JP2017130554A - 化合物半導体デバイス、およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エネルギー変換効率の低下の原因となる、熱応力によるデバイスの劣化および接合界面の界面抵抗を抑制した太陽電池を提供すること。【解決手段】 GaAs層204とInP層202を含み、GaAs層204とInP層202との間には、InP層202のバンドギャップより小さいバンドギャップとなる組成比を有するGaInAsP層203を備える。また、GaAs層204、InP層202、GaInAsP層203のドーピング量は、いずれも1×1019atom/cm3以上とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、化合物半導体デバイス、およびその製造方法に関する。
多接合型太陽電池は、バンドギャップの異なる光電変換セルを積層することで幅広い波長範囲で太陽光を吸収することができ、エネルギー変換効率を高効率化することができる。GaAs(ガリウムヒ素)やInP(インジウムリン)などの化合物半導体は、材料の組成を変化させることによって、バンドギャップや格子定数などを容易に調整することができるので、光電変換セルの材料に適している。
材料の異なる光電変換セルを積層する方法として、貼り合わせ法による直接接合が挙げられる。貼り合わせ法は、接合する材料の表面を活性化して接合する技術であり、糊剤や金属を使用しないので、光の透過を妨げないことから、太陽電池の製造に好ましい手法である。
例えば、特表2014−504002(特許文献1)では、GaAsとInPとを貼り合わせ法によって接合する技術が開示されている。しかしながら、InPとGaAsの熱膨張係数は、それぞれ4.6×10−6/Kと5.73×10−6/Kであることから、両者を直接接合した光電変換セルは、その後の半導体プロセスで熱処理を加えられると、熱膨張による応力でデバイスが破損する虞があった。
また、非特許文献1によれば、GaAsとInPを直接接合した界面には、ポテンシャルバリアが形成され、界面抵抗が生じることが示されている。このような界面抵抗は、光電変換セルのエネルギー変換効率の低下を引き起こす。
本発明は、上記従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、貼り合わせ法によって直接接合した化合物半導体デバイス、およびその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明によれば、GaAs層とInP層を含み、前記GaAs層と前記InP層との間には、前記InP層のバンドギャップより小さいバンドギャップとなる組成比を有するGaInAsP層を備える化合物半導体デバイスが提供される。
上述したように、本発明によれば、熱応力に対して強く、かつエネルギー変換効率の高い太陽電池が提供される。
太陽電池のバンド図。 化合物半導体ヘテロ構造の断面図。 本実施形態のGaInAsP層を含む化合物半導体ヘテロ構造を作製する図。 第1の実施例における太陽電池の断面図。 第2の実施例における太陽電池の断面図。 第3の実施例における太陽電池の断面図。
以下、本発明を、実施形態をもって説明するが、本発明は後述する実施形態に限定されるものではない。なお、以下に参照する各図においては、共通する要素について同じ符号を用い、適宜その説明を省略するものとする。
図1は、太陽電池100のバンド図である。太陽電池100は、両端に電極103を備えた光電変換セル104で構成されており、光電変換セル104はn型半導体105と、p型半導体106とのpn接合を含む半導体積層構造である。なお、太陽電池100に含まれる光電変換セル104の数に制限はなく、多接合の太陽電池100であってもよい。以下では図1を例に、太陽電池100が発電をする原理を説明する。
太陽電池100に入射した太陽光は、光電変換セル104のpn接合部近傍の価電子帯の電子101を励起させる。その結果、伝導帯には電子101が、価電子帯には正孔102が発生するため、フェルミ準位が屈曲した状態、即ち熱平衡状態が崩れた状態となることから、電極103間に電位差が生じ、電池として作用する。
バンドギャップの大きい光電変換セル104では、光電変換を行うのに波長が短い光、即ち高エネルギーの光が必要である。一方で、バンドギャップの小さい光電変換セル104に高エネルギーの光が入射すると、励起される電子101が高いエネルギーを持つ。このため、光電変換セル104のバンドギャップと、入射した光のエネルギーとの差分に相当するエネルギー分は熱に変換されてしまい、結果として変換効率が低下する。太陽光は紫外線から赤外線まで幅広い波長のスペクトルが分布していることから、太陽電池100は、バンドギャップの異なる光電変換セル104を備えることで、幅広い波長の光に対応した光電変換を行うことができる。
化合物半導体は、2種類以上の原子によって構成される半導体で、構成する原子の組成によってバンドギャップや格子定数などの物性を制御できることが特徴である。化合物半導体の例としては、ガリウムヒ素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、インジウムリン(InP)などが挙げられる。また、ヘテロ構造は、異なる半導体材料を接合させた構造であり、組み合わせによって種々のデバイスに応用される。したがって太陽電池100は、化合物半導体のヘテロ構造を採用することで様々なバンドギャップの光電変換セル104を作製でき、変換効率を高効率化できる。
図2は、化合物半導体ヘテロ構造の断面図である。図2(a)は、InP層202とGaAs層204とを直接接合した従来のヘテロ構造を示している。図2(b)は、InP層202とGaAs層204の間にGaInAsP層203を含む、本実施形態のヘテロ構造を示している。
InP系化合物半導体積層構造201とは、InP基板上に格子緩和せずにエピタキシャル成長された半導体材料系を指し、InP層202を含む。GaAs系化合物半導体積層構造205とは、GaAs基板上に格子緩和せずにエピタキシャル成長された半導体材料系を指し、GaAs層204を含む。
先に述べたとおりInPとGaAsの熱膨張係数は、それぞれ4.6×10−6/Kと5.73×10−6/Kであり、図2(a)のように両者を直接接合すると、熱応力によってデバイスが破損する可能性がある。そこで本実施形態では図2(b)のように、InP層202とGaAs層204の間にGaInAsP層203を設けることで、熱膨張係数の差を緩和する。GaInAsP層203は、例えば組成比をGa:0.24、In:0.76、As:0.52、P:0.48とすると、熱膨張係数は5.2×10−6/Kで、GaAsとInPの熱膨張係数の間の値となる。したがって、InP層202、GaInAsP層203、GaAs層204の順で積層することで、熱応力によるデバイスの破損を抑制することができる。
また、バンドギャップが異なる材料のヘテロ接合界面では、ポテンシャルバリアが形成され、界面抵抗となる。例えば、図2(a)に示すInP層202とGaAs層204のバンドギャップは、それぞれ1.38eVと1.42eVであることから、ポテンシャルバリアによる界面抵抗が生じる。さらに、上述の組成比におけるGaInAsP層203のバンドギャップは、1.0eVであることから、図2(b)のような本実施形態の構造でもポテンシャルバリアによる界面抵抗が生じる。
そこで本実施形態では、GaInAsP層203に添加するn型ドーパントのドーピング量を1×1019atom/cm以上とした。キャリア濃度はドーピング量に比例し、抵抗率はキャリア濃度に反比例することから、ドーピング量を高くすることでポテンシャルバリアを抑制することができる。本実施形態では、図2(b)の接合界面と同構造の接合界面を有するサンプルを別途作製して、該サンプルにオーミック電極を形成し、半導体パラメータアナライザで界面抵抗を測定したところ、界面抵抗が0.2Ω・cmの界面を形成することが確認できた。
従来例では、ドーピング量が3×1018atom/cmのn−GaAs/n−InP界面ではポテンシャルバリアの影響でダイオードライクなI−V特性を示すことが知られていた。しかしながら、本開示における検討の結果、ドーピング量が1×1019atom/cmのn−GaAs/n−InP界面の抵抗は、オーミックでポテンシャルバリアの影響が見られなかった。このため、接合をオーミック・コンタクトとするかしないかのドーピング量の閾値は、3×1018atom/cm〜1×1019atom/cmの間に存在するものと推定される。
以下では、貼り合わせ法によって図2(b)の構造を作製する方法を説明する。例えば、GaAs基板上にGaAs層をエピタキシャル成長する工程と、InP基板上にInP層をエピタキシャル成長する工程と、前記エピタキシャル成長した前記GaAs基板の最表面および前記エピタキシャル成長した前記InP基板の最表面を活性化する工程と、前記活性化した前記GaAs基板および前記活性化した前記InP基板を貼り合わせる工程を含む製造方法により作製できる。
図3は、本実施形態のGaInAsP層203を含む化合物半導体ヘテロ構造を作製する図である。図3(a)および(b)は、貼り合わせ前にGaInAsP層203を形成する方法であり、図3(c)は、GaInAsP層203を形成せずに貼り合わせる方法である。
まず図3(a)では、GaAs基板上にGaAs系化合物半導体積層構造205をエピタキシャル成長させる。GaAs系化合物半導体積層構造205の最表面には、GaAs層204を50nmの厚さでエピタキシャル成長させる。また別途にInP基板上にInP系化合物半導体積層構造201をエピタキシャル成長させる。InP系化合物半導体積層構造201の最表面にInP層202を50nmの厚さでエピタキシャル成長させた後、GaInAsP層203を5nmの厚さでエピタキシャル成長させる。またGaInAsP層203のドーピング量を1×1019atom/cm以上とすることで、貼り合わせた後の接合界面の界面抵抗を抑制することができる。
なお、InP基板またはGaAs基板上にエピタキシャル成長させる方法は、有機金属化学気相成長(MOCVD)や分子線エピタキシー(MBE)などが挙げられるが、エピタキシャル成長の方法に制限はない。また、エピタキシャル成長させる厚さは一例であり、これらの厚さに限定されるものではない。
さらにその後、真空中においてGaAs層204とGaInAsP層203の表面を活性化し、荷重をかけて貼り合わせることで、化合物半導体ヘテロ構造を得る。表面の活性化には、例えば加速したアルゴンイオンを用いることができるが、これに限定されるものではなく、加速した中性原子やプラズマなどを用いて活性化してもよい。また貼り合わせる際には、加熱しながら貼り合わせてもよい。
また、InP系化合物半導体積層構造201上にGaInAsP層203を形成するのではなく、図3(b)に示すように、GaAs系化合物半導体積層構造205上にGaInAsP層203を形成してもよい。図3(b)のGaInAsP層203の形成以外のプロセスは、図3(a)と同様であるので、詳細な説明は省略する。
本実施形態の別の作製方法としては、図3(c)に示す方法がある。GaAs基板上にGaAs系化合物半導体積層構造205をエピタキシャル成長させる。GaAs系化合物半導体積層構造205の最表面には、GaAs層204を50nmの厚さでエピタキシャル成長させる。また別途にInP基板上にInP系化合物半導体積層構造201をエピタキシャル成長させる。InP系化合物半導体積層構造201の最表面には、InP層202を50nmの厚さでエピタキシャル成長させる。
さらにその後、真空中においてGaAs層204とInP層202の表面を加速したアルゴンイオンで活性化し、荷重をかけて貼り合わせる。活性化する際に接合界面近傍をアモルファス化して、GaAsとInPを結合させることで、アモルファス構造のGaInAsP層203が形成され、図2(b)に示す化合物半導体ヘテロ構造を作製することができる。
なお上記の方法で作製した化合物半導体ヘテロ構造をフォトルミネッセンス法で分析したところ、接合界面付近のアモルファス層から1.0eVのバンドギャップに対応する発光を観測した。InPより小さいバンドギャップとなる組成比のGaInAsPの混晶は、熱膨張係数がInPとGaAsの間の値となることから、上記の化合物半導体ヘテロ構造は、図2(b)で示したような熱膨張係数の差を緩和した構造である。
上記の方法で形成されたGaInAsP層203には、GaAs層204とInP層202のドーパントが含まれることになる。したがって、GaAs層204とInP層202のドーピング量を1×1019atom/cm以上とすることで、接合界面の界面抵抗を抑制することができる。なお、エピタキシャル成長の方法、成長させる層の厚さ、表面の活性化の方法等には、特に制限はないものとする。
図3に示した方法によれば、熱応力によるデバイスの破損を抑制し、また界面抵抗を抑制した化合物半導体ヘテロ構造を作製することができる。また、InP系化合物半導体積層構造201とGaAs系化合物半導体積層構造205に、光電変換セル104として作用するpn接合を形成することで太陽電池100を作製することができる。ここまで本発明の実施形態を説明したが、以下では、より詳細な実施例によって実施形態を説明する。
図4は、第1の実施例における太陽電池100の断面図であり、図3(a)で示した作製方法である。図4(a)は、各基板上のInP系化合物半導体積層構造201とGaAs系化合物半導体積層構造205を示している。図4(b)は、InP系化合物半導体積層構造201とGaAs系化合物半導体積層構造205を貼り合わせた構造を示している。図4(c)は、電極103等を形成した太陽電池100を示している。
まず図4(a)について説明する。InP系化合物半導体積層構造201は、p型InP基板401上にp型InP層402、p型GaInAsP層403、n型GaInAsP層404、n型InP層405、n型GaInAsP層406の順でエピタキシャル成長する。
p型GaInAsP層403およびn型GaInAsP層404は、バンドギャップが1.0eVとなる組成比で、p型InP層402に格子整合している。またp型GaInAsP層403とn型GaInAsP層404は、pn接合を形成しており、光電変換セル104として機能する。n型InP層405は、Seを1×1019atom/cmでドープし、100nmの厚さでエピタキシャル成長する。
n型GaInAsP層406は、バンドギャップがInPのバンドギャップより小さくなる組成比で、例えばバンドギャップが1.0eVとなるGa:0.24、In:0.76、As:0.52、P:0.48の組成比で、Seを1×1019atom/cmでドープし、5nmの厚さでエピタキシャル成長する。なお、n型GaInAsP層406のバンドギャップは一例であり、1.0eVに限定するものではない。
GaAs系化合物半導体積層構造205は、n型GaAs基板422上にn型GaInP層421、n型GaAs層420、n型AlInP窓層419、n型GaInP層418、p型GaInP層417、p型AlInP BSF層416の順でエピタキシャル成長する。n型GaInP層421は、n型GaAs基板422に格子整合し、同様にn型GaAs層420、n型AlInP窓層419も順次下部層に格子整合する。n型GaInP層418およびp型GaInP層417は、バンドギャップが1.9eVとなる組成比で、n型AlInP窓層419に格子整合している。またn型GaInP層418とp型GaInP層417は、pn接合を形成しており、光電変換セル104として機能する。
p型AlInP BSF層416上にはp++型AlGaAs層415を、Cを1×1019atom/cmでドープして、25nmの厚さでエピタキシャル成長する。p++型AlGaAs層415上にはn++型GaInP層414を、Seを1×1019atom/cmでドープして、25nmの厚さでエピタキシャル成長する。p++型AlGaAs層415とn++型GaInP層414は、トンネル接合を形成し、光電変換セル104間の電流を伝導させる役割を持つ。なお本明細書では、トンネル接合を形成するp型層とn型層を、「p++型」と「n++型」として記載し、光電変換セル104のpn接合と区別する。
n++型GaInP層414上にはn型GaInP窓層413、n型GaAs層412、p型GaAs層411、p型GaInP BSF層410の順でエピタキシャル成長する。n型GaAs層412とp型GaAs層411は、pn接合を形成しており、光電変換セル104として機能する。
p型GaInP BSF層410上にはp++型GaAs層409を、Cを1×1019atom/cmでドープして、25nmの厚さでエピタキシャル成長する。p++型GaAs層409上にはn++型GaAs層408を、Teを1×1019atom/cmでドープして、25nmの厚さでエピタキシャル成長する。p++型GaAs層409とn++型GaAs層408は、トンネル接合を形成し、光電変換セル104間の電流を伝導させる役割を持つ。n++型GaAs層408上にはn型GaAs層407を、Teを1×1019atom/cmでドープして、25nmの厚さでエピタキシャル成長する。
上記のように作製したInP系化合物半導体積層構造201およびGaAs系化合物半導体積層構造205を貼り合わせることで、図4(b)に示す構造を得る。両構造の貼り合わせは、最表面のn型GaInAsP層406とn型GaAs層407を、加速したアルゴンイオンで活性化して、荷重をかけることで貼り合わせる。
図4(b)のように貼り合わせた後、硫酸系のエッチング溶液でn型GaAs基板422とn型GaInP層421を除去する。さらに図4(c)のように、p型電極400、n型電極430、ARコート440(Anti−Reflectiveコート)を形成して太陽電池100を作製する。
上記のように作製した太陽電池100は、InP層202とGaAs層204の間に熱膨張係数の差を緩和するためのGaInAsP層203を設けることで、貼り合わせ接合界面近傍の熱応力を分散させることができる。また、GaInAsP層203に高濃度のドーピングを行うことから、界面抵抗を抑制することができる。
図5は、第2の実施例における太陽電池100の断面図であり、図3(c)で示した作製方法である。図5(a)は、各基板上のInP系化合物半導体積層構造201とGaAs系化合物半導体積層構造205を示している。図5(b)は、InP系化合物半導体積層構造201とGaAs系化合物半導体積層構造205を貼り合わせた構造を示している。図5(c)は、電極103等を形成した太陽電池100を示している。
図5(a)は、図4(a)のInP系化合物半導体積層構造201からn型GaInAsP層406を除いた構造と同一である。よってここでは詳細な説明は省略する。
その後、作製したInP系化合物半導体積層構造201およびGaAs系化合物半導体積層構造205を貼り合わせることで、図5(b)に示す構造を得る。両構造の貼り合わせは、最表面のn型InP層405とn型GaAs層407を加速したアルゴンイオンで活性化して、荷重をかけることで貼り合わせる。活性化する際にn型InP層405とn型GaAs層407の接合界面近傍をアモルファス化することで、バンドギャップが1.0eVのアモルファス構造のn型GaInAsP層406が3nm形成され、図2(b)に示す化合物半導体ヘテロ構造となる。
図5(b)のように貼り合わせた後、硫酸系のエッチング溶液でn型GaAs基板422とn型GaInP層421を除去する。さらに図5(c)のように、p型電極400、n型電極430、ARコート440を形成して太陽電池100を作製する。
上記のように作製した太陽電池100は、InP層202とGaAs層204の間に熱膨張係数の差を緩和するためのGaInAsP層203を設けることで、貼り合わせ接合界面近傍の熱応力を分散させることができる。また、GaInAsP層203に高濃度のドーピングを行うことから、界面抵抗を抑制することができる。
図6は、第3の実施例における太陽電池100の断面図である。図6(a)は、各基板上のInP系化合物半導体積層構造201とGaAs系化合物半導体積層構造205を示している。図6(b)は、InP系化合物半導体積層構造201とGaAs系化合物半導体積層構造205を貼り合わせた構造を示している。図6(c)は、電極103等を形成した太陽電池100を示している。
図6(a)のInP系化合物半導体積層構造201において、p型InP基板401からn型InP層405までの構造は、他の実施例と同一である。n型InP層405上には、n++GaInAsP層606をエピタキシャル成長する。
また、図6(a)のGaAs系化合物半導体積層構造205において、n型GaAs基板422からp型GaInP BSF層410までの構造は、他の実施例と同一である。p型GaInP BSF層410上には、p型GaAs層609をエピタキシャル成長する。p型GaAs層609上にはp++型GaAs層608を、Cを1×1019atom/cmでドープして、25nmの厚さでエピタキシャル成長する。
上記のように作製したInP系化合物半導体積層構造201およびGaAs系化合物半導体積層構造205を貼り合わせることで、図6(b)に示す構造を得る。両構造の貼り合わせは、最表面のn++GaInAsP層606とp++型GaAs層608を、加速したアルゴンイオンで活性化して、荷重をかけることで貼り合わせる。n++GaInAsP層606とp++型GaAs層608は、トンネル接合を形成し、光電変換セル104間の電流を伝導させる役割を持つ。
図6(b)のように貼り合わせた後、硫酸系のエッチング溶液でn型GaAs基板422とn型GaInP層421を除去する。さらに図6(c)のように、p型電極400、n型電極430、ARコート440を形成して太陽電池100を作製する。
上記のように作製した太陽電池100は、InP層202とGaAs層204の間に熱膨張係数の差を緩和するためのGaInAsP層203を設けることで、貼り合わせ接合界面近傍の熱応力を分散させることができる。また、接合界面がトンネル接合を形成することで、高ドープ領域を減らすことができ、結晶性の向上やフリーキャリア吸収の低減によって、変換効率を向上させることができる。
以上、本発明について実施形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、当業者が推考しうる実施態様の範囲内において、本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
100…太陽電池、101…電子、102…正孔、103…電極、104…光電変換セル、105…n型半導体、106…p型半導体、201…InP系化合物半導体積層構造、202…InP層、203…GaInAsP層、204…GaAs層、205…GaAs系化合物半導体積層構造、400…p型電極、401…p型InP基板、402…p型InP層、403…p型GaInAsP層、404…n型GaInAsP層、405…n型InP層、406…n型GaInAsP層、407…n型GaAs層、408…n++型GaAs層、409…p++型GaAs層、410…p型GaInP BSF層、411…p型GaAs層、412…n型GaAs層、413…n型GaInP窓層、414…n++型GaInP層、415…p++型AlGaAs層、416…p型AlInP BSF層、417…p型GaInP層、418…n型GaInP層、419…n型AlInP窓層、420…n型GaAs層、421…n型GaInP層、422…n型GaAs基板、430…n型電極、440…ARコート、606…n++GaInAsP層、608…p++型GaAs層、609…p型GaAs層
特表2014−504002
Applied Physics Express 7, 112301(2014)

Claims (9)

  1. GaAs層とInP層を含み、
    前記GaAs層と前記InP層との間には、前記InP層のバンドギャップより小さいバンドギャップとなる組成比を有するGaInAsP層を備える
    化合物半導体デバイス。
  2. 前記GaAs層のドーピング量と、前記InP層のドーピング量と、前記GaInAsP層のドーピング量は、いずれも1×1019atom/cm以上である請求項1に記載の化合物半導体デバイス。
  3. 前記GaInAsP層がアモルファスである請求項1または請求項2に記載の化合物半導体デバイス。
  4. GaAs基板上にGaAs層をエピタキシャル成長する工程と、
    InP基板上にInP層をエピタキシャル成長する工程と、
    前記エピタキシャル成長した前記GaAs基板の最表面および前記エピタキシャル成長した前記InP基板の最表面を活性化する工程と、
    前記活性化した前記GaAs基板および前記活性化した前記InP基板を貼り合わせる工程を含む、化合物半導体デバイスの製造方法。
  5. 前記GaAs層のドーピング量と、前記InP層のドーピング量は、1×1019atom/cm以上である請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記貼り合わせる工程で貼り合わせた接合界面には、アモルファスのGaInAsP層が形成される、請求項4または請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記エピタキシャル成長した前記GaAs基板の上に、前記InP層のバンドギャップより小さいバンドギャップとなる組成比を有するGaInAsP層をエピタキシャル成長する工程を含む
    請求項4または請求項5に記載の製造方法。
  8. 前記エピタキシャル成長した前記InP基板の上に、前記InP層のバンドギャップより小さいバンドギャップとなる組成比を有するGaInAsP層をエピタキシャル成長する工程を含む
    請求項4または請求項5に記載の製造方法。
  9. 前記GaInAsP層のドーピング量は、1×1019atom/cm以上である
    請求項7または請求項8に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024106240A1 (ja) * 2022-11-14 2024-05-23 アダチ電機産業株式会社 化合物太陽電池

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