JP2017128426A - 回転体の溝部の摩耗検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転体が溝部に連設されたアンダーカット部を有するものにあって、撮像装置が撮影した画像により回転体の溝部の摩耗状況を把握できるようにする。
【解決手段】本発明は、乗りかご1とつり合い重り2を昇降させる主ロープ6が巻回されるシーブ溝7と、このシーブ溝7に連設されるアンダーカット部8とを有し、主ロープ6を移動させるシーブ5を備えたエレベーターに設けられ、シーブ5のシーブ溝7及びアンダーカット部8を撮影する撮像装置10を備え、撮像装置10で撮影された画像に基づいて、シーブ5のシーブ溝7の摩耗を検査する摩耗検査装置であって、シーブ5のアンダーカット部8の一部の領域を特殊カット部9に形成し、この特殊カット部9は、その縦断面の幅寸法が下端に行くにしたがって次第に小さくなる形状から成っている。
【選択図】図6
【解決手段】本発明は、乗りかご1とつり合い重り2を昇降させる主ロープ6が巻回されるシーブ溝7と、このシーブ溝7に連設されるアンダーカット部8とを有し、主ロープ6を移動させるシーブ5を備えたエレベーターに設けられ、シーブ5のシーブ溝7及びアンダーカット部8を撮影する撮像装置10を備え、撮像装置10で撮影された画像に基づいて、シーブ5のシーブ溝7の摩耗を検査する摩耗検査装置であって、シーブ5のアンダーカット部8の一部の領域を特殊カット部9に形成し、この特殊カット部9は、その縦断面の幅寸法が下端に行くにしたがって次第に小さくなる形状から成っている。
【選択図】図6
Description
本発明は、エレベーターに備えられる巻上機に取り付けられるシーブ等の回転体の溝部の摩耗検査装置に関する。
この種の従来技術が特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示された従来技術は、エレベーターの巻上機に取り付けられたシーブのシーブ溝の摩耗を検査するものである。特許文献1には、シーブ溝の摩耗を検査するために、シーブ溝を撮影することが可能な小型カメラを設けることが示唆されている。
特許文献1には開示されていないが、従来からシーブのシーブ溝に連設して主ロープとの間の摩擦力を大きくするエッジ部を形成するアンダーカット部を設けたものが知られている。アンダーカット部は、互いに一定間隔で対向する一対の鉛直壁と、これらの鉛直壁の下端に連設される底部とから構成されている。
特許文献1に開示が無いシーブのシーブ溝に連設されるアンダーカット部を備えたものにあって、シーブすなわち乗りかごを昇降させる主ロープを移動させる回転体を、特許文献1に示されるような小型カメラが撮影した画像によって、シーブのシーブ溝の摩耗に直接関係するアンダーカット部の形状変化を確認しようとしても、アンダーカット部の一対の鉛直壁間は、シーブ溝が摩耗したときでも一定間隔に保たれ続けるので、小型カメラの画像からアンダーカット部の経時的な形状変化、すなわちシーブのシーブ溝の摩耗状況を把握することは基本的に無理がある。
上記した課題を解決するために、本発明の目的は、回転体が溝部に連設されたアンダーカット部を有するものにあって、撮像装置が撮影した画像により回転体の溝部の摩耗状況を把握することができる回転体の溝部の摩耗検査装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る回転体の溝部の摩耗検査装置は、乗りかごとつり合い重りを昇降させる主ロープが巻回される溝部と、この溝部に連設されるアンダーカット部とを有し、前記主ロープを移動させる回転体を備えたエレベーターに設けられ、前記回転体の前記溝部及び前記アンダーカット部を撮影する撮像装置を備え、前記撮像装置で撮影された画像に基づいて、前記回転体の前記溝部の摩耗を検査する回転体の溝部の摩耗検査装置であって、前記回転体の前記アンダーカット部を特殊カット部に形成し、この特殊カット部は、その縦断面の幅寸法が下端に行くにしたがって次第に小さくなる形状から成ることを特徴としている。
本発明に係る回転体の溝部の摩耗検査装置は、撮像装置の回転体の溝部及び特殊カット部の撮影により、回転体の溝部の摩耗の進行に伴って、特殊カット部の縦断面の幅寸法が次第に小さくなる画像を得ることができる。したがって、撮像装置で撮影した画像を解析処理することにより、特殊カット部の形状変化に対応する回転体の溝部の摩耗状態を把握することができる。すなわち本発明は、回転体が溝部に連設されたアンダーカット部を有するものにあって、従来では困難であった撮像装置が撮影した画像により、回転体の溝部の摩耗状況を把握することができ、精度の高い回転体の溝部の摩耗検査を実現させることができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明に係る回転体の溝部の摩耗検査装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明に係る回転体の溝部の摩耗検査装置が設けられるエレベーターは例えば、昇降路内を昇降する乗りかご1と、この乗りかご1との重量バランスを確保するつり合い重り2と、これらの乗りかご1およびつり合い重り2を昇降させる主ロープ6とを備えている。
主ロープ6は、巻上機3に取り付けられたシーブ5、昇降路の天井部に配置される頂部プーリ4c1,4c2、乗りかご1の下部に設けられたかご下プーリ4a1,4a2、及びつり合い重り2に設けられたつり合い重りプーリ4bに掛け回されている。巻上機3の駆動によりシーブ5が回転し、主ロープ6を移動させる。すなわち、シーブ5は主ロープ6を移動させる本実施形態の対象とする回転体を構成している。
図5に示すように、シーブ5は、それぞれ主ロープ6が掛け回される複数連設されたものから成り、主ロープ6が巻回される溝部、すなわちシーブ溝7と、このシーブ溝7に連設されるアンダーカット部8とを有している。
アンダーカット部8は、互いに対向する一対の鉛直壁8aと、底部8bと、シーブ溝7との境界部を形成するエッジ部8cとを有する。このアンダーカット部8を設けたことにより、主ロープ6のシーブ溝7に対する食い込み力が強くなり、主ロープ6を安定して移動させることができる。
本実施形態は、シーブ5のそれぞれにおいて、図2,3に示した一部の設定領域Aのアンダーカット部を図4に示す特殊カット部9に形成してある。この特殊カット部9は、その縦断面の幅寸法が下端9cに行くにしたがって、次第に小さくなる形状から成っている。
すなわち、特殊カット部9は、シーブ溝7に連設される開口9aと、この開口9aに連設され、互いに対向する一対のテーパ部9bと、これらのテーパ部9bに連設される下端9cとを有し、縦断面の形状が逆三角形を形成するものから成っている。テーパ部9bの上端に、シーブ溝7との境界部であるエッジ部9dが形成されている。
また、図2に示すように、設定領域Aにおけるシーブ5のシーブ溝7及び特殊カット部9を撮影する撮像装置10と、この撮像装置10で撮影された画像を解析処理する画像処理装置11と、この画像処理装置11の解析結果を、例えばエレベーターを遠隔的に監視する監視センタに送信する発報装置12とを備えている。
前述した画像処理装置11は、シーブ5のシーブ溝7の摩耗が保守点検を要する第1閾値に至ったかどうか判別する第1判別部を有し、発報装置12は、第1判別部で第1閾値に至ったと判別されたとき、監視センタに警報信号を出力するものから成っている。
また、画像処理装置11は、1つのシーブ5と、他のシーブ5との摩耗量の差が第2閾値に至ったかどうか判別する第2判別部を有し、発報装置は、第2判別部で第2閾値に至ったと判別されたとき、監視センタに警報信号を出力するものから成っている。
このように構成した本実施形態は、撮像装置10のシーブ5のシーブ溝7及び特殊カット部9の撮影により、図6に示すようにシーブ5のシーブ溝7の経時的に生じる磨耗部20に伴って、特殊カット部9の縦断面の初期幅寸法W0に比べて次第に経時的幅寸法W1が小さくなる画像を得ることができ、本実施形態は、シーブ溝7の摩耗量を初期幅寸法W0と経時的幅寸法W1の差として捉えることができる。すなわち、画像処理装置11において、撮像装置10で撮影された画像に基づいて、W0−W1が演算され、この演算によって求められた差に対応するシーブ5の摩耗量が演算され、発報装置12から摩耗量に相応する信号が監視センタに送信される。これにより、監視センタは、シーブ5の摩耗状況を経時的に把握することができる。
また、1つのシーブ5において、W0−W1が第1閾値に至ったと画像処理装置11の第1判別部で判別されたとき、発報装置12から監視センタに警報信号が出力される。これにより監視センタは、該当するシーブ5の保守点検が必要になったことを把握することができる。
また、1つのシーブ5の摩耗量、すなわちW0−W1の第1の差S1と、他のシーブ5の摩耗量、すなわちW0−W1の第2の差S2との差が、第2閾値に至ったと画像処理装置11の第2判別部で判別されたとき、発報装置12から監視センタにそれぞれのシーブ5のシーブ溝7を許容値内に調整する作業が必要となる偏摩耗が生じている旨の警報信号が出力される。これにより監視センタは、シーブ5に生じた偏摩耗を解消させる作業が必要であることを把握できる。
以上のように本実施形態は、撮像装置10のシーブ溝7及び特殊カット部9の撮影により、シーブ5のシーブ溝7の摩耗の進行に伴って、特殊カット部9の縦断面の幅寸法が次第に小さくなる画像を得ることができる。したがって、撮像装置10で撮影した画像を解析処理することにより、特殊カット部9の形状変化に対応するシーブ5のシーブ溝7の摩耗状態を把握することができる。すなわち本実施形態は、シーブ5がシーブ溝7に連設されたアンダーカット部8を有するものにあって、撮像装置10が撮影した画像により、シーブ5の摩耗状況を把握することができ、精度の高いシーブ5のシーブ溝7の摩耗検査を実現させることができる。
なお、前述した実施形態は、シーブ5に特殊カット部9を設けることにより、シーブ5のシーブ溝7の摩耗検査を実施するものであるが、摩耗検査の対象となる回転体は、シーブ5には限られない。例えば図1に示す頂部プーリ4c1,4c2であってもよい。この場合には、頂部プーリ4c1,4c2に特殊カット部9を形成し、撮像装置10で頂部プーリ4c1,4c2の溝部と特殊カット部9を撮影することにより、頂部プーリ4c1,4c2の溝部の摩耗を高い精度で検査することができる。
本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前述した実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
1・・乗りかご、2・・つり合い重り、3・・巻上機、4c1,4c2・・頂部プーリ(回転体)、5・・シーブ(回転体)、6・・主ロープ、7・・シーブ溝(溝部)、8・・アンダーカット部、8a・・鉛直壁、8b・・底部、8c・・エッジ部、9・・特殊カット部、9a・・開口、9b・・テーパ部、9c・・下端、9d・・エッジ部、10・・撮像装置、11・・画像処理装置、12・・発報装置、20磨耗部、A・・設定領域、W0・・初期幅寸法、W1・・経時的幅寸法
Claims (8)
- 乗りかごとつり合い重りを昇降させる主ロープが巻回される溝部と、該溝部に連設されるアンダーカット部とを有し、前記主ロープを移動させる回転体を備えたエレベーターに設けられ、
前記回転体の前記溝部及び前記アンダーカット部を撮影する撮像装置を備え、前記撮像装置で撮影された画像に基づいて、前記回転体の前記溝部の摩耗を検査する回転体の溝部の摩耗検査装置であって、
前記回転体の前記アンダーカット部を特殊カット部に形成し、該特殊カット部の縦断面の幅寸法が下端に行くにしたがって次第に小さくなる形状から成ることを特徴とする回転体の溝部の摩耗検査装置。 - 請求項1に記載の回転体の溝部の摩耗検査装置において、
前記特殊カット部は、前記縦断面の形状が逆三角形を形成するものから成ることを特徴とする回転体の溝部の摩耗検査装置。 - 請求項2に記載の回転体の溝部の摩耗検査装置において、
前記特殊カット部を、前記回転体の周上の一部の領域に設けたことを特徴とする回転体の溝部の摩耗検査装置。 - 請求項1に記載の回転体の溝部の摩耗検査装置において、
前記回転体は、巻上機に取り付けられ前記巻上機を駆動するモータによって回転するシーブから成ることを特徴とする回転体の溝部の摩耗検査装置。 - 請求項1に記載の回転体の溝部の摩耗検査装置において、
前記回転体は、昇降路の天井部近傍に配置される頂部プーリから成ることを特徴とする回転体の溝部の摩耗検査装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の回転体の溝部の摩耗検査装置において、
前記撮像装置で撮影された画像を解析処理する画像処理装置と、該画像処理装置の解析結果を送信する発報装置とを備えたことを特徴とする回転体の溝部の摩耗検査装置。 - 請求項6に記載の回転体の溝部の摩耗検査装置において、
前記画像処理装置は、前記回転体の前記溝部の摩耗が保守点検を要する第1閾値に至ったかどうか判別する第1判別部を有し、前記発報装置は、前記第1判別部で前記第1閾値に至ったと判別されたとき、警報信号を出力するものから成ることを特徴とする回転体の溝部の摩耗検査装置。 - 請求項6に記載の回転体の溝部の摩耗検査装置において、
前記回転体は、複数連設された回転体から成り、
前記回転体のうちの1つの回転体と、他の回転体との摩耗量の差が第2閾値に至ったかどうか判別する第2判別部を有し、前記発報装置は、前記第2判別部で前記第2閾値に至ったと判別されたとき、警報信号を出力するものから成ることを特徴とする回転体の溝部の摩耗検査装置。
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JP2016009922A JP2017128426A (ja) | 2016-01-21 | 2016-01-21 | 回転体の溝部の摩耗検査装置 |
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JP (1) | JP2017128426A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019043724A (ja) * | 2017-09-01 | 2019-03-22 | 東芝エレベータ株式会社 | エレベータシステム |
CN112797919A (zh) * | 2021-01-29 | 2021-05-14 | 广东省特种设备检测研究院珠海检测院 | 一种电梯曳引轮轮槽三维尺寸检测方法 |
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2016
- 2016-01-21 JP JP2016009922A patent/JP2017128426A/ja active Pending
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