JP2017128752A - 黒色めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】黒色化された溶融めっき層を有する黒色めっき鋼板であって、より短時間の水蒸気処理でめっき層の内部まで十分に黒色化された黒色めっき鋼板を提供すること。【解決手段】本発明は、溶融Mg含有Znめっき層を有する黒色めっき鋼板に関する。前記溶融Mg含有Znめっき層は、Mgの含有量が0.1〜48.0質量%であり、Alの含有量が1.0質量%未満であり、前記溶融Mg含有Znめっき層は黒色酸化物を含有しており、前記溶融Mg含有Znめっき層の表面の明度は、L*値で40未満である。【選択図】図3

Description

本発明は、黒色めっき鋼板およびその製造方法に関する。
建築物の屋根材や外装材、家電製品、自動車などの分野では、意匠性などの観点から黒色の外観を有する鋼板のニーズが高まっている。鋼板の表面を黒色化する方法としては、鋼板の表面に黒色塗料を塗布して黒色塗膜を形成する方法がある。しかしながら、上記の分野では、耐食性の観点から溶融Znめっきや溶融Al含有Znめっき、溶融Mg含有Znめっき、溶融Al、Mg含有Znめっきなどのめっきを施しためっき鋼板が使用されることが多く、これらのめっき鋼板の表面は金属光沢のある銀白色の色調を有している。したがって、黒色塗料の塗布により意匠性の高い黒色外観を得るためには、塗膜を厚くして下地色を隠蔽しなければならず、塗装コストが高くなってしまう。また、このように塗膜を厚くすると、スポット溶接などの抵抗溶接を行うことができなくなってしまうという問題もある。
黒色塗膜を形成せずに、めっき鋼板の金属光沢および銀白色の色調を遮蔽する方法としては、めっき層そのものを黒色化する方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1には、めっき層の最表層に形成したMgの含有量が7〜20質量%であるMg−Zn合金層を、蒸着により鋼板上に形成し、形成された合金層を温度70〜95度、相対湿度50〜90%の高温高湿雰囲気に曝して、Mg(OH)、ZnOおよびZnからなる黒色のめっき層を得る方法が開示されている。
特許文献2には、Mgを1.3〜10.0質量%、Alを1.0〜22.0質量%含有する溶融Znめっき鋼板を密閉容器中で水蒸気と接触させて(以下、めっき層を黒色化するためにめっき層と水蒸気とを接触させる処理を、単に「水蒸気処理」ともいう。)、めっき層中にZnの酸化物を生成し、それによって上記めっき鋼板のめっき層を黒色化する方法が開示されている。
特開平9−143679号公報 特開2013−241665号公報
特許文献1に開示の方法によれば、耐候性に優れた黒色めっき鋼板を得ることができる。しかし、特許文献1に開示の方法のように蒸着により形成しためっき層は、厚みを大きくすることが難しいため、取り扱い時に生じるキズが基材鋼板に到達しやすく、黒色外観を保持しにくいという難点があった。
これに対し、溶融めっき法でめっき層を形成すれば、めっき層の厚みをより大きくできる。特許文献2には、溶融めっき法で形成されためっき層を水蒸気処理することにより、十分に黒色化された外観を有する溶融めっき鋼板を得ることができる。しかし、特許文献2に記載の方法では、通常、めっき層の内部まで十分に黒色化するためには長時間の水蒸気処理が必要である。近年、黒色めっき鋼板の需要が増大しており、黒色めっき鋼板の製造時間を短縮して生産性を向上させるために、水蒸気処理に必要な時間をより短縮する技術に対する要求が存在していた。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、黒色化された溶融めっき層を有する黒色めっき鋼板であって、より短時間の水蒸気処理でめっき層の内部まで十分に黒色化された黒色めっき鋼板、およびそのような黒色めっき鋼板の製造方法を提供することをその目的とする。
本発明は、以下の黒色めっき鋼板および黒色めっき鋼板の製造方法に関する。
[1]Mgの含有量が0.1〜48.0質量%であり、Alの含有量が1.0質量%未満である溶融Mg含有Znめっき層を有し、前記溶融Mg含有Znめっき層は黒色酸化物を含有しており、前記溶融Mg含有Znめっき層の表面の明度は、L値で40未満である、黒色めっき鋼板。
[2]前記黒色酸化物は、前記溶融Mg含有Znめっき層中に単一相で分布している、[1]に記載の黒色めっき鋼板。
[3]前記黒色酸化物は、ZnMg相、ZnMg相、ZnMg相、ZnMg相、Zn11Mg2相およびZn相から選択される1または複数の相に由来するZnの酸化物または水酸化物である、[1]または[2]に記載の黒色めっき鋼板。
[4]前記溶融Mg含有Znめっき層の上に無機系皮膜をさらに有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の黒色めっき鋼板。
[5]前記溶融Mg含有Znめっき層の上に有機系樹脂皮膜をさらに有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の黒色めっき鋼板。
[6]前記有機系樹脂皮膜は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、SiおよびAlからなる群から選ばれる1種類または2種類以上のバルブメタルの酸化物、前記バルブメタルの酸素酸塩、前記バルブメタルの水酸化物、前記バルブメタルのリン酸塩および前記バルブメタルのフッ化物からなる群から選ばれる1種類または2種類以上の化合物を含む、[5]に記載の黒色めっき鋼板。
[7]前記有機系樹脂皮膜は、ラミネート層または塗布層である、[5]または[6]に記載の黒色めっき鋼板。
[8]前記有機系樹脂皮膜は、クリア塗膜である、[5]〜[7]のいずれかに記載の黒色めっき鋼板。
[9]Mgの含有量が0.1〜48.0質量%であり、Alの含有量が1.0質量%未満である溶融Mg含有Znめっき層を有する、溶融Mg含有Znめっき鋼板を準備し、前記溶融Mg含有Znめっき鋼板を、酸素濃度を13%以下に制御した密閉容器中で水蒸気に接触させる、黒色めっき鋼板の製造方法。
本発明によれば、より短時間の水蒸気処理で製造することができる、十分に黒色化された黒色めっき鋼板、およびそのような黒色めっき鋼板の製造方法が提供される。
図1は、Mg−Zn系の2成分系平衡状態図である。 図2は、Al−Mg−Zn系の3成分系平衡状態図である。 図3Aは、水蒸気処理を行った溶融Mg含有Znめっき鋼板の断面を示す電子顕微鏡写真である。図3Bは、水蒸気処理を行った溶融Al、Mg含有Znめっき鋼板の断面を示す電子顕微鏡写真である。 図4Aは、水蒸気処理前の溶融Mg含有Znめっき層の表面から調製した粉体試料の電子スピン共鳴(ESR)測定によって得られたスペクトルである。図4Bは、水蒸気処理して黒色化した後の溶融Mg含有Znめっき層の表面から調製した粉体試料のESR測定によって得られたスペクトルである。 図5は、水蒸気処理前の溶融Mg含有Znめっき層の表面から調製した粉体試料のX線回折(XRD)測定によって得られたスペクトルである。
1.黒色めっき鋼板
本発明の黒色めっき鋼板は、基材鋼板と、溶融Mg含有Znめっき層(以下「めっき層」ともいう)とを有する。本発明の黒色めっき鋼板は、さらに、めっき層の上に無機系皮膜または有機系樹脂皮膜を有していてもよい。
本発明の黒色めっき鋼板は、1)めっき層中のAlの含有量が1.0質量%未満であること、2)めっき層中に黒色酸化物が分布していること、および3)めっき層表面の明度(Lab色空間におけるL値)が40未満、好ましくは35以下であることを一つの特徴とする。めっき層表面の明度(L値)は、分光型色差計を用いて、JIS K 5600に準拠した分光反射測定法で測定される。
[基材鋼板]
基材鋼板の種類は、特に限定されない。たとえば、基材鋼板としては、低炭素鋼や中炭素鋼、高炭素鋼、合金鋼などからなる鋼板を使用することができる。良好なプレス成形性が必要とされる場合は、低炭素Ti添加鋼、低炭素Nb添加鋼などからなる深絞り用鋼板が基材鋼板として好ましい。また、P、Si、Mnなどを添加した高強度鋼板を用いてもよい。
[溶融Mg含有Znめっき層]
本発明の黒色めっき鋼板の原板としては、Mgの含有量が0.1〜48.0質量%であり、Alの含有量が0質量%以上1.0質量%未満である溶融Mg含有Znめっき層を有する溶融Mg含有Znめっき鋼板が使用される。
本発明者らは鋭意研究の結果、Mgを含有する溶融Znめっき層(以下、単に「溶融Mg含有Znめっき層」ともいう。)におけるAlの含有量を1.0質量%未満にすることで、より短時間の水蒸気処理でも十分に黒色化した黒色めっき鋼板が得られることを見いだした。なお、本願明細書において、黒色化が十分であるとは、たとえばめっき層の表面の明度(L値)が40未満であることを意味する。本発明者らは、これは以下の理由によるものと考えている。
特許文献2に開示の方法で黒色化されるめっき層のように、Alを1.0質量%以上含有する溶融Al、Mg含有Znめっき層の内部には、初晶Al相、Zn相およびAl/Zn/ZnMgの3元共晶組織からなる相などが生成しているが、これらの相は、水蒸気処理による黒色化の速度が互いに異なる。そのため、水蒸気処理の時間が短いと、黒色化の速度が速い相はより黒くなるが、黒色化の速度が遅い相は黒色化の程度が低いことがある。このような状態では、黒色化された部分と黒色化されていない部分とがめっき層に混在するため、めっき層全体としては十分に黒色化されないことがある。そのため、このようなめっき層では、黒色化の速度が遅い相も十分に黒色化するように、時間をかけて水蒸気処理を行う必要があった。
特に、本発明者らの新たな知見によれば、Alをより多く含有する相ほど、黒色化の速度が遅い。そのため、めっき層が含有するAlの量を0質量%以上1.0質量%未満にして、Alを多く含む相を生成しにくくすれば、めっき層をより短時間で十分に黒色化させることができる。
また、めっき層が含有するMgの量が0.1質量%以上48.0質量%以下であると、水蒸気処理でめっき層に黒色酸化物が生成しやすい。本発明者らは、これは以下の理由によるものと考えている。
図1に示すMg−Zn系の2成分系平衡状態図から明らかなように、めっき層が含有するMgの量が0.1質量%以上48.0質量%以下であると、ZnMg相、ZnMg相、ZnMg相、ZnMg相、およびZn11Mg相などの、MgおよびZnを含む金属間化合物の相が生成する。
上記金属間化合物の相が生成している溶融Mg含有Znめっき鋼板を水蒸気に接触させると、まずめっき層表面の酸化皮膜がHOと反応して水和酸化物に変化するとともに、この酸化物層を通過したHOがめっき層中の金属と反応する。このとき、めっき層が含有する元素のうち、上記金属間化合物の相に含まれるZnが優先的に酸化してZn酸化物が生成する。時間の経過とともに、上記金属間化合物の相に含まれるZnの酸化はめっき層の深さ方向に進行する。一方で、酸素との反応性はZnよりもMgのほうが高いため、このようにして生成したZn酸化物は、その近傍に存在するMgに酸素を奪われて、非化学量論組成で酸素欠乏型の酸化物(例えば、ZnO1−x)に変化する。このように、上記金属間化合物の相では、非化学量論組成で酸素欠乏型の酸化物(例えば、ZnO1−x)が生成しやすい。生成した酸素欠乏型の酸化物が、その欠陥準位に光をトラップすることにより、めっき層が黒色化した外観を呈することになる。
また、図2に示すAl−Mg−Zn系の3成分系平衡状態図から明らかなように、上記MgおよびZnを含む金属間化合物の相は、Alをごく少量しか含有しない。そのため、これらの金属間化合物の相は、特許文献2に開示の方法などで黒色化されるめっき層に含まれるAl/Zn/ZnMgの3元共晶よりも黒色化速度が速い。よって、上記金属間化合物の相を有するめっき鋼板は、従来よりも短時間の水蒸気処理で十分に黒色化させることができる。なお、図2において、δで表される範囲はZnMgが生成する組成を、εで表される範囲はZnMgが生成する組成を、ξで表される範囲はZnMgが生成する組成を、ηで表される範囲はZnMgが生成する組成を、θで表される範囲はZn11Mgが生成する組成を、それぞれ表す。
上記金属間化合物の相は、単独相としてめっき層内に存在してもよいし、他の相と共存してもよい。
基材鋼板とめっき層との密着性を向上させる観点から、めっき層は、基材鋼板とめっき層との界面におけるAl−Fe合金層の成長を抑制できるSiを0.005質量%〜2.0質量%の範囲で含有してもよい。Siの濃度を0.005質量%以上とすることで、Al−Fe合金層の成長をより抑制させることができる。Siの濃度を2.0質量%以下とすることで、めっき層表面に生成するSi系酸化物による黒色化の阻害が生じにくい。また、めっき層は、Ti、B、Ti−B合金、Ti含有化合物またはB含有化合物を含有してもよい。これらの化合物の含有量は、Tiの濃度が0.001質量%〜0.1質量%の範囲内であり、かつ、Bの濃度が0.0005質量%〜0.045質量%の範囲内であることが好ましい。TiまたはBの含有量を上記上限値以上であれば、これらの化合物がめっき層中で析出および成長しにくい。なお、めっき層中へのTi、B、Ti−B合金、Ti含有化合物またはB含有化合物の添加は、水蒸気処理による黒色化にほとんど影響を与えない。
めっき層の厚みは、特に限定されないが、3〜100μmの範囲内が好ましい。めっき層の厚みを3μm以上とすることで、取り扱い時に生じるキズが基材鋼板に到達しにくくなるため、黒色外観を保持しやすくなり、かつ、耐食性が低下しにくい。一方、めっき層の厚みを100μm以下とすることで、圧縮を受けた際のめっき層と基材鋼板の延性が異なることによる、加工の際のめっき層と基材鋼板との剥離が生じにくい。MgおよびZnを含有する合金めっき浴を用いた溶融めっき法でめっき鋼板を製造することで、めっき層の厚みを3μm以上にすることができる。
[黒色酸化物]
本発明の黒色めっき鋼板は、上記溶融Mg含有Znめっき層が黒色酸化物を含有する(図3A参照)。
なお、本願明細書では、酸化物と水和酸化物とを総称して酸化物と称する。また、本願明細書において、めっき層中の各成分の含有量の値は、めっき層に含まれる各金属成分の質量をめっき層に含まれる全金属の質量で除したものを百分率で表したものである。すなわち、酸化物に含まれる酸素および水の質量は、めっき層中の成分として含まれない。したがって、水蒸気処理の際に金属成分の溶出が起こらない場合、水蒸気処理の前後においてめっき層中の各成分の含有量の値は変化しない。
黒色酸化物は、たとえば、ZnまたはMgの酸化物または水酸化物を主成分とする、酸素欠乏型の化合物であり、好ましくは、ZnMg相、ZnMg相、ZnMg相、ZnMg相およびZn11Mg2相を含む金属間化合物の相またはZn相のうちいずれかまたは複数の相に由来するZnの酸化物または水酸化物である。
黒色酸化物は、図3Aに示すようにめっき層の内部の全体に単一相で存在することが好ましい。上記単一相で分布する黒色酸化物は、たとえば上記金属間化合物の相が含有するZnまたはMgが酸化されて生成するものであり、好ましくは上記金属間化合物の相が含有するZnに由来するZn酸化物がMgに酸素を奪われることによって生成する、非化学量論組成で酸素欠乏型のZn酸化物(例えば、ZnO1−x)である。
図4Aは、水蒸気処理前の上記溶融Mg含有Znめっき層の表面から調製した粉体試料の電子スピン共鳴(ESR)測定によって得られたスペクトルである。図4Bは、水蒸気処理後の黒色外観を呈する上記溶融Mg含有Znめっき層の表面から調製した粉体試料のESR測定によって得られたスペクトルである。
図4Aを参照すると、大きなピークは観察されないが、図4Bを参照すると、6つの大きなピークが見られる。ピークの位置から、水蒸気処理後の上記溶融Mg含有Znめっき層には、不対電子が存在することがわかる。この不対電子の存在は、欠陥を有する結晶構造が存在することを意味する。図4Bに示される結果から、水蒸気処理後の黒色外観を呈する上記溶融Mg含有Znめっき層は、酸素欠乏型の酸化物を含んでいることがわかる。
[無機系皮膜および有機系樹脂皮膜]
本発明の黒色めっき鋼板のめっき層の表面には、無機系皮膜または有機系樹脂皮膜が形成されていてもよい。無機系皮膜および有機系樹脂皮膜は、黒色めっき鋼板の耐食性や耐カジリ性(黒色外観の保持性)などを向上させる。
(無機系皮膜)
無機系皮膜は、バルブメタルの酸化物、バルブメタルの酸素酸塩、バルブメタルの水酸化物、バルブメタルのリン酸塩およびバルブメタルのフッ化物からなる群から選ばれる1種類または2種類以上の化合物(以下「バルブメタル化合物」ともいう)を含むものが好ましい。バルブメタル化合物を含ませることで、環境負荷を小さくしつつ、優れたバリア作用を付与することができる。バルブメタルとは、その酸化物が高い絶縁抵抗を示す金属をいう。バルブメタルとしては、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、SiおよびAlからなる群から選ばれる1種類または2種類以上の金属が挙げられる。バルブメタル化合物としては公知のものを用いてよい。
また、バルブメタルの可溶性フッ化物を無機系皮膜に含ませることで、無機系皮膜に自己修復作用を付与することができる。バルブメタルのフッ化物は、雰囲気中の水分に溶け出した後、皮膜欠陥部から露出しているめっき鋼板の表面に難溶性の酸化物または水酸化物となって再析出し、皮膜欠陥部を埋める。無機系皮膜にバルブメタルの可溶性フッ化物を含ませるには、無機系塗料にバルブメタルの可溶性フッ化物を添加してもよいし、バルブメタル化合物とは別に(NH)Fなどの可溶性フッ化物を添加してもよい。
無機系皮膜は、さらに可溶性または難溶性の金属リン酸塩または複合リン酸塩を含んでいてもよい。可溶性のリン酸塩は、無機系皮膜から皮膜欠陥部に溶出し、めっき鋼板の金属と反応して不溶性リン酸塩となることで、バルブメタルの可溶性フッ化物による自己修復作用を補完する。また、難溶性のリン酸塩は、無機系皮膜中に分散して皮膜強度を向上させる。可溶性の金属リン酸塩または複合リン酸塩に含まれる金属の例には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Mnが含まれる。難溶性の金属リン酸塩または複合リン酸塩に含まれる金属の例には、Al、Ti、Zr、Hf、Znが含まれる。
(有機系樹脂皮膜)
有機系樹脂皮膜を構成する有機樹脂は、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、もしくはこれらの樹脂の共重合体または変性物、またはこれらの樹脂の組み合わせなどとすることができる。これらの柔軟性のある有機樹脂を用いることで、黒色めっき鋼板を成形加工する際のクラックの発生を抑制することができ、耐食性を向上させることができる。また、有機系樹脂皮膜にバルブメタル化合物を含ませる場合に、バルブメタル化合物を有機系樹脂皮膜(有機樹脂マトリックス)中に分散させることができる(後述)。
有機系樹脂皮膜は、潤滑剤を含むものが好ましい。潤滑剤を含ませることで、プレス加工などの加工の際、金型とめっき鋼板表面の摩擦を軽減でき、めっき鋼板表面のカジリを抑制することができる(耐カジリ性の向上)。潤滑剤の種類は、特に限定されず、公知のものから選択すればよい。潤滑剤の例には、フッ素系やポリエチレン系、スチレン系などの有機ワックス、二硫化モリブデンやタルクなどの無機潤滑剤が含まれる。
有機系樹脂皮膜は、無機系皮膜と同様に、前述のバルブメタル化合物を含むものが好ましい。バルブメタル化合物を含ませることで、環境負荷を小さくしつつ、優れたバリア作用を付与することができる。
また、有機系樹脂皮膜は、無機系皮膜と同様に、さらに可溶性または難溶性の金属リン酸塩または複合リン酸塩を含んでいてもよい。可溶性のリン酸塩は、有機系樹脂皮膜から皮膜欠陥部に溶出し、めっき鋼板の金属と反応して不溶性リン酸塩となることで、バルブメタルの可溶性フッ化物による自己修復作用を補完する。また、難溶性のリン酸塩は、有機系樹脂皮膜中に分散して皮膜強度を向上させる。
有機系樹脂皮膜がバルブメタル化合物やリン酸塩を含む場合、通常は、めっき鋼板と有機系樹脂皮膜との間に界面反応層が形成される。界面反応層は、有機系塗料に含まれるフッ化物またはリン酸塩とめっき鋼板に含まれる金属またはバルブメタルとの反応生成物であるフッ化亜鉛、リン酸亜鉛、ならびにバルブメタルのフッ化物およびリン酸塩などからなる緻密層である。界面反応層は、優れた環境遮蔽能を有し、雰囲気中の腐食性成分がめっき鋼板に到達することを妨げる。一方、有機系樹脂皮膜では、バルブメタルの酸化物、バルブメタルの水酸化物、バルブメタルのフッ化物、リン酸塩などの粒子が有機樹脂マトリックス中に分散している。バルブメタルの酸化物などの粒子は、有機樹脂マトリックス中に三次元的に分散しているため、有機樹脂マトリックスを浸透してきた水分などの腐食性成分を捕捉することができる。その結果、有機系樹脂皮膜は、界面反応層に到達する腐食性成分を大幅に減少することができる。これら有機系樹脂皮膜および界面反応層により、優れた防食効果が発揮される。
たとえば、有機系樹脂皮膜は、柔軟性に優れるウレタン系樹脂を含むウレタン系樹脂皮膜である。ウレタン系樹脂皮膜を構成するウレタン系樹脂は、たとえば、ポリオールに由来する構成単位とポリイソシアネートに由来する構成単位とを有する。
ウレタン系樹脂皮膜を形成した後に、黒色の色調を付与するために水蒸気処理を行う場合、上記ポリオールに由来する構成単位は、エーテル系ポリオール(エーテル結合を含むポリオール)に由来する構成単位およびエステル系ポリオール(エステル結合を含むポリオール)に由来する構成単位を所定の割合で有することが好ましい。
上記エステル系ポリオールに由来する構成単位の割合を所定の範囲にすることで、ウレタン系樹脂中のエステル結合が水蒸気によって加水分解されにくくなるため、耐食性をより十分に向上させることができる。一方、上記エーテル系ポリオールに由来する構成単位の割合を所定の範囲にすることで、めっき鋼板との密着性をより高め、耐食性を十分に向上させることができる。そのため、エーテル系ポリオールに由来する構成単位およびエステル系ポリオールに由来する構成単位を所定の割合で含むウレタン系樹脂によれば、めっき鋼板の耐食性を顕著に向上させうる。このようなウレタン系樹脂皮膜を形成した後に、黒色の色調を付与するために水蒸気処理を行うと(後述)、ウレタン系樹脂皮膜による耐食性の向上効果が十分に発揮され、黒色の色調を有し、かつ耐食性に優れた黒色めっき鋼板となる。
上記エーテル系ポリオールの種類は、特に限定されず、公知のものから適宜選択すればよい。上記エーテル系ポリオールの例には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物のような直鎖状ポリアルキレンポリオールなどが含まれる。
上記エステル系ポリオールの種類も、特に限定されず、公知のものから適宜選択すればよい。たとえば、上記エステル系ポリオールとしては、二塩基酸および低分子ポリオールを反応させて得られる、分子鎖中にヒドロキシ基を有する線状ポリエステルを使用できる。二塩基酸の例には、アジピン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、イタコン酸、フマル酸、無水マレイン酸、または前記各酸のエステル類が含まれる。
上記エーテル系ポリオールに由来する構成単位の割合は、5〜30質量%であることが好ましい。エーテル系ポリオールに由来する構成単位の割合を5質量%以上にすることで、エステル系ポリオールに由来する構成単位の比率が過剰に高まらないため、ウレタン系樹脂皮膜が加水分解されにくくなり、耐食性を十分に向上させることができる。一方、エーテル系ポリオールに由来する構成単位の割合を30質量%未満にすることで、エーテル系ポリオールに由来する構成単位の比率が過剰に高まらないため、めっき鋼板との密着性が低下せず、耐食性を十分に向上させることができる。
上記ポリイソシアネートの種類は、特に限定されず、公知のものから適宜選択すればよい。たとえば、上記ポリイソシアネートとして、芳香族環を有するポリイソシアネート化合物を使用することができる。芳香族環を有するポリイソシアネート化合物の例には、ヘキサメチレンジイソシアネート、o−、m−またはp−フェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、芳香族環が水素添加された2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルー4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼンなどが含まれる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記のウレタン系樹脂皮膜は、多価フェノールをさらに含んでいることが好ましい。ウレタン系樹脂皮膜が多価フェノールを含む場合、めっき鋼板とウレタン系樹脂皮膜との界面に、これらを強固に密着させる多価フェノールの濃化層が形成される。したがって、ウレタン系樹脂皮膜に多価フェノールを配合することで、ウレタン系樹脂皮膜の耐食性をさらに向上させることができる。
多価フェノールの種類は、特に限定されず、公知のものから適宜選択すればよい。多価フェノールの例には、タンニン酸、没食子酸、ハイドロキノン、カテコール、フロログルシノールが含まれる。また、ウレタン系樹脂皮膜中の多価フェノールの配合量は、0.2〜30質量%の範囲内が好ましい。多価フェノールの配合量が0.2質量%未満である場合、多価フェノールの効果を十分に発揮させることができない。一方、多価フェノールの配合量が30質量%超である場合、塗料の安定性が低下するおそれがある。
有機系樹脂皮膜は、塗布層であってもよいし、ラミネート層であってもよい。黒色めっき鋼板の黒色外観を生かす観点からは、有機系樹脂皮膜はクリア塗膜であることが好ましい。
本発明の黒色めっき鋼板では、黒色の色調を付与する黒色酸化物が、めっき層の表面だけでなく内部にも存在する。したがって、本発明の黒色めっき鋼板は、めっき層の表面が削れても黒色の外観を維持することができ、黒色外観の保持性に優れている。
また、本発明の黒色めっき鋼板では、黒色の色調を付与する黒色酸化物が、1つの皮膜を形成することなくめっき層中に分散している。したがって、本発明の黒色めっき鋼板は、めっき層の密着性が低下することはなく、加工性に優れている。もちろん、本発明の黒色めっき鋼板は、通常の溶融Mg含有Znめっき鋼板と同様の優れた耐食性も有している。
また、本発明の黒色めっき鋼板は、塗膜を形成していないため、通常の溶融Mg含有Znめっき鋼板と同様にスポット溶接をすることも可能である。
また、本発明の黒色めっき鋼板は、めっき層が含有するAlの量が少ないため、より短時間でめっき層を十分に黒色化させることができる。
本発明の黒色めっき鋼板の製造方法は特に限定されないが、本発明の黒色めっき鋼板は例えば以下の方法により製造されうる。
2.黒色めっき鋼板の製造方法
本発明の黒色めっき鋼板の製造方法は、1)溶融Mg含有Znめっき鋼板を準備する第1のステップと、2)溶融Mg含有Znめっき鋼板を密閉容器中で水蒸気に接触させる第2のステップとを有する。さらに、任意のステップとして、第2のステップの前または後に3)溶融Mg含有Znめっき鋼板の表面に無機系皮膜または有機系樹脂皮膜を形成するステップを有していてもよい。
[第1のステップ]
第1のステップでは、前述の溶融Mg含有Znめっき鋼板を準備する。
溶融Mg含有Znめっき鋼板は、例えばMgの含有量が0.1〜48.0質量%であり、Alの含有量が1.0質量%未満であり、残部が実質的にZnの合金めっき浴を用いた溶融めっき法で製造されうる。このようにすることで、Mgの含有量が0.1〜48.0質量%、Alの含有量が0質量%以上1.0質量%未満、残部が実質的にZnのめっき層を形成することができる。また、状態図を参照して、生成させたい金属間化合物が生成される組成の合金めっき浴を用意することで、単一相で分布する金属間化合物を生成することができる。合金めっき浴には、Si、Ti、B、Ti−B合金、Ti含有化合物、B含有化合物を添加してもよい。めっきの方法は特に限定されないが、たとえば、めっき浴温を、図1から読み取れるそのめっき組成の液相線よりも40℃以上高くし、このとき好ましくは60℃以上は高くしないで、めっき後の冷却は空冷方式とし、めっき浴温からめっき層凝固までの平均冷却速度を5℃/秒以上50℃/秒以下とすることができる。溶融めっき法でめっき鋼板を製造することで、めっき層の厚みを3μm以上にして、黒色外観を保持しやすくし、かつ、耐食性を低下しにくくすることができる。
[第2のステップ]
第2のステップでは、第1のステップで準備しためっき鋼板を、酸素濃度が13%以下の密閉容器中で水蒸気に接触させて、めっき層を黒色化する。この工程により、めっき層表面の明度(L値)を40未満、好ましくは35以下にまで低下させることができる。めっき層表面の明度(L値)は、分光型色差計を用いて測定される。
密閉容器内の酸素濃度を13%以下にすることで、めっき層の表層に灰色を呈する塩基性炭酸亜鉛の形成を抑制することができる。具体的には、水蒸気処理中の酸素濃度は、13%以下であることが好ましい。雰囲気中の酸素濃度を下げる方法は、特に限定されない。たとえば、水蒸気の濃度(相対湿度)を上げてもよいし、容器内の空気を不活性ガスで置換してもよいし、容器内の空気を真空ポンプなどで除去してもよい。いずれの場合であっても、水蒸気処理は密閉容器内で行うことが必要である。
水蒸気をめっき層の表面全体に同程度に接触させ、黒色めっき層をより一様に黒色化するためには、水蒸気を吹き付けないことが好ましく、めっき層を静置した密閉容器中で水蒸気を循環させることがより好ましい。
(処理時間)
第1のステップで準備された溶融Mg含有Znめっき鋼板が有するめっき層は、Alの含有量が少ない。そのため、従来の方法よりも短い時間で、めっき層表面の外観を明度(L値)が40未満になるまで黒色化することができる。なお、明度(L値)が40未満になるまで黒色化するための処理時間は、処理温度および相対湿度により異なるため、任意に定めることができる。
(処理温度)
水蒸気処理の雰囲気温度は、50℃以上かつ350℃以下の範囲内が好ましい。水蒸気処理の雰囲気温度を50℃以上にすることで、黒色化速度を速め、生産性をより向上させることができる。また、密閉容器の中で水を100℃以上に加熱すると、容器内の圧力が1気圧以上となり、雰囲気中の酸素濃度を容易に下げることができるため、水蒸気処理の温度は100℃以上であることがより好ましい。一方、水蒸気処理の温度が350℃超の場合、黒色化速度が非常に速くなり、制御することが困難となる。また、水蒸気処理の温度が350℃超の場合、処理装置を大型にする必要があり、また、昇温および降温に要する時間を含む合計処理時間も長くなってしまうため、実用的でない。したがって、雰囲気中の酸素の除去および黒色化速度の制御の観点から、水蒸気処理の温度は、105℃以上かつ200℃以下の範囲内が特に好ましい。
容器内の圧力を大気圧以上として酸素の混入を抑制するために、不活性ガスを容器内に入れてもよい。不活性ガスの種類は、黒色化反応に無関係なものであれば特に限定されない。不活性ガスの例には、Ar、N、He、Ne、Kr、Xeなどが含まれる。これらの中では、安価に入手可能なAr、N、Heが好ましい。また、真空ポンプなどで容器内の空気を除去してから水蒸気処理を行ってもよい。
(相対湿度)
水蒸気処理中の水蒸気の相対湿度は、30%以上かつ100%以下の範囲内が好ましく、80%以上100%以下の範囲がより好ましい。水蒸気の相対湿度を30%以上にすることで、黒色化速度を速めて、生産性をより向上させることができる。水蒸気の相対湿度を80%以上にすることで、黒色化速度をより速めて、生産性をさらに向上させることができる。
水蒸気処理の処理時間は、水蒸気処理の条件(温度や相対湿度、圧力など)やめっき層中のMgの量、必要とする明度などに応じて適宜設定されうる。
(事前加熱)
また、水蒸気処理を行う前にめっき鋼板を加熱してめっき層中のZnMgをZn11Mgとすれば、めっき層が黒色外観になるまでの水蒸気処理の時間を短縮することができる。このときのめっき鋼板の加熱温度は、150〜350℃の範囲内が好ましい。加熱温度が150℃未満の場合、事前加熱によりZnMgをZn11Mgとするまでの処理時間が長くなるため、水蒸気処理の時間を短縮するメリットが得られない。一方、加熱温度が350℃超の場合、短時間でZnMgをZn11Mgに変化させることができるが、さらに反応が進むとめっき層の状態変化が進行して各相が分離した耐食性に劣るめっき層となってしまうおそれがあるため、事前加熱の制御が困難である。事前加熱の処理時間は、処理温度やめっき層中のMgの量などに応じて適宜設定すればよい。通常は、250℃で2時間程度加熱すればよい。
水蒸気処理は、コイル状に巻かれためっき鋼板、成形加工前の平板状のめっき鋼板、成形加工や溶接などを行った後のめっき鋼板のいずれに対して行ってもよい。
[任意のステップ]
第2のステップの前または後に任意に行われる任意のステップでは、溶融Mg含有Znめっき鋼板の表面に無機系皮膜または有機系樹脂皮膜を形成する。
無機系皮膜は、公知の方法で形成されうる。たとえば、バルブメタル化合物などを含む無機系塗料を、水蒸気に接触させる前または接触させた後の溶融Mg含有Znめっき鋼板の表面に塗布し、水洗せずに乾燥させればよい。塗布方法の例には、ロールコート法、スピンコート法、スプレー法などが含まれる。無機系塗料にバルブメタル化合物を添加する場合は、無機系塗料中においてバルブメタル化合物が安定して存在できるように、キレート作用のある有機酸を無機系塗料に添加してもよい。有機酸の例には、タンニン酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、乳酸および酢酸が含まれる。
有機系樹脂皮膜も、公知の方法で形成されうる。たとえば、有機系樹脂皮膜が塗布層である場合は、有機樹脂やバルブメタル化合物などを含む有機系塗料を、水蒸気に接触させる前または接触させた後の溶融Mg含有Znめっき鋼板の表面に塗布し、水洗せずに乾燥させればよい。塗布方法の例には、ロールコート法、スピンコート法、スプレー法などが含まれる。有機系塗料にバルブメタル化合物を添加する場合は、有機系塗料中においてバルブメタル化合物が安定して存在できるように、キレート作用のある有機酸を有機系塗料に添加してもよい。有機樹脂やバルブメタル化合物、フッ化物、リン酸塩などを含む有機系塗料をめっき鋼板の表面に塗布した場合、フッ素イオンやリン酸イオンなどの無機陰イオンとめっき鋼板に含まれる金属またはバルブメタルとの反応生成物からなる皮膜(界面反応層)がめっき鋼板の表面に優先的にかつ緻密に形成され、その上にバルブメタルの酸化物、バルブメタルの水酸化物、バルブメタルのフッ化物、リン酸塩などの粒子が分散した有機系樹脂皮膜が形成される。一方、有機系樹脂皮膜がラミネート層である場合は、めっき鋼板の表面にバルブメタル化合物などを含む有機樹脂フィルムを積層すればよい。
溶融Mg含有Znめっき鋼板を水蒸気に接触させる前に、溶融Mg含有Znめっき鋼板の表面に有機系樹脂皮膜を形成する場合、有機系樹脂皮膜は、前述のウレタン系樹脂皮膜であることが好ましい。ポリオールとして、エーテル系ポリオールおよびエステル系ポリオールを所定の割合で組み合わせて使用したウレタン系樹脂皮膜は、水蒸気処理を行っても耐食性の向上効果を維持することができる。したがって、任意のステップの後に第2のステップを行っても、黒色の色調を有し、かつ耐食性に優れた黒色めっき鋼板を製造することができる。
以上の手順により、めっき層を黒色化して、黒色外観の保持性および加工性に優れる黒色めっき鋼板を製造することができる。
本発明の製造方法は、水蒸気を用いて黒色化するため、環境に負荷をかけずに黒色めっき鋼板を製造することができる。
また、本発明の製造方法は、めっき層が含有するAlの量が少ないため、より短時間でめっき層を十分に黒色化させることができる。
以下、実施例を参照して本発明についてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
[実験例1]
(めっき鋼板の製造および測定)
板厚0.8mmのSPCCを基材として、めっき層の厚みが30μmの溶融Mg含有Znめっき鋼板を作製した。このとき、めっき浴の組成(Zn、Mg、Al、Si,TiおよびBの濃度)を変化させて、めっき層の組成およびめっき層の厚みがそれぞれ異なる31種類のめっき鋼板を作製した。作製した31種類のめっき鋼板のめっき浴の組成とめっき層の厚みを表1に示す。なお、めっき浴の組成とめっき層の組成は同一である。
(水蒸気処理および測定)
作製しためっき鋼板1枚を高温高圧湿熱処理装置(株式会社日阪製作所製)内に置き、表2または表3に示す条件でめっき層を水蒸気に接触させた。処理装置内の高温高圧湿熱処理において、溶融Mg含有Znめっき鋼板を水蒸気と接触させる条件は、次のように管理、測定した。温度は、高温高圧湿熱処理装置の中に置いた溶融Mg含有Znめっき鋼板の近傍に保護管付きの熱電対を差しこみ、その指示値を記録した。相対湿度は、湿球温度計で測定した。絶対圧力は、高温高圧湿熱処理装置の頂部に電流信号変換方式の小型圧力計を取り付け、その指示値を記録した。酸素濃度を測定するため、高温高圧湿熱処理装置と、弁およびパイプを介して連通している補助タンクを設置した。この補助タンクは、高温高圧湿熱処理装置(本体)と同様に加熱機構および冷却機構を備えている。補助タンクを本体と同じ温度に保ちつつ、弁を開けて連通パイプにより本体の雰囲気を補助タンクに分取した。その後、弁を閉め、補助タンクのみ常温まで冷却して水蒸気を凝縮させ、水蒸気を水として計量するとともに、残余のガスを分析して補助タンク内の酸素濃度を定量した。定量した酸素濃度は、計量した水量から本体での水蒸気濃度を求めて、本体での酸素濃度に換算した。
水蒸気処理後の各めっき鋼板(実施例1〜34、比較例1〜6)について、めっき層表面の明度(L値)を、分光型色差計(有限会社東京電色製、TC−1800)を用いて、JIS K 5600に準拠した分光反射測定法で測定した。測定条件を以下に示す。
光学条件: d/8°法(ダブルビーム光学系)
視野: 2度視野
測定方法: 反射光測定
標準光: C
表色系: CIELAB
測定波長: 380〜780nm
測定波長間隔: 5nm
分光器: 回折格子 1200/mm
照明: ハロゲンランプ(電圧12V、電力50W、定格寿命2000時間)
測定面積: 7.25mmφ
検出素子: 光電子増倍管(浜松ホトニクス株式会社製、R928)
反射率: 0−150%
測定温度: 23℃
標準板: 白色
水蒸気処理後の各めっき鋼板(実施例1〜34、比較例1〜6)について、明度(L値)が35以下の場合は「◎」、35超かつ40未満の場合は「○」、40以上かつ60以下の場合は「△」、60超の場合は「×」と評価した。
表2および表3に示されるように、比較例1〜5のめっき鋼板は、めっき層中に含有されるAl濃度が1.0質量%以上であるため、黒色化後のめっき層の明度(L値)が40未満にならなかった。これに対し、めっき層中に含有されるAl濃度が1.0質量%未満である実施例1〜34のめっき鋼板は、黒色化後のめっき層の明度(L値)が40未満となった。
また、Al濃度が1.0質量%以上である比較例6のめっき鋼板は、Al濃度が1.0質量%未満である実施例34のめっき鋼板よりも長時間の水蒸気処理をしなければ、めっき層の明度(L値)が40未満にならなかった。
以上のことから、本発明の組成を有するめっき層によれば、明度(L値)が40未満の黒色めっき鋼板をより短時間の水蒸気処理で製造できることがわかる。
[実験例2]
(電子顕微鏡写真の観察)
上記水蒸気処理後の実施例20(めっき鋼板No.20)および比較例3(めっき鋼板No.30)のめっき鋼板のめっき層の断面を、電子顕微鏡で写真撮影した。
図3Aは、実施例20のめっき層の断面を示す電子顕微鏡写真である。図3Aに示すように、この電子顕微鏡写真では、めっき層が全体的に黒色化していた。図3Bは、比較例3のめっき層の断面を示す電子顕微鏡写真である。図3Bに示すように、この電子顕微鏡写真では、黒色化した部分がめっき層に散在するのみだった。
(電子スピン共鳴(ESR)測定)
水蒸気処理前のNo.20のめっき鋼板のめっき層について、以下の条件により電子スピン共鳴(ESR)測定を行った。
装置: 日本電子株式会社製、電子スピン共鳴装置 JES-RE-2X
測定温度: 室温
周波数: 〜9.2GHz
マイクロ波出力: 2mW
中心磁場: 327mTおよび250mT
掃引幅: それぞれ前後に7.5mT、10mT、75mT、250mT
磁場掃引時間: 2.5分
磁場変調幅: 0.2mT
タイムコンスタント: 100m秒
水蒸気処理後のNo.20のめっき鋼板(実施例20)のめっき層についても、同じ条件でESR測定を行った。
図4Aは、上記水蒸気処理前のめっき層についてのESR測定により得られたスペクトルである。図4Aに示すように、このスペクトルには、大きなピークは見られなかった。そのため、このめっき層には不対電子がほとんど生じていないことがわかった。
図4Bは、上記水蒸気処理後のめっき層についてのESR測定により得られたスペクトルである。図4Bに示すように、このスペクトルには、6つの大きなピークが見られた。ピークの位置から、水蒸気処理後のZnMgには、不対電子が存在することがわかった。不対電子の存在は、欠陥を有する結晶構造が存在することを意味する。そのため、この不対電子は、水蒸気処理によりZnMgおよびZn11Mgから生じた酸素欠乏型の酸化物(ZnO1−x)によるものと推測された。
(X線回折(XRD)測定)
実験例1において、水蒸気処理前のNo.20のめっき鋼板のめっき層を粒径10μm以下に粉末化した。このようにして得られた粉末について、以下の条件によりX線回折(XRD)測定を行った。
装置: RINT2500(Rigaku)
出力: 40kV−100mA
ターゲット: Cr
光学系: 平行ビーム方式
測定時間: 1200秒
コリメータの直径サイズ: 0.3mm
図5は、上記XRD測定により得られたスペクトルである。図5に示すように、このスペクトルには、ZnMgに相当する回折ピーク(図中、白抜きの丸で示す)およびZn11Mgに相当する回折ピーク(図中、黒四角で示す)が見られた。そのため、このめっき層にはZnMgおよびZn11Mgが含まれることがわかった。
以上のことから、ZnMg相およびZn11Mg相などの、酸素欠乏型の酸化物(ZnO1−x)を発生させやすい相を有するめっき層を有するめっき鋼板を水蒸気処理すれば、めっき層を十分に黒色化して、明度(L値)が40以下の黒色めっき鋼板を製造できることが推測される。
[実験例3]
表1に記載のめっき鋼板No.2に、表4に示す無機系処理液を塗布し、水洗することなく電気オーブンに入れて、到達板温が120℃となる条件で加熱乾燥して、めっき鋼板の表面に無機系皮膜を形成した。
無機系皮膜を形成しためっき鋼板を高温高圧湿熱処理装置内に置き、表5に示す条件でめっき層を水蒸気に接触させた。
水蒸気処理後の各めっき鋼板(実施例35〜50)について、めっき層の断面を光学顕微鏡で観察したところ、めっき層が黒色化しているのが確認された。
水蒸気処理後の各めっき鋼板(実施例35〜50)について、めっき層表面の明度(L値)を、分光型色差計を用いて実施例1と同様の方法で測定した。また、水蒸気処理後の各めっき鋼板(実施例35〜40)について、耐食性試験も行った。耐食性試験は、JIS Z2371に準拠して35℃のNaCl水溶液を試験片に6時間噴霧することで行った。噴霧後の白錆発生面積率が0%の場合は「◎」、0%超かつ5%未満の場合は「○」、5%以上かつ10%未満の場合は「△」、10%以上の場合は「×」と評価した。
水蒸気処理後の各めっき鋼板のめっき層表面の明度、および耐食性試験の結果を表5に示す。
表5から、無機系皮膜を形成することで、黒色めっき鋼板の耐食性をより向上させうることがわかる。
[実験例4]
表5の実施例36の黒色めっき鋼板(L値:31)に、表6に示す有機系処理液を塗布し、水洗することなく電気オーブンに入れて、到達板温が160℃となる条件で加熱乾燥して、黒色めっき鋼板の表面に有機系樹脂皮膜を形成した。ウレタン樹脂は、APX−601(DIC株式会社)を使用した。エポキシ樹脂は、EM−0718(株式会社ADEKA)を使用した。アクリル樹脂は、SFC−55(DIC株式会社)を使用した。
有機系樹脂皮膜を形成した各めっき鋼板(実施例51〜66)について、耐食性試験および耐カジリ性試験を行った。耐食性試験は、JIS Z2371に準拠して実施例2と同様の方法で行った。耐カジリ性試験は、30mm×250mmの試験片に対してドロービード試験(ビード高さ:4mm、加圧力:3.0kN)を行い、試験後の摺動面を目視観察することで行った。摺動面における傷の発生面積率が0%(傷なし)の場合は「◎」、0%超かつ5%未満の場合は「○」、5%以上かつ10%未満の場合は「△」、10%以上の場合は「×」と評価した。
各めっき鋼板の耐食性試験の結果および耐カジリ性試験の結果を表7に示す。
表7から、有機系樹脂皮膜を形成することで、黒色めっき鋼板の耐食性および耐カジリ性をより向上させうることがわかる。
[実験例5]
表1のNo.2のめっき鋼板に、表8に示す有機系処理液を塗布し、水洗することなく電気オーブンに入れて、到達板温が160℃となる条件で加熱乾燥して、めっき鋼板の表面に有機系樹脂皮膜(ウレタン系樹脂皮膜)を形成した。エーテル系ポリオールは、ポリプロピレングリコールを使用した。エステル系ポリオールは、アジピン酸を使用した。ポリイソシアネートは、水添トリレンジイソシアネートを使用した。
有機系樹脂皮膜を形成しためっき鋼板を高温高圧湿熱処理装置内に置き、表9に示す条件でめっき層を水蒸気に接触させた。
水蒸気処理後の各めっき鋼板(実施例67〜89)について、めっき層表面の明度の測定および耐食性試験を10時間行った。めっき層表面の明度測定および耐食性試験方法は、実施例1と同様の方法により行った。
水蒸気処理後の各めっき鋼板のめっき層表面の明度および耐食性試験の結果を表9に示す。
本実施例では、溶融Al、Mg含有Znめっき鋼板に有機系樹脂皮膜を形成した後に、有機系樹脂皮膜を形成しためっき鋼板を水蒸気に接触させて黒色化した。この場合、有機系樹脂皮膜を形成しても耐食性を十分に向上させることができないことがある(実施例83〜89参照)。なお、本発明の無機系皮膜や有機系皮膜をめき層の上に形成しても、黒色化は抑制されない。これに対し、エーテル系ポリオールの割合が5〜30%となるようにエーテル系ポリオールとエステル系ポリオールを組み合わせてウレタン系樹脂皮膜を形成した実施例67〜82の黒色めっき鋼板は、耐食性が十分に向上していた。また、ウレタン系樹脂皮膜に多価フェノールを添加することで、バルブメタル化合物またはリン酸塩を添加した場合よりも、さらに耐食性を向上させうることがわかる(実施例77、82参照)。
本発明の黒色めっき鋼板は、意匠性、黒色外観の保持性および加工性に優れているため、例えば建築物の屋根材や外装材、家電製品、自動車などに使用されるめっき鋼板として有用である。

Claims (9)

  1. Mgの含有量が0.1〜48.0質量%であり、Alの含有量が1.0質量%未満である溶融Mg含有Znめっき層を有し、
    前記溶融Mg含有Znめっき層は黒色酸化物を含有しており、
    前記溶融Mg含有Znめっき層の表面の明度は、L値で40未満である、
    黒色めっき鋼板。
  2. 前記黒色酸化物は、前記溶融Mg含有Znめっき層中に単一相で分布している、請求項1に記載の黒色めっき鋼板。
  3. 前記黒色酸化物は、ZnMg相、ZnMg相、ZnMg相、ZnMg相、Zn11Mg2相およびZn相から選択される1または複数の相に由来するZnの酸化物または水酸化物である、請求項1または2に記載の黒色めっき鋼板。
  4. 前記溶融Mg含有Znめっき層の上に無機系皮膜をさらに有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の黒色めっき鋼板。
  5. 前記溶融Mg含有Znめっき層の上に有機系樹脂皮膜をさらに有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の黒色めっき鋼板。
  6. 前記有機系樹脂皮膜は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、W、SiおよびAlからなる群から選ばれる1種類または2種類以上のバルブメタルの酸化物、前記バルブメタルの酸素酸塩、前記バルブメタルの水酸化物、前記バルブメタルのリン酸塩および前記バルブメタルのフッ化物からなる群から選ばれる1種類または2種類以上の化合物を含む、請求項5に記載の黒色めっき鋼板。
  7. 前記有機系樹脂皮膜は、ラミネート層または塗布層である、請求項5または6に記載の黒色めっき鋼板。
  8. 前記有機系樹脂皮膜は、クリア塗膜である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の黒色めっき鋼板。
  9. Mgの含有量が0.1〜48.0質量%であり、Alの含有量が1.0質量%未満である溶融Mg含有Znめっき層を有する、溶融Mg含有Znめっき鋼板を準備し、
    前記溶融Mg含有Znめっき鋼板を、酸素濃度を13%以下に制御した密閉容器中で水蒸気に接触させる、
    黒色めっき鋼板の製造方法。

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