、確変や時短等との組合せについては、本実施例のものに限定されず、種々の組合せを採用することが可能である。例えば、確変が全ての大当りについて発生するようにしてもよい。この場合、本実施例における10R大当りは、全てが、確変を伴う10R大当り(10R確変)となり、6R大当りは、全てが、確変を伴う6R大当り(6R確変)となる。なお、本実施例では、上述したような各種の大当り、特定遊技状態、及び、後述する小当りの間の状態遷移によって種々のゲーム性が実現されるようになっているが、このような状態遷移の詳細については後述する。
<大当り以外の当り>
また、本実施例では、大当り以外の当りの種類として、小当りが設けられている。特別図柄の変動表示(第1遊技又は第2遊技)において、この小当りが発生した場合には、1回の特別電動役物の作動を行うものであって、大入賞口装置90における大入賞口92の開放を所定回数に亘り行う小当り遊技が実行されるようになっている。本実施例においては、第2遊技の小当たりの発生する確率(期待値)が各種の大当り(ここでは確変状態中を含むすべての種類の大当り)に比べて大きくなっているが、小当りの抽選態様や小当り遊技の制御態様については後述する。
<主制御表示装置>
<<主制御表示装置の構成>>
次に、前述の主制御表示装置53(遊技盤側主制御表示装置)について、図7に基づき説明する。遊技盤側の主制御表示装置53は、図7に示すように、図柄表示基板256上に多数(ここでは32個)のLED表示灯を2行(上段及び下段)に分けて配置することにより構成されている。本実施例において、上段及び下段におけるLED表示灯の個数は18個となっており、各段のLED表示灯は水平方向に等間隔で配置されている。また、上下の位置関係にあるLED表示灯の間隔も、16個すべてについて一定となっている。
主制御表示装置53において、正面から見て上段における右端の10個のLED表示灯は、特図1に係る情報表示に用いられ、下段における右端の10個のLED表示灯は、特図2に係る情報表示に用いられるようになっている。そして、上段及び下段において、右端の2個のLED表示灯は保留記憶数を示す第1特別図柄記憶表示部83、第2特別図柄記憶表示部84を構成している。第1特別図柄記憶表示部83の左に並んだ8個のLED表示灯は、前述した第1特別図柄表示部70を構成しており、第2特別図柄記憶表示部84の左に並んだ8個のLED表示灯は、前述した第2特別図柄表示部71を構成している。
第1特別図柄表示部70は、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯の動作態様によって、第1遊技に係る第1特別図柄の変動表示及び停止表示が可能となっている。この第1特別図柄表示部70による第1特別図柄は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技が実行される。なお、第1特別図柄表示部70は、第1特別図柄の停止表示の際には、各LED表示灯の点灯と消灯との組み合せによって、すべて消灯する場合を除く最大で255(=2^8−1)種類の識別情報を表示可能である。
前述の第2特別図柄表示部71についても同様に、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯の動作態様によって、第2特別図柄の停止表示の際には、最大で255(=2^8−1)種類の識別情報を表示可能である。
さらに、上段において、第1特別図柄表示部70の左に並んだ4個のLED表示灯は普通図柄(普図)に係る情報表示に用いられるようになっている。そして、上述の第1特別図柄表示部70の左に並んだ2個のLED表示灯は、普通図柄の保留記憶数を表示するための普通図柄記憶表示部85を構成しており、その左側に並んだ2個のLED表示灯は、普通図柄表示部59を構成している。
普通図柄表示部59は、2つのLED表示灯の動作態様により、普通図柄の変動表示及び停止表示を行うようになっている。そして、普通図柄表示部59は、停止表示の際には、最大で3(=2^2−1)種類の識別情報を表示可能である。
また、上段において普通図柄表示部59の左側に並んだ2個と、その下に位置する下段左端の2個との4個のLED表示灯により、ラウンド数表示部86が構成されている。さらに下段における、ラウンド数表示部86と第2特別図柄表示部71との間の4個のLED表示灯は、左から順に第1状態表示部(状態表示灯1)87a、第2状態表示部(状態表示灯2)87b、第3状態表示部(状態表示灯3)87c、第4状態表示部(状態表示灯4)87dとなっている。
上述の第1状態表示部87aは、特図に係る確率変動機能作動時に点灯するようになっており、第2状態表示部87bは、普図に係る確率変動機能作動時に点灯するようになっている。また、第2状態表示部87bは、所謂電サポ(電チューサポート)状態時である開放延長時にも点灯するようになっている。さらに、第3状態表示部87cは、打ち分け(右打ち)状態指示灯として用いられている。また、第4状態表示部87dは、エラー表示灯として用いられている。
ここで、上述の第3状態表示部87c(打ち分け状態指示灯)は、電サポ状態中のほか、大当り中などにも点灯するようになっている。なお、大当り中は、連荘中であったとしても、電サポ状態とするためのフラグ(電サポフラグ)等はオフとなっている。また、第3状態表示部87cは、これら以外の状態(通常時)の普通電動役物に係るロング開放時などにも点灯させることが可能である。
また、上述の第3状態表示部87c(打ち分け状態指示灯)に関しては、後述するように小当りラッシュ中に非電サポ状態で右打ちするゲーム性を採用している場合に、特別図柄の時短機能作動時(「時短機能作動中」と称することもできる)、又は、特別電動役物作動中に、点灯させることが可能である。ここで、本実施例では、上述の「特別図柄の時短機能作動時」は、小当りラッシュ中や、電サポ有りの時短遊技中などに発生する遊技状態となっている。また、上述の「特別電動役物作動中」は、大当り遊技中や、小当り中に発生する遊技状態となっている。
このような構成の主制御表示装置53(遊技盤側主制御表示装置)は、図3中に示すように、前述のメイン基板102に電気的に接続されている。そして、主制御表示装置53における各種の表示部は、メイン基板102によって制御される。なお、図3中では、主制御表示装置53における各種の表示部のうち、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71のみを示している。
<<主制御表示装置の機能>>
前述の作動口68を遊技球が通過すると、普通図柄表示部59が点滅し、普通図柄の変動表示が実行される。そして、普通図柄の変動表示が開始されてから所定の変動時間(普図変動時間)が経過すると、普通図柄が停止表示される。そして、普通図柄が、はずれの態様(はずれ態様)で表示された場合には、所定の停止時間(普図停止固定時間)の経過の後、後続の作動口への入球があれば、普通図柄に係る次の変動表示が開始される。また、普通図柄が、所定の当りの態様(当り態様)で停止表示された場合には、はずれの場合と同様に次回の変動表示へ移行する一方で、先に停止表示された普通図柄の当り態様に応じて、普通入賞口装置63が所定時間の開放動作を行う。
この普図抽選に係る保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動表示がまだ実行されていない普図柄抽選の回数を示している。すなわち、普通図柄記憶表示部85において先に行われている図柄変動が終了していない場合には変動開始条件が成立していないこととなり、当該図柄変動が終了すると変動開始条件が成立し、保留記憶されていた抽選結果(保留抽選結果)に基づき、新たな図柄変動が開始されることとなる。そして、保留数の上限は4個であり、保留記憶は4個を超えて行われることがないようになっている。
普通図柄記憶表示部85による、4種類の数値の表示は、例えば、保留数が0の場合(保留がない)場合は両方を消灯し、保留数が1の場合は何れか一方を点灯して他方を消灯するといった態様で行うことが可能である。また、保留数が2の場合は両方を点灯し、保留数が3の場合は何れか一方を点灯して他方を点滅させ、保留数が4の場合は両方を点滅させる、といった態様で保留数の表示を行うことが可能である。
前述の第1特別図柄記憶表示部83による第1特別図柄の保留数の表示については、2個のLED表示灯を1組として、4種類の情報を表示することにより行われる。前述の第2特別図柄記憶表示部84による第2特別図柄の保留数の表示についても、2個のLED表示灯を1組として、4種類の情報を表示することにより行われる。
なお、前述の右打ちを行うべき遊技状況となった場合には、主制御表示装置53(図7参照)の第3状態表示部86cを用いた所定態様での表示が行われる。本実施例では、第3状態表示部86cは、左打ちすべき遊技状況である左打ち時には消灯し、右打ちすべき遊技状況である右打ち時には点灯するよう設定されている。
<設定変更機能に係る構成>
次に、前述した設定変更に係る構成や、設定変更の方法について説明する。図5(a)は、メイン基板102が透明な基板ケース801に収容された状態を一部拡大して示しており、図5(b)は、図5(a)中のA−A断面を拡大して概略的に示している。図5(a)において、基板ケース801は、無色透明なプラスチック材料により分割構造(例えば2分割の構造)の箱状に形成されている。
基板ケース801の分割構造としては、例えば、メイン基板102を保持する基板保持体にカバー体を組み合わせ、分離の際に痕跡を残すかしめ構造を介して基板保持体とカバー体とを結合するものを採用することができる。基板ケース801においては、サブメイン基板301等のような他の機器との接続に用いられるコネクタ802(一部のみ符号を付して示す)、可能な限り隙間を生じない程度の大きさで形成された開口から露出している。
メイン基板102は、透明な基板ケース801を通して視認可能となっているが、図5(a)では、CPU(メインCPU)501、試験端子搭載領域806、前述の設定表示器807、同じく前述の入球状態表示器808を破線で示し、その他の機器については図示を省略している。これらのうち試験端子搭載領域806は、製品試験段階で出玉試験等を実施する際にのみ試験端子が実装される領域であり、量産段階のメイン基板102においては、試験端子の実装は行われていない。
上述の設定表示器807は、設定変更時や設定確認時に限り、選択された設定値を表示するものである。そして、設定表示器807は、役物連続作動装置の作動確率(特別電動役物を連続的に作動させる装置の作動確率であり、いわゆる大当り確率)を異ならせるための設定値に関して、現在の設定値を表示可能である。さらに、設定表示器807には1桁分の7セグ表示器が用いられている。ここで、本実施例では、図示は省略するが、設定表示器807における7セグ表示器の右下隅部にドット表示部が設けられている。
設定表示器807の近傍には、設定キーシリンダ(「設定キースイッチ」などともいう)809や設定変更ボタン(「設定変更スイッチ」などともいう)810が配置されており、設定キーシリンダ809や設定変更ボタン810等により設定変更用操作部811が構成されている。この設定変更用操作部811は、図5(b)に示すように、基板ケース801の設定変更用開閉蓋(以下「開閉蓋」と称する)812を開放することで、図5(a)に示すように露出するようになっている。
開閉蓋812は、例えば、基板ケース801に樹脂ヒンジを介して一体に成形され、突出したツマミ部813を手指により引っ張って、弾性力に抗しながら、矢印Bで示すように開放させるようなものを例示できる。また、開閉蓋812を閉じる場合には、図5(b)の状態から倒伏させ(図示略)、自由端側を基板ケース801に係止させる。
前述の入球状態表示器808は、ぱちんこ遊技機10の性能表示部として用いられており、遊技状態別のベース(発射数あたりの賞球数の値)を表示可能となっている。本実施例では、図5(a)の右下の部位に拡大して実線で示すように、入球状態表示器808には4桁分の7セグ表示器が用いられている。また、入球状態表示器808の各桁の7セグ表示器の右下隅にドット表示部(符号省略)が設けられている。
本実施例においては上述のようにCPU501、試験端子搭載領域806、入球状態表示器808、設定変更用操作部811、並びに、設定表示器807が、平面視(遊技機の背面視)においてラップしないよう(重ならないよう)に配置されている。また、表示の誤認を抑止できるように、入球状態表示器808と設定表示器807とが所定距離以上(例えば30mm以上)の間隔を介して配置されている。
なお、本実施例においては図5(b)における左側が遊技機枠11を開放する際の自由端となっており、設定変更用操作部811並びに設定表示器807を自由端側近傍に配置することにより、設定値の変更作業等を容易にできるように配慮する一方で、入球状態表示器808については、遊技機枠11を開放する際の回転軸(固定端)側に配置することで、遊技機枠を開放した際に、表示情報を意図せず遊技者に視認されることを抑止するように配慮している。無論、設定値の変更等に際して不正防止を優先する場合には、設定変更用操作部811並びに設定表示器807を、メイン基板102の正面視右側(遊技機枠11の回転軸側)に形成すればよい。
ここで、本実施例においては、上述した点を考慮し、安易に設定変更用操作部811にアクセスできないように、設定変更用操作部811に対応する部分に開閉蓋812を設け、設定値の変更作業や設定情報の確認作業等の場合を除き、設定変更用操作部811が露出しないように構成されている。以下では、設定変更用操作部811並びに設定表示器807に関して図5(b)も参照しつつ説明する。
まず、設定変更用操作部811に対応する位置関係にある基板ケース801の上面部分は、設定キーシリンダ809の設定キー差込口(符号省略)に設定キー(鍵)が挿入可能となるように、また、設定変更ボタン810の操作が可能となるように所定の大きさの開口部816が形成されている。但し、当該開口部816からメイン基板102の上面に向かって側壁等の区画壁か形成されることにより、開口部816を介してメイン基板102の他の電子部品(例えばCPU501)にアクセスできないようになっている。また、この開口部816に対応して設定キー差込口(符号省略)が形成された設定キーシリンダ809と、プッシュ式の設定変更ボタン810とが、ぱちんこ遊技機10の背面から見て上下に配設され、更に、開口部816の大きさに対応した開閉蓋812が開口部816を常に閉鎖する方向に付勢された状態で、開閉可能に基板ケース801に設けられている。
次に、設定変更等の操作方法と設定変更・設定表示の作用の概要について簡単に説明する。設定値の確認を行う際には、まず、電源スイッチ40(図2参照)を操作して電源をオフにし、その後、開閉蓋812を付勢力に抗して所定角度開放し、設定キーシリンダ809の設定キー差込口に設定キー(鍵)を挿入してキーを右方向に回転させる。そして、初期化スイッチ544を押すことなく再度電源スイッチ40(図2参照)を操作して電源をオンにする。この操作により、7セグメントLEDで形成された設定表示器807に、現在の設定値(例えば設定値の範囲が「1」〜「6」であれば該当する数値)が表示され、設定表示モードであることを示すために一部のセグメント(ここではドット部分)が点灯駆動される。なお、本実施例においては、遊技機が起動している際(例えば、始動入賞口の入賞検出等、遊技の進行に係る入力に基づく制御が実行可能な状態)には、設定値の変更処理はできないように構成されている。
一方、設定値の変更を行う際には、まず、電源スイッチ40(図2参照)を操作して電源をオフにし、その後、開閉蓋812を付勢力に抗して所定角度開放し、設定キーシリンダ809の設定キー差込口に設定キー(鍵)を挿入してキーを右方向に回転させる。そして、初期化スイッチ544を押しながら再度電源スイッチ40(図2参照)を操作して電源をオンにする。この操作により、7セグメントLEDで形成された設定表示器807に、現在の設定値が点滅表示され、設定変更モードであることを示すために一部のセグメント(ここではドット部分)が消灯(消灯表示)される。
この状態で、設定変更ボタン810を押圧操作するごとに、現在の設定値に+1ずつされた新たな設定値が一時記憶され、記憶された設定値が設定表示器807に表示される。遊技場における管理者は、任意の(目的の)設定値となるように設定変更ボタン810を操作する。なお、本実施例では、電源投入時の設定値が「1」であれば、設定変更ボタン810を1回押圧操作する毎に「1」「2」・・・「5」「6」「1」のように変更される。
そして、設定変更ボタンの操作により、任意の設定値に変更(設定表示器807に任意の設定値が表示)した状態で設定キーシリンダ809に挿入されているキーを左方向に回転させると、設定変更処理が完了し、所定時間(例えば1000ms)に亘り、設定表示器807に、現在の設定値が点灯表示されるとともに一部のセグメント(ここではドット部分)が点灯表示された後、設定値及びドットの双方が消灯される。
<演出表示装置の構成と基本的な表示内容>
続いて、前述の演出表示装置60の構成と、演出表示装置60の基本的な表示例について説明する。本実施例では、演出表示装置60として、大型(例えば15インチ程度)な液晶ディスプレイが用いられている。この演出表示装置60の表示領域194には、前述の主制御表示装置53で表示される第1特別図柄又は第2特別図柄についての演出表示や、ストーリー表示などといったその他の演出表示が行われる。なお、演出表示装置60においては多様な画像の表示が行われるが、ここでは、第1特別図柄又は第2特別図柄に直接的に関係する基本的な演出表示について説明する。
前述のように、主制御表示装置53において第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置60において、図8(a)、(b)に示すように、演出図柄(装飾図柄などともいう)190の変動表示を伴う変動演出が実行される。本実施例においては、演出図柄190は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cにより構成されている。なお、以下では、左中右の演出図柄190a〜190cについて、状況に応じ、「演出図柄190」や「演出図柄190a〜190c」と記載する場合がある。
さらに、本実施例において演出図柄190は、数字の「1」から「7」の記号の意味を有する7種類の要素図柄(記号要素演出図柄)を有している。また、ここでは、説明が煩雑にならないよう、数字の「1」から「7」の記号の意味を有する7種類の要素図柄を用いて説明を行うが、要素図柄としては、例えば所定の単語などのように、数字以外の意味を持った図柄を採用することも可能である。さらに、要素図柄として、数字の意味を持ったものと、他の意味を持ったものとを併用することも可能である。また、特殊な演出(後述する疑似連続予告や特定ゾーン予告)を実行させるために、或る変動時においてのみ出現する特殊図柄も、広義では演出図柄190の中に含まれるものである。ここで、特殊図柄として、通常は図柄に対して追加されたり、差し替わったりすることにより表示される特殊図柄も、広義では演出図柄190の中に含まれるものである。
主制御表示装置53における第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示に伴い、演出表示装置60において、上述の演出図柄190が変動表示される(図8(a)参照)。演出図柄の変動表示は、本実施例においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に縦方向に移動(縦スクロール)させ、上述の要素図柄を順次表示領域194中に登場させることにより実行される。なお、演出図柄190a〜190cのスクロール方向としては、縦方向のほか、横方向や回転、或いは、旋回などといった種々の態様を採用することが可能である。
また、演出図柄190は、変動表示の途中段階として、所謂「リーチ」の組合せを構成する場合がある。この「リーチ」においては、演出図柄190のうち、2つの演出図柄(ここでは左演出図柄190aと右演出図柄190c)が、例えば「7」と「7」などの同じ数字の図柄、同じ意味、或いは、所定の関係を持った図柄で組合せを構成する。さらに、この「リーチ」においては、リーチの組合せを構成した演出図柄190a、190c以外の、残りの1図柄(ここでは中演出図柄190b)が、他の演出図柄との組合せを構成できない変動中となっている。
なお、演出図柄190の表示態様としては、多種類の「リーチ」や、その他の種々のものを採用できる。また、演出表示装置60においては、演出図柄190による演出以外にも種々の演出が行われる。例えば、図8(a)、(b)の例では、第1保留数表示部196、第2保留数表示部197、縮小演出図柄表示領域361が画面の下部に現れているが、これらの詳細については後述する。
また、本実施例では、演出表示装置60は液晶ディスプレイを用いたものとなっているが、これに限らず、例えば、機械式のドラム体やLED表示体といった他の種類の表示体を用いたものであってもよい。さらに、演出表示装置60は、1つの表示体のみを備えたものに限らず、例えば付加的な表示体が追加されて複数の表示体の組合せにより構成されるものであってもよい。
さらに、このような付加的な表示体を可動演出部材として備え、付加的な表示体によるギミックを構成することも可能である。そして、通常は、付加的な表示体を、演出表示装置60の表示領域194の視認の障害とならないように、表示領域194の外側に避けて配置しておき、所定の演出パターンが実行される場合に、付加的な表示体が、表示領域194の前方に現れるようにすることが考えられる。
<ぱちんこ遊技機の電気的構成>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10における電気的構成について説明するが、ここでは電気的構成のうちの主要なものを抽出して説明する。先ず、ぱちんこ遊技機10には、図4に示すように、電源基板251、払出制御基板103、メイン基板102、及びサブメイン基板301等が備えられている。これらのうち電源基板251には、上述の払出制御基板103、遊技球等貸出装置接続端子板106、発射制御基板107等が接続されている。また、払出制御基板103には、枠中継端子板108を介してメイン基板102が接続されている。また、メイン基板102には、前述の主制御表示装置53を構成するメイン図柄表示基板(「図柄表示基板」ともいう)256や、サブメイン基板301が接続されており、サブメイン基板301には、前述のサブサブ基板302が接続されている。
上述の各種構成のうちの電源基板251は、前述の電源ユニット32(図2参照)に備えられているものである。この電源基板251には、枠演出接続基板300や、遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)が接続され、これらのうちの遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)には、球貨操作に用いられる球貨操作基板等が接続される。
前述の発射制御基板105には、発射ハンドル20(図1参照)に備えられたタッチスイッチ310が接続されている。このタッチスイッチ310には、図示は省略するが、発射タッチレバーや、アース用の錠金具が接続されている。タッチスイッチ(「タッチセンサ」ともいう)310は、遊技者や遊技場店員等が発射ハンドル20に手指を触れた場合に、この接触を検出して出力信号の態様を変化させる。
さらに、発射制御基板105には、発射強度ボリューム311、発射停止スイッチ312、前述の発射装置43が接続されている。これらのうちの発射強度ボリューム1311は、発射ハンドル20の回転操作量に応じ遊技球の発射強度を変化させるために用いられる。発射停止スイッチ312は、発射ハンドル20を把持した手指の一部(親指など)での操作を検出して発射を停止させるために用いられる。
メイン基板102には、電源基板251からの電力が、払出制御基板103や枠中継端子板を経由して供給されるようになっている。さらに、メイン基板102には、図示を省略した遊技盤接続基板や遊技盤中継端子板を介して、図3に示すように、主制御表示装置53、通過検出装置69、普通電動役物ソレノイド76、第1始動入賞検出装置74、第2−1始動入賞検出装置75A、第2−2始動入賞検出装置75B、一般入賞検出装置73、大入賞検出装置78、大入賞口(開放)ソレノイド80、及び、磁気センサや電波センサ(図示略)等が接続されている。ここで、本実施例では、第1始動入賞検出装置74、第2−1始動入賞検出装置75A、及び、第2−2始動入賞検出装置75Bのメイン基板102への接続に関しては、遊技盤接続基板や遊技盤中継端子板を介さずに直接行われている。
サブメイン基板301には、電源基板251からの電力が、枠演出接続基板300、枠接続基板303を経由して供給されるようになっている。さらに、サブメイン基板301には、上述の枠接続基板303、枠演出接続基板300のほか、ガラス枠演出接続中継基板305、ガラス枠演出接続基板306を介して、遊技機枠11における演出用の各機器が接続されている。
ぱちんこ遊技機10における演出用の各機器としては、枠電飾L2基板317、枠電飾R2基板318、(左)スピーカ21(L)、(右)スピーカ21(R)などがある。また、本実施例では、十字キー(十字ボタン)基板、演出ボタン基板、昇降モータ、演出ボタン(操作ボタン)モータ、ボタン位置センサ、なども備えられているが、図4ではこれらの図示も省略している。
また、サブメイン基板301には、遊技盤用の機器、画像表示用の機器、音声制御用の機器なども接続されている。これらのうち遊技盤用の機器としては、盤面電飾接続基板331がある。この盤面電飾接続基板331は、前述の枠接続基板303、演出インターフェース基板304を介してサブメイン基板301に接続されている。そして、盤面電飾接続基板331には、センター飾り64の電飾用に用いられるセンター電飾基板332が接続されている。また、盤面電飾接続基板331には、図示は省略するが、演出センサ基板、その他の電飾基板、演出用モータなども接続されている。ここで、演出インターフェース基板304には、図示は省略するが、各種の電飾基板や演出モータが接続されている。
サブメイン基板301に接続された前述の画像表示用の機器としては、サブサブ基板(画像制御基板)302があり、サブサブ基板302には、画像表示接続A基板336を介して液晶ユニット(液晶モジュールともいう)42が接続されている。ここで、本実施例では、図示は省略するが、画像表示接続B基板を介して演出インターフェース基板304に接続された他の液晶ユニットも備えられている。また、サブメイン基板301に接続された前述の音声制御用の機器としては、音声制御基板(音声基板)339や、音声ロム(ROM)基板340がある。
続いて、メイン基板102や払出制御基板103等の構成について説明する。図4に示すように、メイン基板102には、CPU(メインCPU)501、ROM(メインROM)502、RWM503が搭載されている。これらのうち、CPU501としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。なお、本実施例で説明する「ROM」や「RWM」は、CPUデバイスに内蔵されたもの、及び、CPUデバイスに対して外付けされたものの両方を含む包括的な概念のものである。
さらに、図示は省略するが、メイン基板102に搭載されたCPUデバイス内には、CPU501のほかに、制御用クロック生成回路、乱数用クロック生成回路、16ビット乱数用の乱数回路、8ビットの乱数用の乱数回路等が備えられている。これらのうち16ビット乱数用の乱数回路、及び、8ビットの乱数用の乱数回路は、内蔵乱数であるハードウェア乱数を発生させるためのものである。
また、メイン基板102には、メイン基板102の外部の機器との間でデータの入出力を行う入出力ポート505が搭載されている。さらに、メイン基板102には、図示は省略するが、割込回路やタイマ回路などの各種回路部が形成されている。
上述のROM502は、CPU501が遊技に係る処理を行うための遊技プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM503は、CPU501による遊技プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
続いて、払出制御基板103には、CPU(払出CPU)511、ROM(払出ROM)512、RWM513が搭載されている。これらのうち、CPU511としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。また、ROM512は、CPU511が払出しに係る処理を行うための払出用プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM513は、CPU501による払出プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
前述のサブメイン基板301は、CPU(サブメインCPU)521と、ROM(サブメインROM)522と、ワークRWM523と、入力ポート527と、出力ポート528、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート527の入力側にはメイン基板102の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRWM523、及び、出力ポート528などが接続されている。
サブメイン基板301のCPU521は、メイン基板102から送信される図柄表示用の演出制御コマンド(指令)に基づいて演出表示装置60の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRWM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
なお、前述のメイン基板102とサブメイン基板301の間におけるデータの送受信は、メイン基板102からサブメイン基板301への一方向通信(片方向通信)の態様で行われる。そして、メイン基板102とサブメイン基板301との間で、通信の一方向性が確保されているため、サブメイン基板301からメイン基板102へは、データの送信を行うことができない。したがって、メイン基板102が保有する情報は、メイン基板102がサブメイン基板301へ送信しない限り、サブメイン基板301で参照することはできない。なお、このような一方向での通信を可能とするために、例えば、メイン基板102に通信規制手段(バッファ回路など)を搭載し、サブメイン基板301へのデータ出力を、この通信規制手段を介して行うことが可能である。
前述のサブサブ基板302は、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533、キャラクタROM535、画像コントローラ(VDP)536、入力ポート538、出力ポート539、及び、バスライン(図示略)などを備えている。さらに、画像コントローラ(VDP)536は、ビデオメモリ540を備えている。そして、入力ポート538の入力側にはサブメイン基板301の出力側が接続され、入力ポート538の出力側には、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533等の各機器が接続されている。
上述のビデオメモリ540は、演出表示装置60に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオメモリ540における画像データの内容を書き替えることにより、演出表示装置60の表示内容(フレーム画像)が変更される。キャラクタROM535は、演出表示装置60に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ536は、CPU531、ビデオメモリ540、出力ポート539のそれぞれの動作タイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオメモリ540に記憶される表示データを、キャラクタROM535から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて演出表示装置60に表示させる。
<電源供給とデータバックアップ>
前述の電源基板251は、ぱちんこ遊技機10の各部に電源を供給するための電源部541と、初期化スイッチ544を有する初期化スイッチ回路部543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、メイン基板102や払出制御基板103等に対して、各々に必要な動作電圧を供給する。より具体的には、電源部541は、外部より供給される所定の電圧を取り込み、各種スイッチ、モータ、ロジック回路等を駆動するための所定量の電圧を、メイン基板102や払出制御基板103、及び、その他の所定の機器に対して供給する。
初期化スイッチ回路部543は、電源投入時に、例えば遊技店舗の管理者によって初期化スイッチ544が押下された場合に、メイン基板102及び払出制御基板103へ、バックアップデータをクリアするための初期化信号を出力する回路を備えている。メイン基板102及び払出制御基板103においては、後述するように、電源基板への電源供給が断たれている状況においても、記憶したデータを保持(バックアップ)することが可能となっている。そして、ぱちんこ遊技機10の電源投入時に、メイン基板102及び払出制御基板103に上述の初期化信号が入力されると、メイン基板102や払出制御基板103でバックアップされていたデータ(バックアップデータ)がクリアされる。ここで、本実施形態においては、前述したとおり、電源投入時の初期化スイッチ544の入力状況と設定キーの入力状況に応じて設定変更状態に遷移するようになっているため、メイン基板は、初期化スイッチ回路部543からの信号と設定キーに係る入力信号とに応じて初期化の有無、初期化の範囲等を決定可能に構成されている。
なお、初期化スイッチ544を、メイン基板102用のものと、払出制御基板103用のものとに分け、バックアップされていたデータのクリアを、メイン基板102と払出制御基板103とで別々に行うようにしてもよい。また、例えば、電源立ち上げの際に、初期化スイッチ544を操作すると、メイン基板102用のバックアップデータと、払出制御基板103の一部のバックアップデータとがクリアされ、払出制御基板103に付加された払出用の初期化スイッチ(図示略)を更に操作すると、払出制御基板103の残りのバックアップデータがクリアされる、といった構成も採用することが可能である。
上述のように、メイン基板102におけるRWM503は、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。つまり、RWM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア503aが設けられている。このバックアップエリア503aは、停電(瞬間的な電圧降下による停電である所謂瞬停を含む)などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。そして、通常の電源立ち上げや、停電の解消に伴い、メイン基板102等の状態が、バックアップエリア503aの情報に基づいて、電源遮断前の状態に戻される。
バックアップエリア503aへの書き込みは、電源断処理(後述する)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時の電源投入時処理(後述する)において実行される。バックアップエリア503aとしては、CPU501に対して外付けされ、バックアップ電源の接続がされたRWM(外部RWM)を利用することが可能である。
また、払出制御基板103におけるRWM513についても、メイン基板102のRWM503と同様に、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後において、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。つまり、払出制御基板103のRWM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア513aが設けられている。このバックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。そして、通常の電源立ち上げや、停電の解消に伴い、払出制御基板103の状態が、バックアップエリア513aの情報に基づいて、電源遮断前の状態に戻される。
バックアップエリア513aへの書き込みは、払出制御基板103における電源断処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時の、払出制御基板103における電源投入時処理(制御開始処理)において実行される。バックアップエリア513aとしては、メイン基板102の場合と同様に、CPU511に対して外付けされ、バックアップ電源の接続がされたRWM(外部RWM)を利用することが可能である。
前述のメイン基板102には、上述のような停電等による電源遮断を監視する停電監視回路部506が設けられている。この停電監視回路部506は、停電等の発生による電源遮断時に、メイン基板102のCPU501や、払出制御基板103のCPU511に、停電信号(電断信号)を出力する。より具体的には、停電監視回路部506は、電源基板251の電源部541から出力される最大電圧である直流安定(例えば30ボルト)の電圧を監視し、この電圧が所定電圧未満になった場合に、停電(電源遮断)の発生を検知して、上述の電断信号を出力する。このような電断信号の入力に基づき、メイン基板102のCPU501、及び、払出制御基板103のCPU511は、所定の電源断処理を実行する。
なお、メイン基板102等における電気的特性は、直流安定電圧が、電断信号の出力が行われる所定電圧未満になった後においても、電源断処理などの所定の処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力が正常値に維持されるよう構成されている。
また、本実施例においては図4中に示すように、電源基板の出力が、払出制御基板103を介して、メイン基板102に供給されるようになっている。しかし、これに限らず、例えば、電源基板の出力が、メイン基板102を介して払出制御基板103に供給されるようにしたり、メイン基板102と払出制御基板103とに別系統で個別に供給されるようにしてもよい。
また、前述の停電監視回路部506は、メイン基板102以外の部位に配置することも可能である。例えば、電源基板251上に停電監視回路部506を形成して、電源基板251上において停電監視回路部506から各基板へ電断信号を入力してもよい。また、メイン基板102から払出制御基板103への電断信号の入力を省略することも可能である。さらに、電源基板251の機能を、メイン基板102が発揮できるようにしてもよい。この場合、電源部541をメイン基板102上に形成することなどが考えられる。
さらに、停電監視回路部506を払出制御基板103に設け、払出制御基板103とメイン基板102の各々で、電断信号の出力と、電断信号に基づく電源断処理を行うようにしてもよい。また、メイン基板102と払出制御基板103のうち、払出制御基板103のみに停電監視回路部506を設け、電断信号を、払出制御基板103からメイン基板102へ送信するようにしてもよい。
ここで、前述のメインCPU501や払出CPU511などには、NMI(ノンマスカブル割込み)端子が備えられている。また、前述の電源断処理の実行の契機としては、メインCPUのNMI端子に電圧低下を示す電源断信号が入力されたことに基づきノンマスカブル割込み(NMI)を発生させるハードウェア的なものと、タイマ設定に基づく周期的な割込処理で、電圧低下が検知された際に立てた電源断フラグを確認して行うソフトウェア的なものなどがある。
本実施例においては、NMIによるハードウェア的な契機に基づき電源断処理が行われるようになっている。そして、NMI端子への信号入力は、例えば、停電監視回路部506からの電断信号をNMI端子に入力することにより行うことが可能である。ここで、NMI端子への信号入力は、停電監視回路部506から電断信号が出力された場合のほか、NMI端子に繋がる信号線へのノイズの混入などによっても生じ得るものである。なお、電源断処理への移行は、ソフトウェア的な手法に基づき行うことも可能である。また、NMI端子に入力される電源断信号に基づき、電源断フラグを設定し、電源断処理の実行契機とすることも可能である。なお、ここではメイン基板102と払出制御基板103でデータバックアップを行っているが、これに限らず、例えばサブメイン基板301で記憶エリアのデータバックアップが行われるようにし、サブメイン基板301において、メイン基板102又は払出制御基板103と同様にデータバックアップを行うようにすることも可能である。
次に、メイン基板102における基本的な機能について説明する。本実施例のメイン基板102は、前述した各構成(図4参照)の働きにより、例えば、入球判定、抽選、コマンド送信などの各種の機能を果たす。
図6中には、メイン基板102、サブメイン基板301、及び、サブサブ基板302の各々における代表的な機能的手段を示している。これらのうち、メイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段111、第2抽選手段112、普図抽選手段113、保留制御手段114、メイン表示制御手段115、特別遊技制御手段116、特定遊技制御手段117、開閉制御手段118、事前情報通知手段119、メインコマンド送信手段120等を備えている。そして、メイン基板102は、これらの機能的手段により、以下に順に説明するように、特別図柄に関する抽選、普通図柄に関する抽選、保留制御、主制御表示、特別遊技、特定遊技、開閉制御、事前情報通知等を実行する。
上述の入球判定手段110は、各入賞口(作動口、各種始動入賞口、大入賞口、一般入賞口、アウト口など)への遊技球の入球を各入賞口に設けられたセンサ類から出力される信号をもとに判定する。
<<特別図柄に係る当否抽選機能>>
前述の第1抽選手段111は、第1始動入賞口62への入球に基づき第1抽選を実行する。第1抽選手段111は、第1抽選値取得手段121、第1当否判定手段122、第1図柄決定手段123、第1パターン決定手段124の機能を有している。第1抽選の結果は、前述の主制御表示装置53(図7参照)の第1特別図柄表示部70において、停止表示された第1特別図柄により表される。
同様に、前述の第2抽選手段112は、第2種非電動役物1(54A)や第2種非電動役物2(54B)への入球に基づき第2の抽選を実行する。第2抽選手段112は、第2抽選値取得手段125、第2当否判定手段126、第2図柄決定手段127、第2パターン決定手段128の機能を有している。第2の抽選の結果は、前述の主制御表示装置53の第2特別図柄表示部71において、停止表示された第2特別図柄により表される。
前述の第1抽選手段111に備えられた第1抽選値取得手段121は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1抽選に係る大当り乱数の値を、第1当否抽選値として取得する。また、前述の第2抽選手段112に備えられた第2抽選値取得手段125は、第2種非電動役物1(54A)や第2種非電動役物2(54B)への入球を契機に、第2抽選に係る大当り乱数の値を、第2当否抽選値として取得する。
なお、本実施例では、第1当否抽選値として取得される大当り乱数、及び、第2当否抽選値として取得される大当り乱数は、ハードウェア乱数(ハード乱数)とソフトウェア乱数(ソフト乱数)とを用いた演算(加算)により生成されている。ハードウェア乱数としては、例えば16ビット用の乱数回路で生成される内蔵乱数を利用し、ソフトウェア乱数としては、ソフトウェアにおける乱数生成プログラムにより割込毎に更新される値を利用する。なお、ハードウェア乱数とソフトウェア乱数のうちのいずれか一方を使用するものであってもよい。
第1抽選手段111における第1当否判定手段122は、第1当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第1当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。同様に、第2抽選手段112における第2当否判定手段126は、上述の第2当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第2当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。第1当否判定手段122及び第2当否判定手段126による当否判定では、第1当否抽選値や第2当否抽選値と、大当り抽選の抽選結果との対応を定めた当否判定テーブル(例えば図9(a))が用いられる。
ここで、図9(a)には、当否判定テーブルの構成を概要的に示している。図9(a)中に示す、通常時確変時大当りとは、常に大当りとなる乱数値範囲を示すものであり、確変時大当りとは、確変時のみ大当りとなる乱数値範囲であることを示すものである。また、図9(a)は、設定値毎に設けられた当否判定テーブルのうち、一部の設定値(ここでは設定1)に係る当否判定テーブルのみを概要的に示しており、乱数の個数や置数(数値の割り当て)などは、説明が煩雑にならないよう簡略化して例示している。なお、本実施例では、図9に示す設定「1」における通常時大当りの置数範囲が「0」〜「204」となっている。そして、これに対し、設定値が「2」〜「6」に増加するごとに置数範囲の上限が「205」〜「209」へ「1」ずつ変化する(図示略)。
第1抽選手段111における第1図柄決定手段123や第2抽選手段112における第2図柄決定手段127は、第1特別図柄または第2特別図柄に係る大当り抽選でいずれかの大当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、大当り図柄判定テーブル(図10(a)、(b)参照)に基づき決定する。これらの大当り図柄判定テーブルは、図柄決定に係る乱数値(図柄乱数)である図柄抽選値と、特別図柄の種類との関係を規定している。
なお、図10(a)、(b)に示す大当り図柄判定テーブルも、乱数値範囲、及び、大当りの種類が関連付けられていることを、説明が煩雑にならないよう簡略化して例示している。そして、本実施例では、電サポの有無の違いによって大当り図柄判定テーブルが分けられているが、電サポの有無に応じた大当りの選択割合の例については後述する。
ここで、図柄抽選値は、特別図柄に係る「特別図柄当り図柄乱数」や「図柄乱数」などとも称する場合がある。また、本実施例では、当たりの種類に小当りが含まれており、第1図柄決定手段123および第2図柄決定手段127は、特別図柄に係る大当り抽選で小当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、小当り図柄判定テーブル(図示略)に基づき決定する。
図柄抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。また、特別図柄の種類は、当りの種類に対応付けられており、取得された図柄抽選値に紐付いて、大当りの種類や小当りの有無が定まるようになっている。
第1抽選手段111における第1パターン決定手段124や第2抽選手段112における第2パターン決定手段128は、それぞれに対応する特別図柄表示部における特別図柄の変動パターンを、特図変動パターンテーブル(一例として図9(b)を参照)に基づき決定する。特図変動パターンテーブルは、多数の特図変動パターンと、特別図柄の変動パターン決定に係る乱数値(変動パターン乱数)であるパターン抽選値との関係を規定している。
パターン抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。さらに、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る変動パターンは、例えば、当否抽選の結果が大当り時、はずれ時、特別図柄の停止表示態様、時短の有無、保留数、大当り後の変動回数などといった各種の遊技状況に応じて相違した複数の特図変動パターンテーブルが設けられている。
特別図柄に係る変動パターン(特図変動パターン)は、特別図柄の変動表示における、変動開始から停止までの時間(変動時間)を定めている。そして、特図変動パターンは、その種類によって、例えば1秒以下から数十秒度のように、長短様々な変動時間を規定している。すなわち、各特図変動パターンには、変動表示の終了条件として変動時間が定められており、前述の第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71(図7参照)においては、特別図柄の変動表示が開始されて、規定された変動時間が経過すると、特別図柄が停止表示される。
時短時に選択対象となる特図変動パターンの多くについては、非時短時に選択対象となる特図変動パターンよりも、相対的に変動時間が短く設定されているものであって、言い換えると、時短時に選択される変動時間の1変動当りの平均値が、非時短時に選択される変動時間の1変動当りの平均値よりも短いものであるといえる。また、時短(時短遊技)については、特別図柄の変動効率が高い遊技状態(1変動に係る時間が短い状態)であるといえる。しかし、非時短時で、且つ、保留数が4個の場合に選択対象となり得る特図変動パターンには、時短時の特定の特図変動パターンに比べて、変動時間の短いものが含まれている。
<<普通図柄に係る各種抽選機能>>
続いて、前述の普図抽選手段113について説明する。この普図抽選手段113は、普図抽選値取得手段129、普図当否判定手段130、普図図柄決定手段131、普図パターン決定手段132を有している。そして、普図抽選手段113は、前述の入球判定手段110により、作動口68における遊技球の通過が検出されると、この検出結果に基づき、普通図柄に係る抽選(普図抽選)を実行する。
この普図抽選においては、普図抽選値取得手段129により、普通図柄に係る乱数(普図図柄乱数)である普図抽選値が取得され、普図図柄決定手段131により、普図判定テーブルが参照される。この普図判定テーブルには、普図抽選値と、普通図柄の種類との対応関係が定められている。そして、普図当否判定手段130により、普図抽選値に紐付けられた普通図柄が、当りに該当するものであるか否かが判定され、当りに該当する場合には、当たりの種類が判定される。
また、作動口68への入球を契機に普図パターン抽選値が取得され、取得した普図パターン抽選値を用いて普図パターン決定手段132により、普通図柄に係る変動パターン(普図変動パターン)が決定される。各普図変動パターンは、普図変動パターンに係る乱数(普図変動パターン乱数)である普図パターン抽選値と対応付けられており、取得された普図パターン抽選値に紐付いて、遊技の状況に応じた普図変動パターンが定まるようになっている。
さらに、本実施例では、普通図柄に係る乱数である普図抽選値、及び、普図パターン抽選値は、ソフトウェア乱数のみを用いて作成されている。
<<特別図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の保留制御手段114について説明する。保留制御手段114は、第1保留手段133、第2保留手段134、普図保留手段135を有している。これらのうち第1保留手段133は、新たに第1始動入賞口62への入球があった場合に、第1特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第1当否抽選値、第1図柄抽選値など)に係る情報(第1特図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。本実施例では、第1特別図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、第1特別図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた第1特別図柄の変動表示が終了し、更に、上述の入球により第1特別図柄に係る保留が存在する場合には、第1特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第1特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
前述の第2保留手段134についても、新たに第2種非電動役物(54A、54B)への入球があった場合に、第2特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第2当否抽選値、第2図柄抽選値など)に係る情報を、一時的に保留記憶する。
上述の入球があった際に実行されていた第2特別図柄の変動表示が終了した場合であって、第2特別図柄にかある保留が存在する場合には、第2特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第2特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。なお、本実施例では、第2特別図柄に係る保留の上限値は、第1特別図柄と同様に4個に設定されている。
上述の第1特別図柄、および第2特別図柄は、いずれか一方の特別図柄表示装置において特別遊技(大当り遊技)を開始する図柄が停止して特別遊技に制御された場合は、他方の特別図柄表示装置は、変動中の図柄をはずれ図柄で停止表示させ、特別遊技が終了した後に変動開始条件を判定する。なお、第1特別図柄、および第2特別図柄において一方に特別遊技のうち、小当り遊技を開始することとなる特別図柄が停止表示された際には、他方の図柄は変動表示を一旦中断(残り変動時間の減算処理を停止するものであって、変動中であることを示す特別図柄表示装置のLED表示灯の点灯パターン切り替えは継続してもよい)し、特別遊技(小当り)が終了した後に、図柄が停止表示した際に変動開始条件を満たしうる状態となるよう設定される。
<<普通図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の普図保留手段135について説明する。普図保留手段135は、作動口68(図19、図20等参照)における入球があった場合に、普通図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された乱数(普図抽選値など)に係る情報(普図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。そして、変動開始条件が成立するまで、上述の入球に係る普通図柄の変動表示を許可しない。なお、本実施例では、普通図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、普通図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた普通図柄の変動表示が終了し、普通電動役物が作動していない場合に、普通図柄に係る変動開始条件が成立し、普通図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
<<主制御表示に関する機能>>
続いて、前述のメイン表示制御手段115について説明する。メイン表示制御手段115は、第1特図制御手段136、第2特図制御手段137、普図制御手段138、保留表示制御手段139、及び、その他表示制御手段140を有している。これらのうち第1特図制御手段136は、第1抽選手段111により決定された第1特別図柄の変動パターンに従い、第1特別図柄表示部70(図7参照)で、第1特別図柄の変動表示(例えば、所定の一部のLED表示灯を100msec毎に点滅させる点滅表示)を行う。そして、第1特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第1特別図柄表示部70において、決定された図柄で停止表示する。
さらに、第2特図制御手段137は、前述の第2特別図柄に係る変動開始条件が成立していれば、第2抽選手段112により決定された変動パターンに従い、第2特別図柄表示部71(図7参照)で、第2特別図柄の変動表示を行う。そして、第2特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第2特別図柄表示部71において、決定された図柄で停止表示される。
また、普図制御手段138は、前述の普通図柄に係る変動開始条件が成立していれば、普図抽選手段113により決定された普通図柄の変動パターンに従い、普通図柄表示部59(図7参照)で、普通図柄の変動表示を行う。さらに、そして、普通図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、普通図柄表示部59において、決定された図柄で停止表示される。
さらに、保留表示制御手段139は、前述の第1特別図柄、第2特別図柄、及び、普通図柄に係る保留数の表示を行う。そして、これらの保留数の表示は、図7に示す主制御表示装置53の、第1特別図柄記憶表示部83、第2特別図柄記憶表示部84、及び、普通図柄記憶表示部85にて行われる。また、前述のその他表示制御手段140は、上述した第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄、及び、各種保留表示以外の、主制御表示装置53における表示を制御する。
<<特別遊技に関する機能>>
続いて、前述の特別遊技制御手段116について説明する。特別遊技制御手段116は、大当りに当せんした場合に、特別図柄が所定の大当り態様で停止されると、特別遊技作動条件が成立したと判定し、前述のように大当りの種類に応じた所定の態様(予め定められた単位遊技の回数や単位遊技中の大入賞口の開放パターン)で開放させる特別遊技を実行する。
<<特定遊技に関する機能>>
続いて、前述の特定遊技制御手段117について説明する。特定遊技制御手段117は、前述の確変や時短等に係る制御を行う。特定遊技制御手段117は、大当りの種類に応じて、その特別遊技の終了後の遊技状態を、確変状態や時短状態等へ移行させる。確変状態は、全ての種類の大当りではなく、一部の種類の大当りに付帯している。さらに、一部の大当りについては確変状態が次回の大当りまで継続し、確変を伴う他の大当りについては、特別遊技後の合計の変動表示回数が所定数(例えば100回)に達するまで継続される。確変状態の間は、第1抽選手段111や第2抽選手段112による大当りの当せん確率が、非確変時である通常時よりも高い値のまま維持される。
また、時短状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数の合計が、特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数(例えば100回など)に達するまで継続される。さらに、時短中は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示時間が、通常状態よりも概ね短くなるよう、第1パターン決定手段124や第2パターン決定手段128が、時短用の変動パターンを選択する。
確率変動機能の作動する特定遊技中においては、確変状態に合わせて特別図柄の時短および電チューサポート機能(入球容易化遊技)が同時に実行されることが一般的であるが、本実施例では、一部の確変大当りには、電チューサポート機能(入球容易化遊技)が付帯されないものがある。より具体的には、前述の一部の確変大当りでは、普通図柄に関しては、時短機能は作動しないようになっている。また、特別図柄については、第1特別図柄では時短機能が作動せず、第2特別図柄は時短機能が作動するようになっている。ここで、第1特別図柄についても時短機能を作動させてもよい。
さらに、上述のように普通図柄や第1特別図柄について時短機能を作動させず、第2特別図柄についてのみ時短機能を作動させる制御を、特別図柄の時短機能を作動させることを示すフラグ(時短フラグ)をオンとしつつ行うことも可能である。
さらに、前述のように、特定遊技としての電チューサポート機能(入球容易化遊技)は、特別図柄の時短が実行されるときに合わせて実行され、普通電動役物の作動が容易になり、普通入賞口装置63の入り口に配置された電チュー用シャッタ67が開放しやすくなる。スライドシャッタである電チュー用シャッタ67の開閉制御は、後述する開閉制御手段118により制御される。なお、特定遊技に係る具体的態様例については後述する。
<<開閉制御に関する機能>>
続いて、前述の開閉制御手段118について説明する。開閉制御手段118は、普通入賞口装置63の普通電動役物(電チュー用シャッタ67)や、大入賞口92の開閉動作を制御する。開閉制御手段118は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、普通入賞口装置63の普通電動役物を開放させる。さらに、開閉制御手段118は、特別遊技において、大入賞口(開放)ソレノイド80に開放指示を送るための制御を行い、大入賞口装置90の大入賞口92を開放させる。
<<事前情報通知に関する機能>>
続いて、前述の事前情報通知手段119について説明する。事前情報通知手段119は、第1始動入賞口62、又は、第2種非電動役物(54A、54B)に入球があった際、その入球に対応する図柄変動表示が保留されるか否かにかかわらず、取得された各種の乱数値に係る情報を、事前通知情報として、サブ基板(ここではサブメイン基板301)へ送信するための処理を行う。
上述の事前通知情報としては、取得した前述の各当否抽選値(第1当否抽選値又は第2当否抽選値)、各図柄抽選値(第1図柄抽選値又は第2図柄抽選値)、各パターン抽選値(第1パターン抽選値又は第2パターン抽選値)が、どのような当否範囲、図柄範囲、パターン範囲に属するものであるのか、といった情報を例示できる。
なお、このような事前通知情報の送信により、サブ基板104の側において、各種の先読み演出が可能となる。そして、先読み演出としては、保留予告や連続予告などを例示できるが、これらの詳細については後述する。
<<コマンド送信に関する機能>>
続いて、前述のメインコマンド送信手段120について説明する。メインコマンド送信手段120は、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド(メインコマンド)の送信を行う。メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド送信は、始動入賞時、特別図柄の変動開始時、特別図柄の変動停止時、大当り発生時などの種々のタイミングで、種々の情報を含んで行われる。
<サブ基板の基本機能>
次に、前述のサブ基板104における基本的な機能について説明する。本実施例においてサブ基板104は、サブメイン基板301及びサブサブ基板302により構成されており、メイン基板102からのコマンド受信、演出パターン決定、演出表示制御、演出実行などの各種の機能を果たす。
図6中に示すように、サブメイン基板301は、メインコマンド受信手段141、演出パターン決定手段142、サブメインコマンド送信手段143等を有している。さらに、サブメイン基板301は、スピーカ出力等の制御を行うための音制御手段144や、遊技効果ランプ出力等の制御を行う光制御手段145などの機能的手段が備えられている。
演出パターン決定手段142により決定される演出パターンは、演出表示装置60に表示される表示演出や、必要に応じ表示演出と併せて行われる音演出及び光演出を指定(特定)する情報を含んでおり、演出図柄190の変動表示中に大当りの期待度の高さを示唆する演出を実行する。ここで、本実施例における「期待度」は、「信頼度」と言い換えることが可能なものである。以下「期待度」については、同種の予告演出のパターンのうち出現したときの変動で大当りとなる期待感を高める演出段階(通常パターン、チャンスアップパターン、確定パターン)について述べるものや、1の演出を発生させる当り変動パターン(当り変動における変動パターン)情報およびはずれ変動パターン情報(はずれ変動における変動パターン)について確認したときに、1の演出に対応する変動パターン中に当り変動パターンが含まれる確率について述べるものの記載それぞれについて使用する場合があり、総じて「期待度が高い演出」とは、当該演出が発生した場合に大当りすることが多い演出のことをいう。
演出パターン決定手段142により演出パターンが決定されると、決定された演出パターンを示す演出パターン情報が、サブメインコマンド送信手段143を介し、サブメインコマンドとして、サブサブ基板302へ送信される。また、サブメイン基板301からサブサブ基板302へ送信されるコマンドには、サブサブ基板のROMから音データやランプデータ等を読み出すために、音情報なども含まれる。
サブサブ基板302には、図6中に示すように、サブメインコマンド受信手段146や演出実行制御手段147などが備えられている。そして、サブサブ基板302においては、演出実行制御手段147により、サブメイン基板301からのサブメインコマンドに基づき、必要な画像データを液晶ユニット42(図4参照)に順次出力し、アニメーション画像を構成して、演出表示装置60において演出用の動画を表示する。
<特定遊技に係る具体的態様例>
次に、前述した特定遊技の具体的態様について説明する。前述のように特定遊技として、特別図柄の確率変動機能(確変)、特別図柄の変動時間短縮機能(時短)、及び、入球容易化遊技(普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物の開放延長機能の複合)が設けられている。そして、これらの各種特定遊技のうちの少なくともいずれか1つが、大当り抽選の結果(特別図柄の停止表示図柄)や、大当り中の遊技結果に応じて実行される。
<<確率変動遊技>>
上述の確変は、大当り後の特別図柄に係る遊技の確率状態を、通常の確率状態と比べて大当りの発生確率が高くなるように変更するものである。本実施例では、確変状態の継続期間(確変期間)は、次回の大当りまでとなっている。なお、これに限らず、確変期間を特別図柄の変動回数に基づき決定することも可能である。
特別図柄の変動回数は、特別図柄の変動表示から停止表示までが1回として定まるものである。そして、確変期間を変動回数に基づき決定した場合は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に設定される。このように次回の大当りが発生する前に確変期間が終了し得るようにした機能は回数切り確変などと称することが可能である。
<<変動時間短縮遊技>>
上述の時短は、前述の主制御表示装置53における特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の変動時間を、通常遊技の場合と比べて、概ね短縮するものである。ここで、「概ね短縮する」とは、全ての場合に通常遊技よりも短縮するとは限らず、一部には、特別図柄の変動時間が通常遊技と同等な場合や、通常遊技よりも長い場合を含み得る、という意味である。そして、この時短によれば、特別図柄の変動時間が短くなることから、連続して始動入賞口(第1始動入賞口62、第2種非電動役物(54A、54B))への入賞が発生しても、特別図柄の変動表示及び停止表示を短い間隔で円滑に進めることができ、単位時間当りの大当り抽選の機会を多く確保することが可能となる。
さらに、時短状態の継続期間(時短期間)は、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。そして、本実施例において時短状態は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に達するまで継続される。
なお、上述した例では、確変期間と時短期間を同じ期間に設定しているが、確変期間と時短期間を互いに異なる期間としてもよい。例えば、確変期間を104回とし、時短期間を100回とすることなどが可能である。また、時短期間は、いずれも一定であることに限定されない。例えば、時短期間を、発生した大当りの種類に応じて、25回、50回、75回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。
また、所謂転落抽選の機能を備えることが可能である。この転落抽選としては、以下のようなものを例示できる。例えば、確変や時短が、上述の最大変動回数(ここでは100回)よりも少ない所定の回数(例えば50回)に達した後には、最大変動回数に達するまで毎回の特別図柄の変動毎に、確変や時短を終了させるか否かの抽選(特定遊技終了抽選)が実行される。そして、この特定遊技終了抽選に当せんした場合には、確変及び時短を終了させ、次回の変動からの遊技状態が、確変や時短が伴わない通常状態に戻る。
さらに、確変と時短の両方を実行することに限らず、特定遊技において、いずれか一方のみを実行することも可能である。例えば、当せんした大当りの種類によっては、時短のみが付与され、確変は付与されないようにすることや、時短が付与されず、確変のみが付与されるようにすることなどが可能である。
<<入球容易化遊技>>
続いて、前述の入球容易化遊技について説明する。この入球容易化遊技は、普通電動役物に係る機能を遊技者に有利に設定し、普通入賞口装置63の開放態様が通常よりも遊技球を受け入れ易くなり得るようにする遊技状態である。入球容易化遊技が実行された場合には、普通図柄に係る時短、普通図柄に係る確率変動、普通電動役物に係る開放延長などの制御態様や、これらの制御態様の組合せにより、普通入賞口装置63への入球容易性が高められ、入球容易状態が形成される。この「入球容易化遊技」や前述の「ベース」、「電サポ」等に関係して、「高ベース」、「高ベース状態」、「低ベース」、「低ベース状態」、「非電サポ」等の用語を用いることが可能である。以下において、「低ベース状態」は「非電サポ状態」に対応しており、「高ベース状態」は「電サポ状態」に対応している。また、後述するような単位時間あたりに多くの小当りが発生し易い状態での遊技(小当り期待遊技)の状態は、上記定義上は「低ベース状態」ではあるものの、遊技球の発射数に対し多くの賞球が期待できる(「ベース」が高くなる)ことから「特殊状態」、「特殊ベース状態」として表現する場合もある。
普通図柄における上述の各種の制御態様のうち、普通図柄に係る時短は、普通図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される制御態様であり、普通図柄に係る確率変動は、普通図柄の当せん確率を通常状態よりも向上させる制御態様(普通図柄に係る確変)である。さらに、普通電動役物に係る開放延長は、同一の普通図柄の当り図柄が停止表示された場合であっても、普通入賞口装置63の開放時間を、通常時(非特定遊技時)の開放(ショート開放)よりも長く開放(ロング開放)を行う制御態様である。
上述のように、特定遊技中の入球容易化遊技は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物の開放延長という3つの機能を用いて普通入賞口装置63への入球容易性を高める。しかし、これに限定されず、これら3つの機能のうち、1つ又は2つの機能を用いて普通入賞口装置63への入球容易性を高める構成としてもよい。また、3つの機能のうち少なくともいずれかについて、実施する期間と実施しない期間との切り替えを、遊技状態に応じて行う構成としてもよい。
このような入球容易化遊技の継続期間は、特別図柄に係る時短期間に基づいて決定することが可能である。例えば、特別図柄に係る時短中は入球容易化遊技を継続し、特別図柄に係る時短が終了すると入球容易化遊技が終了する、といった制御態様の採用が可能である。そして、このようにした場合は、特別図柄の時短が終了した以降に図柄変動が開始される普通図柄の変動パターン(普図変動パターン)は、通常時(非特定遊技時)のために設けられた変動パターンの中から決定されるようにすることが可能である。
また、入球容易化遊技の継続期間は、特別図柄に係る時短期間と連動させずに、大当り遊技を実行する契機となった大当り図柄に基づいて、大当り遊技後に大当り図柄に応じて定められた回数の継続期間(25回、50回、75回、100回など)の特別図柄の変動表示が行われるまで維持されるものであってもよい。
<ぱちんこ遊技機における主な演出>
<<演出図柄の基本的表示態様>>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンドに基づき、サブメイン基板301及びサブサブ基板302によって実行される各種の演出について、主要なものを説明する。そして、ここでは先ず、前述の演出図柄190(図8(a)、(b)参照)の基本的な表示態様について説明する。
演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が変動表示されることに伴って、演出表示装置60上において変動表示される(図8(a)参照)。さらに、演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が停止表示されることに伴って、演出表示装置60上において停止表示(図8(b)参照)される。
演出図柄190の停止に伴い表示される停止図柄は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cの3つの図柄の組合せにより構成される。そして、メイン基板102における大当り抽選の結果が大当りとなった場合には、例えば「777」や「555」のように、3つの図柄が揃ったぞろ目の組合せが、大当りを表す停止図柄として表示される。また、大当り抽選の結果がはずれであった場合には、例えば「767」、「928」、「331」などのように、一部又は全ての演出図柄が他の演出図柄と異なる組合せで、演出図柄190が停止表示される。
ここで、本実施例における「停止図柄」や「図柄の停止」は、3つの演出図柄190が「確定停止」していることを意味している。すなわち、3つの演出図柄190a〜190cが、演出表示装置60の表示領域194において、例えば「767」や「928」などの組合せを保った状態で表示されていたとしても、それだけでは「確定停止」したことには該当しない。そして、このように演出図柄190が、組合せを保ちつつ「確定停止」に至っていない状態を、「仮停止」の状態と称することが可能である。
このような「仮停止」の表示態様としては、例えば、演出図柄190が小刻みに振動している(揺れている)状態を例示できる。そして、演出図柄190が組合せを維持したまま小刻みに揺れているような仮停止の態様を、「揺れ変動」の態様などと称することが可能である。この「仮停止」における演出図柄190の揺れの態様としては、縦又は横の直線移動や水平方向の回転移動などを例示でき、移動範囲としては数ミリ程度を例示できる。
また、上述の「確定停止」の表示態様としては、仮停止の状態を経て、全ての演出図柄190a〜190cが組合せを保ったまま停止した状態を例示できる。さらに、この「確定停止」の際に、確定停止されたことを示す演出を行うことが可能である。そして、確定表示されたことを示す演出としては、確定停止の状態を所定時間(例えば1秒程度)維持することや、確定停止された各演出図柄190a〜190cを、特殊効果が付加された状態で表示すること(図柄エフェクト)やセンター飾り64に設けられたLED(ランプ)を点灯させる等を例示できる。
ここで、図柄エフェクトとしては、各演出図柄190a〜190cを瞬間的に所定時間(例えば0.5秒程度)に限り光らせる、各演出図柄190a〜190cの周りに輝点を1回或いは複数回周回させる、演出図柄190a〜190cを拡大又は縮小する、演出図柄190a〜190cを数ミリ程度移動させて元の位置に戻す、などといった種々の態様を採用することが可能である。
また、前述の「リーチ」の表示態様において、リーチの組合せを保った演出図柄が、前述の「仮停止」の態様で表示される場合がある。そして、この「仮停止」によるリーチ表示の後に、変動表示されていた図柄(ここでは中演出図柄190b)が、はずれの組合せ(はずれリーチの組合せ)を構成して「仮停止」し、組合せを保ったまま「確定停止」が行われて変動表示が終了する、といった演出を例示することができる。また、3つの演出図柄190a〜190cが、はずれリーチの組合せによる「仮停止」を行っている状態から、中演出図柄190bが変動を再開してリーチ演出が高信頼度のもの(大当りに係る信頼度が相対的に高いもの)に発展する、といった演出(後半リーチ)も例示できる。
なお、演出図柄190のスクロール表示の態様としては、上述の縦スクロールに限定されるものではなく、種々の表示態様を採用することが可能である。そして、他の表示態様としては、例えば、横方向(右から左など)への横スクロール態様や、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に、鉛直軸まわりに回転(自転)させて、変動表示を行う回転態様を例示できる。また、例えば、左演出図柄190aから右演出図柄190cが、表示領域194中で、後方から前方、即ち画面の奥から手前に向って、直線軌道或いは曲線(旋回)軌道に沿って、拡大されながら順次繰り出される、といった表示態様も例示できる。さらに、後方から前方へ向う演出図柄が、上方から下方手前へ降りてくる、といったスクロール表示の態様を採用することも可能である。
また、スクロールの態様は、前述したような各種の態様のいずれか1つを採用することに限らず、例えば、所定の演出が実行される場合に、所定のスクロール態様から他のスクロール態様に切り替えることなども可能である。また、複数の演出モードについて、演出モード毎に、スクロール態様を異ならせることなども可能である。
また、図8(a)、(b)においては、演出図柄190の組合せが、表示領域194の上下方向の中段でのみ停止表示される表示態様が例示されており、有効ラインは、横方向の1ラインのみとなっている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、有効ラインの数を2ラインや5ラインとすることなども可能である。
さらに、演出図柄190は、図8(b)に例示するように、数字などの所定の記号を意味する部分(前述の記号要素演出図柄である要素図柄)と、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分(非記号要素演出図柄である要素図柄)との組合せにより構成することが可能である。そして、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分としては、各種のデザイン画や人物画、及び、これらの組合せ等を例示でき、さらに、記号に組合される各種のデザイン画や人物画を、動画とすることも可能である。図8(b)の例では、所定の記号以外を表す絵柄としてハートの絵柄が採用されている。
さらに、図8(a)、(b)に示す例では、前述した縮小演出図柄表示領域361が画面中に重畳されている。この縮小演出図柄表示領域361は、各演出図柄190a〜190bに対応する演出用の図柄(「ミニ演出図柄」や「ミニ図柄」などとも称する)を、各演出図柄190a〜190よりも小さいサイズで示すことができるものである。縮小演出図柄表示領域361にミニ図柄を表示することで、各演出図柄190a〜190が変動中であるか否かの状況や、停止時の状況(仮停止時の状況を含んでいてもよい)を、各演出図柄190a〜190bとは別に目立たないよう示すことができる。
また、縮小演出図柄表示領域361の表示を行うことで、演出図柄190a〜190bに係る演出パターンとして透明度が上がり遊技者に視認できなくなるようなものを設けて演出を多様化したとしても、演出図柄190a〜190bの状況を遊技者に示すことが可能である。
さらに、このような縮小演出図柄表示領域361に加えて、各演出図柄190a〜190bが変動中であるか否かや、特図1及び特図2のうちのどちらの表示を行っているかを、例えば小型な1桁の数字の違いによって示す図柄の表示を、目立たないように行うことも可能である。このような図柄は、「保証図柄」等と称することが可能なものである。この保証図柄の表示位置は、可動演出部材が単数又は複数で演出表示装置60の前に出現した際でも隠れないような位置とすることが可能である。さらに、保証図柄の表示は、いずれの可動演出部材が登場しても隠れない位置を設けてその位置に行うことや、登場する可動演出部材に合せて変更することなどが可能である。
<<演出パターンの例示>>
続いて、前述の演出パターンについて説明する。演出パターンは、メイン基板102で決定される変動パターンに関連付けられた状態で多数設けられている。さらに、演出パターンには、演出図柄190を含む演出の態様が規定されている。より具体的には、演出パターンには、選択された演出図柄190に対する変動開始から変動停止までの変動過程や、演出図柄190と組合せて表示される背景及びストーリー展開などといった演出過程が定義されている。そして、演出パターンには、前述の「リーチ」に関する表示態様を含む「リーチあり」や、「リーチ」に関する表示態様を含まない「リーチなし」に対応したものがある。
これらのうち、「リーチあり」の演出パターンが実行される場合は、あと1つの演出図柄(ここでは中演出図柄190b)が揃えば大当りとなるリーチ演出が、演出表示装置60において行われる。そして、特別図柄に係る当否抽選の結果が大当りである場合には、大当りの種類に応じた「777」や「333」などのぞろ目の表示が、確定停止した演出図柄190によって行われる。また、特別図柄に係る当否抽選の結果がはずれである場合には、例えば「767」や「515」などのはずれを示す組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
さらに、「リーチなし」の演出パターンが実行される場合は、例えば「928」や「331」などのように、左演出図柄190aと右演出図柄190cがリーチの組合せとならないリーチなしの組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
これらの演出パターンには、長短様々な変動時間をもつものがあり、特に、「リーチあり」の変動パターンには、変動時間が数分に及ぶようなものも含まれている。なお、本実施例では、前述した特別図柄に係る変動パターン(図11(a)〜(c)参照)における、「リーチなし(3秒〜10秒程度)」、「ノーマルリーチ(10秒〜20秒程度)」、「スーパーリーチ(大当り信頼度の高いリーチ)(30秒〜2分程度)」に対応した、リーチなしの演出パターン、ノーマルリーチの演出パターン、スーパーリーチの演出パターンが設けられている。そして、これらの演出パターンには、例えば、1つの変動パターンに対して複数の演出パターンが関連付けられており、演出パターン数は、前述の変動パターンよりも多岐に亘っている。さらに、「スーパーリーチ」は、「SP(スペシャル)リーチ」と言い換えることが可能なものである。
<<特別図柄に係る保留演出表示>>
次に、演出表示装置60において行われる特別図柄に係る保留表示(保留演出表示)について説明する。演出表示装置60の表示領域194の下部には、図8(a)、(b)中に示すように、第1遊技における当否抽選値の保留数を示す第1保留数表示部196と、第2遊技における当否抽選値の保留数を示す第2保留数表示部197とが表示される。なお、ここでは説明や図示を簡略化するため、個々の保留表示を真円によって表しているが、保留表示を、その他の形状や色彩の組み合わせ、キャラクタ画像、アニメーション等により行ってもよい。
本実施例においては、第1遊技に係る保留が発生すると、上述の第1保留数表示部196に所定の保留表示が行われる。さらに、保留数が増えると、保留表示が追加される。そして、保留数が上限に達すると、図8(a)に示すように、第1保留数表示部196において、4つの保留表示が行われる。
また、第1保留数表示部196における保留表示は、第1表示位置から第4表示位置にて行うことが可能である。つまり、第1保留数表示部196には、第1表示位置から第4表示位置が含まれており、第1保留数表示部196の、遊技者から見て右端の部位が、第1表示位置となっている。そして、左端へ向かって順に、第2表示位置、第3表示位置、第4表示位置が設けられている。さらに、以下では、第1表示位置から第4表示位置で行われる保留表示を、それぞれ「保1」、「保2」、「保3」、「保4」と称する。
例えば、演出表示装置60において、第1遊技に係る演出図柄190が行われている最中で、且つ、第1保留数表示部196に1つの保留表示も行われていない状況において、保留が発生すると、右端の第1表示位置(上述の「保1」の位置)に保留表示が行われる。そして、この際には未だ他の保留表示が行われておらず、「保2」〜「保4」は発生していないものとする。このように「保1」が発生している状況で、更に保留が発生すると、発生した保留に係る表示は、「保1」の左隣の「保2」の位置で行われる。そして、「保1」及び「保2」が表示され、「保3」や「保4」が表示されていない状況で、更に保留が発生すると、発生した保留数に応じて、「保3」や「保4」の表示が行われる。
そして、「保1」が発生した際に実行されていた変動表示が終了し、第1遊技に係る他の変動開始条件も成立していれば、上述の「保1」に係る保留記憶情報が消化される段階となり、「保1」の保留表示が、第1保留数表示部196の右側へ移動する。第1保留数表示部196の右側の部位には、当該変動情報表示部195が設けられている。この当該変動情報表示部195は、そのときに実行されている変動表示に係る情報(当該変動情報)を表示する領域である。つまり、「保1」の保留表示は、対応する保留記憶情報に係る変動表示が実行される際には、当該変動情報表示部195に移動して、当該変動情報表示198に変化する。
ここで、「保1」の保留表示を当該変動情報表示部195に移動させる際に、アイテムに係るサイズ、色彩、形態などといった表示要素の変更を行うようにしてもよい。図8(a)、(b)の例では、「保1」の保留表示を当該変動情報表示198に変化させる際に、サイズの拡大を行っている。
上述のように「保1」にあった保留表示が当該変動情報表示部195に移動すると、後続の保留表示の待機順位が繰り上り、「保2」は「保1」の位置にシフトする。さらに、「保3」や「保4」が存在した場合には、「保3」は「保2」の位置にシフトし、「保4」は「保3」の位置にシフトする。そして、このような状況で更に保留が発生した場合には、新たに「保4」が発生し、保留数が上限に達することとなる。また、新たな保留が発生しなければ、この次の変動表示の開始に伴い、保留表示のシフトが行われ、各保留の待機順位が繰り上がることとなる。
なお、「保1」〜「保4」における保留表示から、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態を含めて、広義に、保留演出と捉えることが可能であるが、これに限らず、「保1」〜「保4」における保留表示までを保留表示とし、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態は保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
また、演出図柄190に係る変動表示が行われておらず、保留数が0の状況で、第1始動入賞口62に入球があると、「保1」の表示は行われず、当該変動情報表示部195に、直接的に、当該変動情報表示198が行われるようになっている。そして、このような場合に限って、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198を保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。また、第1始動入賞口62に入球があると、「保1」の保留表示が一瞬の間行われ、その後直ぐに当該変動情報表示部195での当該変動情報表示198に移行させる、といったことも可能である。
続いて、前述の第2保留数表示部197について説明するが、第1保留数表示部196と同様な点については、説明を省略する。本実施例では、第2保留数表示部197は、図中に示すように、上述の当該変動情報表示部195を挟んで、第1保留数表示部196の反対側(遊技者から見て右側)に、第1保留の画像と異なる色彩にて、「保1」〜「保4」の関係が対称となるよう配置されている。
また、保留表示については、種々の遊技状態に応じた態様で行うことが可能である。例えば、大当り抽選の確率が通常確率の場合と高確率の場合などで、異なる演出モードに制御される場合に互いの保留表示の態様を異ならせることなどを例示できる。
さらに、第1保留数表示部196、第2保留数表示部197、及び、当該変動情報表示部195の位置関係は、上述のものに限定されず、例えば、当該変動情報表示部195の左側又は右側において8つの保留表示を並べ、第1遊技及び第2遊技に係る保留表示を、各々最大4個まで表示することなども可能である。
<<特別図柄に係る保留先読み演出>>
次に、特別図柄に係る予告演出(先読み演出)の1つである、保留先読み演出について説明する。この保留先読み演出は、前述の保留記憶情報(第1特図保留記憶情報又は第2保留記憶情報)に基づき、実行される演出である。さらに、保留先読み演出は、前述の事前情報通知の機能を用いて、そのときに演出図柄190等を用いて行われている演出よりも後に消化が行われる保留に対して、リーチや大当りが発生することの期待を示唆する演出として実行される。
例えば、前述の第1保留数表示部196における「保3」の位置で発生した保留表示について、保留変化がされていない基本の表示態様である表示(例えば青色)とは異なり、緑色の保留表示を行うことで、通常の青色の態様である場合に比べて、リーチが発生すること等の期待度が高いことが示される。そして、青や緑の彩色の他に、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を設け、緑色よりも、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄の順で大当りの期待度が高いことを示す、といった演出が行われている。
ここで、上述の「所定柄」の表示態様としては、キリン等の動物模様や、所定のキャラクタ画像を含む表示態様などを例示できる。また、保留表示の彩色や柄のみでなく、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。さらに、上述の各種の表示態様に点滅や発光を行っている態様を組み合せて先読み演出を行うことも可能である。また、保留先読み演出を含む先読み演出に当せんした保留を、例えば「トリガ保留」などと称することが可能である。
以上説明したような保留に係る先読み演出は、第2遊技においても行われる場合がある。そして、第2遊技に関しては、基本色(オレンジ)のほかに、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を備えることが可能である。また、第2遊技に係る保留表示としても、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。
さらに、上述したような第1遊技及び第2遊技において保留表示を用いる先読み演出は、「保留変化」などと称することが可能である。そして、このような「保留変化」には、保留発生の当初から上述のように基本の表示態様と異なる表示態様を示すものや、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものなどがある。
これらのうち、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものとしては、例えば、保留が発生して保留表示が開始され、保留の消化が進み、保留表示が、例えば「保2」、「保1」と進む間に、保留表示が変化するようなものを例示できる。そして、例えば、保留発生時には「保3」の位置に青色(第2遊技の場合はオレンジ色)で保留表示が行われ、「保1」の位置に移動した際に、緑色等の他の色に変化する、といったことが行われる。
また、第1遊技及び第2遊技の何れについても、当該変動情報表示198となった場合に、保留表示が基本色から、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様や、或いは、真円形状以外のアイテムや人物画像等の表示態様に変化して、大当りの期待度を表す場合もある。
さらに、上述のような保留変化に係る制御態様としては、以下のようなものを例示できる。例えば、保留発生時に、保留変化の演出パターン(保留変化パターン)を決定するための抽選(保留変化パターン抽選)を行う。この保留変化パターン抽選には、保留変化パターンテーブルが用いられ、この保留変化パターンテーブルには、保留変化の有無や、保留変化を実行する場合(保留変化ありの場合)には、どのようなタイミングでどのような表示態様を実行するか、といった演出パターンの決定に係る事項が規定されている。また、保留変化パターンとしては、第1遊技のためのものと、第2遊技のためのものとが定められている。
また、保留変化に当せんした保留が、「保1」から「保4」の中に複数存在する場合に、いずれか一方の保留先読み演出をキャンセルする、といったことが可能である。より具体的には、例えば、「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、緑色に変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生しているいずれかの保留が、虹色に変化する保留変化パターンに当せんしていれば、上述の「保4」に係る保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
さらに、例えば、上述の例と同様に「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、虹色まで変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生している全ての保留が、虹色までは変化せず、緑色などまでしか保留変化しないものであれば、先に発生している保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。なお、保留変化を行う際に、保留変化が行われることを示唆する演出(「保留変化示唆演出」と称する場合もある)を実行することも可能であり、この点については別途後述する。
<<特別図柄に係る連続予告>>
次に、他の先読み演出のパターンとして、特別図柄に係る連続予告(連続演出)について説明する。この連続予告は、真正のものと疑似のものとがあり、これらのうちの真正の連続予告は、特別図柄に係る複数回の変動表示に亘り、連続性のある予告演出を行うものを意味している。また、疑似の連続予告は、特別図柄に係る1回の変動表示について、複数回の特別図柄の変動があったような断続的な予告演出(疑似連続予告)を行うものを意味している。
上述の「連続予告」としては、例えば、演出上のストーリーにおいて主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、最終到達目的としている部屋を目指して、順次異なる部屋に移動するようなものなどを例示できる。また、その他の態様の「連続予告」としては、主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、異なる敵と対戦して勝利し、最終目的となる敵を目指すようなものも例示できる。
さらに、前述した真正の連続予告(以下では単に「連続予告」と称する場合がある)は、メイン基板102からサブメイン基板301に送信される事前通知情報に基づいて行うことが可能である。より具体的には、例えば、「保3」の保留が発生した場合に受信した事前通知情報に基づいて、サブメイン基板301が、その次以降の特別図柄に係る変動表示に対応した演出パターンとして、3回の変動表示に亘る連続予告を含んだ内容のものを選択する、といったことが可能である。
そして、1回分の保留が消化され、上述の「保3」の保留が「保2」の位置にシフトされた際には、選択された連続予告に係る演出パターンのうち、最初の1回目の予告に係る演出パターンが実行される。さらに、保留が順次消化され、保留表示が、「保2」から「保1」に移動した際には、3回のうちの2回目の予告が実行され、「保1」から当該変動情報表示部195に移動した際には、最後となる3回目の予告が実行される。
なお、サブメイン基板301において、上述の「保3」の保留が発生した時点で実行されている変動表示に係る変動パターンや、それ以前に発生している「保2」又は「保1」に係る保留記憶情報を確認することも可能である。すなわち、上述の「保3」の保留が発生した際に、既に記憶されている各種の情報の中に、大当り信頼度の高い所定のリーチ演出が実行されることを表す情報や、大当りが発生することを表す情報が存在すれば、「保3」の保留が発生した際に選択した連続予告に係る演出パターンをキャンセルする、といったことが可能である。その他、「保3」に対する保留の期待度に応じて、次変動から即座に連続予告を行うものではなく、1変動待って「保1」の変動及び先読み態様となるトリガ保留の消化時の2変動に跨る連続予告とするケースも考えられる。
また、前述した疑似の連続予告(以下では「疑似連続予告」や「疑似連」などと称する場合がある)としては、特別図柄の1回の変動表示に係る演出パターンにおいて、リーチ表示が、複数回断続的に行われるようなものや、登場人物が複数回の行為を繰り返すようなもの、演出図柄190の仮停止と再変動を繰り返すものなどを例示できる。
なお、以上説明したような連続予告の内容は、あくまでも例示であり、連続予告の内容としては、説明したもの以外にも種々のものを採用することが可能である。
<<普通図柄に係る演出図柄>>
次に、前述の普通図柄に係る演出について説明する。本実施例では、普通図柄に係る演出表示は行われていない。しかし、普通図柄に係る演出を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。そして、このように普通図柄の演出表示を行う場合には、演出図柄としては、例えば、はずれと、当たりの種類とを識別できる程度の表示を行うことが考えられる。
また、前述のように、演出表示装置60を、複数の表示体の組合せにより構成した場合には、相対的に大型な表示体と、これに比べて小型な表示体(複数でもよい)を備えることが可能である。そして、大型な表示体を、例えば「メイン表示体」や「メイン液晶」などと称し、小型な表示体を、例えば「サブ表示体」や「サブ液晶」などと称することが可能である。さらに、上述のような相対的に小型な表示体を備えた場合には、普通図柄に係る演出図柄(199)を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これを普通図柄に係る演出表示装置としてもよい。
また、普通図柄に係る演出図柄を用いた演出を行う場合は、普通図柄に係る保留演出表示を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。また、前述のように、演出表示装置60を、大型な表示体及び小型な表示体のような複数の表示体により構成した場合には、普通図柄に係る演出保留表示を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これにより「1」から「4」の普通図柄に係る保留数の演出表示を行ってもよい。
<<限定頻度パターンに係る演出>>
次に、限定頻度パターンに係る演出(以下では「限定頻度パターン演出」と称する)について説明する。限定頻度パターン演出は、前述の演出パターンの一部として備えられているものである。さらに、限定頻度パターン演出は、メイン基板のパターン決定手段にて特定の期間に決定される変動パターンに対応して、所定の遊技状態において出現し易くなるように設定された演出である。この限定頻度パターン演出の内容は、特定の傾向を示す演出内容となっており、限定頻度パターン演出の内容として、例えば、時短遊技中の特定の変動において、あらかじめ定められた変動パターンをメイン基板で決定し、演出として高信頼度のリーチを必ず発生させるようなものを例示できる。
また、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、遊技開始時、所定の演出パターンが実行された直後(例えば、小当り、出玉無大当りの直後)、所定の演出モード中(確変、時短遊技モード中)、特別遊技の終了直後などを例示することができる。また、これらに加えて、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、第1遊技(又は第2遊技)に係る保留数が所定数(例えば4個)に達している場合や、保留が存在しない場合なども例示できる。さらに、限定頻度パターン演出が実行される状況においては、その時の状況に応じて予め設けられている限定頻度テーブルを用い、この限定頻度テーブルに定められた限定頻度パターンから、実行すべき演出パターンが選択されるようになっている。
<<操作ボタンを用いた演出>>
次に、前述の操作ボタン22(図1参照)を利用する演出(以下「ボタン演出」と称する)について説明する。操作ボタン22は、ボタン演出が実行された場合に、遊技者によって押下操作され、遊技者に対し、自分が遊技の演出や当否抽選に参加しているような感覚を与える機能を発揮するものである。ボタン演出としては、例えば演出図柄190(図8(a)、(b)参照)の変動表示過程で、演出表示装置60の表示領域194に、操作ボタン22の図柄とともに、「Push」、「連打せよ」、「長押しせよ」等といった文字や、或いは残り時間を示すインジケータの動画などの、操作を促すガイド表示を行うことを例示できる。
さらに、ボタン演出としては、遊技者が、上述のガイド表示に従って操作ボタン22を操作すると、登場人物がコメントを発するような演出や、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行うような演出を例示できる。また、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材が作動して、リーチとなることを報知するようなものも例示できる。さらに、リーチ演出中にボタン演出が行われることもあり、その場合には、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材が作動して大当りへの期待を煽るものなども例示できる。
また、上述の操作ボタン22に関して、通常時は操作ボタン22の操作が無効となっているが、ボタン演出中は操作ボタン22の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。
なお、操作ボタン22のような操作入力機器としては、その他にも種々の形態のものを採用可能であり、例えば、演出内容に関連した、自動車の操作ハンドル、航空機の操作レバー、登場人物の模型(フィギュア)にタッチセンサを付加したものなども採用が可能である。また、操作ボタンと、操作レバー等の形態を有するものを併設し、演出内容などの状況に応じて使い分ける、といったことも可能である。
さらに、前述のように操作ボタン22の近傍に十字キー96(図18)が設けられており、操作ボタン22は、環境設定などを行う状況で決定キー等として用いられる場合がある。
<<大当り発生時の演出>>
次に、大当りが発生した場合の演出について説明する。大当りが発生した場合の演出には、特別遊技開始時の演出(大当り開始デモ)、特別遊技中の演出(ラウンド演出)、最終ラウンド終了時の演出(当り終了デモ)、特別遊技の終了時の演出(大当り終了デモ)などがある。ここで、上述の大当り開始デモの演出は、大当り遊技(特別遊技)の実行開始から初回のラウンド(単位遊技)の実行開始までのアタッカー(大入賞口)の閉鎖が維持されている期間の演出であり、上述の大当り終了デモの演出は、最終回のラウンド(単位遊技)の実行終了から大当り遊技(特別遊技)の実行終了までのアタッカー(大入賞口)の閉鎖が維持されている期間の演出であるということができる。
前述の演出図柄190が確定停止されると、ファンファーレなどの音に伴い、大当りが開始される旨の表示を行う。この大当りが開始される旨の表示としては、大当り開始デモ画面の表示を例示することができる。さらに、特別遊技中の打ち方指示として右打ち案内演出(右打ち演出)を実行し、遊技者に対し、発射ハンドル20の回動量を増やして右打ちを行うよう案内する内容のものを例示できる。また、右打ちを行うよう案内する内容の表示としては、右打ち案内表示領域(図示略)を出現させ、この右打ち案内表示領域に、「ハンドルを右に回してね」や「右打ち」などのメッセージ表示等を行うことが可能である。
ここで、初当り(低ベースでの大当り)と連荘(高ベースでの大当り)とで、大当り開始時の演出内容が異なっていても良い。具体的には、初当りの際には「大当りスタート!」などの表示を行い、連荘の当りの際には「大当り連続!」などの表示を行うようにとしても良い。また、右打ちの案内については、初当りでは「ハンドルを右に回してね」のメッセージ表示を行うが、連荘ではそのようなメッセージ表示を行わないかそれとは異なる表示(単に「右打ち」の大きな文字が短時間表示されるなど)を行うなどのようにしても良い。このように、初当り時の大当り開始デモ演出よりも連荘時の大当り開始デモ演出の方が短くなるようにして良く、その場合は当然ながら、大当り開始デモ時間については、初当り時よりも連荘時のほうが短くなる。同様に、大当り終了デモ演出(大当り開始デモ時間)の時間値も、初当り時よりも連荘時のほうが短くなるようにしても良い。
前述の特別遊技中の演出としては、遊技者が大当りを獲得しなければ見ることができない内容の動画を例示できる。また、この際には所定の楽曲が、前述のスピーカ21(図1参照)から出力される。さらに、特別遊技中の動画としては、例えば、ぱちんこ遊技機10の演出に採用された劇画における所定の登場人物が、ライバルとなる敵と戦う様子を描いたものや、僥倖を享受する様子を描いたものなどを例示できる。
なお、特別遊技中のラウンドの切換わりを、例えば、画面中の例えば下部における「1R」、「2R」、・・・、「10R」や、「1ラウンド」、「2ラウンド」、・・・といった表示により報知することが可能である。さらに、特別遊技中の演出の一部として、例えば、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を表示することも可能である。
また、図示は省略するが、特図1及び特図2の保留数を区別して示す保留数表示領域を表示したり、ラウンド数表示領域やカウント数表示領域を表示したりすることが可能である。さらに、例えば「確変2回目」や「獲得数:3600個」のような表示により、複数回の大当り遊技に係る連荘回数や、連荘中の獲得賞球数の表示を行うようにしてもよい。
ここで、大入賞口(92)の近傍に一般入賞口(72)の一部を配置したような場合には、ラウンド中の遊技による(大入賞口(92)への入球による)賞球のみを獲得賞球数の表示対象とするのではなく、一般入賞口(72)への入球に基づく賞球も、獲得賞球数の表示対象としても良い。また、超過分の入賞である所謂オーバー入賞(大入賞口に対する1のラウンドにおける規定カウント数を超過した入球)が発生した場合は、該発生を示唆又は報知する演出(例としては、「やったね!」といった音出力や、演出表示における「ナイス!」などの表示)を行っても良い。
また、特別遊技中の演出として、特定の演出(当り中の特定の演出)を行うことが可能である。この当り中の特定の演出は、ストーリー展開に変化を与える契機として表示したり、大当り遊技中にラウンド数の報知や確変への昇格演出が行われる場合に、演出の分岐点として挿入したり、といった用途で用いることが可能なものである。
続いて、前述の特別遊技後の演出としては、特別遊技中の演出内容の結果に係るもの例示できる。より具体的には、登場人物同士の闘いの結果に応じて勝者が感情を表す内容などを例示できる。このような特別遊技後の演出は、例えば、大当り遊技に係る「エンディング演出」や「リザルト演出」などと称することも可能である。
さらに、特別遊技後の演出としては、大当りの連続回数を追加して表示するものや、そのときの特別遊技により遊技者が獲得した賞球数を表示するものなどを例示できる。また、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を追加して表示することも可能である。また、大当りの連続に関しては、大当りの発生回数が所定回数(例えば20回)に達した場合に、それ以前には選択されることがない演出パターンを実行する、といったことも可能である。
また、本実施例の変形例として、特定遊技状態の制御に関し、大当り遊技中の遊技結果、すなわち大当り遊技中に大入賞口に設けられた特定領域(「V領域」、「確率変動機能作動領域」と称する場合もある)を通過した場合に、特別遊技終了後に確変となる制御を採用する場合には、確変となるか否かの報知を、特別遊技中、或いは、特別遊技終了の際まで報知しないようにすることも可能である。
例えば、合計で10ラウンドの特別遊技が行われる場合に、8ラウンド目の終了の際までは確変に当せんしているか否かを遊技者に知らせる演出を行わず、8ラウンド目の終了後に、確変に当せんしている場合にはその旨の演出(当り中特定演出)を1又は複数のラウンドに亘って行う、といった演出や制御態様を採用することが可能である。
また、上述の変形例に係るぱちんこ遊技機(特定領域を有するぱちんこ遊技機)において、特別遊技開始前、特別遊技中、或いは、特別遊技終了の際などの所定のタイミングで、遊技球が所定の領域で検出された場合には確変となる、といった演出や制御態様を採用することも可能である。
この場合は、例えば、「特定領域」として遊技球の検出領域を有する入球装置(ここでは「V入球装置」と称する)を、遊技領域52(図19参照)における大入賞口の下方の部位などに追加して設ける。さらに、特別遊技終了の際など所定のタイミングで、V入球装置を、遊技球を受入れ可能な状態とし、この状態においてV入球装置で遊技球が検出された場合に、その後の確率状態が、所定期間に亘り確変状態となるように制御する。そして、V入球装置に遊技球が進入しなかった場合や、V入球装置内で遊技球が所定の領域に進入しなかった場合には、その後の確率状態が確変状態とならないように制御する、といったことが考えられる。
また、このような入球による確変の付与は、演出としてのみ行うことも可能である。すなわち、大当り抽選で確変ありの大当りに当せんしている場合に、所定のタイミングでV入球装置を、遊技球の受入れが可能な状態とする。そして、V入球装置内に振分け機構を設けておき、事前に確変ありの大当りに当せんしている場合には、V入球装置に進入した遊技球を確変の領域に導き、遊技者が確変を獲得した旨の演出を実行する。また、事前に確変なしの大当りに当せんしている場合には、遊技球を非確変(通常)の領域に導き、遊技者が確変を獲得した旨の演出を実行する、といったことが考えられる。
さらに、小当りが発生した場合に、小当りの発生を報知する演出を行わないことや、小当り発生後の遊技中に、通常時と同様であり、確変中であるのか否かを区別できない内容の演出を行うことが考えられる。
<各種の具体的演出例>
<<複数の演出部材の重畳による演出>>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10において実施することが可能な各種の具体的な演出について例を挙げて説明する。先ず、演出表示装置60の表示と、前述した導光板88の表示、及び、可動演出部材の重畳による演出を行うことが可能である。この種の演出は、演出表示装置60の前方に可動演出部材を位置させ、演出表示装置60の表示内容と、可動演出部材の光装飾や動きなどとを組み合わせることによる複合的な演出となる。
一例を挙げれば、いずれかの可動演出部材が演出表示装置60の表示領域194の前に飛び出した状態において、可動演出部材の外側には演出表示装置60の表示領域194の少なくとも一部が見えており、例えば、演出表示装置60に炎が燃え盛る様子の映像を表示した場合には、炎の前方で可動演出部材が光装飾や動作を行う組合せの演出が実行されるようにする。さらに、導光板88において、例えば、炎の模様が点滅するような演出や、或いは、波紋状の模様を点滅させるような演出を行うことにより、導光板88と演出表示装置60の遠近の差による視覚効果を発揮することができる。
さらに、この状態において、導光板88と演出表示装置60との間で可動演出部材による演出を実行することにより、可動演出部材の様子や、演出表示装置60の映像を、導光板88の表示を部分的に障害としながら遊技者に視認させることができる。さらに、可動演出部材の前後の模様状の表示の変化の合成により、複雑な状況表示を可動演出部材に重畳でき、可動演出部材の置かれた環境を複雑な態様で表現することが可能となる。
そして、これらのことにより、導光板88、可動演出部材、演出表示装置60といった限られた構成によって、より複雑な演出を行うことができ、演出を多様化することが可能となる。なお、導光板88を、例えば透過液晶表示体などに変更した場合であっても、透過液晶表示体の一部を、背後の可動演出部材や、演出表示装置60の表示内容の一部を視認できる程度の透過状態とすることで、導光板88の場合と同様に重畳による演出を行うことが可能である。
また、導光板88や透過液晶表示体など(ここでは導光板88等と称する)の利用の態様として、導光板88等を強調する態様と、演出表示装置60との組合せによる態様とを採用することが可能である。上述の「導光板88等を強調する態様」は、導光板88等の表示面の大部分を利用して所定の像を浮かび上がらせる発色表示を行い、背後にある演出表示装置60の表示内容に遊技者の意識が可能な限り向かないようにする表示態様である。
これに対し、上述の「演出表示装置60との組合せによる態様」は、導光板88等における発色表示が行われる部分の面積の割合を所定の程度に抑え、背後にある演出表示装置60の表示内容に遊技者の意識が向かうようにし、導光板88等の表示と、演出表示装置60の表示とを組み合わせた演出を遊技者に対して示す表示態様である。そして、所定の場合には、「導光板88等を強調する態様」での演出を実行し、他の所定の場合には、「演出表示装置60との組合せによる態様」での演出を実行する、といったことが可能である。
<<保留表示を利用した演出>>
続いて、前述の保留表示を用いた演出としても種々のものを例示することができる。例えば、保留変化が行われることを示唆する保留変化示唆演出が例示され、図8(a)、(b)中に示す当該変動情報表示部195の当該変動情報表示198を一旦消去し、当該変動情報表示部195に、例えば、「色変化?」のように保留色が変化して期待度が高まることを示唆するような文字の情報(文字の状態遷移示唆情報)を表示する。そして、このような状態遷移示唆情報の表示の後、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198が、例えば赤色や虹色などといった高期待度を意味するものに変化する場合があるようにする。
また、上述の「色変化?」のような表示を、ルーレットの目の1つや、回転ドラム(リール)の1つの図柄として表示することも可能である。例えば、「変化なし」、「色変化?」、「赤」、「虹」のような情報表示をルーレットの目や、回転ドラムの図柄として採用し、当該変動情報表示部195において、ルーレットや回転ドラムのオブジェクトの表示を行う。そして、当該変動情報表示部195において、「変化なし」、「色変化?」、「赤」、「虹」の表示が順次変化し、停止した情報に対応した態様で、その後の当該変動情報表示198が行われるようにすることが考えられる。なお、当該変動情報表示198を消去せずに、ルーレットや回転ドラムのオブジェクトの表示を行うことも可能である。
また、保留表示を用いた演出の他の態様として、図8(a)、(b)中の第1保留数表示部196や第2保留数表示部197において保留変化が行われる場合に、保留変化したことや、保留変化が直後に発生することを、例えば、「保留変化」、「赤保留」、「虹保留」などといった保留変化情報を表示することで、積極的に報知することが考えられる。ここで、このような保留変化情報の表示を、演出表示装置60における表示領域194の中央で行ってもよく、或いは、第1保留数表示部196や第2保留数表示部197において、保留変化する保留表示の近傍で行ってもよい。
なお、上述のように、保留変化が行われることを示唆する保留変化示唆演出を1又は複数種類設けておき、保留変化示唆演出の実行有無、種類により保留変化がなされる割合や保留変化がなされたときの変化度合い(例えば保留色が青から赤に変化する割合が種類Aと種類Bとで異なる等)が異なるようにすることも好適である。また、複数の保留表示があり、複数の保留表示に対して保留変化が行われ得る場合には、保留変化示唆演出の開始時点では、いずれの保留の変化が行われるかがわからない状態とすることもでき、このように構成すれば、先に変化した保留が更に変化するのか、変化していない保留が変化するのかという視点での興趣向上を図ることができる。
また、保留変化示唆演出を実行する場合、保留変化のタイミングは、図柄変動中の様々なタイミングとすることができる。例えば、保留変化示唆演出を、保留変化示唆専用の領域や画像オブジェクトを用いたものとした場合には、装飾図柄(演出図柄)の確定停止の期間と重ならない任意のタイミングで複数の開始・終了タイミングを設定することができる。
一方、保留変化示唆演出を保留変化示唆専用のものとせず、装飾図柄の変動演出と連動して行う場合には、例えば、装飾図柄の表示領域を用いて保留変化を示唆する疑似的な装飾図柄(例えば「保留変化図柄」)を表示する保留変化示唆演出を実行することができる。そして、この場合には、1又は複数列の図柄が仮停止時するタイミングや停止図柄を予告するタイミングを設定することができる。
なお、ここで説明した各種の保留変化タイミングに加え、保留表示の開始時やシフト時に保留色を変化させることもできる。
<メイン基板からサブメイン基板へ送信される各種コマンド>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される各種コマンドについて主要なコマンドについて説明する。先ず、コマンドの送信タイミングとしては、初期画面表示中、客待ちデモ(待機デモ)中、特別図柄の図柄変動開始時、特別図柄の図柄確定時、特別図柄の図柄確定中、大当り開始デモ時、大当り中大入賞口開放時、大当り中大入賞口閉鎖時、当り終了デモ時、大当り終了デモ終了時などがある。このうち初期画面表示中は、ぱちんこ遊技機10の電源投入後、客待ちデモが開始されて定常状態に入るまでの期間である。また、始動入賞時、電断復帰時、及び、エラー検出時は、何れの場合であってもコマンド送信が行われる。さらに、RWMクリア時にもコマンド送信が実行される。
これらのうち、RWMクリア時のコマンドとしては、演出表示器初期化、演出LED初期化、各種エラーのコマンドがある。演出表示器初期化コマンドは、演出表示装置60に所定の演出図柄を表示するためのものである。演出LED初期化コマンドは、通信が正常である場合に遊技効果ランプの一部を点灯させるものである。各種エラーコマンドは、エラーの状態に合わせた演出表示等を行うためのものである。
客待ちデモのコマンドとしては、客待ちデモコマンドがある。この客待ちデモコマンドは、演出表示装置60や遊技効果ランプを客待ちデモ用に設定し、音声を消去するためのものである。
特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとしては、図柄1記憶数、図柄2記憶数、通信検査1、通信検査2、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、変動付加情報、図柄1演出パターン、図柄2演出パターン、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出のコマンドがある。図柄1記憶数コマンドは、第1特別図柄の保留記憶数を示すものであり、図柄2記憶数コマンドは、第2特別図柄の保留記憶数を示すものである。通信検査1コマンド及び通信検査2コマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。演出回数A〜Zの各種コマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2の各種コマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。変動付加情報コマンドは、変動時間が決められた変動パターンに更に付加される変動時間(付加時間)の情報や、演出パターン中に例えば大当り期待度の示唆等を行う要素(演出構成要素)を付加するための情報などを示すものである。図柄1演出パターンコマンドは、第1特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2演出パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものである。図柄1キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
特別図柄の図柄確定時のコマンドとしては、図柄1演出パターン停止、図柄2演出パターン停止のコマンドがある。図柄1演出パターン停止コマンド、及び、図柄2演出パターン停止コマンドは、それぞれ、第1特別図柄や第2特別図柄に基づく演出図柄190を停止させるためのものである。
特別図柄の図柄確定中のコマンドとしては、変動時間短縮回数0(低確率時)、変動時間短縮回数A〜Z(低確率時)、変動時間短縮回数0(高確率時)、確率変動中(所定変動回数まで)のコマンドがある。これらは、その時の遊技状態に関するコマンドを送信するためのものであり、演出モード表示や時短回数表示などに使用される。
大当り開始デモ時のコマンドとしては、図柄1大当り開始デモ、図柄2大当り開始デモ、発射位置指定のコマンドがある。図柄1大当り開始デモコマンド、及び、図柄2大当り開始デモコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄に基づいた開始デモを表示させるためのものである。発射位置指定コマンドは、所謂左打ちや右打ちにより、遊技者に、遊技球の打ち分けを行わせる場合に発射位置を報知するためのものである。
大当り中大入賞口開放時のコマンドとしては、図柄1大当り中デモ1〜16、図柄2大当り中デモ1〜16のコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄及びラウンド数に基づいた演出を表示させるためのものである。
大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドとしては、大入賞口閉鎖演出コマンドがある。これは、大入賞口閉鎖演出を表示させるためのものである。
大当り終了デモ時のコマンドとしては、図柄1当り終了デモ、図柄2当り終了デモのコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の当り図柄に基づいた当り終了デモ演出を表示させるためのものである。
始動入賞時のコマンドとしては、当り予告(当り予告演出)、図柄予告(当り図柄予告演出)、変動予告(パターン予告演出)、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドは、事前情報通知手段157による前述の先読み演出に係るコマンド(先読みコマンド)である。そして、当り予告コマンドは、当否乱数の乱数値範囲を送信するためものであり、抽選確率に応じた当否の情報などを含んでいる。図柄予告コマンドは、図柄乱数の乱数値範囲を送信するためのものであり、当りの種類に係る情報などを含んでいる。さらに、変動予告コマンドは、変動パターンの乱数範囲を送信するためのものであり、変動パターンのグループの種別(リーチなし、ノーマルリーチ、又は、スーパーリーチなど)の指定に利用可能である。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。そして、本実施例では、当否抽選の結果、先読み演出の有無や期間などの情報は、当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドによって、サブメイン基板301に伝えられるようになっている。
電断復帰時のコマンドとしては、通信検査1、通信検査2、電断復帰用遊技状態A〜E、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出、電断復帰当り状態、電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態、発射位置指定、エラーa〜d、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。
通信検査1、通信検査2のコマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。電断復帰用遊技状態A〜Eのコマンドは、電断時の遊技状態に応じて異なるコマンドを送信するためのものである。演出回数A〜Zのコマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2のコマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
電断復帰当り状態コマンドは、当り中か否かに応じて異なるコマンドを送信するためのものである。電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の、待機中・変動中・当たり中などの状態に応じたコマンドを送信するためのものである。発射位置指定コマンドは、前述のように、状況に応じた適切な発射位置を指定するためのものである。エラーa〜dは、エラーの有無及び種類を送信するためのものである。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。
<メイン基板の主要な制御処理>
次に、上述の構成のぱちんこ遊技機10のメイン基板102における主要な制御処理について、図12〜図17等に基づいて説明する。なお、説明に先立ち、以下で用いる「特別電動役物」、「条件装置」、「役物連続作動装置」の用語について説明する。これらは何れもぱちんこ遊技機10の制御処理における概念上の機器を表しており、これらのうち「特別電動役物」は、大入賞口装置90の大入賞口を作動(開放)させることとなるものである。また、「条件装置」は、特別図柄として特定の図柄組合せが停止表示された場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」は、特別電動役物を連続して複数回作動させることができるものである。
また、ここで説明するぱちんこ遊技機10の主要な制御処理は、図12に示す電源投入時処理(メイン基板における「制御開始処理」などともいう)、図13に示す初期設定処理、図14に示す設定変更処理、図15に示す遊技進行割込み処理、図16に示す(当否)抽選判定処理、及び、図17に示す電源断処理であり、これらはメイン基板102において実行される。
<電源投入時処理>
図12に概略的に示す電源投入時処理は、ぱちんこ遊技機10の電源投入によりCPU501の製造コードを利用したセキュリティチェックが行われた後に開始される制御処理である。この電源投入時処理においては、図中に示すように初期設定処理(S101)が実行される。初期設定処理(S101)では、設定値に関する処理などが実行されるが、初期設定処理(S101)の内容については後述する。
初期設定処理(S101)の後、RWMクリアボタン(RWMクリアスイッチ(544))が操作されたか否かの判定(S102)が実行される。このS102において、RWMクリアボタンの操作が行われていた場合には(S102:YES)、RWMクリアの処理(S103)が実行され、RWMクリア情報がサブ側(サブメイン基板301の側)へ送信される(S4)。さらに、電源投入が正常に行われたことを表す情報(電源投入正常の情報)をRWMに保存し(S105)、タイマ割込みの許可を行う(S106)。このタイマ割込みの許可(S106)により、所定周期(ここでは4ms)での遊技進行割込み処理(タイマ割込み処理)が可能となる。さらに、各種の乱数が、ループ処理(循環処理)が繰り返される毎に更新される(S107)。
ここで、乱数更新の処理(S107)で更新される乱数としては、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数の各種の初期値乱数を挙げることができる。また、各種の乱数の更新にあたっては、共通の制御モジュールとして、2バイトソフト乱数更新処理を用いることが可能である。また、乱数更新の処理(S107)で更新される乱数は、前述したソフトウェア乱数であり、乱数の種類によっては、乱数更新の処理(S107)で更新されるソフトウェア乱数と、前述のハードウェア乱数との演算により乱数値を生成することも可能である。
上記S102で、RWMクリアボタンが操作されていなかった場合には(S102:NO)、電源断正常の情報がRWMに保存されているか否かの判定が行われる(S111)。そして、電源断正常の情報がRWMに保存されていた場合には(S111:YES)、RWMチェックが行われ(S112)、RWM内のデータ(所定範囲のデータ)が正常か否かの判定が行われる(S113)。このS113で、RWM内のデータが正常でなかった場合には(S113:YES)、RWMクリアの処理(S103)へ移行する。
上記S111で、電源断正常の情報がRWMに保存されていた場合(S111:NO)、及び、上記S113でRWM内のデータが正常であった場合には(S113:NO)、RWMから電源断時の各種の情報コマンドのデータを取得する(S116)。さらに、取得した各種情報コマンドのデータをサブメイン基板301の側へ送信し(S117)、ソレノイドの復帰設定を行って(S118)、前述のS105(電源投入正常の情報をRWMに保存する処理)へ移行する。
<初期設定処理>
次に、前述の初期設定処理(図12のS101)について、図13に基づき説明する。この初期設定処理では、各ポート・レジスタの設定処理が実行され(S121)、設定キーの挿入操作があったか否かの判定が行われる(S122)。設定キーの挿入があった場合には(S22:YES)、設定値変更処理(S126)が行われるが、この設定値変更処理(S126)については後述する。
上記S122で、設定キーの挿入がなかった場合には(S122:NO)、設定値情報の読み込み(リード)が行われ(S123)、設定値が異常か否かの判定が行われる(S124)。設定値が異常でなかった場合には(S124:NO)、初期設定処理を終えるが、正常に電源断がなされず、設定値のバックアップデータが通常設定可能な値でない場合などのように、設定値が異常であった場合には(S124:YES)、設定値異常の報知を行う(S128)。そして、設定値異常情報をサブメイン基板301の側へ送信し(S129)、その後はループ状態となる。
<設定値変更処理>
次に、前述の設定値変更処理(図13のS126)について、図14に基づき説明する。この設定値変更処理では、設定値保存領域のRWMをチェックし(S131)、設定値情報が異常であるか否かの判定を行う(S132)。設定値情報に異常がなければ(S132:NO)、RWMクリアスイッチの入力があったか否かの判定を行い(S133)、RWMクリアスイッチの入力があった場合には(S133:YES)、設定値情報に応じた設定値を表示する(S134)。
上記S132で設定値情報に異常があれば(S132:YES)、設定値の強制設定を行い、設定値情報にデフォルト値(ここでは「1」)をセットする(S141)。そして、設定値強制設定情報をサブメイン基板301に送信してから(S142)、設定値の表示を行う(S133)。
上記S134の後、設定値の変更操作があったか否かの判定を行い(S135)、変更操作があれば(S135:YES)、そのときの設定値情報を+1する(S136)。さらに、設定値情報が設定上限値(ここでは「6」)に達したか否かを判定し(S137)、上限値に達していれば(S137:YES)、そのときの設定値情報を「1」にセットする(S138)。そして、設定変更が完了したか否か(設定キーが抜き取られたか否か)を判定し(S139)、完了していれば(S139:YES)、設定値の表示を止め(S140で表示を消去し)、設定値変更処理を終了する。
上記S135で、変更設定がなかった場合には(S135:NO)、設定値情報の加算の処理(S136)から設定下限値(ここでは「1」)のセットの処理(S138)を行わずに、設定変更が完了したか否かのを判定処理(S139)に移行する。また、上記S137で、設定値情報が上限値に達していない場合は(S137:NO)、上記S137の設定下限値のセット処理(S138)を行わずに、設定変更が完了したか否かのを判定処理(S139)に移行する。さらに、上記S139で設定変更が完了していなければ(S139:NO)、上記S134の設定値表示の処理に戻る。
上記S133において、RWMクリアスイッチの入力がなかった場合には(S133:NO)、上記S134と同様に、設定値情報に応じた設定値を表示する(S146)。さらに、上記S139と同様に、設定変更が完了したか否か(設定キーが抜き取られたか否か)を判定し(S147)、完了していれば(S147:YES)、上記S139へ移行し、設定値の表示を止め(S140で表示を消去し)、設定値変更処理を終了する。上記S147で設定変更が完了していなければ(S147:NO)、上記S136の設定値表示の処理に戻る。
つまり、上記S133において、RWMクリアスイッチの入力があった場合には(S133:YES)、設定値の表示が行われ(S134)、設定値の変更のための処理(上記S135〜S138等)が可能となる。しかし、上記S133において、RWMクリアスイッチの入力がなかった場合には(S133:NO)、設定値の表示(S146)が行われるものの、上記S135〜S138のような設定値の変更のための処理は可能とならない状態で、設定値表示が行われる(この状態を設定表示モードと称する場合もある)。
<遊技進行割込み処理>
次に、所定周期のタイマ割込み毎に繰り返される遊技進行割込み処理(図15)について説明する。この遊技進行割込み処理(「タイマ割込み処理」などともいう)は、前述の説明では省略したが、電源投入時処理(図12)において設定された周期情報に基づき所定周期(ここでは4ms周期)で繰返される。図15に示すように、遊技進行割込み処理においては、割込み動作条件の設定(S41、S42)、割込み処理時間監視手段の再帰(S43)、遊技機の管理(S45〜S70)、割込みの許可(S71)を順に行い、遊技進行割込みが発生する前の処理に復帰させる。
具体的には、割込み動作条件の設定の処理(S41、S42)においては、割込みフラグをクリアするため、割込み動作条件設定値が、遊技進行割込み制御レジスタに格納され(S41)、割込み動作条件設定値が、所定の入力端子に対応した制御レジスタにセットされる(S42)。この後、第2再帰情報がセットされ(S43)、更に第2再帰情報が割込み処理時間監視手段レジスタにセットされる(S44)。第2再帰情報は、後述するように、先にセットされた第1再帰情報とともに、割込み処理時間監視手段の監視用計時を再帰させてリスタートさせるための条件となるものである。
遊技機の管理(S45〜S70)においては、遊技機の管理を行うため、以下の処理を順に実行する。先ず、特定の信号の入力を監視するため、入力処理(S45)を実行する。ここで監視の対象となっているのは、遊技盤面に取り付けられている各種スイッチ、受け皿満タンスイッチ、開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、ガラス未検出信号、及び断線短絡電源異常検知信号である。
続いて、各種乱数更新処理(S46)を実行し、普通図柄変動パターン乱数、及び変動パターン乱数を更新する。さらに、初期値更新型乱数更新処理(S47)を実行し、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。次に、初期値乱数更新処理(S48)を実行し、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。また、2バイトタイマの更新を行うため、タイマ減算処理(S49)を実行し、第2−1始動入賞口63Aの有効期間を設定するため、第2始動口の有効期間設定処理(S50)を実行する。
さらに、入賞監視処理(S51)が実行され、賞球を払出す回数の記憶、盤用外部情報の出力要求の作成、及びサブ基板104に送信するコマンドの送信要求が行われる。続いて、払出制御基板103を制御するため、賞球制御処理(S52)を実行する。
次に、遊技球が普通図柄作動ゲート(作動口68)を通過したとき、普通図柄に係る乱数を記憶するため、普通図柄作動ゲート監視処理(S53)を実行し、普通図柄表示装置又は普通図柄電動役物に係る処理を行うため、普通図柄制御処理(S54)を実行する。さらに、普通図柄の変動開始の監視を行うため、普通図柄変動開始監視処理(S55)を実行する。また、遊技球の第1始動入賞口62、及び、第2種非電動役物(54A、54B)の入賞の監視を行うため、始動口監視制御処理(S56)を実行し、第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71に係る処理を行うため、特別図柄制御処理(S57)を実行する。続いて、特別電動役物に係る処理を行うため、特別電動役物制御処理(S58)を実行し、大入賞口の有効期間に係る処理を行うため、大入賞口有効期間設定処理(S59)を実行し、第1特別図柄、及び、第2特別図柄の変動開始の監視を行うため、特別図柄変動開始監視制御処理(S60)を実行する。
次に、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠の開閉状態の監視、及びペアガラスの監視を行うため、異常検知処理(S61)を実行し、入球通過時間異常の検出を行うため、入球通過時間異常検出処理(S62)を実行する。さらに、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、遊技状態表示処理(S63)を実行し、発射ハンドル20のタッチ状態(操作量の状態を含む)の監視を行うため、ハンドル状態信号検査処理(S64)を実行する。また、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置(70、71)の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、及びエラーの表示を行うため、LED出力処理(S65)を実行する。
続いて、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、発射制御信号出力処理(S66)を実行し、試験装置に出力する信号を作成し出力するため、試験信号出力処理(S67)を実行する。さらに、普通電動役物ソレノイド、及び、大入賞口(開放)ソレノイドの出力データの出力を行うため、ソレノイド出力処理(S68)を実行し、演出制御コマンドを送信するため、演出制御コマンド送信処理(S69)を実行し、外部端子(外部中継端子基板46(図2参照)の各種外部出力端子)に信号を出力するため、外部情報出力処理(S70)を実行する。
この後、割込み許可(S71)が実行され、制御処理がリターン(RET)に抜ける。そして、次回の遊技割込みが実行されるまでの残余時間を利用して、電源投入時処理(図12)の前述の循環処理(S7の乱数更新処理を含めて繰り返される循環処理)が実行される。
<<ハンドル状態信号検査処理>>
前述のハンドル状態信号検査処理(S64)においては、発射ハンドル20のタッチ状態の監視を行うため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及び、ハンドル状態演出のコマンド送信要求を行う。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を行う。なお、ハンドル状態監視タイマの減算において、ハンドルタイマ減算中と判断した場合、ハンドル状態に関する以降の処理は行わない。
<抽選判定処理>
次に、前述の抽選判定の処理(「抽選判定処理」ともいう)について説明する。この抽選判定処理は、確率データを用いて当選か否かを判定(大当り抽選判定を行う処理)する処理である。また、抽選判定処理は、前述の遊技進行割込み処理(図15)における、例えば特別図柄変動開始監視制御処理(S60)で行うようにすることが可能である。
図16は、当否に係る抽選判定処理の一例を示すフローチャートである。この抽選判定処理においては、まず、ステップS1022に進むと、メインCPU501は、当選番号データとして所定のレジスタ(例えばCレジスタ)に1をセットして、次のステップS1024に進む。ステップS1024に進むと、メインCPU501は、繰返し回数データとして2をセットして、次のステップS1025に進む。当選番号データは、「1」が大当りを示し、「2」が小当りを示すものとなっている。
ステップS1025に進むと、メインCPU501は、抽選テーブルから確率データを取得する。具体的には、メインCPU501は、遊技状態(確率変動状態か、通常確率状態か)、及び設定値に応じた確率データのアドレスを指定し、指定したアドレスに対応する確率データを抽選テーブルから取得して、レジスタに記憶する。そして、次のステップS1026に進む。ここで抽選テーブルは、1の当否抽選の結果として、異なる抽選結果毎に定められた、確率データ(乱数値範囲)が連続して格納されたRWMの記憶領域である。なお、連続して格納するとは、抽選に用いる乱数値の大きさが2バイト必要な場合は、1の抽選結果に対応する乱数値の大きさを保存したデータを2バイトずつのRWM記憶領域を使って連続させることを意味する。そして、ステップS1025では、後述するステップS1030の結果がNOとなり実行される場合には、次の抽選結果に対応する確率データを取得するため、確率データのアドレスの指定を次のアドレスとなるように更新し、更新後のアドレスに格納されている確率データを取得して次のステップS1026に進む。
ステップS1026に進むと、メインCPU501は、当否判定を行う。ここで、メインCPU501は、まず、始動口に入賞した際に取得した当否判定用のために乱数値を、抽選時用の比較レジスタに記憶し、次に、ステップS1025で取得した確率データに記憶された値を比較レジスタの値から減算し、新たな比較レジスタの値とする。このようにして、比較レジスタの値を更新する。
次のステップS1027では、メインCPU501は、当選したか否かを判断する。ここで、比較レジスタの値から確率データ(同一の抽選結果となる置数範囲、乱数値の大きさのことであり、図9に例示される当否乱数の幅の値)を減算することにより、取得した乱数値から確率データの置数範囲を減算した値が「0」より小さくなると(桁下がりが発生すると)、フラグレジスタのキャリーフラグに「1」がセットされる。そして、ステップS1027では、メインCPU501は、キャリーフラグに「1」がセットされているか否かを判断することにより、当選したか否かを判断する。
ここで、キャリーフラグに「1」がセットされていないとき、すなわち当否抽選の際に、ある抽選結果の範囲に乱数値が属しないと判断したときは、メインCPU501は、当選しなかった(S1027:NO)と判断し、次のステップS1028に進む。これに対し、キャリーフラグに「1」がセットされているときは、メインCPU501は、今回判定した抽選結果に当選した(S1027:YES)と判断し、ステップS1028〜S1033をスキップして、本フローチャートによる処理を終了する。ここで、ステップS1027で「YES」のときにセットされている当選番号データが抽選判定で決定された当選番号(例えば、当選番号1であれば大当り、当選番号2であれば小当り)を示すこととなる。
次のステップS1028では、メインCPU501は、次回の抽選(キャリーが発生しなかった、減算後の乱数値から、次の抽選に用いる乱数値範囲の確率データで抽選処理をすること)の結果に対応するように当選番号データを更新する。具体的には、メインCPU501は、当選番号データの値に「1」を加算して、新たな当選番号データの値とする。すなわち、当選番号データの値を更新する。このようにすることで、例えば当選番号1である大当りの抽選が終わった後に、次の抽選テーブルに存在する乱数値範囲での抽選結果(例えば当選番号2の小当り)に当選した際の結果として取得される情報を更新する。そして、次のステップS1029に進む。
ステップS1029に進むと、メインCPU501は、繰返し回数データを更新する。具体的には、メインCPU501は、繰返し回数データの値から「1」を減算して、新たな繰返し回数データの値とする。この「繰り返しデータ」は、取得した乱数値から、確率データを有する抽選テーブルの乱数値範囲を用いて何回抽選処理を行うか(最大で何回取得した乱数値または抽選処理による減算後の乱数値から新たな確率データである乱数値範囲を用いて抽選処理を行うか)を示すデータであり、抽選テーブルの抽選結果の種類より1だけ少ない数に設定される(最後の確率データまでキャリーが発生しなかった場合は、最終データの抽選結果となることが確定的なため)。そして、ステップS1029が完了すると次のステップS1030に進む。
ステップS1030に進むと、メインCPU501は、繰返し回数が終了したか否か(最後の確率データに対応する抽選結果となるかが確定的となったか)を判断する。具体的には、メインCPU501は、繰返し回数データの値が「0」か否かを判断する。ここで、繰返し回数データの値が「0」であるときは、繰返し回数が終了したことを示し、繰返し回数データが「0」でない(「0」より大きい)ときは、繰返し回数が終了していないことを示す。そして、ステップS1030では、メインCPU501は、繰返し回数データの値が「0」かを判断することにより、繰返し回数が終了したか否かを判断する。
ここで、メインCPU501は、繰返し回数が終了した(S1030:YES)と判断したときは、次のステップS1033に進む。これに対し、Bレジスタの値が「0」でないときは、メインCPU501は、繰返し回数が終了していない(S1030:NO)と判断し、ステップS1025に戻る。
また、ステップS1030で「NO」のときは、前回と異なる抽選結果の確率データを用いて、再度、ステップS1026の当否判定が行われることとなる。次のステップS1033では、メインCPU501は、当選番号データの値に非当選データである「00(H)」をセットして、本フローチャートによる処理を終了する。(本実施例では、最終の抽選処理を終えても当選しなかった場合にセットされる値が、はずれに対応するものであるため、非当選データ「00(H)」をステップS1033にてセットするように構成するが、抽選処理の結果当選しなかった場合に、大当り、小当りとすることも可能である。)
以上のように構成することにより、ステップS1028で記載したように、当選番号データを更新する処理が抽選判定処理内にあるため、当選番号データを抽選テーブルに記憶しておく必要がない。また、繰返し回数及び抽選テーブルの記憶される抽選結果毎の確率データを順番に用いて当選番号を決定することにより、乱数値ごとに抽選結果を定めるように抽選テーブルを定める必要がなくなるため、抽選テーブルによるROMの使用量を削減することができる。
なお、本例においては、小当りと大当りに対応する当選番号を1ずつ設け、当り時には別途取得する図柄乱数によって大当りや小当りの種別を決定したが、本処理によってこれらの種別を決定することも可能である(当選番号1は10R確変大当り、当選番号2は6R確変大当り、当選番号3は6R通常大当りとする、など)。その場合には、ステップS1024の繰返し回数データの値を種別の数に応じて変更し、当選番号毎の確率データ(当選番号毎に対応する範囲値)を設定すれば同一の判定ルーチンで対応することも可能である。
<電源断処理>
次に、電源断が生じた場合に実行される電源断処理について説明する。図17に示すように、電源断処理においては、全使用レジスタのデータをRWMに退避し(S81)、電源断前の割込み許可/禁止の状態を保存する(S82)。さらに、RWMに電源投入正常の情報が保存されているか否かが判定され(S83)、保存されていない場合には(S83:NO)、電源断異常の情報をRWMに保存し(S84)、RWMアクセス禁止の処理(S88)へ移る。一方、保存されている場合には(S83:YES)、スタックポインタの値をスタックポインタバッファに保存し(S85)、電源断正常の情報をRWMに保存し(S86)、RWMのチェックサムを算出し、チェックサムデータを保存する(S87)。そして、RWMをアクセス禁止とし(S88)、制御処理をループさせながらCPU501のリセットを待つ。
また、この電源断処理においては、前述した第1再帰情報及び第2再帰情報の双方の設定が済んでいなかったとしても、CPU501が強制再帰手段として機能し、第1再帰情報及び第2再帰情報の設定が行われ、割込み処理時間監視手段の監視用計時が強制的に初期化され、計時が再帰させられる。さらに、この強制的な第1再帰情報及び第2再帰情報の設定は、本実施例では、電断処理開始直後であって、全使用レジスタの退避の処理(S81)よりも前のタイミングで行われている。そして、電力供給が再開された場合には、監視用計時が再帰した状態で、制御処理が開始される。つまり、電源断発生時に監視用計時を強制的に再帰させておくことにより、電力供給を再開した直後の制御処理において、監視用計時が再帰しないまま、制御処理が進行することを防止できるようになっている。
<その他の個々の制御処理態様>
<<コマンド送信タイミングに係る制御態様>>
本実施例では、メイン基板102からサブメイン基板301に出力される演出制御コマンドは、送信の前に、コマンド要求により、コマンドバッファに一旦格納される。コマンドバッファは、複数のバッファをリングバッファとして機能させたものであり、コマンド送信のための制御処理(ここでは演出制御コマンド送信処理(S69))において、コマンドバッファに蓄積された順に、1回の遊技進行割込み処理で1コマンド(MODE、EVENTの1対のデータ)ずつ、コマンドバッファから取出されて送信される。なお、優先順位が高く設定されたコマンドから先に送信するような手法も採用可能である。また、各種の制御処理において、送信が必要となったコマンドが発生した場合に、随時コマンド送信を行うことも可能である。このような手法を採用した場合には、1回の遊技進行割込み処理中に、例えば演出制御コマンド送信処理(S69)のような一つの制御処理モジュール内で集約的に演出コマンドの送信が行われるのではなく、コマンド送信の必要が生じる都度、各制御処理モジュール内で、逐次的にコマンド送信が行われることになる。このため、コマンド送信が次回以降の遊技進行割込み処理に持ち越されるといった事態が生じ難い。そして、例えば始動入賞時のコマンドや、特別図柄の変動開始時のコマンド送信に遅れを生じることがなく、迅速なコマンド処理が可能となる。
<<保留記憶の更新に係る制御態様>>
本実施例では、前述のように、第1遊技と第2遊技との間に優先順位を設けない構成が採用されており、さらに一方の遊技が実行中に他方の遊技を実行可能とする並列遊技を採用しており、それぞれの遊技が始動入賞が発生した順に保留記憶が消化される。そして、消化に応じた保留記憶情報の更新、複数の遊技の合計保留数の更新、及び、入賞順序の記憶を行うことにより、全体として、保留記憶された情報の更新を行う。しかし、これに限定されず、例えば、第1遊技を優先する構成や、第2遊技を優先する構成を採用することも可能である。
また、本実施例では、保留記憶が更新されたことをサブメイン基板301に伝えるため、前述のように図柄記憶数コマンド(図柄1記憶数コマンドや図柄2記憶数コマンド)の要求が行われるが、1つのコマンドに図柄1記憶数コマンド、及び、図柄2記憶数コマンドの双方を含めることにより、必要なプログラムやメモリの容量を削減できる。
<<変動パターンの抽選に係る制御態様>>
続いて、変動パターンの抽選に係る各種態様について説明する。ここで説明する変動パターンの決定の態様は、一のぱちんこ遊技機10において、いずれかが選択されて適用されてもよく、或いは、適宜併用されていてもよい。そして、複数の態様を併用する場合には、例えば、当否結果等の要素に基づき、態様の使い分けを行うことが可能である。
本実施例では、変動パターンの決定には、前述のように、当否結果、保留球数、特別図柄(図柄群の場合もある)、及び、変動パターン選択状態(特別図柄のステイタス情報)が決定要素として用いられているが、これらの決定要素の組合せに対応した変動パターンテーブルが選択される。そして、変動パターンテーブルの決定に伴い、変動パターン乱数を使用して変動パターンと紐付けされ対になっている変動時間が決定される。さらに、本実施例では、変動パターンの決定に関し、当否抽選の結果が大当りの場合と、はずれの場合とで、変動パターンテーブルを異ならせることが行われている。すなわち、大当りの場合には、保留球数などの特別図柄のステイタス情報、特別図柄(群)、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンテーブルが選択される。一方、はずれの場合には、遊技状態、特別図柄、保留球数、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンテーブルが選択される。このうち、大当りの場合で、演出上の再抽選の時間が付与される変動パターンについては、演出状態(特定の演出の有無など)と、特別図柄群とに基づき、再抽選の時間の付与の有無が決定され、決定された結果が、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される。
また、変動パターン及び変動時間の決定に際して、決定された変動パターン番号に応じた変動付加情報を決定し、変動付加情報により、後続的な変動時間の決定を行うことが可能である。例えば、選択された変動パターンが、限定頻度パターン演出に対応したものである場合に、それに応じた変動時間の延長分を事後的に決定するといったことが考えられる。
また、前述のように特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとして変動付加情報のコマンドを設定することにより、サブメイン基板301にて、遊技状態や当り図柄といった要素に関係づけて先に決定した変動時間に、後発的に付加時間を加算する演出が行うことができる。そして、この様な態様で、総合的な演出図柄の変動時間を決定する場合には、以下のように、予め設けられる変動パターンの数を少なく抑えつつ、多様な変動パターンを作成することが可能である。すなわち、前述の疑似連続予告(所謂「疑似連」)を行う場合について考えれば、疑似連の変動パターンを単に個別に設定した場合には、演出の種類数と同じ数の変動パターンを予め設けておく必要がある。そして、このように全て個別にメイン基板102にて決定する変動パターンに対してサブメイン基板301での演出図柄等の演出パターンを用意した場合には、メイン基板102における変動パターンの合計数が大となって、例えば256個を超えるほどの数に達することも考えられる。このため、多数の変動パターンに対して識別可能な符号を与えるためには、従来よりも符号を表すためのビット数やバイト数を増やす必要が生じてしまう。
しかし、変動付加情報(変動付加パターン)を用いることにより、相対的に少ない数の基本の変動パターンに対し、例えば乱数抽選した変動付加情報を繋げて、事後的に変動パターンを形成することが可能である。そして、このことにより、変動パターンの組合せにより新たな変動パターンを形成できるので、予め設けておく変動パターンの数を過大とすることなく、多様な変動パターンを作成できる。なお、変動付加情報に係る乱数値も、先読み演出用のコマンドとして、始動入賞発生時に、メイン基板102からサブメイン基板301に送信することが可能である。また、限定頻度パターン演出が実行される場合に変動付加情報の付加が行われ易くなるよう、変動付加パターンの出現確率を設定しておくことなども可能である。なお、変動付加情報を用いる例を更に挙げれば、演出図柄190の組合せとして最初から確変図柄である「777」が表示された場合には変動付加情報の設定は行わず、演出図柄190の組合せとして、一旦非確変図柄である「666」が表示された場合には、「777」に昇格させるか否かの結果が表示されるまでの演出(例えば、揺れ変動の演出や、変動態様の展開を表す演出など)を、変動付加情報を設定して行う、といったことがある。
また、本実施例では、変動パターンは、保留球数を要素として決定されており、保留球数が幾つであるかに応じて、参照される変動パターンテーブルが異なる。変動パターンテーブルは、保留球数0〜4に対応して設けられている。保留0〜3の4つだけではなく、保留4に対応する変動パターンテーブルが設けられているのは、以下の理由による。例えば、保留球数が4つの状況から新たな変動表示が開始され、保留球数が3となった場合を考える。その時点で実行されている遊技進行割込み処理中の、未だ制御処理が、後の遊技進行割込み処理中の処理である変動パターンの決定に至らない段階において、保留球数が3となっている状態から新たな始動入賞が発生すると、変動パターンの決定時には、保留球数が加算されて4となっている。したがって、このような状況も変動パターンの決定の要素とし得るよう、保留球数0〜4に対応して変動パターンテーブルが設けられているのである。
ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、変動パターンテーブルは、保留球数0〜3に対応して設けるようにしてもよい。この場合、制御処理上、保留球数3の状態から変動パターンの決定までの間の始動入賞が加算されない構成とすることが可能である。なお、いずれの態様についても、4個以外の最大保留数(例えば8)が設定されたタイプのぱちんこ遊技機にも適用が可能である。
また、変動パターン乱数の取得タイミングとしては、変動パターン抽選時とすることが可能である。すなわち、変動パターン乱数は、特別電動役物等の役物作動に係る乱数ではないので、適正な遊技を行うための要素としては、当否乱数などに比べて、例えば公正な遊技を目指すうえでの制約を設ける必要性が低くなる。したがって、始動入賞時には敢えて変動パターン乱数の取得はせず、例えば、別途設けられたタイミングとして変動パターン抽選時に、変動パターン乱数を取得し、記憶することが考えられる。このようにすることにより、始動入賞時に記憶すべき情報の数を減らすことができ、プログラムやメモリの容量削減が可能となる。
なお、本実施例では、疑似連に係る変動付加情報が定められており、疑似連の演出が、基本となる変動パターンに係る変動時間に、変動付加情報の変動時間を付加して行われる場合がある。さらに、疑似連に係る変動付加情報は、疑似連の演出が行われる場合以外にも流用することが可能である。
<<図柄の指定に係る制御態様>>
図柄の抽選にあたり、図柄乱数(数値範囲が0〜999)を示す2バイトデータの上位バイト(「0」〜「3」)の値に基づき使用する図柄判定テーブルを決定し、その後、図柄乱数の下位バイトの値に基づき、決定した図柄判定テーブルから図柄を決定することなども可能である。そして、このようにすることにより、当否抽選の方法とは異なり、図柄乱数の下位バイト(1バイトデータ)との比較で抽選処理を行うことができ、図柄判定テーブルのデータを1バイトデータの連続したRWM記憶領域で構成できるため、メモリやプログラムの容量を削減できる。また、当り図柄(図柄群であってもよい)に対してラウンド数や時短回数等の遊技状態の振分けを行い、当り図柄に応じて、その後のラウンド数や時短回数、大入賞口の開放時間や開放パターン等が決定されるようにしてもよい。このようにすることにより、遊技状態の固有のデータの記憶や制御処理を行う必要がなく、メモリやプログラムの容量を削減できる。さらに、メイン基板102からサブメイン基板301へ当り図柄等を伝えるコマンド(例えば、本実施例では、図柄1演出パターン、図柄2演出パターンの各コマンド)を送信する。
このように、メイン基板102は、サブメイン基板301に対し、第1遊技および第2遊技の開始時(特別図柄の変動開始時)に、当否抽選の結果、変動パターン抽選の結果、図柄抽選の結果を含むコマンド群を送信するものである。コマンド群には、遊技状態を伝える情報(遊技状態指定情報)を付加することも可能であり、サブメイン基板301の側で、何らかの事象(瞬間的な電断、ウォッチドッグタイマ監視異常など)によりリセットが行われ、演出を実行するために記憶していた遊技状態情報が無くなってしまった場合でも、新たな特別図柄の変動開始時に、表示すべき遊技状態を識別可能となる。これらのコマンドは、作成されてから直ぐにサブメイン基板301へ送信されるものではなく、作成されて一時記憶され、所定のタイミングを待ってからサブメイン基板301へ送信されるものである。
<<特別図柄と演出図柄の変動時間の関係>>
前述のように、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)と、これに対応した演出図柄190とは、互いに同期して変動開始及び変動停止するよう制御されるものであるが、状況によっては、演出図柄190の変動時間が、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動時間に対してある程度短くなり得るものである。
すなわち、特別図柄の変動や変動パターンの決定がされ、特別図柄の変動が開始される際に、メイン基板102からサブメイン基板301に対し演出図柄の変動開始コマンド(変動開始時のコマンド)が送信されるが、所定のコマンド(例えば変動開始時のコマンドの最初のコマンド)の送信及び受信に要する時間や、コマンドバッファ(本実施例ではリングバッファタイプが用いられている)にセットされ待機しているコマンド(先入れのコマンド)が全て送出されるまでの時間などの影響を受け、その分、演出図柄の変動開始が特別図柄の変動開始よりも遅延することが考えられる。さらに、特別図柄の変動停止時には、変動停止コマンド(特別図柄の図柄確定時のコマンド)がサブメイン基板301に送信されるが、所定のコマンド(例えば図柄確定時変動開始時のコマンドの最初のコマンド)の送信及び受信に要する時間や、コマンドバッファの混み具合(送信待機中のコマンドの数の程度)により、演出図柄の変動停止が遅延することも考えられる。
このように、演出図柄の変動時間は、変動開始時に送信されたコマンドに基づき特別図柄の変動時間に対してある程度のタイムラグを考慮して設定するようにし、揺れ変動を行うことによって、特別図柄が次の変動を開始した後に最後の図柄が停止表示されるといった事態を避けるようにしている。なお、変動終了時にメイン基板102からサブメイン基板301へ送信されるコマンドの数により処理が遅延するが、変動終了時は変動開始時に比べてサブメイン基板301に対して送信されるコマンドが少なく設定されているため、遅延量が抑えるとともに、特別図柄の表示固定時間中(0.5秒程度)に演出図柄をほぼ確実に固定できるようになっている。
<<当否抽選結果の事前判定>>
先ず、本実施例においては、図9(a)に示すように、第1抽選及び第2抽選における当否乱数値範囲は「0〜65535」であり、この当否乱数値範囲「0〜65535」を、図示は省略するが、複数の乱数値範囲(例えばA〜Nなど)に区分けすることができる。
例えば、当否乱数値範囲は「0〜65535」のうち、「0〜204」は先読みコードAの分類に属し、「205」は先読みコードBの分類に属し、当否乱数値「206」〜「209」は、それぞれ先読みコードC〜Fの分類に属する、等といったように割り当てを行うことが可能である。なお、ここでの説明は、前述したように、設定「1」における通常時大当りの置数範囲が「0」〜「204」であるのに対し(図9(a))、設定値が「2」〜「6」に増加するごとに置数範囲の上限が「205」〜「209」へ「1」ずつ変化するように設定されていることを前提としている。
そして、先読みコードAは設定値に関わらず、全設定で当り(大当り)となるものとし、先読みコードBは、設定値が「2」以上である場合に、通常時であっても確変時であっても当りとなるものとする、といったことが可能である。この場合、先読みコードBは、設定値「2」以上であれば通常確率時でも高確率時でも当りを示すこととなるが、設定値が「1」の場合ははずれを示すものとなる。さらに、先読みコードC〜Fは、設定値が「3」以上〜「6」であれば、確率状態に関わらず、通常時及び高確率時の両方で当りとなる、といったようにすることが可能である。
このように分類されグループ化された先読みコードを用いて、例えばメイン基板102で、取得した乱数値が属する先読みコードを判定し、判定した先読みコードに対応する情報(コマンド)を前述の事前通知情報としてサブメイン基板301へ送信することが可能である。そして、サブメイン基板301の側では、保留の消化を待つことなく、先読み演出として当り予告演出を、当否判定結果に関連して行うことが可能となっている。
また、本実施例においては、特別図柄の種類の事前判定や、特別図柄に係る変動パターンの種類の事前判定にも、上述した当否抽選の結果の場合と同様に、乱数値範囲に基づく判定が行われるようになっている。そして、特別図柄の種類や、特別図柄に係る変動パターンの種類は、当否抽選の結果の種類に比べて多数設けられており、先読みコード数(グループ数)も、当否抽選の場合に比べて多くなっている。しかし、乱数値範囲に基づく事前判定の手法としては、乱数値範囲や、グループ化される抽選結果の種類は異なるものの、前述したような当否判定に係る事前判定と同様に行うことが可能である。したがって、ここでは、図柄予告演出やパターン予告演出についての、乱数値範囲に基づく事前判定についての詳細な説明は省略する。
このような乱数値範囲に基づく事前判定を行うことにより、情報のまるめが可能となり、少ない情報量で、事前判定に係るコマンドを作成することが可能となっている。つまり、乱数値の個数が256個を超える場合には、乱数値を表記するために必要なバイト数が1バイトを超えてしまう。このため、事前判定のために、乱数値の情報をそのまま(生情報として)サブメイン基板301に送信したとすると、どの乱数を送信したかを識別するための情報をMODEで送信し、乱数をEVENTに格納して送信するために2バイト構成のコマンド(MODE、EVENT)を、乱数値を通知するために2回に分けて送信しなければならない場合が生じる。
しかし、本実施例のように、取得した乱数値が属する範囲を示す情報に変換してサブメイン基板301に送信することにより、送信する情報量を乱数値の個数よりも減らすことができ、乱数値の個数が256個(1バイト)を超える場合であっても、1バイトの情報量で、取得した乱数値の属性をコマンド化することが可能となる。なお、メイン基板102の側において、先読み情報を送信したくない状況が生じる場合に備え、その旨(例えば不定であることや、未判定であること)を示すコードを設けておき、当該コードを示すコマンドをサブメイン基板301の側へ送信することも可能である。
また、上記では事前判定結果として、抽選結果が推定できる情報を送信する実施例を示したが、メイン基板102では取得した乱数値に対し何ら判定することなく、保留として格納する乱数値をサブメイン基板301へ送信し、サブメイン基板301において先読み演出を行うか否かの事前判定を行う仕様であってもよいし(事前判定に係る変形例1)、上記のように事前判定用のテーブルを設けず、変動開始時に抽選に用いる抽選テーブル自体(当否抽選テーブル、変動パターンテーブルなど)か、それと同等のテーブルを用いて抽選処理した結果をサブメイン基板301に対して事前判定結果として通知するものであってもよい(事前判定に係る変形例2)。
<第2種非電動役物を活用したゲーム性>
これまで本実施例のぱちんこ遊技機10に係る基本的事項について説明したが、続いて、前述の第2種非電動役物1(54A)、第2種非電動役物2(54B)を活用したゲーム性について説明する。先ず、図30(a)は、大当り前の状態から大当り(所謂初当り)を経て、その後に移行し得る遊技状態を概略的に示している。さらに、図30(a)は、特別図柄及び普通図柄のいずれについても当選確率が低確率である通常の状態(「特図低」且つ「普図低」の状態)で特図1の大当りが発生する場合(基本の場合)の状態遷移を示している。
図30に概略的に示すように、通常の状態での遊技(通常遊技時)において、特図1の大当りが発生すると、特別遊技が実行され、その後に特定遊技状態へ移行する。この特定遊技状態には、普通入賞口装置63に関して、2種類の開放延長状態が含まれている。これらのうち、一方の種類の開放延長状態は時短の遊技状態となっており、他方の開放延長状態は、変動回数制限付き確変・時短(確変及び時短)が実行される遊技状態(ST)となっている。以下では、これらのうち、時短の開放延長状態を「開放延長状態1」と称し、STの開放延長状態を「開放延長状態2」と称する。
また、特図1の通常遊技時において、各開放延長状態を伴う種類の大当りの発生割合は、開放延長状態1が概ね25%、開放延長状態2が概ね60%となっている。さらに、特図1の通常遊技時において発生し得る大当りの種類には、開放延長状態1、2のいずれでもない遊技状態となるものが概ね15%含まれている。
開放延長状態1(時短)においては、普通入賞口装置63が第1開放パターン(後述する)で開放制御され、振り分け部材98の駆動パターンとの組み合わせにより、遊技球が、排出口1(99A)に導かれ易くなっている。そして、遊技球が、排出口1(99A)に導かれると、第2種非電動役物1(54A)が開放し、遊技球を受け入れできる状態となる。さらに、遊技球が第2種非電動役物1(54A)に入賞すると、第2種非電動役物1(54A)を第2始動入賞口とした第2遊技が進行する。
なお、図示は省略しているが、第2種非電動役物1(54A)を第2始動入賞口とした大当り抽選では、概ね75%の割合で、STである開放延長状態2を伴った大当りに当せんするようになっている。また、概ね25%の割合で、時短である開放延長状態1を伴った大当りに当せんするようになっている。
開放延長状態2(ST)においては、普通入賞口装置63が第2開放パターン(後述する)で開放制御され、振り分け部材98の駆動パターンとの組み合わせにより、遊技球が、排出口2(99B)に導かれ易くなっている。そして、遊技球が、排出口2(99B)に導かれると、第2種非電動役物2(54B)が開放し、遊技球を受け入れできる状態となる。さらに、遊技球が第2種非電動役物2(54B)に入賞すると、第2種非電動役物2(54B)を第2始動入賞口とした第2遊技が進行する。
第2種非電動役物2(54B)を第2始動入賞口とした大当り抽選では、大当りの種類の振り分けは、前述の第2種非電動役物1(54A)を第2始動入賞口とした大当り抽選の場合と同様に、概ね75%の割合で、STである開放延長状態2を伴った大当りに当せんするようになっている。また、概ね25%の割合で、時短である開放延長状態1を伴った大当りに当せんするようになっている。ここで、図30(a)には低確率な通常状態から特図1に係る遊技で大当りが発生した場合を示しているが、通常状態から特図2に係る大当りが発生する場合があってもよい。
また、第2種非電動役物2(54B)に入賞が発生した場合の賞球数は、第2種非電動役物1(54A)に入賞が発生した場合に比べて多くなっている。本実施例においては、第2種非電動役物2(54B)に係る賞球数が5個となっており、第2種非電動役物1(54A)に係る賞球数が1個となっている。なお、普通入賞口装置63は、第2種非電動役物(54A又は54B)を開口させるために使用すること主目的とし、遊技球を増加させることを主の目的としていないため、賞球数が1個に設定されている。
図30(b)は、普通入賞口装置63に係る前述の第1開放パターン(普通開放態様1)、及び、第2開放パターン(普通開放態様2)と、振り分け部材98の動作パターン(振り分けパターン)との関係を示している。図中の最下段に示すのは、振り分け部材98の動作パターンであるそして、図中では、振り分け部材98が、第2種非電動役物1(54A)へ遊技球を導く状態(非電1の状態)を継続し、その後、波形の立ち上がりで示すように、第2種非電動役物2(54B)へ遊技球を導く状態(非電2の状態)に切替わることを示している。さらに、振り分け部材98は、普通入賞口装置63の開放開始のタイミングT1を起点として同じパターン(タイミングT2)で切り替え動作を行うようになっている。
また、図30(b)中の最上段及び中段に示すのは、普通入賞口装置63の開放パターンである。そして、図中における最上段の波形は、前述の開放延長状態1(時短)の場合における普通入賞口装置63の開放パターン(普通開放態様1)を示しており、中段の波形は、前述の開放延長状態2(ST)の場合における普通入賞口装置63の開放パターン(普通開放態様2)を示している。
図30(b)の最上段に示すように、開放延長状態1(時短)の場合における普通入賞口装置63は、波形の立ち上がりで示すよう相対的に長い時間の開放を継続し、その後、相対的に短い時間の開放を2回行っている。以下では、普通入賞口装置63の最初の開放(ここでは相対的に長い時間の開放である長開放)を第1開放と称し、その後の開放(相対的に短い時間の開放である短開放)を、それぞれ第2開放、第3開放と称する。
開放延長状態1(時短)の場合における普通入賞口装置63は、振り分け部材98が、低いままの波形で示すように、賞球数の少ない第2種非電動役物1(54A)へ遊技球を導く状態にある間に、第1開放(ここでは長開放)のための開放を開始して終了している。さらに、普通入賞口装置63は、同じく振り分け部材98が第2種非電動役物1(54A)へ遊技球を導く状態にある間に、その後の第2開放(短開放)を行って一旦閉鎖する。そして、図30(b)の例では、振り分け部材98が、第2種非電動役物2(54B)へ遊技球を導く状態に切り替わる際に、普通入賞口装置63が、その後の第3開放(短開放)を行って閉鎖する。
このように、開放延長状態1(時短)の場合には、普通入賞口装置63の開放の大部分は、振り分け部材98が、賞球数の少ない第2種非電動役物1(54A)へ遊技球を導く状態にある間に行われる。このため、開放延長状態1(時短)の場合には、普通入賞口装置63に進入した遊技球は、第2種非電動役物1(54A)へ導かれ易い。なお、程度によるが、第3開放の開放時間は、第3開放において普通入賞口装置63への入球がほぼ期待できない程度(例えば1000球発射していて1球入るかどうか程度)の時間値に設定され、開放延長状態1(時短)に係る遊技を実行している際には、第2種非電動役物2がほとんど開かないように設計される。
一方、開放延長状態2(ST)の場合における普通入賞口装置63は、波形の立ち上がりで示すように、相対的に短い時間の開放(ここでは第1開放、第2開放)を行い、その後、相対的に長い時間の開放(ここでは第3開放)を行っている。また、普通入賞口装置63は、振り分け部材98が、低いままの波形で示すように、賞球数の少ない第2種非電動役物1(54A)へ遊技球を導く状態にある間に、短開放である第1開放と第2開放を行っている。さらに、普通入賞口装置63は、波形の立ち上りで示すように、振り分け部材98が第2種非電動役物2(54B)へ遊技球を導く状態に切り替わっている期間に同期して、長開放である第3開放を行っている。
このように開放延長状態2(ST)の場合には、普通入賞口装置63の開放の大部分は、振り分け部材98が、賞球数の多い第2種非電動役物2(54B)へ遊技球を導く状態にある間に行われる。このため、開放延長状態2(ST)の場合には、普通入賞口装置63に進入した遊技球は、第2種非電動役物2(54B)へ導かれ易い。そして、第2種非電動役物1(54A)へ導かれ易い開放延長状態1(時短)の場合に比べて、開放延長状態2(ST)の場合には、第2種非電動役物2(54B)への入球により賞球数が多くなる。
本実施例では、このようなゲーム性を採用していることから、第2種非電動役物1(54A)、及び、第2種非電動役物2(54B)や、普通入賞口装置63、振り分け部材98を活用して、趣向性の高い遊技を行うことが可能である。なお、このようなゲーム性は、同じ遊技状態(例えば通常遊技の状態)から、大当り遊技後に、異なる電サポ状態(開放延長状態1及び開放延長状態2)のいずれかに移行するものであるということができる。
また、上述の実施例では、説明や図示が煩雑にならないよう、普通入賞口装置63の開放パターンを、第1開放〜第3開放により構成されるものとしているが、普通入賞口装置63の開放パターンはこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することが可能である。
さらに、普通入賞口装置63の開放パターンについて、開放延長状態1(時短)の場合の第1開放と、開放延長状態2(ST)の場合の第3開放の開放期間とを同程度とし、開放延長状態1(時短)の場合の第2開放及び第3開放と、開放延長状態2(ST)の場合の第1開放及び第2開放の開放期間とを同程度としているが、これらについても、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することが可能である。さらに、開放延長状態1(時短)の場合の第2開放と、第3開放(或いは開放延長状態2(ST)の場合の第1開放と第2開放の開放期間)とを同程度としているが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、これらを互いに異なるものとしてもよい。
また、開放延長状態1(時短)と開放延長状態2(ST)とに係る普通入賞口装置63の開放パターンに関して、開放パターンを異ならせつつ、合計の開放時間は互いに同じになるようにすることが可能である。さらに、これとは異なり、合計の開放時間を互いに異ならせることも可能である。
また、普図の種類と普通入賞口装置63の開放パターンとの関係を1:1とし、当りの場合の普図の種類が決まれば、普通入賞口装置63の開放パターンが自ずと決まるようにすることが可能である。このようにすることで、当りの場合の普図の種類が同じであれば、当り時の遊技状態(時短や確変などの遊技状態)が異なっていても、開放パターンを同じとすることができる。また、これに限らず、当りの場合の普図の種類が同じであっても、当り時の遊技状態が異なる場合に開放パターンが異なるようにしてもよい。
なお、図示はしていないが、通常時(低ベース状態、非電サポ状態)における普図当り時の普通入賞口装置63の開放態様は、開放延長状態2の第2開放までとし、万が一通常状態において普通入賞口装置63に入賞しても第2種非電動役物2(54B)が開放しないように設計する例が挙げられる。
<第2種非電動役物2(54B)の具体的構成>
次に、前述の第2種非電動役物2(54B)の具体的構成について説明する。図21〜図29は、第2種非電動役物2(54B)を示している。これらのうち図21は、右側入賞装置ユニット95の正面側を示しており、図22は、右側入賞装置ユニット95の背面側を示している。図21(及び図22)に示すように、第2種非電動役物2(54B)は、最下部に位置するアウト口58Bの上方に配置されている。さらに、第2種非電動役物2(54B)は、右側入賞装置ユニット95にビス止めされる意匠ベース401、意匠ベース401の前面に組み付けられた前飾り402、及び、図22に示すように意匠ベース401の背面側に組み付けられた背面部403などを備えている。
ここで、図21や図22では、実際には隠れて見えない部位の線も破線ではなく実線で描かれているが、図23〜図27では、各図の状態において隠れて見えない部位は隠され、見える部位のみが示されている。
図23(a)は、第2種非電動役物2(54B)の、ぱちんこ遊技機10の前方から見える正面側の部位を拡大して示している。図23(b)は、第2種非電動役物2(54B)の背面側の部位を拡大して示している。さらに、図24(a)は、第2種非電動役物2(54B)を真上から見た状態を示しており、図24(b)は、第2種非電動役物2(54B)を真下から見た状態を示している。
また、図25(a)は、第2種非電動役物2(54B)を前方の斜め上から見た状態を示しており、図25(b)は、第2種非電動役物2(54B)の一部を取り出して斜め下方から見た状態を示している。図26は、第2種非電動役物2(54B)を分解して前方の斜め上から見た状態を示しており、図27は、第2種非電動役物2(54B)を同じく分解して後方の斜め上から見た状態を示している。
第2種非電動役物2(54B)は、図26に示すように、前述の意匠ベース401、前飾り402、及び、背面部403等を備えている。これらのうち、意匠ベース401は、右側入賞装置ユニット95を介して遊技盤50の遊技領域52中の所定位置に配置されるように固定される。さらに、意匠ベース401と前飾り402は、遊技領域52におけるゲージ構成や意匠の一部を担うようになっている。また、前飾り402は、上下方向に開口する門型に形成されており、意匠ベース401に取付けられて、その内側を遊技球が落下できるようになっている。
前述の背面部403は、図26や図27に示すように、ステージ軸受部411、ステージ部412、ステージ裏カバー部413、ロックアーム軸受部414、ロックアーム415、遊技球検出装置である第2−2始動入賞検出装置75B、軸受部カバー417、機構カバー418、樋部材419等を、ビス止めや係合により組み合わせて構成されている。
なお、本実施例では、これらの各部品の素材として合成樹脂が採用されている。また、ステージ軸受部411、ステージ裏カバー部413、ロックアーム軸受部414、軸受部カバー417、機構カバー418、樋部材419の素材としては、無色或いは有色の透明な合成樹脂が採用されている。また、この他の部品(ステージ部412やロックアーム415など)についても、必要に応じ無色或いは有色の透明な合成樹脂素材や、耐摩耗性に優れた合成樹脂素材を採用することが可能である。さらに、図中において、一部に符号420を付しているのは、部品の結合に用いられているビス420である。
背面部403を構成するこれらの部品のうち、ステージ軸受部411は、意匠ベース401の背面側に固定され、ステージ部412を自在に回転できるよう支持している。ステージ部412は、横長の矩形板状に形成されたステージ本体部421と、ステージ本体部421の長手方向である左右方向の各端部に三角板状に形成された支持部422a、422bとを有している。
さらに、各支持部422a、422bには、外側に略垂直に突出した円柱状の回転軸423が設けられている。また、一方の(正面から見て右に位置する方の)支持部422aには、円柱状の被拘束軸424が、回転軸423とほぼ平行に突出するよう形成されている。
ステージ部412の支持は、ステージ軸受部411とステージ裏カバー部413を組み合わせることで行われている。ステージ裏カバー部413は、ステージ軸受部411に後方から組み合わされており、ステージ軸受部411との間に、ステージ部412の両回転軸423を、自在に回転できる状態で拘束できるよう挟み込んでいる。ここで、ステージ軸受部411とステージ裏カバー部413のうちのいずれか一方(例えばステージ軸受部411)のみによって、ステージ部412の重量を支えることができるようになっていてもよい。
ステージ部412は、後述する機構により、起立した姿勢と、前方に倒れた姿勢とに状態変化することが可能である。さらに、ステージ部412におけるステージ本体部421の前面425は、ステージ部412が起立姿勢に在る場合に、意匠ベース401の前面とほぼ同一な平面上に位置するようになっている(図25(a))。そして、ステージ本体部421の前面425は、ステージ部412が起立姿勢に在る場合(閉鎖状態にある場合)には、遊技者から見え、遊技領域52の意匠の一部を担うようになっている。
ステージ裏カバー部413には、後述するように、ステージ部412が倒伏状態(閉鎖状態)にある場合に、進入した遊技球を通過させる遊技球流路426が形成されている。さらに、ステージ軸受部411とステージ裏カバー部413の下方には、前述のロックアーム軸受部414が組み付けられており、ロックアーム軸受部414は、ステージ軸受部411の背面に結合されている。このロックアーム軸受部414には、前述の第2−2始動入賞検出装置75Bが収容されており、遊技球流路426を流下した遊技球が通過可能となっている。さらに、ロックアーム軸受部414の上部には、軸受部カバー417が結合されている。
ここで、詳細については後述するが、ステージ裏カバー部413に進入した遊技球は、遊技球流路426や、遊技球検出装置416を通過し、ロックアーム軸受部414に形成された球排出口427(図26、図27)を通って、遊技盤50の背面側で流下する。
ロックアーム軸受部414には、ロックアーム415が搭載されている。ロックアーム415は、合成樹脂を一体成型して構成されている単一の部品である。さらに、ロックアーム415は、本体部428から、第1爪部429、第2爪部430、円柱状の2つの回転軸431、及び、作動凸部432を突出させている。ロックアーム415は、回転軸431を、ロックアーム軸受部414に形成された凹部に係止させ、ロックアーム軸受部414によって支持されている。回転軸431は、ロックアーム軸受部414と軸受部カバー417の間に、自在に回転できるよう差し込まれている。
ロックアーム415は、第1爪部429と第2爪部430を、ステージ部412が位置する側(前側)に向け、作動凸部432を後側に向けている。そして、ロックアーム415は、後述するように流下する遊技球に接触して押され、回転軸431を中心として上下方向に回動するが、ロックアーム415が遊技球に押されていない平静な状態(通常状態、或いは、閉鎖状態などともいう)においては、第1爪部429は、図26に示すように本体部428から斜め上方に向かって延びている。また、第2爪部430は、上述のような平静な状態においては、本体部428から前方へ向かって略水平に延びている。
さらに、第1爪部429と第2爪部430は、遊技盤50の正面側から見て左右方向に所定量離間している。第1爪部429と第2爪部430の突出方向は、所定角度(本実施例では60°程度)異なっている。また、第1爪部429には、後述するように状態検出に用いられる板状の被検出片433が、横方向(本実施例では遊技盤50の正面側から見て右方向)に突出している。
前述のステージ裏カバー部413、ロックアーム軸受部414、及び、軸受部カバー417の背後には、機構カバー418や樋部材419が組み付けられている。これらのうち機構カバー418には、ロックアームセンサ434が収容されている。ロックアームセンサ434は、軸受部カバー417に固定されており、ロックアーム415の第1爪部429に形成された被検出片433の有無(すなわち、ステージ部412の姿勢であり、第2種非電動役物2(54B)の開放・閉鎖状態)を検出できるようになっている。
樋部材419は、機構カバー418の背面に固定されている。樋部材419は、上下に開口し内側に開放作動用流路(以下では「作動用流路」と称する)435を形成している。作動用流路435は、上下に開口し、遊技球を流下させることができるようになっている。また、樋部材419の背面壁436は、平坦ではなく、所定の形状で湾曲しており、作動用流路435は、所定の形態で前後方向に湾曲し、蛇行する形態の空間となっている。作動用流路435は、図22や図23(b)に示すように、側方(各図中の左側)にも凹凸する形状を有しており、横方向にも蛇行する形態の空間となっている。
ここで、詳細は後述するが、機構カバー418の背面壁437も前後に凹凸を有する形状となっており、機構カバー418の背面壁437に係る凹凸も、樋部材419の作動用流路435の形態を規定する役割を担っている。また、ロックアーム415の、前述した作動凸部432が、作動用流路435内に突出している。
図25(b)は、ステージ部412を起立状態としている場合におけるロックアーム415の様子を、樋部材419とともに斜め下方から示している。ステージ部412を起立状態としている状況では、ロックアーム415は、前述した平静な状態(通常状態又は閉鎖状態)となっている。そして、ロックアーム415の第2爪部430は、上述のような平静な状態においては、本体部428から前方へ向かって略水平に延びている。
また、ロックアーム415の第1爪部429は、斜め上の前方に向かって伸び、前述したステージ部412の被拘束軸424に、上方から鉤部441を引っ掛けるようにして係止している。図示は省略するが、ロックアーム415の形状や重量配分は、その重心が回転軸431よりも前方に位置するよう決められている。そして、ロックアーム415は、特段の外力が作用ない前述の平静な状態においては、ステージ部412を、例えばその自重や振動などの要因によって前方に倒伏することがないよう拘束している。
ここで、ステージ部412の閉鎖時におけるロック力(ロックの保持力)を確保するためには、ロックアーム415の重心バランスが重要である。そして、ロックの保持力を高める為に、第1爪部429をステージ部412(の被拘束軸424)に、常に押し当てることが必要であるといえる。さらに、第1爪部429をステージ部412に押し当てるために、ステージ部412やロックアーム415の重量配分を、保持力が大となるよう決定している。
そして、これに限らず、例えば、ステージ部412の回転軸423や、ロックアーム415の回転軸431にトーションバネを装着することや、回転軸(423、431)から離れた位置に板バネ、引っ張りバネ、圧縮バネを設けたりして、各種の弾性部材における弾性復元力を利用することが可能である。また、第1爪部429における、被拘束軸424に接触する傾斜面の傾斜角度を最適化して、保持力を大とすることも可能である。さらに、閉鎖時におけるステージ部412の重心を、ロックアーム415の側に近付けて、閉鎖側(意匠ベース401よりも後方側など)に配置することが可能である。
図28(b)は、平静な状態にあるロックアーム415と、起立状態にあるステージ部412との関係を、周囲の部品を含めて部分的に切断した様子を示している。ステージ部412が起立状態にある状況では、ステージ部412が閉鎖状態となっており、意匠ベース401に形成された横長で略矩形な入賞口442が、ステージ部412によって閉じられている。ここで、図28(b)では、ロックアーム415の第1爪部429と、ステージ部412の被拘束軸424との関係が理解し易くなるよう、ステージ部412における支持部422aの図示を省略している。
図29(a)は、振り分け部材98(図21)から第2種非電動役物2(54B)を作動させる作動用流路435へ遊技球が導かれた場合の様子を機能的に示している。遊技球が第2種非電動役物2(54B)の作動用流路435に導かれた場合、遊技球443(2点鎖線で示す)が、樋部材419の内側に形成された作動用流路435に上方から進入する。さらに、遊技球443は作動用流路435内を流下し、機構カバー418の背面壁437における突出した部分の傾斜面に干渉して後方に跳ねる。そして、遊技球443は、作動用流路435内に突出したロックアーム415の作動凸部432に干渉し、その重量をロックアーム415に作用させる。
図29(a)に示すように、ロックアーム415は、回転軸431(1つのみ図示)を中心として、矢印Cで示すように、作動凸部432の側が下がるよう回転する。これに伴い、ロックアーム415の第1爪部429が、ステージ部412の被拘束軸424から離脱し、ステージ部412が第1爪部429による拘束から解放される。
ロックアーム415が遊技球443からの力を受けて回動すると、ロックアーム415の第2爪部430も、第1爪部429と一体に上方に変位する。そして、第2爪部430は、ステージ部412の下面444に到達した後も変位を続け、ステージ部412の下面444を押し上げる。第2爪部430と、ステージ部412の下面444との接触箇所は、ステージ部412の回転軸423よりも後方に位置している。このため、ステージ部412は、前方に倒れ、図29(a)に示すように、意匠ベース401の入賞口442を開放する。
ここで、ステージ部412の下面444においては、図29(a)や図25(b)に示すように、曲面を有し前後方向に線状に延びる当接リブ445(接触凸部)が突出している。この当接リブ445の形状は、ロックアーム415の第2爪部430との接触や、ステージ部412の可動範囲を考慮して決められている。そして、ロックアーム415の第2爪部430は、ステージ部412を押し上げる際には、この当接リブ445に対し接触して滑りながら、上方に変位するようになっている。
また、本実施例ではステージ部412の重心位置は、ロックアーム415の第1爪部429から解放されただけで自重で倒伏するように設定されているが、自重では前方へ倒伏せず、ロックアーム415の第2爪部430により押し上げられることでステージ部412が開放されるよう設定してもよい。
ここで、ステージ部412の開放時にステージ部412の重心が開放側(意匠ベース401よりも前方側など)になるよう、ステージ部412の形状や重量配分を決めることが可能である。さらに、ステージ部412の設計にあたっては、決められた範囲における最後(最大)まで確実に開放するように、ステージ部412とロックアーム415の接触位置を決めることが重要である。また、ステージ部412を、ロックアーム415の第2爪部430により、最後まで確実に押し上げることが重要である。
続いて、図29(a)に実線で示すように、流下する遊技球443がロックアーム415から離れると、ロックアーム415は、遊技球443による押下から解放され、前方に戻るよう変位する。さらに、ロックアーム415の第1爪部429が、未だ倒伏状態にあるステージ部412に到達し、図29(b)に示すように、鉤部441をステージ部412の後端部446に引っ掛ける。
そして、ロックアーム415はステージ部412を拘束し、遊技機自身の演出装置等に基づく振動や遊技機外部から与えられる外力に基づく振動により、ステージ部が起立位置(閉鎖状態)とならないように、ステージ部412は開放状態を維持する。このように、ロックアーム415は、状態維持機構の主体となる部品としても機能している。また、図29(b)では隠れているが、ステージ部412の後端部446において、ロックアーム415の鉤部441が引っ掛かる部位は、鉤部441との係止に適した形状に成型されている。
ここで、状態維持機構は、ステージ部412が倒伏位置にあるときにはステージ部412が閉鎖する方向へ働く力を打ち消す方向に規制モーメントを発生させる機能を有するものであり、ステージ部412が起立状態にあるときは、ステージ部が自重や振動で開放状態(倒伏位置)にならないように規制モーメントを発生させる機能を有するものである。そして、状態維持機構は、ロックアーム415のほか、ロックアーム軸受部414や軸受部カバー417等の部品により構成されている。
また、ロックアーム415及びステージ部412の大きさ、形状、重量配分等の特性は、上述のような状態維持のための動作をより確実に行えるよう定めることが望ましい。そして、ロックアーム415及びステージ部412の特性に係る設計を、遊技球が443を通り過ぎてロックアーム415が素早く前方に戻り、前方へ倒れたあと、反動で戻ろうとするステージ部412が鉤部441によって受け止められるよう決めることが可能である。
さらに、ステージ部412における重量配分の適正のために、ステージ部412に樹脂製や金属製などの錘を追加することも可能である。また、ロックアーム415の第1爪部429における、被拘束軸424に接触する傾斜面(符号省略)の傾斜角度を最適化して、状態維持する機能を最適化することも可能である。さらに、前述したように、ステージ部412の回転軸423や、ロックアーム415の回転軸431にトーションバネを装着したり、回転軸(423、431)から離れた位置に板バネ等の各種の弾性部材を設けたりして、ステージ部412やロックアーム415の動作を最適化することが可能である。
ここで、上述のような状態維持は、ロックアーム415がステージ部412に作用させるモーメント(ここでは「付加モーメント」と称する)と、ステージ部412が自身の重心まわりに発生させている自重によるモーメント(ここでは「重量モーメント」と称する)とが合算されて、バランスが保たれる(均衡している)ことにより行われているものであるともいえる。
続いて、上述の図29(b)には、開放された入賞口442に遊技球447が進入する様子を示している。入賞口442に進入した遊技球447は、ステージ部412の背面側で流下しながら、ステージ部412にその重みや勢いを伝える。遊技球447からステージ部412に力が伝わることにより、モーメント(付加モーメントや重力モーメント)のバランスが崩れ、重力モーメントが付加モーメントよりも大となって、ステージ部412が閉鎖状態に戻ろうとする力(モーメント)が増す。具体的には、ステージ部412自体の重力モーメントは不変であるが、遊技球がステージ部412へ入球することにより、遊技球の重みがステージ部412に作用して、ステージ部の回転軸423に与えられる起立位置へ復帰させる回転方向の重力モーメントが増加し、ロックアーム415から与えられる付加モーメントよりも大となる。
さらに、遊技球のステージ部412への入球により、ステージ部412の回転軸423に与えられる重力モーメントが大となることで、ステージ部412の被拘束軸424がロックアーム415の鉤部441を図29(a)のC方向に押し戻すことにより、ロックアーム415の第1爪部429における鉤部441が、ステージ部412から離れ、ロックアーム415とステージ部412との係合が外れて、ステージ部412がロックアーム415から解放される。さらに、ステージ部412が、遊技球447の重みや勢いを受けながら後方へ回動し、閉鎖状態(起立姿勢)に戻る。この時、ステージ部が起立姿勢に戻ると同時にロックアーム415は、矢印Dで示すように前方へ回動し、ステージ部412とともに、図28(b)に示したような元の状態に戻る。
また、図示は省略するが、第2種非電動役物2(54B)に入賞した遊技球447は、前述のステージ裏カバー部413内に流下し、第2−2始動入賞検出装置75B(図26、図27)により検出されて、遊技盤50の裏側に回収される。
ここで、図29(b)には、後続の遊技球448が第2種非電動役物2(54B)に導かれた様子を示している。図中に示すようにステージ部412が開放状態にある状況では、ロックアーム軸受部414における作動凸部432の先端(後端)と、樋部材419の背面壁436における内壁面との間隔(斜め間隔H1及び水平間隔H2)は、遊技球448が通過できるよう、遊技球の直径(例えば11mm)よりも幾分大きくなっている。
この間隔(H1又はH2のうち少なくとも一方)は、ステージ部412が起立姿勢(閉鎖状態)にある場合には、遊技球の直径よりも小さくなるものである。このような間隔(H1、H2)を確保することにより、ステージ部412が開放状態にあり、第2種非電動役物2(54B)に対する遊技球447の入賞と、後続の遊技球448の作動用流路435への流下が同時に発生した場合であっても、第2種非電動役物2(54b)のステージ部412やロックアーム415の動作がロックすることがなく、遊技球448を、作動凸部432の傍らを円滑に通過するよう流下させることができる。
以上説明したような第2種非電動役物2(54B)によれば、ステージ部412の閉鎖時に係るロック(閉鎖時の状態維持)、開放(開放動作の補助)、開放時に係る状態維持を、単一の部品であるロックアーム415により行うことができる。そして、ロックアーム415を、複数の部品を組み合わせて構成し、例えばロックアーム415がそれ自身で可動リンク機構を形成するようなものと比べて、部品点数や可動部分を少なくすることができる。さらに、部品点数が少ないことから、部品コストの削減が可能である。また、可動部分が少ないことから、動作の安定化や、故障の発生防止、省スペース化が可能となる。
また、図29(b)に示すように、樋部材419において作動用流路435が、直線状ではなく、蛇行することで回避用の間隔(H1、H2)ように形成されている。このため、ステージ部412やロックアーム415が生じさせるモーメントが釣り合っている状況においても、樋部材419において遊技球の動きを確保し易く、遊技球が停止してしまうのを防止できる。
さらに、開放時や閉鎖時には、ロックアーム415がステージ部412を解放するようにしていることから、開放してから再び係止するまでの間は、ステージ部412とロックアーム415を、一定の時間差をもって個別に動作させることができる。この結果、開放時や閉鎖時に、ステージ部412とロックアーム415とが噛み合ったまま動作して、動作不良が生じるのを防止できる。
また、本実施例では、図29(a)、(b)に示すように、機構カバー418の背面壁437にも凹凸を形成している。このため、遊技球448と背面壁437との干渉により、遊技球がロックアーム415の作動凸部432に接触する前段階で、遊技球を減速すること(衝突前の減速処理を行うこと)ができる。つまり、機構カバー418の背面壁437を減速部として利用できる。この結果、遊技球の速度を安定させることができるとともに、遊技球とロックアーム415との接触時の衝撃を緩和させることが可能となる。
なお、減速部は、樋部材419の内側に適宜の突出量のリブを設けることなどによっても、形成することが可能なものである。また、減速部は、機構カバー418の背面壁437にリブを突設することによっても形成することが可能なものである。そして、これらの減速部は、適宜の組合せで、或いは単独で形成することが可能である。
さらに、ステージ部412の閉鎖も遊技球448の流下の勢いを利用して行われるため、例えば、バネ機構を用いたソレノイドの復帰力によってステージ部412を閉鎖状態(初期位置)に戻す場合に比べて、ステージ部412を素早く閉鎖させることができる。
なお、本実施例のぱちんこ遊技機10で用いることが可能な第2種非電動役物2(54B)は、上述のようなものに限定されない。例えば、作動用流路435や、ロックアーム415の作動凸部432を後方に配置したものに限らず、機構カバー418の側方(遊技盤50の正面側から見て右側或いは左側)に配置してもよい。
また、普通入賞口装置63の開閉は、スライドシャッタによるタイプのものに限らず、開閉羽根によるものなどであってもよい。さらに、右側入賞装置ユニット95の全体構成に関しても、一体的なものに限定されず、例えば、第2種非電動役物1(54A)と大入賞口装置90の間で上下に分離されたユニットとすることなども可能である。
<第2種非電動役物と小当りラッシュとの組合せ>
また、第2種非電動役物を用いたゲーム性として、所謂小当りラッシュを利用したものを考えることが可能である。小当りラッシュのゲーム性としては、小当りラッシュ中に第2種非電動役物を用いて遊技者の獲得出玉を増やせるようにするものを考えることができる。具体的に例を挙げれば、図19や図20に示す右側入賞装置ユニット95に、小当りラッシュ中のみに開き得るようにした第2始動入賞口を設ける。
この第2始動入賞口としては、各種の構造の非電動役物を採用することが可能である。さらに、この非電動役物への入賞による当否抽選の結果が大当り等の当りであった場合に開放する小当りラッシュ用の大入賞口装置(スライド式アタッカなど)を備える。この小当りラッシュ用のアタッカは、図19や図20に示す右側入賞装置ユニット95に追加することも可能である。
そして、小当りラッシュ中に右打ちをすることで、普通図柄の作動ゲート(作動口68)遊技球を通過させて普通図柄の当否抽選を行い、当せんした場合に第2始動入賞口を各種のパターンで開放させる。さらに、第2始動入賞口への入賞により実行される特図2の当否抽選に当せんすると、小当りラッシュ用の大入賞口装置が開放する。そして、小当りラッシュ中には、第2始動入賞口への入賞による賞球と、小当りラッシュ用の大入賞口装置への入賞による賞球とで、獲得出玉が増えるようにする。
このように第2種非電動役物を小当りラッシュと併用すると、大入賞口(92)の開放が特別図柄の制御および特別電動役物の制御に紐づいて時間で状態遷移するのに対し、第2種非電動役物に係る入賞口は、機械的に遊技球の作用によって開閉動作するため、特別図柄の変動表示中にも追加で開放する入賞口を設けることができ、特別図柄の変動表示中に無駄に発射されるアウト球をセーフ球に変更し得るとともに、変動中においても大きな賞球を期待できる遊技機が提供可能となる。
また、小当りラッシュは、本実施例では、確変状態かつ非入球容易化状態(非電サポ)で実行される遊技であり、前述した2つの開放延長状態を有する場合の振り分け態様とは異なる態様での制御が必要となる。そこで、小当りラッシュでは、普通電動役物の開放延長機能が作動した状態ではないために、図30(b)に示した開放延長状態2の内、開放1,2を有しない態様で開放制御されるように非開放延長状態における普通電動役物の開放態様を設定することで、開放延長状態1の状態に比して普通入賞口装置63の開放時間が短く、入賞が容易でない状態でありながら、賞球の多い第2種非電動役物2(54B)を開放できるよう制御可能とする例があげられる。
このとき、小当りラッシュと通常遊技とで同様の第2種非電動役物の開放をしてしまうことから、第2種非電動役物2(54B)の賞球数を低くする(例えば3球など)か、アウト球とならずに第2種非電動役物2(54B)へ到達する遊技球の割合を減らすことで、通常時に右打ちしても遊技球が増加しないように設計されることが望ましい。このように設計しても、小当りラッシュ遊技が実行されている際には、通常時に比して特別図柄の変動時間が短縮されているので、単位時間あたりに大入賞口で遊技球を獲得できる数が多くなっており、通常時では特別図柄(特図2、第2の遊技)の変動時間が長時間で大入賞口の小当りに基づく開放を狙うことが困難なため、右打ちのみを繰り返す攻略効果は著しく低くなっている。
なお、ここで非電動役物を小当りラッシュと組み合わせたのはあくまでも一例を示すためであり、変形例において非電動役物に組み合わせる対象は、小当りラッシュに限られるものではない。
<第2種非電動役物に係る第2実施例>
また、第2種非電動役物2としては、上述のタイプのものに限らず、種々のタイプのものを採用することが可能である。以下では、他のタイプの第2種非電動役物2について説明するが、図23〜図29に示した実施例を第1実施例とし、ここで説明する実施例を第2実施例とする。また、第2実施例について、第1実施例と同様の部分については同一符号を付し、その説明は適宜省略する。
図31〜図40は、第2種非電動役物2(454B)の第2実施例を示している。これらのうち図31(a)は、第2実施例に係る第2種非電動役物2(454B)を、ぱちんこ遊技機10の前方から見えた状態を拡大して示している。また、図31(b)は、第2種非電動役物2(454B)の背面側を示している。さらに、図32(a)は、第2種非電動役物2(454B)を上方(真上)から見た状態を示しており、図32(b)は第2種非電動役物2(454B)を下方(真下)から見た状態を示している。
また、図33(a)は、第2種非電動役物2(454B)の、正面から見て左側方の部位を見た状態を示しており、図33(b)は、第2種非電動役物2(454B)の、正面から見て右側方の部位を見た状態を示している。さらに、図34(a)は、第2種非電動役物2(454B)を前方の斜め上から見た状態を示しており、図34(b)は、第2種非電動役物2(454B)を後方の斜め下方から見た状態を示している。
また、図35(a)は、第2種非電動役物2(454B)を後方の斜め上方から見た状態を示しており、図35(b)は、第2種非電動役物2(454B)の一部を取り出して斜め下方から見た状態を示している。さらに、図36は、第2種非電動役物2(454B)を分解して前方の斜め上から見た状態を示しており、図37は、第2種非電動役物2(454B)を同じく分解して後方の斜め下から見た状態を示している。
第2種非電動役物2(454B)は、図36に示すように、意匠ベース601、前飾り602、及び、背面部603等を備えている。これらのうち、意匠ベース601と前飾り602は、遊技領域52におけるゲージ構成や意匠の一部を担うようになっている。また、前飾り602は、上下方向に開口する門型に形成されており、意匠ベース601に取付けられて、その内側を遊技球が落下できるようになっている。
前述の背面部603は、図36や図37に示すように、軸保持ベース611、ステージ部612、背面カバー部613、軸押さえ部材614、開閉軸部材615、遊技球検出装置である第2−2始動入賞検出装置75B、保持部材617、押上げ部材618等を、ビス止めや係合により組み合わせて構成されている。
なお、本実施例では、これらの各部品の素材として合成樹脂が採用されている。また、軸保持ベース611、背面カバー部613、軸押さえ部材614の素材としては、無色或いは有色の透明な合成樹脂が採用されている。さらに、この他の部品(ステージ部612、開閉軸部材615、保持部材617、押上げ部材618など)についても、必要に応じ無色或いは有色の透明な合成樹脂素材や、耐摩耗性に優れた合成樹脂素材を採用することが可能である。
背面部603を構成するこれらの部品のうち、軸保持ベース611は、意匠ベース601の背面側に配置され、ステージ部612を自在に回転できるよう支持している。ステージ部612は、横長の矩形板状に形成されたステージ本体部621と、ステージ本体部621の長手方向である左右方向の各端部に形成された支持部622a、622bとを有している。
さらに、各支持部622a、622bには、外側に略垂直に突出した円柱状の回転軸623が設けられている。また、各支持部622a、622bには、円柱状の錘部624が、回転軸623の斜め前方の部位で、回転軸623とほぼ平行に突出するよう形成されている。さらに、図35(b)及び図37に示すように、一方の支持部622bには、被規制軸626が、回転軸623や錘部624とほぼ平行に突出するよう形成されている。
ステージ部612の支持は、軸保持ベース611と軸押さえ部材614を組み合わせることで行われている。軸押さえ部材614は、軸保持ベース611に上方から組み合わされており、軸保持ベース611との間に、ステージ部612の両回転軸623を、自在に回転できる状態で拘束できるよう挟み込んでいる。ここで、軸保持ベース611と軸押さえ部材614のうちのいずれか一方(例えば軸保持ベース611)のみによって、ステージ部612の重量を支えることができるようになっていてもよい。
ステージ部612は、後述する機構により、起立した姿勢と、前方に倒れた姿勢とに状態変化することが可能である。さらに、ステージ部612におけるステージ本体部621の前面625は、ステージ部612が起立姿勢に在る場合に、意匠ベース601の前面とほぼ同一な平面上に位置するようになっている(図34(a))。そして、ステージ本体部621の前面625は、ステージ部612が起立姿勢に在る場合(閉鎖状態にある場合)には、遊技者から見え、遊技領域52の意匠の一部を担うようになっている。
図36に示すように、前述の軸押さえ部材614に対して、上方から背面カバー部613が組み合わされている。そして、背面カバー部613は、軸保持ベース611に連結されており、背面カバー部613と軸保持ベース611の間に、軸押さえ部材614が挟まれている。さらに、背面カバー部613、軸押さえ部材614、及び、軸保持ベース611には、それぞれ流路構成部627、628、629が形成されており、これらを繋げることで開放作動用流路(以下では「作動用流路」と称する)630が形成されている。作動用流路630は、上方から進入した遊技球を後方から前方に案内しながら流下させ、下方に排出するようになっているが、詳細については後述する。
軸保持ベース611には、第2−2始動入賞検出装置75Bが収容されている。第2−2始動入賞検出装置75Bは、ステージ部612が倒伏して開放状態となった際に、遊技球の流下が可能となる遊技球流下路619の途中に位置するようになっている。そして、ステージ部612の開放時に遊技球流下路619に進入した遊技球は、前述の開閉軸部材615を回動変位させ、遊技盤50の背面側に排出される。遊技球によって開閉軸部材615を回動変位させるための機構については後述する。
軸保持ベース611には、前述の開閉軸部材615や、保持部材617、及び、押上げ部材618が収容されている。これらの開閉軸部材615、保持部材617、及び、押上げ部材618は、いずれも合成樹脂により構成されている部品である。
さらに、開閉軸部材615は、円筒状の外装部631に、軸芯部632を一体的に差し込んで形成されている。外装部631と軸芯部632の結合は、軸芯部632の、外装部631への圧入などによって行うことが可能である。外装部631には、開作動用凸部633やステージ規制用凸部634が一体に形成されている。外装部631には、図35(b)や図37に示すように、保持用凸部635や、閉作動用凸部636が一体に形成されている。
ここで、外装部631と軸芯部632とを一体成型により形成することや、外装部631と軸芯部632の間に係止部や係合部を形成することにより、外装部631と軸芯部632を一体とすることも可能である。
図35(b)や図37に示す状態(ステージ部612が閉鎖している状態)においては、開閉軸部材615の開作動用凸部633やステージ規制用凸部634は、前方(ステージ部612が位置する側)を向いて突出している。また、開閉軸部材615の保持用凸部635や閉作動用凸部636は、後方(ステージ部612が位置する側に対して逆側)を向いて突出している。
さらに、前述の保持部材617、及び、押上げ部材618は、互いに同様な形態に成型されており、図35(b)に示すように、曲面641を有する本体部642や、第1係止凸部643、及び、第2係止凸部644により構成されている。これらのうち本体部642は矩形の断面を有し、曲面641が本体部642の先端部に位置している。また、第1係止凸部643は、I(アルファベットにおける大文字の「I」)字状の断面を有するよう形成されており、第2係止凸部644は、十字状の断面を有するよう形成されている。
断面がI字状の第1係止凸部643、及び、断面が十字状の第2係止凸部644は、本体部642の曲面641とは異なる向きに突出している。また、第1係止凸部643、及び、第2係止凸部644は、本体部642から、互いに90度異なる向きへ突出している。
保持部材617は、図36に示すように、第1係止凸部643を軸保持ベース611の保持部材用スリット646に差し込んだ状態で、軸保持ベース611に装着されている。また、押上げ部材618は、第1係止凸部643を軸保持ベース611の押上げ部材用スリット647に差し込んだ状態で、軸保持ベース611に装着されている。そして、図35(b)に示すように、保持部材617は、本体部642の曲面641を前方に向けており、押上げ部材618は、本体部642の曲面641を上方に向けている。
さらに、図示は省略するが、保持部材617及び押上げ部材618における第2係止凸部644の外周には、弾性部材(例えばコイルばね)が装着されている。そして、保持部材617及び押上げ部材618は、第2係止凸部644に装着された上述の弾性部材(図示略)を圧縮して反発力(弾性力)を発生させながら、軸保持ベース611と軸押さえ部材614の間に装着されている。保持部材617の反発力は水平方向に発生しており、押上げ部材618の反発力は上下方向に発生している。
さらに、保持部材617は、図35(b)に示す通常時(ここではステージ部612の閉鎖時)には、曲面641を、開閉軸部材615の保持用凸部635に弾性的に接している。保持用凸部635の形状は、ステージ部612の閉鎖時には、保持部材617に押されることで、下向きの力を発生させるものとなっている。一方、押上げ部材618は、同じく通常時には、曲面641をステージ部612の下面に弾性的に接している。
図38(a)〜(c)は、ステージ部612の閉鎖時の状態を示している。そして、図38(a)は、図32(a)のE−Eで示す部位に対応した断面であり、図38(b)は、図32(a)のF−Fで示す部位に対応した断面である。また、図38(c)は、図32(a)のG−Gで示す部位に対応した断面である。
図38(a)に示すように、保持用凸部635は、ステージ部612の閉鎖時には、開閉軸部材615から後方の斜め下向きに突出するよう形成されている。開閉軸部材615の後方に位置する保持部材617は、開閉軸部材615の軸心(ここでは軸芯部632の軸心)の位置よりも下の位置で、保持用凸部635に接している。そして、保持部材617が、保持用凸部635を水平方向の前方へ押圧し、開閉軸部材615を下向き(図38(a)中の反時計回りの向き)に回転させようとする力が発生している。
さらに、ステージ部612の閉鎖時には、開閉軸部材615のステージ規制用凸部634が、ステージ部612に形成された被規制軸626に、後部斜め上方から接している(図35(b)、図38(b))。つまり、開閉軸部材615のステージ規制用凸部634は、ステージ部612の閉鎖時には、開閉軸部材615から前方の斜め上向きに突出するよう形成されている。
また、ステージ部612の支持は、前述のように回転軸623を中心として回転自在となるように行われているが、ステージ部612には錘部624が設けられている。このため、ステージ部612には、錘部624が位置する側に回転しようとするモーメントが作用している。
錘部624の位置は、ステージ部612の状態(姿勢)に応じて変化する。そして、通常時(ここではステージ部612の閉鎖時)には、錘部624は、回転軸623よりも前方に位置し、ステージ部612を前方(開放する方向)へ回動変位させるようとするモーメントを発生させている。そして、ステージ部612は、被規制軸626を、開閉軸部材615のステージ規制用凸部634に、前部斜め下方から接している。
開閉軸部材615は、前述のように、保持用凸部635を介して保持部材617により押圧されている。そして、保持部材617が発生させる押圧力は、ステージ部612の前方へ回動して開こうとする力を上回っている。このため、開閉軸部材615は、ステージ部612の形状や寸法により定まる重量バランスや、錘部624を加えた重量バランスなどによっては回転せず、静止してステージ部612の姿勢を規制し、ステージ部612が開放するのを阻止している。
なお、本実施例では、ステージ部612の閉鎖持には、前述したように押上げ部材618が、曲面641をステージ部612の下面に弾性的に接している(図38(c))。このため、閉鎖状態にあるステージ部612は、押上げ部材618による押圧力(押し上げ力)も受けている。
そして、ステージ部612について、押上げ部材618が接する位置は、図35(b)に示すように、回転軸623よりも後方にある。したがって、ステージ部612の閉鎖持には、押上げ部材618によりステージ部612を開放させようとするモーメントが発生している。しかし、押上げ部材618の押し上げ力が加わっても、ステージ部612の閉鎖状態を維持できるよう、押上げ部材618の押し上げ力が定められている。
開閉軸部材615に形成された前述の開作動用凸部633は、遊技球が流下する作動用流路630内に、所定量突出するよう形成されている。そして、図39(a)に示すように、遊技球443が第2種非電動役物2(454B)に導かれて作動用流路630に進入すると、一点鎖線の矢印Hで示すように、軸押さえ部材614の前方へ低く突出した傾斜面651に干渉して前方に流下する。遊技球443は、傾斜面651に当って流下方向を変化させ、減速される。また、作動用流路630内に、遊技球443が干渉可能なリブを突出させて、遊技球443の減速を行うことも可能である。
そして、遊技球443は、作動用流路630内に突出した開閉軸部材615の開作動用凸部633に干渉し、その重量を開閉軸部材615に作用させる。開作動用凸部633が遊技球443からの力を受けると、開閉軸部材615を回転させようとする力が発生する(図35(b)の矢印J)。そして、遊技球443の干渉により発生した力は、保持部材617の押圧力に打ち勝ち、開閉軸部材615を回転させる(図39(a))。
さらに、開閉軸部材615の保持用凸部635が、保持部材617を押し返す力を発生させながら変位することで、保持部材617から離脱する。また、開閉軸部材615のステージ規制用凸部634が、ステージ部612の被規制軸626から離脱する(図39(b))。そして、ステージ部612が、開閉軸部材615による拘束から解放され、錘部624の重みと押上げ部材618の押し上げ力を利用して前方に倒伏し、意匠ベース401の入賞口652(図36、図37)を開放する。
ここで、図39(a)は、図38(a)と同様に、図32(a)のE−Eで示す部位に対応した断面であり、図39(b)は、図38(b)と同様に、図32(a)のF−Fで示す部位に対応した断面である。
また、保持用凸部635の、保持部材617と接触する部分の形状や寸法は、遊技球443からの力により、保持部材617に対して、上方へ滑りながら乗り越えることができるように定められている。さらに、ステージ規制用凸部634の、被規制軸626と接触する部分の形状や寸法も、遊技球443からの力により、被規制軸626に対して、下方へ滑りながら乗り越えることができるように定められている。
続いて、ステージ部612が開放状態となっている際には、開作動用凸部633の向きが下向きになっている。そして、作動用流路630を流下する後続の遊技球(第1実施例に係る図29(b)の遊技球448に相当)が発生した場合には、この遊技球が開作動用凸部633に干渉せず、第1実施例と同様に、開作動用凸部633を通過可能である。
ステージ部612が、入賞口652を開放する開放状態となる際には、押上げ部材618の押し上げ力により、ステージ部612の動作に勢いが付加される(付勢される)。そして、ステージ部612の、錘部624を含めた重量バランスのみによって、ステージ部612を開放動作させる場合に比べて、ステージ部612を素早く確実に開放することができる。
ここで、ステージ部612の重量バランスのみによって、ステージ部612に十分な動作を行わせることができる場合には、押上げ部材618を省略して構成を簡素化することも可能である。
続いて、図40(a)〜(c)に基づき、ステージ部412の開放時に、遊技球447が第2種非電動役物2(454B)に入賞した場合の動作について説明する。先ず 図40(a)は、図32(a)のE−Eで示す部位に対応した断面であり、図40(b)は、図32(a)のF−Fで示す部位に対応した断面である。また、図40(c)は、図32(a)のG−Gで示す部位に対応した断面である。
本実施例では、ステージ部612が開放状態となった場合には、図40(c)に示すように、ステージ部612の支持部622a、622b(一方のみ図示している)の上端(先端)部分が、前飾り602の内側面に当接し、ステージ部612が停止するようになっている。
さらに、本実施例では、ステージ部612が開放して停止した状態では、図40(c)に示すように、押上げ部材618がステージ部612の下面に接触しないよう、押上げ部材618の変位量(押し上げ変位量)が定められている。しかし、これに限定されず、例えば、押上げ部材618が、開放して停止したステージ部612に当接して、ステージ部612の姿勢の維持に寄与するようにすることも可能である。
図40(a)〜(c)においては、遊技球447(一部のみ図示)が、前飾り602の内側に進入し、開放したステージ部612に遊技球447が受け止められている。そして、遊技球447は、断面がL字状であるステージ部612の内側面(背面)を伝ったり、或は、内側面で跳ねたりして入賞口652に進入する。
入賞口652に進入した遊技球447は、ステージ部412の背面側で流下しながら、ステージ部612にその重みや勢いを伝える。そして、遊技球447は、入賞口652の後方に繋がっている遊技球流下路619内を流下する。
開閉軸部材615に形成された前述の閉作動用凸部636は、ステージ部412が開放した場合に、遊技球流下路619内に所定量突出するよう形成されている(図40(c))。そして、遊技球447が遊技球流下路619を流下する途中で、突出した閉作動用凸部636に干渉し、その重量を開閉軸部材615に作用させる。
閉作動用凸部636が遊技球447からの力を受けると、開閉軸部材615を回転させようとする力が発生する。そして、遊技球447の干渉により発生した力は、開閉軸部材615を、開放時とは逆方向(図35(b)において矢印Jで示す方向とは反対の方向)に回転させる。
この回転により、開閉軸部材615のステージ規制用凸部634や保持用凸部635が、閉鎖時の位置に戻る。そして、図35(b)や図38(a)〜(c)に示したように、開閉軸部材615のステージ規制用凸部634が被規制軸626に当接し、保持部材617が保持用凸部635に当接する。そして、開閉軸部材615及びステージ部612が、開閉軸部材615や保持部材617によって拘束された状態となる。
この際、ステージ部412は、押上げ部材618を押し下げながら、閉鎖状態(起立姿勢)に戻る。また、図示は省略するが、第2種非電動役物2(454B)に入賞し、遊技球流下路619を流下した遊技球447は、第2−2始動入賞検出装置75Bにより検出されて、遊技盤50の裏側に回収される。
ここで、図35(a)や図40(c)等に示すように、背面カバー部613には、円弧状に突出した突出部653が形成されている。そして、ステージ部612の開放時に進入した遊技球447が、突出部653の内側を通る際に、突出部653が逃げ部となって、遊技球447が円滑に流下するようになっている。
以上説明したような第2実施例の第2種非電動役物2(454B)によれば、前述の第1実施例と同様の部分については同様な発明の作用効果を奏することが可能である。また、第2実施例の第2種非電動役物2(454B)においては、棒状の開閉軸部材615の外周に、開作動用凸部633、ステージ規制用凸部634、及び、閉作動用凸部636が配置されている。このため、ステージ部612を開かせる(開作動させる)機能を有する部分、ステージ部612の姿勢を維持させる機能を有する部分、及び、ステージ部612を閉じる(閉作動させる)機能を有する部分を、開閉軸部材615の周囲に集約させて配置することができる。
さらに、これらの部分を、開閉軸部材615の軸方向に分散させて配置することができる。そして、これらのことから、開閉軸部材615の寸法次第で、開閉軸部材615の周囲の狭い領域内に、ステージ部612を開閉するための機能を有する各種の部分を収めることができる。そして、第2種非電動役物2(454B)の小型化や省スペース化が可能である。
また、保持部材617によりステージ部612を閉状態に保っていることから、ステージ部612の閉状態をより確実に維持することができる。そして、例えば、ステージ部612に外力が加えられたとしても、ステージ部が容易に開いてしまうことを防止できる。さらに、押上げ部材618により、ステージ部612の開放動作を補助していることから、ステージ部612を迅速かつ確実に開放させることができる。
さらに、ステージ部612の開放中にも、保持部材617の押圧力によって開閉軸部材615の状態が維持されるとともに、ステージ規制用凸部634が被規制軸626に斜め下方から当接する。(図39(b))したがって、開放中のステージ部612に対して外力が加わっても、遊技球447が遊技球流下路619を通じて開閉軸部材615の閉作動用凸部636に対して作用しない限り、開閉軸部材615の状態が閉鎖時の状態に復帰することがないため、ステージ部612が閉じてしまうことを防止できる。
このようなステージ部612の開閉の態様は、開閉軸部材615が、遊技球が作用した場合においてのみ揺動するものであるといえる。さらに、遊技球443が開作動用凸部633に作用して、一旦ステージ部612の開動作を行った後は、閉作動用凸部636に遊技球447が作用してステージ部612を閉状態としない限り、ステージ部612が閉じ位置で保持されることがないものであるといえる。
なお、第1実施例の第2種非電動役物2(54B)や、第2実施例の第2種非電動役物2(454B)に関して、「ステージ部」や「ステージ」の用語は、それぞれ「シャッタ部」、「シャッタ」等と置き換えることが可能である。
また、本実施例では、閉作動用凸部636を設けてステージ部612の閉鎖を行うようにしているが、例えば、ステージ部612の開放時にステージ部612に作用する遊技球447の重みのみによってステージ部612が閉鎖状態となるようにして、閉作動用凸部636を省略することも可能である。
<その他の変形例>
以上、ぱちんこ遊技機10に係る各種の実施態様を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、他にも種々に変形が可能なものである。例えば、各種の変動演出に際しては、特図1及び特図に2に係る前述のミニ図柄及び保証図柄(或いは、ミニ図柄又は保証図柄)を、1つの画面中にともに表示していてもよい。
また、本発明は、遊技者が獲得した遊技媒体としての遊技球を、前述のように、遊技者に対し直接的に払出して遊技者が賞球に触れることができるようにしているぱちんこ遊技機に限られず、例えば、遊技機内部で遊技球を循環させて使用する封入循環式のぱちんこ遊技機(管理遊技機)にも適用が可能である。さらに、封入循環式のぱちんこ遊技機としては、遊技媒体の出入りを電磁的に記録することが可能なものを例示できる。
10 ぱちんこ遊技機、50 遊技盤、52 遊技領域、53 主制御表示装置、
54A 第2種非電動役物1、54B 第2種非電動役物2、62 第1始動入賞口、
63 普通入賞口装置、68 作動口、70 第1特別図柄表示部、
71 第2特別図柄表示部、90 大入賞口装置、92 大入賞口、
95 右側入賞装置ユニット、102 メイン基板、104 サブ基板、
113 第1当否判定手段、117 第2当否判定手段、120 特別遊技制御手段、
301 サブメイン基板、412 ステージ部、415 ロックアーム、
418 機構部カバー、419 樋部材、429 第1爪部、430 第2爪部、
432 作動凸部、435 作動用流路、454B 第2種非電動役物、
501 メイン基板のCPU、521 サブメイン基板のCPU、612ステージ部、
615 開閉軸部材、617 保持部材、618 押上げ部材、626 被規制軸、
633 開作動用凸部、634 ステージ規制用凸部、635 保持用凸部、
636 閉作動用凸部。

Claims (3)

  1. 遊技盤上に配置され開閉部を有し、前記開閉部を開放して遊技球の流入を可能とする入賞装置を備え、
    前記入賞装置は、
    前記開閉部に力を伝えることで前記開閉部を開放状態へと変位させる開閉機能部品を備え、
    前記開閉機能部品は、棒状に形成され、
    前記開閉部に当接する状態切替部と、
    前記開閉部が開放して流入する遊技球とは別の遊技球が接触する動作開始起点部とを有し、
    前記動作開始起点部に遊技球が接触することで、前記開閉部を開放状態へ切り替えるために前記状態切替部を前記開閉部の動作を許容する位置へ変位させることを特徴とするぱちんこ遊技機。
  2. 前記入賞装置に、
    前記別の遊技球を前記動作開始起点部に導く流下流路と、
    前記流下流路に面するよう形成され、遊技球に接触して遊技球を減速する減速部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のぱちんこ遊技機。
  3. 前記入賞装置の前記開閉機能部品が前記開閉部を開放状態で維持している場合には、前記別の遊技球が前記動作開始起点部を通過可能であることを特徴とする請求項2に記載のぱちんこ遊技機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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