JP2017127772A - 遊技機 - Google Patents

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勝貴 早川
Katsutaka Hayakawa
勝貴 早川
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Abstract

【課題】小型化を図ることができる遊技機を提供すること。
【解決手段】右回転ユニット600は、第1溝635及び第2溝641bが厚み方向に重ね合わされた(重畳された)姿勢で、第1変位部材630及び第2変位部材640が正面ベース620の正面側に配設されるので、第1溝および第2溝が同一平面内で並設される従来品の場合と比較して、これら第1溝635及び第2溝641b(即ち、第1変位部材630及び第2変位部材640)の配設に要する平面スペースを抑制することができる。その結果、正面視における外形(平面スペース)の小型化を図ることができる。
【選択図】図11

Description

本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機において、第1変位部材および第2変位部材を第1溝および第2溝を介して伝達部材で駆動する遊技機がある(特許文献1)。
特開2009−100994号公報
しかしながら、上述した従来の遊技機では、大型化するという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、小型化を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される第1変位部材および第2変位部材と、それら第1変位部材および第2変位部材に駆動力を伝達する伝達部材と、その伝達部材に駆動力を付与する駆動手段とを備えるものであり、前記伝達部材は、駆動ピンを備え、前記第1変位部材および第2変位部材は、第1溝および第2溝をそれぞれ備え、前記第1溝は、前記駆動ピンから作用を受ける作用区間と、前記駆動ピンが干渉しない非干渉区間とを備え、前記第2溝は、前記駆動ピンから作用を受ける作用区間を少なくとも備え、前記第1溝および第2溝が重ね合わされてそれら第1溝および第2溝に前記駆動ピンが挿通された姿勢で前記第1変位部材および第2変位部材が前記ベース部材に配設される。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記第2変位部材は、前記第1変位部材の背面に変位可能に配設されると共に前記第2溝が形成される被駆動部材と、その被駆動部に連結されると共に前記第1変位部材の背面に変位可能に配設され装飾部分を有する連結変位部材とを備える。
請求項3記載の遊技機は、請求項2記載の遊技機において、前記第2変位部材は、前記被駆動部材と前記連結変位部材とが重ね合わされた姿勢を形成可能とされる。
請求項1記載の遊技機によれば、小型化を図ることができる。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、大きく相対変位させることができる。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項2記載の遊技機の奏する効果に加え、小型化を図ることができる。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 動作ユニットの正面斜視図である。 動作ユニットの分解正面斜視図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 回転体昇降ユニットの正面図である。 回転体昇降ユニットの分解正面斜視図である。 回転体昇降ユニットの分解背面斜視図である。 中央ユニットの分解正面斜視図である。 中央ユニットの分解背面斜視図である。 左ユニットの分解正面斜視図である。 左ユニットの分解背面斜視図である。 右ユニットの分解正面斜視図である。 収容体の分解正面斜視図である。 (a)は、図17の矢印XVIIIa方向視における収容体の側面図であり、(b)は、図18(a)の矢印XVIIIb方向視における収容体の正面図である。 第1回転体の分解正面斜視図である。 第1回転体および第2回転体の図形の組み合わせを示すテーブルである。 第1回転体および第2回転体が回転される際の遷移状態を示す第1回転体および第2回転体の側面模式図である。 第1回転体および第2回転体が回転される際の遷移状態を示す第1回転体および第2回転体の側面模式図である。 発光装飾ユニットの正面図である。 発光装飾ユニットの分解正面斜視図である。 発光装飾ユニットの分解背面斜視図である。 (a)は、退避位置に配置された状態における中央回転ユニットの正面図であり、(b)は、張出位置に配置された状態における中央回転ユニットの正面図である。 中央回転ユニットの分解正面斜視図である。 中央回転ユニットの分解背面斜視図である。 右回転ユニットの分解正面斜視図である。 右回転ユニットの分解背面斜視図である。 右回転ユニットの分解背面斜視図である。 (a)は、連結変位部材の正面図であり、(b)は、図32(a)の矢印XXXIIb方向視における連結変位部材の側面図であり、(c)は、図32(a)のXXXIIa−XXXIIa線における連結変位部材の断面図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの正面図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの正面図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの背面図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの背面図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの背面模式図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの背面模式図である。 (a)は、正面ベース及び連結変位部材の位置関係を説明するための正面模式図であり、(b)は、図39(a)のXXXIXb−XXXIXb線における正面ベース及び連結変位部材の断面模式図である。 (a)は、正面ベース及び第1変位部材の位置関係を説明するための正面模式図であり、(b)は、図40(a)の矢印XLb方向視における正面ベース及び第1変位部材の側面模式図であり、(c)は、図40(a)のXLc−XLc線における正面ベース及び第1変位部材の断面模式図である。 左回転ユニットの分解正面斜視図である。 左回転ユニットの分解背面斜視図である。 左回転ユニットの部分分解斜視図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における左回転ユニットの正面図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における左回転ユニットの背面図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における左回転ユニットの背面模式図である。 ベース側係合部材及び変位側係合部材による係合作用を説明するための左回転ユニットの断面図である。 (a)は、図47(c)のXLVIII部における第1変位部材及び第2変位部材の部分拡大図であり、(b)は、図48(a)の矢印XLVIIIb方向視における第1変位部材及び第2変位部材の側面図である。 入賞装置の分解正面斜視図である。 入賞装置の分解背面斜視図である。 (a)は、入賞装置の正面図であり、(b)は、入賞装置の背面図であり、(c)は、入賞装置の上面図である。 (a)及び(b)は、図51のLIIa−LIIa線における入賞装置の断面図である。 (a)は、図52(a)のLIIIa−LIIIa線における入賞装置の断面模式図であり、(b)は、図52(b)のLIIIb−LIIIb線における入賞装置の断面模式図である。 図52(b)のLIV−LIV線における入賞装置の部分拡大断面図である。 入賞装置の背面模式図である。 図2のLVI部を部分的に拡大した遊技盤の部分拡大図である。 図2のLVI部を部分的に拡大した遊技盤の部分拡大図である。 センターフレームの正面斜視図である。 領域形成部の正面図である。 図59のLX−LX線における領域形成部の断面図である。 第2実施形態における遊技盤の正面図である。 第3実施形態における右回転ユニットの分解正面斜視図である。 右回転ユニットの分解背面斜視図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの正面図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの正面図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの背面模式図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの背面模式図である。 第4実施形態における右回転ユニットの分解正面斜視図である。 右回転ユニットの分解背面斜視図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの正面図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの正面図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの背面模式図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの背面模式図である。 第5実施形態における右回転ユニットの分解正面斜視図である。 右回転ユニットの分解背面斜視図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの正面図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの正面図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの背面模式図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの背面模式図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの上面図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの上面図である。 第6実施形態における右回転ユニットの分解正面斜視図である。 右回転ユニットの分解背面斜視図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの正面図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの正面図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの背面模式図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの背面模式図である。 (a)から(c)は、第4実施形態における右回転ユニットの正面模式図であり、(d)から(g)は、第6実施形態における右回転ユニットの正面模式図である。 第7実施形態における右回転ユニットの分解正面斜視図である。 右回転ユニットの分解背面斜視図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの正面図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの正面図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの背面模式図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの背面模式図である。 第8実施形態における左回転ユニットの分解正面斜視図である。 左回転ユニットの分解背面斜視図である。 案内部の正面図である。 退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニットの正面図である。 退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニットの正面図である。 退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニットの背面模式図である。 退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニットの背面模式図である。 張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニットの正面図である。 張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニットの正面図である。 張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニットの背面模式図である。 張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニットの背面模式図である。 第9実施形態における左回転ユニットの分解正面斜視図である。 左回転ユニットの分解背面斜視図である。 退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニットの正面図である。 退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニットの正面図である。 退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニットの背面模式図である。 退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニットの背面模式図である。 張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニットの正面図である。 張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニットの正面図である。 張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニットの背面模式図である。 張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニットの背面模式図である。 第10実施形態における左回転ユニットの背面模式図である。 (a)は、保持器の正面図であり、(b)は、(a)のCXVIIb−CXVII線bにおける保持器の断面図であり、(c)は、(a)のCXVIIc−CXVIIc線における保持器の断面図である。 退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニットの背面模式図である。 退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニットの背面模式図である。 張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニットの背面模式図である。 張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニットの背面模式図である。 第11実施形態における左回転ユニットの分解背面斜視図である。 退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニットの正面図である。 退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニットの正面図である。 退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニットの背面模式図である。 退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニットの背面模式図である。 張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニットの正面図である。 張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニットの正面図である。 張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニットの背面模式図である。 張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニットの背面模式図である。 第12実施形態における左回転ユニットの部分分解斜視図である。 (a)は、正面ベースの部分拡大正面図であり、(b)は、(a)におけるCXXXIIb−CXXXIIb線における正面ベースの断面図である。 ベース側係合部材および変位側係合部材による係合作用を説明するための左回転ユニットの部分断面模式図である。 第13実施形態における左回転ユニットの部分分解斜視図である。 (a)は、正面ベースの部分拡大正面図であり、(b)は、(a)におけるCXXXVb−CXXXVb線における正面ベースの断面図である。 正面ベースおよび変位側係合部材による係合作用を説明するための左回転ユニットの部分断面模式図である。 第14実施形態における左回転ユニットの部分分解斜視図である。 (a)は、第2変位部材が退避位置に配置された状態における左回転ユニットの部分拡大正面図であり、(b)は、(a)のCXXXVIIIb−CXXXVIIIb線における左回転ユニットの部分拡大断面模式図である。 (a)は、第2変位部材が張出位置に配置された状態における左回転ユニットの部分拡大正面図であり、(b)は、(a)のCXXXIXb−CXXXIXb線における左回転ユニットの部分拡大断面模式図である。 第15実施形態における左回転ユニットの部分分解斜視図である。 (a)は、正面ベースの部分拡大正面図であり、(b)は、(a)におけるCXLIb−CXLIb線における正面ベースの断面図である。 ベース側係合部材および変位側係合部材による係合作用を説明するための左回転ユニットの部分断面模式図である。 第16実施形態における左回転ユニットの部分分解斜視図である。 (a)は、正面ベースの部分拡大正面図であり、(b)は、(a)におけるCXLIVb−CXLIVb線における正面ベースの断面図である。 正面ベース(開口)および変位側係合部材による係合作用を説明するための左回転ユニットの部分断面模式図である。 第17実施形態における左回転ユニットの部分分解斜視図である。 背面ベースおよび変位側係合部材による係合作用を説明するための左回転ユニットの上面模式図である。 第18実施形態における右回転ユニットの分解斜視図である。 張出位置から退避位置へ向けて動作する際の前半区間での各状態における右回転ユニットの正面図である。 張出位置から退避位置へ向けて動作する際の前半区間での各状態における右回転ユニットの背面図である。 張出位置から退避位置へ向けて動作する際の前半区間での各状態における右回転ユニットの背面模式図である。 第19実施形態における右回転ユニットの分解正面斜視図である。 右回転ユニットの分解背面斜視図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの正面図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの正面図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの背面模式図である。 退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニットの背面模式図である。 張出位置から退避位置へ向けて動作する際の前半区間での各状態における右回転ユニットの正面図である。 張出位置から退避位置へ向けて動作する際の前半区間での各状態における右回転ユニットの背面図である。 張出位置から退避位置へ向けて動作する際の前半区間での各状態における右回転ユニットの背面模式図である。 第20実施形態における入賞装置の分解正面斜視図である。 (a)は、シーソー部材が第1状態を形成した状態における入賞装置の断面図であり、(b)は、シーソー部材が第2状態を形成した状態における入賞装置の断面図である。 (a)及び(b)は、第21実施形態における入賞装置の部分拡大断面図である。 (a)及び(b)は、第22実施形態における入賞装置の部分拡大断面図である。 (a)及び(b)は、入賞装置の部分拡大断面図である。 第23実施形態における入賞装置の分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、入賞装置の部分拡大断面図である。 (a)及び(b)は、入賞装置の部分拡大断面図である。 第24実施形態における入賞装置の分解正面斜視図である。 入賞装置の分解背面斜視図である。 (a)は、回転軸の正面図であり、(b)は、(a)の矢印CLXXIb方向視における回転軸の側面図である。 (a)は、シーソー部材が第1状態を形成した状態における入賞装置の断面図であり、(b)は、シーソー部材が第2状態を形成した状態における入賞装置の断面図である。 (a)は、図172(a)におけるCLXXIIIa−CLXXIIIa線における入賞装置の断面図であり、(b)は、図172(b)におけるCLXXIIIb−CLXXIIIb線における入賞装置の断面図である。 第25実施形態における入賞装置の分解正面斜視図である。 入賞装置の分解背面斜視図である。 (a)は、シーソー部材が第1状態を形成した状態における入賞装置の断面図であり、(b)は、シーソー部材が第2状態を形成した状態における入賞装置の断面図である。 (a)は、図176(a)におけるCLXXVIIa−CLXXVIIa線における入賞装置の断面図であり、(b)は、図176(a)におけるCLXXVIIb−CLXXVIIb線における入賞装置の断面図であり、(c)は、図176(b)におけるCLXXVIIc−CLXXVIIc線における入賞装置の断面図であり、(d)は、図176(b)におけるCLXXVIId−CLXXVIId線における入賞装置の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図60を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14および下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14および下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラス16aを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、第3入賞口82、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、第2スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、第3入賞口82、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640および第3入賞口82へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640および第3入賞口82へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、本パチンコ機10では、第1入賞口64,第2入賞口640,第3入賞口82,のいずれかに入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640および第3入賞口82に付随する第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640および第3入賞口82に付随する第1電動役物640aおよび第2電動役物82aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640および第3入賞口82に付随する第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放される時間および1回の当たりで第1電動役物640a及び第2電動役物82aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640および第3入賞口82に付随する第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放される時間や、1回の当たりで第1電動役物640aおよび第2電動役物82を開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64、第2入賞口640、第3入賞口82のいずれかの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第1スルーゲート66および第2スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。また、後述する回転体昇降ユニット300,中央遊動ユニット400および左右回転ユニット500が動作されると、それらの相対変位部材450や従動部材560の少なくとも一部がセンターフレーム86の開口部内に張り出し、開口部を介して視認可能とされる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中および下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球が第1スルーゲート66および第2スルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が第1スルーゲート66および第2スルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640および第3入賞口82に付随された第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640および第3入賞口82の第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する第1電動役物640aおよび第2電動役物82aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640および第3入賞口へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する第1電動役物640aおよび第2電動役物82aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
第1スルーゲート66は、可変表示装置ユニット80の左側の領域において遊技盤に組み付けられ、第2スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の右側の領域において遊技盤に組み付けられる。第1スルーゲート66および第2スルーゲート67は、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤を流下する球の一部が通過可能に構成されている。第1スルーゲート66および第2スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の第1スルーゲート66および第2スルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第1スルーゲート66および第2スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートの組み付け数は2つに限定されるものではなく、3つ以上の複数であっても良い。また、スルーゲートの組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右両側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。また、第1入賞口64の正面視右方には、第3入賞口82が配設されている。これら、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64,第2入賞口640,第3入賞口82は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には第1電動役物640aが付随されている。この第1電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は第1電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、第1スルーゲート66への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、第1電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
また、第3入賞口82には第2電動役物82aが付随されている。この第2電動役物82aは開閉可能に構成されており、通常は第2電動役物82aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第3入賞口82へと入賞しにくい状態となっている。一方、第2スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、第2電動役物82aが開放状態(拡大状態)となり、球が第3入賞口82へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中または時短中は、第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中または時短中は、通常時と比して、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640および第3入賞口82にあるような第1電動役物640aおよび第2電動役物82aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640および第3入賞口82に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640および第3入賞口82に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、第2スルーゲート67に球を通過させることで、第3入賞口82に付随する第2電動役物82aが開放状態となりやすく、第3入賞口82に入賞しやすい状態であるので、第3入賞口82へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2スルーゲート67を通過させて第2電動役物82aを開放状態にすると共に、第3入賞口82への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
なお、上記した形態に限らず、第1スルーゲート66および第2スルーゲート67のどちらかは、球が通過した場合、第2図柄とは別の図柄の当たり抽選をしてもよく、その別の図柄の抽選によって、第3入賞口82に付随する第2電動役物82aまたは、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aが開放状態に変位するものとしてもよい。この場合、第1スルーゲート66と第2スルーゲート67に球が通過することで抽選する図柄は異なるため、第1スルーゲート66および第2スルーゲート67を球が通過して開放する電動役物はどちらか一方ずつに選択されることになる。
これにより、例えば、第2図柄に当たりが選択されると第2電動役物82aが開放するとした場合、球を右打ちして第2スルーゲート67を通過させると、第2図柄が抽選され、第2図柄の抽選に当たりが選択されると第2電動役物82aが開放し、球を左打ちして第1スルーゲート66を通過させると、第2図柄とは別の図柄が抽選され、第2図柄とは別の図柄に当たりが選択されると第1電動役物640aが開放する遊技状態とできる。
よって、確変中に第2図柄の抽選が当たり易い遊技状態とし、時短中には第2図柄とは別の図柄が当たりやすい遊技状態とすると、確変中は、右打ちして第2スルーゲート67を通過させ第2電動役物82aを開放して球を入賞させ易い遊技状態と、時短中は、左打ちして第1スルーゲート66を通過させ第1電動役物を開放して球を入賞し易い遊技状態にできる。そのため、通常中と時短中と確変中の遊技状態をそれぞれ違った遊技状態にできるので、遊技者にそれぞれの遊技状態を楽しませることができる。
また、他には、第2図柄に当たりが選択されると第2電動役物82aが開放するとした場合、球を右打ちして第2スルーゲート67を通過させると、第2図柄とは別の図柄が抽選され、第2図柄とは別の図柄の抽選に当たりが選択されると第1電動役物640aが開放し、球を左打ちして第1スルーゲート66を通過させると、第2図柄が抽選され、第2図柄に当たりが選択されると第2電動役物82aが開放する遊技状態にもできる。
この場合は、確変中および時短中にかかわらず、右打ちして球が第2スルーゲート67を通過すると第1電動役物を開放し、球を第2入賞口640に入賞し易い遊技状態と、左打ちして球が第1スルーゲート66を通過すると第2電動役物82aを開放し球を第3入賞口82に入賞し易い遊技状態とできる。よって、遊技者は、右打ちから左打ちまたは、左打ちから右打ちといった打ち方の変更をする必要がある。そのため、遊技者に対して、随時打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の右側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64,第2入賞口64,第3入賞口82,のいずれかの入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の上方右側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640,82,にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114、払出制御装置111および発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)および基板ボックス102(払出制御装置111および発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、駆動モータ420,530,630が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113および第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201および払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110および払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110および払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110および払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図8を参照して、動作ユニット200の概略構成について説明する。図5は、動作ユニット200の正面斜視図であり、図6は、動作ユニット200の分解正面斜視図である。また、図7及び図8は、動作ユニット200の正面図である。
なお、図7では、回転体昇降ユニット300が下降位置に、中央回転ユニット500、右回転ユニット600及び左回転ユニット700が張出位置に、それぞれ配置された状態が図示され、図8では、回転体昇降ユニット300が上昇位置に、中央回転ユニット500、右回転ユニット600及び左回転ユニット700が退避位置に、それぞれ配置された状態が図示される。
図5から図8に示すように、動作ユニット200は、箱状に形成される背面ケース210を備え、その背面ケース210の内部空間には、その下方に回転体昇降ユニット300が、上方に発光装飾ユニット400及び中央回転ユニット500が、左右に右回転ユニット600及び左回転ユニット700が、それぞれ配設される。
背面ケース210は、底壁部211及びその底壁部211の外縁から立設される外壁部212を備え、これら各壁部211,212により一面側(図6紙面左手前側)が開放された箱状に形成される。背面ケース210の底壁部211には、その中央に矩形状の開口211aが開口形成され、背面ケース210が正面視矩形の枠状に形成される。なお、開口211aは、第3図柄表示装置81(図2参照)の外形に対応した(即ち、第3図柄表示装置81を配設可能な)大きさに形成される。
回転体昇降ユニット300は、複数(本実施形態では3個)が幅方向に並設される箱状の収容体330と、それら各収容体330にそれぞれ収容される複数(本実施形態では2個)の回転体(第1回転体340a及び第2回転体340b)とを主に備える。
複数の収容体330は、それぞれ独立して上下方向(図7及び図8の上下方向)に昇降可能に形成される。この場合、下降位置では(図7参照)、第1回転体340a及び第2回転体340bが遊技盤13の背面側に配置され遊技者から視認不能とされる。一方、上昇位置では(図8参照)、第1回転体340a及び第2回転体340bが遊技盤13(センターフレーム86)の開口部まで上昇され、かかる開口部を介して遊技者が視認可能とされる。
第1回転体340a及び第2回転体340bは、収容体330に回転可能に軸支され、その回転により外周面に描かれた複数(本実施形態では3個)の図形を順に遊技者に視認させる。なお、第1回転体340a及び第2回転体340bは、断面三角形の柱状体として形成され、外周の3面にそれぞれ異なる図形が描かれる。
本実施形態では、第1回転体340a及び第2回転体340bの駆動源を1の駆動モータ350で共用して、部品コストを削減可能としつつも、これら第1回転体340a及び第2回転体340bの図形の組み合わせを変更可能として、合計9種類の組み合わせを遊技者に視認させることができる(図20参照)。なお、詳細については後述する。
発光装飾ユニット400は、ベース体410と、そのベース体410の中央部分に配設される発光装置420とを主に備え、発光装置420の内部に配設された複数のLED421から発光する光の態様(例えば、照射するLED421の数)を変更することで、発光による演出を行う。なお、詳細については後述する。
中央回転ユニット500は、背面ベース510と、その背面ベース510に基端側が回転可能に軸支される一対の変位部材530とを備え、発光装飾ユニット400の背面側に配設される。一対の変位部材530は、遊技盤13(センターフレーム86)の開口部内に張り出す張出位置(図7参照)と、発光装飾ユニット400の背面側に退避して遊技者から視認不能とされる退避位置(図8参照)との間で回転される。なお、詳細については後述する。
右回転ユニット600は、回転体昇降ユニット300の正面ベース315の前面に配設されるベース体(背面ベース610及び正面ベース620)と、そのベース体に基端側が回転可能に軸支される変位部材(第1変位部材630及び第2変位部材640)とを備える。一方、左回転ユニット700は、回転体昇降ユニット300の正面ベース317の前面に配設されるベース体(背面ベース610及び正面ベース620)と、そのベース体に基端側が回転可能に軸支される変位部材(第1変位部材630及び第2変位部材640)とを備える。各変位部材は、遊技盤13(センターフレーム86)の開口部内に張り出す張出位置(図7参照)と、遊技盤13の背面側に退避して遊技者から視認不能とされる退避位置(図8参照)との間で回転される。なお、詳細については後述する。
次いで、図9から図60を参照して、回転体昇降ユニット300、発光装飾ユニット400、中央回転ユニット500、右回転ユニット600及び左回転ユニット700の詳細構成を説明する。まず、図9から図22を参照して、回転体昇降ユニット300の詳細構成について説明する。
図9は、回転体昇降ユニット300の正面図である。また、図10は、回転体昇降ユニット300の分解正面斜視図であり、図11は、回転体昇降ユニット300の分解背面斜視図である。
図9から図11に示すように、回転体昇降ユニット300は、中央の収容体330を昇降させるための中央ユニット300Cと、左右の収容体330をそれぞれ昇降させるための左ユニット300L及び右ユニット300Rとの3ユニットから形成される。左ユニット300Lは、中央ユニット300Cの前面側に重ね合わされ、右ユニット300Rは、中央ユニット300Cの右側端部に連結され、これにより、3個の収容体330が幅方向に並設される。
ここで、図12から図19を参照して、中央ユニット300C、左ユニット300L及び右ユニット300Rの詳細構成について説明する。まず、中央ユニット300Cについて、図12及び図13を参照して説明する。図12は、中央ユニット300Cの分解正面斜視図であり、図13は、中央ユニット300Cの分解背面斜視図である。
図12及び図13に示すように、中央ユニット300Cは、正面視L字状の背面ベース311と、その背面ベース311の正面側に重ね合わされる正面ベース312と、その正面ベース312の正面側に配設される駆動モータ320と、その駆動モータ320の駆動力により背面ベース311及び正面ベース312に対して昇降される収容体330と、その収容体330に収容される第1回転体340a及び第2回転体340bと、背面ベース311及び正面ベース312の対向面間に収容され駆動モータ320の駆動力を収容体330に伝達する伝達機構と、を主に備える。
中央ユニット300Cにおける伝達機構は、駆動モータ320の駆動軸に固着される駆動ギヤ321と、その駆動ギヤ321に歯合される伝達ギヤ322と、その伝達ギヤ322に歯合されるピニオンギヤ323と、そのピニオンギヤ323に歯合されると共に平板状の部材の側面に歯切りがされたラックとして形成されるラックギヤ324と、そのラックギヤ324が一側に配設されると共に他側に収容体330が配設される連結部材325とを備える。
背面ベース311の正面には、一対の軸が突設され、これら各軸に伝達ギヤ322及びピニオンギヤ323が回転可能に軸支される。また、背面ベース311の正面には、スライドガイド351,352が案内方向を上下方向(図12上下方向)とする姿勢で平行に配設され、これらスライドガイド351,352によって連結部材325(ラックギヤ324)及び収容体330が上下方向に案内される。即ち、連結部材325及び収容体330の移動方向が上下方向に規制される。
よって、駆動モータ320の回転駆動力が、駆動ギヤ321及び伝達ギヤ322を介してピニオンギヤ323に伝達され、ピニオンギヤ323が回転されると、そのピニオンギヤ323の回転運動がラックギヤ324の直線運動に変換され、そのラックギヤ324の直線運動に伴って、連結部材325と共に収容体330が上下方向に変位(昇降)される(図7及び図8参照)。
この場合、連結部材325は、ラックギヤ324が配設される縦長形状の部分と、収容体330が配設される縦長形状の部分とを、それらの下端側どうしを横長形状の部分で連結することで、正面視コ字状に形成される。これにより、左の収容体330が下降位置に配置された状態で、中央の収容体330が上昇位置に配置された場合でも、連結部材325の横長形状の部分を正面ベース312の背面に位置させ、遊技者から視認されることを回避できる。
なお、スライドガイド351は、背面ベース311の正面に形成される案内溝と、その案内溝に沿って摺動可能に形成されると共に連結部材325の背面に固着される摺動体とからなる直線案内機構として形成される。後述する左ユニット300L及び右ユニット300Rにおいても同様である。また、スライドガイド352は、背面ベース311に固着される第1レールと、連結部材325又は収容体330に固着される第2レールと、それら第1レール及び第2レールの間に介在され両者の長手方向への相対変位を許容するための中間レールとからなる伸縮式の直線案内機構として形成される。
ここで、中央の収容体330の側方(図12左側)には、左の収容体330が並設されることから(図9参照)、その分、連結部材325の横幅(図12左右方向)寸法が長くなる。更に、上述した通り、遊技者からの視認を回避するために、横長形状の部分が介在されるため、連結部材325が正面視コ字状に形成され、その剛性が低下される。そのため、中央の収容体330の姿勢が不安定となりやすい(左右方向への揺れが発生しやすい)。
これに対し、本実施形態では、中央の収容体330の背面側には、伸縮式の直線案内機構(スライドガイド352)を配設するので、中央の収容体330が上昇位置に配置された状態でも、伸長したスライドガイド352により左右方向への揺れを規制して、中央の収容体330の姿勢を安定させることができる。一方で、中央の収容体330が下降位置に配置された状態では(図9参照)、スライドガイド352を短縮させ、遊技者から視認されることを回避できる。
次いで、左ユニット300Lについて、図14及び図15を参照して説明する。図14は、左ユニット300Lの分解正面斜視図であり、図15は、左ユニット300Lの分解背面斜視図である。
図14及び図15に示すように、左ユニット300Lは、正面視縦長に形成され中央ユニット300Cの正面ベース312(図12参照)の正面に配設される背面ベース313と、その背面ベース313の正面側に重ね合わされる中間ベース314と、その中間ベース314の正面側に重ね合わされる正面ベース315と、中間ベース314の背面側に配設される駆動モータ320と、その駆動モータ320の駆動力により各ベース313〜315に対して昇降される収容体330と、その収容体330に収容される第1回転体340a及び第2回転体340bと、各ベース313〜315の各対向面間に収容され駆動モータ320の駆動力を収容体330に伝達する伝達機構と、を主に備える。
左ユニット300Lにおける伝達機構は、駆動モータ320の駆動軸に固着される駆動ギヤ321と、その駆動ギヤ321に歯合される伝達ギヤ322a,322bと、伝達ギヤ322bに同軸に固着されるピニオンギヤ323と、そのピニオンギヤ323に歯合されると共に平板状の部材の側面に歯切りがされたラックとして形成されるラックギヤ324と、そのラックギヤ324を収容体330に連結する連結部材326とを備える。
中間ベース314の正面には、軸が突設され、この軸に伝達ギヤ322aが回転可能に軸支される。また、中間ベース314には、軸支孔が穿設され、その軸支孔に伝達ギヤ322b及びピニオンギヤ323が同軸に固着された状態で回転可能に軸支される。
背面ベース313の正面には、スライドガイド351が案内方向を上下方向(図14上下方向)とする姿勢で配設され、このスライドガイド351によって連結部材326(ラックギヤ324)が上下方向に案内される。また、中央ユニット300の正面ベース312(図12参照)の正面には、ガイド板353が締結固定される。ガイド板353には、長穴状の開口である案内溝353aが上下方向に沿って延設され、この案内溝353aには、収容体330の下端側に位置する突出ピンがカラーCを介して内挿される。よって、収容体330は、ガイド板353の案内溝353aに沿って上下方向に案内される。即ち、連結部材326及び収容体330の移動方向が上下方向に規制される。
よって、駆動モータ320の回転駆動力が、駆動ギヤ321及び伝達ギヤ322a,322bを介してピニオンギヤ323に伝達され、ピニオンギヤ323が回転されると、そのピニオンギヤ323の回転運動がラックギヤ324の直線運動に変換され、そのラックギヤ324の直線運動に伴って、連結部材326と共に収容体330が上下方向に変位(昇降)される(図7及び図8参照)。
次いで、右ユニット300Rについて、図16を参照して、説明する。図16は、右ユニット300Rの分解正面斜視図である。
図16に示すように、右ユニット300Lは、正面略L字状に形成され中央ユニット300Cの背面ベース311(図12参照)の右側端部に連結される配設される背面ベース316と、その背面ベース313の正面側に重ね合わされる正面ベース317と、正面ベース317の正面側に配設される駆動モータ320と、その駆動モータ320の駆動力により背面ベース316及び正面ベース317に対して昇降される収容体330と、その収容体330に収容される第1回転体340a及び第2回転体340bと、背面ベース316及び正面ベース317の対向面間に収容され駆動モータ320の駆動力を収容体330に伝達する伝達機構と、を主に備える。
右ユニット300Rにおける伝達機構は、駆動モータ320の駆動軸に固着される駆動ギヤ321と、その駆動ギヤ321に歯合されるピニオンギヤ323と、そのピニオンギヤ323に歯合されると共に平板状の部材の側面に歯切りがされたラックとして形成されるラックギヤ324と、そのラックギヤ324を収容体330に連結する連結部材327とを備える。
背面ベース316の正面には、軸が突設され、この軸にピニオンギヤ323が回転可能に軸支される。背面ベース316の正面には、スライドガイド351が案内方向を上下方向(図16上下方向)とする姿勢で配設され、このスライドガイド351によって連結部材327(ラックギヤ324)が上下方向に案内される。また、正面ベース316には、長穴状の開口である案内溝316aが上下方向に沿って延設され、この案内溝316aには、収容体330の下端側に位置する突出ピンがカラー(図示せず)を介して内挿される。よって、収容体330は、背面ベース316の案内溝316aに沿って上下方向に案内される。即ち、連結部材327及び収容体330の移動方向が上下方向に規制される。
よって、駆動モータ320の回転駆動力が、駆動ギヤ321を介してピニオンギヤ323に伝達され、ピニオンギヤ323が回転されると、そのピニオンギヤ323のzがラックギヤ324の直線運動に変換され、そのラックギヤ324の直線運動に伴って、連結部材327と共に収容体330が上下方向に変位(昇降)される(図7及び図8参照)。
上述したように、中央ユニット300Cでは、連結部材325の横幅寸法が長くなり(図12参照)、中央の収容体330の姿勢が不安定となりやすい(左右方向への揺れが発生しやすい)。これに対し、左ユニット300L及び右ユニット300Rでは、左の収容体330及び右の収容体330の側面の近接する位置にラックギヤ323を設けるので、連結部材326,327の横幅(図14及び図16左右方向)寸法を短くして、その剛性を高めることができる。よって、左右の収容体330の姿勢を安定させる(左右方向に揺れ難くする)ことができる。
これに伴って、左右の収容体330の背面側には、伸縮式の直線案内機構(スライドガイド352)を配設する必要がなく、ガイド板353又は背面ベース316の案内溝353a,316aによる案内により十分に姿勢を安定化できる。その結果、部品コストの削減を図ることができる。
次いで、収容体330及びその収容体330に収容される第1回転体340a及び第2回転体340bについて、図17から図19を参照して説明する。
図17は、収容体330の分解正面斜視図である。また、図18(a)は、図17の矢印XVIIIa方向視における収容体330の側面図であり、図18(b)は、図18(a)の矢印XVIIIb方向視における収容体330の正面図である。なお、図18(a)及び図18(b)では、側壁体332、隔壁体334及び装飾体335が取り外された状態が図示される。
図17及び図18に示すように、収容体330は、基体331と、その基体331の左右に配設される左右の側壁体332,333と、左の側壁体332の内面側に配設される隔壁体334と、基体331の前面に配設される装飾体335とを備え、これら各部331〜335が締結固定により一体化されることで、箱状に形成される。
基体331は、収容体330の背面(図18(b)紙面奥側)、上面および下面(図18(b)上側および下側)を形成する部材であり、3枚の板状の部材を組み合わせて一体に形成される。収容体330の背面を形成する部分には、可視光を反射する鏡として形成される反射部RFが正面に配設される。
反射部RFは、正面視矩形状に形成され、第1回転体340a及び第2回転体340bを正面視した場合に、それら両回転体340a,340bよりも少なくとも上下方向に張り出す大きさを有して形成される(図18(b)参照)。
側壁体332,333は、収容体330の左右の側面を形成する矩形板状の部材であり、それぞれ2箇所に保持孔332a,333aが穿設される。保持孔332a,333aは、第1回転体340a及び第2回転体340bの後述する固定軸341が挿通される孔であり、かかる固定軸341を回転不能に保持する。なお、保持孔332a,333aは、その内周面の軸直断面形状が、円形からその円周上の2点を直線で接続して区画される一方を取り除いた形状とされる。
隔壁体334は、側壁体332と略同一の外形を有する矩形板状の部材であり、側壁体332との対向面間に伝達ギヤ352及び中間ギヤ354を回転可能に軸支する。また、隔壁体334には、第1ギヤ353及び第2ギヤ355を挿通させるための挿通孔334aが2箇所に穿設される。
装飾体335は、収容体330の正面を装飾する部材であり、中央に矩形状の開口335aが形成されることで正面視枠状に形成される。遊技者は、開口335を介して第1回転体340a及び第2回転体340bの回転の態様やそれら両回転体340a,340bの外周面に描かれた図形を視認することができる(図9参照)。
このように形成される収容体330には、隔壁体334に配設される駆動モータ350と、その駆動モータ350の駆動力により回転される第1回転体340a及び第2回転体340bと、駆動モータ350の駆動力を第1回転体340a及び第2回転体340bに伝達する伝達機構と、第1回転体340aの回転位置を検出する検出機構とが主に収納される。
収容体330における伝達機構は、駆動モータ350の駆動軸に固着される駆動ギヤ351と、その駆動ギヤ351に順に歯合される伝達ギヤ352、第1ギヤ353、中間ギヤ354及び第2ギヤ355からなる歯車列とを備える。伝達ギヤ352及び中間ギヤ354は、側壁体332及び隔壁体334の対向面間に回転可能に保持され、第1ギヤ353及び第2ギヤ355は、第1回転体340a及び第2回転体340bの軸方向端面にそれぞれ固着される。
ここで、図19を参照して、第1回転体340a及び第2回転体340bの詳細構成について説明する。図19は、第1回転体340aの分解正面斜視図である。
なお、第1回転体340aと第2回転体340bとは、外周面に描かれる図形が異なる点を除き、実質的に同一の構成であるので、以下においては、第1回転体340aを代表例として説明し、第2回転体340bの説明は省略する。
図19に示すように、第1回転体340aは、固定軸341と、その固定軸341の軸方向両端(軸部341a)に回転可能に軸支される一対の端面板342と、それら一対の端面板342の間に架設される3枚の表示板(第1表示板343A、第2表示板343B及び第3表示板343C)とを主に備える。
固定軸341は、胴部341bと、その胴部341bの軸方向両端に連設される軸部341aとを備える。固定軸341は、収容体330の側壁体332,333(図17参照)に回転不能に保持される部位であり、軸方向両端に位置する一対の軸部341aと、一対の軸部341aを接続する胴部341bとを備える。
軸部341aは、その軸直断面形状が、円形からその円周上の2点を直線で接続して区画される一方を取り除いた形状(円柱の外周面の一部を平面で面取りした形状)とされ、側壁体332,333の保持孔332a,333a(図17参照)に対して若干小さな相似形状とされる。よって、かかる軸部341aが側壁体332,333の保持孔332a,333aに挿通されることで、固定軸341を収容体330(側壁体332,333)に回転不能に保持することができる。
胴部341bには、複数(本実施形態では4個)のLED344が取着され、そのLED344から発光された光を第1表示板343A〜第3表示板343Cの内面に照射可能とされる。
この場合、胴部341bは、軸部341aが側壁体332,333の保持孔332a,333aに挿通されて回転不能に保持された状態では、LED344の照射方向を収容体330の前面(装飾体335の開口335a、図18(b)紙面手前側の面)へ向けた姿勢(回転位置)で配置される。よって、LED344から発光された光を、第1表示板343A〜第3表示板343Cのうちの収容体330の前面(後述する「視認位置」)に配置された表示板の内面に照射することができる。
なお、固定軸341(軸部341a、胴部341b)は、軸方向両端が開口した中空の円筒状に形成されるので、かかる内部空間を利用してLED344の配線を取り回すと共にその配線を軸方向端部の開口から収容体330の外部へ引き出すことができる。また、固定軸341は、上述したように、収容体330に対して回転不能とされるので、第1回転体340aが回転されても、LED344の配線に捩じりや引っ張りの外力が作用することを回避できる。
端面板342は、正面視三角形状に形成される部材であり、中央に軸直断面が円形の軸支孔342aが穿設される。軸支孔342aの内径寸法は、固定軸341の軸部341aの外径寸法よりも若干大きな寸法に設定される。よって、軸支孔342aに軸部341aが挿通されることで、固定軸341に対して端面板342が回転可能に軸支される。これにより、端面板342は、固定軸341を介して、収容体330の内部に回転可能に保持される。
ここで、固定軸341は、軸部341aよりも胴部341bが大径に形成されるので、収容体330の側壁体332,333と固定軸341の胴部341bとの間で端面板342の軸方向位置を規定できると共に、端面板342を介して固定軸341を一対の側壁体332,333の間で保持できる。
一対の端面板342の一方には、伝達機構における第1ギヤ353が、他方には検出機構における後述する基部ギヤ361が、それぞれ固着される。なお、第2回転体340bには、一対の端面板342の一方には、伝達機構における第2ギヤ355が固着されるが、他方への基部ギヤ361の装着は省略される(図17及び図18参照)。
第1表示板343A〜第3表示板343Cは、それぞれ正面視略矩形の板状の部材であり、長手方向両端の外縁を端面板342の外縁(3辺)にそれぞれ接続することで、一対の端面板342の間に架設され、かかる端面板342と共に三角柱状体を形成する。
これら第1表示板343A〜第3表示板343Cには、その外面にそれぞれ図形が描かれている。よって、三角柱状体が回転されると、各表示板343A〜343Cの外面にそれぞれ描かれた図形が装飾体335の開口335aを介して順に遊技者に視認可能とされる。
第1表示板343A〜第3表示板343Cの外面の少なくとも一部は、固定軸341の軸方向視において、外方へ凸となる円弧状に湾曲して形成される。これにより、後述するように、第1回転体340aと第2回転体340bとの間に回転位置の所定回転角度(例えば、12度)のずれが存在する状態であっても、各表示板343A〜343Cの外面に描かれた図形を視認する遊技者に対し、所定回転角度のずれの認識を困難とさせることができる。
なお、本実施形態では、固定軸341の軸方向視において、第1表示板343A〜第3表示板343Cの幅方向端部が外方へ凸となる円弧状に湾曲して形成される一方、幅方向中央部分が略平坦面状に形成される。これにより、図形の視認性の確保と、回転体340a,340b間のずれの認識を困難とさせることとの両立を図ることができる。また、湾曲して形成される円弧状部分の円弧の半径は、固定軸341の軸心から各表示板343A〜343Cの外面までの最大距離よりも大きくな値(例えば、2倍以上かつ4倍以下)に設定される。
ここで、以下においては、三角柱状体が回転される際の第1表示板343A〜第3表示板343Cの配設位置として、収容体330の前面(図18(b)紙面手前側の面)に外面を向けその外面に描かれる図形が装飾体335の開口335aを介して遊技者から視認可能となる位置を「視認位置」と称し、収容体330(基体331)の内面に外面を向けその外面に描かれる図形が装飾体335の開口335aを介して遊技者から視認不能となる位置を「遮蔽位置」と称す。
よって、例えば、第1表示板343Aが視認位置に配置されると、第2表示板343B及び第3表示板343Cが遮蔽位置に配置される(図18(a)及び図18(b)参照)。この状態から三角柱状体が120度だけ正方向または逆方向へ回転されると、第2表示板343B又は第3表示板343Cの一方が視認位置に配置され、第2表示板343B又は第3表示板343Cの他方と第1表示板343Aとが遮蔽位置に配置される。
この場合、本実施形態では、第1表示板343Aは、その全体が光を透過させない形態に形成される一方、第2表示板343B及び第3表示板343Cは、光が透過可能な透過部PNを一部に備えて形成される。また、第1表示板343Aの内面には、可視光を反射する鏡として形成される反射部RFが配設される。
上述したように、LED344は、第1表示板343A〜第3表示板343Cのうちの視認位置に配置された表示板の内面を照射可能な位置に配置される。よって、視認位置に第2表示板343B又は第3表示板343Cが配置された状態では、LED344から発光された光を、各表示板343B,343Cの透過部PNを透過させて遊技者に直接視認させることができる。
一方、視認位置に第1表示板343Aが配置された状態では(図18(a)及び図18(b)参照)、LED344から発光された光を、第1表示板343Aの内面の反射部RFで反射させ、第2表示板343B又は第3表示板343Cの透過部PNを透過させた後、収容体330の基体331における反射部RFで反射させ、この基体331の反射部RFからの反射光として遊技者に間接的に視認させることができる。
例えば、第1表示板343Aが視認位置に配置される回転位置で第1回転体340aを停止させ、LED344を発光させることで、収容体330の基体331における反射部RFで反射した反射光を視認した遊技者に、その遊技者から視認不能な位置(遮蔽位置)に配置された第2表示板343B又は第3表示板343Cの図形を連想させることができる。これにより、第2表示板343B又は第3表示板343Cの図形が視認可能となる位置に第1回転体340aが回転されることを遊技者に期待させる又は示唆することができる。
特に、本実施形態では、第1回転体340a及び第2回転体340bが断面三角形状に形成されるので、各回転体340a,340bが回転される際には、その回転に伴って、反射板RFと各回転体340a,340bの外面(各表示板343A〜343C)との間の間隔、各回転体340a,340bどうしの外面の間の間隔(図18(b)上下方向間隔)、或いは、各回転体340a,340bの見かけの直径(図18(b)上下方向寸法)を増減させることができると共に、反射板RFに対する各回転体340a,340bの外面(各表示板343Aから343C)の対向角度を変化させることができる。即ち、両回転体340a,340bの回転に伴い、LED344から発光され透過部PNから照射された光を、基体331の反射部RFからの反射光として視認する遊技者に対して、その反射光の態様(例えば、光が視認される領域の大きさ)を周期的に変化させることができる。
図17及び図18に戻って説明する。検出機構は、第1回転体340aの端面板342に固着される基部ギヤ361と、その基部ギヤ361に歯合される中間ギヤ362と、その中間ギヤ362に歯合されるギヤであって径方向外方に張り出す被検出板363aを備える末端ギヤ363と、その末端ギヤ363の被検出板363aを検出するセンサ装置364とを備える。
中間ギヤ362及び末端ギヤ363は、側壁体333に回転可能に保持され、センサ装置364は、被検出板363aの移動軌跡上に検出領域を配置した状態で、基体331に配設される。よって、センサ装置364は、被検出板363aの検出状態に基づいて、第1回転体340aの回転位置を検出することができる。即ち、センサ装置364の検出結果に基づいて、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転位置を制御する(例えば、任意位置で停止させる)ことができる。
次いで、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転動作について説明する。駆動モータ350が回転されると、その回転が伝達機構を介して第1回転体340a及び第2回転体340bに伝達され、これら両回転体340a,340bが回転される。
具体的には、駆動モータ350が回転されると、その回転が駆動ギヤ351及び伝達ギヤ352を介して第1ギヤ353に伝達され、第1ギヤ353が回転される。これにより、第1回転体340aが回転される。また、第1ギヤ353が回転されると、その回転が中間ギヤ354を介して第2ギヤ355に伝達され、第2ギヤ355が回転される。これにより、第2回転体340bが第1回転体340aと同方向に回転される。また、駆動モータ350の回転方向が反転されると、第1回転体340a及び第2回転体340bが上述した場合とは逆方向に回転される。
その結果、遊技者に視認される第1回転体340aの図形と第2回転体340bの図形との組み合わせが順に変更される。この場合、両回転体340a,340bの図形の組み合わせは、従来品では、3組に限定されていた。
即ち、第1回転体340aと第2回転体340bとが1の駆動モータにより同期して回転駆動されるため、形成可能な組み合わせは、例えば、第1回転体340aの第1表示板343Aと第2回転体340bの第1表示板343Aとを表示位置に配置する第1の組み合わせ、第1回転体340aの第2表示板343Bと第2回転体340bの第2表示板343Bとを表示位置に配置する第2の組み合わせ、第1回転体340aの第3表示板343Cと第2回転体340bの第3表示板343Cとを表示位置に配置する第3の組み合わせの3組のみであった。
一方で、第1回転体340aと第2回転体340bとをそれぞれ異なる駆動モータにより独立して回転駆動する構造を採用することで、最大9組の組み合わせを形成することができると共に、その組み合わせを任意に現出させることができる。しかしながら、この場合には、2個の駆動モータを必要とする分、部品コストの増加を招く。
これに対し、本実施形態では、駆動モータ350の数を1個のみに抑えつつ、第1回転体340a及び第2回転体340bの図形の組み合わせを9組形成することができると共に、その組み合わせを任意に現出させることができる。また、本実施形態では、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転位置の完全一致を要求せず、回転位置の所定量のずれを許容することで、9組の組み合わせを速やかに現出させることができる。この両回転体340a,340bの図形の組み合わせについて、図20及び図21を参照して説明する。
図20は、第1回転体340a及び第2回転体340bの図形の組み合わせを示すテーブルである。また、図21及び図22は、第1回転体340a及び第2回転体340bが回転される際の遷移状態を示す第1回転体340a及び第2回転体340bの側面模式図であり、図21(a)から図21(e)は、図20にNo.1〜5として示す状態に、図22(a)から図22(e)は、図20にNo.6〜10として示す状態に、それぞれ対応する。
なお、図20では、第1回転体340a及び第2回転体340bの図形の組み合わせとして、視認位置に第1表示板343Aが配置された状態が符号「A」又は「A’」により、視認位置に第2表示板343Bが配置された状態が符号「B」又は「B’」により、視認位置に第3表示板343Cが配置された状態が符号「C」又は「C’」により、それぞれ表される。
例えば、図20のNo.10「A,C’」で表される状態は、第1回転体340aの第1表示板343Aと第2回転体340bの第3表示板343Cとがそれぞれ視認位置に配置され、第1回転体340aからは第1表示板343Aに描かれる図形が、第2回転体340bからは第3表示板343Cに描かれる図形が、それぞれ遊技者に視認される状態に対応する。
また、図21では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、第1回転体340aの第1表示板343A〜第3表示板343Cを符号「A〜C」を用いて、第2回転体340bの第1表示板343A〜第3表示板343Cを符号「A’〜C’」を用いて、それぞれ図示する。
ここで、第1回転体340a及び第2回転体340bは、それぞれに固着される第1ギヤ353及び第2ギヤ355の歯数が異なる値に設定される。本実施形態では、第1ギヤ353の歯数が14に、第2ギヤ355の歯数が20とされる、第1回転体340aを120度回転させると、第2回転体340bが108度回転するように形成される。
図20のNo.1及び図21(a)に示すように、第1回転体340aの第1表示板343A及び第2回転体340bの第1表示板343Aをそれぞれ視認位置に配置した状態から(図20のNo.1「A’,A」、第1の組み合わせ)、第1回転体340aを120度回転させその第2表示板343Bを視認位置に配置させると、図20のNo.2及び図21(b)に示すように、第2回転体340bは第2表示板343Bを視認位置に配置させる。これにより、第2の組み合わせ(図20のNo.2「B’,B」)を形成することができる。
この場合、第1回転体340aの120度の回転に対し、第2回転体340bの回転は108度であるので、両者の回転位置に12度の差異(ずれ)が生じるが、各回転体340a,340bを軸直角方向から視認する遊技者が、その12度の回転角度の差異を認識することは困難であり、その結果、第1回転体340a及び第2回転体340bの各第2表示板343Bの外面に描かれた図形がそれぞれ視認位置に配置された(第2の組み合わせが形成された)と認識させることができる。
特に、本実施形態では、上述したように、第1表示板343A〜第3表示板343Cの外面が、固定軸341の軸方向視において、外方へ凸となる円弧状に湾曲して形成される(即ち、図形が描かれる面が各回転体340a,340bの回転方向に沿って湾曲される)ので、これら各表示板343A〜343Cの外面に描かれた図形を正面視する遊技者に対し、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転位置の相違(ずれ)を認識させることを困難とさせることができる。
図20のNo.2及び図21(b)に示す状態から、第1回転体340aを120度回転させその第3表示板343Cを視認位置に配置させると、図20のNo.3及び図21(c)に示すように、第2回転体340bはその回転位置を第1回転体340aに対して位置ずれされた位置に配置する。即ち、この状態では、両者の間に24度の回転角度の差異が形成されるため、遊技者に図形のずれ(組み合わせの非成立、図20のNo.3「−,C」)を認識させることができる。
同様に、図20のNo.4及び図21(d)に示す状態から図20のNo.9及び図22(d)に示す状態までの区間の回転では、第1回転体340aは、その120度の回転毎に各表示板343A〜343Cを視認位置に配置させる一方で、第2回転体340bはその回転位置を第1回転体340aに対して位置ずれさせた位置に配置する。その結果、遊技者に図形のずれ(組み合わせの非成立、図20のNo.4「−,A」〜No.9「−,C」)を認識させることができる。
図20のNo.9及び図22(d)に示す状態から(図20のNo.9「−,C」)、第1回転体340aを120度回転させその第1表示板343Aを視認位置に配置させると、図20のNo.10及び図22(e)に示すように、第2回転体340bは第3表示板343Cを視認位置に配置させる。これにより、第3の組み合わせ(図20のNo.10「C’,A」)を形成することができる。
なお、本実施形態によれば、図形のずれ(組み合わせの非成立、図20のNo.3「−,C」〜No.9「−,C」)が形成される区間においても、第2回転体340bの回転を継続させ、遊技者から視認される図形を切り替え続けることができるため、第3の組み合わせにおいて、いずれの図形が組み合わされるのかを遊技者に予測困難とさせることができる。
以降は、上述した態様(図20のNo.1及び図21(a)に示す状態から図20のNo.9及び図22(e)に示す状態までの区間の回転)と実質的に同一の態様が、更に2回繰り返されることで、1サイクルが完了される(テーブルが始点から終点まで一巡される)。
この場合、図20のNo.11〜No.20に示す状態の区間では、図21及び図22における第1回転体340aの位相を120度異ならせた状態に置き換えて考えれば良く、第4の組み合わせ(図20のNo.11「A’,B」)、第5の組み合わせ(図20のNo.12「B’,C」)及び第6の組み合わせ(図20のNo.20「C’,B」)を形成することができる。
また、図20のNo.21〜No.30に示す状態の区間では、図21及び図22における第1回転体340aの位相を240度異ならせた状態に置き換えて考えれば良く、第7の組み合わせ(図20のNo.21「A’,C」)、第8の組み合わせ(図20のNo.22「B’,A」)及び第9の組み合わせ(図20のNo.30「C’,C」)を形成することができる。
以上のように、本実施形態によれば、駆動モータ350の回転を第1回転体340a及び第2回転体340bのそれぞれへ伝達する伝達機構が、複数の歯車(駆動ギヤ351〜第2ギヤ355の5枚の歯車)からなる歯車列として形成され、駆動モータ350の回転を、第1回転体340a及び第2回転体340bへそれぞれ異なる回転比で伝達可能に形成される。
これにより、第1回転体340aの回転周期と第2回転体340bの回転周期とを異ならせることができる。その結果、1個の駆動モータ350のみであっても、第1回転体340a及び第2回転体340bの図形の組み合わせを9組形成することができると共に、その組み合わせを任意に変更できる(所望の組み合わせを任意に現出させることができる)。
また、伝達機構が歯車列として形成されることで、構造を簡素化して、部品コストの削減と耐久性および信頼性の向上とを図ることができるだけでなく、各歯車が常に歯合されているので、駆動モータ350の回転方向を正逆切り替えることで、図20に示すテーブルの進行方向を切り替えることができる。
よって、例えば、図20のテーブルを正方向(図20下方向)へ進行し、図形のずれ(組み合わせの非成立)が形成される区間(例えば、図20のNo.3〜No.9)を経て、第3の組み合わせ(図20のNo.10「C’,A」)を現出させた後または現出させた直前で、駆動モータ350の回転方向を逆転させ、図20のテーブルを逆方向(図20上方向)へ戻るという一連の動作を繰り返すことができ、これにより、第3の組み合わせの現出を遊技者に期待させるという演出を行うことができる。
或いは、例えば、第1の組み合わせ(図20のNo.1「A’,A」)が形成された状態から、第9の組み合わせ(図20のNo.30「C’,C」)を現出させる必要がある場合に、図20のテーブルを正方向(図20下方向)へ進行して、第9の組み合わせを現出させることに加え、図20のテーブルを逆方向(図20上方向)へ進行して、第9の組み合わせを現出させることもできる。即ち、前者の場合には、第1回転体340aの120度の回転を30回繰り返すことが必要となるのに対し、後者の場合には、第1回転体340aの120度の回転を1回行えば良いので、所望の図形の組み合わせを速やかに現出させることができる。
ここで、第1回転体340aの120度の回転に対して、第2回転体340bを60度回転させる構成とした場合(即ち、第2回転体340bの回転を、第1回転体340aの回転に対し、「1/整数」倍に設定した場合)には、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転位置に差異(ずれ)を発生させることなく、図形の組み合わせを複数形成することができる。しかしながら、この場合には、図形の組み合わせ可能な数が最大3組となる。
これに対し、本実施形態では、上述したように、第1、第4及び第7の組み合わせ(図20のNo.1「A’,A」、No.11「A’,B」及びNo.21「A’,C」)を除き、残りの6組の組み合わせ(第2、第3、第5、第6、第8及び第9の組み合わせ)において、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転位置に所定回転角度の差異(ずれ)が発生することを許容する。これにより、図形の組み合わせ可能な数を9組とすることができる。
即ち、第1回転体340a及び第2回転体340bを1の駆動モータ350により回転させる構造において、図形の組み合わせ可能な数を9組とすることは、駆動モータ350の回転を第1回転体340a及び第2回転体340bのそれぞれへ伝達する伝達機構が歯車列として形成されるだけでは達成不可能であり、本実施形態のように、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転位置に所定回転角度の差異(ずれ)が生じることを許容することで初めて可能となったものである。これにより、図形の組み合わせ可能数の増加による演出効果の向上を図りつつ、駆動モータ350の必要数を抑制して、製品コストの削減を図ることができる。
この場合、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転位置に所定回転角度の差異(ずれ)が生じる図形の組み合わせ(第2、第3、第5、第6、第8及び第9の組み合わせ)では、第1回転体340a及び第2回転体340bを停止させる停止位置を補正するようにしても良い。
例えば、第2、第5及び第8の組み合わせ(図20のNo.2「B’,B」、No.12「B’,C」及びNo.22「B’,A」)では、図21(b)に示すように、第2回転体340bの位相が遅れるので、第1回転体340aを所定角度だけ位相を進めた回転位置で停止させる。即ち、基準面からの位置ずれが第2回転体340bのみに集中されているので、図21(a)に示す状態から第1回転体340aを120度回転させた回転位置で停止させるのではなく、例えば、126度回転させた回転位置で停止させる。これにより、基準面からの位置ずれを第1回転体340a及び第2回転体340bに分散させて、目立たなくすることができる。
同様に、例えば、第3、第6及び第9の組み合わせ(図20のNo.10「C’,A」、No.20「C’,B」及びNo.30「C’,C」)では、図22(e)に示すように、第2回転体340bの位相が先行されるので、第1回転体340aを所定角度だけ位相を遅らせた回転位置で停止させる。即ち、基準面からの位置ずれが第2回転体340bのみに集中されているので、図22(d)に示す状態から第1回転体340aを120度回転させた回転位置で停止させるのではなく、例えば、114度回転させた回転位置で停止させる。これにより、基準面からの位置ずれを第1回転体340a及び第2回転体340bに分散させて、目立たなくすることができる。
上述したように、回転体昇降ユニット300は、各収容体300が上下方向に昇降可能に形成され、下降位置では(図7参照)、第1回転体340a及び第2回転体340bを遊技盤13の背面に位置させて遊技者から視認不能とできる。よって、第1回転体340aの図形と第2回転体340bの図形との組み合わせのうちの所望の組み合わせを必要なタイミングで速やかに現出させることができる。
即ち、本実施形態では、9組の図形の組み合わせが形成可能であるが故に、テーブルが長くなる(図20のテーブルの段数が多くなる)ため、所望の組み合わせを現出させるためには、第1回転体340a及び第2回転体340bを比較的多く回転させる必要があり、その分、時間が嵩む。
これに対し、本実施形態では、各収容体300を下降位置に配置することで(図7参照)、第1回転体340a及び第2回転体340bを遊技者から視認不能な位置に退避させることができる。これにより、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転を遊技者に認識されることなく、その回転位置を所定の回転位置まで事前に回転させておくことができ、その結果、必要なタイミングが到来した際には、各収容体300を上昇位置に配置し(図8参照)、第1回転体340a及び第2回転体340bの残りの回転を実行することで、所望の組み合わせを速やかに現出させることができる。
なお、各収容体300の下降位置への配置は、特定の変動パターンで第1回転体340a及び第2回転体340bを回転させる際にのみ行うようにしても良い。例えば、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転の開始から結果の表示(回転の停止)までの時間が比較的短い変動パターンでは、各収容体300を下降位置へ配置せず、各回転体340a,340bの回転の開始から停止を、遊技者から視認可能な位置で行う一方、各回転体340a,340bの回転の開始から結果の表示(回転の停止)までの時間が比較的長い変動パターンでは、各回転体340a,340bの事前の回転を遊技者から視認不能な位置で行うようにしても良い。
この場合、本実施形態では、第1回転体340a及び第2回転体340bの下降位置における事前の回転は、所定の動作手段が動作される場合に行われる。これにより、第1回転体340a及び第2回転体340bの事前の回転が遊技者に認識されることを抑制することができる。
即ち、第1回転体340a及び第2回転体340bを回転させる際には、比較的大きな音が発生するため、下降位置に移動されて、遊技者から視認不能とされたとしても、その回転時に発生する音によって第1回転体340a及び第2回転体340bが事前に回転されていることを、遊技者に認識させてしまうおそれがある。
これに対し、第1回転体340a及び第2回転体340bの回転を、所定の動作手段の動作時に行うことで、その動作に紛れ込ませることができる。その結果、第1回転体340a及び第2回転体340bの事前の回転を遊技者に認識させ難くすることができる。
なお、動作手段としては、例えば、払出装置133、音声出力装置226、或いは、球発射ユニット112a(いずれも図3又は図4参照)が例示される。これらの動作手段が動作されている状態では、例えば、球の払出、音声の出力、或いは、球の発射に伴い、比較的大きな音が発生する。よって、遊技者に第1回転体340a及び第2回転体340bの事前の回転を認識させ難くできる。
なお、これに代えて、或いは、これに加えて、第3図柄表示装置81(図2参照)において表示される演出が所定の演出である場合に、第1回転体340a及び第2回転体340bの事前の回転を行うようにしても良い。第3図柄表示装置81に表示される演出が所定の演出である場合には、その所定の演出に遊技者の意識を集中させることができるため、その分、第1回転体340a及び第2回転体340bの事前の回転を遊技者に認識させ難くできる。
次いで、図23から図25を参照して、発光装飾ユニット400について説明する。図23は、発光装飾ユニット400の正面図である。また、図24は、発光装飾ユニット400の分解正面斜視図であり、図25は、発光装飾ユニット400の分解背面斜視図である。
図23から図25に示すように、発光装飾ユニット400は、背面ケース210の底壁部211(図6参照)に配設される正面視横長矩形のベース体410と、そのベース体410の幅方向中央前面に配設される発光装置420と、その発光装置420の前面に覆設される遮光部材430と、その遮光部材430の前面に覆設されると共に光透過性材料からなるカバー部材440と、それら発光装置420、遮光部材430及びカバー部材440の周囲を取り囲む正面視円環状の外周装飾体450,460と、を主に備える。
発光装置420の前面側には、複数(本実施形態では15個)の発光体(LED421)が全面にわたって分散された状態で配設され、遮光部材430の背面へ光を照射可能に形成される。ここで、遮光部材430は、遮光材料(光非透過性材料)から形成される本体部431と、その本体部431の前面および背面から立設される区画壁432とを備える。
遮光部材430の本体部431には、正面視円形の開口431aが複数箇所(本実施形態では15箇所)に開口形成される。これら複数の開口431aは、正面視において、発光装置420の複数のLED421のそれぞれに対応する位置に配設される。よって、LED421から発光された光を、遮光部材430の開口431aを通して、カバー440の背面へ到達させることができる。
区画壁432は、本体部431よりも小径となる正面視円環形状に形成され、本体部431の中心から偏心した位置に配設される。これにより、発光装置420とカバー体440との間の空間が、区画壁432により囲まれる正面視円形の第1の空間と、区画壁431の外周側に位置にする正面視略三日月状の第2の空間とに区画される。
このように、区画壁431による区画が形成されることで、カバー部材440から視認される光の輪郭を明確にすることができる。即ち、第1の空間内のLED421のみを発光した場合には円形を、第2の空間内のLED421のみを発光した場合には三日月形状を、視認させることができる。
次いで、図26から図28を参照して、中央回転ユニット500について説明する。図26(a)は、退避位置に配置された状態における中央回転ユニット500の正面図であり、図26(b)は、張出位置に配置された状態における中央回転ユニット500の正面図である。また、図27は、中央回転ユニット500の分解正面斜視図であり、図28は、中央回転ユニット500の分解背面斜視図である。
図26から図28に示すように、中央回転ユニット500は、背面ケース210の底壁部211(図6参照)に配設される背面ベース510と、その背面ベース510の正面に重ね合わされる正面ベース520と、それら背面ベース510及び正面ベース520に基端側が回転可能に軸支される一対の変位部材530と、その変位部材530を回転駆動するための駆動力を発生する駆動モータ540と、その駆動モータ540の駆動力を変位部材530へ伝達する伝達機構と、を主に備える。
背面ベース510の正面および正面ベース520の背面には、変位部材530の基端側(回転軸531)を回転可能に軸支するための軸支孔511,521がそれぞれ凹設される。また、背面ベース510の正面には、伝達機構におけるクランク歯車542を回転可能に軸支するための支持軸512が突設される。
変位部材530は、先端側の正面に装飾が施された部材であり、回転軸531と、連結歯車532と、クランク溝533と、を主に備える。回転軸531は、上述したように、背面ベース510及び正面ベース520の軸支孔511,521に軸支される軸であり、変位部材530の基端側における正面および背面から突設される。
連結歯車532は、変位部材530の基端側の外周面に回転軸531を回転中心として刻設される歯車である。連結歯車532は、一方の変位部材530が回転軸531を中心として回転された場合に、その回転を相手の連結歯車532へ伝達して回転させる。これにより、他方の変位部材530が回転軸531を中心として回転される。
クランク溝533は、伝達機構の後述するクランク歯車542の連結ピン542aが摺動可能に挿通される正面視直線状の溝であり、一対の変位部材530のうちの一方(図27左側、図28右側)の変位部材530の背面に凹設される。後述するように、クランク歯車542の回転が連結ピン542aを介してクランク溝533に伝達されることで、一方の変位部材530が回転軸531を中心として回転される。
伝達機構は、上述したように、駆動モータ540の駆動力を変位部材530へ伝達するための機構であり、駆動モータ540の駆動軸に固着されるピニオン541と、そのピニオン541に歯合されるクランク歯車542と、を主に備える。クランク歯車542は、その回転中心(支持軸512)から偏心する位置に突設され変位部材530のクランク溝533に挿通される連結ピン542aを備える。
このように構成される中央回転ユニット500によれば、駆動モータ540の駆動軸の回転が、ピニオン541を介してクランク歯車542に伝達され、クランク歯車542が回転されると、そのクランク歯車542の回転に伴って、連結ピン542aが円弧状の軌跡を描きつつ変位され、その連結ピン542aの変位がクランク溝533の内壁面に作用することで、一方(図27左側、図28右側)の変位部材530が回転軸531を回転中心として回転される。この場合、連結歯車532を介して、他方の変位部材530も同期して回転される。その結果、一対の変位部材530が、遊技盤13(センターフレーム86)の開口部内に張り出す張出位置(図7及び図26(a)参照)と、発光装飾ユニット400の背面に退避される退避位置(図8及び図26(b)参照)との間で回転可能とされる。
次いで、図29から図40を参照して、右回転ユニット600について説明する。図29は、右回転ユニット600の分解正面斜視図であり、図30及び図31は、右回転ユニット600の分解背面斜視図である。なお、図31では、右回転ユニット600の一部が組み立てられた状態が図示される。
図29から図31に示すように、右回転ユニット600は、背面ベース610及び正面ベース620からなるベース体と、そのベース体の正面ベース620の正面側に変位可能に配設される第1変位部材630及び第2変位部材640と、それら第1変位部材630及び第2変位部材640を変位させるための駆動力を発生すると共に背面ベース610の背面に配設される駆動モータ650と、その駆動モータ650の駆動力を伝達する伝達機構と、を主に備える。
背面ベース610及び正面ベース620の対向面間には、伝達機構の一部(第1ピニオン651、ラック部材652及び第2ピニオン653)が収納される。正面ベース620の背面には、第1ピニオン651を回転可能に軸支するための軸受凹部621が凹設されると共に、ラック部材652の移動方向を規定するためにそのラック部材652の摺動溝652aに挿通される一対の挿通ピン622が突設される。
また、正面ベース620には、第1変位部材630の回転軸631及び伝達部材654の回転軸654aをそれぞれ回転可能に軸支するために貫通形成される正面視円形の軸支孔624,625が正面ベース620の幅方向(短手方向)に所定の間隔を隔てつつ並設される。
なお、第1変位部材630を軸支する軸支孔624が、伝達部材654を軸支する軸支孔625よりも遊技盤13の開口側(第1変位部材630の張出位置側、図29左側)に配設されるので、後述するように、張出位置において、第1変位部材630及び第2変位部材640が遊技盤13の開口側へ張り出す張り出し面積を確保できる一方で、退避位置および張出位置の間で、第1変位部材630の背面に伝達部材654を隠しやすくすることができる。
正面ベース620の正面には、凸条626及び軸受部627が突設される。凸条626は、正面ベース620の幅方向に沿って延設される横長の突部であり、断面が略三角形状に形成される。凸条626は、その頂部が、正面視において、軸支孔624を中心とする円弧状に湾曲して形成される。第2変位部材640(連結変位部材642)が変位する際には、凸条626の頂部を接触させることができ、後述するように、正面ベース620の正面が全面で面当たりする場合と比較して、接触面積を小さくして、摺動抵抗を抑制することができると共に、光透過性材料からなる連結変位部材642に擦れにより曇りが形成されることを抑制できる。
正面ベース620の正面視左側(図29左側、即ち、遊技盤13の開口側)には、その側面および前面の稜線部分を面取りすることで傾斜して形成される傾斜面620aが配設される。よって、後述するように、退避位置へ退避する際に、第2変位部材640(連結変位部材642)が正面ベース620の側面に係止されて変位できなくなることを抑制できる(図33参照)。
軸受部627は、軸支孔624と同心の筒状体として形成され、その内周面で第1変位部材630の回転軸631を軸支孔624と共に回転可能に軸支する。軸受部627の外周面からは、突出部628が径方向外方であって正面ベース620の下方へ向けて突出して形成される。突出部628によって、第1変位部材630の回転を所定範囲に規制する共に、第1変位部材630の前方への傾倒を抑制することができる。その詳細については後述する(図40参照)。
なお、本実施形態では、正面ベース620の背面に軸受凹部621が凹設されることで、かかる軸受凹部621を利用して、第1ピニオン651を背面ベース610及び正面ベース620の対向面間に回転可能に保持できる。そのため、第1ピニオン651を駆動モータ650の駆動軸に締結固定することを不要とできるので、部品点数を削減して、部品コスト及び組立コストの削減を図ることができる。
一方で、正面ベース620の背面に軸受凹部621が凹設されると、その凹設に伴い、正面ベース620の正面から突出部分623が突出される。本実施形態では、第1変位部材630の先端側に第2変位部材640の一部が軸支されるため、第1変位部材630及び第2変位部材640が変位される際には、前後方向に揺れが生じやすく、よって、突出部分623に第2変位部材640が干渉する恐れがあるが、かかる干渉を凸条626により抑制可能に形成される。その詳細については後述する(図39参照)。
伝達機構は、駆動モータ650の駆動軸に装着される第1ピニオン651と、伝達部材654の回転軸654aに締結固定される第2ピニオン653と、それら第1ピニオン651及び第2ピニオン653が歯合されるラックギヤを平板状の部材の側面に歯切りしたラックとして形成されるラック部材652と、を備える。
ラック部材652は、その長手方向に沿って延設される正面視長穴状の摺動溝652aを2本備え、これら各摺動溝652aに正面ベース620の一対の挿通ピン622がそれぞれ挿通されることで、その移動方向が規定された状態で保持される。即ち、背面ベース610及び正面ベース620の対向面間にラック部材652が直線運動可能に保持される。
伝達部材654は、一端側の背面から突設される回転軸654aと、その回転軸654aと反対側となる他端側の正面から突設される駆動ピン654bと、それら回転軸654a及び駆動ピン654bの間を正面視円弧状に凹欠して形成される凹欠部654cとを備え、回転軸654aが軸支孔625に挿通されることで、正面ベース620の正面側に回転可能に軸支される。
駆動ピン654bは、断面円形の軸状体であり、第1変位部材630及び第2変位部材640の後述する第1溝635及び第2溝641bに挿通される。凹欠部654cの正面視における円弧形状は、正面ベース620の軸受部627の外形に対応する形状(即ち、軸受部627をその内周側に受け入れ可能な形状)に形成される。
よって、伝達部材654の回転軸654aの配設位置を第1変位部材630の回転軸631の配設位置に近接させつつ、正面ベース620の軸受部627に干渉することを抑制して、伝達部材654の回転可能範囲を大きくできる。従って、後述するように、右回転ユニット600全体の小型化を図りつつ、第1変位部材630及び第2変位部材640をより大きく変位させることができる(図37及び図38参照)。
伝達機構によれば、駆動モータ650の回転駆動力により第1ピニオン651が回転されると、その第1ピニオン651の回転が、ラック部材652の直線運動を介して、第2ピニオン653に伝達され、第2ピニオン653が回転されることで、伝達部材654が正面ベース620の軸支孔625を回転中心として回転される。後述するように、伝達部材654を回転させ、その駆動ピン654bを第1溝635及び第2溝641bに作用させることで、第1溝635及び第2溝641bの形状に応じた変位を、第1変位部材630及び第2変位部材640のそれぞれに独立して行わせることができる(図37及び図38参照)。
第1変位部材630の背面には、回転軸631、支持軸632,633及び当接部634がそれぞれ突設されると共に、第1溝635が凹設される。回転軸631は、上述したように、正面ベース620の軸支孔624に挿通される軸状体であり、かかる回転軸631及び軸支孔624を介して、第1変位部材630が正面ベース620に回転可能に軸支される。なお、回転軸631の軸方向端面には、軸支孔624の内径よりも大径の保持体Cが締結固定され、これにより、回転軸631の軸支孔624からの抜け出しが規制される。
支持軸632、633は、第2変位部材640の被駆動部材641及び連結変位部材642をそれぞれ回転可能に軸支するための断面円形の軸状体である。即ち、第2変位部材640の被駆動部材641及び連結変位部材642は、支持軸632、633を介して、第1変位部材630の背面にそれぞれ回転可能に保持される。
当接部634は、回転軸631を中心として周方向に所定の間隔を隔てつつ一対が配設される。これら一対の当接部634の間には、正面ベース620に第1変位部材630が組み付けられた状態において、正面ベース620の突出部628が配設される。よって、後述するように、正面ベース620に対して第1変位部材630が回転軸631を中心として回転される場合に、当接部634が正面ベース620の突出部628の側面に当接されることで、正面ベース620に対する第1変位部材630の回転を所定の範囲内に規制できる。
第1溝635は、伝達部材654の駆動ピン654bが摺動可能に挿通される凹溝であり、正面視略くの字状に屈曲して形成される。詳細には、第1溝635は、第1変位部材630の長手方向に沿って直線状に延設される作用区間635aと、回転軸631側を凹とする円弧状に湾曲しつつ第1変位部材630の幅方向に沿って延設される(即ち、回転軸631と同心の円環形状を分断した形状に形成される)非干渉区間635bとを備える。なお、後述するように、作用区間635aは、伝達部材654の駆動ピン654bから作用を受ける区間であり、非干渉区間635bは、伝達部材654の駆動ピン654bが干渉しない区間である。
第2変位部材640は、被駆動部材641と連結変位部材642との2部材に分割して形成される。被駆動部材641には、長手方向中央に軸支孔641aが貫通形成されると共に、長手方向一端側および他端側に第2溝641b及び連結溝641cがそれぞれ開口形成される。なお、連結変位部材642は、光透過性の樹脂材料から形成される。
軸支孔641aは、上述したように、第1変位部材630の支持軸632が回転可能に挿通される断面円形の孔であり、かかる支持軸632を介して、被駆動部材641が第1変位部材630の背面に回転可能に軸支される。なお、支持軸632の軸方向端面には、軸支孔641aの内径よりも大径の頭部を有するねじが締結され、これにより、支持軸632の軸支孔641aからの抜け出しが規制される。
第2溝641bは、伝達部材654の駆動ピン654bが摺動可能に挿通される溝状の開口であり、被駆動部材641の長手方向に沿って直線状に延設される。被駆動部材641が第1変位部材630の背面に軸支された状態では、第2溝641bが第1変位部材630の第1溝635に重ね合わされる。よって、第2溝641bを介して、第1溝635に伝達部材654の駆動ピン654bが挿通可能とされる。なお、第2溝641bは、後述するように、伝達部材654の駆動ピン654bから作用を受ける作用区間として形成される。
連結溝641cは、被駆動部材641の長手方向に沿って直線状に延設される溝状の開口であり、後述する連結変位部材642の連結ピン643が摺動可能に挿通される。即ち、第2変位部材640は、連結溝641c及び連結ピン643を介して、被駆動部材641の回転を連結変位部材642へ伝達可能に形成される。
連結変位部材642には、軸支孔642aが貫通形成されると共に、その軸支孔642aを挟んで装飾部分642b及び張出部分642cが外方へ張り出して形成される。また、連結変位部材642には、その前面側へ向けて突出される連結ピン643が配設される。
軸支孔642aは、上述したように、第1変位部材630の支持軸633が回転可能に挿通される断面円形の孔であり、かかる支持軸633を介して、連結変位部材642が第1変位部材630の背面に回転可能に軸支される。なお、支持軸633の軸方向端面には、軸支孔642aの内径よりも大径の保持体Cが締結固定され、これにより、回転軸633の軸支孔642aからの抜け出しが規制される。
連結ピン643は、上述したように、被駆動部材641の連結溝641cに挿通され、これにより、被駆動部材641の回転が連結変位部材642へ伝達可能とされる。即ち、支持軸632を回転中心として被駆動部材641を回転させることで、連結変位部材642の支持軸633を回転中心とする回転を形成することができる。
このように、第2変位部材640は、被駆動部材641及び連結変位部材642に2分割されると共に、これら駆動部材641及び連結変位部材642が連結溝641c及び連結ピン643により連結されつつ第2変位部材640に回転可能に軸支されることで、リンク機構を構成するので、そのリンク機構の増幅効果を利用して、後述するように、連結変位部材642(装飾部分642b)の第1変位部材630に対する相対変位量を大きくすることができる(図37参照)。その結果、演出効果を高めることができる。
ここで、連結変位部材642の詳細構成について、図32を参照して説明する。図32(a)は、連結変位部材642の正面図であり、図32(b)は、図32(a)の矢印XXXIIb方向視における連結変位部材642の側面図であり、図32(c)は、図32(a)のXXXIIa−XXXIIa線における連結変位部材642の断面図である。
図32に示すように、連結変位部材642には、軸支孔642aを挟んで装飾部分642bと反対側に張出部分642cが張り出して形成されるので、後述するように、装飾部分642bを上方へ持ち上げる際や持ち上げた後にバランスを取るための錘としての役割を張出部分642cに担わせることができる。
この場合、張出部分642cは、装飾部分642bよりも正面側(図32(b)下側)は突出して形成され、第1変位部材630の背面に当接可能に形成されるので、後述するように、第2変位部材640が変位(回転)する際に、連結変位部材642の第1変位部材630に対するがたつきを抑制できる。また、張出部分642cに錘としての役割と第1変位部材630への当接部分としての役割とを兼用させるので、その分、構造を簡素化して、部品コストの削減を図ることができる。
更に、張出部分642cは、連結変位部材642の正面側(第1変位部材630の背面に対面する側)をなす底壁の4辺から4枚の側壁が背面側に立設されることで、背面側が開放された箱状に形成される。よって、その外形を小さくしつつ、重量と剛性とを確保できる。従って、後述するように、第2変位部材640が変位(回転)する際に、張出部分642cを第1変位部材630の背面に隠した状態(即ち、正面から視認不能とした状態)を確保しつつ、錘としての機能と第1変位部材630に当接してがたつきを抑制する機能とを確実に発揮させることができる。
なお、張出部分642cには、その底壁から突設され軸支孔642aを中心とする円弧に沿って延設される凸条642c1が形成され、かかる凸条642c1の頂部が第1変位部材630の背面に当接可能に形成される。よって、張出部分642cの底壁の全面が第1変位部材630の背面に面当たりする場合と比較して、摺動抵抗を抑制することができる。
連結ピン643は、金属材料(本実施形態では真鍮材料)から形成され、樹脂材料よりも硬度が高くされると共に、その後端面(図32(c)上側の面)が連結変位部材642の背面(即ち、正面ベース620に対面する側の面)から露出する態様で、連結変位部材642に埋設(インサート成形)される。
この場合、正面ベース620の凸条626は、その頂部が、連結変位部材642の変位される際の連結ピン643の変位軌跡に沿って延設されるので、正面ベース620の凸条626の頂部には連結ピン643の後端面を主に当接させることができる。よって、光透過性の樹脂材料からなる連結変位部材642に正面ベース620の凸条626との間での擦れによって曇りが形成されることを抑制できる。従って、連結変位部材642に光を透過させることによる演出効果を継続的に発揮させることができる。
次いで、図33から図39を参照して、右回転ユニット600の動作について説明する。図33及び図34は、退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニット600の正面図であり、図35及び図36は、退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニット600の背面図である。また、図37及び図38は、退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニット600の背面模式図である。
なお、図33(a)は、図35(a)及び図37(a)と、図33(b)は、図35(b)及び図37(b)と、図33(c)は、図35(c)及び図37(c)と、それぞれ同一の状態であり、図34(a)は、図36(a)及び図38(a)と、図34(b)は、図36(b)及び図38(b)と、図34(c)は、図36(c)及び図38(c)と、それぞれ同一の状態である。この場合、図33(c)は、図34(a)と、図35(c)は、図36(a)と、図37(c)は、図38(a)と、それぞれ同一の図である。
図33(a)、図35(a)及び図37(a)に示すように、退避位置では、第1変位部材630が起立状態とされ、第1変位部材630及び第2変位部材640が正面ベース620の正面に配設される。
この状態から、伝達部材654が正方向(図37(a)時計回り)に回転駆動されると、第1変位部材630の第1溝635(作用区間635a)及び第2変位部材640の第2溝641bの内壁面が、伝達部材654の駆動ピン654bによって張出方向(図37(a)右側)へ押されることで、図33(b)、図35(b)及び図37(b)に示すように、第1変位部材630が回転軸631を回転軸として張出方向へ回転される。この場合、第2変位部材640は、第2溝641bが第1溝635の作用区間635bと同じ外形を有していることから、第1変位部材630に対して相対変位せず、第1変位部材630と一体となって変位される。
図33(b)、図35(b)及び図37(b)に示す状態から、伝達部材654が正方向(図37(b)時計回り)に更に回転駆動されると、上述した場合と同様に、第1変位部材630の第1溝635(作用区間635a)及び第2変位部材640の第2溝641bの内壁面が、伝達部材654の駆動ピン654bによって張出方向(図37(b)右側)へ押され、これにより、第1変位部材630が回転軸631を回転軸として張出方向へ回転されると共に、その第1変位部材630と一体に第2変位部材640が変位される。
図33(b)、図35(b)及び図37(b)に示す状態を経て、図33(c)、図35(c)及び図37(c)に示す状態(即ち、図34(a)、図36(a)及び図38(a)に示す状態)に達すると、伝達部材654の駆動ピン654bが、第1変位部材630の第1溝635における作用区間635aと非干渉区間635bとの接続部分に到達される。
なお、図33(c)、図35(c)及び図37(c)(即ち、図34(a)、図36(a)及び図38(a))に示す状態では、第1変位部材630の一対の当接部634のうちの一方の当接部634が、正面ベース620の突出部628の一方の側面に当接されることで、第1変位部材630の張出方向への回転が規制される。
よって、図34(a)、図36(a)及び図38(a)に示す状態から、伝達部材654が正方向(図38(a)時計回り)に回転駆動されると、伝達部材654の駆動ピン654bは、第1変位部材630の第1溝635に対しては、その内壁面に干渉することなく、非干渉区間635bに沿って移動する。これにより、第1変位部材630は、図38(a)に示す状態(位置)に維持される。
これに対し、第2変位部材640は、その第2溝641bの内壁面が、伝達部材654の駆動ピン654bによって下方(図38(a)下側)へ押し下げられることで、図34(b)、図36(b)及び図38(b)に示すように、被駆動部材641が支持軸632を中心として連結溝641cを上昇させる方向(図38(b)反時計回り)に回転される。この被駆動部材641の回転が、連結溝641c及び連結ピン643の連結を介して、連結変位部材642に伝達され、かかる連結変位部材642が支持軸633を回転中心として装飾部分642bを持ち上げる方向(図38(b)時計回り)に回転される。即ち、第1変位部材630が停止されつつ、その第1変位部材630に対して第2変位部材640(連結変位部分642)が相対変位される。
図34(b)、図36(b)及び図38(b)に示す状態から、伝達部材654が正方向(図38(b)時計回り)に更に回転駆動されると、上述した場合と同様に、第1変位部材630が停止されつつ、その第1変位部材630に対して第2変位部材640(連結変位部分642)が相対変位される。その後、伝達部材654の駆動ピン654bが、第1変位部材630の第1溝635における非干渉区間635b及び第2変位部材640の第2溝641bの終端に到達されることで、図34(c)、図36(c)及び図38(c)に示すように、第1変位部材630及び第2変位部材640が張出位置に配置される。
上述した場合とは逆に、図34(c)、図36(c)及び図38(c)に示す張出位置から、伝達部材654が逆方向(図38(c)反時計回り)に回転駆動されると、伝達部材654の駆動ピン654bが、第1変位部材630の第1溝635における非干渉区間635bに沿って移動することで、第1変位部材630は、図38(c)に示す状態(位置)に維持される。
これに対し、第2変位部材640は、その第2溝641bの内壁面が、伝達部材654の駆動ピン654bによって上方(図38(c)上側)へ押し上げられることで、図34(b)、図36(b)及び図38(b)に示すように、被駆動部材641が支持軸632を中心として連結溝641cを下降させる方向(図38(b)時計回り)に回転され、連結変位部材642が支持軸633を回転中心として装飾部分642bを振り下ろす方向(図38(b)反時計回り)に回転される。即ち、第1変位部材630が停止されつつ、その第1変位部材630に対して第2変位部材640(連結変位部分642)が相対変位される。
図34(b)、図36(b)及び図38(b)に示す状態から、伝達部材654が逆方向(図38(b)反時計回り)に更に回転駆動されると、上述した場合と同様に、第1変位部材630が停止されつつ、その第1変位部材630に対して第2変位部材640(連結変位部分642)が装飾部分642bを振り下ろす方向へ相対変位される。
図34(b)、図36(b)及び図38(b)に示す状態を経て、図34(a)、図36(a)及び図38(a)に示す状態(即ち、図33(c)、図35(c)及び図37(c)に示す状態)に達すると、伝達部材654の駆動ピン654bが、第1変位部材630の第1溝635における作用区間635aと非干渉区間635bとの接続部分に到達される。
よって、図33(c)、図35(c)及び図37(c)に示す状態から、伝達部材654が逆方向(図37(c)反時計回り)に回転駆動されると、第1変位部材630の第1溝635(作用区間635a)及び第2変位部材640の第2溝641bの内壁面が、伝達部材654の駆動ピン654bによって起立方向(図37(c)左側)へ押されることで、図33(b)、図35(b)及び図37(b)に示すように、第1変位部材630が回転軸631を回転軸として起立方向へ回転される。この場合、第2変位部材640は、第2溝641bが第1溝635の作用区間635bと同じ外形を有していることから、第1変位部材630に対して相対変位せず、第1変位部材630と一体となって変位される。
図33(b)、図35(b)及び図37(b)に示す状態から、伝達部材654が逆方向(図37(b)時計回り)に更に回転駆動されると、上述した場合と同様に、第1変位部材630が回転軸631を回転軸として起立方向へ回転されると共に、その第1変位部材630と一体に第2変位部材640が変位される。その後、伝達部材654の駆動ピン654bが、第1変位部材630の第1溝635における作用区間635a及び第2変位部材640の第2溝641bの始端に到達されることで、図33(a)、図35(a)及び図37(a)に示すように、第1変位部材630及び第2変位部材640が退避位置に配置される。
なお、図33(a)、図35(a)及び図37(a)に示す起立位置では、第1変位部材630の一対の当接部634のうちの他方の当接部634が、正面ベース620の突出部628の他方の側面に当接されることで、第1変位部材630の起立方向への回転が規制される。
このように、右回転ユニット600は、第1溝635及び第2溝641bが厚み方向(例えば、図33及び図34紙面垂直方向)に重ね合わされた(重畳された)姿勢で第1変位部材630及び第2変位部材640が正面ベース620の正面側に配設されるので、第1溝および第2溝が同一平面内で並設される従来品の場合と比較して、これら第1溝635及び第2溝641b(即ち、第1変位部材630及び第2変位部材640)の配設に要する平面スペースを抑制することができる。その結果、正面視における外形(平面スペース)の小型化を図ることができる。
ここで、パチンコ機10では、表示装置(第3図柄表示装置81)の大型化が要請される。しかし、この場合であっても、厚み方向(前後方向、例えば、図10及び図11紙面垂直方向)のスペースには比較的余裕がある。よって、本実施形態のように、第1溝635及び第2溝641bを重ね合わせ、比較的余裕のある厚み方向のスペースを利用する構成であれば、右回転ユニット600の正面視における外形の小型化を図ることができ、表示装置の大型化に対して特に有効となる。
また、第1溝635及び第2溝641bを重ね合わせる構成であれば、1の駆動ピン654bにより、伝達部材654の回転駆動力を第1変位部材630及び第2変位部材640のそれぞれに伝達することができ、従来品のように、第1溝および第2溝のそれぞれに対して駆動ピン(伝達部材)を個別に設けることを不要とできる。即ち、部品を兼用することができ、その分、部品コストを削減することができる。
第2変位部材640は、上述したように、被駆動部材641及び連結変位部材642に2分割されると共に、これら被駆動部材641及び連結変位部材642が連結溝641c及び連結ピン643により連結されつつ第1変位部材630の支持軸632,633にそれぞれ回転可能に軸支されることで、リンク機構を構成するので、そのリンク機構の増幅効果を利用することができる。よって、図34、図36及び図38に示すように、連結変位部材642(装飾部分642b)の第1変位部材630に対する相対変位量を大きくすることができる。その結果、演出効果を高めることができる。
この場合、本実施形態では、第2変位部材640を被駆動部材641及び連結変位部材642に分割し、リンク機構を形成すると共に、それら被駆動部材641及び連結変位部材642を軸支する支持軸632,633を、第1変位部材630の長手方向に沿って配設することで、図33(a)、図35(a)及び図37(a)に示すように、退避位置において、被駆動部材641と連結変位部材642とが重ね合わされた姿勢を形成することができる。
これにより、第2変位部材640を第1変位部材630の背面側に隠しやすくする(遊技者から視認不能としやすくする)ことができる。よって、退避位置において、右回転ユニット600の正面視における外形の小型化を図ることができるだけでなく(図33(a)参照)、第1変位部材630が起立姿勢から張り出し姿勢へ傾倒される際には(図33(a)から図33(c)参照)、第2変位部材640(装飾部分642b)の存在を遊技者から隠しつつ、第1変位部材630が張り出し姿勢に傾倒された後に、その第1変位部材630の背面から第2変位部材640を飛び出させることができ(図34(a)から図34(c)参照)、遊技者にインパクトを与える演出を行いやすくできる。
上述したように、図33(a)に示す退避位置から図34(c)に示す張出位置までの第1変位部材630及び第2変位部材640の動作は、まず、図33(a)から図33(c)に示すように、第1変位部材630及び第2変位部材640が一体のまま張出方向(即ち、倒れ込む方向、「第1方向」と称す)へ変位(回転)され、図33(c)及び図34(a)に示すように、第1変位部材630の変位(回転)が停止された後、図34(a)から図34(c)に示すように、第2変位部材640の連結変位部材642がその装飾部分642bを持ち上げる方向(「第2方向」と称す)へ変位(回転)させる動作とされる。即ち、第1方向と第2方向とが逆方向とされる。
これにより、第1方向へ変位されていた第1変位部材630の停止に伴う慣性力を、第2変位部材640が第2方向への変位を開始する際の慣性力により打ち消し合わせることができる。その結果、退避位置から張出位置までの一連の動作を円滑に行わせることができ、演出効果を高めることができるだけでなく、慣性力の作用による部品の負荷を軽減して、耐久性の向上を図ることができる。
この場合、本実施形態では、第1変位部材630の重量が、第2変位部材640の重量よりも重くされるので、図33(a)に示す退避位置から図34(c)に示す張出位置まで第1変位部材630及び第2変位部材640を変位させる動作において、重量が重い第1変位部材630を先に停止させ、重量が軽い第2変位部材640を最後に停止させることができる。これにより、駆動モータ650及び伝達機構における歯車(第1ピニオン651、ラック部材652及び第2ピニオン653、図29及び図30参照)が受ける負担を軽減することができる。
即ち、上述した、第1変位部材630及び第2変位部材640が一体のまま張出方向(第1方向)へ変位される状態(図33(a)から図33(c)参照)から、第1変位部材630の変位が停止され(図33(c)及び図34(a)参照)、且つ、第2変位部材640の連結変位部材642がその装飾部分642bを持ち上げる方向(第2方向)へ変位される状態(図34(a)から図34(c)参照)への遷移は、伝達部材654の駆動ピン654bが、第1溝635の作用区間635aから非干渉区間635bへ移行することで行われるので、駆動モータ650及び伝達機構における歯車(第1ピニオン651、ラック部材652及び第2ピニオン653)の回転を継続させることができる。よって、かかる状態の遷移の途上において、第1変位部材630が停止されたとしても、その停止に伴う駆動モータ650伝達機構の歯車への負担を回避できる。
一方で、第1変位部材630の変位が停止され(図33(c)及び図34(a)参照)、且つ、第2変位部材640の連結変位部材642がその装飾部分642bを持ち上げる方向(第2方向)へ変位される状態(図34(a)から図34(c)参照)から、第2変位部材640が停止される状態(図34(c)参照)への遷移は、駆動モータ650及び伝達機構の歯車(第1ピニオン651、ラック部材652及び第2ピニオン653)の回転を停止することが行う必要があり、第2変位部材640が停止される際の慣性力が歯車に作用されるところ、この場合に停止される部材は、重量が軽い第2変位部材640のみであるので、その分、歯車への負担を軽減できる。
ここで、第2変位部材640の連結変位部材642は、上述したように、第1変位部材630に軸支される部分(軸支孔642a)を挟んで装飾部分642bと反対側に外方へ張り出して形成される張出部分642cを備え(図32参照)、かかる張出部分642cに錘の役割を担わせることが可能に形成される。
これにより、図34、図36及び図38に示すように、連結変位部材642を回転させてその装飾部分642bを上方へ持ち上げる際には、装飾部分642bと反対側に張出部分642cが形成されていることで、かかる張出部分642cの重みを利用して、装飾部分642bを上方へ持ち上げやすくすることができる。よって、装飾部分642bを速やかに持ち上げることを可能として、演出効果を高めることができると共に、持ち上げ動作に必要とされる駆動モータ650の駆動力を抑制できる。
また、図34(c)、図36(c)及び図38(c)に示すように、装飾部分642bが持ち上げられた後は、装飾部分642bの重みと張出部分642cの重みとを吊り合わせることができるので、装飾部分642bのみが形成された片持ち状態の場合と比較して、装飾部分642bが持ち上げられた姿勢を安定化させることができると共に、その姿勢を維持するために必要とされる駆動モータ650の駆動力を抑制できる。
この場合、連結変位部材642の張出部分642cは、上述したように、その底壁(凸条642c1、図32参照)を、第1変位部材630の背面に当接可能に形成されるので、図34、図36及び図38に示すように、連結変位部材642を変位(回転)させる際には、その張出部分642cが第1変位部材630の背面に当接されることで、連結変位部材642(装飾部分642b)のがたつきを抑制できる。よって、装飾部分642bの変位の際の姿勢を安定化させて、演出効果を高めることができると共に、がたつきによる軸支部分の摩耗や破損を抑制することができる。
また、張出部分642cが、錘としての役割に加え、第1変位部材630へ当接してがたつきを抑制する役割を兼用するので、これら両役割のための部位をそれぞれ個別に設けることを不要とでき、その分、連結変位部材642の構造を簡素化できる。その結果、部品コストの削減を図ることができる。
更に、連結変位部材642の張出部分642cは、上述したように、略箱状に形成される(図32参照)。これにより、その張出部分642cの外形を小さくしつつ、重みと剛性とを確保することができる。よって、図34、図36及び図38に示すように、張出部分642cを第1変位部材630の背面に隠した状態で(即ち、正面の遊技者から視認不能とした状態で)、連結変位部材642(装飾部分642b)を変位することを確保しつつ、張出部分642cに、錘としての機能と第1変位部材630の背面に当接してがたつきを抑制する機能とを確実に発揮させることができる。
ここで、正面ベース620には、上述したように、第1変位部材630を軸支する軸支孔624が、伝達部材654を軸支する軸支孔625よりも遊技盤13の開口側(第1変位部材630の張出位置側)に配設されるので(図29から図31参照)、図33から図38に示すように、張出位置において、第1変位部材630及び第2変位部材640が遊技盤13の開口側へ張り出す張り出し面積を確保できる一方で、退避位置から張出位置に変位する間、第1変位部材630の背面に伝達部材654を隠しやすくすることができる。
この場合、正面ベース620は、上述したように、第1変位部材630の回転軸631を軸支する軸受部627を備え(図29参照)、伝達部材654は、図38(a)から図38(c)に示すように、第2変位部材640を張出位置に変位させた際に、軸受部627に当接可能に形成されるので、第2変位部材640の第1変位部材630に対する相対回転を所定の範囲内に規制することができる。即ち、駆動モータ650の駆動力を伝達する役割の伝達部材654に、第2変位部材640の第1変位部材630に対する相対回転を所定の範囲内に規制するストッパとしての役割を兼用させることができるので、構造を簡素化して、その分、部品コストの削減を図ることができる。
また、軸受部627は、第1変位部材630を正面ベース620から嵩上げして、第1変位部材630と第2変位部材640とを重ね合わせた姿勢で配設するための部位であるため(図29参照)、比較的剛性が高くされると共に、その外周側にデッドスペースが形成されるところ、図38(c)に示すように、かかる軸受部627に伝達部材654を当接させる構成とすることで、第2変位部材640の第1変位部材630に対する相対回転を規制する部分の剛性を確保して、耐久性の向上を図ることができると共に、デッドスペースを有効に利用でき、その分、小型化を図ることができる。
更に、伝達部材654には、上述したように、軸受部627の外形に対応した凹欠部654cが凹設され(図29から図31参照)、図38(c)に示すように、第2変位部材640が張出位置に張り出される場合には、軸受部627を凹欠部654c内に受け入れ可能に形成されるので、その分、伝達部材654の可動範囲を大きくすることができる。よって、その分、第1変位部材630及び第2変位部材640の変位量を確保できる。言い換えると、伝達部材654の可動範囲を確保しつつ、かかる伝達部材654の回転軸654aの位置を軸受部627に近接させることができるので、第1変位部材630の外形を抑制しつつ、図37及び図38に示すように、第1変位部材630及び第2変位部材640が退避位置および張出位置の間で変位する間、伝達部材654を第1変位部材630の背面に隠した状態(即ち、正面の遊技者から視認不能とした状態)を形成しやすくすることができる。
正面ベース620は、上述したように、その正面視左側(遊技盤13の開口側、例えば、図33(c)左側)に、その側面および前面の稜線部分を面取りすることで傾斜して形成される傾斜面620aが配設される。よって、図34(c)に示す状態から連結変位部材642が装飾部分642bを下降させる方向へ変位(回転)され、図34(b)に示す状態を経て、図34(a)に示す状態を形成する場合には、連結変位部材642が正面ベース620の側面に係止されて変位できなくなることを、傾斜面620aによって抑制できる。同様に、図33(c)に示す状態から第1変位部材630と一体となって第2変位部材640(連結変位部材642)が退避位置へ向けて変位(回転)され、図33(b)に示す状態を経て、図33(a)に示す状態を形成する場合にも、連結変位部材642が正面ベース620の側面に係止されて変位できなくなることを、傾斜面620aによって抑制できる。
特に、本実施形態では、第1変位部材630がその回転軸631を支点として片持ち状態で配設される上に、その第1変位部材630には第2変位部材640が配設され、重量が嵩むため、第1変位部材630に前後方向(図33紙面垂直方向)の揺れ(即ち、連結変位部材642を正面ベース620へ近接離間させる方向の揺れ)が発生しやすく、連結変位部材642が正面ベース620の側面に係止されやすい。よって、正面ベース620に傾斜面620aを設ける構成が特に有効となる。
また、正面ベース620は、上述したように、その前面から突出され第1変位部材630の変位方向(回転方向)に沿って延設される凸条626を備える。よって、図33、図35及び図37に示すように、第1変位部材630と一体となって第2変位部材640が変位される場合には、凸条626の頂部のみを第2変位部材640に接触させることができる。よって、正面ベース620の前面の全体が第2変位部材640に面当たりする場合と比較して、接触面積を小さくして、摺動抵抗を抑制することができる。その結果、第1変位部材630及び第2変位部材640をスムーズに変位させることができると共に、駆動モータ650に必要とされる駆動力を抑制できる。
ここで、この正面ベース620の凸条626と第2変位部材640(連結変位部材642)との関係について、図39を参照して説明する。図39(a)は、正面ベース620及び連結変位部材642の位置関係を説明するための正面模式図であり、図39(b)は、図39(a)のXXXIXb−XXXIXb線における正面ベース620及び連結変位部材642の断面模式図である。
上述したように、第2変位部材640の連結変位部材642は、光透過性の樹脂材料から形成される。そのため、発光体や表示装置から照射される光を透過させて装飾効果を高めることができる。一方で、連結変位部材642は、正面ベース620に対面して配設される部材であるため(図29から図31参照)、第2変位部材640が変位される際の揺れやがたつきの発生に伴い、正面ベース620の正面に当接される。この場合、正面ベース620の前面が連結変位部材642に面当たりすると、正面ベース620の前面との間での擦れによって連結変位部材642に曇りが形成され、光の透過性が損なわれる。
これに対し、本実施形態では、上述したように、正面ベース620の前面には、凸条626が形成され、かかる凸条626の頂部のみを連結変位部材642に当接させることができるため、連結変位部材642に形成される擦れによる曇り(光の透過性が損なわれる部分)を部分的に抑制することができる。
更に、本実施形態では、図39に示すように、第2変位部材640は、被駆動部材641と連結変位部材642とを連結するための金属製の連結ピン643が、連結変位部材642に設けられ、正面ベース620の凸条626は、第1変位部材630と一体となって第2変位部材640が変位される際(図33、図35及び図37参照)の連結ピン643の軌跡に沿って延設される。
これにより、第1変位部材630と一体となって第2変位部材640が変位される際には、連結ピン642の後端面(図39(b)右側の面)を凸条626の頂部に当接させることができる。よって、凸条626の頂部から連結変位部材642に作用する面圧を、連結ピン642の後端面に受け持たせ、その分、連結変位部材642の他の部分に作用する面圧を弱めることができる。その結果、連結変位部材642の他の部分に、凸条626との間での擦れによって曇りが形成されることを抑制して、その光を透過させる機能が損なわれることを抑制できる。
次いで、図40を参照して、正面ベース620の突出部628の機能について説明する。図40(a)は、正面ベース620及び第1変位部材630の位置関係を説明するための正面模式図であり、図40(b)は、図40(a)の矢印XLb方向視における正面ベース620及び第1変位部材630の側面模式図であり、図40(c)は、図40(a)のXLc−XLc線における正面ベース620及び第1変位部材630の断面模式図である。
図40に示すように、正面ベース620は、第1変位部材630を回転可能に軸支する軸受部627を備え、軸受部627の高さの分、第1変位部材630を正面ベース620の正面から嵩上げした状態で軸支するので、正面ベース620の正面と第1変位部材630の背面との間に第2変位部材640を配設する空間を形成することができる。即ち、上述したように、第1変位部材630の背面に第2変位部材640を重ね合わせて配設することできる(図29から図31参照)。
上述したように、正面ベース620は、軸受部627の外周面から径方向外方へ向けて突出して形成される張出部628を備えると共に、第1変位部材630は、その背面から突設される当接部634を備え、正面ベース620の突出部628に第1変位部材630の当接部634が当接されることで、第1変位部材630の正面ベース620に対する相対回転を所定の範囲内に規制できる。
この場合、正面ベース620の軸受部627は、大径の円筒体として正面ベース620の正面から立設され、その剛性が高くされると共に、外周側にデッドスペースを形成するところ、本実施形態では、軸受部627の外周面から径方向外方へ向けて突出部628を突設し、その突出部628に第1変位部材630の当接部634を当接させる構成とすることで、第1変位部材630の正面ベース620に対する相対回転を規制する部分の剛性を確保して、耐久性の向上を図ることができると共に、デッドスペースを有効に利用でき、その分、小型化を図ることができる。
更に、本実施形態では、第1変位部材630の下方側(図40(a)下側)部分の外形が、正面視において、正面ベース620の突出部628を含む大きさに設定される。即ち、第1変位部材630の背面に正面ベース620の突出部628の正面(図40(a)紙面手前側面)が当接可能に形成される。これにより、第1変位部材630が変位される際のがたつきや、第1変位部材630が前方(図40(c)の矢印Fr方向)へ傾倒することを抑制できる。
また、正面ベース620の突出部628に、その側面で第1変位部材630の当接部634を受け止めて相対変位を規制するストッパとしての役割に加え、その正面で第1変位部材630の背面を受け止めてがたつきや傾倒を抑制するための役割を兼用させることができるので、これら両役割のための部位をそれぞれ個別に設けることを不要とでき、その分、構造を簡素化できる。その結果、部品コストの削減を図ることができる。
特に、本実施形態では、第1変位部材630がその回転軸631(正面ベース620の軸受部627)を支点として片持ち状態で配設される上に、その第1変位部材630には第2変位部材640が配設され、重量が嵩むため、第1変位部材630に前後方向(図40(a)紙面垂直方向)の揺れが発生しやすい。第1変位部材630が正面ベース620へ近接する方向(図40(c)の矢印Xと反対方向)への揺れは、第2変位部材640(連結変位部材642)の正面ベース620(凸条626の頂部)への当接により規制できるが、第1変位部材630が正面ベース620から離間する方向(図40(c)の矢印Fr方向)への揺れは、規制できず、上述の通り自重が嵩むことから、支点近傍の破損を招きやすい。そのため、正面ベース620の突出部628の正面を第1変位部材630の背面に当接させ、第1変位部材630の前方への揺れ(傾倒)を抑制できる構成が特に有効となる。
この場合、正面ベース620の突出部628は、軸受部627の外周面から突設されると共に正面ベース620の正面に連設されるので、かかる突出部628の剛性を高めることができる。特に、第1変位部材630が前方(図40(c)の矢印Fr方向)へ傾倒する場合に、その傾倒を支える方向(即ち、突出部628が第1変位部材630の背面と正面ベース620の正面との間で挟まれる方向)の剛性を高めることができるので、第1変位部材630の前方への傾倒を効果的に抑制することができる。
次いで、図41から図48を参照して、左回転ユニット700について説明する。図41は、左回転ユニット700の分解正面斜視図であり、図42は、左回転ユニット700の分解背面斜視図である。また、図43は、左回転ユニット700の部分分解斜視図である。
図41から図43に示すように、左回転ユニット700は、背面ベース710及び正面ベース720からなるベース体と、そのベース体の正面ベース720の正面側に基端側が変位可能に配設される第1変位部材730と、その第1変位部材730の先端側に変位可能に配設される第2変位部材740と、それら第1変位部材730及び第2変位部材740を変位させるための駆動力を発生すると共に背面ベース710の背面に配設される駆動モータ750と、その駆動モータ750の駆動力を伝達する伝達機構と、正面ベース720及び第2変位部材740の間を連結する連結部材(連結第1部材760及び連結第2部材770)と、正面ベース720の下端側正面に覆設されるカバー体780と、を主に備える。
背面ベース710及び正面ベース720の対向面間には、伝達機構の一部(第1ピニオン751、ラック部材752及び第2ピニオン753)が収納される。正面ベース720の背面には、ラック部材752の移動方向を規定するためにそのラック部材752の摺動溝752aに挿通される一対の挿通ピン722が突設される。
正面ベース720には、正面視円形の軸支孔723,724,725が貫通形成され、これら各軸支孔723,724,725には、第1変位部材730の回転軸731、伝達部材754の回転軸754a及び連結第1部材760の回転軸761がそれぞれ回転可能に軸支される。同様に、カバー体780には、正面視円形の軸支孔781が貫通形成され、この軸支孔781には、第1変位部材730の回転軸731が回転可能に軸支される。
また、正面ベース720の正面には、ベース側係合部材726が突設されると共に、受入凹部727が凹設される。ベース側係合部材726は、正面ベース720の正面から立設される基部726aと、その基部726aの先端を屈曲させて形成され内面が係合面とされる屈曲部726bとを備え、退避位置において、第2変位部材740の後述する変位側係合部材742との間で係合面どうしを係合可能に形成される。これにより、後述するように、正面ベース720に対する第1変位部材730及び第2変位部材740の前方への傾倒を抑制できる(図47参照)。
受入凹部727は、ベース側係合部材726の屈曲部726bに対面する位置に凹設される正面視略矩形の凹部であり、第2変位部材740の変位側係合部材742における屈曲部742bの外形よりも大きな開口面積を有して形成されることで、変位側係合部材742の屈曲部742bを受け入れ可能に形成される。これにより、後述するように、退避位置において、正面ベース720に対する第2変位部材730の近接方向への相対変位を許容して、衝突による破損を抑制できる(図47(c)参照)。
伝達機構は、駆動モータ750の駆動軸に装着される第1ピニオン751と、伝達部材754の回転軸754aに締結固定される第2ピニオン753と、それら第1ピニオン751及び第2ピニオン753が歯合されるラックギヤを平板状の部材の側面に歯切りしたラックとして形成されるラック部材752と、を備える。
ラック部材752は、その長手方向に沿って延設される正面視長穴状の摺動溝752aを2本備え、これら各摺動溝752aに正面ベース720の一対の挿通ピン722がそれぞれ挿通されることで、その移動方向が規定された状態で保持される。即ち、背面ベース710及び正面ベース720の対向面間にラック部材752が直線運動可能に保持される。
伝達部材754は、一端側の背面から突設される回転軸754aと、その回転軸754aと反対側となる他端側の正面から突設される駆動ピン754bと、を備え、回転軸754aが軸支孔724に挿通されることで、正面ベース720の正面側に回転可能に軸支される。駆動ピン754bは、断面円形の軸状体であり、連結第1部材760の後述する駆動溝762に挿通される。
伝達機構によれば、駆動モータ750の回転駆動力により第1ピニオン751が回転されると、その第1ピニオン751の回転が、ラック部材752の直線運動を介して、第2ピニオン753に伝達され、第2ピニオン753が回転されることで、伝達部材754が正面ベース720の軸支孔724を回転中心として回転される。
伝達部材754が回転されると、後述するように、伝達部材754の駆動ピン754bが連結第1部材760の駆動溝762に作用し、連結第1部材760及び連結第2部材770が駆動される。その結果、これら連結第1部材760及び連結第2部材770を介して、第1変位部材730に対して第2変位部材740を相対変位させつつ、これら第1変位部材730及び第2変位部材740を正面ベース720に対して変位させることができる(図46参照)。
第1変位部材730は、その長手方向一端側(図42下側)に回転軸731が突設されると共に、その回転軸731と反対側となる長手方向他端側(図42上側)に軸支孔732が貫通形成され、第1変位部材730の背面には、正面視長円形の摺動溝733が凹設されると共に、連結ピン734が突設される。また、第1変位部材730の長手方向他端側の外縁であって、軸支孔732の側方には、被係合部735が形成される。
回転軸731は、上述したように、正面ベース720の軸支孔723及びカバー体780の軸支孔781に挿通される軸状体であり、第1変位部材730は、その回転軸731が軸支孔723,781に挿通されることで、正面ベース720の前面側に回転可能に軸支される。即ち、第1変位部材730は、正面ベース720及びカバー体780の対向面間に基端側が回転可能に軸支される。
軸支孔732は、正面視円形の孔であり、第2変位部材740の回転軸741を回転可能に軸支する。摺動溝733は、第1変位部材730の長手方向に沿って延設される凹溝であり、連結軸790の端部が摺動可能に挿通される。なお、連結軸790は、連結第1部材760及び連結第2部材770の他端どうしを相対回転可能に軸支する。後述するように、連結第1部材760及び連結第2部材770が駆動される際に、連結軸790が第1変位部材730に対する摺動溝733に作用することで、第1変位部材730が正面ベース720に対して変位(回転)される(図45参照)。
連結ピン734は、連結第2部材770の後述する摺動溝772に挿通される断面円形の軸状体であり、第1変位部材730の摺動溝733をその延設方向に延長した延長線上に配置される。よって、連結軸790が第1変位部材730の摺動溝733に沿って摺動する方向と連結ピン734が連結第2部材770の摺動溝772に沿って摺動する方向とを一致させることができる。即ち、後述するように、連結第1部材760及び連結第2部材770が駆動される際に、第1変位部材730に対する連結第2部材770の相対変位の形態を直線運動(スライド変位)とすることができる(図45参照)。
被係合部735は、第2変位部材740と背面視において重なる位置まで張り出す第1変位部材730の外縁に形成される部位であり、張出位置において、第2変位部材740の後述する変位側係合部材742(屈曲部742bの係合面)が係合可能に形成される(図48参照)。これにより、後述するように、張出位置において、第1変位部材730に対する第2変位部材740のがたつきを抑制できる(図48参照)。
第2変位部材740は、その背面に突設される回転軸741及び変位側係合部742と、その背面に凹設される受入凹部743と、回転軸741の端面に締結固定されるフランジ部材744と、を備える。
回転軸741は、上述したように、第1変位部材730の軸支孔732に挿通される軸状体であり、この回転軸741が軸支孔732に挿通されることで、第1変位部材730の長手方向先端側に第2変位部材740が回転可能に軸支される。フランジ部材744は、回転軸741に締結固定される基端側が軸支孔732の内径よりも大径に形成され、これにより、回転軸741の軸支孔732からの抜け出しが規制される。
フランジ部材744の背面には、回転軸741の軸心から偏心する位置に連結ピン744aが突設される。連結ピン744aは、断面円形の軸状体であり、連結第2部材770の後述する連結溝772に挿通される。後述するように、連結第1部材760及び連結第2部材770が駆動される際に、フランジ部材744の連結ピン744aが連結第2部材770の連結溝772から作用を受けることで、第2変位部材740が第1変位部材730に対して相対変位(相対回転)される(図46参照)。
変位側係合部材742は、第2変位部材740の背面から立設される基部742aと、その基部742aの先端を屈曲させて形成され内面が係合面とされる屈曲部742bとを備え、上述したように、退避位置において、正面ベース720の変位側係合部材726との間で係合面どうしを係合可能に形成されると共に、張出位置において、第1変位部材730の被係合部735に係合面を係合可能に形成される。
受入凹部743は、変位側係合部材742の屈曲部742bに対面する位置に凹設される正面視略矩形の凹部であり、正面ベース720のベース側係合部材726における屈曲部726bの外形よりも大きな開口面積を有して形成されることで、ベース側係合部材726の屈曲部726bを受け入れ可能に形成される。これにより、後述するように、退避位置において、正面ベース720に対する第2変位部材730の近接方向への相対変位を許容して、衝突による破損を抑制できる(図47(c)参照)。
連結第1部材760には、長手方向一端側(図42下側)の背面から回転軸761が突設されると共に長手方向略中央部分に摺動溝762が開口され、連結第2部材770には、長手方向一端側(図42上側)及び長手方向中央部分に連結溝771及び摺動溝772がそれぞれ開口される。
連結第1部材760の回転軸761は、正面ベース720の軸支孔725に回転可能に軸支され、連結第2部材770の連結溝771には、第2変位部材740のフランジ部材744における連結ピン744aが挿通される。また、連結第1部材760及び連結第2部材770の長手方向他端どうしは、第1変位部材730の摺動溝733に挿通される連結軸790により相対回転可能に軸支される。
即ち、連結第1部材760の長手方向一端側が正面ベース720に、連結第2部材770の長手方向一端側が第2変位部材740に、それぞれ変位可能に連結されると共に、これら連結第1部材760及び連結第2部材770の長手方向他端どうしの連結部分(連結ピン790)が第1変位部材730に変位可能に連結される。
これにより、後述するように、第1変位部材730及び第2変位部材740の互いの相対変位および正面ベース720に対する相対変位を可能としつつ、連結第1部材760及び連結第2部材770を第1変位部材730の背面に隠して、遊技者から視認し難くすることができる。その結果、張出位置において、連結第1部材760及び連結第2部材770が露出されて、外観が損なわれることを抑制できる(図44(c)及び図45c(c)参照)。
なお、上述したように、連結第1部材760の駆動溝762には、伝達部材754の駆動ピン754bが挿通されると共に、連結第2部材770の摺動溝772には、第1変位部材730の連結ピン734が挿通される。
次いで、図44から図46を参照して、左回転ユニット700の動作について説明する。図44は、退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における左回転ユニット700の正面図であり、図45は、退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における左回転ユニット700の背面図である。また、図46は、退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における左回転ユニット700の背面模式図である。
なお、図44では、カバー体780が省略された状態が図示される。また、図44(a)は、図45(a)及び図46(a)と、図44(b)は、図45(b)及び図46(b)と、図44(c)は、図45(c)及び図46(c)と、それぞれ同一の状態である。
図44(a)、図45(a)及び図46(a)に示すように、退避位置では、第1変位部材730及び第2変位部材740が起立状態とされ、正面ベース720の正面に配設される。
この状態から、伝達部材754が正方向(図46(a)時計回り)に回転駆動されると、連結第1部材760の駆動溝762の内壁面が、伝達部材754の駆動ピン754bによって張出方向(図46(a)左側)へ押されることで、かかる連結第1部材760がその回転軸761を回転中心として張出方向(図46(a)反時計回り)に回転される。
連結第1部材760が張出方向へ回転されると、第1変位部材730の摺動溝733の内壁面が、連結第1部材760及び連結第2部材770の他端どうしを連結する連結軸790によって張出方向(図46(a)左側)へ押されることで、図44(b)、図45(b)及び図6(b)に示すように、第1変位部材730がその回転軸731を回転中心として張出方向(図46(a)反時計回り)に回転される。
また、連結第1部材760が張出方向へ回転されると、その連結第1部材760と他端どうしが連結軸790で連結された連結第2部材770が下方(図46(a)下側)へ引き寄せられ、その連結第2部材770の連結溝771の内壁面が、第2変位部材740のフランジ部材744における連結ピン744aを押し下げることで、図44(b)、図45(b)及び図46(b)に示すように、第1変位部材730に対して第2変位部材740がその回転軸741を回転中心として第1方向(図46(a)時計回り)へ相対変位(相対回転)される。
なお、この場合、連結第2部材770は、第1変位部材730の摺動溝733及び連結第2部材770の摺動溝772の延設方向に沿って、連結軸790及び第1変位部材730の連結ピン734がそれぞれ摺動されることで、第1変位部材730の長手方向に沿って直線運動(スライド変位)される。
図44(b)、図45(b)及び図46(b)に示す状態から、伝達部材754が正方向(図46(b)時計回り)に更に回転駆動され、連結第1部材760がその回転軸761を回転中心として張出方向(図46(b)反時計回り)に回転されると、上述した場合と同様に、第1変位部材730がその回転軸731を回転中心として張出方向(図46(b)反時計回り)に回転されると共に、第1変位部材730に対して第2変位部材740がその回転軸741を回転中心として第1方向(図46(b)時計回り)へ相対変位(相対回転)される。
その後、伝達部材754がその可動範囲の終端に到達されることで、図44(c)、図45(c)及び図46(c)に示すように、第1変位部材730が傾倒され、第1変位部材730及び第2変位部材740が張出位置に配置されると共に、第1変位部材730に対して第2変位部材740が最大に相対変位(相対回転)された状態が形成される。
上述した場合とは逆に、図44(c)、図45(c)及び図46(c)に示す張出位置から、伝達部材754が逆方向(図46(c)反時計回り)に回転駆動されると、連結第1部材760の駆動溝762の内壁面が、伝達部材754の駆動ピン754bによって退避方向(図46(c)右側)へ押されることで、かかる連結第1部材760がその回転軸761を回転中心として退避方向(図46(c)時計回り)に回転される。
連結第1部材760が退避方向へ回転されると、第1変位部材730の摺動溝733の内壁面が、連結第1部材760及び連結第2部材770の他端どうしを連結する連結軸790によって退避方向(図46(c)右側)へ押されることで、図44(b)、図45(b)及び図6(b)に示すように、第1変位部材730がその回転軸731を回転中心として退避方向(図46(c)時計回り)に回転される。
また、連結第1部材760が退避方向へ回転されると、その連結第1部材760と他端どうしが連結軸790で連結された連結第2部材770が上方(図46(c)上側)へ押し上げられ、その連結第2部材770の摺動溝772の内壁面が、第2変位部材740のフランジ部材744における連結ピン744aを押し上げることで、図44(b)、図45(b)及び図6(b)に示すように、第1変位部材730に対して第2変位部材740がその回転軸741を回転中心として第2方向(図46(b)反時計回り)へ相対変位(相対回転)される。
図44(b)、図45(b)及び図46(b)に示す状態から、伝達部材754が逆方向(図46(b)反時計回り)に更に回転駆動され、連結第1部材760がその回転軸761を回転中心として退避方向(図46(b)時計回り)に回転されると、上述した場合と同様に、第1変位部材730がその回転軸731を回転中心として退避方向(図46(b)時計回り)に回転されると共に、第1変位部材730に対して第2変位部材740がその回転軸741を回転中心として第2方向(図46(b)反時計回り)へ相対変位(相対回転)される。
その後、伝達部材754がその可動範囲の始端に到達されることで、図44(a)、図45(a)及び図46(a)に示すように、第1変位部材730が起立され、第1変位部材730及び第2変位部材740が退避位置に配置されると共に、第1変位部材730に対して第2変位部材740の相対変位(相対回転)が最少とされた状態が形成される。
このように、左回転ユニット700によれば、正面ベース720と第2変位部材740との間を連結する連結部材(連結第1部材760及び連結第2部材770)を備えるので、かかる連結部材を正面ベース720と第2変位部材740との間で作用させることで、第1変位部材730の変位(回転)に伴い、第2変位部材730を第1変位部材730に対して相対変位(相対回転)させることができる。
この場合、連結部材が正面ベース720と第2変位部材740との間に架設される従来品では、第1変位部材730が正面ベース720から張り出して離間される方向(張出方向)へ変位されると、連結部材が、正面ベース720と第2変位部材740との間に露出され、遊技者から視認可能となるため、外観が損なわれる。
これに対し、本実施形態によれば、連結部材を連結第1部材760及び連結第2部材770の2部材に分割し、連結第1部材760の長手方向一端を正面ベース720に連結すると共に、連結第2部材770の長手方向他端を第2変位部材740に連結し、これら連結第1部材760及び連結第2部材770の長手方向他端どうしを相対変位可能に連結し、且つ、その連結部分(連結軸790)を第1変位部材730に変位可能に連結するので、第1変位部材730が正面ベース720から張り出して離間される方向(張出方向)へ変位された場合でも、連結部材(連結第1部材760及び連結第2部材770)を第1変位部材の背面に隠して、遊技者から視認し難くすることができる。その結果、連結部材が露出されて、外観が損なわれることを抑制できる。
この場合、連結第2部材770は、上述したように、第1変位部材730の長手方向に沿って直線運動(スライド変位)する形態で第1変位部材730に保持されるので、第1変位部材730が正面ベース720から張り出して離間される方向(張出方向)へ変位(回転)される変位量(回転角度)が大きい(即ち、連結第1部材760及び連結第2部材770の変位量を大きくする必要がある)場合であっても、連結第2部材770が第1変位部材730の背面に隠された状態を維持して、遊技者から視認されることを回避できる。その結果、連結部材が露出されて、外観が損なわれることを抑制できる。
ここで、本実施形態では、第2変位部材740が発光体(図示せず)を備え、その発光体に電力を供給する電気的な接続線Wが第1変位部材730の背面に配線される(図45参照)。この場合、接続線Wは、第2変位部材740のフランジ部材744の背面に形成された開口から導入され、発光体に接続される。そのため、接続線Wは、第1変位部材730の背面に第1変位部材730の長手方向に沿って配線される。よって、第1変位部材730の背面において連結部材が変位する場合、かかる連結部材が干渉して接続線Wに損傷を与えるおそれがある。
この場合、連結部材(連結第2部材770)は、上述したように、第1変位部材730の長手方向に沿って直線運動(スライド変位)する形態で第1変位部材730に配設されるので、連結第2部材770が接続線Wに干渉することを抑制できる。よって、接続線Wを配線するためのスペース(即ち、第1変位部材730の幅方向の寸法)を大きく確保しなくても、連結第2部材770との干渉を避けることができるので、かかる接続線Wの配設のためのスペースを小さくでき、その分、第1変位部材730の正面視形状(特に、幅方向の寸法)の小型化を図ることができる。
ここで、上述した連結部材(連結第1部材760及び連結第2部材770)を備えれば、駆動モータ750の駆動力を第1変位部材730に付与する構成(即ち、第1変位部材730に駆動溝を設け、その駆動溝に伝達部材754の駆動ピン754bを連結する構成)であっても、上述した場合と同様の動作を第1変位部材730及び第2変位部材740に行わせることができる。
しかしながら、この構成の場合には、第1変位部材730の正面視形状の大型化を招く。即ち、連結部材は、連結第1部材760及び連結第2部材770の他端どうしの連結部分を、第1変位部材730の摺動溝733に変位可能に連結する必要があり、そのため、第1変位部材730と正面ベース720との対向面間に配置される。よって、第1変位部材730に駆動溝を設け、その駆動溝に伝達部材754の駆動ピン754b連結する場合には、伝達部材754と連結部材(連結第1部材760及び連結第2部材770)との干渉を避けるために、連結部材の変位軌跡と重ならない位置において、駆動溝を第1変位部材730に設ける必要がある。そのため、第1変位部材730の正面視形状を、連結部材の変位軌跡と駆動溝との両者を含む大きさ(面積)とする必要があり、その分、第1変位部材730の正面視形状が大型化する。
これに対し、本実施形態では、連結第1部材760に駆動溝762を設け、その連結第1部材760の駆動溝762に伝達部材754の駆動ピン754bを連結して、駆動モータ750の駆動力を連結第1部材760に付与する構成であるので、第1変位部材730の正面視形状の小型化を図ることができる。
即ち、伝達部材754と連結部材(連結第1部材760及び連結第2部材770)との干渉を避ける必要がなく、第1変位部材730の正面視形状を、連結部材の変位軌跡のみに対応する大きさ(面積)とすれば良く、駆動溝を含む大きさ(面積)とする必要がないので、その分、第1変位部材730の正面視形状を小型化できる。
次いで、図47及び図48を参照して、ベース側係合部材726及び変位側係合部材742による係合作用について説明する。
図47は、ベース側係合部材726及び変位側係合部材742による係合作用を説明するための左回転ユニット700の断面図であり、図45(a)のXLVIIa−XLVIIa線における断面に対応する。
なお、図47(a)は、第1変位部材730及び第2変位部材740が退避位置に配設される直前の状態が図示され、図47(b)は、第1変位部材730及び第2変位部材740が退避位置に配設された状態が図示される。また、図47(c)は、図47(b)において、第1変位部材730及び第2変位部材740が正面ベース720へ近接する方向へ変位された状態が図示される。
上述したように、正面ベース720の正面には、ベース側係合部材726が突設されると共に、第2変位部材740の背面には、変位側係合部材742が突設され、これらベース側係合部材726及び変位側係合部材742は、その開放側(屈曲部726bの先端側)を互いに向い合せた姿勢で配設される(図41から図43参照)。
よって、図47(a)に示すように、正面ベース720に対して第1変位部材730及び第2変位部材740が退避方向(図47上側)へ向けて変位されると、互いの屈曲部726b,742bを相手の屈曲部726b,742bの内面側へ進入させることができると共に、図47(b)に示すように、第1変位部材730及び第2変位部材740が退避位置に配設されると、互いの屈曲部726b,742bの内面(係合面)どうしを係合させることができる。
ここで、連結部材が正面ベース720と第2変位部材740との間に架設される従来品では、第1変位部材730の回転軸731から比較的離れた位置において、正面ベース720と第2変位部材740とが連結部材により連結される。よって、退避位置において、第1変位部材730がその回転軸731と反対側の先端部分(即ち、第2変位部材740)を正面ベース720から離間する方向(前方)へ傾倒させようとしても、正面ベース720と第2変位部材740との間に介在される連結部材の作用により、その傾倒を抑制することができる。
しかしながら、本実施形態では、連結第2部材770の長手方向一端が第2変位部材740に連結される一方、連結第1部材760の長手方向一端が第1変位部材730の回転軸731に比較的近い位置において正面ベース720に連結される。そのため、退避位置では、第1変位部材730の回転軸731が基端(支点)となり、その回転軸731と反対側の先端部分(即ち、第2変位部材740側)が自由端となる片持ち状態で第1変位部材730及び第2変位部材740が起立姿勢となる。よって、第1変位部材730は、自身の重みや第2変位部材740の重みにより、自由端となる先端側(第1変位部材730の回転軸731と反対側、即ち、第2変位部材740側)を正面ベース720から離間させる方向(前方、図47(b)右側)へ傾倒しやすい。
これに対し、第1変位部材730及び第2変位部材740が退避位置に配置された状態では、図47(b)に示すように、正面ベース720のベース側係合部材726に第2変位部材740の変位側係合部材742を係合させることができるので、第1変位部材730の回転軸731と反対側の先端部分(第2変位部材740)が正面ベース720から離間する方向(前方、図47(b)右側)へ傾倒することを抑制できる。
なお、変位側係合部材742は、第1変位部材730の背面から突設されても良いところ、本実施形態では、かかる変位側係合部材742が、第2変位部材740の背面から突設される。よって、ベース側係合部材726と変位側係合部材742との係合位置を、第1変位部材730の回転軸731から離れた位置とすることができる。これにより、第1変位部材730の回転軸731と反対側の先端部分(第2変位部材740)が正面ベース720から離間する方向(前方、図47(b)右側)へ傾倒することを効果的に抑制できる。
一方で、変位側係合部材742が第2変位部材740に形成される場合、かかる変位側係合部材742が第1変位部材730の回転軸731から離れた位置となるため、第1変位部材730の前後方向(図47左右方向)の揺れの影響を受けやすくなり、ベース側係合部材726と変位側係合部材742との位置関係が不安定となる。そのため、第1変位部材730及び第2変位部材740が退避位置へ向けて変位される際に、ベース側係合部材726と変位側係合部材742とを係合させることが困難となる。
これに対し、本実施形態では、変位側係合部材742は、屈曲部742bの内面の係合面が、その屈曲部742bの先端側から基端側(基部742a側)へ向かうに従って、第2変位部材740の背面に近接する方向に傾斜して形成される。これにより、変位側係合部材742の受入側(屈曲部742bの先端側、図47(a)上側)において、係合面と第2変位部材740の背面との間の間隔を広くできるので、第1変位部材730及び第2変位部材740が退避位置へ向けて変位される際に、揺れが生じたとしても、ベース側係合部材726と変位側係合部材742とを係合させやすくできる。
このように、ベース側係合部材726と変位側係合部材742とを係合させやすくしつつ、これらの係合が開始されると、第1変位部材730及び第2変位部材740が退避位置へ向けて変位されるに従って、ベース側係合部材742(屈曲部742b)における係合面の傾斜に伴って、第2変位部材740を正面ベース720側(図47(b)左側)へ近接させることができる。
これにより、退避位置において、第1変位部材730の回転軸731を支点として、第1変位部材730及び第2変位部材740がその先端部分(第2変位部材740側)を正面ベース720から離間する方向(前方、図47(b)右側)へ傾倒することを抑制できるだけでなく、第2変位部材740の正面ベース720からの突出寸法を抑制することができると共に、上記傾斜に伴う正面ベース720への近接により、第1変位部材730及び第2変位部材740が全体として若干の弾性変形を伴うことで、その弾性回復力を利用して、第1変位部材730及び第2変位部材740の正面ベース720に対するがたつきを抑制して、その姿勢を停止状態に安定して維持することができる。
一方で、第1変位部材730及び第2変位部材740が、第1変位部材730の回転軸731を支点として、その先端部分(第2変位部材740側)を正面ベース720へ近接する方向(前方、図47(b)左側)へ傾倒することは許容される。この場合、ベース側係合部材726及び変位側係合部材742は、断面略くの字状に屈曲された板状体であり、上記傾倒の際に、第2変位部材740の背面または正面ベース720の正面に衝突されると、折れ曲がる方向へ変性されるので、折損する恐れが高い。
これに対し、本実施形態によれば、上述したように、正面ベース720の前面および第2変位部材740の背面には、相手の屈曲部726b,742bを受け入れるための受入凹部727,743が凹設(開口形成)されるので、図47(c)に示すように、第1変位部材730及び第2変位部材740が正面ベース720へ近接する方向(前方、図47(b)左側)へ傾倒される際には、相手の屈曲部726b,742bを受入凹部部727,743に受け入れさせることができる。これにより、ベース側係合部材726及び変位側係合部材742の衝突による折損を抑制できる。
なお、上記傾倒の際に、正面ベース720の正面には、その正面に平行に対面する連結第2部材770の背面が全面にわたって面当たりの態様で衝突されるので、衝突時の面圧を低減(分散)することができる。よって、破損を抑制できる。
図48(a)は、図45(c)のXLVIIIa部における第1変位部材730及び第2変位部材740の部分拡大図であり、図48(b)は、図48(a)の矢印XLVIIIb方向視における第1変位部材730及び第2変位部材740の側面図である。
上述したように、左回転ユニット700は、退避位置から張出位置へ移行される際には、第1変位部材730が張り出されると共に、その第1変位部材730に対して第2変位部材740がその回転軸741を回転中心として相対的に変位(回転)される(図45(a)から図45(c)参照)。
図48(a)及び図48(b)に示すように、本実施形態によれば、第1変位部材730及び第2変位部材740が張出位置に配設されると(図45(c)参照)、変位側係合部材742(屈曲部742b)の係合面が、第1変位部材730の被係合部735に係合され、これにより、第1変位部材730と第2変位部材740とを結合させることができる。よって、張出位置において、第2変位部材740が第1変位部材730に対してがたつくことを抑制できる。
特に、変位側係合部材742の係合面は、上述のように、傾斜されているため、その傾斜の分、第1変位部材730及び第2変位部材740を若干の弾性変形を伴わせつつ互いに近接する方向へ変位させることができる。よって、退避位置において、第1変位部材730及び第2変位部材740の間でのがたつきを抑制して、その姿勢を停止状態に安定して維持することができる。
また、変位側係合部材742に、退避位置において正面ベース720のベース側係合部材726と係合して、第2変位部材740を正面ベース720に結合させる役割に加え、張出位置において第1変位部材730の被係合部735と係合して、第2変位部材740を第1変位部材730に結合させる役割を兼用させることができるので、これら両役割のための部位をそれぞれ個別に設けることを不要とでき、その分、構造を簡素化できる。その結果、部品コストの削減を図ることができる。
次いで、図49から図55を参照して、入賞装置65について説明する。図49は、入賞装置65の分解正面斜視図であり、図50は、入賞装置65の分解背面斜視図である。図51(a)は、入賞装置65の正面図であり、図51(b)は、入賞装置65の背面図であり、図51(c)は、入賞装置65の上面図である。
また、図52(a)及び図52(b)は、図51のLIIa−LIIa線における入賞装置65の断面図であり、図53(a)及び図53(b)は、図52(a)及び図52(b)のLIIIa−LIIIa線およびLIIIb−LIIIb線における入賞装置65の断面模式図である。
なお、図51では、開閉板860の図示が、図53では案内リブ813aの図示が、それぞれ省略される。また、図52(a)では、シーソー部材840が第1状態を形成した状態が、図52(b)では、シーソー部材840が第2状態を形成した状態が、それぞれ図示される。
図49から図51に示すように、入賞装置65は、正面ベース810と、その正面ベース810の背面側に重ね合わされる中間ベース820と、その中間ベース820の背面側に重ね合わされる背面ベース830と、前面ベース810及び中間ベース820の対向面間に配設されるシーソー部材840及び従動部材850と、入賞口65aを開閉する開閉板860と、を主に備えて形成される。
入賞装置65は、正面ベース810、正面ベース820及び背面ベース830によって内部空間を有する箱状に形成され、その内部空間には、入賞口65aから入賞された球が案内されて通過する案内通路が形成され、その案内通路を遊技球が通過する際に、遊技球の重みがシーソー部材840に作用するように形成される。
シーソー部材840は、遊技球の重みが作用されない状態では、一端側(一端装飾部853)が下降されると共に他端側(他端装飾部843)が上昇された第1状態を形成し(図52(a)参照)、遊技球の重みが他端側に作用されると、一端側が上昇されると共に他端側が下降された第2状態を形成する(図52(b)参照)。
即ち、入賞装置65は、案内通路を通過する遊技球の重みを利用して、シーソー部材840に第1状態と第2状態とを交互に現出させ、かかるシーソー部材840の一端側(一端装飾体853)及び他端側(他端側装飾体843)を上下に変位させる演出を実行可能に形成される。
ここで、シーソー部材840は、後述するように、その一端側と他端側とを結ぶ方向において、受け面844の長さ寸法よりも、傾斜面845及び排出面846の長さ寸法が大きくされる。よって、複数の球が連続して通過する場合には、傾斜面845及び排出面846上に遊技球が滞留して、第2状態が維持されやすい。これに対し、本実施形態では、複数の遊技球が連続して通過する場合でも、遊技球の重みでシーソー部材840が第2状態のままとなることを抑制し、第1状態と第2状態とを交互に現出させる演出を確実に実行できるように構成される。以下、かかる演出を行うための入賞装置65の構成について説明する。
正面ベース810は、その前面を形成する正面基板811と、その正面基板811の背面から突出される正面第1側壁812、正面第2側壁813、正面第1底壁814及び正面第2底壁815と、を主に備える。
正面ベース810には、その下縁側を凹欠して形成される凹欠部811a,811bが幅方向に所定間隔を隔てつつ並設され、これら凹欠部811a,811bを介して、シーソー部材840及び従動部材850の一部(一端側装飾部853及び他端側装飾部843)が遊技者に視認可能に露出される。
正面第1側壁812及び正面第2側壁813は、遊技球を案内する案内通路の側壁を形成する部位であり、所定間隔を隔てつつ互いに対向して配設される。正面第1底壁814及び正面第2底壁815は、案内通路の底壁を形成する部位であり、正面第1側壁812及び正面第2側壁813の下端側にそれぞれ連結される。
正面第1側壁812及び正面第2側壁813の対向間であって、その上端側の開放部分が入賞口65aとされ、かかる開放部分(入賞口65a)から遊技球が案内通路へ流入される。この場合、正面第2側壁813は略垂直に形成される一方、正面第1側壁812及び正面第1底壁814は、正面第2底壁815へ向けて下降傾斜されると共に、正面第1底壁814よりも正面第2底壁815が低い位置に配置される。よって、入賞口65aから案内通路に流入された遊技球を、正面第1側壁812及び正面第1底壁814の下降傾斜により、正面第2底壁815に案内できる。
正面第2底壁815には、正面基板811から離間する側(即ち、中間ベース830側)へ向けて下降傾斜する案内底面815aが形成される。よって、正面第2底壁815に案内された遊技球は、案内底面815aをその下降傾斜に沿って転動して、中間ベース830の案内通路(受入口821b)へ案内される。
なお、正面第2側壁813には、案内リブ813aが複数箇所(本実施形態では3箇所)に立設される。案内リブ813aは、正面ベース811から離間されるに従って正面第2側壁813からの立設高さが低くされる形状に形成されることで、その立設先端面が傾斜面とされる。これにより、例えば、入賞口65aから案内通路へ流入(落下)される際に正面第1側壁812に衝突して跳ね返された結果、その遊技球が比較的速い速度で正面第2側壁813へ進行する場合でも、かかる遊技球を案内リブ813aの立設先端の傾斜面によって、中間ベース830の案内通路へ向けてスムーズに案内することができる。
中間ベース820は、前面ベース810の正面基板811に所定間隔を隔てつつ対向する中間基板821と、その中間基板821の背面から突出される中間第1側壁822、中間第2側壁823及び中間底壁824と、を主に備える。
中間基板821には、開閉板進退口821aと、受入口821bと、送出口821cと、排出口821dとが開口形成される共に、中間基板821の正面には、支持軸821eと、軸受821fと、ストッパ部821g,821hと、が突設される。
中間基板821の開閉板進退口821aは、開閉板860の進退を許容するための開口であり、開閉板進退口821aから開閉板860が正面ベース810側へ前進(突出)されることで、入賞口65aが閉鎖されると共に、開閉板進退口821aまで開閉板860が後退(退避)されることで、入賞口65aが開放される。
中間基板821の受入口821bは、正面ベース810の正面第2底壁815(案内底面815a)から案内される遊技球を中間ベース820側の案内通路に受け入れるための開口であり、その開口の底面(受入底面821b1)が正面第2底壁815の案内底面815aに連なって形成される。
中間基板821の送出口821cは、中間ベース820側の案内通路からシーソー部材840の受け面844へ遊技球を送り出すための開口であり、その開口の底面が中間底壁824の後述する案内底面824aにより形成される。即ち、中間ベース820側の案内通路を通過した遊技球は、中間底壁824の案内底面824a上を転動し、送出口821cからシーソー部材840の受け面844に送り出される。
中間基板821の排出口821dは、シーソー部材840の排出面846から排出された遊技球を受け入れるための開口であり、その開口の底面が排出底壁825により形成される。シーソー部材840の排出面846から排出され排出口821dに受け入れられた遊技球は、排出底壁825上を転動して、背面ベース830の背面側に接続される排出通路(図示せず)へ送り出される。
中間基板821の支持軸821eは、シーソー部材840を回転可能に軸支するための軸状体であり、シーソー部材840の軸受841に挿通される。中間基板821の軸受821fは、従動部材850を回転可能に軸支するための軸孔であり、従動部材850の回転軸851が挿通される。
中間基板821のストッパ部821g,821hは、シーソー部材840の下面に当接してそのシーソー部材840の回転を規制するための部位であり、ストッパ部821gは、シーソー部材840の長手方向他端側の下面(排出面846と反対側の面)に当接可能に形成され、ストッパ部821hは、シーソー部材840の長手方向一端側の下面(受け面844と反対側の面)に当接可能に形成される。
なお、シーソー部材840の第1状態は、かかるシーソー部材840の回転がストッパ部821hにより規制されることで形成され(図52(a)参照)、第2状態は、シーソー部材840の回転がストッパ部821gにより規制されることで形成される(図52(b)参照)。
ここで、ストッパ部821gは、上述したように、シーソー部材840の排出面846と反対側となる下面に当接可能な位置に形成されるので、遊技球の排出を安定化させることができる。即ち、シーソー部材840の排出面846に遊技球が載置されその重みで第2状態が形成される場合に、排出面846と反対側の下面をストッパ部821gが支えるので、例えば、ストッパ部821hのように支持軸821eに近い位置(例えば、傾斜面845と反対側の下面)をストッパ部821gが支える場合と比較して、シーソー部材840の排出面846側の揺れを抑制できる。その結果、排出面846からの遊技球の排出を安定化できる。
中間第1側壁822及び中間第2側壁823は、中間ベース820側の案内通路(受入口821bから受け入れた遊技球を送出口821cまで案内する通路)の側壁を形成する部位であり、所定間隔を隔てつつ互いに対向して配設される。即ち、中間第1側壁822及び中間第2側壁823は、正面ベース810側の案内通路から水平方向(図52(a)左右方向)に沿って送出された遊技球を受入口821bから受け入れると共にその受け入れた遊技球を中間底壁824へ向けて略垂直方向(図52(a)上下方向)に沿って案内する。
中間底壁824は、中間ベース820側の案内通路の底壁を形成する部位であり、中間第1側壁822及び中間第2側壁823の下端側にそれぞれ連結される。中間底壁824には、送出口821c側(即ち、シーソー部材840の受け面844)へ向けて下降傾斜する案内底面824aが形成される。中間ベース820側の案内通路を案内される遊技球は、中間底壁824の案内底面824a上を転動して、送出口821cを介して、シーソー部材840の受け面844へ略水平方向(図52(a)左右方向)に沿って送り出される。
このように、中間ベース820側の案内通路には、中間底壁824(案内底面824a)が設けられ、その案内底面824aを転動した遊技球をシーソー部材840の受け面844へ略水平方向横側から案内するので、かかる受け面844へ遊技球を1球ずつ順に案内することができ、受け面844の上方から遊技球を落下させる形態の場合のように、受け面844上に複数の遊技球が積み重なることを回避できる。これにより、後述するように、複数の遊技球が連続して案内通路を通過する場合であっても、シーソー部材840の第1状態と第2状態との交互の切り替えを行いやすくできる。
ここで、中間ベース820側の案内通路のうちのシーソー部材840の受け面844へ向けて略水平方向に沿って遊技球を案内する案内通路の延設長さは、遊技球の直径の2倍以下に設定されることが好ましい。本実施形態では、案内底面824aの延設先端から背面ベース830の後述する背面壁831までの水平方向の距離寸法L(図52(a)参照)が遊技球の直径の1.5倍に設定される。これにより、後述するように、案内通路を複数の遊技球が連続して通過する場合でも、シーソー部材840の受け面844に遊技球を1球ずつ間隔を隔てさせつつ案内することができる。
また、中間第1側壁822及び中間第2側壁823の対向間隔は、遊技球の直径と同等の寸法に設定される。よって、これら中間第1側壁822及び中間第2側壁823の対向面の間で遊技球の位置を規定できるので、案内底面824aを転動して送出口821cから送り出される遊技球を常にシーソー部材840の受け面844に受け取らせる(受け面844の同一位置に案内する)ことができる。
この場合、中間底壁824の案内底面824aは、第1状態では、その下降傾斜終端の高さ位置がシーソー部材840の受け面844の高さ位置よりも高い位置となるように形成される(図53(a)参照)。これにより、後述するように、案内底面824aからシーソー部材840の受け面844へ遊技球をスムーズに案内でき、第2状態への移行を速やかに行わせることができる。
一方、第2状態では、その下降傾斜終端の高さ位置が、シーソー部材840の受け面844の高さ位置よりも低い位置となるように形成される(図53(b)参照)。これにより、後述するように、案内底面824aとシーソー部材840の受け面844との間に形成される段差を利用して、シーソー部材840の受け面844を下降させやすくでき、第1状態を形成しやすくすることができる。
背面ベース830は、背面壁831と、排出側壁832と、排出天井壁833と、を主に備える。背面壁831は、中間ベース体820の中間第1側壁822、中間第2側壁823及び中間底壁824の背面側の端面に当接される(即ち、背面側の開放部分に覆設される)部位であり、案内通路の背面側の壁(背面壁)を形成する。
排出側壁832及び排出天井壁833は、中間ベース820の排出口821dから排出通路(図示せず)まで遊技球を案内するための案内通路の側壁および天井壁を形成する部位であり、排出口821dの外縁に沿って延設される。即ち、中間ベース820の排出底壁825と背面ベース830の排出側壁832及び排出天井壁833とにより取り込まれる案内通路の断面形状が、中間ベース820の排出口821dの形状と略同一の形状とされる。これにより、かかる案内通路の横幅を確保できるので、複数の遊技球をスムーズに案内できる。また、シーソー部材840の排出面846で先の遊技球に後の遊技球が衝突して跳ね上げられる場合でも、後の遊技球をスムーズに案内できる。詳細については、後述する。
シーソー部材840は、その長手方向略中央部分に形成される軸受841と、長手方向一端側に形成される連結ピン842と、長手方向他端側に形成される他端装飾部843と、上面に形成される受け面844、傾斜面845及び排出面846と、排出面846に立設される爪部847と、を主に備える。
軸受841は、上述したように、中間ベース820の中間基板821から突設される支持軸821eが回転可能に挿通される断面円形の孔であり、支持軸821e及び軸受841を介して、シーソー部材840が正面ベース810及び中間ベース820の対向面間に回転可能に軸支される。
連結ピン842は、断面円形の軸状体であり、従動部材850の後述する連結溝852に摺動可能に挿通される。これにより、シーソー部材840の回転が従動部材850へ伝達可能とされる。即ち、支持軸821eを回転中心としてシーソー部材840が回転されると、連結ピン842が連結溝852に作用することで、従動部材850の回転軸851を回転中心とする回転を形成することができる。
他端装飾部843は、正面に図柄などの装飾が施された部位であり、上述したように、正面ベース810の凹欠部811bを介して遊技者に視認可能に露出される。
受け面844は、中間ベース820の案内通路において、その案内底面824aを転動して送出口821cから送り出された遊技球を受け取る平坦面状の部位であり、傾斜面845は、受け面844が受け取った遊技球を排出面846まで転動させるための平坦面状の部位である。
これら受け面844及び傾斜面845は、シーソー部材840の回転位置によらず、即ち、遊技球がシーソー部材840に載置されていない無負荷状態(即ち、第1状態、図52(a)参照)であっても、排出面846へ向けて下降傾斜を有する形状に形成される。よって、第1状態または第2状態のいずれの状態においても、受け面644が受け取った遊技球を、受け面644及び傾斜面643から排出面646へ向けて転動させることができる。
ここで、本実施形態では、受け面844は、軸受841の軸心よりもシーソー部材840の長手方向一端側(図52(a)左側)に位置するので、第2状態(他端側が下降されると共に一端側が上昇された状態、図52(b)参照)において、受け面844が遊技球を受け取った場合に、その受け取った遊技球の重みにより、長手方向一端側(受け面844側)を下降させることができる。その結果、後述するように、複数の遊技球が連続して落下される場合であっても、第1状態と第2状態とを交互に切り替えやすくすることができる。
排出面846は、遊技球をシーソー部材840から中間ベース820の排出口821dへ送り出す(排出する)ための平坦面状の部位であり、正面ベース810側から中間ベース820側(図52(b)紙面手前側から奥側)へ向けて下降傾斜して形成される。よって、排出面846まで遊技球が転動されると、その排出面846の下降傾斜により遊技球を中間ベース820の排出口821dへ向けて転動させることができる。
爪部847は、シーソー部材840の長手方向に沿って遊技球が排出面846上を転動する際に、その遊技球の転動方向を、中間ベース820の排出口821dへ向かう方向へ切り替えるための部位であり、当接された遊技球を排出口821dへ向けて案内する傾斜面として形成される案内面847aを備える。これにより、排出面846を転動する遊技球を排出口821dへ速やかに流入させやすくできる。よって、後述するように、シーソー部材840の排出面846に遊技球が載置されている時間(即ち、第2状態が形成されている時間)を短くして、第1状態と第2状態との交互の切り替えを円滑に行わせることができる。
この場合、爪部847は、シーソー部材840の長手方向他端側に形成されると共に、シーソー部材840の幅方向において、正面ベース810に近接する側(排出口821dと反対側)に偏って配設される。これにより、後述するように、被出面846を転動する遊技球の位置がシーソー部材840の幅方向にばらつく場合に、シーソー部材840の排出面846に遊技球が載置されている時間(即ち、第2状態が形成されている時間)を一定としやすくでき、その結果、第1状態と第2状態との交互の切り替えを円滑に行わせることができる。
従動部材850は、その従動部材850の長手方向他端側の背面から突設される回転軸851と、その回転軸851の下方に並設されると共に従動部材850の背面に正面視長穴状の溝として凹設される連結溝852と、従動部材850の正面に形成されると共に正面ベース810の凹欠部811bを介して遊技者に視認可能に露出される一端装飾部853と、を主に備える。
回転軸851は、上述したように、中間ベース820の中間基板821から突設される軸受821fに回転可能に挿通される軸状体であり、回転軸851及び軸受821fを介して、従動部材850が正面ベース810及び中間ベース820の対向面間に回転可能に軸支される。
連結溝852は、上述したように、シーソー部材840の連結ピン842が摺動可能に挿通される凹溝であり、連結溝852の延設方向に沿って連結ピン842が摺動されることで、シーソー部材840の回転に伴って従動部材850が回転される。
なお、シーソー部材840が第1状態から第2状態へ遷移されると、シーソー部材840の連結ピン842により連結溝852の内壁面が押し上げられ、従動部材850が回転軸851を回転中心として図52(a)時計回りに回転されることで、連従動部材850(一端装飾部853)が上昇される(図52(b)参照)。一方、シーソー部材840が第2状態から第1状態へ遷移されると、シーソー部材840の連結ピン842により連結溝852の内壁面が押し下げられ、従動部材850が回転軸851を回転中心として図52(a)時計回りに回転されることで、連従動部材850(一端装飾部853)が下降される(図52(a)参照)。
本実施形態では、このように、シーソー部材840の連結ピン842を従動部材850の連結溝852に連結し、シーソー部材840の回転に伴って従動部材850を回転させるリンク機構を構成するところ、かかるリンク機構のリンク比が、シーソー部材840の回転角度に対して従動部材850の回転角度を増幅させる比率に設定される。これにより、従動部材850(一端装飾部853)の可動範囲を拡大して、その変位に伴う演出効果を高めることができる。
ここで、第1状態から第2状態への遷移は、遊技球の重みを利用してシーソー部材840を回転させられるため、その動作を高速としやすく、比較的短時間で行うことができる。これに対し、第2状態から第1状態への遷移は、シーソー部材840の回転をその自重のみで行う必要があるため、動作が低速となり、時間が嵩む。複数の遊技球が連続して案内通路を通過する場合に、シーソー部材840の第1状態と第2状態との交互の切り替えを確実に行うためには、第2状態から第1状態への遷移を速やかに行わせることが必要となる。
この場合、本実施形態によれば、シーソー部材840の長手方向一端側には、従動部材850が連結されるので、かかる従動部材850の重みを、シーソー部材840の長手方向一端側を下降させる外力(即ち、第2状態から第1状態へ遷移させるための補助力)として利用することができる。これにより、第2状態から第1状態への遷移に要する時間を短縮することができ、その結果、複数の遊技球が連続して案内通路を通過する場合であっても、シーソー部材840の第1状態と第2状態との交互の切り替えを行いやすくすることができる。
次いで、入賞装置65の動作について説明する。入賞口65aから遊技球が正面ベース810側の案内通路に流入されると、かかる遊技球は、正面第2底壁815に集められ、かかる正面第2底壁815の案内底面815a上を転動することで、略水平方向(図53(a)及び図53(b)の右方向)に案内され、中間ベース820の受入口821bから中間ベース820側の案内通路に流入される。
中間ベース820側の案内通路に流入された遊技球は、中間第1側壁822及び中間第2側壁823の対向面間を略垂直方向(図53(a)及び図53(b)の下方向)に案内され、中間底壁824に到達される。中間底壁824に到達された遊技球は、その案内方向が切り替えられる。即ち、遊技球は、中間底壁824の案内底面824a上を転動することで、略水平方向(図53(a)及び図53(b)の左方向)に案内され、中間ベース820の送出口821cからシーソー部材840の受け面844へ送り出される。
図52(a)に示すように、第1状態を形成するシーソー部材840がその受け面844で遊技球を受け取ると、かかる遊技球が受け面844及び傾斜面845を排出面846へ向けて転動され、その遊技球の重みでシーソー部材840が回転軸841を回転中心として図52(a)時計回りに回転され(長手方向他端側(他端装飾部843側)が下降され)、図52(b)に示すように、第2状態が形成される。但し、図52(b)では、遊技球の図示が省略される。
排出面846から遊技球が中間ベース820の排出口821dへ排出され、シーソー部材840に遊技球の重みが作用されない無負荷状態が形成されると、シーソー部材840がその自重により回転軸841を回転中心として図52(b)反時計回りに回転され(長手方向他端側(他端装飾部843側)が上昇され)、図52(a)に示すように、第1状態が形成される(シーソー部材840が第1状態に復帰される)。
この場合、シーソー部材840に複数の遊技球が連続して案内されると、遊技球の重みにより、シーソー部材840が第2状態(長手方向他端側(他端装飾部843側)が下降された状態)に維持され、第1状態と第2状態とを交互に切り替えることができない恐れが生じる。
これに対し、本実施形態によれば、シーソー部材840は、その受け面844が回転軸841よりも長手方向一端側(図52(b)左側)に位置されるので、図52(b)に示すように、第2状態を形成するシーソー部材840がその受け面844で遊技球を受け取った場合でも、その受け面844が支える遊技球の重みにより、長手方向一端側を下降させることができる。即ち、シーソー部材840を回転軸841を回転中心として図52(b)反時計回りに回転させ(長手方向他端側(他端装飾部843側)を上昇させ)、図52(b)に示す第2状態を形成する(形成しやすくする)ことができる。その結果、複数の遊技球が連続して案内される場合であっても、第1状態と第2状態とを交互に切り替えやすくすることができる。
ここで、本実施形態では、上述のように、正面ベース810、中間ベース820及び背面ベース830の内部空間に遊技球を案内する案内通路が形成されるので、入賞口65aから複数の遊技球が連続して流入される場合であっても、案内通路を利用して、複数の遊技球を貯留することができると共に、それら複数の遊技球をシーソー部材840の受け面844へ順に案内することができる。
但し、このように、案内通路を利用して複数の遊技球を貯留すると共にシーソー部材840の案内面844へ遊技球を順に案内する場合であっても、遊技球がシーソー部材840の受け面844にその上方から落下により案内される形態では、これら複数の遊技球が受け面844上に積み重なりやすく、遊技球を受け面844から傾斜面845へ転動させることが阻害されるため、シーソー部材840の第1状態と第2状態との交互の切り替えを行うことができない。
これに対し、本実施形態では、案内通路の終端側(送出口821b側)には、略水平方向に延設されると共に遊技球が転動する案内底面824aを有する水平通路(中間底壁824)が形成され、その水平通路の案内底面824aを転動した遊技球を、シーソー部材840の受け面844へ略水平方向(図53(a)及び図5(b)左右方向)から案内することができる。これにより、水平通路からシーソー部材840の受け面844へ遊技球を1球ずつ順に案内することができ(即ち、受け面844が水平通路から1球ずつ順に遊技球を受け取ることができ)、かかる受け面844に複数の遊技球が上下に積み重なることを回避できる。よって、シーソー部材840の第1状態と第2状態との交互の切り替えを行いやすくできる。
この場合、上述したように、中間ベース820側の案内通路は、中間第1側壁822及び中間第2側壁823の対向面間により遊技球を略垂直方向(図52(a)上下方向)に沿って案内する通路(上流通路)を備えると共に、その下流側に水平通路(中間底壁824)が連結され、その水平通路の延設長さが遊技球の直径の2倍よりも短くされる。これにより、案内通路に複数の遊技球が貯留される場合でも、シーソー部材840の受け面844に遊技球を1球ずつ間隔を隔てさせつつ案内することができる。
即ち、水平通路(中間底壁824)の延設長さが遊技球の直径の2倍よりも小さい寸法に設定されることで(なお、本実施形態では、案内底面824aの延設先端から背面ベース830の後述する背面壁831までの水平方向の距離寸法Lが遊技球の直径の略1.5倍とされる)、かかる水平通路には1の遊技球のみが存在する状態とでき、また、水平通路の延設方向と上流通路の延設方向とが異なる方向とされるので、上流通路から水平通路へ球が流入する際には、その流入方向を変える必要を生じさせ、その方向転換の分、水平通路への流入に要する時間を嵩ませることができる。
よって、水平通路(中間底壁824)に存在する先の遊技球がシーソー部材840の受け面844に案内されると、上流通路の後の遊技球(次の遊技球)が、方向転換に時間を要しつつ、水平通路へ流入され、かかる後の遊技球が水平通路からシーソー部材840の受け面844へ案内される。即ち、後の遊技球が、先の遊技球との間に間隔を隔てる。その結果、シーソー部材840の受け面844に遊技球を1球ずつ間隔を隔てさせつつ案内することができる。
シーソー部材840の受け面844は、図52(b)及び図53(b)に示すように、第2状態では、水平通路(中間底壁824)の案内底面824aの下降傾斜端よりも上方に位置するので、受け面844と案内底面824aとの間に高さ方向(図53(b)上下方向)の段差を形成できる。これにより、第2状態において、水平通路の案内底面824aを転動させて遊技球をシーソー部材840の受け面844に案内する際には、かかる遊技球を受け面844に乗り上げさせる(段差に衝突させる)ことができ、この乗り上げ動作(衝突)を利用して、シーソー部材840の受け面844を下降(図53(b)下方向へ移動)させやすくすることができる。即ち、シーソー部材840の長手方向一端側を下降させやすくでき、第1状態を形成しやすくすることができ、その結果、複数の遊技球が連続して案内される場合であっても、第1状態と第2状態とを交互に切り替えやすくすることができる。
一方、シーソー部材840が第1状態を形成する場合は(図52(a)及び図53(a)参照)、シーソー部材840が無負荷状態にあり、水平通路(中間底壁824)の案内底面824aから案内されて受け面844で受け取った遊技球を傾斜面845及び排出面846側へ速やかに転動させ、その遊技球の重みを作用させることで、シーソー部材840の長手方向他端側を下降させる(第2状態を形成する)ことが求められている。
この場合、シーソー部材840の受け面844は、図52(a)及び図53(a)に示すように、第1状態では、水平通路(中間底壁824)の案内底面824aの下降傾斜端よりも下方に位置するので、上述した第2状態の場合のように、遊技球が受け面844に乗り上げる(段差に衝突する)必要がなく、かかる動作でタイムラグが生じることを回避できる。よって、遊技球を受け面844から傾斜面845及び排出面846側へ速やかに転動させて、第2状態を形成しやすくすることができる。
なお、かかる第1状態では、シーソー部材840の受け面844が水平通路(中間底壁824)の案内底面824aの下降傾斜端と同一の高さ位置(面一となる位置)となるように形成することが好ましい。シーソー部材840の受け面844が水平通路の案内底面824aよりも下方に位置する場合には、案内底面824aから受け面844へ遊技球が落下されるため、遊技球がバウンドして、その分、タイムラグが生じると共に、落下の衝撃によりシーソー部材840の回転軸841の負荷が大きくなるところ、同一の高さ位置であれば、これらを解消できるからである。
次いで、シーソー部材840の爪部847について、図54を参照して説明する。図54は、図52(b)のLIV−LIV線における入賞装置65の部分拡大断面図である。
図54に示すように、シーソー部材840には、その排出面846から爪部847が立設される。爪部847は、傾斜面825側から他端装飾部843側へ向かうに従って排出口821dへ近接するように傾斜して形成される案内面847aを備える。これにより、遊技球が、シーソー部材840の長手方向(図54左右方向)に沿って排出面846上を他端装飾部843側(図54右側)へ向けて転動する場合に、その遊技球を爪部847の案内面847aに当接させて、その転動方向を中間ベース820の排出口821dへ向かう方向(図54上方)へ切り替えることができる。シーソー部材840の排出面846に遊技球が載置されている時間(即ち、第2状態が形成されている時間)を短くでき、その結果、第1状態と第2状態との交互の切り替えを円滑に行わせることができる。
この場合、爪部847は、上述したように、排出面846において、シーソー部材840の長手方向他端側(他端装飾部843側、図54右側)であって、シーソー部材840の幅方向(図54上下方向)において、正面ベース810に近接する側(排出口821dと反対側、図54下側)に偏って配設される。これにより、被出面846を転動する遊技球の位置がシーソー部材840の幅方向にばらつく場合に、シーソー部材840の排出面846に遊技球が載置されている時間(即ち、第2状態が形成されている時間)を一定としやすくでき、その結果、第1状態と第2状態との交互の切り替えを円滑に行わせることができる。
即ち、シーソー部材840の幅方向(図54上下方向)において、正面ベース810に近接する側(排出口821dと反対側、図54下側)で排出面846を転動する遊技球は、排出口821dまでの距離が長く、中間ベース820に近接する側(排出口821dに近接する側、図54上側)で排出面846を転動する遊技球は、排出口821dまでの距離が短くなる。
よって、爪部847を、シーソー部材840の幅方向において、正面ベース810に近接する側(排出口821dと反対側、図54下側)に偏って配設することで、正面ベース810に近接する側(図54下側)で排出面846を転動する前者の遊技球については、爪部847の案内面847aに早い段階で衝突させ、排出面846から排出口821dへ排出する一方、中間ベース820に近接する側(図54上側)で排出面846を転動する後者の遊技球については、爪部847の案内面847aへの衝突を遅らせる又は衝突させないようにできる。これにより、前者および後者のそれぞれにおいて、遊技球が排出面846を転動している総時間を同等に近づけることができる。その結果、遊技球の転動する位置がシーソー部材840の幅方向にばらつく場合であっても、遊技球の重みが排出面846に作用している時間を一定としやすくできる。
次いで、中間ベース820の排出口821dについて、図55を参照して説明する。図55は、入賞装置65の背面模式図であり、図55(a)は、図52(a)に示す第1状態に、図55(b)は、図52(b)に示す第2状態に、それぞれ対応する。
図55(a)及び図55(b)に示すように、排出口821dの横幅寸法(図55(a)及び図55(b)の左右方向寸法)は、遊技球の直径の2倍よりも大きな寸法(本実施形態では、略2.5倍)に設定される。これにより、シーソー部材840の長手方向他端側(図55(a)及び図55(b)の左側)に先の遊技球が存在する状態で、次の遊技球が更に長手方向他端側へ向けて転動される場合であっても、これら各遊技球のそれぞれを排出口821dへスムーズに流入させることができる。
例えば、排出面846上を転動する先の遊技球に後の遊技球が衝突して、後の遊技球が転動方向と反対側へ跳ね返されつつ(即ち、両遊技球の間隔(図55(a)及び図55(b)の左右方向間隔)が排出口821dの幅方向に拡大されつつ)、これら各遊技球が排出口821dへ排出される場合でも、排出口821の幅寸法が十分に確保されていることで、それぞれをスムーズに流入させることができる。
また、排出口821dの高さ寸法(図55(a)及び図55(b)の上下方向寸法)は、シーソー部材840の排出面846側における高さ寸法よりも傾斜面845側の高さ寸法の方が大きな寸法に設定される。これによっても、シーソー部材840の長手方向他端側(図55(a)及び図55(b)の左側)に先の遊技球が存在する状態で、次の遊技球が更に長手方向他端側へ向けて転動される場合であっても、これら各遊技球のそれぞれを排出口821dへスムーズに流入させることができる。
即ち、排出面846上を転動する先の遊技球に後の遊技球が衝突して、後の遊技球が上方に跳ね上げられた、或いは、転動方向と反対側へ跳ね返されて傾斜面845で上方に跳ね上げられた場合でも、傾斜面845側における排出口821dの高さ寸法を利用して、後の遊技球を排出口821へスムーズに流入させることができる。一方で、先の遊技球は、後の遊技球に衝突されたとしても、跳ね上げられ難いため、排出面846側における排出口821dの高さ寸法を低く抑えることで、排出口821dに要するスペースを抑制して、その分、他の部材を配設するためのスペースを確保することができる。
次いで、図56から図60を参照して、遊技領域について説明する。図56及び図57は、図2のLVI部を部分的に拡大した遊技盤13の部分拡大図である。なお、図57では、センターフレーム86が取り外された状態が図示される。
図56及び図57に示すように、遊技盤13は、木製のベース板60に、釘や風車、内レール61、外レール62、各種入賞口(図2参照)、センターフレーム86などを組み付けられて形成され、上述したように、遊技盤13の前面であって内レール12によって区画された領域が遊技領域(釘や入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)とされる。
遊技盤13には、中央に開口部が形成され、表示装置である第3図柄表示装置81が視認可能とされる。この場合、従来より、遊技盤13の開口部を第3図柄表示装置81の外形よりも大きくして、その分、遊技盤13(ベース板60)の背面側に変位可能に配置される演出装置が視認可能な領域を確保することが行われている。しかしながら、球が流下するための領域を確保する必要があることから、遊技盤13の開口部を大きくすることには限界があった。
これに対し、本実施形態では、遊技盤13の開口部(ベース板60の開口部60a)に内装されるセンターフレーム86を光透過性材料から形成すると共に、そのセンターフレーム86の一部(以下「領域形成部R」と称す)が、遊技領域の一部を形成する。これにより、センターフレーム86の領域形成部Rを介して(透かして)、演出装置(本実施形態では、左回転ユニット700)を視認可能とできる。よって、球が流下するための領域を確保しつつ、左回転ユニット700を視認可能な領域を大きくできる。但し、図56では、図面を簡素化するために、領域形成部Rを透かして視認される左回転ユニット700の図示が省略される。
この場合、本実施形態では、遊技盤13の開口部(ベース板60の開口部60a)は、その内縁が、遊技領域の外縁(即ち、内レール61)に達して形成されるので、センターフレーム86の領域形成部Rを介して演出装置(左回転ユニット700)を視認可能な領域を最大限確保できる。
一方で、センターフレーム86の領域形成部Rは、その幅寸法が、1の遊技球のみの通過を許容する大きさに設定されるので、センターフレーム86の開口部を介して(即ち、領域形成部Rを介さずに)、演出装置(左回転ユニット700)を直接視認可能な領域を最大限確保できる。
以下、センターフレーム86における領域形成部Rの詳細構成について、図58から図60を参照して説明する。図58は、センターフレーム86の正面斜視図であり、図59は、領域形成部Rの正面図である。また、図60は、図59のLX−LX線における領域形成部Rの断面図である。なお、図60では、左回転ユニット700が模式的に図示される。
図58に示すように、センターフレーム86は、正面視枠状に形成される枠板基部910と、その枠板基部910の背面から立設されベース板60の開口部60aに内嵌される内嵌壁部920と、その内嵌壁部920とは反対側となる枠基部910の前面から立設され遊技領域の内縁を規定する内縁規定壁部930と、を主に備える。
枠板基部910は、ベース板60の前面に重畳される部位であり、その前面側が遊技球が流下される領域とされる。枠板基部910には、センターフレーム86をベース板60に締結固定するタッピングねじを挿通するための挿通孔911が複数箇所に穿設される。また、枠板基部910の外縁は、ベース板60の前面に滑らかに連なるように下降傾斜して形成される。この傾斜により、遊技球の転動を円滑とできる。
図59及び図60に示すように、センターフレーム86の領域形成部Rには、枠板基部910の前面から柱状部940、側壁部950及び下流壁部960が立設される。
柱状部940は、断面略菱形の柱状体として形成され、内レール61と内縁規定壁部930との間の中間位置に配置される(図56参照)。これにより、領域形成部Rの上流部分には、柱状体940と内レール61との間に第1経路M1が区画されると共に、柱状体940と内縁規定壁部930との間に第2経路M2が区画される。
側壁部950は、柱状体940よりも下流側において、内レール61に並設される壁部として形成され、内縁規定壁部930との間に第3経路M3を区画する。この場合、内縁規定壁部930は、側壁部950に対向する部分が、柱状体940に対向する部分よりも内レール61側に近接される。
これにより、第2経路M2の下流側が内レール61側(側壁部450側)へ向けて屈曲して形成される。一方、第1経路M1及び第3経路M3は、内レール61に沿って形成される経路であるため、互いに略一直線状に連なる。また、第1経路M1及び第3経路M3は、正面視において、傾斜した方向へ向けて球を流下させる直線状の経路として形成される。
枠板基部910の前面には、凹溝971が凹設される。凹溝971は、遊技球の流下速度を抑制するための部位であり、断面逆三角形状の凹部として形成されると共に、正面視鋸刃状に左右に屈曲を繰り返しつつ、第1経路M1及び第3経路M3の経路方向に沿って延設される。
側壁部950及び内縁規定壁部930の互いの対向面には、突起972がそれぞれ突設される。突起972は、遊技球の流下速度を抑制するための部位であり、断面略半円形に形成され、両壁部930,950の立設方向に沿って延設される。これら各突起972は、第3経路M3の経路方向に沿って、凹溝971の屈曲部分と位相をずらした位置に配設される。
下流壁部960は、側壁部950の下流側端部に連結される壁部として形成され、第3経路M3の下流側に対面される。詳細には、第3経路M3の流下方向に略直交する壁部として形成される。この場合、内縁規定壁部930は、下流壁部940に対応する部分が、その下流壁部960に沿って形成され、これにより、内縁規定壁部930と下流壁部940との間に第4経路M4が区画される。
なお、第1経路M1の幅寸法(内レール61及び柱状体640の対向間隔)、第2経路M2の幅寸法(柱状体640及び内縁規定壁部930の対向間隔)、第3経路M3の幅寸法(側壁部950及び内縁規定壁部930の対向間隔)及び、第4経路M4の幅寸法(下流壁部960及び内縁規定壁部930の対向間隔)が、1の遊技球のみが通過可能な幅寸法にそれぞれ設定される。本実施形態では、遊技球の直径の略1.2倍に設定される。
次いで、このように形成された領域形成部Rが流下する遊技球に対して及ぼす作用について説明する。内レール61及び外レール62に案内され、遊技領域の上方領域から流下される遊技球は、釘に跳ね返されたり、内縁規定壁部930に沿って転動された後、第1経路M1又は第2経路M2のいずれかから領域形成部Rに流入される。第1経路M1又は第2経路M2を通過して、第3経路M3を流下する遊技球は、下流壁部960に衝突され、第4経路M4を経て、遊技領域の下方領域へ流下される。
ここで、領域形成部Rは、センターフレーム86の一部であり、樹脂材料から形成されるため、釘を植設できない。そのため、遊技球の流下速度を低減させることができず、流下する遊技球を遊技者が視認し難くなるおそれがある。
これに対し、本実施形態では、領域形成部Rには、第3経路M3の下流側(第3経路M3と第4経路M4との合流部分)に下流壁部960が立設されるので、かかる下流壁部960との衝突により遊技球の流下速度を低減させて、流下する遊技球を遊技者に視認させやすくすることができる。
この場合、下流壁部960は、枠板基板910から立設される、即ち、センターフレーム86に一体に形成されるので、金型による樹脂成形により容易に成形することができ、下流壁部960を別部品として形成して枠板基板910に締結固定するなどの煩雑な作業を行う必要がない。よって、その分、製造コストを低減することができる。
一方、第3経路M3は直線状に形成され、遊技球の流下速度が比較的速くなるところ、かかる遊技球が繰り返し衝突される部分を、樹脂材料から形成される下流壁部960に担わせると、破損の恐れが生じる。これに対し、下流壁部960は、側壁部950の下流側に連結されているので、下流壁部960の剛性を高めることができ、かかる下流壁部960の破損を抑制できる。
この場合、側壁部950と下流壁部960との連結部分には、第4経路M4へ向けて傾斜する傾斜面961が形成される。これにより、側壁部950と下流壁部960との連結部分を図59に示すように正面視三角形状とすることができるので、その分、下流壁部960の剛性を高めることができる。
また、第3経路M3を流下した遊技球が、傾斜面961に衝突した後に下流壁部960に衝突する場合には、遊技球が第3経路M3を逆流する方向へバウンドすることを抑制できると共に、その流下速度を低減させつつ第3経路M3の出口へ向けて流下させることができる。これにより、第4経路M4へ遊技球をスムーズに案内できると共に、下流壁部960の負担を軽減することができる。よって、この点からも下流壁部960の破損を抑制できる。
なお、側壁部950もセンターフレーム86に一体に形成される部位であり、金型による樹脂成形により容易に成形することができるので、下流壁部960の場合と同様に、別部品として形成して枠板基板910に締結固定するなどの煩雑な作業を行う必要がなく、その分、製造コストを低減することができる。また、第3経路M3を区画する役割の側壁部950に、下流壁部960の剛性を高めるための役割を兼用させることができるので、構造を簡素化して、その分、部品コストを低減することができる。
ここで、従来の遊技機では、遊技領域を流下する遊技球が内レール61に衝突する態様は、釘に衝突して跳ねた後に衝突するものであるため、速度が比較的遅く、この衝突が内レール61の損傷を招くことは生じ難かった。
これに対し、本実施形態では、上述したように、センターフレーム86の開口部を介して(即ち、領域形成部Rを介さずに)、演出装置(左回転ユニット700)を直接視認可能な領域を最大限確保するために、領域形成部Rの幅が狭い寸法(本実施形態では、第3経路M3が1が1の遊技球のみの通過を許容する幅寸法)に設定される。即ち、遊技領域の幅が領域形成部Rで絞られる。そのため、領域形成部Rの上流側において、遊技領域を流下してきた遊技球の流下方向を大きく変化させる必要が生じる(本実施形態では、第2経路M2を形成する必要が生じる)。かかる形態では、遊技球の一部(第2経路M2を流下する遊技球)が、比較的速い速度で内レール61に衝突するため、内レール61の損傷(衝突により曲がり)を招く恐れがある。
これに対し、本実施形態によれば、側壁部750が内レール61に並設されるので、第2経路M2を流下した遊技球を側壁部950で受け止めて、内レール61に衝突することを回避できる。その結果、内レール61に損傷(衝突による曲がり)が生じることを抑制できる。
即ち、側壁部750を形成せず、内レール61に第3経路M3を区画する役割を兼用させることも考えられるが、この場合には、遊技球の内レール61への衝突を避ける必要があるため、領域形成部Rの上流側において、その幅を絞ることができず、センターフレーム86の開口部(内縁規定壁部930)を内レール61から離間する方向に配設しなければならなくなる。よって、その分、演出装置(左回転ユニット700)を直接視認可能な領域が減少する。従って、側壁部750を内レール61に並設させる本実施形態が、結果として、演出装置(左回転ユニット700)を直接視認可能な領域を最大限確保することとなる。
上述したように、側壁部750は、光透過性材料からなるセンターフレーム86の一部として一体に形成されるので、センターフレーム86(側壁部950、凹溝971など)の背面側の発光体から発光された光Pを遊技領域へ導く導光体として機能することができる。例えば、背面側から発光され側壁部950内に導入された光Pを、側壁部950の立設端面(図60上側の面)まで導光して、かかる立設端面から照射することで、導光された光Pによる演出効果を発揮することができるだけでなく、側壁部950の側面(内縁規定壁部930との対向面)まで導光された光Pを、その側壁部950の側面から照射することができる。これにより、枠板基部910の正面(図60上側面)及び内縁規定壁部930の側面(側壁部950との対向面)まで導光され、その上面または側面から照射される光Pと共に、遊技球が転動する領域(遊技球が転動する場合をその遊技球)を光らせる光Pによる演出効果を発揮することができる。
特に、本実施形態では、側壁部950が内レール61に並設されるので、センターフレーム86の背面側から発光され側壁部750内に導入された光Pが、内レール61側(内縁規定壁部930と反対側)の側面から外部へ漏出されることを、内レール61により低減することができる。即ち、内レール61が光Pを立設端面または側面(内縁規定壁部930に対向する側の側面)へ向けて反射させることができる。よって、側壁部950の立設端面または側面から照射できる光量を増加させることができ、その結果、導光された光Pによる演出効果を高めることができる。
なお、発光体は、左回転ユニット700に配設されると共に(図示せず)、左回転ユニット700の退避位置は、領域形成部Rの背面とされる。よって、左回転ユニット700が退避位置に配置された状態では、領域形成部Rを介して左回転ユニット700を視認可能としつつ、発光体から発光された光Pを側壁部950を介して導光させた上で遊技者に視認させることができる。即ち、領域形成部Rを介して視認される左回転ユニット700の形状と、側壁部950の立設端面から照射される光Pとを関連付けて、遊技者に視認させることができ、その結果、光Pによる演出効果を高めることができる。
ここで、側壁部950及び内縁規定壁部930の対向面からは、上述したように、それぞれ突起972が突設される。よって、第3経路M3を流下する遊技球を突起972に衝突させて、その流下を阻害することができる。これにより、釘を植設できない領域形成部Rにおいて、遊技球の流下速度を遅くして、流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできる。
この場合、側壁部950から突設される突起972と、内縁規定壁部930から突設される突起972は、第3経路M3の経路方向に沿って、互いに位相をずらして配設される。即ち、左右の対向面に千鳥状に配置される。よって、第3経路M3を遊技球が流下する場合には、その遊技球を左右の突起972に交互に衝突させて、かかる遊技球を左右に蛇行させることができる。これにより、遊技球の流下速度を遅くしやすくできると共に、遊技球に流下方向(第3経路M3の経路方向)と直交する方向の変位成分を付与して、遊技球の動きに変化を与えることができる。
更に、枠板基部910の前面には、上述したように、正面視鋸刃状に形成される凹溝971が凹設される。よって、第3経路M3を遊技球が流下する場合に、その遊技球を凹溝971の内面に沿って案内して左右に蛇行させることができる。よって、これによっても、遊技球の流下速度を遅くしやすくできると共に、遊技球に流下方向(第3経路M3の経路方向)と直交する方向の変位成分も付与して、遊技球の動きに変化を与えることができる。
また、領域形成部Rの背面側から発光された光を遊技領域の前面へ向けて導光させる場合には、枠板基部910の前面に凹設された凹溝971を、光を拡散または集光させるレンズとして利用することができるので、導光された光による演出効果を高めることができる。
この場合、凹溝971の屈曲部分は、側壁部950から突設される突起972及び内縁規定壁部930から突設される突起972に対いて、第3経路M3の経路方向に沿って、位相をずらして配設される。よって、第3経路M3を遊技球が流下する場合には、凹溝971の内面に案内されて左右に蛇行する遊技球を、左右の突起972に交互に衝突させやすくすることができ、凹溝971による作用と突起972による作用との両者を利用して相乗効果を得ることができる。その結果、遊技球の流下速度をより遅くしやすくできると共に、遊技球の動きの変化をより大きなものとすることができる。
なお、これら突起972及び凹溝971は、第3経路M3を流下する遊技球の流下速度を遅くするので、下流壁部960の破損の抑制と、第3経路M3から第4経路M4への遊技球のスムーズな案内とに寄与する。
また、凹溝971の終端側(傾斜面961に並設される部分)は、その延長方向が下流壁部960に重なると共に、第3経路M3の出口を指向する。これにより、かかる凹溝971の終端側に案内された遊技球を、下流壁部960に対して斜め方向から衝突させることができる。よって、遊技球が第3経路M3を逆流する方向へバウンドすることを抑制できると共に、その流下速度を低減させつつ第3経路M3の出口へ向けて流下させることができる。これにより、第4経路M4へ遊技球をスムーズに案内できると共に、下流壁部960の負担を軽減することができる。
次いで、図61を参照して、第2実施形態について説明する。図61は、第2実施形態における遊技盤2013の正面図である。なお、上記第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図61に示すように、第2実施形態における遊技盤2013は、第1実施形態における遊技盤13に対して、領域形成部Rの形成範囲が遊技領域の略最上部まで拡大される。その結果、センターフレーム2086の開口部を介して(即ち、領域形成部Rを介さずに)、演出装置(本実施形態では、中央回転ユニット400、中央回転ユニット500及び左回転ユニット700)を直接視認可能な領域を第1実施形態の場合よりも更に拡大することができる。
領域形成部材Rは、柱状体940(図59参照)の形成が省略されると共に、内縁規定壁部2930が、外レール62に沿って延設される。これにより、戻り球防止部材68よりも上方となる領域において、外レール62と内縁規定壁部2930との間に第5経路M5及び第6経路M6が区画される。
なお、外レール62と内縁規定壁部2930との間の対向間隔は、遊技球の直径の2倍よりも大きく且つ3倍よりも小さい寸法に設定される。本実施形態では、遊技球の直径の略2.5倍に設定される。これにより、外レール62及び内縁規定壁部2930の対向間に、遊技球どうしが衝突することなくすれ違うことのできる通路(第5経路M5及び第6経路M6)を形成しつつ、センターフレーム2086の開口部を介して演出装置を直接視認可能な上述した領域を最大限に確保することができる。
また、風車WMは、その回転軸が外レール62と内縁規定壁部2930との対向間の略中央に配設される。これにより、外レール62と風車WMの回転軸との間、及び、風車WMの回転軸と内縁規定壁部2930との間をそれぞれ遊技球が通過可能とされる。
このように形成される領域形成部Rによれば、球発射ユニットから発射され、内レール61及び外レール62によって遊技領域の上方領域に案内された遊技球は、外レール62に沿って案内されることで、風車WMを通過した後、第5経路M5を移動される。この場合、発射強度を基準値よりも大きな値に設定することで、遊技領域の上方頂部を越えて右側領域に遊技球を流下させることができる一方、発射強度を基準値よりも小さな値に設定することで、遊技領域の上方頂部を越えさせず、内縁規定壁部2930に沿って遊技球を流下させる(第6経路M6を移動させる)ことができる。第6経路M6を移動した遊技球は、風車WMを通過した後、第3経路M3へ流下される。
次いで、図62から図67を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態の右回転ユニット600では、伝達部材654の変位に伴って、第1変位部材630及び第2変位部材640(連結変位部材642)の2つの部材が変位可能とされる場合を説明したが、第3実施形態における右回転ユニット3600は、伝達部材654の変位に伴って、第1変位部材3630、第2変位部材3640(連結変位部材642)及び第3変位部材3660の3つの部材が変位可能とされる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図62は、第3実施形態における右回転ユニット3600の分解正面斜視図であり、図63は、右回転ユニット3600の分解背面斜視図である。なお、図62及び図63では、右回転ユニット3600の一部(背面ベース610及び正面ベース620)が組み立てられた状態が図示される。
図62及び図63に示すように、第3実施形態における右回転ユニット3600は、第1変位部材3630の一端側(図62上側)正面にスライド変位可能に配設される第3変位部材3660を備える。後述するように、第1変位部材3630に開口形成された貫通溝3636を介して、第2変位部材3640(被駆動部材3641)の連結ピン3641dの先端が第3変位部材3660の摺動溝3661に挿通されており、被駆動部材3641が第1変位部材3630に対して相対回転されることで、第3変位部材3660を第1変位部材3630に対して相対変位(スライド変位)させることができる。
貫通溝3636は、支持軸632を中心とする円弧状に湾曲して形成される溝状の開口であり、その溝幅が、被駆動部材3641の連結ピン3641dの直径よりも若干大きな寸法に設定される。よって、貫通溝3636の延設方向に沿って連結ピン3641dが変位されることで、第1変位部材3630の支持軸632を中心とする被駆動部材3641の回転が許容される。
連結ピン3641dは、貫通溝3636に挿通される断面円形の軸状体であり、その突設高さが、第1変位部材3630の正面から突出可能な寸法に設定される。即ち、組立状態では、第1変位部材3630の貫通溝3636を介して、連結ピン3641dの先端側が第3変位部材3660の後述する摺動溝3661に挿通可能とされる。
第3変位部材3660の背面には、摺動溝3661が凹設されると共に、その摺動溝3661の上方にスライドレール3662が配設される。摺動溝3661は、上述したように、被駆動部材3641の連結ピン3641dが摺動可能に挿通される凹溝であり、一定の溝幅で直線状に形成されると共に、その溝幅が、被駆動部材3641の連結ピン3641dの直径よりも若干大きな寸法に設定される。
スライドレール3662は、第1変位部材3630と第3変位部材3660との間に介設される伸縮式の直線案内機構であり、第1変位部材3630に固着される背面側レールと、その背面側レールの正面側において長手方向への相対変位が可能に連結される正面側レールとからなる。背面側レール及び正面側レールの長手方向への相対変位によりスライドレール3662が伸縮されることで、第3変位部材3660が第1変位部材3630に対してスライド変位可能とされる。
第3変位部材3660が第1変位部材3630の正面側に配設された状態では、摺動溝3661の一部のみが第1変位部材3630の貫通溝3636に重ね合わされる(摺動溝3661と貫通溝3636とが交差される)。よって、第1変位部材3630の支持軸632を中心として被駆動部材3641を回転させ、連結ピン3641dを貫通溝3636の延設方向に沿って変位させることで、その連結ピン3641dを第3変位部材3660の摺動溝3661の内壁面に作用させ(連結ピン3641dによって摺動溝3661の内壁面を押圧させ)、第3変位部材3660を第1変位部材3630に対してスライド変位させることができる。
次いで、図64から図67を参照して、右回転ユニット3600の動作について説明する。図64及び図65は、退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニット3600の正面図であり、図66及び図67は、退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニット3600の背面模式図である。
なお、図64(a)から図64(c)は、図66(a)から図66(c)と、図65(a)から図65(c)は、図67(a)から図67(c)と、それぞれ同一の状態である。この場合、図64(c)は、図65(a)と、図66(c)は、図67(a)と、それぞれ同一の図である。
ここで、第3実施形態では、伝達部材654の駆動ピン654bが第1変位部材3630の第1溝635を摺動することで、第1変位部材3630、第2変位部材3640及び第3変位部材3660がそれぞれ変位されるところ、第1変位部材3630及び第2変位部材3640の変位の態様は、上述した第1実施形態の場合と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図64(a)及び図66(a)に示すように、退避位置では、第3変位部材3660のスライドレール3662が短縮された状態とされ、第2変位部材3640における被駆動部材3641の連結ピン3641dが第3変位部材3660の摺動溝3661の一端側(支持軸632及び軸支孔641aから遠い側の端部、図66(a)右側)に位置される。なお、この場合、第1変位部材3630の基端から第3変位部材3660の先端までの長さが寸法h1とされる。
この状態から、伝達部材654が正方向(図66(a)時計回り)に回転駆動されると、図64(b)及び図66(b)に示す状態を経て、図64(c)及び図66(c)に示すように、第1変位部材3630が回転軸631を回転軸として張出方向へ回転される。この場合、上述したように、第2変位部材3640は、第1変位部材3630に対して相対変位せず、第1変位部材3630と一体となって変位される。
よって、第2変位部材3640は、第3変位部材3660に対しても相対変位しない。従って、第2変位部材3640における被駆動部材3641の連結ピン3641dが、第3変位部材3660の摺動溝3661を摺動しないので、第3変位部材3660も第1変位部材3630と一体となって変位される。即ち、図64(a)から図64(c)及び図66(a)から図66(c)に示す区間では、第1変位部材3630の基端から第3変位部材3660の先端までの長さが寸法h1のまま維持される。
図65(a)及び図67(a)に示す状態から、伝達部材654が正方向(図67(a)時計回り)に回転駆動されると、第1変位部材3630が図67(a)に示す状態(位置)に維持されつつ、その第1変位部材3630に対して第2変位部材3640(連結変位部材642)が相対変位され、図65(b)及び図67(b)に示す状態を経た後、図65(c)及び図67(c)に示す張出位置に配置される。
この場合、被駆動部材3641が支持軸632を中心として回転されるところ、この被駆動部材3641の回転は、連結ピン3641dを、第3変位部材3660における摺動溝3661の他端側(支持軸632及び軸支孔641aに近い側の端部、図67(a)左側)へ向けて摺動させる方向(図67(a)反時計回り)の回転とされる。
よって、第3変位部材3660における摺動溝3661の内壁面(支持軸632及び軸支孔641aから遠い側の内壁面、図67(a)上側)が、被駆動部材3641の連結ピン3641dによって、スライドレール3662(図63参照)を伸長させる方向へ押し上げられる。これにより、第3変位部材3660が第1変位部材3630に対してスライド変位され、図65(a)から図65(c)及び図67(a)から図67(c)に示す区間では、第1変位部材3630の基端から第3変位部材3660の先端までの長さが寸法h1から寸法h2を経て寸法h3に変化(増加)される(h1<h2<h3)。
上述した場合とは逆に、図65(c)及び図67(c)に示す状態から、伝達部材654が逆方向(図67(c)反時計回り)に回転駆動されると、第1変位部材3630が図67(c)に示す状態(位置)に維持されつつ、その第1変位部材3630に対して第2変位部材3640(連結変位部材642)が逆方向に相対変位され、図65(b)及び図67(b)に示す状態を経た後、図65(a)及び図67(a)に示す状態に配置される。
この場合、被駆動部材3641の支持軸632を中心とする回転は、連結ピン3641dを、第3変位部材3660における摺動溝3661の一端側(支持軸632及び軸支孔641aから遠い側の端部、図67(c)右側)へ摺動させる方向(図67(c)時計回り)の回転とされる。
よって、第3変位部材3660における摺動溝3661の内壁面(支持軸632及び軸支孔641aに近い側の内壁面、図67(c)下側)が、被駆動部材3641の連結ピン3641dによってスライドレール3662(図63参照)を短縮させる方向へ押し下げられるため、第3変位部材3660が第1変位部材3630に対してスライド変位され、第1変位部材3630の基端から第3変位部材3660の先端までの長さが寸法h1に短縮される。
図64(c)及び図66(c)に示す状態から、伝達部材654が更に逆方向(図66(c)反時計回り)に回転駆動されると、第1変位部材3630が回転軸631を回転軸として起立方向へ回転され、図64(a)及び図66(a)に示す退避位置に配置される。この場合、上述したように、第2変位部材3640は、第1変位部材3630に対して相対変位せず、よって、被駆動部材3641の連結ピン3641dが、第3変位部材3660の摺動溝3661を摺動しないので、第2変位部材3640及び第3変位部材3660が第1変位部材3630と一体となって変位される。
このように、本実施形態によれば、第1変位部材3630に対して、第2変位部材3640及び第3変位部材3660を相対変位させず、これら第1変位部材3630、第2変位部材3640及び第3変位部材3660を一体に変位させる形態(図64及び図66参照)と、第1変位部材3630を停止状態に維持しつつ、その第1変位部材3630に対して、第2変位部材3640及び第3変位部材3660をそれぞれ個別に相対変位させる形態(図65及び図67参照)とを形成することができる。
次いで、図68から図73を参照して、第4実施形態について説明する。第3実施形態では、第1変位部材3630に対して第3変位部材3660がスライド変位可能に右回転ユニット3600が形成される場合を説明したが、第4実施形態における右回転ユニット4600は、第1変位部材4630に対して第3変位部材4660が回転可能とされる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図68は、第4実施形態における右回転ユニット4600の分解正面斜視図であり、図69は、右回転ユニット4600の分解背面斜視図である。なお、図68及び図69では、右回転ユニット4600の一部(背面ベース610及び正面ベース620)が組み立てられた状態が図示される。
図68及び図69に示すように、第4実施形態における右回転ユニット4600は、第1変位部材4630の一端側(図68上側)正面に回転可能に軸支される第3変位部材4660を備える。後述するように、第1変位部材4630に開口形成された貫通溝3636を介して、第2変位部材3640(被駆動部材3641)の連結ピン3641dの先端が第3変位部材4660の摺動溝4661に挿通されており、被駆動部材3641が第1変位部材4630に対して相対回転されることで、第3変位部材4660を第1変位部材4630に対して相対変位(回転)させることができる。
第3変位部材4660の背面には、摺動溝4661が凹設されると共に、その摺動溝4661の上方に回転軸4662が突設される。摺動溝4661は、上述したように、被駆動部材3641の連結ピン3641dが摺動可能に挿通される凹溝であり、一定の溝幅で直線状に形成されると共に、その溝幅が、被駆動部材3641の連結ピン3641dの直径よりも若干大きな寸法に設定される。
回転軸4662は、第1変位部材4630の一端側(図68上側)に穿設された軸支孔4637に挿通される軸状体であり、かかる回転軸4662及び軸支孔4637を介して、第3変位部材4660が第1変位部材4630に回転可能に軸支される。なお、回転軸4662の軸方向端面には、軸支孔4637の内径よりも大径の保持体Cが締結固定され、これにより、回転軸4662の軸支孔4637からの抜け出しが規制される。
第3変位部材4660が第1変位部材4630の正面側に配設(軸支)された状態では、摺動溝4661の一部のみが第1変位部材4630の貫通溝3636に重ね合わされる(摺動溝4661と貫通溝3636とが交差される)。よって、第1変位部材4630の支持軸632を中心として被駆動部材3641を回転させ、連結ピン3641dを貫通溝3636の延設方向に沿って変位させることで、その連結ピン3641dを第3変位部材4660の摺動溝4661の内壁面に作用させ(連結ピン3641dによって摺動溝4661の内壁面を押圧させ)、第3変位部材4660を第1変位部材4630に対して回転させることができる。
次いで、図70から図73を参照して、右回転ユニット4600の動作について説明する。図70及び図71は、退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニット4600の正面図であり、図72及び図73は、退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニット4600の背面模式図である。
なお、図70(a)から図70(c)は、図72(a)から図72(c)と、図71(a)から図71(c)は、図73(a)から図73(c)と、それぞれ同一の状態である。この場合、図70(c)は、図71(a)と、図72(c)は、図73(a)と、それぞれ同一の図である。
ここで、第4実施形態では、伝達部材654の駆動ピン654bが第1変位部材4630の第1溝635を摺動することで、第1変位部材4630、第2変位部材3640及び第3変位部材4660がそれぞれ変位されるところ、第1変位部材4630及び第2変位部材3640の変位の態様は、上述した第1実施形態の場合と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図70(a)及び図72(a)に示すように、退避位置では、軸支孔4637(回転軸4662)の軸心を通過すると共に第1変位部材4630の長手方向に沿う仮想線L1と、軸支孔4637(回転軸4662)の軸心を通過すると共に第3変位部材4660の長手方向に沿う仮想線L2とのなす角度が、交差角θ1とされる。
この状態から、伝達部材654が正方向(図72(a)時計回り)に回転駆動されると、図70(b)及び図72(b)に示す状態を経て、図70(c)及び図72(c)に示すように、第1変位部材4630が回転軸631を回転軸として張出方向へ回転される。この場合、上述したように、第2変位部材3640は、第1変位部材4630に対して相対変位せず、第1変位部材4630と一体となって変位される。
よって、第2変位部材3640は、第3変位部材4660に対しても相対変位せず、その第2変位部材3640における被駆動部材3641の連結ピン3641dが、第3変位部材4660の摺動溝4661を摺動しないので、第3変位部材4660も第1変位部材4630と一体となって変位される。即ち、図70(a)から図70(c)及び図72(a)から図72(c)に示す区間では、第1変位部材4630(仮想線L1)と、第3変位部材4660(仮想線L2)とのなす角度が、交差角θ1のまま維持される。
図71(a)及び図73(a)に示す状態から、伝達部材654が正方向(図73(a)時計回り)に回転駆動されると、第1変位部材4630が図73(a)に示す状態(位置)に維持されつつ、その第1変位部材4630に対して第2変位部材3640(連結変位部材642)が相対変位され、図71(b)及び図73(b)に示す状態を経た後、図71(c)及び図73(c)に示す張出位置に配置される。
この場合、被駆動部材3641が支持軸632を中心として回転されるところ、この被駆動部材3641の回転は、第3変位部材4660における摺動溝4661の内壁面(連結ピン3641dの進行方向側の内壁面、図73(a)上側)が、被駆動部材3641の連結ピン3641dによって押し上げられる方向とされる。
これにより、第3変位部材4660が第1変位部材4630に対して相対的に回転され、図71(a)から図71(c)及び図73(a)から図73(c)に示す区間では、第1変位部材4630(仮想線L1)と第3変位部材4660(仮想線L2)とのなす角度が、交差角θ1から交差角θ2を経て交差角θ3に変化(減少)される(θ3<θ2<θ1)。
上述した場合とは逆に、図71(c)及び図73(c)に示す状態から、伝達部材654が逆方向(図73(c)反時計回り)に回転駆動されると、第1変位部材4630が図73(c)に示す状態(位置)に維持されつつ、その第1変位部材4630に対して第2変位部材3640(連結変位部材642)が逆方向に相対変位され、図71(b)及び図73(b)に示す状態を経た後、図71(a)及び図73(a)に示す状態に配置される。
この場合、被駆動部材3641の支持軸632を中心とする回転は、第3変位部材4660における摺動溝4661の内壁面(連結ピン3641dの進行方向側の内壁面、図73(c)下側)が、被駆動部材3641の連結ピン3641dによって押し下げられる方向とされる。よって、第3変位部材4660が第1変位部材4630に対して相対的に回転され、第1変位部材4630(仮想線L1)と第3変位部材4660(仮想線L2)とのなす角度が、交差角θ1に増加される。
図70(c)及び図72(c)に示す状態から、伝達部材654が更に逆方向(図72(c)反時計回り)に回転駆動されると、第1変位部材4630が回転軸631を回転軸として起立方向へ回転され、図70(a)及び図72(a)に示す退避位置に配置される。この場合、上述したように、第2変位部材3640は、第1変位部材4630に対して相対変位せず、よって、被駆動部材3641の連結ピン3641dが、第3変位部材4660の摺動溝4661を摺動しないので、第2変位部材3640及び第3変位部材4660が第1変位部材4630と一体となって変位される。
このように、本実施形態によれば、第1変位部材4630に対して、第2変位部材3640及び第3変位部材4660を相対変位させず、これら第1変位部材4630、第2変位部材3640及び第3変位部材4660を一体に変位させる形態(図70及び図71参照)と、第1変位部材4630を停止状態に維持しつつ、その第1変位部材4630に対して、第2変位部材3640及び第3変位部材4660をそれぞれ個別に相対変位させる形態(図71及び図73参照)とを形成することができる。
次いで、図74から図81を参照して、第5実施形態について説明する。第3実施形態では、第1変位部材3630に対して第3変位部材3660がスライド変位可能に右回転ユニット3600が形成される場合を説明したが、第5実施形態における右回転ユニット5600は、第1変位部材5630に対して第3変位部材5660が前後方向へ出没可能とされる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図74は、第5実施形態における右回転ユニット5600の分解正面斜視図であり、図75は、右回転ユニット5600の分解背面斜視図である。なお、図74及び図75では、右回転ユニット5600の一部(背面ベース610及び正面ベース620)が組み立てられた状態が図示される。
図74及び図75に示すように、第5実施形態における右回転ユニット5600は、第1変位部材5630の一端側(図74上側)正面に第3変位部材5660が前後方向(例えば、図76(a)紙面垂直方向)へ出没可能に配設される。後述するように、第1変位部材5630に開口形成された貫通溝3636を介して、第2変位部材5640(被駆動部材5641)の連結ピン5641dの先端が第3変位部材5660の摺動傾斜部5663の背面に当接されており、被駆動部材5641が第1変位部材5630に対して相対回転されることで、第3変位部材5660を第1変位部材5630に対して相対変位(前後方向へ出没)させることができる。
第1変位部材5630には、一対の摺動孔5638が穿設される。摺動孔5638は、第3変位部材5660の後述する摺動ガイド棒5664が挿通される断面円形の孔であり、その内径が、摺動ガイド棒5664の外径よりも若干大きな寸法に設定される。即ち、摺動ガイド棒5664が摺動孔5638の穿設方向に沿って摺動可能に支持され、これにより、第3変位部材5660が第1変位部材5630に対して前後方向に出没可能に支持される。
連結ピン5641dは、貫通溝3636に挿通される断面円形の軸状体であり、先端が貫通溝3636内に位置する突設高さに設定される。即ち、組立状態では、第1変位部材5630の貫通溝3636内において、連結ピン5641dの先端が、第3変位部材5660の摺動傾斜部5663に当接される。
第3変位部材5660の背面には、摺動傾斜部5663及び摺動ガイド棒5664が突設される。摺動傾斜部5663は、上述したように、被駆動部材5641の連結ピン5641dが摺動される板状の部位であり、連結ピン5641dが摺動される背面は、一端(図75右側)から他端(図75左側)へ向かって上昇傾斜する傾斜面として形成される。即ち、第3変位部材5660からの摺動傾斜部5663の突設高さが一端から他端へ向かうに従って漸次高くされる。よって、被駆動部材5641の回転に伴って、その連結ピン5641dが摺動傾斜部5663の背面を一端から他端へ向かって(又はその逆方向へ向かって)摺動されると、被駆動部材5641と第3変位部材5660との間の間隔が拡大(縮小)される。
ここで、摺動傾斜部5663は、その板厚が、貫通溝3636の溝幅よりも若干小さな寸法に設定されると共に、背面視形状が、貫通溝3636に対応した湾曲形状に形成される。即ち、組立状態では、摺動傾斜部5663の突設先端側が、前後方向に摺動可能な状態で貫通溝3636に挿通される。よって、第1変位部材5630に対して第3変位部材5660が前後方向へ出没される際には、摺動ガイド棒5664だけでなく、摺動傾斜部5663によっても、第3変位部材5660の摺動を支持する(即ち、3カ所で支持する)ことができるので、第3変位部材5660が前傾することを抑制し、その出没動作を安定させることができる。
摺動ガイド棒5664は、上述したように、第1変位部材5630の摺動孔5638に摺動可能に支持される断面円形の軸状体であり、そ軸方向端面には、摺動孔5638の内径よりも大径の保持体Cが締結固定され、これにより、摺動ガイド棒5664の摺動孔5638からの抜け出しが規制される。
この場合、保持体Cと第1変位部材5630との間には、コイルスプリングとして形成される付勢部材Sが弾性的に圧縮された状態(全長が短縮された状態)で介設され、付勢部材Sの弾性回復力が保持体Cを第1変位部材5630の背面から離間させる方向へ作用される。これにより、第3変位部材5660が第1変位部材5630へ近接する方向へ付勢され、摺動傾斜部5663が貫通溝3636に挿通される。
よって、第1変位部材5630の支持軸632を中心として被駆動部材5641を回転させ、連結ピン5641dを貫通溝3636の延設方向に沿って変位させることで、その連結ピン5641dの先端を、第3変位部材5660の摺動傾斜部5663の背面に作用させ(連結ピン5641dを摺動傾斜部5663の背面に沿って摺動させ)、第3変位部材5660を第1変位部材5630に対して前後方向に出没させることができる。
次いで、図76から図80を参照して、右回転ユニット5600の動作について説明する。図76及び図77は、退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニット5600の正面図であり、図78及び図79は、退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニット5600の背面模式図である。また、図80及び図81は、退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニット5600の上面図である。
なお、図76(a)から図76(c)は、図78(a)から図78(c)及び図80(a)から図80(c)と、図77(a)から図77(c)は、図79(a)から図79(c)及び図81(a)から図81(c)と、それぞれ同一の状態である。この場合、図76(c)は、図77(a)と、図78(c)は、図79(a)と、図80(c)は、図81(a)と、それぞれ同一の図である。
ここで、第5実施形態では、伝達部材654の駆動ピン654bが第1変位部材5630の第1溝635を摺動することで、第1変位部材5630、第2変位部材5640及び第3変位部材5660がそれぞれ変位されるところ、第1変位部材5630及び第2変位部材5640の変位の態様は、上述した第1実施形態の場合と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図76(a)、図78(a)及び図80(a)に示すように、退避位置では、第3変位部材5660が第1変位部材5630に近接された状態とされ、第2変位部材5640における被駆動部材5641の連結ピン5641dが、第3変位部材5660の摺動傾斜部5663の一端側(第3変位部材5660の背面からの突設高さが低い側の端部、図78(a)及び図80(a)の右側)に位置される。この場合、第1変位部材5630の正面からの第3変位部材5660の正面までの突出量が寸法J1とされる。
この状態から、伝達部材654が正方向(図78(a)時計回り)に回転駆動されると、図76(b)、図78(b)及び図80(b)に示す状態を経て、図76(c)、図78(c)及び図80(c)に示すように、第1変位部材5630が回転軸631を回転軸として張出方向へ回転される。この場合、上述したように、第2変位部材5640は、第1変位部材5630に対して相対変位せず、第1変位部材5630と一体となって変位される。
よって、第2変位部材5640は、第3変位部材5660に対しても相対変位しない。従って、第2変位部材5640における被駆動部材5641の連結ピン5641dが、第3変位部材5660の摺動傾斜部5663の背面を摺動しないので、第3変位部材5660も第1変位部材5630と一体となって変位される。即ち、図76(a)から図76(c)、図78(a)から図78(c)及び図80(a)から図80(c)に示す区間では、第3変位部材5660は、第1変位部材5630に最も近接した状態(突出量が寸法J1とされる状態)に維持される。
図77(a)、図79(a)及び図81(a)に示す状態から、伝達部材654が正方向(図67(a)時計回り)に回転駆動されると、第1変位部材5630が図79(a)に示す状態(位置)に維持されつつ、その第1変位部材5630に対して第2変位部材5640(連結変位部材642)が相対変位され、図77(b)、図79(b)及び図81(b)に示す状態を経た後、図77(c)、図79(c)及び図81(c)に示す張出位置に配置される。
この場合、被駆動部材5641が支持軸632を中心として回転されるところ、この被駆動部材5641の回転は、連結ピン5641dの先端を、第3変位部材5660における摺動傾斜部5663の背面の他端側(第3変位部材5660の背面からの突設高さが高い側の端部、図79(a)左上側、図81(a)左側)へ向けて摺動させる方向(図79(a)反時計回り)の回転とされる。
よって、第3変位部材5660における摺動傾斜部5663の背面が、被駆動部材5641の連結ピン5641dによって、前方(図81(a)上側)へ押し出される。これにより、第3変位部材5660が第1変位部材5630に対して前方へ突出され、図77(a)から図77(c)、図79(a)から図79(c)及び図81(a)から図81(c)に示す区間では、第1変位部材5630の正面から第3変位部材5660の正面までの突出量が寸法J1から寸法J2を経て寸法J3に変化(増加)される(J1<J2<J3)。
上述した場合とは逆に、図77(c)、図79(c)及び図81(c)に示す状態から、伝達部材654が逆方向(図79(c)反時計回り)に回転駆動されると、第1変位部材5630が図79(c)に示す状態(位置)に維持されつつ、その第1変位部材5630に対して第2変位部材5640(連結変位部材642)が逆方向に相対変位され、図77(b)、図79(b)及び図81(b)に示す状態を経た後、図77(a)、図79(a)及び図81(a)に示す状態に配置される。
この場合、被駆動部材5641の支持軸632を中心とする回転は、連結ピン5641dを、第3変位部材5660における摺動傾斜部5663の背面の一端側(第3変位部材5660の背面からの突設高さが低い側の端部、図79(c)右下側、図81(c)右側)へ摺動させる方向(図79(c)時計回り)の回転とされる。
よって、第3変位部材5660における摺動傾斜部5663の背面の一端側に連結ピン5641dが移動されることで、その分、摺動傾斜部5663が後方(背面側)へ後退(没入)することが許容されるので、付勢部材Sの弾性回復力により、第3変位部材5660が第1変位部材5630に対して近接され、第1変位部材5630の正面から第3変位部材5660の正面までの突出量が寸法J1に短縮される。
図76(c)、図78(c)及び図80(c)に示す状態から、伝達部材654が更に逆方向(図78(c)反時計回り)に回転駆動されると、第1変位部材5630が回転軸631を回転軸として起立方向へ回転され、図76(a)、図78(a)及び図80(a)に示す退避位置に配置される。この場合、上述したように、第2変位部材5640は、第1変位部材5630に対して相対変位せず、よって、被駆動部材5641の連結ピン5641dが、第3変位部材5660の摺動傾斜部5663の背面を摺動しないので、第2変位部材5640及び第3変位部材5660が第1変位部材5630と一体となって変位される。
このように、本実施形態によれば、第1変位部材5630に対して、第2変位部材5640及び第3変位部材5660を相対変位させず、これら第1変位部材5630、第2変位部材5640及び第3変位部材5660を一体に変位させる形態(図76、図78及び図81参照)と、第1変位部材5630を停止状態に維持しつつ、その第1変位部材5630に対して、第2変位部材5640及び第3変位部材5660をそれぞれ個別に相対変位させる形態(図77、図79及び図81参照)とを形成することができる。特に、第5実施形態によれば、第3変位部材5660の変位方向が前後方向とされるので、隣接する他のユニットにおける変位との干渉を避けることができ、かかる他のユニットにおける可動範囲を確保することができる。また、第3変位部材5660の前方への突出により、かかる第3変位部材5660を遊技者へ近づけることができ、迫力を持たせた演出を行うことができる。
次いで、図82から図88を参照して、第6実施形態について説明する。第3実施形態では、第2変位部材3640が変位する期間と第3変位部材3660が変位する期間とが一致するように右回転ユニット3600が形成される場合を説明したが、第6実施形態における右回転ユニット6600は、第2変位部材6640が変位する期間と第3変位部材4660が変位する期間とが異なる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図82は、第6実施形態における右回転ユニット6600の分解正面斜視図であり、図83は、右回転ユニット6600の分解背面斜視図である。なお、図82及び図83では、右回転ユニット6600の一部(背面ベース610及び正面ベース620)が組み立てられた状態が図示される。
図82及び図83に示すように、第6実施形態における右回転ユニット6600は、第4実施形態の場合と同様に、第1変位部材4630の一端側(図82上側)正面に第3変位部材4660が回転可能に軸支され、被駆動部材6641が第1変位部材4630に対して相対回転されることで、第2変位部材6640(連結変位部材642)及び第3変位部材4660が第1変位部材4630に対して相対変位(回転)される。
この場合、第4実施形態では、被駆動部材3641の連結溝641cが直線状に形成されたのに対し、第6実施形態における被駆動部材6641の連結溝6641cは、後述するように作用区間6641c1及び非干渉区間6641c2とから正面視略くの字状に屈曲して形成される。
これにより、連結ピン643が作用区間6641c1を通過する間は、第2変位部材6640(連結変位部材642)及び第3変位部材4660の両者を第1変位部材4630に対して回転させる一方、連結ピン643が非干渉区間6641c2を通過する期間は、第2変位部材6640は停止させつつ、第3変位部材4660のみを第1変位部材4630に対して回転させることができる。
連結溝6641cは、連結変位部材642の連結ピン643が摺動可能に挿通される溝状の開口であり、被駆動部材6641の長手方向に沿って直線状に延設される作用区間6641c1と、軸支孔641a(支持軸632)側を凹とする円弧状に湾曲しつつ被駆動部材6641の幅方向に沿って延設される(即ち、回転軸631と同心の円環形状を分断した形状に形成される)非干渉区間6641c2とを備える。
なお、後述するように、作用区間6641c1は、連結変位部材642の連結ピン643に作用を及ぼす区間であり、非干渉区間6641c2は、連結変位部材642の連結ピン643と干渉しない区間である。
次いで、図84から図87を参照して、右回転ユニット6600の動作について説明する。図84及び図85は、退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニット6600の正面図であり、図86及び図87は、退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニット6600の背面模式図である。
なお、図84(a)から図84(c)は、図86(a)から図86(c)と、図85(a)から図85(c)は、図87(a)から図87(c)と、それぞれ同一の状態である。この場合、図84(c)は、図85(a)と、図86(c)は、図87(a)と、それぞれ同一の図である。
ここで、第6実施形態における右回転ユニット6600は、第4実施形態における右回転ユニット4600に対し、被駆動部材6641の連結溝6641cの形状が相違する点を除き、他の構成は実質的に同一に形成されるので、その同一の部分についての説明は省略する。
図84及び図86に示すように、図84(a)及び図86(a)に示す退避位置から、伝達部材654が正方向(図86(a)時計回り)に回転駆動される場合、上述したように、伝達部材654の駆動ピン654bが第1溝635の作用区間635aを通過する間は、第2変位部材6640(被駆動部材6641)の第1変位部材4630に対する相対変位が形成されないため、第2変位部材6640及び第3変位部材4660が第1変位部材4630と一体となって変位される。
即ち、図84(a)から図84(c)及び図86(a)から図86(c)に示す区間では、上述した第4実施形態の場合と同様に、第1変位部材4630(仮想線L1)と、第3変位部材4660(仮想線L2)とのなす角度が、交差角θ1のまま維持される。
図85(a)及び図87(a)に示す状態では、連結変位部材642の連結ピン643が、被駆動部材6641の連結溝6641cにおける作用区間6641c1の始端(作用区間6641c及び非干渉区間6641c2の接続部分と反対側の端部、図87(a)右側)に位置される。なお、この場合、伝達部材654の駆動ピン654bは、第1溝635の作用区間635a及び非干渉区間635bの接続部分に位置する。
図85(a)及び図87(a)に示す状態から、伝達部材654が正方向(図87(a)時計回り)に回転駆動されると、第1変位部材4630が図87(a)に示す状態(位置)に維持されつつ、第2溝641bの内壁面が伝達部材654の駆動ピン654bによって下方(図87(a)下側)へ押し下げられた被駆動部材6641が、支持軸632を中心として連結溝6641cを上昇させる方向(図87(b)反時計回り)に回転される。
この被駆動部材6641の回転により、連結変位部材642の連結ピン643が、被駆動部材6641の連結溝6641cにおける作用区間6641c1を摺動しつつ、その作用区間6641c1の内壁面によって上方へ押し上げられる。これにより、連結変位部材642が支持軸633を回転中心として装飾部分642bを持ち上げる方向(図87(a)時計回り)に回転される。その結果、連結ピン643が連結溝6641cの作用区間6641c1及び非干渉区間6641c2の接続部分に到達され、図85(b)及び図87(b)に示す状態(装飾部分642bが最上方へ持ち上げられた状態)が形成される。
この場合、連結変位部材642の連結ピン643は、軸支孔642aに対して装飾部分642b(即ち、連結変位部材642の重心位置)と同じ側(図87(b)左側)に配設され、被駆動部材6641の連結溝6641cは、非干渉区間6641c2の内壁面が連結ピン643を下方から支持可能に形成される。即ち、非干渉区間6641c2は、その内壁面が、連結変位部材642が軸支孔642aを中心として自重により回転する際の連結ピン643の移動方向と所定の角度を有して交差する面として形成される。
よって、図85(b)及び図87(b)に示す状態では、非干渉区間6641c2の内壁面が連結ピン643を下方から支持する(連結ピン643の移動を規制する)ことで、連結変位部材642が軸支孔642aを中心として自重により回転することを規制できる。即ち、第1変位部材4630に対して連結変位部材642を停止状態に維持できる。
なお、図85(b)及び図87(b)に示す状態では、第3変位部材4660は、上述したように、摺動溝4661の内壁面が、被駆動部材6641の連結ピン3641dによって押し上げられることで、第1変位部材4630に対して相対的に回転され、第1変位部材4630(仮想線L1)と第3変位部材4660(仮想線L2)とのなす角度が、交差角θ2に変化(減少)される(θ2<θ1)。
図85(b)及び図87(b)に示す状態から、伝達部材654が正方向(図87(b)時計回り)に回転駆動されると、第3変位部材4660における摺動溝4661の内壁面が、被駆動部材6641の連結ピン3641dによって押し上げられ、図85(c)及び図87(c)に示すように、第1変位部材4630(仮想線L1)と第3変位部材4660(仮想線L2)とのなす角度が交差角θ3に変化(減少)される(θ3<θ2<θ1)。
この場合、連結溝6641cの非干渉区間6641c2は、支持軸632(軸支孔641a)を中心とする円弧状に湾曲されているので、被駆動部材6641が支持軸632(軸支孔641a)を中心として図87(b)反時計回りに回転されても、非干渉区間6641c2の内壁面は、連結変位部材642の連結ピン643を下方から支持して、連結変位部材642が軸支孔642aを中心として自重により回転することを規制するが、連結ピン643を上方へ押し上げず、よって、連結変位部材642を支持軸633を回転中心として装飾部分642bを持ち上げる方向へ回転されることはない。即ち、連結変位部材642を略停止状態に維持し、かつ、第3変位部材4660の回転を継続させることができる。
上述した場合とは逆に、図85(c)及び図87(c)に示す状態から、伝達部材654が逆方向(図87(c)反時計回り)に回転駆動されると、連結変位部材642の連結ピン643が非干渉区間6641c2を通過する間は、連結変位部材642が、図85(c)及び図87(c)に示す状態(位置)に維持される一方(図85(b)及び図87(b)参照)、連結変位部材642の連結ピン643が作用区間6641c1を通過する間は、作用区間6641c1の内壁面により連結ピン643が押下げられることで、装飾部分642bを下降させる方向へ連結変位部材642が支持軸633を回転中心として回転される。
このように形成される第6実施形態における右回転ユニット6600の動作態様を、第4実施形態における右回転ユニット4600の動作態様と比較して、図88を参照して説明する。
図88(a)から図88(c)は、第4実施形態における右回転ユニット4600の正面模式図であり、図88(d)から図88(g)は、第6実施形態における右回転ユニット6600の正面模式図であり、それぞれ退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態が図示される。
第4実施形態における右回転ユニット4600では、上述したように、第1変位部材4630に対して、第2変位部材3640及び第3変位部材4660を相対変位させず、これら第1変位部材4630、第2変位部材3640及び第3変位部材4660を一体に変位させる形態(図88(a)と図88(b)との間の形態)と、第1変位部材4630を停止状態に維持しつつ、その第1変位部材4630に対して、第2変位部材3640及び第3変位部材4660を相対変位させる形態(図88(b)と図88(c)との間の形態)と、を形成することができる。この場合、後者の形態では、第2変位部材3640の変位の期間(始期および終期)は、第3変位部材4660の変位の期間(始期および終期)と略一致される。
これに対し、第6実施形態における右回転ユニット6600では、第1変位部材4630、第2変位部材6640及び第3変位部材4660を一体に変位させる形態(図88(d)と図88(e)との間の形態)と、第1変位部材4630を停止状態に維持しつつ、その第1変位部材4630に対して、第2変位部材6640及び第3変位部材4660を相対変位させる形態(図88(e)と図88(f)との間の形態)と、第1変位部材4630及び第2変位部材6640を停止状態に維持しつつ、それら第1変位部材4630及び第2変位部材6640に対して、第3変位部材4660を相対変位させる形態(図88(f)と図88(g)との間の形態)と、を形成することができる。
即ち、第6実施形態では、第2変位部材6640の変位の期間(始期および終期)と、第3変位部材4660の変位の期間(始期および終期)とを異ならせることができる。より詳細には、第2変位部材6640及び第3変位部材4660の変位を同時に開始させる一方、それら第2変位部材6640及び第3変位部材4660の変位を停止するタイミングをずらす(第2変位部材6640の変位を先に停止させ、その後、第3変位部材4660の変位を停止させる)ことができる。
次いで、図89から図94を参照して、第7実施形態について説明する。第3実施形態では、連結変位部材642及び第3変位部材3660が第1変位部材3630にそれぞれ変位可能に配設されて右回転ユニット3600が形成される場合を説明したが、第7実施形態における右回転ユニット7600は、第1変位部材7630に第3変位部材7660が変位可能に配設されると共に、第3変位部材7660に連結変位部材642が変位可能に配設される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図89は、第7実施形態における右回転ユニット7600の分解正面斜視図であり、図90は、右回転ユニット7600の分解背面斜視図である。なお、図89及び図90では、右回転ユニット7600の一部(背面ベース610及び正面ベース620)が組み立てられた状態が図示される。
図89及び図90に示すように、第7実施形態における右回転ユニット7600は、第1変位部材7630の一端側(図89上側)正面に第3変位部材7660が回転可能に軸支されると共に、その第3変位部材7660に連結変位部材642が回転可能に軸支される。後述するように、被駆動部材7641が第1変位部材7630に対して相対回転され、第3変位部材7660が第1変位部材7630に対して回転されると、その第3変位部材7660の回転に伴って、連結変位部材642がその回転中心の位置を曲線状の軌跡で変化させつつ回転される。
第1変位部材7630は、一端側(図90上側)の縁部に切り欠き部7639が切り欠き形成され、その切り欠き部7639により生じた空間が、後述する第3変位部材7660の支持軸7665の配設スペースとされる。第2変位部材7640の被駆動部材7641には、連結溝7641cが穿設される。連結溝7641cは、被駆動部材7641の長手方向に沿って直線状に延設される溝状の開口であり、連結変位部材642の連結ピン643が摺動可能に挿通される。
なお、連結溝7641cの溝幅は、連結ピン643の直径よりも若干大きな寸法に設定される。また、連結溝7641cの全長(溝長さ)は、第4実施形態における連結溝641cと比較して長くされる。これにより、被駆動部材7641に対する連結変位部材642の相対変位量(相対回転角度)を確保できる。
第3変位部材7660の背面には、支持軸7665が突設される。支持軸7665は、連結変位部材642の軸支孔642aに挿通される断面円形の軸状体であり、これら支持軸7665及び軸支孔642aを介して、連結変位部材642が第3変位部材7660の背面に回転可能に軸支される。
なお、支持軸7665の軸方向端面には、軸支孔642aの内径よりも大径の保持体Cが締結固定され、これにより、指示軸7665の軸支孔642aからの抜け出しが規制される。また、支持軸7665は、基部側に大径部が、先端側に大径部よりも小径の小径部が、それぞれ形成され、小径部が軸支孔642aに挿通される。即ち、大径部は、連結変位部材642を第3変位部材7660の背面から嵩上げするための部位であり、この大径部の嵩上げにより、被駆動部材7641に対する連結変位部材642の前後方向(例えば、図91(a)紙面垂直方向)における位置関係が、第4実施形態の場合と同一に設定される。
次いで、図91から図94を参照して、右回転ユニット7600の動作について説明する。図91及び図92は、退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニット7600の正面図であり、図93及び図94は、退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニット7600の背面模式図である。
なお、図91(a)から図91(c)は、図93(a)から図93(c)と、図92(a)から図92(c)は、図94(a)から図94(c)と、それぞれ同一の状態である。この場合、図91(c)は、図92(a)と、図93(c)は、図94(a)と、それぞれ同一の図である。
ここで、第7実施形態では、伝達部材654の駆動ピン654bが第1変位部材7630の第1溝635を摺動することで、第1変位部材7630、第2変位部材7640及び第3変位部材7660がそれぞれ変位されるところ、第1変位部材7630及び第3変位部材7660の変位の態様は、上述した第4実施形態の場合と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図91及び図93に示すように、図91(a)及び図93(a)に示す退避位置から、伝達部材654が正方向(図93(a)時計回り)に回転駆動される場合、上述したように、伝達部材654の駆動ピン654bが第1溝635の作用区間635aを通過する間は、第2変位部材7640(被駆動部材7641)の第1変位部材7630に対する相対変位が形成されないため、第2変位部材7640及び第3変位部材7660が第1変位部材7630と一体となって変位される。
即ち、図91(a)から図91(c)及び図93(a)から図93(c)に示す区間では、上述した第4実施形態の場合と同様に、第1変位部材7630(仮想線L1)と、第3変位部材7660(仮想線L2)とのなす角度が、交差角θ1のまま維持される。
図92(a)及び図94(a)に示す状態から、伝達部材654が正方向(図94(a)時計回り)に回転駆動されると、伝達部材654の駆動ピン654bが第1溝635の非干渉区間635bを通過することで、第1変位部材7630が図94(a)に示す状態(位置)に維持されつつ、被駆動部材7641が支持軸632(軸支孔641a)を回転中心として連結溝7641c及び連結ピン3641dを持ち上げる方向(図94(a)反時計回り方向)に回転される。
これにより、第3変位部材7660における摺動溝4661の内壁面が、被駆動部材7641の連結ピン3641dによって、連結変位部材642の連結ピン643が、被駆動部材7641の連結溝7641cの内壁面によって、それぞれ上方(図94(a)上側)へ向けて押し上げられる。
よって、図92及び図94に示すように、第3変位部材7660が第1変位部材7630に対して相対的に回転され、第1変位部材7630(仮想線L1)と第3変位部材7660(仮想線L2)とのなす角度が、交差角θ1から交差角θ2を経て交差角θ3に変化(減少)されると共に(θ3<θ2<θ1)、連結変位部材642が支持軸7665(軸支孔642a)を回転中心として図94(a)時計回り方向へ回転され、装飾部分642bを上方へ持ち上げる。
この場合、第3変位部材7660は、回転軸4662を回転中心として、支持軸7665を上方へ持ち上げる方向へ回転されるので、第3変位部材7660の回転を利用して、その第3変位部材7660の支持軸7665に軸支される連結変位部材642自体を上方へ持ち上げることができる。
即ち、第7実施形態によれば、連結変位部材642を、第3変位部材7660に対して、支持軸7665を回転中心として回転させつつ、第1変位部材7630に対して、円弧状の軌跡で上方へ変位させる(持ち上げる)ことができる。その結果、連結変位部材642(装飾部分642b)の変位を第3変位部材7660の変位と連動させて、より複雑な態様とすることができると共に、装飾部分642bの上方への張り出し量(第1変位部材4630(仮想線L1)に対して、軸支孔642a(支持軸7665)の軸心を通過するすると共に連結変位部材64の長手方向に沿う仮想線L3がなす角度である交差角θ4)を拡大して、より上方へ張り出させた姿勢とすることができる。
次いで、図95から図105を参照して、第8実施形態について説明する。第1実施形態では、第1変位部材730に対する第2変位部材740の相対変位の態様が、退避位置から張出位置へ向かう往路と張出位置から退避位置へ向かう復路とにおいて、同一の態様となるように左回転ユニット700が形成される場合を説明したが、第8実施形態における左回転ユニット8700では、第1変位部材730に対する第2変位部材740の相対変位の態様が、往路と復路とで異なる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図95は、第8実施形態における左回転ユニット8700の分解正面斜視図であり、図96は、左回転ユニット8700の分解背面斜視図である。また、図97は、案内部8773の正面図である。なお、図95及び図96では、左回転ユニット8700の一部(背面ベース710及び正面ベース720)が組み立てられた状態が図示される。
図95から図97に示すように、第8実施形態における左回転ユニット8700は、連結第2部材8770の長手方向一端側(図95上側)の正面に案内部8773が凹設される。後述するように、案内部8773は、周回経路として形成され、かかる案内部8773に沿ってフランジ部材8744の連結ピン8744aが案内されることで、第1変位部材730に対する第2変位部材740の相対変位の形態を、往路と復路とで異なる形態とすることができる。
連結ピン8744aは、フランジ部材8744の背面から突設されると共に回転軸741の軸心から偏心して配置される断面円形の軸状体であり、その直径が、案内部8773の溝幅よりも若干小さな寸法に設定されることで、案内部8773に沿って移動可能とされる。なお、連結第2部材8770には、コイルスプリングからなる弾性体(図示せず)が弾性的に圧縮された状態で収納され、その弾性体の弾性回復力が連結ピン8744aを連結第2部材8770の背面から突出させる方向へ作用される。よって、連結ピン8744aが案内部8773に沿って移動する際には、連結ピン8744aの先端が案内部8773の底面へ当接された状態が維持される。
案内部8773は、連結ピン8744aを案内するための断面略コ字状の凹溝であり、周回経路として形成されると共に、その経路中に複数の段差(第1〜第3段差8773h〜8773j)が方向性を有して形成される(図97参照)。
詳細には、案内部8773は、位置P1を始端として連結第2部材8770の幅方向(長手方向と略直交する方向、図97左右方向)に沿って正面視略直線状に延設される第1溝8773aと、その第1溝8773aの終端に接続されると共に位置P2を始端として連結第2部材8770の長手方向(図97上下方向)に沿って正面視略直線状に延設される第2溝8773bと、その第2溝8773bの終端に接続されると共に位置P3を始端として円弧状(本実施形態では位置P2から離間する方向へ凸となる円弧状)に湾曲しつつ延設されその終端が第1溝8773aの始端に接続される第3溝8773cとから形成される。
第1溝8773aと第2溝8773bとの接続部分には、第1段差8773hが形成される。第1段差8773hは、第2溝8773bの始端側(位置P2)の底面が、第1溝8773aの終端側の底面よりも低くされる(図97紙面奥側に位置される)ことで、それら底面どうしを連結する垂直面である。これにより、第1溝8773aの終端から第2溝8773bの始端への連結ピン8744aの移動は許容する一方、第2溝8773bの始端から第1溝8773aの終端への連結ピン8744aの移動は第1段差8773hによって規制することができる。
同様に、第2溝8773bと第3溝8773cとの接続部分、及び、第3溝8773cと第1溝8773aとの接続部分には、第2段差8773i及び第3段差8773jがそれぞれ形成される。第2段差8773iは、第3溝8773cの始端側(位置P3)の底面が、第2溝8773bの終端側の底面よりも低くされることで、第3段差8773jは、第1溝8773aの始端側(位置P1)の底面が、第3溝8773cの終端側の底面よりも低くされることで、それぞれ形成される。
これにより、第2溝8773b(第3溝8773c)の終端から第3溝8773c(第1溝8773a)の始端への連結ピン8744aの移動は許容する一方、第3溝8773c(第1溝8773a)の始端から第2溝8773b(第3溝8773c)の終端への連結ピン8744aの移動は第2段差8773i(第3段差8773j)によって規制することができる。
即ち、連結ピン8744aは、案内部8773を、矢印L1、矢印L2及び矢印L3の方向に沿って第1溝8773a、第2溝8773b及び第3溝8773cを順に移動する周回移動のみが許容される。
次いで、図98から図105を参照して、左回転ユニット8700の動作について説明する。
ここで、第8実施形態では、伝達部材754の駆動ピン754bが連結第1部材760の駆動溝762を摺動する(内壁面を押圧する)ことで、連結第1部材760及び連結第2部材8770と第1変位部材730及び第2変位部材740とがそれぞれ変位されるところ、連結第1部材760及び連結第2部材8770と第1変位部材730との変位の態様は、上述した第1実施形態の場合と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
まず、図98から図101を参照して、退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の左回転ユニット8700の動作について説明する。
図98及び図99は、退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニット8700の正面図であり、図100及び図101は、退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニット8700の背面模式図である。
図98(a)及び図100(a)に示すように、退避位置では、第1変位部材730及び第2変位部材740が起立状態とされ、正面ベース720の正面に配設される。
この場合、軸支孔732(回転軸741)の軸心を通過すると共に第1変位部材730の長手方向に沿う仮想線M1と、軸支孔732(回転軸741)の軸心を通過すると共に第2変位部材740の長手方向に沿う仮想線M2とのなす角度が、交差角α1とされる。また、フランジ部材8744の連結ピン8744aは、案内部8773の位置P1(第1溝8773aの始端)に位置され(図97参照)、連結第2部材8770は、最も上方(図100(a)上側)へ押し上げられた状態とされる。
この状態から、伝達部材754が正方向(図100(a)時計回り)に回転駆動されると、連結第1部材760が回転軸761を回転中心として張出方向(図100(a)反時計回り)に回転されることで、第1変位部材730が回転軸731を回転中心として張出方向(図100(a)反時計回り)に回転される。これにより、第1変位部材730が、図98(b)及び図100(b)に示すように、張り出し方向へ傾倒される。
また、連結第1部材760が張出方向へ回転されると、連結第2部材8770が下方(図101(a)下側)へ引き寄せられ、その連結第2部材8770の案内部8773(第1溝8773a)の内壁面が、第2変位部材740のフランジ部材8744における連結ピン8744aを下方へ押し下げることで、位置P1に配置されていた連結ピン8744aが、案内部8773を第1溝8773aに沿って矢印L1方向へ案内される(図97参照)。
これにより、図98(b)及び図100(b)に示すように、第1変位部材730に対して第2変位部材740が回転軸741を回転中心として第1方向(図100(a)時計回り)へ相対変位(相対回転)され、第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度が、交差角α1から交差角α2に変化(増加)される(α1<α2)。
図98(b)及び図100(b)に示す状態から、伝達部材754が正方向(図100(b)時計回り)に更に回転駆動されると、上述した場合と同様に、連結第1部材760が回転軸761を回転中心として張出方向(図100(b)反時計回り)に回転されることで、第1変位部材730が回転軸731を回転中心として張出方向(図100(b)反時計回り)に回転され、図99(a)及び図101(a)に示すように、張り出し方向へ更に傾倒される。
また、連結第1部材760が張出方向へ回転されると、連結第2部材8770が下方(図101(b)右下側)へ更に引き寄せられ、その連結第2部材8770の案内部8773(第1溝8773a)の内壁面が、第2変位部材740のフランジ部材8744における連結ピン8744aを下方へ押し下げることで、連結ピン8744aが、案内部8773を第1溝8773aに沿って矢印L1方向へ更に案内される(図97参照)。
これにより、図99(a)及び図101(a)に示すように、第1変位部材730に対して第2変位部材740が回転軸741を回転中心として第1方向(図100(b)時計回り)へ更に相対変位(相対回転)され、第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度が、交差角α2から交差角α3に変化(増加)される(α1<α2<α3)。
その後、伝達部材754がその可動範囲の終端に到達されることで、図99(b)及び図101(b)に示すように、第1変位部材730が最大に傾倒されると共に、第1変位部材730に対して第2変位部材740が最大に相対変位(相対回転)された状態が形成される。即ち、第1変位部材730及び第2変位部材740が張出位置に配置される。
この場合、連結ピン8744aは、案内部8773を第1溝8773aに沿って矢印L1方向へ案内され、第1段差8773hを通過した(飛び降りた)後、第2溝8773bの内壁面に突き当たることで、位置P2に位置される(図97参照)。これにより、第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度が、交差角α3から交差角α4に変化(増加)される(α1<α2<α3<α4)。
次いで、図102から図105を参照して、張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の左回転ユニット8700の動作について説明する。
図102及び図103は、張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニット8700の正面図であり、図104及び図105は、張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニット8700の背面模式図である。なお、図98(a)は、図103(b)と、図99(b)は、図102(a)と、それぞれ同一の図である。
ここで、図102(b)及び図104(b)に示す第1変位部材730の回転位置は、図99(a)及び図101(a)に示す第1変位部材730の回転位置と同一であり、図103(a)及び図105(a)に示す第1変位部材730の回転位置は、図98(b)及び図100(b)に示す第1変位部材730の回転位置と同一である。
また、図102(a)及び図104(a)に示すように、張出位置では、フランジ部材8744の連結ピン8744aが、案内部8773の位置P2(第2溝8773bの始端)に位置され(図97参照)、連結第2部材8770は、最も下方(図104(a)右下側)へ引き寄せられた状態とされる。
上述した場合(図98から図101に示す往路)とは逆に、図102(a)及び図104(a)に示す張出位置から、伝達部材754が逆方向(図104(a)反時計回り)に回転駆動されると、連結第1部材760が回転軸761を回転中心として退避方向(図104(a)時計回り)に回転されることで、第1変位部材730が回転軸731を回転中心として退避方向(図104(a)時計回り)に回転される。これにより、第1変位部材730が、図102(b)及び図104(b)に示すように、退避方向へ回転(起立)される。
また、連結第1部材760が退避方向へ回転されると、連結第2部材8770が上方(図104(a)左上側)へ押し上げられ、位置P2に配置されていた連結ピン8744aが、案内部8773を第2溝8773bに沿って矢印L2方向へ案内される(図97参照)。この場合、第2溝8773bは、上述したように、連結第2部材8770の長手方向に沿って延設されると共に、第1変位部材730に対する連結第2部材8770の相対変位は、互いの長手方向に沿った方向への直線運動(スライド変位)とされる。
よって、図102(b)及び図104(b)に示すように、連結ピン8744aが第2溝8773bに沿って案内される区間では(図97参照)、第1変位部材730に対する第2変位部材740の回転軸741を回転中心する相対変位(相対回転)が形成されない。これにより、第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度が、交差角α4に維持される。
図102(b)及び図104(b)に示す状態から、伝達部材754が逆方向(図104(b)反時計回り)に更に回転駆動されると、上述した場合と同様に、連結第1部材760が回転軸761を回転中心として退避方向(図104(b)時計回り)に回転されることで、第1変位部材730が回転軸731を回転中心として退避方向(図104(b)時計回り)に回転され、図103(a)及び図105(a)に示すように、退避方向へ更に回転(起立)される。
また、連結第1部材760が退避方向へ回転されると、連結第2部材8770が上方(図104(b)左上側)へ更に押し上げられることで、連結ピン8744aが、案内部8773を第2溝8773bに沿って矢印L2方向へ更に案内され、第2段差8773iを通過した(飛び降りた)後、第3溝8773cの内壁面に突き当たることで、位置P3に位置される(図97参照)。
上述したように、連結ピン8744aが第2溝8773bに沿って案内される区間では第1変位部材730に対する第2変位部材740の回転軸741を回転中心する相対変位(相対回転)が形成されない。よって、図103(a)及び図105(a)に示すように、第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度が、交差角α4に維持される。
その後、伝達部材754がその可動範囲の終端に到達されることで、図103(b)及び図105(b)に示すように、第1変位部材730が最大に起立されると共に、第1変位部材730に対する第2変位部材740の相対変位(相対回転)が最少とされた状態が形成される。即ち、第1変位部材730及び第2変位部材740が退避位置に配置される。
この場合には、連結第2部材8770が最上方まで押し上げられることで、連結ピン8744aが、案内部8773を第3溝8773cに沿って矢印L3方向へ案内され、第3段差8773jを通過した(飛び降りた)後、第1溝8773aの内壁面に突き当たることで、位置P1に位置(復帰)される(図97参照)。これにより、第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度が、交差角α4から交差角α1に復帰(減少)される。
このように、本実施形態によれば、退避位置から張出位置へ向かう往路と張出位置から退避位置へ向かう復路とにおいて、背面ベース710及び正面ベース720に対する第1変位部材730の変位(回転)の態様は同一とできる一方、第1変位部材730に対する第2変位部材740の相対変位の態様を異ならせることができる。
詳細には、往路においては、第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度を、背面ベース710及び正面ベース720に対する第1変位部材730の変位量(回転量)に比例させて漸次増加させる一方、復路においては、第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度を、交差角α4に維持しつつ退避位置へ向けて変位させ、退避位置に配置される直前において交差角α4から交差角α1に短時間で減少させる態様を形成できる。
また、連結ピン8744aが案内部8773の各溝8773a〜8773cに沿って案内されるので、伝達部材754(第1変位部材730)を比較的高速で回転駆動(変位)させる場合であっても、第1変位部材730に対する第2変位部材740のがたつきを抑制できる。
次いで、図106から図115を参照して、第9実施形態について説明する。第8実施形態では、断面コ字状の凹溝を無端状に連続させた周回経路として案内部8773が形成される場合を説明したが、第9実施形態における案内部9773は、連結ピン744aが遊嵌される開口として形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図106は、第9実施形態における左回転ユニット9700の分解正面斜視図であり、図107は、左回転ユニット9700の分解背面斜視図である。なお、図106及び図107では、左回転ユニット9700の一部(背面ベース710及び正面ベース720)が組み立てられた状態が図示される。
図106及び図107に示すように、第9実施形態における左回転ユニット9700は、連結第2部材9770の長手方向一端側(図106上側)に案内部9773が開口形成される。後述するように、案内部9773内をフランジ部材744の連結ピン744aが変位されることで、第1変位部材730に対する第2変位部材740の相対変位の形態を、往路と復路とで異なる形態とすることができる。
案内部9773は、連結第2部材9770の幅方向(長手方向と略直交する方向)に沿って正面視略直線状に延設される第1内壁9773aと、その第1内壁9773aの終端に接続されると共に連結第2部材9770の長手方向(図106上下方向)に沿って正面視略直線状に延設される第2内壁9773bと、その第2内壁9773bの終端に接続されると共に円弧状(本実施形態では第1内壁9773a及び第2内壁9773bの接続部分から離間する方向へ凸となる円弧状)に湾曲しつつ延設されその終端が第1内壁9773aの始端に接続される第3内壁9773cとが内壁面とされる開口として形成される。
次いで、図108から図115を参照して、左回転ユニット9700の動作について説明する。
ここで、第9実施形態では、伝達部材754の駆動ピン754bが連結第1部材760の駆動溝762を摺動する(内壁面を押圧する)ことで、連結第1部材760及び連結第2部材9770と第1変位部材730及び第2変位部材740とがそれぞれ変位されるところ、連結第1部材760及び連結第2部材9770と第1変位部材730との変位の態様は、上述した第1実施形態の場合と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
まず、図108から図111を参照して、退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の左回転ユニット9700の動作について説明する。
図108及び図109は、退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニット9700の正面図であり、図110及び図111は、退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニット9700の背面模式図である。
図108(a)及び図110(a)に示すように、退避位置では、第1変位部材730及び第2変位部材740が起立状態とされ、正面ベース720の正面に配設される。
この場合、軸支孔732(回転軸741)の軸心を通過すると共に第1変位部材730の長手方向に沿う仮想線M1と、軸支孔732(回転軸741)の軸心を通過すると共に第2変位部材740の長手方向に沿う仮想線M2とのなす角度が、交差角β1とされる。また、フランジ部材744の連結ピン744aは、案内部9773の第1内壁9773a及び第3内壁9773cの接続部分(第1内壁9773aの始端)に位置され、連結第2部材9770は、最も上方(図110(a)上側)へ押し上げられた状態とされる。
また、第2変位部材740の質量中心(第2変位部材740に作用する重力の合力の作用点)である重心Gは、回転軸741(軸支孔732)の軸心方向視(即ち、図110(a)の状態)において、回転軸741(軸支孔732)の軸心を通過すると共に重力方向に平行な垂直線Zを挟んで、連結ピン744aと反対側(図110(a)左側)に位置される。
よって、第2変位部材740は、その自重によって、回転軸741を回転中心として、連結ピン744aを上方へ持ち上げる方向(図110(a)反時計回り)へ回転される。この第2変位部材740の自重による回転に伴って、連結ピン744aは、案内部9773の第1内壁9773aに当接される(押し付けられる)。
この状態から、伝達部材754が正方向(図110(a)時計回り)に回転駆動されると、連結第1部材760が回転軸761を回転中心として張出方向(図110(a)反時計回り)に回転されることで、第1変位部材730が回転軸731を回転中心として張出方向(図110(a)反時計回り)に回転される。これにより、第1変位部材730が、図108(b)及び図110(b)に示すように、張り出し方向へ傾倒される。
また、連結第1部材760が張出方向へ回転されると、連結第2部材9770が下方(図110(a)下側)へ引き寄せられ、その連結第2部材9770の案内部9773の内壁面(第1内壁9773a)が、第2変位部材740のフランジ部材744における連結ピン744aを下方へ押し下げることで、連結ピン744aが、案内部9773を第1内壁9773aに沿って第2内壁9773bへ向かう方向へ案内される。
これにより、図108(b)及び図110(b)に示すように、第1変位部材730に対して第2変位部材740が回転軸741を回転中心として第1方向(図110(a)時計回り)へ相対変位(相対回転)され、第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度が、交差角β1から交差角β2に変化(増加)される(β1<β2)。
図108(b)及び図110(b)に示す状態から、伝達部材754が正方向(図110(b)時計回り)に更に回転駆動されると、上述した場合と同様に、連結第1部材760が回転軸761を回転中心として張出方向(図110(b)反時計回り)に回転されることで、第1変位部材730が回転軸731を回転中心として張出方向(図110(b)反時計回り)に回転され、図109(a)及び図111(a)に示すように、張り出し方向へ更に傾倒される。
また、連結第1部材760が張出方向へ回転されると、連結第2部材9770が下方(図110(b)右下側)へ更に引き寄せられ、その連結第2部材9770の案内部9773の内壁面(第1内壁9773a)が、第2変位部材740のフランジ部材744における連結ピン744aを下方へ押し下げることで、連結ピン744aが、案内部9773を第1内壁9773aに沿って第2内壁9773bへ向かう方向へ更に案内される。
これにより、図109(a)及び図111(a)に示すように、第1変位部材730に対して第2変位部材740が回転軸741を回転中心として第1方向(図110(b)時計回り)へ更に相対変位(相対回転)され、第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度が、交差角β2から交差角β3に変化(増加)される(β1<β2<β3)。
その後、伝達部材754がその可動範囲の終端に到達されることで、図109(b)及び図111(b)に示すように、第1変位部材730が最大に傾倒されると共に、第1変位部材730に対して第2変位部材740が最大に相対変位(相対回転)された状態が形成される。即ち、第1変位部材730及び第2変位部材740が張出位置に配置される。
この場合、連結ピン744aは、案内部9773を第1内壁9773aに沿って案内され、第2内壁9773bの内壁面に突き当たることで、第1内壁9773a及び第2内壁9773bの接続部分(第2内壁9773bの始端)に位置される。これにより、第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度が、交差角β3から交差角β4に変化(増加)される(β1<β2<β3<β4)。
次いで、図112から図115を参照して、張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の左回転ユニット9700の動作について説明する。
図112及び図113は、張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニット9700の正面図であり、図114及び図115は、張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニット9700の背面模式図である。なお、図112(a)は、図109(b)と、図113(b)は、図108(a)と、それぞれ同一の図である。
ここで、図112(b)及び図114(b)に示す第1変位部材730の回転位置は、図109(a)及び図111(a)に示す第1変位部材730の回転位置と同一であり、図113(a)及び図115(a)に示す第1変位部材730の回転位置は、図108(b)及び図110(b)に示す第1変位部材730の回転位置と同一である。
また、図112(a)及び図114(a)に示すように、張出位置では、フランジ部材744の連結ピン744aが、案内部9773の第1内壁9773a及び第2内壁9773bの接続部分(第2内壁9773bの始端)に位置され、連結第2部材9770は、最も下方(図114(a)右下側)へ引き寄せられた状態とされる。
また、第2変位部材740の重心Gは、回転軸741(軸支孔732)の軸心方向視(即ち、図114(a)の状態)において、垂直線Zに対して、連結ピン744aと同じ側(図114(a)右側)に位置される。よって、第2変位部材740は、その自重によって、回転軸741を回転中心として、連結ピン744aを下方へ押し下げる方向(図114(a)時計回り)へ回転される。この第2変位部材740の自重による回転に伴って、連結ピン744aは、案内部9773の第2内壁9773bに当接される(押し付けられる)。
この状態から、上述した場合(図108から図111に示す往路)とは逆に、図112(a)及び図114(a)に示す張出位置から、伝達部材754が逆方向(図114(a)反時計回り)に回転駆動されると、連結第1部材760が回転軸761を回転中心として退避方向(図114(a)時計回り)に回転されることで、第1変位部材730が回転軸731を回転中心として退避方向(図114(a)時計回り)に回転される。これにより、第1変位部材730が、図112(b)及び図114(b)に示すように、退避方向へ回転(起立)される。
また、連結第1部材760が退避方向へ回転されると、連結第2部材9770が上方(図114(a)左上側)へ押し上げられる。上述したように、連結ピン744aは、第2変位部材740の自重による回転に伴って、案内部9773の第2内壁9773bに当接された(押し付けられた)状態にあるので、案内部9773を第2内壁9773bに沿って第3内壁9773cへ向かう方向へ案内される。
この場合、第2内壁9773bは、上述したように、連結第2部材9770の長手方向に沿って延設されると共に、第1変位部材730に対する連結第2部材9770の相対変位は、互いの長手方向に沿った方向への直線運動(スライド変位)とされる。
よって、図112(b)及び図114(b)に示すように、連結ピン744aが第2内壁9773bに沿って案内される区間では、第1変位部材730に対する第2変位部材740の回転軸741を回転中心する相対変位(相対回転)が形成されない。これにより、第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度が、交差角β4に維持される。
図112(b)及び図114(b)に示す状態から、伝達部材754が逆方向(図114(b)反時計回り)に更に回転駆動されると、上述した場合と同様に、連結第1部材760が回転軸761を回転中心として退避方向(図114(b)時計回り)に回転されることで、第1変位部材730が回転軸731を回転中心として退避方向(図114(b)時計回り)に回転され、図113(a)及び図115(a)に示すように、退避方向へ更に回転(起立)される。
また、連結第1部材760が退避方向へ回転されると、連結第2部材9770が上方(図114(b)左上側)へ更に押し上げられることで、連結ピン744aが、案内部9773を第2内壁9773bに沿って第3内壁9773cへ向かう方向へ更に案内され、第3内壁9773cの内壁面に突き当たることで、第2内壁9773b及び第3内壁9773cの接続部分(第3内壁9773cの始端)に位置される。
上述したように、連結ピン744aが第2内壁9773bに沿って案内される区間では第1変位部材730に対する第2変位部材740の回転軸741を回転中心する相対変位(相対回転)が形成されない。よって、図113(a)及び図115(a)に示すように、第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度が、交差角β4に維持される。
その後、伝達部材754がその可動範囲の終端に到達されることで、図113(b)及び図115(b)に示すように、第1変位部材730が最大に起立されると共に、第1変位部材730に対する第2変位部材740の相対変位(相対回転)が最少とされた状態が形成される。即ち、第1変位部材730及び第2変位部材740が退避位置に配置される。
この場合には、連結第2部材9770が最上方まで押し上げられることで、連結ピン744aが、案内部9773を第3内壁9773cに沿って第1内壁9773aへ向かう方向へ案内され、第1内壁9773aの内壁面に突き当たることで、第1内壁9773a及び第3内壁9773cの接続部分(第1内壁9773aの始端)に位置(復帰)される。これにより、第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度が、交差角β4から交差角β1に復帰(減少)される。
本実施形態では、図115(a)に示す状態から図115(b)に示す状態へ移行する際に、第2変位部材740の重心Gが垂直線Zを横切るため、第2変位部材740を、連結第2部材9770による押し上げに先行して、回転させることができる。
詳細には、第2変位部材740の重心Gが、垂直線Zに対して、連結ピン744aと同じ側(図115(a)右側)に位置されている状態では、第2変位部材740は、自重による回転により、連結ピン744aを第3内壁9773cへ押し付けているため、連結第2部材9770の上方への押し上げに伴って(同期して)、図115(a)反時計回りへ徐々に回転される一方、この回転により、第2変位部材740の重心Gが、垂直線Zを越えて、連結ピン744aと反対側(図115(a)左側)に位置されると、第2変位部材740は、その自重によって連結ピン744aを上方へ持ち上げる方向へ回転される。即ち、連結第2部材9770による押し上げに先行して、回転される。
よって、本実施形態によれば、退避位置から張出位置へ向かう往路と張出位置から退避位置へ向かう復路とにおいて、背面ベース710及び正面ベース720に対する第1変位部材730の変位(回転)の態様は同一とできる一方、第1変位部材730に対する第2変位部材740の相対変位の態様を異ならせることができるだけでなく、復路においては、第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度を、交差角β4に維持しつつ退避位置へ向けて変位させ、退避位置に配置される直前において交差角β4から交差角β1へ高速(短時間)で減少させる態様を形成できる。
次いで、図116及び図117を参照して、第10実施形態について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
ここで、第10実施形態における左回転ユニット10700は、保持器10746を備える点のみが第9実施形態における左回転ユニット9700と異なり、他は同一の構成であるので、その説明は省略する。
図116は、第10実施形態における左回転ユニット10700の背面模式図であり、第2変位部材740の重心Gが垂直線Z上に位置する状態が図示される。図116に示すように、第10実施形態における左回転ユニット10700には、第2変位部材740の背面に保持器10746が配設される。ここで、図117を参照して、保持器10746について説明する。
図117(a)は、保持器10746の正面図であり、図117(b)は、図117(a)のCXVIIb−CXVIIb線における保持器10746の断面図であり、図117(c)は、図117(a)のCXVIIc−CXVIIc線における保持器10746の断面図である。
図117に示すように、保持器10746は、断面円形の内部空間を有する筒状に形成され、その内部空間に所定の重量物が変位可能に収納される。なお、本実施形態では、所定の重量物が液体LQとされ、内部空間の体積の約1/3に液体LQが充填される。よって、保持器10746の傾斜に従って、液体LQが保持器10746の長手方向一端側または他端側(図117(c)右側または左側)へ変位可能とされる(図118から図121参照)。
図116に戻って説明する。保持器10746は、回転軸741(軸支孔732)の軸心方向視(即ち、図116の状態)において、その長手方向(図116左右方向)が垂直線Zに直交する姿勢(水平姿勢)であって、その長手方向中央が第2変位部材740の重心Gに一致する位置において、第2変位部材740の背面に配設される。
よって、第2変位部材740が回転軸741を回転中心として一側または他側へ回転されると、水平姿勢にある保持器10746が長手方向一側または他側を下方へ位置させる傾斜姿勢とされ、収容されている重量物(液体LQ)を長手方向一側または他側(即ち、重心Gの移動方向と同じ側)へ変位させる。
これにより、第2変位部材740が回転軸741を回転中心として回転される際に、保持器10746が配設されない場合と比較して、第2変位部材740と保持器10746と両者を一体の部材とみなした際の質量中心(重心G’)の位置の変化量をより大きくすることができる。
次いで、図118から図121を参照して、左回転ユニット10700の動作について説明する。図118及び図119は、退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニット10700の背面模式図であり、図120及び図121は、張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニット10700の背面模式図である。
図118から図121に示すように、伝達部材754が正方向または逆方向へ回転駆動され、背面ベース710及び正面ベース720に対して第1変位部材730が回転されると共に、その第1変位部材730に対して第2変位部材740が相対変位(回転)される際には、第2変位部材740の回転位置に応じて、保持器10746を傾斜させ、その内部空間に充填される液体LQを保持器10746の長手方向一端または他端へ変位させることができる。
これにより、第2変位部材740及び保持器10746の重心G’の位置を、保持器10746が配設されない場合と比較して、垂直線Zからより遠い位置に配置することができる。
よって、連結ピン744aを案内部9773の第1〜第3内壁9773a〜9773cに沿って変位させる区間では、重心G’を利用した第2変位部材740の自重による回転を確実化して、連結ピン744aが第1〜第3内壁9773a〜9773cに当接された状態を維持しやすくできる。その結果、第1変位部材730に対する第2変位部材740のがたつきを抑制し、その相対変位(回転)を安定化させることができる。
一方、連結第2部材9770による押し上げに先行して、第2変位部材740を自重により回転させる区間では、重心G’を利用してその第2変位部材740の先行を確実化できる。その結果、退避位置に配置される直前において、交差角β4から交差角β1への回転をより高速(短時間)で行わせることができる。
次いで、図122から図130を参照して、第11実施形態について説明する。第1実施形態では、退避位置から張出位置へ向かう往路と張出位置から退避位置へ向かう復路と両者において、第1変位部材730に対する第2変位部材740の相対変位が形成される場合を説明したが、第11実施形態における左回転ユニット11700では、第1変位部材730に対する第2変位部材740の相対変位が、往路でのみ形成され、復路では形成されない。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図122は、第11実施形態における左回転ユニット11700の分解背面斜視図である。なお、図122では、左回転ユニット11700の一部(背面ベース710及び正面ベース720)が組み立てられた状態が図示される。
図122に示すように、第11実施形態における左回転ユニット11700は、第2変位部材740と連結第2部材11770とがピニオンギヤ11747とラックギヤ11774とからなるラック・ピニオン機構により連結される。この場合、後述するように、ピニオンギヤ11747がワンウェイクラッチとして構成されるため、往路では、連結第2部材11770の直線運動を第2変位部材740の回転運動に変換する一方、復路では、連結第2部材11770の直線運動が第2変位部材740の回転運動へ変換されることを規制して、第1変位部材730に対する第2変位部材740の相対変位を、往路でのみ形成することができる。
ピニオンギヤ11747は、内輪および外輪の間にローラー及びスプリングを介在させたカム式のワンウェイクラッチとして形成され、内輪に第2変位部材740の回転軸741が締結固定されると共に、外輪の外周にラックギヤ11774に歯合されるギヤが刻設される。この場合、ピニオンギヤ11747は、第2変位部材740の背面視において、外輪が時計回りに回転されると、その回転を内輪(第2変位部材740)へ伝達する一方、外輪が反時計回りに回転されると、その回転の内輪(第2変位部材740)への伝達を切断する。
ラックギヤ11774は、連結第2部材11770の側面に刻設されたギヤであり、ピニオンギヤ11747に歯合される。なお、ラックギヤ11774の刻設範囲は、連結第2部材11770が下方へ最大に引き寄せられた状態において、ピニオンギヤ11747との歯合が解除される範囲とされる(図126(b)及び図129参照)。
第1変位部材730と第2変位部材740との間には、金属製のねじりばねとして形成される付勢ばねSPが介在される。付勢ばねSPは、コイル部が回転軸741に外嵌され、弾性的にねじり変形された状態で、コイル部の一端から延設されるアームが第1変位部材730に係止されると共に、コイル部の他端から延設されるアームが第2変位部材740に係止され、その弾性回復力を、第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度を交差角γ1に維持させる方向へ作用させる。
次いで、図123から図130を参照して、左回転ユニット11700の動作について説明する。
ここで、第11実施形態では、伝達部材754の駆動ピン754bが連結第1部材760の駆動溝762を摺動する(内壁面を押圧する)ことで、連結第1部材760及び連結第2部材11770と第1変位部材730及び第2変位部材740とがそれぞれ変位されるところ、連結第1部材760及び連結第2部材11770と第1変位部材730との変位の態様は、上述した第1実施形態の場合と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
まず、図123から図126を参照して、退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の左回転ユニット11700の動作について説明する。
図123及び図124は、退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニット11700の正面図であり、図125及び図126は、退避位置から張出位置へ向けて往路を動作する際の各状態における左回転ユニット11700の背面模式図である。
図123(a)及び図125(a)に示すように、退避位置では、第1変位部材730(仮想線M1)と、第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度が、交差角γ1とされる。この場合、連結第2部材11770は、最も上方(図125(a)上側)へ押し上げられた状態とされる。
この状態から、伝達部材754が正方向(図125(a)時計回り)に回転駆動されると、連結第1部材760が回転軸761を回転中心として張出方向(図125(a)反時計回り)に回転されることで、第1変位部材730が回転軸731を回転中心として張出方向(図110(a)反時計回り)に回転される。これにより、第1変位部材730が、図123(b)及び図125(b)に示す状態を経て、図124(a)及び図126(a)に示すように、張り出し方向へ傾倒される。
また、連結第1部材760が張出方向へ回転されると、連結第2部材11770が下方(図125(a)下側)へ引き寄せられることで、その連結第2部材11770のラックギヤ11774がピニオンギヤ11747(外輪)を図125(a)時計回りへ回転させる。かかる方向への外輪の回転は、その回転を内輪(第2変位部材740)へ伝達する方向の回転とされる。
よって、図123(b)及び図125(b)に示す状態を経て、図124(a)及び図126(a)に示すように、第2変位部材740が、付勢ばねSP(図122参照)を更にねじり方向へ弾性変形させつつ、第1変位部材730に対して相対回転され、第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度が、交差角γ1から交差角γ2を経て交差角γ3へ変化(増加)される(γ1<γ2<γ3)。
その後、伝達部材754がその可動範囲の終端に到達されることで、図124(b)及び図126(b)に示すように、第1変位部材730が最大に張り出され、第1変位部材730及び第2変位部材740が張出位置に配置される。
この場合、本実施形態では、図124(b)及び図126(b)に示すように、連結第2部材11770が最下方まで引き寄せられると、ラックギヤ11774及びピニオンギヤ11747の歯合が解除される。これにより、第2変位部材740が、付勢ばねSP(図122参照)の弾性回復力を受けて、初期位置へ復帰される。即ち、第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度が、交差角γ3から交差角γ1に復帰(減少)される。
次いで、図127から図130を参照して、張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の左回転ユニット11700の動作について説明する。
図127及び図128は、張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニット11700の正面図であり、図129及び図130は、張出位置から退避位置へ向けて復路を動作する際の各状態における左回転ユニット11700の背面模式図である。なお、図127(a)は、図124(b)と、図128(b)は、図123(a)と、それぞれ同一の図である。
ここで、図127(b)及び図129(b)に示す第1変位部材730の回転位置は、図124(a)及び図126(a)に示す第1変位部材730の回転位置と同一であり、図128(a)及び図130(a)に示す第1変位部材730の回転位置は、図123(b)及び図125(b)に示す第1変位部材730の回転位置と同一である。
上述した場合(図123から図126に示す往路)とは逆に、図127(a)及び図129(a)に示す張出位置から、伝達部材754が逆方向(図129(a)反時計回り)に回転駆動されると、連結第1部材760が回転軸761を回転中心として退避方向(図129(a)時計回り)に回転されることで、第1変位部材730が回転軸731を回転中心として退避方向(図129(a)時計回り)に回転される。これにより、第1変位部材730が、図127(b)及び図128(a)と図129(b)及び図130(a)とに示す状態を経て、図128(b)及び図130(b)に示すように、退避位置に配置(起立)される。
また、連結第1部材760が退避方向へ回転されると、連結第2部材11770が上方(図129(a)左上側)へ押し上げられることで、図127(b)及び図129(b)に示すように、ラックギヤ11774がピニオンギヤ11747に歯合され、連結第2部材11770が更に上方へ押し上げられることで、ラックギヤ11774がピニオンギヤ11747(外輪)を図129(b)反時計回りへ回転させる。かかる方向への外輪の回転は、その回転の内輪(第2変位部材740)への伝達を切断する方向の回転とされる。
よって、図127(b)及び図129(b)に示す状態から、図128(a)及び図130(a)に示す状態を経て、図128(b)及び図130(b)に示す退避位置に配置されるまでの区間では、第2変位部材740が第1変位部材730に対して相対回転されず、第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度が、交差角γ1に維持される。
このように、本実施形態によれば、往路では、背面ベース710及び正面ベース720に対する第1変位部材730の張出方向への回転(傾倒)に伴って、第1変位部材730に対して第2変位部材740を徐々に相対変位させ、それら第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度を交差角γ1から交差角γ3へ増加させると共に、張出位置において、交差角γ1へ変化させる変位態様を形成する一方、復路では、第1変位部材730に対する第2変位部材740の相対変位を形成せず(即ち、第1変位部材730(仮想線M1)と第2変位部材740(仮想線M2)とのなす角度を交差角γ1に維持しつつ)、背面ベース710及び正面ベース720に対して第1変位部材730が退避方向へ回転(起立)する変位態様を形成することができる。
次いで、図131から図133を参照して、第12実施形態について説明する。第1実施形態では、ベース側係合部材726が正面ベース720の正面から突出された状態で固設される場合を説明したが、第12実施形態におけるベース側係合部材12726は、正面ベース12720の正面に出没可能に配設される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図131は、第12実施形態における左回転ユニット12700の部分分解斜視図である。図132(a)は、正面ベース12720の部分拡大正面図であり、図132(b)は、図132(a)におけるCXXXIIb−CXXXIIb線における正面ベース12720の断面図である。
図131及び図132に示すように、第12実施形態における左回転ユニット12700は、正面ベース12720の内部空間に、ベース側係合部材12726と伝達部材12728とが収納されると共に、第2変位部材12740の背面に、挿入部材12745が配設される。
ベース側係合部材12726は、正面ベース12720の図示しない案内溝に沿って前後方向(図132(a)紙面垂直方向、図132(b)上下方向)にスライド変位可能に配設されるスライド部12726cを備え、そのスライド部12726cの正面(図132(a)紙面手前側および図132(b)下側の面)に基部726a及び屈曲部726bが形成される。
ベース側係合部材12726は、スライド部12726cが図示しない案内溝に沿って正面へ向けてスライド変位されることで、基部726a及び屈曲部726bを受入凹部727から正面側(図132(a)紙面手前側および図132c(b)下側)へ突出させると共に、スライド部12726cが図示しない案内溝に沿って背面側(図132(a)紙面奥側および図132(b)上側)へ向けてスライド変位されることで、基部726a及び屈曲部726bを受入凹部727内に没入させることができる。
この場合、スライド部12726cの正面と正面ベース12720の背面との間には、コイルスプリングからなる付勢ばねSP1が弾性的に圧縮変形された状態で配設され、その付勢ばねSP1の弾性回復力によって、ベース側係合部材12726が没入状態(図132(b)に示す状態)に維持される。なお、この没入状態では、屈曲部726bの正面と正面ベース12720の正面とが面一に配置され、ベース側係合部材12726の存在を遊技者に認識させ難くできる。
スライド部12726cの側面(図132(b)左側)は、背面側へ向かうに従って伝達部材12728から離間する方向へ傾斜された傾斜面として形成され、その傾斜面には、伝達部材12728の傾斜面が当接される。
伝達部材12728は、正面ベース12720の図示しない案内溝に沿って左右方向(図132(a)左右方向、図132(b)左右方向)にスライド変位可能に配設され、一端側(図132(b)右側)が、正面ベース12720の側面に開口形成される挿入口12720aから露出される。また、伝達部材12728の他端側(図132(b)左側)には、正面側へ向かうに従ってベース側係合部材12726から離間する方向へ傾斜された傾斜面が形成され、その傾斜面には、ベース側係合部材12726の傾斜面が当接される。
よって、ベース側係合部材12726及び伝達部材12728の傾斜面どうしの作用により、伝達部材12728をベース側係合部材12726へ近接する方向へスライド変位させることで、ベース側係合部材12726を正面側へスライド変位(突出)させることができると共に、伝達部材12728をベース側係合部材12726から離間する方向へスライド変位させることで、ベース側係合部材12726を背面側(受入凹部727内)へスライド変位(没入)させることができる。
なお、伝達部材12728と正面ベース12720との間には、コイルスプリングからなる付勢ばねSP2が弾性的に引張変形された状態で配設され、その付勢ばねSP2の弾性回復力によって、伝達部材12728が、ベース側係合部材12726から離間された位置(図132(b)に示す位置、即ち、ベース側係合部材12726が没入された位置)に維持される。
押圧部材12745は、第2変位部材12740の背面から立設される基部12745aと、その基部12745aの先端を屈曲させて形成される挿入部12745bとを備える。押圧部材12745は、挿入部12745bが、正面ベース12720の挿入口12720aに挿入可能となるように、基部12745aの立設高さが、変位側係合部材742の基部の立設高さよりも高くされると共に、挿入部12745bの延設方向が、変位側係合部材742の屈曲部742bの延設方向と同方向(平行)とされる。
次いで、図133を参照して、ベース側係合部材12726及び変位側係合部材742による係合作用について説明する。
図133は、ベース側係合部材12726及び変位側係合部材742による係合作用を説明するための左回転ユニット12700の部分断面模式図であり、第2変位部材12740が退避位置へ向けて変位される際の遷移状態が模式的に図示される。なお、図133(a)に示す状態から図133(c)に示す状態に向かうに従って、第2変位部材12740が退避位置に近づき、図133(d)に示す状態が、第2変位部材12740が退避位置に配置された状態に対応する。
図133(a)に示すように、正面ベース12720に対して第2変位部材12740が退避方向(図133(a)左側)へ向けて変位されると、まず、押圧部材12745の挿入部12745bの先端が、正面ベース12720の挿入口12720aを介して、伝達部材12728の一端側に当接される。
図133(a)に示す状態から、正面ベース12720に対して第2変位部材12740が更に退避方向(図133(a)左側)へ向けて変位されると、押圧部材12745の挿入部12745bが、付勢ばねSP1,SP2の付勢力に抗して、挿入口12720aから正面ベース12720の内部へ挿入されることで、伝達部材12728がベース側係合部材12726へ近接する方向へ押し込まれる(スライド変位される)。
これにより、図133(b)及び図133(c)に示すように、ベース側係合部材12726が正面ベース12720の正面へ徐々に突出されると共に、そのベース側係合部材12726へ向けて変位側係合部材742が近接され、互いの屈曲部726b,742bが相手の屈曲部726b,742bの内面側へ進入される。よって、図133(d)に示すように、第2変位部材12740が退避位置に配設されると、互いの屈曲部726b,742bの内面(係合面)どうしを係合させることができる。その結果、第1変位部材730及び第2変位部材12740が正面ベース12720から離間する方向へ傾倒することを抑制できる。
特に、本実施形態では、第1変位部材730及び第2変位部材12740が張出位置へ張り出されると、付勢ばねSP1,SP2の弾性回復力により、ベース側係合部材12726を受入凹部727内に没入させることができる。即ち、その没入状態では、ベース側係合部材12726の屈曲部726bの正面を、正面ベース12720の正面に対して、面一に配置できる。これにより、正面ベース12720の正面が露出される場合でも、ベース側係合部材12726を遊技者から視認され難くして、外観の向上を図ることができる。
次いで、図134から図136を参照して、第13実施形態について説明する。第1実施形態では、第2変位部材740の変位側係合部材742が、正面ベース720の正面に突設されたベース側係合部材726に係合される場合を説明したが、第13実施形態における第2変位部材13740の変位側係合部材13742は、正面ベース13720の正面側の壁面に係合される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図134は、第13実施形態における左回転ユニット13700の部分分解斜視図である。図135(a)は、正面ベース13720の部分拡大正面図であり、図135(b)は、図135(a)におけるCXXXVb−CXXXVb線における正面ベース13720の断面図である。
図134及び図135に示すように、第13実施形態における左回転ユニット13700は、正面ベース13720に、その正面側(図135(a)紙面手前側、図135(b)下側)及び側面側(図135(a)及び図135(b)右側)に連なる開口13720aが開口形成されると共に、その開口13720aにより形成される空間に回動部材13726が回動可能に配設される。
回動部材13726は、開口13720aのうちの正面ベース13720の側面側を塞ぐ側面部13726aと正面ベース13720の正面側を塞ぐ正面部13726bとから断面視くの字状に形成され、側面部13726aの一辺側(正面部13726bの反対側)が回動可能に軸支される。
即ち、回動部材13726は、側面部13726aの軸支部分を中心に一側へ回動されることで、開口13720aを塞ぐ初期位置(図134及び図135に示す位置)に配置されると共に、側面部13726aの軸支部分を中心に他側へ回動されることで、正面ベース13720内へ没入される。
この場合、正面ベース13720と回動部材13726との間には、ねじりばねからなる付勢ばねSP3が弾性的にねじり変形された状態で配設され、その付勢ばねSP3の弾性回復力によって、回動部材13726が初期位置に維持される。なお、この初期位置では、正面部13726bの正面および側面部13726aの側面と正面ベース13720の正面および側面とがそれぞれ面一に配置され、回動部材13726の存在を遊技者に認識させ難くできる。
変位側係合部材13742は、第2変位部材13740の背面から立設される基部13742aと、その基部13742aの先端を屈曲させて形成され内面が係合面とされる屈曲部742bとを備える。なお、基部13742aの立設高さは、屈曲部742bが回動部材13726の側面部13726aに当接可能な高さに設定される。これにより、第2変位部材13740が退避方向へ変位されると、その変位に伴って、屈曲部742bが回動部材13726を没入方向へ回動させることができる(図136参照)。
次いで、図136を参照して、正面ベース13720及び変位側係合部材13742による係合作用について説明する。
図136は、正面ベース13720及び変位側係合部材13742による係合作用を説明するための左回転ユニット13700の部分断面模式図であり、第2変位部材13740が退避位置へ向けて変位される際の遷移状態が模式的に図示される。なお、図136(a)に示す状態から図136(b)に示す状態に向かうに従って、第2変位部材13740が退避位置に近づき、図136(c)に示す状態が、第2変位部材13740が退避位置に配置された状態に対応する。
図136(a)に示すように、正面ベース13720に対して第2変位部材13740が退避方向(図136(a)左側)へ向けて変位されると、変位側係合部材13742の屈曲部742bの先端が、回動部材13726の側面部13726aに当接される。
図136(a)に示す状態から、正面ベース13720に対して第2変位部材13740が更に退避方向(図136(a)左側)へ向けて変位されると、変位側係合部材13742の屈曲部742bが、付勢ばねSP3の付勢力に抗して、回動部材13726を没入方向へ押し込む(回動させる)。
これにより、図136(b)に示すように、変位側係合部材13742の屈曲部742bが、開口13720aを介して、正面ベース13720の内部空間へ徐々に進入され、図136(c)に示すように、第2変位部材13740が退避位置に配置されると、変位側係合部材13742の屈曲部742bの内面を、正面ベース13720の背面に、係合可能に対面させることができる。その結果、第1変位部材730及び第2変位部材13740が正面ベース13720から離間する方向へ傾倒することを抑制できる。
特に、本実施形態では、第1変位部材730及び第2変位部材13740が張出位置へ張り出されると、付勢ばねSP3の弾性回復力により、回動部材13726を初期位置に配置(復帰)させることができる。即ち、その初期位置では、正面部13726bの正面および側面部13726aの側面を、正面ベース13720の正面および側面に対して、それぞれ面一に配置できる。これにより、正面ベース13720の正面および側面が露出される場合でも、開口13720a及び回動部材13726を遊技者から視認され難くして、外観の向上を図ることができる。
次いで、図137から図139を参照して、第14実施形態について説明する。第1実施形態では、ベース側係合部材726が正面ベース720の正面から突出された状態で固設される場合を説明したが、第14実施形態におけるベース側係合部材14726は、正面ベース14720の正面に出没可能に配設される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図137は、第14実施形態における左回転ユニット14700の部分分解斜視図である。図138(a)は、第2変位部材740が退避位置に配置された状態における左回転ユニット14700の部分拡大正面図であり、図138(b)は、図138(a)のCXXXVIIIb−CXXXVIIIb線における左回転ユニット14700の部分拡大断面模式図である。また、図139(a)は、第2変位部材740が張出位置に配置された状態における左回転ユニット14700の部分拡大正面図であり、図139(b)は、図139(a)のCXXXIXb−CXXXIXb線における左回転ユニット14700の部分拡大断面模式図である。
図137から図139に示すように、第14実施形態における左回転ユニット14700は、正面ベース14720の内部空間に、ベース側係合部材14726が収納されると共に、ラック部材14752の長手方向一端側(図137上側)の正面に伝達部14752bが形成される。
ベース側係合部材14726は、正面ベース14720の図示しない案内溝に沿って前後方向(図138(b)及び図139(b)左右方向)にスライド変位可能に配設されるスライド部14726cを備え、そのスライド部14726cの正面(図138(b)及び図139(b)左側の面)に基部726a及び屈曲部726bが形成される。
ベース側係合部材14726は、スライド部14726cが図示しない案内溝に沿って正面へ向けてスライド変位されることで、基部726a及び屈曲部726bを受入凹部727から正面側(図138(b)左側)へ突出させると共に(図138参照)、スライド部14726cが図示しない案内溝に沿って背面側(図139(b)右側)へ向けてスライド変位されることで、基部726a及び屈曲部726bを受入凹部727内に没入させることができる(図139参照)。
この場合、スライド部14726cの背面と背面ベース710の正面との間には、コイルスプリングからなる付勢ばねSP4が弾性的に引張変形された状態で配設され、その付勢ばねSP4の弾性回復力によって、ベース側係合部材14726が没入状態(図139(b)に示す状態)に維持される。なお、この没入状態では、屈曲部726bの正面と正面ベース14720の正面とが面一に配置され、ベース側係合部材14726の存在を遊技者に認識させ難くできる。
スライド部14726cの背面(図138(b)及び図139(b)右側)は、上方(図138(b)及び図139(b)上側)へ向かうに従ってラック部材14752から離間する方向へ傾斜された傾斜面として形成され、その傾斜面には、ラック部材14752の伝達部14752bにおける傾斜面(正面)が当接される。
伝達部14752bの正面(図138(b)及び図139(b)左側)には、下方(図138(b)及び図139(b)下側)へ向かうに従ってベース側係合部材14726(スライド部14726c)から離間する方向へ傾斜された傾斜面が形成され、その傾斜面には、スライド部14726cの傾斜面が当接される。
よって、ベース側係合部材14726及び伝達部14752bの傾斜面どうしの作用により、ラック部材14752を下方へ変位させるに従って、ベース側係合部材14726を正面側(受入凹部727から突出する方向)へスライド変位させることができると共に、ラック部材14752を上方へ変位させるに従って、ベース側係合部材14726を背面側(受入凹部727内へ没入する方向)へスライド変位させることができる。
その結果、図138に示すように、ラック部材14752が最下方へ変位され、第2変位部材740が退避位置に配置された際には、屈曲部726b,742bの内面(係合面)どうしを係合させることができ、第1変位部材730及び第2変位部材740が正面ベース14720から離間する方向へ傾倒することを抑制できる。
一方、図139に示すように、ラック部材14752が最上方へ変位され、第2変位部材740が張出位置に配置された際には、付勢ばねSP4の弾性回復力により、ベース側係合部材14726を受入凹部727内に没入させることができる。即ち、その没入状態では、ベース側係合部材14726の屈曲部726bの正面を、正面ベース14720の正面に対して、面一に配置できる。これにより、正面ベース14720の正面が露出される場合でも、ベース側係合部材14726を遊技者から視認され難くして、外観の向上を図ることができる。
次いで、図140から図142を参照して、第15実施形態について説明する。第1実施形態では、ベース側係合部材726が正面ベース720の正面から突出された状態で固設される場合を説明したが、第15実施形態におけるベース側係合部材15726は、正面ベース15720の正面にスライド変位可能に配設される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図140は、第15実施形態における左回転ユニット15700の部分分解斜視図である。図141(a)は、正面ベース15720の部分拡大正面図であり、図134(b)は、図141(a)におけるCXLIb−CXLIb線における正面ベース15720の断面図である。
図140及び図141に示すように、第15実施形態における左回転ユニット15700は、正面ベース15720に、その正面側(図141(a)紙面手前側、図141(b)下側)及び側面側(図141(a)及び図141(b)右側)に連なる開口15720aが開口形成されると共に、その開口15720aにより形成される空間における正面ベース15720の正面側(図141(b)下側)の部分にベース側係合部材15726がスライド変位可能に配設される。
ベース側係合部材15726は、開口15720aのうちの正面ベース15720の正面側と略同形状(即ち、開口15720aを正面視において塞ぐ形状)の平板形状に形成され、正面ベース15720に形成される第1案内溝15720b1及び第2案内溝15720b2に沿って左右方向(図141(a)及び図141(b)左右方向)にスライド変位可能に配設される。
第1案内溝15720b1は、図141(b)に示す上面視において、正面ベース15720の左右方向(図141(b)左右方向)に対して第1の傾斜角度を有して形成され、第2案内溝15720b2は、正面ベース15720の左右方向(図141(b)左右方向)に対して、第1案内溝15720b1の傾斜角度よりも小さな傾斜角度(第2の傾斜角度)を有して形成される。なお、本実施形態では、第2の傾斜角度が0°とされる。即ち、第2案内溝15720b2は、正面ベース15720の左右方向に平行に形成される。
よって、ベース側係合部材15726は、図141(b)に示す初期位置から、第1案内溝15720b1に沿って案内されることで、正面ベース15720の斜め後方の背面側(図141(b)左上側)へ向けてスライド変位されると共に、その後、第2案内溝15720b2に沿って案内されることで、正面ベース15720の側方(図141(b)左側)へ向けてスライド変位され、正面ベース15720の内部に没入される。
この場合、正面ベース15720とベース側係合部材15726との間には、コイルスプリングからなる付勢ばね(図示せず)が弾性的に引張変形された状態で配設され、その付勢ばねの弾性回復力によって、ベース側係合部材15726が初期位置に維持される。なお、この初期位置では、ベース側係合部材15726の正面(図141(a)紙面手前側および図141(b)下側の面)と正面ベース15720の正面とが面一に配置され、ベース側係合部材15726の存在を遊技者に認識させ難くできる。
次いで、図142を参照して、ベース側係合部材15726及び変位側係合部材742による係合作用について説明する。
図142は、ベース側係合部材15726及び変位側係合部材742による係合作用を説明するための左回転ユニット15700の部分断面模式図であり、第2変位部材740が退避位置へ向けて変位される際の遷移状態が模式的に図示される。なお、図142(a)に示す状態から図142(c)に示す状態に向かうに従って、第2変位部材740が退避位置に近づき、図142(d)に示す状態が、第2変位部材740が退避位置に配置された状態に対応する。
図142(a)及び図142(b)に示すように、正面ベース15720に対して第2変位部材740が退避方向(図142(a)左側)へ向けて変位されると、変位側係合部材742の屈曲部742bの先端が、開口15720aから正面ベース15720の内部へ挿通されると共に、変位側係合部材742の基部742aがベース側係合部材15726の側面に当接される。
図142(b)に示す状態から、正面ベース15720に対して第2変位部材740が更に退避方向(図142(b)左側)へ向けて変位されると、図142(c)に示すように、変位側係合部材742の基部742aが、付勢ばねの付勢力に抗して、ベース側係合部材15726を第1案内溝15720b1に沿って没入方向へ押し込む(スライド変位させる)。図142(c)に示す状態から、第2変位部材740が退避方向へ向けて更に変位されると、ベース側係合部材15726が第2案内溝15720b2に沿って没入方向へ押し込まれる(スライド変位される)。
これにより、図142(d)に示すように、第2変位部材740が退避位置に配置されると、変位側係合部材742の屈曲部742bの内面を、ベース側係合部材15726の背面に、係合可能に対面させることができる。その結果、第1変位部材730及び第2変位部材740が正面ベース15720から離間する方向(図142(c)下側)へ傾倒することを抑制できる。
特に、本実施形態では、第1変位部材730及び第2変位部材740が張出位置へ張り出されると、付勢ばねの弾性回復力により、ベース側係合部材15726を初期位置に配置(復帰)させることができる。即ち、その初期位置では、ベース側係合部材15726の正面を、正面ベース15720の正面に対して面一に配置できる。これにより、正面ベース15720の正面が露出される場合でも、開口15720a及びベース側係合部材15726を遊技者から視認され難くして、外観の向上を図ることができる。
次いで、図143から図145を参照して、第16実施形態について説明する。第1実施形態では、第2変位部材740の変位側係合部材742が、正面ベース720の正面に突設されたベース側係合部材726に係合される場合を説明したが、第16実施形態における第2変位部材16740の変位側係合部材16742は、正面ベース16720の開口16720aの内縁に係合される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図143は、第16実施形態における左回転ユニット16700の部分分解斜視図である。図144(a)は、正面ベース16720の部分拡大正面図であり、図144(b)は、図144(a)におけるCXLIVb−CXLIVb線における正面ベース16720の断面図である。
また、図145は、正面ベース16720(開口16720a)及び変位側係合部材16742による係合作用を説明するための左回転ユニット16700の部分断面模式図であり、第2変位部材16740が退避位置へ向けて変位される際の遷移状態が模式的に図示される。なお、図145(a)に示す状態から図145(b)に示す状態に向かうに従って、第2変位部材16740が退避位置に近づき、図145(c)に示す状態が、第2変位部材16740が退避位置に配置された状態に対応する。
図143から図145に示すように、第16実施形態における左回転ユニット16700は、正面ベース16720の側面(図135(a)及び図135(b)右側の面)に開口16720aが開口形成される。
変位側係合部材16742は、第2変位部材16740の背面から立設される基部16742aと、その基部16742aの先端を屈曲させて形成され内面が係合面とされる屈曲部742bとを備える。なお、基部16742aの立設高さは、屈曲部742bを正面ベース16720の開口16720aに挿通可能な高さに設定される。
これにより、本実施形態によれば、第2変位部材16740が退避方向へ変位されると、その変位に伴って、変位側係合部材16742の屈曲部742bを、開口16720aを介して、正面ベース16720の内部空間へ徐々に進入させ、第2変位部材16740が退避位置に配置されると、変位側係合部材16742の屈曲部742bの内面を、正面ベース16720の開口16720aの内縁に、係合可能に対面させることができる。その結果、第1変位部材730及び第2変位部材16740が正面ベース16720から離間する方向へ傾倒することを抑制できる。
特に、本実施形態では、正面ベース16720に開口16720aを開口させれば良く、ベース側係合部材を設ける必要がないので、構造を簡素化して、製品コストの削減を図ることができる。また、開口16720aは、正面ベース16720の側面に配設されるので、第2変位部材16740が張り出し方向へ変位され、正面ベース16720の正面が露出される場合に、開口16720aを遊技者から視認され難くして、外観の向上を図ることができる。
次いで、図146及び図147を参照して、第17実施形態について説明する。第1実施形態では、第2変位部材740の変位側係合部材742が、正面ベース720の正面に突設されたベース側係合部材726に係合される場合を説明したが、第17実施形態における第2変位部材17740の変位側係合部材17742は、背面ベース710の背面に係合される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図146は、第17実施形態における左回転ユニット17700の部分分解斜視図である。また、図147は、背面ベース710及び変位側係合部材17742による係合作用を説明するための左回転ユニット17700の上面模式図であり、第2変位部材17740が退避位置へ向けて変位される際の遷移状態が模式的に図示される。
なお、図147(a)に示す状態から図147(b)に示す状態に向かうに従って、第2変位部材17740が退避位置に近づき、図147(c)に示す状態が、第2変位部材17740が退避位置に配置された状態に対応する。
図146及び図147に示すように、第17実施形態における左回転ユニット17700は、正面ベース17720の長手方向一端側(図146上側)の正面および側面の全体が装飾面として形成される。即ち、正面ベース17720は、第1実施における正面ベース720に対して、ベース側係合部材726及び受入凹部727が省略された形状に形成される。
変位側係合部材17742は、第2変位部材17740の背面から立設される基部17742aと、その基部17742aの先端を屈曲させて形成され内面が係合面とされる屈曲部742bとを備える。なお、基部17742aの立設高さは、屈曲部742bの内面が背面ベース710の背面に所定の間隔を隔てて対面可能な高さに設定される。
これにより、本実施形態によれば、第2変位部材17740が退避方向へ変位されると、その変位に伴って、変位側係合部材17742の屈曲部742bを、背面ベース710の背面側へ徐々に進入させ、第2変位部材17740が退避位置に配置されると、変位側係合部材17742の屈曲部742bの内面を、背面ベース710の背面に、係合可能に対面させることができる。その結果、第1変位部材730及び第2変位部材17740が正面ベース17720から離間する方向へ傾倒することを抑制できる。
特に、本実施形態では、正面ベース17720にベース側係合部材を設ける必要がないので、構造を簡素化して、製品コストの削減を図ることができる。
更に、正面ベース17720の側面に開口を開口形成する必要がないので、装飾とは無関係な機能的な部分が遊技者に視認されることを回避して、正面ベース17720の外観の向上を図ることができる。言い換えれば、張出位置に配置された第2変位部材17740によって正面ベース17720の側面を遊技者から見え難くする必要がないので、第2変位部材17740の張り出し量を大きくして、演出効果を高めることができる。
次いで、図148から図151を参照して、第18実施形態について説明する。第1実施形態の右回転ユニット600では、張り出し方向へ傾倒された第1変位部材630を退避位置へ向けて変位(起立)させる動作(第1変位部材630の起立動作)が、駆動モータ650の回転駆動力のみにより行われる場合を説明したが、第18実施形態の右回転ユニット18600における第1変位部材630の起立動作は、駆動モータ650の回転駆動力に加え、慣性力の作用を利用して行われる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図148は、第18実施形態における右回転ユニット18600の分解斜視図である。図149は、張出位置から退避位置へ向けて動作する際の前半区間での各状態における右回転ユニット18600の正面図であり、図150は、張出位置から退避位置へ向けて動作する際の前半区間での各状態における右回転ユニット18600の背面図である。
なお、図149(a)及び図150(a)は、第1変位部材630及び第2変位部材18640が張出位置に配置された状態(即ち、図34(c)及び図36(c))に対応する。また、図149(b)及び図150(b)は、図34(b)及び図36(b)に対応し、図149(c)及び図150(c)は、図34(a)及び図36(a)に対応する。
また、図151は、張出位置から退避位置へ向けて動作する際の前半区間での各状態における右回転ユニット18600の背面模式図であり、図151(a)、図151(b)及び図151(c)は、図150(a)、図150(b)及び図150(c)にそれぞれ対応する。
図148に示すように、第18実施形態における右回転ユニット18600は、正面ベース18620の正面から略直方体状の被当接部18629が、第2変位部材18640の連結変位部材18642における装飾部分642bの背面から略円柱状の当接部18644が、それぞれ突設される。当接部18644は、連結変位部材18642の長手方向において、軸支孔642a(支持軸633)と反対側の端部に配設される。
図149から図151に示すように、被当接部18629及び当接部18644は、第1変位部材630及び第2変位部材18640が張出位置から退避位置へ向けて変位される際の途中の所定区間において、被当接部18629の上面(図148上側の面)に当接部18644の外周面が当接可能に形成される。
詳細には、図149(a)、図150(a)及び図151(a)に示す張出位置から、図149(b)、図150(b)及び図151(b)に示すように、連結変位部材18642が支持軸633(軸支孔642a)を回転中心として第1変位部材630の背面に退避される方向へ回転され、図149(c)、図150(c)及び図151(c)に示すように、連結変位部材18642が支持軸633(軸支孔642a)を回転中心として最大に回転されると、被当接部18629の上面に当接部18644が当接される。
図149(c)、図150(c)及び図151(c)に示す状態から、第1変位部材630の回転軸631を回転中心とする退避位置へ向けての回転(起立)が開始されると(図33(b)、図35(b)及び図37(b)参照)、被当接部18629の上面から当接部18644が離間され、これら被当接部18629及び当接部18644の当接が解除される。
この場合、当接部18644が被当接部18629に当接されるまでの区間(即ち、図149、図150及び図151に示す区間)では、駆動モータ650は、第2変位部材18640のみを回転駆動すれば良く、駆動負荷が比較的小さい。即ち、この区間は、伝達部材654の駆動ピン654bが、第1変位部材630の第1溝635における非干渉区間635bを通過する区間であるため、第2変位部材18640の重量分だけが回転駆動の負荷とされる。また、連結変位部材18642の変位方向が重力方向下方へ下降する方向であるため、その点からも駆動モータ650の負荷は小さくされる。
一方、当接部18644が被当接部18629に当接された状態では、伝達部材654の駆動ピン654bが、第1変位部材630の第1溝635における作用区間635aに到達される。そのため、かかる状態からは、第2変位部材18640の重量分だけでなく、第1変位部材630の重量分も、駆動モータ650の回転駆動の負荷として加算される。特に、かかる状態からは、第1変位部材630を重力に逆らって起立させる動作であるため、その点からも駆動モータ650の負荷が急激に大きくされる。
これに対し、本実施形態によれば、連結変位部材18642の軸支孔642a(支持軸633)と反対側の端部に当接部18644が設けられ、連結変位部材18642が支持軸633を回転中心として回転される際に、かかる当接部18644が、正面ベース18620の被当接部18629に当接される(図151(c)参照)。
即ち、連結変位部材18642の支持軸633を回転中心とする回転を、被当接部18629及び当接部18644の当接により規制して、連結変位部材18642の回転を急停止させることができると共に、その急停止により生じる連結変位部材18642の慣性力を、第1変位部材630を回転軸631を回転中心として退避方向へ変位させる(即ち、起立させる)方向の力(図151(c)の矢印F)として、第1変位部材630に作用させることができる。
その結果、伝達部材654の駆動ピン654bが、第1変位部材630の第1溝635における作用区間635aに到達され、第2変位部材18640の重量分だけでなく、第1変位部材630の重量分も、駆動モータ650の回転駆動の負荷として加算される際に、上述した慣性力を、駆動モータ650の回転駆動力を補助する力として、働かせることができる。よって、駆動モータ650の負荷が急激に変化(大きく)されることを抑制でき、各変位部材630,18640の張出位置から退避位置へ向けての変位を安定化できると共に、駆動モータ650の耐久性の向上を図ることができる。
次いで、図152から図160を参照して、第19実施形態について説明する。第18実施形態の右回転ユニット18600では、連結変位部材18642の当接部18644が正面ベース18620の被当接部18629に当接される場合を説明したが、第19実施形態における連結変位部材19642の当接部19644は、第1変位部材19630に設けられた被当接部19639に当接される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図152は、第19実施形態における右回転ユニット19600の分解正面斜視図であり、図153は、右回転ユニット19600の分解背面斜視図である。
図152及び図153に示すように、第19実施形態における右回転ユニット19600は、第2変位部材19640の被駆動部材19641及び連結変位部材19642の連結部分(連結溝641c及び連結ピン643)が第1実施形態(図29及び図30参照)の場合と異なる位置に設定される。
詳細には、被駆動部材19641の長手方向一端側(軸支孔641aを挟んで第2溝641bと反対側、図152及び図153上側)が円弧状に湾曲しつつ延設され、その湾曲部分の延設先端側に連結溝641cが配設される。この湾曲部分によって、被駆動部材19641と連結変位部材19642の軸支孔642aとの干渉が回避される。連結変位部材19642は、軸支孔642aから板状の張出部分19642cが外方へ張り出して形成され、その張出部分19642cの正面側に連結ピン643が突設される。
この場合、上述した第1実施形態では、被駆動部材641の軸支孔641a(支持軸632)の軸心を中心とし、且つ、連結変位部材19642の軸支孔642a(支持軸633)の軸心を通過する仮想円の内側(中心側)に、被駆動部材641及び連結変位部材642の連結部分(連結溝641c及び連結ピン643)が位置される。
これに対し、本実施形態では、被駆動部材19641の軸支孔641a(支持軸632)の軸心を中心とし連結変位部材19642の軸支孔642a(支持軸633)の軸心を通過する仮想円の外側に、被駆動部材19641及び連結変位部材19642の連結部分(連結溝641c及び連結ピン643)が位置される。
よって、連結変位部材19642の第1変位部材19630に対する相対回転の方向が、第1実施形態の場合とは逆方向とされる。ここで、かかる逆方向への相対回転について、図154から図157を参照して説明する。
図154及び図155は、退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニット19600の正面図であり、図156及び図157は、退避位置および張出位置の間で動作する際の各状態における右回転ユニット19600の背面模式図である。
なお、図154(a)、図154(b)及び図154(c)は、図156(a)、図156(b)及び図156(c)とそれぞれ同一の状態であり、図155(a)、図155(b)及び図155(c)は、図157(a)、図157(b)及び図157(c)とそれぞれ同一の状態である。また、図154(c)は図155(a)と、図156(c)は図157(a)と、それぞれ同一の図である。
ここで、第19実施形態における右回転ユニット19600は、上述した連結部分(連結溝641c及び連結ピン643)の位置の相異に起因して、連結変位部材19642の第1変位部材19630に対する相対回転の方向が、第1実施形態の場合とは逆方向とされる点を除き、他の動作態様は実質的に同一に形成されるので、その同一の部分についての説明は省略する。
図154及び図156に示すように、退避位置において、伝達部材654が正方向(図156(a)時計回り)に回転駆動され、その伝達部材654の駆動ピン654bが、第1溝635(作用区間635a)及び第2溝641bの内壁面を張り出し方向へ押し下げることで、第1変位部材19630が第2変位部材19640と一体の状態で張り出し方向へ回転(傾倒)される。
図155(a)及び図157(a)に示す状態から、伝達部材654が正方向(図157(a)時計回り)へ更に回転駆動されると、その駆動ピン654bが、第1変位部材19630の第1溝635における非干渉区間635bを通過しつつ、被駆動部材19641の第2溝641bの内壁面を下方(図157(a)下側)へ押し下げる。
これにより、図155(b)及び図157(b)に示すように、被駆動部材19641が支持軸632を中心として連結溝641cを上昇させる方向(図157(b)反時計回り)に回転され、この被駆動部材19641の回転が、連結溝641c及び連結ピン643の連結を介して、連結変位部材19642に伝達され、かかる連結変位部材19642が支持軸633を回転中心として装飾部分642bを下降させる方向(図108(b)反時計回り)に回転される。
即ち、第1変位部材19630が停止されつつ、その第1変位部材19630に対して連結変位部分19642が第1実施形態の場合とは逆方向へ相対変位(回転)される。その後、図155(c)及び図157(c)に示すように、伝達部材654の駆動ピン654bが、第1変位部材19630の第1溝635における非干渉区間635b及び第2変位部材19640の第2溝641bの終端に到達されることで、第1変位部材19630及び第2変位部材19640が張出位置に配置される。
図152及び図153に戻って説明する。本実施形態では、第1変位部材19630の背面から略直方体状の被当接部19639が、連結変位部材19642の装飾部分642bの正面から略円柱状の当接部19644が、それぞれ突設される。被当接部19639は、第1変位部材19630の長手方向において、回転軸631と支持軸632との間に配設される。
これら被当接部19639及び当接部19644は、第1変位部材19630及び第2変位部材19640が張出位置から退避位置へ向けて変位される際の途中の所定区間において、被当接部19639の側面(図153右側の面)に当接部19644の外周面が当接可能に形成される。ここで、被当接部19639及び当接部19644の当接による作用について、図158から図160を参照して説明する。
図158は、張出位置から退避位置へ向けて動作する際の前半区間での各状態における右回転ユニット19600の正面図であり、図159は、張出位置から退避位置へ向けて動作する際の前半区間での各状態における右回転ユニット19600の背面図である。
なお、図158(a)及び図159(a)は、第1変位部材19630及び第2変位部材19640が張出位置に配置された状態(即ち、図155(c)及び図157(c))に対応する。また、図158(b)及び図159(b)は、図155(b)及び図157(b)に対応し、図158(c)及び図159(c)は、図155(a)及び図157(a)に対応する。
また、図160は、張出位置から退避位置へ向けて動作する際の前半区間での各状態における右回転ユニット19600の背面模式図であり、図160(a)、図160(b)及び図160(c)は、図159(a)、図159(b)及び図159(c)にそれぞれ対応する。
図158(a)、図159(a)及び図160(a)に示す張出位置から、図158(b)、図159(b)及び図160(b)に示すように、連結変位部材19642が支持軸633(軸支孔642a)を回転中心として第1変位部材19630の背面に退避される方向へ回転され、図158(c)、図159(c)及び図160(c)に示すように、連結変位部材19642が支持軸633(軸支孔642a)を回転中心として最大に回転されると、被当接部19639の下面に当接部19644が当接される。
この場合、当接部19644が被当接部19639に当接されるまでの区間(即ち、図158、図159及び図160に示す区間)では、駆動モータ650は、第2変位部材19640のみを回転駆動すれば良く、駆動負荷が比較的小さい。即ち、この区間は、伝達部材654の駆動ピン654bが、第1変位部材19630の第1溝635における非干渉区間635bを通過する区間であるため、第2変位部材19640の重量分だけが回転駆動の負荷とされる。
一方、当接部19644が被当接部19639に当接された状態では、伝達部材654の駆動ピン654bが、第1変位部材19630の第1溝635における作用区間635aに到達される。そのため、かかる状態からは、第2変位部材19640の重量分だけでなく、第1変位部材19630の重量分も、駆動モータ650の回転駆動の負荷として加算される。特に、かかる状態からは、第1変位部材19630を重力に逆らって起立させる動作であるため、駆動モータ650の負荷が急激に大きくされる。
これに対し、本実施形態によれば、連結変位部材19642の装飾部分642bに当接部19644が設けられ、連結変位部材19642が支持軸633を回転中心として回転され、かかる連結変位部材19642の回転に伴って上方へ持ち上げられた当接部19644が、第1変位部材19630の被当接部19639の下面に当接される(図160(c)参照)。
即ち、連結変位部材19642の支持軸633を回転中心とする回転を、被当接部19639及び当接部19644の当接により規制して、連結変位部材19642の回転を急停止させることができると共に、その急停止により生じる連結変位部材19642の慣性力を、第1変位部材19630を回転軸631を回転中心として退避方向へ変位させる(即ち、起立させる)方向の力(図160(c)の矢印F)として、第1変位部材19630に作用させることができる。
その結果、伝達部材654の駆動ピン654bが、第1変位部材19630の第1溝635における作用区間635aに到達され、第2変位部材19640の重量分だけでなく、第1変位部材19630の重量分も、駆動モータ650の回転駆動の負荷として加算される際に、上述した慣性力を、駆動モータ650の回転駆動力を補助する力として、働かせることができる。よって、駆動モータ650の負荷が急激に変化(大きく)されることを抑制でき、各変位部材19630,19640の張出位置から退避位置へ向けての変位を安定化できると共に、駆動モータ650の耐久性の向上を図ることができる。
次いで、図161及び図162を参照して、第20実施形態について説明する。第1実施形態の入賞装置65では、送出口821cからシーソー部材840(受け面844)への遊技球の送り出しが、シーソー部材840の状態に関わらず(即ち、第1状態または第2状態のいずれの状態で)、許容される場合を説明したが、第20実施形態における入賞装置20065は、少なくとも第2状態では、送出口821cからシーソー部材20840(受け面844)への遊技球の送り出しが規制される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図161は、第20実施形態における入賞装置20065の分解正面斜視図である。また、図162(a)は、シーソー部材20840が第1状態を形成した状態における入賞装置20065の断面図であり、図162(b)は、シーソー部材20840が第2状態を形成した状態における入賞装置20065の断面図である。なお、図162(a)及び図162(b)は、それぞれ図52(a)及び図52(b)に対応する。
図161に示すように、第20実施形態における入賞装置20065は、シーソー部材20840に規制部20848が形成される。規制部20848は、傾斜面845と反対側となる受け面844の縁部から上方(図161上側)へ向けて立設される正面視略三角形状の部位として形成される。
図162(a)に示すように、シーソー部材20840が第1状態を形成した状態では、規制部20848は、送出口821cの開口領域の外方に位置され、これにより、送出口821cの開口幅(図162(a)左右方向寸法)が遊技球の直径よりも大きな寸法W1に維持される。よって、送出口821cから受け面844への遊技球の送り出しが許容される。
一方、図162(b)に示すように、シーソー部材20840が第2状態を形成した状態では、規制部20848は、シーソー部材20840の回転に伴い、送出口821c側へ近接され、規制部20848の一部が送出口821cの開口領域の内方に位置される(即ち、規制部20848の一部が送出口821cの開口領域に重なる)。これにより、送出口821cの開口幅が遊技球の直径よりも小さな寸法である寸法W2に縮小される(W2<W1)。よって、送出口821cから受け面844への遊技球の送り出しが規制(禁止)される。
このように、本実施形態によれば、中間ベース820の案内通路(送出口821c)からシーソー部材20840の受け面844への遊技球の送り出しを、シーソー部材20840の状態に応じて、制御(許容または規制)することができる。
即ち、第1状態では、送出口821cから受け面844へ遊技球を送り出し、その遊技球を受け面844から傾斜面845、排出面846へ向けて転動させることで、シーソー部材20840を回転させ、第2状態を速やかに形成可能とする。
ここで、シーソー部材20840が第2状態へ向けて回転を開始した後も、送出口821cから受け面844へ更に遊技球が連なって送り出されると、先に送り出された(受け面844が受け取った)遊技球が傾斜面845及び排出面846を未だ転動している状態が形成され、シーソー部材20840が第2状態に維持されやすい。
これに対し、本実施形態では、シーソー部材20840が第2状態へ向けて回転を開始されると、規制部20848が送出口821cの開口幅を寸法W2に狭めることで、送出口821cから受け面844への遊技球の送り出しを規制(禁止)して、傾斜面845及び排出面846を転動している遊技球を排出口821dへ排出するための時間を確保することができる。
即ち、傾斜面845及び排出面846から排出口821dへの遊技球の排出が完了して、シーソー部材20840上の遊技球が無くなるまで、送出口821cから受け面844への遊技球の送り出しを待機させることができる。その結果、複数の遊技球が連続して案内される場合であっても、第1状態と第2状態とを交互に切り替えやすくすることができる。
なお、寸法W2は、寸法W1よりも小さな寸法であれば、遊技球の直径よりも大きな寸法であっても良い。即ち、寸法W2は、送出口821cから受け面844への遊技球の送り出しを許容する寸法であっても良い。この場合でも、規制部20848により送出口821cの開口幅が狭くされることで、遊技球が通過し難くでき、その分、送出口821cから受け面844への遊技球の送り出しに要する時間を増加させる(遊技球の通過を遅らせる)ことができる。その結果、複数の遊技球が連続して案内される場合であっても、第1状態と第2状態とを交互に切り替えやすくすることができる。
次いで、図163を参照して、第21実施形態について説明する。第1実施形態の入賞装置65では、シーソー部材840の傾斜面845及び排出面846の下降傾斜を沿って転動することで、遊技球が排出口821dへ排出される場合を説明したが、第21実施形態における入賞装置21065は、遊技球を押し出して排出口821dへ排出するための回転部材21870を備える。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図163(a)及び図163(b)は、第21実施形態における入賞装置21065の部分拡大断面図であり、図54に対応する。
図163に示すように、第21実施形態における入賞装置21065は、シーソー部材840の上方に回転部材21870を備える。なお、回転部材21870は、シーソー部材840が第1状態または第2状態のいずれの状態を形成しても、かかるシーソー部材840と干渉せず、かつ、シーソー部材840上の遊技球とは当接可能な高さ位置に配置される。
回転部材21870は、軸支ピン(図示せず)が挿通されて正面ベース810の背面に回転可能に軸支される軸支部21871と、その軸支部21871から一側へ張り出されると共に送出口821cに対面される板状の受け板21872と、その受け板21872に対して反対側となる他側へ軸支部21871から張り出されると共に排出口821dに対面される板状の受け板21872及び押出板21873とを備える。
軸支部21871は、その軸心方向が重力方向(図163(a)紙面垂直方向)に沿う(即ち、シーソー部材840の回転軸(支持軸821e)と直交する)姿勢で配設される。受け板21872及び押出板21873は、軸支部21871を交差中心として所定の交差角度を有して連結される。よって、回転部材21870は、軸支部21871(重力)方向視において、略くの字状に屈曲して形成される。
この場合、回転部材21870は、押出板21873がシーソー部材840の長手方向(図163(a)左右方向)に沿う回転位置では、図163(a)に示すように、受け板21872がシーソー部材840の受け面844の上方(図163(a)紙面手前側)に突出された姿勢とされ、受け板21872がシーソー部材840の長手方向に沿う回転位置では、図163(b)に示すように、押出板21873がシーソー部材840の傾斜面845及び(又は)排出面846の上方に突出された姿勢とされる。
即ち、回転部材21870は、押出板21873が排出口821dと反対側(図163(a)下側)へ後退された回転位置では、図163(a)に示すように、受け板21872が送出口821cへ近接する側へ前進された姿勢とされ、受け板21872が送出口821cと反対側(図163(b)下側)へ後退された回転位置では、図163(b)に示すように、押出板21873が排出口821dへ近接する側へ前進された姿勢とされる。
よって、本実施形態によれば、例えば、図163(a)に示すように、シーソー部材840の傾斜面845又は排出面846上を遊技球が未だ転動している状態で、送出口821cからシーソー部材840の受け面844へ遊技球が送り出されると、送出口821cから受け面844へ送り出された遊技球を、回転部材21870の受け板21872が受け止め、かかる回転部材21870が、その押出板21873を傾斜面845及び排出面846の上方に突出させる方向へ回転される。この回転により、図163(b)に示すように、傾斜面845又は排出面846上を転動している遊技球を、押出板21873によって押し出して、排出口821dへ排出させることができる。
その結果、傾斜面845又は排出面846を転動する遊技球を排出口821dへ速やかに排出させやすくできる。よって、シーソー部材840の傾斜面845又は排出面846に遊技球が載置されている時間(即ち、第2状態が形成されている時間)を短くして、第1状態と第2状態との交互の切り替えを円滑に行わせることができる。
なお、送出口821cから送り出された遊技球を回転部材21870の受け板21872が受け止めて、かかる回転部材21870が、その押出板21873が傾斜面845及び排出面846の上方に突出された姿勢(即ち、図163(b)に示す姿勢)に配置されても、受け板21872で受け止めた遊技球(図163(b)左側に示す遊技球)が、押出板21873を後退させつつ、傾斜面845及び排出面846に沿って転動されるので、受け板21872を受け面844の上方へ突出させた姿勢(即ち、図163(a)に示す姿勢)に回転部材21870を復帰させることができる。
このように、回転部材21870は、遊技球の転動を利用して、初期位置(遊技球の受け板21872で受け止めて、押出板21873で遊技球を押し出すことが可能な位置、即ち、図163(a)に示す位置)に復帰することができる。よって、駆動手段による駆動やセンサ装置による検出を不要とできるので、その分、製品コストの削減を図ることができる。
次いで、図164及び図165を参照して、第22実施形態について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図164(a)及び図164(b)は、第22実施形態における入賞装置22065の部分拡大断面図であり、図54に対応する。また、図165(a)及び図165(b)は、入賞装置22065の部分拡大断面図であり、図52に対応する。
ここで、第22実施形態における入賞装置22065は、第21実施形態における入賞装置21065に対し、シーソー部材22840に開口形成される開口部22849と、回転部材22870から突設される突片22874とを更に備える点のみが異なり、他の構成は同一であるため、その説明は省略する。
図164及び図165に示すように、回転部材22870は、押出板21873の下側(シーソー部材22840側、図165下側)の側面から複数(本実施形態では3本)の突片22874が突設される。一方、シーソー部材22840の傾斜面845及び排出面846が形成される板状の部分に、突片22874を受け入れるための開口部22849が複数(本実施形態では3カ所に)開口形成される。
突片22874は、正面視(シーソー部材22840の回転軸(支持軸821e)方向視、即ち、図165に示す状態)において、シーソー部材22840の回転軸を中心とする円弧状に湾曲して形成される。一方、開口部22849は、正面視(回転部材22870の回転軸(軸支部21871)方向視、即ち、図164に示す状態)において、回転部材22870の回転軸を中心とする円弧状に湾曲して形成される。
よって、シーソー部材22840が支持軸821e(軸受841)を回転中心として第1状態と第2状態との間を回転され、かつ、回転部材22870が軸支部21871を回転中心としてその可動範囲を回転される場合に、いずれの状態においても、突片22874が開口部22849の内縁に干渉されることを抑制できる。その結果、シーソー部材22840及び回転部材22870を互いに独立したものとして、それぞれを円滑に回転させることができる。
ここで、上述した第21実施形態の場合のように、回転部材21870の押出板21873が突片を備えない場合には、シーソー部材840が第2状態を形成する状態(又はそれに近い状態)で、そのシーソー部材840の傾斜面845又は排出面846を転動する遊技球を押出板21873によって排出口821dへ押し出そうとすると、押出板21873と傾斜面845又は排出面846との間の間隔が大きいため、遊技球の上側部分(図163(a)紙面手前側部分)に押出板21873の下方部分が当接されることとなる。そのため、押出板21873が遊技球の上側部分に当接するまでの時間が嵩み、その分、遊技球を排出口821dへ速やかに排出することが困難となる。また、受け板21872で遊技球を受け止めることで形成される回転部材21870の回転のエネルギーを押出板21873を介して遊技球に十分に与えることが困難となる。
これに対し、本実施形態によれば、回転部材22870の押出板21873には突片22874が下方(シーソー部材22840)へ向けて突設されているので、例えば、図165(b)に示すように、シーソー部材22840が第2状態を形成する状態では、シーソー部材22840の傾斜面845又は排出面846を転動する遊技球を、突片22874によって排出口821dへ押し出すことができる。
よって、この場合には、突片22874を、遊技球の側方部分(図164(a)下側部分)に当接させることができる。従って、突片22874が遊技球の側方部分に当接するまでの時間を短縮して、その分、遊技球を排出口821dへ速やかに排出する(押し出す)ことができる。また、受け板21872で遊技球を受け止めることで形成される回転部材22870の回転のエネルギーを突片22874を介して遊技球に十分に与えることができる。
その結果、傾斜面845又は排出面846を転動する遊技球を排出口821dへ速やかに排出させやすくできる。よって、シーソー部材840の傾斜面845又は排出面846に遊技球が載置されている時間(即ち、第2状態が形成されている時間)を短くして、第1状態と第2状態との交互の切り替えを円滑に行わせることができる。
次いで、図166及び図167を参照して、第23実施形態について説明する。第21実施形態では、回転部材21870が正面ベース810に配設(回転可能に軸支)される場合を説明したが、第23実施形態の回転部材23870は、シーソー部材840に配設(回転可能に軸支)される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図166は、第23実施形態における入賞装置23065の分解背面斜視図である。図167(a)及び図167(b)は、入賞装置23065の部分拡大断面図であり、図54に対応する。また、図168(a)及び図168(b)は、入賞装置23065の部分拡大断面図であり、図52に対応する。
ここで、第23実施形態における入賞装置23065は、第21実施形態における入賞装置21065に対し、回転部材23870が配設される位置とストッパ部23875の有無とが異なり、他の構成は同一であるため、その説明は省略する。
図166から図168に示すように、第23実施形態における回転部材23870は、軸支部21871に挿通された軸支ピン23876によってシーソー部材840の上面に回転可能に軸支される。この場合、本実施形態では、回転部材23870は、軸支部21871の軸心方向が、シーソー部材840の回転軸(支持軸821e)と直交する姿勢で配設されると共に、押出板21873の下方の側面が、シーソー部材840の傾斜面845及び排出面846に略平行に対向される。
このように、本実施形態によれば、回転部材23870がシーソー部材840に配設されるので、図168(a)及び図168(b)に示すように、シーソー部材840が第1状態または第2状態のいずれの状態を形成する場合であっても、シーソー部材840の傾斜面845又は排出面846を転動する遊技球に対して、押出板21873を対面させることができる。
よって、上述した第21実施形態の場合(即ち、遊技球の上側部分(図163(a)紙面手前側部分)に押出板21873の下方部分が当接される形態)とは異なり、押出板21873を遊技球の側方部分(図167(a)下側部分)に当接させることができる。従って、押出板21873が遊技球の側方部分に当接するまでの時間を短縮して、その分、遊技球を排出口821dへ速やかに排出する(押し出す)ことができる。また、受け板21872で遊技球を受け止めることで形成される回転部材23870の回転のエネルギーを押出板21873を介して遊技球に十分に与えることができる。
その結果、傾斜面845又は排出面846を転動する遊技球を排出口821dへ速やかに排出させやすくできる。よって、シーソー部材840の傾斜面845又は排出面846に遊技球が載置されている時間(即ち、第2状態が形成されている時間)を短くして、第1状態と第2状態との交互の切り替えを円滑に行わせることができる。
ここで、本実施形態の回転部材23870は、押出板21873の背面(遊技球を押し出す側と反対側の面)にストッパ部23875が突設され、かかるストッパ部23875が正面ベース810の背面に当接可能とされる。ストッパ部23875が正面ベース810の背面に当接された状態では(図167(a)参照)、回転部材23870は、押出板21873がシーソー部材840の長手方向(図167(a)左右方向)に沿う回転位置に配置される。
よって、ストッパ部23875が省略され、正面ベース810の背面と当接する位置まで押出板21873が後退される場合と比較して、傾斜面845又は排出面846を転動する遊技球の近くに押出板21873を待機させ、かかる押出板21873が遊技球に当接するまでの時間を短縮することができる。その結果、遊技球を排出口821dへ速やかに排出する(押し出す)ことができる。
ここで、上述したように、回転部材23870が、その押出板21873が傾斜面845及び排出面846の上方に突出された姿勢(即ち、図167(b)に示す姿勢)に配置されても、受け板21872で受け止めた遊技球(図167(b)左側に示す遊技球)が、押出板21873を後退させつつ、傾斜面845及び排出面846に沿って転動されることで、受け板21872を受け面844の上方へ突出させた姿勢(即ち、図167(a)に示す姿勢)に回転部材23870を復帰させることができる。
この場合、本実施形態では、回転部材23870がシーソー部材840に配設されるため、押出板21873と正面ベース810との間に所定の隙間が形成される。そのため、押出板21873が正面ベース810の背面に当接される位置まで後退されると、遊技球が排出口821dから離れる方向へ転動することが発生し、遊技球の転動軌跡が嵩むことで、排出口821dへの排出が遅れる。
これに対し、押出板21873の背面からストッパ部23875を突設することで、受け板21872で受け止めた遊技球(図167(b)左側に示す遊技球)が、傾斜面845及び排出面846に沿って転動される際に、押出板21873が正面ベース810の背面側へ後退され過ぎることを抑制できる(図167(a)参照)。即ち、遊技球が排出口821dから離れる方向へ無駄に転動することを抑制して、排出口821dへ速やかに排出しやすくできる。
一方で、本実施形態では、受け板21872の背面にはストッパ部が形成されないので、かかる受け板21872を、正面ベース810の背面に当接される位置まで後退させることができる(図167(b)参照)。即ち、回転部材23870をシーソー部材840に配設したが故に形成される正面ベース810との間の隙間を利用して、受け板21872が遊技球を受け止めて回転部材23870が回転される際のそ回転部材23870の回転角度(図167(a)に示す回転位置から図167(b)に示す回転位置までの回転角度)を増加させることができる。
その結果、送出口821cから送り出された遊技球が受け板21872に当接している時間を長く(即ち、遊技球から回転部材23870が受ける力積を大きく)できる。よって、受け板21872で遊技球を受け止めることで形成される回転部材23870の回転のエネルギーを大きくでき、傾斜面845又は排出面846を、複数の遊技球が転動する場合であっても、それら複数の遊技球を押出板21873の押し出しにより、排出口821dへ排出させやすくできる。従って、シーソー部材840の傾斜面845又は排出面846に遊技球が載置されている時間(即ち、第2状態が形成されている時間)を短くして、第1状態と第2状態との交互の切り替えを円滑に行わせることができる。
次いで、図169から図173を参照して、第24実施形態について説明する。第1実施形態では、シーソー部材840がその回転軸を水平姿勢に維持したまま回転される場合を説明したが、第24実施形態におけるシーソー部材840は、その回転に伴って回転軸の姿勢が傾倒される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図169は、第24実施形態における入賞装置24065の分解正面斜視図であり、図170は、入賞装置24065の分解背面斜視図である。
図169及び図170に示すように、第24実施形態における入賞装置24065は、正面ベース24810の背面および中間ベース24820の正面に軸受部24816,24826がそれぞれ突設される。軸受部24816,24826は、その内周面で回転軸24877の両端をそれぞれ回転可能に軸支する部位であり、上方(図169及び図170上側)が開放された正面視略U字形状の突部として形成される。
本実施形態では、正面ベース24810の軸受部24816は、中間ベース24820の軸受部24826に対して、内周面の半径が大きくされる。これにより、後述するように、回転軸24877の軸方向一端(カム部24877bが形成される側の端部)の回転が許容される。
回転軸24877は、正面ベース24810及び中間ベース24820に対してシーソー部材840を回転可能に軸支するための軸状体である。ここで、図171を参照して、回転軸24877について説明する。
図171(a)は、回転軸24877の正面図であり、図171(b)は、図171(a)の矢印CLXXIb方向視における回転軸24877の側面図である。
図171に示すように、回転軸24877は、断面円形の軸状体として形成される本体部24877aと、その本体部24877aの軸方向端部に形成されるカム部24877bとを備える。カム部24877bは、本体部24877aの外周面から径方向外方へ張り出して形成される(即ち、本体部24877aの軸心からカム部24877bの外周面までの距離が回転角度に応じて変化される)いわゆる円板カムとして形成される。
図170及び図171に戻って説明する。回転軸24877は、本体部24877aの軸方向長さが、シーソー部材840の軸受841の軸方向長さよりも大きな寸法に設定される。よって、回転軸24877の本体部24877aがシーソー部材840の軸受841に内嵌され、軸受841の軸方向両端から突出されたカム部24877b及び本体部24877aが、正面ベース24810の軸受部24816及び中間ベース24820の軸受部24826にそれぞれ軸支される(図173参照)。なお、回転軸24877は、シーソー部材840の軸受841に、所定の位相(回転位置)に位置決めされた上で、固着される。
次いで、シーソー部材840が回転される際の回転軸24877におけるカム部24877bの作用について説明する。
図172(a)は、シーソー部材840が第1状態を形成した状態における入賞装置24065の断面図であり、図172(b)は、シーソー部材840が第2状態を形成した状態における入賞装置24065の断面図である。また、図173(a)は、図172(a)におけるCLXXIIIa−CLXXIIIa線における入賞装置24065の断面図であり、図173(b)は、図172(b)におけるCLXXIIIb−CLXXIIIb線における入賞装置24065の断面図である。なお、図172(a)及び図172(b)は、それぞれ図52(a)及び図52(b)に対応する。
図172(a)及び図173(a)に示すように、第1状態では、回転軸24877の軸心が水平方向(図173(a)左右方向)と平行となる姿勢で、回転軸24877の軸方向両端が正面カバー24810の軸受部24816及び中間カバー24820の軸受部24826にそれぞれ軸支される。この場合、シーソー部材840の排出面846は、中間ベース24820の排出口821dへ向けて第1の傾斜角度で下降傾斜される。
図172(a)及び図173(a)に示す第1状態からシーソー部材840が第2状態へ向けて回転されると、その回転角度の増加に従って、回転軸24877の軸方向一端におけるカム部24877bが、正面カバー24810の軸受部24816の内周面に徐々に作用することで、回転軸24877の軸方向一端側(カム部24877bの形成側)の高さ位置が徐々に高くされる。
図172(b)及び図173(b)に示すように、シーソー部材840が第2状態に達すると、回転軸24877の軸方向一端側(カム部24877bの形成側)の高さ位置が最大とされ、回転軸24877の軸心が正面ベース24810から中間ベース24820へ向けて下降傾斜された姿勢とされる。その結果、シーソー部材840の排出面846は、中間ベース24820の排出口821dへ向けて下降傾斜される傾斜角度が、上述した第1の傾斜角度よりも大きな第2の傾斜角度に増加される。
このように、本実施形態によれば、シーソー部材840が、第1状態から第2状態へ向かって回転されるに従って、排出面846の下降傾斜の傾斜角度を増加させることができる。
ここで、上述した第1実施形態のように、シーソー部材840がその回転軸を水平姿勢に維持したまま回転される場合(即ち、排出面846の下降傾斜の傾斜角度が所定角度に維持される場合)、排出面846の下降傾斜の傾斜角度が強い(大きい)と、排出面846からの遊技球の排出が早まり、第2状態を確実に形成できない一方、排出面846の下降傾斜の傾斜角度が緩い(小さい)と、排出面846からの遊技球の排出が遅くなり、その滞留時間が長くなるため、第1状態と第2状態との交互の切り替えが円滑に行われなくなる。
これに対し、本実施形態によれば、シーソー部材840が、第1状態から第2状態へ向けて回転される際、その初期段階では、排出面846の下降傾斜を比較的緩く(小さく)しておくことができるので、排出面846からの遊技球の排出が早まることを抑制して(即ち、排出面846に遊技球を留まらせて)、第2状態を確実に形成しやすくすることができる。
一方、終期段階では、排出面846の下降傾斜の傾斜角度を比較的強く(大きく)して、排出面846から遊技球を排出口821dへ速やかに排出することができるので、排出面846に遊技球が載置されている時間(即ち、第2状態が形成されている時間)を短くして、第1状態と第2状態との交互の切り替えを円滑に行わせることができる。
次いで、図174から図177を参照して、第25実施形態について説明する。第1実施形態では、シーソー部材840がその回転軸を水平姿勢に維持したまま回転される場合を説明したが、第25実施形態におけるシーソー部材840は、その回転に伴って回転軸の姿勢が傾倒される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図174は、第25実施形態における入賞装置25065の分解正面斜視図であり、図175は、入賞装置25065の分解背面斜視図である。
図174及び図175に示すように、第25実施形態における入賞装置25065は、正面ベース25810の背面および中間ベース24820の正面に軸受部25816,24826がそれぞれ突設される。これら軸受部25816,24826は、その内周面で回転軸25877の両端をそれぞれ回転可能に軸支する部位であり、互いに同一の形状に形成される。
回転軸25877は、正面ベース25810及び中間ベース24820に対してシーソー部材840を回転可能に軸支するための断面円形の軸状体であり、その軸方向長さが、シーソー部材840の軸受841の軸方向長さよりも大きな寸法に設定される。よって、回転軸25877がシーソー部材840の軸受841に内嵌され、軸受841の軸方向両端から突出された部分が、正面ベース25810の軸受部25816及び中間ベース25820の軸受部24826にそれぞれ軸支される(図177参照)。
また、正面ベース25810の背面には、軸受部25816の側方に押し上げ部25817が突設される。押し上げ部25817は、シーソー部材840が第1状態から第2状態へ向けて回転される際の排出面846形成部分の移動軌跡上に位置され、シーソー部材840が第2状態へ近づいた際に排出面846形成部分の下面に当接される。この当接により、後述するように、シーソー部材840の一側が押し上げ部25817によって押し上げられて、排出面846の下降傾斜の傾斜角度が大きくされる。
次いで、シーソー部材840が回転される際の押し上げ部25817の作用について説明する。
図176(a)は、シーソー部材840が第1状態を形成した状態における入賞装置25065の断面図であり、図176(b)は、シーソー部材840が第2状態を形成した状態における入賞装置25065の断面図である。
また、図177(a)は、図176(a)におけるCLXXVIIa−CLXXVIIa線における入賞装置25065の断面図であり、図177(b)は、図176(a)におけるCLXXVIIb−CLXXVIIb線における入賞装置25065の断面図であり、図177(c)は、図176(b)におけるCLXXVIIc−CLXXVIIc線における入賞装置25065の断面図であり、図177(d)は、図176(b)におけるCLXXVIId−CLXXVIId線における入賞装置25065の断面図である。なお、図176(a)及び図176(b)は、それぞれ図52(a)及び図52(b)に対応する。
図176(a)、図177(a)及び図177(b)に示すように、第1状態では、シーソー部材840と押し上げ部25817との間には間隔が隔てられているため、回転軸25877の軸心が水平方向(図177(a)左右方向)と平行となる姿勢で、回転軸25877の軸方向両端が正面カバー25810の軸受部25816及び中間カバー24820の軸受部24826にそれぞれ軸支される。この場合、シーソー部材840の排出面846は、中間ベース24820の排出口821dへ向けて第1の傾斜角度で下降傾斜される。
図176(a)、図177(a)及び図177(b)に示す第1状態からシーソー部材840が第2状態へ向けて回転され、シーソー部材840の排出面846形成部分が下降されると、かかる排出面846形成部分の下面が、押し上げ部25817の上面に当接される(図示せず)。
この状態から、シーソー部材840が第2状態へ向けて更に回転されると、排出面846形成部分の下面が押し上げ部25817の上面に当接されていることから、シーソー部材840は、回転軸25877の軸方向一端側(図174左手前側、図177(a)左側)を持ち上げつつ、回転され、排出面846形成部分は、押し上げ部25817の上面に当接されていない側(図174右奥側、図177(b)右側)を下降させる。
その結果、図176(b)、図27(c)及び図177(d)に示すように、シーソー部材840が第2状態に達すると、回転軸25877の軸方向一端側が軸受部25816の内周底面から持ち上げられ、回転軸25877の軸心が正面ベース25810から中間ベース24820へ向けて下降傾斜された姿勢とされる。その結果、シーソー部材840の排出面846は、中間ベース24820の排出口821dへ向けて下降傾斜される傾斜角度が、上述した第1の傾斜角度よりも大きな第2の傾斜角度に増加される。
このように、本実施形態によれば、シーソー部材840が第1状態から第2状態へ向かって回転される際、初期段階(排出面846形成部分の下面が押し上げ部25817に当接されるまでの区間)では、排出面846の下降傾斜の傾斜角度を第1の傾斜角度に維持しつつ(即ち、排出面846の下降傾斜の傾斜角度を変化させず)、終期段階(排出面846形成部分の下面が押し上げ部25817に当接された後の区間)では、排出面846の下降傾斜の傾斜角度を第2の傾斜角度へ急激に増加させることができる。
これにより、初期段階では、排出面846からの遊技球の排出が早まることを抑制しやすくできる(即ち、排出面846に遊技球を留まらせやすくできる)ので、第2状態をより確実に形成できる。一方、終期段階では、排出面846から遊技球を排出口821dへ速やかに排出しやすくすることができるので、排出面846に遊技球が載置されている時間(即ち、第2状態が形成されている時間)をより短くして、第1状態と第2状態との交互の切り替えをより円滑に行わせることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、1の実施形態の一部または全部を他の1又は複数の実施形態の一部または全部と入れ替えて又は組み合わせて、遊技機を構成しても良い。
上記各実施形態では、第3経路M3において、枠板基板910の前面に凹溝971が凹設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、枠板基板910の前面から突設されると共に正面視略鋸刃状に延設される凸条を設けても良い。この場合には、凹溝971の場合と同様に、第3経路M3を流下する遊技球を、凸条の外面に沿って案内して左右に蛇行させることができる。よって、遊技球の流下速度を遅くできると共に、遊技球の動きに変化を与えることができる。また、光を拡散または集光させるレンズとして凸条を利用することもできる。
上記各実施の形態では、第2状態において、シーソー部材840の受け面844が、中間底壁824の案内底面824aの下降傾斜端よりも上方に位置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2状態において、シーソー部材840の受け面844が、中間底壁824の案内底面824aの下降傾斜端と高さ方向に一致する又は案内底面824aの下降傾斜端よりも下方に位置するように形成しても良い。
上記第3実施形態では、スライドレール3662の伸縮動作を利用して、第1変位部材3630に対して第3変位部材3660を相対的にスライド変位させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1変位部材3630又は第3変位部材3660の一方に溝を設けると共にその溝に沿って摺動するピンを第1変位部材3630又は第3変位部材3660の他方に設け、溝に対するピンの摺動を利用して、第1変位部材3630に対して第3変位部材3660を相対的にスライド変位させるものであっても良い。
上記第8実施形態では、第1変位部材730に対する第2変位部材740の相対回転が第2変位部材740の自重(重力の作用)により行われる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、コイルばねやねじりばねなどの弾性ばね或いはゴムやウレタンなどの弾性体の弾性力を利用して、第1変位部材730に対して第2変位部材740を一方向または他方向のいずれか一方に付勢しても良い。これにより、第1変位部材730に対する第2変位部材740の相対回転を安定させることができる。
上記第10実施形態では、所定の重量物として、液体LQを利用する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。他の重量物は、保持器10746の姿勢変化に伴って保持器10746の内部空間を長手方向に沿って変位(例えば、転動や摺動)可能なものであれば良く、例えば、鉄や鉛製の球体や円柱状体などが例示される。なお、その場合には、保持器10746の内部空間は密閉されている必要はない。
上記第10実施形態では、所定の重量物を保持器10746の内部空間に保持する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の重量物を、紐やリンクを介して、重心Gを通過する垂直線Z上のいずれかの位置から第2変位部材740に吊り下げても良い。これによっても、第2変位部材740が回転軸741を回転中心として一側または他側へ回転される際に、所定の重量物を重心Gの移動方向と同じ側へ変位させることができる。
上記第10実施形態では、保持器10746を、その長手方向中央が第2変位部材740の重心Gに一致する位置に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。但し、重心Gを通過する垂直線Z上に、保持器10746の長手方向中央を位置させることが好ましい。
上記第11実施形態では、第1変位部材730に対する第2変位部材740の交差角γ1への復帰動作が、付勢ばねSPの弾性回復力を利用して行われる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、付勢ばねSPを省略して、第2変位部材740の自重(重力の作用)により行われるものであっても良い。
上記第24及び第25実施形態では、第1状態において、回転軸24877が、その軸心を水平方向(図173(a)左右方向)と平行となる姿勢で軸支される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1状態において、回転軸24877の軸方向一端(カム部24877bの形成側)の高さ位置が、軸方向他端側よりも高い(又は低い)高さ位置に設定されていても良い。即ち、上述した第1の傾斜角度(第1状態におけるシーソー部材840の排出面846が中間ベース24820の排出口821dへ向けて下降傾斜される傾斜角度)が、上述した第2の傾斜角度(第2状態におけるシーソー部材840の排出面846が中間ベース24820の排出口821dへ向けて下降傾斜される傾斜角度)よりも大きな傾斜角度に増加可能に形成されれば足りる。
上記第21及び第22実施形態では、回転部材21870,22870と正面ベース810との間に十分な隙間が形成されない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。受け板21872及び押出板21873と正面ベース810との間に所定の隙間を設けても良い。この場合には、受け板21872側のみに所定の隙間を設けることが好ましい。これにより、第23実施形態の場合と同様の効果が得られる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<右回転ユニット600を一例とする発明の概念について>
ベース部材と、そのベース部材に対して変位可能に形成される第1変位部材および第2変位部材と、それら第1変位部材および第2変位部材に駆動力を伝達する伝達部材と、その伝達部材に駆動力を付与する駆動手段とを備える遊技機において、前記伝達部材は、駆動ピンを備え、前記第1変位部材および第2変位部材は、第1溝および第2溝をそれぞれ備え、前記第1溝は、前記駆動ピンから作用を受ける作用区間と、前記駆動ピンが干渉しない非干渉区間とを備え、前記第2溝は、前記駆動ピンから作用を受ける作用区間を少なくとも備え、前記第1溝および第2溝が重ね合わされてそれら第1溝および第2溝に前記駆動ピンが挿通された姿勢で前記第1変位部材および第2変位部材が前記ベース部材に配設されることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ等の遊技機において、ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される第1変位部材および第2変位部材と、それら第1変位部材および第2変位部材に駆動力を伝達する伝達部材と、その伝達部材に駆動力を付与する駆動手段とを有する演出部材を備え、伝達部材に設けられた第1溝および第2溝を介して、第1変位部材および第2変位部材が伝達部材に連結された遊技機がある(例えば、特開2009−100994号公報)。
この遊技機によれば、演出部材は、駆動手段の駆動力が伝達部材に付与されると、伝達部材から第1変位部材および第2変位部材へ第1溝および第2溝を介して駆動力が伝達され、第1変位部材および第2変位部材がベース部材に対して変位される。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、第1溝および第2溝が並設されるため、それら第1溝および第2溝の配設に要するスペースが嵩み、その分、演出部材の正面視における外形が大型化するという問題点があった。特に、近年では、液晶表示装置の大型化が要請されており、演出部材の正面視における外形が大型化することは、液晶表示装置の大型化を阻害するため、好ましくない。
これに対し、遊技機A1によれば、第1溝および第2溝が重ね合わされた(重畳された)姿勢で第1変位部材および第2変位部材がベース部材に配設されるので、第1溝および第2溝が並設される従来品の場合と比較して、これら第1溝および第2溝の配設に要するスペースを抑制することができる。その結果、正面視における外形の小型化を図ることができる。この場合、液晶表示装置の大型化が要請される場合であっても、厚み方向(前後方向)のスペースには比較的余裕があるところ、遊技機A1のように、第1溝および第2溝を重ね合わせる構成であれば、比較的余裕のある厚み方向のスペースを利用して、正面視における外形の小型化を図ることができるので、液晶表示装置の大型化に対して特に有効となる。
また、遊技機A1によれば、重ね合わされた第1溝および第2溝に駆動ピンが挿通されるので、1の駆動ピンにより、伝達部材からの駆動力を第1変位部材および第2変位部材に伝達することができ、第1溝および第2溝のそれぞれに対して駆動ピンを設けることを不要とできる。即ち、部品を兼用することができ、その分、部品コストを削減することができる。
なお、遊技機A1によれば、駆動手段の駆動力が伝達部材に付与されると、伝達部材から第1変位部材および第2変位部材へ駆動力が伝達され、第1変位部材および第2変位部材がベース部材に対して変位される。この場合、第1溝および第2溝の作用区間が伝達部材から作用を受ける状態では、第1変位部材および第2変位部材がそれぞれ変位される一方、第2溝の作用区間のみが伝達部材から作用を受ける(非干渉区間により第1溝に伝達部材が干渉しない)状態では、第1変位部材が停止され、且つ、第2変位部材が変位される。
遊技機A1において、前記第2変位部材は、前記第1変位部材の背面に変位可能に配設されると共に前記第2溝が形成される被駆動部材と、その被駆動部に連結されると共に前記第1変位部材の背面に変位可能に配設され装飾部分を有する連結変位部材とを備えることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、第2変位部材は、第1変位部材の背面に変位可能に配設されると共に第2溝が形成される被駆動部材と、その被駆動部に連結されると共に第1変位部材の背面に変位可能に配設される連結変位部材とを備えるので、被駆動部材および連結変位部材によりリンク構造を形成することができる。これにより、被駆動部材が伝達部材により駆動される際には、連結変位部材の装飾部分を第1変位部材に対して大きく相対変位させることができる。
遊技機A2において、前記第2変位部材は、前記被駆動部材と前記連結変位部材とが重ね合わされた姿勢を形成可能とされることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、第2変位部材は、被駆動部材と連結変位部材とが重ね合わされた姿勢を形成可能とされるので、その重なりの分、第2変位部材の正面視における外形の小型化を図ることができる。
遊技機A3において、前記第1変位部材は、退避位置と張出位置との間を変位可能に形成され、前記第2変位部材は、前記被駆動部材と前記連結変位部材とが重ね合わされた姿勢で、前記退避位置における前記第1変位部材の背面に配置可能に形成されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、第2変位部材は、被駆動部材と連結変位部材とが重ね合わされた姿勢で、退避位置における第1変位部材の背面に配置可能に形成されるので、その重なりの分、退避位置に配設された第1変位部材および第2変位部材の正面視における外形の小型化を図ることができる。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記連結変位部材は、前記第1変位部材に変位可能に配性される部分を挟んで前記装飾部分と反対側に張り出して形成される張出部分を備えることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4のいずれかの奏する効果に加え、連結変位部材は、第1変位部材に変位可能に配性される部分を挟んで装飾部分と反対側に張り出して形成される張出部分を備えるので、かかる張出部分に錘の役割を担わせることができる。
例えば、被駆動部分を駆動して、連結変位部材の装飾部分を上方へ持ち上げる際には、装飾部分と反対側に張出部分が形成されていることで、張出部分の重みを利用して、装飾部分を上方へ持ち上げやすくすることができる。よって、張出部分を速やかに持ち上げることができると共に持ち上げるのに必要とされる駆動力を抑制できる。また、装飾部分が持ち上げられた後は、装飾部分の重みと張出部分の重みとを吊り合わせることができるので、装飾部分のみが形成された片持ち状態の場合と比較して、装飾部分が持ち上げられた姿勢を安定化させることができると共にその姿勢を維持するために必要な駆動力を抑制できる。
遊技機A5において、前記連結変位部材の張出部分は、前記第1変位部材の背面に当接可能に形成されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、連結変位部材の張出部分は、第1変位部材の背面に当接可能に形成されるので、被駆動部分を駆動して、連結変位部材を変位させる際には、張出部分が第1変位部材の背面に当接されることで、連結変位部材(装飾部分)のがたつきを抑制できる。また、錘としての役割の張出部分に、第1変位部材へ当接してがたつきを抑制するための役割を兼用させることができるので、構造を簡素化して、その分、部品コストの削減を図ることができる。
遊技機A6において、前記連結変位部材の張出部分は、略箱状に形成されることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、連結変位部材の張出部分は、略箱状に形成されるので、外形を小さくしつつ、その重みと剛性とを確保することができる。よって、張出部分を第1変位部材の背面に隠した状態で(即ち、正面から視認不能とした状態で)、連結変位部材を変位可能としつつ、錘としての機能と第1変位部材の背面に当接してがたつきを抑制する機能とを確実に発揮させることができる。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記ベース部材は、前記第1変位部材を回転可能に軸支する軸受部と、その軸受部の外周面から突設される突出部とを備え、前記第1変位部材は、前記突出部に当接可能に形成される当接部を備え、前記軸受部が前記第1変位部材を前記ベース部材から嵩上げした状態で軸支すると共に、前記突出部に前記当接部が当接されることで、前記第1変位部材の前記ベース部材に対する相対回転が所定の範囲内に規制されることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7のいずれかに記載の遊技機において、ベース部材は、第1変位部材を回転可能に軸支する軸受部を備え、軸受部が第1変位部材をベース部材から嵩上げした状態で軸支するので、かかる嵩上げにより、ベース部材と第1変位部材との間に第2変位部材を配設する空間を形成することができる。よって、第1変位部材と第2変位部材とを重ね合わせた姿勢で配設できる。
この場合、遊技機A8によれば、ベース部材は、軸受部の外周面から突出して形成される突出部を更に備え、第1変位部材は、突出部に当接可能に形成される当接部を備え、突出部に当接部が当接されることで、第1変位部材のベース部材に対する相対回転を所定の範囲内に規制することができる。即ち、第1変位部材と第2変位部材とを重ね合わせた姿勢で配設するために、第1変位部材をベース部材から嵩上げする軸受部は、比較的剛性が高くされると共に、その外周側にデッドスペースが形成されるところ、かかる軸受部の外周面から突出部を突設し、その突出部に当接部を当接させる構成とすることで、第1変位部材のベース部材に対する相対回転を規制する部分の剛性を確保して、耐久性の向上を図ることができると共に、デッドスペースを有効に利用でき、その分、小型化を図ることができる。
遊技機A8において、前記ベース部材の突出部は、前記第1変位部材の背面に当接可能に形成されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、ベース部材の突出部は、第1変位部材の背面に当接可能に形成されるので、第1変位部材が変位される際には、ベース部材の突出部が第1変位部材の背面に当接されることで、かかる第1変位部材のがたつきを抑制できる。また、第1変位部材のベース部材に対する相対変位を規制する役割の突出部に、第1変位部材へ当接してがたつきを抑制するための役割を兼用させることができるので、構造を簡素化して、その分、部品コストの削減を図ることができる。
特に、遊技機A2に従属する遊技機A9では、第1変位部材に第2変位部材(被駆動部材および連結変位部材)が配設されるため、第1変位部材は、第2変位部材の重量を支えた状態でベース部材に対して回転する必要があり、がたつきが生じやすい。よって、ベース部材の突出部を第1変位部材の背面に当接させ、第1変位部材のがたつきを抑制する構成が有効となる。
遊技機A9において、前記第1変位部材は、その長手方向一端側が前記ベース部材の軸受部に軸支され、前記ベース部材の突出部は、前記第1変位部材の長手方向一端側の縁部における背面に当接可能に形成されることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、第1変位部材の長手方向一端側がベース部材の軸受部に軸支され、ベース部材の突出部は、第1変位部材の長手方向一端側の縁部における背面に当接可能に形成されるので、第1変位部材が自重で傾倒する場合に、その傾倒を抑制可能な位置に突出部を配置することができる。その結果、第1変位部材のがたつきを効果的に抑制することができる。
遊技機A10において、前記突出部は、前記軸受部の外周面から突設されると共に前記ベース部材の前面に連設されることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A10の奏する効果に加え、突出部は、軸受部の外周面から突設されると共にベース部材の前面に連設されるので、かかる突出部の剛性を高めることができる。特に、第1変位部材が自重で傾倒する場合に、その傾倒を支える方向(即ち、突出部がベース部材の前面へ押し付けられる方向)の剛性を高めることができるので、第1変位部材のがたつきを効果的に抑制することができる。
遊技機A2からA11のいずれかにおいて、前記ベース部材は、その側面および前面の稜線部分を面取りすることで傾斜して形成される傾斜面を備えることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A2からA11のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材は、その側面および前面の稜線部分を面取りすることで傾斜して形成される傾斜面を備えるので、第2変位部材がベース部材の側面に係止されて変位不能となることを抑制できる。この場合、本発明では、第2変位部材の連結変位部材が、第1変位部材の背面に変位可能に片持ち状態で配設されるため、第1変位部材または(及び)第2変位部材が変位する際には、第2変位部材の連結変位部材がベース部材へ近接離間する方向へ揺れやすく、かかる連結変位部材がベース部材の側面に係止されやすい。よって、ベース部材に傾斜面を設ける構成が特に有効となる。
遊技機A12において、前記第2変位部材は、前記連結変位部材が光透過性材料から形成され、前記ベース部材は、その前面から突出され前記第2変位部材の変位方向に沿って延設される凸条を備えることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、遊技機A12の奏する効果に加え、ベース部材は、その前面から突出され第2変位部材の変位方向に沿って延設される凸条を備えるので、その凸条の先端を第2変位部材に接触させることができる。よって、ベース部材の前面の全体が第2変位部材に面当たりする場合と比較して、接触面積を小さくして、摺動抵抗を抑制することができる。
ここで、第2変位部材は、連結変位部材が光透過性材料から形成されるので、かかる連結変位部材を変位させて遊技者に視認させる際には、照射された光を透過させて演出効果を高めることができる。この場合、第2変位部材が変位する際に、ベース部材の前面の全体が連結変位部材に面当たりすると、ベース部材の前面との間での擦れによって連結変位部材に曇りが形成されるため、連結変位部材の光を透過させる演出効果が損なわれる。これに対し、遊技機A12によれば、ベース部材の前面には、凸条が形成され、かかる凸条の先端のみが連結変位部材に当接されるようにできるので、かかる連結変位部材の擦れによる曇りを部分的とすることができる。その結果、連結変位部分に光を透過させることによる演出効果を発揮させることができる。
遊技機A13において、前記第2変位部材は、前記被駆動部材と連結変位部材とを連結すると共に金属材料から形成される連結ピンを備え、前記ベース部材の凸条は、前記第2変位部材が変位される際の前記連結ピンの軌跡に沿って延設されることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、遊技機A13の奏する効果に加え、第2変位部材は、被駆動部材と連結変位部材とを連結すると共に金属材料から形成される連結ピンを備え、ベース部材の凸条は、第2変位部材が変位される際の連結ピンの軌跡に沿って延設されるので、連結ピンを凸条の突設先端に当接させることができる。よって、連結変位部材の光透過性材料からなる部分に凸条との間での擦れによって曇りが形成されることを抑制して、連結変位部材に光を透過させることによる演出効果を発揮させることができる。
遊技機A13又はA14において、前記駆動手段と前記伝達部材との間に介在される歯車を備え、前記ベース部材は、その内部空間に前記歯車を軸支するための歯車受け部を備えると共に、その歯車受け部が前記ベース部材の前面から突出され、前記凸条が前記歯車受け部に対応する位置まで延設されることを特徴とする遊技機A15。
遊技機A15によれば、遊技機A13又はA14の奏する効果に加え、凸条は、ベース部材の前面から突出される歯車受け部に対応する位置まで延設されるので、第2変位部材がベース部材の側面から突出する歯車受け部に係止されて変位不能となる或いはその変位が阻害されることを抑制できる。言い換えれば、ベース部材の前面に凸条を設けると共に、その凸条を歯車受け部に対応する位置まで延設する構成を採用したことで、歯車受け部をベース部材の前面から突出させることを可能とできる。これにより、ベース部材の厚み寸法を小さくしつつ、その内部空間に歯車を回転可能な状態で収納できる。その結果、例えば、駆動手段の駆動軸を歯車に固定することを不要とできる(即ち、歯車はベース部材の歯車受け部に保持されるので、駆動手段の駆動軸は歯車に挿通するのみで足りる)ので、その分、製造コストの削減を図ることができる。
遊技機A1からA15のいずれかにおいて、前記第1変位部材および前記伝達部材は、前記ベース部材に回転可能に軸支され、前記第1変位部材は、前記ベース部材の前面に位置する退避位置と前記ベース部材から離間する方向へ張り出す張出位置との間で変位可能に形成され、前記第1変位部材の回転軸が前記伝達部材の回転軸よりも前記張出位置側に配設されることを特徴とする遊技機A16。
遊技機A16によれば、遊技機A1からA15のいずれかの奏する効果に加え、第1変位部材および伝達部材は、ベース部材に回転可能に軸支され、第1変位部材の回転軸が伝達部材の回転軸よりも張出位置側に配設されるので、張出位置へ張り出される第1変位部材の面積をより大きくできる一方、第1変位部材が退避位置および張出位置の間のいずれにある場合でも、かかる第1変位部材の背面に伝達部材を配設して遊技者から視認不能としやすくできる。
遊技機A16において、前記ベース部材は、前記第1変位部材を回転可能に軸支する軸受部を備え、前記伝達部材は、前記第2変位部材が張出位置へ張り出された場合に、前記軸受部に当接可能に形成されることを特徴とする遊技機A17。
遊技機A17によれば、遊技機A16の奏する効果に加え、ベース部材が第1変位部材を回転可能に軸支する軸受部を備え、伝達部材は、第2変位部材が張出位置へ張り出された場合に、ベース部材の軸受部に当接可能に形成されるので、第2変位部材の第1変位部材に対する相対回転を所定の範囲内に規制することができる。即ち、駆動手段の駆動力を伝達する役割の伝達部材に、第2変位部材の第1変位部材に対する相対回転を所定の範囲内に規制するストッパとしての役割を兼用させることができるので、構造を簡素化して、その分、部品コストの削減を図ることができる。
また、軸受部は、第1変位部材をベース部材から嵩上げして、第1変位部材と第2変位部材とを重ね合わせた姿勢で配設するための部位であり、比較的剛性が高くされると共に、その外周側にデッドスペースが形成されるところ、かかる軸受部に伝達部材を当接させる構成とすることで、第2変位部材の第1変位部材に対する相対回転を規制する部分の剛性を確保して、耐久性の向上を図ることができると共に、デッドスペースを有効に利用でき、その分、小型化を図ることができる。
遊技機A17において、前記伝達部材は、前記軸受部の外形に対応した凹部が凹設され、前記第2変位部材が前記張出位置に張り出される場合には、前記軸受部が前記凹部に受け入れ可能に形成されることを特徴とする遊技機A18。
遊技機A18によれば、遊技機A17の奏する効果に加え、伝達部材は、軸受部の外形に対応した凹部が凹設され、第2変位部材が張出位置に張り出される場合には、軸受部が凹部に受け入れ可能に形成されるので、その分、伝達部材の可動範囲を大きくすることができる。よって、第1変位部材および第2変位部材の変位量を確保できる。言い換えると、伝達部材の可動範囲を確保しつつ、かかる伝達部材の回転軸の位置を軸受部に近接させることができるので、第1変位部材の外形を抑制しつつ、かかる第1変位部材が退避位置および張出位置の間で変位する間、伝達部材を第1変位部材の背面に隠した状態(即ち、正面から視認不能とした状態)を形成しやすくすることができる。
遊技機A1からA18のいずれかにおいて、前記伝達部材が正方向へ駆動されると、前記第1溝および第2溝の作用区間が前記伝達部材から作用を受け、前記第1変位部材および第2変位部材がそれぞれ第1方向へ変位された後、前記第2溝の作用区間が伝達部材から作用を受け、且つ、前記非干渉区間により前記第1溝に前記伝達部材が非干渉とされ、前記第1変位部材が停止され、且つ、前記第2変位部材が第2方向へ変位されるものであり、前記第1方向と第2方向とが逆方向とされることを特徴とする遊技機A19。
遊技機A19によれば、遊技機A1からA18の奏する効果に加え、伝達部材が正方向へ駆動されると、第1変位部材および第2変位部材がそれぞれ第1方向へ変位された後、第1変位部材が停止され、且つ、第2変位部材が第2方向へ変位される。この場合、第1方向と第2方向とが逆方向とされるので、遊技機A1からA18のいずれかの奏する効果に加え、第1方向へ変位されていた第1変位部材の停止に伴う慣性力を、第2変位部材が第2方向への変位を行う際の慣性力により打ち消し合わせることができる。その結果、慣性力の作用による部品の負荷を軽減して、耐久性の向上を図ることができる。
遊技機A19において、前記駆動手段と前記伝達部材との間に介在され駆動力を伝達する1又は複数の歯車を備え、前記第1変位部材の重量が前記第2変位部材の重量よりも重くされることを特徴とする遊技機A20。
遊技機A20によれば、遊技機A19の奏する効果に加え、第1変位部材の重量が第2変位部材の重量よりも重くされるので、伝達部材を正方向へ駆動される場合には、重量が重い第1変位部材を先に停止させ、重量が軽い第2変位部材を最後に停止させることができる。これにより、歯車の負担を軽減することができる。
即ち、伝達部材が正方向へ駆動され、第1変位部材および第2変位部材がそれぞれ第1方向へ変位されている状態から、第1変位部材が停止され、且つ、第2変位部材が第2方向へ変位される状態への遷移は、伝達部材が第1溝の伝達区間から非干渉区間へ移行することで行われるので、駆動手段および歯車の回転は継続されている。よって、第1変位部材が停止されても、歯車への負担は発生しない。一方で、第1変位部材が停止され、且つ、第2変位部材が第2方向へ変位されている状態から、前記第2変位部材も停止される状態への遷移は、駆動手段および歯車の回転を停止することが行われるが、この場合に停止される部材は、重量が軽い第2変位部材のみであるので、その分、歯車への負担を軽減できる。
遊技機A1からA20のいずれかにおいて、前記第1変位部材に変位可能に配設される第3変位部材を備え、その第3変位部材は、前記第2変位部材からの作用を受けて変位されることを特徴とする遊技機A21。
遊技機A21によれば、遊技機A1からA20のいずれかの奏する効果に加え、第1変位部材に変位可能に配設される第3変位部材を備え、その第3変位部材は、第2変位部材からの作用を受けて変位されるので、第1変位部材に対する第2変位部材の変位に連動して、第3変位部材も変位させることができる。
遊技機A21において、前記第2変位部材または第3変位部材の一方は、駆動ピンを備えると共に、前記第2変位部材または第3変位部材の他方は、第3溝を備え、前記第3溝は、前記駆動ピンから作用を受ける作用区間と、前記駆動ピンが干渉しない非干渉区間とを備えることを特徴とする遊技機A22。
遊技機A22によれば、遊技機A21の奏する効果に加え、第2変位部材または第3変位部材の一方が駆動ピンを備えると共に、第2変位部材または第3変位部材の他方が第3溝を備え、第3溝は、駆動ピンから作用を受ける作用区間と、駆動ピンが干渉しない非干渉区間とを備えるので、第1変位部材に対して第2変位部材および第3変位部材の両者が変位する態様と、第1変位部材に対して第2変位部材または第3変位部材の一方のみが変位する態様とを形成できる。
遊技機A21において、前記第2変位部材は、前記第3変位部材に変位可能に配設されることを特徴とする遊技機A23。
遊技機A23によれば、第2変位部材が第3変位部材に変位可能に配設されるので、第1変位部材に対して第3変位部材が相対変位する際に、第3変位部材に対して第2変位部材が相対変位することで、第1変位部材に対する第3変位部材の相対変位に、第3変位部材に対する第2変位部材の相対変位を重ね合わせることができ、その結果、第1変位部材に対する第2変位部材の相対変位量を拡大することができる。
<左回転ユニット700を一例とする発明の概念について>
ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される第1変位部材と、その第1変位部材に変位可能に配設される第2変位部材と、それら第1変位部材および第2変位部材を変位させるための駆動力を発生する駆動手段と、前記ベース部材および第2変位部材の間を連結する連結部材とを備え、前記第1変位部材の変位に伴い、前記第2変位部材が前記第1変位部材に対して相対変位される遊技機において、前記連結部材は、前記ベース部材に一端が連結される連結第1部材と、その連結第1部材の他端に他端が連結されると共に前記第2変位部材に一端が連結される連結第2部材とを備え、前記連結第1部材および連結第2部材の他端どうしの連結部分が前記第1変位部材に変位可能に連結されることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ等の遊技機において、ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される第1変位部材と、その第1変位部材に変位可能に配設される第2変位部材と、それら第1変位部材および第2変位部材を変位させるための駆動力を発生する駆動手段と、ベース部材および第2変位部材の間を連結する連結部材とを備えた遊技機がある(特開2013−17886号公報)。
この遊技機によれば、駆動手段の駆動力により第1変位部材が変位されると、連結部材がベース部材と第2変位部材との間で作用することにより、第1変位部材の変位に伴い、第2変位部材を第1変位部材に対して相対変位させることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第1変位部材がベース部材から離間される方向へ変位されると、ベース部材と第2変位部材との間を連結する連結部材が露出されるため、遊技者から視認可能となり、外観が損なわれるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、連結部材が、ベース部材に一端が連結される連結第1部材と、その連結第1部材の他端に他端が連結されると共に第2変位部材に一端が連結される連結第2部材とを備え、これら連結第1部材および連結第2部材の他端どうしの連結部分が第1変位部材に変位可能に連結されるので、第1変位部材がベース部材から離間される方向へ変位された場合でも、連結部材(連結第1部材および連結第2部材)を第1変位部材の背面に配設して、遊技者から視認し難くすることができる。その結果、連結部材が露出されて、外観が損なわれることを抑制できる。
遊技機B1において、前記第1変位部材は、前記ベース部材に回転可能に配設され、前記連結部材の連結第2部材は、前記第1変位部材にスライド変位可能に配設されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、第1変位部材は、ベース部材に回転可能に配設され、連結部材の連結第2部材は、第1変位部材にスライド変位可能に配設されるので、第1変位部材がベース部材に対して回転される場合に、その回転量が大きい(即ち、連結第1部材および連結第2部材の変位量を大きくする必要がある)場合であっても、連結部材の連結第2部材が第1変位部材の背面に配設された状態を維持して、遊技者から視認されることを回避できる。その結果、連結部材の連結第2部材が露出されて、外観が損なわれることを抑制できる。
また、第1変位部材に電気的な接続線が配線される場合でも、連結部材の連結第2部材が第1変位部材にスライド変位可能に配設されることで、接続線と連結第2部材との干渉を抑制しやすくできる。よって、干渉を避けるために、接続線を配線するためのスペースを大きく確保する必要がなくなるので、その分、第1変位部材の正面視形状の小型化を図ることができる。
遊技機B1又はB2において、前記駆動手段により駆動される駆動体を備え、その駆動体が前記連結部材の連結第1部材に連結され、前記駆動手段の駆動力が前記駆動体から前記連結第1部材に伝達されることで、前記第1変位部材および第2変位部材が駆動されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、駆動手段により駆動される駆動体を備え、その駆動体が連結部材の連結第1部材に連結され、駆動手段の駆動力が駆動体から連結第1部材に伝達されることで、第1変位部材および第2変位部材が駆動されるので、第1変位部材の正面視形状の小型化を図ることができる。
即ち、連結部材は、連結第1部材および連結第2部材の他端どうしの連結部分が第1変位部材に変位可能に連結されるため、第1変位部材とベース部材との間に位置するところ、駆動体を第1変位部材に連結する場合には、駆動体と連結部材とが干渉する恐れがあるため、連結部材の変位軌跡と重ならない位置において駆動体を第1変位部材に連結する必要がある。そのため、第1変位部材の正面視形状を、連結部材の変位軌跡と駆動体が連結される連結部分とを含む大きさとする必要があり、その分、第1変位部材の正面視形状が大型化する。これに対し、遊技機B3によれば、駆動体と連結部材との干渉を避ける必要がなく、第1変位部材の正面視形状を、連結部材の変位軌跡のみに対応する大きさとすれば良く、駆動体が連結される連結部分を含む必要がないので、その分、第1変位部材の正面視形状を小型化できる。
遊技機B1からB3において、前記第1変位部材は、前記ベース部材に回転可能に配設され、退避位置と張出位置との間を変位可能に形成され、前記ベース部材がベース側係合部材を備えると共に、前記第1変位部材が前記退避位置へ変位された状態で前記ベース側係合部材に係合可能に形成される変位側係合部材を前記第1変位部材または第2変位部材の一方が備えることを特徴とする遊技機B4。
ここで、上述した従来の遊技機では、ベース部材と第2変位部材との間を連結部材が架設状態で連結し、退避位置では、第1変位部材の回転軸から比較的離れた位置において、ベース部材と第2変位部材とが連結部材により連結される。よって、第1変位部材が、その回転軸と反対側の部分(即ち、第2変位部材側)をベース部材から離間する方向へ傾倒させようとしても、ベース部材と第2変位部材との間に介在される連結部材の作用により、その傾倒を抑制することができる。
しかし、遊技機B4では、連結部材は、連結第1部材および連結第2部材の他端どうしの連結部分が第1変位部材に変位可能に連結されるため、退避位置では、第1変位部材の回転軸を基端として、回転軸と反対側の部分(即ち、第2変位部材側)が自由端となる。よって、自身の重みや第2変位部材の重みにより、第1変位部材の回転軸と反対側の部分(第2変位部材側)がベース部材から離間する方向へ傾倒しやすい。
この場合に、遊技機B4によれば、遊技機B1からB3の奏する効果に加え、ベース部材がベース側係合部材を備えると共に、第1変位部材または第2変位部材の一方が変位側係合部材を備え、第1変位部材が退避位置へ変位された状態では、ベース側係合部材および変位側係合部材が係合可能に形成されるので、第1変位部材の回転軸と反対側の部分(第2変位部材側)がベース部材から離間する方向へ傾倒することを抑制できる。
遊技機B4において、前記第2変位部材が前記変位側係合部材を備えることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、第2変位部材が変位側係合部材を備えるので、ベース側係合部材と変位側係合部材との係合位置を、第1変位部材の回転軸から比較的離れた位置とすることができる。よって、これらベース側係合部材および変位側係合部材の係合を利用して、第1変位部材の回転軸と反対側の部分(第2変位部材側)がベース部材から離間する方向へ傾倒されることを効果的に抑制できる。
遊技機B5において、前記ベース側係合部材および変位側係合部材は、前記ベース部材の前面または前記第2変位部材の背面から立設される基部と、その基部の先端を屈曲させて形成され内面が係合面とされる屈曲部とをそれぞれ備え、前記第1変位部材が張出位置から退避位置へ変位されることで、前記屈曲部の係合面どうしが係合されるものであり、前記ベース側係合部材の屈曲部の係合面がその係合先端側ほど前記ベース部材の前面から離間する方向に傾斜される又は(及び)前記変位側係合部材の屈曲部の係合面がその係合先端側ほど前記第2変位部材の背面から離間する方向に傾斜されることを特徴とする遊技機B6。
ここで、遊技機B5のように、第2変位部材が変位側係合部材を備える場合、ベース側係合部材と変位側係合部材との係合位置が、第1変位部材の回転軸から比較的離れた位置となるため、第1変位部材の揺れに起因して、それらベース側係合部材と変位側係合部材との係合が困難となる。
これに対し、遊技機B6によれば、ベース側係合部材の屈曲部の係合面がその係合先端側ほどベース部材の前面から離間する方向に傾斜される又は(及び)変位側係合部材の屈曲部の係合面がその係合先端側ほど第2変位部材の背面から離間する方向に傾斜される、即ち、屈曲部の係合面とベース部材の前面または第2変位部材の背面との間の間隔が係合先端側ほど広くされているので、遊技機B5の奏する効果に加え、第1変位部材に揺れが生じた場合でも、ベース側係合部材と変位側係合部材とを係合しやすくできる。
更に、遊技機B6によれば、ベース側係合部材または変位側係合部材の少なくとも一方における屈曲部の係合面上述のように傾斜されていることで、第1変位部材が退避位置へ向けて変位されると、屈曲部の係合面の傾斜に伴って、第2変位部材をベース部材へ向けて近接させることができる。これにより、退避位置において、第2変位部材のベース部材からの突出寸法を抑制することができると共に、第2変位部材のがたつきを吸収してその姿勢を維持させることができる。
遊技機B5又はB6において、前記ベース側係合部材および変位側係合部材は、前記ベース部材の前面または前記第2変位部材の背面から立設される基部と、その基部の先端を屈曲させて形成され内面が係合面とされる屈曲部とをそれぞれ備え、前記第1変位部材が張出位置から退避位置へ変位されることで、前記屈曲部の係合面どうしが係合されるものであり、前記ベース部材の前面および第2変位部材の背面には、相手の屈曲部を受け入れるための受入部が形成されることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B5又はB6の奏する効果に加え、ベース部材の前面および第2変位部材の背面には、相手の屈曲部を受け入れるための受入部が形成されるので、第1変位部材が退避位置に配設された状態(ベース側係合部材および変位側係合部材が係合した状態)では、屈曲部を受入部に受け入れさせ、第2変位部材のベース部材へ近接する方向への変位を許容することができる。よって、ベース側係合部材および変位側係合部材の基部の立設寸法を大きくして、ベース側係合部材と変位側係合部材とを係合しやすくしつつ、退避位置では、第2変位部材のベース部材へ近接する方向への変位を許容して、衝突に伴う破損を防止できる。
遊技機B3から遊技機B7のいずれかにおいて、前記第1変位部材が前記張出位置に配設された状態では、前記変位側係合部材が前記第1変位部材に係合されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B3から遊技機B7のいずれかの奏する効果に加え、第1変位部材が張出位置に配設された状態では、変位側係合部材が第1変位部材に係合される、即ち、第1変位部材と第2変位部材とを変位側係合部材を介して結合させることができる。これにより、張出位置において、第2変位部材が第1変位部材に対してがたつくことを抑制できる。また、退避位置においてベース側係合部材と係合して第2変位部材をベース部材に結合させる役割の変位側係合部材に、張出位置において第1変位部材に係合して第2変位部材を第1変位部材に結合させる役割を兼用させることができるので、構造を簡素化して、その分、部品コストの削減を図ることができる。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、前記第2変位部材と前記連結第2部材の一端との間に介設される介設手段を備え、その介設手段は、前記ベース部材に対して前記第1変位部材が第1の方向へ変位する場合と第2の方向へ変位する場合とで、前記第2変位部材と前記連結第2部材の一端との間で生じる作用の態様を異ならせることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B1からB8のいずれかの奏する効果に加え、第2変位部材と連結第2部材の一端との間に介設される介設手段を備え、その介設手段は、ベース部材に対して第1変位部材が第1の方向へ変位する場合と第2の方向へ変位する場合とで、第2変位部材と連結第2部材の一端との間で生じる作用の態様を異ならせるので、ベース部材に対して第1変位部材が第1の方向へ変位する場合と第2の方向へ変位する場合とで、第1変位部材に対する第2変位部材の変位の態様を異ならせることができる。
遊技機B9において、前記介設手段は、前記第1変位部材または前記連結第2部材の一端の一方に配設される被案内部と、前記第1変位部材または前記連結第2部材の一端の他方に配設され前記被案内部を案内する案内部とを備え、前記ベース部材に対して前記第1変位部材が第1の方向へ変位する場合と第2の方向へ変位する場合とで、前記案内部を前記案内部の異なる経路で案内することで、前記第2変位部材と前記連結第2部材の一端との間で生じる作用の態様を異ならせることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、介設手段は、ベース部材に対して第1変位部材が第1の方向へ変位する場合と第2の方向へ変位する場合とで、案内部を被案内部の異なる経路で案内することで、第2変位部材と連結第2部材の一端との間で生じる作用の態様を異ならせるので、被案内部の形状に応じて、第1変位部材に対する第2変位部材の変位の態様を変化させやすくできる。即ち、その設計の自由度を高めることができる。
遊技機B9において、前記介設手段は、前記ベース部材に対して前記第1変位部材が第1の方向へ変位する場合では前記第2変位部材と前記連結第2部材の一端との間で作用を生じさせる一方、前記ベース部材に対して前記第1変位部材が第2の方向へ変位する場合では前記第2変位部材と前記連結第2部材の一端との間の作用を解除することを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、介設手段は、ベース部材に対して第1変位部材が第1の方向へ変位する場合では第2変位部材と連結第2部材の一端との間で作用を生じさせる一方、ベース部材に対して第1変位部材が第2の方向へ変位する場合では第2変位部材と連結第2部材の一端との間の作用を解除するので、ベース部材に対して第1変位部材が第1の方向へ変位する場合と第2の方向へ変位する場合とで、第1変位部材に対する第2変位部材の変位の態様を大きく異ならせやすくすることができる。
<センターフレーム86を一例とする発明の概念について>
前面に遊技領域を有すると共に中央に開口部が形成された遊技盤と、その遊技盤の背面側となる退避位置および前記開口部を介して視認可能となる張出位置の間で変位可能に形成される変位部材とを備えた遊技機において、光透過性材料から形成されると共に前記遊技盤の開口部に内装されるセンターフレームを備え、そのセンターフレームは、前記遊技領域の一部を形成する領域形成部を備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ等の遊技機において、前面に遊技領域を有すると共に中央に開口部が形成された遊技盤と、その遊技盤の背面側となる退避位置および開口部を介して視認可能となる張出位置の間で変位可能に形成される変位部材とを備えた遊技機がある(特開2014−176580号公報)。
この遊技機によれば、遊技盤の開口部を液晶表示装置の外形よりも大きくして、その分、変位部材を視認可能な領域を確保することが行われる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球が流下するための領域を遊技領域に確保する必要があるため、遊技盤の開口部を大きくすることに限界があり、変位部材を視認可能な領域を十分に確保することができないという問題点があった。
これに対し、遊技機C1では、光透過性材料から形成されると共に遊技盤の開口部に内装されるセンターフレームを備え、そのセンターフレームは、遊技領域の一部を形成する領域形成部を備えるので、かかる領域形成部を介して変位部材を視認可能とできる。よって、球が流下するための領域を遊技領域に確保しつつ、変位部材を視認可能な領域を十分に確保できる。
遊技機C1において、前記センターフレームの領域形成部は、前記遊技領域の一部として、前記遊技盤の開口部の内縁から前記遊技領域の外縁まで連続する領域を形成することを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、センターフレームの領域形成部は、遊技領域の一部として、遊技盤の開口部の内縁から遊技領域の外縁まで連続する領域を形成するので、変位部材を視認可能な領域を最大限確保できる。
遊技機C2において、前記センターフレームの領域形成部は、1の遊技球のみの通過を許容する幅に設定されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、センターフレームの領域形成部は、1の遊技球のみの通過を許容する幅に設定されるので、遊技盤の開口部を介して(即ち、センターフレームを介さずに)変位部材を視認可能な領域を最大限確保できる。
遊技機C2又はC3において、前記センターフレームの領域形成部は、その領域の下流側に立設されると共に前記センターフレームに一体に形成される下流壁部を備えることを特徴とする遊技機C4。
ここで、センターフレームが樹脂材料から形成され釘を植設できない場合、遊技球の流下速度が速くなり、流下する遊技球を遊技者が視認し難くなる。
これに対し、遊技機C4によれば、センターフレームの領域形成部は、その領域の下流側に立設される下流壁部を備えるので、領域形成部を流下する遊技球を下流壁部に当接させることができる。よって、遊技機C2又はC3の奏する効果に加え、遊技球の流下速度を低減させて、遊技者に視認させやすくすることができる。また、下流壁部は、センターフレームに一体に形成されるので、型成形により容易に成形可能とでき、別部品の締結固定などを不要とできるので、その分、製造コストを低減することができる。
遊技機C4において、前記センターフレームの領域形成部は、その領域内に立設され遊技球が流下する通路を区画すると共に前記センターフレームに一体に形成される側壁部を備え、その側壁部が下流壁部に連結されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、センターフレームの領域形成部は、その領域内に立設され遊技球が流下する通路を区画する側壁部を備え、その側壁部が下流壁部に連結されるので、流下する遊技球を受け止める下流壁部の剛性を高めることができる。これにより、下流壁部の破損を防止できる。また、連結壁部は、センターフレームに一体に形成されるので、型成形により容易に成形可能とでき、別部品の締結固定などを不要とできるので、その分、製造コストを低減することができる。更に、遊技球が流下する通路を区画する役割の側壁部分に、下流壁部の剛性を高めるための役割を兼用させることができるので、構造を簡素化して、その分、部品コストの削減を図ることができる。
遊技機C5において、前記遊技盤の前面から立設され発射された遊技球を前記遊技領域へ誘導する内レールを備え、前記側壁部は、前記内レールに並設されることを特徴とする遊技機C6。
ここで、従来の遊技機では、遊技領域を流下する遊技球が内レールに衝突する態様は、釘に衝突して跳ねた後に衝突するものであり、比較的速度が遅く、これが内レールの損傷を招くなどの問題となることはなかった。これに対し、本発明では、変位部材を視認可能な領域を最大限確保するために、遊技領域の一部を形成する領域形成部の幅が狭く(例えば、1の遊技球のみの通過を許容する幅)に設定される。即ち、遊技領域の幅が領域形成部で絞られる。そのため、領域形成部の上流側では、遊技領域を流下してきた遊技球を、領域形成部へ向けて案内する必要が生じ、その案内の結果、遊技球の一部が比較的速い速度で内レールに衝突し、内レールが曲がる恐れがある。
これに対し、遊技機C6によれば、側壁部が内レールに並設されるので、遊技領域を流下してきた遊技球が領域形成部へ向けて案内された結果、遊技球が内レールへ向けて流下したとしても、かかる遊技球を側壁部で受け止めて、内レールに衝突することを回避できる。その結果、遊技機C5の奏する効果に加え、内レールが曲がることを抑制できる。
遊技機C5又はC6において、前記センターフレームの領域形成部の背面側に配設されると共に光を発光可能に形成される発光手段を備え、前記側壁部は、前記発光手段から発光された光を前記遊技領域の前面側へ導く導光体として機能可能に形成されることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C5又はC6の奏する効果に加え、側壁部は、発光手段から発光された光を遊技領域の前面側へ導く導光体として機能可能に形成されるので、光による演出効果を発揮することができる。特に、遊技機C6に従属する遊技機C7では、側壁部が内レールに並設されるので、光の漏出を内レールにより低減することができ、その分、導光できる光量を高めることができる。その結果、光による演出効果を高めることができる。
遊技機C7において、前記発光手段は、前記変位部材に配設されると共に、前記変位部材の退避位置は、前記センターフレームの領域形成部の背面とされることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C7の奏する効果に加え、発光手段が変位部材に配設されると共に、その変位部材の退避位置がセンターフレームの領域形成部の背面とされるので、変位部材が退避位置に配置された状態では、センターフレームの領域形成部を介して変位部材を視認可能としつつ、その変位部材の発光手段から発光された光を側壁部を介して導光させた上で視認させることができる。これにより、光の演出効果を高めることができる。
遊技機C1からC8のいずれかにおいて、前記センターフレームの領域形成部は、その領域内に立設され遊技球が流下する通路を区画すると共に前記センターフレームに一体に形成される一対の側壁部を備え、それら一対の側壁部の対向面には、それぞれ1又は複数の突起が突設されることを特徴とする遊技機C9。
ここで、センターフレームが樹脂材料から形成されその領域形成部に釘を植設できない場合、一対の側壁部に区画された通路を流下する遊技球の流下速度が速くなり、流下する遊技球を遊技者が視認し難くなる。
これに対し、遊技機C9によれば、一対の側壁部の対向面には、それぞれ1又は複数の突起が突設されるので、一対の側壁部に区画された通路を遊技球が流下する場合に、その遊技球を突起に衝突させて、その流下を阻害することができる。これにより、遊技機C1からC8の奏する効果に加え、遊技球の流下速度を遅くして、流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできる。
遊技機C9において、前記一対の側壁部の一方の対向面の突起と他方の対向面の突起とが千鳥状に配置されることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C9の奏する効果に加え、一対の側壁部の一方の対向面の突起と他方の対向面の突起とが千鳥状に配置されるので、一対の側壁部に区画された通路を遊技球が流下する場合に、その遊技球を左右の突起に交互に衝突させて、流下する遊技球を蛇行させることができる。これにより、遊技機C9の奏する効果に加え、遊技球の流下速度をより遅くして、流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできると共に、流下する遊技球を流下方向と直交する方向にも変位させ、遊技球の動きに変化を与えることができる。
遊技機C10において、前記センターフレームの領域形成部は、その前面に凹設され略鋸刃形状に延設される凹溝を備えることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C10の奏する効果に加え、センターフレームの領域形成部は、その前面に凹設され略鋸刃形状に延設される凹溝を備えるので、領域形成部を遊技球が流下する場合に、その遊技球を凹溝の内面によって案内して蛇行させることができる。これにより、遊技球の流下速度を遅くして、流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできる。また、遊技機C7に従属する遊技機C11によれば、凹溝をレンズとして利用して、発光手段から発光された光を遊技領域の前面に導光させることができ、光による演出効果を発揮することができる。
遊技機C11において、前記凹溝は、その屈曲部分が前記突起に対して遊技球の流下方向にずれて配置されることを特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、遊技機C11の奏する効果に加え、凹溝は、その屈曲部分が突起に対して遊技球の流下方向にずれて配置されるので、領域形成部を遊技球が流下する場合に、凹溝の内面に案内されて蛇行する遊技球を突起に交互に衝突しやすくできる。よって、凹溝による作用と突起による作用との両者を利用して相乗効果を得ることができる。その結果、遊技球の流下速度をより遅くして、流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできる。また、遊技球の動きの変化をより大きくすることができる。
遊技機C10において、前記センターフレームの領域形成部は、その前面から突設され略鋸刃形状に延設される凸条を備えることを特徴とする遊技機C13。
遊技機C13によれば、遊技機C10の奏する効果に加え、センターフレームの領域形成部は、その前面から突設され略鋸刃形状に延設される凸条を備えるので、領域形成部を遊技球が流下する場合に、その遊技球を凸条の外面によって案内して蛇行させることができる。これにより、遊技球の流下速度を遅くして、流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできる。また、遊技機C7に従属する遊技機C13によれば、凸条をレンズとして利用して、発光手段から発光された光を遊技領域の前面に導光させることができ、光による演出効果を発揮することができる。
遊技機C13において、前記凸条は、その屈曲部分が前記突起に対して遊技球の流下方向に一致して配置されることを特徴とする遊技機C14。
遊技機C14によれば、遊技機C13の奏する効果に加え、凸条は、その屈曲部分が突起に対して遊技球の流下方向に一致して配置されるので、領域形成部を遊技球が流下する場合に、凸条の外面に案内されて蛇行する遊技球を突起に交互に衝突しやすくできる。よって、凸条による作用と突起による作用との両者を利用して相乗効果を得ることができる。その結果、遊技球の流下速度をより遅くして、流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできる。また、遊技球の動きの変化をより大きくすることができる。
遊技機C11からC14のいずれかにおいて、前記凹溝または凸条の終端側は、その延長方向が前記下流壁部に重なると共に、前記一対の側壁部により区画された通路の出口を指向することを特徴とする遊技機C15。
遊技機C15によれば、遊技機C11からC14のいずれかの奏する効果に加え、凹溝または凸条の終端側は、その延長方向が下流壁部に重なると共に、一対の側壁部により区画された通路の出口を指向するので、凹溝または凸条の終端側に案内された遊技球を下流壁部に対して斜め方向から衝突させることができ、これにより、遊技球のバウンドを抑制し且つその流下速度を低減させつつ、かかる遊技球を通路の出口へ向けて流下させることができる。その結果、遊技球を、通路の出口からスムーズに流出させることができる。
<入賞装置65を一例とする発明の概念について>
一端側と他端側との間が回動軸により回転可能に軸支されるシーソー部材を備え、前記シーソー部材が、無負荷状態では、一端側が下降されると共に他端側が上昇された第1状態を形成すると共に、遊技球が前記回転軸よりも他端側に載置されることで、一端側が上昇されると共に他端側が下降された第2状態を形成する遊技機において、前記シーソー部材へ遊技球を案内する案内手段を備え、前記シーソー部材は、前記案内手段から案内された遊技球を受け取る受け面を備え、その受け面が前記回転軸よりも前記一端側に位置することを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、一端側と他端側との間が回動軸により回転可能に軸支されるシーソー部材を備え、そのシーソー部材が、無負荷状態では、一端側が下降されると共に他端側が上昇された第1状態を形成すると共に、遊技球が回転軸よりも他端側に載置されることで、一端側が上昇されると共に他端側が下降された第2状態を形成する遊技機がある(例えば、特開2007−283136号公報)。
この遊技機によれば、第1状態にあるシーソー部材に対し、遊技球が落下され、その遊技球が回転軸と他端側との間に載置されると、その遊技球の重みにより、他端側が下降されると共に一端側が上昇され、第2状態が形成される。一方、回転軸と他端側との間に載置されていた遊技球が排出されると、他端側が上昇されると共に一端側が下降され、第1状態に復帰される。即ち、落下された遊技球の重みを利用して、第1状態と第2状態とを交互に現出させることができ、シーソー部材の一端側および他端側が上下に変位される動作による演出を行うことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、複数の遊技球が連続して落下されると、他端側が下降されると共に一端側が上昇された第2状態に維持され、第1状態と第2状態とを交互に切り替えることができないという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、シーソー部材は、案内手段から案内された遊技球を受け止める受け面が回転軸よりも一端側に位置するので、他端側が下降されると共に一端側が上昇された第2状態であっても、受け面で受け止めた遊技球の重みにより、一端側を下降させることができる。即ち、一端側が下降されると共に他端側が上昇された第1状態を形成することができる。その結果、複数の遊技球が連続して落下される場合であっても、第1状態と第2状態とを交互に切り替えやすくすることができる。
遊技機D1において、前記受け面は、前記第1状態において前記案内手段から案内された遊技球を受け取った場合に、その遊技球を前記他端側へ送出可能に形成されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、受け面は、第1状態において案内手段から案内された遊技球を受け取った場合に、その遊技球を他端側へ送出可能に形成されるので、第1状態から第2状態の切り替えを確実に行うことができる。
なお、遊技球を他端側へ送出可能に形成される形態としては、例えば、第1状態においても受け面が一端側から他端側へ下降傾斜される形態、受け面に突起が形成され、その突起が、案内手段から案内された遊技球を他端側へ跳ね返す形状に形成される形態などが例示される。
遊技機D1又はD2において、回転可能に軸支される装飾部材を備え、その装飾部材に前記シーソー部材の一端側が連結され、前記シーソー部材の回転軸を中心とする回転に伴って、前記装飾部材が変位されることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、回転可能に軸支される装飾部材を備え、その装飾部材にシーソー部材の一端側が連結され、シーソー部材の回転軸を中心とする回転に伴って、装飾部材が変位されるリンク機構を形成するので、そのリンク比により、装飾部材の可動範囲を拡大して、演出効果を高めることができる。
ここで、シーソー部材の第1状態と第2状態との交互の切り替えを確実に行うためには、無負荷状態となった際に、一端側が下降されると共に他端側が上昇される第1状態にシーソー部材を早期に復帰できることが好ましい。この場合に、遊技機D3によれば、シーソー部材の一端側には、装飾部材が連結されるので、かかる装飾部材の重みを、シーソー部材の一端側に作用させて、かかる一端側を下降させることができる。よって、無負荷状態となった際には、一端側が下降されると共に他端側が上昇される第1状態にシーソー部材を早期に復帰させやすくでき、その結果、シーソー部材の第1状態と第2状態との交互の切り替えを行いやすくできる。
なお、装飾部材の重みは、シーソー部材の一端側を上昇させる(第2状態を形成する)ことを阻害するが、遊技球の重みが十分に重いので、かかる遊技球がシーソー部材の回転軸よりも他端側に載置されることで、一端側が上昇されると共に他端側が下降された第2状態を形成できる。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記遊技球が通過する通路を備え、その通路の終端側には、略水平方向に延設されると共に遊技球が転動する転動案内面を有する水平通路が形成され、その水平通路の転動案内面を転動した遊技球が前記シーソー部材の受け面へ略水平方向から案内されることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3の奏する効果に加え、案内手段は、遊技球が通過する通路を備えるので、かかる通路を利用して、複数の遊技球を貯留することができると共に、それら複数の遊技球を通路からシーソー部材の受け面へ順に案内することができる。
しかし、この場合であっても、遊技球をシーソー部材の受け面へその上方から落下により案内する形態では、複数の遊技球が連続して案内されると、これら複数の遊技球が受け面上に積み重なり、シーソー部材の第1状態と第2状態との交互の切り替えを行うことができない。
これに対し、遊技機D4によれば、通路の終端側には、略水平方向に延設されると共に遊技球が転動する転動案内面を有する水平通路が形成され、その水平通路の転動案内面を転動した遊技球がシーソー部材の受け面へ略水平方向から案内されるので、水平通路からシーソー部材の受け面へ1球ずつ順に案内することができ(即ち、受け面は水平通路から1球ずつ順に受け取ることができ)、かかる受け面に複数の遊技球が積み重なることを回避できる。よって、シーソー部材の第1状態と第2状態との交互の切り替えを行いやすくできる。
遊技機D4において、前記案内手段は、前記水平通路の上流側に連結されると共に前記水平通路の延設方向と異なる方向に延設される上流通路を備え、前記水平通路の延設長さが遊技球の直径の2倍よりも小さい寸法に設定されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、案内手段は、水平通路の上流側に連結されると共に水平通路の延設方向と異なる方向に延設される上流通路を備え、水平通路の延設長さが遊技球の直径の2倍よりも小さい寸法に設定されるので、通路に複数の遊技球が貯留される場合でも、シーソー部材の受け面に遊技球を1球ずつ間隔を隔てさせつつ案内することができる。
即ち、水平通路の延設長さが遊技球の直径の2倍よりも小さい寸法に設定されるので、かかる水平通路には1の遊技球のみが存在する状態とでき、また、水平通路の延設方向と上流通路の延設方向とが異なる方向とされるので、上流通路から水平通路へ球が流入する際には、その流入方向を変える必要を生じさせ、その方向転換の分、水平通路への流入に要する時間を嵩ませることができる。よって、水平通路に存在する先の遊技球がシーソー部材の受け面に案内されると、上流通路の後の遊技球が、方向転換に時間を要しつつ、水平通路へ流入され、かかる後の遊技球が水平通路からシーソー部材の受け面へ案内される。即ち、後の遊技球は、先の遊技球との間に間隔を隔てる。その結果、シーソー部材の受け面に遊技球を1球ずつ間隔を隔てさせつつ案内することができる。
遊技機D4又はD5において、少なくとも前記第2状態では、前記シーソー部材の受け面が前記水平通路の転動案内面よりも上方に位置することを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D4又はD5の奏する効果に加え、少なくとも第2状態(一端側が上昇されると共に他端側が下降された状態)では、シーソー部材の受け面が水平通路の転動案内面よりも上方に位置する、即ち、受け面と転動案内面との間に段差が形成されるので、水平通路の転動案内面を転動した遊技球がシーソー部材の受け面に案内される際には、かかる遊技球を受け面に乗り上げさせる(段差に衝突させる)ことができ、この乗り上げ動作(衝突)を利用して、シーソー部材の受け面を下降させやすくすることができる。その結果、一端側が下降されると共に他端側が上昇された第1状態を形成しやすくすることができる。
遊技機D6において、少なくとも第1状態では、前記シーソー部材の受け面が、前記水平通路の転動案内面と面一に位置する又は前記水平通路の転動案内面よりも下方に位置することを特徴とする遊技機D7。
ここで、シーソー部材が第1状態にあるということは、かかるシーソー部材が無負荷状態にあり、水平通路から案内されて受け面で受け取った遊技球を速やかに他端側へ送り出すことで、その遊技球の重みを回転軸よりも他端側に作用させ、かかる他端側を下降させる(第2状態を形成する)ことが求められているということである。
この場合、遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、少なくとも第1状態では、シーソー部材の受け面が、水平通路の転動案内面と面一に位置する又は水平通路の転動案内面よりも下方に位置するので、水平通路の転動案内面からシーソー部材の受け面に遊技球をスムーズに案内することができる。即ち、第2状態の場合のように、遊技球が受け面に乗り上げる(段差に衝突する)必要がなく、かかる動作でタイムラグが生じることを回避できる。よって、遊技球を他端側へ速やかに送り出すことができ、その結果、一端側が上昇されると共に他端側が下降された第2状態を形成しやすくすることができる。
なお、第1状態では、シーソー部材の受け面が水平通路の転動案内面と面一に位置することが好ましい。シーソー部材の受け面が水平通路の転動案内面よりも下方に位置する場合には、水平通路の転動案内面から案内された遊技球がシーソー部材の受け面へ落下されるため、遊技球がバウンドして、その分、タイムラグが生じると共に、落下の衝撃によりシーソー部材の回転軸の負荷が大きくなるためである。
遊技機D1からD7のいずれかにおいて、前記シーソー部材は、前記回転軸の軸方向視において、前記他端側が略くの字状に上方へ向けて屈曲して形成されることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D1からD7のいずれかの奏する効果に加え、シーソー部材は、その回転軸の軸方向視において、他端側が略くの字状に上方へ向けて屈曲して形成されるので、シーソー部材の配設に要するスペースを抑制しつつ、シーソー部材の第1状態と第2状態との交互の切り替えを行いやすくできる。
即ち、シーソー部材は、回転軸よりも他端側の下降傾斜が不十分であると、かかる他端側に遊技球が載置されている時間(即ち、他端側が下降され、第2状態が形成されている時間)が長くなり、第1状態と第2状態との交互の切り替えが阻害される。しかし、回転軸よりも他端側の全域を下降傾斜としたのでは、シーソー部材の配設に許容されるスペースから他端側がはみ出してしまう(即ち、シーソー部材の配設に要するスペースが大きくなる)。一方で、シーソー部材の配設に許容されるスペースに収まるように、回転軸から他端側までの長さを短くしたのでは、他端側に遊技球が載置されている時間(即ち、他端側が下降され、第2状態が形成されている時間)が短くなり、第2状態の形成が不確実となるため、第1状態と第2状態との交互の切り替えが阻害される。また、回転軸から他端側までの長さを確保したまま、シーソー部材の配設に許容されるスペースに収まらせるためには、かかる回転軸よりも他端側の下降傾斜が不十分となる。
これに対し、シーソー部材の他端側を、回転軸の軸方向視において、略くの字状に上方へ向けて屈曲する形状に形成することで、上述した各不具合を解消でき、その結果、シーソー部材の配設に要するスペースを抑制しつつ、シーソー部材の第1状態と第2状態との交互の切り替えを行いやすくできる。
遊技機D1からD8のいずれかにおいて、前記シーソー部材をその回転軸から他端側へ向けて転動された遊技球が流入される流入口を備え、前記シーソー部材の他端側には、前記回転軸から他端側へ向けて転動された遊技球の転動方向を前記流入口へ向かう方向へ切り替え可能に形成される爪部が突設されることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D1からD8のいずれかにおいて、シーソー部材の他端側には、回転軸から他端側へ向けて転動された遊技球の転動方向を流入口へ向かう方向へ切り替え可能に形成される爪部が突設されるので、遊技球を流入口へ速やかに流入させることができる。よって、シーソー部材の他端側に遊技球が載置されている時間(即ち、他端側が下降され、第2状態が形成されている時間)が長くなり過ぎて、第1状態と第2状態との交互の切り替えが阻害されることを抑制できる。
遊技機D9において、前記爪部は、前記シーソー部材の幅方向において、前記流入口と反対側に偏って配設されることを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機D9の奏する効果に加え、爪部は、シーソー部材の幅方向において、流入口と反対側に配設されるので、遊技球の転動する位置がシーソー部材の幅方向においてばらつく場合であっても、シーソー部材の回転軸よりも他端側に遊技球が載置されている時間(即ち、他端側が下降され、第2状態が形成されている時間)を一定としやすくできる。
即ち、爪部が、シーソー部材の幅方向において、流入口と反対側に偏って配設されることで、シーソー部材の幅方向奥側(流入口と反対側)を転動する遊技球は、シーソー部材の幅方向における流入口までの距離が長いため、爪部に早い段階で衝突させ、流入口へ転動させる一方、シーソー部材の幅方向手前(流入口に近い側)を転動する遊技球は、シーソー部材の幅方向における流入口までの距離が短いため、爪部への衝突を遅らせることができる。これにより、前者および後者のそれぞれにおいて、遊技球がシーソー部材の回転軸よりも他端側に載置されている時間を同等に近づけることができる。
その結果、遊技球の転動する位置がシーソー部材の幅方向においてばらつく場合であっても、シーソー部材の回転軸よりも他端側に遊技球が載置されている時間(即ち、他端側が下降され、第2状態が形成されている時間)を一定としやすくできる。
遊技機D1からD10のいずれかにおいて、前記シーソー部材をその回転軸から他端側へ向けて転動された遊技球が流入される流入口を備え、その流入口の横幅が遊技球の直径の2倍よりも大きな寸法に設定されることを特徴とする遊技機D11。
遊技機D11によれば、遊技機D1からD10のいずれかにおいて、シーソー部材をその回転軸から他端側へ向けて転動された遊技球が流入される流入口を備え、その流入口の横幅が遊技球の直径の2倍よりも大きな寸法に設定されるので、シーソー部材の他端側に先の遊技球が存在する状態で次の遊技球が更に他端側へ向けて転動される場合に、これら各遊技球のそれぞれを流入口へスムーズに流入させることができる。例えば、先の遊技球に後の遊技球が衝突して、これら各遊技球が同時に流入口へ転動される場合でも、それぞれをスムーズに流入させることができる。
遊技機D11において、前記流入口は、前記シーソー部材の他端側における高さ寸法よりも回転軸側における高さ寸法の方が大きな寸法に設定されることを特徴とする遊技機D12。
遊技機D12によれば、遊技機D11の奏する効果に加え、流入口は、シーソー部材の他端側における高さ寸法よりも回転軸側における高さ寸法の方が大きな寸法に設定されるので、シーソー部材の他端側に先の遊技球が存在する状態で次の遊技球が更に他端側へ向けて転動されて衝突された場合でも、これら各遊技球のそれぞれを流入口へスムーズに流入させることができる。即ち、先の遊技球に衝突した後の遊技球が跳ね上げられた場合でも、流入口は回転軸側における高さ寸法が高くされるので、その高さを利用して、かかる後の遊技球をスムーズに排出させることができる。一方で、先の遊技球は、後の遊技球に衝突されたとしても、跳ね上げられ難いため、他端側における高さ寸法が低くされることで、先の遊技球を流入口へスムーズに流入させつつ、流入口に要するスペースを抑制して、その分、他の部材を配設するためのスペースを確保することができる。
遊技機D1からD12のいずれかにおいて、前記シーソー部材が少なくとも第2状態に配置された状態において、前記案内手段から前記シーソー部材への遊技球の案内を抑制する抑制手段を備えることを特徴とする遊技機D13。
遊技機D13によれば、遊技機D1からD12のいずれかにおいて、シーソー部材が少なくとも第2状態に配置された状態において、案内手段からシーソー部材への遊技球の案内を抑制する抑制手段を備えるので、シーソー部材の他端側の遊技球が排球される時間を確保できる。その結果、複数の遊技球が連続して落下される場合であっても、第1状態と第2状態とを交互に切り替えやすくすることができる。
遊技機D13において、前記案内手段は、前記シーソー部材へ遊技球を送出する送出口を備え、前記抑制手段は、前記回転軸よりも前記シーソー部材の一端側に配設される規制部を備え、前記シーソー部材が少なくとも第2状態まで回転されると、前記規制部の少なくとも一部を前記送出口へ突出させることで、前記送出口から前記シーソー部材への遊技球の送出を抑制することを特徴とする遊技機D14。
遊技機D14によれば、遊技機D13の奏する効果に加え、抑制手段は、回転軸よりもシーソー部材の一端側に配設される規制部を備え、シーソー部材が少なくとも第2状態まで回転されると、規制部の少なくとも一部を送出口へ突出させることで、送出口からシーソー部材への遊技球の送出を抑制するので、構造を簡素化して、製品コストの削減を図ることができる。即ち、送出口に規制部を突出させる機構をシーソー部材に兼用させることができ、規制部を変位させる駆動機構やその変位タイミングを制御する制御手段を不要とできる。
なお、規制部が送出口へ突出され、遊技球の送出が抑制された状態とは、遊技機が送出口を通過不能とされる場合と、遊技球が送出口を通過可能とされる場合の両者を含む。後者(通過可能)の場合であっても、規制部が送出口へ突出され、送出口の通路幅を狭くされることで、送出口の内壁と規制部の外壁とに衝突されつつ遊技球が送出口から送出されるので、その遊技球の送球が抑制される。即ち、連なった状態の遊技球を分離できる。
<入賞装置65を一例とする発明の概念について>
一端側と他端側との間が回動軸により回転可能に軸支されるシーソー部材を備え、前記シーソー部材が、無負荷状態では、一端側が下降されると共に他端側が上昇された第1状態を形成すると共に、遊技球が前記回転軸よりも他端側に載置されることで、一端側が上昇されると共に他端側が下降された第2状態を形成する遊技機において、前記回転軸よりも他端側に載置された遊技球を排出しやすくする排出手段を備えることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、一端側と他端側との間が回動軸により回転可能に軸支されるシーソー部材を備え、そのシーソー部材が、無負荷状態では、一端側が下降されると共に他端側が上昇された第1状態を形成すると共に、遊技球が回転軸よりも他端側に載置されることで、一端側が上昇されると共に他端側が下降された第2状態を形成する遊技機がある(例えば、特開2007−283136号公報)。
この遊技機によれば、第1状態にあるシーソー部材に対し、遊技球が落下され、その遊技球が回転軸と他端側との間に載置されると、その遊技球の重みにより、他端側が下降されると共に一端側が上昇され、第2状態が形成される。一方、回転軸と他端側との間に載置されていた遊技球が排出されると、他端側が上昇されると共に一端側が下降され、第1状態に復帰される。即ち、落下された遊技球の重みを利用して、第1状態と第2状態とを交互に現出させることができ、シーソー部材の一端側および他端側が上下に変位される動作による演出を行うことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、複数の遊技球が連続して落下されると、他端側が下降されると共に一端側が上昇された第2状態に維持され、第1状態と第2状態とを交互に切り替えることができないという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、シーソー部材は、他端側に載置された遊技球を排出しやすくする排出手段を備えるので、他端側が下降されると共に一端側が上昇された第2状態であっても、排出手段により遊技球を他端側から排出して、他端側の遊技球の重さを取り除き、一端側を下降させやすくすることができる。即ち、遊技球が回転軸よりも他端側に載置されている状態(即ち、第2状態が形成されている状態)を早期に終了させて、一端側が下降されると共に他端側が上昇された第1状態を形成することができる。その結果、複数の遊技球が連続して落下される場合であっても、第1状態と第2状態とを交互に切り替えやすくすることができる。
遊技機E1において、前記排出手段は、回転可能に軸支される軸支部と、その軸支部の一側に配設されると共に前記案内手段から案内された遊技球を受け止める受け部と、その受け部に対して前記軸支分を挟んで配設される押出部とを備え、前記受け部が前記案内手段から案内された遊技球を受け止めると、前記軸支部を中心とした回転により、前記押出部が前記シーソー部材の他端側へ突出されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、排出手段は、受け部が案内手段から案内された遊技球を受け止めると、軸支部を中心とした回転により、押出部がシーソー部材の他端側へ突出されるので、かかるシーソー部材の他端側に載置される遊技球を押出部により押し出して、シーソー部材から排出することができる。これにより、押出部による遊技球の排出によりシーソー部材の他端側を上昇させると共に、受け部で受け止めた遊技球の重さによりシーソー部材の一端側を下降させることができるので、第2状態を早期に終了させて、第1状態と第2状態とを交互に切り替えやすくすることができる。また、受け部が遊技球を受け止める動作を利用して、排出手段を回転させる(押出部を突出させる)ので、かかる回転のための駆動機構やその回転タイミングを制御する制御手段を不要とできる。
遊技機E2において、前記排出手段は、前記軸支部が前記シーソー部材に回転可能に軸支されることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、排出手段は、軸支部がシーソー部材に回転可能に軸支されるので、シーソー部材に対する排出手段の相対位置を一定とすることができる。よって、案内手段から案内された遊技球を受け部で受け止めやすくして、軸支部を中心とした回転を確実に形成できると共に、その回転によりシーソー部材の他端側へ突出される押出部を遊技球に当接しやすくして、かかる遊技球をシーソー部材から確実に押し出す(排出する)ことができる。その結果、第1状態と第2状態とを交互に切り替えやすくすることができる。
遊技機E2又はE3において、前記シーソー部材の回転軸および前記排出手段の軸支部にそれぞれ直交する仮想平面に対して、前記排出手段は、前記受け部が前記押出部よりも後退可能量が大きくされることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E2又はE3の奏する効果に加え、排出手段は、受け部が押出部よりも後退可能量が大きくされるので、遊技球を受け部で受け止めた際の排出手段の回転角角度を確保して、その分、受け止めた遊技球から受け取るエネルギーを大きくできる。その結果、かかる受け部の後退に伴う押出部による遊技球の押し出し力を確保できる。即ち、遊技球を速やかに排出しやすくできる。
一方、受け部よりも押出部の後退量が小さくされることで、シーソー部材を他端側へ向けて転動する遊技球が押出部を後退させる際に、遊技球の転動軌跡が嵩むことを抑制でき、かかる遊技球を速やかに排出しやすくできる。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、前記排出手段は、前記シーソー部材の回転軸の軸方向一方を軸方向他方に対して相対的に上昇させることで、前記回転軸よりも他端側に載置された遊技球を排出しやすくすることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4のいずれかの奏する効果に加え、排出手段によって、シーソー部材の回転軸の軸方向一方が軸方向他方に対して相対的に上昇されることで、かかる回転軸の軸方向一方から軸方向他方へ向かうシーソー部材の下降傾斜の角度を大きくして、回転軸よりも他端側に載置される遊技球をシーソー部材から排出することができる。これにより、第1状態と第2状態とを交互に切り替えやすくすることができる。
なお、回転軸の軸方向一方が回転軸の軸方向他方よりも相対的に上昇されるとは、軸方向一方の上昇量が軸方向他方の上昇量よりも大きければ足りる趣旨である。よって、上昇させた後の状態が、軸方向一方が軸方向他方よりも低い位置に配置されていても良い。
遊技機E5において、前記排出手段は、前記シーソー部材が前記第1状態から第2状態へ向けて回転される場合に、第1の区間では、前記シーソー部材の回転軸の軸方向一方を軸方向他方に対して相対的に上昇させず、かつ、前記第1の区間よりも前記第2状態に近い第2の区間では、前記シーソー部材の回転軸の軸方向一方を軸方向他方に対して相対的に上昇させることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、排出手段は、シーソー部材が第1状態から第2状態へ向けて回転される場合に、第1の区間では、シーソー部材の回転軸の軸方向一方を軸方向他方に対して相対的に上昇させず、かつ、第1の区間よりも第2状態に近い第2の区間では、シーソー部材の回転軸の軸方向一方を軸方向他方に対して相対的に上昇させるので、第2状態を確実に形成可能としつつ、第1状態と第2状態との交互の切り替えを円滑に行わせることができる。
即ち、シーソー部材の回転軸の軸方向一方を軸方向他方に対して相対的に上昇させる動作が第1の区間から行われてしまうと、遊技球の排出が早まり、第2状態を確実に形成できない。一方、シーソー部材の回転軸の軸方向一方を軸方向他方に対して相対的に上昇させる動作が行わなれなければ、遊技球の排出が遅くなる(滞留時間が長くなる)ことで、第2状態に維持されやすくなる。
これに対し、遊技機E5によれば、シーソー部材が第1状態から第2状態へ向けて回転される場合に、第1の区間では、シーソー部材の回転軸の軸方向一方を軸方向他方に対して相対的に上昇させないので、遊技球の排出が早まることを抑制して(即ち、遊技球を留まらせて)、第2状態を確実に形成しやすくすることができる。一方、第2の区間では、シーソー部材の回転軸の軸方向一方を軸方向他方に対して相対的に上昇させるので、遊技球を速やかに排出することができ、遊技球が載置されている時間(即ち、第2状態が形成されている時間)を短くできる。その結果、第2状態を確実に形成可能としつつ、第1状態と第2状態との交互の切り替えを円滑に行わせることができる。
遊技機E5又は遊技機E6において、前記シーソー部材は、少なくとも前記回転軸の軸方向一方にカムが形成され、前記回転軸の回転に伴って、前記回転軸の軸心から前記カムの外周面までの距離が増加されることで、前記シーソー部材の回転軸の軸方向一方を軸方向他方に対して相対的に上昇させることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E5又はE6の奏する効果に加え、少なくとも回転軸の軸方向一方にカムが形成され、回転軸の回転に伴って、回転軸の軸心からカムの外周面までの距離が増加されることで、シーソー部材の回転軸の軸方向一方を軸方向他方に対して相対的に上昇させるので、かかる回転軸を動作させるための駆動機構やその駆動タイミングを制御する制御手段を不要とできる。また、第1の区間と第2の区間とを確実に形成できると共に、第1及び第2区間の比率の設計の自由度を高めることができる。
遊技機E5からE7のいずれかにおいて、前記シーソー部材が前記第1状態から第2状態へ回転される場合の移動軌跡上に配設される押し上げ部を備え、その押し上げ部が前記シーソー部材に当接されることで、前記シーソー部材の回転軸の軸方向一方を軸方向他方に対して相対的に上昇させることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E5からE7のいずれかの奏する効果に加え、シーソー部材が第1状態から第2状態へ回転される場合の移動軌跡上に配設される押し上げ部を備え、その押し上げ部がシーソー部材に当接されることで、シーソー部材の回転軸の軸方向一方を軸方向他方に対して相対的に上昇させるので、かかる回転軸を動作させるための駆動機構やその駆動タイミングを制御する制御手段を不要とできる。また、第1の区間と第2の区間とを確実に形成できると共に、それら各区間の比率の設計の自由度を高めることができる。
<ベース側係合部材12726一例とする発明の概念について>
ベース部材と、そのベース部材に基端側が回転可能に配設され退避位置および張出位置の間で回転される変位部材とを備えた遊技機において、前記ベース部材がベース側係合部材を備えると共に、前記退避位置において前記ベース側係合部材に係合可能に形成される変位側係合部材を前記変位部材が備え、前記第1変位部材が張出位置に配置された状態では、前記ベース部材の正面視において、前記ベース側係合部材が遊技者から視認し難く形成されることを特徴とする遊技機F1。
ここで、パチンコ等の遊技機において、ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される第1変位部材および第2変位部材と、それら第1変位部材および第2変位部材に駆動力を伝達する伝達部材と、その伝達部材に駆動力を付与する駆動手段とを有する演出部材を備え、伝達部材に設けられた第1溝および第2溝を介して、第1変位部材および第2変位部材が伝達部材に連結された遊技機がある(例えば、特開2009−100994号公報)。
この従来の遊技機では、ベース部材と第2変位部材との間を連結部材が架設状態で連結し、退避位置では、第1変位部材の回転軸から比較的離れた位置において、ベース部材と第2変位部材とが連結部材により連結される。よって、第1変位部材が、その回転軸と反対側の部分(即ち、第2変位部材側)をベース部材から離間する方向へ傾倒させようとしても、ベース部材と第2変位部材との間に介在される連結部材の作用により、その傾倒を抑制することができる。
しかし、遊技機F1では、変位部材の基端側が回転可能に軸支される一方、基端側と反対側(先端側)が自由端となる。よって、退避位置において、自身の重みや前面側に配設される装飾部分の重みにより、基端側と反対側(先端側)がベース部材から離間する方向へ傾倒(前倒れ)しやすい。
この場合に、遊技機F1によれば、ベース部材がベース側係合部材を備えると共に、変位部材が変位側係合部材を備え、変位部材が退避位置へ変位された状態では、ベース側係合部材および変位側係合部材が係合可能に形成されるので、変位部材の基端側と反対側(先端側)がベース部材から離間する方向へ傾倒することを抑制できる。
一方で、このように、ベース部材にベース側係合部材を設けると共に、変位部材に変位側係合部材を設けた場合には、変位部材が張出位置へ張り出されると、ベース部材の正面が露出されるため、ベース側係合部材が遊技者から視認され、外観が損なわれる。これに対し、遊技機F1によれば、ベース部材の正面視において、ベース側係合部材が遊技者から視認し難く形成されるので、外観が損なわれることを抑制できる。
遊技機F1において、前記ベース側係合部材は、前記ベース部材の正面に出没可能に配設され、前記変位部材が退避位置へ回転されると、前記ベース側係合部材が前記ベース部材の正面から突出されると共に、前記変位部材が張出位置へ回転されると、前記ベース側係合部材が前記ベース部材の背面側へ向けて没入されることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、ベース側係合部材は、ベース部材の正面に出没可能に配設され、変位部材が張出位置へ回転されると、ベース側係合部材がベース部材の背面側へ向けて没入されるので、ベース部材の正面視において、ベース側係合部材が遊技者から視認し難くでき、外観が損なわれることを抑制できる。
また、変位部材が退避位置へ回転されると、ベース側係合部材がベース部材の正面から突出されるので、その分、変位側係合部材の変位部材の背面からの突出高さを低くすることができる。これにより、変位部材が回転される際に変位側係合部材が他の部材と干渉することを抑制できる。言い換えると、変位側係合部材の突出高さを低くできる分、他の部材が変位するためのスペースを確保できる。
遊技機F2において、前記変位部材を前記ベース部材に対して回転駆動させる駆動手段を備え、前記駆動手段の駆動力の作用により、前記ベース側係合部材が前記ベース部材の正面から突出されることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、変位部材をベース部材に対して回転駆動させる駆動手段を備え、駆動手段の駆動力の作用により、ベース側係合部材がベース部材の正面から突出されるので、駆動手段を兼用して、製品コストの削減を図ることができる。即ち、変位部材を回転駆動するための駆動力を、ベース側係合部材を突出させるための駆動力としても兼用でき、かかる突出のための駆動手段を別途設けることを不要とできる。
なお、駆動手段の駆動力の作用によりベース側係合部材を突出させる形態としては、駆動手段の駆動力により変位部材が回転される際に、その変位部材によって直接または間接的にベース側係合部材が突出方向へ変位される形態や、駆動手段の駆動力を変位部材へ伝達する伝達部材が変位される際に、その変位部材によって直接または間接的にベース側係合部材が突出方向へ変位される形態などが例示される。
遊技機F3において、前記ベース側係合部材を没入方向へ向けて付勢する付勢手段を備え、前記駆動手段の駆動力の作用が解除されると、前記付勢手段の付勢力の作用により前記ベース側係合部材が没入位置に復帰されることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、ベース側係合部材を没入方向へ向けて付勢する付勢手段を備え、駆動手段の駆動力の作用が解除されると、付勢手段の付勢力の作用によりベース側係合部材が没入位置に復帰されるので、突出方向および没入方向の両方を、駆動手段の駆動力の作用に連動させる必要がなく、突出方向のみを連動させればよいので、その分、構造を簡素化することができる。
遊技機F1において、前記ベース側係合部材は、前記ベース部材の正面から後退可能に配設され、前記変位部材が退避位置へ回転されると、前記ベース側係合部材が前記ベース部材の正面から後退されると共に、前記変位部材が張出位置へ回転されると、前記ベース側係合部材が前記ベース部材の正面側へ向けて前進されることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、ベース側係合部材は、変位部材が退避位置へ回転されると、ベース側係合部材がベース部材の正面から後退されるので、ベース側係合部材および変位側係合部材の係合により、変位部材の基端側と反対側(先端側)がベース部材から離間する方向へ傾倒することを抑制できるだけでなく、ベース側係合部材および変位側係合部材の係合面(内面)どうしの間隔を狭くして、変位部材の先端側における前後方向へのがたつきを抑制することができる。
また、変位部材が張出位置へ回転されると、ベース側係合部材がベース部材の正面へ向けて前進されるので、ベース部材の正面視において、ベース側係合部材が遊技者から視認し難くでき、外観が損なわれることを抑制できる。
<右回転ユニット18600を一例とする発明の概念について>
ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される第1変位部材と、その第1変位部材に変位可能に配設される第2変位部材と、それら第1変位部材および第2変位部材を駆動する駆動手段とを備えた遊技機において、前記第1変位部材は、少なくとも第1方向へ変位可能に形成され、前記第2変位部材が前記第1変位部材またはベース部材に当接可能に形成され、その第2変位部材と前記第1変位部材またはベース部材との当接により発生される慣性力を、前記第1変位部材を前記第1方向へ変位させる方向の力として作用させることを特徴とする遊技機G1。
ここで、パチンコ等の遊技機において、ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される第1変位部材および第2変位部材と、それら第1変位部材および第2変位部材に駆動力を付与する駆動手段とを備えた遊技機がある(例えば、特開2009−100994号公報)。この遊技機によれば、第1変位部材および第2変位部材の両者を変位させる態様と第1変位部材または第2変位部材の一方のみを変位させる態様とを形成することができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、例えば、第2変位部材のみを変位させる態様では、駆動手段の負荷は比較的小さい一方、第1変位部材および第2変位部材の両者を変位させる態様では、駆動手段の負荷が比較的大きいため、かかる態様が切り替わる際に、駆動手段の負荷が急激に変化(増加)する。そのため、駆動手段の耐久性の低下を招くと共に、態様の切り替わり時に変位速度が低下するなど、安定した(一定の)変位が困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機G1によれば、第2変位部材が第1変位部材またはベース部材に当接可能に形成され、その第2変位部材と第1変位部材またはベース部材との当接により発生される慣性力を、第1変位部材を第1方向へ変位させる方向の力として作用させるので、第2変位部材を変位させる第1の態様から第1変位部材を変位させる第2の態様へ切り替わる際に、慣性力の作用を補助力として利用することができ、駆動手段の負荷が急激に変化(増加)することを抑制できる。その結果、駆動手段の耐久性の向上を図ると共に、第1の態様から第2の態様への切り替わり時の変位速度の低下を抑制でき、安定した(一定の)変位を行いやすくすることができる。
なお、第1の態様および第2の態様としては、例えば、第1の態様が第2変位部材のみを変位させ、第2の態様が第1変位部材および第2変位部材の両者を変位させる態様、或いは、第1の態様が第2変位部材のみを変位させ、第2の態様が第1変位部材のみを変位させる態様が例示される。後者の態様は、特に、第2変位部材の変位に要する負荷よりも第1変位部材の変に要する負荷の方が十分に大きい場合(例えば、第2変位部材に比べて第1変位部材の重量が十分に思い場合など)に有効となる。
遊技機G1において、前記第1変位部材は、前記ベース部材に回転可能に軸支されると共に、前記第2変位部材は、前記第1変位部材に回転可能に軸支され、それら第1変位部材および第2変位部材の回転軸の向きが互いに平行な向きとされることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、第1変位部材は、ベース部材に回転可能に軸支されると共に、第2変位部材は、第1変位部材に回転可能に軸支され、それら第1変位部材および第2変位部材の回転軸の向きが互いに平行な向きとされるので、第2変位部材が第1変位部材またはベース部材に当接することで発生される慣性力を、第1変位部材を第1方向へ変位させる力として、かかる第1変位部材へ効率的に作用させることができる。
遊技機G1又はG2において、前記第2変位部材が前記第1変位部材またはベース部材に当接される際の前記第2変位部材の変位の方向が重力方向下方へ向かう成分を含む方向であることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1又はG2の奏する効果に加え、第2変位部材が第1変位部材またはベース部材に当接される際の第2変位部材の変位の方向が重力方向下方へ向かう成分を含む方向であるので、第2変位部材と第1変位部材またはベース部材との当接により発生される慣性力を確保しやすくできる。
遊技機G1からG3のいずれかにおいて、前記第1方向が、重力方向上方へ向かう成分を含む方向であることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G1からG3のいずれかの奏する効果に加え、第1方向が、重力方向上方へ向かう成分を含む方向であるので、第2変位部材と第1変位部材またはベース部材との当接により発生される慣性力を、第1変位部材を第1方向へ変位させる方向の補助力として利用することが特に有効となる。
遊技機G1から遊技機G4のいずれかにおいて、前記第1変位部材は、その一端側が前記ベース部材に回転可能に軸支されると共に、前記第2変位部材は、その一端側が前記第1変位部材の他端側に回転可能に軸支され、前記第2変位部材の他端側が前記第1方向と反対方向から前記第1変位部材の一端側へ近接される場合には、前記第2変位部材の他端側が前記ベース部材に当接されることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1からG4のいずれかの奏する効果に加え、第1変位部材の一端側がベース部材に回転可能に軸支されると共に、第2変位部材の一端側が第1変位部材の他端側に回転可能に軸支され、第2変位部材の他端側が第1方向と反対方向から第1変位部材の一端側へ近接される場合には、第2変位部材の他端側がベース部材に当接されるので、第2変位部材とベース部材との当接により発生される慣性力を、第1変位部材を第1方向へ変位させる方向の力として効率的に作用させることができる。即ち、第2変位部材を変位させる第1の態様から第1変位部材を変位させる第2の態様へ切り替わる際に、慣性力の作用を、第1変位部材を第1方向へ変位させるための補助力として効率的に利用することができる。
その結果、駆動手段の負荷が急激に変化(増加)することを抑制でき、駆動手段の耐久性の向上を図ると共に、第1の態様から第2の態様への切り替わり時の変位速度の低下を抑制して、安定した(一定の)変位を行いやすくすることができる。
遊技機G1から遊技機G4のいずれかにおいて、前記第1変位部材は、その一端側が前記ベース部材に回転可能に軸支されると共に、前記第2変位部材は、その一端側が前記第1変位部材の他端側に回転可能に軸支され、前記第2変位部材の他端側が前記第1方向と同じ方向から前記第1変位部材の一端側へ近接される場合には、前記第2変位部材の他端側が前記第1変位部材に当接されることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G1からG4のいずれかの奏する効果に加え、第1変位部材の一端側がベース部材に回転可能に軸支されると共に、第2変位部材の一端側が第1変位部材の他端側に回転可能に軸支され、第2変位部材の他端側が第1方向と同じ方向から第1変位部材の一端側へ近接される場合には、第2変位部材の他端側が第1変位部材に当接されるので、第2変位部材と第1変位部材との当接により発生される慣性力を、第1変位部材を第1方向へ変位させる方向の力として効率的に作用させることができる。即ち、第2変位部材を変位させる第1の態様から第1変位部材を変位させる第2の態様へ切り替わる際に、慣性力の作用を、第1変位部材を第1方向へ変位させるための補助力として効率的に利用することができる。
その結果、駆動手段の負荷が急激に変化(増加)することを抑制でき、駆動手段の耐久性の向上を図ると共に、第1の態様から第2の態様への切り替わり時の変位速度の低下を抑制して、安定した(一定の)変位を行いやすくすることができる。
遊技機G1からG7のいずれかにおいて、前記駆動手段の駆動力を第1変位部材および第2変位部材へ伝達するための駆動ピンを有する伝達部材を備え、前記第1変位部材は、前記駆動ピンから作用を受ける作用区間とその作用区間に連設されると共に前記駆動ピンが干渉しない非干渉区間とを有する第1溝を備え、前記第2変位部材は、前記駆動ピンから作用を受ける作用区間を少なくとも有する第2溝を備え、重ね合わされた前記第1溝および第2溝を前記駆動ピンが変位されることで、前記第1変位部材および第2変位部材が変位されることを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G1からG7の奏する効果に加え、第1変位部材の第1溝が、駆動ピンから作用を受ける作用区間とその作用区間に連設されると共に駆動ピンが干渉しない非干渉区間とをを備え、第2変位部材の第2溝が、駆動ピンから作用を受ける作用区間を少なくとも備えるので、駆動ピンが第1溝の非干渉区間および第2溝の作用区間を変位されることで、第1変位部材が停止状態に維持されつつ第2変位部材が変位される第1の態様と、駆動ピンが第1溝の作用区間および第2溝の作用区間を変位されることで、第1変位部材および第2変位部材の両者が変位される第2の態様とを形成できると共に、その第1の態様から第2の態様へ円滑に移行することができる。
遊技機A1からA23,B1からB11,C1からC15,D1からD14,E1からE8,F1からF5及びG1からG8のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機K1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA23,B1からB11,C1からC15,D1からD14,E1からE8,F1からF5及びG1からG8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機K2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA23,B1からB11,C1からC15,D1からD14,E1からE8,F1からF5及びG1からG8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機K3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
13 遊技盤
61 内レール
86,2086 センターフレーム
600,3600,4600,5600,6600,7600,18600,19680 左回転ユニット(変位部材)
610 背面ベース(ベース体)
620,18620 正面ベース(ベース体)
620a 傾斜面
621 軸受凹部(歯車受け部)
623 突出部分(歯車受け部)
626 凸条
627 軸受部
628 突出部
630,3630,4630,5630,19630 第1変位部材
631 回転軸
634 当接部
635 第1溝
635a 作用区間
635b 非干渉区間
640,3640,5640,6640,7640,18640,19640 第2変位部材
641,3641,5641,6641,7641,1961 被駆動部材
641b 第2溝
6641c,7641c 連結溝(第3溝)
6641c1 作用区間
6641c2 非干渉区間
3641d,5641d 連結ピン(駆動ピン)
642,18642,19642 連結変位部材
642b 装飾部分
642c 張出部分
643 連結ピン
650 駆動モータ(駆動手段)
651 第1ピニオン(歯車)
652 ラック部材(歯車)
653 第2ピニオン(歯車)
654 伝達部材
654a 回転軸
654b 駆動ピン
654c 凹欠部(凹部)
660,3660,4660,5660,7660 第3変位部材
700,8700,9700,10700,11700,12700,13700,14700,15700,16700,17700 右回転ユニット(変位部材)
710 背面ベース(ベース体)
720,12720,13720,14720,15720,16720,17720 正面ベース(ベース体)
726,12726,14726,15726 ベース側係合部材
726a 基部
726b 屈曲部
727 受入凹部(受入部)
730 第1変位部材
740,12740,16740,17740 第2変位部材
742,13742,16742,17742 変位側係合部材
742a,13742a,16742a,17742a 基部
742b 屈曲部
743 受入凹部
8744a 連結ピン(介設手段、被案内部)
11747 ピニオンギヤ(介設手段)
750 駆動モータ(駆動手段)
754 伝達部材(駆動体)
760 連結第1部材(連結部材)
770,8770,9770 連結第2部材(連結部材)
8773,9773 案内部(介設手段)
11774 ラックギヤ(介設手段)
25817 押し上げ部(排出手段)
821c 送出口
821d 排出口(流入口)
821e 支持軸(回転軸)
824 中間底壁(案内手段)
824a 案内底面(案内手段、転動案内面)
840,20840 シーソー部材
844 受け面
847 爪部
20848 規制部(抑制手段)
850 従動部材(装飾部材)
21870,22870,23870 回転部材(排出手段)
21871 軸支部
21872 受け板(受け部)
21873 押出板(押出部)
24877b カム部(カム、排出手段)
950 側壁部
960 下流壁部
971 凹溝
972 突起
R 領域形成部
L 水平通路の延設長さ
SP1〜SP4 付勢ばね(付勢手段)

Claims (3)

  1. ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される第1変位部材および第2変位部材と、それら第1変位部材および第2変位部材に駆動力を伝達する伝達部材と、その伝達部材に駆動力を付与する駆動手段とを備える遊技機において、
    前記伝達部材は、駆動ピンを備え、
    前記第1変位部材および第2変位部材は、第1溝および第2溝をそれぞれ備え、
    前記第1溝は、前記駆動ピンから作用を受ける作用区間と、前記駆動ピンが干渉しない非干渉区間とを備え、
    前記第2溝は、前記駆動ピンから作用を受ける作用区間を少なくとも備え、
    前記第1溝および第2溝が重ね合わされてそれら第1溝および第2溝に前記駆動ピンが挿通された姿勢で前記第1変位部材および第2変位部材が前記ベース部材に配設されることを特徴とする遊技機。
  2. 前記第2変位部材は、前記第1変位部材の背面に変位可能に配設されると共に前記第2溝が形成される被駆動部材と、その被駆動部に連結されると共に前記第1変位部材の背面に変位可能に配設され装飾部分を有する連結変位部材とを備えることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記第2変位部材は、前記被駆動部材と前記連結変位部材とが重ね合わされた姿勢を形成可能とされることを特徴とする請求項2記載の遊技機。
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